JPWO2016136942A1 - 大腸炎抑制剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、安全で優れた大腸炎抑制効果を有する大腸炎抑制剤およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、大腸細胞におけるヒートショックプロテイン(HSP)70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とする大腸炎抑制剤に関する。

Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国特許出願である特願2015−038302号(出願日:2015年2月27日)に基づく優先権の主張を伴うものであり、かかる先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本願発明の開示の一部とされる。
発明の背景
技術分野
本発明は、ラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とする大腸炎抑制剤に関する。
背景技術
大腸炎は、大腸におこる炎症性疾患であり、大腸炎には、自己免疫性疾患である炎症性腸疾患、特発性疾患であるベーチェット症、虚血性腸炎、および感染症性腸炎などが含まれる。炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)は、潰瘍性大腸炎とクローン病の2つに大別され、これらは共に日本の特定疾患に指定されている。これらの病因は不明であり、腸内細菌の関与や免疫機能の異常などが病因として考えられている。現在のところ、潰瘍性大腸炎の発症は、日本において、人口10万人あたり100人程度と、米国における半分以下であり、クローン病の発症は、日本において、人口10万人あたり27人程度と、米国における約10分の1であるが、将来には、日本においても、生活の欧米化に伴い、炎症性腸疾患の罹患率は増加すると考えられている。
潰瘍性大腸炎とクローン病では、治療が困難であり、根本的な治療方法は確立されていない。内科療法として、潰瘍性大腸炎には、薬物療法(5−アミノサリチル酸薬(5−ASA)などのサルファ剤、プレドニゾロンなどのステロイド剤、免疫調節剤・抑制剤など)が主体的に用いられ、クローン病には、栄養療法・食事療法(完全静脈栄養療法、経腸栄養療法、食餌療法)も併用されている。
一方、炎症性腸疾患をはじめとする大腸炎では、外的刺激から腸粘膜を保護するために、哺乳動物の腸管で働いている種々の防御機構が破綻することにより発症すると考えられており、腸管保護剤の開発が進められている。例えば、特許文献1:特開2010−83881号公報には、ラクトバチルス ブレビス SBC8803菌株の加熱死菌体の経口投与によって、DSS(デキストラン硫酸ナトリウム)により誘発される潰瘍性大腸炎類似の腸管炎症が抑制されたことが報告されている。
また、特許文献2:特許第5116194号公報には、ラクトバチルス属細菌のラクトバチルス カゼイ YIT9029、ラクトバチルス ガッセリ YIT0168の菌体または菌体由来多糖画分を有効成分とする炎症性腸疾患予防治療剤が報告されている。
一方で、これらのラクトバチルス属の大腸炎抑制効果は十分ではなく、また特定の菌株が用いられているのみである。このように、日常的に安全に簡単に摂取できる乳酸菌を有効成分とする効果の高い大腸炎抑制剤は報告されていない。
特開2010−83881号公報 特許第5116194号公報
本発明は、安全で優れた大腸炎抑制効果を有する大腸炎抑制剤およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、今般、インビトロにて共に培養される大腸細胞において、特にヒートショックプロテイン70の発現増強活性を示すラクトバチルス属乳酸菌が、安全で優れた大腸炎抑制作用を有することを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)大腸細胞におけるヒートショックプロテイン(HSP)70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とする、大腸炎抑制剤。
(2)ラクトバチルス属乳酸菌が、ラクトバチルス ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)である、(1)に記載の大腸炎抑制剤。
(3)ラクトバチルス属乳酸菌が、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株、ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株、およびラクトバチルス ジョンソニ OLL2978株から選択されるものである、(1)または(2)に記載の大腸炎抑制剤。
(4)ラクトバチルス属乳酸菌が、インビトロにて共に培養される大腸細胞におけるHSP70の発現量を、前記ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞のそれと比較して1.5倍以上に増加させることができる、(1)〜(3)のいずれかに記載の大腸炎抑制剤。
(5)大腸炎が炎症性腸疾患である、(1)〜(4)のいずれかに記載の大腸炎抑制剤。
(6)炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、(5)に記載の大腸炎抑制剤。
(7)便性を改善するための、(1)〜(6)のいずれかに記載の大腸炎抑制剤。
