JPWO2016171178A1 - イソブチレン製造用触媒およびイソブチレンの製造方法 - Google Patents

イソブチレン製造用触媒およびイソブチレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

イソブタノールの脱水反応によって、高い転化率及び高い選択率でイソブチレンを製造できる脱水用触媒およびイソブチレンの製造方法を提供する。触媒は、N2吸脱着等温線から算出されるBET比表面積が、210m2/g以上、350m2/g以下の範囲内である。触媒は、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト及び固体リン酸から選ばれる少なくとも1つの触媒であることが好ましく、アルミナを含有することがより好ましく、アルミナであることが特に好ましい。イソブチレンを製造する方法において、原料ガス中のイソブタノール濃度は20体積%以上が好ましく、40体積%以上がより好ましく、60体積%以上が特に好ましい。また、触媒層の温度は、230℃以上370℃以下であることが好ましく、240℃以上360℃以下であることがより好ましい。

Description

本発明は、イソブタノールの脱水反応によってイソブチレンを製造する際に用いられる触媒に関する。また本発明は、該触媒を用いたイソブチレンの製造方法、特にバイオマス由来のイソブタノールからイソブチレンを製造する方法に関する。
イソブチレンは、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、パラキシレン、メタクリル酸メチル(MMA)等に変換される重要な化学品原料の一つである。これらのうち、例えばMMAは、透明樹脂として有用なポリメタクリル酸メチルの原料として非常に利用価値の高い物質である。このMMAの製造方法の1つに、イソブチレンを出発原料として合成する方法がある。
MMAの原料としてのイソブチレンは、ナフサ分解により得られるC4留分からブタジエンを分留した残渣であるスペントBBから、イソブチレンを酸触媒による水和反応によりターシャリーブタノールとして抽出し、これを脱水することで得られる。またスペントBB中のイソブチレンとメタノールから一旦メチルターシャリーブチルエーテルを合成し、その後これを分解する方法もある。このような従来のイソブチレンの製造方法は、石油を原料としている。したがって、近年の石油の枯渇問題が懸念される状況においては、石油に依存しない新規なイソブチレン製造方法の開発が望まれる。
また、石油を燃焼させた際に発生する二酸化炭素は、地球温暖化の原因とされている。そこで、再生可能な資源であるバイオマスからのエネルギー及び化学品製造技術として、バイオリファイナリー技術が世界的な注目を集めている。バイオリファイナリーとは、各種バイオマスのガス化、糖化及び抽出により、合成ガス、グルコース等の糖類及びリグニン等の芳香族化合物等を製造し、それらを多様に変換することでエネルギー及び化学品を製造しようとするものである。バイオリファイナリーにより製造される製品としては、エネルギーではエタノールやブタノール、ディーゼル油等が挙げられる。化学品においても、米国エネルギー省が提唱する糖由来のコハク酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、アスパラギン酸等の基幹化合物(プラットフォーム化合物)からの派生によれば、非常に多くの化学品が製造可能である。
そして、イソブタノールもグルコースを発酵することによって製造できることが知られており、バイオマス由来原料の一つとして挙げられる。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、及び非特許文献1では、イソブタノールを脱水することでイソブチレンを製造できることが記載されている。
国際公開第2011/085223号 日本国特開平4−247043号公報 日本国特表2013−506717号公報 日本国特表2013−516487号公報 日本国特表2013−522270号公報
Topics in Catalysis,53(2010)1224−1230
特許文献1、特許文献3、特許文献4および特許文献5では、γ−アルミナやゼオライトを、非特許文献1ではγ−アルミナを、特許文献2ではシリカを含有するγ−アルミナを各々脱水用触媒として使用し、イソブタノールを脱水することでイソブチレンを製造している。しなしながら、反応後のガス成分中のイソブチレン選択率は必ずしも十分ではない。
イソブチレンの製造コストを抑えるには、所望のイソブチレンを得るために必要なイソブタノールの処理量に対する触媒の使用量を低減させることや、より高い選択率で脱水反応を進行させることが必要である。また、環境負荷の低減を目的として原料を効率的に活用する為にも、同様により高い反応効率および選択率で脱水反応を進行させる必要がある。
本発明はこのような課題を解決すべくなされたものである。本発明の目的は、イソブタノールの脱水反応によるイソブチレンの製造方法において、高い転化率及び高い選択率でイソブチレンを製造できる脱水用触媒を提供することにある。また本発明の目的は、イソブタノールから高い転化率及び高い選択率でイソブチレンを製造する方法を提供することにある。
前記目的は、イソブタノールの脱水反応によってイソブチレンを製造するための脱水用触媒であって、N吸脱着等温線から算出されるBET比表面積が210m/g以上、350m/g以下の範囲内である脱水用触媒によって達成される。
また前記目的は、反応器内に充填された前記脱水用触媒を用いて、イソブタノールの脱水反応によりイソブチレンを製造するイソブチレンの製造方法によって達成される。
