JPWO2016185518A1 - 原子間力顕微鏡の情報取得方法 - Google Patents

原子間力顕微鏡の情報取得方法 Download PDF

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Abstract

原子間力顕微鏡の情報取得方法は、カンチレバーの自由端に設けられた探針と試料の間に力学的な相互作用を生じさせながらカンチレバーと試料を相対的にラスター走査させるあいだ、探針と試料の間に第一の大きさを有する第一の相互作用を生じさせる第一の相互作用生成工程と、探針と試料の間に第一の相互作用が生じているときの試料の第一の情報を取得する第一の情報取得工程と、探針と試料の間に第二の大きさを有する第二の相互作用を生じさせる第二の相互作用生成工程と、探針と試料の間に第二の相互作用が生じているときの試料の第二の情報を取得する第二の情報取得工程とを有している。第一の相互作用の第一の大きさと第二の相互作用の第二の大きさは互いに異なっている。第一の相互作用生成工程と第一の情報取得工程と第二の相互作用生成工程と第二の情報取得工程は同一走査領域において行われる。

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡、特に生物試料の観察に用いられる原子間力顕微鏡に関する。
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は機械的探針を機械的に走査して試料表面の情報を得る走査型顕微鏡であって、走査型トンネリング顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型磁気力顕微鏡(MFM)、走査型電気容量顕微鏡(SCaM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などの総称である。
走査型プローブ顕微鏡は、機械的探針と試料とを相対的にXY方向にラスター走査し、試料の所望とする表面情報を機械的探針を介して得てディスプレイ上にマッピング表示することができる。なかでも原子間力顕微鏡(以下、AFMと呼ぶ)は、最も広く使用されている装置であり、機械的探針をその自由端に持つカンチレバー、カンチレバーの変位を検出する光学式変位センサ、カンチレバーと試料とを相対的に走査するスキャナを備えている。そして、機械的探針と試料の間に力学的な相互作用を生じさせ、その力学的な相互作用によって生じるカンチレバーの変形に基づいて試料の情報を得る。
近年、液体中の生きた生物試料の動く様子が観察可能な生体動画観察用AFMが注目を集めている。この生体動画観察用AFMにおいては液体中の生きた細胞の観察も可能である。最近では、細胞表面の情報と、細胞内部にある細胞小器官の情報、例えばアクチンフィラメントやミトコンドリアの情報をそれぞれ単独に取得した事例が「Yoshida A, Sakai N, Uekusa Y, Deguchi K, Gilmore JL, Kumeta M, Ito S, Takeyasu K. (2015) "Probing in vivo dynamics of mitochondria and cortical actin networks using high-speed atomic force/fluorescence microscopy", Genes Cells, 2015 Feb, 20(2):85-94」において発表されている。
上記事例に示した細胞表面の情報や細胞内部にある細胞小器官の情報を取得する場合、細胞表面と細胞内部の相互関係も重要な情報になる。しかしながら、従来の生体動画観察用AFMにおいては、細胞表面と細胞内部をそれぞれ単独で取得できる可能性は示唆されているとしても、それらの情報を関連づけて取得しようと試みはなされていない。
本発明は、カンチレバーの自由端に設けられた探針を試料と接触させ、それらの間に力学的な相互作用を生じさせながら、XY平面に沿ってカンチレバーと試料を相対的にラスター走査させて試料の情報を取得する原子間力顕微鏡の情報取得方法に向けられている。その方法は、前記探針と前記試料の間に第一の大きさを有する第一の相互作用を生じさせる第一の相互作用生成工程と、前記探針と前記試料の間に前記第一の相互作用が生じているときの前記試料の第一の情報を取得する第一の情報取得工程と、前記探針と前記試料の間に第二の大きさを有する第二の相互作用を生じさせる第二の相互作用生成工程と、前記探針と前記試料の間に前記第二の相互作用が生じているときの前記試料の第二の情報を取得する第二の情報取得工程とを有している。前記第一の相互作用の前記第一の大きさと前記第二の相互作用の前記第二の大きさは互いに異なっている。前記第一の相互作用生成工程と前記第一の情報取得工程と前記第二の相互作用生成工程と前記第二の情報取得工程は同一走査領域において行われる。
この原子間力顕微鏡の情報取得方法においては、例えば細胞の表面情報と内部情報の相互関係の情報を得ることが可能になる。
図1は、実施形態において共通に使用され得る原子間力顕微鏡の構成を示している。 図2は、試料に対するカンチレバーの相対的なラスター走査の動きを示している。 図3は、図2に示されたラスター走査を行うためのX走査信号とY走査信号を示している。 図4は、第一実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。 図5は、第一実施形態の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料の第一の情報と試料の第二の情報を示している。 図6は、試料である細胞を示している。 図7は、図6の細胞の領域Fを、相互作用を小さくして観察した例を示している。 図8は、図6の細胞の領域Fを、相互作用を大きくして観察した例を示している。 図9は、第一実施形態の情報取得方法によって試料情報表示器に表示される観察画像の例を示している。 図10Aは、試料に対するカンチレバーのラスター走査の1走査ラインの往路を強調して示している。 図10Bは、試料に対するカンチレバーのラスター走査の1走査ラインの復路を強調して示している。 図11Aは、ラスター走査を行うためのX走査信号とY走査信号を示しており、図10Aに強調して示された往路に対応するX走査信号の部分を強調して示している。 