JPWO2016117479A1 - ガラス基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は面強度の高いガラス基材を提供することを目的とする。本発明は生ガラスと、硝酸カリウムを含む無機塩とを接触させることによって、ガラス中のNaイオンと前記無機塩中のKイオンとをイオン交換する工程を含むガラス基材の製造方法であって、前記無機塩は特定の塩を含みK/Na比率が質量比で1以上15以下であり、かつ前記イオン交換する工程の後にガラスを洗浄する工程、前記洗浄する工程の後にガラスを酸処理する工程、前記酸処理する工程の後にガラスをアルカリ処理する工程を含む、ガラス基材の製造方法に関する。

Description

本発明はガラス基材の製造方法に関する。
デジタルカメラ、携帯電話または携帯情報端末PDA(Personal Digital Assistants)等のフラットパネルディスプレイ装置において、ディスプレイの保護および美観を高めるために、画像表示部分よりも広い領域となるように薄い板状のカバーガラスをディスプレイの前面に配置することが行われている。
フラットパネルディスプレイ装置に対する軽量化および薄型化の要求に伴い、カバーガラス自身も薄くすることが要求されている。したがってカバーガラスには、その目的を満たすために表面及び端面ともにさらなる強度が求められる。
ガラスは理論強度が高いものの、傷がつくことで強度が大幅に低下するため、強度が求められるカバーガラスには、イオン交換等によりガラス表面に圧縮応力層を形成した化学強化ガラスが用いられている。
化学強化ガラスは、フロート法、フュージョン法等の製造方法により製造された生ガラスに、所望の形状に切断する切断処理や面取り処理等の加工処理を行なった後、化学強化処理が行なわれることで製造されている。
ここで、特許文献1及び特許文献2には、生ガラスに切断等の加工処理を行った後に、化学強化処理を2段階で行うことで表面圧縮応力を高めた化学強化ガラスの製造方法が記載されている。
日本国特表2011−529438号公報 日本国特許第5293908号公報
しかしながら生ガラスは、搬送中や切断処理中及び加工処理中に傷がつくおそれがあった。このような傷は扱い傷と呼ばれ、一度扱い傷が発生するとその後に化学強化処理が施された場合でも、最終製品に影響を与えるおそれがあった。
そこで、本発明は、生ガラスよりも面強度が高く、扱い傷の発生を抑制可能なガラス基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、面強度の高いガラス基材を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の塩を含む無機塩によりイオン交換処理を行い、その後、酸とアルカリによる処理を行うことで、ガラスの面強度が改善されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の通りである。
<1>
生ガラスと、硝酸カリウムを含む無機塩とを接触させることによって、前記生ガラス中のNaイオンと前記無機塩中のKイオンとをイオン交換する工程を含むガラス基材の製造方法であって、
前記無機塩はKCO、NaCO、KHCO、NaHCO、KPO、NaPO、KSO、NaSO、KOH及びNaOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含み、K/Na比率が質量比で1以上15以下であり、かつ
前記イオン交換する工程の後にガラスを洗浄する工程、
前記洗浄する工程の後にガラスを酸処理する工程、及び
前記酸処理する工程の後にガラスをアルカリ処理する工程を含む、ガラス基材の製造方法。
<2>
前記酸処理する工程の後に、ガラスを洗浄する工程を有することを特徴とする前記<1>記載のガラス基材の製造方法。
<3>
前記アルカリ処理する工程の後に、ガラスを洗浄する工程を有することを特徴とする前記<1>記載のガラス基材の製造方法。
<4>
生ガラスと、無機塩とを接触させることによって、前記生ガラス中のNaイオンと前記無機塩中のKイオンとをイオン交換する工程を含むガラス基材の製造方法であって、
前記無機塩は、K/Na比率が質量比で1以上15以下であり、かつ
前記イオン交換する工程の後にガラスを洗浄する工程、
前記洗浄する工程の後にガラスを酸処理する工程、及び
前記酸処理する工程の後にガラスをアルカリ処理する工程を含む、ガラス基材の製造方法。
<5>
前記無機塩は、硝酸カリウムを含む前記<4>記載のガラス基材の製造方法。
<6>
前記酸処理する工程は、pH7未満である溶液を用いることを特徴とする前記<1>または<4>記載のガラス基材の製造方法。
<7>
前記pH7未満である溶液は弱酸であることを特徴とする前記<6>記載のガラス基材の製造方法。
