JPWO2016153018A1 - ノルボルナン骨格を有する二官能性化合物、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る二官能性化合物は、下記式(1)で表される。【化1】(式(1)中、R1は水素原子、CH3又はC2H5であり、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子又はCH3であり、Xは水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシル基を含有してもよい炭化水素基である。)

Description

本発明は、二官能性化合物及びその製造方法に関し、特に分子中にノルボルナン骨格を有する二官能性化合物、及びその製造方法に関する。
ノルボルナン骨格を有する二官能性化合物は、接着剤や樹脂原料として用いた場合に優れた特徴を示すことが知られている。ノルボルナン骨格を有する二官能性化合物として、トリシクロデカンジメタノールやペンタシクロペンタデカンジメタノールが知られており、幾つかの製造方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献2は、ジシクロペンタジエンをヒドロホルミル化反応によりジアルデヒドとし、これを水素化することによりトリシクロデカンジメタノールを製造する方法を開示している。
特許文献3は、触媒としてロジウム化合物を用いてジシクロペンタジエン或いはトリシクロペンタジエンのヒドロホルミル化を行い、得られた反応液に多価アルコールからなる抽出溶媒を添加し、ロジウム錯体触媒を炭化水素系の反応溶媒層に、反応生成物であるトリシクロデカンジカルバルデヒド或いはペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドを抽出溶媒層に分離した後、抽出溶媒層を水素化触媒存在下で水素還元を行うトリシクロデカンジメタノール或いはペンタシクロペンタデカンジメタノールの製造法を開示している。
特許文献2及び3に記載されているトリシクロデカンジメタノールは、下記式(A)に示すようにノルボルナン1つとシクロペンタンが互いに複数の原子を共有し主骨格を形成している化合物である。また、特許文献3に記載されているペンタシクロペンタデカンジメタノールは式(B)或いは式(C)に示すようにノルボルナン2つとシクロペンタンが相互に複数の原子を共有し主骨格を形成している化合物である。
特開平5−125329号公報 英国特許1170226号公報 特開2001−10999号公報
二官能性化合物の用途として塗料添加剤や接着剤、樹脂原料等がある。これらの用途において分子構造の異なる二官能性化合物を使うことにより、塗料、接着剤、樹脂等の特性を改変し得ることが一般的に知られている。故に改質や特性改善、機能付与等の観点から新規な二官能性化合物が望まれている。即ち、本発明の目的の1つは、分子内にノルボルナン骨格を有し、且つトリシクロデカンジメタノールやペンタシクロペンタデカンジメタノールと異なる骨格を有する新規な二官能性化合物を提供することである。
また、特許文献2に記載されているトリシクロデカンジメタノールの製造方法によれば、約20〜25MPaの高圧条件を要する。その工業的実施においては耐圧性能の高い設備を必要とするため経済性に優れた方法とは言い難い。さらに、特許文献3記載のトリシクロデカンジメタノール或いはペンタシクロペンタデカンジメタノールの製造方法によれば、ロジウム錯体触媒にかかるコストを低減するためにロジウム錯体触媒を含有する炭化水素系の反応溶媒層をリサイクルする必要があり、そのための設備が必要となるため、これも経済的な方法とは言い難い。このような観点から本発明は、分子内にノルボルナンを有する新規な二官能性化合物を提供するに際し、工業的に実施可能で且つ経済性に優れる製造方法を提供することも目的とする。
本研究者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明によって上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
下記式(1)で表される、二官能性化合物。
(式(1)中、Rは水素原子、CH又はCであり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はCHであり、Xは水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシル基を含有してもよい炭化水素基である。)
[2]
下記式(1)で表される二官能性化合物の製造方法であって、
下記式(2)で表される二官能性化合物を、水素化能を有する触媒と水素の存在下で還元する工程を有する、二官能性化合物の製造方法。
(式(1)及び式(2)中、Rは水素原子、CH又はCであり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はCHであり、Xは水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシル基を含有してもよい炭化水素基である。)
[3]
