JPWO2016194970A1 - 車両用ミラー - Google Patents

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Abstract

ミラー本体(15)は、強化ガラス(17)の表面(17b)に鏡面加工を施し、強化ガラス(17)の裏面(17a)に非透過性で、かつ可視光の反射率が低い薄膜(18)が設けられてなる。

Description

本発明は、ミラーおよび車両用ミラーに関するものである。
本願は、2015年6月1日に、日本に出願された特願2015−111242号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来から、可撓可能なミラーの全体を湾曲変形させ、ミラーの中央から側部に向かうにしたがって光の反射角を変化させる技術が知られている。例えば、このようなミラーを車両のドアミラー等に採用すると、車体後方の視界領域が広がる。
ここで、可撓可能なミラーは、樹脂、鉄、アルミニウム等からなる可撓性を有するプレートの表面に、可視光の反射率が高い銀色等の膜を設けた構成になっている。そして、膜に鏡像が映るようになる。
特開2006−273028号公報 特開2014−95848号公報
上述の従来技術のように、樹脂、鉄、アルミニウム等からなる可撓性を有するプレートの表面に、可視光の反射率が高い銀色の膜を設けたミラーは、鏡像の鮮明度が低く、良好な視界を得られないという課題があった。
また、ミラーの曲率半径を変化させると膜に歪みが生じ、一部が白化してしまい、良好な視界を得られないという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、良好な視界を得ることができるミラーおよび車両用ミラーを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、ミラーにおいて、強化ガラスの表面に鏡面加工を施し、前記強化ガラスの裏面に非透過性で、かつ可視光の反射率が低い薄膜が設けられてなる。
上記のように、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ガラスの屈折率の影響を受けにくくすることができ、鏡像の鮮明度を高めることができる。このため、良好な視界を得られるミラーを提供できる。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に係るミラーにおいて、前記強化ガラスは可撓可能に構成されており、可撓可能なホルダに前記強化ガラスが保持されている。
上記のように構成することで、強化ガラスに対する光の反射角を変化させ、視界領域を広げることができる。また、強化ガラスを用いることにより、この強化ガラスの曲率半径を変化させても白化することがない。このため、確実に良好な視界を得ることができる。
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様に係るミラーにおいて、前記強化ガラスを湾曲変形させると共に、該強化ガラスの曲率半径を可変可能な曲率可変装置を備えた。
上記のように構成することで、ミラーを、任意の曲率半径で容易に湾曲変形させることができる。このため、ユーザーフレンドリーなミラーを提供できる。
本発明の第4の態様によれば、車両用ミラーにおいて、本発明の第1の態様から第3の態様の何れか一の態様に係るミラーと、前記ミラーを保持するハウジングと、を備え、車体の後方確認用として用いる。
上記のように構成することで、車体後方の視界を鮮明に得ることができる。
本発明の第5の態様によれば、車両用ミラーにおいて、本発明の第3の態様に係るミラーと、車体の外部に設けられ、前記ミラーを保持するハウジングと、を備え、前記車体の後方確認用として用いられる車両用ミラーであって、前記曲率可変装置は、前記ハウジング内に設けられ、前記ミラーの背面が取り付けられる支持プレート、および該支持プレートとは別に前記ミラーの背面が取り付けられる駆動部を備え、前記支持プレートと前記駆動部とが協働して前記ミラーを湾曲変形させる。
上記のように構成することで、車両用ミラーとして用いられるミラーを、容易に湾曲変形させることができる。
本発明の第6の態様によれば、本発明の第5の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの車幅方向中央よりも外側を湾曲変形させる。
上記のように構成することで、ミラー全体を湾曲変形させる場合と比較して自車と後続車との距離を正確に把握しやすくなる。このため、車線変更等の動作の安全性を高めることができる。
本発明の第7の態様によれば、本発明の第5の態様または第6の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記支持プレートにより前記ミラーを固定し、前記駆動部により前記ミラーの裏面側を引張し、前記ミラーを湾曲変形させる。
上記のように構成することで、ハウジング内にミラーを収めつつ、ミラーを湾曲変形させることができる。
本発明の第8の態様によれば、本発明の第4の態様から第7の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ハウジング内に設けられ、前記ミラーの背面側に振動を付与する振動発生装置を備えた。
ここで、前述したように、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ミラー全体に振動を伝達し易くなるので、振動発生装置を小型化できる。そして、弱い振動で、例えば、ミラーの表面の水滴を効率よく弾くことができる。
本発明の第9の態様によれば、本発明の第8の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記振動発生装置は、リニアアクチュエータであることを特徴とする。
上記のように構成することで、簡素な構造でミラーに振動を付与することができる。
本発明の第10の態様によれば、本発明の第4の態様から第9の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの背面に、ヒータが設けられている。
ここで、前述したように、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ミラー全体に熱を伝達し易くなるので、ヒータを簡素化できる。そして、ヒータの熱量を抑えつつ、ミラーが曇ってしまうことを効率よく防止できる。
本発明の第11の態様によれば、本発明の第4の態様から第10の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの近傍にノーマルミラーを設け、前記ノーマルミラーは、該ノーマルミラーの曲率半径が法規上規定されている領域を有している。
上記のように構成することで、法規上規定されている領域はノーマルミラーで車体後方を確実に確認できる。そして、法規上規定されている領域以外にミラーを設けることで、車体後方の良好な視認性を確保できる。つまり、法規上規定されている領域を確実に避けた位置のみ、ミラーを湾曲変形させることができる。
本発明の第12の態様によれば、本発明の第11の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ノーマルミラーは、前記領域以外の表面に前記ミラーを露出させるミラー露出部を有している。
上記のように構成することで、ノーマルミラーを介し、このノーマルミラーの後方側に、ミラーを容易に露出させることが可能になる。
本発明の第13の態様によれば、本発明の第12の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラー露出部は、前記ノーマルミラーに形成されたミラー開口部である。
上記のように構成することで、ノーマルミラーのミラー開口部を介し、ノーマルミラーの後方側に、ミラーを容易に露出させることが可能になる。
本発明の第14の態様によれば、本発明の第11の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ノーマルミラーは、前記領域のみに形成されており、前記ノーマルミラーと前記ハウジングとにより囲まれてなる開口部が、前記ミラーを露出させるミラー露出部とされている。
上記のように構成することで、ノーマルミラーの加工を容易化しつつ、ノーマルミラーの後方側に、ミラーを容易に露出させることが可能になる。
本発明の第15の態様によれば、本発明の第12の態様から第14の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラー露出部は、透明なガラス板および透明な樹脂板の何れか一方である。
上記のように構成することで、ノーマルミラーの表面に凹凸が形成されず、意匠性の優れた車両用ミラーを提供できる。
本発明の第16の態様によれば、本発明の第11の態様から第15の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ノーマルミラーの前記領域以外の少なくとも一部は、鏡像が映らない非ミラー部とされている構成されている。
上記のように構成することで、ノーマルミラーにおける法規上規定されている領域以外に、余計な鏡像が映り込むことを防止できる。このため、車体後方を確認しやすい車両用ミラーを提供できる。
本発明の第17の態様によれば、本発明の第4の態様から第10の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーには、該ミラーの曲率半径が法規上規定されている領域を除いた箇所に、切込み部が形成されており、前記ミラーのうち、前記切込み部を挟んで前記領域とは反対側の部位は、前記領域とは独立して可撓可能とされている。
上記のように構成することで、法規上規定されている領域を確実に避けた位置のみ、ミラーを湾曲変形させることができる。
本発明の第18の態様によれば、本発明の第4の態様から第17の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの背面に、該背面を覆う可撓可能なバックプレートを設け、前記ミラーの背面の外周部と、前記バックプレートの外周部との間に、前記ミラーと前記バックプレートとを接合するための接合部が設けられている。
上記のように構成することで、ミラーをスリム化できる。また、例えば曲率可変装置の駆動部を用いてミラーの裏面側を引張する場合、ミラーの駆動部が連結されている箇所のみが引張されて局所的にミラーが変形してしまうことを防止できる。つまり、ミラーと駆動部との接続箇所がミラーの一部であっても、ミラーの所望の箇所全体を均等に湾曲変形させることができる。
さらに、ミラーとバックプレートとを重ね合わせた状態で両者を纏めて湾曲変形させようとすると、両者の曲率半径が僅かに異なることから相対位置がずれることになる。このため、ミラーの背面の外周部と、バックプレートの外周部とだけを接合部を介して接合することにより、その他の箇所に相対位置のずれから生じる応力がかかったり、バックプレートが局所的に変形してしまったりすることを防止できる。
本発明の第19の態様によれば、本発明の第4の態様から第17の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、ミラーの背面に、該背面を覆う可撓可能なバックプレートを設け、ミラーの背面と前記バックプレートとの間に、前記ミラーと前記バックプレートとを接合するための接合部が設けられており、前記接合部は、弾性を有している。
上記のように構成することで、ミラーと駆動部との接続箇所がミラーの一部であっても、ミラーの所望の箇所全体を均等に湾曲変形させることができる。
また、ミラーとバックプレートとを重ね合わせた状態で両者を纏めて湾曲変形させる際に生じるずれを、接合部で吸収することが可能になる。このため、ミラーやバックプレートにずれから生じる応力がかかったり、バックプレートが局所的に変形してしまったりすることを防止できる。
本発明によれば、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ガラスの屈折率の影響を受けにくくすることができ、鏡像の鮮明度を高めることができる。このため、良好な視界を得られるミラーを提供できる。
本発明の第1実施形態におけるドアミラー装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるドアミラー装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるドアミラー装置の平面図である。 本発明の実施形態におけるミラー本体の一部拡大断面図である。 本発明の実施形態におけるミラー本体を前方からみた平面図である。 本発明の第1実施形態におけるミラーホルダを前方からみた平面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラーが平坦な状態を示す。 本発明の第1実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラーが湾曲変形した状態を示す。 本発明の実施形態におけるミラーが平坦な場合の断面図である。 本発明の実施形態におけるミラーが平坦な場合に映る鏡像を示す図である。 本発明の実施形態におけるミラーの車幅方向外側を湾曲変形させた場合のミラーの断面図である。 本発明の実施形態におけるミラーの車幅方向外側を湾曲変形させた場合に映る鏡像を示す図である。 本発明の実施形態におけるミラー全体を湾曲変形させた場合の断面図である。 本発明の実施形態におけるミラー全体を湾曲変形させた場合に映る鏡像を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるミラーの一部拡大斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体が平坦な状態を示す。 本発明の第2実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体が湾曲変形した状態を示す。 本発明の第3実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体が平坦な状態を示す。 本発明の第3実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体が湾曲変形した状態を示す。 本発明の第4実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体が平坦な状態を示す。 本発明の第4実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体が湾曲変形した状態を示す。 本発明の第5実施形態におけるミラーの概略構成図である。 本発明の第5実施形態の第1変形例におけるミラーの概略構成図である。 本発明の第5実施形態の第2変形例におけるミラーの概略構成図である。 本発明の第6実施形態におけるドアミラー装置の斜視図である。 本発明の第6実施形態におけるミラーの断面図である。 本発明の第6実施形態の第1変形例におけるドアミラー装置の斜視図である。 本発明の第6実施形態の第2変形例におけるドアミラー装置の斜視図である。 本発明の第6実施形態の第3変形例におけるドアミラー装置の斜視図である。 本発明の第7実施形態におけるドアミラー装置の斜視図である。 本発明の第7実施形態におけるミラーの断面図である。 本発明の第8実施形態におけるミラーの断面図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、車体2の前席左側に取り付けられるドアミラー装置(車両用ミラー)1の斜視図、図2は、ドアミラー装置1の分解斜視図、図3は、ドアミラー装置1の平面図であって、ミラー6を取り外した状態を示す。
