JPWO2016158584A1 - 拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法 - Google Patents

拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016158584A1
JPWO2016158584A1 JP2017509836A JP2017509836A JPWO2016158584A1 JP WO2016158584 A1 JPWO2016158584 A1 JP WO2016158584A1 JP 2017509836 A JP2017509836 A JP 2017509836A JP 2017509836 A JP2017509836 A JP 2017509836A JP WO2016158584 A1 JPWO2016158584 A1 JP WO2016158584A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
expansion
expansion body
shaft
dilatation catheter
slope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017509836A
Other languages
English (en)
Inventor
賢一 雲山
賢一 雲山
雅貴 小野
雅貴 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TRUMO KABUSHIKI KAISHA filed Critical TRUMO KABUSHIKI KAISHA
Publication of JPWO2016158584A1 publication Critical patent/JPWO2016158584A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/10Balloon catheters

Abstract

【課題】通過性および拡張性とともに耐擦過性の向上が図られた拡張部を備える拡張カテーテル、および当該拡張カテーテルの製造方法を提供する。【解決手段】拡張カテーテル100は、第1拡張体210と当該第1拡張体を覆うように配置された第2拡張体220とにより構成された拡張部200を備えており、第2拡張体は、第1拡張体よりも柔軟な材料で構成されており、第1拡張体は、第2拡張体よりも耐圧性の高い材料で構成されており、かつ、コンプライアンス曲線の傾きが第2拡張体のコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、医療装置である拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法に関する。
医療分野において、生体管腔内に形成された病変部(狭窄部)の拡張や病変部へのステントの留置等を行う際に使用されるカテーテルデバイスが広く知られている(例えば、下記特許文献1、2を参照)。
上記のようなカテーテルデバイスに備えられるバルーン(拡張部)には、病変部の通過性と、病変部を押し広げる際の拡張性の両立が求められる。例えば、病変部が石灰化しており、症状が完全閉塞に近い状態まで進行しているような場合、病変部にバルーンを通過させるために、通過時においては、バルーンを可能な限り細径化して通過性を高めた状態にすることが求められる一方で、病変部を通過させた後においては、石灰化された病変部を押し広げることを可能にする十分な拡張性が備わっていることが求められる。
特開2012−20077号公報 特開2012−5705号公報
通常、バルーンの通過性を向上させるための対策としてバルーンの肉厚を薄くする方法を採用するのが一般的である。ただし、バルーンの肉厚を薄くすると、バルーンの耐擦過性(擦れ強度)が低下するため、石灰化された病変部等を通過させる際にバルーンの拡張機能の低下を招く可能性がある。つまり、バルーンの肉厚を薄くすることにより通過性の向上を図ると、バルーンが病変部を通過できるようになったとしても、病変部に対して作用させる拡張力の低下が発生し得る。
例えば、耐擦過性の低下を抑えるために、バルーンの肉厚を厚くすると、当然、通過性の低下を招くことになり、またバルーンを柔軟な素材で形成すると、バルーンの拡張性の低下を招くことになる。このため、石灰化された病変部の治療に対応可能な通過性および拡張性を備えるバルーンカテーテルを提供するという当初の目的を達成し難くなってしまう。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、通過性および拡張性とともに耐擦過性の向上が図られた拡張部を備える拡張カテーテル、および当該拡張カテーテルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る拡張カテーテルは、生体管腔内に挿入可能な可撓性を備える長尺状のシャフトと、前記シャフトの先端部に固定され、前記シャフトを介した加圧媒体の供給および排出に伴い拡張変形および収縮変形可能に構成された第1拡張体および第2拡張体からなる拡張部と、を備え、前記第2拡張体は、前記第1拡張体の外表面を覆うように配置され、かつ、前記第1拡張体よりも柔軟な材料で構成されており、前記第1拡張体は、前記第2拡張体よりも耐圧性の高い材料で構成されており、かつ、前記加圧媒体の供給に伴う前記拡張部の内圧の単位増加量あたりにおける当該第1拡張体の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きが、前記第2拡張体が拡張する際の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されてなる、拡張カテーテルである。
本発明に係る拡張カテーテルによれば、拡張部は、第1拡張体を覆う第2拡張体が備える柔軟性により耐擦過性が向上されたものとなり、第1拡張体が備える耐圧性により拡張性が向上されたものとなる。さらに、第1拡張体のコンプライアンス曲線の傾きが、第2拡張体のコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されているため、拡張部の内圧が増加した際における第1拡張体の拡張変形量は、第2拡張体の拡張径に応じて制限される。したがって、第1拡張体の肉厚および第2拡張体の肉厚を薄くすることにより拡張部が細径化して構成される場合においても、拡張部全体が病変部に対して作用させる拡張力を所望の大きさまで高めることが可能になる。よって、通過性および拡張性とともに耐擦過性の向上が図られた拡張部を備える拡張カテーテルを提供することが可能になる。
実施形態に係る拡張カテーテルを示す図であり、(A)は、拡張カテーテルの全体構成を簡略化して示す図、(B)は、拡張カテーテルの先端側を示す拡大断面図である。 実施形態に係る拡張カテーテルが備える拡張部の構成を説明するための図であって、(A)は、収縮した状態における拡張部を拡大して示す部分断面図、(B)は、拡張した状態における拡張部を拡大して示す部分断面図である。 図2(A)に示す3A部分を拡大して示す部分断面図である。 、拡張部、第1拡張体、および第2拡張体の外径の変化と拡張部の内圧の変化との関係を示す図である。 第2拡張体の変形例を示す図であって、(A)は、第2拡張体の一部を拡大して示す斜視図、(B)は、図5(A)に示す5A−5A線に沿う第2拡張体の軸直交断面図である。