図11Bは、ラスター走査を行うためのX走査信号とY走査信号を示しており、図10Bに強調して示された復路に対応するX走査信号の部分を強調して示している。 図12は、第二実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。 図13は、第二実施形態の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料の第一の情報と試料の第二の情報を示している。 図14は、第二実施形態の変形例による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。 図15は、第二実施形態の変形例の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料の第一の情報と試料の第二の情報を示している。 図16は、第三実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。 図17は、第三実施形態の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料の第一の情報と試料の第二の情報を示している。 図18は、第四実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。 図19は、第四実施形態の情報取得方法によって試料情報表示器に表示される観察画像の例を示している。 図20は、第五実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。 図21は、第六実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。
[原子間力顕微鏡]
原子間力顕微鏡の情報取得方法の実施形態の説明に先立ち、実施形態において共通に使用され得る原子間力顕微鏡の構成について図1〜図3を用いて説明する。図1は、原子間力顕微鏡の構成を示している。
原子間力顕微鏡は、自由端に探針101をもつカンチレバー102を有している。カンチレバー102は、探針101が試料103と正対するように配置される。このカンチレバー102はホルダ104に保持される。
ホルダ104上には圧電素子105が設けられている。圧電素子105は、ホルダ104を介してカンチレバー102を振動させる加振器として動作する。この圧電素子105は、コントローラ110から出力される加振信号に基づいてカンチレバー102を振動させる。この加振信号は、カンチレバー102をその機械的共振周波数近傍で振動させるための交流成分を含んでいる。
カンチレバー102の上部には、カンチレバー102の変位を光学的に検出するための光てこセンサ106が配置されている。光てこセンサ106からは、カンチレバー102の振動状態信号が出力される。この振動状態信号は、コントローラ110に供給される。
試料103は、Zスキャナ107上に図示しない試料台を介して保持されており、Zスキャナ107はXYスキャナ108上に配置されている。XYスキャナ108は、Xスキャナ108aとYスキャナ108bで構成されている。試料103は、図示しない液体セル中にある。この試料103は、例えば、液体中の生きた細胞である。
Zスキャナ107は、試料103を、カンチレバー102に対してZ方向に沿って走査させるものである。Zスキャナ107は、コントローラ110により制御され、コントローラ110から出力されるZ走査信号に基づいてZ方向に沿って伸縮し、それによって試料103を、カンチレバー102に対してZ方向に沿って走査させる。このZ走査信号は、カンチレバー102の振動状態信号の例えば振幅値を一定に保つようZスキャナ107を制御するための信号であり、このZ走査信号によって、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離が制御される。すなわちコントローラ110によって、探針101と試料103の間の力学的な相互作用の大きさを制御し得る。
XYスキャナ108は、試料103を、カンチレバー102に対してXY平面に沿ってラスター走査させるものである。XYスキャナ108を構成するXスキャナ108aとYスキャナ108bは、コントローラ110により制御され、コントローラ110から出力されるX走査信号とY走査信号に基づいて、それぞれX方向とY方向に沿って変位し、それによって試料103を、カンチレバー102に対してXY平面に沿ってラスター走査させる。
図2は、試料103に対するカンチレバー102の相対的なラスター走査の動きを示している。このラスター走査の動きは従来の一般的なものである。図2において、ラスター走査の走査線方向(走査速度の速い方向)をX方向とする。
図3は、図2に示されたラスター走査を行うためのX走査信号とY走査信号を示している。
コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料の情報をマッピングするための画像データを生成し取得し、試料情報表示器111に供給する。
試料情報表示器111は、例えばモニターであり、コントローラ110で取得された画像データ、すなわち試料情報を表示する。
コントローラ110には、入力部112が接続されている。入力部112は、例えば、後述する各実施形態の情報取得方法をコントローラ110に実行させるプログラムを、原子間力顕微鏡を制御するコントローラ110にインストールしたり、観察領域を指定したり、観察開始や観察終了などの指令をコントローラ110に出したりするためのものである。
[第一実施形態]
次に、第一実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法について図4と図5を用いて説明する。図4は、第一実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。また図5は、第一実施形態の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器111に表示される試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を示している。