なお、以下の説明において、特に断らない限り、前後方向は車体2の前後方向と一致し、左右方向は乗員が正面を向いているときの左右方向と一致する。また、以下の説明では、説明を分かり易くするために、鉛直方向上方を単に上方、鉛直方向下方を単に下方などと称して説明する場合がある。
図1〜図3に示すように、ドアミラー装置1は、車体2の前席左側(例えば、ドア)に固定されるドアミラーステー3のアーム部3aに対し、車幅方向に開閉駆動可能に設置されている。そして、ドアミラー装置1は、不図示の車室内の運転席近傍のスイッチを操作することにより、または、携帯リモコンスイッチ(不図示)を操作することにより、車体2に接近する方向(閉方向)に回転させて格納したり、車体2から離間する方向(開方向)に回転させて後方視認可能な使用形態にしたりできる。
なお、ドアミラー装置1は、車体2の前席右側にも固定されているが、前席左側に固定されているドアミラー装置1と線対称に形成されているだけで構成は同一である。このため、以下の説明では、前席右側にドアミラー装置1を設けた場合の説明については省略する。
ドアミラー装置1は、後方を開口させたカップ状のミラーハウジング4と、ミラーハウジング4の前面側に設けられているターンランプ部5と、ミラーハウジング4の開口側(後方側)に設けられているミラー6と、ミラーハウジング4内に設けられ、ミラー6を支持する駆動ユニット7と、ミラーハウジング4内に設けられ、ミラー6を湾曲変形させる変形駆動部20と、を備えている。
(ミラーハウジング)
ミラーハウジング4は、樹脂等により成形されたものであって、後方側に開口部8aが形成されたカップ状のハウジング本体8と、ハウジング本体8の前面側に取付けられたカバー9と、を備えている。カバー9は、ドアミラー装置1の外観意匠を構成するものであり、上下方向に分割可能な下部カバー(カバーハウジング)10と上部カバー(スカルキャップ)11と、により構成されている。
(ターンランプ部)
ターンランプ部5は、対向車や後続車等に向けて光を照射し、法定上の方向指示機能を確保するものである。ターンランプ部5は、ミラーハウジング4の前面において、車幅方向略中央から外側端部に至る間に設けられている。ターンランプ部5は、ミラーハウジング4内に収納されるアウターハウジング12と、このアウターハウジング12に前方から突き合わされ、アウターハウジング12と一体化するアウターレンズ13と、これらアウターハウジング12とアウターレンズ13との間に設けられるインナーハウジング14と、を備えている。そして、このインナーハウジング14に、LED(発光ダイオード)等からなる不図示の発光ユニットが設けられている。
(ミラー)
ミラー6は、ミラー本体15と、ミラーホルダ16と、を備えている。
図4は、ミラー本体15の一部拡大断面図、図5は、ミラー本体15を前方からみた平面図である。
図4、図5に示すように、ミラー本体15は、強化ガラス17の裏面17aに、薄膜18が貼付されているものである。強化ガラス17は、可撓性を有している。具体的には、強化ガラス17として、旭硝子株式会社から入手可能な「Dragontrail」(Dragontrailは、旭硝子株式会社の登録商標)が用いられている。強化ガラス17の表面17bは、鏡面加工が施されている。
薄膜18は、非透過性で、かつ可視光の反射率が低い膜である。強化ガラス17の裏面17aに、薄膜18を貼付けることにより、強化ガラス17の表面17b(ミラー本体15の表面)に鏡像が映る。
また、ミラー本体15の裏面(薄膜18側の面)には、ヒータ19が設けられている。ヒータ19は、熱線19aをミラー本体15の全体にバランスよく引き回してなる。これにより、例えば、ミラー本体15が曇った際に、ヒータ19によってミラー本体15を加熱し、ミラー本体15全体の曇りを取り除くことができる。
ここで、ミラー本体15は、強化ガラス17を用いているので、ガラスの板厚を薄く設定した場合であっても外力等によるミラー本体15の損傷を防止できる。このため、ミラー本体15の板厚は、従来のミラー(通常のガラスを用いて製造されたミラー)と比較して薄く設定されている。この結果、熱線19aから発せられる熱を効率よくミラー本体15全体に伝達させることができる。
このようなことから、ミラー本体15に対する熱線19aの密度は、従来のミラーに熱線19aを引き回す場合と比較して低くなっている。換言すれば、ミラー本体15には、熱線19aがまばらに引き回されている。熱線19aがまばらに引き回されていても、ミラー本体15の全体を十分加熱することができる。
図6は、ミラーホルダ16を前方からみた平面図である。
図2、図6に示すように、ミラーホルダ16は、ミラー本体15の外形状に対応するように形成されたベース部21と、ベース部21の外周縁に立ち上がり形成された嵌合部22とが一体成形されたものである。そして、嵌合部22にミラー本体15を嵌め込むことにより、このミラー本体15とミラーホルダ16とが一体化される。
なお、ミラーホルダ16にミラー本体15を単に嵌め込むだけでこれらミラー本体15とミラーホルダ16とを一体化させてもよいし、接着剤を用いてミラーホルダ16にミラー本体15を接着し、ミラー本体15とミラーホルダ16とを一体化させてもよい。ミラーホルダ16にミラー本体15を接着固定する場合、ミラーホルダ16に嵌合部22を形成しなくてもよい。
ここで、ミラーホルダ16は、樹脂により形成されている。詳細は後述するが、本実施形態のミラーホルダ16は湾曲変形されるので、樹脂の素材としては軟らかいものが好ましい。また、ミラーホルダ16へのミラー本体15の嵌合力、または接着力は、ミラーホルダ16を湾曲変形した際に、ミラーホルダ16からミラー本体15が剥離しないような強度に設定する。さらに、図示は省略するが、ミラーホルダ16からミラー本体15が剥離しないように、ミラーホルダ16に爪部等を設けてもよい。
また、ミラーホルダ16の前面16aには、車幅方向中央よりも外側(図6における右側)に、上下方向に沿う複数の溝23が形成されている。溝23の形状は、V溝状、U溝状等、さまざまな形状に設定することができる。溝23が形成された箇所は、ミラーホルダ16の剛性が弱まる。このため、ミラーホルダ16の溝23に対応する箇所は、この溝23に沿って前後方向に可撓可能となる。
さらに、ミラーホルダ16の前面16aには、上下方向略中央で、かつ車幅方向最外側に、連結部61が設けられている。つまり、連結部61は、溝23よりも車幅方向外側に配置される。連結部61には、変形駆動部20の後述の作動軸72の先端が回動可能に連結される。
また、ミラーホルダ16の前面16aには、溝23よりも車幅方向中央側に、後述のピボットプレート26のミラー係合部57に係合可能な係合爪16bが設けられている。この係合爪16bとミラー係合部57とが係合することにより、駆動ユニット7とミラー6とが一体化される。
(駆動ユニット)
図7は、図3のA−A線に沿う断面図である。
図2、図3、図7に示すように、駆動ユニット7は、ミラー6を支持すると共に、ミラー6を傾動させるためのものである。
駆動ユニット7は、ドアミラーステー3のアーム部3aに回動可能に取り付けられたブラケット24と、ブラケット24に取り付けられたホルダ25と、ホルダ25に傾動可能に取り付けられたピボットプレート26と、ブラケット24とホルダ25の間に形成される収納空間に収納されたミラー傾動用駆動部27および角度検出部28等と、から構成されている。ブラケット24、ホルダ25、およびピボットプレート26は、いずれも樹脂により形成されている。
ブラケット24は、格納駆動部ケース29と、格納駆動部ケース29から車幅方向外側に張り出して形成されたブラケット本体部30とを備え、一体成形されている。この格納駆動部ケース29には、アーム部3aに起立姿勢に固定された不図示のシャフトが格納駆動部ケース29の底部から挿入されている。シャフトは、格納駆動部ケース29内に固定された格納駆動用モータとギヤ(何れも不図示)を介して連結されている。
シャフトは固定されているので、格納駆動用モータを回転すると、格納駆動用モータがシャフトの周りを公転することになる。これにより、格納駆動用モータを固定しているブラケット24が、シャフトを中心にして回転する。そして、結果的にブラケット24に固定されたミラーハウジング4が、シャフトを中心にして回転する。
ブラケット本体部30は略板状に形成されており、ドアミラー装置1を車両のドアに設置したときに略鉛直姿勢となる。このブラケット本体部30に収納されたミラー傾動用駆動部27は、2つの作動軸31を備えている。2つの作動軸31は、不図示のモータやウォーム減速機構によって、前後方向に沿って進退移動する。各作動軸31の先端には、球状の頭部31aが一体成形されている。この頭部31aは、ピボットプレート26に連結される。
このように構成された2つの作動軸31が進退移動することによって、ピボットプレート26を介してミラー6が傾動する。具体的には、2つの作動軸31のうちの一方は、ブラケット本体部30の下側に配置され、ミラー6を上下方向に傾動させる(以下、このように傾動させる作動軸31を上下傾動用の作動軸31という)。また、2つの作動軸31のうちの他方は、ブラケット本体部30の車幅方向外側(図3における左側)に配置され、ミラー6を左右方向に傾動させる(以下、このように傾動させる作動軸31を左右傾動用の作動軸31という)。
図7に詳示するように、角度検出部28は、ミラー6の上下方向の傾動角度を検出すると共に、左右方向の傾動角度を検出するものである。角度検出部28は、2つの検出ロッド32と、各検出ロッド32に対応して取り付けられる接点部材33と、各接点部材33に対応して設けられ接点部材33が摺動する可変抵抗器34と、各検出ロッド32に対応して取り付けられるスプリング35と、基板36と、検出ロッド32、接点部材33、およびスプリング35が取り付けられるガイドロッド37と、を備えている。可変抵抗器34は、基板36に電気的に接続されている。
また、2つのガイドロッド37のうちの一方は、上下傾動用の作動軸31と上下方向で対向するように、ブラケット本体部30の上側に配置されている。このように配置されたガイドロッド37に取付けられた検出ロッド32、接点部材33、およびスプリング35と、対応する可変抵抗器34は、ミラー6の上下傾動検出用として用いられる。
また、2つのガイドロッド37のうちの他方は、左右傾動用の作動軸31と左右方向で対向するように、ブラケット本体部30の車幅方向内側(図3における右側)に配置されている。このように配置されたガイドロッド37に取付けられた検出ロッド32、接点部材33、およびスプリング35と、対応する可変抵抗器34は、ミラー6の左右傾動検出用として用いられる。
各部品について、より具体的に説明する。
検出ロッド32は、先端側が塞がれた中空筒状をなし、その中空部にガイドロッド37が摺動可能に挿入されている。これにより、検出ロッド32は、ガイドロッド37にその軸線に沿って移動可能に支持されている。なお、検出ロッド32の先端には、球状の頭部32aが形成されている。
そして、検出ロッド32よりも前方側のガイドロッド37に、接点部材33がガイドロッド37に対して摺動可能に取り付けられている。接点部材33は、ガイドロッド37を挿通させるリング部38と、このリング部38から径方向外側へ突出する接点39を備え、接点39が可変抵抗器34を接触摺動するように構成されている。そして、接点部材33は、ガイドロッド37の外側に配置されたスプリング35によって検出ロッド32の前端に押し付けられている。これにより、接点部材33は、検出ロッド32に追従してガイドロッド37の軸線方向に移動する。
接点部材33がガイドロッド37の軸線方向に移動すると、接点39が可変抵抗器34をその長手方向に沿って摺動し、可変抵抗器34の抵抗値が変化する。この角度検出部28では、ピボットプレート26の傾動角度(換言するとミラー6の傾動角度)を検出ロッド32の軸方向変位として捉え、検出ロッド32の軸方向変位を可変抵抗器34の抵抗値変化として検出する。換言すると、可変抵抗器34の抵抗値に基づいてミラー6の傾動角度を算出している。
このように構成されたミラー傾動用駆動部27および角度検出部28を、ブラケット24との間に収納しているホルダ25の外周部には、嵌合部41が形成されている。この嵌合部41が、ブラケット24に形成された嵌合部42に嵌合される。これにより、ブラケット24とホルダ25とによって、ミラー傾動用駆動部27および角度検出部28を収納する収納部が形成される。
また、ホルダ25には、作動軸31および検出ロッド32に対応する位置に、作動軸31を挿通させるための孔43と、検出ロッド32を挿通させるための孔44が形成されている。そして、孔43を介し、ホルダ25から作動軸31の先端が突出している。また、孔44を介し、ホルダ25から検出ロッド32の先端が突出している。さらに、孔43と作動軸31との間にはグロメット45が装着され、孔44と検出ロッド32との間にはグロメット46が装着される。これらグロメット45,46により、内部への塵埃の侵入を防止できる。
さらに、ホルダ25の後面の略中央には、外面が球面の一部で形成されたピボット軸47が一体的に設けられている。また、ホルダ25の後面には、ピボット軸47の周囲に、後方に突出する略U字形の係止突起48が4つ形成されている。係止突起48は、ピボット軸47を中心にして90度間隔に配置されている。そして、これらピボット軸47、係止突起48、作動軸31、および検出ロッド32に、ピボットプレート26が傾動可能に係合される。
図3に詳示するように、ピボットプレート26は、ミラー6と駆動ユニット7とを連結するもの(ミラー6を支持するもの)であって、平面視略矩形状に形成されている。
また、ピボットプレート26の四隅には、それぞれミラー係合部57が設けられている。ミラー係合部57は、平面視矩形の角孔58と、角孔58を左右方向に跨ぐピン59と、により構成されている。そして、ピボットプレート26の後面とミラーホルダ16とを重ね合わせ、ミラー係合部57とミラーホルダ16の係合爪16b(図6参照)とが係合することにより、ピボットプレート26にミラー6が支持される。つまり、ピボットプレート26とミラー6とが一体化される。
ここで、ミラーホルダ16に設けられた係合爪16bは、溝23よりも中央側に配置されている(図6参照)。つまり、ピボットプレート26のミラーホルダ16と重ね合わさる後面の面積は、ミラーホルダ16の面積よりも十分に小さく設定されている。そして、ミラー6は、ミラーホルダ16の溝23を避けた位置、つまり、ミラー6の中央部でピボットプレート26に支持された形になる。
一方、ピボットプレート26の前面には、ピボット軸47に対応する位置に、このピボット軸47を圧入可能なピボット凹部49が一体成形されている。ピボット凹部49の内面は球面の一部で形成されている。そして、ピボット凹部49にピボット軸47を圧入した状態において、ピボットプレート26は、ピボット軸47を揺動支点として揺動可能となる。