(8)大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を含有させることを特徴とする、大腸炎抑制剤の製造方法。
(9)大腸炎抑制剤の製造における、HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の使用。
(10)大腸炎を抑制するための、HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の使用。
(11)大腸炎を抑制するための、HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌。
(12)大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを含んでなる、大腸炎の抑制方法。
本発明の大腸炎抑制剤によれば、大腸炎、特に炎症性腸疾患を効果的に抑制することができる。本発明の大腸炎抑制剤は、ラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とすることから、大腸炎を安全に抑制し、かつ便性を改善する上で有利に利用することができる。
図1は、Caco−2細胞における数種類のラクトバチルス ジョンソニ株の投与によるHSPA1A遺伝子発現誘導におけるHSPA1A遺伝子の発現量/GAPDH遺伝子の発現量の比率を示したグラフである。N=3。 図2は、動物実験のスケジュールの概略を示す概念図である。 第1群(10匹):蒸留水+PBS(リン酸緩衝液)の投与群、 第2群(10匹):蒸留水+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群、 第3群(10匹):DSS水溶液(2.0w/v%)+PBSの投与群、 第4群(10匹):DSS水溶液(2.0w/v%)+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群である。 図3は、DSSの投与時の各群の平均体重の変化率を示すグラフである(*p<0.05、G1群との比較)。 day1(1日目)を100とした場合の変化率である。 G1:蒸留水+PBSの投与群、 G2:蒸留水+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群、 G3:DSS+PBSの投与群、 G4:DSS+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群である。 図4は、解剖時のDSSの投与群(G3とG4)の炎症スコアを示すグラフである(*p<0.05)。 G3:DSS+PBSの投与群、 G4:DSS+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群である。 図5は、解剖時の各群の大腸の長さと単位長さ当たりの重量を示すグラフである(**p<0.01、G1群との比較)。 G1:蒸留水+PBSの投与群、 G2:蒸留水+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群、 G3:DSS+PBSの投与群、 G4:DSS+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群である。
発明の具体的説明
大腸炎抑制剤
本発明の大腸炎抑制剤は、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とすることを特徴としている。HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌が、顕著な大腸炎抑制作用を有することは意外な事実である。
HSP70は、熱や紫外線などにより発現が誘導されるタンパク質の1種であり、例えば、配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質である。また、HSP70は、HSPA1A(エイチエスピーエーワンエー)がコードするタンパク質であり、HSPA1Aの遺伝子配列は、例えば、配列番号2を参照することで特定できる。よって、本発明の大腸炎抑制剤は、大腸細胞におけるHSPA1Aの発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とすることを特徴としてもよい。
ラクトバチルス属乳酸菌におけるHSP70の発現増強活性の有無は、本願明細書の実施例の例1(インビトロ試験)の記載の通り、HSP70をコードするHSPA1Aの発現量を指標とした比較試験により判定することができる。かかる比較試験では、ラクトバチルス属乳酸菌と共に培養される大腸細胞におけるHSPA1Aの発現量が、前記ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞におけるHSPA1Aの発現量と比較して高い場合、ラクトバチルス属乳酸菌はHSP70の発現増強活性を有するものとされる。
HSPA1Aの発現量は、本願明細書の実施例の例1に記載の通り、大腸細胞におけるハウスキーピング遺伝子(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH))の発現量を基準として算出することができる。
本発明の好ましい態様によれば、ラクトバチルス属乳酸菌は、インビトロにて共に培養される大腸細胞におけるHSP70の発現量を、前記ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞におけるHSP70の発現量と比較して、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.7倍以上、さらに好ましくは1.8倍以上、さらに好ましくは1.9倍以上、さらに好ましくは2.0倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上、さらに好ましくは3.0倍以上、さらに好ましくは3.5倍以上、さらにより好ましくは4.0倍以上に増加させることができる。
