JP2015214101A - ナノインプリント用モールドおよびその製造方法、微細凹凸構造を表面に有する成形品、並びにナノインプリント用モールドとして用いられるアルミニウム基材 - Google Patents

ナノインプリント用モールドおよびその製造方法、微細凹凸構造を表面に有する成形品、並びにナノインプリント用モールドとして用いられるアルミニウム基材 Download PDF

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Abstract

【課題】凹み状欠陥の少ないナノインプリント用モールド及びその製造方法、前記ナノインプリント用モールドを用いて製造された微細凹凸構造を表面に有する成形品、並びにナノインプリント用モールドとして好適に用いることのできるアルミニウム基材の提供。
【解決手段】アルミニウム基材10の表面12に、複数の細孔16を有する酸化被膜14が形成されたナノインプリント用モールド1を製造する方法は、研磨液と、研磨体を用いてアルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材10を得る工程(I)と、工程(I)の後に、陽極酸化によってアルミニウム基材10の表面12に酸化被膜14を形成する工程(II)とを含み、前記研磨液は、還元剤、及び酸化剤から選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、又はアルカリ性の水溶液であるナノインプリント用モールド1の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はナノインプリント用モールドおよびその製造方法、微細凹凸構造を表面に有する成形品、並びにナノインプリント用モールドとして用いられるアルミニウム基材に関する。
近年、可視光の波長以下の周期を有する微細凹凸構造を表面に有するフィルムなどの物品は、反射防止効果、ロータス効果等を発現することが知られている。特に、微細な略円錐形状の凸部を並べた「モスアイ構造」と呼ばれる凹凸構造を表面に有する物品は、屈折率が、空気の屈折率から物品の材料の屈折率へと連続的に増大していくため、有効な反射防止の手段となることが知られている。
微細凹凸構造の形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィ、電子線露光、X線露光等の微細なパターン形成技術をはじめとする半導体加工技術によって、基材の表面に直接的にナノ構造を作製する方法等が知られている。しかしながらこのような方法は、大型加速器設備を使った高品質なX線源(例えば、波長均一性、直進性等)を必要とする為、製造装置が高価となる。また、微細凹凸構造を大面積の領域に形成することや、ロール状の基材の表面に微細凹凸構造を形成することが難しいという問題もある。
一方、陽極酸化法は、比較的大面積の領域に安価に微細凹凸構造を形成できることから、様々な用途への応用が期待されている。
アルミニウム基材の表面に複数の細孔を有する陽極酸化被膜を形成する方法としては、例えば、特許文献1に記載の方法が挙げられる。
また、陽極酸化法により形成された微細凹凸構造を、物品の表面に転写する方法としては、例えば、円筒状のアルミニウム基材の外周面に、複数の細孔を有する酸化被膜が形成されたモールドと、基材(シート材)との間に、硬化性樹脂組成物を供給して硬化させ、モールドの微細凹凸構造を物品本体の表面に転写する方法(ナノインプリント法)が知られている。
特開2005−156695号公報
ナノインプリント用のモールドを製造する際には、先ずアルミニウム母材の表面を研磨して表面が平滑なアルミニウム基材を作製し、その後前記アルミニウム基材を陽極酸化することによって、複数の細孔からなる微細凹凸構造をアルミニウム基材の表面に付与している。
アルミニウム母材を研磨すると、使用するアルミニウム母材の材質や研磨条件によっては、得られるアルミニウム基材の表面に凹み状の欠陥が生じる場合がある。この欠陥の直径が大きくなると、最終的に得られる光透過性フィルム等の物品に前記欠陥が転写されて、問題となる場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アルミニウム母材の研磨工程で発生する凹み状欠陥を抑制できるナノインプリント用モールドの製造方法、凹み状欠陥の少ないナノインプリント用モールド、及び前記ナノインプリント用モールドを用いて製造された微細凹凸構造を表面に有する成形品、並びにナノインプリント用モールドとして好適に用いることのできるアルミニウム基材の提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、アルミニウム母材を研磨する工程において、還元剤、及び酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液である研磨液と、研磨体を使用してアルミニウム母材を研磨することにより、アルミニウム基材の表面に、凹み状欠陥が生じることを抑制できることを見出した。
すなわち、本発明の態様は、以下の特徴を有する。
[1]アルミニウム基材の表面に、複数の細孔を有する酸化被膜が形成されたナノインプリント用モールドを製造する方法であって、研磨液と、研磨体とを用いてアルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材を得る工程(I)と、前記工程(I)の後、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の表面に前記酸化被膜を形成する工程(II)とを含み、前記研磨液が、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液であることを特徴とする、ナノインプリント用モールドの製造方法。
[2]前記研磨液が前記還元剤を含むことを特徴とする、[1]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[3]前記還元剤が、亜二チオン酸ナトリウムであることを特徴とする、[2]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[4]前記研磨液中の前記還元剤の濃度が、100ppm以上であることを特徴とする、[2]または[3]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[5]前記研磨液が前記酸化剤を含むことを特徴とする、[1]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[6]前記酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする、[5]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[7]前記研磨液中の前記酸化剤の濃度が、0.1ppm以上であることを特徴とする、[5]または[6]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[8]前記研磨剤が、研磨砥粒であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの製造方法によって得られるナノインプリント用モールドであって、前記工程(I)の後、前記アルミニウム基材を前記研磨液中に浸漬保持した後の、アルミニウム基材表面に存在する、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が、54個/mm以下であることを特徴とする、ナノインプリント用モールド。
[10]微細凹凸構造を表面に有する成形品であって、前記微細凹凸構造が、[9]に記載のナノインプリント用モールドの表面に形成された複数の細孔からなる微細凹凸構造の反転構造であり、前記成形品表面に存在する、直径が100μm以上の欠陥の数が、0.05個/cm以下であることを特徴とする、成形品。
[11][1]〜[6]のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの製造方法における、工程(I)によって得られるアルミニウム基材であって、前記アルミニウム基材を、前記研磨液に浸漬保持した後の前記アルミニウム基材表面に存在する、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が、54個/mm以下であることを特徴とする、アルミニウム基材。
本発明によれば、アルミニウム母材を研磨する工程で発生する凹み状欠陥を抑制することのできるナノインプリント用モールドの製造方法、及び凹み状欠陥の少ないナノインプリント用モールド、並びに前記ナノインプリント用モールドを用いて製造された微細凹凸構造を表面に有する成形品を提供することができる。更に本発明によれば、ナノインプリント用モールドとして用いられるアルミニウム基材であって、表面に凹み状欠陥の少ないアルミニウム基材を提供することができる。
