JPWO2016114319A1 - 連続鋳造鋳片とその製造方法および製造装置、厚鋼板の製造方法および製造装置 - Google Patents

連続鋳造鋳片とその製造方法および製造装置、厚鋼板の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、スラブ形状の鋳片を確実に押し潰してセンターポロシティを減少させた連続鋳造鋳片、連続鋳造鋳片の製造方法および製造装置を提供することを主目的とする。少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する連続鋳造鋳片1には、少なくとも片側の長辺表面に、第1圧下凹部2と、この第1圧下凹部2の底表面からさらに凹んだ、第1圧下凹部2よりも幅狭の第2圧下凹部3とを備え、このような形態にすることによって、偏析を低減しつつ鋳片の最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm3/g以下の連続鋳造鋳片1とすることができる。

Description

本発明は、連続鋳造鋳片とその製造方法および製造装置、ならびに、厚鋼板の製造方法および製造装置に関する。本発明は、詳しくは、鋳片の中心部に不可避的に発生するセンターポロシティおよび偏析を低減させた連続鋳造鋳片とその製造方法および製造装置、ならびに、当該連続鋳造鋳片を用いて製造される、原子炉、ボイラ、圧力容器等に用いられる超音波探傷欠陥の少ない厚鋼板の製造方法および製造装置に関するものである。
連続鋳造設備により鋳造される鋳片は、サポートロールに支持される外表面から凝固していくため、鋳造厚(鋳辺の厚さ方向)の中央部は最後に凝固することとなる。また溶鋼が凝固する際には3〜4%の体積収縮を生ずる。このため、最後に凝固する鋳片中央部にはセンターポロシティと呼ばれる微細な空洞部が不可避的に発生する。このセンターポロシティは圧延後も残存し、厚鋼板段階で、超音波探傷試験によって検出することができる。このセンターポロシティに起因した内部欠陥は、特に原子炉、ボイラ、圧力容器等の用途によっては有害な欠陥となる。そこで従来から、鋳片のセンターポロシティ体積を低減させることが行われている。
また、最後に凝固する鋳片中央部には、ポロシティに加えて偏析も生じやすく、特に、中央部に粒状等軸晶を有するスラブ鋳片では、ポロシティ体積や偏析を同時に低減することが困難であった。この理由としては、(1)粒状等軸晶の周囲で偏析が生じやすいこと、(2)凝固末期に粒状等軸晶が動くと、粒状等軸晶とともに偏析部も移動し、集まった複数の粒状等軸晶によって囲まれた部位に、偏析元素が集まりやすいため、偏析が大きくなりやすいこと、(3)粒状等軸晶周囲に生じている偏析によって囲まれた部位に、ポロシティが生じやすいこと、等が考えられている。そのため、これまでは、粒状等軸晶よりもポロシティおよび偏析を同時に低減しやすい柱状晶を成長させやすくすることによって、ポロシティおよび偏析を改善する試みがなされてきている。
鋳片を後の工程において強く圧延することによって、センターポロシティ体積を低減させる場合、従来は、厚さ(鋳造厚)Dが230〜380mmである従来の鋳片のセンターポロシティを、厚鋼板段階での超音波探傷試験に合格するレベルにまで、減少させるためには、後工程において形状比γが0.7以上の強圧延を行う必要があった。このような圧延を行なうためには、鋳片を1250℃以上にまで高温加熱することが必要であるため、多くのコストが必要であった。なお、形状比γは圧延の程度を示すために用いられる指標であり、形状比γ=圧延ロールと鋼鈑の接触弧長/平均板厚=(R(h−h))0.5/(0.5(h+h))の式により定義される値である。ここで、Rはロール半径(mm)、hは入側板厚(mm)、hは出側板厚(mm)である。
鋳造段階においてセンターポロシティの発生量を低減させるために、例えば特許文献1には、鋳片が完全凝固した後であって鋳片表面温度が700〜1000℃であるときに、中央に突出部を有する上下ロールで鋳片を挟んで圧下し、センターポロシティを押し潰して減少させる技術が開示されている。
また特許文献2には、鋳片を10mm以上バルジングさせた後、凝固完了前に幅中央部を圧下し、次に両端部近傍を圧下することにより、凝固界面を圧着させる技術が開示されている。
さらに特許文献3には、鋳片の板厚中央部の温度が1400℃以上凝固点以下の状態で、連続鋳造設備内で中央部を圧下する技術が開示されている。
特開2009−279652号公報 特開2001−334353号公報 特開平7−227658号公報
特許文献1により開示された技術は、鋳造厚(厚さ)Dと鋳造幅Wとの比(D/W)が0.7であるブルームと呼ばれる幅狭の鋳片を対象とするものである。この技術を、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比(D/W)が0.1〜0.3である幅広のスラブに適用すると、上下ロールの負荷荷重が非常に大きくなるためにロールの耐久性が不足し、生産性が低下するという課題がある。
特許文献2により開示された技術は、最終未凝固部が鋳片の幅端部付近に形成される場合には効果があるが、最終未凝固部が鋳片の幅中心部に形成される場合には有効ではないという課題がある。
特許文献3により開示された技術は、最終未凝固部が鋳片の幅端部付近に形成される場合には有効ではないという問題がある。
このように、鋳造厚Dが大きいスラブ鋳片のセンターポロシティ体積を連続鋳造段階で低減させる技術は確立されておらず、センターポロシティの周囲に生じる偏析を連続鋳造段階で低減させる技術も確立されていない。そのため、センターポロシティについては、後工程で強圧延を行うことによって、表3に示すJIS G 0801:2008に規定された、厚鋼板段階で行われる超音波探傷試験に合格するレベルまで減少させているのが実情である。しかしながら、後工程における強圧延では、センターポロシティ体積を低減することは可能であっても、偏析を低減することは困難である。
そこで本発明は、上記した従来の技術が有する課題を解決し、スラブ形状の鋳片を押し潰して、鋳造中にセンターポロシティを確実に減少させるとともに偏析も低減した連続鋳造鋳片とその製造方法および製造装置を提供することを課題とする。また、本発明は、上記した従来の課題を解決し、センターポロシティおよび偏析を連続鋳造段階で低減したうえで、形状比γが0.7以上の強圧延を行なうことなく安価に超音波探傷試験に合格する厚鋼板を製造する方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、鋳片の厚さ中央を境にして、鋳片の上面側および下面側へ対称(以下において、「上下対称」または「均一」と称する。)に、粒状等軸晶を生成させることにより、凝固末期に粒状等軸晶の移動を抑制することが可能になり、その結果、センターポロシティおよび偏析を低減することが可能になることを知見した。ここで、「上下対称」とは、鋳片の厚さ中央を境にした鋳片上側半分および鋳片下側半分における、等軸晶率の差が5%以内であることをいう。また、「等軸晶率」とは、鋳片1/2厚に対する、鋳片の厚さ方向上側半分に等軸晶が生成した領域の厚さの割合をいう。さらに、本発明者らは、連続鋳造段階に適切な圧下を行うことにより、センターポロシティを従来よりも低減できることを知見した。本発明は、これらの知見に基づいて完成させた。