<8>
前記pH7未満である溶液は強酸であることを特徴とする前記<6>記載のガラス基材の製造方法。
<9>
前記酸処理する工程は、100℃以下の温度でおこなうことを特徴とする前記<1>または<4>記載のガラス基材の製造方法。
<10>
前記酸処理する工程をおこなう時間は、10秒〜5時間であることを特徴とする前記<1>または<4>記載のガラス基材の製造方法。
<11>
前記アルカリ処理する工程は、pH7超過の溶液を用いることを特徴とする前記<1>または<4>記載のガラス基材の製造方法。
<12>
前記pH7超過の溶液は弱塩基であることを特徴とする前記<11>記載のガラス基材の製造方法。
<13>
前記pH7超過の溶液は強塩基であることを特徴とする前記<11>記載のガラス基材の製造方法。
<14>
前記アルカリ処理する工程は、0℃以上100℃以下の温度でおこなうことを特徴とする前記<1>または<4>記載のガラス基材の製造方法。
<15>
前記アルカリ処理する工程をおこなう時間は、10秒〜5時間であることを特徴とする前記<1>または<4>記載のガラス基材の製造方法。
本発明の製造方法によれば、生ガラスよりも面強度が高いガラス基材を得ることができる。
また本発明の製造方法によれば、圧縮応力層を有するが、最表面の圧縮応力値(CS)が低いガラス基材が得られる。このガラス基材は圧縮応力層を有するので、ガラス表面にクラックが発生しにくく扱い傷を抑制することができる。さらに、後の加工処理時にガラスが割れることが抑制され、扱い傷の発生を抑制しつつ、その後の処理を円滑に行なうことができる。また、最表面の圧縮応力値(CS)が低いので、内部引張応力(CT)を低く抑えることができるため、切断等の加工が容易である。
図1は、ボールオンリング試験の方法を説明するための概略図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
ここで、本明細書において“質量%”と“重量%”とは同義である。
また、本明細書において、「生ガラス(raw glass)」とは、表面にイオン交換による圧縮応力層を有さないガラスである。「ガラス基材(base glass)」とは、生ガラスに、イオン交換処理、酸処理、アルカリ処理を行ったものである。このガラス基材は、表面にイオン交換された圧縮応力層を有し且つ、最表面の圧縮応力値(CS)が低いことを特徴とする。最表面の圧縮応力値(CS)が低いので、内部引張応力(CT)を低く抑えることができ、切断等の加工が容易である。また、「化学強化ガラス」とは、生ガラスまたはガラス基材に化学強化処理を施したものをいう。この化学強化ガラスは、表面にイオン交換された圧縮応力層を有し且つ、最表面の圧縮応力値(CS)が高いことを特徴とする。最表面の圧縮応力値(CS)が高いため、内部引張応力(CT)も高くなり、切断等の加工が容易ではない。
<ガラス基材の製造方法>
本発明に係るガラス基材を製造する方法の一態様を以下に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(ガラス組成)
本発明で使用されるガラスはナトリウムを含んでいればよく、成形、化学強化処理による強化が可能な組成を有するものである限り、種々の組成のものを使用することができる。具体的には、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、鉛ガラス、アルカリバリウムガラス、アルミノボロシリケートガラス等が挙げられる。
生ガラスの製造方法は特に限定されず、所望のガラス原料を連続溶融炉に投入し、ガラス原料を好ましくは1500〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で溶融ガラスを成形し、徐冷することにより製造することができる。
なお、生ガラスの成形には種々の方法を採用することができる。例えば、ダウンドロー法(例えば、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウン法およびリドロー法等)、フロート法、ロールアウト法およびプレス法等の様々な成形方法を採用することができる。
生ガラスの厚みは、特に制限されるものではないが、イオン交換処理や化学強化処理を効果的に行うために、通常5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。
また、本発明で使用されるガラスの形状は特に限定されない。例えば、均一な板厚を有する平板形状、表面と裏面のうち少なくとも一方に曲面を有する形状および屈曲部等を有する立体的な形状等の様々な形状のガラスを採用することができる。
本発明の生ガラスの組成としては特に限定されないが、例えば、以下のガラスの組成が挙げられる。