前記水素化能を有する触媒が、銅、クロム、鉄、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、コバルト及びパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む、[2]に記載の二官能性化合物の製造方法。
[4]
ロジウム化合物及び有機リン化合物の存在下で、下記式(3)で表されるモノオレフィンを一酸化炭素及び水素ガスとヒドロホルミル化反応させ、前記式(2)で表される二官能性化合物を得る工程をさらに有する、[2]又は[3]に記載の二官能性化合物の製造方法。
(式(3)中、R、R、R及びXは、前記式(1)及び(2)中のものと同義である。)
[5]
前記ヒドロホルミル化反応において、前記モノオレフィン1モルに対して、0.1〜60マイクロモルの前記ロジウム化合物と、該ロジウム化合物中のロジウム原子に対して300〜10000倍モルの前記有機リン化合物とを用いる、[4]に記載の二官能性化合物の製造方法。
本発明によれば、分子内にノルボルナン骨格を有する新規な二官能性化合物を、工業的に実施可能で且つ経済性に優れる方法で得ることが可能である。
図1は、実施例1で得られた主反応生成物の1H−NMR測定の結果を示す。 図2は、実施例1で得られた主反応生成物の13C−NMR測定の結果を示す。 図3は、実施例1で得られた主反応生成物のCOSY−NMR測定の結果を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の二官能性化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
式(1)中、Rは水素原子、CH又はCであり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はCHであり、Xは水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシル基を含有してもよい炭化水素基である。式(1)において、Rは、好ましくは水素原子又はCHである。R及びRは、好ましくは水素原子である。ここで、本実施形態における炭化水素基としては、以下に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、2−ヒドロキシエチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
前記式(1)で表されるノルボルナン骨格を有する二官能性化合物は、塗料添加剤や接着剤、樹脂原料等として用いた場合にとりわけ優れた性能を発揮する。
本実施形態の式(1)で表される二官能性化合物は、ジシクロペンタジエン又はシクロペンタジエンと官能基を有するオレフィンを原料として、例えば、下記式(I)に示すルート等で合成することが可能である。
(式(I)中、R、R、R及びXは、前記式(1)及び(2)中のものと同義である。)
〔式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィンの製造〕
本実施形態において式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィンは、例えば、官能基を有するオレフィンとジシクロペンタジエンのディールスアルダー反応を行うこと等で製造することが可能である。
式(3)中、R、R、R及びXは、前記式(1)及び(2)中のものと同義である。
前記ディールスアルダー反応に用いる官能基を有するオレフィンの具体例としては、以下に限定されないが、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ビニル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、3−メチルクロトン酸、3−メチルクロトン酸メチル、3−メチルクロトン酸エチル等が挙げられる。好ましいオレフィンとして、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルが挙げられ、より好ましいオレフィンとしてメタクリル酸メチル、アクリル酸メチルが挙げられる。
さらに、前記ディールスアルダー反応に用いる官能基を有するオレフィンの例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレインも挙げられる。これらのオレフィンを原料とする場合、例えば、下記式(II)、式(III)に示すルート等を経て一般式(4’)で表されるモノオレフィンを製造することができる。
(式(II)中、R1は水素原子又はCHである。)
(式(III)中、R1は水素原子又はCHである。)
