JPWO2016157929A1 - インターフェロンαの経口投与による慢性難治性外耳炎治療効果 - Google Patents

インターフェロンαの経口投与による慢性難治性外耳炎治療効果 Download PDF

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Abstract

本発明は、慢性難治性外耳炎に対する即効性でかつ持続性のある治療薬を提供することを目的とする。本発明は、インターフェロンα(IFNα)を有効成分とする、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のための組成物、医薬組成物、食品および飼料を提供する。本発明の組成物を経口投与することにより、慢性難治性外耳炎を抑制、軽減、治療および予防することができる。本発明におけるIFNαは、微量の投与によって十分な効果を得ることができる。

Description

本発明は、インターフェロンαを有効成分として含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用組成物に関する。
外耳炎は非常に一般的な疾患であり、イヌやネコなどのペットでは非常に高い罹患率で発症する疾患である。また、外耳炎は、慢性化すると、獣医師および飼い主にとって効果的に治療する上で非常に頭を悩ませる疾患の一つでもある。治療戦略は広範囲にわたるが、外耳炎を治療するための様々な薬剤が使用されている。また、外耳炎に対しては、一般に、抗炎症剤や抗菌物質による対処療法が執られ、予防的な処置は行われないのが現状である。
昨今、イヌの外耳炎は広義の皮膚疾患として捉えられてきており、例えば、マラセチア性の外耳炎の場合、外耳皮膚のバリアが脆弱となることで、マラセチアが常在菌であるにも関わらず炎症を引き起こすと言われている。
これまで、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の治療にインターフェロン(IFN)を提供することが報告されている。例えば、ヒトのアトピー性皮膚炎に対して、ヒトIFN−βを静脈内投与することにより、該皮膚炎に一定の効果を示したことが報告されている(特許文献1)。また、非ヒト哺乳動物では、例えば、ウシにおいて、ヒトIFNαを代用乳と共に給餌することにより、中耳炎に効果を示したことが報告されている(非特許文献1)。
イヌ難治性皮膚炎に対して、皮下注射によりイヌIFN−γを投与することにより、該皮膚炎の改善が見られたことも報告されている(特許文献2および3)。このような既存のインターフェロンを含有する製剤の多くは、高濃度の侵襲性投与(皮下または静脈注射)が一般的である。しかしながら、マラセチア性外耳炎等の慢性化した難治性外耳炎の完治は困難であり、優れた予防薬または治療薬は見出されていない。
特開平6−48957号公報 特開平10−306037号公報 特開2000−316585号公報
AJVR,Vol.66,No.1,p.164−176
皮膚疾患は慢性化することが多く、上記従来技術による治療が繰り返し行われることも多い。そのため、完治に至るまで治療が長期化する、あるいは完治に至らない場合もある。したがって、従来技術による治療薬を用いて長期間治療されても完治に至らないような皮膚炎として慢性難治性外耳炎に対する即効性でかつ持続性のある治療薬が望まれている。また、従来のインターフェロン製剤の多くが高濃度の侵襲性投与であったのに対して、低用量インターフェロンの経口投与によれば、安全性や投与の簡便性等の優位な点が期待される。
本発明者らは、インターフェロン(IFN)αを有効成分として含む組成物を、従来技術によって治療が困難な慢性難治性外耳炎を患っている対象に経口投与することによって、該疾患が顕著に改善されることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、IFN−αを有効成分として含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用(または口腔粘膜塗布用もしくは歯肉塗布用)の組成物および医薬組成物を提供し、さらに、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]インターフェロンαを有効成分として含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用組成物。
[2]インターフェロンαと咀嚼性の担体を含む、上記[1]に記載の組成物。
[3]咀嚼性の担体が食品である、上記[2]に記載の組成物。
[4]咀嚼錠またはチューインガムである、上記[3]に記載の組成物。
[5]インターフェロンαとペースト状の担体を含む、上記[1]に記載の組成物。
[6]体重1kgあたり0.5〜25000LU/日のインターフェロンαが配合されている、上記[1]〜[5]に記載の組成物。
[7]インターフェロンαを経口投与することを含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための方法。
[8]インターフェロンαと咀嚼性の担体またはペースト状の担体とを含む組成物を経口投与することを含む、上記[7]に記載の方法。
[9]体重1kgあたり0.5〜25000LU/日のインターフェロンαが経口投与される、上記[8]に記載の方法。
[10]インターフェロンαと薬学的に許容される担体とを含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための医薬組成物。
[11]薬学的に許容される担体が咀嚼性の担体またはペースト状の担体である、上記[10]に記載の医薬組成物。
[12]体重1kgあたり0.5〜25000LU/日のインターフェロンαが配合されている、上記[11]に記載の医薬組成物。
[13]慢性難治性外耳炎の治療および/または予防のための経口用組成物の製造におけるインターフェロンαの使用。
本発明による哺乳動物の慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のための組成物を、哺乳動物に経口投与(または口腔粘膜塗布)することによって、該外耳炎を予防および治療することができる。
PCRにより、イチゴへのCaIFNα−4遺伝子導入を確認した結果を示す。 CaIFNα−4遺伝子組換えイチゴ果実破砕液による細胞変性抑制効果および抗ウイルス活性の結果を示す。 投与群3頭には、給餌前に1頭1日当たり2500LUのIFNα−4を被験犬の歯肉へ21日間連続塗布投与し、非投与群3頭との外耳観察所見を記録した。投与期間中の各群の外耳臨床観察所見の推移を示す。 投与開始後21日目の各被験犬の外耳所見写真および耳垢の褐色程度を示す。 投与群3頭には、給餌前に1頭1日当たり250LUのIFNα−4を被験犬の歯肉へ週2回塗布投与し、非投与群3頭との外耳観察所見を記録した。投与期間中の各群の外耳臨床観察所見の推移を示す。 投与開始後21日目の各被験犬の外耳所見写真および耳垢の褐色程度を示す。
本発明は、インターフェロンαを有効成分として含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用、口腔粘膜塗布用または歯肉塗布用の組成物に関する。本発明の組成物は、IFNαと生物学的に許容される担体を配合することによって製造することができる。
インターフェロン(IFN)は、ウイルス感染などにともなって動物の生体内で分泌される分子量約20kDaのタンパク質である。哺乳動物においては、α、β、およびγの3種類のIFNがある。このうちαとβは構造上の類似性を有している。例えば、ヒトやマウスでは、α−βの間で、塩基配列で40%程度、アミノ酸配列で35%程度の相同性がある。これらのIFNは総称してI型IFNと呼ばれる。I型IFNは、抗ウイルス作用の他に、細胞増殖抑制効果、抗腫瘍作用、マクロファージ等の免疫細胞の活性化作用、および免疫応答調節作用などの作用を有することが明らかにされている。
ヒトやマウスなどの哺乳動物のIFNαには多型が見られる。例えば、ヒトにおいては、15以上の相同性の高い(85%以上)遺伝子群が見出されている。IFNαの遺伝子にはイントロンが無く、ゲノム中にこれらの多型を含む複数の遺伝子が存在しているのが大きな特徴である。