本発明の好ましい態様によれば、ラクトバチルス属乳酸菌は、インビトロにて共に培養される大腸細胞におけるHSPA1Aの発現量を、前記ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞におけるHSPA1Aの発現量と比較して、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.7倍以上、さらに好ましくは1.8倍以上、さらに好ましくは1.9倍以上、さらに好ましくは2.0倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上、さらに好ましくは3.0倍以上、さらに好ましくは3.5倍以上、さらにより好ましくは4.0倍以上に増加させることができる。
本発明のより好ましい態様によれば、ラクトバチルス属乳酸菌は、インビトロにて共に培養される大腸細胞におけるHSPA1Aの発現量(ハウスキーピング遺伝子(GAPDH)の発現量で割ることによって、実験群間のばらつきを補正した値)が、前記ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞におけるHSPA1Aの発現量(ハウスキーピング遺伝子(GAPDH)の発現量で割ることによって、実験群間のばらつきを補正した値)と比較して、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.7倍倍以上、さらに好ましく1.8倍以上、さらに好ましくは1.9倍以上、さらに好ましくは2.0倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上、さらに好ましくは、3.0倍以上、さらに好ましくは3.5倍以上、さらにより好ましくは4.0倍以上に増加させることができる。
HSP70の発現増強活性の測定に用いられる大腸細胞は、本願明細書の実施例の例1に記載の通り、Caco−2細胞が好ましい。
本発明のより好ましい態様によれば、ラクトバチルス属乳酸菌は、例えば、ラクトバチルス ジョンソニ、ラクトバチルス カゼイ、ラクトバチルス ガッセリ、ラクトバチルス ヘルベティカスなどであり、好ましくは、ラクトバチルス ジョンソニ(L.johnsonii)である。そして、ラクトバチルス属乳酸菌は、好ましくは、生菌体であり、これを摂取することにより、腸内環境が改善され、排便の回数、便の量、その形、色あるいは臭いなどの便性を改善することができる。
ラクトバチルス ジョンソニは、グラム陽性の桿菌であり、ホモ乳酸発酵の形式、好気的条件にて発育性を有する。そして、ラクトバチルス ジョンソニは、MRS寒天培地(BD)平板上に、それを塗布し、アネロパック・ケンキ(三菱ガス化学)を用いた嫌気的条件にて37℃、48時間で培養すると、円形、白色、扁平状コロニーを形成する。また、ラクトバチルス ジョンソニは、大腸炎を効果的に抑制する上で、特に有利に使用することができる。
ラクトバチルス ジョンソニは、好ましくは、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株、ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株、ラクトバチルス ジョンソニ OLL2978株であり、より好ましくは、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株、ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株、さらに好ましくは、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株である。これらは1種類の単独のものを有効成分として用いてもよいし、2種類以上を混合したものを有効成分として用いてもよい。
ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株は、2015年2月3日付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、受託番号がNITE BP−02003(識別の表示:Lactobacillus johnsonii OLL203565)として寄託されている。
ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株は、2015年2月3日付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、受託番号がNITE BP−02004(識別の表示:Lactobacillus johnsonii OLL204255)として寄託されている。
ラクトバチルス ジョンソニ OLL2978株は、2015年2月3日付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター(〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室)に、受託番号がNITE BP−02002(識別の表示:Lactobacillus johnsonii OLL2978)として寄託されている。