以下、各図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、実施形態に係る拡張カテーテルの全体構成を示す図、図2、図3は、拡張カテーテルが備える拡張部(第1拡張体、第2拡張体)の説明に供する図、図4は、拡張部、第1拡張体、および第2拡張体の外径の変化と拡張部の内圧の変化との関係を示す図である。
図1(A)、図1(B)を参照して、本実施形態に係る拡張カテーテル100は、長尺のシャフト120を生体器官に挿通させ、シャフト120の先端側に配置された拡張部200を病変部(狭窄部)において拡張させることにより病変部を押し広げて治療するカテーテルデバイスとして構成している。ただし、拡張カテーテル100は、例えば、病変部を拡張した後、バルーン拡張型ステント(BX型ステント)を病変部に留置するために使用されるステント留置用のカテーテルデバイスとして構成することも可能である。
また、本実施形態に係る拡張カテーテル100は、冠動脈に形成された病変部を押し広げるために使用されるPTCA拡張用カテーテルとして構成しているが、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、その他消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器等の生体器官内に形成された病変部(狭窄部)の治療および改善を目的として使用されるものとして構成することも可能である。
まず、拡張カテーテル100の全体構成について説明する。
図1(A)、図1(B)に示すように、拡張カテーテル100は、生体管腔内に挿入可能な可撓性を備える長尺状のシャフト120と、シャフト120の先端部に固定された第1拡張体210および第2拡張体220からなる拡張部200と、シャフト120の基端部側に配置されたハブ150と、を備えている。拡張カテーテル100の説明においては、拡張部200が設けられた側を先端側と称し、ハブ150が設けられた側を基端側と称し、シャフト120の延伸方向を軸方向と称する。
拡張カテーテル100は、シャフト120の先端部側寄りにガイドワイヤ180が導出される開口部135が設けられた、いわゆるラピッドエクスチェンジタイプと呼ばれるものである。ただし、拡張カテーテル100は、ガイドワイヤルーメン131がシャフト120の先端から基端に亘って延在するように形成された、いわゆるオーバーザワイヤタイプと呼ばれるカテーテルデバイスとして構成することも可能である。
図1(B)に示すように、シャフト120は、ガイドワイヤ180が挿通されるガイドワイヤルーメン131が形成された内管(内管シャフト)130と、内管130との間に加圧媒体が流通可能な加圧媒体ルーメン141を形成する外管(外管シャフト)140とにより構成している。
シャフト120は、内管130が外管140に内挿されて、内管130および外管140が同心状に位置合わせてして配置された二重管構造で構成している。
図1(B)に示すように、内管130の先端には、内管130と別部材で構成された先端チップ240を固定している。ガイドワイヤルーメン131は、先端チップ240の先端に形成された先端開口部243と内管130の基端に形成された基端開口部135の二つの開口部に連通するようにシャフト120内に延在している。
内管130の先端に取り付けた先端チップ240は、拡張カテーテル100の先端が生体器官(血管の内壁等)に接触した際に、生体器官に損傷が生じるのを防止する機能を有している。先端チップ240は、例えば、内管130よりも柔軟な管状部材により構成することができる。また、先端チップ240は、生体管腔内への挿入性や生体管腔内における移動性を考慮して、図示するように先端側へ向けて外径が漸減するテーパー形状に形成することが可能である。ただし、先端チップ240の設置は適宜省略することも可能である。
内管130は、基端側が径方向外側へ湾曲した中空のチューブ材によって構成している。内管130の先端近傍および先端チップ240の基端近傍には、溶着等の公知の方法により拡張部200が備える第1拡張体210の先端部211を液密・気密に接合している(図2(B)を参照)。
内管130の基端近傍には、外管140の所定の位置に形成された接続用開口部145を液密・気密に接合している。ガイドワイヤ180は、内管130の先端に設けられた先端チップ240の先端開口部243および内管130の基端に設けられた基端開口部135のそれぞれを入口または出口として、ガイドワイヤルーメン131に挿通される。
内管130を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴム類、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種エラストマー、ポリアミド、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン等の結晶性プラスチックを使用することができる。これらの材料中に、例えば、ヘパリン、プロスタグランジン、ウロキナーゼ、アルギニン誘導体等の抗血栓性物質を配合し、抗血栓性を有する材料とすることも可能である。
外管140は、拡張部200の基端部(第1拡張体210の基端部213および第2拡張体220の基端部213)付近からハブ150まで延伸する中空状のチューブ材により構成している。外管140の先端近傍には、拡張部200が備える第1拡張体210の基端部213を溶着等の公知の方法により液密・気密に接合している(図2(B)を参照)。
外管140の構成材料としては、例えば、内管130と同様の材料を用いることが可能である。また、外管140において血液と接触する部分(例えば、外管140の外表面)に抗血栓性を有する物質をコーティングすることも可能である。
図1(A)に示すように、ハブ150は、加圧媒体を供給するためのインデフレーター等の供給装置(図示省略)と液密・気密に接続可能な接続部151を備えている。ハブ150の接続部151は、例えば、流体チューブ等が接続・分離可能に構成された公知のルアーテーパー等によって構成することができる。
拡張部200の拡張に使用される加圧媒体(例えば、生理食塩水、造影剤等)は、ハブ150の接続部151を介してシャフト120内へ流入させることができる。加圧媒体は、加圧媒体ルーメン141を経由して拡張部200の内部空間207へ供給される。拡張部200の内部空間207とは、拡張部200が備える第1拡張体210の内面と内管130の外面との間に区画形成される空間部のことである(図2(B)を参照)。
次に、拡張カテーテル100が備える拡張部200について説明する。
図2(A)、(B)に示すように、拡張部200は、当該拡張部200の内側(内管130寄り)に配置される第1拡張体210と、第1拡張体210の外表面を覆うように配置される第2拡張体220とにより構成している。すなわち、拡張部200は、内層をなす第1拡張体210と、外層をなす第2拡張体220とにより構成された2層構造を有している。
