JPWO2016171165A1 - カスパーゼ1活性化阻害剤 - Google Patents

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Abstract

式(I)又は(II)(R1及びR2又はR11及びR12はいずれか一方が水酸基、他方は水素原子又はフッ素原子;R3、R4、R13は水素原子又はフッ素原子;----は単結合又は二重結合;R5、R6、R15、R16は水素原子、アルキル基、又はフッ素原子;R7、R17は-CH2-OR8又は-CH2-OR18など;R8、R18は水素原子など、又はR6、R16と結合して単結合を示す)で表される化合物を有効成分として含むカスパーゼ1活性化に起因する慢性炎症や自己炎症性疾患などの疾患の予防・治療のための医薬。

Description

本発明は、慢性炎症や自己炎症性疾患などの予防及び/又は治療のための医薬に関する。
より具体的には、本発明は、自然免疫機構による生体の炎症応答に重要な役割を有するインフラマソームなどの複合体の形成や活性を阻害することによりカスパーゼ1の活性化を阻害する作用を有し、慢性炎症や自己炎症性疾患などの予防及び/又は治療のために有用な医薬に関するものである。
マクロファージは細胞内への病原体の侵入を感知するとインフラマソームと呼ばれるタンパク複合体を形成し、カスパーゼ1を活性化する(Molecular Cell, 10, pp.417-426, 2002; 実験医学, 30, pp.560-570, 2012)。カスパーゼ1は炎症性サイトカインであるIL-1βやIL-18の活性化及び細胞からの放出に関与しており、分泌された炎症性サイトカインは炎症・免疫応答を誘導するとともに、マクロファージはパイロトーシスと呼ばれるカスパーゼ1依存性の細胞死を惹起する。
インフラマソームは細胞質受容体であるNLR(Nod-like receptor、Nod様受容体: NLRP1(Nalp1)、NLRP3(Nalp3)、及びNLRC4(Ipaf)が含まれる)、細胞質受容体AIM2、アダプターとして作用するASC(Apoptosis-associated speck-like protein containing a caspase recruitment domain, アポトーシス関連スペック様カード蛋白質)、並びにカスパーゼ前駆体(-1, -5)から構成され、IL-1β及びIL-18の前駆体を切断して活性化する。これらの構成分子は別々に存在しているが、感染などの異常刺激により集合してインフラマソームを形成する(第40回 日本免疫学会、平成23年11月27日、宮坂昌之、レビュートークR4「炎症の慢性化とその分子機構」)。また、インフラマソームは7量体を形成してカスパーゼ1を活性化するものと考えられている。
インフラマソームの形成は病原微生物の感染などにより誘導され、それに基づく炎症反応は多くの場合に感染防御に有効である。また、インフラマソームは腸内細菌叢の制御及び腸管上皮バリアの保護に働き、腸管の恒常性維持にも寄与すると考えられている。一方、インフラマソームは負の側面も有しており、刺激因子の種類によっては過剰なインフラマソーム形成が持続した炎症を惹起し、その炎症によって動脈硬化、痛風、II型糖尿病、及びアルツハイマーなどの各種疾患の発症に関わるものと考えられている。また、ある種の自己炎症性疾患の発症はインフラマソーム構成タンパクの突然変異が関与するとの示唆もある(京都大学ホームページ、「炎症応答を制御する新たな仕組みを解明」、 http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/131104_1.htm)。
インフラマソーム形成を阻害することによりインフラマソームの経路を阻害することができることが期待されることから、インフラマソーム形成を阻害することができる物質は、これらの疾患の予防及び/又は治療を可能にする医薬の有効成分として有望視されている。
最近になって、1,5-D-アンヒドロフルクトース(1,5-AF)がインフラマソームの構成分子であるASCに対する阻害作用を有し、ASCとNLRとの複合体の形成、好ましくはインフラマソーム形成を阻害する作用を有しており、がん、免疫抑制性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染症、神経変性疾患、内分泌疾患、炎症性疾患、臓器移植障害、及び放射線障害などASCが関与する疾患に対して予防又は治療薬として使用できること、及びこの物質をインフラマソーム活性化、特にカスパーゼ1活性化に起因する自己炎症性疾患の予防又は治療に使用できることが報告された(国際公開WO2015/016178)。なお、特表2003-519660号公報には1,5-AFに類似する環状エーテル化合物が耐糖能障害に対して有効であることが開示されているが、カスパーゼ1活性化に対する阻害作用やインフラマソーム経路の阻害作用については示唆ないし教示がない。
Molecular Cell, 10, pp.417-426, 2002 実験医学, 30, pp.560-570, 2012 第40回 日本免疫学会、平成23年11月27日、宮坂昌之、レビュートークR4「炎症の慢性化とその分子機構」 京都大学ホームページ、「炎症応答を制御する新たな仕組みを解明」、 http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/131104_1.htm
国際公開WO2015/016178 特表2003-519660号公報
本発明の課題は、慢性炎症や自己炎症性疾患などの予防及び/又は治療のための医薬を提供することにある。
より具体的には、本発明は、インフラマソームなどの複合体の形成やインフラマソーム経路を阻害することによりカスパーゼ1の活性化を阻害する作用を有し、慢性炎症や自己炎症性疾患などの予防及び/又は治療のために有用な医薬を提供することにある。
本発明者らは、国際公開WO2015/016178に開示された1,5-AFについてマクロファージのLPS-nigericin刺激、LPS-ATP刺激、及びLPS-MSU刺激時のIL-1β分泌に対して1,5-AFの阻害活性の有効濃度(ED50)を測定したところ、それぞれ30 mM、14 mM、及び13 mMであり、医薬の有効成分としての有効性が不十分であることを認識し、上記の課題を解決すべく、より阻害作用の強い物質の探索を行った。その結果、1,5-AFの3-デオキシ体(3-デオキシ-1,5-AF)が10倍以上の強いカスパーゼI活性化の阻害作用を有していること、さらに3-デオキシ-1,5-AFから3,4-位の脱水により得られるエノン体が極めて強いカスパーゼI活性化の阻害作用を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明により、カスパーゼ1活性化に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬であって、下記の一般式(I)又は(II):
(式(I)中、R1及びR2のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R7は-CH2-OR8、-CHF-OR8、-CF2-OR8、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R8は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示し、式(II)中、R11及びR12のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R13は水素原子又はフッ素原子を示し;R14はアシル基を示し;R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R17は-CH2-OR18、-CHF-OR18、-CF2-OR18、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R18は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR18はR16と結合して-R18-R16-となって単結合を示す)で表される化合物を有効成分として含む医薬。
