JPWO2016121369A1 - 光学素子及び集光型太陽光発電装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、入射した光の表面での反射を低減するとともに、表面での散乱を低減できる光学素子及び集光型太陽光発電装置を提供する。本発明の光学素子(フレネルレンズ10)は、透明材料を用いて形成された光学素子であって、光学素子の光の通過する面のうち少なくとも一つの面に周期300nm以下の凹凸構造を有し、凹凸構造において、周期が0.4μm以上3.3μm以下の成分のパワースペクトル密度の和Pが500nm4以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、光学素子及び集光型太陽光発電装置に関する。
光の波長よりも小さい微細構造を表面に形成することによって擬似的に屈折率を制御し、表面の反射率を低下させた光学素子が知られている。光の波長に対して十分小さい微細構造に対しては、光はその構造を十分に捉えることが出来ず、光学素子の表面に微細構造と周囲の媒質とを平均した媒質が存在しているように振舞う。この微細構造によって、通常の光学素子に用いられる材料では得られない低い屈折率を実現することができるので、光学素子表面での光の反射を低減することができる(特許文献1)。また、三次元平均表面粗さを5nm〜100nmとなるように凹凸構造を表面に形成することによって、表面での光の反射を低減させる光学素子が知られている(特許文献2)。
特開平11−109103号公報 特開2007−213780号公報
特許文献1及び2に記載の光学素子に光を入射させた場合、表面に形成された凹凸構造により、光学素子を通過する光が散乱し、光学素子を通過した後の集光スポットが広がるので、光学素子の集光効率が低下するという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためなされたものであり、入射した光の表面での反射を低減するとともに、表面での散乱を低減できる光学素子及び集光型太陽光発電装置を提供することを目的とする。
本発明の光学素子は、
透明材料を用いて形成された光学素子であって、
前記光学素子の光の通過する面のうち少なくとも一つの面に周期300nm以下の凹凸構造を有し、
前記凹凸構造において、周期が0.4μm以上3.3μm以下の成分のパワースペクトル密度の和Pが500nm以下である
ことを特徴とする。
本発明では、前記光学素子が、光を集光させるために用いられる集光レンズであることが好ましい。
本発明では、前記光学素子が、フレネルレンズであることが好ましい。
本発明の集光型太陽光発電装置は、
上述の光学素子と、
前記光学素子により集光された光を受光して発電する太陽電池セルと、
前記光学素子及び前記太陽電池セルを太陽の方向に向ける追尾装置と、を備える。
本発明によれば、入射した光の表面での反射を低減するとともに、表面での散乱を低減できる光学素子及び集光型太陽光発電装置を提供することができる。
実施の形態1に係るフレネルレンズの断面図である。 実施の形態1に係るフレネルレンズの一部を拡大した断面図である。 実施の形態1に係る凹凸構造が均一に形成されている状態を示す図である。 実施の形態1に係る凹凸構造の位置が周期方向にばらつく状態を示す図である。 実施の形態1に係る凹凸構造の高さにうねりが発生する状態を示す図である。 実施の形態1に係る集光型太陽光発電装置を示す斜視図である。 実施例1〜3並びに比較例1及び2における凹凸構造のパワースペクトル密度の和Pとレーザ光の透過率の測定結果を示す図である。 実施例1に係る凹凸構造のSEM写真である。 実施例2に係る凹凸構造のSEM写真である。 実施例3に係る凹凸構造のSEM写真である。 比較例1に係る凹凸構造のSEM写真である。 比較例2に係る凹凸構造のSEM写真である。
[実施の形態1]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
〈フレネルレンズ〉
図1に本実施形態に係るフレネルレンズ10の断面図を示す。フレネルレンズ10は、正の屈折力を有する集光レンズであり、入射した光を集光する。フレネルレンズ10は、厚さを減らすためにいくつかの同心的な輪帯状レンズで構成されたレンズであり、凹凸形状の断面を有する。