第1拡張体210および第2拡張体220のそれぞれは、拡張部200の内部空間207内への加圧媒体の流入および排出に伴い拡張変形および収縮変形可能に構成されている。拡張部200は、第1拡張体210および第2拡張体220が組み合わされることにより、全体として病変部等を押し広げる機能を有する部位、つまり従来公知のバルーンカテーテルにおけるバルーンと同様の機能を有する部位として構成されている。
本実施形態に係る拡張カテーテル100においては、第1拡張体210および第2拡張体220のそれぞれに異なる物性を備えさせることにより、第1拡張体210および第2拡張体220のそれぞれに異なる機能を持たせている。具体的には、第1拡張体210は、主として、拡張部200が病変部を押し広げる際に付与する拡張力を高める役割を担っており、第2拡張体220は、主として、拡張部200の耐擦過性の向上、および、拡張時の拡張部200の外径(拡張変形量)を調整する役割を担っている。
第1拡張体210は第2拡張体220よりも耐圧性の高い材料(高圧性を備える材料)で構成される。第1拡張体210の構成材料としては、例えば、ポリアミドやPETなどを使用することが可能である。なお、第1拡張体210の構成材料としては、好ましくはポリアミドである。
上記ポリアミドとしては、例えば、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカノラクタム(ナイロン11)、ポリドデカノラクタム(ナイロン12)などの単独重合体、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン6/66)などの共重合体、アジピン酸とメタキシレンジアミンとの共重合体、またはヘキサメチレンジアミンとm,p−フタル酸との共重合体などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。
また、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などをハードセグメントとし、ポリアルキレングリコール、ポリエーテル、または脂肪族ポリエステルなどをソフトセグメントとするブロック共重合体であるポリアミドエラストマーも用いることが可能である。また、上記ポリアミドは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第2拡張体220は第1拡張体210よりも柔軟性の高い材料で構成される。第2拡張体220の構成材料としては、例えば、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、シリコン、ウレタン等の高分子材料又はこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料を使用することが可能である。なお、第2拡張体220の構成材料としては、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等のエラストマー材料が好ましく、ポリアミドエラストマーが特に好ましい。
また、本実施形態に係る拡張カテーテル100においては、第1拡張体210は、第2拡張体220よりもコンプライアンス曲線の傾きが大きく形成されている。図4を参照して、コンプライアンス曲線、およびその傾きについて説明する。
図4には、拡張部200の内圧の変化と、第1拡張体210の外径の変化(図中の実線A)、第2拡張体220の外径の変化(図中の破線B)、および拡張部200の外径の変化(図中の二点鎖線C)との関係を例示的に示している。
曲線Aは、拡張部200へ加圧媒体が供給されて、拡張部200の内圧が増加した際に、内圧の単位増加量あたりにおける第1拡張体210の外径の連続的な変化(拡張変形量)を示すコンプライアンス曲線(コンプライアンスカーブ)を示している。また、曲線Bは、拡張部200へ加圧媒体が供給されて、拡張部200の内圧が増加した際に、内圧の単位増加量あたりにおける第2拡張体220の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線を示している。
コンプライアンス曲線の傾きの大小とは、同一の圧力が付加された際の拡張変形量の比率を示すものであり、「コンプライアンス曲線の傾きが大きい」方が、「コンプライアンス曲線の傾きが小さい」ものよりも、同一の圧力が付与された状態において、その拡張変形量が大きくなることを意味する。また、各拡張体210、220の物性を示すコンプライアンス値は、各拡張体210、220の外径の絶対値を、当該外径まで拡張させた際に拡張部200に付与された圧力(内圧)の絶対値で除算して得られる値を意味する。
本実施形態においては、図4に示すように、第1拡張体210のコンプライアンス曲線Aの傾きは、拡張部200の内圧が所定の値Psに達した以降に、第2拡張体210のコンプライアンス曲線Bの傾きよりも大きくなるように設定している。一方、拡張部200の内圧が所定の値Psに達するまでは、第1拡張体210のコンプライアンス曲線Aの傾きと第2拡張体220の第2拡張体210のコンプライアンス曲線Bの傾きは、略同一となるように設定している。
上記の「所定の値Ps」は、例えば、拡張カテーテル100を使用した各種の手技を行うに当たり、拡張部200から病変部への拡張圧の付与が開始されるタイミングの圧力に設定することができ、例えば、1〜20atm設定することが可能である。
上述したように、各拡張体210、220のそれぞれが異なる物性を備える材料で構成されており、かつ、各拡張体210、220のコンプライアンス曲線の傾きの大小関係を規定しているため、拡張部200は、以下のような性能を備えたものとなる。
図2(A)に示すよう、拡張部200を収縮させた状態(内管130の周囲に折り畳んだ状態)においては、第1拡張体210よりも柔軟性の高い第2拡張体220が径方向内方側(内管130側)へ押し潰れるように変形して、拡張部200全体が内管130に密着する。このため、収縮時の拡張部200の外径は細径化されたものとなり、病変部に対する通過性が向上したものとなる。
また、外層をなす第2拡張体220が第1拡張体210を保護する柔軟な層として機能するため、拡張部200の耐擦過性が向上したものとなる。したがって、病変部が石灰化して完全閉塞に近い状態まで症状が進行している場合においても、病変部を通過させる際に拡張部200全体を好適に保護することができる。
拡張部200が病変部を通過した後に拡張部200を拡張変形させると、第1拡張体210および第2拡張体220は、図4に示すコンプライアンス曲線に従って拡張する。具体的には、拡張部200の内圧が所定の圧力Psに達するまでは、各々の拡張体210、220は、コンプライアンス曲線A、Bの傾きが略同一となるように拡張し、拡張部200の内圧が所定の圧力Psに達した以降は、第1拡張体210のコンプライアンス曲線Aの傾きが、第2拡張体220のコンプライアンス曲線Bの傾きよりも大きくなるように、各々の拡張体210、220が拡張する。