本発明の好ましい態様によれば、上記一般式(I)において、R1及びR2のいずれか一方が水酸基又はアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R3及びR4がそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す上記の医薬が提供される。
さらに好ましい態様によれば、上記一般式(I)において、R2が水素原子又はフッ素原子であり;R3が水素原子又はフッ素原子であり;式中の----が二重結合を示し;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す上記の医薬が提供される。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、上記一般式(II)において、R11及びR12のいずれか一方が水酸基又はアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R13が水素原子又はフッ素原子であり;R14がアシル基であり;R15及びR16がそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子であり;R17が-CH2-OR18であり、R18が水素原子、アルキル基、又はアシル基である上記の医薬が提供される。
さらに好ましい態様によれば、上記一般式(II)において、R11及びR12のいずれか一方がアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R13が水素原子であり;R14がアシル基であり;R15及びR16が水素原子であり;R17が-CH2-OR18であり、R18が水素原子、アルキル基、又はアシル基である上記の医薬が提供される。
別の観点からは、本発明により、上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を有効成分として含むカスパーゼ1活性化阻害剤;上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を有効成分として含むインフラマソーム形成阻害剤;上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物を有効成分として含むインフラマソーム経路阻害剤が提供される。
さらに別の観点からは、本発明により、上記一般式(I)又は(II)で表される化合物の上記医薬又は上記阻害剤の製造のための使用;カスパーゼ1活性化に起因する疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記一般式(I)又は(II)で表される化合物の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;ヒトを含む哺乳類動物の生体内においてインフラマソームの形成を阻害する方法であって、上記一般式(I)又は(II)で表される化合物の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
また、本発明により、上記の一般式(I)又は(II)(式(I)中、R1及びR2のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R7は-CH2-OR8、-CHF-OR8、-CF2-OR8、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R8は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示し、式(II)中、R11及びR12のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R13は水素原子又はフッ素原子を示し;R14はアシル基を示し;R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R17は-CH2-OR18、-CHF-OR18、-CF2-OR18、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R18は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR18はR16と結合して-R18-R16-となって単結合を示すが、ただし、式(I)においてR2が水素原子であり、R3が水素原子であり、式中の----が二重結合であり、R5が水素原子であり、R7が-CH2-OR8であり、R8がR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合を除く)で表される化合物が提供される。
本発明の医薬は、国際公開WO2015/016178に開示された1,5-AFよりも低濃度でインフラマソームなどの複合体の形成やインフラマソーム経路を阻害することにより、カスパーゼ1の活性化を阻害し、例えば慢性炎症や自己炎症性疾患などを有効に予防及び/又は治療することができる。
また、本発明により提供される新規化合物は、上記の医薬の有効成分などに有用である。
LPS-Nigericin刺激時のIL-1β分泌に及ぼす3deの影響を示した図である。 LPS-Nigericin刺激時のIL-1β分泌に及ぼすenone体の影響を示した図である。 LPS-ATP刺激時のIL-1β分泌に及ぼす3deの影響を示した図である。 LPS-ATP刺激時のIL-1β分泌に及ぼすenone体の影響を示した図である。 LPS-dsDNA刺激時のIL-1β分泌に及ぼす3deの影響を示した図である。 LPS-dsDNA刺激時のIL-1β分泌に及ぼすenone体の影響を示した図である。 LPS-Nigericin刺激時のカスパーゼ1及びIL-1β活性化に及ぼす3deの影響を示した図である。 LPS-ATP刺激時のカスパーゼ1及びIL-1β活性化に及ぼす3deの影響を示した図である。
一般式(I)において、R1及びR2のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示す。好ましくはR1及びR2のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子を示す。さらに好ましくは、R1及びR2のいずれか一方は水酸基を示し、他方は水素原子を示す。アシルオキシ基を構成するアシル基としては、置換されていてもよいアルキルカルボニル基や置換されていてもよいアリールカルボニル基などを用いることができる。より具体的には、例えばアセチル基、トリフルオロアセチル基などのアルキルカルボニル基、又はベンゾイル基(ベンゼン環はフッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子、メトキシ基などのアルコキシ基、アルキル基やアシル基で置換されていてもよいアミノ基、又はメチル基などのアルキル基などから選ばれる1以上の基で置換されていてもよい)などを用いることができる。
R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示す。R3及びR4のいずれか一方が水素原子であり、他方がフッ素原子である場合、又はR3及びR4がともに水素原子であることが好ましい。