上記課題を解決するためになされた本発明について、以下に説明する。以下の説明において、固相率X1〜X2は、特に断らない限り、固相率X1以上X2未満を意味する。また、固相率以外(例えば、比D/W、鋳造厚、凹み量、凹み率、距離、最大形状比、鋼板厚み、鋼板厚み、比d/D、比d/D、鋳造幅、加熱温度等)のY1〜Y2は、特に断らない限り、Y1以上Y2以下を意味する。
本発明の第1の態様は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片であって、少なくとも片側の長辺表面に、第1圧下凹部と、該第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部とを有し、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の凹み量dが0.08〜1.1mmであり、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の凹み量dが1.2〜12mmであることを特徴とする、連続鋳造鋳片である。
本発明の第2の態様は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片であって、少なくとも片側の長辺表面に、第1圧下凹部と、該第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部とを有し、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%であるとともに、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%であることを特徴とする、連続鋳造鋳片である。
本発明において、「凹み率」とは、各凹部における凹部形成前の厚みを基準にした圧下率をいう。すなわち、「鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率」とは、「第1圧下凹部の凹み量d/鋳造厚D×100(%)」をいう。また、「第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率」とは、「第2圧下凹部の凹み量d/鋳造厚D×100(%)」をいう。
上記本発明の第1の態様において、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%であるとともに、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%であることが好ましい。
また、上記本発明の第1の態様および上記本発明の第2の態様において、第1圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dであり、第2圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dであることが好ましい。
また、上記本発明の第1の態様および上記本発明の第2の態様において、最大ポロシティ体積が、1.5×10−4cm/g以下であることが好ましい。
本発明の第3の態様は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片に、第1の圧下ロールを用いて圧下を行うことにより、鋳片の少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を形成する第1の工程と、第1の圧下ロールよりも幅狭の第2の圧下ロールを用いて、第1の工程で形成された第1圧下凹部の底表面をさらに圧下することにより、第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を形成する第2の工程と、を有し、第1の工程で、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の凹み量dが0.08〜1.1mmとなるように鋳片を圧下し、第2の工程で、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の凹み量dが1.2〜12mmとなるように鋳片を圧下することを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造方法である。
本発明の第4の態様は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片に、第1の圧下ロールを用いて圧下を行うことにより、鋳片の少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を形成する第1の工程と、第1の圧下ロールよりも幅狭の第2の圧下ロールを用いて、第1の工程で形成された第1圧下凹部の底表面をさらに圧下することにより、第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を形成する第2の工程と、を有し、第1の工程で、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように鋳片を圧下し、第2の工程で、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように鋳片を圧下することを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造方法である。
上記本発明の第3の態様において、第1の工程で、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように鋳片を圧下し、第2の工程で、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように鋳片を圧下することが好ましい。
また、上記本発明の第3の態様および上記本発明の第4の態様において、第1の圧下ロールを、固相率が0.3〜0.7となる領域に備え、第2の圧下ロールを、第1の圧下ロールの下流側で、且つ、固相率が0.7〜1.0となる領域に備えることが好ましい。
ここで、固相率は、例えば伝熱計算や横波電磁超音波の透過率の変化等により求めることができる。
また、上記本発明の第3の態様および上記本発明の第4の態様において、第1圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dとなり、第2圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dとなることが好ましい。