(i)モル%で表示した組成で、SiOを50〜80%、Alを2〜25%、LiOを0〜10%、NaOを0〜18%、KOを0〜10%、MgOを0〜15%、CaOを0〜5%およびZrOを0〜5%を含むガラス
(ii)モル%で表示した組成が、SiOを50〜74%、Alを1〜10%、NaOを6〜14%、KOを3〜11%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrOを0〜5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が75%以下、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス
(iii)モル%で表示した組成が、SiOを68〜80%、Alを4〜10%、NaOを5〜15%、KOを0〜1%、MgOを4〜15%およびZrOを0〜1%含有するガラス
(iv)モル%で表示した組成が、SiOを67〜75%、Alを0〜4%、NaOを7〜15%、KOを1〜9%、MgOを6〜14%およびZrOを0〜1.5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が71〜75%、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス
本発明に係るガラス基材は、表面にイオン交換された圧縮応力層を有し且つ、最表面の圧縮応力値(CS)が低いことを特徴とする。イオン交換法では、ガラスの表面をイオン交換し、圧縮応力が残留する圧縮応力層を形成させる。具体的には、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的には、Liイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きいアルカリイオン(典型的には、Liイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオン)に置換する。これにより、ガラスの表面に圧縮応力が残留し、ガラスの強度が向上する。本発明に係るガラス基材の製造方法では、以下に示すように特定の無機塩と接触させることで、わずかにガラス表面がイオン交換され、圧縮応力層を有し、且つ、最表面の圧縮応力値(CS)が低いガラス基材を得ることができる。
本発明の製造方法においては、硝酸カリウム(KNO)を含み、K/Na比率が質量比で特定範囲である無機塩と、生ガラスとを接触させる。これによりガラス表面のNaイオンと無機塩中のKイオンとがイオン交換されることで高密度な圧縮応力層が形成される。前記無機塩は、さらに後述する特定の塩(融剤)を含むことが好ましい。
無機塩に生ガラスを接触させる方法としては、ペースト状の無機塩を塗布する方法、無機塩の水溶液を生ガラスに噴射する方法、融点以上に加熱した溶融塩の塩浴に生ガラスを浸漬させる方法などが可能であるが、これらの中では、溶融塩に浸漬させる方法が望ましい。
無機塩としてはガラスの歪点(通常500〜600℃)以下に融点を有するものが好ましく、硝酸カリウム(融点330℃)を含有する塩が好ましい。硝酸カリウムを含有することでガラスの歪点以下で溶融状態であり、かつ使用温度領域においてハンドリングが容易となる。無機塩における硝酸カリウムの含有量は50質量%以上であることがより好ましい。
無機塩はさらに、KCO、NaCO、KHCO、NaHCO、KPO、NaPO、KSO、NaSO、KOH及びNaOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含有することがより好ましい。中でもKCO、NaCO、KHCO及びNaHCOからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含有することがさらに好ましい。
上記塩(以下、「融剤」と称することもある。)は、Si−O−Si結合に代表されるガラスのネットワークを切断する性質を有する。ガラスのSi−O間の共有結合が適度に切断されることで、後述する低密度層の形成を促進する。
なお、共有結合を切断する度合いはガラス組成や用いる塩(融剤)の種類、無機塩を接触させる温度、時間等の処理条件によっても異なるが、Siから伸びている4本の共有結合のうち、1〜2本の結合が切れる程度の条件を選択することが好ましいものと考えられる。
融剤の添加量は、後述する低密度層除去量確保の点から0.1mol%以上が好ましく、0.5mol%以上がさらに好ましく、1mol%以上がより好ましく、2mol%以上が特に好ましい。また生産性の観点から各塩の飽和溶解度以下が好ましい。過剰に添加するとガラスの腐食につながるおそれがある。