本実施形態の情報取得方法は、1回のラスター走査の1走査ライン毎に試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を交互に取得する手法である。
ステップS101において、観察(試料の情報取得)を開始する。コントローラ110から加振信号が出力され、加振器として動作する圧電素子105に供給される。圧電素子105は、加振信号に基づいてカンチレバー102をその機械的共振周波数近傍で振動させる。カンチレバー102の上部に配置された光てこセンサ106は、カンチレバー102の振動状態を検出し、振動状態信号をコントローラ110に供給する。コントローラ110は、振動状態信号に基づいてZ走査信号を生成し、Zスキャナ107を伸縮動作させて試料103とカンチレバー102のZ方向に沿った相対距離を制御する。
ステップS102において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号を出力する。XYスキャナ108は、X走査信号とY走査信号を受けて、試料103のカンチレバー102に対するXY平面に沿ったラスター走査を開始する。
ステップS103において、コントローラ110は、今のラスター走査の走査ライン(X走査信号による走査ライン)が奇数番目であるか偶数番目であるかを判断する。ここでは、1走査ラインは、X方向に関する一往復に対応していると想定されている。
ステップS103の判断の結果、走査ラインが奇数番目である場合、例えば1番目である場合、コントローラ110は、ステップS104において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を調節して探針101と試料103の間の力学的な相互作用を調節し、第一の大きさを有する第一の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。例えば、コントローラ110は、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を大きくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を小さくし、第一の大きさを有する第一の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。
ステップS105において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第一の情報をマッピングするための1走査ライン分の画像データ、すなわち1走査ライン分の試料103の第一の情報を生成し、取得する。試料103の第一の情報は、探針101と試料103の間に小さい相互作用が生じているときの試料の情報であり、例えば、試料の表面の情報である。
ステップS106において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された1走査ライン分の画像データ、すなわち1走査ライン分の試料103の第一の情報を、図5に示される領域Aに1走査ライン分表示する。走査ラインが奇数番目である場合、すなわちX走査信号が図5に示される区間Aにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第一の情報を、図5に示される領域Aに表示する。
ステップS103の判断の結果、走査ラインが偶数番目である場合、例えば2番目である場合、コントローラ110は、ステップS107において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を小さくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を大きくし、第二の大きさを有する第二の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。ここで、第二の相互作用の第二の大きさは、第一の相互作用の第一の大きさよりも大きい。
ステップS108において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第二の情報をマッピングするための1走査ライン分の画像データ、すなわち1走査ライン分の試料103の第二の情報を生成し、取得する。試料103の第二の情報は、探針101と試料103の間に大きい相互作用が生じているときの試料情報であり、例えば、試料の内部の情報である。
ステップS109において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された1走査ライン分の画像データ、すなわち1走査ライン分の試料103の第二の情報を、図5に示される領域Bに1走査ライン分表示する。走査ラインが偶数番目である場合、すなわちX走査信号が図5に示される区間Bにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第二の情報を、図5に示される領域Bに表示する。
ステップS106またはステップS109の後、ステップS110において、コントローラ110は、ラスター走査の1回分が終了したかどうかを判断する。ステップS110の判断の結果、ラスター走査の1回分が終了していない場合、ステップS103に戻り、ラスター走査の1回分が終了するまで、ステップS103〜ステップS110を繰り返す。その結果、図5の領域Aに表示される試料103の第一の情報と図5の領域Bに表示される試料103の第二の情報は、時間的等間隔で交互に更新表示される。
ラスター走査の1回分が終了した時点で、図5に示される領域Aと領域Bに対する、相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報の全走査ライン分の表示が完了する。
コントローラ110は、ステップS111において、観察を終了するか、言い換えれば、次のラスター走査を行うか、すなわちもう一度観察を行うか(もう一度試料の情報取得を行うか)を判断する。
ステップS111の判断の結果、もう一度観察を行う場合は、ステップS102に戻る。
ステップS111の判断の結果、観察を終了する場合は、ステップS112において、観察を終了する。
