JPWO2016186177A1 - Wt1抗原ペプチドおよび免疫調節剤の併用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌を治療または予防するための、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤との併用に関する。

Description

本発明は、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤との併用に関する。
生体による腫瘍細胞やウイルス感染細胞等の排除には細胞性免疫、とりわけ細胞傷害性T細胞(CTLと称する)が重要な働きをしている。CTLは、腫瘍細胞上の抗原ペプチド(腫瘍抗原ペプチド)とMHC(Major Histocompatibility Complex)クラスI抗原との複合体を認識した前駆体T細胞が分化増殖して生成されるものであり、癌細胞を攻撃する。
MHCは、ヒトではヒト白血球型抗原(HLA)と呼ばれ、HLA−A、BおよびCwなどが知られている。腫瘍抗原ペプチドは、腫瘍で高発現しているタンパク質、すなわち腫瘍抗原タンパク質が細胞内で合成された後、プロテアーゼにより細胞内で分解されることによって生成される。生成された腫瘍抗原ペプチドは、小胞体内でMHCクラスI抗原と結合して複合体を形成し、細胞表面に運ばれて抗原提示される。この抗原提示された腫瘍抗原ペプチド(キラーペプチド)を腫瘍反応性のCTLが認識し、細胞傷害作用やリンフォカインの産生を介して抗腫瘍効果を示す。
腫瘍抗原タンパク質または腫瘍抗原由来のキラーペプチドをいわゆるがん免疫療法剤(がんワクチン)の主成分として利用することにより、がん患者の体内のがん特異的CTLを増強させる治療法の開発が検討されている。例えば、WT1(Wilm’s tumor 1)を標的とした癌免疫療法が開発されつつある。WT1は小児の腎癌であるウイルムス腫瘍の責任遺伝子として同定された遺伝子であり、ジンクフィンガー構造を有する転写因子である(非特許文献1参照)。当初、WT1遺伝子は癌抑制遺伝子であるとされたが、その後の研究により、造血器腫瘍や固形癌においてはむしろ癌遺伝子として働くことが示された。また、WT1遺伝子は多くの悪性腫瘍において高発現していることが報告されている(非特許文献2参照)。WT1は、白血病および固形癌における新しい癌抗原タンパク質であると考えられている(非特許文献3参照)。そこで、WT1タンパクあるいはWT1タンパク由来のペプチドを利用した癌ワクチン療法や樹状細胞療法、WT1タンパク由来のペプチドとHLA複合体を認識するTCR様抗体、あるいはTCR様抗体を利用したキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子改変T細胞療法などが開発中である。
当該WT1タンパク質に関して、例えば、WT1126−134ペプチド、WT1235−243ペプチド、WT110−18ペプチド、WT1187−195ペプチド、WT1302−310ペプチド、およびWT137−45ペプチドなど、MHCクラスIに結合し提示されるキラーペプチドが報告されている(特許文献1、特許文献2、非特許文献4および5参照)。
また、癌免疫療法において重要な働きをしている細胞としては、CTLの他にヘルパーT(Th1)細胞が挙げられる。一般的に、抗原タンパク質は細胞内リソソームで分解され、13〜17残基程度のアミノ酸から構成される断片ペプチドの一部が、抗原ペプチド(ヘルパーペプチド)としてMHCクラスII分子に結合する。その後、抗原ペプチドとMHCクラスII分子の複合体がTCR・CD3複合体に提示されて活性化されたTh1細胞は、CTLの誘導および活性化を促す。ヒトのMHCクラスII分子としてHLA−DR、DQおよびDPなどが知られており、WT1タンパクに由来する複数のヘルパーペプチドがこれまで同定されている(非特許文献6および7参照)
近年、免疫調節機構には、相互に連関し、免疫を抑制又は寛容する複数の刺激シグナルが存在することが見出されている。また、本機構を利用し、抗原提示細胞によるT細胞活性化において抗原提示細胞上及び/またはT細胞上の補助刺激シグナルの伝達に関与する分子に相互作用する薬剤が、補助刺激シグナルの伝達を制御できることが知られている(非特許文献8参照)。
その一つの例として、腫瘍中にCTLが存在するにもかかわらず、腫瘍が縮小しないケースが観察される。その一つの原因として、腫瘍に浸潤したCTLが早期に疲弊し、腫瘍細胞の殺傷能力、複数のサイトカイン産生能力、増殖能力を消失し、細胞死に陥っていることが示唆されている。この疲弊現象はCTLの細胞膜表面に発現する免疫チェックポイント分子から負のシグナルが入ることによることが明らかとなってきた。
これまでに、免疫チェックポイント分子として、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、LAG−3、KIR、TIM−3、B7−H3、B7−H4、VISTA/PD−1H、HVEM、BTLA、CD160、GAL9、TIGIT、PVR、BTNL2、BTN1A1、BTN2A2、BTN3A2、CD244などが報告されている(非特許文献8および9参照)。例えば、PD−1は、活性化リンパ球(T細胞、B細胞及びNKT細胞)及び骨髄系細胞に発現するCD28ファミリーに属する受容体であり、抗原提示細胞に発現するPD−1リガンド(PD―L1及びPD−L2)と結合し、リンパ球に抑制性シグナルを伝達してリンパ球の活性化状態を負に調節する。PD−L1は、抗原提示細胞以外に様々な腫瘍組織にも発現していることが明らかとなっている。すなわち、癌は、PD−L1を利用してCTLからの攻撃を回避している。
そこで近年、免疫チェックポイント分子の機能を阻害する抗体が開発され始めている(非特許文献9および10参照)。これら抗体はCTLの疲弊状態を解除する。例えば、抗PD−1抗体や抗PD−L1抗体は、PD−1とPD−L1との結合を阻害し、CTLの細胞傷害活性を回復させる。実際、非小細胞肺がんやメラノーマなどの患者を対象として抗PD−1抗体あるいは抗PD−L1抗体の臨床試験が実施され、顕著な効果が認められている。しかし、著効を示す患者は約2〜3割程度に過ぎず、強い免疫関連有害事象を被るなど、抗PD−1抗体あるいは抗PD−L1抗体を用いた治療法は十分に満足された状況にはない。
国際公開第00/06602号 国際公開第00/18795号
Am J Hum Genet. 1993; 52: 192-203 Blood.1997; 89: 1405-1412 Immunogenetics. 2000; 51: 99-107 Clin Cancer Res. 2005; 11: 8799-807 Blood. 2008 Oct 1; 112(7): 2956-64 J Immunother. 2007; 30: 282-93 Cancer Immunol Immunother. 2010; 59: 1467-79 Nat Rev Cancer. 2012; 12: 252-64 Nat Rev Drug Discov. 2015 Aug; 14 (8): 561-8 Nat Rev Drug Discov. 2013 Feb; 12 (2): 130-46
本発明が解決しようとする課題は、WT1抗原ペプチドおよび免疫調節剤を利用した癌を治療または予防するための方法および医薬を提供することにある。
抗PD−1抗体や抗PD−L1抗体の効果が十分でない原因として、腫瘍内のCTL量が少ない、PD−1/PD−L1以外の強い免疫抑制メカニズムに依存している、などが考えられる。そこで、癌ワクチンとの併用やPD−1及びPD−L1以外の免疫チェックポイント分子の阻害剤との併用が期待される。本発明者らは、腫瘍内の腫瘍反応性のCTLを増加させる癌ワクチンと免疫チェックポイント分子の阻害剤又はその他免疫調節剤との併用について検討した。本発明者らは、マウスを利用して鋭意研究を行った結果、WT1抗原ペプチドの投与によって、CD8陽性T細胞とりわけWT1特異的キラーT細胞及びCD4陽性T細胞において、免疫チェックポイント分子の発現が誘導されること、および誘導されたWT1特異的キラーT細胞は、免疫チェックポイント阻害剤などの免疫調節剤に反応して活性化が促されることを見出した。更に、ヒト由来末梢血単核細胞を利用して鋭意研究を行った結果、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤との併用によって、ナイーブT細胞からWT1特異的キラーT細胞の誘導が効率よく起こること、およびWT1抗原ペプチドによって誘導されたWT1特異的キラーT細胞は、免疫調節剤に反応して活性化が促されることを見出した。本発明においては、更なる併用効果の向上について鋭意検討し、上記組合せにおいて、更にWT1キラーペプチドとWT1ヘルパーペプチドを組み合わせた癌ワクチンを用いることにより癌細胞による抑制を受けないCTLが誘導され、これによって免疫調節剤との併用効果が著しく向上できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下のものに関する。
項1.
免疫調節剤と併用される、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩を含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
項2.
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、免疫調節剤を含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
項3.
免疫調節剤とWT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩とを含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
項4.
WT1抗原ペプチドがWT1キラーペプチドである、項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
項5.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
RMFPNAPYL (配列番号:2)、
CMTWNQMNL (配列番号:3)、
CYTWNQMNL (配列番号:4)、
ALLPAVPSL (配列番号:5)、
SLGEQQYSV (配列番号:6)、
RVPGVAPTL (配列番号:7)、
VLDFAPPGA、(配列番号:8)、
C−CMTWNQMNL (配列番号:9)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)、
C−CYTWNQMNL (配列番号:10)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
RYFPNAPYL (配列番号:21)、および
YMFPNAPYL (配列番号:26)から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;
前記配列番号2〜10、21および26から選択されるいずれかのアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が、欠失、置換、および/または付加されたアミノ酸配列を含み且つCTL誘導活性を有するペプチド;もしくは
式(1):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物、
式(2):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物、および
式(3):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物
からなる群から選択される化合物;またはその薬学上許容される塩である、項4に記載の医薬組成物。
項6.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
RMFPNAPYL(配列番号:2)、
CMTWNQMNL (配列番号:3)、
CYTWNQMNL (配列番号:4)、
ALLPAVPSL (配列番号:5)、
C−CYTWNQMNL (配列番号:10)、および
YMFPNAPYL (配列番号:26)
から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;もしくは
式(3):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物;またはその薬学上許容される塩である、項5に記載の医薬組成物。
項7.
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩をさらに含む、項4〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
項8.
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、項4〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
項9.
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
以下:
KRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:11)、
SGQARMFPNAPYLPSCLES(配列番号:12)、
RSDELVRHHNMHQRNMTKL (配列番号:13)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:14)、
CNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:15)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:16)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:17)、
WAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:18)、
CWAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:19)、
WAPVLDFAPPGASAYGSLC (配列番号:20)、および
SGQAYMFPNAPYLPSCLES (配列番号:37)
から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;もしくは
前記配列番号11〜20から選択されるいずれかのアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が、欠失、置換、および/または付加されたアミノ酸配列を含み且つヘルパーT細胞誘導活性を有するペプチド;またはその薬学上許容される塩である、項7または8に記載の医薬組成物。
項10.
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
以下:
KRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:11)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:14)、
WAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:18)、および
SGQAYMFPNAPYLPSCLES (配列番号:37)
から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドまたはその薬学上許容される塩である、項9に記載の医薬組成物。
項11.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、RMFPNAPYL(配列番号:2)またはその薬学上許容される塩であり、
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、KRYFKLSHLQMHSRKH(配列番号:11)またはその薬学上許容される塩である、項10に記載の医薬組成物。
項12.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、RMFPNAPYL(配列番号:2)またはその薬学上許容される塩であり、
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG(配列番号:14)またはその薬学上許容される塩である、項10に記載の医薬組成物。
項13.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、ALLPAVPSL(配列番号:5)またはその薬学上許容される塩であり、
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、KRYFKLSHLQMHSRKH(配列番号:11)またはその薬学上許容される塩である、項10に記載の医薬組成物。
項14.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、YMFPNAPYL(配列番号:26)またはその薬学上許容される塩であり、
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、SGQAYMFPNAPYLPSCLES(配列番号:37)またはその薬学上許容される塩である、項10に記載の医薬組成物。
項15.
WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、式(3):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物またはその薬学上許容される塩であり、
WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、WAPVLDFAPPGASAYGSL(配列番号:18)またはその薬学上許容される塩である、項10に記載の医薬組成物。
項16.
癌ワクチンとして使用される、項1〜15のいずれかに記載の医薬組成物。
項17.
免疫調節剤が、
(1)免疫チェックポイント阻害剤、
(2)共刺激分子アゴニスト剤、
(3)免疫活性化剤、および
(4)低分子阻害剤
からなる群から選択される1以上の薬剤である、項1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
項18.
免疫調節剤が抗体、核酸、タンパク質、ペプチドまたは低分子化合物である、項17に記載の医薬組成物。
項19.
免疫調節剤が、免疫チェックポイント阻害剤である、項17または18に記載の医薬組成物。
項20.
免疫チェックポイント阻害剤が、
(1)CTLA−4、
(2)PD−1、
(3)LAG−3、
(4)BTLA、
(5)KIR、
(6)TIM−3、
(7)PD−L1、
(8)PD−L2、
(9)B7−H3、
(10)B7−H4、
(11)HVEM、
(12)GAL9、
(13)CD160、
(14)VISTA、
(15)BTNL2、
(16)TIGIT、
(17)PVR、
(18)BTN1A1、
(19)BTN2A2、
(20)BTN3A2、および
(21)CSF−1R
からなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、項19に記載の医薬組成物。
項21.
免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA−4、PD−1、LAG−3、TIM−3、BTLA、VISTA、HVEM、TIGIT、PVR、PD−L1およびCD160からなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、項20に記載の医薬組成物。
項22.
免疫チェックポイント阻害剤が、PD−1またはPD−L1に対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項23.
免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA−4に対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項24.
免疫チェックポイント阻害剤が、LAG−3に対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項25.
免疫チェックポイント阻害剤が、TIM−3に対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項26.
免疫チェックポイント阻害剤が、BTLAに対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項27.
免疫チェックポイント阻害剤が、HVEMに対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項28.
免疫チェックポイント阻害剤が、TIGITに対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項29.
免疫チェックポイント阻害剤が、PVRに対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項30.
免疫チェックポイント阻害剤が、CD160に対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項31.
免疫チェックポイント阻害剤が、CSF−1Rに対する薬剤である、項21に記載の医薬組成物。
項32.
免疫チェックポイント阻害剤が、抗体である、項19〜31のいずれかに記載の医薬組成物。
項33.
免疫チェックポイント阻害剤が、PD−1またはPD−L1に対する抗体である、項32に記載の医薬組成物。
項33.
PD−1に対する抗体が、ニボルマブまたはペンブロリズマブである、項33に記載の医薬組成物。
項34.
PD−L1に対する抗体が、Durvalumab、Atezolizumab(MPDL3280A)またはBMS−936559である、項33に記載の医薬組成物。
項35.
免疫調節剤が、共刺激分子アゴニスト剤である、項17または18に記載の医薬組成物。
項36.
共刺激分子アゴニスト剤が、
(1)4−1BB、
(2)4−1BB−L、
(3)OX40、
(4)OX40−L、
(5)GITR、
(6)CD28、
(7)CD40、
(8)CD40−L、
(9)ICOS、
(10)ICOS−L、
(11)LIGHT、および
(12)CD27
からなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、項35に記載の医薬組成物。
項37.
共刺激分子アゴニスト剤が、4−1BB、OX40、GITR、CD40およびICOSからなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、項36に記載の医薬組成物。
項38.
共刺激分子アゴニスト剤が、4−1BBに対する薬剤である、項37に記載の医薬組成物。
項39.
共刺激分子アゴニスト剤が、OX40に対する薬剤である、項37に記載の医薬組成物。
項40.
共刺激分子アゴニスト剤が、GITRに対する薬剤である、項37に記載の医薬組成物。
項41.
共刺激分子アゴニスト剤が、CD40に対する薬剤である、項37に記載の医薬組成物。
項42.
共刺激分子アゴニスト剤が、ICOSに対する薬剤である、項37に記載の医薬組成物。
項43.
共刺激分子アゴニスト剤が、抗体である、項35〜42のいずれかに記載の医薬組成物。
項44.
免疫調節剤が、免疫活性化剤である、項17または18に記載の医薬組成物。
項45.
免疫活性化剤が、Toll様受容体(TLR)作動薬である、項44に記載の医薬組成物。
項46.
TLR作動薬が、
(1)TLR1/2作動薬、
(2)TLR2作動薬、
(3)TLR3作動薬、
(4)TLR4作動薬、
(5)TLR5作動薬、
(6)TLR6/2作動薬、
(7)TLR7作動薬、
(8)TLR7/8作動薬、
(9)TLR7/9作動薬、
(10)TLR8作動薬、
(11)TLR9作動薬、および
(12)TLR11作動薬
からなる群から選択される1以上の薬剤である、項45に記載の医薬組成物。
項47.
TLR作動薬が、TLR3作動薬、TLR7作動薬、TLR7/8作動薬、およびTLR9作動薬からなる群から選択される1以上の薬剤である、請求項46に記載の医薬組成物。
項48.
Toll様受容体作動薬が、TLR3作動薬である、項47に記載の医薬組成物。
項49.
Toll様受容体作動薬が、TLR7作動薬である、項47に記載の医薬組成物。
項50.
Toll様受容体作動薬が、TLR7/8作動薬である、項47に記載の医薬組成物。
項51.
Toll様受容体作動薬が、TLR9作動薬である、項47に記載の医薬組成物。
項52.
Toll様受容体作動薬が、核酸である、項45〜51のいずれかに記載の医薬組成物。
項53.
免疫調節剤が、低分子阻害剤である、項17または18に記載の医薬組成物。
項54.
低分子阻害剤が、β―カテニン阻害剤、IDO阻害剤、COX−2阻害剤、CXCR4阻害剤、STAT3阻害剤およびマルチキナーゼ阻害剤からなる群から選択される1以上の薬剤である、項53に記載の医薬組成物。
項55.
低分子阻害剤が、β―カテニン阻害剤である、請求項54に記載の医薬組成物。
項56.
低分子阻害剤が、IDO阻害剤である、項54に記載の医薬組成物。
項57.
低分子阻害剤が、COX−2阻害剤である、項54に記載の医薬組成物。
項58.