拡張部200の内圧が所定の圧力Psに達した以降は、第1拡張体210の拡張変形が、当該第1拡張体210の外表面を覆う第2拡張体220の外径に応じて制限される。本実施形態においては、第1拡張体210および第2拡張体220が共に拡張し、第1拡張体210よりも柔軟に形成された第2拡張体220に引っ張り力(テンション)が付加されてある程度の伸びが両端部側に生じた後、第2拡張体220の伸びが限界に達することで、以降の第2拡張体220の拡張変形が抑制される。このタイミングで第1拡張体210の拡張変形にも制限が掛かり始める(図2(B)を参照)。
その結果、拡張部200全体の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線C(図中の二点鎖線)の傾きは、第1拡張体210のコンプライアンス曲線Aの傾きと第2拡張体220のコンプライアンス曲線Bの傾きの間の中間値に調整される。つまり、拡張部200の外径は、第1拡張体210の外径と第2拡張体220の外径の間の中間値で推移するように変化する。よって、病変部を拡張させる際に、内圧の増加に伴って拡張部200全体が際限なく拡張変形するのを抑えることができ、病変部に対して所望の拡張力を作用させることが可能になる。
拡張部200の内圧が所定の圧力Psに達する前の段階においては、各々の拡張体210、220は、コンプライアンス曲線A、Bの傾きが略同一となるように拡張するため、第1拡張体210の拡張変形が第2拡張体220によって制限されることはない。したがって、病変部に対して拡張力の付与を開始する前の段階においては、拡張部200全体を速やかに拡張変形させることが可能になる。
なお、第1拡張体210のコンプライアンス曲線の傾き、および第2拡張体220のコンプライアンス曲線の傾きを所望の値に設定する方法としては、例えば、第1拡張体210の構成材料および第2拡張体220の構成材料の材質による調整、各拡張体210、220を構成するチューブ状素材(パリソン)を成形する際の拡張倍率の調整(素材内における分子配向の調整)などにより行うことが可能である。
次に、拡張部200およびシャフト120の各部について詳細に説明する。
図3に示すように、例えば、拡張部200が拡張変形する前の状態(拡張部200が折り畳まれた状態)における第1拡張体210の肉厚(膜厚)d1は、第2拡張体220の肉厚(膜厚)d2よりも薄くなるように形成することが可能である。なお、図3は、図2(A)に示す破線部3Aで囲んだ部分を示す拡大断面図である。
前述したように、拡張部200は、第1拡張体210の外表面が耐擦過性に優れる第2拡張体220により覆われている。このため、比較的大きな耐圧性を備える(耐擦過性が比較的小さい)第1拡張体210の肉厚d1を薄く形成した場合においても、拡張部200を病変部に通過させる際に第1拡張体210を保護することが可能となる。よって、第1拡張体210の肉厚d1は、第2拡張体220よりも薄く形成することができる。
また、第2拡張体220は、拡張部200に耐擦過性を付加するもの、つまり拡張部200の外部から付与される負荷等に起因して外傷等が発生するのを防止するためのものであるため、その肉厚d2を過剰に大きく設定する必要はない。したがって、本実施形態においては、第1拡張体210の肉厚d1と第2拡張体220の肉厚d2とを合計した拡張部200の肉厚d3は、従来公知の一般的なバルーンカテーテルのバルーンに比して小さく設計することが可能である。当然、拡張部200の肉厚d3が小さく設計される場合においても、所望の耐擦過性を維持することができる。なお、拡張部200の内部空間207は、第1拡張体210の外表面と第2拡張体220の内表面との間に形成される空間には連通していない。そのため、本発明に係る拡張部200は、第2拡張体220が拡張部200の外部から付与される負荷等に起因して外傷等が発生した場合あっても、第1拡張体210の拡張により拡張することができる。
拡張カテーテル100がPTCA拡張用カテーテルとして構成される場合(特に、完全閉塞に近い状態にある石灰化病変部を治療対象として使用されるものである場合)、第1拡張体210の肉厚d1は、例えば、1〜8μmに形成することができ、第2拡張体220の肉厚d2は、例えば、2〜9μmに形成することができ、第1拡張体210および第2拡張体220の合計の肉厚(拡張部200の肉厚)d3は、例えば、3〜10μmに形成することができる。なお、第1拡張体210の肉厚d1は、第2拡張体220の肉厚d2よりも薄く構成されるのが好ましい。
また、拡張カテーテル100がステント留置用のカテーテルデバイスとして構成される場合、第1拡張体210の肉厚d1は、例えば、1〜28μmに形成することができ、第2拡張体220の肉厚d2は、例えば、2〜29μmに形成することができ、第1拡張体210および第2拡張体220の合計の肉厚(拡張部200の肉厚)d3は、例えば、3〜30μmに形成することができる。なお、第1拡張体210の肉厚d1は、第2拡張体220の肉厚d2よりも薄く構成されるのが好ましい。
上記の第1拡張体210の肉厚d1、第2拡張体220の肉厚d2、および拡張部200の肉厚d3の寸法は一例であり、各部の肉厚がこれらの値に限定されることない。
図2(B)に示すように、拡張部200が備える第1拡張体210は、先端部211が内管130の先端部および先端チップ240に固定されており、基端部213が外管140の先端部に固定されている。先端部211の基端側には、基端側へ向けて外径が大きくなるように変化する先端側テーパー部211aが形成されており、基端部213の先端側には、先端側へ向けて外径が大きくなるように変化する基端側テーパー部213aが形成されている。先端側テーパー部211aと基端側テーパー部213aとの間には、略直線状に延在するストレート部215が形成されている。
図2(B)に示すように、拡張部200が備える第2拡張体220は、先端部221が第1拡張体210の先端部211の外表面に固定されており、基端部223が第1拡張体210の基端部213の外表面に固定されている。また、先端部221の基端側には、基端側へ向けて外径が大きくなるように変化する先端側テーパー部221aが形成されており、基端部223の先端側には、先端側へ向けて外径が大きくなるように変化する基端側テーパー部223aが形成されている。先端側テーパー部221aと基端側テーパー部223aとの間には、略直線状に延在するストレート部225が形成されている。
図2(B)に示すように、第1拡張体210の先端面および第2拡張体220の先端面は、病変部への通過性を向上させるために先端側へ向けて先細るテーパー形状に形成することが可能である。ただし、各拡張体210、220の先端面の形状は図示したようなテーパー形状に限定されることはない。
なお、第2拡張体220は、第1拡張体210の外表面を覆っていれば図2(B)の形状に限定されず、先端部221が第1拡張体210の先端部211よりも先端側に配置されて、内管130の先端部および先端チップ240に固定されていてもよい。また、第2拡張体220の基端部223は、第1拡張体210の基端部213よりも基端側に配置されて、外管140に固定されていてもよい。
