JPWO2016158979A1 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び物品 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物及び物品 Download PDF

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Abstract

複数の凸部を表面に有する物品であって、前記複数の凸部は、隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下であり、前記複数の凸部は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記物品の前記複数の凸部を有する部分の水接触角度が80度以上であり、前記活性エネルギー線硬化樹脂性組成物は、重合性成分(P)と光重合開始剤(E)と内部離型剤(F)を含み、前記内部離型剤(F)として、モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートの少なくとも一方を含む。

Description

本発明は、微細凹凸(ナノ凹凸)構造体の形成に好適な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含むインプリント用原料、及びこの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いて形成した微細凹凸構造を有する物品に関する。
表面にナノサイズの微細な凹凸が規則的に配置されている微細凹凸構造体は、連続的な屈折率の変化によって反射防止性能を発現することが知られている。このような微細凹凸構造は一般的にモスアイ構造と呼ばれる。また、この微細凹凸構造は、微細な凹凸構造を備えたハスの葉が示す超撥水性能(ロータス効果)と同様の効果を発現することも知られている。
微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法としては、例えば、下記方法が提案されている:
(i)微細凹凸構造の反転構造を表面に有するスタンパを用い、熱可塑性樹脂を射出成形又はプレス成形して、熱可塑性樹脂成形体の表面に微細凹凸構造を転写する方法;
(ii)微細凹凸構造の反転構造を表面に有するスタンパと透明基材との間に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填し、活性エネルギー線の照射によって硬化させた後、スタンパを剥離して、硬化物に微細凹凸構造を転写する方法;及び
(iii)前記スタンパと透明基材との間に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填した後、スタンパを剥離して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に微細凹凸構造を転写し、その後、活性エネルギー線の照射によって活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる方法。
これらの中でも、微細凹凸構造の転写性、表面組成の自由度を考慮すると、(ii)の方法が好適である。この方法は、連続生産が可能なベルト状やロール状のスタンパを用いる場合に特に好適であり、生産性に優れた方法である。
微細凹凸構造が良好な反射防止性能を発現するのは、微細凹凸の隣り合う凸部又は凹部が可視光の波長以下の間隔である場合である。しかし、このような構造を有する微細凹凸構造体は、表面が平滑な、ハードコートなどで耐摩耗性処理をした成形体に比べて耐擦傷性に劣り、使用中の耐久性に問題があった。また、微細凹凸構造体の作製に使用した樹脂組成物の硬化物が十分に堅牢でないと、鋳型から離型する際や熱によって、突起同士が寄り添う現象が起き易い。
そこで、耐久性や強度の高い微細凹凸構造を形成するため、活性エネルギー線の照射により樹脂組成物を硬化させる際にスタンパの反転微細凹凸構造を転写して微細凹凸構造を形成した微細凹凸構造体や、微細凹凸構造を形成するための樹脂組成物が提案されている。
例えば特許文献1には、最密充填されたシリカ微粒子を鋳型として可視光の波長以下の凸部(凹部)間隔を有する微細凹凸構造を作製することや、この微細凹凸構造を形成する樹脂組成物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子量当りの二重結合が多い多官能モノマーを含む紫外線硬化性樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、微細凹凸を有するハードコート層を有するフィルムが開示され、このハードコート層はJISK5400に準じた鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すことが好ましいこと、そしてそのハードコート層を形成する樹脂として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の分子量当りの二重結合数が多い多官能モノマーを含む紫外線硬化性樹脂組成物が記載されている。
また、微細凹凸構造を形成するのに好ましい樹脂組成物として、以下のものが知られている:
(1)ウレタンアクリレート等のアクリレートオリゴマーと離型剤を必須成分とする光硬化性樹脂組成物(特許文献3);
(2)エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン等の反応性希釈剤、光重合開始剤及びフッ素系界面活性剤から構成される光硬化性樹脂組成物(特許文献4);及び
(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、光重合開始剤及びポリエーテル変性シリコーンオイル等のレベリング剤を含む紫外線硬化性樹脂組成物(特許文献1)。
特開2000−71290号公報 特開2002−107501号公報 特許第4156415号公報 特開2007−84625号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の微細凹凸構造体は、いずれも架橋密度の高い弾性率の高い硬化物であるが、必ずしも耐擦傷性を満足させるものではない。また、鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示す硬化樹脂であっても、特に微細凹凸構造体の場合は微細突起が折れたり曲がったりして反射防止性能が損なわれる場合があり、その使用用途が限定されてしまう。また、これら微細凹凸構造体は、微細凹凸構造表面が十分な撥水性を発揮するものではない。
一方、樹脂成形体に撥水性を付与するために、シリコーン化合物やフッ素化合物を用いる方法が知られている。しかし、一般的にシリコーン化合物やフッ素化合物で撥水性を発揮するようなものは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に使用される一般的な多官能(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレートなどとの相溶性が低く、透明性が求められるハードコートへの適用は限定される。また、本願発明者らの検討の結果、微細凹凸構造表面に撥水性を付与できる樹脂組成物を用いた場合、スタンパからの剥離力が大きく、成形体の連続生産が難しいことが明らかになった。
本発明の主な目的は、微細凹凸構造による反射防止機能と共に、高い撥水性と耐擦傷性を有する物品、及び微細凹凸構造による反射防止機能と共に、高い撥水性と耐擦傷性を有し、スタンパからの剥離が容易な硬化物を形成できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
複数の凸部を表面に有する物品であって、
前記複数の凸部は、隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下であり、
前記複数の凸部は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記物品の前記複数の凸部を有する部分の水接触角度が80度以上であり、
前記活性エネルギー線硬化樹脂性組成物は、重合性成分(P)と光重合開始剤(E)と内部離型剤(F)を含み、前記内部離型剤(F)として、モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートの少なくとも一方を含む、物品が提供される。
本発明の他の態様によれば、
隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下である複数の凸部を表面に有する微細凹凸構造をインプリント法により形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、少なくとも重合性成分(P)と光重合開始剤(E)と内部離型剤(F)を含み、
前記重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、重合性成分(A)として、炭素数6以上のアルカンジオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物であるアルカンジオールジ(メタ)アクリレートを50質量%以上100質量%以下含有し、
前記重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、脂環構造を有する重合性成分の含有量が17質量%未満であり、
内部離型剤(F)が、モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートの少なくとも一方を含む、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、
上記の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下である複数の凸部を表面に有する微細凹凸構造を表面に有する物品であって、
前記微細凹凸構造の表面における水の接触角度が80度以上である物品が提供される。
本発明の実施形態によれば、微細凹凸構造による反射防止機能と共に、高い撥水性と耐擦傷性を有する物品、及び微細凹凸構造による反射防止機能と共に、高い撥水性と耐擦傷性を有し、スタンパからの剥離が容易な硬化物を形成できる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の実施形態による微細凹凸構造を有する物品を示す模式断面図である。 本発明の実施形態による物品の微細凹凸構造の形成に用いるスタンパの製造工程を示す図である。 本発明の実施形態による微細凹凸構造を有する物品の製造装置の一例を示す構成図である。
本発明の実施形態による活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)は、重合性成分(P)と光重合開始剤(E)と内部離型剤(F)を含み、これに活性エネルギー線を照射することにより、重合反応が進行し、硬化するものである。
この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、内部離型剤(F)として、リン酸モノエステル及びリン酸ジエステルの少なくとも一方を必須成分として含む。
重合性成分(P)は、重合性成分(B)として、シリコーン(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一方を含むことが好ましい。