本発明の大腸炎抑制剤は、ラクトバチルス属乳酸菌をそのまま用いてもよく、ラクトバチルス属乳酸菌と共に経口上で許容可能な他の成分を併用してもよい。
経口上で許容可能な他の成分は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されず、例えば、賦形剤、安定剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、甘味料、着色料、香料、緩衝剤、酸化防止剤、pH調整剤等の添加剤や、内科療法用の薬剤などである。
本発明の大腸炎抑制剤の形態は、特に制限されず、粉末状、錠剤状、カプセル状またはドリンク剤状であってよい。
本発明の大腸炎抑制剤の形態は、ラクトバチルス属乳酸菌が大腸炎の抑制のための有効量となるように、1回の摂取量の単位から構成されることが好ましい。本発明の大腸炎抑制剤の1回の摂取量の単位は、ラクトバチルス属乳酸菌を、1×10〜1×10CFU/mlで、100ml以上で含有することが好ましく、200ml以上で含有することがより好ましい。
本発明の大腸炎抑制剤の形態は、1回の摂取量当たりの単位で包装されて提供されることが好ましい。本発明の大腸炎抑制剤の1回の摂取量当たりの単位包装の形態は、ソフトパック、プラスチック容器などの包材で、一定量を規定する形態が挙げられ、それら包材などの表面には、1回の摂取量当たりの成分表示や、大腸炎の抑制などの用途表示を付していてもよい。かかる単位包装の形態は、サプリメント、医薬製剤などを好適に例示できる。
本発明の大腸炎抑制剤の形態は、徐放性製剤にしてもよい。本発明の大腸炎抑制剤の形態を徐放性製剤にすることは、ラクトバチルス属乳酸菌が経口摂取されてから、それらを生きたままで大腸細胞に到達させる上で好ましい。
本発明の大腸炎抑制剤は、ラクトバチルス属乳酸菌を、所望により経口上許容な他の成分と共に混合して簡易に製造することができる。したがって、本発明の別の態様によれば、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を含有させることを特徴とする、大腸炎抑制剤の製造方法が提供される。
本発明の製造方法は、ラクトバチルス属乳酸菌と大腸細胞を共にインビトロにて培養し、大腸細胞におけるHSP70の発現量が、予め設定した閾値よりも高いラクトバチルス属乳酸菌を選択する工程を含んでいてもよい。
前記の選択する工程において、HSP70の発現量を測定する方法は、特に制限されず、HSP70の発現量を直接的または間接的に測定する手法を用いることができる。かかる測定方法として、例えば、リアルタイムPCR、ノーザンブロット、RNAシークエンシングなどが挙げられる。
また、前記の選択する工程において、予め設定した閾値は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されず、例えば、ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞におけるHSP70の発現量とすることができる。かかるHSP70の発現量の閾値は、本願明細書の実施例の例1に記載の通り、HSPA1Aの発現量を指標として測定してもよい。さらに、HSPA1Aの発現量は、大腸細胞におけるハウスキーピング遺伝子の発現量を基準として算出してもよい。かかるハウスキーピング遺伝子として、例えば、本願明細書の実施例の例1に記載の通り、GAPDHを用いることが好ましいが、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(HPRT1)、ベータアクチン(ACTB)などを用いてもよい。
さらに、前記の選択する工程において、ラクトバチルス属乳酸菌と大腸細胞を共に培養する方法は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されず、当業者であれば適宜設定することができる。かかる培養条件(温度、培地、培養時間)として、例えば、大腸細胞がCaco−2細胞である場合、37℃、高グルコースダルベッコ修飾イーグル培地、CO環境下で、24時間が挙げられる。
本発明の別の態様によれば、本発明の大腸炎抑制剤では、大腸炎抑制剤を含んでなる組成物を提供することができる。すなわち、本発明の大腸炎抑制剤では、そのまま単独で使用することもできるが、大腸炎抑制機能が発揮される限りにおいて、食品や医薬品などの種々の経口摂取用(経口投与用)の組成物に対して、原料(素材)や添加剤などとして含ませることもでき、大腸炎抑制効果を有する組成物を得ることができる。よって、本発明の一つの実施態様によれば、本発明の大腸炎抑制剤を含んでなる組成物が提供される。
本発明の一つの態様によれば、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とする組成物を提供することができる。本発明の組成物は、食品組成物または医薬組成物であってよい。かかる態様は、上述した大腸炎抑制剤の記載に準じて実施することができる。