拡張カテーテル100の製造時には、第1拡張体210を構成する略円筒状のチューブ状素材(パリソン)と第2拡張体220を構成する略円筒状のチューブ状素材(パリソン)が準備される。これらの各素材は、一般的なバルーンカテーテルに備えられるバルーンの製造において用いられるものと同様に、例えば、各拡張体210、220の構成材料を所定の成形型(バルーン成形金型等)を使用して成形することで得ることができる。シャフト120に対して第1拡張体210を固定し、さらに第1拡張体210の外表面を覆うように配置した第2拡張体220を第1拡張体210に対して固定することにより、シャフト120に拡張部200を設けることが可能である。
拡張部200において、第1拡張体210のストレート部215と第2拡張体220のストレート部225とが軸方向において重なる部分は、病変部に対して拡張力を作用させる拡張有効部(加圧部)205を構成する。
図2(B)に示すように、シャフト120が備える内管130には、シャフト120の軸方向において拡張部200の中心部P1(拡張有効部205の中心部)が投影される位置を示すX線造影マーカー160を設置している。また、X線造影マーカー160は、シャフト120の軸方向における両端部161、163のそれぞれを、先端側および基端側に向けて外径が漸減するテーパー形状に形成している。
X線造影マーカー160を設けることにより、拡張カテーテル100を使用した手技を行う際に、X線画像上において拡張部200の中心部P1を容易に確認することが可能になるため、手技を迅速に行うことが可能になる。また、X線造影マーカー160の先端部161が先端側へ向けて外径が漸減するテーパー状に形成されており、かつ、X線造影マーカー160の基端部163が基端側へ向けて外径が漸減するテーパー状に形成されているため、病変部に拡張部200を通過させる際に、第1拡張体210とX線造影マーカー160との擦れから第1拡張体210を保護することが可能になる。
本実施形態に係る拡張カテーテル100においては、第1拡張体210は耐擦過性が比較的小さな材料で構成され、かつ、肉厚が小さく形成されることがある。また、拡張部200の収縮時には比較的柔軟な第2拡張体220の収縮に伴って第1拡張体210が内管130にしっかりと密着した状態になる。このため、拡張部200を病変部に通過させる際に第1拡張体210がX線造影マーカー160の両端部161、163に引っ掛かる等して擦れが発生する可能性がある。そこで、X線造影マーカー160の両端部161、163を滑らかなテーパー形状に形成することにより、このような擦れからの保護を図ることを可能にしている。さらに、病変部へのX線造影マーカー160の通過性を向上させることもできる。
X線造影マーカー160は、例えば、X線造影性を備えるリング状の部材の両端部をテーパー形状に加工したものを内管130に嵌装および固定させたり、X線造影性を備えるリング状の部材とテーパー部分を構成する別部材とを組み合わせて一体化させたものを内管130に嵌装および固定させたりすることで設けることが可能である。なお、X線造影マーカー160の構成材料としては、例えば、白金、金、銀、チタン、タングステン等の金属、またはこれらの合金等により構成されたものを使用することができる。
拡張部200が備える第2拡張体220の外表面には、親水性コート層(表面潤滑層)を形成している。第2拡張体220の外表面に親水性コート層を設けているため、拡張部200を生体管腔内で移動させる際や病変部に通過させる際に、第2拡張体220と各部との間の摩擦抵抗が低減する。前述したように、第2拡張体220は、拡張部200の耐擦過性を向上させるために、比較的柔軟な材料で構成されており、摩擦抵抗もその分大きくなり易い。第2拡張体220の外表面に親水性コート層を形成することにより、耐擦過性を維持しつつ、病変部に対する摩擦抵抗が小さくなるため、病変部への通過性もより一層向上したものとなる。
親水性コート層は、例えば、親水性コート層を構成する溶媒(親水性高分子を含む溶媒)を第2拡張体220の外表面に塗布した後に、第2拡張体220の外表面に親水性高分子を架橋させることで形成することができる。上記溶媒としては、例えば、DMF、クロロホルム、アセトン、THF、ジオキサン、ベンゼンなどを使用することができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、架橋させる方法としては、例えば、加熱処理および/または電子線照射により行うことが可能である。
次に、拡張カテーテル100の製造手順について説明する。
まず、第1拡張体210を準備する(第1準備工程)。第1準備工程では、例えば、第1拡張体210を構成するチューブ状素材を購入して準備したり、成形型を使用してチューブ状素材を成形したりして第1拡張体210を得る。
次に、第2拡張体220を準備する(第2準備工程)。第2準備工程では、第1準備工程と同様に、例えば、第2拡張体220を構成するチューブ状素材を購入して準備したり、成形型を使用してチューブ状素材を成形したりして第2拡張体220を得る。なお、第1準備工程と第2準備工程は、順不同であり、工程順番を入れ替えてもよい。また、第1準備工程と第2準備工程を合わせて、準備工程と称する。
次に、第1拡張体210をシャフト120に固定してシャフト組立体を形成する(シャフト組立体形成工程)。シャフト120は、第1拡張体210を固定する作業を行うのに先立ち、内管130、外管140、ハブ150を組み付けた状態で予め準備しておくことが可能である。なお、シャフト組立体とは、第1拡張体210がシャフト120に固定された状態の仕掛品(中間品)を便宜的に称したものである。
シャフト120に対する第1拡張体210の固定は、溶着や融着等の公知の方法で行うことが可能である。
次に、第2拡張体220の外表面に親水性高分子の溶媒を塗布する(塗布工程)。その後、第2拡張体220に対して加熱処理および/または電子線処理を施すことにより、親水性高分子を架橋させて親水性コート層を形成する(コート層形成工程)。なお、塗布工程及びコート層形成工程は、シャフト組立体形成工程の前に行ってもよい。
第2拡張体220の外表面に親水性コート層を形成した後、シャフト120に固定した第1拡張体210を覆うようにして第2拡張体220をシャフト組立体に対して固定する。第2拡張体220は、例えば、シャフト120に直接固定してもよいし、図2(B)に示すように第1拡張体210に固定してもよい。シャフト組立体に対する第2拡張体220の固定は、溶着や融着等の公知の方法で行うことが可能である。
一般的に、第1拡張体210のように耐圧性が比較的大きな材料で構成され、かつ、肉厚が薄く形成されたものに対して熱的な負荷を掛けて親水性コート層を形成すると、熱の影響を受けて第1拡張体210の素材自体に熱硬化等の変形が容易に生じ得る。このため、親水性高分子を架橋させて第1拡張体210の外表面に親水性コート層を強固に固着させることが難しくなる。これに対して、本実施形態に係る拡張カテーテル100の製造方法においては、熱的な負荷を掛けた際に第1拡張体210よりも変形が比較的生じ難い第2拡張体220の外表面に対して加熱処理や電子線処理を施して親水性高分子を架橋させている。このため、第2拡張体220の外表面に親水性コート層を強固に固着させることが可能になる。さらに、第1拡張体210と第2拡張体220とを固定させる前に、第2拡張体220に対して加熱処理や電子線処理を施すため、第1拡張体210に熱的な影響が及ぶのを防止することができ、親水性コート層の形成に伴って第1拡張体210に不要な変形等が生じるのを防止することが可能になる。