本実施形態におけるディールスアルダー反応に用いるジシクロペンタジエンは、高純度のものが好ましく、ブタジエン、イソプレン等の含有量を低減することが好ましい。ジシクロペンタジエンの純度は、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。また、ジシクロペンタジエンは、加熱条件下で解重合しシクロペンタジエン(所謂モノシクロペンタジエン)になる傾向にあるため、ジシクロペンタジエンの代わりにシクロペンタジエンを使用することも可能である。尚、式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィンは、実質的に下記式(7)で表される炭素数8〜16のモノオレフィン(1段目ディールスアルダー反応生成物)を経由して生成していると考えられ、生成した式(7)のモノオレフィンが新たな親ジエン化合物(Dienophile)として反応系内に存在するシクロペンタジエン(Diene)とディールスアルダー反応(2段目ディールスアルダー反応)に預かり、式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィンが生成するものと考えられる。
(式(7)中、R、R、R及びXは、前記式(1)及び(2)中のものと同義である。)
前記2段階のディールスアルダー反応を効率的に進行させるためには、反応系内にシクロペンタジエンが存在することが重要であるため、反応温度として100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。一方で、高沸物質の副生を抑えるためには250℃以下の温度で反応を行うことが好ましい。また、反応溶媒として炭化水素類やアルコール類、エステル類等を使用することも可能であり、炭素数6以上の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、プロパノール、ブタノール等が好ましい。また、必要に応じて、AlCl等公知の触媒を添加してもよい。
本実施形態のディールスアルダー反応の反応方式としては、槽型反応器等による回分式、反応条件下の槽型反応器に基質や基質溶液を供給する半回分式、管型反応器に反応条件下で基質類を流通させる連続流通式等、多様な反応方式を採ることが可能である。
本実施形態のディールスアルダー反応で得られた反応生成物は、そのまま次のヒドロホルミル化反応の原料として用いることもできるが、蒸留、抽出、晶析などの方法によって精製した後、次工程に供しても良い。
〔式(2)で表される炭素数14〜22の二官能性化合物の製造〕
本実施形態の前記式(I)中の式(2)で表される炭素数14〜22の二官能性化合物は、例えば、式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィンと一酸化炭素及び水素ガスをロジウム化合物、有機リン化合物の存在下でヒドロホルミル化反応せしめること等で製造することができる。
本実施形態のヒドロホルミル化反応で使用されるロジウム化合物は、有機リン化合物と錯体を形成し、一酸化炭素と水素の存在下でヒドロホルミル化活性を示す化合物であればよく、その前駆体の形態は特に限定されない。例えば、ロジウムアセチルアセトナートジカルボニル(以下、Rh(acac)(CO)と記す)、Rh、Rh(CO)12、Rh(CO)16、Rh(NO等の触媒前駆物質を有機リン化合物と共に反応混合物中に導入し、反応容器内で触媒活性を持つロジウム金属ヒドリドカルボニルリン錯体を形成させてもよいし、予めロジウム金属ヒドリドカルボニルリン錯体を調製してそれを反応器内に導入してもよい。本実施形態における好ましい具体例としては、Rh(acac)(CO)を溶媒の存在下で有機リン化合物と反応させた後、過剰の有機リン化合物と共に反応器に導入し、触媒活性を有するロジウム−有機リン錯体とする方法が挙げられる。
本発明者等にとって意外だったのは、式(3)で表されるような比較的分子量の大きな内部オレフィンを有する2段階ディールスアルダー反応生成物が極めて少量のロジウム触媒でヒドロホルミル化されたことである。本実施形態におけるヒドロホルミル化反応におけるロジウム化合物の使用量は、ヒドロホルミル化反応の基質である式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィン1モルに対して0.1〜60マイクロモルが好ましく、0.1〜30マイクロモルがより好ましく、0.2〜20マイクロモルが更に好ましく、0.5〜10マイクロモルが特に好ましい。ロジウム化合物の使用量が炭素数13〜21のモノオレフィン1モルに対して60マイクロモルより少ない場合、実用上、ロジウム錯体の回収リサイクル設備を設けなくてもよい水準と評価できる。このように、本実施形態によれば、回収リサイクル設備に関わる経済的負担を減らすことができ、ロジウム触媒にかかるコストを十分に低減することが可能である。
本実施形態におけるヒドロホルミル化反応において、ロジウム化合物とヒドロホルミル化反応の触媒を形成する有機リン化合物としては、特に限定されないが、例えば、一般式P(−R)(−R)(−R)で表されるホスフィン又はP(−OR)(−OR)(−OR)で表されるホスファイトが挙げられる。R、R、Rの具体例としては、以下に限定されないが、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基で置換され得るアリール基や、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基で置換され得る脂環式アルキル基等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイトが好適に用いられる。有機リン化合物の使用量はロジウム化合物中のロジウム原子に対して300倍モル〜10000倍モルが好ましく、500倍モル〜10000倍モルがより好ましく、更に好ましくは700倍モル〜5000倍モル、特に好ましくは900倍モル〜2000倍モルである。有機リン化合物の使用量がロジウム原子の300倍モル以上である場合、触媒活物質であるロジウム金属ヒドリドカルボニルリン錯体の安定性が十分に確保できる傾向にあり、結果として良好な反応性が確保される傾向にある。また、有機リン化合物の使用量がロジウム原子の10000倍モル以下である場合、有機リン化合物に掛かるコストを十分に低減する観点から好ましい。