食品組成物とは、医薬組成物以外のものであって、溶液、懸濁液、乳濁液、粉末、固体成形物など、経口摂取可能な形態であればよく特に限定されない。具体的には、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品などの即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、アルコール飲料などの飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、パン粉などの小麦粉製品;飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子などの菓子類;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類などの調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズなどの油脂類;乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類などの乳製品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、シリアルなどの農産加工品;冷凍食品などが挙げられる。好ましくは、食品は、乳製品であり、より好ましくは乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料またはアイスクリーム類である。
また食品には、健康食品(サプリメント含む)、機能性食品、栄養補助食品、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用食品、乳幼児用調整粉乳、妊産婦もしくは授乳婦用粉乳、または疾病リスク低減表示を付した食品のような分類のものも包含される。
本発明の好ましい態様によれば、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とする、大腸炎抑制用乳製品、好ましくは大腸炎抑制用乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料またはアイスクリーム類が提供される。かかる態様は、上述した大腸炎抑制剤の記載に準じて実施することができる。
医薬組成物とは、製剤化のために許容されうる添加剤を併用して、常法に従い、経口製剤または非経口製剤として調製したものである。経口製剤の場合には、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤などの固形製剤、溶液、懸濁液、乳濁液などの液状製剤の形態をとることができる。また、非経口製剤の場合には、注射剤や座剤の形態をとることができる。簡易性の点からは、経口製剤であることが好ましい。製剤化のために許容されうる添加剤としては、例えば、賦形剤、安定剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、甘味料、着色料、香料、緩衝剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。本発明の医薬組成物には、大腸炎の抑制を必要とする疾患、例えば、炎症性腸疾患、ベーチェット症、虚血性腸炎および感染症性腸炎のための医薬組成物、より具体的には予防用組成物および治療用組成物が含まれる。
また、本発明の別の態様によれば、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを含んでなる、大腸炎の抑制方法が提供される。ここで、「抑制」には、確立された病態を治療することだけでなく、将来に確立される可能性がある病態を予防する概念も含まれる。さらに本発明の「抑制」には、非治療的な概念、例えば、大腸における炎症に起因または関連する症状または状態の改善または緩和も含まれる。したがって、別の態様によれば、大腸炎の抑制は、大腸における炎症に起因または関連する症状または状態の改善または緩和であり、好ましくは非治療的である。
大腸炎の抑制方法は、ラクトバチルス属乳酸菌の有効量を、上述した大腸炎抑制剤における1回の摂取量の単位と同様に設定や調整することができる。
ラクトバチルス属乳酸菌の有効量を、それを必要とする対象に摂取させる方法は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されず、例えば、経口摂取や経腸摂取などであり、好ましくは経口摂取である。
本発明のラクトバチルス属乳酸菌の摂取計画は、特に限定されず、対象の年齢、性別、症状および状態に応じて、当業者が適宜設定することができる。本発明の対象に対して、1回の経口摂取量の単位を、例えば、1日当たり1〜10回で投与してもよいが、好ましくは、1日当たり1〜3回で投与することであり、より好ましくは、1日当たり1回で投与することである。また、本発明の大腸炎抑制剤は、食事とともに摂取することができる。
本発明の大腸炎として、例えば、炎症性腸疾患、ベーチェット症、虚血性腸炎および感染症性腸炎であり、好ましくは、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)であり、より好ましくは、潰瘍性大腸炎である。
本発明の対象として、哺乳動物、例えば、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウシ、霊長類、ヒトであり、好ましくは、ヒトであり、より好ましくは、大腸炎を患う患者である。また、本発明の対象は、健常者であってもよい。かかる健常者の例としては、大腸炎を患う患者と診断されないものの、大腸における炎症に起因または関連する症状または状態を有するか、あるいはそれらの症状または状態を生じる恐れのある者であることが好ましい。なお、大腸炎を患う患者か否かは、例えば、潰瘍性大腸炎は、Katsuyoshi Matsuoka and Tsung-Chun Lee, Guidelines for the Management of ulcerative colitis in Japan, IBP Research 4: 189-239, 2010(特に(14)頁の2、(16)頁の図1参照)等、クローン病は、Fumiaki Ueno et. al. Evidence-based clinical practice guidelines for Crohn's disease, integrated with formal consensus of experts in Japan, J Gastroenterol (2013) 48: 31-72(特に38頁のII、43頁のII−8、44頁の表5参照)等、公知の診断方法に基づき診断することができる。