本発明におけるIFNαには、これらの多型によってもたらされるサブタイプの全てが含まれる。更に、これらのサブタイプを構成するアミノ酸配列において、1または複数のアミノ酸配列が、付加、欠失、置換、または挿入されたアミノ酸配列を含み、かつIFNαと同等、あるいはそれ以上の生物学的活性を有するタンパク質も、本発明におけるIFNαとして利用することができる。本発明におけるIFNαとして、任意の動物種に由来するIFNαを利用することができる。好ましくは、イヌ由来のIFNαを用いることができる。より具体的には、イヌIFNα(以下、「CaIFNα−4」と称する場合がある)は、配列番号1で示される塩基配列によってコードされるアミノ酸配列(配列番号2)を有する。
あるいは、慢性難治性外耳炎に対する予防および/または治療効果を有する限り、他の生物種に由来するIFNαを利用することもできる。例えば、以下の生物種に由来するIFNαのサブタイプが公知である。これらの天然のIFNαの各サブタイプについては、いずれも以下に記載のGenBankアクセッションナンバーで、その塩基配列およびアミノ酸配列を参照することができる。いずれの生物種においても、これらのサブタイプに加え、新たなサブタイプが新たに見出される可能性がある。今後新たに見出されるサブタイプも、必要な活性を有している限り、本発明におけるIFNαとして利用することができる。
なお通常これらのアクセッションナンバーによって特定されるアミノ酸配列は、シグナル配列を含んでいる。アミノ酸配列がシグナル配列を含む場合、通常は、当該シグナル配列が除かれた成熟タンパク質が、本発明におけるIFNαとして利用される。シグナル配列の全て、あるいは一部を伴ったアミノ酸配列からなる前駆タンパク質が、IFNαの生物学的活性を有する場合には、前駆タンパク質をIFNαとして用いることもできる。更に、投与後に、シグナル配列の全て、あるいは一部が除かれることで、IFNαの生物学的活性を獲得することができる前駆タンパク質も、本発明のIFNαとして利用することができる。
イヌIFNα(8種のサブタイプ)
CaIFN-a1:M28624 CaIFN-a2:M28625 CaIFN-a3:O97945
CaIFN-a4:AB102731 CaIFN-a5:AB125934 CaIFN-a6:AB125935
CaIFN-a7:AB125936 CaIFN-a8:AB125937
ネコIFNα(14種のサブタイプ)
FeIFN-w:E02521 FeIFN-a1:AY117395 FeIFN-a2:AY117394
FeIFN-a3:AY117393 FeIFN-a5:AY117392 FeIFN-a6:AY117391
FeIFN-a7:AB094996 FeIFN-a8:AB094997 FeIFN-a9:AB094998
FeIFN-a10:AB094999 FeIFN-a11:AB095000 FeIFN-a12:AB095001
FeIFN-a13:AB095002 FeIFN-a14:AB095003
げっ歯類IFNα(8種のサブタイプ)
D00460、M13660、M13710、X01969、X01971、X01972、X01973、X01974
ウシIFNα(8種のサブタイプ)
M10952、M10953、M10954、M10955、M11001、X93087、X93088、X93089
ブタIFNα
IFN-a1:X57191.1
ヒトIFNα(21種のサブタイプ)
HuIFN-a1:DQ185447 HuIFN-a2:NM000605 HuIFN-a3:E00176
HuIFN-a4:NM021068 HuIFN-a5:NM002169 HuIFN-a6:NM021002
HuIFN-a7:NM021057 HuIFN-a8:NM002170 HuIFN-a10:NM002171
HuIFN-a13:NM006900 HuIFN-a14:NM002172 HuIFN-a16:NM002173
HuIFN-a17:NM021268 HuIFN-a21:NM002175 HuIFN-a2a:AAS92248
HuIFN-a2b:AAP20099 HuIFN-a1b:AAL35223 HuIFN-a4b:CAA26701
HuIFN-aI’:AAA52725(=HuIFN-a17subtype)
HuIFN-aI1:CAA01748(=HuIFN-a17subtype)
HuIFN-a-j:CAA23792 HuIFN-aT:I79343 HuIFN-aO:I79344
HuIFN-aN:I58999 HuIFN-aB:0902162A
例えば、次のようなヒト由来IFN製剤が実用化されている。これらはいずれも天然型のIFNαで、いずれも本発明における好適なIFNαに含まれる。
オーアイエフ(大塚製薬製、BALL-1)
スミフェロン(住友製薬製、NAMALWA)
Wellferon(Glaxo-Wellcome、α-n1)
Alferon(Purdue Frederick Co.、α-n3)
なお、上記の天然型IFNαの由来として併記した、BALL−1、NAMALWA、α−n1、およびα−n3は、いずれも各IFNαが由来する細胞株の名前である。天然型とは、遺伝子組み換えによらず、生体から樹立された細胞株が産生するIFNαを言う。天然型のIFNαは、例えば、由来として記載した上記の細胞株を培養することによって、その培養物から回収することができる。これらの細胞株の培養と、培養物からのIFNαの回収のための方法は公知である。
これに対してリコンビナントIFNαも同様に、本発明における好ましいIFNαに含まれる。リコンビナントIFNαとは、IFNαのアミノ酸配列をコードするDNAを人為的に発現させることによって得られたIFNαである。更に、本発明におけるIFNαには、これら天然に存在するIFNαのアミノ酸配列を含むタンパク質に加え、当該アミノ酸配列が改変されたタンパク質を利用することができる。具体的には、例えば、以下のようなタンパク質を、本発明におけるIFNαとして示すことができる。
(a)前記天然のIFNαのアミノ酸配列を含むタンパク質;
(b)前記天然のIFNαのアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸残基が、置換、欠失、付加、または挿入されたアミノ酸配列を含み、天然のIFNαと同等の生物学的活性を有するタンパク質;
(c)前記天然のIFNαをコードする塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件においてハイブリダイズするDNAによってコードされ、天然のIFNαと同等の生物学的活性を有するタンパク質;および
(d)前記天然のIFNαのアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、天然のIFNαと同等の生物学的活性を有するタンパク質。
本発明において、天然のIFNαの生物学的活性とは、当該タンパク質の経口投与、口腔粘膜塗布、または歯肉塗布によって、皮膚疾患、好ましくは慢性難治性外耳炎を抑制、改善、軽減、治療または予防し得ることをいう。あるタンパク質がこのような活性を有することは、実際に、例えば、被験動物の歯肉にタンパク質を塗布することによって確認することができる。
このようなアミノ酸配列が改変されたIFNαは、IFNαの「バリアント」(改変体)と呼ぶことができる。与えられたアミノ酸配列を改変するためのさまざまな手法が公知である。例えば、IFNαをコードするポリヌクレオチドの塩基配列に変異を導入し、それによってコードされるアミノ酸配列を改変することができる。アミノ酸配列の改変によって、その生物学的な活性を調節することができる。例えば、IFNαの生物学的な活性を増強したり、生体中における安定性を改善することができる。
アミノ酸配列を改変するための多くの手法が公知である。例えば、「モレキュラークローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」、J.Sambrook,et al.,eds.,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,1989、「分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、F.M.Ausubel,et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkなどに記載された方法を利用することができる。