また、重合性成分(P)は、重合性成分(A)として、重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、Fedors法により計算されるSP値(solubility parameter)が19.6以下の重合性成分を50質量%以上100質量%以下含有することが好ましい。また、重合性成分(P)は、重合性成分(A)として、炭素数6以上のアルカンジオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物であるアルカンジオールジ(メタ)アクリレート含むことが好ましく、このアルカンジオールジ(メタ)アクリレートのFedors法により計算されるSP値が19.6以下であることがより好ましい。また、重合性成分(P)は、前述の重合性成分(A)と、シリコーン(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一方である重合性成分(B)を含むことが好ましい。
重合性成分(P)は、さらに、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートである重合性成分(C)を含むことが好ましく、必要に応じて、その他の重合性成分(D)を含むことができる。また、この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分(G)を含んでもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)の硬化物の表面が微細凹凸構造を有する場合、重合性成分(P)の組成を調整して硬化物を適切な硬さにすることが重要である。硬化物が硬すぎると微細凹凸構造表面の耐擦傷性が低くなる傾向がある。一方、硬化物が柔らかすぎると微細凹凸構造が維持しにくくなり、複数の凸部同士が合一してしまう場合がある。
内部離型剤(F)として、モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートの少なくとも一方を含むことが好ましい。
内部離型剤(F)の含有率は、重合性成分(P)の全体量100質量部に対して、0.01〜2.0質量部の範囲に設定することができる。十分な離型効果を得る点から、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましい。内部離型剤(F)の含有率が大きすぎると、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物から内部離型剤(F)が分離したり析出したりする場合や、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物から内部離型剤(F)がブリードする場合がある。内部離型剤(F)の含有率は、2.0質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましい。
光重合開始剤(E)の含有率は、重合性成分(P)の全体量100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲に設定することができる。
重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
重合性成分(A)の含有率が50〜99.5質量%であり、
重合性成分(B)の含有率が0.5〜50質量%であることが好ましい。
重合性成分(P)がさらに重合性成分(C)を含む場合は、
重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
重合性成分(A)の含有率が50〜89.5質量%であり、
重合性成分(B)の含有率が0.5〜40質量%であり、
重合性成分(C)の含有率が10〜49.5質量%であることが好ましい。
重合性成分(B)のリン酸モノエステルは、非オキシアルキレン化シリコーン(メタ)アクリレートであることが好ましい。また、重合性成分(B)のアルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基の炭素数が8〜22のアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
ポリオキシアルキレン骨格を有する重合性成分の含有率が10質量%未満であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。また、重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、脂環構造を有する重合性成分の含有量が17質量%未満であることが好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の他の実施形態によれば、上記の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含むインプリント用原料を提供できる。
本発明の他の実施形態によれば、上記の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物を含む物品を提供できる。この硬化物として、基材上に形成された硬化樹脂層を含むことができる。また、この硬化物の表面に複数の凸部からなる微細凹凸構造を有することができる。この微細凹凸構造においては、隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下が好ましい。また、微細凹凸構造の表面における水の接触角度が80度以上であることが好ましく、135度以上がより好ましい。
本発明の実施形態による物品は、ディスプレイ部材、反射防止物品、撥水フィルムに適用できる。
以下、本発明の好適な実施の形態についてさらに説明する。
[内部離型剤(F)]
内部離型剤(F)は、リン酸モノエステル及びリン酸ジエステルの少なくとも一方を含む。
陽極酸化ポーラスアルミナをスタンパとして使用し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化物に微細凹凸構造を転写する方法において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に添加する内部離型剤としてリン酸エステル化合物を使用することが知られていた。さらに、リン酸エステル化合物の中でも、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物であって且つリン酸トリエステル化合物であるものが離型性に優れることが知られていた。
しかし、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートである重合性成分(A)が主成分であり、オキシアルキレン骨格成分の含有量が少ない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、内部離型剤として(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物であって且つリン酸トリエステル化合物であるものを使用すると、硬化後のスタンパからの剥離力が大きく、また重合性成分(B)のような撥水性付与成分の効果も十分に発揮されないことを、本発明者らは新たな課題として見出した。
そこで、本発明者らは鋭意検討を進めた結果、リン酸モノエステル及び/又はリン酸ジエステルを含む内部離型剤(F)を用いることが有効であり、リン酸物モノエステルとしてモノアルキルホスフェートが特に有効であり、リン酸ジエステルとしてジアルキルホスフェートが特に有効であることを見出した。この内部離型剤(F)を用いることで、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)の硬化物をスタンパから離型する際の剥離力を十分小さくすることができ、得られた微細凹凸構造を表面に有する物品は、優れた撥水性能を発揮することができる。得られた微細凹凸構造を有する物品は、微細凹凸構造の表面の水接触角度が80度以上であることが好ましく、100度以上であることがより好ましく、130度以上であることがさらに好ましく、135度以上が特に好ましい。
リン酸モノエステル及び/又はリン酸ジエステルは、リン酸トリエステルと比較すると、水酸基を有することから、陽極酸化ポーラスアルミナからなるスタンパ表面に対する吸着力が優れていることが考えられる。具体的には、陽極酸化ポーラスアルミナの表面は、純粋な酸化アルミニウムのみではなく、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムの水和物が存在していると考えられており、リン酸モノエステル及び/又はリン酸ジエステルの水酸基が、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムと強い相互作用を持っていると考えられるが、詳細な機構は明らかではない。
また、リン酸モノエステル及び/又はリン酸ジエステルの中でも、モノアルキルホスフェート及び/又はジアルキルホスフェートは、オキシアルキレン骨格を有さないために疎水性が高く、スタンパの表面をより疎水性にすることができる。スタンパ表面が疎水性になって表面自由エネルギーが下がった結果、そのスタンパを使用して形成した、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)の硬化物として得られる微細凹凸構造の表面も疎水性になりやすい。具体的には、スタンパ表面の表面自由エネルギーが十分に低いことで、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)とスタンパが接触すると、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)に含まれる撥水性付与成分の疎水性官能基がスタンパ側に配向し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)の硬化物として得られる微細凹凸構造の表面が疎水性になる。
モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートとしては、アルキル基の炭素数が例えば1〜20、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18の範囲にあるものを用いることができる。
内部離型剤(F)の市販品としては、例えば、日光ケミカルズ社製の商品名:DDP−2、DDP−4、DDP−6、DDP−8、DDP−10、城北化学工業社製の商品名:JP−512、JP−513、JAMP−8、JAMP−12、大八化学工業社製の製品名:AP−8、AP−10、MP−10、SC有機化学社製の製品名:Phoslexシリーズ:A−8、A−10、A−12、A−13、A−18、A−18D、A−180L、などが挙げられる。
これらの中でも、モノアルキルホスフェート及び/又はジアルキルホスフェートである、城北化学工業社製の商品名:JP−512、JP−513、JAMP−8、JAMP−12、大八化学工業社製の製品名:AP−8、AP−10、MP−10、SC有機化学社製の製品名:Phoslexシリーズ:A−8、A−10、A−12、A−13、A−18、A−18D、A−180L、などが好ましい。
[重合性成分(A)]
重合性成分(A)は、本発明の実施形態による活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物に対して、耐擦傷性向上、耐候性向上、基材密着性向上の効果がある。例えば、基材密着性に関しては、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂に有効である。また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の相溶性向上や低粘度化の効果を得ることもできる。