本発明の一つの態様によれば、大腸炎抑制剤の製造における、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の使用が提供される。また、本発明の一つの態様によれば、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の、大腸炎を抑制するための使用が提供される。本発明の好ましい一つの態様によれば、該使用は、非治療的使用である。かかる使用は、上述した大腸炎抑制剤および大腸炎の抑制方法の記載に準じて実施することができる。
本発明の一つの態様によれば、大腸炎を抑制するための、大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌が提供される。かかる態様は、上述した大腸炎抑制剤の記載に準じて実施することができる。
本発明を以下の例によって詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例1:HSPA1A遺伝子の発現誘導試験(インビトロ試験)
(1)生菌懸濁液とCaco−2細胞の調製
ラクトバチルス ジョンソニ OLL2978株、ラクトバチルス ジョンソニOLL203565株、ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株を、Difco(商標)Lactobacilli MRS broth培地(BD)を用いて、37℃、嫌気条件下にて1回の継代で培養した。そして、各菌を遠心分離処理(8,000rpm、5分間)して沈殿させ、リン酸緩衝液(PBS、 Phosphate Buffered Saline)で洗浄した後に、分光光度計(U−2810 Spectrophotometer, HITACHI)を用いて、波長650nmで濁度(OD)を測定した。ここで、PBSは、PBS(Phosphate Buffered Salts)タブレット(TaKaRa社)を蒸留水に溶解して調製した。その後に、PBSを用いて、各菌がOD=5となるように調整し、生菌懸濁液を調製した。
ヒト結腸癌由来細胞であるCaco−2細胞(DSファーマバイオメディカル社)を、10%のFBS、2mMのグルタミンとなるように配合した、高グルコースダルベッコ修飾イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium−high glucose、 D6546, Sigma−Aldrich社)を用いて、37℃、5%のCOの環境下(NAPCO Series 5400 CO Incubator, Thermo Scientific)にて培養した。
生菌懸濁液を投与する前日に、1.0×10cells/wellになるように、Caco−2細胞を6wellプレート(TPP社)に継代した。
(2)HSP遺伝子の発現誘導試験
生菌懸濁液を20μl/wellで、前記の継代後のCaco−2細胞を含む6wellプレートに添加し、37℃、5%のCOの環境下にて24時間で共培養した。この共培養を終了した直後に、これら培養液(培地)を吸引除去し、そこに、RNA later (Ambion社)を添加し、細胞を浸漬した。これら細胞から、NucleoSpin RNA II(MACHEREY−NAGEL)により、RNAを抽出してから、PrimeScript RT Master Mix(Perfect Real Time, TaKaRa社)を用いて、逆転写反応を行った。SYBR Premix Ex Taq II(Tli RNaseH Plus, TaKaRa社)を用いて、Thermal Cycler Dice Real Time System TP−800(TaKaRa)により、リアルタイムPCRを行い、Caco−2細胞のHSPA1A遺伝子の発現解析を行った。
リアルタイムPCRで用いたプライマーと反応液の組成をそれぞれ表1と表2に示す。
リアルタイムPCRの反応条件は、(95℃、30秒間) → (95℃、5秒間 →
60℃、30秒間)×40サイクル → 95℃、15秒間 → 60℃、30秒間 → 95℃、15秒間 → 4℃とした。
対照群として、生菌懸濁液の代わりに、PBSを投与し、共培養したものを用いた。
結果を図1に示す。
図1に示されるように、対照群と比較して、ラクトバチルス ジョンソニの生菌の投与群では、HSPA1A遺伝子の発現上昇が見られた。
例2:インビボ試験
ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株をマウスに投与し、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS、分子量: 36,000〜50,000Da、MP Biomedicals社)で誘発される大腸炎への抑制効果を、動物実験により検討した。
生菌懸濁液では、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の 1×10cfuを、PBSの 200μlに懸濁して調製した。そして、この生菌懸濁液を、ゾンデにより毎日で強制経口投与した。なお、DSS水を自由飲水とした。
BALB/cマウス(4週齢、オス、チャールスリバー社)を用いて、各群を10匹ずつとした。DSS水(2.0w/v%)の投与の1週間前から、生菌懸濁液をマウスに毎日で投与した。DSS水の投与の初日を1日目として1週間で(DSS水の投与後の7日目まで)、DSS水と生菌懸濁液の混合物を毎日で投与した。