また、ピボットプレート26の後面には、ピボット凹部49に対応する部位である凸部51の周囲に、平面視略矩形のスプリング収納凹部52が形成されている。このスプリング収納凹部52には、凸部51の付け根部に係合するC型止め輪53が収容されている。C型止め輪53は、凸部51の付け根部を締め付けて、この付け根部が拡径するのを阻止している。これにより、ピボット凹部49からピボット軸47が離脱してしまうことが防止される。
また、ピボットプレート26には、スプリング収納凹部52よりも外側、つまり、ホルダ25の係止突起48に対応する位置に、それぞれ回転規制ピン54が設けられている。これら回転規制ピン54に、係止突起48が係合される。これにより、ピボット軸47の中心を通る前後方向軸の回りにホルダ25とピボットプレート26とが相対回転してしまうことが阻止される。
さらに、ピボットプレート26の前面には、作動軸31および検出ロッド32に対応する位置に、それぞれ球面受け座55,56が一体成形されている。作動軸31側の球面受け座55には、作動軸31の頭部31aが嵌入される。一方、検出ロッド32側の球面受け座56には、検出ロッド32の頭部32aが嵌入される。これにより、各頭部31a,32aと各球面受け座55,56との摺動を許容しつつ、作動軸31および検出ロッド32と、ピボットプレート26とが不離一体に連結される。なお、作動軸31の頭部31aと球面受け座55は、作動軸31の軸線回りに相対回転不能に嵌合している。
ここで、ピボットプレート26の車幅方向外側縁には、変形駆動部用ブラケット65が一体成形されている。この変形駆動部用ブラケット65に、変形駆動部20が固定されている。
(変形駆動部)
図2、図3に示すように、変形駆動部20としては、例えば、リニアアクチュエータが用いられる。変形駆動部20は、駆動部本体71と、駆動部本体71に対してスライド移動可能に設けられた作動軸72と、により構成されている。そして、駆動部本体71の基端が、変形駆動部用ブラケット65に固定され、作動軸72が、前後方向に沿ってスライド移動する。この作動軸72の先端は、ミラーホルダ16の連結部61に回動可能に連結されている。
ここで、変形駆動部用ブラケット65は、変形駆動部20が取り付けられる取付面65aがピボットプレート26のミラー6側の面よりも前方にオフセットするように形成されている。このため、変形駆動部20の作動軸72が伸長している状態では、この作動軸72の先端と、ピボットプレート26のミラー6側の面とがほぼ同一平面上に位置している。
(ミラーの湾曲変形動作)
次に、図8A〜図10Bに基づいて、ミラー6の湾曲変形動作について説明する。 図8Aは、ミラー6の湾曲変形動作説明図であって、ミラー6が平坦な状態を示す。図8Bは、ミラー6の湾曲変形動作説明図であって、ミラー6が湾曲変形した状態を示す。
図8Aに示すように、通常、変形駆動部20の作動軸72は伸長しており、ミラー6は、全体が平坦になっている。
これに対し、図8Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72が縮退すると、ミラー6の車幅方向外側が前方に向かって引張される。
ここで、ミラー6のミラー本体15は、可撓性を有している。しかも、ミラー6は、中央部でピボットプレート26に支持された形になる。このため、ミラー6の車幅方向外側が引張されると、この車幅方向外側が湾曲変形する。このとき、ミラーホルダ16の車幅方向外側に、上下方向に沿う溝23が複数形成されているので、小さい負荷でミラー6を湾曲変形できる。
図9Aは、ミラー6が平坦な場合の断面図である。図9Bは、図9Aの状態の際にミラー6に映る鏡像を示す図である。
図9Aに示すように、ミラー6が平坦な場合、図9Bに示すように、例えば後続車Kが走行している場合であっても、後続車Kの全体がミラー6に映らず、運転者は後続車Kを認識しづらい。これに加え、後続車Kが二輪車なのか、四輪車であるのかも判断しにくい。
図10Aは、ミラー6の車幅方向外側を湾曲変形させた場合の断面図である。図10Bは、図10Aの状態の際にミラー6に映る鏡像を示す図である。
図10Aに示すように、ミラー6の車幅方向外側を湾曲変形させた場合、図10Bに示すように、ミラー6の車幅方向外側の光の反射角が変化し、後続車K全体がミラー6に映る。このため、ミラー6全体が平坦な場合と比較して、運転者は後続車Kを認識し易くなる。
ここで、ミラー6を湾曲変形させるにあたって、ミラー6の車幅方向外側のみ湾曲変形させ、ミラー6の車幅方向略中央から車幅方向内側に至る間では、ミラー6は平坦なままである。このため、ミラー6全体を湾曲変形させる場合と比較して、変形駆動部20によってミラー6を湾曲変形させ易い。
これに加え、ミラー6の車幅方向略中央から車幅方向内側に至る間が平坦であるので、ミラー6の車幅方向内側に映る車体2の鏡像が歪むことがない。このため、運転者は、車体2から後続車Kまでの距離感を掴みやすい。このことについて、以下に、具体的に説明する。
図11Aは、ミラー6全体を湾曲変形させた場合の断面図である。図11Bは、図11Aの状態の際にミラー6に映る鏡像を示す図である。
図11Aに示すように、ミラー6全体を湾曲変形させた場合、図11Bに示すように、ミラー6の車幅方向内側に映る車体2の鏡像も歪んでしまう。このため、ミラー6の車幅方向外側のみ湾曲変形させる場合と比較して、運転者は、車体2から後続車Kまでの距離感を掴みにくくなってしまう。このため、図10A、図10Bに示すように、ミラー6の車幅方向外側のみ湾曲変形させることで、車体2から後続車Kまでの距離感を掴みやすくすることができる。
このように構成された変形駆動部20は、手動や自動で操作が可能である。
手動の場合、例えば、車室内にミラー6を湾曲変形させる操作ボタン(不図示)を設け、この操作ボタンの操作に基づいて、変形駆動部20を駆動させる。
一方、自動の場合、車体2に設けられたさまざまな装置、センサ等に連動させて変形駆動部20を駆動させる。車体2に設けられた装置としては、例えば、ウインカー、バックギヤ、ステアリング等が挙げられる。
ウインカーと連動させる際は、左右の何れかのウインカーの動作に連動して対応する側のミラー6を湾曲変形させる。ステアリングの場合も同様で、ステアリングの操作方向に応じて対応する側のミラー6を湾曲変形させる。バックギヤの場合は、運転者がギヤをバックに入れた際、両側のミラー6を湾曲変形させる。何れの場合も、車体2の後方の視界領域が広いほうが望ましい状況である。
また、センサとしては、後方短距離ミリ波センサ、後方ソナー、後方カメラ、加速度センサ等が挙げられる。後方短距離ミリ波センサ、後方ソナーおよび後方カメラは、何れも障害物を検出した際に両側のミラー6を湾曲変形させる。これにより、車体2の後方の視界領域が広がる。また、加速度センサは、例えば、運転者が急ブレーキした際に加速度センサによって検出された信号に基づき、ミラー6を湾曲変形させる。これは、急ブレーキの際に、後続車の追突のおそれがあるか否かを判断するのに、車体2の後方の視界領域が広いほうが望ましいからである。
このように、上述の第1実施形態では、ミラー6を、ミラー本体15とミラーホルダ16とにより構成し、さらに、ミラー本体15として強化ガラス17を用いている。強化ガラス17は耐衝撃性が高いので、その板厚を従来と比較して薄く設定できる。板厚を薄く設定すると、ガラスの屈折率の影響を受けにくくすることができ、鏡像の鮮明度を高めることができる。このため、良好な視界を得られるミラー6を提供できる。
また、ミラー本体15の板厚を薄く設定することにより、このミラー本体15に設けられているヒータ19の熱を、ミラー本体15の全体に伝達し易い。このため、ヒータ19を構成する熱線19aのミラー本体15に対する密度を低くできる。換言すれば、ミラー本体15に敷設される熱線19aをまばらにすることができる。
さらに、強化ガラス17は可撓性を有しているので、ミラー6を容易に湾曲変形させることができる。この結果、ミラー6に映る車体2の後方の視界領域を広げることができる。
また、強化ガラス17を用いることにより、この強化ガラス17の曲率半径を変化させても白化することがない。このため、確実に良好な視界を得ることができる。
さらに、ドアミラー装置1は、ミラー6を湾曲変形させる手段として、変形駆動部20を搭載している。そして、駆動ユニット7のピボットプレート26でミラー6の車幅方向略中央部から車幅方向内側に至る間を固定しつつ、変形駆動部20によってミラー6の車幅方向外側を引張することで、ミラー6を湾曲変形させている。このため、任意の曲率半径で容易にミラー6を湾曲変形させることができ、ユーザーフレンドリーなミラー6を提供できる。
また、変形駆動部20と駆動ユニット7のピボットプレート26とが協働してミラー6の車幅方向外側のみを湾曲変形させているので、車体2の後方の視界領域を広げつつ、車体2から後続車Kまでの距離感を、容易に掴むことができる。
このため、ミラー6全体を湾曲変形させる場合と比較して、車線変更等の動作の安全性を高めることができる。さらに、ミラー6を引張させて湾曲変形させるので、ミラー6を湾曲変形させるにあたって、ミラーハウジング4からミラー6が突出することがない。このため、ミラーハウジング4内にミラー6を収めつつ、ミラー6を湾曲変形させることができる。
さらに、ミラーホルダ16の前面16aに溝23を形成することにより、ミラー6全体を湾曲変形しやすくできる。
なお、ミラーホルダ16を可撓可能な素材により形成することで、ミラーホルダ16への溝23の形成を省くことができる。可撓可能な樹脂の素材としては、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)などが挙げられる。
(第2実施形態)
次に、図12〜図13Bに基づいて、第2実施形態について説明する。
図12は、第2実施形態におけるミラー206の一部拡大斜視図である。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
図12に示すように、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態ではピボットプレート26に変形駆動部20が固定されているのに対し、第2実施形態では、ミラーホルダ216に変形駆動部20が固定されている点にある。
ミラーホルダ216は樹脂により形成されており、ミラー本体15が固定されるベース部221を有している。ミラー本体15とベース部221は、接着剤等により固定される。ここで、ベース部221は、前述の第1実施形態のようにミラー本体15の外形状に対応するように形成されていない。具体的には、ベース部221の上下方向の幅は、ミラー本体15の上下方向の幅とほぼ同一に設定されている。一方、ベース部221の車幅方向は、ミラー本体15の車幅方向中央よりもやや外側からミラー本体15の車幅方向内側縁に至る間に形成されている。すなわち、ミラー本体15は、車幅方向外側がベース部221に支持されていない。
ベース部221の車幅方向外側縁には、変形駆動部用ブラケット265が一体成形されている。そして、この変形駆動部用ブラケット265に、変形駆動部20が固定されている。
変形駆動部用ブラケット265は、変形駆動部20が取り付けられる取付面265aがベース部221のミラー本体15側の面よりも前方にオフセットするように形成されている。このため、変形駆動部20の作動軸72が伸長している状態では、この作動軸72の先端と、ベース部221のミラー本体15側の面とがほぼ同一平面上に位置している。変形駆動部20の作動軸72の先端は、ミラー本体15の裏面に回動可能に連結されている。
また、ベース部221の車幅方向外側縁には、湾曲ガイド266が一体成形されている。湾曲ガイド266は、ミラー本体15の湾曲変形量を規制するためのものであって、ベース部221の車幅方向外側縁から変形駆動部20の作動軸72に向かって僅かに前方に向かって湾曲しながら延出形成されている。湾曲ガイド266の先端には、U溝266aが形成されている。これにより、湾曲ガイド266の先端は、二又状になっている。そして、湾曲ガイド266のU溝266aに、作動軸72が挿入されている。
(ミラーの湾曲変形動作)
図13Aは、ミラー206の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が平坦な状態を示す。図13Bは、ミラー206の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が湾曲変形した状態を示す。
図13Aに示すように、通常、変形駆動部20の作動軸72は伸長しており、ミラー本体15は、全体が平坦になっている。
これに対し、図13Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72が縮退すると、ミラー本体15の車幅方向外側が前方に向かって引張される。
ここで、ミラー本体15は、車幅方向外側を除く大部分がミラーホルダ216に固定されているので、ミラー本体15の車幅方向外側が引張されると、この車幅方向外側が湾曲変形する。また、ミラーホルダ216には、湾曲ガイド266が設けられているので、この湾曲ガイド266に沿ってミラー本体15が湾曲変形される。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、湾曲ガイド266が設けられているので、ミラー本体15の湾曲変形量を所望の量に精度よく規制できる。
ここで、第2実施形態では、第1実施形態のようにミラー6をミラーホルダ16ごと湾曲変形させるのではなく、ミラーホルダ216に変形駆動部20を固定してミラー本体15だけ湾曲変形させている。このため、第2実施形態におけるミラーホルダ216は、硬い素材の樹脂で形成されている。具体的には、ミラーホルダ216を形成する樹脂としては、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PBT(GF入り)、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)などが挙げられる。
なお、上述の第2実施形態では、ミラー本体15とベース部221は、接着剤等により固定される場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベース部221にミラー本体15を嵌合固定としてもよい。
(第3実施形態)
次に、図14A、図14Bに基づいて、第3実施形態について説明する。
図14Aは、第3実施形態におけるミラー306の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が平坦な状態を示す。図14Bは、ミラー306の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が湾曲変形した状態を示す。
図14A、図14Bに示すように、第2実施形態と第3実施形態との相違点は、第2実施形態では変形駆動部20によってミラー本体15を前方に引張することにより、ミラー本体15を湾曲変形させるのに対し、第3実施形態では変形駆動部20によってミラー本体15を後方に押出することにより、ミラー本体15を湾曲変形させている点にある。
より具体的には、図14Aに示すように、第3実施形態のミラーホルダ316は、ミラー本体15の外形状に対応するように形成されたベース部321と、ベース部321の外周縁に立ち上がり形成された嵌合部322と、が一体成形されたものである。
