JPWO2016199716A1 - X線ct装置および逐次修正パラメータ決定方法 - Google Patents

X線ct装置および逐次修正パラメータ決定方法 Download PDF

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Abstract

工数や保持するデータ量を増大させることなく高品質な画像と低被ばく化とを両立させる。代表的な撮影条件(以下、代表撮影条件とする)で最適化した逐次修正パラメータのテーブルを保持し、当該テーブルに保持される逐次修正パラメータから、実際の撮影条件において最適化した逐次修正パラメータを決定する。また、パラメータのテーブルとともに、基準とする重みも保持し、画素位置毎の逐次修正パラメータ生成時に当該基準重みも反映する。

Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に係り、特に、CT画像を逐次的に修正する逐次再構成技術に関する。
X線CT装置は、被写体を多方向から撮影して得た測定投影データから被写体内の各点のX線吸収係数(CT値)を算出し、その分布画像(CT画像)を得る。被写体の低被曝化と高画質化とを両立させる技術として、逐次再構成法と呼ばれる手法がある(例えば、特許文献1参照)。逐次再構成法では、X線CT装置で得た測定投影データと、当該測定データから生成したCT画像から算出した計算投影データとが等しくなるよう、計算投影データまたはCT画像を逐次的に修正することにより、低線量でCT画像のノイズを低減する。
逐次再構成法は、従来の解析的にCT値を計算する手法と比較して、反復更新に伴い計算量が増加する。また、膨大なパラメータの最適化等が必要となる。特に、更新中に隣接画素間を平滑化処理してノイズの低減効果を得る。この際、多くのパラメータの設定を必要とする。
この計算量を低減する手法として、逐次修正中に出力されるCT画像のノイズ、ここではCT値のばらつきを表す標準偏差(Standard Deviation、以下、SDとする)の計測値が所望の値に到達した時点で修正を打ち切ったり、パラメータを変更したりする手法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−25868号公報 特許第4535795号公報
特許文献2に開示の技術によれば、逐次修正中のCT画像においてSDを計測する必要がある。SDは、一様なCT値で構成される組織に関心領域(Region of Interest、以下、ROIとする)を設定して計測する必要があるため、撮影対象が異なるCT値で構成される組織の場合、正確に計測することが困難である。
所望のSDとするため、撮影前に予め想定されるX線管や寝台速度等の撮影条件に対して、最適化した再構成パラメータをテーブルに保有する方法が挙げられる。しかし、撮影条件の数は膨大であるため、テーブルの作成に多大な工数がかかる。また、パラメータを保有するテーブル数も増加する。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、工数や保持するデータ量を増大させることなく高品質な画像と低被ばく化とを両立させることを目的とする。
本発明は、代表的な撮影条件(以下、代表撮影条件とする)で最適化した逐次修正パラメータのテーブルを保持し、当該テーブルに保持される逐次修正パラメータから、実際の撮影条件において最適化した逐次修正パラメータを決定する。また、パラメータのテーブルとともに、基準とする重みも保持し、画素位置毎の逐次修正パラメータ生成時に当該基準重みも反映する。
本発明によれば、工数や保持するデータ量を増大させることなく高品質な画像と低被ばく化とを両立できる。
第一の実施形態のX線CT装置各部のハードウェアの構成のブロック図である。 第一の実施形態のX線CT装置の機能ブロック図である。 第一の実施形態の撮影条件受付画面例を説明するための説明図である。 第一の実施形態の逐次再構成部の機能ブロック図である。 第一の実施形態の逐次修正処理のうち、パラメータ決定部およびテーブル部による処理のフローチャートである。 (a)は、第一の実施形態のテーブル計算部による処理を説明するための説明図であり、(b)は、第一の実施形態の基準パラメータ毎のノイズ低減割合の変化の一例を説明するためのグラフである。 第一の実施形態にパラメータテーブルの一例を説明するための説明図である。 (a)は、第一の実施形態の検出素子の重みを、(b)は、基準重み計算部による計算結果を、それぞれ説明するための説明図である。 (a)は、第一の実施形態の、逐次修正処理における更新回数とノイズとの関係を説明するための説明図である。(b)は、第一の実施形態のノイズテーブルの一例を説明するための説明図である。 (a)は、第一の実施形態の重み画像例を、(b)は、第一の実施形態の各画素位置の逐次修正パラメータ例を、それぞれ説明するための説明図である。 第一の実施形態の逐次修正部による逐次修正処理のフローチャートである。 (a)〜(c)は、第一の実施形態の実施例の結果を説明するための説明図である。 第二の実施形態の逐次修正処理のうち、パラメータ決定部およびテーブル部による処理のフローチャートである。 第二の実施形態の補正法ノイズテーブルの一例を説明するための説明図である。 (a)および(b)は、第二の実施形態のノイズ増減比計算手法を説明するための説明図である。 第三の実施形態の逐次修正処理のうち、パラメータ決定部およびテーブル部による処理のフローチャートである。 第四の実施形態の逐次再構成部の機能ブロック図である。 第四の実施形態の代表ノイズ低減割合変換部の処理を説明するための説明図である。 本発明の実施形態の変形例の重み画像を説明するための説明図である。
<<第一の実施形態>>
本発明の第一の実施形態を、図面を用いて説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、基本的に同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[X線CT装置]
まず、本実施形態のX線CT装置について説明する。X線CT装置は、被写体を多方向から撮影して得た測定投影データから被写体内の各点のX線吸収係数を算出し、X線吸収係数分布画像を得る装置である。各点のX線吸収係数は、空気を−1000、水を0として規格化される。以後、規格化されたX線吸収係数をCT値と呼び、X線吸収係数分布画像をCT画像と呼ぶ。
図1に、本実施形態のX線CT装置100のハードウェア構成を示す。また、図2に、本実施形態のX線CT装置100のソフトウェアが実現する機能のブロック図を示す。
これらの図に示すように、本実施形態のX線CT装置100は、入力部110と、撮影部120と、画像生成部130とを備える。
[入力部]
入力部110は、撮影条件を入力する撮影条件入力部211として機能する。本実施形態の撮影条件入力部211は、モニタに撮影条件受付画面を表示し、当該画面を介して撮影条件の入力を受け付け、受け付けた撮影条件を設定する。本実施形態の撮影条件受付画面および当該画面を介して受け付ける撮影条件の詳細は後述する。
また、図1に示すように、入力部110は、汎用のコンピュータが備えるハードウェア構成を有し、入出力インタフェースであるキーボード111やマウス112、データを記憶するメモリ113やHDD(Hard Disk Drive)装置115、演算処理を行う中央処理装置(CPU)114等を備える。さらに、入力部110は、図示を省略したモニタを備える。入力部110内の各構成要素はデータバス116によって接続される。
キーボード111およびマウス112は、撮影条件の入力等を行うために用いられる。なお、撮影条件の入力用として、ペンタブレットやタッチパネル等の他の入力手段を備えていてもよい。キーボード111等により入力されたデータは、処理部であるCPU114に受け渡される。
CPU114は、メモリ113、HDD装置115等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することにより、撮影条件入力部211として機能する。また、CPU114は、別のプログラムを展開・起動することにより、撮影部120に制御信号を送り、撮影部120の撮影制御部221の一部としても機能する。
なお、CPU114が実現する全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアによって実現してもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、メモリ113、HDD装置115等に格納される。
[撮影部]
撮影部120は、図2に示すように、撮影条件入力部211を介して入力された撮影条件に基づいて、各部を制御して撮影を実行する撮影制御部221と、X線の照射および検出を行う信号取得部222として機能する。撮影部120は、これらの機能により、受け付けた撮影条件に応じてX線撮影を行い、測定投影データを得る。
信号取得部222は、図1に示すように、設定された撮影条件に応じてX線を発生するX線発生部121と、被写体101を透過後のX線を検出し、測定投影データを得るX線検出部122と、X線発生部121とX線検出部122とを搭載して被写体101の周囲を回転する機構とを備える。この機構は、ガントリ123と、X線発生部121とX線検出部122とを搭載して被写体101の周囲を回転する回転板124と、被写体101が載置される寝台125が挿入される円形の開口部126と、を備える。
X線発生部121とX線検出部122は、一般的なX線CT装置と同様、被写体101へのX線の照射および被写体101を透過したX線の検出を実現する。X線検出部122は、シンチレータ及びフォトダイオード等から構成される公知のX線検出素子(以下、単に検出素子と呼ぶ)を含み、複数の検出素子が、チャネル方向、すなわち、回転板124の主平面に平行な面内でX線発生部121から等距離の円弧に沿った方向、およびスライス方向、すなわち、被写体101の体軸方向にそれぞれ配列されている。
X線発生部121のX線発生点とX線検出部122のX線入力面との距離の代表例は、1000[mm]である。開口部126の直径の代表例は、700[mm]である。回転板124の1回転の所要時間の代表例は、1.0[s]である。
例えば、チャネル方向の検出素子の数(以下、チャネル数とする)は、1000個である。各検出素子のチャネル方向のサイズの代表例は、1[mm]である。回転板124が1回転する間の撮影回数は、900回であり、回転板124が0.4度回転する毎に1回の撮影が行われる。撮影を行う際の回転板124の角度を、投影角と呼ぶ。なお、各仕様は、上記の値に限定されるものはなく、X線CT装置100の構成に応じて種々変更可能である。
また、撮影制御部221は、図1に示すように、回転板124の回転動作を制御するガントリ制御器127と、X線発生部121およびX線検出部122の動作を制御するX線制御器128と、寝台125の位置を制御する寝台制御器129と、を備える。ガントリ制御器127、X線制御器128、および、寝台制御器129は、CPU114の指示により、各部を制御する。
CPU114は、ユーザから撮影開始の指示を受け付けると、ガントリ制御器127に指示をだし、回転板124の回転を開始させる。回転板124は、駆動モータにより駆動される。回転板124の回転が定速状態に入り、かつ、被写体101の撮影位置への配置が終了した時点で、CPU114は、X線制御器128にX線の照射タイミングを指示し、X線検出部122にX線検出タイミングを指示する。
次に、図2の撮影部120は、撮影条件入力部211が受け付けた撮影条件に応じたX線撮影を行う。ユーザがマウス112やキーボード111等を用いて撮影開始を指示すると、CPU114は、撮影制御部221の寝台制御器129およびガントリ制御器127に出力する。寝台制御器129は、制御信号を受けて、寝台125を回転板124の回転軸方向に移動させる制御を行い、被写体101の撮影部位が、X線発生部121とX線検出部122の間のX線通過範囲、すなわち、撮影位置に一致した時点で、寝台125の移動を停止させる。これにより被写体101の撮影位置への配置が完了する。
また、ガントリ制御器127は、CPU114から撮影開始が指示されると同時に駆動モータを介して回転板124の回転を開始させる。回転板124の回転が定速状態に入り、かつ、被写体101の撮影位置への配置が終了した時点で、CPU114は、X線制御器128にX線発生部121のX線照射タイミング、及び、X線検出部122の撮影タイミングを指示する。X線制御器128は、この指示に従ってX線発生部121からX線を照射させ、X線検出部122は、X線を検出して撮影を開始する。また、X線制御器128は、例えばユーザが設定したX線発生部121の管電圧および管電流時間積により、照射するX線のエネルギースペクトルと出力量を決定する。