また、上記本発明の第3の態様および上記本発明の第4の態様において、第1の工程および第2の工程を経て製造した連続鋳造鋳片の最大ポロシティ体積が、1.5×10−4cm/g以下であることが好ましい。
本発明の第5の態様は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片の、少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を有する、中間成形品を成形する第1の圧下ロールと、該第1の圧下ロールよりも幅狭の形状を有し、第1の圧下ロールよりも下流側に配置され、上記中間成形品の第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を成形する第2の圧下ロールと、を備え、第1の圧下ロールを、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の凹み量dが0.08〜1.1mmとなるように備え、第2の圧下ロールを、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の凹み量dが1.2〜12mmとなるように備えることを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造装置である。
本発明の第6の態様は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片の、少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を有する中間成形品を成形する第1の圧下ロールと、該第1の圧下ロールよりも幅狭の形状を有し、第1の圧下ロールよりも下流側に配置され、上記中間成形品の第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を成形する第2の圧下ロールと、を備え、第1の圧下ロールを、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように備え、第2の圧下ロールを、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように備えることを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造装置である。
上記本発明の第5の態様において、第1の圧下ロールを、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように備え、第2の圧下ロールを、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように備えることが好ましい。
また、上記本発明の第5の態様および上記本発明の第6の態様において、第1の圧下ロールを、固相率が0.3〜0.7となる領域に備え、第2の圧下ロールを、第1の圧下ロールの下流側で、固相率が0.7〜1.0となる領域に備えることが好ましい。
また、上記本発明の第5の態様および上記本発明の第6の態様において、第1の圧下ロールを、第1圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dとなるように備え、第2の圧下ロールを、第2圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dとなるように備えることが好ましい。
また、上記本発明の第5の態様および上記本発明の第6の態様において、連続鋳造鋳片の最大ポロシティ体積が、1.5×10−4cm/g以下であることが好ましい。
本発明の第7の態様は、上記本発明の第3の態様または上記本発明の第4の態様にかかる連続鋳造鋳片の製造方法によって鋳片を製造する鋳片製造工程と、該鋳片製造工程で製造された、最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下である鋳片を、最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延する圧延工程と、を備えることを特徴とする、厚鋼板の製造方法である。
ここで、「最大形状比」とは、多パスで厚鋼板を熱間圧延した場合の1パス当りの最大となる形状比をいう。
上記本発明の第7の態様において、圧延工程によって、鋳造厚Dに対する圧延工程終了後の鋼板厚みが、50%〜80%となることが好ましい。
また、上記本発明の第7の態様において、圧延工程によって、圧延工程終了後の厚鋼板の鋼板厚みを150〜300mmとすることが好ましい。
上記本発明の第7の態様にかかる厚鋼板の製造方法によって製造される鋼板は、後述する本発明の厚鋼板の製造装置によって製造することができる。
本発明の第8の態様は、上記本発明の第5の態様または上記本発明の第6の態様にかかる連続鋳造鋳片の製造装置と、該製造装置で製造された鋳片を圧延する圧延機と、を備え、該圧延機は、最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下である鋳片を最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延する圧延機であることを特徴とする、厚鋼板の製造装置である。
上記本発明の第8の態様において、圧延機は、圧延後の鋼板厚みを、鋳造厚Dに対して50%〜80%とすることが好ましい。
また、上記本発明の第8の態様において、圧延機は、圧延後の鋼板厚みを150〜300mmとすることが好ましい。
本発明の連続鋳造鋳片とその製造方法および製造装置によれば、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmといった幅広のスラブ鋳片であってもスラブ鋳片の最大ポロシティ体積および偏析を低レベルに引き下げた連続鋳造鋳片を提供することができる。
また、本発明の連続鋳造鋳片の製造装置および製造方法によれば、2段階の圧下をおこなうことにより、圧下ロールに過度な負担を加えることがないという効果がある。
また、本発明の厚鋼板の製造方法および製造装置によれば、鋳片製造工程により最大ポロシティ体積(最大のセンターポロシティ体積)が低減された連続鋳造鋳片を得ることができるので、後続して行われる圧延工程では、最大形状比が0.2〜0.65の条件であっても、センターポロシティに起因した内部欠陥を超音波探傷試験に合格するレベルにまで減少させた鋼板を製造することができる。この場合には従来のように鋳片を高温加熱する必要がないため、厚鋼板の製造コストを大幅に引き下げることができる。