本実施形態の情報取得方法は、探針101と試料103の間の力学的な相互作用の大きさが大小の2種類の試料の情報を、1走査ライン毎に、言い換えれば、1走査ラインの走査に相当する時間的等間隔で交互に取得する。これは、2種類の試料の情報をほぼ同時に取得するとみなせる。従って、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
具体例を以下に示す。試料103が、図6に示される細胞であるとする。そして図6の領域FをAFM観察するとする。
図7は、図6の細胞の領域Fを、相互作用を小さくして観察した例を示している。相互作用が小さい場合は、細胞の細胞膜表面情報を得ることができるため、細胞種によっては図7のように凹凸のほとんどない、滑らかな細胞表面形状が得られる。この情報は、試料情報表示器111の領域Aに表示される。
図8は、図6の細胞の領域Fを、相互作用を大きくして観察した例を示している。相互作用が大きい場合は、細胞の細胞内部(細胞小器官)の情報を得ることができる。図8は、例えば細胞骨格(アクチンフィラメント)が画像化されたものである。この情報は、試料情報表示器111の領域Bに表示される。
図9は、本実施形態の情報取得方法によって試料情報表示器に表示される観察画像の例を示しており、試料情報表示器111の領域Aと領域Bに、それぞれ、相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報の全ライン分の表示が完了した状態を示している。
このように、本実施形態の情報取得方法によれば、細胞の表面情報と内部情報をほぼ同時に取得でき、その結果、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
[第二実施形態]
第二実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法の説明に先立ち、ラスター走査の走査ラインの往路と復路について図10Aと図10Bと図11Aと図11Bを用いて説明する。
図10Aと図10Bは、試料に対するカンチレバーのラスター走査の動きを示しており、それぞれ、ラスター走査の1走査ラインの往路と復路を強調して示している。また、図11Aと図11Bは、ラスター走査を行うためのX走査信号とY走査信号を示しており、それぞれ、図10Aと図10Bに強調して示された往路と復路に対応するX走査信号の部分を強調して示している。
ラスター走査における走査の往路は、図10Aに示されるように+X方向であり、またそれに対応するX走査信号は、図11Aに示されるように右上がり部分となる。
またラスター走査における走査の復路は、図10Bに示されるように−X方向であり、またそれに対応するX走査信号は、図11Bに示されるように右下がり部分となる。
次に、第二実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法について図12と図13を用いて説明する。図12は、第二実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。また図13は、第二実施形態の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を示している。
第一実施形態と第二実施形態を比較すると、第一実施形態では、X方向の走査の一往復を単位として試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を交互に取得するのに対して、第二実施形態では、X方向の走査の一往復の半分すなわち往路または復路を単位として試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を交互に取得する取得する。
ステップS201において、観察(試料の情報取得)を開始する。ステップS201の詳細は、第一実施形態のステップS101と同様であり、その詳細は省略する。
ステップS202において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号を出力する。XYスキャナ108は、X走査信号とY走査信号を受けて、試料103のカンチレバー102に対するXY平面に沿ったラスター走査を開始する。
ステップS203において、コントローラ110は、今のラスター走査の走査ライン(X走査信号による走査ライン)が往路であるか復路であるかを判断する。ここでは、1走査ラインは、X方向に関する往路または復路の一方に対応していると想定されている。
ステップS203の判断の結果、今の走査ラインが往路である場合、コントローラ110は、ステップS204において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を調節して探針101と試料103の間の力学的な相互作用を調節し、第一の大きさを有する第一の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。例えば、コントローラ110は、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を大きくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を小さくし、第一の大きさを有する第一の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。
ステップS205において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第一の情報をマッピングするための1往路分の画像データ、すなわち1往路分の試料103の第一の情報を生成し、取得する。試料103の第一の情報は、探針101と試料103の間に小さい相互作用が生じているときの試料の情報であり、例えば、試料の表面の情報である。
ステップS206において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された1往路分の画像データ、すなわち1往路分の試料103の第一の情報を、図13に示される領域Aに1往路分表示する。走査ラインが往路である場合、すなわちX走査信号が図13に示される区間Aにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第一の情報を、図13に示される領域Aに表示する。
