JPWO2016136918A1 - 免疫学的測定方法及び該方法に用いられる測定試薬 - Google Patents
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Abstract
Description
ヘモグロビンを含有する試料中に存在することが疑われる、試料中の測定対象成分と、該測定対象成分に結合する抗体とを、配列番号1に記載される大腸菌由来の熱ショックタンパク質(HSP)であるDnaKのアミノ酸配列の419番目から607番目のアミノ酸配列からなるポリペプチド又は当該ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドの存在下に反応させることを特徴とする、ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分の免疫測定法。
[2]
ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分と該測定対象成分に結合する抗体とを、更に、HEPES、Bis−Tris、TESおよびTrisから選択される1以上の緩衝成分の存在下に反応させる[1]に記載の方法。
[3]
抗体が、不溶性担体に固定化されていることを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[4]
不溶性担体が、ラテックス粒子、金属コロイド粒子である[3]に記載の方法。
[5]
粒子凝集測定法を利用する、[4]に記載の方法。
[6]
抗体が、互いに認識部位が異なる二種以上のモノクローナル抗体である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
互いに認識部位が異なる二種以上のモノクローナル抗体が、ラテックス粒子にそれぞれ固定化されており、ラテックス免疫比濁法により試料中の測定対象成分を検出する、[6]に記載の方法。
[8]
試料が、尿、全血、血清又は血漿である[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
測定対象成分が、L−FABP(肝臓型脂肪酸結合蛋白質)である[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分を該測定対象成分に結合する抗体により検出する方法におけるヘモグロビンの影響回避方法であって、
測定対象成分の存在が疑われる試料と該測定対象成分に結合する抗体とを
配列番号1に記載される大腸菌由来の熱ショックタンパク質(HSP)であるDnaKのアミノ酸配列の419番目から607番目のアミノ酸配列からなるポリペプチド又は当該ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドの存在下に反応させることを特徴とする
前記ヘモグロビンの影響回避方法。
[11]
ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分と該測定対象成分に結合する抗体とを、更に、HEPES、Bis−Tris、TESおよびTrisから選択される1以上の緩衝成分の存在下に反応させる[10]に記載の方法。
[12]
抗体が、不溶性担体に固定化されていることを特徴とする[10]または[11]に記載の方法。
[13]
不溶性担体が、ラテックス粒子、金属コロイド粒子である[12]に記載の方法。
[14]
粒子凝集測定法を利用する、[13]に記載の方法。
[15]
抗体が、互いに認識部位が異なる二種以上のモノクローナル抗体である、[10]〜[14]に記載の方法。
[16]
互いに認識部位が異なる二種以上のモノクローナル抗体が、ラテックス粒子にそれぞれ固定化されており、ラテックス免疫比濁法により試料中の測定対象成分を検出する、[15]に記載の方法。
[17]
試料が、尿、全血、血清又は血漿である[10]〜[16]のいずれかに記載の方法。
[18]
測定対象成分が、L−FABP(肝臓型脂肪酸結合蛋白質)である[10]〜[17]のいずれかに記載の方法。
本発明に用いる生体試料としては、尿、血液(全血、血漿又は血清)、腎臓、心臓、肝臓などの組織、及び該組織からの抽出液等が挙げられる。測定対象物質の存在が疑われる試料であれば、健常者由来の試料、患者由来の試料、罹病を疑われる者由来の試料等、いずれの試料も用いることができる。
本発明により測定される測定対象物質には特に制限はない。
本発明に用いる抗L−FABP抗体は、臓器、細胞、体液等から精製した天然のL−FABPを免疫原(抗原)として調製することができる。L−FABPは、主に肝臓又は腎臓に分布しているので、それらの臓器等から精製、単離することができる。また、L−FABPは、ヒト、マウス、ブタ、ウシ、ラット間でホモロジーが高く、アミノ酸レベルで90%以上のホモロジーがあることが知られているので、ヒトのL−FABPと結合する抗体を得るために、例えばマウスL−FABPを抗原として用いることもできる。