なお、ここでは1種類のエネルギースペクトルを有するX線を使用する例について説明したが、本実施形態の構成はマルチエネルギーCTにも適用できる。その場合には、例えば、1回転毎または1回転中に管電圧を高速に切り替えて2種類以上のエネルギースペクトルを有するX線を照射し、撮影データを取得するように制御する。
また、本実施形態のX線CT装置100において、被写体とは撮影対象を意味し、被写体101と、被写体101を支える寝台125とを包含する。なお、被写体101は、人体に限らず、ファントムや機械等の検査対象の物体であってもよい。
[画像生成部]
画像生成部130は、撮影部120で検出した信号(取得した測定投影データ)からCT画像を再構成する。CT画像は、被写体の断層面を体軸方向に重ねて表現される。医療現場において、CT画像の利用は、正確かつ即時に患者の病状を診断できるため、臨床上有用である。しかし、医師の診断に必要な高い画質を得る条件において、被写体は一定量の被曝を伴う。
低被曝化を実現するためにX線量を低くすると、検出した信号に対するノイズの比率が増加する。これにより、誤診断の原因になるライン状のストリークアーチファクトや粒状性のノイズが多く発生する。そのため、低線量撮影時にストリークアーチファクトやノイズを低減することで、画像の高品質化と低被曝化を両立させることが望まれている。
本実施形態の画像生成部130は、これを実現するため、逐次再構成法により、最終的な出力画像を生成する。
これを実現するため、本実施形態の画像生成部130は、図1に示すように、データ収集システム(Data Acquisition System、以下、DAS)131と、データを記憶するメモリ132と、HDD装置134と、演算処理を行う中央処理装置(Central Processing Unit、以下、CPU)133と、処理結果等を表示する表示部(モニタ)135とを備える。これらはデータバス136によって接続される。
画像生成部130は、まず、測定投影データからCT画像(初期画像)を生成する。そして、その初期画像から順投影計算で算出する計算投影データと測定投影データとが等しくなるように、初期画像を逐次再構成(逐次修正)する。
これを実現するため、本実施形態の画像生成部130は、信号取得部222のX線検出部122が検出した信号をディジタル信号に変換するAD変換を行う信号収集部231と、ディジタル信号に変換された測定投影データを補正する補正処理部232と、補正後の測定投影データからCT画像を再構成する逐次再構成部233と、再構成したCT画像を出力する画像表示部234として機能する。
画像生成部130の信号収集部231は、X線検出部122の出力信号をディジタル信号に変換し、メモリ132に保存する。この信号収集部231は、DAS131により実現される。すなわち、撮影部120のX線検出部122で検出された信号は、信号収集部231として機能するDAS131によって収集されて、ディジタル信号に変換され、CPU133に受け渡される。
補正処理部232は、信号収集部231による処理後の測定投影データに対し、X線の検出信号のゼロ値を較正するオフセット補正や、投影角度毎に検出した信号成分のばらつきを補正するリファレンス補正や、検出素子間の感度を補正する公知のエアキャリブレーション処理等の補正を行う。補正後の測定投影データは、逐次再構成部233に送られる。
このように,X線検出部122が得た測定投影データは、逐次修正前に補正処理部232において補正処理を施される。以後、補正後の測定投影データを、測定投影データと呼ぶ。
逐次再構成部233は、測定投影データからCT画像を生成する。このとき、測定投影データから生成したCT画像から順投影計算で求めた計算投影データと測定投影データとの差を低減させるよう、CT画像に対し逐次修正を行う。本実施形態では、CT画像の逐次修正は、所望のノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合を実現するよう行う。ノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合は、逐次修正時に用いるパラメータ(逐次修正パラメータ)の選択により制御される。
逐次再構成部233は、逐次修正において、測定投影データと計算投影データとの差を用いて当該差が小さくなるようにCT画像を修正する計算(第一の計算)と、修正前のCT画像の2以上の画素間のCT値差を用いてCT値差が小さくなるようにCT画像を修正する計算(第二の計算)とを繰り返し行う。
第一の計算として、例えば、Likelihood計算、またはDatafit計算を行う。以下、両者を代表してLikelihood計算と呼ぶ。また、第二の計算として、Prior計算、またはRegularization計算を行う。以下、両者を代表してPrior計算と呼ぶ。逐次修正パラメータは、このPrior計算の係数として用いる。なお、逐次修正パラメータは、Prior計算の係数の代わりにLikelihood計算の係数に用いてもよい。
本実施形態の逐次再構成部233では、代表的な撮影条件(代表撮影条件)において、目標とするノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合と逐次修正パラメータとの関係を予め算出し、保持する。そして、実際の撮影時は、実際の撮影条件(実撮影条件)で指定された(所望の)ノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合を、代表撮影条件でのノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合に換算し、その低減割合に対応する逐次修正パラメータを決定し、逐次修正に用いる。本実施形態の逐次再構成部233による逐次修正処理の詳細は、後述する。
画像表示部234は、逐次再構成部233で逐次修正後のCT画像を、表示する。画像表示部234は、モニタ135により実現される。
なお、補正処理部232および逐次再構成部233は、CPU133が、メモリ132、HDD装置134等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することにより実現される。
すなわち、CPU133は、補正処理部232として信号に対して補正を行い、逐次再構成部233として逐次処理を用いて画像再構成を行う。また、HDD装置134等にデータは保存され、必要に応じて、データは外部へ入出力される。画像再構成により得たCT画像は、画像表示部234として機能する液晶ディスプレイやCRT等のモニタ135に表示される。
なお、CPU133が実現する全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアによって実現してもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、メモリ132、HDD装置134等に格納される。
また、信号収集部231は、信号取得部222が備えてもよい。この場合、撮影部120は、ディジタル信号を出力する。例えば、ネットワークを介して画像生成部130を接続する場合、この構成は好適である。
また、入力部110と画像生成部130とは、独立したハードウェアとしても良いし、これらのハードウェアを共用した構成としても良い。従って、上述のようにCPU133やメモリ132やモニタ135等は入力部110と共用できる。
[撮影条件受付画面]
ここで、撮影条件入力部211がモニタに表示し、撮影条件の入力を受け付ける撮影条件受付画面について説明する。本実施形態の撮影条件受付画面400の例を図3に示す。
本実施形態の撮影条件受付画面400は、照射するX線のエネルギー及び出力量に対応する管電圧、管電流時間積、および、1回転における撮影回数を設定するためのX線条件設定領域410と、再構成画像の範囲を設定するための再構成範囲設定領域420と、逐次再構成に用いる重みを選択するための重み設定領域430と、撮影部位を設定するための撮影部位設定領域440と、所望の画質を選択するための撮影・画像設定領域450と、再構成フィルタを選択するための再構成フィルタ設定領域460と、測定投影データの補正方法を選択するための投影データ補正設定領域470と、投影データから再構成したCT画像(以下、初期画像と呼ぶ。)または逐次修正に使用する測定投影データの範囲を選択するための投影データ範囲設定領域480と、を備える。
ユーザは、モニタに表示される撮影条件受付画面400を見ながら、マウス112やキーボード111等を操作して、X線条件をX線条件設定領域410に、再構成範囲を再構成範囲設定領域420に、重み条件を重み設定領域430に、撮影部位を撮影部位設定領域440に、所望の画質を撮影・画像設定領域450に、再構成フィルタの条件を再構成フィルタ設定領域460に、測定投影データの補正方法を投影データ補正設定領域470に、初期画像または逐次修正に使用する測定投影データの範囲を投影データ範囲設定領域480にそれぞれ設定する。以下、さらに詳しく説明する。
図3では一例として、ユーザによってX線条件設定領域410に、管電圧値120[kV]、管電流時間積200[mAs]、撮影回数900[回/回転]が設定されている例を示す。なお、図3では、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を用いる例について示しているが、2種類以上のX線を用いるマルチエネルギーCTの場合には、管電圧、管電流時間積、及び撮影回数の項目をX線条件設定領域410に追加し、X線の種類ごとに同様に設定する。
再構成範囲設定領域420において、ユーザは、画像再構成を行う領域である再構成範囲(Field of View、以下、FOVとする)を設定する。FOVは、FOVの大きさと中心位置を設定することにより設定される。本実施形態では一例として、FOVを正方形で定義する。図3の例では、FOVは一辺700[mm]が設定され、FOVの中心位置は、X線CT装置100の回転中心と等しい、X=Y=Z=0[mm]に設定される。ただし、FOVは、正方形に限ることはなく、円形、長方形、立方体、直方体、球等の任意の形状に設定することも可能である。この場合も本実施形態の構成を適用できる。
重み設定領域430は、X線検出部122の各検出素子で検出した測定投影データと順投影計算で算出する計算投影データとの差分に付与する重みの種類を設定する。重みの種類は、全ての検出素子のデータに付与する重みを一定にする「一定値」と、検出素子で検出したX線光子数に応じた重みを付与する「検出素子の光子数」の2種類から選択される。なお、X線光子数とは、例えば公知であるフォトンカウンティングタイプの検出素子で検出したX線光子の数や、前述したディジタル信号に変換後の測定投影データから逆対数変換を用いて、検出素子で検出したX線光子の数を推定したものを指す。ここでは、「一定値」が選択されている場合を例示する。以下、本明細書では、各検出素子で検出した測定投影データと順投影計算で算出する計算投影データとの差分に付与する重みを、単に、検出素子の重みと呼ぶ。
撮影部位設定領域440は、撮影部位の選択を受け付ける。本実施形態では、列挙したX線照射対象(頭部、胸部、肺野等の部位や組織)の中から選択を受け付ける、および、X線照射対象を近似した楕円体の条件として数値の指定を受け付ける、のいずれかにより受け付ける。ここでは、列挙したX線照射対象の中から「頭部」が選択されている場合を例示する。
撮影・画像設定領域450は、所望の画質の選択を受け付ける。本実施形態では、例えば、列挙したモードの中から選択を受け付けるとともに、低減割合、あるいはノイズ値を数値で受け付ける。
ここでは、モードとして、所望のノイズ低減割合を達成したCT画像を取得するモード(「固定のノイズ低減割合」)、所望のX線量の低減割合を達成したCT画像を取得するモード(「固定のX線量低減割合」)、および、所望のノイズ値を達成したCT画像を取得するモード(「固定ノイズ値」)が用意され、ユーザは、これらのモードの中から選択するとともに、目標値を指定する。
図3には、所望のノイズ低減割合を達成したCT画像を取得するモードが選択され、その低減割合の目標値は75%である場合を例示する。これは、後述する逐次修正を用いて、初期画像のノイズを75%低減させたCT画像を取得することを示す。
なお、「固定のX線量低減割合」は、指定したX線量低減割合に相当するX線量で撮影した場合に、低減前のX線量で撮影したデータを解析的に再構成することで得られるCT画像と同等の画像ノイズを取得するモードである。また、「固定のノイズ値」は、逐次修正を用いて所望するノイズ値をもつCT画像を取得するモードである。
本実施形態では、後述するように、逐次修正に入力する初期画像を基準としてノイズの低減割合を計算しているが、初期画像とは別に、逐次修正前にX線CT装置100から出力するCT画像(以下、装置出力画像)を基準としてもよい。以降、初期画像と装置出力画像は同様に扱うことが可能なため、装置出力画像の記載を省略し、初期画像に統一し、説明する。
