JP6084126B2 - 高発熱量燃料ガスの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る高発熱量燃料ガスの製造方法の特徴構成は、パラジウムとヘテロポリ酸とを無機酸化物担体に担持してなる触媒を用い、エタノールおよび水素をメタンの共存下に前記触媒上で接触反応させてエタンに変換することにより、エタンを含有する高発熱量燃料ガスを得ることにある。ここで、高発熱量とは、先に説明した45MJ/Nm3以上を意味している。
従来、エタノールを酸触媒に接触させて、脱水反応によりエチレンを生成する方法(式(1))は知られている。また、不飽和炭化水素を水素の存在下に、パラジウムやニッケルを含む触媒に接触させて、水素化反応により飽和炭化水素に変換する方法(式(2))も知られている。
(2) C2H4+H2 → C2H6 :ΔH0=−136.2 kJ/mol
(3)C2H5OH+H2→ C2H6+H2O :ΔH0=−91.0 kJ/mol
触媒層が高温になると、触媒の熱的な劣化に加えて、炭素析出による劣化も懸念される。これは、触媒に接触するガスには、エタノール、水素、エタンに加えて、反応中間体であるエチレンが含まれており、エチレンやエタンを高濃度に含むガスを高温でパラジウム触媒に接触させると、脱水素や重合反応で触媒上に炭素質が析出するためである。
モル比を0.5より低くすると、メタン添加に伴って得ることができる耐久性向上の効果が得にくくなる。一方、モル比を1より大きくすると、得られる燃料ガスの発熱量(単位体積あたりの発熱量)が低下する場合があり、余りに希釈した条件での反応には(GHSV(ガス時間当たり空間速度)を同一にすると)多量の触媒が必要となるため不利である。
ケイタングステン酸(ヘテロポリ酸)および硝酸パラジウムを溶解した水溶液に、シリカ粉末(無機酸化物担体)を浸漬して含浸させた後(蒸発乾固)、空気中で焼成し、触媒を得る。この触媒は、例えば、打錠成型、破砕した後、反応管に充填して用いられる。
前記触媒を反応管に充填し、エタノール、水素、メタンの混合ガスを流通させると、メタン、エタン、エチレン等の可燃性ガス成分と一酸化炭素、二酸化炭素を含むガスが得られた。
ケイタングステン酸(SiO2・12WO3・26H2O、キシダ化学社製)2.400gを硝酸パラジウム水溶液(田中貴金属工業社製、パラジウムとして8.26質量%含有)2.906gを純水20gで希釈した溶液に溶解し、これに市販の高表面積SiO2(富士シリシア化学社製G−6)9.36gを浸漬した。ホットプレート上で蒸発乾固し、空気中350℃で4時間焼成して、パラジウムを2質量%担持したケイタングステン酸/シリカ触媒を得た。
反応ガスの組成をエタノール:水素:水蒸気:メタン=1:1.1:0.5:0.5(モル基準)としたほかは、比較例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。
反応開始直後(約2時間)のエタノール転化率は100%、エタン収率は97.7%、エチレン収率は2.3%であった。また触媒層内のピーク温度は301℃(触媒層上部)であった。反応開始43時間後では、エタノール転化率99.9%、エタン収率90.1%、エチレン収率は8.1%と、比較例1よりもエタン収率が高く維持されていた。また、触媒層内のピーク温度は270℃(触媒層下部)であった。
反応ガスの組成をエタノール:水素:水蒸気:メタン=1:1.1:0.2:0.8(モル基準)としたほかは、比較例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。
エタノール転化率は反応開始直後から43時間まで100%を維持した。また、反応開始直後(約2時間)のエタン収率は94.2%、エチレン収率は2.7%であった。また触媒層内のピーク温度は293℃(触媒層上部)であった。反応開始43時間後でも、エタン収率は95.8%、エチレン収率は4.2%と、エタン収率は高く維持されていた。また、触媒層内のピーク温度は281℃(触媒層中心部)であった。
反応ガスの組成をエタノール:水素:メタン=1:1.1:1(モル基準)としたほかは、比較例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。本実施例では、反応ガスに水蒸気を添加していないが、エタノール中に微量(0.4質量%)含まれる水分に由来する水蒸気は含まれている。