本発明のナノインプリント用モールドの製造方法における工程(II)の一例を示した断面図である。 本発明の微細凹凸構造を表面に有する成形品の製造装置の一例を示す構成図である。 本発明の微細凹凸構造を表面に有する成形品の一例を示す断面図である。 (a)はアルミニウム基材表面の凹み状欠陥の電子顕微鏡写真であり、(b)は、凹み状欠陥1のEDSスペクトルであり、(c)は凹み状欠陥1の周辺部2のEDSスペクトルである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「細孔」とは、アルミニウム基材表面の酸化被膜に形成された微細凹凸構造の凹部のことをいう。
また、「細孔の平均間隔」とは、隣接する細孔同士の中心間距離の平均値を意味する。具体的には、電子顕微鏡観察によって隣接する細孔同士の間隔(一方の細孔の中心から、隣接する細孔の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均した値のことを意味する。
<ナノインプリント用モールドの製造方法>
本発明の1つの態様は、アルミニウム基材の表面に、複数の細孔を有する酸化被膜が形成されたナノインプリント用モールドを製造する方法であって、研磨液と、研磨体を用いてアルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材を得る工程(I)と、前記工程(I)の後に、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の表面に前記酸化被膜を形成する工程(II)とを含み、前記研磨液が、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液であることを特徴とする、ナノインプリント用モールドの製造方法である。
以下、工程(I)、及び工程(II)を含む、ナノインプリント用モールドの製造方法について説明する。
[工程(I)]
本発明の1つの態様において、工程(I)は、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液である研磨液と、研磨体を用いてアルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材を得る工程である。
本明細書において、「アルミニウム母材の表面を研磨する」とは、アルミニウム母材の外周面において、成形品に微細凹凸構造を転写する面を研磨することを意味する。
このように、アルミニウム母材表面を研磨液と研磨体とを用いて研磨することによって、得られるアルミニウム基材表面の算術平均粗さ(Ra)を、20nm以下とすることができる。
また、本明細書において「アルミニウム母材」とは、研磨される前のアルミニウム材料のことを指す。また、「アルミニウム基材」とは、アルミニウム母材を研磨して得られる、平滑な表面を有するアルミニウム材料のことを指す。
アルミニウム母材の表面を研磨する方法としては、機械研磨、化学研磨、電気化学研磨等が良く知られている。
機械研磨とは金属表面を機械的に削り取って研磨することを指す。一般には、硬度の高い研磨液を、研磨体と被研磨体である金属との間に介在させた状態で、研磨体を相対的に移動させることで機械的に研磨する。
化学研摩とは酸、またはアルカリ水溶液によって金属表面の酸化皮膜や素地を平滑化する方法である。また、電気化学研摩とは、電解液中で主に直流の電気を流すことで、アルミの表面の凹凸を溶解除去する方法である。
本発明の1つの態様においては、より高度な平滑化が可能であることから、機械研磨と化学研摩とを同時に行う方法(Chemical Mechanical Planarization:CMP法)を用いて、アルミニウム母材の表面を研磨する。
CMP法とは、酸、またはアルカリと、水との混合液、及び研磨剤とを含むスラリー状の研磨液を、布、紙、金属などの研磨体に埋め込む、および/または被研磨体と研磨体の間に研磨液を供給して、研磨体で母材を擦ることにより、研磨液に含まれる研磨剤の鋭利な部分で、母材を削りつつ、酸、またはアルカリによって母材表面を平滑化する研磨手法である。
本発明の1つの態様においては、より高度な鏡面化が可能であることから、機械研磨と化学研磨とを同時に行うCMP法にて、アルミニウム母材の表面を研磨する。
すなわち、本発明の1つの態様において、工程(I)は、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液である研磨液と、研磨体とを用いて、CMP法にてアルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材を得る工程であることが好ましい。また、本発明の1つの態様においては、CMP法と、前述の機械研磨、化学研磨、電気化学研磨等を併用してもよい。
(アルミニウム母材)
本発明の1つの態様において、ナノインプリント用モールドとして用いられるアルミニウム基材を得るための材料であるアルミニウム母材は、アルミニウム純度が、97%以上のものを用いることが好ましく、99%以上のものがより好ましく、99.7%以上のものが特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
アルミニウム母材の形状は本発明の効果を有する限り特に限定されず、板状、円柱状、円筒状等、鋳型として使用可能な形状であればどのような形状であってもよい。
本発明の1つの態様において、アルミニウム母材は、ステンレスやガラスの表面にアルミニウムを成膜したものであってもよい。
このようなアルミニウム母材を特定の研磨液を用いて研磨することにより、凹み状欠陥の少ないアルミニウム基材を得ることができる。
(研磨液)
本発明の1つの態様において、工程(I)において、アルミニウム母材を研磨するために用いられる研磨液は、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液である。
本発明の1つの態様において、研磨液のpHとしては、前記研磨液が酸性の水溶液である場合、そのpHは2〜6であることが好ましい。研磨液が酸性の水溶液である場合、pHを上記範囲に調整するために添加する酸としては、例えば、硫酸、硝酸、燐酸などの無機酸や、酪酸、クエン酸、酢酸などの有機酸等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の1つの態様において、前記研磨液がアルカリ性の水溶液である場合、そのpHは8〜12であることが好ましい。研磨液がアルカリ性の水溶液である場合、pHを上記範囲に調整するために添加するアルカリとしては、炭酸ソーダ、珪酸ソーダ、及び燐酸ソーダ等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の1つの態様において、前記研磨液は、アルカリ性の水溶液であることが好ましが、これに限定されない。例えば酸性の研磨液を用いてアルミニウム母材を研磨した後に、アルカリ性の研磨液を用いて仕上げ研磨を行うなど、pHの異なる複数の研磨液を併用してもよい。
ところで、この研磨工程中にアルミニウム母材の表面に、直径が数μm程度の凹み状の欠陥が生じることがある。このような欠陥を表面に有するアルミニウム母材から得られるモールドの表面を転写し、成形体を製造すると、成形体の表面にも前記欠陥が転写される。一般的に、前記凹み状欠陥の直径が数μm程度であれば目視での認識が困難であるため、通常の用途ではこのような欠陥を表面に有するアルミニウム基材を陽極酸化して、モールドとして用いても、特段問題が生じることはないと考えられる。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、ナノインプリントを行う際に、前記欠陥を起点に離型不良が発生し、フィルム上で視認されるような直径が100μm程度の大きな欠陥となってしまう場合があることを見出した。特に、微細凹凸構造を表面に有する光透過性フィルム等を製造するためのモールドとして用いる場合、このような凹み状欠陥が極めて大きな問題となることがある。
しかしながら、上述の凹み状の欠陥は、非常にサイズが小さいことから検査等で検出することが難しい場合がある。従って、アルミニウム基材表面の凹み状欠陥を検出するためには、後述するように工程(I)で得られたアルミニウム基材を研磨液に浸漬することにより、前記欠陥のサイズが成長することから、欠陥の検出が容易になる。
本明細書において「凹み状欠陥」とは、アルミニウム基材表面に存在する微小な凹みであって、後述する欠陥検出方法における欠陥拡大処理を施した際、直径が1μm以上20μm以下の凹みのことを意味する。
また、本発明者らがこの凹み状の欠陥が生じる原因を調べるため、欠陥内部及び周辺部の元素分析を行ったところ、アルミニウム以外の元素として鉄が存在することが明らかとなった。図4(a)〜図4(c)は、SEM−EDS(日本電子社製JSM−6060)を用い、加速電圧:15kV、無蒸着条件で、凹み状欠陥の観察、及び欠陥内部1と欠陥内部1の周辺部2の元素分析を行った結果を示す図である。