再構成フィルタ設定領域460は、逐次修正時に用いる初期画像に対し適用する再構成フィルタの種類を受け付ける領域である。再構成フィルタは、ノイズ低減量を決定するための基準となる初期画像の画質を決定する。この再構成フィルタは、部位によって定められていることが多いため、ここでは、部位の指定を受け付けることにより、再構成フィルタの種類を受け付ける。一般に、頭部や肺野等の撮影時に用いる再構成フィルタは、高分解能かつ高ノイズのCT画像を取得する効果がある。一方、腹部の撮影時に用いる再構成フィルタは、低分解能かつ低ノイズのCT画像を取得する効果がある。図3では、頭部用のフィルタが指定された場合を例示する。
投影データ補正設定領域470は、初期画像に用いる測定投影データの補正方法の指定を受け付ける領域である。補正効果が大きいほどチャネル方向、投影角度方向、または列方向の検出素子のデータが隣接素子のデータと平滑化処理され、検出素子のデータのノイズを低下できる。ここでは、補正効果をその大きさで段階的に分け、大きさの段階で指定を受け付ける。図3では、補正効果の大きさで補正方法を小、中、大と区分し、大が選択されている場合を例示する。
投影データ範囲設定領域480は、初期画像の生成(再構成)および後述する逐次修正それぞれに使用する測定投影データの範囲の指定を受け付ける領域である。ここでは、投影角度等の指定により、受け付ける。例えば、投影角度180度分の測定投影データ範囲を使用すれば、高い時間分解能を得ることができる。また、投影角度360度分の測定投影データ範囲を使用すると、ノイズを抑えることができる。また、公知であるヘリカルスキャンでは、寝台移動距離[mm]をX線のビーム幅[mm]にて除算したビームピッチに応じて、CT画像の各画素位置で収集される測定投影データの範囲が変わる。その他、CT画像の各画素位置で収集した全てのデータを使用する(最大収集値)といった指定も可能である。図3では、初期画像については、360度分の測定投影データ範囲を使用し、逐次修正においては、全てのデータを使用するよう選択がなされている場合を例示する。
なお、撮影条件受付画面400は、図3の画面構成に限定されない。また、撮影条件受付画面400で設定を受け付けたX線条件、再構成範囲、重みの設定条件、撮影部位の設定条件、撮影・画像条件、再構成フィルタ、投影データの補正方法、および投影データ範囲の組み合わせをHDD装置115に保存してもよい。この場合、次の同条件の撮影時に、ユーザの指示に従って、撮影条件入力部211がHDD装置115から読み出し、使用する。この場合、ユーザが、毎撮影時に、X線条件等を入力する必要はない。また、上記設定条件の組み合わせを予め複数種類、HDD装置115に保存しておき、ユーザが複数種類の中から選択するよう構成してもよい。
[逐次修正処理]
次に、本実施形態の逐次再構成部233による逐次修正処理の詳細を、図4および図5を用いて説明する。
上述のように、本実施形態では、実撮影条件で指定された(所望の)ノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合を、代表撮影条件でのノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合に換算し、その低減割合に対応する逐次修正パラメータを、逐次修正に用いる。なお、固定ノイズ値のモードが選択された場合、初期画像における該当範囲のノイズ値を計測し、所望の固定ノイズ値との割合から実撮影条件で指定された(所望の)ノイズ低減割合あるいはX線量の低減割合を計算する。そして、低減割合に対応する逐次修正パラメータを、逐次修正に用いる。
撮影条件のうち、逐次修正パラメータに影響を与える撮影条件には、図3の撮影条件受付画面400を介して設定される撮影条件のうち、再構成フィルタ設定領域460を介して受け付ける再構成フィルタ、投影データ補正設定領域470を介して受け付ける測定投影データの補正方法、および、投影データ範囲設定領域480を介して受け付ける逐次修正に使用する測定投影データの範囲、が含まれる。
以下、本実施形態では、ユーザが設定する撮影条件(実撮影条件)と代表撮影条件とは、再構成フィルタが異なる場合の換算手法を説明する。
逐次再構成部233は、前述のように、まず、初期画像を順方向に投影計算(以下、順投影計算とする)することにより計算投影データを求める。求めた計算投影データと測定投影データとが等しくなるように、初期画像に対し逐次修正を行い、最終的にCT画像を得る。逐次修正時に用いる逐次修正パラメータは、画素位置毎に異なる重みに応じた最適な値を用いる。この逐次修正パラメータは、代表的な撮影条件(代表撮影条件)において最適化したパラメータ(基準パラメータ)を、撮影時の撮影条件に最適な値に換算することにより、算出する。
なお、逐次修正パラメータは、所望のノイズ低減割合、または、X線量低減割合を達成したCT画像を算出するために、逐次修正時に用いるパラメータである。
これを実現するため、本実施形態の逐次再構成部233は、図4に示すように、代表撮影条件における、ノイズ低減割合と逐次修正パラメータとの関係をテーブルとして保持するとともに、代表撮影条件の画像における基準となる重みを保持するテーブル部310と、実際の撮影時に受け付けた撮影条件に応じて、画素毎の逐次修正に用いる逐次修正パラメータを決定するパラメータ決定部320と、決定した逐次修正パラメータを用いて初期画像を逐次修正する逐次修正部330と、を備える。
[ノイズの低減割合 X線量の低減割合]
各部の説明に先立ち、ノイズの低減割合およびX線量の低減割合について説明する。
本実施形態において、ノイズの低減割合とは、例えば、以下の式(1)に示すように、公知であるFeldkamp法等の解析的な再構成法を用いて再構成した初期画像のノイズを基準として、逐次修正後、CT画像のノイズが低減した割合を百分率で示すものである。
Figure 2016199716
一方、本実施形態において、X線量の低減割合とは、前述した解析的な再構成法を用いて再構成したCT画像と同等な画質を取得する条件の下、逐次再構成により低減可能なX線量の割合を百分率で示す。本実施形態において、画質は任意領域のノイズを示す標準偏差SDを用いて説明しているが、空間分解能等の別の評価指標を用いても構わない。X線量の低減割合は、SDからX線量を近似的に換算可能であるため、下式(2)で表すことができる。
Figure 2016199716
以降、ノイズの低減割合とX線量の低減割合は、式(1)、および式(2)から換算可能であるため、X線量の低減割合の記載を省略し、ノイズの低減割合で代表する。
[テーブル部]
テーブル部310は、代表的な撮影条件である代表撮影条件で取得したCT画像(初期画像)について、逐次修正によりノイズまたはX線量を低減させる割合である低減割合と、当該低減割合を実現する逐次修正に用いるパラメータである基準パラメータとの関係を保存する。低減割合と基準パラメータとの関係は、例えば、ノイズ低減割合を変数とする基準パラメータの関数として予め作成し、メモリ132あるいはHDD装置134に保持する。以下、本明細書では、ノイズ低減割合と基準パラメータとの関係を示す関数を、テーブルと呼ぶ。
また、検出素子毎の重みから算出する重み画像は、画素位置毎に重み値が異なる。従って、撮影条件だけでなく、画像上の画素位置に応じても、所望の画質(ノイズ低減割合、空間分解能など)の画像を得るために最適な逐次修正パラメータが異なる。本実施形態のテーブル部310は、画素位置毎に最適な逐次パラメータを決定するために、基準となる位置の重み(基準重みと呼ぶ)も算出し、保持する。
これを実現するため、本実施形態のテーブル部310は、図4に示すように、テーブル計算部311と、基準重み計算部312と、計算テーブル保存部313と、を備える。各部は、CPU133がプログラムを実行することにより実現されるが、その一部は、メモリ132およびHDD装置134により構成される記憶部上に構築される。
[テーブル計算部]
テーブル計算部311は、事前に取得した代表的なファントムを用いて、基準パラメータの大きさとCT画像のノイズ低減割合との関係を特定する関数(テーブル)を作成する(図5のステップS1101)。テーブルは、実際に当該ファントムのCT画像(初期画像)を逐次修正した結果を用いて算出する。なお、このCT画像は、代表撮影条件で取得する。
テーブル計算部311は、得られた初期画像を、複数の異なる逐次修正パラメータである基準パラメータβを用いて逐次修正する。そして、初期画像のノイズと、逐次修正後のCT画像のノイズとをそれぞれ計測し、基準パラメータβ毎のノイズの低減割合を算出する。ノイズの計測は、予め設定したROI内で行う。
ノイズ、および重みを計測するためのROIは、CT画像の、X線CT装置100の回転中心の位置に設定する。しかしながら、ROIの位置は、これに限定されない。周辺の位置に設定しても構わない。また、中心以外の周辺に位置する複数のROIを設定しても構わない。このとき、ROI毎にノイズを計測し、テーブルを作成してもよいし、複数ROIのノイズの計測値を平均化し、テーブルを作成してもよい。
テーブル計算部311の処理を、図6(a)を用いて説明する。図6(a)は、内部を水で満たした、直径30cm、高さ100cmの円柱ファントムを、代表撮影条件で撮影し、得た断層面のCT画像510である。ノイズを計測するROI511は、上述のように、CT画像510の回転中心に設定される。
テーブル計算部311は、まず、初期画像のROI511内のノイズを計測する。その後、基準パラメータβの値を変えて、それぞれ、逐次修正処理を行い、修正後のCT画像のROI511のノイズを計測する。そして、それぞれ、式(1)に従って、ノイズの低減割合を算出する。
このときの、基準パラメータβの値毎のノイズ低減割合の変化の一例を図6(b)に示す。本図において、512は、計測値であり、各基準パラメータβの値毎の、ノイズ低減割合をプロットしたものである。
テーブル計算部311は、計測値512のプロット結果から、例えば、最小二乗法等を用いて近似曲線513を算出する。そして、この基準パラメータβの値と、ノイズ低減割合との関係を示す近似曲線513を表す関数を、テーブルとして保持する。このテーブルを用いることにより、任意のノイズ低減割合を実現する基準パラメータβを得ることができる。
なお、逐次修正は、上述のように、第一の計算と第二の計算とを繰り返す。その繰返し回数は、予め定められる。そして、同じ逐次修正パラメータであっても、繰返し回数によって、ノイズの低減割合は異なる。従って、テーブル計算部311は、例えば、繰返し回数毎に、上記テーブルを作成してもよい。
上述の手順で、テーブル計算部311が作成したテーブルの一例を図7に示す。ここでは、繰返し回数(更新回数)毎に作成したものを例にあげて説明する。繰返し回数毎に、テーブルを保持するデータベースを、パラメータテーブルと呼ぶ。本図に示すように、パラメータテーブル710は、繰返し回数(更新回数)711毎に、テーブル713を保持する。このとき、代表撮影条件として用いた撮影条件(本実施形態では、再構成フィルタの種類)712も併せて保持してもよい。
なお、ここでは、実際にX線CT装置100を用いて取得したCT画像を用いて、パラメータテーブル710を作成する場合を例にあげて説明したが、パラメータテーブル710の作成手法は、これに限定されない。パラメータテーブル710は、仮想的なX線CT装置によるシミュレーションデータを用いて作成してもよい。
[基準重み計算部]
基準重み計算部312は、検出素子毎の重みに基づいて、CT画像上の予め定めた基準とする領域(基準領域)の画素の重み値を基準重みとして算出する。具体的には、基準重み計算部312は、ユーザが撮影条件として指定可能なFOV、およびFOVの中心位置の条件に応じて、各検出素子の重みW(i)から重み分布(重み画像)W(j)を計算し、基準領域の重みWb(以下、基準重みとする)を取得する(図5のステップS1102)。
なお、検出素子毎の重みは、予め、撮影条件受付画面400の重み設定領域430を介して設定される。また、重み画像W(j)は、検出素子の重みW(i)に対し、公知である再構成フィルタ処理を含まない単純逆投影処理を施すことにより得る、画素毎の重み値の分布である。
例えば、ユーザが指定できるFOVが、FOV=300、500、700[mm]の3種類であり、かつ、FOVの中心位置が、X=Y=Z=0[mm]と、X=30[mm]、Y=Z=0[mm]と、の2種類の場合、合計6通りの基準重みWbを取得する。
基準領域は、テーブル計算部311でノイズ計測に用いたROI511と同じ位置が望ましい。中心以外の周辺に位置する複数のROIを用いても構わない。
図8(a)および図8(b)を用いて、基準重み計算部312の処理を具体例で説明する。