エタノール転化率は反応開始直後から43時間まで100%を維持した。また、反応開始直後(約2時間)のエタン収率は92.0%、エチレン収率は3.1%であった。また触媒層内のピーク温度は318℃(触媒層上部)であった。反応開始43時間後でも、エタン収率は92.7%、エチレン収率は4.1%であって、エタン収率は高く維持されていた。また、触媒層内のピーク温度は287℃(触媒層中心部)であった。
反応ガスの組成をエタノール:水素:水蒸気:エタン=1:1.1:0.5:0.5(モル基準)としたほかは、比較例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。なお、この実験におけるエタン収率(%)は、反応ガス中に添加したエタンを差し引いて、100×{(30分間に反応管出口で定量されたエタンのモル数)−(30分間に反応管に流入したエタンのモル数)}/(30分間に反応管に流入したエタノールのモル数)により計算した。
エタノール転化率は反応開始直後から43時間まで100%を維持した。反応開始直後のエタン収率は94.7%、エチレン収率は2.4%であった。反応開始43時間後では、エタン収率93.3%、エチレン収率は3.4%であった。
反応ガスの組成をエタノール:水素:水蒸気:エタン=1:1.1:0.2:0.8(モル基準)としたほかは、参考例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。
反応開始直後のエタン収率は93.0%、エチレン収率は2.7%であったが、反応開始43時間後では、エタン収率80.6%、エチレン収率は12.9%となり、経時的にエタン収率が大きく低下し、エチレン収率が上昇した。
反応ガスの組成をエタノール:水素:エタン=1:1.1:1(モル基準)としたほかは、参考例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。
反応開始直後のエタン収率は90.2%、エチレン収率は3.5%であったが、反応開始43時間後では、エタン収率79.7%、エチレン収率は12.1%となり、経時的にエタン収率が大きく低下し、エチレン収率が上昇した。また、反応開始43時間後にはエタノール転化率も99.8%に低下した。
反応ガスの圧力を0.2MPa(ゲージ圧)としたほかは実施例3と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。エタノール転化率は反応開始直後から43時間まで100%を維持した。エタン収率は反応開始直後で93.2%、20時間後で94.3%、43時間後で91.8%と安定していた。
反応ガスの圧力を0.8MPa(ゲージ圧)としたほかは実施例3と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。エタン収率は反応開始直後で93.4%、20時間後で94.7%、43時間後で90.1%となった。
反応ガスの組成をエタノール:水素:水蒸気=1:1.2:1(モル基準)とし、単位触媒量あたりのエタノール供給量を一定にするためGHSVを4,267h-1としたほかは、比較例1と同様にして、エタノールと水素をエタンに変換する反応を行った。
エタン収率は比較例1よりも高く推移し、エチレン収率は比較例1よりも低く推移した。これは、水素/エタノール比が高いことにより、エチレンの水素化反応が有利に進行したためと考えられる。しかし、この反応ガス組成では、生成したガス中には約20体積%の水素が含まれるため、単位体積あたりの発熱量が低下することが問題となる。
表1には、原料ガス組成、GHSV,触媒反応の圧力(ゲージ圧)、反応時間(2h、20h、43h)、転化率及び収率を、各例について示した。
Claims (3)
- メタンの共存下に、エタノールおよび水素をパラジウムとヘテロポリ酸とを無機酸化物担体に担持してなる触媒の存在下に接触反応させて、エタンを含有する燃料ガスに変換する高発熱量燃料ガスの製造方法。
- 触媒に供給される原料ガス中のメタン/エタノールのモル比が0.5〜1である請求項1に記載の高発熱量燃料ガスの製造方法。
- 触媒に供給される原料ガスがさらに水蒸気を含み、その水蒸気/エタノールのモル比が0.2〜0.5である請求項1または2に記載の高発熱量燃料ガスの製造方法。
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