低分子阻害剤が、CXCR4阻害剤である、項54に記載の医薬組成物。
項59.
低分子阻害剤が、STAT3阻害剤である、項54に記載の医薬組成物。
項60.
低分子阻害剤が、マルチキナーゼ阻害剤である、項54に記載の医薬組成物。
項61.
癌が、白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、脳腫瘍、骨癌、膵癌、頭頚部癌、皮膚または眼窩内悪性メラノーマ、直腸癌、肛門部癌、精巣癌、卵管のカルシノーマ、子宮内膜カルシノーマ、子宮頚部カルシノーマ、膣カルシノーマ、外陰部カルシノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性白血病、小児固形癌、リンパ球性リンパ腫、腎臓または尿管の癌、腎盂カルシノーマ、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性CNSリンパ腫、腫瘍新脈管形成、脊椎腫瘍、脳幹グリオーム、下垂体アデノーマ、カポシ肉腫、扁平上皮癌、扁平細胞癌、T細胞リンパ腫、多型性膠芽腫、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞癌およびアスベスト誘発癌からなる群から選択される、項1〜60のいずれかに記載の医薬組成物。
項62.
WT1抗原ペプチドと免疫調節剤とが同時に投与される、項1〜61のいずれかに記載の医薬組成物。
項63.
WT1抗原ペプチドと免疫調節剤とが別々に投与される、項1、2、および4〜61のいずれかに記載の医薬組成物。
項64.
WT1抗原ペプチドが免疫調節剤の投与前に投与される、項1、2、および4〜61のいずれかに記載の医薬組成物。
項65.
WT1抗原ペプチドが免疫調節剤の投与後に投与される、項1、2、および4〜61のいずれかに記載の医薬組成物。
項66.
癌を治療するための、項1〜66のいずれかに記載の医薬組成物。
項67.
薬学上許容される担体をさらに含む、項1〜66のいずれかに記載の医薬組成物。
項68.
項1〜67のいずれかに規定されるWT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを哺乳動物に投与することを含む、癌を治療または予防するための方法。
項69.
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを同時にまたは別々に投与する、項68に記載の方法。
項70.
項1〜67のいずれかに規定されるWT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを含む、癌を治療または予防するためのキット。
本発明はまた、以下のものに関する:
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを哺乳動物に投与することを含む、癌を治療または予防するための方法;
免疫調節剤と併用される、癌の治療または予防における使用のための、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩;
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、癌の治療または予防における使用のための、免疫調節剤;
免疫調節剤と併用される、癌を治療または予防するための医薬の製造のため、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩の使用;
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、癌を治療または予防するための医薬の製造のため、免疫調節剤の使用;および
癌を治療または予防するための医薬の製造のため、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩および免疫調節剤の使用。
本発明はまた、以下のものに関する:
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫チェックポイント阻害剤とを哺乳動物に投与することを含む、癌を治療または予防するための方法;
免疫チェックポイント阻害剤と併用される、癌の治療または予防における使用のための、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩;
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、癌の治療または予防における使用のための、免疫チェックポイント阻害剤;
免疫チェックポイント阻害剤と併用される、癌を治療または予防するための医薬の製造のため、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩の使用;
WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、癌を治療または予防するための医薬の製造のため、免疫チェックポイント阻害剤の使用;および
癌を治療または予防するための医薬の製造のため、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩および免疫チェックポイント阻害剤の使用。
本発明により、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを併用することを特徴とする、癌を治療または予防するための方法、医薬組成物およびキットが提供される。また、本発明により、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを組み合わせることを特徴とする、癌の治療または予防するための方法、医薬組成物、およびキットが提供される。
抗PD−1抗体処理群のキラーペプチドB特異的CTLの検出。横軸は、抗CD8抗体の染色強度、縦軸はHLAテトラマーの染色強度を示し、四角の破線で囲まれた領域内のドットは、WT1抗原ペプチド特異的CTLを表す。
抗PD−L1抗体処理群のキラーペプチドA特異的CTLの検出。横軸は、抗CD8抗体の染色強度、縦軸はHLAテトラマーの染色強度を示し、四角の破線で囲まれた領域内のドットは、WT1抗原ペプチド特異的CTLを表す。
抗PD−L1抗体処理群のキラーペプチドB特異的CTLの検出。横軸は、抗CD8抗体の染色強度、縦軸はHLAテトラマーの染色強度を示し、四角の破線で囲まれた領域内のドットは、WT1抗原ペプチド特異的CTLを表す。
WT1抗原ペプチド特異的CTLの検出。縦軸は、IFN−γELISPOTで検出されたスポット数を示す。
CD8陽性T細胞におけるPD−1の検出。ワクチン投与によるマウス脾細胞におけるPD−1の発現変化を示す。横軸にフローサイトメトリー解析によるPD−1の染色強度を表す。1点短鎖線はワクチン投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陽性画分、破線はワクチン投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陰性画分、実線はワクチン非投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陰性画分を対象とした解析結果を示す。また、点線はアイソタイプコントロールを用いた結果を示す。
CD4陽性T細胞におけるPD−1の検出。ワクチン投与によるマウス脾細胞におけるPD−1の発現変化を示す。横軸にフローサイトメトリー解析によるPD−1の染色強度を表す。破線はワクチン投与個体脾細胞由来のCD4陽性T細胞についての解析結果を、実線はワクチン非投与個体脾細胞由来のCD4陽性T細胞についての解析結果を示す。また、点線はアイソタイプコントロールを用いた結果を示す。
CD4/CD8陰性細胞におけるPD−1の検出。ワクチン投与によるマウス脾細胞におけるPD−1の発現変化を示す。横軸にフローサイトメトリー解析によるPD−1の染色強度を表す。破線はワクチン投与個体脾細胞由来のCD4/CD8陰性細胞についての解析結果を、実線はワクチン非投与個体脾細胞由来のCD4/CD8陰性細胞についての解析結果を示す。また、点線はアイソタイプコントロールを用いた結果を示す。
CD8陽性T細胞におけるPD−L1の検出。ワクチン投与によるマウス脾細胞におけるPD−L1の発現変化を示す。横軸にフローサイトメトリー解析によるPD−L1の染色強度を表す。1点短鎖線はワクチン投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陽性画分、破線はワクチン投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陰性画分、実線はワクチン非投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陰性画分を対象とした解析結果を示す。また、点線はアイソタイプコントロールを用いた結果を示す。
CD4陽性T細胞におけるPD−L1の検出。ワクチン投与によるマウス脾細胞におけるPD−L1の発現変化を示す。横軸にフローサイトメトリー解析によるPD−L1の染色強度を表す。破線はワクチン投与個体脾細胞由来のCD4陽性T細胞についての解析結果を、実線はワクチン非投与個体脾細胞由来のCD4陽性T細胞についての解析結果を示す。また、点線はアイソタイプコントロールを用いた結果を示す。
CD4/CD8陰性細胞画分におけるPD−L1の検出。ワクチン投与によるマウス脾細胞におけるPD−L1の発現変化を示す。横軸にフローサイトメトリー解析によるPD−L1の染色強度を表す。破線はワクチン投与個体脾細胞由来のCD4/CD8陰性細胞についての解析結果を、実線はワクチン非投与個体脾細胞由来のCD4/CD8陰性細胞についての解析結果を示す。また、点線はアイソタイプコントロールを用いた結果を示す。
抗PD−1抗体処理によるIFN−γの産生。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体で処理し、EL4HHD腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗CD160抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗BTLA抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(D)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗TIM−3抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(E)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗LAG−3抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(F)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(G)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗HVEM抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(H)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗VISTA抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(I)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PVR抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体(B)またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗GITR抗体(C)またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(D)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗CD40抗体(D)またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
Toll様受容体作動薬処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をPolyI:Cで処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
Toll様受容体作動薬処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をImiquimodで処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
Toll様受容体作動薬処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をR848で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
Toll様受容体作動薬処理によるIFN−γの産生(D)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をCpG−ODNで処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
β―カテニン阻害剤処理によるIFN−γの産生。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をXAV939で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与した担がんマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し培養した時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。 免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与した担がんマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗CTLA−4抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し培養した時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。 免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与した担がんマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗TIGIT抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し培養した時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生。ワクチン投与した担がんマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗ICOS抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し培養した時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗B7−H4抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗B7−H4抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗B7−H4抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗GITR抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチドおよびLLC−HHD−WT1腫瘍細胞との共培養時におけるIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗PD−1抗体とワクチンの併用によるイン・ビボ腫瘍増殖抑制作用。EL4―A24/Kb―WT1腫瘍細胞を移植したマウスにビークル(a群)、抗PD−1抗体(b群)、ワクチン(c群)、抗PD−1抗体とワクチン(d群)を投与したときの、平均腫瘍容積を示す。
抗CTLA−4抗体とワクチンの併用によるイン・ビボ腫瘍増殖抑制作用。EL4―A24/Kb―WT1腫瘍細胞を移植したマウスにビークル(a群)、抗CTLA−4抗体(b群)、ワクチン(c群)、抗CTLA−4抗体とワクチン(d群)を投与したときの、平均腫瘍容積を示す。
WT1抗原ペプチド特異的CTLのHLAテトラマーによる検出。縦軸は、ワクチンを投与したマウスの脾細胞中に含まれるWT1抗原ペプチド特異的CTLの割合を示す。
WT1抗原ペプチド刺激によるIFN−γの産生。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をWT1キラーペプチド添加下で培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
WT1抗原ペプチド刺激によるIFN−γの産生。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を、WT1キラーペプチド非添加下あるいは添加下で、LLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチド非添加下あるいは添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗BTLA抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗LAG−3抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(D)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
免疫チェックポイント阻害剤処理によるIFN−γの産生(E)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗VISTA抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(A)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体またはアイソタイプコントロール抗体で処理し、WT1キラーペプチド非添加下あるいは添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(B)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
共刺激分子アゴニスト抗体処理によるIFN−γの産生(C)。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗GITR抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
β―カテニン阻害剤処理によるIFN−γの産生。ワクチン投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をXAV939で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
WT1抗原ペプチド特異的CTLのHLAテトラマーによる検出。縦軸は、ワクチンを投与したマウスの脾細胞中に含まれるWT1抗原ペプチド特異的CTLの割合を示す。
WT1抗原ペプチド刺激によるIFN−γの産生(A)。キラーワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をWT1キラーペプチド添加下で培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
WT1抗原ペプチド刺激によるIFN−γの産生(B)。カクテルワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞をWT1キラーペプチド添加下で培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗PD−1抗体処理によるIFN−γの産生(A)。キラーワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗PD−1抗体処理によるIFN−γの産生(B)。カクテルワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−1抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す
抗B7−H4抗体処理によるIFN−γの産生(A)。キラーワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗B7−H4抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗B7−H4抗体処理によるIFN−γの産生(B)。カクテルワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗B7−H4抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗PD−L1抗体処理によるIFN−γの産生(A)。キラーワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗PD−L1抗体処理によるIFN−γの産生(B)。カクテルワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗PD−L1抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗4−1BB抗体処理によるIFN−γの産生(A)。キラーワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗4−1BB抗体処理によるIFN−γの産生(B)。カクテルワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗4−1BB抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗OX−40抗体処理によるIFN−γの産生(A)。キラーワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
抗OX−40抗体処理によるIFN−γの産生(B)。カクテルワクチンを投与したマウスで誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞を抗OX−40抗体で処理し、WT1キラーペプチド添加下でLLC−HHD−WT1腫瘍細胞と共培養したときのIFN−γ産生能をELISAによって測定した結果を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤との併用に関する。
本明細書において、「WT1抗原ペプチド」とは、WT1タンパク質由来のアミノ酸配列を有し、MHCクラスIまたはMHCクラスIIに結合し、複合体として細胞表面に提示されることにより、キラーT細胞またはヘルパーT細胞を誘導するペプチドを意味する。本明細書において、MHCクラスIに結合し、キラーT細胞を誘導するWT1抗原ペプチドを「WT1キラーペプチド」、MHCクラスIIに結合し、ヘルパーT細胞を誘導するペプチドを「WT1ヘルパーペプチド」と称する。WT1タンパク質は、限定はされないが、マウスまたはヒトWT1タンパク質が例示され、好ましくはヒトWT1タンパク質である。ヒトWT1タンパク質は、配列番号:1のアミノ酸配列を有する。本明細書中、文脈上不適切でない限り、「WT1抗原ペプチド」との用語はその薬学上許容される塩を包含する。
WT1抗原ペプチドは、そのアミノ酸配列中のアミノ酸残基の一部または全部を修飾した修飾体であってもよい。そのような修飾体は、公知の方法にて修飾することができる。修飾体は、例えば、ペプチドを構成するアミノ酸残基の側鎖中の官能基にエステル化、アルキル化、ハロゲン化、リン酸化、スルホン化、アミド化などを施したものであってもよい。また、ペプチドのN末端および/またはC末端に、種々の物質を結合させることができる。例えば、アミノ酸、ペプチド、それらのアナログ等を結合させてもよい。WT1抗原ペプチドにこれらの物質が結合している場合、これらの物質が例えば、生体内酵素により、あるいは細胞内プロセッシングなどの過程により処理され、最終的に当該WT1抗原ペプチドを生じるものであってもよい。これらの物質は、ペプチドの溶解性を調整するものであってもよく、耐プロテアーゼ作用等その安定性を向上させるものであってもよく、また例えば、所定の組織・器官に特異的にペプチドをデリバリーするようなものであってもよく、あるいはまた抗原提示細胞の取り込み効率を増強させる作用などを有するものであってもよい。これらの物質はまた、CTL誘導能を増大させるもの、例えば、当該WT1抗原ペプチド以外のキラーペプチドまたはヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩であってもよい。
WT1抗原ペプチドは、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−硫黄結合などのペプチド結合以外の結合によってアミノ酸残基が結合したものであってもよい。さらにWT1抗原ペプチドは、1またはそれ以上のD−体アミノ酸を含んでいてもよい。
上記のWT1抗原ペプチドの修飾体は例示であり、当業者であれば容易にそのバリエーションを想定し、製造し、効果を調べ、用いることができる。
本発明における「アミノ酸残基」とは、ペプチドまたはタンパク質分子上で、ペプチドまたはタンパク質を構成しているアミノ酸の一単位に当たる部分を意味する。「アミノ酸残基」としては、天然もしくは非天然のα−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、γ−アミノ酸残基またはδ−アミノ酸残基が挙げられる。具体的には、天然のα−アミノ酸残基、オルニチン残基、ホモセリン残基、ホモシステイン残基、β−アラニン、γ−アミノブタン酸またはδ−アミノペンタン酸などが挙げられる。