図8(a)に、検出素子の重みW(i)分布を示す。なお、iは、投影角度毎の検出素子それぞれに振られた検出素子番号である。投影角度が異なる場合は、同一チャネルおよび列の検出素子においても、別の検出素子番号とする。ここでは、上述の撮影条件受付画面400の重み設定領域430で、一定値が選択された場合の重みW(i)分布を示す。すなわち、各重みW(i)の値は、全て同じ値である。重みW(i)の値は、例えば、1とする。もちろん、1以外の値であってもよい。
図8(b)は、図8(a)に示す検出素子の重みW(i)分布から作成した、重み画像W(j)である。ここでは、FOVが700[mm]、FOVの中心位置がX=Y=Z=0[mm]と指定された際に取得したCT画像の重み画像W(j)を示す。重み画像W(j)は、各検出素子の重みW(i)に対し、CTの画像再構成と同じ処理を施すことにより得る。なお、jは、画素番号である。
図8(a)に示すように、各検出素子の重みW(i)の値が一定値であるため、重み画像W(j)は、画像中心付近に、円形状にほぼ一定の画素値を有し、画像周辺が視野外のため、0に近い値を有する画像となる。
基準重み計算部312は、基準領域(ROI514)の画素jの重み値W(j)を、以下の式(3)を用いて算出する。画素jの重みW(j)は、図8(b)のROI514内の画素の重み画像を計算した結果である。
Figure 2016199716
ここで、Iは投影角度毎において異なる検出素子番号の総数、Lは、総画素数、lは、更新対象の画素jと検出素子iを結ぶライン上にL個の画素がある場合、それらの画素の番号を表す。C(i,j)は、画素jが検出素子iに寄与する割合を表し、X線検出部122の位置や順投影計算、または、逆投影計算の手法により異なる。
そして、基準重み計算部312は、ROI514内の各画素jの重みW(j)から、基準重みWbを算出する。基準重みWbは、例えば、各画素jの重みW(j)の平均を算出することにより得る。なお、平均値に限らず、W(j)の、最大値、最小値などを基準重みWbとしてもよい。
[計算テーブル保存部]
計算テーブル保存部313は、テーブル計算部311が計算したテーブル713、および、基準重み計算部312が算出した基準重みWbを、メモリ132やHDD装置134等に保存する。保存されたテーブル713および基準重みWbは、パラメータ決定部320が参照する。
なお、テーブル部310の処理は、被写体101の撮影前に行う。なお、X線CT装置100の出荷より前であってもよい。
また、本実施形態では、図7に示すように、実際に逐次修正で用いられる可能性のある各繰返し回数(ここでは、20回、60回、・・・)711についてテーブル713を取得しているが、これに限定されない。2以上の異なる繰返し回数(更新回数)711のテーブル713を取得しておけばよい。この場合、他の繰返し回数のテーブルは、取得した繰返し回数のテーブル713に基づいて、公知の線形補間等で内挿または外挿により得る。これにより、保存するテーブル713の数を低減できる。
本実施形態では、図7に示すように、代表撮影条件の再構成フィルタ712を用いて、繰返し回数(更新回数)711毎に、基準パラメータとノイズ低減割合とを対応づける関数をテーブル713として決定する。しかしながら、代表撮影条件は、これに限定されない。各管電圧、寝台の動作速度等、他の撮影条件または再構成条件に対して、それぞれテーブル(基準パラメータとノイズ低減割合とを対応づける近似曲線)を取得しても良い。なお、更新回数とは、逐次修正の繰返し回数のことである。
本実施形態では、管電圧等の撮影条件、FOV等の再構成条件、および測定投影データの種類に応じて、複数の計算テーブルを保存してもよい。これにより、条件の違いによる逐次修正パラメータの真値との誤差を低減することができる。
[パラメータ決定部]
パラメータ決定部320は、実際の撮影時の撮影条件である実撮影条件における所望の低減割合を、代表撮影条件における低減割合である代表低減割合に変換し、テーブル部310が保存する関係(テーブル)を参照して、当該所望の低減割合を実現する逐次修正パラメータを決定する。実撮影条件は、撮影条件受付画面400で受け付ける。
すなわち、パラメータ決定部320は、実撮影条件として、撮影条件受付画面400で受け付けた撮影条件で、当該撮影条件受付画面400の、撮影・画像設定領域450を介して受け付けたノイズ低減割合(実低減割合)を実現する逐次修正パラメータを決定する。このとき、パラメータ決定部320は、実低減割合を、代表撮影条件のノイズ低減割合(代表低減割合)に換算し、上記テーブル713に従って、逐次修正パラメータを得る。
これを実現するため、本実施形態のパラメータ決定部320は、図4に示すように、撮影条件として設定された所望の低減割合(実ノイズ低減割合)を、代表ノイズ低減割合に変換する代表ノイズ低減割合変換部321と、テーブル部310が保存した関係(テーブル)を参照し、代表ノイズ低減割合に対応する基準パラメータβを決定する計算テーブル参照部322と、各検出素子の重みに基づいてCT画像の各位置(画素)の重みを計算する重み計算部323と、基準パラメータβと各位置の重みとを用いて各位置のパラメータに変換するパラメータ変換部324と、を備える。
以下、本実施形態のパラメータ決定部320の各部の処理の詳細を、図5を用いて説明する。
[代表ノイズ低減割合変換部]
代表ノイズ低減割合変換部321は、代表撮影条件と実撮影条件との差異による、実撮影条件で取得したCT画像のノイズに対する代表撮影条件で取得したCT画像のノイズの比であるノイズ増減比を用いて、撮像条件として設定された所望の低減割合(実ノイズ低減割合)を、代表撮影条件のテーブル713に入力するためのノイズ低減割合(代表低減割合)に変換する(図5のステップS1201、S1202)。以下、変換処理の詳細を説明する。
変換処理の説明に先立ち、繰返し回数(更新回数)とノイズ(SD)との関係を説明する。この関係を図9(a)に示す。図9(a)は、横軸を繰返し回数(更新回数)、縦軸をノイズ(SD)とし、繰返し回数(更新回数)の増加に伴うノイズ(SD)531の変化の様子を示すグラフである。
本図に示すように、ノイズ(SD)は、繰返し回数(更新回数)が増えるにつれて低減し、最終的には、所定の値534に収束する。図9(a)には、一例として、繰返し回数(更新回数)が60回を超えると、ノイズSD531が変化しない収束段階となる場合を例示する。なお、繰返し回数(更新回数)0回は初期画像を意味する。
本実施形態では、同一の逐次修正パラメータを用いる時、初期画像のノイズによらず、逐次修正の収束段階のノイズは等しいものとする。
まず、代表ノイズ低減割合変換部321は、実撮影条件の再構成フィルタで取得したCT画像(初期画像)のノイズ(図9(a)の532)を用い、代表撮影条件で取得するCT画像(初期画像)のノイズ(図9(a)の533)を算出する(ステップS1201)。
ここで、代表ノイズ低減割合変換部321は、まず、実撮影条件の再構成フィルタで取得した初期画像のノイズ(SDAint)532を算出する。算出は、実際に得た初期画像の画素値を用いて行う。そして、撮影・画像設定領域450で設定された実低減割合(RRA%)を用い、逐次修正後の目標ノイズ(SDAtar)を算出する。目標ノイズ(SDAtar)は、以下の式(4)によって算出できる。
SDAtar=SDAint×(100−RRA)/100 ・・・(4)
次に、代表ノイズ低減割合変換部321は、以下の式(5)に示す、代表撮影条件で取得したCT画像のノイズの、実際の撮影条件で取得したCT画像のノイズに対する比であるノイズ増減比を算出する。
Figure 2016199716
本実施形態では、実際の撮影条件と代表撮影条件とは、再構成フィルタのみが異なるものとしている。従って、両画像のノイズの差は、再構成フィルタによる。本実施形態では、図9(b)に示す、再構成フィルタの種類521ごとに、ノイズ(SD)522を保持するフィルタノイズテーブル520を用意し、フィルタ間ノイズ比を算出し、ノイズ増減比とする。
フィルタノイズテーブル520は、使用を想定される再構成フィルタ毎に、同一の対象を前記代表撮影条件で撮影した際の前記CT画像のノイズを保存する。ここでは、各再構成フィルタについて、代表的なファントムを用いて、代表撮影条件で撮影し、SDを計測し、その結果を保存する。図9(b)には、使用を想定される再構成フィルタの種類521として、腹部用、頭部用、胸部肺野用、Ramp、Shepp−loganが保持される場合を例示する。本図に示すように、なお、フィルタノイズテーブル520は、予め作成され、HDD装置134等に保持される。
代表ノイズ低減割合変換部321は、前記フィルタノイズテーブル520を参照し、所望の低減割合(実低減割合)を、代表低減割合に換算する。すなわち、ノイズ増減比(RSD)として、代表撮影条件の再構成フィルタによるノイズ(SDRfil)の、実撮影条件の再構成フィルタによるノイズ(SDAfil)に対するフィルタ間ノイズ比(SDRfil/SDAfil)を算出する。
例えば、代表撮影条件の再構成フィルタの種類521がRampで、実撮影条件の再構成フィルタの種類521が頭部用の場合、フィルタノイズテーブル520の値を用いて算出されるフィルタ間ノイズ比は、20/40=0.5となる。
そして、代表ノイズ低減割合変換部321は、このノイズ増減比(RSD)を用い、式(5)の関係から、代表撮影条件で取得した初期画像のノイズ(SDRint)を算出する。代表撮影条件で取得した初期画像のノイズ(SDRint)は、以下の式(6)で算出できる。
SDRint=RSD×SDAint ・・・(6)
次に、代表ノイズ低減割合変換部321は、代表撮影条件で取得した初期画像のノイズ(SDRint)と、目標ノイズ(SDAtar)とを用い、代表撮影条件におけるノイズ低減割合(代表ノイズ低減割合RRR%)を算出する(ステップS1202)。
代表ノイズ低減割合(RRR)は、以下の式(7)で算出できる。
RRR=(1−SDAtar/SDRint)×100 ・・・(7)
なお、上記では、代表ノイズ低減割合変換部321は、実撮影条件で算出した初期画像のノイズ(SDAint)から初期画像を代表撮影条件で取得した場合のノイズ(SDRint)を算出し、目標ノイズ(SDAtar)とから、代表低減割合(RRR)を算出しているが、この手法に限定されない。
例えば、代表ノイズ低減割合RRRは、実撮影条件として撮影・画像設定領域450を介して設定されたノイズ低減割合(実ノイズ低減割合)と、ノイズ増減比とを用いて、以下の式(8)により算出できる。
Figure 2016199716
上述のように、ノイズ増減比は、フィルタノイズテーブル520から算出できる。従って必ずしも、上述のように、実撮影条件の初期画像のノイズ(SDAint)や、代表撮影条件の初期画像のノイズ(SDRint)を算出しなくてもよく、式(8)により、直接代表ノイズ低減割合を算出してもよい。
例えば、実ノイズ低減割合が75%、代表撮影条件の再構成フィルタの種類521がRampで、実撮影条件の再構成フィルタの種類521が頭部用の場合、代表ノイズ低減割合は、(1−(1−75/100)/0.5)×100=50%となる。
[計算テーブル参照部]
計算テーブル参照部322は、実ノイズ低減割合を変換して得た代表ノイズ低減割合に対応する基準パラメータβをテーブル部310が保存した関係(テーブル)から抽出し、逐次修正パラメータを決定する(図5のステップS1203)。
具体的には、計算テーブル参照部322は、テーブル部310のテーブル計算部311が作成したテーブル713に従って、代表ノイズ低減割合に対応する基準パラメータβを決定する。
例えば、図7のパラメータテーブル710内で、更新回数711が60回に対応づけられるテーブル713の近似曲線が、図6(b)の変化態様を示すものとする。計算テーブル参照部322は、例えば、代表ノイズ低減割合が50%と算出された場合、この近似曲線513に従って、基準パラメータβとして、0.65を得る。
[重み計算部]
重み計算部323は、検出素子毎の重みW(i)に基づいて、CT画像上の画素毎の重みW(j)を計算する。(図5のステップS1204)。重み画像W(j)の算出手法は、基準重み計算部312による算出手法と同様である。ただし、基準重み計算部312は、基準領域部分のみの重み値を算出するが、重み計算部323は、画像内の全領域の重み値を算出する。
従って、例えば、基準重み計算部312が、基準重みを算出する際、全領域の重み値を算出し、それをメモリ132等に保持しておくよう構成し、重み計算部323は、メモリ132等から読み出すよう構成してもよい。
算出した重み画像W(j)を図10(a)に示す。重み画像W(j)は、CT画像の各位置(画素)の重み値を画素値とする画像である。jは、画素番号を示す。上述のように、本実施形態では、各検出素子の重みW(i)の値は一定とする。重み画像W(j)は、この重みW(i)分布から作成するため、各画素位置(例えば、j1、j2)において、画素値(W(j1)、W(j2))は、それぞれ異なる。
[パラメータ変換部]
パラメータ変換部324は、画素j毎の重みW(j)と基準パラメータβとから、画素毎の逐次修正パラメータβ(j)を決定する。