例えば融剤としてKCOを混合して用いる場合には、無機塩における融剤の含有量を0.1mol%以上とし、24mol%以下が好ましく、12mol%以下がより好ましく、8mol%以下が特に好ましい。また、ガラス接触温度を350〜500℃とすると、ガラス接触時間は1分〜50時間が好ましく、5分〜40時間がより好ましく、10分〜30時間がさらに好ましい。また上限は10時間がよりさらに好ましく、8時間がことさらに好ましく、4時間が特に好ましい。
例えば融剤としてNaCOを混合して用いる場合には、無機塩における融剤の含有量を0.1mol%以上とし、24mol%以下が好ましく、12mol%以下がより好ましく、8mol%以下が特に好ましい。また、ガラス接触温度を350〜500℃とすると、ガラス接触時間は1分〜50時間が好ましく、5分〜40時間がより好ましく、10分〜30時間がさらに好ましい。また上限は10時間がよりさらに好ましく、8時間がことさらに好ましく、4時間が特に好ましいい。
本発明の製造方法において、上記無機塩は、K/Na比率が質量比で1以上15以下、好ましくは2以上12以下、より好ましくは2以上10以下である。かかるK/Na質量比率の無機塩を生ガラスと接触させることで、イオン交換がわずかに起こるため、圧縮応力層を有しつつ、且つ、最表面の圧縮応力値(CS)が低いガラス基材を得ることができる。K/Na質量比率は、例えば無機塩にNaNO、KNO、及び上記した融剤等を添加することによって調整することができる。
無機塩は、上記の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で他の化学種を含んでいてもよく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のアルカリ塩酸塩やアルカリホウ酸塩などが挙げられる。これらは単独で添加しても、複数種を組み合わせて添加してもよい。
以下、生ガラスを溶融塩に浸漬させる方法によりイオン交換を行う態様を例に、本発明の製造方法を説明する。
(溶融塩の製造1)
溶融塩は下記に示す工程により製造することができる。
工程1a:硝酸カリウム溶融塩の調製
工程2a:硝酸カリウム溶融塩への融剤の添加
(工程1a−硝酸カリウム溶融塩の調製−)
工程1aでは、硝酸カリウムを含有する無機塩を容器に投入し、融点以上の温度に加熱して溶融することで、溶融塩を調製する。溶融は、硝酸カリウムの融点(330℃)と、沸点(500℃)の範囲内の温度で行う。特に溶融温度を350〜500℃とすることが、ガラスに付与できる表面圧縮応力(CS)と圧縮応力層深さ(DOL)のバランスおよび強化時間の点からより好ましく、350〜470℃がさらに好ましい。
無機塩を溶融する容器は、金属、石英、セラミックスなどを用いることができる。中でも、耐久性の観点から金属材質が望ましく、耐食性の観点からはステンレススチール(SUS)材質が好ましい。
(工程2a−硝酸カリウム溶融塩への融剤の添加−)
工程2aでは、工程1aで調製した硝酸カリウム溶融塩中に、先述した融剤や、K/Na比率を調整するための化学種を添加し、温度を一定範囲に保ちながら、攪拌翼などにより、全体が均一になるように混合する。複数の融剤を併用する場合、添加順序は限定されず、同時に添加してもよい。
温度は、硝酸カリウムの融点以上、すなわち330℃以上が好ましく、350〜500℃がより好ましい。また、攪拌時間は1分〜50時間が好ましく、10分〜30時間がより好ましい。また上限は10時間がよりさらに好ましく、2時間が特に好ましい。
(溶融塩の製造2)
上記の溶融塩の製造1では、硝酸カリウムを含有する溶融塩の調製後に融剤を加える方法を例示したが、溶融塩はまた、下記に示す工程により製造することができる。
工程1b:硝酸カリウムを含有する無機塩と融剤の混合
工程2b:硝酸カリウムを含有する無機塩と融剤との混合塩の溶融
(工程1b―硝酸カリウムを含有する無機塩と融剤の混合―)
工程1bでは、硝酸カリウムを含有する無機塩と融剤とを容器に投入して、攪拌翼などにより混合する。複数の融剤を併用する場合、添加順序は限定されず、同時に添加してもよい。容器は上記工程1aで用いるものと同様のものを用いることができる。
(工程2b―硝酸カリウムを含有する無機塩と融剤との混合塩の溶融―)
工程2bでは、工程1bにより得られる混合塩を加熱して溶融する。溶融は、硝酸カリウムの融点(330℃)と、沸点(500℃)の範囲内の温度で行う。特に溶融温度を350〜470℃とすることが、ガラスに付与できる表面圧縮応力(CS)と圧縮応力層深さ(DOL)のバランスおよび強化時間の点からより好ましい。攪拌時間は1分〜10時間が好ましく、10分〜2時間がより好ましい。
上記工程1a及び工程2a又は工程1b及び工程2bを経て得られる溶融塩において、融剤の添加により析出物が発生する場合には、生ガラスのイオン交換処理を行う前に、当該析出物が容器の底に沈殿するまで静置する。この析出物には、飽和溶解度を超えた分の融剤や、融剤のカチオンが溶融塩中で交換された塩が含まれる。