鉄の標準酸化還元電位は−0.44であり、アルミニウムの標準酸化還元電位の−1.68よりも高いため(標準酸化還元電位 第4版 電気化学便覧 電気化学協会編より)、アルミニウム中に鉄が存在すると、両元素間で電池反応、すなわちアルミニウムの腐食が進行し、アルミニウムが溶出していく。その結果、アルミニウム基材の表面上に、凹み状の欠陥が形成されると推定される。
なお、前記電池反応において、アルミニウムが溶出する際は、アルミニウムは鉄と比べて標準酸化還元電位が低いため、アルミニウムから電子が放出される、すなわち、アルミニウムが酸化されると考えられる。通常アルミニウムの表面には酸化皮膜が形成されているため、水に浸漬させただけの状態ではこのような電池反応は進行しない。しかしながら、CMP法によってアルミニウム母材表面を平滑化する方法の場合、アルミニウム母材の表面を研磨しているために酸化皮膜が削り取られ、酸化被膜を有さないアルミニウムと、水(すなわち、酸性、またはアルカリ性の研磨液)が直接接しているために、前記電池反応が進行しやすくなって凹み状の欠陥が生じると考えられる。
そこで、本発明者らはこの電池反応(腐食)を抑制する手段として、アルミニウム母材の研磨工程において、前記アルミニウム母材と接する研磨液中に、酸化剤、及び還元剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を添加することが有効であることを見出した。
(添加剤)
本発明の1つの態様において、前記研磨液は、前述の通り、酸化剤、及び還元剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を含むものである。
研磨液が還元剤を含む場合、アルミニウム基材表面の凹み状欠陥は、研磨工程中にアルミニウム母材が酸化されることで発生すると考えられるため、還元剤によりアルミニウムに電子を供給することで溶出を抑えることができる。
添加する還元剤の種類としては、研磨液に溶解するものであれば本発明の効果を有する限り特に限定されず、例えば、硫化水素、二酸化硫黄、過酸化水素、硫化鉄、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、及び亜二チオン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、工業的に取り扱い性に優れる観点から、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、または亜二チオン酸ナトリウムが好ましく、中でも亜二チオン酸ナトリウムが水に溶けやすく、かつ還元作用も強いため特に好ましい。
本発明の1つの態様において、前記研磨液中の還元剤の濃度は、濃度が低いと前述の効果が発現されにくいことから、100ppm以上が好ましく、500ppm以上がより好ましい。一方、研磨液中の還元剤の濃度が高すぎると、異臭が発生したり、モールド上に前記還元剤の残渣が生じる等の問題が生じる可能性があるため、還元剤の濃度の上限値としては、100,000ppm以下が好ましく、10,000ppm以下が特に好ましい。また、研磨液が還元剤を含む場合、前記研磨液中に溶存酸素が存在すると、還元剤が失活し、その効果が低下する恐れがあるため、予め窒素バブリングや加熱等によって水溶液中の溶存酸素を低下させてから、還元剤を添加することが好ましい。
すなわち、本発明の1つの態様において、還元剤を含む研磨液の調製方法としては、還元剤を添加する前の水溶液を、窒素バブリングする、または加熱することによって溶存酸素を低下させる工程と、前記工程の後に、還元剤を添加して研磨液を得る工程を含むことが好ましい。
本発明の1つの態様において、研磨液が酸化剤を含む場合、前述の電池反応は、アルミニウム母材表面において、鉄等の不純物が存在する箇所で局所的に発生し、その結果、得られるアルミニウム基材表面に凹み状欠陥として現れることから、酸化剤を添加してアルミニウム全体を溶出しやすくすることにより、欠陥として認識されにくくなると考えられる。添加する酸化剤の種類としては、研磨液に溶解するものであれば本発明の効果を有する限り特に限定されず、例えば、過酸化水素、オゾン、過マンガン酸カリウム、希硝酸、濃硝酸、及び次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうち、工業的に取り扱い性に優れる観点から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
本発明の1つの態様において、研磨液中の酸化剤の濃度は、濃度が低いと前述の効果が発現されにくいことから、0.1ppm以上が好ましく、1ppm以上がより好ましい。また、その上限値は、酸化剤の濃度が高すぎると、異臭や残渣の問題が生じる可能性があることから、100,000ppm以下が好ましく、10,000ppm以下が特に好ましい。
また、本発明の1つの態様において、研磨液は、酸化剤と還元剤の両方の添加剤が含まれていてもよい。研磨液が酸化剤と還元剤とを含む場合、研磨液中の還元剤、及び酸化剤の濃度は、前述の好ましい範囲とすることが好ましい。また、酸化剤と還元剤とを併用する場合、酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウムを用いることが好ましく、還元剤としては、亜二チオン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
(研磨剤)
本発明の1つの態様において、研磨液中に含まれる研磨剤としては、研磨砥粒であることが好ましい。このような研磨砥粒としては、例えば、コロイダルアルミナやコロイダルシリカを好ましく用いることができる。前記研磨剤の平均粒径としては、5nm〜10μmであることが好ましく、50nm〜8μmであることがさらに好ましい。
また、研磨剤の含有量としては、研磨液の総体積に対して、1〜50vol%であることが好ましく、5〜40vol%であることがより好ましい。
本発明の1つの態様において、工程(I)で用いる研磨液の調製方法としては、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液(以下、「研磨スラリー」と言うこともある)を調製した後、前記研磨スラリーに、還元剤、及び酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を添加して、研磨液を調製することが好ましい。また、研磨液が還元剤を含む場合、前述の通り、研磨スラリー中の溶存酸素を低下させた後、還元剤を添加して研磨液を調製することが好ましい。
このような研磨スラリーとしては、市販品を用いてもよく、例えば、扶桑化学工業株式会社製、高純度コロイダルシリカPLシリーズ、(株)フジミインコーポレーテッド製、PLANERLITEシリーズ等が挙げられる。
(研磨体)
本発明の1つの態様において、工程(I)で用いる研磨体としては、CMP法において従来使用されているものを用いることができる。具体的には、布、紙、または発泡樹脂等が挙げられる。これらのうち、弾性力と耐磨耗性の観点から、ポリエステル製不織布、または発泡ポリウレタンを用いることが好ましい。
本発明においては、上述のように酸化剤、及び還元剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を研磨液に加えることで、上述のような微小な欠陥の発生を抑制することができる。
(工程(I’))
本発明のナノインプリント用モールドの製造方法の1つの態様において、前記工程(I)の前に、通常の研磨液、すなわち、本発明の特定の添加剤を含まない研磨液と、研磨体とを用いて、CMP法にてアルミニウム母材を研磨する工程を含んでいてもよい。前記工程(I’)で用いる研磨液としては、前述の研磨スラリーを用いることができる。また、工程(I’)で用いる研磨体としては、工程(I)で用いるものと同様のものを用いることができる。
CMP法によってアルミニウム母材を研磨する場合、研磨工程でアルミニウム母材の表面に形成される酸化被膜は、一般的にアルミニウム母材よりも硬度が高い。そのため、まず酸性の研磨液を用いて、酸化被膜を適度に溶解しながら研磨を行った後、その後、アルカリ性の研磨液を用いて更にアルミニウム母材の平滑性を高める研磨を行う方法が一般的である。
すなわち、本発明のナノインプリント用モールドの製造方法が前記工程(I’)を含む場合、工程(I’)で用いる研磨液は酸性の水溶液であることが好ましく、pH2〜6の水溶液を用いることがより好ましい。また、その後の工程(I)で用いる研磨液は、アルカリ性の水溶液であることが好ましい。
すなわち、本発明のナノインプリント用モールドの製造方法の1つの態様は、研磨液(x1)と、研磨体を用いてアルミニウム母材の表面を研磨する工程(I’)と、前記工程(I’)の後に、研磨液(x2)と、研磨体を用いて前記アルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材を得る工程(I)と、前記工程(I)の後、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の表面に前記酸化被膜を形成する工程(II)とを含み、前記研磨液(x1)が研磨剤と水とを含む酸性の水溶液であり、前記研磨液(x2)が、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、アルカリ性の水溶液であることを特徴とする。