図1に示すように、フレネルレンズ10は、ノコギリの歯状の複数の周辺突起部11を有し、各周辺突起部11の断面は直角三角形の形状をしている。フレネルレンズ10の光軸AX付近は平坦部12になっている。また、フレネルレンズ10は、光軸AX付近に平坦部12に代えて半円状の中央突起部を有してもよい。このとき、周辺突起部11は直角三角形の形状とし、周辺突起部11は中央突起部から離れるほど斜面の傾斜が急になるように形成されていてもよい。
フレネルレンズ10の製造においては、製造方法や耐久性又は成形性などに応じて、適切な材料を選択することができる。例えば、ガラスは耐久性に優れる。また、樹脂は生産性に優れ、製造コストの低減が可能である。
フレネルレンズ10の製造には、透明材料である種々の樹脂を用いることが可能である。例えば、メタアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、メタアクリル−スチレン共重合樹脂、シクロオレフィン−アルケン共重合樹脂等を用いてもよい。
また、フレネルレンズ10の製造方法としては、例えば、押出成形、射出成形、紫外線硬化樹脂を使用した2P(Photo Polymerization)成形、熱プレス成形を用いることができる。フレネルレンズ10のレンズパターンの大きさ、形状、量産性等を考慮して、最適な成形方法を選択すればよい。
図2に示すように、フレネルレンズ10のレンズ面の周辺突起部11には、反射防止のために微細な凹凸構造が形成されている。図2において周辺突起部11の破線で囲んだ領域を拡大すると、光の進行方向を制御するレンズ面に周期300nm以下の凹凸構造13が形成されている。
図3に示すように凹凸構造13が周期方向に沿って均一に形成されている場合、光の散乱は非常に小さい。フレネルレンズ10の表面に周期300nmの凹凸構造13を形成した場合、図4に示すように凹凸構造13の位置が周期方向にばらついたり、図5に示すように凹凸構造13の凸部の高さにうねりが発生したりすることがある。これら凹凸構造13のばらつきやうねりが、フレネルレンズ10の表面における光の散乱の原因になる。
フレネルレンズ10の表面における光の散乱は、凹凸構造13に光の波長よりも大きい周期成分が存在することによって生じる。周期300nm以下の凹凸構造13であっても、ばらつきやうねりが存在すると、入射光の波長より大きな周期成分が発生する。
本発明の発明者らは、凹凸構造13の周期0.4μm以上3.3μm以下の成分が、ある値以下になる場合に、フレネルレンズ10の表面における光の散乱が小さくなり、フレネルレンズ10は集光レンズとして高い性能を得られることを見出した。特定周期成分の存在量は、パワースペクトル密度を用いて求めることが可能である。
すなわち、凹凸構造13において、周期0.4μm以上3.3μm以下の成分のパワースペクトル密度の和Pが500nm以下である場合に、フレネルレンズ10は集光レンズとして高い性能を得られる。凹凸構造13の周期0.4μm以上3.3μm以下の成分のパワースペクトル密度の和Pは、340nm以下であることがより好ましい。
パワースペクトル密度の和Pは、下記のように計算される。
凹凸構造13の高さのフーリエスペクトルF(k)は、測定点数をN、周波数をk、n番目の測定点xにおける高さをf(x)として、離散フーリエ逆変換の式を用いて、下式(1)のように表される。
Figure 2016121369
ただし、測定間隔をΔx[μm]、整数をnとして、xは下式(2)で定義される。
Figure 2016121369
また、周波数分解能Δk[μm−1]は下式(3)で定義される。Δkは、l番目とl−1番目との周波数間隔k−kl−1として表される。そして、l番目のkは、k=l・Δkと表される。
Figure 2016121369
ここで、式(1)においてf(x)=z(n)の変数の置き換えを行う。このとき、N−1をNとおくと、Σの積算範囲は0〜N−1から1〜Nになり、係数部分及び指数部分ではNが十分大きいとして、N+1≒Nに近似できる。式(2)を近似すると、下記のようになる。このとき、Δx=dとする。dは測定間隔であり、周期300nmの構造を捉えられるように、300nmよりも十分小さい値を用いる。
Figure 2016121369
また、kは下式(5)のように表され、下式(5)において周波数fを定義する。