ステップS203の判断の結果、今の走査ラインが復路である場合、コントローラ110は、ステップS207において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を小さくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を大きくし、第二の大きさを有する第二の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。ここで、第二の相互作用の第二の大きさは、第一の相互作用の第一の大きさよりも大きい。
ステップS208において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第二の情報をマッピングするための1復路分の画像データ、すなわち1復路分の試料103の第二の情報を生成し、取得する。試料103の第二の情報は、探針101と試料103の間に大きい相互作用が生じているときの試料情報であり、例えば、試料の内部の情報である。
ステップS209において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された1復路分の画像データ、すなわち1復路分の試料103の第二の情報を、図13に示される領域Bに1復路分表示する。走査ラインが復路である場合、すなわちX走査信号が図13に示される区間Bにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第二の情報を、図13に示される領域Bに表示する。
ステップS206またはステップS209の後、ステップS210において、コントローラ110は、ラスター走査の1回分が終了したかどうかを判断する。ステップS210の判断の結果、ラスター走査の1回分が終了していない場合、ステップS203に戻り、ステップS203〜ステップS210をラスター走査が1回分終了するまで繰り返す。
ラスター走査の1回分が終了した時点で、図13に示される領域Aと領域Bに対する、相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報の全走査ライン分の表示が完了する。
コントローラ110は、ステップS211において、観察を終了するか、言い換えれば、もう一度観察を行うかを判断する。
ステップS211の判断の結果、もう一度観察を行う場合は、ステップS202に戻る。
ステップS211の判断の結果、観察を終了する場合は、ステップS212において、観察を終了する。
本実施形態の情報取得方法は、小さい相互作用が生じているときの試料103の第一の情報と大きい相互作用が生じているときの試料103の第二の情報を、それぞれ、ラスター走査の往路と復路において、言い換えれば時間的等間隔で交互に取得する。これは、2種類の試料の情報をほぼ同時に取得するとみなせる。従って、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
本実施形態においても、細胞の表面情報と内部情報をほぼ同時に取得でき、その結果、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
〔変形例〕
次に、第二実施形態の変形例による原子間力顕微鏡の情報取得方法について図14と図15を用いて説明する。図14は、第二実施形態の変形例による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。また図15は、第二実施形態の変形例の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を示している。図14において、図12と同一の参照符号で示されたステップは同様のステップを示しており、続く説明ではその詳細は省略する。
本変形例の情報取得方法では、ラスター走査の往路と復路において試料の情報を交互に取得する代わりに、ラスター走査の往路においてのみ試料の情報を交互に取得する。すなわち、ラスター走査の奇数番目の往路と偶数番目の往路において試料の情報を交互に取得する。
本変形例の情報取得方法は、図12に示されたフローチャートのステップS203が、図14に示されるように、ステップS203AとS203Bに置き換えられたものとなっている。
ステップS201において、観察(試料の情報取得)を開始する。
ステップS202において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号を出力する。XYスキャナ108は、X走査信号とY走査信号を受けて、試料103のカンチレバー102に対するXY平面に沿ったラスター走査を開始する。
ステップS203Aにおいて、コントローラ110は、今のラスター走査の走査ライン(X走査信号による走査ライン)が往路であるか復路であるかを判断する。ここでは、1走査ラインは、X方向に関する往路または復路の一方に対応していると想定されている。
ステップS203Aの判断の結果、今の走査ラインが復路である場合、再びステップS203Aに戻る。
ステップS203Aの判断の結果、今の走査ラインが往路である場合、ステップS203Bにおいて、コントローラ110は、今の往路が奇数番目であるか偶数番目であるかを判断する。
ステップS203Bの判断の結果、今の走査ラインが奇数番目である場合、コントローラ110は、ステップS204において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を大きくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を小さくし、第一の大きさを有する第一の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。
ステップS205において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第一の情報をマッピングするための1往路分の画像データ、すなわち1往路分の試料103の第一の情報を生成し、取得する。試料103の第一の情報は、探針101と試料103の間に小さい相互作用が生じているときの試料の情報であり、例えば、試料の表面の情報である。