対照群として、DSS水の代わりに、蒸留水を投与したものと、生菌懸濁液の代わりに、PBSを投与したもの、DSSと生菌懸濁液の代わりに、蒸留水とPBSを投与したものを用いた(図2参照)。
DSSの投与期間中には、マウスの体重の測定値と炎症スコアを毎日で記録した。
炎症スコアでは、下痢と血便のスコアを付けて、表3に従って、スコアを0から3までで評価した。
DSSの投与期間の終了後(8日目)に、マウスを解剖し、大腸を採取して、それらの長さと重量を測定した。解剖時の炎症スコアとして、下痢と血便のスコアの合計を平均したものについて、DSSの投与群間で比較した。
マウスの体重、大腸の長さ・大腸の単位長さ当たりの重量では、Tukey’s testで群間を比較した。炎症スコアでは、Mann−Whitney U testで群間を比較した。統計処理の結果、p<0.05のときに、有意であると判断した。グラフでは、平均値±標準偏差(SD)で示した。
それぞれの結果を図3〜5に示す。
図3に示されるように、DSSで誘発される大腸炎により、マウスの体重が減少するが、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与により、マウスの体重の減少が抑制されることを確認できた。なお、G1:蒸留水+PBSの投与群、 G2:蒸留水+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群、 G3:DSS+PBSの投与群、 G4:DSS+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群である。
図4に示されるように、DSS+PBSの投与群と比較して、DSS+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群では、炎症スコアが有意に減少していた。
図5に示されるように、DSSの投与群では、大腸の長さが短縮されていた。また、蒸留水+PBSの投与群と比較して、DSS+PBSの投与群では、単位長さ当たりの重量が有意に増加したが、DSS+ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の投与群では、有意差が見られなかった。
結論として、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の生菌を投与することで、DSSで誘発される大腸炎が抑制されることを確認できた。
ここにはデータを示さないが、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株の代わりに、ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株を用いた場合にも、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株と同様にして、DSSで誘発される大腸炎が抑制される傾向があることを確認した。

Claims (12)

  1. 大腸細胞におけるヒートショックプロテイン(HSP)70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を有効成分とする、大腸炎抑制剤。
  2. ラクトバチルス属乳酸菌が、ラクトバチルス ジョンソニである、請求項1に記載の大腸炎抑制剤。
  3. ラクトバチルス属乳酸菌が、ラクトバチルス ジョンソニ OLL203565株、ラクトバチルス ジョンソニ OLL204255株、およびラクトバチルス ジョンソニ OLL2978株から選択されるものである、請求項1または2に記載の大腸炎抑制剤。
  4. ラクトバチルス属乳酸菌が、インビトロにて共に培養される大腸細胞におけるHSP70の発現量を、前記ラクトバチルス属乳酸菌を添加しないで培養される大腸細胞のそれと比較して1.5倍以上に増加させることができる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の大腸炎抑制剤。
  5. 大腸炎が炎症性腸疾患である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の大腸炎抑制剤。
  6. 炎症性腸疾患が潰瘍性大腸炎である、請求項5に記載の大腸炎抑制剤。
  7. 便性を改善するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の大腸炎抑制剤。
  8. 大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌を含有させることを特徴とする、大腸炎抑制剤の製造方法。
  9. 大腸炎抑制剤の製造における、HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の使用。
  10. 大腸炎を抑制するための、HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の使用。
  11. 大腸炎を抑制するための、HSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌。
  12. 大腸細胞におけるHSP70の発現増強活性を有するラクトバチルス属乳酸菌の有効量を、それを必要とする対象に摂取させることを含んでなる、大腸炎の抑制方法。
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