(アルミニウム基材)
本発明の1つの態様において、アルミニウム基材は、前記工程(I)において、特定の研磨液と、研磨体とを用いてアルミニウム母材を研磨することによって得られる。このように、アルミニウム母材表面を特定の研磨液と、研磨体とを用いて研磨することによって、得られるアルミニウム基材表面の算術平均粗さ(Ra)を、20nm以下とすることができる。また、本発明の工程(I)で得られるアルミニウム基材は、その表面上の凹み状欠陥が極めて少ないため、凹み状欠陥の少ないナノインプリント用モールドを製造するためのアルミニウム基材として、好適に用いることができる。
<アルミニウム基材表面の欠陥検出方法>
ところで、アルミニウム母材を研磨すると、その表面に直径が0.1〜数μmの微小な凹み状欠陥が、発生することがある。このような微小な欠陥は、サイズが小さい場合が多く、欠陥を判別することが難しい場合がある。しかしながら、このような微小な欠陥が後述する成形品の製造工程において、大きな欠陥に成長し大きな問題となる可能性がある。そこで、アルミニウム基材表面の、通常は識別が困難な微小な欠陥の発生を確認することができる検出方法が確立できれば、アルミニウム基材表面に微小な欠陥が発生しているかどうかに基づいて、研磨の条件等の設定を行うことができ、最適な条件で工程(I)を行うことが可能になるため非常に好ましい。
本発明者らが鋭意検討した結果、前記工程(I)で得られたアルミニウム基材を、前記工程(I)で用いた研磨液中に浸漬し、所定時間保持しておくことで、アルミニウム基材表面の欠陥が成長して、欠陥が大きくなり、欠陥の判別や欠陥の数を容易に計測できることを見出した。
すなわち、本発明の1つの態様は、前記工程(I)で得られたアルミニウム基材において、前記工程(I)で用いた研磨液中にアルミニウム基材を浸漬保持して、アルミニウム基材表面の欠陥を拡大させる工程(IA)を含む、アルミニウム基材表面の欠陥検出方法である。
工程(IA)は、アルミニウム基材表面に存在する欠陥を成長させる工程である。そのため、顕微鏡観察等によって、アルミニウム基材表面に存在する欠陥を容易に検出することができる。用いる顕微鏡としては、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、電子顕微鏡などがあるが、高い空間分解能を有することから電子顕微鏡を用いることが好ましい。従って、この工程(IA)を経て得られたアルミニウム基材(以下、便宜上、工程(I)で得られたアルミニウム基材を「アルミニウム基材(A)」として記載し、工程(IA)を実施して得られるアルミニウム基材を、「アルミニウム基材(B)」として記載することもある)の表面の欠陥を判別後、欠陥の数や大きさが問題ないと判別されれば、このアルミニウム基材を得るために行ったのと同じ条件で工程(I)を行って、ナノインプリント用モールドを製造することができる。
本発明の1つの態様において、前記工程(IA)においては、欠陥の数を計測する際に、欠陥の成長が安定し、欠陥の判別が容易になる2〜10時間、研磨液中にアルミニウム基材(A)を保持することが好ましく、3〜5時間保持することがより好ましい。浸漬時間が2時間以下の場合、欠陥の成長が安定しないため、欠陥の判別が難しくなる場合がある。浸漬時間が10時間よりも長いとアルミニウム基材の表面が変質し、欠陥の判別が難しくなる恐れや作業効率が劣ってしまうことがある。
また、本発明の1つの態様において、前記工程(IA)の研磨液の温度は、前記工程(I)と同じであることが好ましく、具体的には、10〜40℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。
なお、本発明においては、「凹み状欠陥の直径」とは、欠陥が円形でない場合は、凹み状欠陥の上面視における、前記欠陥の外接円の直径ことを指す。
直径が数μmの欠陥は、通常の光学フィルムであれば欠陥として視認されないため問題とならない場合が多い。しかしながら、微細凹凸構造を表面に有する光透過性フィルム等を製造するためのモールドとして用いる場合、ナノインプリントを行う際に前記の数μm程度の欠陥を起点に離型不良が発生し、フィルム上で視認されるような直径が100μm程度の大きな欠陥となってしまう場合があり、このような凹み状欠陥が、極めて大きな問題となることがある。
本発明の1つの態様において、前記アルミニウム基材(B)表面1mmあたり、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数は、54個以下であることが好ましい。前述の通り、アルミニウム基材(B)は、アルミニウム基材(A)表面の欠陥を検出しやすいように、アルミニウム基材(A)表面の欠陥を拡大処理して得られた基材である。従って、アルミニウム基材(B)の表面に54個超の頻度で凹み状欠陥が存在する場合、その前駆体であるアルミニウム基材(A)の表面にも、微小な凹み状欠陥が54個超の頻度で多数存在していることを意味する。従って、このアルミニウム基材(A)をモールドとして用いて光透過性フィルム等の物品を作製した場合、前記物品の欠陥が多くなり、生産性が低下するという問題が生じる。
また、前記アルミニウム基材(B)の欠陥の大きさが直径1μmを超えない凹み状欠陥である場合は、傷などとの区別がつけにくいことから正確な数を計測することが難しく、さらに後述する成形品の製造工程において大きな欠陥に成長しないことが多いことから検出する必要はない。また、直径が20μmを超えるような欠陥は、通常の検査方法等で欠陥として識別可能であることから、上述のような方法で欠陥を検出する必要はない。なお、直径が20μmを超える欠陥についても、当然その数が少ない方が好ましい。従って、アルミニウム基材(B)表面1mmあたりの、直径が1μm以上の欠陥数は、54個以下であることがより好ましい。
アルミニウム基材(B)表面の、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が、54個/mm以下と少なければ、後述する工程(II)において、凹み状欠陥の少ないナノインプリント用モールドを得ることができる。
また、本発明の1つの態様において、前記アルミニウム基材(B)表面の、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数は、25個/mm以下であることがより好ましい。また、アルミニウム基材(B)表面の前記凹み状欠陥の下限値は少ないほうがより好ましいため、特に設定されない。
また本発明の1つの態様は、本発明のナノインプリント用モールドの製造方法における、工程(I)によって得られるアルミニウム基材であって、前記工程(IA)を実施した際に、前記アルミニウム基材表面に存在する、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が、54個/mm以下であることを特徴とする、アルミニウム基材である。
[工程(II)]
次に、本発明のナノインプリント用モールドの製造方法における工程(II)について説明する。ここで、アルミニウム基材表面の凹み状欠陥の有無は、工程(I)において決定されるため、還元剤、または酸化剤を添加することによる効果は、工程(I)の後のアルミニウム基材の表面を観察することによって判断することが可能である。なお、凹み状の欠陥を観察する手法としては、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、電子顕微鏡等によって行うことができるが、アルミニウム基材表面の傷との違いを明確に区別する観点から、電子顕微鏡を用いて観察することが好ましい。
本発明の1つの態様において、工程(II)は、工程(I)の後に、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の表面に酸化被膜を形成する工程である。
前記酸化被膜を形成する方法としては、例えば、下記工程(a)〜(f)を有する方法が挙げられる。
工程(a):前記工程(I)で得られたアルミニウム基材を電解液中において定電圧化で陽極酸化してアルミニウム基材表面に酸化被膜を形成する。
工程(b):前記酸化皮膜の一部又は全てを除去し、アルミニウム基材表面に陽極酸化の細孔発生点を形成する。
工程(c):アルミニウム基材を電解液中で再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する。
工程(d):酸化皮膜の一部を除去し、細孔の径を拡大させる。
工程(e):前記工程(d)の後、アルミニウム基材を電解液中で再度陽極酸化する。
工程(f):工程(d)と工程(e)を繰り返し行い、アルミニウム基材の表面に複数の細孔を有する酸化皮膜が形成されたナノインプリント用モールドを得る。
以下、図1を用いて各工程を詳細に説明する。