本発明における「アミノ酸残基」を略号で表示する場合、次の略号で記述する。
AlaまたはA:アラニン残基
ArgまたはR:アルギニン残基
AsnまたはN:アスパラギン残基
AspまたはD:アスパラギン酸残基
CysまたはC:システイン残基
GlnまたはQ:グルタミン残基
GluまたはE:グルタミン酸残基
GlyまたはG:グリシン残基
HisまたはH:ヒスチジン残基
IleまたはI:イソロイシン残基
LeuまたはL:ロイシン残基
LysまたはK:リジン残基
MetまたはM:メチオニン残基
PheまたはF:フェニルアラニン残基
ProまたはP:プロリン残基
SerまたはS:セリン残基
ThrまたはT:スレオニン残基
TrpまたはW:トリプトファン残基
TyrまたはY:チロシン残基
ValまたはV:バリン残基
Abu:2−アミノ酪酸残基(α−アミノ酪酸残基とも言う)
Orn:オルニチン残基
Cit:シトルリン残基
本発明における「ペプチド」のアミノ酸配列は、常法に従って、N末端アミノ酸のアミノ酸残基が左側に位置し、C末端アミノ酸のアミノ酸残基が右側に位置するように記述する。また「ペプチド」において、特に断りの無い限り、N末端アミノ酸のアミノ酸残基のアミノ基は水素原子と結合し、C末端アミノ酸のアミノ酸残基のカルボニル基は水酸基と結合している。ペプチドの二価基とは、N末端アミノ酸のアミノ酸残基のアミノ基およびC末端アミノ酸のアミノ酸残基のカルボニル基を介して結合する基を意味する。本発明の化合物において、たとえば式(1)〜(3)で表される化合物において、その部分構造にあたるペプチドについても、特に断りの無い限り、N末端アミノ酸のアミノ酸残基のアミノ基は水素原子と結合し、C末端アミノ酸のアミノ酸残基のカルボニル基は水酸基と結合している。
MHCは、ヒトではヒト白血球型抗原(HLA)と呼ばれる。MHCクラスI分子に相当するHLAは、HLA−A、B、Cw、FおよびGなどのサブタイプに分類される。本明細書において「MHCクラスI拘束性」とは、MHCクラスI分子と結合してキラー細胞を誘導する特性を意味する。「MHCクラスI拘束性」として、好ましくは、HLA−A拘束性、HLA−B拘束性またはHLA−Cw拘束性が挙げられる。
HLAの各サブタイプについて、多型(対立遺伝子)が知られている。HLA−Aの多型としては、HLA−A1、HLA−A2、HLA−A24などの27種以上が挙げられ、HLA−Bの多型としては、HLA−B7、HLA−B40、HLA−B44などの59種以上が挙げられ、HLA−Cwの多型としては、HLA−Cw0301、HLA−Cw0401、HLA−Cw0602などの10種以上が挙げられる。これら多型の中、好ましくは、HLA−A2やHLA−A24が挙げられる。
一態様において、WT1抗原ペプチドは、MHCクラスIに結合し、キラーT細胞(細胞傷害性T細胞(CTL))を誘導する、WT1キラーペプチドである。WT1キラーペプチドは、MHCクラスIとの複合体として細胞表面に提示されることにより、WT1特異的キラーT細胞を誘導する。
一態様において、WT1キラーペプチドは、配列番号:1に記載のヒトのWT1タンパク質のアミノ酸配列において連続する7〜30残基のアミノ酸からなる部分ペプチドまたはその改変体である。かかるWT1抗原ペプチドとして、以下のアミノ酸配列:
RMFPNAPYL (配列番号:2)、
CMTWNQMNL (配列番号:3)、
CYTWNQMNL (配列番号:4)、
ALLPAVPSL (配列番号:5)、
SLGEQQYSV (配列番号:6)、
RVPGVAPTL (配列番号:7)、
VLDFAPPGA (配列番号:8)、
C−CMTWNQMNL (配列番号:9)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)、および
C−CYTWNQMNL (配列番号:10)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
から選択されるいずれかのアミノ酸配列を含むペプチド、並びに配列番号:2〜10から選択されるいずれかのアミノ酸配列中にアミノ酸残基の改変を含有する改変アミノ酸配列を含み且つCTL誘導活性を有するペプチドが挙げられる。好ましくは、配列番号:2〜10から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号:2〜10から選択されるいずれかのアミノ酸配列中にアミノ酸残基の改変を含有する改変アミノ酸配列からなり且つCTL誘導活性を有するペプチドが挙げられる。より好ましくは、配列番号:2〜10から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。さらにより好ましくは、配列番号:2〜6、8および10から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
本明細書において「アミノ酸配列を含むペプチド」とは、通常のように、当該アミノ酸配列のN末端アミノ酸および/またはC末端アミノ酸に更なるアミノ酸が付加されたペプチドを意味する。
本明細書において「アミノ酸配列中にアミノ酸残基の改変を含有する改変アミノ酸配列を含み且つCTL誘導活性を有するペプチド」は、「改変キラーペプチド」とも呼ばれる。当該改変キラーペプチドは、アミノ酸配列において、1個〜数個、好ましくは1〜3個のアミノ酸が、欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列からなり、MHCクラスIに結合し、CTLを誘導するペプチドを意味する。置換されるアミノ酸の置換位置としては、9残基のアミノ酸からなるペプチドの場合、1位(N末端)、2位、3位および9位が挙げられる。付加(挿入も包含される)されるアミノ酸の数は好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。好ましい付加位置としては、C末端が挙げられる。欠失されるアミノ酸の数は好ましくは1である。改変において、付加されるアミノ酸または置換されるアミノ酸は、遺伝子によりコードされる20種類のアミノ酸以外の非天然アミノ酸であってもよい。
HLAのサブタイプの多型ごとに、HLA抗原に結合できるペプチドのアミノ酸配列の規則性(結合モチーフ)が存在することが知られている。例えば、HLA−A24の結合モチーフとして、8〜11残基のアミノ酸からなるペプチドにおいて、2位のアミノ酸が、Tyr、Phe、MetまたはTrpであり、C末端のアミノ酸が、Phe、Leu、Ile、TrpまたはMetであることが知られている(J. Immunol., 152, p3913, 1994; J. Immunol., 155, p4307, 1994; Immunogenetics, 41, p178, 1995)。よって、例えば9残基のアミノ酸からなるペプチドの場合、2位がTyr、Phe、MetまたはTrpにより、および/または9位がPhe、Leu、Ile、TrpまたはMetにより、置換することが可能であり、当該置換がなされたペプチドが改変キラーペプチドとして好ましい。同様に、HLA−A2の結合モチーフとして、8〜11残基のアミノ酸からなるペプチドにおいて、2位のアミノ酸が、LeuまたはMetであり、C末端のアミノ酸が、ValまたはLeuであることが知られていることから、例えば9残基のアミノ酸からなるペプチドの場合、2位がLeuまたはMetにより、および/または9位がValまたはLeuにより、置換することが可能であり、当該置換がなされたペプチドが改変キラーペプチドとして好ましい。
改変キラーペプチドとしては例えば、次のようなペプチドが挙げられる:
RMFPNAPYL (配列番号:2)の改変キラーペプチドである、
RYFPNAPYL (配列番号:21)(国際公開第03/106682号参照)、
FMFPNAPYL (配列番号:22)、
RLFPNAPYL (配列番号:23)、
RMMPNAPYL (配列番号:24)、
RMFPNAPYV (配列番号:25)および
YMFPNAPYL (配列番号:26)(国際公開第2009/072610号参照);

CMTWNQMNL (配列番号:3)の改変キラーペプチドである、
CYTWNQMNL (配列番号:4)(国際公開第02/79253号参照)、
Xaa-Met-Thr-Trp-Asn-Gln-Met-Asn-Leu (配列番号:27)、
(本配列中XaaはSerまたはAlaを表す)および
Xaa-Tyr-Thr-Trp-Asn-Gln-Met-Asn-Leu (配列番号:28)
(本配列中XaaはSer、Ala、Abu、Arg、Lys、Orn、Cit、Leu、PheまたはAsnを表す)(国際公開2004/026897号参照);

ALLPAVPSL (配列番号:5)の改変キラーペプチドである、
AYLPAVPSL (配列番号:29)(国際公開第2003/106682号参照);

SLGEQQYSV (配列番号:6)の改変キラーペプチドである、
FLGEQQYSV (配列番号:30)、
SMGEQQYSV (配列番号:31)および
SLMEQQYSV (配列番号:32)(国際公開第2009/072610号参照);並びに

RVPGVAPTL (配列番号:7)の改変キラーペプチドである、
RYPGVAPTL (配列番号:33)(国際公開第2003/106682号参照)。
一態様において、WT1キラーペプチドは、
式(1):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物、
式(2):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物、または
式(3):
Figure 2016186177
(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
で表される化合物
である。
WT1抗原ペプチド(キラーペプチドおよびヘルパーペプチド)としては、前記に挙げられているペプチドおよび化合物の他に、国際公開第2014/157692号に記載される化合物も含まれる。
一態様において、WT1抗原ペプチドは、MHCクラスIIに結合し、ヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)を誘導する、WT1ヘルパーペプチドである。WT1ヘルパーペプチドは、MHCクラスIIとの複合体として細胞表面に提示されることにより、WT1特異的ヘルパーT細胞を誘導する。WT1特異的ヘルパーT細胞は、各種サイトカイン(例えば、IL−2、IL−4、IL−5,IL−6、またはインターフェロン(IFN)など)を産生し、B細胞およびその他のT細胞のサブセットの増殖、分化、成熟を促進する。よって、WT1ヘルパーペプチドは、ヘルパーT細胞を活性化し、CTLの分化の誘導や維持およびマクロファージなどのエフェクター細胞の活性化作用を発揮するため、効率的な癌の治療または予防に使用可能である。
MHCクラスII分子に相当するHLAは、HLA−DR、DQおよびDPなどのサブタイプに分類される。本明細書において「MHCクラスII拘束性」とは、MHCクラスII分子と結合してヘルパーT細胞を誘導する特性を意味する。「MHCクラスII拘束性」として、好ましくは、HLA−DR拘束性、HLA−DQ拘束性またはHLA−DP拘束性が挙げられる。
一態様において、WT1ヘルパーペプチドは、配列番号:1に記載のヒトのWT1タンパク質のアミノ酸配列において連続する7〜30残基、好ましくは14〜30残基のアミノ酸からなる部分ペプチドまたはその改変体である。かかるWT1ヘルパーペプチドとしては、以下のアミノ酸配列:
KRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:11)、
SGQARMFPNAPYLPSCLES(配列番号:12)、
RSDELVRHHNMHQRNMTKL (配列番号:13)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:14)、
CNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:15)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:16)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:17)、
WAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:18)、
CWAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:19)、
WAPVLDFAPPGASAYGSLC (配列番号:20)、
SGQARMFPNAPYLPSC (配列番号:34)、
SGQAYMFPNAPYLPSC (配列番号:35)、
SGQARMFPNAPYLPSCLES (配列番号:36)、
SGQAYMFPNAPYLPSCLES (配列番号:37)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:38)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:39)、PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:40)、
QARMFPNAPYLPSCL (配列番号:44)、
LKGVAAGSSSSVKWT (配列番号:45)および
RYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:46)
から選択されるいずれかのアミノ酸配列を含むペプチド、および配列番号:11〜20、34〜40および44〜46から選択されるいずれかのアミノ酸配列中にアミノ酸残基の改変を含有する改変アミノ酸配列を含み且つヘルパーT細胞誘導活性を有するペプチド、が挙げられる。好ましくは、配列番号:11〜20および34〜40から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド、および配列番号:11〜20および34〜40から選択されるいずれかのアミノ酸配列中にアミノ酸残基の改変を含有する改変アミノ酸配列からなり且つヘルパーT細胞誘導活性を有するペプチドが挙げられる。より好ましくは、配列番号:11〜20および34〜40から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドであり、さらにより好ましくは、配列番号:11〜20から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
本明細書において「アミノ酸配列中にアミノ酸残基の改変を含有する改変アミノ酸配列を含み且つヘルパーT細胞誘導活性を有するペプチド」は、「改変ヘルパーペプチド」とも呼ばれる。当該改変ヘルパーペプチドは、アミノ酸配列において、1個〜数個、好ましくは1〜3個のアミノ酸が、欠失、置換および/または付加されたアミノ酸配列からなり、MHCクラスIIに結合し、ヘルパーT細胞を誘導するペプチドを意味する。改変において、付加されるアミノ酸または置換されるアミノ酸は、遺伝子によりコードされる20種類のアミノ酸以外の非天然アミノ酸であってもよい。
改変ヘルパーペプチドとしては例えば、次のようなペプチドが挙げられる:
SGQARMFPNAPYLPSCLES (配列番号:36)の改変ヘルパーペプチドである、
SGQAYMFPNAPYLPSCLES (配列番号:37)(国際公開第2007/120673号参照)、
SGQARMFPNAPYLPSC (配列番号:34)および
SGQAYMFPNAPYLPSC (配列番号:35);並びに

PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:40)の改変ヘルパーペプチドである、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:38)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:39)、
KRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:11)、
CNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:15)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:16)および
CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:17)。
WT1抗原ペプチドは、通常のペプチド合成において用いられる方法に準じて製造することができる。製造方法としては、文献(ペプタイド・シンセシス(Peptide Synthesis), Interscience, New York, 1966;ザ・プロテインズ(The Proteins), Vol 2, Academic Press Inc., New York, 1976;ペプチド合成,丸善(株),1975;ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株),1985;医薬品の開発 続 第14巻・ペプチド合成,広川書店,1991)などに記載されている方法が挙げられる。例えば、Fmoc法もしくはBoc法を用いて固相合成機で製造する方法や、Boc−アミノ酸もしくはZ−アミノ酸を液相合成法で逐次縮合させて製造する方法が挙げられる(Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニル基、Bocはt−ブトキシカルボニル基、Zはベンジルオキシカルボニル基をそれぞれ表わす)。
WT1抗原ペプチドを製造するための中間体において、アミノ基、カルボキシ基、メルカプト基などの官能基は、必要に応じて保護、脱保護の技術を用い、適当な保護基で保護し、また脱保護することができる。好適な保護基、保護する方法、および脱保護する方法としては、「Protective Groups in Organic Synthesis 2nd Edition (John Wiley & Sons, Inc.;1990)」などに詳細に記載されている。たとえば、メルカプト基の保護基としてはアセトアミドメチル基またはトリチル基などが挙げられる。
WT1抗原ペプチドがジスルフィド結合を有する場合、通常のペプチド化学に用いられる方法に準じて、システイン残基を含む異なる2つのペプチド間で、またはシステイン残基を含むペプチドとシステイン間で、当該ジスルフィド結合を形成することができる。ジスルフィド結合の形成方法は、文献(ペプタイド・シンセシス(Peptide Synthesis), Interscience, New York, 1966; ザ・プロテインズ(The Proteins), Vol 2, Academic Press Inc., New York, 1976;ペプチド合成,丸善(株),1975;ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株),1985;医薬品の開発 続 第14巻・ペプチド合成,広川書店,1991)などに記載されている方法が挙げられる。
具体的には、ペプチドに含まれるシステイン残基が1個の場合、システイン側鎖上のメルカプト基の保護基を含むすべての保護基を除去した後、不活性溶媒中で酸化させることにより、ジスルフィド結合を有する化合物(ジスルフィド化合物)を製造することができる。また、メルカプト基を持つ2つの中間体を適当な溶媒中に混合し酸化することにより製造することができる。当該酸化の方法としては、通常のペプチド合成でジスルフィド結合を形成させる公知の方法を適宜選択すればよい。例えば、ヨウ素酸化、アルカリ条件下で空気酸化反応に付す方法、またはアルカリ性もしくは酸性条件下酸化剤を添加してジスルフィド結合を形成する方法などが挙げられる。ここで、酸化剤としては、ヨウ素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、フェリシアン化カリウムなどが挙げられる。溶媒としては水、酢酸、メタノール、クロロホルム、DMFもしくはDMSOなど、またはこれらの混合液を用いることができる。酸化反応によりしばしば、対称、非対称性ジスルフィド化合物の混合物を与える。目的の非対称性ジスルフィド化合物は種々のクロマトグラフィー、または再結晶などで精製することによって得ることができる。あるいは活性化されたメルカプト基をもつ中間体とメルカプト基をもつ中間体を混合することにより選択的なジスルフィド結合を形成することができる。活性化されたメルカプト基をもつ中間体としては、Npys基(3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基)が結合したメルカプト基などが挙げられる。あるいは、あらかじめ一方の中間体と例えば2,2'−ジチオビス(5−ニトロピリジン)を混合することによりメルカプト基を活性化した後、他方の中間体を加えることにより選択的なジスルフィド結合を形成することができる(Tetrahedron Letters. Vol.37. No.9, pp.1347-1350)。
ペプチドに含まれるシステイン残基が2個以上の場合も、前記と同様の方法を用いることができる。この場合はジスルフィド結合様式が異なる異性体が得られる。システイン側鎖の保護基を特定の組み合わせにすることにより、目的のシステイン残基間でジスルフィド結合を形成した二量体を得ることができる。前記保護基の組み合わせとしては、MeBzl(メチルベンジル)基とAcm(アセトアミドメチル)基、Trt(トリチル)基とAcm基、Npys(3−ニトロ−2−ピリジルチオ)基とAcm基、S−Bu−t(S−tert−ブチル)基とAcm基などが挙げられる。例えばMeBzl基とAcm基の組み合わせの場合、まずMeBzl基とシステイン側鎖以外のその他の保護基を除去した後、ペプチド単量体を含む溶液を空気酸化反応に付して脱保護されたシステイン残基間にジスルフィド結合を形成し、次いでヨウ素による脱保護および酸化を行ってAcm基で保護されていたシステイン残基間にジスルフィド結合を形成する方法などが挙げられる。
WT1抗原ペプチドは、キラーペプチドとヘルパーペプチド、または2つの異なるキラーペプチドもしくはヘルパーペプチドを、ジスルフィド結合を介して結合させたものであってもよい。かかるペプチドは、以下の工程(1)〜(3)を含む方法により合成することができる。
工程(1)においては、Fmoc−C(Mmt)A−SBnおよび第一の抗原ペプチドを用いて、C(Mmt)AのC末端アミノ酸のカルボニル基と第一の抗原ペプチドのN末端アミノ基が結合したペプチドを合成する。ここで、「Fmoc」は、9−フルオレニルメトキシカルボニル基を表す。「Mmt」は、モノメトキシトリチル基を表す。「SBn」は、チオベンジル基を表す。
工程(2)においては、前記工程(1)で得られたペプチドおよびNpys基で保護された1つのシステイン残基がN末端に結合している第二の抗原ペプチドを用いて、前記工程(1)で得られたペプチド中の第一の抗原ペプチドのシステイン残基のチオエーテル基と第二の抗原ペプチドのN末端に結合しているシステイン残基のチオエーテル基が結合したペプチドを合成する。ここで、「Npys」は、3−ニトロ−2−ピリジルチオ基を表す。
工程(3)においては、前記工程(2)で得られたペプチドおよびSPy基で保護されたシステイン残基を含む第三の抗原ペプチドを用いて、前記工程(2)で得られたペプチド中の第二の抗原ペプチドのN末端に結合しているシステイン残基のチオエーテル基と第三の抗原ペプチドのシステイン残基のチオエーテル基が結合したペプチドを合成する。ここで、「SPy」は、2−ピリジルスルフィド基を表す。
得られたWT1抗原ペプチドは、当業者に公知の方法や通常のペプチド化学に用いられる方法に準じて精製することができる。例えば、種々のクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過、もしくは逆相クロマトグラフィー)、または再結晶などで精製することができる。例えば、再結晶溶媒としては、メタノール、エタノールもしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、ベンゼンもしくはトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、水、またはこれらの混合溶媒などを用いることができる。その他精製方法としては、実験化学講座(日本化学会編、丸善)1巻などに記載された方法などを用いることができる。
ジスルフィド化合物の精製方法は、文献(ペプタイド・シンセシス(Peptide Synthesis), Interscience, New York, 1966;ザ・プロテインズ(The Proteins),Vol 2, Academic Press Inc., New York, 1976;ペプチド合成,丸善(株),1975;ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株),1985;医薬品の開発 続 第14巻・ペプチド合成,広川書店,1991)などに記載されている。中でも、HPLCが好ましい。
WT1抗原ペプチドにおいて、1つ以上の不斉点がある場合、通常の方法に従って、その不斉点を有する原料(アミノ酸)を用いることによって、製造することができる。また、WT1抗原ペプチドの光学純度を上げるために、製造工程の適当な段階で光学分割などを行ってもよい。光学分割法として例えば、WT1抗原ペプチドまたはその中間体を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、もしくは2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、またはアセトニトリルなどの非プロトン系溶媒、およびこれらの混合溶媒)、光学活性な酸(例えば、マンデル酸、N−ベンジルオキシアラニン、もしくは乳酸などのモノカルボン酸、酒石酸、o−ジイソプロピリデン酒石酸もしくはリンゴ酸などのジカルボン酸、またはカンファースルフォン酸もしくはブロモカンファースルフォン酸などのスルホン酸)と塩を形成させるジアステレオマー法により行うことができる。WT1抗原ペプチドまたはその中間体がカルボキシ基などの酸性官能基を有する場合は、光学活性なアミン(例えばα−フェネチルアミン、キニン、キニジン、シンコニジン、シンコニン、ストリキニーネなどの有機アミン)と塩を形成させることにより光学分割を行うこともできる。