式中の----は単結合又は二重結合を示すが、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず、R2及びR3のみが存在することを意味する。----が二重結合を示す場合には、R2が水素原子であり、R3がフッ素原子であるか、R2及びR3がともに水素原子であることが好ましい。
R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示すが、R5及びR6がともに水素原子であることが好ましい。本明細書において、アルキル基としては例えばC1-6アルキル基を用いることができ、好ましくはC1-4アルキル基を用いることができる。アルキル基は直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせのいずれであってもよい。アルキル部分を有する他の置換基(例えばアルキルカルボニル基)のアルキル部分についても同様である。
R7は-CH2-OR8、-CHF-OR8、-CF2-OR8、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示すが、R7が-CH2-OR8であることが好ましい。R8は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す。アシル基としては、置換されていてもよいアルキルカルボニル基や置換されていてもよいアリールカルボニル基などを用いることができる。より具体的には、例えばアセチル基、トリフルオロアセチル基などのアルキルカルボニル基、又はベンゾイル基(ベンゼン環はフッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子、メトキシ基などのアルコキシ基、アルキル基やアシル基で置換されていてもよいアミノ基、又はメチル基などのアルキル基などから選ばれる1以上の基で置換されていてもよい)などを用いることができる。好ましくは、R8は水素原子又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合である。
好ましい組み合わせとしては、
(a)R1及びR2のいずれか一方が水酸基又はアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R3及びR4がそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合;及び
(b)R2が水素原子又はフッ素原子であり;R3が水素原子又はフッ素原子であり;式中の----が二重結合を示し;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合を挙げることができる。
さらに好ましい組み合わせとしては、
(c)R2が水素原子であり;R3が水素原子又はフッ素原子であり;式中の----が二重結合を示し;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合;及び
(d)R2が水素原子であり;R3が水素原子又はフッ素原子であり;式中の----が二重結合を示し;R5が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8がR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合
を挙げることができる。
もっとも、好ましい組み合わせはこれらに限定されることはない。
一般式(II)において、R11及びR12は上記のR1及びR2と同様である。R14はアシル基を示すが、アシル基としてはR1及びR2の説明においてアシルオキシ基を構成するアシル基として説明したものを用いることができる。R17及びR18もR7及びR8と同様である。
好ましい組み合わせとしては、
(d)R11及びR12のいずれか一方が水酸基又はアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R13が水素原子又はフッ素原子であり;R14がアシル基であり;R15及びR16がそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子であり;R17が-CH2-OR18であり、R18が水素原子、アルキル基、又はアシル基である場合を上げることができ、さらに好ましい組み合わせとしては、
(e)R11及びR12のいずれか一方がアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R13が水素原子であり;R14がアシル基であり;R15及びR16が水素原子であり;R17が-CH2-OR18であり、R18が水素原子、アルキル基、又はアシル基である場合
を挙げることができる。
もっとも、好ましい組み合わせはこれらに限定されることはない。
上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物のうち、一般式(I)においてR2が水素原子であり、R3が水素原子であり、式中の----が二重結合であり、R5が水素原子であり、R7が-CH2-OR8であり、R8がR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す化合物(levoglucosenone)を除く化合物は新規化合物である。これらの新規化合物については、例えば本明細書の実施例に具体的に示した方法により合成することができる。また、levoglucosenoneについては、公知の方法により合成するか、又は市販品を入手することができる。
上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物は、国際公開WO2015/016178に開示された1,5-D-アンヒドロフルクトース(1,5-AF)と同様にインフラマソーム形成を阻害する作用を有している。従って、本発明の医薬は、この阻害作用に基づいて、がん、免疫抑制性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染症、神経変性疾患、内分泌疾患、炎症性疾患、臓器移植障害、及び放射線障害などカスパーゼI活性化が関与する疾患に対して予防及び/又は治療のための医薬として使用することができる。また、本発明の医薬はインフラマソーム活性化、特にカスパーゼ1活性化に起因する疾患、例えば自己炎症性疾患などの予防及び/又は治療のための医薬として使用することもできる。例えば、本発明の医薬は、全身性炎症性反応症候群SIRS、慢性関節リウマチ、アルツハイマー病、クライオピリン関連周期熱症候群、家族性地中海熱、PAPA症候群、Majeed症候群、高IgD症候群、反復性胞状奇胎、DIRA、炭素菌感染症、急性呼吸促拍症候群、炎症性細胞死、又は石綿肺などの予防及び/又は治療に有効である。
上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物がカスパーゼ1の活性化を阻害できることは、本願明細書の実施例に具体的に開示された試験方法や国際公開WO2015/016178に開示された方法により、当業者が容易に確認することができる。また、インフラマソームと炎症との関連、炎症におけるカスパーゼ1の関与、及びASCの作用、並びにACSが関与する疾患、及びインフラマソーム活性化、特にカスパーゼ1活性化に起因する疾患については、国際公開WO2015/016178に詳しい説明があるので、本発明の理解のために国際公開WO2015/016178の開示を参照すべきである。国際公開WO2015/016178の開示の全てを参照により本明細書の開示に含める。
一般式(I)又は(II)で表される化合物は一個以上の不斉中心を有する場合があり、このような不斉中心に基づく光学対掌体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合がある。純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、又はラセミ体などを本発明の医薬の有効成分として用いてもよい。環状構造に起因する二以上の立体異性体についても、純粋な形態の任意の立体異性体又は立体異性体の任意の混合物を本発明の医薬の有効成分として用いることができる。