Figure 2016121369
上述の式(4)及び式(5)を式(1)に代入すると、凹凸構造13の高さのフーリエスペクトルF(f)は下式(6)で表される。
Figure 2016121369
ここで、z(n)はn番目の測定点における高さであり、表面形状測定装置で測定することができる。周期300nmといった微小な構造を測定する必要があるので、測定には原子間力顕微鏡(AFM)などを用いる。
Power(f)は、周波数fに対する凹凸構造13の存在強度であり、z(n)のフーリエ変換により求められる。得られたF(f)は複素数なので、絶対値を算出する。更に、周波数間隔によるピーク値を補正するために2/Δkで補正を行う。Power(f)は、下式(7)で表される。
Figure 2016121369
従って、上式(7)を変形すると下式(8)が得られる。
Figure 2016121369
PSD(f)は、周波数fにおけるパワースペクトル密度である。特定周期幅におけるPower(f)の和を求める際には、測定間隔の違いによるfの分解能の差を補正する必要がある。PSD(f)は、下式(9)で表される。Δfは、上記記述におけるΔkと同じく、周波数分解能を表す。PSD(f)は、2次元のフーリエ変換に対して、中心周波数から等方的に積算し、1次元化されたデータである。これによって、任意の点から等方的に見た場合のパワースペクトルを算出する。
Figure 2016121369
0.4μmから3.3μmのパワースペクトル密度の和は下記の式(10)で求められる。ここで、周期0.4μmの凹凸の周波数はf=1/3.3=0.3μm−1、周期3.3μmの凹凸のf=1/0.4=2.5μm−1である。この範囲のパワースペクトル密度が500nmよりも大きいと、光が通過した際に散乱され、集光スポットが広がってしまう。
Figure 2016121369
本実施形態のフレネルレンズ10は、界面反射及び散乱を低減できるので、効率よく光を集めることができる。よって、フレネルレンズ10を用いることにより、高効率の集光型太陽光発電装置を得ることができる。さらに、散乱が抑制されることによって、異なる波長で屈折角度が変化した場合における効率の低下や、使用環境下での変形に起因する効率の低下を抑制することが可能である。
凹凸構造13を形成する方法としては、レンズを形成した後にエッチングする方法を用いてもよいし、凹凸構造13の形成されたフレネルレンズ10の型を用意して凹凸構造13とレンズ形状を一体で成形する方法を用いてもよい。凹凸構造13とレンズ形状を一体で成形する方法は、量産性が高く、製造コストの低減ができる。
フレネルレンズ10と凹凸構造13を一体で成形するための型の作製方法としては、フレネルレンズ10上に凹凸構造13を形成した後に、電鋳によって反転形状を得ることによって作製することができる。
凹凸構造13を得る方法としては、フレネルレンズ10上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーや電子線リソグラフィーによってレジストを露光・現像し、レジストをマスクにしてエッチングする方法や、粒子を配列させ、粒子をマスクにしてエッチングする方法などがあげられる。また、フレネルレンズ10上にアルミニウム膜を形成し、アルミニウムの陽極酸化によってホール構造を作製する方法があげられる。
フレネルレンズ10のレンズ面と対向する平面には、フレネルレンズ10の使用環境に合せて表面処理を施すことができる。たとえば、砂塵や埃などによる傷つきを防止するためにハードコート材料を塗布することや、この面における反射を低減するために低屈折率材料を塗布することができる。
ディスプレイなどにおいても、点状光源からの光を平行にする、角度を変更するなどの目的で、多くの光学素子が用いられている。例えば、ディスプレイに本実施形態のフレネルレンズ10を用いることによって、高い効率と光の操作性を得ることができ、高画質のディスプレイを得ることができる。
〈集光型太陽光発電装置〉
石油資源の枯渇への対応、環境への負荷の低減のために、太陽光発電は新たな発電手段として大いに期待されている。集光型太陽光発電装置は、レンズや放物面鏡などで太陽光を小さな太陽電池セルに入射させ、太陽電池セルにより光電変換を行って発電する。