本発明の抗L−FABP抗体を用いたL−FABPを検出する方法は、免疫測定法である。より具体的には、ラテックス免疫比濁法(LTIA)等の粒子免疫凝集測定法、ELISA、化学発光検出法、イムノクロマトグラフィー(ラテラルフロー式、フロースルー式)が挙げられるが、これらの例に限定されない。なかでも、B/F分離のための工程を含まない免疫測定法(ホモジニアス免疫測定法)がより好ましい。
なお、本明細書において測定方法としてLTIAを記述する場合、その検出方法は、透過光(吸光度)の変化の測定、散乱光の変化の測定、粒子径の変化の測定等、公知の検出方法のいずれを用いても差し支えないものとして記述している。
さらに、「検出」又は「測定」という用語は、L−FABPの存在の証明及び/又は定量等を含めて最も広義に解釈する必要があり、限定的に解釈してはならない。
本発明で使用する不溶性担体としては、ポリスチレン樹脂等の高分子基材、ガラス等の無機基材、セルロースやアガロース等の多糖類基材等からなる不溶性担体を用いることができ、その形状は特に限定されず、ビーズあるいは粒子状(例えば、ラテックス粒子、金属コロイド粒子)、板あるいはシート状(例えば、多孔性メンブレン、イムノプレート)、筒状(例えば、試験管)等、採用する測定法に応じた任意の形状を選択できる。
担体粒子の粒子径としては、0.15〜0.45μm程度が好ましく、より好ましくは、0.2〜0.4μmである。また、平均粒子径の異なる二種類以上の担体粒子を組み合わせて用いることもできる。
抗L−FABP抗体を不溶性担体上に固定化する方法としては特に制限はなく、公知の方法を使用することができる
抗L−FABP抗体を粒子上に固定化する場合、例えば、粒子と抗体を混合することによりおこる物理的な吸着を用いる物理吸着法、カルボジイミド等のカップリング剤により、粒子表面のカルボキシ基やアミノ基と抗体分子を化学的に結合させる化学結合法が用いられる。また、抗体分子はスペーサー分子を介して粒子に固定化させてもよい。さらに、アルブミン等の他のタンパク質に化学結合法を用いて抗体を結合させた後に、そのタンパク質を粒子に物理的あるいは化学的に固定化してもよい。
また、抗L−FABP抗体を多孔性メンブレン上に固定化する場合、例えば、抗体を含む溶液を一定量、ライン状、点あるいは、+等の特定のシンボル状に、多孔性メンブレンに塗布することで固定化できる。
抗体を標識するための標識物質としては、例えば酵素、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン、アビジン、又は放射性同位体、金コロイド粒子、着色ラテックス粒子等が挙げられる。また標識物質と抗体との結合方法としては、当業者に利用可能なグルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法、又は過ヨウ素酸法等の方法を用いることができる。標識物質、結合方法のいずれも、上記に限定されることなく公知の方法を用いることができる。
標識の検出は、例えば、パーオキシダーゼやアルカリホスファターゼ等の酵素を標識物質として用いる場合には、その酵素の特異的基質(酵素が西洋ワサビパーオキシダーゼの場合には、例えば1,2-フェニレンジアミンあるいは3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、アルカリホスファターゼの場合には、p-ニトロフェニルホスフェート等)を用いて酵素活性を測定することができ、ビオチンを標識物質として用いる場合には少なくともビオチン以外の標識物質で標識されたアビジンを反応させるのが一般的である。
大腸菌由来の熱ショックタンパク質(HSP)であるDnaKのアミノ酸配列419番目から607番目のポリペプチド(Blocking Peptide Fragmentとも呼称される。以下「BPF」ということがある。)は、免疫学的測定方法における新規なブロッキング用物質としてWO2005/003155号パンフレットおよび高分子学会予稿集:55巻2 Disk1号5211-5212頁(2006年),Polymer Preprints, Japan Vol. 55, No.2, 5211-5212 (2006)に開示され、市販もされている。
本発明方法等に使用するBPFは、WO2005/003155号パンフレットの記載に従い調製することができる。また、市販品(東洋紡社製、カタログ番号BPF−301)を使用してもよい。
例えば、分子量約22000のBPF−301を用いた場合、0.022mmol/L〜2.27mmol/Lが好適であり、より好適には0.034mmol/L〜2.27mmol/L、さらに好適には0.045mmol/L〜1.36mmol/Lを例示することができる。
L−FABPの存在が疑われる試料、抗L−FABP抗体、及びBPFを接触させる工程は、L−FABPの存在が疑われる試料とBPFを接触させる工程の後、抗L−FABP抗体と接触させる工程の順に行われることを限度として、いずれの方法を用いてもよい。