ステップS206において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された1往路分の画像データ、すなわち1往路分の試料103の第一の情報を、図15に示される領域Aに1往路分表示する。走査ラインが奇数番目の往路である場合、すなわちX走査信号が図15に示される区間Aにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第一の情報を、図15に示される領域Aに表示する。
ステップS203Bの判断の結果、今の走査ラインが偶数番目の往路である場合、コントローラ110は、ステップS207において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を小さくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を大きくし、第二の大きさを有する第二の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。ここで、第二の相互作用の第二の大きさは、第一の相互作用の第一の大きさよりも大きい。
ステップS208において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第二の情報をマッピングするための1往路分の画像データ、すなわち1往路分の試料103の第二の情報を生成し、取得する。試料103の第二の情報は、探針101と試料103の間に大きい相互作用が生じているときの試料情報であり、例えば、試料の内部の情報である。
ステップS209において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された1往路分の画像データ、すなわち1往路分の試料103の第二の情報を、図15に示される領域Bに1往路分表示する。走査ラインが偶数番目の往路である場合、すなわちX走査信号が図15に示される区間Bにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第二の情報を、図15に示される領域Bに表示する。
ステップS206またはステップS209の後、ステップS210において、コントローラ110は、ラスター走査の1回分が終了したかどうかを判断する。ステップS210の判断の結果、ラスター走査の1回分が終了していない場合、ステップS203Aに戻り、ステップS203AとステップS203BとステップS204〜ステップS210をラスター走査が1回分終了するまで繰り返す。
ラスター走査の1回分が終了した時点で、図15に示される領域Aと領域Bに対する、相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報の全走査ライン分の表示が完了する。
コントローラ110は、ステップS211において、観察を終了するか、言い換えれば、もう一度観察を行うかを判断する。
ステップS211の判断の結果、もう一度観察を行う場合は、ステップS202に戻る。
ステップS211の判断の結果、観察を終了する場合は、ステップS212において、観察を終了する。
本実施形態の変形例の情報取得方法は、小さい相互作用が生じているときの試料103の第一の情報と大きい相互作用が生じているときの試料103の第二の情報をラスター走査の往路においてのみ交互に取得する。これは、2種類の試料の情報をほぼ同時に取得するとみなせる。従って、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
ここでは、ラスター走査の往路においてのみ試料の情報を交互に取得する例をあげたが、ラスター走査の復路においてのみ試料の情報を交互に取得するように変更しても同様の効果が得られる。
[第三実施形態]
第三実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法について図16と図17を用いて説明する。図16は、第三実施形態による原子間力顕微鏡の情報取得方法のフローチャートである。また図17は、第三実施形態の情報取得方法におけるX走査信号とY走査信号と試料情報表示器に表示される試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を示している。
本実施形態の情報取得方法は、観察領域に対して交互に少なくとも1回ずつラスター走査を行い、すなわち第一のラスター走査と第二のラスター走査を交互に行い、第一のラスター走査である1回目のラスター走査の最中に試料103の第一の情報を取得し、第二のラスター走査である2回目のラスター走査の最中に試料103の第二の情報を取得する手法である。
ステップS301において、観察(試料の情報取得)を開始する。ステップS301の詳細は、第一実施形態のステップS101と同様であり、その詳細は省略する。
ステップS302において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号を出力する。XYスキャナ108は、X走査信号とY走査信号を受けて、試料103のカンチレバー102に対するXY平面に沿ったラスター走査を開始する。
ステップS303において、コントローラ110は、今のラスター走査が1回目のラスター走査であるかどうかを判断する。
ステップS303の判断の結果、今のラスター走査が1回目のラスター走査である場合、コントローラ110は、ステップS304において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を大きくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を小さくし、第一の大きさを有する第一の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。