アミノ酸配列の改変は、アミノ酸残基の置換、欠失、付加、および挿入によってもたらされる。アミノ酸残基の置換、欠失、付加、および挿入は、それぞれ単独で施すこともできるし、2つ、3つ、あるいは全ての修飾を与えることもできる。更に、天然のIFNαのアミノ酸配列の中の、1または複数の位置において、アミノ酸残基の置換、欠失、付加、および挿入からなる群から選択される任意の修飾を施すことができる。このような改変体には、IFNαアミノ酸配列の全体または部分を含む融合タンパク質も含まれる。アミノ酸配列の変化がタンパク質の構造に与える影響を予測するための方法が知られている。したがって、既知の方法に従って、IFNαの改変体を設計することができる。このような方法の一例は、Dahiyat and MayoによってScience 278:8287,1997に記載されている。Dahiyat and Mayoの方法を適用することにより、IFNαのアミノ酸配列を改変したときに、活性の維持に必要な構造を保っているか否かを解析することができる。
また、生物学的活性を維持したまま、アミノ酸配列のみを改変することもできる。例えば、望ましくないジスルフィド結合を防ぐために、システイン残基を置換または除去することができる。同様に、アミノ酸配列の改変によってIFNαのプロテアーゼ感受性を調節することもできる。プロテアーゼ耐性を付与すれば、発現系におけるプロテアーゼによるタンパク質分解を防ぐことによってIFNαの発現を増強することもできる。
IFNαのアミノ酸配列の改変において、性質が似ているアミノ酸残基への置換が、タンパク質の構造や活性の維持に有用であることが知られている。性質が似ているアミノ酸残基の置換は、保存的置換と呼ばれる。「保存的置換」とは、タンパク質の三次構造および/または活性を大きく変化させないアミノ酸置換を言う。例えば、次に示したグループに含まれるアミノ酸の、グループ内の他のアミノ酸残基への置換は、保存的置換に含まれる。
(1)中性疎水性側鎖(アラニン、トリプトファン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、ロイシン);
(2)中性極性側鎖(アスパラギン、グリシン、グルタミン、システイン、セリン、チロシン、トレオニン);
(3)塩基性側鎖(アルギニン、ヒスチジン、リシン);
(4)酸性側鎖(アスパラギン酸、グルタミン酸);
(5)脂肪族側鎖(アラニン、イソロイシン、グリシン、バリン、ロイシン);
(6)脂肪族水酸基側鎖(セリン、トレオニン);
(7)アミン含有側鎖(アスパラギン、アルギニン、グルタミン、ヒスチジン、リシン);
(8)芳香族側鎖(チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン);および
(9)硫黄含有側鎖(システイン、メチオニン)
アミノ酸の置換には、当業者に知られたさまざまな方法を利用することができる。具体的には、Kunkelらの部位特異的変異誘発法(Kunkel,Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.82:488−492,1985)を、アミノ酸の置換に利用することができる。あるいは想定されたアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるポリヌクレオチドを化学的に合成することもできる。
本発明において、置換、欠失、付加、または挿入されるアミノ酸残基の数は、得られる改変体が必要なIFNαの生物学的な活性を維持する限り制限されない。先に述べたとおり、ここで言う生物学的な活性の維持には、生物学的活性の増強が含まれる。本発明におけるIFNαの改変体を得るための、置換、欠失、付加、または挿入されるアミノ酸残基の数は、通常50残基以内、例えば、30残基以内、好ましくは20残基以内、より好ましくは10残基以内、特に好ましくは5以内、更に好ましくは1〜3残基である。
更に、アミノ酸配列の改変によってIFNαの生物学的な活性を増強することができる。生物学的な活性を増強されたIFNαも、本発明におけるIFNαに含まれる。生物学的な活性の増強には、重量当たりのIFNαの活性の増強と、生体内における滞留時間の延長、あるいは生理的な分解の抑制が含まれる。例えば、IFNαのアミノ酸配列を、いくつかのサブタイプの間で保存されたアミノ酸配列に改変することによって、IFNαの生物学的な活性を増強できることが明らかにされている(US4695623,US4897471,US5985265)。このような改変体を本発明におけるIFNαとして利用することもできる。
IFNαの改変体をコードするポリヌクレオチドを、ハイブリダイゼーションによって得ることもできる。例えば、前記の天然のIFNαをコードするDNAのコード領域からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドは、IFNαと同様の生物学的活性を有するタンパク質をコードしている可能性が高い。本発明において、「ストリンジェントな条件下」とは、当技術分野で周知のパラメーターによって特定される。具体的には、DNAのハイブリダイゼーション条件は、低イオン強度、およびDNAハイブリッド複合体の融解温度(Tm)をわずかに下回る温度において、一般にストリンジェントであると言われる。具体的には、Tmよりも約3℃低い条件は、ストリンジェントな条件に含まれる。ストリンジェンシーが高いほど、プローブ配列と標的配列との間の同一性は高い。
このような条件は、この種の方法をまとめた参考文献で参照することができる。具体的には、例えば、先に示した「モレキュラークローニング:実験マニュアル」や「分子生物学における最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」などに記載されている。これらの方法によって、前記天然のIFNαのDNAをプローブとして、未だIFNαが単離されていない生物のcDNAライブラリーをスクリーニングすれば、当該生物のIFNαをコードするcDNAを得ることができる。あるいは既にIFNαが単離されている生物種のcDNAライブラリーからは、更に新たなサブタイプを単離できる可能性がある。
例えば、65℃の、6×SSC中でのハイブリダイゼーションをストリンジェントな条件として例示することができる。あるいは、65℃の、3.5×SSC、0.02%Ficoll、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%ウシ血清アルブミン、2.5mM NaH2PO4[pH7]、0.5%SDS、2mM EDTAからなるハイブリダイゼーション緩衝液中でのハイブリダイゼーションを、ストリンジェントな条件として示すこともできる。なおSSCは、pH7の0.15M塩化ナトリウム/0.15Mクエン酸ナトリウムである。ストリンジェントな条件においては、ハイブリダイゼーションの後に、DNAを転写したメンブレンを2×SSCにて室温で洗浄し、その後に0.1×SSC/0.1×SDSにて最高68℃までの温度で洗浄する。
あるいは、水性ハイブリダイゼーション溶液に代えて、ホルムアミドハイブリダイゼーション溶液を用いることもできる。すなわち、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を、例えば、42℃の50%ホルムアミド溶液を用いることによって得ることができる。当業者は、同程度のストリンジェンシーを得るために、他の条件や、試薬類を利用することができる。また、改変体の発現のために細胞およびライブラリーをスクリーニングし、それらを単離し、更に目的とするDNAをクローニングおよびシークエンシングするための方法も周知である。例えば、単離すべきDNAの塩基配列に基づいて、当該DNAを増幅するためのプライマーをデザインすることができる。プライマーを利用して、PCR法などの遺伝子増幅法によって、目的とするDNAが増幅される。
本発明においてIFNαの改変体のアミノ酸配列と天然のアミノ酸配列との同一性は、一般に、少なくとも65%、通常75%、好ましくは90%、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上である。アミノ酸配列の相同性は、NCBI(Bethesda,Maryland)によって開発された、さまざまな公開ソフトウエアツールによって算出することができる。塩基配列やアミノ酸配列の解析ツールには、Altschul SF,et al.,のヒューリスティックアルゴリズム(J Mol Biol,1990,215:403−410)が含まれる。このツールは、BLASTとして知られている。