本実施形態におけるヒドロホルミル化反応は溶媒を使用せずに行うことも可能であるが、反応に不活性な溶媒を使用することにより、より好適に実施することができる。ヒドロホルミル化反応に使用できる溶媒としては、式(3)で表される炭素数13〜21のモノオレフィン、ジシクロペンタジエン又はシクロペンタジエン、前記ロジウム化合物、及び前記有機リン化合物を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、以下に限定されないが、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類;脂肪族エステル、脂環式エステル、芳香族エステル等のエステル類;脂肪族アルコール、脂環式アルコール等のアルコール類;芳香族ハロゲン化物等の溶媒が挙げられる。これらのうち炭化水素類が好適に用いられ、中でも脂環式炭化水素、芳香族炭化水素がより好適に用いられる。
本実施形態におけるヒドロホルミル化反応を行う場合の温度としては、40℃〜160℃が好ましく、80℃〜140℃がより好ましい。反応温度が40℃以上である場合には十分な反応速度が得られる傾向にあり、原料であるモノオレフィンの残留がより抑えられる傾向にある。また、反応温度が160℃以下である場合、原料モノオレフィンや反応生成物由来の副生物の生成を抑え、反応成績の低下を効果的に防止できる傾向にある。
本実施形態におけるヒドロホルミル化反応を行う場合、一酸化炭素(以下「CO」と記載することもある)及び水素(以下「H2」と記載することもある)ガスによる加圧下で反応を行うことが好ましい。その際、CO及びHガスは各々独立に反応系内に導入することも、また、予め調製された混合ガスとして反応系内に導入することも可能である。反応系内に導入されるCO及びHガスのモル比(=CO/H)は0.2〜5が好ましく、0.5〜2がより好ましく、0.8〜1.2が更に好ましい。CO及びHガスのモル比が上記範囲に調整する場合、ヒドロホルミル化反応の反応活性や目的とするアルデヒドの選択率が良好となる傾向にある。反応系内に導入したCO及びHガスは反応の進行に伴い減少していくため、予め調製されたCOとHの混合ガスを利用すると反応制御が簡便な場合がある。
本実施形態におけるヒドロホルミル化反応の反応圧力としては、1〜12MPaが好ましく、1.2〜8MPaがより好ましく、1.5〜5MPaが更に好ましい。反応圧力を1MPa以上とすることで十分な反応速度が得られる傾向にあり、原料であるモノオレフィンの残留を十分に抑制できる傾向にある。また、反応圧力を12MPa以下にすることで、耐圧性能に優れる高価な設備を必要としなくなるため経済的に有利である。特に、回分式や半回分式で反応を行う場合、反応終了後にCO及びHガスを排出・落圧する必要があり、低圧になるほどCO及びHガスの損失が少なくなるため経済的に有利である。
本実施形態におけるヒドロホルミル化反応を行う場合の反応方式としては、回分式反応や半回分式反応が好適である。半回分式反応はロジウム化合物、有機リン化合物、前記溶媒を反応器に加え、CO/Hガスによる加圧や加温等を行い、既述の反応条件とした後に原料であるモノオレフィン又はその溶液を反応器に供給することにより行うことができる。
前記ヒドロホルミル化反応で得られた反応生成物は、そのまま次の還元反応の原料として用いることもできるが、例えば蒸留や抽出、晶析等により精製した後、次工程に供してもよい。
〔式(1)で表される炭素数14〜22の二官能性化合物の製造〕
本実施形態の前記式(I)中の式(1)で表される炭素数14〜22の二官能性化合物は、式(2)で表される炭素数14〜22の二官能性化合物を、水素化能を有する触媒及び水素の存在下で還元することにより製造することができる。
本実施形態における還元反応では、水素化能を有する触媒として、銅、クロム、鉄、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、コバルト及びパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む触媒を用いることが好ましい。より好ましい触媒としては、、Cu−Cr触媒、Cu−Zn触媒、Cu−Zn−Al触媒等の他、Raney−Ni触媒、Raney−Co触媒等が挙げられる。さらに好ましい触媒としては、Cu−Cr触媒、Raney−Co触媒が挙げられる。