重合性成分(A)としては、Fedors法により計算されるSP値が19.6以下である重合性成分が好ましい。SP値が19.6を超えると、重合性成分(A)と、前述の内部離型剤(F)や、重合性成分(A)以外の重合性成分との相溶性が低下し、得られる硬化物が白濁してしまう恐れがある。また、SP値が19.6以下の成分を用いることで、硬化物の表面を疎水性とすることができる。重合性成分(A)としては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートを用いることができる。アルカンジオールジ(メタ)アクリレートの原料であるアルカンジオールの炭素数は、6以上が好ましく、7以上がより好ましく、8以上がさらに好ましく、9以上が特に好ましい。アルカン部の炭素数が小さすぎると活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物が硬くなりすぎてしまい、微細凹凸構造が脆くなって傷付きやすくなる。一方、アルカン部の炭素数が大きすぎると、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートが結晶性を持ち、取扱い性が著しく低下する場合がある。そのため、重合性成分(A)の原料であるアルカンジオールの炭素数は、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。また、アルカン部は直鎖構造でも分岐構造でもよく、両者の混合物でも良い。分岐構造を持たせることで結晶性を下げることができ、低温でも液状になり、取扱い性を向上させることができる。また、シクロアルカン構造は硬化物のガラス転移温度を上昇させ、硬くする効果がある。
重合性成分(A)の具体例としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレートアクリレート、バチルアルコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ダイマージオールジ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
重合性成分(A)の含有割合は、重合性成分(P)の全体量100質量%のうち、50〜100質量%の範囲に設定することができる。より十分な添加効果を得る点から、60質量%以上がさらに好ましい。重合性成分(A)による十分な効果を得ながら他の重合性成分による効果を得る観点から、重合性成分(A)の含有割合は、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。重合性成分(A)の含有割合が50質量%以上であれば、硬化物において、優れた耐擦傷性、耐候性、基材密着性、といった効果を得ることができ、樹脂組成物においては、低粘度化や重合性成分(B)等の他の重合性成分との相溶性向上の効果が期待できる。
[重合性成分(B)]
重合性成分(B)は、本発明の実施形態による活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物に対して、撥水性や防汚性の付与や耐擦傷性向上の効果がある。また、離型性向上に関して補助的役割を担う場合がある。
重合性成分(B)はシリコーン(メタ)アクリレート及び/又はアルキル(メタ)アクリレートである。以下、シリコーン(メタ)アクリレートとアルキル(メタ)アクリレートをそれぞれ分けて説明する。
(シリコーン(メタ)アクリレート)
シリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーン骨格を有する(メタ)アクリレートである。以下、本発明に好適なシリコーン(メタ)アクリレートについていくつか例を挙げて具体的に説明する。
シリコーン(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式1で示される、両末端及び/又は片末端にプロピル(メタ)アクリレート構造を有するシリコーン(メタ)アクリレートが挙げられる。
Figure 2016158979
式(1)で表されるシリコーン(メタ)アクリレートは、分子量が大きすぎると重合性成分(A)等の他の重合性成分との相溶性が低下する傾向がある。一方、分子量が小さすぎると撥水性や耐擦傷性向上の効果が得られにくくなる。そのため、式(1)で表されるシリコーン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は500〜2000程度が好ましい。
このような重合性成分(B)の市販品としては、例えば、JNC社製の「サイラプレーン(登録商標)」シリーズの製品名:FM−0711、FM−0721、FM−0725、FM−7711、FM−7721、FM−7725、信越化学工業社製の製品名:X−22−2445、X−22−174ASX、X−22−174BX、X−22−174DX、KF−2012、X−22−2426、X−22−2475、X−22−164、X−22−164AS、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−164E、東レ・ダウコーニング社製の製品名:BY16−152C、などが挙げられる。
他にシリコーン(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(2)で示される、シリコーンエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
Figure 2016158979
式(2)で示されるシリコーン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、エボニック・ジャパン社製の「Tego(登録商標)シリーズ」の製品名:Rad2011、Rad2100、Rad2500、などが挙げられる。
他のシリコーン(メタ)アクリレートとしては、ポリジメチルシロキサンの両末端をEO及び/又はPO変性した(メタ)アクリレートが挙げられる。その市販品としては、例えば、信越化学工業社製の製品名:X−22−1602、ビックケミー・ジャパン社製の製品名:BYK−UV3500、BYK−UV3530、エボニック・ジャパン社製の製品名:「Tego」(登録商標)シリーズ:Rad2200N、Rad2250、Rad2300、ダイセル・オルネクス社製の製品名:EBECRYL 350、などが挙げられる。上記の「EO変性」はエチレンオキサイド変性を意味し、「PO変性」はプロピレンオキサイド変性を意味する。
他にシリコーン(メタ)アクリレートとしては、ウレタン(メタ)アクリレート及び/又はポリエステル(メタ)アクリレートであって且つシリコーン骨格を有するもの、例えば(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン構造を有するウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。その市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製の製品名:BYK−UV3570、Miwon Speciality Chemical社製の製品名:「Miramer(登録商標)」シリーズ:SIU100、SIU1000、SIU2400、SIP900、などが挙げられる。
上記以外のシリコーン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製の製品名:BYK−UV3505、3530、3575、3576、ダイセル・オルネクス社製の製品名:EBECRYL 1360などが挙げられる。
以上で挙げた重合性成分(B)として用いるシリコーン(メタ)アクリレートの中では、式(1)で示したシリコーン(メタ)アクリレート、式(2)で示したシリコーン(メタ)アクリレート、及びBYK−UV3570から選択されるものが、撥水性、耐擦傷性、耐候性の点で好ましい。特に超撥水性を付与する点で、(1)で示したシリコーン(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
オキシアルキレン構造を有するシリコーン(メタ)アクリレートは相溶性が良好な反面、耐候性の点で劣る結果となる場合がある。そのため、耐候性の点からは、重合性成分(B)として、オキシアルキレン骨格を有さない非オキシアルキレン化シリコーン(メタ)アクリレートが好ましい。
(アルキル(メタ)アクリレート)
重合性成分(B)として用いるアルキル(メタ)アクリレートは、硬化物の撥水性と耐擦傷性を向上させる点から、アルキル基が比較的長いものが好ましい。具体的には、アルキル基の炭素数は8〜22が好ましく、12〜18がより好ましい。アルキル基は直鎖でも分岐でも良い。アルキル基は長すぎると結晶性が高まって液状での取り扱いが困難になり、短すぎると揮発性が問題になる場合がある。アルキル(メタ)アクリレートの具体的な例としては、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ラウリル(メタ)アクリレート、(イソ)セチル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、(イソ)ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、撥水性付与と取扱い性の点で、イソステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
重合性成分(B)の含有割合は、重合性成分(P)の全体量100質量%のうち、0.5〜50質量%の範囲に設定することができる。十分な添加効果を得る点から、1質量%以上がより好ましい。重合性成分(B)の添加量が多すぎると硬化物の物性が低下して耐擦傷性が低下する場合がある。そのため、重合性成分(B)の含有割合は、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
重合性成分(B)の含有割合が0.5質量%以上の場合、例えば、重合性成分(A)50〜99.5質量%、重合性成分(B)0.5〜50質量%、重合性成分(C)0〜49.5質量%に設定でき、また、重合性成分(A)50〜89.5質量%、重合性成分(B)0.5〜40質量%、重合性成分(C)10〜49.5質量%に設定できる。
重合性成分(B)の含有割合が1質量%以上の場合、例えば、重合性成分(A)50〜99質量%、重合性成分(B)1〜50質量%、重合性成分(C)0〜49質量%に設定でき、また、重合性成分(A)50〜89質量%、重合性成分(B)1〜40質量%、重合性成分(C)10〜49質量%に設定できる。
[重合性成分(C)]
重合性成分(C)は、3個以上の(メタ)アクリロイル基)を有する多官能(メタ)アクリレートである。重合性成分(C)により、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物の硬さを調節でき、耐擦傷性を向上させることができる。重合性成分(C)は、分子量あたりの(メタ)アクリロイル基の数が多いほど硬化物に硬さを付与できる。また、分子量がより小さいものや分子内にメチル基を有するものが重合性成分(B)等の他の重合性成分との相溶性に優れる。逆に、ポリエーテル構造を有するものは重合性成分(B)等の他の重合性成分との相溶性や耐候性が劣る場合がある。