脱水用触媒は、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト及び固体リン酸から選ばれる少なくとも1つの触媒であることが好ましく、アルミナを含有することがより好ましく、アルミナであることが特に好ましい。また、イソブタノールの脱水反応によりイソブチレンを製造する際、前記脱水用触媒が充填された反応器内へ供給される反応ガス中のイソブタノール濃度は20体積%以上であることが好ましく、40体積%以上であることがより好ましく、60体積%以上であることがさらに好ましい。また、イソブタノールの脱水反応を行う反応器内の触媒層の温度は230℃以上、370℃以下が好ましく、240℃以上、360℃以下がより好ましい。
本発明によれば、イソブタノールの脱水反応によるイソブチレンの製造方法において、より高い転化率及び高い選択率でイソブチレンを製造できる。さらに本発明は、特にバイオマス由来のイソブタノールを出発原料として高い選択率でイソブチレンを製造できるので、環境保護の面からも有用である。
実施例1及び2、並びに比較例1〜5におけるBET比表面積とイソブチレンの選択率との関係を示すグラフである。 実施例3及び4、並びに比較例6〜10におけるBET比表面積とイソブチレンの選択率との関係を示すグラフである。 実施例4及び6〜9における原料ガス中のイソブタノール濃度とイソブチレンの選択率との関係を示すグラフである。 実施例10〜18における反応温度とイソブタノールの転化率及びイソブチレンの選択率との関係を示すグラフである。
本発明の脱水用触媒は、イソブタノールの脱水反応によってイソブチレンを製造する方法に用いられる。出発原料であるイソブタノールは特に限定されない。ただし環境保護の面などから、バイオマス由来のイソブタノールを用いることが好ましい。
バイオマス由来のイソブタノールとは、バイオマスの発酵性糖を用い、その発酵プロセスを経て得られた有機化合物から精製したもの、又は、バイオマスの触媒化学変換、熱化学変換の何れかを一つ以上含むプロセスにより得られるイソブタノールである。バイオマスは、資源作物に由来するものと、廃棄物に由来するものに大きく分けられる。資源作物に由来するバイオマスは、例えば、食用作物、木材、草花が挙げられる。一方、廃棄物に由来するバイオマスとしては、例えば、食品廃棄物、下水等の汚泥、家畜糞尿、廃紙などが挙げられる。
本発明の脱水用触媒は、酸触媒等の脱水用触媒であり、その具体例としては、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト及び固体リン酸が挙げられる。これらの触媒の二種以上を併用しても良い。特にイソブチレン選択率の観点から、アルミナを用いることが好ましい。
アルミナの結晶形態は特に限定されない。その具体例としては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、σ−アルミナ、アルミナ水和物等の種々のアルミナが挙げられる。これらのアルミナの二種以上を併用しても良い。二種以上のアルミナを併用する場合は、異なる結晶形態のアルミナを混合させても良く、混相の結晶状態をとっていても良く、特に限定されない。特にイソブタノールの転化率の観点から、γ−アルミナを含む触媒が好ましい。
アルミナは公知の方法で製造すれば良く、その製造方法は特に限定されない。例えば、熱分解法、沈殿法、沈着法、混練法又はこれら方法を併用する方法によって容易に製造できる。アルミナの原料としては、例えば硝酸塩、酢酸塩、アルコキシド、硫酸塩、塩化物、アルミン酸アルカリ、ミヨウバン等、加熱又は加水分解によりアルミナあるいはアルミナ水和物を生成する材料が挙げられる。加水分解反応に使用するアルカリとしては、例えば、苛性アルカリ、炭酸アルカリ、アンモニア水、炭酸アンモニウムが挙げられる。
以上のような方法で得たアルミナは、必要に応じて成形して使用しても良い。例えば気相固定床反応の場合は、反応器内の圧力損失やガスの拡散を考慮して成形体の形状を決定することが好ましい。さらに、気相流動床反応及び液相反応の何れにおいても、反応条件や物質移動を考慮して成形体の形状を決定することが好ましい。アルミナを成形する方法としては、例えば打錠成型機、押出成形機、転動造粒機等の粉体用成形機を用いて、球状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に成形する方法が挙げられる。得られた触媒をすり潰し、粉末として用いても良い。成形前にアルミナに必要に応じて添加物を混合しても良い。また、アルミナのBET比表面積は、アルミナ前駆体を焼成する温度を変更することによって調整可能である。したがって、これにより触媒のBET比表面積を調整することができる。アルミナ前駆体の焼成温度は400〜1200℃が好ましい。焼成温度を低くすることによってアルミナのBET比表面積は大きくなり、焼成温度を高くすることによってアルミナのBET比表面積は小さくなる。
一般なアルミナのBET比表面積は100〜350m/gと言われている。アルミナのBET比表面積と脱水用触媒としての性能の関係について、BET比表面積が175m/gよりも大きなアルミナは、直鎖ブテン類の生成を促進し、イソブチレン選択率を低下させると考えられてきた。しかしながら、本発明者らは、BET比表面積が210m/g以上、350m/g以下の範囲内であるアルミナは、直鎖ブテン類の生成を促進せず、高い収率でイソブチレンを与えることを見出し、本発明に至った。本発明において使用される脱水用触媒のN吸脱着等温線から算出されるBET比表面積は210m/g以上、350m/g以下の範囲内である。該BET比表面積の下限は215m/g以上が好ましく、220m/g以上がより好ましく、225m/gが更に好ましく、230m/g以上が特に好ましい。前記BET比表面積が210m/g未満である場合は、十分なイソブチレン選択率又はイソブタノール転化率が得られず、イソブチレンの生産性が低くなる。前記BET比表面積が350m/gを超えるアルミナは、均一な細孔を形成するために高価な構造規定剤等を必要とするため、工業的に使用する触媒として好ましくない。なお、前記BET比表面積は、トライスター3000(製品名、(株)島津製作所製)を用いて測定される値である。