本発明の医薬の有効成分としては、上記の一般式(I)又は(II)で表される化合物の水和物や溶媒和物を用いてもよい。また、上記一般式(I)又は(II)で表される化合物のプロドラッグを本発明の医薬の有効成分として使用することもできる。プロドラッグとしては、生体内で化学的又は生化学的に加水分解されて上記一般式(I)又は(II)で表される化合物を再生するものを利用することができ、その構造は特に限定されない。
一般式(I)又は(II)で表される化合物はそのままヒトを含む哺乳類動物に投与してもよいが、好ましくは、当業者に周知の方法によって製造可能な経口用あるいは非経口用の医薬組成物として投与することができる。経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、座剤、吸入剤、軟膏剤、クリーム剤、貼付剤、経皮吸収剤、又は経粘膜吸収剤等を挙げることができる。
これらの医薬組成物の製造には、当業者に利用可能な1種又は2種以上の製剤用添加物を用いることができる。製剤用添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができるが、これらは医薬組成物の形態に応じて当業者が適宜選択することができ、2種以上を組み合わせて用いてもよい。医薬の投与量は特に限定されず、患者の体重や年齢、予防や治療の目的及び疾患の種類や症状、投与経路など通常考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1:3-デオキシ-1,5-アンヒドロフルクトース及び6-(ヒドロキシメチル)-2H-ピラン-3-オンの合成
(1)工程1
アルゴン雰囲気中、テトラヒドロフラン(50mL)に化合物1(2.46g, 9.45mmol)と1,1'-チオカルボニルジイミダゾール(3.37g, 18.9mmol)を加え、加熱還流下で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製し、化合物2(3.60, quant.)を得た。
(2)工程2
化合物2(3.50g, 9.45mmol)とトリス(トリメチルシリル)シラン(5.83mL, 18.9mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(307mg, 1.89mmol)をトルエン(50mL)に溶解させ、溶液を脱気後、アルゴン雰囲気中で100℃で2時間攪拌した。反応溶液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィーにチャージし、精製(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=4:1)を行い、化合物3の粗生成物(2.79g)を得た。
(3)工程3
工程2で得られた化合物3の粗生成物(2.79g)に0.1M硫酸水溶液(100mL)を加え、60℃で一晩攪拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウム(1.85g)で中和後、溶媒を減圧留去した。得られた残査にピリジン(40mL)と無水酢酸(20mL)を加え室温で一晩攪拌した。メタノールを加えて反応を停止させた後、溶媒を減圧留去し、得られた残査を酢酸エチルに溶解させ、酢酸エチル相を水、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=3:1)で精製し、化合物4(2.96g,94%(3工程))を得た。
(4)工程4
化合物4(1.52g, 4.57mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解させ、25%臭化水素酢酸溶液(9mL)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、有機相を氷水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、化合物5の粗生成物(1.53g)を得た。
(5)工程5
工程4で得られた化合物5の粗生成物(1.53g)を1,4-ジオキサン(15mL)とトルエン(15mL)の混合溶媒に溶解させ、トリス(トリメチルシリル)シラン(4.23mL, 13.7mmol)とトリエチルボラン(1.0M n-ヘキサン溶液, 1.37mL, 1.37mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物6(781mg,62%(2工程))を得た。
(6)工程6
化合物6(774mg, 2.82mmol)をメタノール(15mL)に溶解させ、触媒量のナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を加え、室温で4時間反応させた。酸性イオン交換樹脂(AMBERLITE(商標登録)IR120 H)を加えて反応系を中和した。樹脂を濾別した後、溶媒を減圧留去し、得られた残査(471mg)をアセトニトリル(50mL)に溶解させ、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(1.25mL, 8.45mmol)と(+)-10-カンファースルホン酸(100mg, 0.43mmol)を加えて室温で一晩攪拌した。トリエチルアミン(0.5mL)を加えて反応を停止させ、溶媒を減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物7(523mg,78%)を得た。
(7)工程7
化合物7(494mg, 2.09mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解させデス-マーチンペルヨージナン(976mg, 2.30mmol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で攪拌した。2.5時間後に反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え室温で20分攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、得られた有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物8(477mg,97%)を得た。
(8)工程8
化合物8(475mg,2.03mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、70%酢酸水溶液(50mL)を加え、70℃で2.5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:水=85:15:1)で化合物9と化合物10の分離精製を行い、3-デオキシ-1,5-アンヒドロフルクトース(9, 以下「3de」と呼ぶ場合がある)(251mg,85%)とエノン体(10, 以下「enone」又は「enone体」と呼ぶ場合がある)の粗精製物(41mg)を得た。エノン体10の粗精製物を水に溶解させ、酢酸エチルで洗浄後、水相を濃縮し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、化合物10(25mg, 10%)を得た。
化合物9 1H NMR(600MHz, CDCl3): δ 2.50(dd,1H), 2.98(dd,1H), 3.54-3.59(m,1H), 3.85-3.97(m,2H), 3.99(d,1H), 4.15(d,1H), 4.19-4.25(m,1H).