ステップS305において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第一の情報をマッピングするための画像データを生成し、取得する。試料103の第一の情報は、探針101と試料103の間に小さい相互作用が生じているときの試料の情報であり、例えば、試料の表面の情報である。ここで、第一のラスター走査は、ステップS304、ステップS305を含んでいる。
ステップS306において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得されたラスター走査1回分の画像データすなわち試料103の第一の情報を、図17に示される領域Aに表示する。Y走査信号が図17に示される区間Aにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第一の情報を、図17に示される領域Aに表示する。
ステップS303の判断の結果、今のラスター走査が1回目のラスター走査でない場合、コントローラ110は、ステップS307において、カンチレバー102と試料103のZ方向に沿った相対距離を小さくして探針101と試料103の間の力学的な相互作用を大きくし、第二の大きさを有する第二の相互作用を探針101と試料103の間に生じさせる。ここで、第二の相互作用の第二の大きさは、第一の相互作用の第一の大きさよりも大きい。
ステップS308において、コントローラ110は、X走査信号とY走査信号とZ走査信号に基づいて、試料103の第二の情報をマッピングするための画像データを生成し、取得する。試料103の第二の情報は、探針101と試料103の間に大きい相互作用が生じているときの試料情報であり、例えば、試料の内部の情報である。ここで、第二のラスター走査は、ステップS307、ステップS308を含んでいる。
ステップS309において、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得されたラスター走査1回分の画像データすなわち試料103の第二の情報を、図17に示される領域Bに表示する。X走査信号が図17に示される区間Bにあるときは、試料情報表示器111は、試料103の第二の情報を、図17に示される領域Bに表示する。
ステップS306またはステップS309の後、ステップS310において、コントローラ110は、2回目のラスター走査が終了したか判断する。
ステップS310の判断の結果、2回目のラスター走査が終了していない場合、ステップS302に戻り、2回目のラスター走査が終了するまで、ステップS302〜ステップS310を繰り返す。
2回目のラスター走査が終了した時点で、図17に示される領域Aと領域Bに対する、相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報の表示が完了する。
ステップS310の判断の結果、2回目のラスター走査が終了した場合、コントローラ110は、ステップS311において、観察を終了するか、言い換えれば、もう一度観察を行うかを判断する。
ステップS311の判断の結果、もう一度観察を行う場合は、ステップS302に戻る。
ステップS311の判断の結果、観察を終了する場合は、ステップS312において、観察を終了する。
本実施形態の情報取得方法は、第一のラスター走査と第二のラスター走査を、交互に少なくとも1回ずつ行う。それによって、小さい相互作用が生じているときの試料103の第一の情報と大きい相互作用が生じているときの試料103の第二の情報を、交互に、ラスター走査1回分に相当する時間的等間隔で、少なくとも1回ずつ取得し得る。これは、走査速度が十分に速い場合、2種類の試料の情報をほぼ同時に取得しているとみなせる。従って、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
そして本実施形態においても、細胞の表面情報と内部情報をほぼ同時に取得でき、その結果、それらの相互関係の情報を得ることが可能になる。
[第四実施形態]
本実施形態の情報取得方法について図18と図19を用いて説明する。図18は、第四実施形態の情報取得方法のフローチャートである。また図19は、第四実施形態の情報取得方法によって試料情報表示器に表示される観察画像の例を示している。
本実施形態の情報取得方法は、第一実施形態の情報取得方法に似ている。図4と図18を比較して分かるように、本実施形態の情報取得方法は、第一実施形態の情報取得方法の諸ステップに加えて、ステップS110とステップS111の間に、試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を演算して表示するステップS401を有している。ステップS401において、コントローラ110は、領域Aと領域Bにそれぞれ表示された相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報を演算して試料103の第三の情報を取得する。また、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された試料103の第三の情報を、図19に示される領域Cに表示する。試料103の第三の情報を取得する演算は、例えば合成すなわち加算であってよいが、これに限らず、減算や除算など、得たい情報によって使い分けられることが望ましい。
図19は、試料情報表示器111の領域Aの試料103の第一の情報と領域Bの試料103の第二の情報に加えて、試料103の第一の情報と第二の情報が合成された試料103の第三の情報が領域Cに表示された様子を示している。
このように、本実施形態においては、細胞の表面情報と内部情報をほぼ同時に取得でき、さらにそれらを合成することにより表面と内部の位置関係も明確にできる。これにより、表面と内部の相互関係の情報をより詳しく得ることが可能になる。
[第五実施形態]