本発明において、IFNαは、その生物学的活性を維持する限り、他の分子によって修飾することもできる。具体的には、IFNαと他のタンパク質との融合タンパク質を、本発明におけるIFNαとして利用することができる。その他、非蛋白性の高分子化合物によるIFNαの修飾も許容される。例えば、ポリエチレングリコール等の高分子化合物で修飾されたIFNαが血中への投与用製剤として利用されている(US5382657,US5559213,US6177074,US5951974,US5981709)。高分子化合物による修飾によって、IFNαは血液中での滞留性が改善される。
本発明に用いるIFNαは、そのアミノ酸配列にしたがって、化学的に、あるいは遺伝子工学的に合成することができる。あるいは天然のIFNαを本発明に利用することもできる。天然のIFNαは、生体や生体材料から抽出することができる。あるいはIFNαを産生する細胞を培養し、その培養物から天然のIFNαを回収することもできる。中でも遺伝子工学的な合成方法は、均質なIFNαを容易に、かつ大量に得るための方法として好ましい。合成すべきアミノ酸配列が明らかであれば、当業者はそれをコードする塩基配列を予測し、合成することができる。あるいは天然のcDNAやその改変体を調製し、タンパク質に翻訳させることができる。アミノ酸配列をコードするDNAをもとに、in vivoで、あるいはin vitroでタンパク質に翻訳するための多くの手法が公知である。例えば、in vivoにおいてタンパク質に翻訳するためには、一般的には、必要に応じて、それぞれ転写および翻訳の開始にかかわる5’非転写配列および5’非翻訳配列などを組み合わせることができる。より具体的には、5’非転写調節配列として、遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を遺伝子に連結することができる。転写調節配列として、エンハンサーを付加することもできる。
発現のために必要な要素のすべてを含む発現ベクターが市販されている。公知のベクターは、例えば、Sambrook et al.,「分子クローニング:実験マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」、Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989等にも記載されている。一般にこれらの市販のベクターには、アミノ酸配列をコードするDNAを挿入するためのマルチクローニングサイトが用意されている。発現させるべきDNAは、適当な制限酵素で切断し、当該クローニングサイトに挿入することで、発現ベクターとすることができる。必要な制限酵素サイトは、合成オリゴヌクレオチドとしてライゲーションすることもできる。融合タンパク質発現用ベクターを利用すれば、IFNαを融合タンパク質として発現させることもできる。例えば、mycタグやHisタグなどを付加することができるベクターも公知である。
こうして作製された発現ベクターは、当該ベクターを導入し、目的とするタンパク質への翻訳が可能な宿主細胞に形質転換される。宿主細胞としては、例え、次のような細胞を利用することができる。
原核細胞(例えば、大腸菌)
真核細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、酵母発現システム、および昆虫細胞)
本発明に利用するIFNαが糖鎖付加部位を含むと予測される場合には、真核細胞を宿主として利用するのが好ましい。例えば、バキュロウイルス発現系を用いて得たイヌIFNαのアミノ酸配列には、少なくとも3箇所の糖化部位が予測されている(特許第5046030号参照)。このようなIFNαの発現には、真核細胞を利用することができる。
真核細胞発現系として、例えば、昆虫細胞を利用することができる。バキュロウイルス発現系を利用して、昆虫細胞において外来性のDNAを発現させるための方法が公知である。例えば、特許第5046030号に記載されるような手法により、昆虫細胞で外来性のDNAを発現させることができる。
天然のIFNαは、分泌タンパク質である。したがってIFNαをコードする生体由来のcDNAには、通常シグナル配列もエンコードされている。例えば、配列番号2に示すイヌIFNαは、そのN末端23残基はシグナル配列である。
上記のような遺伝子工学的な手法によって本発明に用いるIFNαを合成する場合、シグナル配列として、外来性のシグナル配列を利用することもできる。例えば、ヒトIFNαをヒト以外の細胞で発現させるとき、実際の発現に用いる細胞が由来する生物種において機能するシグナル配列を利用することができる。この場合、ヒトIFNαの成熟タンパク質のアミノ酸配列に、ヒト以外の種において機能するシグナル配列が付加された、キメラタンパク質が発現する。発現した組み換えタンパク質は、細胞外への分泌の過程でシグナル配列が除去される。その結果、ヒトの成熟タンパク質が分泌される。あるいは、細胞外への分泌を必要としないのであれば、成熟タンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを発現させることもできる。シグナル配列の欠損によって開始コドンを失う場合には、5’末端に人為的に開始コドン(atg)を付加することもできる。
シグナル配列を含むアミノ酸配列を発現させた場合には、培養上清中にIFNαが蓄積される。あるいはシグナル配列を持たないアミノ酸配列として発現させた場合には、細胞内にIFNαの成熟タンパク質が蓄積する。これらの遺伝子組み換えによって発現したIFNαは、培養物から回収し精製して本発明の組成物に利用することができる。培養物からIFNαを回収し、精製するための手法は公知である。あるいは、発現産物を含む培養物そのもの、あるいは粗精製物を本発明の組成物に利用することもできる。例えば、酵母を宿主として発現させたIFNαを、酵母菌体を含んだまま凍結乾燥し、本発明の組成物に配合することができる。
更に、本発明の組成物に配合するためのIFNαとして、植物(例えば、イチゴ)を宿主として発現させたIFNαを利用することもできる。この場合、IFNαを発現する形質転換植物の植物体あるいは植物細胞を本発明の組成物の原料として利用することができる。すなわち、本発明は、IFNαをコードする遺伝子を発現可能に保持する形質転換植物を含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための組成物を提供する。あるいは本発明は、IFNαをコードする遺伝子を発現可能に保持する形質転換植物に由来するIFNα含有分画を含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための組成物に関する。
例えば、形質転換植物のIFNαを含む組織を、破砕して、本発明の組成物に配合することができる。植物組織を乾燥させた後に粉砕することもできる。あるいは破砕した植物組織を乾燥させることもできる。また、形質転換植物のIFNαを含む組織をホモジェナイズし、必要に応じてろ過して得られたIFNα含有溶液をそのまま、あるいは更に乾燥した後に、本発明の組成物に配合することもできる。これらの形質転換植物に由来するIFNαを含む分画は、いずれも本発明における「形質転換植物」に含まれる。
形質転換植物として、現在、飼料やペットフードの原料とされている植物を利用すれば、現行の製造工程を大きく変えることなく、本発明の歯肉塗布用組成物を製造することができる。
このような植物として、具体的には、イチゴ、ジャガイモ、トマト、豆類、穀類等の果実類ならびに牧草類などが挙げられる。豆類としては、ダイズおよび小豆等を利用することができる。穀類としては、イネ、コムギおよびトウモロコシ等を示すことができる。
本発明に用いる形質転換植物細胞は、IFNα(あるいはIFNαと同等な生物学的活性を有するタンパク質)をコードする遺伝子を含むベクターを植物細胞に導入し、発現させることで作製できる。植物細胞におけるIFNαの発現にあたり、IFNαのC末端に、公知の小胞体保持シグナル(endoplasmic reticulum retention signal)(例えば、KDEL(配列番号5)またはRDEL(配列番号6))を付加することもできる。小胞体保持シグナルとは、例えば、次のようなアミノ酸配列からなる。小胞体保持シグナルを有する分泌タンパク質は、発現後、小胞体内に留まり安定に保持される。