化合物10 1H NMR(600MHz, CDCl3): δ2.50(dd,1H), 3.78-3.82(m,1H), 3.85-3.88(m,1H), 4.18(dd,1H), 4.34(d,1H), 4.45-4.47(m,1H), 6.24(dd,1H), 7.01(d,1H).
例2: (S)-(5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチルアセテートの合成
化合物9(45.7mg, 0.31mmol)をピリジン(2mL)に溶解させ、無水酢酸(1mL)を加え室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 トルエン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物11(42.5mg, 82%)を得た。
化合物11 1H NMR(600MHz, CDCl3): δ2.12(s,3H), 4.16(dd,1H), 4.26(dd,1H), 4.34-4.36 (m,2H), 4.57-4.60(m,1H), 6.24(dd,1H), 6.99(dd,1H).
例3: (S)-(4-フルオロ-5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチルアセテートの合成
(1)工程1
1,2:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノース(12)(6.44g, 24.7mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、0℃に冷却した後、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DST)(4.83mL, 49.5mmol)を加え、40℃で一晩攪拌した。トリエチルアミン(5mL)とメタノール(10mL)を加えて10分間攪拌し反応を停止させた後、溶液に酢酸エチルを加え、有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物13(5.81g, 90%)を得た。
(2)工程2
化合物13(5.81g, 22.2mmol)に0.1M 硫酸水溶液(180mL)を加え、60℃で一晩攪拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウム(3.33g)で中和後、トルエンによる共沸で溶媒を減圧留去した。得られた残査にピリジン(60mL)と無水酢酸(30mL)を加え室温で一晩攪拌した。メタノールを加えて反応を停止させた後、溶媒を減圧留去し、得られた残査を酢酸エチルに溶解させ、酢酸エチル相を水、1M 塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製し、化合物14(7.89g, quant.)を得た。
(3)工程3
化合物14(7.69g, 22.0mmol)をジクロロメタン(35mL)に溶解させ、25%臭化水素酢酸溶液(22mL)を加え、室温で3時間攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、有機相を氷水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた残査を。1,4-ジオキサン(40mL)とトルエン(80mL)の混合溶媒に溶解させ、トリス(トリメチルシリル)シラン(16.9mL, 54.9mmol)とトリエチルボラン(1.0M n-ヘキサン溶液, 6.95mL, 6.59mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物15(5.78g, 90%(2工程))を得た。
(4)工程4
化合物15(4.24g, 14.5mmol)をメタノール(80mL)に溶解させ、触媒量のナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液, 240μL)を加え、室温で一晩攪拌した。酸性イオン交換樹脂(AMBERLITE(商標登録)IR120 H)を加えて反応系を中和した後、樹脂を濾別し、溶媒を減圧留去し、得られた残査をアセトニトリル(150mL)に溶解させ、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(6.43mL, 43.5mmol)と(+)-10-カンファースルホン酸(300mg, 1.29mmol)を加えて室温で一晩攪拌した。トリエチルアミン(2mL)を加えて反応を停止させ、溶媒を減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=3:2)で精製し、化合物16(3.26g, 88%(2工程))を得た。
(5)工程5
化合物16(405mg, 1.59mmol)をジクロロメタン(16mL)に溶解させ1-メチル-2-アザアダマンタン-N-オキシル(2.65mg, 0.16mmol)と(ジアセトキシヨード)ベンゼン(770mg, 2.40 mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(4mL)を加え室温で30分攪拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え、有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、化合物17(299mg, 75%)を得た。
(6)工程6
化合物17(75.3mg, 299μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、70%酢酸水溶液(10 mL)を加え、70℃で1.5時間攪拌した。トルエンによる共沸で溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:水=85:15:1)にて粗精製を行い、脱ベンジリデン体粗生成物(51.9mg)を得た。得られた粗生成物をピリジン(1.5mL)に溶解させ、無水酢酸(1mL)を加えて、室温で一晩攪拌した。メタノール(2mL)を加えて反応を停止させた後、反応溶液に酢酸エチルを加え、有機相を水、1M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物18(45.2mg, 80%(2工程))を得た。
化合物18 1H NMR(600MHz, CDCl3): δ2.13(s,3H), 4.21-4.25(m,2H), 4.36(dd,1H), 4.45 (dd,1H), 4.76-4.81(m,1H), 6.47(dd,1H).