図1は、本発明の連続鋳造鋳片の断面形状を示す概念図である。 図2は、本発明の連続鋳造鋳片の製造方法に含まれる工程の一例を示す説明図である。 図3は、第1圧下凹部の凹み量と第2圧下凹部の凹み量が、センターポロシティ体積に及ぼす影響を示すグラフである。 図4は、第1圧下凹部の凹み率と第2圧下凹部の凹み率が、センターポロシティ体積に及ぼす影響を示すグラフである。 図5は、本発明の連続鋳造鋳片の製造装置の一部の一例を模式的に示した説明図である。 図6は、本発明の厚鋼板の製造装置0の構成の概要を示す説明図である。 図7は、鋳片横断面を説明する模式図である。 図8は、粒状晶と最大偏析厚みの例を示す図である。 図9は、分岐樹脂状晶と最大偏析厚みの例を示す図である。 図10は、最大ポロシティ体積と圧延ロールによる圧延の最大形状比と超音波探傷試験の合否との関係を示すグラフである。
以下に、本発明を、添付図面を適宜参照しながら説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
1.本発明の連続鋳造鋳片1
図1は、本発明の連続鋳造鋳片の断面形状を示す概念図である。なお、図1において、凹部(第1圧下凹部2および第2圧下凹部3)は誇張して表示してある。
本発明の連続鋳造鋳片1は、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、厚み方向を縦軸とし、長辺の幅方向を横軸とした時に、端部からの凝固の影響が無い部分において粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片である。図1に示すように、連続鋳造鋳片1は、少なくとも片側の表面に、第1圧下凹部2と、この第1圧下凹部2の底表面からさらに凹んだ、第1圧下凹部2よりも幅狭の第2圧下凹部3とを有している。なお、上記端部からの凝固の影響が無い部分とは、端部から凝固する柱状晶の部分を除いた領域であり、およそ、長辺の端部から鋳造厚Dを引いた残りの長辺の部分である。
鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmの鋳片のような断面形状を持つ鋳片はスラブと呼ばれるものである。比D/Wの下限値を0.1にするのは、鋳造厚Dが230〜380mmでは、鋳造幅Wが2500mm程度以上となることから、広幅の鋳片を幅方向に均一に圧下することが困難であるためであり、その上限値を0.3にするのは、端部からの凝固の影響が大きくなるため、設備上の制約から十分な圧下ができないためである。本発明において、鋳造幅Wの最大値は特に限定されない。鋳造幅Wは、1320〜2360mmであることが好ましい。
鋳造厚Dは380mmを超えると、圧下ロールへの反力が増大し、ロールが変形しやすくなる。そのため、圧下ロールと圧下ロールを支持するセグメントを高剛性化する必要があり、設備費用が増加するため好ましくない。また、鋳造厚Dを230mm未満にすると、鋳造速度を遅くする必要があり、生産性も低下するため好ましくない。このような観点から鋳造厚Dは230〜380mmとする。
さらに、連続鋳造鋳片1は、少なくとも厚さ方向中央に、厚み方向を縦軸とし、長辺の幅方向を横軸とした時に、端部からの凝固の影響が無い部分において粒状等軸晶を上下対称に有する。このような形態にすることにより、第1圧下凹部2や第2圧下凹部3を形成するための圧下の際に、鋳片の上側および下側から、鋳片の厚さ方向中央部に力を均等に伝えることが可能になる。その結果、粒状等軸晶を移動させる駆動力になり得るせん断力の発生を抑制することができるので、粒状等軸晶の移動を抑制することができる。粒状等軸晶の移動を抑制することにより、偏析元素の移動を抑制することができるので、偏析を抑制することができる。さらに、粒状等軸晶の移動を抑制することにより、複数の粒状等軸晶に挟まれた(囲まれた)領域の大きさを小さくすることができるので、当該領域に生じるポロシティ(センターポロシティ)の体積を低減することができる。
さらに、粒状等軸晶の径を小さくする事で、せん断応力が働いた時に粒状等軸晶が移動する抵抗が増すとともに、粒状等軸晶で囲まれた領域を更に小さくできる。粒状等軸晶の大きさとしては円相当径で1.5mm以下、好ましくは1.3mm以下である。
本発明は、上述のように、幅広鋳片であっても、鋳造中にセンターポロシティ体積が低減され、且つ、偏析が抑制された連続鋳造鋳片とすることができる。
本発明の連続鋳造鋳片は、連続鋳造設備において幅広の第1圧下凹部2を形成することにより、凝固収縮に見合う圧下が行われ、溶鋼流動の発生を防止する。これによりポロシティの初期径を小さくすることができる。次に第1圧下凹部2の底表面を更に圧下して、第1圧下凹部2よりも幅狭の第2圧下凹部3を形成することにより、発生したポロシティを圧下により圧着することができる。このような2段階の圧下を行なうことにより、圧下ロールに過度の負担を加えることもなく、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を低レベルに引き下げることができる。
連続鋳造設備では鋳型から垂下する鋳片の片面を基準面とし、他方の面を凝固収縮に対応させて傾斜するようにサポートロールを配置することが一般的である。図2に、本発明の連続鋳造鋳片の製造方法に含まれる工程の一実施形態を例示した。本実施形態では第1の圧下ロール4および第2の圧下ロール5を基準面の反対側に配置したため、図1では、幅広の第1圧下凹部2と幅狭の第2圧下凹部3が、片面だけに形成された連続鋳造鋳片1を示した。本発明は、当該形態に限定されず、第1圧下凹部2とこれよりも幅狭の第2圧下凹部3は、連続鋳造鋳片の両面に形成されていても良い。
本発明において、連続鋳造鋳片1の端部表面からの第1圧下凹部2の凹み量dは、0.08〜1.1mmとする。凹み量dの下限値を0.08mmとするのは、体積収縮によるポロシティ生成を低減するためであり、その上限値を1.1mmとするのは、等軸晶の移動による中心偏析とポロシティ生成を低減するためである。また、本発明において、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の凹み量dは1.2〜12mmとする。凹み量dの下限値を1.2mmとするのは、センターポロシティの低減効果を得るためであり、その上限値を12mmとするのは、表面割れの発生を抑制するためである。
また、本発明では、凹み量に代えて、または、凹み量に加えて、凹み率を規定することができる。凹み率としては、鋳片端部表面からの第1圧下凹部2の鋳造厚Dに対する凹み率を0.03〜0.36%とする。すなわち、鋳片端部表面からの第1圧下凹部2の凹み量dと鋳造厚Dとの比d/Dが、d/D=0.03〜0.36%になるようにする。当該凹み率の下限値を0.03%にするのは、体積収縮によるポロシティ生成を低減するためであり、その上限値を0.36%にするのは、等軸晶の移動による中心偏析とポロシティ生成を低減するためである。また、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の鋳造厚Dに対する凹み率を0.6〜4%とする。すなわち、第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の凹み量dと鋳造厚Dとの比d/Dが、d/D=0.6〜4%になるようにする。第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6%未満である場合、センターポロシティの低減効果が不十分となるため好ましくなく、同凹み率が4%を超える場合は表面割れの可能性が高まるため好ましくない。それゆえ、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の鋳造厚Dに対する凹み率は、0.6〜4%とする。