ベース部321の車幅方向外側には、前方に向かって湾曲する湾曲部321aが形成されている。一方、ベース部321の車幅方向内側には、変形駆動部20を収納するための駆動収納凹部321bが形成されている。駆動収納凹部321bに収納された変形駆動部20は、作動軸72を縮退させた状態で、作動軸72の先端がベース部321と同一平面上に位置する。
作動軸72の先端には、押し型380が接着等により取り付けられている。押し型380は、剛性の高い板状のものである。また、押し型380は、ベース部321(湾曲部321a)の平面形状に対応する大きさに形成され、かつベース部321(湾曲部321a)に沿うように形成されている。すなわち、押し型380は、平坦部380aと湾曲部380bと、により構成されている。
このように形成された押し型380上に、ミラー本体15が設けられている。ミラー本体15は、その裏面のうち、押し型380の平坦部380aに対応する箇所が接着剤等によりこの平坦部380aに固定されている。また、ミラー本体15は通常平坦な状態であるため、変形駆動部20の作動軸72が縮退した状態(図14Aに示す状態)では、押し型380の湾曲部380bからミラー本体15が離間されている。
さらに、ミラーホルダ316における嵌合部322の周縁のうち、車幅方向外側の周縁には、内フランジ部322aが形成されている。嵌合部322は、変形駆動部20の作動軸72が縮退した状態(図14Aに示す状態)で、ミラー本体15の車幅方向外側縁と内フランジ部322aとが係合するように形成されている。
このような構成のもと、図14Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72を伸長させるとミラー本体15が後方に押出される。このとき、ミラー本体15の車幅方向外側縁と内フランジ部322aとが係合されているので、ミラー本体15は、車幅方向外側縁がその場に止まった状態で後方に押出される。このため、ミラー本体15の車幅方向外側が湾曲変形する。このとき、この湾曲変形した箇所は、押し型380の湾曲部380bに当接し、この湾曲部380bに沿った形になる。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
次に、図15A、図15Bに基づいて、第4実施形態について説明する。
図15Aは、第4実施形態におけるミラー406の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が平坦な状態を示す。図15Bは、ミラー406の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が湾曲変形した状態を示す。
図15A、図15Bに示すように、第3実施形態と第4実施形態との相違点は、変形駆動部20の位置が異なる点にある。
より具体的には、第4実施形態のミラーホルダ416は、ミラー本体15の外形状に対応するように形成されたベース部421と、ベース部421の外周縁に立ち上がり形成された嵌合部422とが一体成形されたものである。
ベース部421の車幅方向外側には、前方に向かって湾曲する湾曲部421aが形成されている。一方、ベース部421の車幅方向略中央、つまり、湾曲部421aの付け根部近傍には、変形駆動部20を収納するための駆動収納凹部421bが形成されている。駆動収納凹部421bは、その軸方向が前後方向に対して若干斜めになるように形成されている。
駆動収納凹部421bに収納された変形駆動部20は、作動軸72を縮退させた状態で、作動軸72の先端がベース部421と同一平面上に位置する。また、駆動収納凹部421bが前後方向に対して若干斜めに形成されているので、変形駆動部20も、作動軸72が前後方向に対して若干斜めになるように収納される。この変形駆動部20の作動軸72は、伸長する際に車幅方向斜め外側に向かって伸長する。
作動軸72の先端には、押し型380が回動可能に連結されている。また、押し型380の平坦部380aに対応する箇所に、ミラー本体15の一部が接着剤等により固定されている。さらに、ミラーホルダ416における嵌合部422の周縁のうち、車幅方向外側の周縁、および車幅方向内側の周縁には、それぞれ内フランジ部422aが形成されている。嵌合部422は、変形駆動部20の作動軸72が縮退した状態(図15Aに示す状態)で、ミラー本体15の車幅方向外側縁、および車幅方向内側縁が、それぞれ内フランジ部322aと係合するように形成されている。
このような構成のもと、図15Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72を伸長させるとミラー本体15が後方に押出される。このとき、ミラー本体15の車幅方向外側縁と内フランジ部322aとが係合されているので、ミラー本体15は、車幅方向外側縁、および車幅方向内側縁がその場に止まった状態で後方に押出される。また、変形駆動部20によって、押し型380の車幅方向略中央が斜め外側に押出されるので、この押し型380は、平坦部380aが若干車幅方向内側に傾斜しながら押出される形になる。
このため、変形駆動部20の作動軸72によってミラー本体15が押出されると、ミラー本体15は、押し型380の平坦部380aに対応する箇所が若干車幅方向内側に傾斜しつつ、車幅方向外側が押し型380の湾曲部380bに沿って湾曲変形する。
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第3実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、ミラー本体15の車幅方向外側が湾曲変形する際、ミラー本体15の全体が若干車幅方向内側に傾斜しつつ、湾曲変形するので、ミラー本体15の車幅方向内側に車体2(図10B参照)が映りやすくなる。このため、例えば、車体2と後続車K(図10B参照)との距離感をより掴み易くすることができる。
(第5実施形態)
次に、図16に基づいて、第5実施形態について説明する。
図16は、第5実施形態におけるミラー506の概略構成図である。
同図に示すように、第1実施形態と第5実施形態との相違点は、第1実施形態では、ピボットプレート26に、ミラー6を湾曲変形させるための変形駆動部20が設けられているのに対し、第5実施形態では、ピボットプレート26に、変形駆動部20に代わって振動発生装置90が設けられている点にある。
振動発生装置90は、ミラー本体15に振動を付与するためのものである。振動発生装置90としては、例えば、リニアアクチュエータ91が採用される。そして、リニアアクチュエータ91の作動軸91aをミラー506の裏面に当接させ、この状態でリニアアクチュエータ91を駆動させることにより、ミラー本体15に振動が付与される。振動を付与することにより、ミラー本体15の表面(強化ガラス17の表面17b(図4参照))に付着する水滴を弾くことができる。このため、例えば、雨天時の走行であっても、ミラー506の視界を良好に保つことができる。
ここで、ミラー本体15は、強化ガラス17を用いているので、その板厚が従来のミラー(通常のガラスを用いて製造されたミラー)と比較して薄く設定されている。この結果、リニアアクチュエータ91からの付与される振動を、ミラー本体15全体に伝達し易くなる。
したがって、上述の第5実施形態によれば、ミラー本体15の表面に水滴等が付着してミラー506の視界が悪化してしまうことを防止できる。
また、ミラー本体15全体に振動を伝達し易くなる分、振動発生装置90(リニアアクチュエータ91)を小型化できる。そして、弱い振動で、例えば、ミラー本体15の表面の水滴を効率よく弾くことができる。
さらに、振動発生装置90としてリニアアクチュエータ91を採用することにより、振動発生装置90の構成を簡素化できる。
なお、上述の第5実施形態では、振動発生装置90として、リニアアクチュエータ91を採用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ミラー本体15に振動を付与可能な構造であればよい。以下、具体例を挙げる。
(第5実施形態の第1変形例)
図17は、第5実施形態の第1変形例におけるミラー506Aの概略構成図である。
同図に示すように、振動発生装置90として、モータ92を採用することもできる。
モータ92の回転軸92aには、振動カム93が設けられている。この振動カム93は、回転した際に、外周面がミラー506Aの裏面に断続的に当接するように形成されている。このため、モータ92を駆動させると、ミラー506Aに振動が付与される。
(第5実施形態の第2変形例)
図18は、第5実施形態の第2変形例におけるミラー506Bの概略構成図である。
同図に示すように、振動発生装置90として、吸引器94を採用することもできる。
吸引器94としては、例えば、真空ポンプに連結されたノズル、ミラー506Bの裏面に金属片を取付け、この金属片を磁気的に吸引可能な電磁石等が挙げられる。
そして、振動発生装置90によってミラー506Bに対する吸引、開放を繰り返すことにより、ミラー506Bに振動を付与することができる。
(第6実施形態)
次に、図19、図20に基づいて、第6実施形態について説明する。
図19は、第6実施形態におけるドアミラー装置601の斜視図であって前述の図1に対応している。図20は、ミラー606の断面図であって、図19のB−B線に沿う断面に相当している。
図19、図20に示すように、第1実施形態と第6実施形態との相違点は、第1実施形態のミラー6は、ミラー本体15とミラーホルダ16とにより構成されているのに対し、第6実施形態のミラー606は、ミラー本体15と、このミラー本体15の表面に重ね合わされたノーマルミラー75とにより構成されている点にある。
ノーマルミラー75は、一般的なミラーであって、ミラー本体15のように可撓性を有する強化ガラス17で構成されておらず、可撓性を有していない。なお、ノーマルミラー75にもミラー本体15と同様の構成を採用することも可能である。ノーマルミラー75の外形状は、ミラー本体15の外形状とほぼ同一に設定されている。このように構成されたミラー606は、ノーマルミラー75が後方側に配置される。
ここで、ノーマルミラー75には、法規上規定される領域E1を除いた一部にミラー開口部75aが形成されている。そして、このミラー開口部75aを介してノーマルミラー75の表面(後方側)に、ミラー本体15の一部が露出されている。
なお、ここでいう法規上規定されている領域E1とは、各国、州、県等によってドアミラー装置1のミラー曲率半径が規定されている領域をいう。すなわち、ノーマルミラー75にミラー開口部75aを形成し、このミラー開口部75aからミラー本体15を露出させるということは、法規上規定されている領域E1を確実に湾曲変形させずに法規を厳守できる。そして、領域E1を避けた位置のみ、ミラー本体15を湾曲変形させる等して後方を確認できる。
なお、上述の第6実施形態では、ノーマルミラー75にミラー開口部75aを形成し、このミラー開口部75aを介してミラー本体15を露出させる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ミラー開口部75aを形成せずに、このミラー開口部75aに対応する位置を単に透明なガラス板や樹脂板としてもよい。
(第6実施形態の第1変形例)
また、上述の第6実施形態では、ノーマルミラー75には、領域E1を除いた一部にミラー開口部75aが形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、図21に示すように、領域E1のみにノーマルミラー75を形成してもよい。そして、ミラーハウジング4(ハウジング本体8)の開口部8aから、ノーマルミラー75が設けられている箇所以外の全体にミラー本体15が露出するように構成してもよい。換言すれば、ノーマルミラー75とミラーハウジング4(ハウジング本体8)とにより囲まれてなる開口部80からミラー本体15が露出するように構成してもよい。
このように構成することで、ノーマルミラー75を設けた場合であっても、ドアミラー装置601による車体2の後方の視認性を良好に保つことができる。また、ノーマルミラー75を容易に加工できる。
(第6実施形態の第2変形例)
さらに、図22に示すように、ノーマルミラー75のうち、領域E1のみミラーとして構成し、領域E1以外の全体を単に透明なガラス板や樹脂板(図22における透明板75b)により構成してもよい。ノーマルミラー75を設けた場合において、このように構成した場合であっても、ドアミラー装置1による車体2の後方の視認性を良好に保つことができる。
また、ノーマルミラー75の表面に凹凸が形成されず、意匠性の優れたドアミラー装置601を提供できる。
(第6実施形態の第3変形例)
また、図23に示すように、ノーマルミラー75のうち、領域E1以外を非透明な、つまり、鏡像が映らない非ミラー部75c(図23に示すドットハッチ部参照)とし、この非ミラー部75cにミラー開口部75aを形成してもよい。非ミラー部75cとしては、例えば、有色樹脂や曇りガラス、黒ガラス等、さまざまな板材を採用可能である。
このように構成することで、ノーマルミラー75のうちの領域E1以外に、余計な鏡像が映り込むことを防止できる。このため、車体2の後方を確認しやすくできる。
なお、ノーマルミラー75のうち、領域E1以外の全体を非ミラー部75cとしなくてもよく、ノーマルミラー75のうち、領域E1以外の少なくとも一部を非ミラー部75cとしてもよい。
(第7実施形態)
次に、図24、図25に基づいて、第7実施形態について説明する。
図24は、第7実施形態におけるドアミラー装置701の斜視図であって前述の図1に対応している。図25は、ミラー706の断面図であって、図24のC−C線に沿う断面に相当している。
図24、図25に示すように、第7実施形態のミラー本体15には、一部に切込み部76が形成されている。この点、前述の第1実施形態と相違する点である。
より具体的には、切込み部76は、法規上規定される領域E1を避けるように、ミラー本体15の中央よりやや上側から車幅方向斜め下方に向かって形成されている。なお、領域E1は、前述の第6実施形態の領域E1と同様である。
ミラー本体15に切込み部76を形成することにより、この切込み部76を挟んで領域E1とは反対側の領域を、ミラー本体15の部分変形部15aとして構成することができる。すなわち、この部分変形部15aを、領域E1とは独立して湾曲変形させることができる。
したがって、上述の第7実施形態によれば、前述の第6実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、前述の第6実施形態のようにノーマルミラー75を設けることなく、領域E1を避けた位置のみミラー本体15(部分変形部15a)を湾曲変形させることができる。このため、前述の第6実施形態と比較して部品点数を減少でき、ドアミラー装置701の製造コストを低減できる。
(第8実施形態)
次に、図26に基づいて、第8実施形態について説明する。
図26は、第8実施形態におけるミラー806の断面図である。
同図に示すように、第1実施形態と第8実施形態との相違点は、第1実施形態のミラー6は、ミラー本体15とミラーホルダ16とにより構成されているのに対し、第8実施形態のミラー806は、ミラーホルダ16を有しておらず、ミラー本体15の背面にバックプレート77が接着剤Jにより接着固定されている点にある。