本発明において脱水用触媒として使用されるアルミナはアルミナ以外の化合物を含んでいてもよい。しかしながら、当該脱水用触媒中のSiO含有量は1.0質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以下であることがより好ましく、0.50質量%以下であることがさらに好ましい。脱水用触媒がSiOを含む場合、十分なイソブチレン選択率を得られない場合がある。また、当該脱水用触媒中のNaO含有量は0.2質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが特に好ましい。脱水用触媒がNaOを含む場合、十分なイソブタノール転化率が得られない場合がある。
イソブタノールの脱水反応は、液相及び気相の何れで行っても良い。気相で反応を行う場合は、固定床、流動床に代表される気相反応の形式を利用できる。以下、気相で反応を行う場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
原料のイソブタノールは予め蒸発させて反応器内へ供給することが好ましい。原料を蒸発させるための蒸発器は、特に限定されない。例えばジャケット型、自然循環式水平管型、自然循環式浸管型、自然循環式垂直短管型、垂直長管上昇膜型、水平管下降膜型、強制循環式水平管型、強制循環式垂直管型、コイル型などの各種の蒸発器が使用できる。また、単に原料供給配管に加熱用コイルを巻き付け、原料供給配管内を移動する原料を、反応器内に入る前に原料供給配管内で蒸発させて気体状態で反応器内へ供給する方法も可能である。さらに、原料以外の成分を蒸発させて反応器内へ供給する場合も同様に、蒸発器は特に限定されない。気化させる温度は120〜400℃、圧力は大気圧〜絶対圧として1MPaであることが好ましい。
原料であるイソブタノールを反応器内に供給する場合、希釈ガスを使用して反応ガス中のイソブタノール濃度を調整できる。希釈ガスの種類は特に限定されない。例えば酸素は、爆発範囲外の濃度でかつ著しく副反応が促進されない濃度であれば希釈ガスとして使用可能である。また水素は、安全に操作し得る濃度範囲内において、著しく副反応が促進されない濃度であれば希釈ガスとして使用可能である。さらに、窒素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、アルゴン、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素及び水蒸気から成る群より選ばれる一種以上のガスを希釈ガスとして好適に使用できる。反応器内へ供給される原料ガス中のイソブタノール濃度としては、20体積%以上が好ましく、40体積%以上がより好ましく、60体積%以上がさらに好ましい。原料濃度が前述の範囲より低い場合、十分なイソブチレン選択率が得られない場合がある。
イソブタノールの脱水反応中の反応圧力については特に制限はないが、好ましくは大気圧〜絶対圧として1MPaがよい。反応圧力を測定する際、触媒層の反応圧力をモニタリングすることが望ましいが、プロセス上、触媒層中にセンサーの取り付けが困難な場合は、反応器入口に設置した圧力センサーで測定した圧力値を、反応圧力と見做してもよい。本発明において、「反応圧力」とは、反応器入口の圧力に対して、圧力損失の影響を無視できる位置に設置した圧力センサーの圧力値と定義される。
反応温度(反応中の触媒層における温度)は108〜418℃の範囲内で選ぶことが好ましい。本発明の効果を十分に得る観点から、反応温度の下限は230℃以上がより好ましく、240℃以上がさらに好ましい。一方、反応温度の上限は360℃以下がより好ましく、350℃以下がさらに好ましい。反応温度が適度に低ければ、異性化反応の反応速度が抑制され、目的生成物であるイソブチレンの選択率が向上する。一方、反応温度が適度に高ければ、触媒量を増量させる必要性や原料ガスの供給速度を低下させる必要性が少なくなり、コストや生産性の点からも有利である。イソブタノールの脱水反応は吸熱反応であり、その反応温度の制御方法には特に限定は無い。ここで「反応温度」とは、定常状態になった後に確認できる触媒層の最も低い温度と定義される。したがって、触媒層に温度分布がある場合は、測定点を増やしたり、触媒の充填高さ方向において連続的に温度を測定することが望ましい。
以上説明した本発明によれば、イソブタノールの脱水反応によって十分な転化率と選択率でイソブチレンを製造することができる。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
原料ガス及び生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。イソブタノールの転化率及び生成するイソブチレンの選択率は、各々以下のように定義される。
イソブタノールの転化率(%)=(b/a)×100
イソブチレンの選択率(%)=(c/d)×100
a=供給したイソブタノールのモル数
b=反応したイソブタノールのモル数
c=生成したイソブチレンのモル数
d=ガスクロマトグラフィーで検出された反応生成物(イソブチレン、イソブタン、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン)の合計のモル数。
また、イソブタノールの単位時間当たりの空間速度(WHSV)は、以下のように定義される。
イソブタノールのWHSV(1/時間)=e/f
e=イソブタノールの単位時間当たりの供給量(g/時間)
f=使用した触媒質量(g)。
吸脱着等温線から算出されるBET比表面積は、トライスター3000(製品名、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
[実施例1]