例えば、L−FABPの存在が疑われる試料と抗L−FABP抗体、及びBPFとを接触させる方法としては、例えば抗L−FABP抗体が固定化された粒子及びBPFを含有する液状の試薬と試料とを混合する方法を挙げることができる。また、別の方法としては、BPFを浸潤させた多孔性メンブレン等の不溶性担体に、L−FABPの存在が疑われる試料を供給することによって接触させる方法を挙げることができる。当業者であれば、測定用試薬の構成等を考慮して適宜設定することができる。
さらに試料中のL−FABPは、BPFと接触した後、又は接触と同時に、不溶性担体に固定化された抗L−FABP抗体と公知の適宜な方法により接触される。
本発明の分子内に下記[化学式1]で表される基をもつ化合物又はその塩からなる緩衝剤としては、下記一般式[I]で表される化合物を例示することができる。
一般式[I]
一般式[I]中のR3、R4としては、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、トリ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、カルボキシアルキル基、ジ(カルボキシアルキル)アルキル基、トリ(カルボキシアルキル)アルキル基、スルホアルキル基、ジ(スルホアルキル)アルキル基、トリ(スルホアルキル)アルキル基、スルホ−ヒドロキシ−アルキル基、ジ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基、トリ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基等を挙げることができる。
上記アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、トリ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、カルボキシアルキル基、ジ(カルボキシアルキル)アルキル基、トリ(カルボキシアルキル)アルキル基、スルホアルキル基、ジ(スルホアルキル)アルキル基、トリ(スルホアルキル)アルキル基、スルホ−ヒドロキシ−アルキル基、ジ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基、及びトリ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基におけるアルキル基としては、直鎖又は分枝状の炭素数が1〜6のアルキル基を挙げることができ、該直鎖又は分枝状の炭素数が1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を具体的に例示することができる。
また、一般式[I]中のR3、R4としては、R3,R4が窒素原子と共に環状構造を形成し、置換もしくは無置換のピペラジニル基、置換もしくは無置換のモルホリノ基、又は置換もしくは無置換のピペリジノ基を形成する基を挙げることができ、該置換ピペラジニル基、置換モルホリノ基、及び置換ピペリジノ基における置換基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、トリ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、カルボキシアルキル基、ジ(カルボキシアルキル)アルキル基、トリ(カルボキシアルキル)アルキル基、スルホアルキル基、ジ(スルホアルキル)アルキル基、トリ(スルホアルキル)アルキル基、スルホ−ヒドロキシ−アルキル基、ジ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基、トリ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基等を挙げることができる。
上記アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、トリ(ヒドロキシアルキル)アルキル基、カルボキシアルキル基、ジ(カルボキシアルキル)アルキル基、トリ(カルボキシアルキル)アルキル基、スルホアルキル基、ジ(スルホアルキル)アルキル基、トリ(スルホアルキル)アルキル基、スルホ−ヒドロキシ−アルキル基、ジ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基、及びトリ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基におけるアルキル基としては、前記の直鎖又は分枝状の炭素数が1〜6のアルキル基を挙げることができる。
前記ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシヘキシル基等を、ジ(ヒドロキシアルキル)アルキル基としては、ジ(ヒドロキシメチル)メチル基、ジ(2−ヒドロキシエチル)メチル基等を、トリ(ヒドロキシアルキル)アルキル基としては、トリ(ヒドロキシメチル)メチル基、トリ(2−ヒドロキシエチル)メチル基等を、カルボキシアルキル基としては、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基等を、ジ(カルボキシアルキル)アルキル基としては、ジ(カルボキシメチル)メチル基、ジ(2−カルボキシエチル)メチル基等を、トリ(カルボキシアルキル)アルキル基としては、トリ(カルボキシメチル)メチル基、トリ(2−カルボキシエチル)メチル基等を、それぞれ具体的に例示することができる。