以上、本実施形態に係る拡張カテーテル100によれば、拡張部200は、第1拡張体210を覆う第2拡張体220が備える柔軟性により耐擦過性が向上されたものとなり、第1拡張体210が備える耐圧性により拡張性が向上されたものとなる。さらに、第1拡張体210のコンプライアンス曲線の傾きが、第2拡張体220のコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されているため、拡張部200の内圧が増加した際における第1拡張体210の拡張変形量は、第2拡張体220の拡張径に応じて制限される。したがって、第1拡張体210の肉厚および第2拡張体220の肉厚を薄くすることにより拡張部200が細径化して構成される場合においても、拡張部200全体が病変部に対して作用させる拡張力を所望の大きさまで高めることが可能になる。よって、通過性および拡張性とともに耐擦過性の向上が図られた拡張部200を備える拡張カテーテル100を提供することが可能になる。
また、拡張変形前における第1拡張体210の肉厚は、拡張変形前における第2拡張体220の肉厚よりも薄いため、第1拡張体210の肉厚を薄く形成することを通じて拡張部200全体の肉厚を薄く形成することができ、拡張部200をより一層細径化して構成することが可能になる。
また、第1拡張体210のコンプライアンス曲線の傾きは、加圧媒体の供給に伴って拡張部200の内圧が所定の値Psに達した以降に、第2拡張体210のコンプライアンス曲線の傾きよりも大きくなり、拡張部200の内圧が所定の値Psに達するまでは、第2拡張体220のコンプライアンス曲線の傾きと略同一であるため、拡張部200の内圧が所定の圧力Psに達する前の段階においては、第1拡張体210の拡張変形が第2拡張体220によって制限されることがなく、拡張部200全体を速やかに拡張変形させることが可能になる。
また、シャフト120(内管130)は、当該シャフト120の軸方向において拡張部200の中心部P1が投影される位置を示すX線造影マーカー160を有し、当該X線造影マーカー160は、シャフト120の軸方向における両端部161、163が、先端側および基端側に向けて外径が漸減するテーパー形状に形成されているため、病変部に拡張部200を通過させる際に、第1拡張体210とX線造影マーカー160との擦れから第1拡張体210を好適に保護することが可能になる。
また、シャフト120と、シャフト120の先端部に固定された拡張変形および収縮変形可能な拡張部200とを備え、拡張部200が備える第1拡張体210の外表面が第2拡張体220により覆われて構成された拡張カテーテル100の製造方法を提供することが可能になる。具体的には、生体管腔内に挿入可能な可撓性を備える長尺状のシャフト120と、シャフト120の先端部に固定され、シャフト120を介した加圧媒体の供給および排出に伴い拡張変形および収縮変形可能に構成された拡張部200と、を有する拡張カテーテル100の製造方法であって、第1拡張体210及び第1拡張体210よりも柔軟な材料で形成された第2拡張体220を準備する準備工程と、第1拡張体210をシャフト120に固定してシャフト組立体を形成するシャフト組立体形成工程と、シャフト120に固定した第1拡張体210を覆うようにして第2拡張体220をシャフト組立体に固定し、第1拡張体210及び第2拡張体220からなる拡張部200を形成する固定工程と、を含み、第1拡張体210は、第2拡張体220よりも耐圧性の高い材料で構成されており、かつ、加圧媒体の供給に伴う拡張部200の内圧の単位増加量あたりにおける第1拡張体210の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きが、第2拡張体220が拡張する際の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されている拡張カテーテル100の製造方法である。
また、第2拡張体220の外表面に親水性コート層を強固に固着させることでき、かつ、親水性コート層の形成に伴って第1拡張体210に不要な変形等が生じるのを防止することができる拡張カテーテル100の製造方法を提供するが可能になる。
<改変例>
次に、拡張カテーテル100に備えられる第2拡張体の改変例を説明する。
図5(A)は、改変例に係る第2拡張体320の一部を示す拡大斜視図であり、図5(B)は、改変例に係る第2拡張体320の軸直交断面図(図5(A)の矢印5A−5A線に沿う断面図)である。
第1拡張体210を覆うように配置される第2拡張体320は、例えば、本改変例において示すように、その外表面の周方向に沿って複数の凹凸部325が形成されたものを使用することが可能である。このように、外表面に凹凸部325が形成されていることにより、拡張部200を拡張させた際に第2拡張体320が石灰化された病変部に対して機械的な係止力を作用させて喰い込むようになる。つまり、拡張部200にスコアリング機能を付加することが可能になるため、病変部の拡張作用(治療効果)を高めることが可能になる。また、病変部を通過させる際に第2拡張体320の外表面と病変部とが接触する接触面積が小さくなるため、病変部への通過性をより一層向上させることも可能になる。
図示例においては、軸直交断面が6角形であるチューブ状の素材を第2拡張体320に使用しているが、第2拡張体320の外形形状や断面形状は、外表面の周方向に複数の凹凸部が形成されている限りにおいて特に限定されない。また、第2拡張体320には、第1拡張体210との固定時の作業性等を考慮して、図示するように第1拡張体210が挿通可能な内腔323が形成されたものを使用することが可能である。
第2拡張体320の材質、コンプライアンス曲線の傾き等は、前述した第1実施形態と同様に構成することが可能である。また、第2拡張体320の外表面には、前述した親水性コート層を設けることも可能である。
以上、実施形態および改変例を通じて本発明に係る拡張カテーテルおよびその製造方法を説明したが、本発明は実施形態および改変例において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
本出願は、2015年3月27日に出願された日本国特許出願第2015−067111号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
100 拡張カテーテル、
120 シャフト、
130 内管、
140 外管、
160 X線造影マーカー、
161 先端部、
163 基端部、
200 拡張部、
205 拡張有効部、
210 第1拡張体、
220 第2拡張体、
320 第2拡張体、
325 凹凸部、
d1 第1拡張体の肉厚、
d2 第2拡張体の肉厚、
d3 拡張部の肉厚、
P1 拡張部の中心部、
Ps 所定の値。