(イオン交換処理)
次に、調製した溶融塩を用いてイオン交換処理を行う。イオン交換処理は、生ガラスを溶融塩に浸漬し、生ガラス中の金属イオン(Naイオン)を、溶融塩中のイオン半径の大きな金属イオン(Kイオン)と置換することで行われる。このイオン交換によってガラス表面の組成を変化させ、ガラス表面が高密度化した圧縮応力層を形成することができる。このガラス表面の高密度化によって圧縮応力が発生することから、生ガラスを強化することができる。
なお実際には、ガラスの密度は、ガラスの中心に存在する中間層(バルク)の外縁から圧縮応力層表面に向かって徐々に高密度化してくるため、中間層と圧縮応力層との間には、密度が急激に変化する明確な境界はない。ここで中間層とは、ガラス中心部に存在し、圧縮応力層に挟まれる層を表す。この中間層は圧縮応力層とは異なり、イオン交換がされていない層である。
本発明におけるイオン交換処理は、具体的には、下記工程3により行うことができる。
工程3:生ガラスのイオン交換処理
(工程3−生ガラスのイオン交換処理−)
工程3では、生ガラスを予熱し、上記工程1a及び工程2a又は工程1b及び工程2bで調製した溶融塩を、化学強化を行う温度に調整する。次いで予熱した生ガラスを溶融塩中に所定の時間浸漬したのち、溶融塩中から引き上げ、放冷する。
生ガラスの予熱温度は、溶融塩に浸漬する温度に依存するが、一般に100℃以上であることが好ましい。
イオン交換処理温度は、硝酸カリウムの融点以上、すなわち330℃以上が好ましい。また、生ガラスの歪点(通常500〜600℃)以下が好ましく、歪み点よりマイナス50℃以下がより好ましい。特に溶融温度を350〜500℃とすることが、ガラスに付与できる表面圧縮応力(CS)と圧縮応力深さ(DOL)のバランスおよび強化時間の点からより好ましい。
生ガラスの溶融塩への浸漬時間は1分〜50時間が好ましく、5分〜40時間がより好ましく、10分〜30時間がさらに好ましい。また上限は10時間がよりさらに好ましく、8時間がことさらに好ましく、4時間が特に好ましい。かかる範囲にあれば、強度と圧縮応力層の深さのバランスに優れたガラス基材を得ることができる。
本発明の製造方法では続いて、イオン交換処理後に下記工程を行う。
工程4:ガラスの洗浄
工程5:工程4を経た後のガラスの酸処理
上記工程5まで経た時点で、ガラスの表面には圧縮応力層の表層が変質した、具体的には低密度化された、低密度層をさらに有することとなる。低密度層とは、圧縮応力層の最表面からNaやKが抜け(リーチングし)、代わりにHが入り込む(置換する)ことによって形成される。
以下、工程4及び工程5について詳述する。
(工程4−ガラスの洗浄−)
工程4では工水、イオン交換水等を用いてガラスの洗浄を行う。中でもイオン交換水が好ましい。洗浄の条件は用いる洗浄液によっても異なるが、イオン交換水を用いる場合には0〜100℃で洗浄することが付着した塩を完全に除去させる点から好ましい。
(工程5−酸処理−)
工程5では、工程4で洗浄したガラスに対して、さらに酸処理を行う。
ガラスの酸処理とは、酸性の溶液中に、ガラスを浸漬させることによって行い、これによりガラス表面のNa及び/又はKをHに置換することができる。
溶液は酸性であれば特に制限されずpH7未満であればよく、用いられる酸が弱酸であっても強酸であってもよい。具体的には塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、炭酸及びクエン酸等の酸が好ましい。これらの酸は単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
酸処理を行う温度は、用いる酸の種類や濃度、時間によっても異なるが、100℃以下で行うことが好ましい。
酸処理を行う時間は、用いる酸の種類や濃度、温度によっても異なるものの、10秒〜5時間が生産性の点から好ましく、1分〜2時間がより好ましい。
酸処理を行う溶液の濃度は、用いる酸の種類や時間、温度によって異なるものの、容器腐食の懸念が少ない濃度が好ましく、具体的には0.05重量%〜20重量%が好ましい。
低密度層は、後述するアルカリ処理により除去されるため、低密度層が厚いほどガラスの表面が除去されやすい。したがって低密度層の厚みはガラスの表面除去量の観点から5nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましい。低密度層の厚みはイオン交換処理工程における融剤濃度、温度、時間等により制御することができる。
低密度層の密度はガラスの表面除去性の観点から、イオン交換された圧縮応力層よりも深い領域(バルク)の密度に比べて低いことが好ましい。
低密度層の厚みはX線反射率法(X−ray−Reflectometry:XRR)によって測定した周期(Δθ)から求めることができる。