重合性成分(C)の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリン(ポリ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ)テトラアクリレート、ペンタエリスリトール(トリ)テトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトール(ペンタ)ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール(ペンタ)ヘキサメタクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、及びこれらのEO変性、PO変性又はカプロラクトン変性(メタ)アクリレート、並びに3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレート、3官能以上のポリエステル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ)テトラアクリレート、ペンタエリスリトール(トリ)テトラメタクリレートが重合性成分(B)との相溶性や耐擦傷性の点で好ましい。
また、EO変性物及びPO変性物は耐候性の点で懸念があるため、耐候性の点ではカプロラクトン変性物が好ましい。
ここで、重合性成分(C)の具体例の名称中の「(トリ)テトラ」は、トリ体、テトラ体又はこれらの混合物を意味し、「(ペンタ)ヘキサ」は、ペンタ体、ヘキサ体又はこれらの混合物を意味する。
例えば、「ペンタエリスリトール(トリ)テトラアクリレート」は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリ体)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(テトラ体)、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物を意味する。
同様に、「ジペンタエリスリトール(ペンタ)ヘキサアクリレート」は、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(ペンタ体)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ヘキサ体)、又はジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物を意味する。
重合性成分(C)の含有割合は、重合性成分(P)の全体量100質量%のうち、0〜50質量%の範囲に設定することができる。十分な添加効果を得る点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。重合性成分(C)の添加量が多すぎると、重合性成分(B)等の他の重合性成分との相溶性の問題で活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびその硬化物の透明性を維持できなくなる場合がある。また、他の重合性成分の含有量を十分に確保する点から、重合性成分(C)の含有割合は、49.5質量%以下に設定でき、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
[重合性成分(D)]
その他の重合性成分(D)は、重合性成分(P)中の他の重合性成分との共重合性を有する重合性官能基を有し、且つ重合性成分(A)、(B)、(C)に属さないものである。重合性成分(D)が有する重合性の官能基はラジカル重合性のものが好ましく、例えば、メタクリロイル基、アクリロイル基、アクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニル基等を挙げることができる。重合性成分(D)で付与することができる機能としては、例えば、基材密着性、希釈性、撥水性、親水性、帯電防止性、滑り性、レベリング性、耐擦傷性、耐候性、発光性、蛍光性、発色性、導電性、屈折率調整、酸化防止などが挙げられる。
単官能の重合性成分(D)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、酢酸ビニル等、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、アクリル酸2−ターシャリーブチル−6−(3−ターシャリーブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル、アクリル酸2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−ターシャリーペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−ターシャリーペンチルフェニル、3−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェネチル=メタクリラート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート等のフッ素を含有する(メタ)アクリレートを挙げることができる。
2官能の重合性成分(D)は、重合性成分(A)と重合性成分(B)に含まれない2官能の重合性成分を全て含む。このような2官能の重合性成分(D)としては、例えば、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、(水添)ポリブタジエン末端(メタ)アクリレート、2官能のウレタン(メタ)アクリレート、2官能のエポキシ(メタ)アクリレート、2官能のポリエステル(メタ)アクリレート、フッ素を含有する2官能の(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
重合性成分(D)の含有割合は、重合性成分(A)、重合性成分(B)、重合性成分(C)の機能を阻害しない範囲であれば特に制限されるものではないが、例えば、0〜50質量%の範囲に設定することができ、0〜30質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましい。
重合性成分(P)は、重合性成分の全体量100質量%に対して、ポリオキシアルキレン骨格を有する重合性成分の含有量が10質量%未満であることが好ましい。ポリオキシアルキレン骨格を有する重合性成分を10質量部以上含有すると、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物が親水性となり、微細凹凸構造を有する物品が十分な撥水性を発揮できない恐れがあり、また耐擦傷性や耐候性が低下してしまう恐れがある。ポリオキシアルキレン骨格を有する重合性成分の含有量は、重合性成分の全体量100質量%に対して8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
また、重合性成分(P)は、重合性成分の全体量100質量%に対して、脂環構造を有する成分の重合成分の含有量が17質量%未満であることが好ましい。脂環構造を有する重合性成分を17質量%以上含有すると、硬化物のTgが上昇し、微細凹凸構造を形成した場合に凹凸を形成する凸部が脆くなり、耐擦傷性が低下してしまう恐れがある。脂環構造を有する重合性成分の含有量は、重合性成分の全体量100質量%に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることがさらに好ましい。
[光重合開始剤(E)]
光重合開始剤(E)は、活性エネルギー線を照射することで開裂し、重合反応を開始させるラジカルを発生する化合物である。活性エネルギー線としては、装置コストや生産性の点から、紫外線が好ましい。
紫外線によってラジカルを発生する光重合開始剤(E)としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、チオキサントン類(2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等)、アセトフェノン類(ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等)、ベンゾインエーテル類(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等)、アシルホスフィンオキシド類(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等)、メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
光重合開始剤(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。併用する場合は、吸収波長の異なる2種以上を併用することが好ましい。また、必要に応じて、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、過酸化物(ベンゾイルパーオキシド等)、アゾ系開始剤等の熱重合開始剤を併用してもよい。
光重合開始剤(E)の含有率は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)が含む重合性成分(P)の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.2〜3質量部がさらに好ましい。光重合開始剤(E)の含有量が少なすぎると、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)の硬化が完結せず、微細凹凸構造を表面に有する物品の機械物性を損なう場合がある。光重合開始剤(E)の含有量が多すぎると、硬化物内に未反応の光重合開始剤(E)が残り、可塑剤として働いてしまい、硬化物の弾性率を低下させ、耐擦傷性を損なう場合もある。また、着色の原因となる場合もある。
[その他の成分(G)]
その他の成分(G)は、必要に応じて添加される成分で、上記の重合性成分(P)、光重合開始剤(E)、内部離型剤(F)以外の成分である。その他の成分(G)は、難燃助剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、密着性付与剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤などを含む。その他、ラジカル重合性の官能基を有さないオリゴマーやポリマー、微量の有機溶媒等を含んでいてもよい。また、内部離型剤(F)以外の離型性付与成分を併用しても良い。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン系重合禁止剤として、ヒドロキノン(HQ)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、フェノール系重合禁止剤として、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、カテコール、ピクリン酸、ターシャリーブチルカテコール、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール(BHT)、4,4’−チオビス[エチレン(オキシ)(カルボニル)(エチレン)]ビス[2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール]、などが挙げられる。フェノチアジン系重合禁止剤としては、フェノチアジン、ビス(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェノチアジン、等が挙げられる。ここで挙げた重合禁止剤のうち、BHTなどのフェノール系重合禁止剤は、酸化防止剤としても使用することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ベンズイミダゾール系、リン系、イオウ系、ヒンダードアミン系などの酸化防止剤が挙げられる。市販品としては、BASF社製の「IRGANOX」(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の酸化防止剤が挙げられる。ヒンダードアミン系のラジカル補足剤である1次酸化防止剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。BASF社製、商品名:Chimassorb 2020FDL,Chimassorb 944FDL,Tinuvin 622SF,Uvinul 5050H,Tinuvin 144,Tinuvin 765,Tinuvin 770DF,Tinuvin4050FF。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系、トリアジン系などが挙げられる。市販品としては、BASF社製の商品名:チヌビン400、チヌビン479、共同薬品(株)製の商品名:Viosorb110等が挙げられる。