塩を形成させる温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲から選択される。光学純度を向上させるためには、一旦、溶媒の沸点付近まで温度を上げることが望ましい。析出した塩を濾取する際、必要に応じて冷却し収率を向上させることができる。光学活性な酸、またはアミンの使用量は、基質に対し約0.5〜約2.0当量の範囲、好ましくは1当量前後の範囲が適当である。必要に応じ結晶を不活性溶媒中(例えばメタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの炭化水素系溶媒、アセトニトリルなどの非プロトン系溶媒およびこれらの混合溶媒)で再結晶し、高純度の光学活性な塩を得ることもできる。また、必要に応じて光学分割した塩を通常の方法で酸または塩基で処理しフリー体として得ることもできる。
本発明における「薬学上許容される塩」としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。例えば、酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩などの無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩などの有機塩基塩などが挙げられ、さらにはアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの塩基性あるいは酸性アミノ酸といったアミノ酸塩が挙げられる。
WT1キラーペプチドの薬学上許容される塩としては、例えば、
RMFPNAPYL (配列番号:2)、
CMTWNQMNL (配列番号:3)、
CYTWNQMNL (配列番号:4)、
ALLPAVPSL (配列番号:5)、
SLGEQQYSV (配列番号:6)、
RVPGVAPTL (配列番号:7)、
VLDFAPPGA、(配列番号:8)、
C−CMTWNQMNL (配列番号:9)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)、および
C−CYTWNQMNL (配列番号:10)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;
前記配列番号2〜10から選択されるいずれかのアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が、欠失、置換、および/または付加されたアミノ酸配列を含み且つCTL誘導活性を有するペプチド;または
式(1)〜(3)で表される化合物の、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。例えば、酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩などの無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩などの有機塩基塩などが挙げられ、さらにはアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの塩基性あるいは酸性アミノ酸といったアミノ酸塩が挙げられる。
WT1ヘルパーペプチドの薬学上許容される塩としては、例えば、
KRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:11)、
SGQARMFPNAPYLPSCLES(配列番号:12)、
RSDELVRHHNMHQRNMTKL (配列番号:13)、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:14)、
CNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:15)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:16)、
CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:17)、
WAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:18)、
CWAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:19)および
WAPVLDFAPPGASAYGSLC (配列番号:20)
から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;または
前記配列番号11〜20から選択されるいずれかのアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が、欠失、置換、および/または付加されたアミノ酸配列を含み且つヘルパーT細胞誘導活性を有するペプチドの、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。例えば、酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩などの無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩などの有機塩基塩などが挙げられ、さらにはアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの塩基性あるいは酸性アミノ酸といったアミノ酸塩が挙げられる。
WT1抗原ペプチドの薬学上許容される塩の例としては、特にこれに限定されないが、
RMFPNAPYL 酢酸塩、
CMTWNQMNL 酢酸塩、
CYTWNQMNL 酢酸塩、
ALLPAVPSL 酢酸塩、
SLGEQQYSV 酢酸塩、
RVPGVAPTL 酢酸塩、
VLDFAPPGA 酢酸塩、
C−CMTWNQMNL 酢酸塩、
C−CYTWNQMNL 酢酸塩、
Figure 2016186177
Figure 2016186177
Figure 2016186177
KRYFKLSHLQMHSRKH 酢酸塩、
SGQARMFPNAPYLPSCLES 酢酸塩、
RSDELVRHHNMHQRNMTKL 酢酸塩、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG 酢酸塩、
CNKRYFKLSHLQMHSRK 酢酸塩、
CNKRYFKLSHLQMHSRKH 酢酸塩、
CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG 酢酸塩、
WAPVLDFAPPGASAYGSL 酢酸塩、
CWAPVLDFAPPGASAYGSL 酢酸塩、
WAPVLDFAPPGASAYGSLC 酢酸塩、
RMFPNAPYL トリフルオロ酢酸塩、
CMTWNQMNL トリフルオロ酢酸塩、
CYTWNQMNL トリフルオロ酢酸塩、
ALLPAVPSL トリフルオロ酢酸塩、
SLGEQQYSV トリフルオロ酢酸塩、
RVPGVAPTL トリフルオロ酢酸塩、
VLDFAPPGA トリフルオロ酢酸塩、
C−CMTWNQMNL トリフルオロ酢酸塩、
C−CYTWNQMNL トリフルオロ酢酸塩、
Figure 2016186177
Figure 2016186177
Figure 2016186177
KRYFKLSHLQMHSRKH トリフルオロ酢酸塩、
SGQARMFPNAPYLPSCLES トリフルオロ酢酸塩、
RSDELVRHHNMHQRNMTKL トリフルオロ酢酸塩、
PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG トリフルオロ酢酸塩、
CNKRYFKLSHLQMHSRK トリフルオロ酢酸塩、
CNKRYFKLSHLQMHSRKH トリフルオロ酢酸塩、
CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG トリフルオロ酢酸塩、
WAPVLDFAPPGASAYGSL トリフルオロ酢酸塩、
CWAPVLDFAPPGASAYGSL トリフルオロ酢酸塩、および
WAPVLDFAPPGASAYGSLC トリフルオロ酢酸塩
が挙げられる。
本発明のWT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩の水和物、エタノール溶媒和物などの溶媒和物も、本発明に含まれる。さらに、本発明は、WT1抗原ペプチドのあらゆるジアステレオマー、エナンチオマーなどの存在し得るあらゆる立体異性体、およびあらゆる態様の結晶形も包含している。
WT1抗原ペプチドのCTL誘導活性は、HLAテトラマー法(Int. J. Cancer: 100, 565-570 (2002))または限界希釈法(Nat. Med.: 4, 321-327 (1998))によりCTLの数を測定することにより確認することができる。あるいは、例えばHLA−A24拘束性のCTL誘導活性の場合、国際公開第02/47474号およびInt. J. Cancer: 100, 565-570 (2002)に記述されたHLA−A24モデルマウスを用いることなどにより調べることができる。WT1抗原ペプチドのヘルパーT細胞誘導活性は、例えばCancer Immunol. Immunother. 51:271(2002)に記載の方法などの公知の方法により調べることができる。
本発明において「免疫調節剤」とは、抗原提示細胞によるT細胞活性化において抗原提示細胞上及び/またはT細胞上の補助刺激シグナルの伝達に関与する分子に相互作用することにより補助刺激シグナルの伝達を制御する、また、免疫機構において直接的または間接的に免疫寛容(免疫抑制)の成立に関与する分子の機能を制御するもの全てをいう。「免疫調節剤」は、抗体、核酸、タンパク質、ペプチドおよび低分子化合物から選択される薬剤であり得るが、これらに限定されない。「免疫調節剤」に関する記載において、「抗体」なる用語には抗体断片も含まれる。抗体断片としては、抗体の重鎖および軽鎖可変領域(VHおよびVL)、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、Fd、sdFv、scFVなどが例示される。「免疫調節剤」に関する記載において、タンパク質は抗体を除くあらゆるタンパク質を意味する。「免疫調節剤」には、例えば、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤、免疫活性化剤、および低分子阻害剤が含まれる。
「免疫チェックポイント阻害剤」は、癌細胞や抗原提示細胞による免疫抑制作用を阻害する。免疫チェックポイント阻害剤としては、特に限定されないが、以下からなる群から選択される分子に対する薬剤が挙げられる:(1)CTLA−4(イピリムマブ、トレメリムマブなど);(2)PD−1(ニボルマブ、ペンブロリズマブ、AMP−224、AMP−514(MEDI0680)、ピディリズマブ(CT−011)など);(3)LAG−3(IMP−321、BMS−986016など);(4)BTLA;(5)KIR(IPH2101など);(6)TIM−3;(7)PD−L1(Durvalumab(MEDI4736)、MPDL3280A、BMS−936559、アベルマブ(MSB0010718C)など);(8)PD−L2;(9)B7−H3(MGA−271など);(10)B7−H4;(11)HVEM;(12)GAL9;(13)CD160;(14)VISTA;(15)BTNL2;(16)TIGIT;(17)PVR;(18)BTN1A1;(19)BTN2A2;(20)BTN3A2(Nat Rev Drug Discov. 2013; 12: 130-146;日経メディカル Cancer Review 2014; 9;Nat Rev Immunol. 2014; 14: 559-69);および(21)CSF1−R。
「共刺激分子アゴニスト剤」は、T細胞上や抗原提示細胞上の共刺激分子を介した補助シグナルを伝達することにより、T細胞を活性化し、癌細胞や抗原提示細胞による免疫抑制作用を減弱させる。共刺激分子アゴニスト剤としては、特に限定されないが、以下の群から選択される分子に対する薬剤が挙げられる:(1)4−1BB(2)4−1BB−L;(3)OX40(4)OX40−L;(5)GITR;(6)CD28;(7)CD40;(8)CD40−L(9)ICOS;(10)ICOS−L;(11)LIGHT;および(12)CD27。
「免疫活性化剤」は、T細胞や樹状細胞など免疫細胞を直接的あるいは間接的に活性化させることにより、リンパ節においてキラーT細胞を効率良く刺激する。免疫活性化剤としては、特に限定されないが、Toll様受容体(TLR)作動薬、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)作動薬、サイトカイン、またはヒートショックプロテイン(HSP)に対する薬剤が挙げられる。
「Toll様受容体(TLR)作動薬」としては、特に限定されないが、例えば、TLR1/2作動薬、TLR2作動薬、TLR3作動薬(PolyI:Cなど)、TLR4作動薬(S型リポ多糖、パクリタキセル、リピドA、モノホスホリルリピドAなど)、TLR5作動薬(フランジェリンなど)、TLR6/2作動薬(MALP−2など)、TLR7作動薬、TLR7/8作動薬(ガーディキモド、イミキモド、ロキソリビン、レシキモド(R848)など)、TLR7/9作動薬(ヒドロキシクロロキン硫酸塩など)、TLR8作動薬(モトリモド(VTX−2337)など)、TLR9作動薬(CpG−ODNなど)、TLR11作動薬(プロフィリン)などが挙げられる。
「サイトカイン」としては、特に限定されないが、例えば、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、インターフェロン(INF)−α、INF−β、INF−γ、SCF、GM−CSF、G−CSF、M−CSF、エリスロポエチン、トロンポポエチン、MIP(macrophage inflammatory protein)およびMCP(monocyte chemoattractant protein)などが挙げられる。
「ヒートショックプロテイン(HSP)」としては、特に限定されないが、HSP70、HSP90、HSP90α、HSP90β、HSP105、HSP72,HSP40などが挙げられる。HSPに対する薬剤には、HSP阻害剤が含まれる。例えば、HSP90阻害剤として、特に限定されないが、タネスピマイシン(17−AAG)、ルミネスピブ(AUY−922、NVP−AUY922)、アルベスピマイシン(17−DMAG)塩酸塩、ガネテスピブ(STA−9090)、BIIB021、オナレスピブ(AT13387)、ゲルダナマイシン、NVP−BEP800、SNX−2112(PF−04928473)、PF−4929113(SNX−5422)、KW−2478、XL888、VER155008、VER−50589、CH5138303、VER−49009、NMS−E973、PU−H71、HSP990(NVP−HSP990)またはKNK437などが挙げられる。
「低分子阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、ヒストン脱アセチル化阻害剤、ヒストン脱メチル化阻害薬、ヒストンアセチル化酵素阻害剤、ヒストンメチル化酵素阻害剤、DNAメチル基転移酵素阻害剤、アントラサイクリン系抗生物質、白金製剤、MAPK阻害剤、β−カテニン阻害剤、STAT3阻害剤、NF−kB阻害剤、JAK阻害剤、mTOR阻害剤、IDO阻害剤、COX−2阻害剤CXCR4阻害剤およびアルギナーゼ阻害剤などが挙げられる。
「ヒストン脱アセチル化阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、ボリノスタット(SAHA、MK0683)、エンチノスタット(MS−275)、パノビノスタット(LBH589)、トリコスタチンA(TSA)、モセチノスタット(MGCD0103)、BG45、BRD73954、ベリノスタット(PXD101)、ロミデプシン(FK228、デシペプチド)、4SC−202、HPOB、LMK−235、CAY10603、タスキニモド、TMP269、Nexturastat A、Rocilinostat(ACY−1215)、RGFP966、RG2833(RGFP109)、Scriptaid、ツバスタチンA、Pracinostat(SB939)、CUDC−101、M344、PCI−34051、ダシノスタット(LAQ824)、ツバスタチンA塩酸塩、アベキシノスタット(PCI−24781)、CUDC−907、AR−42、フェニル酪酸ナトリウム、レスミノスタット、ツバシン、キシノスタット(JNJ−26481585)二塩酸塩、MC1568、Givinostat(ITF2357)、Droxinostat、Chidamide(C S055、HBI−8000)、CHR−2485、CHR−3996、DAC−060、FRM−0334(EVP−0334)、MGCD−290、CXD−101(AZD−9468)、CG200745、アルギニン酪酸塩、スルフォラファン、SHP−141、CUDC−907、YM753(OBPー801)、バルプロ酸ナトリウム、アピシジンおよびCI994(Tacedinaline)などが挙げられる。
「ヒストン脱メチル化阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、GSK J4 HCl、OG−L002、JIB−04、IOX1、SP2509、ORY−1001(RG−6016)、GSK J1、ML324、GSK−LSD1 2HClなどが挙げられる。
「ヒストンアセチル化酵素阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、C646、MG149、Remodelin、およびAnacardic Acidなどが挙げられる。
「ヒストンメチル化酵素阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、Pinometostat(EPZ5676)、EPZ005678、GSK343、BIX01294、Tazemetostat(EPZ6438)、3−deazaneplanocin A(DZNeP)HCl、UNC1999、MM−102、SGC0946、エンタカポン、EPZ015666、UNC0379、EI1、MI−2(Menin-MLL Inhibitor)、MI−3(Menin-MLL Inhibitor)、PFI−2、GSK126、EPZ04777、BRD4770、GSK−2816126およびUNC0631などが挙げられる。
「DNAメチル基転移酵素阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、デシタビン、アザチジン、RG108、チオグアニン、ゼブラリン、SGI−110、CC−486、SGI−1027、ロメグアトリブおよびプロカイナミド塩酸塩などが挙げられる。
「アントラサイクリン系抗生物質」は、DNA鎖間への挿入によって、DNAがほどかれることを阻害する。アントラサイクリン系抗生物質としては、特に限定されないが、例えば、ドキソルビシン、リポソーマルドキソルビシン、ダウノルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、アムルビシン、アロインまたはミトキサトロンなどが挙げられる。
「白金製剤」としては、特に限定されないが、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、サトラプラチン(JM−126)、オキサリプラチン(ELOXATIN)、四硝酸トリプラチンまたはそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「MAPK阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、SB203580、ドラマピモド(BIRB796)、SB202190(FHPI)、LY2228820、VX−702、SB239063、Pexmetinib(ARRY−614)、PH−797804、VX−745またはTAK−715などが挙げられる。
「β―カテニン阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、XAV−939、ICG−001、IWR−1−endo、Wnt−C59(C59)、LGK−974、KY02111、IWP−2、IWP−L6、WIKI4またはFH535などが挙げられる。
「STAT3阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、S3I−201、Stattic、ニクロサミド、ニフロキサジド、ナパブカシン(BBI−608)、クリプトタンシノン、HO−3867、WHI−P154、FLLL32、STA−21、WP1066またはSH−4−54などが挙げられる。
「NF−kB阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、QNZ(EVP4593)、4-アミノサリチル酸ナトリウム、JSH−23、カフェイン酸フェネチル、サリチル酸ナトリウム、アンドログラホリドまたはSC75741などが挙げられる。
「JAK阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、ルキソリチニブ(INCB018424)、トファシチニブ(CP−690550)クエン酸塩、AZD1480、フェドラチニブ(SAR302503、TG101348)、AT9283、チロホスチンB42(AG−490)、モメロチニブ(CYT387)、トファシチニブ(CP−690550、タソシチニブ)、WP1066、TG101209、ガンドチニブ(LY2784544)、NVP−BSK805 2HCl、バリシチニブ(LY3009104、INCB02850)、AZ960、CEP−33779、パクリチニブ(SB1518)、WHI−P154、XL019、S−ルクソリチニブ(INCB018424)、ZM39923 HCl、デセルノチニブ(VX−509)、Cerdulatinib(PRT062070、PRT2070)、フィルゴチニブ(GLPG0634)、FLLL32、ペフィシチニブ(ASP015K、JNJ−54781532)、GLPG0634 analogue、Go6976またはCurcumolなどが挙げられる。
「mTOR阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、シロリムス(ラパマイシン)、デフォロリムス(AP23573、MK−8669)、エベロリムス(RAD−001)、テムシロリムス(CCI−779、NSC683864)、ゾタロリムス(ABT−578)、およびバイオリムスA9(ウミロリムス)、AZD8055、KU−0063794、Voxtalisib(XL765、SAR245409)、MHY1485、ダクトリシブ(BEZ235、NVP−BEZ235)またはPI−103、Torkinib(PP242)などが挙げられる。
「IDO阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、NLG919、INCB024360アナログ、インドキシモド(NLG−8189)およびEpacadostat(INCB024360)などが挙げられる。
「COX2阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、カルプロフェン、セレコキシブ、ルミラコキシブ、トルフェナム酸、ニメスリド、ニフルム酸、Asaraldehyde、ロルノキシカム、メクロフェナミン酸ナトリウム、アンフェナックナトリウム水和物、ジクロフェナクナトリウム、ケトプロフェン、ケトロラック、ナプロキセンナトリウム、インドメタシン、イブプロフェン、アスピリン、メフェナム酸、ブロムフェナクナトリウム、オキサプロジン、ザルトプロフェンおよびネパフェナックなどが挙げられる。
「CXCR4阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、WZ811、Plerixafor(AMD3100)およびPlerixafor 8HCl(AMD3100 8HCl)などが挙げられる。
本発明のWT1抗原ペプチドは、免疫調節剤と併用しても優れた抗癌作用を示すが、更に幾つかの薬剤と複合的に併用(多剤併用)することにより、その効果がより一層増強され又は患者のQOLを改善させることができる。
本願のWT1抗原ペプチドは、「ホルモン療法剤」、「免疫療法剤」、「生物学的製剤」、「細胞増殖因子」、「細胞増殖因子阻害剤」、「細胞増殖因子受容体阻害剤」、「放射線療法剤」、「補助剤」もしくは「化学療法剤」からなる群から選択される1又は複数の薬物と併用して用いることができる。好ましくは、本願のWT1抗原ペプチドは、上記群から選択される1乃至5の薬物と併用して用いることができる。更に好ましくは、本願のWT1抗原ペプチドは、上記群から選択される1乃至3の薬物と併用して用いることができる。特に好ましくは、本願のWT1抗原ペプチドは、上記群から選択される1の薬物と併用して用いることができる。以下、本願のWT1抗原ペプチドおよび免疫調節剤と併用し得る薬物を併用薬物と略記する。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。
「ホルモン療法剤」としては、副腎皮質ホルモン系薬剤(例えば、ステロイド系抗炎症薬、エストロゲン製剤、プロゲステロン製剤、アンドロゲン製剤など)、抗エストロゲン剤、エストロゲン調整剤、エストロゲン合成阻害剤、抗アンドロゲン剤、アンドロゲン調整剤、アンドロゲン合成阻害剤、LH−RHアゴニスト製剤、LH−RHアンタゴニスト製剤、アロマターゼ阻害剤、ステロイドラクトナーゼ阻害剤、ピル製剤、またはレチノイド及びレチノイドの代謝を遅らせる薬剤などが挙げられる。
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、フルオキシメステロール、クロロトリアニセン、メチルテストステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、ヨードキシフェン、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン、ロイプロリド、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、エストラムスチン、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、テロラゾール、ケトコナゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン、エキセメスタン、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルタミド、ミフェプリストン、フィナステロド、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、アビラテロン、リアロゾール、ベキサロテンまたはDN101などが挙げられる。