第五実施形態の情報取得方法について図20を用いて説明する。図20は、第五実施形態の情報取得方法のフローチャートである。本実施形態の情報取得方法は、第二実施形態の情報取得方法に似ている。図12と図20を比較して分かるように、本実施形態の情報取得方法は、第二実施形態の情報取得方法の諸ステップに加えて、ステップS210とステップS211の間に、試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を演算して表示するステップS501を有している。ステップS501において、コントローラ110は、領域Aと領域Bにそれぞれ表示された相互作用が小さいときの試料103の第一の情報と相互作用が大きいときの試料103の第二の情報を演算して試料103の第三の情報を取得する。また、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された試料103の第三の情報を表示する。試料103の第三の情報を取得する演算は、例えば合成すなわち加算であってよいが、これに限らず、減算や除算など、得たい情報によって使い分けられることが望ましい。
このように、本実施形態においては、細胞の表面情報と内部情報をほぼ同時に取得でき、さらにそれらを合成することにより表面と内部の位置関係も明確にできる。これにより、表面と内部の相互関係の情報をより詳しく得ることが可能になる。
[第六実施形態]
第六実施形態の情報取得方法について図21を用いて説明する。図21は、第六実施形態の情報取得方法のフローチャートである。本実施形態の情報取得方法は、第三実施形態の情報取得方法に似ている。図16と図21を比較して分かるように、本実施形態の情報取得方法は、第三実施形態の情報取得方法の諸ステップに加えて、ステップS310とステップS311の間に、試料103の第一の情報と試料103の第二の情報を演算して表示するステップS601を有している。ステップS601において、コントローラ110は、Aの領域とBの領域にそれぞれ表示した相互作用が小さい試料103の第一の情報と相互作用が大きい試料103の第二の情報を演算して第三の試料情報を取得する。また、試料情報表示器111は、コントローラ110で取得された試料103の第三の情報を表示する。試料103の第三の情報を取得する演算は、例えば合成すなわち加算であってよいが、これに限らず、減算や除算など、得たい情報によって使い分けられることが望ましい。
このように、本実施形態においては、細胞の表面情報と内部情報をほぼ同時に取得でき、さらにそれらを合成することにより表面と内部の位置関係も明確にできる。これにより、表面と内部の相互関係の情報をより詳しく得ることが可能になる。

Claims (11)

  1. カンチレバーの自由端に設けられた探針を試料と接触させ、それらの間に力学的な相互作用を生じさせながら、XY平面に沿って前記カンチレバーと前記試料を相対的にラスター走査させて前記試料の情報を取得する原子間力顕微鏡の情報取得方法であって、
    前記探針と前記試料の間に第一の大きさを有する第一の相互作用を生じさせる第一の相互作用生成工程と、
    前記探針と前記試料の間に前記第一の相互作用が生じているときの前記試料の第一の情報を取得する第一の情報取得工程と、
    前記探針と前記試料の間に、前記第一の大きさと異なる第二の大きさを有する第二の相互作用を生じさせる第二の相互作用生成工程と、
    前記探針と前記試料の間に前記第二の相互作用が生じているときの前記試料の第二の情報を取得する第二の情報取得工程と、を有し、
    前記第一の相互作用生成工程および前記第一の情報取得工程と、前記第二の相互作用生成工程および前記第二の情報取得工程は同一走査領域において行われる、原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  2. 前記第一の相互作用生成工程および前記第一の情報取得工程と、前記第二の相互作用生成工程および前記第二の情報取得工程は、前記ラスター走査の走査ライン毎に交互に繰り返される、請求項1記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  3. 前記ラスター走査の走査ラインは、走査の往路と復路の少なくとも一方である、請求項2記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  4. 前記第一の相互作用生成工程と前記第一の情報取得工程とを含む第一のラスター走査工程と、
    前記第二の相互作用生成工程と前記第二の情報取得工程とを含む第二のラスター走査工程と、を備え、
    前記第一のラスター走査工程と前記第二のラスター走査工程は、交互に少なくとも1回ずつ行われる、請求項1記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  5. 前記試料の第一の情報と前記試料の第二の情報を、時間的等間隔で交互にそれぞれ更新表示する第一の情報表示工程と第二の情報表示工程を有している、請求項1〜4のいずれかひとつに記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  6. 前記第二の相互作用の前記第二の大きさは前記第一の相互作用の前記第一の大きさよりも大きく、
    前記試料は、細胞であり、
    前記試料の第一の情報は、前記細胞の表面の情報であり、
    前記試料の第二の情報は、前記細胞の内部の情報である、請求項1〜5のいずれかひとつに記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  7. 前記試料の第一の情報と前記試料の第二の情報を演算することにより前記試料の第三の情報を生成する情報生成工程をさらに有している、請求項1〜6のいずれかひとつに記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  8. 前記演算は合成演算である、請求項7に記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  9. 前記試料の第三の情報を表示する第三の情報表示工程をさらに有している、請求項7または8に記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかひとつに記載の原子間力顕微鏡の情報取得方法を原子間力顕微鏡に実行させるプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムがコントローラにインストールされた原子間力顕微鏡。
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