内径0.75cm、長さ40cmの縦型管状反応管内に脱水用触媒を充填し、触媒層を形成した。脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ−アルミナ相(γ相)を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:267m/g、以下、「触媒A」と称す。)0.1412gを用いた。反応器については、触媒層温度が所定温度になるように電気炉を用いて触媒層の温度を調節した。また、反応圧力が所定圧力となるように背圧弁を用いて反応圧力を調整した。そして原料イソブタノール(ナカライテスク(株)製、純度99.5質量%、比重0.803g/mL)を、ダブルプランジャーポンプを用いて0.069mL/分の流量に調節し、200℃に設定した蒸発器内に供給して蒸発させた。希釈ガスとしての窒素ガスはマスフローメータを用いて流量150mL(標準状態)/分として当該蒸発器内に供給し、蒸発したイソブタノールと共に反応器内に供給した。このとき、触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は10.0体積%であった。
触媒層温度及び反応圧力が、それぞれ、所定温度±0.5℃以内、及び、所定圧力±0.5kPa以内の変動で安定してから5分経過後に、反応評価を開始した。反応中の触媒層の最も低い温度(反応温度)は340℃であった。反応が定常状態に達した後、反応器出口側のガスを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてイソブチレン、イソブタン、1−ブテン、シス−2−ブテン及びトランス−2−ブテンの定量を行った。また反応器出口側から排出される反応ガスを、氷冷したアセトニトリルを用いてトラップし、ガスクロマトグラフィーを用いてイソブタノールの定量を行った。反応圧力を測定するための圧力計は蒸発器と反応器入口の間に設置した。尚、本実施例を含めて、実施例1〜18、比較例1〜11の条件下のあらゆる流量範囲において、蒸発器から反応器入口までの圧力損失は無視できる程度に小さいことを確認した。WHSVは23.5h−1、反応圧力は絶対圧力で108kPaであった。
[実施例2]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ−アルミナ相(γ相)を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:243m/g、以下、「触媒B」と称す。)0.1015gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。反応温度、反応圧力、WHSV、イソブタノールの転化率、イソブチレンの選択率及び収率を表1に示す。
[比較例1]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:200m/g、以下、「触媒C」と称す。)0.1317gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例2]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:195m/g、以下、「触媒D」と称す。)0.1313gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例3]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:162m/g、以下、「触媒E」と称す。)0.2824gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例4]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:105m/g、以下、「触媒F」と称す。)0.4836gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例5]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:3.0mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:69m/g、以下、「触媒G」と称す。)0.8830gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
以上の実施例1及び2並びに比較例1〜5は、原料ガス中のイソブタノール濃度が10.0体積%で反応温度が340℃の例であり、これらの例に基づく、脱水用触媒のBET比表面積とイソブチレンの選択率との関係を図1に示す。
[実施例3]
触媒Aの量を0.1921gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[実施例4]
触媒Bの量を0.1907gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例6]
触媒Cの量を0.2216gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例7]
触媒Dの量を0.2521gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例8]
触媒Eの量を0.2741gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.218mL/分及び13mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.7体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例9]
触媒Fの量を0.8207gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例10]
触媒Gの量を1.504gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.218mL/分及び13mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.7体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