第1圧下凹部の凹み率や凹み量、第2圧下凹部の凹み率や凹み量を上記の範囲に特定することにより、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を1.5×10−4cm/g以下という低レベルに引き下げることができる。
第1圧下凹部2は、第1圧下凹部2の両端と鋳片端面との距離aが0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dとなる位置に存在することが好ましい。距離aの下限値を0.37×鋳造厚Dにすることが好ましいのは、強度の大きい鋳片端部の影響を小さくして高い圧下効率を得るためであり、距離aの上限値を1.0×鋳造厚Dにすることが好ましいのは、ロールによって圧下されない鋳片端部近傍の長さを小さくするためである。また、第2圧下凹部3は、第2圧下凹部3の両端と鋳片端面との距離aが0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dとなる位置に存在することが好ましい。距離aの下限値を0.5×鋳造厚Dにすることが好ましいのは、強度の大きい鋳片端部の影響を小さくして高い圧下効率を得るためであり、距離aの上限値を1.2×鋳造厚Dにすることが好ましいのは、ロールによって圧下されない鋳片端部近傍の長さを小さくするためである。
鋳型から出た鋳片内溶鋼の流動限界固相率の直前位置で1段目の圧下を行なうことにより、センターポロシティの初期径を小さくすることができると想定される。ここで、凝固収縮は鋳造幅の両端を除いたほぼ全域で生ずる。そのため、本発明において、第1圧下凹部2は幅広であることが必要である。
一方、第1圧下凹部2を形成した後の段階において、センターポロシティ発生領域は、鋳造幅の中央付近に縮小している。そのため、第2圧下凹部3は第1圧下凹部2よりも幅狭として、より集中的な圧下が加えられる態様とすることが好ましい。
このように鋳造幅Wの両端を除いたのは、鋳片端部からも凝固が進行するからである。鋳造幅Wと同等以上の長さを持ったロールでは、ロールが圧下の反力によって変形しやすい。そのため、本発明において、圧下ロールは、圧下鋳造幅よりも圧下幅が狭いロールであることが好ましい。
本発明の連続鋳造鋳片1の鋳片の最大ポロシティ体積は、好ましくは、1.5×10−4cm/g以下である。
なお、従来材のセンターポロシティ体積は、6〜10×10−4cm/g程度であり、この程度のセンターポロシティが鋳片内部に残存すると、例えば厚板圧延での最大形状比0.7以上といった高形状比での圧延をしないと、最終製品に内部欠陥を発生させ、破壊の起点となる重大な問題を引き起こしてしまう。本発明の連続鋳造鋳片は、好ましくは、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積1.5×10−4cm/g以下という低いセンターポロシティ残存量である。センターポロシティ体積を1.5×10−4cm/g以下であることにより、厚板圧延での形状比低減や低形状比での製品内部欠陥低減の効果を得ることができる。
センターポロシティ体積Pvは、同じ鋳片の1/4厚み部の代表サンプルの密度をρとし、センター部のサンプルの密度をρとすると、Pv=(1/ρ)−(1/ρ)(cm/g)として求めることができる。
代表サンプルの大きさは、長さ50mm、幅100mm、厚さ7mmが好ましい。前記サンプルの表面仕上げ精度としては、滑らかな仕上げ面であることが好ましく、JIS B 0601:2013に準拠して、表面粗さが、算術平均粗さRaで1.6(μm)以下が好ましく、0.8(μm)以下が更に好ましい。表面が粗い場合には、サンプルを水浸した際に、表面で気泡がトラップされてPvの精度が良くない場合があるので好ましくない。本発明では、このサンプルを鋳片短辺からの距離でD/2以内を除く、鋳片幅方向全体の鋳片厚中心を長さと幅の表面として切出し、幅方向におけるポロシティ体積の最大値を最大センターポロシティ体積とした。また、1/4厚み部の密度ρは幅方向6ヶ所から切出したサンプルのポロシティ体積の平均値とすればよい。
なお、本発明の連続鋳造鋳片1は高温である鋳片中心部が優先して変形するため、凝固時に鋳片表層部に形成されるデンドライト組織が直線的であるが、凝固完了後に圧下した場合には表層部も変形し、デンドライト組織が湾曲するため、凝固完了後に圧下した従来品との識別が可能である。
2.本発明に係る連続鋳造鋳片1の製造装置
本発明に係る連続鋳造鋳片1の製造装置である連続鋳造設備は、第1の圧下ロール4と、第1の圧下ロール4よりも幅狭の圧下ロール5と、を備える。
図5は、本発明に係る連続鋳造鋳片の製造装置の一部の一例を模式的に示した説明図である。図5では、連続鋳造設備の鋳型の下方に、第1の圧下ロール4と第2の圧下ロール5とが配置されており、凝固終了位置の近傍において鋳片を厚さ方向に圧下する態様が示されている。なお、図5では、バックアップロール6を備えた6段のロールを有する第1の圧下ロール4、および、3段のロールを有する第2の圧下ロール5を例示したが、本発明に係る連続鋳造鋳片1の製造装置はこの態様に限定されない。
また、図2は、本発明に係る連続鋳造鋳片の製造方法に含まれる工程の一例を示す説明図である。
図2に示すように、第1圧下凹部2は、連続鋳造設備に備えられる第1の圧下ロール4により、鋳片の表面を押圧することによって形成される。また第2圧下凹部3は、第1の圧下ロール4の下方(後段)に設置された第2の圧下ロール5によって、第1圧下凹部2の底表面を押圧することによって形成される。
(1)連続鋳造設備
本発明に係る連続鋳造鋳片1を製造する連続鋳造設備の種類は特に限定されるものではなく、垂直曲げ型、曲げ型、垂直型の何れにも適用可能である。ただし、厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する連続鋳造鋳片1を製造しやすい形態にする観点からは、垂直型であることが好ましい。垂直曲げ型や曲げ型である場合には、例えば、電磁撹拌等を行うことにより、粒状等軸晶を上下対称に有する連続鋳造鋳片1を製造することができる。電磁撹拌は、垂直型にも適用することができ、垂直型に電磁撹拌を適用することにより、より一層、厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する連続鋳造鋳片1を製造しやすくなる。