パラメータ変換部324は、基準重み計算部312が算出した基準重みWと、計算テーブル参照部322が特定した基準パラメータβと、重み計算部323が計算した重み画像W(j)とを用いて、下式(9)に従って、各画素位置jの逐次修正パラメータの分布β(j)を計算する。
Figure 2016199716
なお、上述のように、基準重みWは、撮影条件で指定されたFOV、およびFOVの中心位置と同じ条件で算出されたものである。
パラメータ変換部324が計算した、各画素位置jの、逐次修正パラメータの分布β(j)を、図10(b)示す。各画素位置(例えば、j1、j2)において、画素値(W(j1)、W(j2))が異なるため、パラメータβの値(β(j1)、β(j2))も、それぞれ異なる。
[逐次修正部]
逐次修正部330は、パラメータ決定部320で計算した逐次修正パラメータβ(j)を用いて逐次修正(逐次再構成)処理を行う(図5のステップS1300)。本実施形態では、逐次修正部330は、画素j毎に、画素j毎の逐次修正パラメータβ(j)を適用し、逐次修正を行う。
逐次修正部330は、CT画像を計算により順投影して求めた計算投影データと、測定投影データとが近づくように逐次的にCT画像を修正する。このとき、逐次修正パラメータとして、パラメータ決定部320で計算した、各画素位置jの逐次修正パラメータβ(j)(逐次修正パラメータの分布β(j))を用いてCT画像を逐次修正する。これにより、高精度にノイズを除去したCT画像を生成する。
画像を修正するアルゴリズムには、公知の逐次再構成手法を用いることができる。ここでは一例として、SPS(Separable−Paraboloidal−Surrogate)法を用いる場合について説明する。
これを実現するため、逐次修正部330は、解析的再構成部331と、順投影部332と、差分部333と、逆投影処理部334と、Prior計算部335と、画像修正部336と、を備える。以下、逐次修正処理ステップS1300における、各部の処理を、図11に沿って説明する。
解析的再構成部331は、公知のFeldkamp法等の解析的再構成手法を用いて、補正処理部232が補正した測定投影データR(i)からCT画像λk=0(j)を得る(ステップS1301)。なお、kは、逐次再構成の繰返し回数(更新回数、修正回数)を示す0以上の整数であり、k=0は、初期画像を示す。また、jは画素番号で、λ(j)は、更新回数がk回の画像の画素jの画素値を示す。
SPS法では、修正回数が(k+1)回のCT画像λk+1(j)は、k回のCT画像λ(j)を用いて、以下の式(10)で表される。
Figure 2016199716
なお、Jは、総画素数である。iは、検出素子の番号を示し、Iは、総検出素子数である。また、W(i)は、各検出素子の重みである。また、P1およびP2は、それぞれ分子および分母のPriorの計算式を表す。
なお、この逐次再構成法は、一般的な2次元(x、y方向)の断層像だけでなく、1次元データ(x方向)、体軸方向zに像を重ねあわせた3次元データ(x、y、z方向)、また、さらに時間方向tを考慮した4次元データ(x、y、z、t)にも適用可能である。画素番号jは、逐次再構成処理の計算対象の画素を表しており、例えば2次元データの場合、画素番号jの範囲は、(1×1)、(2×1)、…、(X×1)、(1×2)、…、(X×Y)である。X、Yはそれぞれx、y方向の画素数を表す。
以下、式(10)による逐次再構成処理、すなわち、修正回数がk回のCT画像λ(j)を修正し、修正回数が(k+1)回のCT画像λk+1(j)を算出する処理を、ステップ毎に説明する。
逐次修正部330は、繰返し回数(更新回数)が予め定めた回数になるまで、以下の処理を(ステップS1302、S1307)。
順投影部332は、CT画像λ(j)の画素を順投影処理し、計算投影データS(i)を求める(ステップS1303)。計算投影データS(i)は、以下の式(11)を計算することにより、得られる。
Figure 2016199716
式(11)において、lは、修正対象の画素jとi番目の検出素子(検出素子i)とを結ぶライン上にあるL個の画素の番号を表す。C(i、l)は、画素lが検出素子iに寄与する割合を表す。なお、C(i、l)の値は、検出素子の位置や順投影計算、または逆投影計算の手法によって異なる値が設定される。
差分部333は、以下の式(12)に従って、測定投影データR(i)から、計算投影データS(i)を減算し、修正投影データΔRk(i)を求める(ステップS1304)。
Figure 2016199716
Prior計算部335は、以下の式(13)および式(14)に従って、P1およびP2をそれぞれ計算する。なお、ここでは、Ψは、公知であるGeneralized−Geman−Priorの1階導関数を表す。P1、P2は、それぞれ公知であるSurrogate functionを用いた式である。
Figure 2016199716
このときPrior計算部335は、CT画像を構成する画素間のCT値の差分値に対して、逐次修正パラメータを乗算後、Likelihood計算後の修正画像に加算する。この処理は、逐次修正中に画素間のCT値差を小さくすることができ、ノイズを低下させる効果をもつ。
上記式(13)、式(14)において、βは、Priorの強度を示す固定の逐次修正パラメータ(逐次修正パラメータ)である。本実施形態では、βの代わりに、パラメータ決定部320で計算した画素j毎の逐次修正パラメータβ(j)を用いる。また、(λ −λ )は、CT画像λ(j)における、2つの画素のCT値の差分値(λ −λ )を変数とする関数である。
逆投影処理部334は、以下の式(15)により、修正投影データΔR(i)を逆投影処理し、修正画像Δλ(j)を生成する(ステップS1305)。
Figure 2016199716
画像修正部336は、以下の式(16)を計算することにより、修正画像Δλ(j)を用いて修正したCT画像λk+1(j)を求め、繰返し回数(更新回数)(k+1)番目の画像を得る(ステップS1306)。
Figure 2016199716
逐次修正部330は、繰返し回数(更新回数)(k+1)番目の画像を得ると、修正回数kを1インクリメントし(ステップS1307)、ステップS1302へ移行し、インクリメント後の修正回数kが予め設定された修正回数Kと等しくなるまで(ステップS1302)、解析的再構成部331の処理(ステップS1303)から処理を繰り返す。これにより、インクリメント後の修正回数kが予め設定された修正回数Kと等しくなるまで、上記各部による処理が繰り返し行われる。
修正回数kがKに達すると、画像表示部234が得られたCT画像CT画像λ(j)をモニタ135に表示する。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、設定した撮影の条件に応じてX線を発生するX線発生部121と、被写体101を透過後の前記X線を複数の検出素子で検出し、測定投影データを得るX線検出部122と、前記測定投影データから生成したCT画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとが等しくなるように、前記CT画像に対し逐次修正を行う逐次再構成部233を有する画像生成部130と、を備え、前記逐次再構成部233は、代表的な撮影条件である代表撮影条件で取得した前記CT画像について、前記逐次修正によりノイズまたはX線量を低減させる割合である低減割合と、当該低減割合を実現する前記逐次修正に用いるパラメータである基準パラメータとの関係をテーブルとして保存するテーブル部310と、実際の撮影時の撮影条件である実撮影条件における所望の前記低減割合を、前記代表撮影条件における低減割合である代表低減割合に変換し、前記テーブル部310が保存する前記関係を参照して当該所望の低減割合を実現する前記逐次修正パラメータを決定するパラメータ決定部320と、前記パラメータ決定部320で決定した前記逐次修正パラメータを用いて前記逐次修正を行う逐次修正部330と、を備える。
また、前記パラメータ決定部320は、前記代表撮影条件と前記実撮影条件との差異による、前記実撮影条件で取得したCT画像のノイズに対する前記代表撮影条件で取得したCT画像のノイズの比であるノイズ増減比を用いて、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換する代表ノイズ低減割合変換部321と、前記変換後の代表低減割合に対応する基準パラメータを前記テーブルから抽出する計算テーブル参照部322と、前記検出素子毎の重みに基づいて、CT画像上の画素毎の重みを計算する重み計算部323と、前記画素毎の重みと前記基準パラメータとから、画素毎の逐次修正パラメータを決定するパラメータ変換部324と、を備えてもよい。
さらに、前記テーブル部310は、前記検出素子毎の重みに基づいて、CT画像上の予め定めた基準とする領域の画素の重み値を基準重みとして算出する基準重み計算部312をさらに備え、前記パラメータ変換部324は、前記基準重みをさらに用い、前記画素毎の逐次修正パラメータを決定してもよい。
ユーザが設定する撮影条件と前記代表撮影条件とは、再構成フィルタが異なり、前記逐次再構成部233は、前記再構成フィルタ毎に、同一の対象を前記代表撮影条件で撮影した際の前記CT画像のノイズを保存するフィルタノイズテーブル520をさらに備え、前記代表ノイズ低減割合変換部321は、前記フィルタノイズテーブル520を参照し、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換してもよい。
このように、本実施形態によれば、実際の撮影条件の低減割合を、代表撮影条件の低減割合に換算し、実撮影条件において最適な逐次修正パラメータを得る。従って、撮影条件毎に、最適な逐次修正パラメータを保持しておく必要がなく、代表撮影条件についてのみ、最適な逐次修正パラメータを保持しておけばよい。従って、本実施形態によれば、テーブルの作成に要する工数、およびテーブル数を増加させることなく、実撮影条件での最適な逐次修正パラメータを得ることができる。
また、本実施形態では、事前に算出した基準重みWbを用い、各位置の重みに応じた逐次修正パラメータβ(j)を決定する。これにより、逐次修正部330では、各位置におけるPrior計算後のパラメータを決定できるため、CT画像の領域によらず、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得することができる。すなわち、逐次修正部330では、画素毎に最適な逐次修正パラメータβ(j)を用いてCT画像を逐次修正できる。
この結果、本実施形態の画像生成部130では、高精度にノイズを除去したCT画像を生成できる。このCT画像は、逐次再構成により生成されているため、これを投影した計算投影データは、測定投影データとよく一致し、測定投影データを高精度に画像化したCT画像を得ることができる。
また、本実施形態では、ノイズの低減効果は、測定投影データと逐次修正パラメータの設定値に依存することに着目し、事前に計算したテーブルからCT画像の各位置のパラメータを算出して用いる。これにより、逐次修正処理自体を大きく変更することなく、所望するノイズ低減割合、撮影条件、再構成条件、および測定投影データに応じて決定した最適な逐次修正パラメータβ(j)を容易に導入できる。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、逐次再構成(逐次修正)にあたり、画素毎に最適な逐次修正パラメータを用いる。このため、画素毎に異なる重みに応じた最適な逐次修正パラメータを用いて再構成を行うことができる。従って、高い精度で画質の制御を行うことができ、所望するノイズの低減割合を達成した高品質なCT画像を得ることができる。
また、本実施形態では、再構成フィルタに関し、代表的な撮影条件にのみ対応づけて、各画素に最適な逐次修正パラメータを保持する。そして、実際の撮影時は、実際の撮影条件用の値に換算して用いる。従って、メモリ容量も節約できる。
なお、本実施形態では、一周360度分の測定投影データを用いて、CT画像を再構成する場合を例にあげて説明した。しかしながら、これに限定されない。CT再構成手法は、例えば、公知であるハーフ再構成または一周360度分以上の測定投影データを用いる再構成であってもよい。
<実施例>
本実施形態の有効性を検証するため、内部が水で満たされた直径38cm、高さ100cmの円柱ファントムを撮影した。ファントムは、X線CT装置100の回転中心に設置した。
図12(a)は、初期画像611を示し、図12(b)は、従来方式で逐次修正して得たCT画像612を示し、図12(c)は、本実施形態の方式で逐次修正して得たCT画像613を示す。なお、従来方式は、画素位置jによらず同じ逐次修正パラメータβを用いた逐次修正である。また、本実施形態の方式は、画素位置j毎に最適な逐次修正パラメータβ(j)を用いた逐次修正である。図12(a)〜図12(c)の各画像の右下の白枠内は、各再構成画像の中心部を拡大した結果である。また、ウィンドウレベル(以下、WLとする)は0[HU]、ウィンドウ幅(以下、WWとする)は100[HU]とした。