低密度層の密度はXRRによって測定した臨界角(θc)により求めることができる。
なお、簡易的には走査型電子顕微鏡(SEM)でガラスの断面を観察することによって、低密度層の形成と層の厚みを確認することも可能である。
本発明の製造方法では続いて、酸処理後に下記工程を行う。
工程6:アルカリ処理
上記工程6により、工程5までに形成された低密度層の一部又は全部を除去することができる。
以下、工程6について詳述する。
(工程6−アルカリ処理−)
工程6では、工程5で酸処理したガラスに対して、さらにアルカリ処理を行う。
アルカリ処理とは、塩基性の溶液中に、ガラスを浸漬させることによって行い、これにより低密度層の一部又は全部を除去することができる。
溶液は塩基性であれば特に制限されずpH7超過であればよく、弱塩基を用いても強塩基を用いてもよい。具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の塩基が好ましい。これらの塩基は単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ処理を行う温度は、用いる塩基の種類や濃度、時間によっても異なるが、0〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましく、20〜60℃が特に好ましい。かかる温度範囲であればガラスが腐食するおそれがなく好ましい。
アルカリ処理を行う時間は、用いる塩基の種類や濃度、温度によっても異なるものの、10秒間〜5時間が生産性の点から好ましく、1分間〜2時間がより好ましい。
アルカリ処理を行う溶液の濃度は、用いる塩基の種類や時間、温度によって異なるものの、ガラスの表面除去性の観点から0.1重量%〜20重量%が好ましい。
上記アルカリ処理により、Hが侵入した低密度層の一部又は全部が除去され、面強度が向上したガラス基材を得ることができる。さらに、低密度層が除去されることでガラス表面に存在していた傷も同時に除去されるので、この点も強度向上に寄与すると考えられる。
上記酸処理工程5およびアルカリ処理工程6の間や、アルカリ処理工程6の終了後に、工程4と同様の洗浄工程を有することが好ましい。
本発明の製造方法によれば取り扱う薬液の安全性が高いため特別な設備を必要としない。したがって、面強度が格段に向上したガラス基材を安全かつ効率的に得ることができる。
なお、除去される低密度層の量は、アルカリ処理の条件による。低密度層は一部が除去され一部が残存していてもよい。強度向上の観点からは、低密度層の全部が取り除かれずとも効果を得ることができるが、ガラスの透過率を安定的に確保する観点から低密度層の全部を取り除くことが好ましい。
(ガラス基材の圧縮応力値(CS)、圧縮応力層深さ(DOL))
本発明の製造方法によれば、ガラス表面がイオン交換され、圧縮応力層を有し、且つ、最表面の圧縮応力値(CS)が低いガラス基材を得ることができる。
本発明のガラス基材の最表面の圧縮応力値(CS)としては100〜650(MPa)が好ましい。ガラス基材の圧縮応力層深さ(DOL)としては20〜150(μm)が好ましく、20〜40(μm)がさらに好ましい。
(面強度)
本発明のガラス基材の強度(面強度)は、ボールオンリング試験により評価することができる。
(ボールオンリング試験)
ガラス基材を直径30mm、接触部が曲率半径2.5mmの丸みを持つステンレスからなるリング上に配置し、該ガラス板に直径10mmの鋼からなる球体を接触させた状態で、該球体を静的荷重条件下で該リングの中心に荷重するボールオンリング(Ball on Ring;BOR)試験により測定したBOR面強度F(N)で評価する。
本発明のガラス基材は、F≧1800×tであることが好ましく、F≧2000×tであることがより好ましい[式中、Fはボールオンリング試験により測定したBOR面強度(N)であり、tはガラス基板の板厚(mm)である。]。BOR面強度F(N)がかかる範囲であることにより、薄板化した場合にも優れた強度を示す。
図1に、本発明で用いたボールオンリング試験を説明するための概略図を示す。ボールオンリング(Ball on Ring;BOR)試験では、ガラス板1を水平に載置した状態で、SUS304製の加圧治具2(焼入れ鋼、直径10mm、鏡面仕上げ)を用いてガラス板1を加圧し、ガラス板1の面強度を測定する。
図1において、SUS304製の受け治具3(直径30mm、接触部の曲率R2.5mm、接触部は焼入れ鋼、鏡面仕上げ)の上に、サンプルとなるガラス板1が水平に設置されている。ガラス板1の上方には、ガラス板1を加圧するための、加圧治具2が設置されている。
本実施の形態においては、実施例及び比較例後に得られたガラス板1の上方から、ガラス板1の中央領域を加圧する。なお、試験条件は下記の通りである。