バックプレート77は、可撓性を有する金属や樹脂により形成された板状のものである。また、バックプレート77は、ミラー本体15の外形状とほぼ同一に設定されている。
このようなバックプレート77とミラー本体15とを接着固定する接着剤Jは、ミラー本体15およびバックプレート77のそれぞれ外周部に塗布されている。また、接着剤Jは、ミラー本体15およびバックプレート77の外周部の全周に渡って塗布されるのではなく、間隔をあけて複数個所(例えば4箇所)に塗布することが望ましい。
このように構成することで、前述の第1実施形態のように、ミラー本体15をミラーホルダ16で保持させる場合と比較してミラー806全体をスリム化できる。
また、例えば変形駆動部20の作動軸72(図2参照)でミラー806の裏面(前面)を引張し、このミラー806を湾曲変形させる場合、作動軸72とミラー806とが連結されている箇所のみが引張されて局所的にミラー806が変形してしまうことを防止できる。
つまり、例えば作動軸72によってミラー本体15をそのまま引張しようとすると、ミラー本体15と作動軸72との接続箇所だけ強く引張され、ミラー本体15が局所的に歪んでしまう可能性がある。しかしながら、ミラー本体15にバックプレート77を設け、このバックプレート77に作動軸72を接続することにより、ミラー本体15の所望の箇所全体を均等に湾曲変形させることができる。
また、ミラー本体15とバックプレート77とを重ね合わせた状態で両者15,77を纏めて湾曲変形させようとすると、両者15,77の曲率半径が僅かに異なることから相対位置がずれることになる。このため、ミラー本体15の背面の外周部と、バックプレート77の外周部とだけを接着剤Jを用いて接着固定することにより、その他の箇所に相対位置のずれから生じる応力がかかったり、バックプレート77が局所的に変形(しわ寄せ等のように変形)してしまったりすることを防止できる。
なお、上述の第8実施形態では、ミラー本体15およびバックプレート77のそれぞれ外周部に、接着剤Jが塗布されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ミラー本体15の背面全体、およびバックプレート77の全面に接着剤Jを塗布し、これらミラー本体15とバックプレート77とを接着固定してもよい。但し、この場合、接着剤Jとして、硬化後に弾性を有する接着剤を用いる。このように構成することで、ミラー本体15とバックプレート77とを重ね合わせた状態で両者15,77を纏めて湾曲変形させる際に生じる相対位置のずれを、接着剤Jによって吸収することができる。
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ミラー本体15を、車体2に設けられるドアミラー装置1に採用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途にミラー本体15を用いることができる。例えば、ミラー本体15を、車体2に設けられるルームミラーに採用することもできる。また、ミラー本体15を単なる鏡(姿見鏡等)として用いることもできる。この場合、ミラー本体15を構成する強化ガラス17は、可撓性を有していなくてもよい。ミラー本体15を単なる鏡として用いることにより、鏡像の鮮明度の高い鏡を提供できる。
また、上述の実施形態では、変形駆動部20によってミラー本体15の車幅方向外側を湾曲変形させる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、仕様に応じて湾曲変形させる箇所を変更してもよい。例えば、ミラー本体15の下側を湾曲変形させて車体2の下方の視界領域を広げ、車体2を後進させる際に縁石等に乗り上げないようにドアミラー装置1でサポートすることも可能である。
さらに、上述の実施形態では、ミラー本体15を湾曲変形させる変形駆動部20を、リニアアクチュエータで構成する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、変形駆動部20をさまざまな装置で構成することが可能である。
例えば、ミラー本体15に金属片を設けると共に、この金属片を磁気的に吸引可能な電磁石を設け、電磁石の磁力を利用してミラー本体15を湾曲変形させてもよい。
また、ミラー本体15の裏面にバイメタルを設け、このバイメタルを変形駆動部として構成してもよい。
さらに、バイメタルに代えて形状記憶合金を設けてもよい。
また、モータの回転軸にカムを設け、このカムをミラー本体15に押し当ててミラー本体15を湾曲変形させてもよい。
さらに、モータの回転運動を直進運動に変換するアクチュエータを併用し、アクチュエータによってミラー本体15を湾曲変形させてもよい。
また、各実施形態の構成は、任意に組み合わせて用いることが可能である。例えば、第1実施形態の変形駆動部20と、第5実施形態の振動発生装置90とを併用することも可能である。また、上述の第8実施形態のミラー806を、第1実施形態〜第5実施形態のミラー6〜506Bに適用したり、第6、第7実施形態のミラー本体15として適用し、この分、ミラーホルダ16を削除したりすることが可能である。
上記のミラーによれば、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ガラスの屈折率の影響を受けにくくすることができ、鏡像の鮮明度を高めることができる。このため、良好な視界を得られるミラーを提供できる。
1…ドアミラー装置(車両用ミラー)
2…車体
4…ミラーハウジング(ハウジング)
6,206,306,406,506,506A,506B,606,706,806…ミラー
15…ミラー本体(ミラー)
15a…部分変形部
17…強化ガラス
17a…裏面
17b…表面
18…薄膜
19…ヒータ
20…変形駆動部(曲率可変装置、駆動部)
26…ピボットプレート(支持プレート)
75…ノーマルミラー
75a…開口部(ミラー露出部)
75b…透明板(ミラー露出部)
75c…非ミラー部
76…切込み部
77…バックプレート
80…開口部
90…振動発生装置
E1…領域
J…接着剤(接合部)
【0001】
技術分野
[0001]
本発明は、車両用ミラーに関するものである。
本願は、2015年6月1日に、日本に出願された特願2015−111242号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002]
従来から、可撓可能なミラーの全体を湾曲変形させ、ミラーの中央から側部に向かうにしたがって光の反射角を変化させる技術が知られている。例えば、このようなミラーを車両のドアミラー等に採用すると、車体後方の視界領域が広がる。
ここで、可撓可能なミラーは、樹脂、鉄、アルミニウム等からなる可撓性を有するプレートの表面に、可視光の反射率が高い銀色等の膜を設けた構成になっている。そして、膜に鏡像が映るようになる。
先行技術文献
特許文献
[0003]
特許文献1:特開2006−273028号公報
特許文献2:特開2014−95848号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004]
上述の従来技術のように、樹脂、鉄、アルミニウム等からなる可撓性を有するプレートの表面に、可視光の反射率が高い銀色の膜を設けたミラーは、鏡像の鮮明度が低く、良好な視界を得られないという課題があった。
また、ミラーの曲率半径を変化させると膜に歪みが生じ、一部が白化してしまい、良好な視界を得られないという課題があった。
[0005]
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、良好な視界を得ることができる車両用ミラーを提供する。
【0002】
課題を解決するための手段
[0006]
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、車両用ミラーにおいて、可撓可能な強化ガラスに薄膜が設けられてなるミラーと、前記ミラーを保持するハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記ミラーを湾曲変形させると共に、前記ミラーの曲率半径を可変可能な曲率可変装置と、前記曲率可変装置に設けられ、前記ミラーの少なくとも一部を押引きする駆動部と、を備えた。
[0007]
上記のように、可撓可能な強化ガラスを用いることにより、強化ガラスに対する光の反射角を変化させ、視界領域を広げることができる。また、強化ガラスを用いることにより、この強化ガラスの曲率半径を変化させても白化することがない。このため、確実に良好な視界を得ることができる。さらに、曲率可変装置を用いることにより、ミラーを、任意の曲率半径で容易に湾曲変形させることができる。このため、ユーザーフレンドリーな車両用ミラーを提供できるうえに、車体後方の視界を鮮明に得ることができる。
[0008]
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ハウジングは車体の側面に設けられ、前記曲率可変装置は、前記ミラーの車幅方向中央よりも前記車体と反対側と、前記ミラーの車高方向中央よりも下側との少なくとも一方を湾曲変形させる。
[0009]
上記のように構成することで、ミラー全体を湾曲変形させる場合と比較して自車と後続車との距離を正確に把握しやすくなる。このため、車線変更等の動作の安全性を高めることができる。
[0010]
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様または第2の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記曲率可変装置は、前記ミラーを前記駆動部により湾曲変形されないように固定する支持プレートを備えた。
[0011]
上記のように構成することで、ミラー全体を湾曲変形させる場合と比較して、駆動部によってミラーを湾曲変形させ易い。また、ミラーにおいて支持プレートにより固定される部分は平坦であるため、鏡像が歪むことがない。
[0012]
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様から第3の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ハウジング内には、前記ミラーが前記曲率可変装置により所定の形状に湾曲変形されるように、前記ミラーを支持するガイド部材が設けられている。
[0013]
上記のように構成することで、ミラーの湾曲変形量を所望の量に精度よく規制できる。
[0014]
【0003】
[0015]
[0016]
[0017]
[0018]
[0019]
[0020]
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1の態様から第4の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ハウジング内に設けられ、前記ミラーの背面側に振動を付与する振動発生装置を備えた。
[0021]
ここで、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ミラー全体に振動を伝達し易くなるので、振動発生装置を小型化できる。そして、弱い振動で、例えば、ミラーの表面の水滴を効率よく弾くことができる。
[0022]
本発明の第6の態様によれば、本発明の第8の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記振動発生装置は、リニアアクチュエータであることを特徴とする。
【0004】
[0023]
上記のように構成することで、簡素な構造でミラーに振動を付与することができる。
[0024]
本発明の第7の態様によれば、本発明の第1の態様から第6の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの背面に、ヒータが設けられている。
[0025]
ここで、前述したように、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ミラー全体に熱を伝達し易くなるので、ヒータを簡素化できる。そして、ヒータの熱量を抑えつつ、ミラーが曇ってしまうことを効率よく防止できる。
[0026]
本発明の第8の態様によれば、本発明の第1の態様から第7の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの近傍にノーマルミラーを設け、前記ノーマルミラーは、該ノーマルミラーの曲率半径が法規上規定されている領域を有している。
[0027]
上記のように構成することで、法規上規定されている領域はノーマルミラーで車体後方を確実に確認できる。そして、法規上規定されている領域以外にミラーを設けることで、車体後方の良好な視認性を確保できる。つまり、法規上規定されている領域を確実に避けた位置のみ、ミラーを湾曲変形させることができる。
[0028]
本発明の第9の態様によれば、本発明の第8の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ノーマルミラーは、前記領域以外の表面に前記ミラーを露出させるミラー露出部を有している。
[0029]
上記のように構成することで、ノーマルミラーを介し、このノーマルミラーの後方側に、ミラーを容易に露出させることが可能になる。
[0030]
本発明の第10の態様によれば、本発明の第9の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラー露出部は、前記ノーマルミラーに形成されたミラー開口部である。
[0031]
上記のように構成することで、ノーマルミラーのミラー開口部を介し、ノーマルミラーの後方側に、ミラーを容易に露出させることが可能になる。
【0005】
[0032]
本発明の第11の態様によれば、本発明の第8の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ノーマルミラーは、前記領域のみに形成されており、前記ノーマルミラーと前記ハウジングとにより囲まれてなる開口部が、前記ミラーを露出させるミラー露出部とされている。
[0033]
上記のように構成することで、ノーマルミラーの加工を容易化しつつ、ノーマルミラーの後方側に、ミラーを容易に露出させることが可能になる。
[0034]
本発明の第12の態様によれば、本発明の第9の態様から第11の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラー露出部は、透明なガラス板および透明な樹脂板の何れか一方である。
[0035]
上記のように構成することで、ノーマルミラーの表面に凹凸が形成されず、意匠性の優れた車両用ミラーを提供できる。
[0036]
本発明の第13の態様によれば、本発明の第8の態様から第12の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ノーマルミラーの前記領域以外の少なくとも一部は、鏡像が映らない非ミラー部とされている。
[0037]
上記のように構成することで、ノーマルミラーにおける法規上規定されている領域以外に、余計な鏡像が映り込むことを防止できる。このため、車体後方を確認しやすい車両用ミラーを提供できる。