前記水素化触媒の使用量は、基質である式(2)で表される炭素数14〜22の二官能性化合物に対して1〜100質量%が好ましく、より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%である。触媒使用量をこれらの範囲とすることで好適に水素化反応を実施することができる。触媒使用量が1質量%以上である場合、十分に反応が進行し、結果として目的物の収率を十分に確保できる傾向にある。また、触媒使用量が100質量%以下である場合、反応に供した触媒量と反応速度の向上効果とのバランスが良好となる傾向にある。
本実施形態における還元反応の反応温度は60〜200℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。反応温度を200℃以下にすることで、副反応や分解反応の発生を抑制し高い収率で目的物が得られる傾向にある。また、反応温度を60℃以上にすることで、適度な時間で反応を完結させることができ、生産性の低下や目的物収率の低下を回避できる傾向にある。
本実施形態における還元反応の反応圧力は、水素分圧として0.5〜10MPaが好ましく、1〜5MPaがより好ましい。水素分圧を10MPa以下にすることで、副反応や分解反応の発生が抑制され、高い収率で目的物が得られる傾向にある。また、水素分圧を0.5MPa以上にすることで、適度な時間で反応を完結させることができ、生産性の低下や目的物収率の低下を回避できる傾向にある。尚、還元反応に不活性なガス(例えば窒素又はアルゴン)を共存させることも可能である。
本実施形態における還元反応においては溶媒を使用することが可能である。還元反応に用いられる溶媒としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類等が挙げられ、中でも脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類が好適である。具体的にはシクロヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−プロパノール等が挙げられる。
本実施形態における還元反応の反応方式としては槽型反応器等による回分式、反応条件下の槽型反応器に基質や基質溶液を供給する半回分式、成型触媒を充填した管型反応器に反応条件下で基質や基質溶液を流通させる連続流通式等、多様な反応方式を採ることが可能である。
本実施形態における還元反応で得られた反応生成物は、例えば蒸留や抽出、晶析等により精製することができる。
以下、実施例により本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<分析方法>
1)ガスクロマトグラフィー測定条件
・分析装置 :株式会社島津製作所製 キャピラリガスクロマトグラフGC−2010 Plus
・分析カラム :ジーエルサイエンス株式会社製、InertCap1(30m、0.32mmI.D.、膜厚0.25μm
・オーブン温度:60℃(0.5分間)−15℃/分−280℃(4分間)
・検出器 :FID、温度280℃
2)GC−MS測定条件
・分析装置 :株式会社島津製作所製、GCMS−QP2010 Plus
・イオン化電圧:70eV
・分析カラム :Agilent Technologies製、DB−1(30m、0.32mmI.D.、膜厚1.00μm)
・オーブン温度:60℃(0.5分間)−15℃/分−280℃(4分間)
3)NMR測定条件
・装置 :日本電子株式会社製,JNM−ECA500(500MHz)
・測定モード :1H−NMR、13C−NMR、COSY−NMR
・溶媒 :CDCl(重クロロホルム)
・内部標準物質:テトラメチルシラン
<実施例1>
500mLステンレス製反応器にアクリル酸メチル173g(2.01mol)、ジシクロペンタジエン167g(1.26mol)を仕込み、195℃で2時間反応を行った。上記反応により、下記式(3a)で表されるモノオレフィン96gを含有する反応液を取得し、これを蒸留精製した後、一部を以下の反応に供した。
300mLステンレス製反応器を使用し、蒸留精製した式(3a)で表されるモノオレフィンのヒドロホルミル化反応をCO/H混合ガス(CO/Hモル比=1)を用いて行った。反応器に式(3a)で表されるモノオレフィン70g、トルエン140g、亜リン酸トリフェニル0.50g、別途調製したRh(acac)(CO)のトルエン溶液550μL(濃度0.003mol/L)を加えた。窒素及びCO/H混合ガスによる置換を各々3回行った後、CO/H混合ガスで系内を加圧し、100℃、2MPaにて5時間反応を行った。反応終了後、反応液のガスクロマトグラフィー分析を行い、式(2a)で表される二官能性化合物76g、式(3a)で表されるモノオレフィン1.4gを含む反応液(転化率98%、選択率97%)であることを確認すると共に、これを蒸留精製した後、一部を以下の反応に供した。
300mLステンレス製反応器に蒸留精製した式(2a)で表される二官能性化合物54g、スポンジコバルト触媒(日興リカ株式会社製:R−400)7mL、トルエン109gを添加し、水素ガスで系内を加圧し、3MPa、100℃で9時間反応を行った。反応後、得られたスラリーを孔径0.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、触媒を除去した。その後、エバポレーターを使用して溶媒を留去し、ガスクロマトグラフィー及びGC−MSで分析し、分子量250の主生成物51gを含有することが確認された(主生成物収率93%)。これをさらに蒸留精製し、主生成物を取得した。