更に、溶鋼の過熱度(鋳造中の鋳片内の溶鋼温度と凝固開始温度との差)を調整しながら、電磁撹拌の強度を上下面で調整することや、電磁撹拌を多段にしてその撹拌強度を上下面で調整すること等も、等軸晶厚みの調整に有効である。
(2)第1の圧下ロール4
第1の圧下ロール4は、鋳片を圧下することにより、鋳片の少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を成形する。
第1の圧下ロール4は鋳型から出た鋳片内溶鋼の流動限界固相率の直前位置に設置することが好ましく、凝固収縮に見合う圧下、すなわち、ポロシティの発生原因になる凝固収縮の分だけ鋳片の厚さを薄くする圧下(軽圧下)を行なうことにより、溶鋼流動の発生を防止する。具体的には、上記直前位置における鋳片の固相率は0.3〜0.7程度である。鋳片の固相率が0.3未満の位置で第1の圧下ロール4による圧下を行うと、固相率0.3未満では完全な液体と同じ振る舞いをするため、液体を鋳造方向の上流側に押し出すだけであり、中心偏析やポロシティには全く影響しない。また、鋳片の固相率が0.7を超える位置で第1の圧下ロール4による圧下を行うと変形抵抗が急激に増加するため、設備上の制約から圧下することが困難となる。そのため、このような事態を回避するために、鋳片の固相率が0.3〜0.7である位置で第1の圧下ロール4による圧下を行うことが好ましい。この位置で1段目の圧下を行なうことにより、センターポロシティの初期径を小さくすることができると想定される。
凝固収縮は鋳造幅の両端を除いたほぼ全域で生ずる。そのため、第1の圧下ロール4で圧下することにより形成される第1圧下凹部2は、幅広であることが必要であり、第1圧下凹部2の両端と鋳片端面との距離aが0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dであることが好ましい。ここで鋳造幅Wの両端を除いたのは、鋳片端部からも凝固が進行するからである。なお鋳造幅Wと同等以上の長さを持った通常のロールでは、ロールが圧下の反力によって変形しやすい。そのため、第1の圧下ロール4は、圧下鋳造幅よりも短い圧下幅を持つロールとしておくことが必要である。
第1の圧下ロール4によって、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片は、鋳片端部表面からの第1圧下凹部2の凹み量d1が0.08〜1.1mmとなるように圧下される。また、鋳片端部表面からの第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように圧下される。
(3)第2の圧下ロール5
第2の圧下ロール5は、第1の圧下ロール4よりも幅狭の形状を有し、中間成形品の第1圧下凹部2の底表面をさらに圧下することにより、第1圧下凹部2よりも幅狭の第2圧下凹部3を成形する。
第2の圧下ロール5は、第1の圧下ロール4よりも下流側で、且つ、鋳型から出た鋳片内溶鋼の流動限界固相率と完全凝固位置までの間に配置することが好ましい。鋳片内に発生するポロシティを、第2の圧下ロール5による圧下で圧着することによって、センターポロシティを低減させる。具体的には、鋳型から出た鋳片内溶鋼の流動限界固相率と完全凝固位置までの間における鋳片の固相率は、0.7〜1.0程度である。鋳片の固相率が0.7未満の位置で第2の圧下ロール5による圧下を行うと等軸晶の移動が大きくなるため、中心偏析とポロシティが悪化する。そのため、このような事態を回避するために、鋳片の固相率が0.7〜1.0である位置で第2の圧下ロール5による圧下を行うことが好ましい。この位置で第2の圧下ロール5による2段目の圧下を行うことにより、センターポロシティを圧着してこれを低減させることができる。
鋳片の固相率が0.7〜1.0の段階では、センターポロシティ発生領域は、鋳造幅の中央付近に縮小している。そのため、第2圧下凹部3は、第1圧下凹部2よりも幅狭として、より集中的な圧下を加えて成形するものとする。これにより、センターポロシティを強力に圧着させることができる。第2圧下凹部3の両端(つまり第2の圧下ロール5の両端)と鋳片端面との距離aは、0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dとすることが好ましい。
第2の圧下ロール5によって、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであって、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片は、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の凹み量dが1.2〜12mmとなるように圧下される。また、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように圧下される。
第1圧下凹部2の凹み率や凹み量、第2圧下凹部3の凹み率や凹み量を上述の範囲に特定することにより、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を1.5×10−4cm/g以下という低レベルに引き下げることができる。
なお、連続鋳造設備では鋳型から垂下する鋳片の片面を基準面とし、他方の面を凝固収縮に対応させて傾斜するようにサポートロールを配置することが一般的である。ここで、図5に示した実施形態では、第1の圧下ロール4および第2の圧下ロール5を基準面の反対側に配置した。そのため、図1において、第1圧下凹部2、および、当該第1圧下凹部2よりも幅狭の第2圧下凹部3は、連続鋳造鋳片1の片面だけに形成されている。つまり、図示した形態において、第1の圧下ロール4および第2の圧下ロール5は、片面にのみ配置されている態様となっている。本発明は当該形態に限定されず、連続鋳造鋳片の両面に、第1の圧下ロール4、および、第2の圧下ロール5を設けることも可能である。
また、図5に示したように、第1の圧下ロール4および第2の圧下ロール5は、それぞれ複数本を用いることができる。この場合、隣接する圧下ロールのピッチは、連続鋳造設備のサポートロールのピッチと同一とすることが好ましい。
3.本発明に係る連続鋳造鋳片1の製造方法
本発明に係る連続鋳造鋳片1の製造方法は、鋳片に、第1圧下凹部2を形成する第1の工程と、第2圧下凹部3を形成する第2の工程とを備える。
このような2段階の圧下を行なうことにより、圧下ロールに過度の負担を加えることもなく、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を低レベルに引き下げることができる。
(1)第1の工程
第1の工程では、前述の第1の圧下ロール4によって、鋳片を圧下することにより、鋳片の少なくとも片側の長辺表面に幅広の第1圧下凹部2を形成する。