「免疫療法剤」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン(IL)−α、インターフェロン(IL)−β、インターフェロン(IL)−γ、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、抗CTLA4抗体、抗PD−1抗体またはTLR作動薬(例えば、TLR7作動薬、TLR8作動薬、TLR9作動薬)などが挙げられる。
「生物学的製剤」としては、特に限定されないが、例えば、インターロイキン−2(Aldesleukin)、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、エリスロポイエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(フィルグラスチン)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(サルグラモスチム)、IL13−PE38QQR、バチルスカルメット−ゲラン、レバミゾール、オクトレオチド、CPG7909、Provenge、GVAX、Myvax、Favld、レナリドマイド、トラスツズマブ、リツキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、アレムツズマブ、エンドスタチン、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、セツキシマブ、ザノリムマブ、オファツムマブ、HGS−ETR1、ペルツズマブ、M200、SGN−30、マツズマブ、アデカツマブ、デノスマブ、ザルツムマブ、MDX−060、ニモツズマブ、MORAb−003、Vitaxin、MDX−101、MDX−010、DPC4抗体、NF−1抗体、NF−2抗体、Rb抗体、p53抗体、WT1抗体、BRCA1抗体、BRCA2抗体、ガングリオシド(GM2)、前立腺特異抗原(PSA)、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、黒色腫関連抗原(MART−1、gap100、MAGE1,3チロシン)、乳頭腫ウイルスE6およびE7断片、またはそれらのDDS製剤などが挙げられる。
前記「細胞増殖因子」、「細胞増殖因子阻害剤」および「細胞増殖因子受容体阻害剤」における細胞増殖因子は、細胞増殖を促進する物質であれば、どのようなものでもよく、例えば、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用を発揮する因子があげられる。
「細胞増殖因子」として、特に限定されないが、例えば、上皮成長因子(Epidermal Growth Factor:EGF)、インスリン様成長因子(Insulin−Like Growth Factor:IGF(例えば、インスリン、IGF−1、IGF−2など))、トランスフォーミング成長因子(Transforming Growth Factor:TGF(例えば、TGFーalpha、TGF−beta))、神経成長因子(Nerve Growth Factor:NGF)、脳由来神経栄養因子(Brain−derived Neurotrophic Factor:BDNF)、血管内皮細胞増殖因子(Vesicular Endothelial Growth Factor:VEGF)、コロニー刺激因子(Colony Stimulating Factor:CSF(例えば、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte−Colony Stimulating Factor:G−CSF))、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte−Macrophage−Colony Stimulating Factor:GM−CSF))、血小板由来成長因子(Platelet−Derived Growth Factor:PDGF)、エリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)、線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factor:FGF、(例えば、酸性FGF、塩基性FGF、KGK(Keratinocyte Growth Factor)、FGF−10など))、肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor:HGF)へレグリン、またはアンジオポエチンなどが挙げられる。なお、細胞増殖因子は、成長因子と同義である。
「細胞増殖因子阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、上皮成長因子阻害剤(EGF阻害剤)、インスリン様成長因子阻害剤(IGF阻害剤)、神経成長因子阻害剤(NGF阻害剤)、脳由来神経栄養因子阻害剤(NGF阻害剤)、血管内皮細胞増殖因子阻害剤(VEGF阻害剤)、コロニー刺激因子阻害剤(CSF阻害剤)、血小板由来成長因子阻害剤(PDGF阻害剤)、エリスロポエチン阻害剤(EPO阻害剤)、線維芽細胞増殖因子阻害剤(FGF阻害剤)、肝細胞増殖因子阻害剤(HGF阻害剤)、へレグリン阻害剤、またはアンジオポエチン阻害剤などが挙げられる。なお、細胞増殖因子阻害剤は、成長因子阻害剤と同義である。
「細胞増殖因子受容体阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、上皮成長因子受容体阻害剤(EGFR阻害剤)、インスリン様成長因子受容体阻害剤(IGFR阻害剤)、神経成長因子受容体阻害剤(NGFR阻害剤)、脳由来神経栄養因子受容体阻害剤(NGFR阻害剤)、血管内皮細胞増殖因子阻害剤(VEGF阻害剤)、コロニー刺激因子阻害剤(CSF阻害剤)、血小板由来成長因子受容体阻害剤(PDGFR阻害剤)、エリスロポエチン受容体阻害剤(EPOR阻害剤)、線維芽細胞増殖因子受容体阻害剤(FGFR阻害剤)、肝細胞増殖因子受容体阻害剤(HGFR阻害剤)、へレグリン受容体阻害剤、またはアンジオポエチン受容体阻害剤などが挙げられる。なお、細胞増殖因子受容体阻害剤は、成長因子受容体阻害剤と同義である。
「放射線療法剤」として、特に限定されないが、例えば、放射性物質及び放射性増感剤などが挙げられる。
「補助剤」は、抗がん剤による副作用や嘔吐を抑制するために用いられ、特に限定されないが、例えば、アプレピタント、オンダンセトロン、ロラゼパム、デキサメタゾン、ジフェンヒドラミン、ラニチジン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、シメチジン、プロクリット、エポエチンアルファ、フィルグラスチム、オプレルベキン、ロイコボリン及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)などが挙げられる。
「化学療法剤」としては、特に限定されないが、例えば、アルキル化剤、白金製剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、DNAインターカレータ、抗有糸分裂剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤、エピゲノム薬、免疫調整薬、分子標的治療薬、新脈管形成阻害剤及びその他の化学療法剤などが用いられる。代表的な例を次に記載する。
「アルキル化剤」としては、特に限定されないが、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブシル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、プロカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾジン、ピポブロマン、エトグルシド、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、ベンダムスチン、ウラムスチン、セムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン、メクロエタミン、ウラシルマスタード、ストレプトゾシン、トラベクテジン、ベカテリン、クロルメチン、マンノスルファン、トリアジコン、プロカルバシン、カンホスファミド、ニトロソウレア及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「白金製剤」としては、特に限定されないが、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、サトラプラチン、オキサリプラチン、四硝酸トリプラチン及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「代謝拮抗剤」としては、特に限定されないが、例えば、葉酸代謝拮抗薬、ピリミジン代謝阻害薬、プリン代謝阻害薬、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、及びヌクレオチドアナログが挙げられる。
「代謝拮抗剤」としては、特に限定されないが、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エオシタビン、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例えば、フルオロウラシル、カルゾナール、ベンナン、ルコナール、ルナボン、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS−1)、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビンなど)、アミノプテリン、ネララビン、ロイコポリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルパミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチン、フロクスウリジン、ネララビン、ロイコボリン、ヒドロキシ尿素、チオグアニン、アスパラギナーゼ、ボルテゾミブ、ラルチトレキセド、クロファラビン、エノシタビン、サパシタビン、アザシチジン、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、トリメトプリム、Liproxstatin−1、D4476、Xanthohumol、Epacadostat(INCB024360)、Vidofludimus、P7C3、GMX1778(CHS828)、NCT−501、SW033291、Ro61−8048及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「トポイソメラーゼ阻害薬」としては、特に限定されないが、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アントラセンジオン、ミトキサントロン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカトマイシン、イリノテカン、カンプトテシン、ルビテカン、ベロテカン、エトポシド、テニポシド、トポテカン、アムサクリン及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「DNAインターカレータ」としては、特に限定されないが、例えば、プロフラビン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、サリドマイド及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「抗有糸分裂剤」としては、特に限定されないが、例えば、パクリタキセル、パクリタキセル誘導体(例えば、DHAパクリタキセル、ポリグルタメート化パクリタキセル、ナブパクリタキセル、パクリタキセルミセル、7α‐グルコシルオキシアセチルパクリタキセル、BMS−275183など)、ドセタキセル、ビノルレビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、エトポシド、テニポシド、イクサベピロン、ラロタキセル、オルタタキセル、テセタキセル、イスピネシブ、コルヒチン、ビンフルニン及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「抗癌性抗生物質」としては、特に限定されないが、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、ミトラマイシンA、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、塩酸アルムビシン、ネオカルチノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシン、リポソーマルドキソビルシン及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「植物由来抗癌剤」としては、特に限定されないが、例えば、イリノテカン、ノギテカン、エトポシド、リン酸エトポシド、エリブリン、ソブゾキサン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、パクリタキセル注射剤、ドセタキセル、DJ−927、ビノレルビン、トポテカン及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「エピゲノム薬」としては、特に限定されないが、例えば、DNAメチル化阻害薬、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、DNAメチル基転移酵素(DNMT)阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素活性化剤、ヒストン脱メチル化酵素阻害剤およびメチル化ヌクレオチドなどが挙げられる。
「エピゲノム薬」としては、特に限定されないが、例えば、ボリノスタット、ベリノスタット、モセチノスタット(MGCD0103)、エンチノスタット(SNDX−275)、ロミデプシン、アザシチジン、デシタビン、GSK2879552 2Hl、SGC707、ORY−1001(RG−6016)、PFI−4、SirReal2、GSK2801、CPI−360、GSK503、AMI−1、CPI−169及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「免疫調整薬」としては、特に限定されないが、例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「分子標的治療薬」は、低分子化合物であっても抗体であってもよい。「分子標的治療薬」としては、特に限定されないが、例えば、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、モノクローナル抗体、mTOR阻害剤、TNF阻害薬、及びT細胞阻害薬などが挙げられる。
「キナーゼ阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、CDK(サイクリン依存性キナーゼ)阻害剤、及びMEK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)阻害剤などが挙げられる。
具体的には、「キナーゼ阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、クリゾチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、イブルチニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、パルボシクリブ、トラメチニブ、レゴラフェニブ、セジバニブ、レスタウルチニブ、バンデチニブ、バタラニブ、セリシクリブ、チバンチニブ、カネルチニブ、ペリチニブ、テセバチニブ、セジラニブ、モテサニブ、ミドスタウリン、フォレチニブ、カボザンテイニブ、セルメチニブ、ネラチニブ、ボラセルチブ、サラカチニブ、エンザスタウリン、タンデュチニブ、セマキサニブ、アルボシジブ、ICR−62、AEE788、PD0325901、PD153035、TK787、BBI503、E6201、E7050及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「プロテアソーム阻害剤」としては、特に限定されないが、例えば、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「モノクローナル抗体」としては、特に限定されないが、例えば、抗CD22抗体、抗CD20抗体、抗CD25抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗CD5抗体、抗CD52抗体、抗上皮成長因子受容体抗体(EGFR抗体)、抗血管内皮細胞増殖因子抗体(VEGF抗体)、抗TNF−α抗体、抗IL−1レセプター抗体、抗IL−2レセプター抗体、抗IL−5レセプター抗体、抗IL−6レセプター抗体、抗HER2抗体、抗IgE抗体、抗IgG抗体、抗RSウィルス抗体、抗CCR4抗体、抗CTLA−4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4、CD152)抗体、抗PD−1抗体、抗RANKL(receptor activator of nuclear factor κB ligand)抗体、抗c−Met抗体、抗CXCR4抗体などが挙げられる。
具体的には、「モノクローナル抗体」としては、特に限定されないが、例えば、イブリツモマブ チウキセタン、リツキシマブ、セツキシマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブ ベドチン、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、オマリズマブ、メポリズマブ、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、パリビズマブ、ラニビズマブ、セルトリズマブ、オクレリズマブ、モガムリズマブ、エクリズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、イノツズマブ、パニツムマブ、オファツムマブ、ゴリムマブ、アダリムマブ、ラムシルマブ、ニボルマブ、アナキンラ、デノスマブ、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、マツズマブ、ファルレツズマブ、MORAb−004、MORA−b009及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「mTOR阻害剤」として、特に限定されないが、例えば、エベロリムス(RAD001)、ラパマイシン(シロリムス)、AZD8055、テムシロリムス(CCI−779、NSC683864)KU−0063794、Voxtalisib(XL−765、SAR245409)、MHY1485、ダクトリシブ(BEZ235)、PI−103、Torkinib(PP242)リダフォロリムス(デフォロリムス、MK−8669)、INK−128(MLN0128)、Torin1、オミパリシブ(GSK2126458、GSK458)、OSI−027、PF−04691502、アピトリシブ(GDC−0980、RG7422)、GSK1059615、ゲダトリシブ(PF−05212384、PKI−587)、WYE−132、PP121、WYE−354、AZD2014、Torin2、WYE−687、CH5132799、WAY−600、ETP−46464、GDC−0349、XL388、ゾタロリムス(ABT−578)、タクロリムス(FK506)BGT226(NVP−BGT226)、パロミド529(P529)、クリソファン酸及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「TNF阻害薬」として、特に限定されないが、例えば、エタネルセプト、レナリドミド(CC−5013)、ポマリドミド、サリドマイド、ネクロスタチン-1またはQNZ(EVP4593)などが挙げられる。
「T細胞阻害薬」として、特に限定されないが、例えば、アバタセプトなどが挙げられる。
「新脈管形成阻害剤」として、特に限定されないが、例えば、CM101、IFN−α、IL−12、血小板因子−4、スラミン、セマキサニブ、トロンボスポンジン、VEGFRアンタゴニスト、新脈管形成抑制ステロイドプラスヘパリン、軟骨由来新脈管形成阻止因子、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、バチマスタット、マリマスタット、アンギオスタチン、エンドスタチン、2−メトキシエストラジオール、テコガラン、トロンボスポンジン、αVβ3阻害剤、リノミド、ADH−1、E7820及びそれらのDDS製剤などが挙げられる。
「その他の化学療法剤」としては、特に限定されないが、例えば、フィステナリド、ソブゾキサン、オバトクラックス、エファプロキシラール、チピファルニブ、ロナファルニブなどが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、有効成分としての上記WT1抗原ペプチドおよび/または免疫調節剤以外に、特に限定されないが、例えば、薬学上許容される担体を含んでいてもよい。また本発明の医薬組成物に含まれるWT1抗原ペプチドは、WT1特異的CTLおよび/またはヘルパーT細胞を誘導することから、その誘導効率を増強させるために、本発明の医薬組成物は適当なアジュバントを含むか、あるいは適当なアジュバントと共に投与されてもよい。
本発明の「薬学上許容される担体」は、用いられる用量及び濃度で当該担体を曝露される細胞又は哺乳動物に対して毒性を示さない。薬学上許容される担体はしばしばpH緩衝水溶液である。薬学上許容される担体の例には以下が含まれる:緩衝剤(例えばリン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸及び他の有機酸);抗酸化剤(アスコルビン酸を含む);低分子量ポリペプチド(約10残基未満);タンパク質(例えば血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えばポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、メチオニン又はリジン);単糖類、二糖類及び他の炭水化物(例えばグルコース、マンノース又はデキストリン);キレート剤(例えばEDTA);糖アルコール(例えばマンニトール、トレハロース又はソルビトール):安定化剤(例えばジエチレントリアミン五酢酸);塩形成対イオン(例えばナトリウム);溶解補助剤(例えばポリソルベート80(登録商標))及び/又は非イオン性界面活性剤(例えばTWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)及びPLURONICS(登録商標))。また、本発明の薬学上許容される担体は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖、ポリ乳糖、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸共重合体、および不活性ウィルス粒子などの大型の緩慢に代謝される巨大分子であってよい。また、WT1抗原ペプチドは、リポソーム製剤、直径数μmのビーズに結合させた粒子径の製剤、リピッドを結合させた製剤などにして投与することもできる。
本発明の医薬組成物は、細胞性免疫が効率的に成立するように、適当なアジュバントを含むか、アジュバントとともに投与することができる。アジュバントとしては、文献(Clin. Microbiol. Rev., 7: 277-289, 1994)に記載のあるものなどが応用可能であり、具体的には、菌体由来成分、GM−CSF、インターロイキン−2、インターロイキン−7もしくはインターロイキン−12などのサイトカイン、植物由来成分、海洋生物由来成分、水酸化アルミニウムの如き鉱物ゲル、リソレシチン、プルロニックポリオールの如き界面活性剤、ポリアニオン、ペプチド、または油乳濁液(エマルジョン製剤)などが挙げることができる。菌体由来成分としては、リピドA(lipid A)、その誘導体であるモノホスホリノリピドA(monophosphoryl lipid A)、菌体(BCG菌などのMycobacterium属細菌が挙げられる)の死菌、細菌由来のタンパク質、ポリヌクレオチド、フロイント不完全アジュバント(Freund's Incomplete Adjuvant)、フロイント完全アジュバント(Freund's Complete Adjuvant)、細胞壁骨格成分(例えばBCG−CWSなどが挙げられる)、トレハロースジミコレート(TDM)などが挙げられる。
また、アジュバントとして、沈降性アジュバントと油性アジュバントを挙げることができる。沈降性アジュバントは、ペプチドが吸着する無機物の懸濁剤を表す。沈降性アジュバントとしては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム(アラム、Alum)、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン、ペペス、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。油性アジュバントは、ペプチドを含む水溶液を鉱油で包みミセルをつくり乳化する油乳剤を表す。油性アジュバントとしては、具体的には、流動パラフィン、ラノリン、フロイントアジュバント(フロイント完全アジュバント、フロイント不完全アジュバント)、モンタナイド、W/Oエマルション(WO2006/078059参照)等が挙げられるがこれに限定されない。