以上の実施例3及び4並びに比較例6〜10は、原料ガス中のイソブタノール濃度が79.7〜79.9体積%で反応温度が340℃の例であり、これらの例に基づく、脱水用触媒のBET比表面積とイソブチレンの選択率との関係を図2に示す。
[実施例5]
内径1.6cm、長さ50cmの縦型管状反応管内に脱水用触媒を充填した。脱水用触媒としては、触媒Bを24.00g用いた。そしてイソブタノール(ナカライテスク(株)製、純度99.5質量%、比重0.803g/mL)を、ダブルプランジャーポンプを用いて0.536mL/分の流量に調節し、200℃に設定した蒸発器内に供給して蒸発させた。希釈ガスとしての窒素ガスは、マスフローメータを用いて流量55mL(標準状態)/分とし、当該蒸発器内に供給し、蒸発したイソブタノールと共に、反応器内に供給した。このとき触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は70.3体積%であった。反応条件及び測定結果を表3に示す。
[比較例11]
触媒Fを29.57g用いたこと以外は実施例5と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表3に示す。
[実施例6]
触媒Bを0.1015g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.092ml/分及び200ml(標準)/分としたこと以外は実施例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は10.0体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
[実施例7]
触媒Bを0.2508g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.270ml/分及び95ml(標準)/分としたこと以外は実施例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は40.0体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
[実施例8]
触媒Bを0.2508g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.270ml/分及び42ml(標準)/分としたこと以外は実施例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は60.2体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
[実施例9]
触媒Bを0.2508g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.270ml/分及び0ml(標準)/分としたこと以外は実施例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は100体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
以上の実施例4及び6〜9に基づく、原料ガス中のイソブタノール濃度とイソブチレンの選択率との関係を図3に示す。
[実施例10]
触媒Bの成形体(円柱形ペレット状(直径:3.0mm)を20.79g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.965mL/分及び101mL(標準状態)/分としたこと以外は実施例5と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は70.0体積%であった。反応条件及び測定結果を表5に示す。
[実施例11〜18]
触媒Bの成形体(円柱形ペレット状(直径:3.0mm)を2.904g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.487mL/分及び50mL(標準状態)/分としたこと以外は実施例5と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は70.2体積%であった。反応条件及び測定結果を表5に示す。実施例10〜18に基づく、反応温度とイソブタノールの転化率及びイソブチレンの選択率との関係を図4に示す。
Figure 2016171178
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表1〜3に示すように実施例1〜5においては、高い選択率または転化率でイソブチレンを製造できた。一方、比較例1〜11では選択率または転化率が実施例1〜5よりも劣っていた。また、表4に示すように実施例6〜9においては、どのイソブタノール濃度においても高い選択率にてイソブチレンを製造することができたが、実施例8および9では、実施例6および7と比較して、より高い選択率にてイソブチレンを製造できた。さらに、表5に示すように実施例10〜18においては、どの反応温度においても高い選択率または転化率にてイソブチレンを製造することができたが、実施例12〜16では、実施例10、11および18と比較して、より高い選択率または転化率にてイソブチレンを製造できた。
本発明により得られるイソブチレンは、例えばエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、パラキシレン、メタクリル酸メチル(MMA)等に変換される重要な化学品原料の一つである。これらの内、特にMMAは、透明樹脂として有用なポリメタクリル酸メチルの原料として非常に利用価値の高い物質である。
参考例1