第1の圧下ロール4は、固相率が0.3〜0.7となる領域に備えられることが好ましい。すなわち、第1の工程は、鋳片の固相率が0.3〜0.7となる領域で行われることが好ましい。
第1の工程では、第1の圧下ロール4によって、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片を、鋳片端部表面からの第1圧下凹部2の凹み量dが0.08〜1.1mmとなるように圧下する。また、鋳片端部表面からの第1圧下凹部2の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように圧下する。
(2)第2の工程
第2の工程では、前述の第2の圧下ロール5によって、第1の工程で形成された第1圧下凹部2の底表面をさらに圧下することにより、幅狭の第2圧下凹部3を形成する。
第2の圧下ロール5は、第1の圧下ロール4の下流側で、且つ、固相率が0.7〜1.0となる領域に備えられることが好ましい。すなわち、第2の工程は、第1の工程の下流側で、且つ、鋳片の固相率が0.7〜1.0となる領域で行われることが好ましい。
第2の工程では、第2の圧下ロール5によって、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片を、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の凹み量dが1.2〜12mmとなるように圧下する。また、第1圧下凹部2の底表面からの第2圧下凹部3の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように圧下する。
第1圧下凹部2の凹み率や凹み量、第2圧下凹部3の凹み率や凹み量を特定することにより、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を1.5×10−4cm/g以下という低レベルに引き下げることができる。
4.厚鋼板の製造装置0
図6は、本発明に係る厚鋼板の製造装置0の構成の概要を示す説明図である。また、図5は、厚鋼板の製造装置0に備えられる連続鋳造鋳片の製造装置を説明する図である。図6では、第1の圧下ロール4と、第2の圧下ロール5と、サポートロールの区別をせずに、ロール65として示すものとする。ロールの詳細については、図5に記載されている。図5では、連続鋳造設備の鋳型69の下方において、第1の圧下ロール4と第2の圧下ロール5とが配置され、凝固終了位置の近傍において鋳片を厚さ方向に圧下する態様が示されている。
図5、6に示すように、本発明に係る厚鋼板の製造装置0は、第1の圧下ロール4と、第2の圧下ロール5とを備えた本発明の連続鋳造鋳片の製造装置と、圧延機3とを備える。
連続鋳造設備に備えられた第1の圧下ロール4および第2の圧下ロール5を用いて、最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下であり、且つ、偏析が低減された連続鋳造鋳片61を製造する。そして、この連続鋳造鋳片61について、連続鋳造設備よりも下流側に備えられる圧延機63によって、最大形状比が0.2〜0.65の条件で圧延を行う。これにより、超音波探傷試験に合格するレベルの厚鋼板62を製造する。
図6に示すように、本発明に係る厚鋼板の製造装置0では、図示しない取鍋からタンディッシュ66に注入された溶鋼69を(水冷)鋳型67に注入し、鋳型67内で凝固シェルを形成することにより、内部に未凝固部を有する鋳片60とする。そして、鋳片60を冷却しながら、複数のロール65(詳しくは、サポートロールや、第1の圧下ロール4や、第2の圧下ロール5。)によって下流側へ引き抜かれると同時に、圧下されることによって、連続鋳造鋳片61を製造する。その後、切断機68により所定の長さに切断された鋳片61は、加熱炉に装入されて所定の温度に加熱された後に、圧延機63で鋼片へと圧延することによって、鋼板62が製造される。
第1の圧下ロール4および第2の圧下ロール5については上述の通りであるため、ここでは圧延機63について以下に詳述する。
(1)圧延機63
圧延機63は、鋳片を最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延する。好ましくは、鋳造厚Dに対する圧延後の鋼板厚みが、50%〜80%となるように構成される。
具体的には、鋳造厚Dが230〜380mm、鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3であり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片を圧延した後の鋼板厚みを、150〜300mmとするように、圧延機3が設けられることが好ましい。
圧延条件としては、好ましくは1050〜1240℃、さらに好ましくは1050〜1230℃の加熱が適用できる。従来は、形状比γが0.7以上の強圧延が必要であったため、鋳片を1250℃以上にまで高温加熱する必要があった。これに対し、本発明によれば、1240℃以下であっても、センターポロシティに起因した内部欠陥を超音波探傷試験に合格するレベルにまで減少させた厚鋼板を製造することができる。また、従来のように鋳片を1250℃以上にまで高温加熱する必要がないため、製造コストを大幅に引き下げることができる。
圧延機63は、特に限定されるものではなく、周知の圧延機を適用できる。当業者にとっては周知慣用であるので、圧延機63の仕様に関する説明は省略する。
本発明によれば、第1の圧下ロール4、第2の圧下ロール5による圧下によって、センターポロシティおよび偏析が低減された連続鋳造鋳片61を得られるため、圧延機63によって強圧延する必要はない。
5.厚鋼板の製造方法
本発明の厚鋼板の製造方法は、本発明の連続鋳造鋳片の製造方法によって連続鋳造鋳片61を製造する鋳片製造工程と、得られた連続鋳造鋳片61を圧延することにより鋼板62を製造する圧延工程と、を備える。本発明の連続鋳造鋳片の製造方法については上述の通りであるため、ここでは説明を省略し、圧延工程について、以下に説明する。
<圧延工程>
圧延工程では、本発明の連続鋳造鋳片の製造方法によって連続鋳造鋳片61を製造する鋳片製造工程によって得られた、センターポロシティおよび偏析が低減された連続鋳造鋳片61を、前述の圧延機63によって、最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延する。
圧延工程によって、鋳造厚Dに対する圧延工程終了後の鋼板厚みが、50%〜80%となることが好ましい。
また、圧延工程によって、圧延工程終了後の鋼板厚みが150〜300mmとなるように圧延されることが好ましい。