[樹脂組成物の粘度]
本発明の実施形態による樹脂組成物(X)は、スタンパにより微細凹凸構造を形成して硬化させる場合、スタンパの表面の微細凹凸構造への流れ込みやすさの点から、適度な粘度を有することが好ましい。25℃における回転式B型粘度計で測定した、樹脂組成物の粘度は10000mPa・s以下が好ましく、より好ましくは5000mPa・s以下であり、更に好ましくは2000mPa・s以下である。なお、樹脂組成物が、25℃における粘度が10000mPa・s以上であっても、加温により上記範囲の粘度とすることによりスタンパに接触可能であるならば、好適に用いることができる。この場合、樹脂組成物の70℃における回転式B型粘度計での粘度が、5000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがより好ましい。また、樹脂組成物の粘度が10mPa・s以上であれば、スタンパとの接触が可能であり、微細凹凸構造を表面に有する硬化物を形成することができる。
樹脂組成物の粘度の調整には、含有させるモノマーの種類や含有量を選択したり、粘度調整剤を用いて調整することができる。具体的には、水素結合等の分子間相互作用を有する官能基や化学構造を含むモノマーを多量に用いると、樹脂組成物の粘度は高くなる。また、分子間相互作用のない低分子量のモノマーを多量に用いると、樹脂組成物の粘度は低くなる。
本発明の実施形態による樹脂組成物(X)は、粘度が比較的低いにもかかわらず、得られる硬化物は適度な硬度を有することができる。その結果、スタンパの剥離を良好に行うことができ、且つ形成された微細凹凸構造が維持され、耐擦傷性が高く、しかも、すぐれた撥水性を発揮する硬化物を得ることができる。
[成形品(微細凹凸構造体)/微細凹凸構造を有する物品]
本発明の実施形態による樹脂組成物(X)は、重合及び硬化させて成形品とすることができる。そのような成形品として、特に微細凹凸構造を表面に有する微細凹凸構造体は極めて有用である。このような微細凹凸構造体を用いた物品(微細凹凸構造を有する物品)としては、例えば、基材と、表面に微細凹凸構造を有する硬化樹脂層(微細凹凸構造体)を有するものを挙げることができる。
このような微細凹凸構造体を用いた物品の一例の模式断面図を図1に示す。
図1(a)に示す微細凹凸構造を有する物品10は、基材11(基材11上に形成されたコーティング層15)上に、本発明の実施形態による活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)を硬化させた硬化樹脂層(表層)12が積層されたものである。硬化樹脂層12の表面は、微細凹凸構造を有する。この微細凹凸構造においては、円錐状の凸部13(凹部14)がほぼ等間隔w1で形成されている。凸部13の形状は、高さ方向に垂直な断面(基材平面と平行な面)における断面積が、凸部の頂点側から基材側に、連続的に増大する形状であることが好ましい。このような形状により、屈折率を連続的に増大させることができ、波長による反射率の変動(波長依存性)を抑制し、可視光の散乱を抑えて、低反射率の微細凹凸構造を形成できる。また、本発明の実施形態による樹脂組成物(X)を用いて形成された、微細凹凸構造を有する物品は、複数の凸部を有する部分における水の接触角度が80度以上である。
微細凹凸構造において、凸部(凹部)の間隔w1は、可視光の波長(具体的には、400〜780nm)以下の距離とすることが好ましい。凸部の間隔w1が400nm以下であれば、可視光の散乱を抑制でき、反射防止膜として光学用途に好適に使用できる。w1は、50〜400nmがより好ましく、50〜250nmがさらに好ましく、80〜200nmが特に好ましい。
また、凸部の高さ(凹部の深さ)、すなわち、凹部の底点14aと凸部の頂部13aとの垂直距離d1(以下、特に断らない限り「凸部の高さ」又は「d1」という)は、波長により反射率が変動するのを抑制できる深さとすることが好ましい。具体的には、60nm以上が好ましく、90nm以上がより好ましく、150nm以上が更に好ましく、180nm以上が特に好ましい。d1が150nm近傍では、人が一番認識しやすい550nmの波長域光の反射率を最も低くすることができ、d1が150nm以上になると、d1が高いほど、可視光域における最高反射率と最低反射率の差が小さくなる。このため、d1が150nm以上であれば、反射光の波長依存性が小さくなり、目視での色味の相違は認識されなくなる。
ここで凸部の間隔w1及び高さd1は、電界放出形走査電子顕微鏡(商品名:JSM−7400F、日本電子(株)製)による加速電圧3.00kVの画像における測定により得られる測定値の算術平均値を採用することができる。
また、凸部13は、図1(b)に示すような、釣鐘状であってもよい。その他、垂直面における断面積が、凸部の頂点側から基材側に、連続的に増大する形状として、例えば円錐台状を採用することができる。
微細凹凸構造としては、略円錐形状、角錐形状等の突起(凸部)が規則的に配列した構造が好ましい。凸部の形状は、高さ方向に垂直な断面(基材平面と平行な面)の断面積が基材側から頂部に向かって連続的に減少する形状、すなわち、凸部の高さ方向に沿った断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
微細凹凸構造は図1に示す実施形態に限定されるものではない。微細凹凸構造は、硬化樹脂層(微細凹凸構造体)の表面に形成されていればよく、例えば、基材の片面又は両面、あるいは全面又は一部(透明性、超撥水性の必要な個所)に硬化樹脂層を設け、この硬化樹脂層の外側表面に微細凹凸構造が形成されたものを提供できる。
このような微細凹凸構造として、凸部間の間隔が可視光の波長以下であるモスアイ構造が好ましく、硬化物の表面のモスアイ構造は、空気の屈折率から硬化物(凸部の根元部分)の屈折率へと連続的に屈折率を増大させることにより、有効な反射防止手段となる。凸部間の平均間隔w1は、前述の通り、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましく、50〜400nmがより好ましく、50〜250nmがさらに好ましく、80〜200nmが特に好ましい。
凸部間の平均間隔w1は、電子顕微鏡画像において、隣接する凸部間の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、これらの測定値を算術平均して求めた値を採用する。
凸部の高さd1は、w1が上記の範囲にある場合、特に100nm付近である場合は、80nm以上が好ましく、120nm以上がより好ましく、150nm以上が特に好ましい。d1が80nm以上であれば、反射率の充分な低減を図り、かつ、波長による反射率の変動、すなわち、反射率の波長依存性が少ない。微細凹凸構造の耐擦傷性が良好となる点から、d1は500nm以下が好ましく、400nm以下がよりこのましく、300nm以下が特に好ましい。
凸部の高さd1は、電子顕微鏡の30000倍画像において、凸部の最頂部と、凸部間に存在する凹部の最底部との間の、基材平面に垂直方向に沿った高さを50点測定し、これらの測定値を算術平均して求めた値を採用する。
凸部のアスペクト比(凸部の高さd1/凸部間の平均間隔w1)は、反射率を十分に抑える点から0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.7以上が特に好ましい。耐擦傷性が良好となる点から、このアスペクト比は6以下が好ましく、4以下がより好ましく、2以下が特に好ましい。
硬化樹脂層と基材はその屈折率の差が0.2以内であることが好ましく、0.1以内がより好ましく、0.05以内が特に好ましい。屈折率差が0.2以内であれば、硬化樹脂層と基材との界面における反射を抑制することができる。
微細凹凸構造層の厚みは、例えば0.5〜100μmの範囲、好ましくは1〜50μmの範囲に設定できる。
基材としては、微細凹凸構造を有する硬化樹脂層を支持可能なものであれば、いずれであってもよいが、微細凹凸構造体をディスプレイ部材に適用する場合、透明な、すなわち光を透過するものが好ましい。透明な基材を構成する材料としては、例えば、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等の合成高分子、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等の半合成高分子;ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、それら高分子の複合物(ポリメチルメタクリレートとポリ乳酸の複合物、ポリメチルメタクリレートとポリ塩化ビニルの複合物等)、ガラス等の透明無機材料が挙げられる。
基材の形状はシート状、フィルム状等のいずれであってもよい。基材の製造方法も特に限定されず、例えば、射出成形、押し出し成形、キャスト成形等、いずれの製法により製造されたものを使用することができる。また、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の特性の改良を目的として、透明基材の表面に、コーティングやコロナ処理が施されていてもよい。
このような微細凹凸構造体は、反射防止膜として適用することができ、高い耐擦傷性を有することができる。また、樹脂組成物(X)の組成種の選択や組成比の制御によって、その硬化物について、高い耐擦傷性に加えて、優れた指紋除去性等の汚染物の除去効果を得ることができる。
[微細凹凸構造体の製造方法]
微細凹凸構造体の製造方法としては、例えば、(1)微細凹凸構造の反転構造が形成されたスタンパと基材との間に樹脂組成物を配し、活性エネルギー線の照射により樹脂組成物を硬化して、スタンパの凹凸形状を転写し、その後スタンパを剥離する方法、(2)樹脂組成物にスタンパの凹凸形状を転写してからスタンパを剥離し、その後活性エネルギー線を照射して樹脂組成物を硬化する方法等が挙げられる。これらの中でも、微細凹凸構造の転写性、表面組成の自由度の点から、(1)の方法が特に好ましい。この方法は、連続生産が可能なベルト状ロール状のスタンパを用いる場合に特に好適であり、生産性に優れた方法である。
(スタンパ)
スタンパは、微細凹凸構造体の表面に形成する微細凹凸構造の反転構造を表面に有するものである。スタンパの材料としては、金属(表面に酸化皮膜が形成されたものを含む。)、石英、ガラス、樹脂、セラミックス等が挙げられる。スタンパの形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。