逐次修正には、公知であるサブセット法を用いたOS−SPSを用い、繰返し回数(更新回数)を60回、サブセット数を24に設定した。図3の重み設定領域430で設定する重み条件には、一定値を設定し、所望の撮影・画像条件には、所望するノイズ低減割合として20%を設定した。
従来方式により得たCT画像612は、初期画像611と比較して、ノイズが増加したことがわかる。一方、本実施形態の方式で得たCT画像613は、初期画像611と比較してノイズが低減していることがわかる。また本実施形態の方式で得たCT画像613においては、その中心に設定したROI内のノイズを計測した結果、初期画像611から、約20%、ノイズが低減していた。すなわち、20%のノイズ低減割合を達成した。
このように、本実施形態の方式により、所望するノイズ低減割合を達成したCT画像を取得できることが示された。
<<第二の実施形態>>
次に、本実施形態の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、ユーザが設定する撮影条件(実撮影条件)と代表撮影条件とは、再構成フィルタが異なる。一方、本実施形態では、ユーザが設定する撮影条件(実撮影条件)と代表撮影条件とは、測定投影データに対する補正法が異なる。
本実施形態のX線CT装置は、基本的に第一の実施形態のX線CT装置100と同様の構成を有する。しかしながら、上述のように、実撮影条件と代表撮影条件との間で異なる撮影条件に違いがある。このため、本実施形態では、パラメータ決定部320の代表ノイズ低減割合変換部321の処理が、第一の実施形態と異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
図13に従って、本実施形態のパラメータ決定部320の代表ノイズ低減割合変換部321を説明する。
本実施形態のパラメータ決定部320の代表ノイズ低減割合変換部321は、第一の実施形態同様、実撮影条件で指定されたノイズ低減割合を、代表撮影条件のテーブルに入力するための代表ノイズ低減割合に換算する。
ただし、本実施形態では、第一の実施形態のフィルタノイズテーブル520の代わりに、補正法毎に、基準の補正法に対するノイズ増減比を保存する補正法ノイズテーブルをさらに備える。そして、代表ノイズ低減割合変換部321は、補正法ノイズテーブルを参照し、所望の低減割合(実低減割合)を代表低減割合に変換する(ステップS3201)。
本実施形態の補正法ノイズテーブル540の一例を、図14に示す。本図に示すように、補正法ノイズテーブル540は、測定投影データの補正方法541毎に、基準の補正法に対するノイズ増減比542を格納する。
第一の実施形態の図3に示すように、補正方法は、その効果により大、中、小と区分され、その区分により指定を受け付ける。従って、補正法ノイズテーブル540も、補正方法541として、この区分(補正小、補正中、補正大)が格納される。
ノイズ増減比542は、補正効果小、中、大の各投影データ補正手段を用いて、それぞれ、代表的なファントムのCT画像を取得し、当該CT画像上で計測したSDから算出する。本図に示す補正法ノイズテーブル540は、補正効果小の値を1.0とした時のノイズ増減比を格納したものである。
例えば、撮影条件に用いた投影データの補正手段は補正効果を小、代表撮影条件に用いた投影データの補正手段は補正効果を中とした場合のノイズ増減比として、この補正法ノイズテーブル540から、0.77/1.0=0.77が得られる。
なお、補正法ノイズテーブル540は、予め作成され、HDD装置134等に保持される。
代表ノイズ低減割合変換部321は、このノイズ増減比を用い、第一の実施形態と同様の手法で、式(8)に従って、実ノイズ低減割合を代表ノイズ低減割合に変換する。
例えば、実撮影条件および代表撮影条件の補正効果がそれぞれ小と中であり、実ノイズ低減割合が75%の場合、上記式(8)より、本実施形態の代表ノイズ低減割合は(1−(1−0.75)/0.77)×100=67.5%となる。
他の処理は、第一の実施形態と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、第一の実施形態同様、X線発生部121と、X線検出部122と、逐次再構成部233を有する画像生成部130と、を備える。また、前記逐次再構成部233は、テーブル部310と、パラメータ決定部320と、逐次修正部330と、を備える。そして、前記パラメータ決定部320は、代表ノイズ低減割合変換部321と、計算テーブル参照部322と、重み計算部323と、パラメータ変換部324と、を備えてもよい。また、前記テーブル部310は、基準重み計算部312をさらに備えてもよい。
また、ユーザが設定する撮影条件と前記代表撮影条件とは、測定投影データに対する補正法が異なり、前記逐次再構成部233は、前記補正法毎に、基準の補正法に対するノイズ増減比を保存する補正法ノイズテーブル30をさらに備え、前記代表ノイズ低減割合変換部321は、前記補正法ノイズテーブル540を参照し、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換してもよい。
このように、本実施形態によれば、実際の撮影条件の測定投影データの補正方法が代表撮影条件のそれと異なる場合でも、所望するノイズ低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
すなわち、本実施形態によれば、実撮影条件が代表撮影条件と異なる場合であっても、第一の実施形態同様、実撮影条件の低減割合を代表撮影条件の低減割合に換算し、最適な逐次修正パラメータを得る。従って、第一の実施形態同様、テーブルの作成に要する工数、およびテーブル数を増加させることなく、実撮影条件での最適な逐次修正パラメータを得ることができる。
また、第一の実施形態同様、画素毎に最適な逐次修正パラメータβ(j)を用いて逐次修正できる。従って、所望のノイズ低減割合を実現した、高品質なCT画像を得ることができる。
なお、本実施形態によれば、実際の撮影条件のノイズ(SD)を計算することなく、補正法ノイズテーブル540を用いてノイズ増減比を取得する。しかし、これに限定されない。本実施形態においても、第一の実施形態同様、実撮影条件および代表撮影条件それぞれの補正手段を用いてCT画像を取得し、予め定めた領域(ROI)のSDをそれぞれ計測し、その結果を用いてノイズ増減比を算出してもよい。
図15(a)および図15(b)に、それぞれ、実撮影条件および代表撮影条件で指定された補正手段を用いて測定投影データを補正し、その結果から得たCT画像630、640を示す。ファントム中心のROI631、641は、それぞれSD計測に用いた領域である。この計測結果から、式(5)に従って、ノイズ増減比を計算する。
なお、SD計測に用いる領域は、ファントム中心の領域621、631に限定されない。画像630および画像640の同位置の領域であればよく、例えば、周辺の領域632と642、領域633と643、であってもよい。
さらに、ノイズ増減比は、各画像で一様に設定する必要はない。位置毎に、独立にノイズ増減比を求めてもよい。すなわち、上記例では、領域631、641におけるノイズ増減比、領域632、642におけるノイズ増減比、領域633、643におけるノイズ増減比を、それぞれ算出してもよい。
さらに、本実施形態においても、第一の実施形態同様、CT再構成手法は、例えば、公知であるハーフ再構成または一周360度分以上の測定投影データを用いる再構成であってもよい。
<<第三の実施形態>>
本発明の第三の実施形態を説明する。第一の実施形態では、ユーザが設定する撮影条件(実撮影条件)と代表撮影条件とは、再構成フィルタが異なる。一方、本実施形態では、ユーザが設定する撮影条件(実撮影条件)と代表撮影条件とは、CT画像生成に用いる測定投影データの範囲および逐次修正に用いる測定投影データの範囲が異なる。
本実施形態のX線CT装置は、基本的に第一の実施形態のX線CT装置100と同様の構成を有する。しかしながら、上述のように、実撮影条件と代表撮影条件との間で異なる撮影条件に違いがある。このため、本実施形態では、パラメータ決定部320の代表ノイズ低減割合変換部321の処理が、第一の実施形態と異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成を中心に説明する。
図16に従って、本実施形態のパラメータ決定部320の代表ノイズ低減割合変換部321を説明する。
本実施形態においても、パラメータ決定部320の代表ノイズ低減割合変換部321は、第一の実施形態同様、実撮影条件で指定されたノイズ低減割合を、代表撮影条件のテーブルに入力するための代表ノイズ低減割合に換算する。ただし、本実施形態では、第一の実施形態のように、フィルタノイズテーブル520を備えない。
すなわち、本実施形態の代表ノイズ低減割合変換部321は、実撮影条件および代表撮影条件それぞれにおけるCT画像生成時に用いる測定投影データ範囲と、逐次修正に用いる測定投影データ範囲とを用い、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換する(ステップS4201)。
なお、測定投影データ範囲とは、上述のように、初期画像の生成および逐次修正による再構成に用いる測定投影データの範囲であり、投影角度で指定される。
投影データ範囲が360度と指定された場合に得られるCT画像のSDを1とすると、投影データがANG度と指定された場合に得られるCT画像のSDは、以下の式(17)で表される。
SD=√(360/ANG) ・・・(17)
例えば、全ての投影データの範囲に対して、投影角度方向、検出素子のチャンネル方向、または、検出素子のスライス列方向にデータを使用する割合である重みが等しい場合、投影データ範囲が180度と指定された場合に得られるCT画像のSDは、√2倍に、また、270度と指定された場合は、1.15倍に増加する。一方、CT画像の投影データの範囲に対して、各方向にデータを使用する割合である重みを変更した場合は、重みを考慮したSDの増加量を計算する必要がある。
代表ノイズ低減割合変換部321は、以下の式(18)を用いて、ノイズ増減比を算出する。
Figure 2016199716
なお、初期投影データ範囲は、初期画像生成時の測定投影データ範囲であり、逐次修正投影データ範囲は、逐次修正時に用いる測定投影データ範囲である。また、ヘリカルスキャンでは、CT画像の各画素位置で収集される測定投影データの範囲が変わるため、CT画像の中心位置のノイズ増減比を代表値として計算してもよいし、各画素位置のノイズ増減比を計算してもよい。
例えば、実撮影条件における、初期画像生成に用いる測定投影データ範囲を180度、逐次修正に用いる測定投影データ範囲を360度とし、代表撮影条件における、初期画像生成に用いる測定投影データ範囲を360度、逐次修正に用いる測定投影データ範囲を360度とする。この場合、式(18)により算出されるノイズ増減比は、(1/√2)×(1/1)=1/√2である。
代表ノイズ低減割合変換部321は、このノイズ増減比を用い、第一の実施形態と同様の手法で、式(8)に従って、実ノイズ低減割合を代表ノイズ低減割合に変換する。
すなわち、本実施形態の代表ノイズ低減割合変換部321は、実撮影条件に用いた初期投影データ範囲に対する、代表撮影条件の初期投影データ範囲の割合、および、代表撮影条件の逐次修正投影データ範囲に対する実撮影条件の逐次修正投影データ範囲の割合を計算し、これらを乗算し、ノイズ低減割合を得る。そして、得られたノイズ低減割合を用いて、代表撮影条件の初期画像のノイズ、および、実撮影条件の逐次修正後のCT画像のノイズ(目標ノイズ)を計算する。
このとき、代表ノイズ低減割合変換部321は、CT画像の投影データの範囲に対して、投影角度方向、検出素子のチャンネル方向、または、検出素子のスライス列方向にデータを使用する割合である重みを寄与するよう構成してもよい。
他の処理は、第一の実施形態と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、第一の実施形態同様、X線発生部121と、X線検出部122と、逐次再構成部233を有する画像生成部130と、を備える。また、前記逐次再構成部233は、テーブル部310と、パラメータ決定部320と、逐次修正部330と、を備える。そして、前記パラメータ決定部320は、代表ノイズ低減割合変換部321と、計算テーブル参照部322と、重み計算部323と、パラメータ変換部324と、を備えてもよい。また、前記テーブル部310は、基準重み計算部312をさらに備えてもよい。