本発明の医薬組成物は、特に限定されないが、マンニトール、トレハロース、およびラクトース等の糖アルコール、または塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、酢酸ナトリウム水和物、無水酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムおよびリン酸三ナトリウム等から選択される、一般に医薬品製剤に用いられるpH調整剤、希釈剤、緩衝剤、懸濁剤、湿潤剤、可溶化剤、分散剤、保存剤および/または着色剤を含むこともできる。
本発明の医薬組成物は、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、吸入剤、経鼻剤等として用いられる。経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定化剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
舌下錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定化剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定化剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定化剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬学上許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により製造される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に研和、または溶融させて調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。 クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定化剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定化剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
スプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定化剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば、米国特許第2,868,691号明細書および米国特許第3,095,355号明細書に詳しく記載されている。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
一態様において、WT1抗原ペプチドを含む医薬組成物は、トレハロース、マンニトール、メチオニン、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸およびpH調整剤からなる群から選択される1以上の薬学上許容される担体を含む。
一態様において、免疫調節剤を含む医薬組成物は、マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ポリソルベート80(商標登録)およびpH調整剤からなる群から選択される1以上の薬学上許容される担体を含む。
WT1抗原ペプチドおよび免疫調節剤の投与方法は、疾患の種類、対象の状態、標的部位などの条件に応じて適宜選択することができる。前記投与方法は、例えば、注射または輸液による、静脈内、筋肉内、皮膚内、腹腔内、皮下、もしくは脊髄投与、または他の非経口投与経路を含む。また、本文中、「非経口投与」とは、腸および局所投与以外の通常の注入による投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腹腔内、被膜内、眼窩内、心臓内、皮膚内、腹腔内、経気管的、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注入および点滴が含まれるが、これらに限定されない。WT1抗原ペプチドは、リンパ球療法またはDC(樹状細胞)療法により投与されてもよい。また、免疫調節剤は、経皮投与経路、または鼻腔内、口腔内、膣内、直腸内、舌下などの経粘膜投与経路により投与できる。
本発明のWT1抗原ペプチドは、免疫調節剤に加えて、非薬剤療法と組み合わせることにより、より効果的に癌を予防または治療することができる。非薬剤療法としては、例えば、手術、放射線療法、遺伝子治療、温熱療法、凍結療法、レーザー灼熱療法などが挙げられ、これらを2種以上組み合わせることもできる。例えば、本発明の医薬組成物、または本発明の医薬組成物と併用薬物とを、手術等の非薬剤療法の前または後に、あるいは2または3種の非薬剤療法を組み合わせた治療前または後に使用することによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease-Free Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命等の効果が得られる。
WT1抗原ペプチドおよび免疫調節剤の投与量、医薬組成物の剤形、投与回数などは、疾患の種類、対象の状態、標的部位などの条件に応じて適宜選択できる。WT1抗原ペプチドの1回あたりの投与量は、通常、0.0001mg〜1000mg、好ましくは、0.001mg〜1000mg、より好ましくは0.1mg〜10mgである。免疫調節剤の体重1kgあたりの投与量は、通常、0.0001mg〜1000mg、好ましくは、0.001mg〜1000mg、より好ましくは0.1mg〜10mgである。
本明細書において、「有効量」とは、癌の進行を完全または部分的に阻害するか、あるいは、癌の1以上の症状を少なくとも部分的に緩和する、WT1抗原ペプチドもしくは免疫調節剤の量、または2種類以上のWT1抗原ペプチドもしくは免疫調節剤の組合せの量である。有効量は、治療的または予防的に有効な量であり得る。有効量は、患者の年齢および性別、処置される状態、状態の重度、ならびに求められている結果などにより決定される。所定の患者について、有効量は、当業者に知られる方法によって決定することができる。
本発明は、WT1遺伝子が発現している癌やWT1遺伝子の発現レベルの上昇を伴う癌の治療または予防(再発防止を含む)として用いることができる。よって、本発明における癌の例としては、一態様において、白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫もしくは悪性リンパ腫などの血液性癌、または胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、多型性膠芽腫、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞癌もしくは脳腫瘍などの固形癌が挙げられる。
本発明はまた、免疫調節剤を併用することにより、T細胞活性化閾値を上昇させ、宿主における腫瘍応答を活性化することが期待される。よって、本発明における癌の例としては、その他の態様として、骨癌、膵癌、頭頚部癌、皮膚または眼窩内悪性メラノーマ、直腸癌、肛門部癌、精巣癌、卵管のカルシノーマ、子宮内膜カルシノーマ、子宮頚部カルシノーマ、膣カルシノーマ、外陰部カルシノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性白血病、小児固形癌、リンパ球性リンパ腫、腎臓または尿管の癌、腎盂カルシノーマ、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性CNSリンパ腫、腫瘍新脈管形成、脊椎腫瘍、脳幹グリオーム、下垂体アデノーマ、カポシ肉腫、扁平上皮癌、扁平細胞癌、T細胞リンパ腫、アスベスト誘発癌を含む環境誘発癌および上記癌の組み合わせが挙げられる。また、本発明は、転移性癌、特にPD−L1を発現する転移性癌の治療に対しても有用であることが期待される(Iwai et al., Int. Immunol. 17: 133-144, 2005)。
本明細書において、「哺乳動物」には、ヒトおよび非ヒト動物類が含まれる。非ヒト動物には、特に限定されないが、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシのような哺乳類が含まれる。哺乳動物の中では、ヒト、特に、免疫応答増強を必要としているヒト患者が好ましい。従って、本発明は、T細胞介在性免疫応答を促進することにより治療が期待できる疾患を有するヒト患者の治療に特に適している。
本発明において、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤とは、それぞれ別の製剤に含まれていても、単一の製剤に含まれていてもよい。すなわち、本発明の医薬組成物は、免疫調節剤と併用されるWT1抗原ペプチドを含む医薬組成物、WT1抗原ペプチドと併用される免疫調節剤を含む医薬組成物、またはWT1抗原ペプチドと免疫調節剤とを含む医薬組成物(すなわち、配合剤)でありうる。本発明の医薬組成物は、キットとして提供することもでき、例えばキットは、WT1抗原ペプチドを含む医薬組成物と免疫調節剤とを含む医薬組成物とを含む。本発明の医薬組成物およびキットは、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤との併用における用法・用量等を記載した添付文書、包装容器、取扱説明書等とともに提供されうる。ある態様において、本発明の医薬組成物およびキットは、癌治療用医薬品として提供されうる。
本発明において、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤は、同時に投与しても、別々に投与してもよい。また、WT1抗原ペプチドおよび免疫調節剤は、さらなる併用薬物と、同時に投与しても、別々に投与してもよい。本発明において「同時に投与する」とは、同一の投与スケジュールで投与することを意味し、有効成分は単一の製剤に含まれていても、別の製剤に含まれていてもよい。有効成分が別の製剤に含まれる場合、全ての製剤を単回で投与してもよく、各製剤を連続して投与してもよい。「別々に投与する」とは、異なる投与スケジュールで投与することを意味し、一方を投与した後、一定の間隔をおいて他方を投与するが、いずれを先に投与してもよく、その間隔も任意である。各有効成分の投与回数は、同じであっても異なっていてもよく、例えば、一方を1日1回投与し、他方を1日2回以上投与してもよい。
有効成分が単一の製剤に含まれる場合、その配合比は、投与対象、投与経路、対象疾患、症状、またはこれらの組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、免疫調節剤または併用薬物は、WT1抗原ペプチド1重量部に対し0.01〜100重量部用いることができる。
本発明の医薬組成物は、副作用抑制の目的として、制吐剤、睡眠導入剤、抗痙攣薬などの薬剤とさらに組み合わせて用いることができる。
WT1抗原ペプチドは、腫瘍内に腫瘍反応性のCTLを増加させる薬剤であるため、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤との併用により、免疫調節剤の投与量を減弱できる可能性、即ち有害事象を軽減できる可能性がある。このように、WT1抗原ペプチドと免疫調節剤との併用により、より高い効果とより高い安全を併せ持った治療法を患者に提供できる可能性がある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
実施例1:
ヒト末梢血単核球からの腫瘍抗原ペプチド特異的細胞傷害性T細胞誘導に対する免疫チェックポイント阻害剤の併用効果
凍結保存されたHLA−A02:01陽性の成人由来の末梢血単核球(PBMC)(C.T.L社)を起眠し、培養液に懸濁し、U底の96ウェルプレートに1.5×10細胞/穴になるように播種した。AIM V培地(Life Technologies社)にヒト血清(Lonza社)を5%、MEM非必須アミノ酸溶液(100×)(Life Technologies社)を1%含有する培養液を使用し、37℃、5% COの条件下で培養した。播種したPBMCに抗ヒトPD−1抗体を添加する群(A群)、抗ヒトPD−L1抗体を添加する群(B群)、および抗ヒトPD−1抗体および抗ヒトPD−L1抗体を添加しない対照群(C群)を設定した。各群24サンプル(24ウェル)とした。抗ヒトPD−1抗体は、クローンEH12.2H7(BioLegend社)、抗ヒトPD−L1抗体は、29E.243(BioLegend社)を使用した。また、抗ヒトPD−1抗体のアイソタイプ抗体として、Mouse IgG1, κ(BioLegend社)、抗ヒトPD−L1抗体のアイソタイプ抗体として、Mouse IgG2b, κ(BioLegend社)を使用した。
A群には、抗ヒトPD−1抗体およびMouse IgG2b, κをそれぞれ10μg/mLになるように添加した。B群には、抗ヒトPD−L1抗体およびMouse IgG1, κをそれぞれ10μg/mLになるように添加した。C群には、Mouse IgG1, κおよびMouse IgG2b, κをそれぞれ10μg/mLになるように添加した。培養開始から1日後にWT1キラーペプチド(式(3)の化合物)、WT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)をそれぞれ20μg/mLになるように培養細胞に添加した。培養開始から2日後にヒトIL−2(塩野義製薬)を50U/mLになるように添加した。培養開始から5日後と9日後に培養液の半量を100U/mLのヒトIL−2を含む培養液で交換した。培養開始から13日後に各群24サンプルの培養細胞を回収し、PE標識されたキラーペプチドA(配列番号:2)に対するHLAテトラマー試薬(MBL社)とFITC標識された抗CD8抗体(BD社)の組み合わせ、または、PE標識されたキラーペプチドB(配列番号:8)に対するHLAテトラマー試薬(MBL社)とFITC標識された抗CD8抗体(BD社)の組み合わせで染色し、フローサイトメーター MACSQuant Analyzer (Miltenyi Biotec社)を用いてキラーペプチド特異的CTLの解析を行った。
抗ヒトPD−1抗体および抗ヒトPD−L1抗体を添加しなかったC群では、24サンプル中でキラーペプチドA特異的CTLおよびキラーペプチドB特異的CTLは、検出されなかった。抗ヒトPD−1抗体を添加したA群では、キラーペプチドB特異的CTLが、24サンプル中1サンプルで検出された(図1)。抗ヒトPD−L1抗体を添加したB群では、24サンプル中キラーペプチドA特異的CTLが1サンプル(図2)、キラーペプチドB特異的CTLが2サンプル(図3)で検出された。結果を図1−3に示した。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤の抗ヒトPD−1抗体および抗ヒトPD−1抗体は、PBMCのin vitroでのWT1抗原ペプチド刺激の培養系で、CTLの誘導効率を増強することが示された。
実施例2:
WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドに対する免疫応答性に対する免疫チェックポイント阻害剤の作用
凍結保存されたHLA−A02:01陽性の成人由来の末梢血単核球(C.T.L社)を起眠し、培養液に懸濁し、U底の96穴プレートに播種した。培養には、AIM V培地(Life Technologies社)にヒト血清(Lonza社)を5%、MEM非必須アミノ酸溶液(100×)(Life Technologies社)を1%含有する培養液に20μg/mLのWT1キラーペプチドB、100U/mLのヒトIL−2(塩野義製薬)を添加した培養液を使用した。培養開始3日後、7日後、および11日後に培養液の半量を新しい培養液に交換した。培養開始13日後にウェル毎に細胞を回収し、PE標識されたキラーペプチドBに対するHLAテトラマー試薬(MBL社)とFITC標識された抗CD8抗体(BD社)で染色し、フローサイトメーター MACSQuant Analyzer (Miltenyi Biotec社)を用いてキラーペプチドB特異的CTLの解析を行った。キラーペプチドB(配列番号:8)特異的CTLが検出されたウェルの細胞を混合し、WT1抗原ペプチド特異的CTL細胞株とした。WT1抗原ペプチド特異的CTL細胞株は、細胞凍結保存液CELLBANKER(日本全薬工業)を用いて凍結保存した。
凍結保存したWT1抗原ペプチド特異的CTL細胞株を起眠し、100U/mLのヒトIL−2(塩野義製薬)を添加した培養液で一晩培養した。細胞を回収して、培養液で洗浄後、抗ヒトPD−1抗体(EH12.2H7)を添加する群(A群)、抗ヒトPD−L1抗体(29E.243)を添加する群(B群)、および抗ヒトPD−1抗体および抗ヒトPD−L1抗体を添加しない対照群(C群)の3条件で2時間培養した。A群には、抗ヒトPD−1抗体およびMouse IgG2b, κをそれぞれ10μg/mLになるように添加した。B群には、抗ヒトPD−L1抗体およびMouse IgG1, κをそれぞれ10μg/mLになるように添加した。C群には、Mouse IgG1, κおよびMouse IgG2b, κをそれぞれ10μg/mLになるように添加した。実施例1と同じ抗体を使用した。細胞のペプチドに対する特異的な反応をIFN-γ ELISPOT Set (BD社)を用いて測定した。前述のように処理した細胞をELISPOTのプレートに添加し、キラーペプチドB(配列番号8)を40μg/mLで添加する群としない群に分けて18時間培養した。各群2サンプルとした。その後、メーカーのプロトコールに従ってプレートの処理を行い、ACE Substrate Set (BD社)でスポットを発色させた。スポットの数をELISPOTアナライザー(C.T.L社)で計測した。A群、B群、およびC群のそれぞれについて、ペプチド添加したサンプルのスポット数の平均値からペプチド無添加のサンプルのスポット数の平均値を減じて、測定結果とした。
その結果、対照群のC群に対して、抗ヒトPD−1抗体で処理したA群は1.7倍、抗ヒトPD−L1抗体で処理したB群は1.4倍のスポットが検出された。結果を図4に示した。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤は、WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドに対する反応性を増強することが示された。
実施例3:
WT1キラーペプチドおよびWT1ヘルパーペプチドのカクテルワクチンを投与したマウス脾細胞における免疫チェックポイント分子の発現変化
本試験に使用したHLA−A02:01遺伝子導入マウス(C57BL/6CrHLA−A2.1DR1)は、マウスのMHCを欠損し、ヒトのMHCであるHLA−A02:01とマウスMHCであるH−2DとのキメラHLAと、HLA−DRB101:01とを発現するマウスである(Eur J Immunol.2004;34:3060-9)。本マウスを用いることで、ヒトのHLA−A02:01に結合し得るペプチドでCTLを誘導することが可能である。また、ヒトのHLA−DRB101:01に結合し得るペプチドでヘルパーT細胞を誘導し、CTL誘導増強効果を評価することも可能である。
WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含む組成物を、等量の不完全フロイントアジュバントであるモンタナイド(ISA51VG)と混合しエマルション化させた。得られたカクテルワクチン(以下、ワクチンと記載する)を、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に、1週間間隔で2回投与した(マウス1匹の1回の免疫につき、1mgのWT1キラーペプチドと0.75mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。最終投与の1週間後に、ワクチン投与群および非投与群のマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、脾細胞を調製した。この脾細胞をFITC標識抗CD8抗体(BD Pharmingen社)、PE標識抗CD4抗体(BD Pharmingen社)、PE標識されたWT1キラーペプチド(配列番号:8)に対するHLAテトラマー試薬(MBL社製)、APC標識抗PD−1抗体(BD Pharmingen社、クローンJ43)、APC標識アイソタイプコントロール(BD Pharmingen社、Hamster IgG2, κ)抗体、APC標識抗PD−L1抗体(BioLegends社製、クローン10F.9G2)、およびAPC標識アイソタイプコントロール(eBioscience社、Rat IgG2b, κ)抗体で染色し、フローサイトメーターMACSQuant Analyzer(Miltenyi Biotec社)を用いて解析を行った。
結果を図5−10に示した。図5および8において、1点短鎖線はワクチン投与個体脾細胞由来のCD8陽性テトラマー陽性画分、破線はワクチン投与個体脾細胞由来のCD8陽性テトラマー陰性画分、実線はワクチン非投与個体脾臓由来のCD8陽性テトラマー陰性分画におけるPD−1(図5)およびPD−L1(図8)の発現を示す。点線はアイソタイプコントロールを用いた染色結果を示す。図6、7、9および10において、破線はワクチン投与個体脾臓由来のCD4陽性T細胞(図6および図9)またはCD4陰性CD8陰性細胞(図7および図10)、実線はワクチン非投与個体脾臓由来のCD4陽性T細胞(図6および図9)またはCD4陰性CD8陰性細胞(図7および図10)におけるPD−1(図6および図7)およびPD−L1(図9および図10)の発現を示す。点線はアイソタイプコントロールを用いた染色結果を示す。その結果、ワクチン投与によりCD8陽性T細胞、特にCD8陽性WT1テトラマー陽性T細胞においてPD−1の高い発現誘導が認められた(図5−7)。PD−L1ついては、ワクチン投与の有無にかかわらず、いずれの細胞においても発現を認めたが、CD4陽性T細胞ではワクチン投与によって発現上昇が認められた(図8−10)。これらの結果から、ワクチン投与によってWT1特異的なCD8陽性T細胞あるいはCD4陽性T細胞において、それぞれPD−1あるいはPD−L1の発現が誘導されることが判明した。
実施例4:
WT1抗原ペプチド特異的T細胞の腫瘍細胞に対する免疫応答性における免疫チェックポイント阻害剤の作用
実施例3と同様にWT1キラーペプチドおよびWT1ヘルパーペプチドを含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹の1回の免疫につき、1mgのWT1キラーペプチドと0.75mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。最終投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、Complete T-cell medeium(以下CTM)を用いて脾細胞懸濁液を調製した。WT1キラーペプチド(配列番号:2)をDMSOで40mg/mLに溶解し、さらにCTMで500μg/mLに希釈した。調製した脾細胞の一部にこのペプチド溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5% CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス脾細胞を1:10の割合で混合した。この脾細胞懸濁液に抗PD−1抗体(Bio X cell社製、クローンRMP1-14)、またはアイソタイプコントロール抗体(Bio X cell社製、Rat IgGa, κ)を10μg/mLで添加し、37℃、5% CO下で5日間培養した。培養した脾細胞を10%FBS含有RPMI1640培地で洗浄し、Responder細胞とした。次に、WT1キラーペプチド(配列番号:2)をDMSOで40mg/mLに溶解し、さらに10%FBS含有RPMI1640培地で100μg/mLに希釈した。マウスリンパ腫由来細胞株EL4 S3- Rob(Eur J Immunol.1990;20:171-7)にHHD(ヒトHLA−A02:01分子のα3ドメインをマウスMHCクラスI分子H−2Dbのα3ドメインと置換したキメラHLA分子)を安定発現させた細胞株(J Exp Med.1997;185:2043-51)(以下、EL4HHD)を上記のペプチド含有RPMI1640培地、またはペプチド非含有RPMI1640培地で懸濁し、約1時間、37℃、5% CO下に静置した。10%FBS含有RPMI1640培地で余分なペプチドを洗浄し、Stimulator細胞とした。U底96穴プレートにStimulator細胞であるEL4HHDを1×10細胞/穴、Responder細胞である5日間培養した脾細胞を5×10細胞/穴で播種して混合し、37℃、5% CO下で24時間培養した。この培養上清中に含まれるマウスIFN−γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
その結果、ペプチド前処理したStimulator細胞と混合したResponder細胞からのみIFN−γ産生が認められた。さらに、抗PD−1抗体を添加して培養したResponder細胞において、アイソタイプコントロールを添加して培養したResponder細胞と比べて、高いIFN−γ産生量を認めた。一方、Stimulator細胞をペプチド前処理しなかった場合はResponder細胞からのIFN−γ産生がほとんど認められなかった。このことから、WT1抗原ペプチド特異的T細胞がIFN−γを産生したと考えられた。以上より、ワクチン投与によって体内で誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞は、抗PD−1抗体の処理によって活性化が促され、腫瘍細胞に対する免疫応答性を増強することが見出された。
PD−1あるいはPD−L1に対する抗体とWT1抗原ペプチドとの併用によってWT1特異的T細胞が効率よく誘導されるようになること、ワクチン投与によって誘導されたT細胞において免疫チェックポイント分子の発現が高まっていること、WT1抗原ペプチドによって誘導されたWT1抗原ペプチド特異的T細胞の活性はPD−1あるいはPD−L1に対する抗体の処理によって高まることを見出した。これより、WT1抗原ペプチドと免疫チェックポイント阻害剤との併用療法は各単剤の治療効果を相乗的に向上させ、癌の治療効果の向上およびQOLの改善に貢献できることが期待される。
実施例5:
WT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.5mgのWT1キラーペプチドと0.375mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞懸濁液を調製した。WT1キラーペプチド(配列番号:2)をDMSOで40mg/mLに溶解した。脾細胞の一部に調製したWT1キラーペプチド溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合し、U底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種した。腫瘍細胞として、マウスルイス肺がん由来細胞株LLCにHHDおよびWT1キラーペプチド(配列番号:2)を安定発現させた細胞株(本明細書中、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞とも記載する)にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに5×10細胞/穴あるいは3.5×10細胞/穴で播種して混合し、CTM(培地)、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体、あるいはTLR作動薬、あるいはβ―カテニン阻害剤を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗TIM−3抗体(BioLegend社、クローンRMT3-23)、抗CD160抗体(eBioscience社、クローンeBioCNX46-3)、抗LAG−3抗体(BioLegend社、クローンC9B7W)、抗BTLA抗体(BioLegend社、クローン6A6)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)、抗HVEM抗体(BioLegend社、クローンHMHV-1B18)、抗VISTA抗体(BioLegend社、クローンMH5A)、抗PVR抗体(Hycult Biotech社、クローン3F1)を最終濃度10μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗4−1BB抗体(Bio X Cell社、クローンLOB12.3)、抗OX−40抗体(Bio X Cell社、クローンOX-86)、抗GITR抗体(BioLegend社、クローンDTA-1)、抗CD−40抗体(BioLegend社、クローン1C10)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD―1抗体、抗TIM−3抗体、抗CD160抗体、および抗CD−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体および抗PVR抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を、抗BTLA抗体、抗HVEM抗体、および抗VISTA抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗LAG−3抗体、抗4−1BB抗体および抗OX−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG1κ(eBiosciecne社)を、抗GITR抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2b(Bio X Cell社)を用いた。TLR作動薬としてはTLR3作動薬であるPolyI:C HMW(GEヘルスケア、最終濃度30μg/mL)およびPolyI:C LMW(GeneDesign、最終濃度30μg/mL)、TLR7作動薬であるImiquimod(最終濃度10μg/mL)、TLR7/8作動薬であるR848(最終濃度1μmol/L)、およびTLR9作動薬であるCpG−ODN−D19(最終濃度1μmol/L)、CpG−ODN−1826(最終濃度1μmol/L)、およびCpG−ODN−C583(最終濃度1μmol/L)を用いた。β―カテニン阻害剤としてはXAV939を最終濃度5μmol/Lで用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図12−15に示した。免疫チェックポイント阻害剤を添加し培養した場合(図12A〜I)あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加し培養した場合(図13A〜D)には、それぞれに対するアイソタイプコントロール抗体を添加し培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。また、TLR作動薬(図14A〜D)、あるいはβ―カテニン阻害剤(図15)を添加し培養した場合には、CTM培地を添加して培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤、TLR作動薬、β―カテニン阻害剤は、WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性を増強することが示された。
実施例6:
担がん生体由来のWT1抗原ペプチド特異的T細胞の免疫活性における各種併用剤の作用
マウスリンパ腫細胞株EL4にHLA−A2402/Kb(ヒトHLA−A*24:02分子のα3ドメインをマウスMHCクラスI分子H−2Kbのα3ドメインと置換したキメラHLA分子)およびWT1キラーペプチド(配列番号:4)を安定発現させた細胞株(本明細書中、EL4―A24/Kb―WT1腫瘍細胞とも記載する)をハンクス平衡塩溶液中に浮遊させ、HLA−A24:02遺伝子導入マウスの腹側部皮内に移植した(マウス1匹につき、3×10個あるいは5×10個)。腫瘍細胞を移植した1日後および8日後に、WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A24:02遺伝子導入マウスの前肢付け根皮内および後肢付け根皮内に2か所に分けて投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、1mgのWT1キラーペプチドと0.75mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。腫瘍移植15日後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞懸濁液を調製した。この脾細胞をU底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種し、CTM、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗CTLA―4抗体(BioLegend社、クローンUC10-4B9)、抗TIGIT抗体(Bio X Cell社、クローン1G9)を最終濃度30μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗ICOS抗体(BioLegend社、クローンC398.4A)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD―1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗CTLA−4抗体および抗ICOS抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗TIGIT抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてMouse IgG1(Bio X Cell社)を用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図16−17に示した。免疫チェックポイント阻害剤を添加し培養した場合(図16A〜C)あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加し培養した場合(図17)には、それぞれに対するアイソタイプコントロール抗体を添加し培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤は、担がん生体に由来するWT1抗原ペプチド特異的CTLの免疫活性を増強することが示された。
実施例7:
WT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(配列番号:2)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:11)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.3mgのWT1キラーペプチドと0.3mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞懸濁液を調製した。WT1キラーペプチド(配列番号:2)をDMSOで40mg/mLに溶解した。脾細胞の一部に調製したWT1キラーペプチド溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合し、U底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種した。腫瘍細胞として、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに3.5×10細胞/穴で播種して混合し、CTM、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗B7−H4抗体(BioLegend社、クローンHMH4-5G1)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)を最終濃度30μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗4−1BB抗体(Bio X Cell社、クローンLOB12.3)、抗OX−40抗体(Bio X Cell社、クローンOX-86)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD―1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を、抗B7−H4抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗4−1BB抗体および抗OX−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG1κ(eBiosciecne社)を用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図18−19に示した。免疫チェックポイント阻害剤を添加し培養した場合(図18A〜C)あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加し培養した場合(図19A〜B)には、それぞれに対するアイソタイプコントロール抗体を添加し培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤は、WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性を増強することが示された。
実施例8:
WT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(配列番号:2)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:14)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.3mgのWT1キラーペプチドと0.3mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞懸濁液を調製した。WT1キラーペプチド(配列番号:2)をDMSOで40mg/mLに溶解した。脾細胞の一部に調製したWT1キラーペプチド溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合し、U底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種した。腫瘍細胞として、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに3.5×10細胞/穴で播種して混合し、CTM、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗B7−H4抗体(BioLegend社、クローンHMH4-5G1)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)を最終濃度30μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗4−1BB抗体(Bio X Cell社、クローンLOB12.3)、抗OX−40抗体(Bio X Cell社、クローンOX-86)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD−1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を、抗B7−H4抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗4−1BB抗体および抗OX−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG1κ(eBiosciecne社)を用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN−γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図20−21に示した。免疫チェックポイント阻害剤を添加し培養した場合(図20A〜C)あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加し培養した場合(図21A〜B)には、それぞれに対するアイソタイプコントロール抗体を添加し培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤は、WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性を増強することが示された。
実施例9:
WT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(配列番号:26)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:37)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.234mgのWT1キラーペプチドと0.234mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞懸濁液を調製した。WT1キラーペプチド(配列番号:26)をDMSOで40mg/mLに溶解した。脾細胞の一部に調製したWT1キラーペプチド溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合し、U底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種した。腫瘍細胞として、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに3.5×10細胞/穴で播種して混合し、CTM、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD−1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN−γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図22に示した。免疫チェックポイント阻害剤を添加し培養した場合には、それぞれに対するアイソタイプコントロール抗体を添加し培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤は、WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性を増強することが示された。
実施例10:
WT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(配列番号:5)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:11)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.3mgのWT1キラーペプチドと0.3mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞懸濁液を調製した。WT1キラーペプチド(配列番号:5)をDMSOで40mg/mLに溶解した。脾細胞の一部に調製したWT1キラーペプチド溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合し、U底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種した。腫瘍細胞として、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに3.5×10細胞/穴で播種して混合し、CTM、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗B7−H4抗体(BioLegend社、クローンHMH4-5G1)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)を最終濃度30μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗4−1BB抗体(Bio X Cell社、クローンLOB12.3)、抗OX−40抗体(Bio X Cell社、クローンOX-86)、抗GITR抗体(BioLegend社、クローンDTA-1)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD―1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を、抗B7−H4抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗4−1BB抗体および抗OX−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG1κ(eBiosciecne社)を、抗GITR抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2b(Bio X Cell社)を用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図23−24に示した。免疫チェックポイント阻害剤を添加し培養した場合(図23A〜C)あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加し培養した場合(図24A〜C)には、それぞれに対するアイソタイプコントロール抗体を添加し培養した場合と比較して、高いIFN−γ産生量を認めた。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤は、WT1抗原ペプチド特異的CTLのペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性を増強することが示された。
実施例11:
免疫チェックポイント阻害剤によるイン・ビボ腫瘍増殖抑制効果に対するワクチンの増強効果
本試験に使用したHLA−A24:02遺伝子導入マウス(C57BL/6CrHLA−A24/Kb)は、ヒトのMHCであるHLA−A24:02とマウスMHCであるH−2KbとのキメラHLAを発現するマウスである(Int. J. Cancer 2002;100:565-570)。本マウスを用いることで、ヒトのHLA−A24:02に結合し得るペプチドでCTLを誘導することが可能である。
EL4―A24/Kb―WT1腫瘍細胞をハンクス平衡塩溶液中に浮遊させ、HLA−A24:02遺伝子導入マウスの腹側部皮内に移植した(マウス1匹につき、3×10個)。ビークル(モンタナイドとリン酸緩衝生理食塩水)を投与する群(a群)、モンタナイドと抗PD−1抗体を投与する群(b群)、ワクチンとアイソタイプコントロール抗体を投与する群(c群)、ワクチンと抗PD−1抗体を投与する群(d群)を設定した。それぞれの群について5匹のマウスを使用した。腫瘍細胞を移植した1日後および8日後に、a群およびb群のマウスには注射用水を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、前肢付け根皮内および後肢付け根皮内に2か所に分けて投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.1mLを投与)。c群およびd群のマウスには、WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A24:02遺伝子導入マウスの前肢付け根皮内および後肢付け根皮内に2か所に分けて投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.5mgのWT1キラーペプチドと0.375mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。腫瘍細胞を移植した1日後、4日後、8日後、および11日後に、a群のマウスの腹腔内にリン酸緩衝生理食塩水を投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.1mLを投与)。b群およびd群のマウスの腹腔内には抗PD−1抗体(Bio X Cell社、クローンRMP1-14)を投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.2mgを投与)。c群のマウスの腹腔内にはアイソタイプコントロール抗体(Bio X Cell社、rat IgG2a)を投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.2mgを投与)。腫瘍移植4日後、7日後、10日後、11日後、17日後、および21日後に腫瘍径を測定し、腫瘍容積および腫瘍拒絶個体の割合を算出した。
結果を図25に示した。抗PD−1抗体(b群)あるいはWT1ワクチン(c群)は、腫瘍細胞の増殖をビークル(a群)に対して有意に抑制した(パラメトリックDunnett型多重検定、*:p<0.05)。更に、抗PD−1抗体にWT1ワクチンを併用することによって、腫瘍細胞の増殖はより顕著に抑制された(d群、**:p<0.01)。また、表1に示す通り、腫瘍移植後11日目における腫瘍拒絶個体の割合を算出したところ、抗PD−1抗体投与群においては腫瘍拒絶個体がまったく認められなかったが、WT1ワクチンを併用することによって、40%の個体が腫瘍を拒絶することが明らかになった。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤にWT1ワクチンを併用することによって、腫瘍に対する増殖抑制が増強されること、また、治療応答性が向上することが示された。
Figure 2016186177
実施例12:
免疫チェックポイント阻害剤によるイン・ビボ腫瘍増殖抑制効果に対するワクチンの増強効果
EL4―A24/Kb―WT1腫瘍細胞をハンクス平衡塩溶液中に浮遊させ、HLA−A24:02遺伝子導入マウスの腹側部皮内に移植した(マウス1匹につき、3×10個)。ビークル(モンタナイドとリン酸緩衝生理食塩水)を投与する群(a群)、モンタナイドと抗CTLA−4抗体を投与する群(b群)、ワクチンとアイソタイプコントロール抗体を投与する群(c群)、ワクチンと抗CTLA−4抗体を投与する群(d群)を設定した。それぞれの群について、6匹のマウスを使用した。腫瘍細胞を移植した3日前、4日後、および10日後に、a群およびb群のマウスには注射用水を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、前肢付け根皮内および後肢付け根皮内に2か所に分けて投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.1mLを投与)。c群およびd群のマウスには、WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A24:02遺伝子導入マウスの前肢付け根皮内および後肢付け根皮内に2か所に分けて投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.5mgのWT1キラーペプチドと0.375mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。腫瘍細胞を移植した1日後、4日後、7日後、および10日後に、a群のマウスの腹腔内にリン酸緩衝生理食塩水を投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.1mLを投与)。b群およびd群のマウスの腹腔内には抗CTLA−4抗体(Bio X Cell社、クローンUC10-4F10-11)を投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.2mgを投与)。c群のマウスの腹腔内にはアイソタイプコントロール抗体(Bio X Cell社、Armenian hamster IgG)を投与した(マウス1匹に対する1回の投与につき、0.2mgを投与)。腫瘍移植21日後に腫瘍径を測定し、腫瘍容積を算出した。
結果を図26に示した。抗CTLA−4抗体(b群)あるいはWT1ワクチン(c群)は、腫瘍細胞の増殖をビークル(a群)に対して有意に抑制しなかった(パラメトリックDunnett型多重検定、NS:no significant difference)。一方で、抗CTLA−4抗体にWT1ワクチンを併用することによって、腫瘍細胞の増殖は有意に抑制された(d群、*:p<0.05)。これらの結果より、免疫チェックポイント阻害剤にWT1ワクチンを併用することによって、腫瘍に対する増殖抑制が増強されることが示された。