スタンパに微細凹凸構造の反転構造を形成する方法は、特に限定されず、その具体例としては、電子ビームリソグラフィー法、レーザー光干渉法が挙げられる。例えば、適当な支持基板上に適当なフォトレジスト膜を塗布し、紫外線レーザー、電子線、X線等の光で露光し、現像することによって反転微細凹凸構造を形成した型を得て、この型をそのままスタンパとして使用することもできる。また、露光・現像によりパターニングされたフォトレジスト膜を介して支持基板をドライエッチングにより選択的にエッチングして、フォトレジスト膜を除去することで支持基板そのものに直接反転微細凹凸構造を形成することも可能である。
また、その他の方法として、陽極酸化ポーラスアルミナを、スタンパとして利用することも可能である。例えば、アルミニウム基材をシュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧にて陽極酸化することにより形成される20〜200nm径の細孔構造をスタンパとして利用してもよい。この方法によれば、高純度アルミニウム基材を定電圧で長時間陽極酸化した後、一旦酸化皮膜を除去し、再び陽極酸化することで、非常に高規則性の細孔を自己組織化的に形成できる。さらに、二回目に陽極酸化する工程で、陽極酸化処理と孔径拡大処理を組み合わせることで、断面が矩形でなく三角形や釣鐘型である微細凹凸構造も形成可能となる。また、陽極酸化処理と孔径拡大処理の時間や条件を適宜調節することで、細孔最奥部の角度を鋭くすることも可能である。
さらに、その他の方法として、微細凹凸構造を有する原型から電鋳法等で複製型を作製し、これをスタンパとして使用してもよい。
スタンパそのものの形状は特に限定されず、例えば、平板状、ベルト状、ロール状のいずれでもよい。特に、ベルト状やロール状にすれば、連続的に微細凹凸構造を転写でき、生産性をより高めることができる。
(樹脂組成物(X)の供給と硬化工程)
このようなスタンパと基材との間に、樹脂組成物(X)を供給し配値する。スタンパと基材間に樹脂組成物を配置する方法としては、例えば、スタンパと基材間に樹脂組成物を配置した状態でスタンパと基材とを押圧することで、成型キャビティーへ樹脂組成物を注入することができる。
スタンパと基材間に樹脂組成物を配置した後、樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して重合硬化する。重合硬化の方法としては、紫外線照射による硬化処理が好ましい。紫外線を照射するランプとしては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極ランプであるフュージョンランプ、UV−LEDを用いることができる。
紫外線の照射量は、重合開始剤の吸収波長や含有量に応じて決定すればよい。通常、その積算光量は、400〜4000mJ/cmが好ましく、400〜2000mJ/cmがより好ましい。積算光量が400mJ/cm以上であれば、樹脂組成物を十分硬化させて硬化不足に因る耐擦傷性低下を抑制することができる。また、積算光量が4000mJ/cm以下に設定することは、硬化物の着色や基材の劣化を防止する点で好ましい。照射強度も特に制限されないが、基材の劣化等を招かない程度の出力に抑えることが好ましい。
樹脂組成物の重合硬化後、スタンパを剥離して、微細凹凸構造を有する硬化物である微細凹凸構造体を得ることができる。
[微細凹凸構造体の用途]
このようにして得られる微細凹凸構造体は、その表面にスタンパの微細凹凸構造が鍵と鍵穴の関係で転写され、高い耐擦傷性を備えている。また、撥水性を有し、汚染物の付着防止効果を兼ね備えることができる。このような微細凹凸構造体は、連続的な屈折率の変化によって優れた反射防止性能を発現でき、反射防止フィルムや、立体形状の成形品の反射防止膜として好適である。
このような微細凹凸構造体は、コンピュータ、テレビ、携帯電話等の、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置のような画像表示装置のディスプレイ部材として好適である。また、レンズ、ショーウィンドウ、眼鏡レンズ等の透明部材の表面に、微細凹凸構造体を貼り付けて使用することができる。その他、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子などの光学用途や、細胞培養シートの用途にも適用できる。また、撥水性を活かしてミラーや窓などの建材、ドアミラー用フィルムやウィンドウ用フィルムなどの車載用途、船底材料などに適用できる。
[スタンパの作製方法]
微細凹凸構造体の作製に用いられるスタンパとしては、前述の通り、陽極酸化ポーラスアルミナで作製されたものが有用である。以下に、スタンパの作製方法として、アルミニウム基板の表面に、所定形状の複数の微細細孔を陽極酸化により形成する方法を、図2の工程図を用いて説明する。
工程(a)
工程(a)は、アルミニウム基材30を、定電圧下、電解液中で陽極酸化して、アルミニウム基材の表面に酸化皮膜を形成する工程である。
アルミニウム基材は、純度99%以上のアルミニウムを用いることが好ましく、より好ましくは純度99.5%以上、更に好ましくは純度99.8%以上である。アルミニウムの純度が高いと、陽極酸化したとき、不純物の偏析による可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成され難く、また、陽極酸化で形成される細孔が規則的に形成される。アルミニウム基材の形状は、ロール状、円管状、平板状、シート状等の所望の形状でよく、微細凹凸構造体を連続的なフィルムやシートとして得る場合はロール状とすることが好ましい。
アルミニウム基材は、所定の形状に加工する際に用いた油が付着していることがあるため、予め脱脂処理をし、電解研磨処理(エッチング処理)により、表面を平滑にしておくことが好ましい。
このような表面処理アルミニウム基材を陽極酸化すると、細孔31を有する酸化皮膜32が形成される。
電解液として、硫酸、シュウ酸、リン酸等を用いることができる。電解液としてシュウ酸を用いる場合、シュウ酸の濃度は0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7M以下であると、電流値を低く抑え、緻密な組織の酸化皮膜を形成できる。化成電圧は30〜60Vが好ましい。化成電圧が30〜60Vであると、周期100nm程度の規則性で細孔が形成された陽極酸化ポーラスアルミナ層が形成できる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても形成される細孔の規則性が低下する傾向がある。電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃以下であれば、いわゆる「ヤケ」の発生を抑制し、細孔が壊れたり、表面が溶けて不規則な細孔が形成されるのが抑制される。
また、電解液として硫酸を用いる場合、硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度は0.7M以下であると、電流値を低く抑え、緻密な組織の酸化皮膜を形成できる。化成電圧は25〜30Vが好ましい。化成電圧が25〜30Vであると、周期が63nm程度の規則性で細孔が形成された陽極酸化ポーラスアルミナ層が形成できる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても形成される細孔の規則性が低下する傾向がある。電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃以下であれば、いわゆる「ヤケ」の発生を抑制し、細孔が壊れたり、表面が溶けて不規則な細孔が形成されるのが抑制される。
工程(b)
工程(b)は、酸化皮膜を除去して、工程(a)において酸化皮膜に形成された細孔31部分に対応するようにアルミニウム基材の表面に陽極酸化の細孔発生点を形成する工程である。すなわち、工程(a)で形成された酸化皮膜32を除去すると、細孔31部分に対応する位置のアルミニウム基材表面に凹部33が形成されている。
この凹部33を陽極酸化の細孔発生点にすることにより規則的に配列した細孔を発生させることができる。酸化皮膜の除去には、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液を用いる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等がある。
工程(c)
工程(c)は、アルミニウム基材を再度陽極酸化し、細孔発生点に酸化皮膜を形成することにより、細孔を形成する工程である。すなわち、工程(b)において酸化皮膜を除去したアルミニウム基材30を再度陽極酸化して、円柱状の細孔35を有する酸化皮膜34を形成する。陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行うことができる。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(d)
工程(d)は、細孔の径を拡大させる工程である。すなわち、再度陽極酸化したアルミニウム基材を、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して細孔35の径を拡大させる(以下「細孔径拡大処理」という)。
酸化皮膜を溶解する溶液として、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等を用いることができる。細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径を拡大することができるので、目的とする形状に応じて、処理時間を設定する。
工程(e)
工程(e)は、細孔径拡大処理後のアルミニウム基材を再び陽極酸化する工程である。アルミニウム基材を再び陽極酸化すると、酸化皮膜34が厚くなるのに伴い、細孔35の深さが伸張される。なお、陽極酸化は工程(a)(及び工程(c))と同様の条件で行うことができる。陽極酸化の時間を長くするほど細孔を深く形成できる。
工程(f)
工程(f)は、工程(d)と工程(e)を繰り返し行い、細孔35の径拡大と伸張を反復する工程である。この工程により、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔35を有する酸化皮膜34が形成され、その結果、複数の微細細孔を有する陽極酸化アルミナがアルミニウム基材の表面に形成されたスタンパ20を得ることができる。工程(f)の最後は工程(d)で終わることが好ましい。
工程(f)の繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が3回以上であれば、連続的に直径が変化する細孔を形成することができ、このようなスタンパにより、反射率を低減させ得るモスアイ構造の表面を有する硬化物を形成することができる。
細孔35の形状としては、物品の表面に形成する微細凹凸構造の反転構造であって、具体的には、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられ、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔35間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下であることが好ましく、また、20nm以上が好ましい。細孔間の平均間隔は、電子顕微鏡画像における隣接する細孔間の間隔(細孔の中心から隣接する細孔の中心までの距離)を50点測定し、これらの値の平均値を採用する。
細孔35の深さは、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが更に好ましく、特に平均間隔が100nm程度の場合は、このような範囲にあることが望ましい。細孔の深さは、電子顕微鏡30000倍画像における、細孔の最底部と頂部間の距離を50点測定し、これらの値の平均値を採用する。