(工程(a))
前記工程(I)で得られたアルミニウム基材10を電解液中で、電圧を印加して陽極酸化すると、細孔16を有する酸化被膜14が形成される。
電解液としては、硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液、及びこれらの混合液等が挙げられる。
電解液としてシュウ酸水溶液を用いる場合、シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7M以下であれば、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜14の表面が粗くなることを抑制しやすい。また、シュウ酸の濃度の下限は、陽極酸化の時間を短くする観点から、0.005M以上が好ましい。
また、アルミニム基材10への印加電圧は、30〜60Vが好ましい。印加電圧が前記範囲内であれば、規則性の高い細孔14を形成しやすい。
また、電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃以下であれば、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こることを抑制しやすくなるため、規則性の高い細孔14を形成しやすい。また、電解液の温度の下限は、電解液の凍結を防止する観点から、0℃以上が好ましい。すなわち、電解液としてシュウ酸水溶液を用いる場合の、前記電解液の温度は、0〜60℃が好ましく、4〜45℃がより好ましい。
電解液として硫酸水溶液を用いる場合、硫酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7M以下であれば、電流値が高くなりすぎることを抑制しやすくなるため、定電圧を維持しやすくなる。また、硫酸の濃度の下限は、陽極酸化の時間を短くする観点から、0.001M以上が好ましい。
また、この場合のアルミニウム基材10への印加電圧は、25〜30Vが好ましい。印加電圧が前記範囲内であれば、細孔の周期が40〜70nmの規則性の高い細孔14を形成しやすい。
また、電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃以下であれば、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こることを抑制しやすくなるため、規則性の高い細孔14を形成しやすい。また、電解液の温度の下限は、電解液の凍結防止の観点から、0℃以上が好ましい。すなわち、電解液として硫酸水溶液を用いる場合の、前記電解液の温度は、0〜30℃が好ましく、4〜20℃がより好ましい。
(工程(b))
酸化皮膜14の一部又は全てを一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点18にする。
これにより、細孔の規則性を高めることができる。酸化皮膜14の全てを除去せずに一部を残した状態としても、酸化皮膜14の残存した部分において規則性が充分に高くなっていれば、酸化皮膜除去による効果が得られる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸とリン酸の混合液等が挙げられる。
(工程(c))
酸化皮膜14の少なくとも一部を除去したアルミニウム基材10を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔16を有する酸化皮膜14が形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔16を形成できる。工程(b)の効果が失われない範囲であれば、工程(c)での陽極酸化の電圧、電解液の種類、温度等は適宜調整できる。
(工程(d))
細孔16の径を拡大させる処理(以下、「細孔径拡大処理」という。)を行う。
細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に、酸化皮膜を浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。酸化皮膜を溶解する溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
(工程(e))
工程(d)の後に、アルミニウム基材10を、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔16の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔16がさらに形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔16を形成できる。
(工程(f))
工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、アルミニウム基材10の表面12に、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔16を有する酸化皮膜14が形成されたモールド1が得られる。
最後は工程(d)で終わることが好ましい。
工程(d)と工程(e)の繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が3回以上であれば、充分な直径の細孔16を有する酸化皮膜14が形成されたモールド1が得られやすい。そのため、モールド1によってモスアイ構造を転写した物品において、反射率低減効果等が得られやすい。
細孔16の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられる。なかでも、細孔16の形状としては、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔16間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましく、20nm以上が好ましい。
細孔16の深さは、細孔16間の平均間隔が100nmの場合は、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。
細孔16の深さは、電子顕微鏡観察によって倍率30,000倍で観察したときにおける、細孔16の最底部と、細孔16間に存在する凸部の最頂部との間の距離を測定した値である。
細孔16のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
[ナノインプリント用モールド]
本発明のナノインプリント用モールドは、前述のナノインプリント用モールドの製造方法によって得ることができる。このような方法によって得られた、本発明のナノインプリント用モールドは、モールド表面に存在する、微小な凹み状欠陥の数が、54個/mm以下であることを特徴とする。
本発明のナノインプリント用モールドは、前述のアルミニウム基材表面の欠陥検出方法によって測定される、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が54個/mm以下であるため、前記モールドを用いて成形した成形品の表面に、前記欠陥が転写されて不具合が生じることを抑制することができる。
また、本発明の1つの態様において、前述のアルミニウム基材表面の欠陥検出方法によって測定されるモールド表面の凹み状欠陥の数は、25個/mm以下であることがより好ましい。
<微細凹凸構造を表面に有する成形品>
次に、微細凹凸構造を表面に有する成形品について説明する。
本発明の1つの態様は、微細凹凸構造を表面に有する成形品であって、前記微細凹凸構造が、本発明のナノインプリント用モールドの表面に形成された複数の細孔からなる微細凹凸構造の反転構造であり、前記成形品表面に存在する、直径が100μm以上の欠陥の数が、0.05個/cm以下であることを特徴とする、成形品である。100μm以上の欠陥の数は、0.05個/cmであることが好ましく、0.01個/cmであることがより好ましく、0個/cmであることが最も好ましい。
ここで、「欠陥」とは、ナノインプリント用モールドの表面に凹み状欠陥が存在することによって生じる、欠陥のことを指す。また、「欠陥の直径」とは、欠陥が円形でない場合、欠陥の上面視における外接円の直径のことを指す。
また、成形品表面に存在する、直径が100μm以上の欠陥の数は、顕微鏡画像の結果を目視して算出したり、顕微鏡画像を画像処理ソフトウェアで処理して自動的に算出することができる。
[微細凹凸構造を表面に有する成形品の製造方法]