例4: 3-デオキシ-1,5-アンヒドロタガトース(27)の合成
(1)工程1
ペンタ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノース(19)(8.98g, 23.0mmol)をジクロロメタン(36mL)に溶解させ、25%臭化水素酢酸溶液(22.3mL)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、有機相を氷水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、得られた残査(9.06g)を1,4-ジオキサン(50mL)とトルエン(100mL)の混合溶媒に溶解させ、トリス(トリメチルシリル)シラン(21.3mL, 69.0mmol)とトリエチルボラン(1.0M n-ヘキサン溶液, 6.90mL, 6.90mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物20(6.52g, 85%(2工程))を得た。
(2)工程2
化合物20(6.35g, 19.1mmol)をメタノール(100mL)に溶解させ、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液, 100μL)を加え、室温で2時間反応させた。酸性イオン交換樹脂(AMBERLITE(商標登録)IR120 H)を加えて反応系を中和した。樹脂を濾別した後、溶媒を減圧留去し、得られた残査(2.98g)をメタノール(150mL)に溶解させ、ジブチルススオキシド(4.97g, 20.0mmol)を加え、一晩加熱還流した。溶媒を減圧留去後、得られた残査をテトラヒドロフラン(150mL)に溶解させ、ヨウ化テトラ‐n‐ブチルアンモニウム(3.60g, 9.08mmol)と臭化ベンジル(3.24mL, 27.2mmol)を加え、一晩加熱還流した。溶媒を減圧留去後、得られた残査をリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:水=85:15:1)で粗生成を行った。得られた粗生成物(3.48g)をピリジン(40mL)に溶解させ、無水酢酸(20mL)を加え室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物21(5.18g, 71%(4工程))を得た。
(3)工程3
化合物21(420mg, 1.10mmol)を酢酸エチル(30mL)に溶解させ、パラジウム/炭素(Pd10%)(204mg)を加え水素ガスバブリング中、室温で1時間攪拌した。不溶物をセライト濾過で除去し、濾液を減圧濃縮し得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、化合物22(316mg, 99%)を得た。
(4)工程4
アルゴン雰囲気中、テトラヒドロフラン(10mL)に化合物22(304mg, 1.05mmol)と1,1'-チオカルボニルジイミダゾール(3.73mg, 2.09mmol)を加え、加熱還流下で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:3)で精製し、化合物23(336mg, 80%)を得た。
(5)工程5
化合物23(308mg, 769μmol)とトリス(トリメチルシリル)シラン(475μL, 1.54mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(25mg, 154μmol)をトルエン(5mL)に溶解させ、溶液を脱気後、アルゴン雰囲気中で100℃で1時間攪拌した。反応溶液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィーにチャージし、精製(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=3:2)を行い、化合物24(197mg, 93%)を得た。
(6)工程6
化合物24(193mg, 704μmol)をメタノール(10mL)に溶解させ、触媒量のナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を加え、室温で2時間攪拌した。酸性イオン交換樹脂(AMBERLITE(商標登録)IR120 H)を加えて反応系を中和した後、樹脂を濾別し、溶媒を減圧留去し、得られた残査(110mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解させ、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(255μL, 1.74mmol)と(+)-10-カンファースルホン酸(20mg, 86μmol)を加えて室温で一晩攪拌した。トリエチルアミン(100μL)を加えて反応を停止させ、溶媒を減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、化合物25(162mg, 97%(2工程))を得た。
(7)工程7
化合物25(162mg, 687μmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解させデス-マーチンペルヨージナン(320mg, 754μmol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で攪拌した。2.5時間後に反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5mL)と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(2.5mL)を加え室温で30分攪拌した。反応溶液にジクロロメタンを加え、得られた有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、化合物26(133mg, 83%)を得た。
(8)工程8
化合物26(105mg, 448μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、70%酢酸水溶液(10mL)を加え、70℃で1.5時間攪拌した。トルエンによる共沸で溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール:水=90:10:0.6)で精製し、3-デオキシ-1,5-アンヒドロタガトース(27)(40.9mg, 62%)を得た。