ユーザが設定する撮影条件と前記代表撮影条件とは、前記CT画像生成に用いる前記測定投影データの範囲および逐次修正に用いる前記測定投影データの範囲が異なり、前記代表ノイズ低減割合変換部321は、前記ユーザが設定する撮影条件および前記代表撮影条件それぞれにおける前記CT画像生成時に用いる測定投影データ範囲と逐次修正に用いる前記測定投影データ範囲とを用い、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換してもよい。
このように、本実施形態によれば、実際の撮影条件で、代表撮影条件と異なる投影データの範囲が使用される場合でも、所望するノイズ低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
すなわち、本実施形態によれば、実撮影条件が代表撮影条件と異なる場合であっても、第一の実施形態同様、実撮影条件の低減割合を代表撮影条件の低減割合に換算し、最適な逐次修正パラメータを得る。従って、第一の実施形態同様、テーブルの作成に要する工数、およびテーブル数を増加させることなく、実撮影条件での最適な逐次修正パラメータを得ることができる。
また、第一の実施形態同様、画素毎に最適な逐次修正パラメータβ(j)を用いて逐次修正できる。従って、所望のノイズ低減割合を実現した、高品質なCT画像を得ることができる。
なお、本実施形態では、上記式(18)により、ノイズ増減比を計算したが、この手法に限定されない。例えば、予め、使用する測定投影データ範囲の組み合わせに応じたテーブルを作成し、それを参照するよう構成してもよい。
なお、公知である重み付き解析的再構成のように、投影角度毎に逆投影に寄与する重みを変える場合、同様にして各投影角度の重みから相対的なSDの増減比を計算する必要がある。この場合、投影角度の方向だけでなく、チャネル方向またはスライス方向に重みを変える場合も、同様にして相対的なSDの増減比を計算する必要がある。
<<第四の実施形態>>
次に、本発明の第四の実施形態を説明する。上記各実施形態では、逐次修正の収束段階のノイズが等しいことを前提とする。しかしながら、実際には、設定される更新回数によっては、収束段階に達しないこともある。そこで、本実施形態では、更新回数を予め定め、実撮影条件で得た初期画像が、その繰返し回数(更新回数)で収束段階のノイズに到達しない場合、逐次修正処理前に、ユーザに通知する。
本実施形態のX線CT装置は、基本的に第一の実施形態のX線CT装置100と同一の構成を有する。ただし、上述のようにユーザに通知する必要があるため、本実施形態の逐次再構成部233は、図17に示すように、さらに、適否判別部341と判別結果通知部342と、を備える。
[適否判別部]
適否判別部341は、実撮影条件に従って得た測定投影データから生成したCT画像(初期画像)の適否を判別する。そして、適否判別部341は、逐次修正において、CT画像(初期画像)が、予め定めた繰り返し回数内で収束しないと判別した場合、不適と判別する。すなわち、与えられた初期画像が、上記各実施形態の手法で逐次修正処理が可能な初期画像であるか否かを判別し、否である場合、その旨、ユーザに通知する。
判別は、与えられた初期画像のノイズと、収束段階のノイズ(以下、収束ノイズ)とから得られる実ノイズ低減割合に応じて行う。すなわち、この実ノイズ低減割合が、所定回数で収束ノイズとならない場合、適否判別部341は、否と判別する。
適否判別部341は、予め定めた前記低減割合の閾値によって適否を判別する。判定の基準とする閾値は、更新回数に応じて予め設定する。設定する閾値は、所定回数で、初期画像のノイズが収束段階のノイズとなる、ノイズ低減割合の上限値(最大閾値TH%)および下限値(最小閾値TL%)である。
適否判別部341は、実際に初期画像が与えられた際、当該初期画像のノイズと収束段階のノイズとから、そのノイズ低減割合(A%)を算出し、それが最大閾値THと最小閾値TLとの間であるか否かを判別し、両閾値外である場合、その旨、ユーザに通知する。すなわち、TL≦A≦THの場合、処理可能初期画像と判別し、A<TL、または、A>THの場合、否と判別する。
判定に用いる閾値(THおよびTL)は、例えば、図6(a)に示すように、事前に代表的なファントムを用いて、複数の異なる基準パラメータβを用いて逐次修正した結果から求める。
具体例で説明する。図18は、代表的な逐次修正パラメータを用いた時の、ノイズの変化を示すグラフ552である。横軸は各繰返し回数(更新回数)であり、縦軸はノイズを示すである。なお、繰返し回数(更新回数)0回は、初期画像を意味する。また、グラフ552では、繰返し回数(更新回数)60回以上でSDが変動しない収束段階となる。収束ノイズは554とする。
このとき、与えられた初期画像のノイズ553と収束ノイズ554とから算出されるノイズ低減割合A%が、最大閾値TH%より大きい場合、繰返し回数(更新回数)60回で収束段階のノイズに到達しない。本実施形態の適否判別部341は、A%とTH%とを比較し、判定を行い、ノイズ低減割合が、予め定めた最大閾値TH%より大きい場合、不適(否)と判別する。
例えばグラフ555は、ノイズ低減割合B%が最大閾値TH%以上となる初期画像を用いた為、繰返し回数(更新回数)60回で収束ノイズ554に到達しない。
反対に、初期画像のノイズが556である場合、このノイズ556と収束ノイズ554とから決定するノイズ低減割合C%が、最小閾値TL%以下の場合も、同様に繰返し回数(更新回数)60回で収束ノイズ554に到達しない。この場合も、適否判別部341は、不適(否)と判別する。
[判別結果通知部]
判別結果通知部342は、適否判別部341よる判別結果が不適な場合、ユーザに通知する。ユーザへの通知は、例えば、エラーメッセージなどの表示とする。しかしながら、これに限定されない。例えば、表示等による出力ではなく、操作を停止するといった処理を行うことにより、ユーザに通知してもよい。
さらに、初期画像を、閾値内に納まる初期画像に変更するようユーザに通知してもよいし、自動的に変更するよう構成してもよい。
例えば、自動的に変更するよう構成する場合、逐次再構成部233は、判別結果通知部342に加え、あるいは、判別結果通知部342の代わりに、画像変更部343を備える。
画像変更部343は、適否判別部341による判別結果が不適な場合、CT画像(初期画像)を変更する。このとき、画像変更部343は、低減割合が閾値内であって、判別対象のCT画像(初期画像)の低減割合に最も近いCT画像に変更する。すなわち、変更する初期画像は、ノイズ低減割合が、閾値内に納まる初期画像で、初期画像のノイズが最も近いものとする。
また、本実施形態では、1種類の繰返し回数(更新回数;60回)について、閾値を保持しておく場合を例にあげて説明したが、これに限定されない。例えば、繰返し回数(更新回数)100回、200回等、複数種類の繰り返し回数について、それぞれ、閾値を保持しておくよう構成してもよい。
以上説明したように、本実施形態のX線CT装置100は、第一の実施形態同様、X線発生部121と、X線検出部122と、逐次再構成部233を有する画像生成部130と、を備える。また、前記逐次再構成部233は、テーブル部310と、パラメータ決定部320と、逐次修正部330と、を備える。そして、前記パラメータ決定部320は、代表ノイズ低減割合変換部321と、計算テーブル参照部322と、重み計算部323と、パラメータ変換部324と、を備えてもよい。また、前記テーブル部310は、基準重み計算部312をさらに備えてもよい。
前記逐次再構成部233は、前記測定投影データから生成したCT画像の適否を判別する適否判別部341をさらに備え、前記適否判別部341は、前記逐次修正において、前記CT画像が、予め定めた繰り返し回数内で収束しないと判別した場合、不適と判別してもよい。また、前記逐次再構成部233は、前記適否判別部341による判別結果が不適な場合、ユーザに通知する判別結果通知部342、および、前記適否判別部341による判別結果が不適な場合、前記CT画像を変更する画像変更部343の少なくとも一方をさらに備えてもよい。
このように、本実施形態によれば、実撮影条件で得た初期画像が、予め定めた更新回数で、収束段階のノイズに到達しない場合、ユーザに通知する。そして、ユーザは、撮影条件等を変更し、初期画像を、予め定めた更新回数で収束段階のノイズに到達するものに変更することができる。あるいは、初期画像が、自動的に、予め定めた更新回数で収束段階のノイズに到達するものに変更される。
従って、本実施形態によれば、上記第一から第三の実施形態で説明した手法を用いるにあたり、初期画像が必ず、必要な条件を満たすことになる。よって、本実施形態によれば、確実に所望のノイズ低減割合を実現した、高品質のCT画像を得ることができる。
特に、画像変更部343を備える場合、実撮影条件で得た初期画像に近いノイズをもつ画像を用いて逐次修正を実施することで、実撮影条件の初期画像の画質に近く、かつ所望のノイズ低減割合の画像を取得できる。
<重み条件の変形例>
なお、上記各実施形態では、全ての検出素子の重みを一定にした場合を例にあげて説明した。しかしながら、これに限定されない。例えば、重み設定領域430を介して、検出素子で検出した光子数に応じた重みを用いてもよい。
この場合、重み条件が異なるため、基準重み計算部312、重み計算部323およびパラメータ変換部324の処理が異なる。
[基準重み計算部]
上記各実施形態では、各検出素子の重みを一定としていたため、重み画像は、W(j)と算出される。しかしながら、本変形例では、各検出素子の重みを、光子数に応じたものとする。各検出素子iの重みをW(i)とする。
本変形例の基準重み計算部312は、この各検出素子iの重みW(i)に、上記実施形態同様、CTの画像再構成と同じ処理を施し、基準領域の各画素位置の重みWIP(j)を得る。そして、上記各実施形態同様、各重み値から得た平均値、最大値、最小値等の値を、基準重みWbとする。なお、jは、画素位置を表す。
[重み計算部]
本変形例の重み計算部323は、この各検出素子iの重みW(i)に、上記実施形態同様、CTの画像再構成と同じ処理を施し、重み画像WIP(j)を得る。
[パラメータ変換部]
本変形例のパラメータ変換部324は、上記各実施形態と同様の手法で算出された基準パラメータβと、本変形例の手法で算出した基準重みWと、各画素位置の重み値WIP(j)と、を用いて、以下の式(19)に従って、本変形例の逐次修正パラメータの分布βIP(j)を算出する。
Figure 2016199716
なお、逐次修正部330は、この算出された各画素位置jの逐次修正パラメータβIP(j)を用い、逐次修正を行う。逐次修正処理の詳細は、上記実施形態と同様である。
図19に、水で満たされた直径30cm、高さ100cmの円柱ファントムを撮影した結果から、検出素子の光子数を用いて計算した重み画像WIP(j)620を示す。ファントムは、回転中心から下に10cm移動させた位置に配置した。本図に示すように、各位置j1、およびj2の重み画像WIP(j1)、およびWIP(j2)は、異なる値をもつ。
このように、重み条件として、検出素子の光子数を設定した場合であっても、逐次修正時の重みとして、位置(画素)毎の重み値(各位置のパラメータβ画像βIP(j))を用いることにより、所望のノイズ低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
<その他の変形例>
上記実施形態1−4は、組み合わせて用いることができる。組み合わせることにより、実撮影条件と、代表撮影条件と複数の条件が異なる場合であっても、上記各実施形態の手法で、実撮影条件の所望のノイズ低減割合を、代表撮影条件の目標ノイズ低減割合に換算し、簡易な構成で所望のノイズ低減割合を実現することができる。
また、上記第一から第三の実施形態では、実撮影条件と異なる撮影条件として、再構成フィルタ、測定投影データに対する補正法、測定投影データ範囲を取り上げて説明した。しかし、異なる撮影条件は、これらに限定されない。撮影条件を変化させることによるノイズの変化量を把握可能な撮影条件であれば、どのような撮影条件であっても対応できる。
また、上記各実施形態および変形例では、計算時間の短縮の為、テーブル部310およびパラメータ決定部320の処理を、予め実施する場合を例にあげて説明した。しかしながら、テーブル部310およびパラメータ決定部320による処理は、必ずしも事前に実施する必要はない。逐次修正部330による処理の前であれば、ユーザが指定した撮影条件、または再構成条件に応じて、撮影時、または画像生成時に実施してもよい。
また、例えば、重み計算部323およびパラメータ変換部324を、Prior計算部335の一部として加えてもよい。このとき、式(9)に示す重み画像W(j)は、式(15)右辺の分母のP2以外の部分である、以下の項(20)と等価である。
Figure 2016199716
従って、Prior計算部335では、式(9)のβ(j)を、式(15)(式(13)および式(14))のβに代入することにより、重み計算部323、およびパラメータ変換部324を省略することができる。これにより、重複するW(j)の重み計算に要する計算量を削減できる。