本発明の1つの態様において、微細凹凸構造を表面に有する成形品は、例えば、前述のナノインプリント用モールドと基材の間に、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填し、ナノインプリント用モールドの微細凹凸構造に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が接触した状態で、活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた後に、前記モールドを離型する方法によって製造されることが好ましい。これによって、基材の表面に、微細凹凸構造を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物(以下、硬化樹脂層と言うこともある)を積層させた成形品を製造することができる。得られた成形品の微細凹凸構造は、ナノインプリント用モールドの微細凹凸構造の反転構造となる。以下、微細凹凸構造を表面に有する成形品の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の1つの態様において、微細凹凸構造を表面に有する成形品は、例えば、図2に示す製造装置20を用いて製造することができる。
図2の製造装置20は、上述したように表面に複数の細孔を有する酸化被膜が形成されたナノインプリント用モールドを、回転駆動可能なロール状金型22とし、成形品の基材となる長尺状の基材24をロール状金型22に連続的に供給する機構と、ロール状金型22の外周面に長尺状の基材24を押圧するニップロール26と、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28をロール状金型22と長尺状の基材24の間に供給するタンク30と、ニップロール26の下流側位置で、活性エネルギー線硬化性組成物28に向けて活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置32等を備えている。
活性エネルギー線照射装置32としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フュージョンランプ等が好ましく、この場合の光照射エネルギー量は、100〜10,000mJ/cmが好ましい。
ニップロール26は、ロール状金型22の回転方向上流側位置で、空気圧シリンダ34によって駆動され、長尺状の基材24をロール状金型22の外周面に押圧するよう構成されている。そして、長尺状の基材24がロール状金型22の外周面に押しつけられる領域で、タンク30に収容されている活性エネルギー線硬化性組成物28が、長尺状の基材24とロール状金型22の間に供給される。
ロール状金型22の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28は、基材24を通して、基材24とロール状金型22の間に配置された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28を硬化させることによって、ロール状金型22の微細凹凸構造の反転構造を有する硬化樹脂層38を基材24上に形成する。
基材24の表面に硬化樹脂層38が形成された成形品40(図3)は、剥離ロール36によってロール状金型22から剥離される。
なお、本発明の1つの態様において、ロール状金型22と基材24との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28が配置されているが、説明の簡便性から、このような状態もロール状金型22と基材24とが当接された状態と称する。また、ロール状金型22と基材24との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28を配置せず、ロール状金型22に対して基材24を押圧しながら熱を加え、基材24の表面に直接微細凹凸構造と相補的な形状を形成しても構わない。
(基材)
基材24は、射出成形、プレス成形等によるフィルム、シートが好ましい。基材24の材質としては、光透過性の材質であり、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン、ガラス等が挙げられる。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28は、重合性化合物と、重合開始剤と、内部離型剤とを含む組成物である。
前記組成物の25℃における粘度は、10,000mPa・s以下が好ましく、5,000mPa・s以下がさらに好ましく、2,000mPa・s以下がより好ましい。前記組成物の25℃における粘度が10,000mPa・s以下であれば、微細凹凸構造への組成物の追随性が良好となり、微細凹凸構造を精度よく転写できる。
また、前記組成物の粘度は、回転式E型粘度計を用い、25℃で測定した値である。
(重合性化合物)
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロール
プロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
(重合開始剤)
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の量は、重合性化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。重合開始剤の量が0.1質量部未満では、重合が進行しにくく、重合開始剤の量が10質量部を超えると、硬化膜が着色したり、機械強度が低下したりすることがある。
(内部離型剤)
本発明の1つの態様において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が内部離型剤を含むことによって、連続転写性を高めることができる。
内部離型剤は、硬化樹脂層と、モールド表面との離型性を向上するものであり、かつ活性エネルギー線硬化性樹脂組成物と相溶性を有するものであれば、本発明の効果を有する限り特に限定されない。
このような内部離型剤としては、例えば、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物、フッ素含有化合物、シリコーン系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、ポリアルキレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物を主成分とするものが好ましい。
内部離型剤としてモールド離型剤と同じ(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物を含むことによって、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物とモールドとの離型性が特に良好となる。また、離型時の負荷が極めて低いため、微細凹凸構造の破損が少なく、その結果、モールドの微細凹凸構造を効率よく、かつ精度よく成形品に転写できる。
このような(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物としては、離型性の点から、下記式(1)で表わされる化合物が好ましい。
(HO)3−n(O=)P[−O−(RO)m−R ・・・(1)
は、炭素数1〜20の直鎖、若しくは分岐鎖のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜4の直鎖、若しくは分岐鎖のアルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、nは1〜3の整数である。
このうち、Rとしては、炭素数3〜18の直鎖、若しくは分岐鎖のアルキル基がより好ましい。
としては、炭素数2〜3の直鎖、若しくは分岐鎖のアルキレン基がより好ましい。
また、mは、1〜10の整数であることがより好ましい。
また、本発明の1つの態様において、前記式(1)で表される(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、モノエステル体(n=1)、ジエステル体(n=2)、トリエステル体(n=3)のいずれであってもよい。また、ジエステル体またはトリエステル体の場合、1分子中の複数の(ポリ)オキシアルキレンアルキル基はそれぞれ異なっていてもよい。