すなわち、本発明は、C末端に小胞体保持シグナルを付加されたIFNαをコードする遺伝子を発現可能に保持する形質転換植物を含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用、口腔粘膜塗布用または歯肉塗布用組成物を提供する。あるいは本発明は、C末端に小胞体保持シグナルを付加されたIFNαをコードする遺伝子を発現可能に保持する形質転換植物に由来するIFNα含有分画を含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用、口腔粘膜塗布用または歯肉塗布用組成物に関する。
植物細胞における遺伝子発現に用いるベクターとしては、植物細胞で転写可能なプロモーターと転写産物の安定化に必要なポリアデニレーション部位を含むターミネーター配列を含んでいれば特に制限されない。利用可能なベクターとしては、例えば、プラスミド「pBI121」、「pBI221」、「pBI101」(いずれもClontech社製)などが挙げられる。植物細胞で転写可能なプロモーターとしては、例えば、植物細胞内での恒常的な遺伝子発現を行うためのプロモーターや外的な刺激により誘導的に活性化されるプロモーターを用いることができる。恒常的に発現させるためのプロモーターとしては、次のようなプロモーターが公知である。
カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Odell et al.1985 Nature 313:810);
イネのアクチンプロモーター(Zhang et al.1991 Plant Cell 3:1155);
トウモロコシのユビキチンプロモーター(Cornejo et al.1993 Plant Mol.Biol.23:567)
これらプロモーターに機能的に結合したIFNαをコードする遺伝子を含むベクターを植物細胞に導入することにより、植物細胞内でIFNαを発現させることができる。ここで「機能的に結合」とは、植物細胞内でIFNαが発現するように、プロモーターとIFNαをコードする遺伝子とが結合していることを意味する。形質転換される「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞が含まれる。例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどにベクターを導入し形質転換体とすることができる。
ベクターをこれらの植物細胞に導入するための方法は公知である。具体的には、アグロバクテリウムを介する方法、ポリエチレングリコール法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、パーティクルガン法など当業者に公知の種々の方法を用いることができる。
形質転換された植物細胞を再分化させることにより、植物体を再生させることができる。植物種に応じた再分化の方法が確立されている。以下に各植物種の再分化のための方法を列挙する。
ジャガイモ:Visserらの方法(Theor.Appl.Genet 78:594(1989));チユーバーディスク法
イネ等の単子葉穀類:Hieiらの方法(Hiei Y,Komari T,Kubo T:Transformation of rice mediated by Agrobacterium tumefaciens.Plant Mol Biol 1997 35:1−2 205−18);Ishidaらの方法(Ishida Y,Saito H,Ohta S,Hiei Y,Komari T,Kumashiro T:High efficiency transformation of maize(Zea mays L.)mediated by Agrobacterium tumefaciens.Nat Biotechnol 1996 Jun 14:6 745−50);エレクトロポレーション法(Shimamoto,K.,Terada,R.,Izawa,T.et al.:Fertile transgenic rice plants regenerated from transformed protoplasts.Nature 338,274−276(1989))など
イチゴ:Asaoらの方法(Asao,H.,Y.Nishizawa,S.Arai,T.Sato,M.Hirai,K.yoshida,A.Shinmyo and T.Hibi.:Enhanced resistance against a fungal pathogen Sphaerotheca humuli in transgenic strawberry expressing a rice chitinase gene.Plant Biotechnology.14(3):145−149(1997))
一旦、ゲノム(染色体)内にIFNαをコードする遺伝子が導入された形質転換植物体が得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることができる。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料を得て、それらを基に該植物体を量産することもできる。例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラスト等を繁殖材料とすることができる。
更に、植物ウイルスベクターによって、植物において、目的のタンパク質を発現させる技術も公知である。ゲノムに組み込まれない植物ウイルスベクターを用いた場合、通常、外来性遺伝子は子孫には伝達されない。しかし現在のところ、植物ウイルスベクターを用いた外来性遺伝子の植物における発現レベルは、アグロバクテリウム法等に代表される染色体組換え法よりも高いことが知られている。植物ウイルスベクターとしてはタバコモザイクウイルスベクターが実用可能なウイルスベクターとして公知である。具体的には、植物体を育成し、接種可能時期に構築した発現遺伝子から転写させた感染性RNAを植物体に接種することにより、目的物質を植物体内で生産させることができる。
本発明の組成物は、哺乳動物の慢性難治性外耳炎の予防および/または治療に有用である。本発明において、予防とは、慢性難治性外耳炎の進行を抑制することをいう。症状が出ていない状態においては、症状の発生を遅らせることが予防である。また慢性難治性外耳炎の治療とは、該疾患の症状の少なくとも一つを軽減することを言う。本発明において、予防あるいは治療すべ慢性難治性外耳炎の症状には、限局性またはびまん性外耳道炎、外耳道湿疹、真菌外耳炎(例えば、マラセチア性外耳炎)などが含まれる。
本発明の組成物を投与するための哺乳動物としては、ヒト、またはイヌやネコなどのペット動物、あるいは動物園で飼育されている哺乳動物が好ましい。このような哺乳動物には、ブタ、イノシシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシ、シカ、ロバ、トナカイ、ウサギ、サル、ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、ナマケモノ、ゾウ、キリン、サイ、カバ、バク、オオカミ、ハイエナ、クマ、パンダ、レッサーパンダ、ハクビシン、キツネ、タヌキ、アライグマ、トラ、ライオン、ヒョウ、チータ、カワウソ、アザラシ、オットセイ、トド、アシカ、イルカ、シャチ、およびクジラなどが含まれる。好ましくは、イヌである。
本発明において、本発明の組成物は、哺乳動物の経口に投与するため、または口腔粘膜もしくは歯肉に塗布するための組成物をいう。ここで、本明細書で使用するとき、「口腔粘膜」とは、限定されないが、口腔に見られる、または:(i)舌表面、すなわち、舌の表面粘膜、(ii)舌下表面、すなわち、口腔底部裏層の粘膜、(iii)頬側表面、すなわち、頬裏層の粘膜、(iv)口蓋表面、すなわち、口蓋裏層の粘膜、(v)咽頭表面、すなわち、咽頭裏層の粘膜、(vi)歯肉表面、すなわち、歯肉の粘膜、および(vii)歯肉溝、すなわち、歯と歯肉との間に形成された空洞、などの口腔に投与することによって到達できる任意の粘膜表面を意味する。