また、前記スルホアルキル基としては、スルホメチル基、2−スルホエチル基等を、ジ(スルホアルキル)アルキル基としては、ジ(スルホメチル)メチル基、ジ(2−スルホエチル)メチル基等を、トリ(スルホアルキル)アルキル基としては、トリ(スルホメチル)メチル基、トリ(2−スルホエチル)メチル基等を、スルホ−ヒドロキシ−アルキル基としては、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、3−ヒドロキシ−4−スルホプロピル基等を、ジ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基としては、ジ(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)メチル基、ジ(3−ヒドロキシ−4−スルホプロピル)メチル基等を、トリ(スルホ−ヒドロキシ−アルキル)アルキル基としては、トリ(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)メチル基、トリ(3−ヒドロキシ−4−スルホプロピル)メチル基等を、それぞれ具体的に例示することができる。
本発明により提供される測定キットの構成物は、L−FABPを免疫学的に測定できることを限度として、特に限定されるものではない。以下、サンドイッチELISA、イムノクロマトグラフィー及びLTIAを例にそれぞれを説明する。
サンドイッチELISAの場合、測定用キットは少なくとも、(a)本発明の抗L−FABP抗体を固定化した不溶性担体及び(b)標識物質で標識され、L−FABPと反応する性質を有する抗体、を含む。この場合、不溶性担体はプレート(イムノプレート)が好ましく、標識物質は、適宜選択して使用できる。
一般的なイムノクロマトグラフィーでは、多孔性メンブレン等のシート状の不溶性担体上に、試料を含む溶液の展開方向に順に「1.試料供給部位」、「2.標識抗体を保持する部位(標識抗体保持部位)」、「3.標識抗体とL−FABP抗体により形成された複合体を捕捉するための抗体を固定化する部位(捕捉抗体部位)」を具備した試験片が使用され、試料溶液が毛細管現象により連続的に移動するように構成されている。イムノクロマトグラフィーでは、測定用キットは、上記のような試験片を少なくとも含む。
ラテックス免疫凝集測定法では、測定用キットは少なくとも抗体が固定化されたラテックス粒子を含む。ラテックス免疫凝集測定法に使用される抗体としては、「抗原に対する認識部位が異なる二種類のモノクローナル抗体」、「ポリクローナル抗体」、又は「モノクローナル抗体とポリクローナル抗体」のいずれの組合せも用いることが出来る。この場合、ラテックス粒子は、抗体を固定化する不溶性担体であると同時に、標識物質である。
(1)CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗L−FABP抗体 CloneL(シミックホールディングス社製)を0.36mg/mL含む20mmol/L Tris緩衝液(pH8.5)13mLに、平均粒径0.21μmの1%ラテックス粒子(積水化学工業社製)懸濁液13mLを加え、4℃にて2時間撹拌した。これに、0.5%BSAを含む20mmol/L Tris緩衝液(pH8.5)13mLを加え、4℃で1時間撹拌した。その後、5mmol/L MOPS緩衝液(pH7.0)に透析して、CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液を得た。
(2)Clone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗L−FABP抗体 Clone1(シミックホールディングス社製)を0.54mg/mL含む5mmol/L Tris緩衝液(pH7.5)8mLに、平均粒径0.32μmの1%ラテックス粒子(積水化学工業社製)懸濁液8mLを加え、4℃にて2時間撹拌した。これに、0.5%BSAを含む5mmol/L Tris緩衝液(pH7.5)8mLを加え、4℃で1時間撹拌した。その後、5mmol/L MOPS緩衝液(pH7.0)に透析してClone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液を得た。
L−FABP標準物質は、特開平11−242026号公報の記載に従い、遺伝子組換えにより得た。
ELISAによる体外診断用医薬品(レナプロ(登録商標)L−FABPテスト TMB)を基準方法とした。
300mmol/L HEPES緩衝液(pH7.0)
各濃度 BPF(東洋紡社製、BPF-103)
100mmol/L NaCl
390mmol/L ベンズアミジン塩酸塩
0.4% Lipidure−BL103
(第二試薬)
5mmol/L MOPS緩衝液(pH7.0)
3.75Abs/mL CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液(注)