細孔35のアスペクト比(深さ/平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が更に好ましい。
スタンパの微細凹凸構造が形成された側の表面を離型剤で処理してもよい。離型剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ素化合物、リン酸エステル等が挙げられ、リン酸エステルが特に好ましい。市販品としては、アクセル社製の商品名:モールドウイズINT−1856、日光ケミカルズ社製の商品名:TDP−10、TDP−8、TDP−6、TDP−2、DDP−10、DDP−8、DDP−6、DDP−4、DDP−2、TLP−4、TCP−5、DLP−10、城北化学工業社製の商品名:JP−506H、JP−512、JP−513、JAMP−8、JAMP−12、大八化学工業社製の製品名:AP−8、AP−10、MP−10、SC有機化学社製の商品名:Phoslexシリーズ:A−8、A−10、A−12、A−13、A−18、A−18D、A−180L、などが挙げられる。
上記で作製したスタンパを用いて形成された微細凹凸構造を表面に有する物品は、例えば図1(a)に示すように、基材11の表面に形成された硬化樹脂層12を有する。硬化樹脂層12は、樹脂組成物を上記のスタンパと接触させ硬化させた樹脂硬化物から形成された複数の凸部13を有する微細凹凸構造を有している。
[インプリント用原料など]
本発明のインプリント用原料は、本発明の樹脂組成物を含むものであれば、特に制限されるものではなく、樹脂組成物をそのまま用いることができるが、目的とする成形品に応じて、各種添加剤を含有させることも可能である。
インプリント用原料は、スタンパを用いて、UV硬化或いは、さらに加熱硬化による硬化物の成形に使用することもできる。加熱などによって半硬化させた状態の樹脂組成物にスタンパを押し当て、形状転写した後にスタンパから剥がし、熱やUVによって完全に硬化させる、という方法を用いることもできる。
上記樹脂組成物は、その他、種々の基材上に硬化被膜を形成する原料として使用することもでき、コーティング材として塗膜を形成し、活性エネルギー線を照射して硬化物を形成することもできる。
[微細凹凸構造を有する物品の連続的製造方法]
微細凹凸構造を表面に有する物品は、例えば、図3に示す製造装置を用いて、連続的に製造することができる。
図3に示す製造装置には、表面に微細凹凸構造の反転構造(図示略)を有するロール状スタンパ41と、樹脂組成物を収納するタンク43とが設けられている。ロール状スタンパ41の回転と共にその表面に沿って移動する透光性の帯状フィルムの基材42とロール状スタンパ41との間に、タンク43から樹脂組成物が供給される。ロール状スタンパ41と、空気圧シリンダ45によってニップ圧が調整されたニップロール46との間に、基材42及び樹脂組成物が挟まれ、樹脂組成物は、基材42とロール状スタンパ41との間で均一に行きわたると同時に、ロール状スタンパ41の微細凹凸構造の凹部内を充填する。ロール状スタンパ41の下方には活性エネルギー線照射装置48が設置され、基材42を通して樹脂組成物に活性エネルギー線が照射され、樹脂組成物を硬化できるようになっている。これにより、ロール状スタンパ41の表面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44が形成される。その後、剥離ロール47により、表面に微細凹凸構造が形成された硬化樹脂層44と基材42が一体化された連続した物品(微細凹凸構造体)40がロール状スタンパ41から剥離される。
活性エネルギー線照射装置48としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が好ましく、この場合の光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。基材42の材質としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等を用いることができる。
[微細凹凸構造を有する物品の用途]
本発明の実施形態による微細凹凸構造を有する物品は、微細凹凸構造の耐擦傷性が高く、優れた撥水性を有するため、反射防止物品(反射防止フィルム、反射防止膜等)、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子等の光学物品、また撥水フィルム、としての用途展開が期待でき、特に反射防止物品と撥水フィルムとしての用途に適している。
反射防止物品としては、例えば、画像表示装置(液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置等)、レンズ、ショーウィンドウ、眼鏡等の表面に設けられる反射防止膜、反射防止フィルム、反射防止シート等が挙げられる。画像表示装置に用いる場合は、画像表示面に反射防止フィルムを直接貼り付けてもよく、画像表示面を構成する部材の表面に反射防止膜を直接形成してもよく、前面板に反射防止膜を形成してもよい。
撥水フィルムとしては、自動車用ドアミラーやウィンドウ類の着滴防止フィルム、あるいは着雪防止フィルムとして使用することができる。また、太陽電池や建材用ガラスなどの屋外で使用する透明基材に使用することで光透過率向上の効果と撥水性による防汚性付与の効果を同時に利用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。先ず、評価方法及びスタンパの製造例を説明する。
[評価方法]
[1.硬化性液の外観]
硬化性液(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)の外観は、透明なガラス瓶(容量20mL)に硬化性液を10mL入れ、室温23℃の条件下で蛍光灯にかざして濁りが無いかを目視で観察し、以下の指標により評価した。
○:全く濁りが無く、透明である。
×:濁りがある。
[2.耐擦傷性]
磨耗試験機(新東科学社製、製品名:HEiDON TRIBOGEAR TYPE−30S)を用い、物品の表面に置かれた2cm角にカットしたスチールウール(日本スチールウール社製、製品名:ボンスター#0000)に100g(25gf/cm2=0.245N/cm2)の荷重をかけ、往復距離:30mm、ヘッドスピード:平均100mm/秒にて10回往復させ、物品の表面の外観を評価した。外観評価に際しては、2.0mm厚の黒色アクリル板(三菱レイヨン社製、製品名:アクリライト)の片面に物品を貼り付け、屋内で蛍光灯にかざして目視で観察し、以下の指標により評価した。
A:擦傷部分の中で確認できる傷が10本未満である。
B:擦傷部分の中で確認できる傷が10本以上50本未満である。
C:擦傷部分の中で確認できる傷が50本以上。もしくは擦傷部分が白く曇って見える。
[3.連続転写性試験]
スタンパの微細凹凸構造が形成された側に10μLの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を滴下し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PETフェルム」と記す。)を被せた後、50Nの荷重を印加した。その後、UV照射機(高圧水銀ランプ、積算光量1100mJ/cm)によって紫外線を照射して、樹脂組成物を硬化させた。ついで、PETフィルムごと硬化樹脂層をスタンパから離型することによりPETフィルムの表面に微細凹凸構造を転写した物品を得た。以上の転写作業を1つのスタンパに対して繰り返し行い、転写回数が200回目の時にスタンパからの剥離力を測定した。剥離力の測定は、スタンパから硬化後のサンプル(PETフィルム上の硬化樹脂層)を離型する際に、スタンパを被着体、硬化樹脂層と基材(PETフィルム)を粘着テープに見立てて、JISZ0237に準拠する90°剥離試験を行い、スタンパからの離型時の剥離力を測定した。
[4.水接触角]
自動接触角計(協和界面科学社製、製品名:DM−501)を用い、物品の表面にイオン交換水を1μL滴下し、接触角を測定した。接触角の測定は3点で実施し、その平均値を採用した。
[5.スタンパの細孔の測定]
陽極酸化ポーラスアルミナからなるスタンパの一部の縦断面を1分間Pt蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、製品名:JSM−7400F)により加速電圧3.00kVで観察し、隣り合う細孔の間隔(周期)及び細孔の深さを測定した。具体的にはそれぞれ10点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
[微細凹凸構造転写用スタンパの作製]
純度99.99質量%、電解研磨した厚さ2mmのφ65mmアルミニウム円盤をアルミニウム基材として用いた。
工程(a):
このアルミニウム円盤について、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
工程(b):
酸化皮膜が形成されたアルミニウム円盤を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に3時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
工程(c):
酸化皮膜を除去したアルミニウム円盤について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒間陽極酸化を行った。
工程(d):
酸化皮膜が形成されたアルミニウム円盤を、32℃の5質量%リン酸水溶液に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
工程(e):
この処理後のアルミニウム円盤について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒間陽極酸化を行った。
工程(f):
前記工程(d)および工程(e)を合計で5回繰り返し、細孔の平均間隔(周期):100nm、深さ:200nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたモールド(スタンパ)を得た。
得られたモールドを、離型剤(商品名:TDP−8、日光ケミカルズ社製)の0.1質量%水溶液に10分間浸漬し、引き上げて一晩風乾することにより離型処理を施した。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)]
実施例及び比較例で用いた、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)に含まれる重合性成分(A)、重合性成分(B)、重合性成分(C)、その他の重合性成分(D)、光重合開始剤(E)、その他の成分(G)、内部離型剤(F)は、下記の表1のとおりである。
Figure 2016158979
[実施例1]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)として、表2に示す組成の樹脂を調製した。この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を微細凹凸構造転写用スタンパの表面に数滴垂らし、PETフィルム(東洋紡社製、製品名:A4300、厚さ:50μm)で押し広げながら被覆した。その後、フィルム側から無電極タイプのUVランプ(ヘレウス社製、Dバルブ)を用いて365nmの波長で測定した積算光量が1000mJ/cmになるように紫外線を照射して、樹脂組成物を硬化させた。PETフィルムごと硬化樹脂層をスタンパから離型して、凸部の平均間隔w1:100nm、高さd1:200nmの微細凹凸構造を表面に有する物品を得た。評価結果を表2に示す。