化合物27 1H NMR(600MHz,D2O): δ 1.82(dd, 0.55H), 1.96(dtr,0.55H), 2.50(dtr,0.45H), 2.82(dd,0.45H), 3.33(d,0.55H), 3.43-3.67(m,2.45H), 3.81-3.84(m,1H), 4.00-4.08(m,1H), 4.22-4.23(m,0.45H)
例5:(S)-(5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチルアセテート(11)及び(2R,3S)-2-(アセトキシメチル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3,5-ジイル ジアセテート(28)の合成
化合物8(121mg, 517μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、70%酢酸水溶液(10mL)を加え、70℃で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残査をピリジン(2mL)に溶解させ、無水酢酸(1mL)を加え室温で一晩攪拌した。メタノール(2mL)を加えて反応を停止した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、有機相を水、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を減圧留去し、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物11(44.2mg, 50%)と化合物28(6.3mg, 4%)を得た。
化合物28 1H NMR(600MHz, CDCl3): δ 2.08(s,3H), 2.11(s,3H), 2.15(s,3H), 3.81-3.83(m,1H), 4.10-4.13(m,1H), 4.18-4.21(m,1H), 4.25-4.31(m,1H), 5.36-5.38(m,1H), 5.62-5.64(m,1H)
試験例1
(a)実験方法
(1)マウス骨髄由来マクロファージの培養
マウス骨髄由来マクロファージの調製は次のように行った。マクロファージ細胞への分化、維持に用いる培地の調製の為に、あらかじめL929細胞をD培地(DMEM/F12, 牛胎児血清10%、1%ペニシリンストレプトマイシンを含む)で培養し、その培養上清を回収し、遠心分離(3000rpm、5分、4℃)後に凍結した。マウス骨髄由来マクロファージ培養用培地(L培地)として、L929培養上清を0.22μmのろ過滅菌フィルターで滅菌後したものをD培地に25%の割合で加えたものを調製した。
7〜8週齢のC57BL/6系統オスマウスの大腿骨を無菌的に採取し、その内腔から骨髄細胞を取り出し、上記の方法で調製したL培地を用いて、7〜10日間培養し分化させた。
(2)マウス骨髄由来マクロファージのプレートへ播種
培養分化させたマクロファージはダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)で洗浄後、セルストリッパー溶液でピペッティングにより細胞を剥離回収し、D培地を加えた後400G、5分の遠心操作を行った。遠心上清を除去後、D培地で再懸濁して細胞数をカウント後、96穴培養プレートには1穴あたり5×104個あるいは3.5 cmシャーレには1×106個播種した。培養プレートあるいはシャーレに播種した細胞は、一晩インキュベーターで培養後、D-PBSで洗浄して非接着細胞を除去し、再びD培地を加え実験に用いた。
(3)マウス骨髄由来マクロファージへの刺激
マウス骨髄由来マクロファージへの刺激は、下記の方法で行った。
a)LPS及びNigericinによる刺激
マクロファージをまずLPS[LPS-EB Ultrapure (InvivoGen社製)]100 ng/mlを含む培地で4時間インキュベートした。LPS処理後、D-PBSで洗浄し、牛胎児血清を含まないDMEM/F12培地に溶解した各濃度の化合物溶液と45分〜1時間インキュベートした。インキュベート後に細胞から溶液を除去し、DMEM/F12培地に溶解したNigericin (5μM)で45分〜1時間インキュベートした後に細胞及び細胞上清を回収した。
b)LPS及びATPまたはLPS及び尿酸結晶による刺激
上述の方法a)において、Nigericin(5μM)の代わりにATP(5 mM)又は尿酸結晶(100 μg /ml)でインキュベートした後に細胞及び細胞上清を回収した。
c)LPSとdsDNAによる方法
dsDNA(シグマ社製)と、Lipofectamine 2000 (ライフテクノロジー社製)はDMEM/F12培地でそれぞれ、10 μg/ml及び10 μl/mlの濃度に希釈後、1:1の割合で混合し20分間インキュベートした。上述の方法a)において、Nigericinの代わりにdsDNA:Lipofectamine 2000A混合液を加え、3時間インキュベートした後に細胞及び細胞上清を回収した。
(4)成熟型IL-1β及び活性型カスパーゼ1の検出
マクロファージの刺激後培養細胞上清中の成熟型IL-1βの測定はMouse IL-1β ELISA kit (eBioscience社製)を用いて行った。また、活性型カスパーゼ1及び成熟型IL-1βは回収した細胞溶解液及び培養上清の濃縮液をSDS-PAGE電気泳動で分離後、ニトロセルロース膜に転写し特異的抗体により検出した。
(b)実験結果
マウス骨髄由来マクロファージのLPS及びNigericin刺激時のIL-1β分泌に及ぼす化合物の影響を調べた結果を図1(3de)及び図2(enone体)に示す。LPS/Nigericin刺激によって培養上清中にIL-1βが分泌されるが、Nigericin刺激前に化合物とインキュベートすることにより、用量依存的にIL-1β分泌は抑制された。
マウス骨髄由来マクロファージのLPS-ATP刺激時のIL-1β分泌に及ぼす化合物の影響を調べた結果を図3(3de)及び図4(enone体)に示す。LPS-ATP刺激によって培養上清中にIL-1βが分泌されるが、ATP刺激前に化合物と細胞をインキュベートすることにより、用量依存的にIL-1β分泌は抑制された。
マクロファージのLPS-nigericin刺激、LPS-ATP刺激、LPS-MSU刺激時のIL-1β分泌に及ぼす様々な化合物の阻害活性の有効濃度を表1にまとめた。ED50は化合物が存在しないときに分泌されるIL-1β量を100%として、その分泌量を50%まで低下させる化合物の濃度を表す。国際公開WO2015/016178に開示された1,5-AF及びAPPに比べて本発明の化合物は高い有効性を示した。