また、上記各実施形態および変形例において、入力部110および画像生成部130は、撮影部120を備える本体装置(X線CT装置100)と必ずしも一体に構成する必要はなく、撮影部120とは独立した情報処理装置上に構築されてもよい。この場合、当該情報処理装置と、X線CT装置100とは、ネットワークを介して接続してもよい。また、画像生成部130のみを、測定投影データを処理する処理装置として、独立した情報処理装置上に構築してもよい。
この場合、X線CT装置100は、逐次修正を終えたCT画像を、ネットワークアダプタを用いて、ローカルエリアネットワーク、電話回線、インターネット等のネットワークを介して外部の端末に送信可能なよう構成する。
また、上記各実施形態および変形例では、画質を制御する逐次修正パラメータとして、平滑化項の係数であるβ(β(j))を用いているが、これに限定されない。逐次修正パラメータは、Likelihood計算とPrior計算との割合を決定するパラメータであれば、Likelihood計算の係数、または二つの計算の係数を用いてもよい。
また、上述の式(10)で示した逐次再構成手法は一例であり、これに限定されない。公知であるOS−SPS、OS−SPS−TV、PWLS、OS−PWLS、ASIRT、MSIRT、GRADY、CONGR、ART、SART、SART−TV、OS−SART、OS−SART−TV、ML−EM、OS−EM、FIRA、RAMLA、DRAMA等、他の手法を用いてもよい。
また、上記各実施形態および変形例では、寝台125およびガントリ123が静止した状態であるコンベンショナルスキャン方式で測定投影データを取得する場合を例にあげて説明したが、これに限定されない。例えば、寝台125の動作と停止を一定間隔で順に繰り返しながらコンベンショナルスキャンを行うステップアンドシュート方式や、寝台125を動かしながら撮影する螺旋スキャン方式でであってもよい。
更に、上記各実施形態および変形例では、一例として生体用のX線CT装置100を例にあげて説明したが、爆発物検査や製品検査等の非破壊検査を目的としたX線CT装置であってもよい。
また、上記各実施形態および変形例では、一例として公知の第3世代のマルチスライスX線CT装置100を例にあげて説明したが、X線CT装置は、公知の第1、第2、第4世代のX線CT装置であってもよい。また、公知のシングルスライスX線CT装置やエレクトロンビームCTであってもよい。
100…X線CT装置、101…被写体、110…入力部、111…キーボード、112…マウス、113…メモリ、114…CPU、115…HDD装置、116…データバス、132…メモリ、120…撮影部、133…CPU、121…X線発生部、122…X線検出部、123…ガントリ、124…回転板、125…寝台、126…開口部、127…ガントリ制御器、128…X線制御器、129…寝台制御器、130…画像生成部、131…DAS、132…メモリ、133…CPU、134…HDD装置、135…モニタ、136…データバス、211…撮影条件入力部、221…撮影制御部、222…信号取得部、231…信号収集部、232…補正処理部、233…逐次再構成部、234…画像表示部、310…テーブル部、311…テーブル計算部、312…基準重み計算部、313…計算テーブル保存部、320…パラメータ決定部、321…代表ノイズ低減割合変換部、322…計算テーブル参照部、323…重み計算部、324…パラメータ変換部、330…逐次修正部、331…解析的再構成部、332…順投影部、333…差分部、334…逆投影処理部、335…Prior計算部、336…画像修正部、400…撮影条件受付画面、410…X線条件設定領域、420…再構成範囲設定領域、430…重み設定領域、440…撮影部位設定領域、450…撮影・画像設定領域、460…再構成フィルタ設定領域、470…投影データ補正設定領域、480…投影データ範囲設定領域、510…CT画像、511…ROI、512…計測値、513…近似曲線、514…ROI、520…フィルタノイズテーブル、521…再構成フィルタの種類、531…ノイズ、532…実撮影条件による初期画像のノイズ、533:代表撮影条件による初期画像のノイズ、534:ノイズの収束値、540:補正法ノイズテーブル、541:測定投影データの補正方法、542:ノイズ増減比、552:ノイズの変化グラフ、553:初期画像のノイズ、554:収束ノイズ、555:ノイズの変化グラフ、556:初期画像のノイズ、611…初期画像、612…CT画像、613…CT画像、620:重み画像、630:CT画像、631:領域、632:領域、633:領域、640:CT画像、641:領域、642:領域、643:領域、710…パラメータテーブル、711…更新回数、712…再構成フィルタ、713…テーブル

Claims (11)

  1. 設定した撮影の条件に応じてX線を発生するX線発生部と、
    被写体を透過後の前記X線を複数の検出素子で検出し、測定投影データを得るX線検出部と、
    前記測定投影データから生成したCT画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとが等しくなるように、前記CT画像に対し逐次修正を行う逐次再構成部を有する画像生成部と、を備え、
    前記逐次再構成部は、
    代表的な撮影条件である代表撮影条件で取得した前記CT画像について、前記逐次修正によりノイズまたはX線量を低減させる割合である低減割合と、当該低減割合を実現する前記逐次修正に用いるパラメータである基準パラメータとの関係をテーブルとして保存するテーブル部と、
    実際の撮影時の撮影条件である実撮影条件における所望の前記低減割合を、前記代表撮影条件における低減割合である代表低減割合に変換し、前記テーブルを参照して当該所望の低減割合を実現する前記逐次修正パラメータを決定するパラメータ決定部と、
    前記パラメータ決定部で決定した前記逐次修正パラメータを用いて前記逐次修正を行う逐次修正部と、を備えること
    を特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1記載のX線CT装置であって、
    前記パラメータ決定部は、
    前記代表撮影条件と前記実撮影条件との差異による、前記実撮影条件で取得したCT画像のノイズに対する前記代表撮影条件で取得したCT画像のノイズの比であるノイズ増減比を用いて、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換する代表ノイズ低減割合変換部と、
    前記変換後の代表低減割合に対応する基準パラメータを前記テーブルから抽出する計算テーブル参照部と、
    前記検出素子毎の重みに基づいて、CT画像上の画素毎の重みを計算する重み計算部と、
    前記画素毎の重みと前記基準パラメータとから、画素毎の逐次修正パラメータを決定するパラメータ変換部と、を備えること
    を特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項2記載のX線CT装置であって、
    前記検出素子毎の重みに基づいて、CT画像上の予め定めた基準とする領域の画素の重み値を基準重みとして算出する基準重み計算部をさらに備え、
    前記パラメータ変換部は、前記基準重みをさらに用い、前記画素毎の逐次修正パラメータを決定すること
    を特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項2記載のX線CT装置であって、
    ユーザが設定する撮影条件と前記代表撮影条件とは、再構成フィルタが異なり、
    前記逐次再構成部は、前記再構成フィルタ毎に、同一の対象を前記代表撮影条件で撮影した際の前記CT画像のノイズを保存するフィルタノイズテーブルをさらに備え、
    前記代表ノイズ低減割合変換部は、前記フィルタノイズテーブルを参照し、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換すること
    を特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項2記載のX線CT装置であって、
    ユーザが設定する撮影条件と前記代表撮影条件とは、測定投影データに対する補正法が異なり、
    前記逐次再構成部は、前記補正法毎に、基準の補正法に対するノイズ増減比を保存する補正法ノイズテーブルをさらに備え、
    前記代表ノイズ低減割合変換部は、前記補正法ノイズテーブルを参照し、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換すること
    を特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項2記載のX線CT装置であって、
    ユーザが設定する撮影条件と前記代表撮影条件とは、前記CT画像生成に用いる前記測定投影データの範囲および逐次修正に用いる前記測定投影データの範囲が異なり、
    前記代表ノイズ低減割合変換部は、前記ユーザが設定する撮影条件および前記代表撮影条件それぞれにおける前記CT画像生成時に用いる測定投影データ範囲と逐次修正に用いる前記測定投影データ範囲とを用い、前記所望の低減割合を前記代表低減割合に変換すること
    を特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項1記載のX線CT装置であって、
    前記逐次再構成部は、前記測定投影データから生成したCT画像の適否を判別する適否判別部をさらに備え、
    前記適否判別部は、前記逐次修正において、前記CT画像が、予め定めた繰り返し回数内で収束しないと判別した場合、不適と判別すること
    を特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項7記載のX線CT装置であって、
    前記逐次再構成部は、前記適否判別部による判別結果が不適な場合、ユーザに通知する判別結果通知部、および、前記適否判別部による判別結果が不適な場合、前記CT画像を変更する画像変更部の少なくとも一方をさらに備えること
    を特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項2記載のX線CT装置であって、
    前記検出素子毎の重みの値は、一定および各前記検出素子で検出した光子数に比例した値のいずれかであること
    を特徴とするX線CT装置。
  10. 設定した撮影の条件に応じてX線を発生するX線発生部と、被写体を透過後の前記X線を複数の検出素子で検出し、測定投影データを得るX線検出部と、前記測定投影データから生成したCT画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとが等しくなるように、前記CT画像に対し逐次修正を行う逐次再構成部を有する画像生成部と、を備えるX線CT装置における、前記逐次修正に用いる逐次修正パラメータ決定方法であって、
    実際の撮影条件における、前記逐次修正による前記CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合である低減割合を、予め定めた代表的な撮影条件である代表撮影条件における前記低減割合に換算し、
    予め保存される、前記代表撮影条件における前記低減割合と、当該低減割合を実現するために前記逐次修正に用いるパラメータである基準パラメータとの関係を参照し、前記逐次修正パラメータを決定すること
    を特徴とする逐次修正パラメータ決定方法。
  11. 設定した撮影の条件に応じてX線を発生するX線発生部と、
    被写体を透過後の前記X線を複数の検出素子で検出し、測定投影データを得るX線検出部と、
    前記測定投影データから生成したCT画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとが等しくなるように、逐次修正を行う逐次再構成部を有する画像生成部と、を備え、
    前記逐次再構成部は、
    代表的な撮影条件である代表撮影条件で取得した前記CT画像について、前記逐次修正によりノイズまたはX線量を低減させる割合である低減割合と、当該低減割合を実現する前記逐次修正に用いるパラメータである基準パラメータとの関係をテーブルとして保存するテーブル部と、
    実際の撮影時の撮影条件である実撮影条件における所望の前記低減割合を、前記代表撮影条件における低減割合である代表低減割合に変換し、前記テーブルを参照して当該所望の低減割合を実現する前記逐次修正パラメータを決定するパラメータ決定部と、
    前記パラメータ決定部で決定した前記逐次修正パラメータを用いて前記逐次修正を行う逐次修正部と、を備えること
    を特徴とするX線CT装置。
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