[実施例2〜4]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)を表2に示したものに変更した以外は、実施例1と同様に、微細凹凸構造を表面に有する物品を作製し、評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例1〜3]
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(X)を表2に示したものに変更した以外は、実施例1と同様に、微細凹凸構造を表面に有する物品を作製し、評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2016158979
[評価結果/実施例と比較例の対比]
表2から、実施例1〜4は、内部離型剤(F)の効果でスタンパからの剥離力が十分に低く、離型性に優れることがわかる。また、実施例1〜4は、得られた微細凹凸構造を表面に有する物品の耐擦傷性が優れていることに加えて、水接触角が大きく、撥水性も高いことがわかる。一方、比較例1及び2では、内部離型剤(F)を含まないため、スタンパからの剥離力が高く、得られた微細凹凸構造表面の接触角も低くなっている。
具体的には、実施例1と比較例1、比較例2とを対比すると、重合性成分(A)、重合性成分(B)、重合性成分(C)、光重合開始剤(E)は全て同じ組成であり、違いは内部離型剤(F)及びその他の成分(G)の有無にある。内部離型剤(F)であるJP−513を0.5w%含む実施例1では200回転写時の剥離力が5[N/m]と十分に低く、水接触角も142[°]で超撥水になっている。一方、リン酸トリエステルであるTOPとTDP−2をそれぞれ含む比較例1と比較例2では、剥離力が高くなるだけでなく、水接触角も低くなっていることが分かる。
比較例3は、重合性成分(A)を含まず、重合性成分としてオキシエチレン基含有成分(成分(D))を多く含む樹脂組成物の場合であるが、実施例と比較して剥離力が高くなるだけでなく、水接触角も非常に低くなっていることが分かる。よって、内部離型剤(F)は、重合性成分(A)や重合性成分(B)との組み合わせにおいて特に優れた効果を発揮することが分かる。
本発明の実施形態による微細凹凸構造を表面に有する物品は、反射防止物品(反射防止フィルム、反射防止膜等)、超撥水物品(超撥水フィルム、防汚フィルム等)、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子等の光学物品、細胞培養シートとしての用途展開が期待でき、特に反射防止物品および超撥水物品としての用途に適している。
反射防止物品としては、例えば、画像表示装置(液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置等)、レンズ、ショーウィンドウ、眼鏡等の表面に設けられる反射防止膜、反射防止フィルム、反射防止シート等が挙げられる。
超撥水物品としては、例えば、自動車等の輸送機器のミラー(ドアミラー等)用のフィルム、水回り用リフォームフィルム、ウィンドウフィルム等の建材用のフィルムが挙げられる。
10 積層体(微細凹凸構造を有する物品)
11 基材
12 表層(樹脂硬化層)
13、13b 凸部
13a 凸部の頂点
14 凹部
14a 凹部の底点
15 コーティング層
W1 隣り合う凸部の間隔
d1 凹部の底点から凸部の頂点までの垂直距離
20 スタンパ
30 アルミニウム基材
31 細孔
32 酸化皮膜
33 細孔発生点
34 酸化皮膜
35 細孔
40 微細凹凸構造を有する物品
41 ロール状スタンパ
42 基材
43 タンク
44 硬化樹脂層
45 空気圧シリンダ
46 ニップロール
47 剥離ロール
48 活性エネルギー線照射装置

Claims (20)

  1. 複数の凸部を表面に有する物品であって、
    前記複数の凸部は、隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下であり、
    前記複数の凸部は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記物品の前記複数の凸部を有する部分の水接触角度が80度以上であり、
    前記活性エネルギー線硬化樹脂性組成物は、重合性成分(P)と光重合開始剤(E)と内部離型剤(F)を含み、前記内部離型剤(F)として、モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートの少なくとも一方を含む、物品。
  2. 前記重合性成分(P)が、該重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、Fedors法により計算されるSP値が19.6以下の重合性成分(A)を50質量%以上100質量%以下含有する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記重合性成分(A)が、炭素数6以上のアルカンジオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物であるアルカンジオールジ(メタ)アクリレートである、請求項2記載の物品。
  4. 前記重合性成分(P)が、重合性成分(B)として、シリコーン(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一方をさらに含む、請求項3に記載の物品。
  5. 重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
    重合性成分(A)の含有率が50〜99.5質量%であり、
    重合性成分(B)の含有率が0.5〜50質量%である、請求項4に記載の物品。
  6. さらに、重合性成分(C)として、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含み、
    重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
    重合性成分(A)の含有率が50〜89.5質量%であり、
    重合性成分(B)の含有率が0.5〜40質量%であり、
    重合性成分(C)の含有率が10〜49.5質量%である、請求項5に記載の物品。
  7. 前記シリコーン(メタ)アクリレートが、非オキシアルキレン化シリコーン(メタ)アクリレートである、請求項4に記載の物品。
  8. 内部離型剤(F)の含有率は、重合性成分(P)の全体量100質量部に対して、0.01〜2.0質量部である、請求項1に記載の物品。
  9. 前記重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
    ポリオキシアルキレン骨格を有する重合性成分の含有率が10質量%未満である、請求項1に記載の物品。
  10. 前記重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、脂環構造を有する重合性成分の含有量が17質量%未満である、請求項1記載の物品。
  11. 前記物品の前記複数の凸部を有する部分の水接触角度が135度以上である、請求項1記載の物品。
  12. 隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下である複数の凸部を表面に有する微細凹凸構造をインプリント法により形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が、少なくとも重合性成分(P)と光重合開始剤(E)と内部離型剤(F)を含み、
    前記重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、重合性成分(A)として、炭素数6以上のアルカンジオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物であるアルカンジオールジ(メタ)アクリレートを50質量%以上100質量%以下含有し、
    前記重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、脂環構造を有する重合性成分の含有量が17質量%未満であり、
    内部離型剤(F)が、モノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェートの少なくとも一方を含む、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  13. 重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
    ポリオキシアルキレン骨格を有する重合性成分の含有率が10質量%未満である、請求項12に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  14. 重合性成分(P)が、重合性成分(B)として、シリコーン(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一方をさらに含む、請求項12に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  15. 重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
    重合性成分(A)の含有率が50〜99.5質量%であり、
    重合性成分(B)の含有率が0.5〜50質量%である、請求項14に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  16. さらに、重合性成分(C)として、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを含み、
    重合性成分(P)の全体量100質量%に対して、
    重合性成分(A)の含有率が50〜89.5質量%であり、
    重合性成分(B)の含有率が0.5〜40質量%であり、
    重合性成分(C)の含有率が10〜49.5質量%である、請求項15に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  17. 前記シリコーン(メタ)アクリレートが、非オキシアルキレン化シリコーン(メタ)アクリレートである、請求項14に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  18. 前記アルキル(メタ)アクリレートが、アルキル基の炭素数が8〜22のアルキル(メタ)アクリレートである、請求項14に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  19. 内部離型剤(F)の含有率は、重合性成分(P)の全体量100質量部に対して、0.01〜2.0質量部である、請求項12に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  20. 請求項12記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、隣り合う凸部同士の平均間隔が400nm以下である複数の凸部を表面に有する微細凹凸構造を表面に有する物品であって、
    前記微細凹凸構造の表面における水の接触角度が80度以上である物品。
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