加圧治具2の下降速度:1.0(mm/min)
この時、ガラスが破壊された際の、破壊荷重(単位N)をBOR面強度とし、20回の測定の平均値をBOR平均面強度とする。ただし、ガラス板の破壊起点がボール押しつけ位置より2mm以上離れている場合は、平均値算出のためのデータより除外する。
本発明の製造方法により得られるガラス基材は、所望の形状に切断する切断処理や面取り処理等の加工処理が行なわれた後、さらに化学強化処理が施され、所望の面強度を有する化学強化ガラスとすることができる。化学強化ガラスにおける圧縮応力層深さは、30μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。また、表面圧縮応力は600MPa以上が好ましく、700MPa以上がより好ましい。具体的には、例えば、425〜465℃の硝酸カリウム(KNO)溶融塩に2〜24時間浸漬させる。なお、ガラス基材は必ずしも化学強化処理が行われる必要はない。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<評価方法>
本実施例における各種評価は以下に示す分析方法により行った。
(ガラスの評価:表面応力)
本発明のガラス基材の圧縮応力層の圧縮応力値および圧縮応力層の深さは、表面応力計(例えば、折原製作所製FSM−6000)等を用いて測定することができる。また、圧縮応力層の深さは、EPMA(electron probe micro analyzer)等を用いて測定したイオン交換深さによって代用することができる。実施例では、表面圧縮応力値(CS、単位はMPa)および圧縮応力層の深さ(DOL、単位はμm)は折原製作所社製表面応力計(FSM−6000)を用いて測定した。
(ガラスの評価:除去量)
ガラスの除去量厚みは、薬液処理前後の重量を分析用電子天秤(HR−202i;AND製)により測定し、次の式を用いて厚み換算することにより求めた。
(片面あたりの除去量厚み)=((処理前重量)−(処理後重量))/(ガラス比重)/処理面積/2
(ガラスの評価:面強度)
前述の〔ボールオンリング試験〕にて記載した方法に従い、ガラス面強度を測定した。
下記各試験例のうち、例1−1、1−2、1−3、2−1、2−2、及び2−3は実施例であり、例1−4、及び2−4は比較例である。
<例1−1>
(生ガラス準備)
サイズが50mm×50mm×0.7mmであり、下記組成および比重のガラスAを用いた。
ガラスA組成(モル%表示):SiO 64.4%、Al 8.0%、NaO 12.5%、KO 4.0%、MgO 10.5%、CaO 0.1%、SrO 0.1%、BaO 0.1%、ZrO 0.5%
ガラスA比重(g/cm):2.48、歪み点:556℃
(イオン交換処理工程)
SUS製のカップに硝酸カリウム4731g、炭酸カリウム160g、硝酸ナトリウム849gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム2mol%、K/Na質量比率が8.6の溶融塩を調製した。上記により得られたガラスAを200〜400℃に予熱した後、450℃の溶融塩に2時間浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却した。得られたガラスは水洗いし、次の工程に供した。
(酸処理工程)
6.0重量%の硝酸(HNO;関東化学社製)をビーカーに用意し、ウォーターバスを用いて40℃に温度調整を行った。前記イオン交換処理工程で得られたガラスを、調整した塩酸中に120秒間浸漬させ、酸処理を行い、その後純水で数回洗浄した後、エアブローにより乾燥した。こうして得られたガラスを次の工程に供した。
(アルカリ処理工程)
4.0重量%の水酸化ナトリウム水溶液をビーカーに用意し、ウォーターバスを用いて40℃に温度調整を行った。酸処理工程で得られたガラスを、調整した水酸化ナトリウム水溶液中に120秒間浸漬させ、アルカリ処理を行い、その後純水で数回洗浄した後、エアブローにより乾燥した。
以上より、例1−1のガラス基材を得た。
<例1−2>
硝酸カリウム4680g、炭酸カリウム177g、硝酸ナトリウム1384gを加え、を加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム2mol%、K/Na質量比率が5.3の溶融塩を調製した以外は例1−1と同様にして例1−2のガラス基材を得た。
<例1−3>
450℃の溶融塩に24時間浸漬した以外は例1−2と同様にして例1−3のガラス基材を得た。
<例2−1>
ガラスAに代えて、50mm×50mm×0.7mmであって下記組成および比重のガラスBを用いた点以外は例1−1と同様に、例2−1のガラス基材を得た。
ガラスB組成(モル%表示):SiO 68%、Al 10%、NaO 14%、MgO 8%