集光型太陽光発電装置は、太陽光を集光してから太陽電池セルに入射させる。そのため、太陽電池セルの面積を小さくすることができるので、高コストな太陽電池セルも実用で使用可能である。また、高コストな太陽電池セルも実用で使用可能なので、高効率の太陽電池セルを使用可能であり、高効率に発電できる。
集光型太陽光発電装置としては、太陽からの平行光を集光するため、太陽光の向きにレンズ向きを移動させる追尾型が主である。太陽光を追尾するための追尾システムが必要なので、大規模発電の方が適している。集光型太陽光発電装置では、太陽電池セルの光電変換効率に加えて、レンズや放物面鏡などで太陽光を集光して太陽電池セルに集める際の集光効率が全体の発電効率に影響する。
集光型太陽光発電装置の集光手段としては放物面鏡やレンズが用いられており、レンズの中でも特にフレネルレンズが多く用いられている。フレネルレンズは、通常の集光レンズと比べて小型化及び薄型化が可能であるから、太陽光発電システムの小型化及び軽量化が可能である。また、小型化及び薄型化が可能なため、レンズの製造に使用する材料を減らすことができるので、レンズの生産性が高くなり、低コスト化が可能である。
図6に、本実施形態に係るフレネルレンズ10を用いた集光型太陽光発電装置100の一例を示す。図6に示すように、集光型太陽光発電装置100は、フレネルレンズ10と、太陽電池セル20と、支持部材30と、太陽追尾装置40と、を有する。一つのフレネルレンズ10と一つの太陽電池セル20とを組み合わせることにより、一つの集光型太陽光発電モジュールが形成される。支持部材30上には、複数の集光型太陽光発電モジュールが配列されている。
太陽電池セル20は、光を受光して、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。太陽電池セル20は、例えば、Si、GaAs、CuInGaSe、CdTe、AlGaAs、InGaP、InGaAsP、AlInGaP、AlInGaAsP、Geなどの太陽電池セルを用いることができる。また、太陽電池セル20の構造は、単一接合型セル、モノリシック多接合型セル、波長感度領域の異なる種々の太陽電池セルを接続したメカニカルスタック型など種々の形態の構造を適用することが可能である。太陽電池セル20には、吸収波長帯が異なる複数種類のpn接合が積層された多接合型太陽電池セルを用いてもよい。
支持部材30は、フレネルレンズ10と太陽電池セル20とを支持する部材である。支持部材30は、箱状の筐体であってもよい。図6では、支持部材30がフレネルレンズ10を支持する様子は図示を省略されているが、一般的な支持方法であればどのような支持方法を用いてもよい。例えば、支持部材30の平板部に太陽電池セル20を配置し、平板部に立てたポールによってフレネルレンズ10を支持してもよい。また、筐体の側壁によりフレネルレンズ10を支持してもよい。
太陽追尾装置40は、支持部材30の太陽電池セル20の配置されている面の底面を揺動可能に支持している。太陽追尾装置40は、太陽電池セル20の配置されている面の法線が太陽を向くように、支持部材30の向きを変える。これにより、太陽電池セル20を常に太陽の方向に向けることができるので、発電効率を向上できる。
集光型太陽光発電装置100にフレネルレンズ10を使用した場合に、(a)フレネルレンズ10の入射面・反射面での界面反射、(b)フレネルレンズ10の周期構造による回折広がり、(c)フレネルレンズ10に用いられる材料の波長分散による集光スポットの広がり、(d)フレネルレンズ10のレンズ形状の不良、(e)使用環境変化(温度、湿度)に伴う、フレネルレンズ10の屈折率及びレンズ形状の変化等の要因により集光効率が低下する。
このうち、(a)及び(b)は理論上発生しうる集光ロスであり、更に(a)はフレネルレンズ10の形状によらず発生し、且つ集光ロスの主たる要因の1つである。また、(c)の集光ロスは、特定の波長でレンズ形状を設計した場合に、他の波長では屈折率が変化して焦点距離が異なってしまうことにより発生する。焦点距離がずれるために、太陽電池セル20の位置において集光スポットが広がり、太陽電池セル20に入射する光が減少する。また、(e)は使用環境によって発生状況は異なるが、温度や湿度による膨張、屈折率の変化によって集光スポットのずれ及び広がりが生じることにより、太陽電池セル20に入射する光が減少する。