(式(3a)、(2a)及び(1a)中、Meはメチル基を表す。)
<生成物の同定>
実施例1で取得した成分のNMR分析を行った。NMRスペクトルを図1〜3に示す。
GC−MS分析、及び図1〜3のNMR分析の結果から、実施例1で得られた主生成物は、前記式(1a)で表される二官能性化合物であることが確認された。
上記で得られた二官能性化合物を用いて次のとおりポリエステル樹脂を製造し、その物性を次のように評価した。
(1)重量平均分子量(Mw)
ポリエステル樹脂濃度が0.2質量%になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで検量した。GPCは東ソー株式会社製カラムTSKgel SuperHM−Mを用い、カラム温度40℃で測定した。溶離液はテトラヒドロフランを0.6mL/minの流速で流し、RI検出器で測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、次のように測定した。示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:DSC/TA−60WS)を使用し、ポリエステル樹脂約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30mL/分)気流中、昇温速度20℃/分で280℃まで加熱、溶融したものを急冷して測定用試料とした。該試料を同条件で測定し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転移温度とした。
(3)透明性
ポリエステル樹脂をプレス成形した円板(厚み3mm)をサンプルとし、全光線透過率を測定した。測定には、色差/濁度測定機(日本電色工業(株)製、商品名:COH−400)を用いた。
(4)水蒸気透過係数 (g・mm/m・day)
水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN―W Model 1/50G)を使用して、コーティングを施した基材の水蒸気透過率を40℃、相対湿度90%の条件下で測定し、塗膜の水蒸気透過係数を以下の式を用いて計算した:
1/R = 1/R + DFT/P
ここで、
= コーティングを施した基材の水蒸気透過率(g/m・day)
= 基材の水蒸気透過率(g/m・day)
DFT = 塗膜の厚み(mm)
P = 塗膜の水蒸気透過係数(g・mm/m・day)
とした。
<実施例2>
分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置及び窒素導入管を備えた200mLのポリエステル製造装置に、実施例1で得られた式(1a)で表される化合物45g、テトラブチルチタネート0.007gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温後、1時間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に270℃、0.1kPa以下で重縮合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は26000、ガラス転移温度は167℃、全光線透過率は91%であった。
<実施例3>
分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置及び窒素導入管を備えた30mLのポリエステル製造装置に、モノマー合成例より得られた式(1a)で表される化合物11.5g、テトラブチルチタネート0.005gを仕込み、窒素雰囲気下で230℃まで昇温後、1時間保持した。その後、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に270℃、0.1kPa以下で重縮合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量は46800、ガラス転移温度は171℃、全光線透過率は91%であった。
得られたポリエステル樹脂を20質量部、テトラヒドロフランを80質量部混合し、固形分濃度20重量%の塗布液を得た。基材として厚み50μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製エステルフィルムE5100)を用い、バーコーターNo.20を使用して基材に塗布液を塗布し、100℃で60分乾燥させることでコートフィルムを得た。得られたコートフィルムについて、その水蒸気透過率を評価した。また、コート層厚みは5.7μmであり、水蒸気透過率から計算される水蒸気透過係数は1.14g・mm/m・day(40℃90%RH)であった。
<比較モノマー合成例>
500mLステンレス製反応器にアクリル酸メチル95g(1.10mol)、ジシクロペンタジエン105g(0.79mol)を仕込み195℃で2時間反応を行った。下記式(8)で表されるモノオレフィン127g及び式(3a)で表されるモノオレフィン55gを含有する反応液を取得した。これを蒸留精製することによって、式(8)で表されるモノオレフィンを得、一部を以下の反応に供した。