ガラスB比重(g/cm):2.41
<例2−2>
硝酸カリウム4680g、炭酸カリウム177g、硝酸ナトリウム1384gを加え、を加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム2mol%、K/Na質量比率が5.3の溶融塩を調製した以外は例2−1と同様にして例2−2のガラス基材を得た。
<例2−3>
450℃の溶融塩に24時間浸漬した以外は例2−2と同様にして例2−3のガラス基材を得た。
上記により得られた各ガラス基材の評価結果を表1に示す。また、イオン交換処理工程、酸処理工程、および、アルカリ処理工程を実施していないガラスAの評価結果を例1−4として、イオン交換処理工程、酸処理工程、および、アルカリ処理工程を実施していないガラスBの評価結果を例2−4として表1に示す。
Figure 2016117479
上記より、本発明の製造方法により得られた実施例のガラス基材は、比較例のガラス(未処理の生ガラス)に比べ面強度が大幅に向上した。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2015年1月20日出願の日本特許出願(特願2015−008851)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、面強度が大幅に向上したガラス基材を安全かつ低コストで得ることができる。本発明に係るガラス基材は、携帯電話、デジタルカメラまたはタッチパネルディスプレイ等のディスプレイ用カバーガラスや、車両のフロントガラス等の種々の用途に適用することができる。

Claims (15)

  1. 生ガラスと、硝酸カリウムを含む無機塩とを接触させることによって、前記生ガラス中のNaイオンと前記無機塩中のKイオンとをイオン交換する工程を含むガラス基材の製造方法であって、
    前記無機塩はKCO、NaCO、KHCO、NaHCO、KPO、NaPO、KSO、NaSO、KOH及びNaOHからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含み、K/Na比率が質量比で1以上15以下であり、かつ
    前記イオン交換する工程の後にガラスを洗浄する工程、
    前記洗浄する工程の後にガラスを酸処理する工程、及び
    前記酸処理する工程の後にガラスをアルカリ処理する工程を含む、ガラス基材の製造方法。
  2. 前記酸処理する工程の後に、ガラスを洗浄する工程を有することを特徴とする請求項1記載のガラス基材の製造方法。
  3. 前記アルカリ処理する工程の後に、ガラスを洗浄する工程を有することを特徴とする請求項1記載のガラス基材の製造方法。
  4. 生ガラスと、無機塩とを接触させることによって、前記生ガラス中のNaイオンと前記無機塩中のKイオンとをイオン交換する工程を含むガラス基材の製造方法であって、
    前記無機塩は、K/Na比率が質量比で1以上15以下であり、かつ
    前記イオン交換する工程の後にガラスを洗浄する工程、
    前記洗浄する工程の後にガラスを酸処理する工程、及び
    前記酸処理する工程の後にガラスをアルカリ処理する工程を含む、ガラス基材の製造方法。
  5. 前記無機塩は、硝酸カリウムを含む請求項4に記載のガラス基材の製造方法。
  6. 前記酸処理する工程は、pH7未満である溶液を用いることを特徴とする請求項1または4記載のガラス基材の製造方法。
  7. 前記pH7未満である溶液は弱酸であることを特徴とする請求項6記載のガラス基材の製造方法。
  8. 前記pH7未満である溶液は強酸であることを特徴とする請求項6記載のガラス基材の製造方法。
  9. 前記酸処理する工程は、100℃以下の温度でおこなうことを特徴とする請求項1または4記載のガラス基材の製造方法。
  10. 前記酸処理する工程をおこなう時間は、10秒〜5時間であることを特徴とする請求項1または4記載のガラス基材の製造方法。
  11. 前記アルカリ処理する工程は、pH7超過の溶液を用いることを特徴とする請求項1または4記載のガラス基材の製造方法。
  12. 前記pH7超過の溶液は弱塩基であることを特徴とする請求項11記載のガラス基材の製造方法。
  13. 前記pH7超過の溶液は強塩基であることを特徴とする請求項11記載のガラス基材の製造方法。
  14. 前記アルカリ処理する工程は、0℃以上100℃以下の温度でおこなうことを特徴とする請求項1または4記載のガラス基材の製造方法。
  15. 前記アルカリ処理する工程をおこなう時間は、10秒〜5時間であることを特徴とする請求項1または4記載のガラス基材の製造方法。
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