本発明の組成物は、インターフェロンαと生物学的に許容される担体を配合することによって製造することができる。生物学的に許容される担体とは、配合されるインターフェロンα、および当該組成物が投与される生物に対して、不活性な担体が含まれる。生物に対して不活性な担体とは、担体が正常な生物の機能に干渉しないことを言う。正常な生物の機能には、代謝機能、生殖機能、運動機能、神経作用などが含まれる。例えば、生物の正常な代謝機能によって代謝される成分は、生物学的に許容される担体に含まれる。あるいは消化や代謝が行われない成分や、行われにくい成分であって、生物の機能に干渉しない成分は、いずれも生物学的に許容される担体に含まれる。例えば、IFNαが配合された食品は、本発明の組成物の好ましい態様を構成する。また、本発明の組成物は、慢性難治性外耳炎の予防あるいは治療を目的とする医薬組成物として経口投与等することもできる。
すなわち本発明は、インターフェロンαを有効成分として含有する、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のための医薬組成物に関する。あるいは本発明は、インターフェロンαと薬学的に許容される担体を含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のための医薬組成物に関する。更に本発明は、インターフェロンαの慢性難治性外耳炎の予防および/または治療ための医薬組成物の製造における使用に関する。また本発明は、インターフェロンαの慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のための方法における使用に関する。
特に、従来の技術においては慢性難治性外耳炎に対する積極的な治療方法は知られていなかった。本発明においては、実施例7でも確認されたとおり、本発明の慢性難治性外耳炎の治療剤を投与することによって、既に進行している慢性難治性外耳炎の治療効果が確認された。すなわち、本発明は、インターフェロンαを有効成分として含有する、慢性難治性外耳炎の治療剤を提供した。あるいは本発明は、インターフェロンαと薬学的に許容される担体を含む、慢性難治性外耳炎の治療用医薬組成物に関する。更に本発明は、インターフェロンαの慢性難治性外耳炎の治療のための医薬組成物の製造における使用に関する。また本発明は、インターフェロンαの慢性難治性外耳炎の治療における使用に関する。
続いて本発明におけるインターフェロンαを含有する組成物の具体的な態様について説明する。
インターフェロンαを含む食品組成物:
通常、哺乳動物の食品(food)あるいは飼料(feed)として摂取される成分にインターフェロンαを配合することによって、本発明の組成物とすることができる。飼料が特にペット動物に与えられる場合には、ペットフードと呼ばれる。ペットフードは、本発明における食料あるいは飼料に含まれる。なおペット動物とは、鑑賞や愛玩を目的として飼育されている非ヒト動物を言う。したがって、例えば、食肉、卵、毛、乳汁などの出荷や使役を目的として飼育されている動物は、通常家畜に含まれ、ペットとは区別される。ただし、警察犬や盲導犬などの、使役を目的として飼育される動物(使役動物;working animal)に対して、愛玩動物と同じ飼料が与えられる場合もある。飼育の目的が使役であっても、ペットと同じ動物種に対してペットと同じ飼料が与えられる場合には、当該飼料は本発明でいうペットフードに含まれる。
一般に、食品あるいは飼料は、炭水化物、タンパク質、ミネラル、脂肪、水分、あるいは繊維などを含む。その原料の多くは、動物や植物の組織、微生物菌体、ならびにそれらの加工品である。加工品とは、これらの素材を原料として、加熱、乾燥、凍結乾燥、あるいは抽出などによって得られた製品を言う。一連の加工品を得るための工程には、複数の異なる工程を組み合わせることもできる。
食品あるいは飼料には、保存剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、香料、保湿剤、調味料などを配合することもできる。また食品の形態に合わせて、増量剤、結合剤、あるいは粘度調整剤等の成分が添加されることもある。これらの成分には、天然由来の成分や、合成された成分が利用されている。したがって、これらの、一般の食品あるいは飼料素材に、IFNαを配合することによって、本発明に基づく食品組成物とすることができる。更に、一般のIFNαを含まない食品あるいは飼料の摂取時に、IFNαを混入することによって、本発明の組成物とすることもできる。
本発明の食品組成物、あるいは飼料組成物は、一般に食品あるいは飼料として利用される素材に、インターフェロンαを添加することによって得ることができる。本発明による食品組成物あるいは飼料組成物に添加されるインターフェロンαの量は、通常体重1kgあたり1〜15000LU/日、好ましくは体重1kgあたり0.5〜25000LU/日である。つまり、1日の標準的な食品あるいは飼料の摂取量に対して、体重1kg当たり、1〜15000LU、好ましくは0.5〜25000LUのインターフェロンαを配合することができる。食品組成物が、チューインガム(chewing gum)などの嗜好性食品(nonessential food)の場合には、インターフェロンαの配合量に応じて、1日当たりの当該食品の摂取量を表示することで、インターフェロンの投与量を制御することもできる。例えば、チューインガム1枚に1日分の投与量を配合したときには、1日当たりのチューインガムの摂取量が1枚であることが推奨される。
インターフェロンαを含む咀嚼性組成物(chewable composition):
本発明におけるIFNαを含む組成物は、咀嚼性の担体と配合して、咀嚼性組成物とすることができる。すなわち本発明は、IFNαと咀嚼性の担体(chewable carrier)を含む組成物を提供する。本発明において、咀嚼性の担体とは、動物の口腔に投与したときに、咀嚼される成分を言う。咀嚼性の担体は、噛み砕かれる素材であることもできるし、咀嚼によって小さな破片に砕かれにくい素材であることもできる。具体的には、例えば、グルコース、シュクロース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、でんぷん、ゼラチン、アルギン酸、アルギン酸塩、セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グアガム(guar gum;ポリガラクトマンナン)、グルコマンナン、キサンタンガム、カーボポール等を示すことができる。
あるいは、各種のガムベースも本発明における咀嚼性の担体に含まれる。一般にガムベースには、口の中で長時間咀嚼しても、なお一定の体積が維持される担体が利用される。ガムベースとしては、例えば、植物性樹脂、チクル、酢酸ビニル樹脂、エステルガム、ポリイソブチレン、炭酸カルシウム、あるいはジェルトン(ポンチアナック)等を利用することができる。ガムベースは、本発明における咀嚼性組成物を、対象の口腔への投与用に加工する場合に好適な咀嚼性担体である。
本発明における咀嚼性組成物が、医薬品として利用される場合には、咀嚼性の医薬組成物であり、食品として供される場合には、咀嚼性食品である。あるいは、本発明の組成物を咀嚼性の飼料とする場合には、咀嚼性の飼料組成物となる。なお、非ヒト動物においては、咀嚼行動を誘導するために、咀嚼性組成物の大きさを調節することができる。すなわち、一口で飲み込まれない程度の大きさに加工することによって、非ヒト動物において咀嚼行動を誘導することができる。更に、硬さを動物に合わせて高めることにより、より多くの咀嚼行動を誘導することもできる。
インターフェロンαを含むペースト状の組成物(paste type composition):
本発明におけるIFNαを含む組成物は、ペースト状の担体と配合して、ペースト状の組成物とすることもできる。すなわち、本発明は、IFNαとペースト状の担体(paste carrier)を含む組成物を提供する。本発明において、ペースト状の担体とは、半固形状(semi−solid consistency)を有する担体と言うこともできる。あるいはペースト状の担体には、ゲル状の担体が含まれる。
ペースト状の組成物は、例えば、水溶性の多糖類あるいは高分子化合物に、水などの溶媒を加えることで調製することができる。水溶性の多糖類あるいは高分子化合物には、グルコース、シュクロース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、でんぷん、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩、セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グアガム(guar gum;ポリガラクトマンナン)、グルコマンナン、カラギーナン、キサンタンガム、タマリンドガム、カーボポール、アガロース、寒天等が含まれる。このほか、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの高分子化合物も、ゲル状の担体として本発明の組成物に配合することができる。