このような(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の市販品としては、例えば、城北化学社製、商品名:JP−506H(n≒1〜2,m≒1,R=ブチル,R=エチレン)、アクセル社製、商品名:モールドウイズINT−1856、日光ケミカルズ社製、商品名:TDP−10(n≒3,m≒10,R=C12〜15,R=エチレン)、TDP−8(n≒3,m≒8,R=C12〜15,R=エチレン)、TDP−6(n≒3,m≒6,R=C12〜15,R=エチレン)、TDP−2(n≒3,m≒2,R=C12〜15,R=エチレン)、DDP−10(n≒2,m≒10,R=C12〜15,R=エチレン)、DDP−8(n≒2,m≒8,R=C12〜15,R=エチレン)、DDP−6(n≒2,m≒6,R=C12〜15,R=エチレン)、DDP−4(n≒2,m≒4,R=C12〜15,R=エチレン)、DDP−2(n≒2,m≒2,R=C12〜15,R=エチレン)、TLP−4(n≒3,m≒4,R=ラウリル,R=エチレン)、TCP−5(n≒3,m≒5,R=セチル,R=エチレン)、DLP−10(n≒3,m≒10,R=ラウリル,R=エチレン)等が挙げられる。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物中に含まれる(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量は、重合性化合物の総質量に対して、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.1質量%がさらに好ましい。(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量が1質量%以下であれば、硬化樹脂層の性能の低下が抑えられる。また、基材との密着性の低下が抑えられ、その結果、モールドへの樹脂残り(離型不良)や物品からの硬化樹脂層の剥がれが抑えられる。(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量が0.01質量%以上であれば、モールドからの離型性が十分となり、モールドへの樹脂残り(離型不良)が抑えられる。
本発明の1つの態様において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、離型性をさらに向上する目的で、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物以外の離型性を向上させる成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、フッ素含有化合物、シリコーン系化合物、リン酸エステル系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、固形ワックス(ポリアルキレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等)等を含む化合物等が挙げられる。
(その他の成分)
本発明の1つの態様において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物、帯電防止剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤、微粒子、少量の溶媒を含んでいてもよい。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
図3は、図2の製造装置20によって製造され、微細凹凸構造を表面に有する長尺状の成形品40の構成を概略的に示す断面図である。
基材24上に形成された硬化樹脂層38は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28の硬化物からなる層であり、ロール状金型22の外周面に形成された微細凹凸形状の凹部形状の反転構造である凸部44を備えている。
凸部44の形状は、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最表面から深さ方向に連続的に増加する形状、すなわち、凸部の高さ方向の断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
凸部44間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下である。本発明のナノインプリント用モールドを用いて凸部を形成した場合、凸部間の平均間隔は100から200nm程度となることから、250nm以下が特に好ましい。
凸部44の平均間隔は、凸部の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。
凸部44の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する凸部44の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部44の高さは、平均間隔が100nmの場合は、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。凸部の高さが80nm以上であれば、反射率が十分低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部の高さが500nm以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
凸部44の高さは、電子顕微鏡によって倍率30,000倍で観察したときにおける、凸部の最頂部と、凸部間に存在する凹部の最底部との間の距離を測定した値である。
凸部44のアスペクト比(凸部の高さ/凸部間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。凸部のアスペクト比が1.0以上であれば、反射率が十分に低くなる。凸部のアスペクト比が5.0以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
硬化樹脂層38の屈折率と基材24の屈折率との差は、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下が特に好ましい。屈折率差が0.2以下であれば、硬化樹脂層38と基材24との界面における反射が抑えられる。
表面に微細凹凸構造を有する成形品は、その表面、すなわち前述の硬化樹脂層部分が疎水性の材料から形成されていればロータス効果により超撥水性が得られ、その表面が親水性の材料から形成されていれば超親水性が得られることが知られている。
硬化樹脂層38の材料が疎水性の場合の微細凹凸構造の表面の水接触角は、90゜以上が好ましく、110゜以上がより好ましく、120゜以上が特に好ましい。水接触角が90゜以上であれば、水汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。また、水が付着しにくいため、着氷防止を期待できる。
硬化樹脂層38の材料が親水性の場合、微細凹凸構造の表面の水接触角は、25゜以下が好ましく、23゜以下がより好ましく、21゜以下が特に好ましい。水接触角が25゜以下であれば、表面に付着した汚れが水で洗い流され、また油汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。該水接触角は、硬化樹脂層38の吸水による微細凹凸構造の変形、それに伴う反射率の上昇を抑える点から、3゜以上が好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルミニウム母材としては、アルミニウムの純度が99.97%で、厚み2mm、10cm角のアルミニウムを用いた。また、研磨体として、ポリエステル製不織布、発泡ポリウレタン製スウェードの研磨パッドを用いた。また、以下の工程に沿ってナノインプリント用モールドを製造した。
工程(I’):
研磨剤として、平均粒径0.1μmのアルミナ粒子を含む、pH2.1の研磨スラリーを用いて研磨を行った。研磨は、研磨体を手で保持し、約1往復/秒の速さで移動させ、アルミニウム母材の表面全体を20分間研磨した後、水で洗浄した。
工程(I):
次いで、前記アルミニウム母材を研磨液と用いて更に研磨した。研磨液としては、予め窒素バブリングを1時間施したフジミインコーポレーテッド社のシリカ微粒子含有研磨剤を、亜二チオン酸ナトリウムを溶解させたイオン交換水で2倍に希釈して得られた、亜二チオン酸ナトリウム濃度が500ppmであり、研磨剤として粒径がナノメートルスケールのシリカ微粒子を含む、pH10.1の水溶液を用いた。研磨は、前述の研磨体を手で保持し、約1往復/秒の速さで移動させ、アルミニウム母材の表面全体を20分研磨して、アルミニウム基材(A−1)を得た。
得られたアルミニウム基材(A−1)の表面に存在する凹み状欠陥の直径と数を、以下の方法により検出した。
工程(IA):
前記研磨の後、前記アルミニウム基材(A−1)を乾燥させずに研磨液に浸漬させて4時間保持して、アルミニウム基材(B−1)を得た。その後、アルミニウム基材(B−1)を水で洗浄し、乾燥させた。
得られたアルミニウム基材(B−1)の表面を、電子顕微鏡(JSM−6060:日本電子株式会社製)を用いて加速電圧10kVの条件で観察した所、大きさが1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数は、20個/mmであった。
次いで、アルミニウム母材に対して再度同じ条件で工程(I’)及び工程(I)を実施してアルミニウム基材(A−1)を調製し、アルミニウム基材(A−1)に以下の処理(工程(II))を施し、ナノインプリント用モールドを製造した。
工程(a):
得られたアルミニウム基材を、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で30分間陽極酸化を行った。
工程(b):
上記工程(a)で酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