[0038]
本発明の第14の態様によれば、本発明の第1の態様から第7の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーには、該ミラーの曲率半径が法規上規定されている領域を除いた箇所に、切込み部が形成されており、前記ミラーのうち、前記切込み部を挟んで前記領域とは反対側の部位は、前記領域とは独立して可撓可能とされている。
[0039]
上記のように構成することで、法規上規定されている領域を確実に避けた位置のみ、ミラーを湾曲変形させることができる。
[0040]
本発明の第15の態様によれば、本発明の第1の態様から第14の態様の何れか一の態様に係る車両用ミラーにおいて、前記ミラーの背面に、前記駆動部と接続されたバックプレートが設けられている。
【0006】
[0041]
上記のように構成することで、例えば曲率可変装置の駆動部を用いてミラーの裏面側を引張する場合、ミラーの駆動部が連結されている箇所のみが引張されて局所的にミラーが変形してしまうことを防止できる。つまり、ミラーと駆動部との接続箇所がミラーの一部であっても、ミラーの所望の箇所全体を均等に湾曲変形させることができる。
[0042]
[0043]
発明の効果
[0044]
本発明によれば、可撓可能な強化ガラスを用いることにより、強化ガラスに対する光の反射角を変化させ、視界領域を広げることができる。また、強化ガラスを用いることにより、この強化ガラスの曲率半径を変化させても白化することがない。このため、確実に良好な視界を得ることができる。さらに、曲率可変装置を用いることにより、ミラーを、任意の曲率半径で容易に湾曲変形させることができる。このため、ユーザーフレンドリーな車両用ミラーを提供できるうえに、車体後方の視界を鮮明に得ることができる。
【0007】
図面の簡単な説明
[0045]
[図1]本発明の第1実施形態におけるドアミラー装置の斜視図である。
[図2]本発明の第1実施形態におけるドアミラー装置の分解斜視図である。
[図3]本発明の第1実施形態におけるドアミラー装置の平面図である。
[図4]本発明の実施形態におけるミラー本体の一部拡大断面図である。
[図5]本発明の実施形態におけるミラー本体を前方からみた平面図である。
[図6]本発明の第1実施形態におけるガイド部材を前方からみた平面図である。
[図7]図3のA−A線に沿う断面図である。
[図8A]本発明の第1実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラーが平坦な状態を示す。
[図8B]本発明の第1実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって、ミラーが湾曲変形した状態を示す。
[図9A]本発明の実施形態におけるミラーが平坦な場合の断面図である。
[図9B]本発明の実施形態におけるミラーが平坦な場合に映る鏡像を示す図である。
[図10A]本発明の実施形態におけるミラーの車幅方向外側を湾曲変形させた場合のミラーの断面図である。
[図10B]本発明の実施形態におけるミラーの車幅方向外側を湾曲変形させた場合に映る鏡像を示す図である。
[図11A]本発明の実施形態におけるミラー全体を湾曲変形させた場合の断面図である。
[図11B]本発明の実施形態におけるミラー全体を湾曲変形させた場合に映る鏡像を示す図である。
[図12]本発明の第2実施形態におけるミラーの一部拡大斜視図である。
[図13A]本発明の第2実施形態におけるミラーの湾曲変形動作説明図であって
【0010】
開口部8aが形成されたカップ状のハウジング本体8と、ハウジング本体8の前面側に取付けられたカバー9と、を備えている。カバー9は、ドアミラー装置1の外観意匠を構成するものであり、上下方向に分割可能な下部カバー(カバーハウジング)10と上部カバー(スカルキャップ)11と、により構成されている。
[0051]
(ターンランプ部)
ターンランプ部5は、対向車や後続車等に向けて光を照射し、法定上の方向指示機能を確保するものである。ターンランプ部5は、ミラーハウジング4の前面において、車幅方向略中央から外側端部に至る間に設けられている。ターンランプ部5は、ミラーハウジング4内に収納されるアウターハウジング12と、このアウターハウジング12に前方から突き合わされ、アウターハウジング12と一体化するアウターレンズ13と、これらアウターハウジング12とアウターレンズ13との間に設けられるインナーハウジング14と、を備えている。そして、このインナーハウジング14に、LED(発光ダイオード)等からなる不図示の発光ユニットが設けられている。
[0052]
(ミラー)
ミラー6は、ミラー本体15と、ガイド部材16と、を備えている。
図4は、ミラー本体15の一部拡大断面図、図5は、ミラー本体15を前方からみた平面図である。
図4、図5に示すように、ミラー本体15は、強化ガラス17の裏面17aに、薄膜18が貼付されているものである。強化ガラス17は、可撓性を有している。具体的には、強化ガラス17として、旭硝子株式会社から入手可能な「Dragontrail」(Dragontrailは、旭硝子株式会社の登録商標)が用いられている。強化ガラス17の表面17bは、鏡面加工が施されている。
[0053]
薄膜18は、可視光を反射する膜である。強化ガラス17の裏面17aに、薄膜18を貼付けることにより、強化ガラス17を介して薄膜18の表面に映る鏡像を視認できる。
【0011】
また、ミラー本体15の裏面(薄膜18側の面)には、ヒータ19が設けられている。ヒータ19は、熱線19aをミラー本体15の全体にバランスよく引き回してなる。これにより、例えば、ミラー本体15が曇った際に、ヒータ19によってミラー本体15を加熱し、ミラー本体15全体の曇りを取り除くことができる。
[0054]
ここで、ミラー本体15は、強化ガラス17を用いているので、ガラスの板厚を薄く設定した場合であっても外力等によるミラー本体15の損傷を防止できる。このため、ミラー本体15の板厚は、従来のミラー(通常のガラスを用いて製造されたミラー)と比較して薄く設定されている。この結果、熱線19aから発せられる熱を効率よくミラー本体15全体に伝達させることができる。
このようなことから、ミラー本体15に対する熱線19aの密度は、従来のミラーに熱線19aを引き回す場合と比較して低くなっている。換言すれば、ミラー本体15には、熱線19aがまばらに引き回されている。熱線19aがまばらに引き回されていても、ミラー本体15の全体を十分加熱することができる。
[0055]
図6は、ガイド部材16を前方からみた平面図である。
図2、図6に示すように、ガイド部材16は、ミラー本体15の外形状に対応するように形成されたベース部21と、ベース部21の外周縁に立ち上がり形成された嵌合部22とが一体成形されたものである。そして、嵌合部22にミラー本体15を嵌め込むことにより、このミラー本体15とガイド部材16とが一体化される。
なお、ガイド部材16にミラー本体15を単に嵌め込むだけでこれらミラー本体15とガイド部材16とを一体化させてもよいし、接着剤を用いてガイド部材16にミラー本体15を接着し、ミラー本体15とガイド部材16とを一体化させてもよい。ガイド部材16にミラー本体15を接着固定する場合、ガイド部材16に嵌合部22を形成しなくてもよい。
[0056]
ここで、ガイド部材16は、樹脂により形成されている。詳細は後述す
【0012】
るが、本実施形態のガイド部材16は湾曲変形されるので、樹脂の素材としては軟らかいものが好ましい。また、ガイド部材16へのミラー本体15の嵌合力、または接着力は、ガイド部材16を湾曲変形した際に、ガイド部材16からミラー本体15が剥離しないような強度に設定する。さらに、図示は省略するが、ガイド部材16からミラー本体15が剥離しないように、ガイド部材16に爪部等を設けてもよい。
[0057]
また、ガイド部材16の前面16aには、車幅方向中央よりも外側(図6における右側)に、上下方向に沿う複数の溝23が形成されている。溝23の形状は、V溝状、U溝状等、さまざまな形状に設定することができる。溝23が形成された箇所は、ガイド部材16の剛性が弱まる。このため、ガイド部材16の溝23に対応する箇所は、この溝23に沿って前後方向に可撓可能となる。
[0058]
さらに、ガイド部材16の前面16aには、上下方向略中央で、かつ車幅方向最外側に、連結部61が設けられている。つまり、連結部61は、溝23よりも車幅方向外側に配置される。連結部61には、変形駆動部20の後述の作動軸72の先端が回動可能に連結される。
また、ガイド部材16の前面16aには、溝23よりも車幅方向中央側に、後述のピボットプレート26のミラー係合部57に係合可能な係合爪16bが設けられている。この係合爪16bとミラー係合部57とが係合することにより、駆動ユニット7とミラー6とが一体化される。
[0059]
(駆動ユニット)
図7は、図3のA−A線に沿う断面図である。
図2、図3、図7に示すように、駆動ユニット7は、ミラー6を支持すると共に、ミラー6を傾動させるためのものである。
駆動ユニット7は、ドアミラーステー3のアーム部3aに回動可能に取り付けられたブラケット24と、ブラケット24に取り付けられたホルダ25と、ホルダ25に傾動可能に取り付けられたピボットプレート26と、ブラケット24とホルダ25の間に形成される収納空間に収納されたミラー傾動
【0016】
配置されている。そして、これらピボット軸47、係止突起48、作動軸31、および検出ロッド32に、ピボットプレート26が傾動可能に係合される。
[0072]
図3に詳示するように、ピボットプレート26は、ミラー6と駆動ユニット7とを連結するもの(ミラー6を支持するもの)であって、平面視略矩形状に形成されている。
また、ピボットプレート26の四隅には、それぞれミラー係合部57が設けられている。ミラー係合部57は、平面視矩形の角孔58と、角孔58を左右方向に跨ぐピン59と、により構成されている。そして、ピボットプレート26の後面とガイド部材16とを重ね合わせ、ミラー係合部57とガイド部材16の係合爪16b(図6参照)とが係合することにより、ピボットプレート26にミラー6が支持される。つまり、ピボットプレート26とミラー6とが一体化される。
[0073]
ここで、ガイド部材16に設けられた係合爪16bは、溝23よりも中央側に配置されている(図6参照)。つまり、ピボットプレート26のガイド部材16と重ね合わさる後面の面積は、ガイド部材16の面積よりも十分に小さく設定されている。そして、ミラー6は、ガイド部材16の溝23を避けた位置、つまり、ミラー6の中央部でピボットプレート26に支持された形になる。
[0074]
一方、ピボットプレート26の前面には、ピボット軸47に対応する位置に、このピボット軸47を圧入可能なピボット凹部49が一体成形されている。ピボット凹部49の内面は球面の一部で形成されている。そして、ピボット凹部49にピボット軸47を圧入した状態において、ピボットプレート26は、ピボット軸47を揺動支点として揺動可能となる。
[0075]
また、ピボットプレート26の後面には、ピボット凹部49に対応する部位である凸部51の周囲に、平面視略矩形のスプリング収納凹部52が形成されている。このスプリング収納凹部52には、凸部51の付け根部に係合するC型止め輪53が収容されている。C型止め輪53は、凸部51の付け
【0017】
根部を締め付けて、この付け根部が拡径するのを阻止している。これにより、ピボット凹部49からピボット軸47が離脱してしまうことが防止される。
[0076]
また、ピボットプレート26には、スプリング収納凹部52よりも外側、つまり、ホルダ25の係止突起48に対応する位置に、それぞれ回転規制ピン54が設けられている。これら回転規制ピン54に、係止突起48が係合される。これにより、ピボット軸47の中心を通る前後方向軸の回りにホルダ25とピボットプレート26とが相対回転してしまうことが阻止される。
[0077]
さらに、ピボットプレート26の前面には、作動軸31および検出ロッド32に対応する位置に、それぞれ球面受け座55,56が一体成形されている。作動軸31側の球面受け座55には、作動軸31の頭部31aが嵌入される。一方、検出ロッド32側の球面受け座56には、検出ロッド32の頭部32aが嵌入される。これにより、各頭部31a,32aと各球面受け座55,56との摺動を許容しつつ、作動軸31および検出ロッド32と、ピボットプレート26とが不離一体に連結される。なお、作動軸31の頭部31aと球面受け座55は、作動軸31の軸線回りに相対回転不能に嵌合している。
[0078]
ここで、ピボットプレート26の車幅方向外側縁には、変形駆動部用ブラケット65が一体成形されている。この変形駆動部用ブラケット65に、変形駆動部20が固定されている。
[0079]
(変形駆動部)
図2、図3に示すように、変形駆動部20としては、例えば、リニアアクチュエータが用いられる。変形駆動部20は、駆動部本体71と、駆動部本体71に対してスライド移動可能に設けられた作動軸72と、により構成されている。そして、駆動部本体71の基端が、変形駆動部用ブラケット65に固定され、作動軸72が、前後方向に沿ってスライド移動する。この作動軸72の先端は、ガイド部材16の連結部61に回動可能に連結されている。
【0018】
[0080]
ここで、変形駆動部用ブラケット65は、変形駆動部20が取り付けられる取付面65aがピボットプレート26のミラー6側の面よりも前方にオフセットするように形成されている。このため、変形駆動部20の作動軸72が伸長している状態では、この作動軸72の先端と、ピボットプレート26のミラー6側の面とがほぼ同一平面上に位置している。
[0081]
(ミラーの湾曲変形動作)
次に、図8A〜図10Bに基づいて、ミラー6の湾曲変形動作について説明する。図8Aは、ミラー6の湾曲変形動作説明図であって、ミラー6が平坦な状態を示す。図8Bは、ミラー6の湾曲変形動作説明図であって、ミラー6が湾曲変形した状態を示す。
図8Aに示すように、通常、変形駆動部20の作動軸72は伸長しており、ミラー6は、全体が平坦になっている。
[0082]
これに対し、図8Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72が縮退すると、ミラー6の車幅方向外側が前方に向かって引張される。
ここで、ミラー6のミラー本体15は、可撓性を有している。しかも、ミラー6は、中央部でピボットプレート26に支持された形になる。このため、ミラー6の車幅方向外側が引張されると、この車幅方向外側が湾曲変形する。このとき、ガイド部材16の車幅方向外側に、上下方向に沿う溝23が複数形成されているので、小さい負荷でミラー6を湾曲変形できる。
[0083]
図9Aは、ミラー6が平坦な場合の断面図である。図9Bは、図9Aの状態の際にミラー6に映る鏡像を示す図である。
図9Aに示すように、ミラー6が平坦な場合、図9Bに示すように、例えば後続車Kが走行している場合であっても、後続車Kの全体がミラー6に映らず、運転者は後続車Kを認識しづらい。これに加え、後続車Kが二輪車なのか、四輪車であるのかも判断しにくい。
[0084]
図10Aは、ミラー6の車幅方向外側を湾曲変形させた場合の断面図である。図10Bは、図10Aの状態の際にミラー6に映る鏡像を示す図である。
【0020】
えば、ウインカー、バックギヤ、ステアリング等が挙げられる。