本発明の組成物は、固形状、ゲル状、液状など任意の形状を選択することができる。IFNαの活性を維持するためには、乾燥された状態で流通させるのが望ましい。あるいは、組成物の摂取時に水などの適当な溶媒を加えることによって、乾燥した組成物をゲル状や液状にすることもできる。更に、本発明の組成物を凍結状態で流通させることもできる。
また本発明の組成物は、香料、色素、矯味剤、甘味料、調味料などの成分を付加的に含むことができる。更に咀嚼性担体を配合した組成物においては、更に植物繊維などを配合して、歯牙のブラッシング効果を期待することもできる。
本発明の組成物において、IFNαの含有量は、体重1kgあたり通常0.5〜25000LU/日、例えば、体重1kgあたり1〜15000LU/日、より具体的には2〜5000LU/日、通常2〜500LU/日、好ましくは2〜10LU/日程度となるように配合することができる。例えば、血液中に抗ウイルス効果を期待して投与されるIFNαの投与量は、数MIU〜10MIU(1MIU=1000IU)ときわめて高用量である。これに対して、IFNαの使用量を低く抑えることによって、本発明におけるIFNα投与による副作用の危険は無視しうるほどに小さい。本発明の組成物におけるIFNαの配合割合は、当該組成物の摂取量に基づいて決定することができる。例えば、飼料に配合する場合には、本発明の組成物を投与すべき動物の体重と、1日当たりの飼料の摂取量に基づいて、飼料に配合すべきIFNαの量を決定することができる。なお、本発明における1LUは、ヒト天然型IFNαの1IUに相当する。
あるいは、本発明の組成物に含まれるIFNαの含有量に基づいて、当該組成物を体重1kg当たり、一日に何gを摂取すればよいのかを、指示書において説明することもできる。すなわち本発明は、(1)インターフェロンαと生物学的に許容される担体とを含む組成物と、(2)当該組成物の慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のために有効な投与量を記載した指示書を含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するためのキットを提供する。
本発明において、IFNαの力価(LU)は、例えば、特許第5046030号に記載されている手法に従って決定することができる。
本発明の組成物は、動物に適用(例えば、経口投与または口腔粘膜塗布もしくは歯肉塗布)することによって、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の効果を実現することができる。すなわち本発明は、インターフェロンαを適用する工程を含む、哺乳動物の慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための方法を提供する。特に、インターフェロンαを哺乳動物、好ましくはイヌの歯肉に塗布する工程を含む慢性難治性外耳炎の治療方法は、本発明における好ましい態様である。
本発明の組成物は、例えば、固形状、ペースト状、ゲル状、液状などの任意の形状として、哺乳動物の歯肉に塗布することができる。固形製剤は、咀嚼あるいは嚥下行為を介して、歯肉に間接的に塗布することができる。あるいは、口中錠(いわゆるトローチ剤)として固形製剤を歯肉に間接的に塗布することもできる。ペースト状あるいはゲル状製剤は、咀嚼や嚥下行為に加え、歯肉に直接塗布することができる。液状製剤は、嚥下行為に加え、歯肉への噴霧、口内洗浄やうがい行為を介して投与することができる。
本発明を医療行為として適用する場合には、本発明の組成物は、医薬組成物として利用される。すなわち本発明は、インターフェロンαと薬学的に許容される担体を含む、哺乳動物の慢性難治性外耳炎の予防および/または治療のための医薬組成物を提供する。本発明において、薬学的に許容される担体とは、通常、薬剤の製剤に利用されている不活性な担体を利用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
〔実施例1〕イヌインターフェロンα(CaIFNα−4)遺伝子のクローニング
CaIFNα4遺伝子は、紫外線で不活化したニューカッスル病ウイルスB1株により刺激したイヌ細胞(MDCK細胞)のmRNAを鋳型として作製したcDNAライブラリーから、PCR法によりクローニングした。なお、クローニングに使用したプライマーの配列は以下の通りである。
センスプライマー:5'-GCAGGATCCACGATGGCCCTGC-3'(配列番号3);および
アンチセンスプライマー:5'- GCTGAGCTCAAAGTTCATCCTTATGATGATGATGATGATGTTTCCTCCTCCTTACTCTT-3'(配列番号4)
CaIFNα−4遺伝子(配列番号1;アミノ酸配列:配列番号2)には、PCR法により、5’末端側にBamHI配列を、3’末端側にSacI配列を付加した。さらに発現タンパク質のアフィニティー精製を目的にHis−Tag配列を、発現タンパク質の小胞体からの分泌を抑制し宿主細胞内に蓄積させる目的で小胞体保持シグナルKDELをCaIFNα−4配列の下流に付加した。PCR法で増幅したDNA断片(以下、CaIFNα−4−His−KDEL)は、pCR2.1 vector(Invitrogen)へTAクローニング法により導入し、大腸菌に形質転換し、クローニングを行った。大腸菌の形質転換体よりプラスミドを抽出し、塩基配列を確認した。
〔実施例2〕植物発現用イヌインターフェロンα(CaIFNα4)遺伝子の作製
塩基配列確認後のプラスミドを制限酵素BamHI・SacIにて同時消化し、CaIFNα−4−His−KDEL遺伝子(BamHI−SacI断片)を切り出した。植物発現用ベクターpBE2113−GUS(Plant Cell Physiol.1996,37,49−59)を同じく制限酵素BamHI・SacIにて同時消化し、CIAP処理を施した後、CaIFNα−4−His−KDEL遺伝子(BamHI−SacI断片)と混和してライゲース処理を行い、pBE2113−CaIFNα−4−His−KDELを作製した。
〔実施例3〕イチゴ形質転換
pBE2113−CaIFNα−4−His−KDELをアグロバクテリウム(Rhizobium radiobacter LBA4404)に導入し、カナマイシン(Km)耐性株を選抜し、イチゴの形質転換実験を行った。Km添加培地を用いてカルス誘導と再分化を行い、Km耐性個体を選抜した。Km耐性個体の葉から抽出したDNAを鋳型とし、Genomic PCR法にて、CaIFNα−4遺伝子の導入を確認した(図1)。
〔実施例4〕CaIFNα−4発現遺伝子組換えイチゴの栽培と果実採取
目的タンパク質の発現が確認された高発現系統のイチゴ培養苗を馴化し、水耕栽培し果実を採取した。
〔実施例5〕遺伝子組換えイチゴ(果実)発現CaIFNα−4の生理活性評価
CaIFNαの生理活性評価の陽性対照および標準品として、再表2007−080942(特願2007−553936)に準じて、バキュロウイルス発現CaIFNα−4を調製した。採取したCaIFNα−4遺伝子組換えイチゴ果実をPBSで破砕して、果実破砕液を調製した。陰性対照として非組換えイチゴ果実破砕液を調製した。生理活性評価は、一般的なインターフェロンα生物活性測定法である豚水疱性口炎ウイルス(Vesicular Somatitis Virus,VSV)による細胞変性効果(Cytopathic Effect,CPE)抑制法にて実施した。感受性細胞としてイヌ由来A−72細胞を用いた。CaIFNα−4力価測定には、破砕液、陽性対照および陰性対照を維持培地で104倍〜128×104倍まで2段階希釈したものを試料として供試した。試験方法の詳細を以下に記載する。なお、本明細書にてインターフェロンαの抗ウイルス活性は単位「LU」で表すが、単位「LU」はインターフェロンαの活性を示す国際単位「IU」とは、抗ウイルス活性において同義である。