工程(c):
上記工程(b)の後、アルミニウム基材を0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒陽極酸化を行った。
工程(d):
上記工程(c)で酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
工程(e):
前記工程(d)で得られたアルミニウム基材を、工程(b)と同じ条件で再度陽極酸化を行った。
工程(f):
前記工程(d)及び工程(e)を合計で4回繰り返し、周期100nm、深さ180nmの略円錐形状の細孔を有するナノインプリント用モールド1を得た。
得られたナノインプリント用モールド1を脱イオン水で洗浄し、次いで表面の水分をエアーブローで除去した後、フッ素系剥離材(ダイキン工業社製、商品名オプツールDSX)を固形分0.1質量%になるように希釈剤(ハーベス社製、商品名HD−ZV)で希釈した溶液に10分間浸漬し、20時間風乾して、表面上に細孔が形成されたロール状のモールドを得た。
次いで重合性化合物としてトリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステルを45質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート45質量部と、信越化学工業社製の「x−22−1602」10質量部とを混合して混合液を調製した。
この混合液に、重合開始剤としてBASF社製の「DAROCURE1173」0.5質量部と、BASF社製の「DAROCURE TPO」0.5質量部とを添加し、硬化性組成物を調製した。
ロール状のモールドの細孔面上に前述の硬化性樹脂組成物を流し込み、その上にポリエステルからなる基材フィルムを押し広げながら被覆した。この基材フィルム側から高圧水銀灯を用いて2,000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射し、樹脂組成物を硬化した。その後、ロール状金型から基材フィルムと硬化した樹脂組成物を剥離して、微細凹凸構造を表面に有する成形品を得た。この転写を300回繰り返したが、いずれの成形品からも直径が100μm以上の欠陥は確認されなかった。
(実施例2)
実施例1の工程(IA)で用いた研磨液において、亜二チオン酸ナトリウムの代わりに次亜塩素酸ナトリウムを添加し、次亜塩素酸ナトリウム濃度が1ppmである研磨液を用いた以外は、実施例1と同様の操作にてアルミニウム基材(A−2)を得た。得られたアルミニウム基材(A−2)に対して、実施例1と同じ工程(IA)を実施して、アルミニウム基材(B−2)を得た。アルミニウム基材(B−2)の表面の凹み状欠陥の数は、23個/mmであった。また、このアルミニウム基材(A−2)を用いてナノインプリント用モールド2を製造し、前記モールド2を用いて微細凹凸構造を表面に有する成形品を300枚作製したところ、直径が100μm以上の大きな欠陥は確認されなかった。
(実施例3)
実施例2で用いた研磨液において、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を50ppmとした以外は、実施例2と同様の操作にてアルミニウム基材(A−3)を得た。得られたアルミニウム基材(A−3)に対して、実施例1と同じ工程(IA)を実施して、アルミニウム基材(B−3)を得た。アルミニウム基材(B−3)の凹み状欠陥の数は、11個/mmであった。このアルミニウム基材(A−3)を用いてナノインプリント用モールド3を製造し、前記モールド3を用いて微細凹凸構造を表面に有する成形品を300枚作製したところ、直径が100μm以上の大きな欠陥は確認されなかった。
(比較例1)
実施例1の工程(I)で用いた研磨液において、添加剤を含まないイオン交換水で研磨剤を希釈して用いた以外は、実施例1と同様の操作にてアルミニウム基材(A−4)を得た。得られたアルミニウム基材(A−4)に対して、実施例1と同じ工程(IA)を実施して、アルミニウム基材(B−4)を得た。アルミニウム基材(B−4)の凹み状欠陥の数は、55個/mmであった。このアルミニウム基材(A−4)を用いてナノインプリント用モールド4を製造し、前記モールド4を用いて微細凹凸構造を表面に有する成形品を300枚作製したところ、100μm以上の大きな欠陥が0.06個/cm確認された。この欠陥は、アルミニウム基材表面の凹み状欠陥を起点するものであり、前記凹み状欠陥部分において離型不良が発生した結果、大きな欠陥となったものである。
本発明のナノインプリント用モールドの製造方法によれば、アルミニウム母材を研磨する工程で発生する凹み状欠陥を抑制することのできるため、凹み状欠陥の少ないナノインプリント用モールドを製造することができる。また、ナノインプリント用モールドとして用いられるアルミニウム基材であって、表面に凹み状欠陥の少ないアルミニウム基材を提供することができる。このようなナノインプリント用モールドを用いて製造された微細凹凸構造を表面に有する成形品は、大きな欠陥が少なく、光学シート等の用途に好適に用いることができる。
1 モールド
10 アルミニウム基材
12 アルミニウム基材の表面
14 酸化被膜
16 細孔
18 細孔発生点
20 製造装置
22 ロール状金型
24 基材
26 ニップロール
28 活性エネルギー線硬化性組成物
30 タンク
32 活性エネルギー線照射装置
34 空気圧シリンダ
36 剥離ロール
38 硬化樹脂層
40 成形品
44 凸部

Claims (11)

  1. アルミニウム基材の表面に、複数の細孔を有する酸化被膜が形成されたナノインプリント用モールドを製造する方法であって、
    研磨液と、研磨体とを用いてアルミニウム母材の表面を研磨して、アルミニウム基材を得る工程(I)と、
    前記工程(I)の後、陽極酸化によって前記アルミニウム基材の表面に前記酸化被膜を形成する工程(II)とを含み、
    前記研磨液が、還元剤、および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤と、研磨剤と、水とを含む、酸性、またはアルカリ性の水溶液であることを特徴とする、ナノインプリント用モールドの製造方法。
  2. 前記研磨液が前記還元剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  3. 前記還元剤が、亜二チオン酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項2に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  4. 前記研磨液中の前記還元剤の濃度が、100ppm以上であることを特徴とする、請求項2または3に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  5. 前記研磨液が前記酸化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  6. 前記酸化剤が、次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項5に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  7. 前記研磨液中の前記酸化剤の濃度が、0.1ppm以上であることを特徴とする、請求項5または6に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  8. 前記研磨剤が、研磨砥粒であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの製造方法によって得られるナノインプリント用モールドであって、
    前記工程(I)の後、前記アルミニウム基材を、前記研磨液中に浸漬保持した後の前記アルミニウム基材表面に存在する、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が、54個/mm以下であることを特徴とする、ナノインプリント用モールド。
  10. 微細凹凸構造を表面に有する成形品であって、
    前記微細凹凸構造が、請求項9に記載のナノインプリント用モールドの表面に形成された複数の細孔からなる微細凹凸構造の反転構造であり、
    前記成形品表面に存在する、直径が100μm以上の欠陥の数が、0.05個/cm以下であることを特徴とする、成形品。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノインプリント用モールドの製造方法における、工程(I)によって得られるアルミニウム基材であって、前記アルミニウム基材を、前記研磨液に浸漬保持した後の前記アルミニウム基材表面に存在する、直径が1μm以上20μm以下の凹み状欠陥の数が、54個/mm以下であることを特徴とする、アルミニウム基材。
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