ウインカーと連動させる際は、左右の何れかのウインカーの動作に連動して対応する側のミラー6を湾曲変形させる。ステアリングの場合も同様で、ステアリングの操作方向に応じて対応する側のミラー6を湾曲変形させる。バックギヤの場合は、運転者がギヤをバックに入れた際、両側のミラー6を湾曲変形させる。何れの場合も、車体2の後方の視界領域が広いほうが望ましい状況である。
[0089]
また、センサとしては、後方短距離ミリ波センサ、後方ソナー、後方カメラ、加速度センサ等が挙げられる。後方短距離ミリ波センサ、後方ソナーおよび後方カメラは、何れも障害物を検出した際に両側のミラー6を湾曲変形させる。これにより、車体2の後方の視界領域が広がる。また、加速度センサは、例えば、運転者が急ブレーキした際に加速度センサによって検出された信号に基づき、ミラー6を湾曲変形させる。これは、急ブレーキの際に、後続車の追突のおそれがあるか否かを判断するのに、車体2の後方の視界領域が広いほうが望ましいからである。
[0090]
このように、上述の第1実施形態では、ミラー6を、ミラー本体15とガイド部材16とにより構成し、さらに、ミラー本体15として強化ガラス17を用いている。強化ガラス17は耐衝撃性が高いので、その板厚を従来と比較して薄く設定できる。板厚を薄く設定すると、ガラスの透過率の影響を受けにくくすることができ、鏡像の鮮明度を高めることができる。このため、良好な視界を得られるミラー6を提供できる。
また、ミラー本体15の板厚を薄く設定することにより、このミラー本体15に設けられているヒータ19の熱を、ミラー本体15の全体に伝達し易い。このため、ヒータ19を構成する熱線19aのミラー本体15に対する密度を低くできる。換言すれば、ミラー本体15に敷設される熱線19aをまばらにすることができる。
[0091]
さらに、強化ガラス17は可撓性を有しているので、ミラー6を容易に湾曲変形させることができる。この結果、ミラー6に映る車体2の後方の視界
【0021】
領域を広げることができる。
また、強化ガラス17を用いることにより、この強化ガラス17の曲率半径を変化させても白化することがない。このため、確実に良好な視界を得ることができる。
[0092]
さらに、ドアミラー装置1は、ミラー6を湾曲変形させる手段として、変形駆動部20を搭載している。そして、駆動ユニット7のピボットプレート26でミラー6の車幅方向略中央部から車幅方向内側に至る間を固定しつつ、変形駆動部20によってミラー6の車幅方向外側を引張することで、ミラー6を湾曲変形させている。このため、任意の曲率半径で容易にミラー6を湾曲変形させることができ、ユーザーフレンドリーなミラー6を提供できる。
[0093]
また、変形駆動部20と駆動ユニット7のピボットプレート26とが協働してミラー6の車幅方向外側のみを湾曲変形させているので、車体2の後方の視界領域を広げつつ、車体2から後続車Kまでの距離感を、容易に掴むことができる。
このため、ミラー6全体を湾曲変形させる場合と比較して、車線変更等の動作の安全性を高めることができる。さらに、ミラー6を引張させて湾曲変形させるので、ミラー6を湾曲変形させるにあたって、ミラーハウジング4からミラー6が突出することがない。このため、ミラーハウジング4内にミラー6を収めつつ、ミラー6を湾曲変形させることができる。
[0094]
さらに、ガイド部材16の前面16aに溝23を形成することにより、ミラー6全体を湾曲変形しやすくできる。
なお、ガイド部材16を可撓可能な素材により形成することで、ガイド部材16への溝23の形成を省くことができる。可撓可能な樹脂の素材としては、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)などが挙げられる。
[0095]
(第2実施形態)
次に、図12〜図13Bに基づいて、第2実施形態について説明する。
図12は、第2実施形態におけるミラー206の一部拡大斜視図である。
【0022】
なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
図12に示すように、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態ではピボットプレート26に変形駆動部20が固定されているのに対し、第2実施形態では、ガイド部材216に変形駆動部20が固定されている点にある。
[0096]
ガイド部材216は樹脂により形成されており、ミラー本体15が固定されるベース部221を有している。ミラー本体15とベース部221は、接着剤等により固定される。ここで、ベース部221は、前述の第1実施形態のようにミラー本体15の外形状に対応するように形成されていない。具体的には、ベース部221の上下方向の幅は、ミラー本体15の上下方向の幅とほぼ同一に設定されている。一方、ベース部221の車幅方向は、ミラー本体15の車幅方向中央よりもやや外側からミラー本体15の車幅方向内側縁に至る間に形成されている。すなわち、ミラー本体15は、車幅方向外側がベース部221に支持されていない。
[0097]
ベース部221の車幅方向外側縁には、変形駆動部用ブラケット265が一体成形されている。そして、この変形駆動部用ブラケット265に、変形駆動部20が固定されている。
変形駆動部用ブラケット265は、変形駆動部20が取り付けられる取付面265aがベース部221のミラー本体15側の面よりも前方にオフセットするように形成されている。このため、変形駆動部20の作動軸72が伸長している状態では、この作動軸72の先端と、ベース部221のミラー本体15側の面とがほぼ同一平面上に位置している。変形駆動部20の作動軸72の先端は、ミラー本体15の裏面に回動可能に連結されている。
[0098]
また、ベース部221の車幅方向外側縁には、湾曲ガイド266が一体成形されている。湾曲ガイド266は、ミラー本体15の湾曲変形量を規制するためのものであって、ベース部221の車幅方向外側縁から変形駆動部20の作動軸72に向かって僅かに前方に向かって湾曲しながら延出形成され
【0023】
ている。湾曲ガイド266の先端には、U溝266aが形成されている。これにより、湾曲ガイド266の先端は、二又状になっている。そして、湾曲ガイド266のU溝266aに、作動軸72が挿入されている。
[0099]
(ミラーの湾曲変形動作)
図13Aは、ミラー206の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が平坦な状態を示す。図13Bは、ミラー206の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が湾曲変形した状態を示す。
図13Aに示すように、通常、変形駆動部20の作動軸72は伸長しており、ミラー本体15は、全体が平坦になっている。
[0100]
これに対し、図13Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72が縮退すると、ミラー本体15の車幅方向外側が前方に向かって引張される。
ここで、ミラー本体15は、車幅方向外側を除く大部分がガイド部材216に固定されているので、ミラー本体15の車幅方向外側が引張されると、この車幅方向外側が湾曲変形する。また、ガイド部材216には、湾曲ガイド266が設けられているので、この湾曲ガイド266に沿ってミラー本体15が湾曲変形される。
[0101]
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、湾曲ガイド266が設けられているので、ミラー本体15の湾曲変形量を所望の量に精度よく規制できる。
[0102]
ここで、第2実施形態では、第1実施形態のようにミラー6をガイド部材16ごと湾曲変形させるのではなく、ガイド部材216に変形駆動部20を固定してミラー本体15だけ湾曲変形させている。このため、第2実施形態におけるガイド部材216は、硬い素材の樹脂で形成されている。具体的には、ガイド部材216を形成する樹脂としては、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PBT(GF入り)、PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)などが挙げられる。
[0103]
なお、上述の第2実施形態では、ミラー本体15とベース部221は、接
【0024】
着剤等により固定される場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ベース部221にミラー本体15を嵌合固定としてもよい。
[0104]
(第3実施形態)
次に、図14A、図14Bに基づいて、第3実施形態について説明する。
図14Aは、第3実施形態におけるミラー306の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が平坦な状態を示す。図14Bは、ミラー306の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が湾曲変形した状態を示す。
図14A、図14Bに示すように、第2実施形態と第3実施形態との相違点は、第2実施形態では変形駆動部20によってミラー本体15を前方に引張することにより、ミラー本体15を湾曲変形させるのに対し、第3実施形態では変形駆動部20によってミラー本体15を後方に押出することにより、ミラー本体15を湾曲変形させている点にある。
[0105]
より具体的には、図14Aに示すように、第3実施形態のミラーホルダ316は、ミラー本体15の外形状に対応するように形成されたベース部321と、ベース部321の外周縁に立ち上がり形成された嵌合部322と、が一体成形されたものである。
ベース部321の車幅方向外側には、前方に向かって湾曲する湾曲部321aが形成されている。一方、ベース部321の車幅方向内側には、変形駆動部20を収納するための駆動収納凹部321bが形成されている。駆動収納凹部321bに収納された変形駆動部20は、作動軸72を縮退させた状態で、作動軸72の先端がベース部321と同一平面上に位置する。
[0106]
作動軸72の先端には、ガイド部材380が接着等により取り付けられている。ガイド部材380は、剛性の高い板状のものである。また、ガイド部材380は、ベース部321(湾曲部321a)の平面形状に対応する大きさに形成され、かつベース部321(湾曲部321a)に沿うように形成されている。すなわち、ガイド部材380は、平坦部380aと湾曲部380bと、により構成されている。
【0025】
[0107]
このように形成されたガイド部材380上に、ミラー本体15が設けられている。ミラー本体15は、その裏面のうち、ガイド部材380の平坦部380aに対応する箇所が接着剤等によりこの平坦部380aに固定されている。また、ミラー本体15は通常平坦な状態であるため、変形駆動部20の作動軸72が縮退した状態(図14Aに示す状態)では、ガイド部材380の湾曲部380bからミラー本体15が離間されている。
さらに、ミラーホルダ316における嵌合部322の周縁のうち、車幅方向外側の周縁には、内フランジ部322aが形成されている。嵌合部322は、変形駆動部20の作動軸72が縮退した状態(図14Aに示す状態)で、ミラー本体15の車幅方向外側縁と内フランジ部322aとが係合するように形成されている。
[0108]
このような構成のもと、図14Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72を伸長させるとミラー本体15が後方に押出される。このとき、ミラー本体15の車幅方向外側縁と内フランジ部322aとが係合されているので、ミラー本体15は、車幅方向外側縁がその場に止まった状態で後方に押出される。このため、ミラー本体15の車幅方向外側が湾曲変形する。このとき、この湾曲変形した箇所は、ガイド部材380の湾曲部380bに当接し、この湾曲部380bに沿った形になる。
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
[0109]
(第4実施形態)
次に、図15A、図15Bに基づいて、第4実施形態について説明する。
図15Aは、第4実施形態におけるミラー406の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が平坦な状態を示す。図15Bは、ミラー406の湾曲変形動作説明図であって、ミラー本体15が湾曲変形した状態を示す。
図15A、図15Bに示すように、第3実施形態と第4実施形態との相違点は、変形駆動部20の位置が異なる点にある。
[0110]
より具体的には、第4実施形態のミラーホルダ416は、ミラー本体15
【0026】
の外形状に対応するように形成されたベース部421と、ベース部421の外周縁に立ち上がり形成された嵌合部422とが一体成形されたものである。
ベース部421の車幅方向外側には、前方に向かって湾曲する湾曲部421aが形成されている。一方、ベース部421の車幅方向略中央、つまり、湾曲部421aの付け根部近傍には、変形駆動部20を収納するための駆動収納凹部421bが形成されている。駆動収納凹部421bは、その軸方向が前後方向に対して若干斜めになるように形成されている。
[0111]
駆動収納凹部421bに収納された変形駆動部20は、作動軸72を縮退させた状態で、作動軸72の先端がベース部421と同一平面上に位置する。また、駆動収納凹部421bが前後方向に対して若干斜めに形成されているので、変形駆動部20も、作動軸72が前後方向に対して若干斜めになるように収納される。この変形駆動部20の作動軸72は、伸長する際に車幅方向斜め外側に向かって伸長する。
[0112]
作動軸72の先端には、ガイド部材380が回動可能に連結されている。また、ガイド部材380の平坦部380aに対応する箇所に、ミラー本体15の一部が接着剤等により固定されている。さらに、ミラーホルダ416における嵌合部422の周縁のうち、車幅方向外側の周縁、および車幅方向内側の周縁には、それぞれ内フランジ部422aが形成されている。嵌合部422は、変形駆動部20の作動軸72が縮退した状態(図15Aに示す状態)で、ミラー本体15の車幅方向外側縁、および車幅方向内側縁が、それぞれ内フランジ部322aと係合するように形成されている。
[0113]
このような構成のもと、図15Bに示すように、変形駆動部20の作動軸72を伸長させるとミラー本体15が後方に押出される。このとき、ミラー本体15の車幅方向外側縁と内フランジ部322aとが係合されているので、ミラー本体15は、車幅方向外側縁、および車幅方向内側縁がその場に止まった状態で後方に押出される。また、変形駆動部20によって、ガイド部材380の車幅方向略中央が斜め外側に押出されるので、このガイド部材
【0027】
380は、平坦部380aが若干車幅方向内側に傾斜しながら押出される形になる。
このため、変形駆動部20の作動軸72によってミラー本体15が押出されると、ミラー本体15は、ガイド部材380の平坦部380aに対応する箇所が若干車幅方向内側に傾斜しつつ、車幅方向外側がガイド部材380の湾曲部380bに沿って湾曲変形する。
[0114]