このうち、フレネルレンズ10の界面における反射を低減する方法としては、レンズ表面に薄膜を形成し、干渉を利用して反射を低減する方法が知られている。しかし、フレネルレンズ10の表面に薄膜を形成することは困難であり、生産性が低下するという問題があった。また、薄膜には反射を低減できる波長域が狭いなどの問題点があった。
本実施形態のフレネルレンズ10は、入射した光の表面での反射を低減するとともに、表面での散乱を低減できる。本実施形態のフレネルレンズ10を用いることにより、太陽電池セルへの集光効率を高めることができるので、高効率な集光型太陽光発電装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。下記の方法によりフレネルレンズ10の試料を作成し、試料表面の凹凸構造13の形状を測定し、試料にレーザを入射させたときの透過率を測定した。
〈表面凹凸の測定方法〉
原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いて、凹凸構造13の形状を測定した。原子間力顕微鏡は、digital instrument社製NanoScope3を用いた。カンチレバーは、オリンパス株式会社製Micro Cantilever OMCL-AC160TL-C2を用いた。原子間力顕微鏡のタッピングモードを用いて測定を行った。スキャン範囲は、10μm×10μmの領域であり、スキャンレートは2.0Hzであった。
〈パワースペクトル密度の和の算出〉
凹凸構造13の形状の測定結果から、測定ソフト上で、パワースペクトル密度(2D isotropic PSD)を算出し、周期0.4μm(空間周波数2.5μm−1)〜周期3.3μm(空間周波数0.3μm−1)の成分のパワースペクトル密度の和Pを算出した。
〈試料の作製方法〉
まず、シリコンウェハ上にアルミニウムを膜厚900nmになるように蒸着した。次に、シリコンウェハを電解液に浸漬させて、表面のアルミニウム薄膜を陽極酸化させた。次に、陽極酸化後の基板に光硬化性樹脂を塗布し、基板とアクリル樹脂板との間で光硬化性樹脂を効果させることにより、アクリル樹脂板上に基板の形状を転写して凹凸構造13を作製した。凹凸構造13を作製した後、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて凹凸構造13を観察した。
〈光学評価方法〉
凹凸構造13が形成されたアクリル樹脂板に入射角50°でHe−Neレーザ(波長633nm、MELLES GRIOT社製 05-LHR-213)を入射し、2m先の位置にて直径6mmのアパーチャーを通過した光の量をパワーメータ(株式会社エーディーシー製ADCMT 8230T)で測定した。入射した光の量を、サンプルを通過していない光の量で規格化し、レーザ光の透過率を算出した。
フレネルレンズ10はノコギリ歯状の複数の周辺突起部11を有し、各周辺突起部11の断面は直角三角形の形状をしている。周辺突起部11の光が入射する面は平坦なので、凹凸構造13が形成された周辺突起部11にフレネルレンズ10の光軸AXに沿った方向からレーザ光を入射させるのと、凹凸構造13が形成された平板状のアクリル樹脂板を傾けてレーザ光を入射させるのとでは、光の散乱には差異がない。
凹凸構造13によって光が散乱されると、光の進行方向が変化するため、散乱光はアパーチャーを通過することができない。従って、上述の測定で散乱光を除いた透過光の光量を測定することができ、また、フレネルレンズ10を通過した場合に太陽電池セルに到達する光量を推定することができる。
アクリル樹脂板に凹凸構造13を設けない場合、入射角度50°におけるこのアクリル樹脂板のレーザ光の透過率は89%であった。図7に、実施例1〜3並びに比較例1及び2における凹凸構造13のパワースペクトル密度の和Pとレーザ光の透過率の測定結果を示す。図7の横軸は凹凸構造13のパワースペクトル密度の和P、縦軸はレーザ光の透過率である。また、表1に、実施例1〜3並びに比較例1及び2のパワースペクトル密度の和Pとレーザ光の透過率の測定結果の数値を示す。
Figure 2016121369
[実施例1]