マウス骨髄由来マクロファージのLPS-dsDNA刺激時のIL-1β分泌に及ぼす3de及びenone体の影響を調べた結果を図5及び図6に示す。LPS-dsDNA刺激によって培養上清中にIL-1βが分泌されるが、dsDNA刺激前に3deあるいはenone体と細胞をインキュベートすることにより、用量依存的にIL-1β分泌は抑制された。
LPS-NigericinあるいはLPS-ATP刺激時のカスパーゼ1及び IL-1β活性化に3deが及ぼす影響を調べた結果を図7及び図8に示す。LPSによる細胞刺激の結果、マクロファージ細胞内で前駆体IL-1βが産生される。NigericinあるいはATPによる二次刺激により、培養上清中に活性型カスパーゼ1と成熟型IL-1βが放出される。二次刺激の前に3de (15 mM)とインキュベートすることにより、刺激後の培養上清中の活性型カスパーゼ1と成熟型IL-1β放出が抑制された。IL-1βは活性型カスパーゼ1により前駆体が切断されて成熟型となり細胞外へ放出されることが知られている。3deはカスパーゼ1の活性化を抑制することにより、IL-1βの活性化を抑制していることが示された。

Claims (9)

  1. カスパーゼ1活性化に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬であって、下記の一般式(I)又は(II):
    (式(I)中、R1及びR2のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R7は-CH2-OR8、-CHF-OR8、-CF2-OR8、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R8は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示し、式(II)中、R11及びR12のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R13は水素原子又はフッ素原子を示し;R14はアシル基を示し;R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R17は-CH2-OR18、-CHF-OR18、-CF2-OR18、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R18は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR18はR16と結合して-R18-R16-となって単結合を示す)で表される化合物を有効成分として含む医薬。
  2. 一般式(I)において、R1及びR2のいずれか一方が水酸基又はアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R3及びR4がそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す請求項1に記載の医薬。
  3. 一般式(I)において、R2が水素原子又はフッ素原子であり;R3が水素原子又はフッ素原子であり;式中の----が二重結合を示し;R5及びR6が水素原子であり;R7が-CH2-OR8であり、R8が水素原子又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す請求項1に記載の医薬。
  4. 上記一般式(II)において、R11及びR12のいずれか一方がアシルオキシ基であり、他方が水素原子であり;R13が水素原子であり;R14がアシル基であり;R15及びR16が水素原子であり;R17が-CH2-OR18であり、R18が水素原子、アルキル基、又はアシル基である請求項1に記載の医薬。
  5. カスパーゼ1活性化に起因する疾患が、がん、免疫抑制性疾患、自己免疫疾患、ウイルス感染症、神経変性疾患、内分泌疾患、炎症性疾患、臓器移植障害、及び放射線障害からなる群から選ばれる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の医薬。
  6. カスパーゼ1活性化に起因する疾患が、全身性炎症性反応症候群SIRS、慢性関節リウマチ、アルツハイマー病、クライオピリン関連周期熱症候群、家族性地中海熱、PAPA症候群、Majeed症候群、高IgD症候群、反復性胞状奇胎、DIRA、炭素菌感染症、急性呼吸促拍症候群、炎症性細胞死、又は石綿肺からなる群から選ばれる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の医薬。
  7. 請求項1に記載の一般式(I)又は(II)で表される化合物を有効成分として含むカスパーゼ1活性化阻害剤。
  8. 請求項1に記載の一般式(I)又は(II)で表される化合物を有効成分として含むインフラマソーム形成阻害剤。
  9. 請求項1に記載の一般式(I)又は(II)(式(I)中、R1及びR2のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はフッ素原子を示し;式中の----は単結合又は二重結合を示し、----が二重結合を示す場合にはR1及びR4は存在せず;R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R7は-CH2-OR8、-CHF-OR8、-CF2-OR8、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R8は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR8はR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示し、式(II)中、R11及びR12のいずれか一方は水酸基又はアシルオキシ基を示し、他方は水素原子又はフッ素原子を示し;R13は水素原子又はフッ素原子を示し;R14はアシル基を示し;R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はフッ素原子を示し;R17は-CH2-OR18、-CHF-OR18、-CF2-OR18、水素原子、アルキル基、又はトリフルオロメチル基を示し、R18は水素原子、アルキル基、又はアシル基を示すか、あるいはR18はR16と結合して-R18-R16-となって単結合を示すが、ただし、式(I)においてR2が水素原子であり、R3が水素原子であり、式中の----が二重結合であり、R5が水素原子であり、R7が-CH2-OR8であり、R8がR6と結合して-R8-R6-となって単結合を示す場合を除く)で表される化合物。
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