Claims (7)

  1. 生体管腔内に挿入可能な可撓性を備える長尺状のシャフトと、
    前記シャフトの先端部に固定され、前記シャフトを介した加圧媒体の供給および排出に伴い拡張変形および収縮変形可能に構成された第1拡張体および第2拡張体からなる拡張部と、を備え、
    前記第2拡張体は、前記第1拡張体の外表面を覆うように配置され、かつ、前記第1拡張体よりも柔軟な材料で構成されており、
    前記第1拡張体は、前記第2拡張体よりも耐圧性の高い材料で構成されており、かつ、前記加圧媒体の供給に伴う前記拡張部の内圧の単位増加量あたりにおける当該第1拡張体の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きが、前記第2拡張体が拡張する際の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されてなる、拡張カテーテル。
  2. 拡張変形前における前記第1拡張体の肉厚は、拡張変形前における前記第2拡張体の肉厚よりも薄い、請求項1に記載の拡張カテーテル。
  3. 前記第1拡張体のコンプライアンス曲線の傾きは、前記加圧媒体の供給に伴って前記拡張部の内圧が所定の値に達した以降に、前記第2拡張体のコンプライアンス曲線の傾きよりも大きくなり、前記拡張部の内圧が前記所定の値に達するまでは、前記第2拡張体のコンプライアンス曲線の傾きと略同一である、請求項1または請求項2に記載の拡張カテーテル。
  4. 前記シャフトは、当該シャフトの軸方向において前記拡張部の中心部が投影される位置を示すX線造影マーカーを有し、
    前記X線造影マーカーは、前記シャフトの軸方向における両端部が、先端側および基端側に向けて外径が漸減するテーパー形状に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡張カテーテル。
  5. 前記第2拡張体の外表面には、周方向に沿って複数の凹凸部が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の拡張カテーテル。
  6. 生体管腔内に挿入可能な可撓性を備える長尺状のシャフトと、前記シャフトの先端部に固定され、前記シャフトを介した加圧媒体の供給および排出に伴い拡張変形および収縮変形可能に構成された拡張部と、を有する拡張カテーテルの製造方法であって、
    第1拡張体及び前記第1拡張体よりも柔軟な材料で形成された第2拡張体を準備する準備工程と、
    前記第1拡張体を前記シャフトに固定してシャフト組立体を形成するシャフト組立体形成工程と、
    前記シャフトに固定した前記第1拡張体を覆うようにして前記第2拡張体を前記シャフト組立体に固定し、前記第1拡張体及び前記第2拡張体からなる前記拡張部を形成する固定工程と、を含み、
    前記第1拡張体は、前記第2拡張体よりも耐圧性の高い材料で構成されており、かつ、前記加圧媒体の供給に伴う前記拡張部の内圧の単位増加量あたりにおける当該第1拡張体の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きが、前記第2拡張体が拡張する際の外径の連続的な変化を示すコンプライアンス曲線の傾きよりも大きく形成されている拡張カテーテルの製造方法。
  7. 前記シャフト組立形成工程または前記固定工程の前に、
    前記第2拡張体の外表面に親水性高分子の溶媒を塗布する塗布工程と、
    前記第2拡張体に対して加熱処理および/または電子線照射を施すことにより、前記親水性高分子を架橋させて親水性コート層を形成するコート層形成工程と、を有する請求項6に記載の拡張カテーテルの製造方法。
JP2017509836A 2015-03-27 2016-03-22 拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法 Pending JPWO2016158584A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015067111 2015-03-27
JP2015067111 2015-03-27
PCT/JP2016/059053 WO2016158584A1 (ja) 2015-03-27 2016-03-22 拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2016158584A1 true JPWO2016158584A1 (ja) 2018-01-18