図8は、実施例1に係る凹凸構造13のSEM写真である。フレネルレンズ10表面に周期200nmの凹凸構造が形成されている。この構造のパワースペクトル密度の和Pは334nmであった。また、レーザ光を入射した場合の透過率は90%であり、凹凸構造13がない場合と比較して高い。これは凹凸構造13によりフレネルレンズ10表面での反射が低減され、且つ凹凸構造13によって散乱が抑制されているためである。
[実施例2]
図9は、実施例2に係る凹凸構造13のSEM写真である。フレネルレンズ10表面には、周期200nmの凹凸構造が形成されており、レンズ面全面に均一に凹凸構造が形成されている。パワースペクトル密度の和Pは197nmであった。レーザ光を入射した場合の透過率は92%であり、凹凸構造13のない場合と比較して高い。従って、集光効率の高いフレネルレンズ10を得ることができる。
[実施例3]
図10は、実施例3に係る凹凸構造13のSEM写真である。フレネルレンズ10表面には、周期200nmの凹凸構造が形成されている。レンズ面全面に均一に凹凸構造が形成されている。パワースペクトル密度の和Pは135nmであった。レーザ光を入射した場合の透過率は92%であり、凹凸構造13のない場合と比較して高い。従って、集光効率の高いフレネルレンズ10を得ることができる。
[比較例1]
図11は、比較例に係る凹凸構造13のSEM写真である。フレネルレンズ10表面には、周期200nmの凹凸構造が形成されている。それぞれの凸部は部分的に接触し、大きな隙間の開いている部分が存在する。また、凸部の高さが均一ではなく、大きなうねりが存在する。この凹凸構造13のパワースペクトル密度の和Pは959nmであった。レーザ光を入射した場合の透過率は87%であり、凹凸構造13のない場合と比較して低下していた。これは、界面における反射の低減よりも、凹凸構造13による光の散乱が大きくなったためであり、この凹凸構造13を持つフレネルレンズ10では集光効率が低下してしまう。
[比較例2]
図12は、比較例2に係る凹凸構造13のSEM写真である。フレネルレンズ10表面には、周期200nmの凹凸構造が形成されている。それぞれの凸部の高さが不均一であり、部分的に抜けが生じ、大きな隙間の開いている部分が存在する。この凹凸構造13のパワースペクトル密度の和Pは3203nmであった。レーザ光を入射した場合の透過率は85%であり、凹凸構造13のない場合と比較して大きく低下していた。これは、界面における反射の低減よりも、凹凸構造13による光の散乱が大きくなったためであり、この凹凸構造13を持つフレネルレンズ10では効率が低下してしまう。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、光学素子はフレネルレンズ10に限定されるものではなく、集光レンズ、プリズム、マイクロレンズアレイなどであってもよい。
この出願は、2015年1月26日に出願された日本出願特願2015−012094を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 フレネルレンズ
11 周辺突起部
12 平坦部
13 凹凸構造
20 太陽電池セル
30 支持部材
40 太陽追尾装置
100 集光型太陽光発電装置

Claims (4)

  1. 透明材料を用いて形成された光学素子であって、
    前記光学素子の光の通過する面のうち少なくとも一つの面に周期300nm以下の凹凸構造を有し、
    前記凹凸構造において、周期が0.4μm以上3.3μm以下の成分のパワースペクトル密度の和Pが500nm以下である
    ことを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子であって、
    前記光学素子が、光を集光させるために用いられる集光レンズであることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項2に記載の光学素子であって、
    前記光学素子が、フレネルレンズであることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項2又は3に記載の光学素子と、
    前記光学素子により集光された光を受光して発電する太陽電池セルと、
    前記光学素子及び前記太陽電池セルを太陽の方向に向ける追尾装置と、を備える
    集光型太陽光発電装置。
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