1.25Abs/mL Clone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液(注)
(注)Absは280nmにおける吸光度を示す。
(標準液)
L−FABP標準物質を、標準物質希釈液を用いて所望濃度に調整し、標準液とした。
(凍結融解尿)
採取後、−30℃で凍結保存されていた部分尿を、一度だけ融解して測定に使用した。予め基準方法にて凍結融解尿中のL−FABPを測定したところ、10ng/mLであった。
(検体)
ヘモグロビンの濃度が0〜1000mg/dLとなるよう干渉チェックAプラス(シスメックス社製)を調整した。前記調整済み干渉チェックAプラスと上記凍結融解尿とを等量混和して、各濃度のヘモグロビンが共存する検体とした。
(1)分析装置:日立7170型自動分析装置(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)試料量及び試薬量:試料3μL、第一試薬150μL、第二試薬50μL
(3)反応時間(反応温度):第一試薬5分(37℃)、第二試薬5分(37℃)
(4)測光ポイント及び測光対象:第二試薬添加直後と添加5分後の間の吸光度変化量
BPFによる、ヘモグロビンの影響回避効果を確認した。
1.操作
(1)検量線の作成
標準液を試料として、上記第一試薬、及び第二試薬を用いて試料中のL−FABPの測定を行った。測定された吸光度から、L−FABP 0ng/mL試料の吸光度(ブランク吸光度)を差し引いて正味吸光度を算出した。L−FABP濃度をx軸、正味吸光度をy軸として、検量線を作成した。
(2)実施例1〜4
表1の濃度のBPFを含む上記の第一試薬と第二試薬を用いて、検体中のL−FABPの測定を行った。
BPFを含まない第一試薬と、第二試薬を用いて試料中のL−FABPの測定を行った。
実施例1〜4及び対照例において測定された吸光度から、(1)の検量線を用いてL−FABP濃度を算出した。各ヘモグロビン濃度において算出された測定値を、ヘモグロビンが0mg/dLの測定値で除して比率(%)を求め表2に示した。
(1)CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗L−FABP抗体 CloneL(シミックホールディングス社製)を0.36mg/mL含む20mmol/L Tris緩衝液(pH8.5)13mLに、平均粒径0.27μmの1%ラテックス粒子(積水化学工業社製)懸濁液13mLを加え、4℃にて2時間撹拌した。これに、0.5%BSAを含む20mmol/L Tris緩衝液(pH8.5)13mLを加え、4℃で1時間撹拌した。その後、5mmol/L MOPS緩衝液(pH7.0)に透析して、CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液を得た。
(2)Clone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液の調製
抗L−FABP抗体 Clone1(シミックホールディングス社製)を0.54mg/mL含む5mmol/L トリス緩衝液(pH7.5)8mLに、平均粒径0.25μmの1%ラテックス粒子(積水化学工業社製)懸濁液8mLを加え、4℃にて2時間撹拌した。これに、0.5%BSAを含む5mmol/L トリス緩衝液(pH7.5)8mLを加え、4℃で1時間撹拌した。その後、5mmol/L MOPS緩衝液(pH7.0)に透析してClone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液を得た。
L−FABP標準物質は、特許文献1の記載に従い、遺伝子組換えにより得た。
ELISAによる体外診断用医薬品(レナプロ(登録商標)L−FABPテスト TMB)を基準方法とした。
300mmol/L 緩衝液
0.1% BPF(東洋紡社製、BPF-103)
300mmol/L NaCl
390mmol/L ベンズアミジン塩酸塩
0.720%〜1.020% Lipidure−BL103
(第二試薬)
5mmol/L MOPS緩衝液(pH7.0)
3.75Abs/mL CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液(注)
1.25Abs/mL Clone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液(注)
(注)Absは280nmにおける吸光度を示す。
(標準物質希釈液)
リン酸緩衝液(pH7.0)
0.1% BPF(東洋紡社製、BPF-103)
(標準液)
L−FABP標準物質を、標準物質希釈液を用いて所望濃度に調整し、標準液とした。
(凍結融解尿)
採取後、−30℃で凍結保存されていた部分尿を、一度だけ融解して測定に使用した。
(1)分析装置:日立7170型自動分析装置(日立ハイテクノロジーズ社製)
(2)試料量及び試薬量:試料3μL、第一試薬150μL、第二試薬50μL
(3)反応時間(反応温度):第一試薬5分(37℃)、第二試薬5分(37℃)