実施例13:
カクテルワクチンで誘導したWT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.5mgのWT1キラーペプチドと0.375mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。あるいは、WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.5mgのWT1キラーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞を調製した。この脾細胞をFITC標識抗CD8抗体(BD Pharmingen社)およびPE標識されたWT1キラーペプチド(配列番号:2)に対するHLAテトラマー試薬(MBL社)で染色し、フローサイトメーターを用いてキラーペプチド特異的CTLの解析を行った。
また、脾細胞の一部にWT1キラーペプチド(配列番号:2)溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合してU底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種し、37℃、5%CO下で約3日間培養した。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
また、実施例5と同様に、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに3.5×10細胞/穴で播種して混合し、CTM、あるいはアイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体、あるいはβ―カテニン阻害剤を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗LAG−3抗体(BioLegend社、クローンC9B7W)、抗BTLA抗体(BioLegend社、クローン6A6)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)、抗VISTA抗体(BioLegend社、クローンMH5A)を最終濃度30μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗4−1BB抗体(Bio X Cell社、クローンLOB12.3)、抗OX−40抗体(Bio X Cell社、クローンOX-86)、抗GITR抗体(BioLegend社、クローンDTA-1)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD―1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を、抗BTLA抗体および抗VISTA抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗LAG−3抗体、抗4−1BB抗体および抗OX−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG1κ(eBiosciecne社)を、抗GITR抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2b(Bio X Cell社)を用いた。β―カテニン阻害剤としてはXAV939を最終濃度5μmol/Lで用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図27−32に示した。
フローサイトメトリー解析の結果、WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:18)を含むワクチン(以下、カクテルワクチンaとする)を投与したマウスの脾細胞は、WT1キラーペプチド(式(3)の化合物)のみを含むワクチン(以下、キラーワクチンaとする)を投与したマウスの脾細胞と比べて、1.9倍のWT1キラーペプチド(配列番号:2)特異的CTLを含んでいた(図27)。これらの脾細胞をWT1キラーペプチド(配列番号:2)の添加下で培養したところ、カクテルワクチンaを投与したマウスの脾細胞は、キラーワクチンaを投与したマウスの脾細胞と比べて、2倍のIFN―γ産生量を示した(図28)。一方で、これらの脾細胞を腫瘍細胞と混合した上で、WT1キラーペプチド(配列番号:2)非添加下あるいは添加下で培養したところ、腫瘍細胞と混合しなかった場合(図28)と比較して脾細胞からのIFN−γ産生量は抑制されたが、カクテルワクチンaを投与したマウスの脾細胞は、キラーワクチンaを投与したマウスの脾細胞と比べて、WT1キラーペプチド(配列番号:2)非添加下では6.9倍、WT1キラーペプチド(配列番号:2)添加下では12倍のIFN―γ産生量を示した(図29)。これらの結果より、キラーワクチンaを投与したマウスの脾細胞中に含まれるCTLは、カクテルワクチンaを投与したマウスの脾細胞中に含まれるCTLと比べて、腫瘍細胞による抑制を強く受けることが示された。更には、腫瘍細胞の存在下でWT1キラーペプチドに加えて免疫チェックポイント阻害剤(図30)、共刺激分子アゴニスト抗体(図31)、あるいはβ―カテニン阻害剤(図32)を添加したところ、これらの併用剤によってカクテルワクチンaを投与したマウスの脾細胞は実施例5と同様に著しく活性化したが、キラーワクチンaを投与したマウスの脾細胞はほとんど活性化されなかった。これらの結果より、腫瘍中において、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤、β―カテニン阻害剤によってWT1抗原ペプチド特異的CTLのWT1ペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性が増強されるためには、投与されるWT1ワクチンにキラーペプチドとヘルパーペプチドの双方が含まれていることが重要であることが明らかとなった。
実施例14:
カクテルワクチンで誘導したWT1抗原ペプチド特異的T細胞のペプチドおよび腫瘍細胞に対する免疫応答性における各種併用剤の作用
WT1キラーペプチド(配列番号:2)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:11)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.3mgのWT1キラーペプチドと0.3mgのWT1ヘルパーペプチドを投与)。あるいは、WT1キラーペプチド(配列番号:2)を含む組成物を等量のモンタナイドと混合しエマルション化させたのち、HLA−A02:01遺伝子導入マウスの尾根部皮内に投与した(マウス1匹につき、0.3mgのWT1キラーペプチドを投与)。投与の1週間後にマウスをCOガスにより安楽死させたのち脾臓を摘出し、CTMを用いて脾細胞を調製した。この脾細胞をFITC標識抗CD8抗体(BD Pharmingen社)およびPE標識されたWT1キラーペプチド(配列番号:2)に対するHLAテトラマー試薬(MBL社)で染色し、フローサイトメーターを用いてキラーペプチド特異的CTLの解析を行った。
また、脾細胞の一部にWT1キラーペプチド(配列番号:2)溶液を添加し、最終濃度100μg/mLで約1時間、37℃、5%CO下に静置した。CTMで余分なペプチドを洗浄後、ペプチドパルスした脾細胞と非ペプチドパルス細胞を1:10の割合で混合してU底96穴プレートに3.85×10細胞/穴で播種し、37℃、5%CO下で約3日間培養した。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
また、実施例7と同様に、LLC―HHD―WT1腫瘍細胞にX線(50Gy)照射した後に最終濃度100ng/mLのマウスリコンビナントIFN―γの存在下で約2日間培養し、CTMで洗浄した。このLLC−HHD−WT1腫瘍細胞を、脾細胞を播種したU底96穴プレートに3.5×10細胞/穴で播種して混合し、アイソタイプコントロール抗体、あるいは免疫チェックポイント阻害剤、あるいは共刺激分子アゴニスト抗体を添加して37℃、5%CO下で約3日間培養した。免疫チェックポイント阻害剤としては抗PD−1抗体(BioLegend社、クローン29F.1A12)、抗B7−H4抗体(BioLegend社、クローンHMH4-5G1)、抗PD−L1抗体(eBiosciecne社、クローンMIH5)を最終濃度30μg/mLで用いた。共刺激分子アゴニスト抗体としては抗4−1BB抗体(Bio X Cell社、クローンLOB12.3)、抗OX−40抗体(Bio X Cell社、クローンOX-86)を最終濃度30μg/mLで用いた。抗PD―1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2aκ(BD Pharmingen社)を、抗PD−L1抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG2a(Bio X Cell社)を、抗B7−H4抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてArmenian Hamster IgG(eBioscience社)を、抗4−1BB抗体および抗OX−40抗体に対応するアイソタイプコントロール抗体としてRat IgG1κ(eBiosciecne社)を用いた。この培養上清中に含まれるマウスIFN―γの濃度をELISAキット(R&D Systems)で測定した。
結果を図33−39に示した。
フローサイトメトリー解析の結果、WT1キラーペプチド(配列番号:2)およびWT1ヘルパーペプチド(配列番号:11)を含むワクチン(以下、カクテルワクチンbとする)を投与したマウスの脾細胞は、WT1キラーペプチド(配列番号:2)のみを含むワクチン(以下、キラーワクチンbとする)を投与したマウスの脾細胞と比べて、1.3倍のWT1キラーペプチド(配列番号:2)特異的CTLを含んでいた(図33)。これらの脾細胞をWT1キラーペプチド(配列番号:2)の添加下で培養したところ、カクテルワクチンbを投与したマウスの脾細胞は、キラーワクチンbを投与したマウスの脾細胞と比べて、2.6倍のIFN―γ産生量を示した(図34A−B)。これらの脾細胞を腫瘍細胞の存在下でWT1キラーペプチドに加えて免疫チェックポイント阻害剤(図35−37)あるいは共刺激分子アゴニスト抗体(図38−39)を添加して培養したところ、これらの併用剤によってカクテルワクチンbを投与したマウスの脾細胞は実施例7と同様に著しく活性化したが、キラーワクチンbを投与したマウスの脾細胞はほとんど活性化されなかった。これらの結果より、腫瘍中において、免疫チェックポイント阻害剤、共刺激分子アゴニスト剤によってWT1抗原ペプチド特異的CTLのWT1ペプチドおよび腫瘍細胞に対する反応性が増強されるためには、投与されるWT1ワクチンにキラーペプチドとヘルパーペプチドの双方が含まれていることが重要であることが明らかとなった。
本発明は、医薬品などの分野、例えば、癌の治療薬及び予防薬の開発、又は製造分野において利用可能である。
配列番号:2 ペプチド
配列番号:3 ペプチド
配列番号:4 ペプチド
配列番号:5 ペプチド
配列番号:6 ペプチド
配列番号:7 ペプチド
配列番号:8 ペプチド
配列番号:9 ペプチド
配列番号:10 ペプチド
配列番号:11 ペプチド
配列番号:12 ペプチド
配列番号:13 ペプチド
配列番号:14 ペプチド
配列番号:15 ペプチド
配列番号:16 ペプチド
配列番号:17 ペプチド
配列番号:18 ペプチド
配列番号:19 ペプチド
配列番号:20 ペプチド
配列番号:21 ペプチド
配列番号:22 ペプチド
配列番号:23 ペプチド
配列番号:24 ペプチド
配列番号:25 ペプチド
配列番号:26 ペプチド
配列番号:27 ペプチド
配列番号:28 ペプチド
配列番号:29 ペプチド
配列番号:30 ペプチド
配列番号:31 ペプチド
配列番号:32 ペプチド
配列番号:33 ペプチド
配列番号:34 ペプチド
配列番号:35 ペプチド
配列番号:36 ペプチド
配列番号:37 ペプチド
配列番号:38 ペプチド
配列番号:39 ペプチド
配列番号:40 ペプチド
配列番号:41 式(1)の化合物
配列番号:42 式(2)の化合物
配列番号:43 式(3)の化合物
配列番号:44 ペプチド
配列番号:45 ペプチド
配列番号:46 ペプチド

Claims (37)

  1. 免疫調節剤と併用される、WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩を含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
  2. WT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、免疫調節剤を含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
  3. 免疫調節剤とWT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩とを含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
  4. WT1抗原ペプチドがWT1キラーペプチドである、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
  5. WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
    RMFPNAPYL (配列番号:2)、
    CMTWNQMNL (配列番号:3)、
    CYTWNQMNL (配列番号:4)、
    ALLPAVPSL (配列番号:5)、
    SLGEQQYSV (配列番号:6)、
    RVPGVAPTL (配列番号:7)、
    VLDFAPPGA、(配列番号:8)、
    C−CMTWNQMNL (配列番号:9)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)、
    C−CYTWNQMNL (配列番号:10)(式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
    RYFPNAPYL (配列番号:21)、および
    YMFPNAPYL (配列番号:26)から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;
    前記配列番号2〜10、21および26から選択されるいずれかのアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が、欠失、置換、および/または付加されたアミノ酸配列を含み且つCTL誘導活性を有するペプチド;もしくは
    式(1):
    Figure 2016186177
    (式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
    で表される化合物、
    式(2):
    Figure 2016186177
    (式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
    で表される化合物、および
    式(3):
    Figure 2016186177
    (式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
    で表される化合物
    からなる群から選択される化合物;またはその薬学上許容される塩である、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. WT1キラーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
    RMFPNAPYL(配列番号:2)、
    CMTWNQMNL (配列番号:3)、
    CYTWNQMNL (配列番号:4)、
    ALLPAVPSL (配列番号:5)、
    C−CYTWNQMNL (配列番号:10)、および
    YMFPNAPYL (配列番号:26)
    から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;もしくは
    式(3):
    Figure 2016186177
    (式中、CとCの間の結合はジスルフィド結合を表す。)
    で表される化合物;またはその薬学上許容される塩である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩をさらに含む、請求項4〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩と併用される、請求項4〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
  9. WT1ヘルパーペプチドまたはその薬学上許容される塩が、
    以下:
    KRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:11)、
    SGQARMFPNAPYLPSCLES(配列番号:12)、
    RSDELVRHHNMHQRNMTKL (配列番号:13)、
    PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:14)、
    CNKRYFKLSHLQMHSRK (配列番号:15)、
    CNKRYFKLSHLQMHSRKH (配列番号:16)、
    CNKRYFKLSHLQMHSRKHTG (配列番号:17)、
    WAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:18)、
    CWAPVLDFAPPGASAYGSL (配列番号:19)、
    WAPVLDFAPPGASAYGSLC (配列番号:20)、および
    SGQAYMFPNAPYLPSCLES (配列番号:37)
    から選択されるいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド;もしくは
    前記配列番号11〜20から選択されるいずれかのアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が、欠失、置換、および/または付加されたアミノ酸配列を含み且つヘルパーT細胞誘導活性を有するペプチド;またはその薬学上許容される塩である、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  10. 癌ワクチンとして使用される、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
  11. 免疫調節剤が、
    (1)免疫チェックポイント阻害剤、
    (2)共刺激分子アゴニスト剤、
    (3)免疫活性化剤、および
    (4)低分子阻害剤
    からなる群から選択される1以上の薬剤である、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
  12. 免疫調節剤が、抗体、核酸、タンパク質、ペプチドまたは低分子化合物である、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 免疫調節剤が、免疫チェックポイント阻害剤である、請求項11または12に記載の医薬組成物。
  14. 免疫チェックポイント阻害剤が、
    (1)CTLA−4、
    (2)PD−1、
    (3)LAG−3、
    (4)BTLA、
    (5)KIR、
    (6)TIM−3、
    (7)PD−L1、
    (8)PD−L2、
    (9)B7−H3、
    (10)B7−H4、
    (11)HVEM、
    (12)GAL9、
    (13)CD160、
    (14)VISTA、
    (15)BTNL2、
    (16)TIGIT、
    (17)PVR、
    (18)BTN1A1、
    (19)BTN2A2、
    (20)BTN3A2、および
    (21)CSF−1R
    からなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、請求項11〜13のいずれかに記載の医薬組成物。
  15. 免疫チェックポイント阻害剤が、CTLA−4、PD−1、LAG−3、TIM−3、BTLA、VISTA、HVEM、TIGIT、PVR、PD−L1およびCD160からなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD−1またはPD−L1に対する薬剤である、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 免疫チェックポイント阻害剤が、抗体である、請求項11〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
  18. 免疫チェックポイント阻害剤が、PD−1またはPD−L1に対する抗体である、請求項17のいずれかに記載の医薬組成物。
  19. PD−1に対する抗体が、ニボルマブまたはペンブロリズマブである、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. PD−L1に対する抗体が、Durvalumab、MPDL3280AまたはBMS−936559である、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 免疫調節剤が、共刺激分子アゴニスト剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
  22. 共刺激分子アゴニスト剤が、
    (1)4−1BB、
    (2)4−1BB−L、
    (3)OX40、
    (4)OX40−L、
    (5)GITR、
    (6)CD28、
    (7)CD40、
    (8)CD40−L、
    (9)ICOS、
    (10)ICOS−L、
    (11)LIGHT、および
    (12)CD27
    からなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 共刺激分子アゴニスト剤が、4−1BB、OX40、GITR、CD40およびICOSからなる群から選択される分子に対する1以上の薬剤である、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 免疫調節剤が、免疫活性化剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
  25. 免疫活性化剤が、Toll様受容体(TLR)作動薬である、請求項24記載の医薬組成物。
  26. TLR作動薬が、
    (1)TLR1/2作動薬、
    (2)TLR2作動薬、
    (3)TLR3作動薬、
    (4)TLR4作動薬、
    (5)TLR5作動薬、
    (6)TLR6/2作動薬、
    (7)TLR7作動薬、
    (8)TLR7/8作動薬、
    (9)TLR7/9作動薬、
    (10)TLR8作動薬、
    (11)TLR9作動薬、および
    (12)TLR11作動薬
    からなる群から選択される1以上の薬剤である、請求項25に記載の医薬組成物。
  27. TLR作動薬が、TLR3作動薬、TLR7作動薬、TLR7/8作動薬、およびTLR9作動薬からなる群から選択される1以上の薬剤である、請求項26に記載の医薬組成物。
  28. 免疫調節剤が、低分子阻害剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
  29. 低分子阻害剤が、β―カテニン阻害剤、IDO阻害剤、COX−2阻害剤、CXCR4阻害剤、STAT3阻害剤およびマルチキナーゼ阻害剤からなる群から選択される薬剤である、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. 低分子阻害剤が、β―カテニン阻害剤である、請求項29に記載の医薬組成物。
  31. 癌が、白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌、脳腫瘍、骨癌、膵癌、頭頚部癌、皮膚または眼窩内悪性メラノーマ、直腸癌、肛門部癌、精巣癌、卵管のカルシノーマ、子宮内膜カルシノーマ、子宮頚部カルシノーマ、膣カルシノーマ、外陰部カルシノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性白血病、小児固形癌、リンパ球性リンパ腫、腎臓または尿管の癌、腎盂カルシノーマ、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性CNSリンパ腫、腫瘍新脈管形成、脊椎腫瘍、脳幹グリオーム、下垂体アデノーマ、カポシ肉腫、扁平上皮癌、扁平細胞癌、T細胞リンパ腫、多型性膠芽腫、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞癌およびアスベスト誘発癌からなる群から選択される、請求項1〜30のいずれかに記載の医薬組成物。
  32. WT1抗原ペプチドと免疫調節剤とが同時に投与される、請求項1〜31のいずれかに記載の医薬組成物。
  33. WT1抗原ペプチドと免疫調節剤とが別々に投与される、請求項1、2、および4〜31のいずれかに記載の医薬組成物。
  34. WT1抗原ペプチドが免疫調節剤の投与前に投与される、請求項1、2、および4〜31のいずれかに記載の医薬組成物。
  35. WT1抗原ペプチドが免疫調節剤の投与後に投与される、請求項1、2、および4〜31のいずれかに記載の医薬組成物。
  36. 薬学上許容される担体をさらに含む、請求項1〜35のいずれかに記載の医薬組成物。
  37. 請求項1〜36のいずれかに規定されるWT1抗原ペプチドまたはその薬学上許容される塩と免疫調節剤とを含む、癌を治療または予防するためのキット。
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