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第3実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、ミラー本体15の車幅方向外側が湾曲変形する際、ミラー本体15の全体が若干車幅方向内側に傾斜しつつ、湾曲変形するので、ミラー本体15の車幅方向内側に車体2(図10B参照)が映りやすくなる。このため、例えば、車体2と後続車K(図10B参照)との距離感をより掴み易くすることができる。
[0115]
(第5実施形態)
次に、図16に基づいて、第5実施形態について説明する。
図16は、第5実施形態におけるミラー506の概略構成図である。
同図に示すように、第1実施形態と第5実施形態との相違点は、第1実施形態では、ピボットプレート26に、ミラー6を湾曲変形させるための変形駆動部20が設けられているのに対し、第5実施形態では、ピボットプレート26に、変形駆動部20に代わって振動発生装置90が設けられている点にある。
[0116]
振動発生装置90は、ミラー本体15に振動を付与するためのものである。振動発生装置90としては、例えば、リニアアクチュエータ91が採用される。そして、リニアアクチュエータ91の作動軸91aをミラー506の裏面に当接させ、この状態でリニアアクチュエータ91を駆動させることにより、ミラー本体15に振動が付与される。振動を付与することにより、ミラー本体15の表面(強化ガラス17の表面17b(図4参照))に付着する水滴を弾くことができる。このため、例えば、雨天時の走行であっても、ミラー506の視界を良好に保つことができる。
[0117]
ここで、ミラー本体15は、強化ガラス17を用いているので、その板厚
【0028】
が従来のミラー(通常のガラスを用いて製造されたミラー)と比較して薄く設定されている。この結果、リニアアクチュエータ91からの付与される振動を、ミラー本体15全体に伝達し易くなる。
[0118]
したがって、上述の第5実施形態によれば、ミラー本体15の表面に水滴等が付着してミラー506の視界が悪化してしまうことを防止できる。
また、ミラー本体15全体に振動を伝達し易くなる分、振動発生装置90(リニアアクチュエータ91)を小型化できる。そして、弱い振動で、例えば、ミラー本体15の表面の水滴を効率よく弾くことができる。
さらに、振動発生装置90としてリニアアクチュエータ91を採用することにより、振動発生装置90の構成を簡素化できる。
[0119]
なお、振動発生装置90と変形駆動部20とを併用してもよい。また、上述の第5実施形態では、振動発生装置90として、リニアアクチュエータ91を採用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ミラー本体15に振動を付与可能な構造であればよい。以下、具体例を挙げる。
[0120]
(第5実施形態の第1変形例)
図17は、第5実施形態の第1変形例におけるミラー506Aの概略構成図である。
同図に示すように、振動発生装置90として、モータ92を採用することもできる。
モータ92の回転軸92aには、振動カム93が設けられている。この振動カム93は、回転した際に、外周面がミラー506Aの裏面に断続的に当接するように形成されている。このため、モータ92を駆動させると、ミラー506Aに振動が付与される。
[0121]
(第5実施形態の第2変形例)
図18は、第5実施形態の第2変形例におけるミラー506Bの概略構成図である。
同図に示すように、振動発生装置90として、吸引器94を採用することもできる。
【0029】
吸引器94としては、例えば、真空ポンプに連結されたノズル、ミラー506Bの裏面に金属片を取付け、この金属片を磁気的に吸引可能な電磁石等が挙げられる。
そして、振動発生装置90によってミラー506Bに対する吸引、開放を繰り返すことにより、ミラー506Bに振動を付与することができる。
[0122]
(第6実施形態)
次に、図19、図20に基づいて、第6実施形態について説明する。
図19は、第6実施形態におけるドアミラー装置601の斜視図であって前述の図1に対応している。図20は、ミラー606の断面図であって、図19のB−B線に沿う断面に相当している。
図19、図20に示すように、第1実施形態と第6実施形態との相違点は、第1実施形態のミラー6は、ミラー本体15とガイド部材16とにより構成されているのに対し、第6実施形態のミラー606は、ミラー本体15と、このミラー本体15の表面に重ね合わされたノーマルミラー75とにより構成されている点にある。
[0123]
ノーマルミラー75は、一般的なミラーであって、ミラー本体15のように可撓性を有する強化ガラス17で構成されておらず、可撓性を有していない。なお、ノーマルミラー75にもミラー本体15と同様の構成を採用することも可能である。ノーマルミラー75の外形状は、ミラー本体15の外形状とほぼ同一に設定されている。このように構成されたミラー606は、ノーマルミラー75が後方側に配置される。
[0124]
ここで、ノーマルミラー75には、法規上規定される領域E1を除いた一部にミラー開口部75aが形成されている。そして、このミラー開口部75aを介してノーマルミラー75の表面(後方側)に、ミラー本体15の一部が露出されている。
なお、ここでいう法規上規定されている領域E1とは、各国、州、県等によってドアミラー装置1のミラー曲率半径が規定されている領域をいう。すなわち、ノーマルミラー75にミラー開口部75aを形成し、このミラー開
【0032】
として構成することができる。すなわち、この部分変形部15aを、領域E1とは独立して湾曲変形させることができる。
[0132]
したがって、上述の第7実施形態によれば、前述の第6実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、前述の第6実施形態のようにノーマルミラー75を設けることなく、領域E1を避けた位置のみミラー本体15(部分変形部15a)を湾曲変形させることができる。このため、前述の第6実施形態と比較して部品点数を減少でき、ドアミラー装置701の製造コストを低減できる。
[0133]
(第8実施形態)
次に、図26に基づいて、第8実施形態について説明する。
図26は、第8実施形態におけるミラー806の断面図である。
同図に示すように、第1実施形態と第8実施形態との相違点は、第1実施形態のミラー6は、ミラー本体15とガイド部材16とにより構成されているのに対し、第8実施形態のミラー806は、ガイド部材16を有しておらず、ミラー本体15の背面にバックプレート77が接着剤Jにより接着固定されている点にある。
[0134]
バックプレート77は、可撓性を有する金属や樹脂により形成された板状のものである。また、バックプレート77は、ミラー本体15の外形状とほぼ同一に設定されている。
このようなバックプレート77とミラー本体15とを接着固定する接着剤Jは、ミラー本体15およびバックプレート77のそれぞれ外周部に塗布されている。また、接着剤Jは、ミラー本体15およびバックプレート77の外周部の全周に渡って塗布されるのではなく、間隔をあけて複数個所(例えば4箇所)に塗布することが望ましい。
[0135]
このように構成することで、前述の第1実施形態のように、ミラー本体15をガイド部材16で保持させる場合と比較してミラー806全体をスリム化できる。
また、例えば変形駆動部20の作動軸72(図2参照)でミラー806の
【0033】
裏面(前面)を引張し、このミラー806を湾曲変形させる場合、作動軸72とミラー806とが連結されている箇所のみが引張されて局所的にミラー806が変形してしまうことを防止できる。
[0136]
つまり、例えば作動軸72によってミラー本体15をそのまま引張しようとすると、ミラー本体15と作動軸72との接続箇所だけ強く引張され、ミラー本体15が局所的に歪んでしまう可能性がある。しかしながら、ミラー本体15にバックプレート77を設け、このバックプレート77に作動軸72を接続することにより、ミラー本体15の所望の箇所全体を均等に湾曲変形させることができる。
[0137]
また、ミラー本体15とバックプレート77とを重ね合わせた状態で両者15,77を纏めて湾曲変形させようとすると、両者15,77の曲率半径が僅かに異なることから相対位置がずれることになる。このため、ミラー本体15の背面の外周部と、バックプレート77の外周部とだけを接着剤Jを用いて接着固定することにより、その他の箇所に相対位置のずれから生じる応力がかかったり、バックプレート77が局所的に変形(しわ寄せ等のように変形)してしまったりすることを防止できる。
[0138]
なお、上述の第8実施形態では、ミラー本体15およびバックプレート77のそれぞれ外周部に、接着剤Jが塗布されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ミラー本体15の背面全体、およびバックプレート77の全面に接着剤Jを塗布し、これらミラー本体15とバックプレート77とを接着固定してもよい。但し、この場合、接着剤Jとして、硬化後に弾性を有する接着剤を用いる。このように構成することで、ミラー本体15とバックプレート77とを重ね合わせた状態で両者15,77を纏めて湾曲変形させる際に生じる相対位置のずれを、接着剤Jによって吸収することができる。また、バックプレート77はミラー本体15の一部のみに設けられていてもよい。さらに、バックプレート77とガイド部材16とを併用してもよい。
[0139]
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0035】
[0143]
また、各実施形態の構成は、任意に組み合わせて用いることが可能である。例えば、第1実施形態の変形駆動部20と、第5実施形態の振動発生装置90とを併用することも可能である。また、上述の第8実施形態のミラー806を、第1実施形態〜第5実施形態のミラー6〜506Bに適用したり、第6、第7実施形態のミラー本体15として適用し、この分、ガイド部材16を削除したりすることが可能である。
産業上の利用可能性
[0144]
上記のミラーによれば、強化ガラスを用いることにより、ガラスの板厚を薄く設定することができる。板厚を薄く設定すると、ガラスの透過率の影響を受けにくくすることができ、鏡像の鮮明度を高めることができる。このため、良好な視界を得られるミラーを提供できる。
符号の説明
[0145]
1…ドアミラー装置(車両用ミラー)
2…車体
4…ミラーハウジング(ハウジング)
6,206,306,406,506,506A,506B,606,706,806…ミラー
15…ミラー本体(ミラー)
15a…部分変形部
16,216,380…ガイド部材
17…強化ガラス
17a…裏面
17b…表面
18…薄膜
19…ヒータ
20…変形駆動部(曲率可変装置、駆動部)
26…ピボットプレート(支持プレート)
75…ノーマルミラー
75a…開口部(ミラー露出部)

Claims (19)

  1. 強化ガラスの表面に鏡面加工を施し、
    前記強化ガラスの裏面に非透過性で、かつ可視光の反射率が低い薄膜が設けられてなるミラー。
  2. 前記強化ガラスは可撓可能に構成されており、
    可撓可能なホルダに前記強化ガラスが保持されている請求項1に記載のミラー。
  3. 前記強化ガラスを湾曲変形させると共に、該強化ガラスの曲率半径を可変可能な曲率可変装置を備えた請求項2に記載のミラー。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のミラーと、
    前記ミラーを保持するハウジングと、
    を備え、
    車体の後方確認用として用いる車両用ミラー。
  5. 請求項3に記載のミラーと、
    車体の外部に設けられ、前記ミラーを保持するハウジングと、
    を備え、
    前記車体の後方確認用として用いられる車両用ミラーであって、
    前記曲率可変装置は、前記ハウジング内に設けられ、前記ミラーの背面が取り付けられる支持プレート、および該支持プレートとは別に前記ミラーの背面が取り付けられる駆動部を備え、
    前記支持プレートと前記駆動部とが協働して前記ミラーを湾曲変形させる車両用ミラー。
  6. 前記ミラーの車幅方向中央よりも外側を湾曲変形させる請求項5に記載の車両用ミラー。
  7. 前記支持プレートにより前記ミラーを固定し、前記駆動部により前記ミラーの裏面側を引張し、前記ミラーを湾曲変形させる請求項5または請求項6に記載の車両用ミラー。
  8. 前記ハウジング内に設けられ、前記ミラーの背面側に振動を付与する振動発生装置を備えた請求項4〜請求項7の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  9. 前記振動発生装置は、リニアアクチュエータである請求項8に記載の車両用ミラー。
  10. 前記ミラーの背面に、ヒータが設けられている請求項4〜請求項9の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  11. 前記ミラーの近傍にノーマルミラーを設け、
    前記ノーマルミラーは、該ノーマルミラーの曲率半径が法規上規定されている領域を有している請求項4〜請求項10の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  12. 前記ノーマルミラーは、前記領域以外の表面に前記ミラーを露出させるミラー露出部を有している請求項11に記載の車両用ミラー。
  13. 前記ミラー露出部は、前記ノーマルミラーに形成されたミラー開口部である請求項12に記載の車両用ミラー。
  14. 前記ノーマルミラーは、前記領域のみに形成されており、
    前記ノーマルミラーと前記ハウジングとにより囲まれてなる開口部が、前記ミラーを露出させるミラー露出部とされている請求項11に記載の車両用ミラー。
  15. 前記ミラー露出部は、透明なガラス板および透明な樹脂板の何れか一方である請求項12〜請求項14の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  16. 前記ノーマルミラーの前記領域以外の少なくとも一部は、鏡像が映らない非ミラー部とされている構成されている請求項11〜請求項15の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  17. 前記ミラーには、該ミラーの曲率半径が法規上規定されている領域を除いた箇所に、切込み部が形成されており、
    前記ミラーのうち、前記切込み部を挟んで前記領域とは反対側の部位は、前記領域とは独立して可撓可能とされている請求項4〜請求項10の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  18. 前記ミラーの背面に、該背面を覆う可撓可能なバックプレートを設け、
    前記ミラーの背面の外周部と、前記バックプレートの外周部との間に、前記ミラーと前記バックプレートとを接合するための接合部が設けられている請求項4〜請求項17の何れか1項に記載の車両用ミラー。
  19. 前記ミラーの背面に、該背面を覆う可撓可能なバックプレートを設け、
    前記ミラーの背面と前記バックプレートとの間に、前記ミラーと前記バックプレートとを接合するための接合部が設けられており、
    前記接合部は、弾性を有している請求項4〜請求項17の何れか1項に記載の車両用ミラー。
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