(4)測光ポイント及び測光対象:第二試薬添加直後と添加5分後の間の吸光度変化量
(5)測定波長570nm/800nm
第一試薬に表3に記載の各緩衝液を用い、ヘモグロビンの影響回避効果を確認した。
1.操作
(1)検体の調整
ヘモグロビンの濃度が200mg/dLとなるよう干渉チェックAプラス(シスメックス社製)を調整した。前記調整済み干渉チェックAプラスと上記凍結融解尿とを等量混和して、100mg/dLヘモグロビンが共存する検体とした。また、ヘモグロビンの濃度が0mg/dLの検体は、上記凍結融解尿をそのまま用いた。
(2)検量線の作成
標準液を試料として、上記第一試薬、及び第二試薬を用いて試料中のL−FABPの測定を行った。測定された吸光度から、L−FABP 0ng/mL試料の吸光度(ブランク吸光度)を差し引いて正味吸光度を算出した。L−FABP濃度をx軸、正味吸光度をy軸として、検量線を作成した。
(3)実施例5〜9
表3の緩衝液を含む上記の第一試薬と、第二試薬を用いて、検体中のL−FABPの測定を行った。
実施例5〜9において測定された吸光度から、(2)の検量線を用いてL−FABP濃度を算出した。算出された測定値を、ヘモグロビンが0mg/dLの測定値で除して比率(%)を求め表3に示した。
第一試薬に、表4に記載の緩衝液、第二試薬に、2.5Abs/mL CloneL抗体固定化ラテックス粒子懸濁液及び 2.5Abs/mL Clone1抗体固定化ラテックス粒子懸濁液(Absは280nmにおける吸光度を示す)を用いて、ヘモグロビンの影響回避効果を確認した。それら以外、条件は実施例2〜9と同じである。
(1)検体の調整
ヘモグロビンの濃度が200mg/dLとなるよう干渉チェックAプラス(シスメックス社製)を調整した。前記調整済み干渉チェックAプラスと上記凍結融解尿とを等量混和して、100mg/dLヘモグロビンが共存する検体とした。また、ヘモグロビンの濃度が0mg/dLの検体は、上記凍結融解尿をそのまま用いた。
(2)検量線の作成
標準液を試料として、上記第一試薬、及び第二試薬を用いて試料中のL−FABPの測定を行った。測定された吸光度から、L−FABP 0ng/mL試料の吸光度(ブランク吸光度)を差し引いて正味吸光度を算出した。L−FABP濃度をx軸、正味吸光度をy軸として、検量線を作成した。
(3)実施例10
表4の緩衝液を含む上記の第一試薬と、第二試薬を用いて、検体中のL−FABPの測定を行った。
Claims (10)
- ヘモグロビンを含有する試料中に存在することが疑われる、試料中の測定対象成分と、該測定対象成分に結合する抗体とを、配列番号1に記載される大腸菌由来の熱ショックタンパク質(HSP)であるDnaKのアミノ酸配列の419番目から607番目のアミノ酸配列からなるポリペプチド又は当該ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドの存在下に反応させることを特徴とする、ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分の免疫測定法。
- ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分と該測定対象成分に結合する抗体とを、更に、HEPES、Bis−Tris、TESおよびTrisから選択される1以上の緩衝成分の存在下に反応させる請求項1記載の方法。
- 抗体が、不溶性担体に固定化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 不溶性担体が、ラテックス粒子、金属コロイド粒子である請求項3に記載の方法。
- 粒子凝集測定法を利用する、請求項4に記載の方法。
- 抗体が、互いに認識部位が異なる二種以上のモノクローナル抗体である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 互いに認識部位が異なる二種以上のモノクローナル抗体が、ラテックス粒子にそれぞれ固定化されており、ラテックス免疫比濁法により試料中の測定対象成分を検出する、請求項6に記載の方法。
- 試料が、尿、全血、血清又は血漿である請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 測定対象成分が、L−FABP(肝臓型脂肪酸結合蛋白質)である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- ヘモグロビンを含有する試料中の測定対象成分を該測定対象成分に結合する抗体により検出する方法におけるヘモグロビンの影響回避方法であって、
測定対象成分の存在が疑われる試料と該測定対象成分に結合する抗体とを
配列番号1に記載される大腸菌由来の熱ショックタンパク質(HSP)であるDnaKのアミノ酸配列の419番目から607番目のアミノ酸配列からなるポリペプチド又は当該ポリペプチドと少なくとも90%の配列同一性を有するポリペプチドの存在下に反応させることを特徴とする
前記ヘモグロビンの影響回避方法。
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