内径0.75cm、長さ40cmの縦型管状反応管内に脱水用触媒を充填し、触媒層を形成した。脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ−アルミナ相(γ相)を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:267m/g、以下、「触媒A」と称す。)0.1412gを用いた。反応器については、触媒層温度が所定温度になるように電気炉を用いて触媒層の温度を調節した。また、反応圧力が所定圧力となるように背圧弁を用いて反応圧力を調整した。そして原料イソブタノール(ナカライテスク(株)製、純度99.5質量%、比重0.803g/mL)を、ダブルプランジャーポンプを用いて0.069mL/分の流量に調節し、200℃に設定した蒸発器内に供給して蒸発させた。希釈ガスとしての窒素ガスはマスフローメータを用いて流量150mL(標準状態)/分として当該蒸発器内に供給し、蒸発したイソブタノールと共に反応器内に供給した。このとき、触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は10.0体積%であった。
触媒層温度及び反応圧力が、それぞれ、所定温度±0.5℃以内、及び、所定圧力±0.5kPa以内の変動で安定してから5分経過後に、反応評価を開始した。反応中の触媒層の最も低い温度(反応温度)は340℃であった。反応が定常状態に達した後、反応器出口側のガスを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてイソブチレン、イソブタン、1−ブテン、シス−2−ブテン及びトランス−2−ブテンの定量を行った。また反応器出口側から排出される反応ガスを、氷冷したアセトニトリルを用いてトラップし、ガスクロマトグラフィーを用いてイソブタノールの定量を行った。反応圧力を測定するための圧力計は蒸発器と反応器入口の間に設置した。尚、本例を含めて、参考例1、2及び6、実施例3〜5及び7〜18、並びに比較例1〜11の条件下のあらゆる流量範囲において、蒸発器から反応器入口までの圧力損失は無視できる程度に小さいことを確認した。WHSVは23.5h−1、反応圧力は絶対圧力で108kPaであった。
参考例2
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ−アルミナ相(γ相)を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:243m/g、以下、「触媒B」と称す。)0.1015gを用いたこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。反応温度、反応圧力、WHSV、イソブタノールの転化率、イソブチレンの選択率及び収率を表1に示す。
[比較例1]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:200m/g、以下、「触媒C」と称す。)0.1317gを用いたこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例2]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:195m/g、以下、「触媒D」と称す。)0.1313gを用いたこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例3]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:162m/g、以下、「触媒E」と称す。)0.2824gを用いたこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例4]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:1.6mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:105m/g、以下、「触媒F」と称す。)0.4836gを用いたこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
[比較例5]
脱水用触媒として、円柱形ペレット状(直径:3.0mm)に成形されたアルミナの破砕体(γ相を結晶層の主成分とするアルミナ、粒子径:800〜1190μm、BET比表面積:69m/g、以下、「触媒G」と称す。)0.8830gを用いたこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。反応条件及び測定結果を表1に示す。
以上の参考例1及び2並びに比較例1〜5は、原料ガス中のイソブタノール濃度が10.0体積%で反応温度が340℃の例であり、これらの例に基づく、脱水用触媒のBET比表面積とイソブチレンの選択率との関係を図1に示す。
[実施例3]
触媒Aの量を0.1921gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[実施例4]
触媒Bの量を0.1907gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例6]
触媒Cの量を0.2216gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例7]
触媒Dの量を0.2521gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例8]
触媒Eの量を0.2741gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.218mL/分及び13mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.7体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例9]
触媒Fの量を0.8207gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.263mL/分及び16mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.9体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