25mlフラスコに1×105/mlに調製したA−72浮遊細胞液を5ml添加し、37℃、5%CO2で2日間培養した。A−72細胞が単層を形成したらフラスコ内の培地を捨て、各イチゴ破砕液を維持培地で103倍に希釈後5ml添加した。37℃、5%CO2で1日間培養し、維持培地を用いて1,000MOIに調製したVSV希釈液を0.5ml添加した。37℃、CO2で3日間培養し、倒立顕微鏡下でフラスコ内の細胞を観察した。CaIFNα−4遺伝子組換えイチゴ果実破砕液による細胞変性抑制効果および抗ウイルス活性の結果を図2に示す。更に増殖培地を用いて1×105個/mlに調製したA−72細胞浮遊液を96ウェルマイクロプレートの各ウェルに100μlずつ添加し、37℃、5%CO2で2日間培養した。A−72細胞が単層を形成したら、各ウェルから培地を除き、試料および標準品試料(1.0×104LU/mlに調製したバキュロウイルス発現CaIFNα−4を0.5×104〜64×104倍まで2倍段階希釈して作製)を1検体あたり4ウェルに添加した。細胞コントロールウェルおよびウイルスコントロールウェルには維持培地を100μlずつ添加した。37℃、5%CO2で1日培養し、各試料ウェルおよびウイルスコントロールウェルには維持培地を用いて1.0×103MOIに調製したVSV希釈液を1ウェル当たり10μlずつ添加した。37℃、5%CO2で3日間培養し、プレート上の培地を捨て、1%クリスタルバイオレット染色液を各ウェルに80μlずつ添加し、暗所、室温で30分間静置した。流水で洗浄し、風乾後、プレートリーダーを用いて波長595nmの吸光度を測定し、遺伝子組換えイチゴ果実によって発現されたCaIFNα−4は生物活性(抗ウイルス活性)を有することおよび、定量可能であることを確認した。
なお、CaIFNα−4発現イチゴ果実破砕液のCaIFNα−4力価測定については、「ゲタウイルスを用いたヒトインターフェロン測定の試み」(ウイルス55(2)317−326(2005))に準じて、より安全性の高いゲタウイルスを用いた測定方法の検討を行い、VSVによるCaIFNα−4力価測定結果と、ゲタウイルス(ハルナ株)によるCaIFNα−4力価測定結果との間に高い相関関係が認められたことから(r2=0.99686)、ゲタウイルスを用いることとした。
〔実施例6〕試験薬の調製
収穫したCaIFNα−4発現イチゴ果実を凍結乾燥し、破砕して凍結乾燥粉末を調製した。CaIFNα−4発現イチゴ凍結乾燥粉末と安定化剤であるマルトースとを混合し、試験薬を調製した。試験薬の力価試験を実施し、1.2×104LU/gであることを確認した。
〔実施例7〕投与試験(その1)
上記実施例6で調製した試験薬を被験犬に供与し、マラセチア性外耳炎に対する炎症抑制効果を検証した。被験犬は6ヶ月齢のシバイヌを6頭用意し、以下の要領でマラセチア菌の実験感染を実施した。
マラセチア菌はMalassezia pachydermatis(ATCC 14522株)を使用した。凍結乾燥状態の菌体を滅菌蒸留水で溶解し、サブロー寒天培地で30℃、7日間培養した。発育を認めるコロニーを十分掻きとり、滅菌生理食塩水に懸濁したものを原液とした。原液の一部を10倍階段希釈し、それぞれの希釈菌液から10μL分取した。分取した菌数を測定し、希釈倍率を乗じたときの菌数を原液の菌数とし、1.7×106/0.1mLとなるように滅菌生理食塩水で希釈して攻撃菌液とした。調製した攻撃菌液を6頭すべての被験犬に、左右外耳に0.1mLずつ接種し、実験的に感染させた。
被験犬は、実験感染後の被験犬を観察し、マラセチア性外耳炎に特徴的な痒覚・外耳発赤・外耳悪臭・耳垢黒褐色化の4症状について発現の有無を確認した。それぞれの症例の発現にスコア1を付し、症状をスコア化した。すなわち、無発症の場合はゼロ、全4症例が認められた場合は最大スコア4とした(症例として、痒覚と耳垢が確認された場合は、スコア2等)。
菌液を攻撃後、7日目に3頭ずつ2群に群分けし、試験薬投与群ならびに非投与対照群を設定した。被験犬の投与時体重を表1に示した。
投与方法は、経口投与とし、より具体的には以下のように実施した。
試験薬をCaIFNα−4として2500LU相当量を計量(約0.2g)し、これに少量の水(100μl以下)を滴下して練り、ペースト状にした。ペースト状試験薬の全量を被験犬の歯肉に塗布した。
投与群3頭には、給餌前に1頭1日当たり2500LU、被験犬の歯肉へ21日間連続塗布投与し、非投与群3頭との外耳観察所見を記録した。投与期間中の各群の外耳臨床観察所見の推移を図3に示す。投与群で試験薬の歯肉塗布投与を開始することで、非投与対照群と比較して有意に軽減していった。投与開始後9日目から回復傾向が認められ、投与開始後14日目の臨床スコアの差は、非投与群と比較して有意であった。
投与開始後21日目の各被験犬の外耳所見写真ならびに耳垢の褐色程度を図4に示す。明らかに投与群での外耳局所病変は軽減していることが判明した。なお、試験薬投与期間中、投与群の全個体で本剤投与に起因すると思われる副作用等は一切観察されなかった。
以上のことから、イヌインターフェロンαの歯肉塗布投与は、マラセチア菌に起因する難治性外耳炎に対して炎症抑制効果を示すことが明らかとなった。
〔実施例8〕投与試験(その2)
投与試験は、実施例7に記載の方法に準じるが、有効成分であるCaIFNα−4の含有量を1/10にした試験薬を投与期間を変えて被験犬(シバ系雑種、2歳4ヶ月)に供与して、マラセチア性外耳炎に対する炎症抑制効果を検証した。検証に使用した被験犬は以下の通りである。
投与群3頭にCaIFNα−4(250LU/頭)を週2回の頻度で、給餌前に歯肉塗布投与し(計7回実施)、対象群(非投与群)との外耳観察所見を記録した。実施例7と同様に、マラセチア性外耳炎に特徴的な痒覚・外耳発赤・外耳悪臭・耳垢黒褐色化の4症状をスコア化した。投与期間中の各群の外耳臨床観察所見の推移を図5に示す。投与群で試験薬の歯肉塗布投与を開始することで、非投与対照群と比較して有意に軽減し、非投与群と比較して有意であった。
投与開始後21日目の各被験犬の外耳所見写真ならびに耳垢の褐色程度を図6に示す。実施例7の投与試験の結果と同様に、明らかに投与群での外耳局所病変は軽減していた。
以上のことから、イヌインターフェロンαの歯肉塗布投与は、実施例7で採用した濃度を1/10にしたとしても、マラセチア菌に起因する難治性外耳炎に対して炎症抑制効果を示すことが明らかとなった。
本発明は、動物の慢性難治性外耳炎の予防あるいは治療に有用である。イヌやネコなどのペットにおいては、一般的に、慢性難治性外耳炎の予防や治療は重要な課題となっている。本発明の組成物は、歯肉に塗布することで、その効果を得ることができる。

Claims (13)

  1. インターフェロンαを有効成分として含む、慢性難治性外耳炎の予防および/または治療の経口投与用組成物。
  2. インターフェロンαと咀嚼性の担体を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 咀嚼性の担体が食品である、請求項2に記載の組成物。
  4. 咀嚼錠またはチューインガムである、請求項3に記載の組成物。
  5. インターフェロンαとペースト状の担体を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 体重1kgあたり0.5〜25000LU/日のインターフェロンαが配合されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. インターフェロンαを経口投与することを含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための方法。
  8. インターフェロンαと咀嚼性の担体またはペースト状の担体とを含む組成物を経口投与することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 体重1kgあたり0.5〜25000LU/日のインターフェロンαが経口投与される、請求項7または8に記載の方法。
  10. インターフェロンαと薬学的に許容される担体とを含む、慢性難治性外耳炎を予防および/または治療するための医薬組成物。
  11. 薬学的に許容される担体が咀嚼性の担体またはペースト状の担体である、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 体重1kgあたり0.5〜25000LU/日のインターフェロンαが配合されている、請求項10または11に記載の医薬組成物。
  13. 慢性難治性外耳炎の治療および/または予防のための経口用組成物の製造におけるインターフェロンαの使用。
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