500mLステンレス製反応器を使用し、蒸留精製した式(8)で表されるモノオレフィンのヒドロホルミル化反応をCO/H混合ガス(CO/Hモル比=1)を用いて行った。反応器に式(8)で表されるモノオレフィン100g、トルエン200g、亜リン酸トリフェニル0.614g、別途調製したRh(acac)(CO)のトルエン溶液200μL(濃度0.0097mol/L)を加えた。窒素及びCO/H混合ガスによる置換を各々3回行った後、CO/H混合ガスで系内を加圧し、100℃、2MPaにて4.5時間反応を行った。反応終了後、反応液のガスクロマトグラフィー分析を行い、式(9)で表される二官能性化合物113gを含む反応液(転化率100%、選択率94%)であることを確認すると共に、これを蒸留精製した後、一部を以下の反応に供した。
500mLステンレス製反応器に蒸留精製した式(9)で表される二官能性化合物70g、スポンジコバルト触媒(日興リカ株式会社製:R−400)14mL、トルエン210gを添加し、水素ガスで系内を加圧し、3MPa、100℃で3.5時間反応を行った。反応後、得られたスラリーを孔径0.2μmのメンブレンフィルターで触媒をろ過した。その後、エバポレーターを使用して溶媒を留去し、GC−MSで分析し、分子量184の主生成物69gを含有することが確認された(主生成物収率98%)。これをさらに蒸留精製し、主生成物(10)を取得した。
<比較例1>
原料モノマーとして比較モノマー合成例で得られた式(10)で表される化合物を用い、重縮合の最終温度を265℃とした以外は、実施例3と同じ方法で反応を行い、ポリエステル樹脂を得、さらに得られた樹脂を用いて実施例3と同じ手順でコートフィルムを作成し水蒸気透過率を測定し、水蒸気透過係数を算出した。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量、ガラス転移温度、及び水蒸気透過係数を表1に示す。なお、得られたポリエステル樹脂の全光線透過率は91%であった。
実施例3の水蒸気透過率は、基材のみの場合の水蒸気透過率13.8g/m・dayに対して、12.9g/m・dayに低減されている。また、水蒸気透過係数で評価すると、実施例3の樹脂の水蒸気透過係数は比較例1の樹脂の約1/3である。以上より、本実施形態の二官能性化合物によれば、耐熱性及び透明性に優れ、さらに水蒸気バリア性にも優れるポリエステル樹脂が得られることがわかる。
本出願は、2015年3月25日出願の日本国特許出願(特願2015−062203号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、分子内にノルボルナン骨格を有し、且つトリシクロデカンジカルバルデヒドやペンタシクロペンタデカンジカルバルデヒドと異なる骨格を有する新規な二官能性化合物を工業的に経済性に優れる方法で得ることが可能である。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される、二官能性化合物。
    (式(1)中、Rは水素原子、CH又はCであり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はCHであり、Xは水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシル基を含有してもよい炭化水素基である。)
  2. 下記式(1)で表される二官能性化合物の製造方法であって、
    下記式(2)で表される二官能性化合物を、水素化能を有する触媒と水素の存在下で還元する工程を有する、二官能性化合物の製造方法。
    (式(1)及び式(2)中、Rは水素原子、CH又はCであり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はCHであり、Xは水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシル基を含有してもよい炭化水素基である。)
  3. 前記水素化能を有する触媒が、銅、クロム、鉄、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、コバルト及びパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含む、請求項2に記載の二官能性化合物の製造方法。
  4. ロジウム化合物及び有機リン化合物の存在下で、下記式(3)で表されるモノオレフィンを一酸化炭素及び水素ガスとヒドロホルミル化反応させ、前記式(2)で表される二官能性化合物を得る工程をさらに有する、請求項2又は3に記載の二官能性化合物の製造方法。
    (式(3)中、R、R、R及びXは、前記式(1)及び(2)中のものと同義である。)
  5. 前記ヒドロホルミル化反応において、前記モノオレフィン1モルに対して、0.1〜60マイクロモルの前記ロジウム化合物と、該ロジウム化合物中のロジウム原子に対して300〜10000倍モルの前記有機リン化合物とを用いる、請求項4に記載の二官能性化合物の製造方法。
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