[比較例10]
触媒Gの量を1.504gに変更し、かつイソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.218mL/分及び13mL(標準状態)/分に変更したこと以外は、参考例1と同様にして反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は79.7体積%であった。反応条件及び測定結果を表2に示す。
参考例6
触媒Bを0.1015g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.092ml/分及び200ml(標準)/分としたこと以外は参考例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は10.0体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
[実施例7]
触媒Bを0.2508g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.270ml/分及び95ml(標準)/分としたこと以外は参考例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は40.0体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
[実施例8]
触媒Bを0.2508g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.270ml/分及び42ml(標準)/分としたこと以外は参考例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は60.2体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
[実施例9]
触媒Bを0.2508g用い、イソブタノール及び窒素ガスの流量を各々0.270ml/分及び0ml(標準)/分としたこと以外は参考例1と同様に反応及び測定を行った。触媒層に供給した原料ガス中のイソブタノール濃度は100体積%であった。反応条件及び測定結果を表4に示す。
以上の実施例4及び7〜9並びに参考例6に基づく、原料ガス中のイソブタノール濃度とイソブチレンの選択率との関係を図3に示す。
Figure 2016171178
Figure 2016171178
表1〜3に示すように実施例3〜5においては、高い選択率または転化率でイソブチレンを製造できた。一方、比較例1〜11では選択率または転化率が実施例3〜5よりも劣っていた。また、表4に示すように実施例7〜9においては、どのイソブタノール濃度においても高い選択率にてイソブチレンを製造することができたが、実施例8および9では、実施例7と比較して、より高い選択率にてイソブチレンを製造できた。さらに、表5に示すように実施例10〜18においては、どの反応温度においても高い選択率または転化率にてイソブチレンを製造することができたが、実施例12〜16では、実施例10、11および18と比較して、より高い選択率または転化率にてイソブチレンを製造できた。

Claims (14)

  1. イソブタノールの脱水反応によってイソブチレンを製造するための脱水用触媒であって、N吸脱着等温線から算出されるBET比表面積が210m/g以上、350m/g以下の範囲内である脱水用触媒。
  2. 前記脱水用触媒が、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライト及び固体リン酸から選ばれる少なくとも1つの触媒である請求項1に記載の脱水用触媒。
  3. 前記脱水用触媒が、アルミナを含有する請求項1に記載の脱水用触媒。
  4. 前記脱水用触媒が、アルミナである請求項1に記載の脱水用触媒。
  5. 前記脱水用触媒の比表面積が215m/g以上、350m/g以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水用触媒。
  6. 前記脱水用触媒の比表面積が220m/g以上、350m/g以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水用触媒。
  7. 前記脱水用触媒の比表面積が225m/g以上、350m/g以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水用触媒。
  8. 前記脱水用触媒の比表面積が230m/g以上、350m/g以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱水用触媒。
  9. 反応器内に充填された請求項1〜8のいずれか一項に記載の脱水用触媒を用いて、イソブタノールの脱水反応によりイソブチレンを製造するイソブチレンの製造方法。
  10. 前記反応器内へ供給される反応ガス中のイソブタノール濃度が20体積%以上である請求項9に記載のイソブチレンの製造方法。
  11. 前記反応器内へ供給される反応ガス中のイソブタノール濃度が40体積%以上である請求項9に記載のイソブチレンの製造方法。
  12. 前記反応器内へ供給される反応ガス中のイソブタノール濃度が60体積%以上である請求項9に記載のイソブチレンの製造方法。
  13. 前記反応器内の触媒層の温度が230℃以上、360℃以下である請求項9〜12のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。
  14. 前記反応器内の触媒層の温度が240℃以上、350℃以下である請求項9〜12のいずれか一項に記載のイソブチレンの製造方法。


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