Family

ID=57005064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017509836A Pending JPWO2016158584A1 (ja) 2015-03-27 2016-03-22 拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2016158584A1 (ja)
WO (1) WO2016158584A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3630260A4 (en) * 2017-05-23 2021-02-17 Boston Scientific Scimed, Inc. CRYOBALLOON FOR INTRAVASCULAR CATHETER SYSTEM

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5447497A (en) * 1992-08-06 1995-09-05 Scimed Life Systems, Inc Balloon catheter having nonlinear compliance curve and method of using
JP2001513374A (ja) * 1997-08-08 2001-09-04 サンスコープ インターナショナル インコーポレイテッド バルーンカテーテルおよびその使用方法
JP2002143316A (ja) * 2000-11-15 2002-05-21 Kawasumi Lab Inc カテーテル及びバルーンカテーテル
JP2004305768A (ja) * 2004-07-22 2004-11-04 Terumo Corp 湿潤時に表面が潤滑性を有する医療用具
JP2004534555A (ja) * 2000-11-28 2004-11-18 サイメッド ライフ システムズ,インコーポレーテッド 生体活性物質を管腔に送達するための医療装置
JP2012005705A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Asahi Intecc Co Ltd バルーンカテーテル
JP2012066008A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Terumo Corp 多重構造バルーンおよびその製造方法
WO2013133183A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 テルモ株式会社 バルーンカテーテル

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5447497A (en) * 1992-08-06 1995-09-05 Scimed Life Systems, Inc Balloon catheter having nonlinear compliance curve and method of using
JP2001513374A (ja) * 1997-08-08 2001-09-04 サンスコープ インターナショナル インコーポレイテッド バルーンカテーテルおよびその使用方法
JP2002143316A (ja) * 2000-11-15 2002-05-21 Kawasumi Lab Inc カテーテル及びバルーンカテーテル
JP2004534555A (ja) * 2000-11-28 2004-11-18 サイメッド ライフ システムズ,インコーポレーテッド 生体活性物質を管腔に送達するための医療装置
JP2004305768A (ja) * 2004-07-22 2004-11-04 Terumo Corp 湿潤時に表面が潤滑性を有する医療用具
JP2012005705A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Asahi Intecc Co Ltd バルーンカテーテル
JP2012066008A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Terumo Corp 多重構造バルーンおよびその製造方法
WO2013133183A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 テルモ株式会社 バルーンカテーテル

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016158584A1 (ja) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5736312B2 (ja) 拡張型医療バルーンを製造する方法
US8043279B2 (en) Catheter and medical tube
US8940010B2 (en) Catheter with a polymide distal tip
US6129707A (en) Intravascular catheter with expanded distal tip
EP2895226B1 (en) Method of manufacturing a soft tip balloon catheter
JP2006501935A (ja) 不連続なストライプを有する押出成形された管状部材
WO2006134638A1 (ja) バルーンカテーテル
AU2017295675B2 (en) High-pressure dilation catheter balloon
JP2000254235A (ja) 医療用チューブ及びその製造方法
EP3205365B1 (en) Medical elongated body and balloon catheter
WO2016158584A1 (ja) 拡張カテーテル、および拡張カテーテルの製造方法
WO2015146259A1 (ja) バルーンカテーテル、およびバルーンの製造方法
JP5026278B2 (ja) 医療用複合バルーン
JP6080838B2 (ja) バルーンカテーテルおよびステントデリバリーシステム
JPH10277157A (ja) バルーン拡張カテーテル及びその製造方法
JP6078371B2 (ja) バルーンカテーテル用バルーンの製造方法
JP2018149082A (ja) 医療用長尺体
WO2023157533A1 (ja) バルーンカテーテル
JP7148308B2 (ja) バルーンカテーテル
JP6134154B2 (ja) バルーンカテーテル用バルーン
WO2023157534A1 (ja) バルーンカテーテル
WO2023157535A1 (ja) バルーンカテーテル
JP2019058331A (ja) バルーンカテーテル
JP2022106410A (ja) バルーンカテーテル
JP2020156526A (ja) バルーンカテーテル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200401

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200908

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201207

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210608

C141 Inquiry by the administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C141

Effective date: 20210810

C54 Written response to inquiry

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C54

Effective date: 20211007

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220301

C302 Record of communication

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C302

Effective date: 20220330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220502

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220517

C30 Protocol of an oral hearing

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C30

Effective date: 20220622

C302 Record of communication

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C302

Effective date: 20220817

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20220830

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20221206

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20230110

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20230110