従来の方法で製造された鋳片の最大ポロシティ体積は6×10−4cm/g程度以上であった。そのため、従来は、鋳片を高温加熱したうえで最大形状比が0.7以上の強圧延を行なわなければ、超音波探傷試験に合格することができなかった。これに対し、本発明の連続鋳造鋳片の製造方法によって製造された鋳片は、センターポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下に抑制されている。そのため、圧延工程では、最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延することにより、センターポロシティを超音波探傷試験に合格するレベルにまで減少させた厚鋼板を製造することができる。この場合には、鋳片を1240℃以下に通常加熱するだけでよいため、製造コストを引き下げることが可能となる。ここで最大形状比は多パスで厚鋼板を熱間圧延した場合の1パス当りの最大となる形状比を示している。
本発明によって製造された厚鋼板は、センターポロシティに起因する内部欠陥を超音波探傷試験に合格するレベルにまで減少させたものであり、しかも従来よりも安価に製造することができる利点がある。
6.本発明で製造される厚鋼板
本発明によって製造される厚鋼板は、板厚が150mm以上の熱間圧延鋼板である。本発明によって製造される厚鋼板は、超音波探傷検査によって検出される内部欠陥の少ない厚鋼板であるため、特に原子炉、ボイラ、圧力容器等に好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
1)連続鋳造鋳片の鋳造試験
鋳造厚Dが300mm、鋳造幅Wが2000mm、D/W値が0.15である鋳片を、中心固相率fs=0.05〜0.2でストランド内電磁撹拌を実施しながら、垂直型連続鋳造設備により鋳造した。
鋳片は、鋳片の固相率が0.3〜0.7となる領域において、一定ピッチで配置された6本の幅広の圧下ロールによって圧下され、さらにその下流側の鋳片の固相率が0.7〜1.0となる領域において、一定ピッチで配置された3本の幅狭の圧下ロールによって圧下された。
なお、固相率は一般的な有限差分法による伝熱計算によって求められた。
垂直型連続鋳造設備によって鋳造された鋳片(スラブ)の表面には、鋳片端面との距離が200mmである幅広の第1圧下凹部と、鋳片端面との距離が300mmである幅狭の第2圧下凹部とが形成された。鋳片端部表面からの第1圧下凹部の凹み量は0.4mm、第1圧下凹部からの第2圧下凹部の凹み量は3.8mmであった。
第1圧下凹部の鋳片端部表面からの凹み率は0.13%であり、第2圧下凹部の第1圧下凹部からの凹み率は1.27%であった。
このスラブの1/4厚み部とセンター部とから長さ50mm、幅100mm、厚さ7mmのサンプルを切り出し、前述の方法でセンターポロシティ体積Pvを求めたところ、その最大値は1.0×10−4cm/gであった。この値は、従来のスラブの1/6以下であった。
この他、鋳造厚Dが230〜380mm、鋳造幅Wが1500〜2400mm、D/Wが0.1〜0.3であり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片で、各凹み量を様々に変化させて試験鋳造を行ない、同様にセンターポロシティ体積を求めた。結果を図3のグラフに示す。図3の縦軸は、第1圧下凹部の凹み量d(mm)であり、同横軸は第2圧下凹部の凹み量d(mm)である。この試験鋳造において、鋳片の最大センターポロシティ体積が1.5×10−4cm/g以下となる範囲を実線で囲んだ。
また、縦軸を第1圧下凹部の凹み率で表わし、横軸を第2圧下凹部の凹み率で表わした結果を図4のグラフに示す。この試験鋳造において、鋳片の最大センターポロシティ体積が1.5×10−4cm/g以下となる範囲を実線で囲んだ。なお、鋳片厚Dmm、第1圧下凹部の凹み量d、第2圧下凹部の第1圧下凹部の底表面からの凹み量dとすると、第1圧下凹部の凹み率はd/D、第2圧下凹部の凹み率はd/Dであるが、凹み率の値はともに小さいので、図4の縦軸、横軸は100倍して%に換算して示した。
<評価>
本発明によれば、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を低レベルに引き下げることができることが確認できた。
特に、第1圧下凹部の凹み率や凹み量、第2圧下凹部の凹み率や凹み量を特定することにより、スラブ鋳片の最大ポロシティ体積を1.5×10−4cm/g以下という低レベルに引き下げることができることが確認できた。従来のスラブのセンターポロシティ体積Pvは、6〜10×10−4cmであるため、今回の結果によれば、従来よりも最大センターポロシティ体積を数分の1以下に低減させた鋳片を提供できることが確認できた。
2)厚鋼板の製造試験
鋳造厚D、鋳造幅W、D/Wが表1に示す条件であり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片を、垂直型連続鋳造設備により鋳造した。鋳片は、鋳片の固相率が表1に示す領域に配置された6本の第1の圧下ロール(直径250mm)によって圧下され、さらに第1の圧下ロールの下流であって、鋳片の固相率が表1に示す領域に配置された3本の第2の圧下ロール(直径500mm)によって圧下された。なお、第1の圧下ロールおよび第2の圧下ロールの、凹み量や凹み率などの条件は、表1に示された通りであった。第1の圧下ロールは、鋳造幅Wよりも圧下幅が狭くなるもので、鋳片端面からの距離が105〜320mmの範囲となるものを使用した。第2の圧下ロールは、第1の圧下ロールによる圧下幅よりも狭くなるもので、鋳片端面からの距離が155〜370mmの範囲となるものを使用した。なお、第1の圧下ロールよりも直径が大きい第2の圧下ロールを使用したのは、第1の圧下ロールよりも温度が下がった鋳片を圧下する際に、鋳片の厚さ方向中心まで圧下しやすくするためである。
作成した鋳片(スラブ)の1/4厚み部とセンター部とから長さ50mm、幅100mm、厚さ7mmのサンプルを切り出し、前述の方法でセンターポロシティ体積を求めた。求めたセンターポロシティ体積は、表2に示す通りであった。
次にこれらの鋳片(スラブ)を加熱して、直径600mmのロールを使って表1に示す通りの様々な形状比で圧延することにより、厚鋼板を製造した。加熱条件は、表2に示す通りであった。
得られた厚さ150〜300mmの厚鋼板に対して超音波探傷試験を行なった。超音波探傷試験方法は、JIS G 0801:2008「圧力容器用鋼板の超音波探傷方法」に定められている。本試験では、表3に示すとおり、より厳しい基準となる「基準A」、及び「基準B」を使用して合格判定した。
「基準A」と「基準B」を比較すると、「基準B」がより厳しい基準である。本実施例においては、「基準B合格」と明記されたものは、「基準A」にも合格するものである。
Figure 2016114319
表1において、「溶鋼過熱度(℃)」は、タンディッシュにおいて鋼の成分によって決まる液相線温度に上乗せする温度である。また、実施例1乃至実施例15、比較例a乃至比較例i、比較例m、比較例nは、第1の圧下ロールおよび第2の圧下ロールとして、何れも表面が凸状のロールを使用した。これに対し、比較例jは、第1の圧下ロールとして表面が平滑面のロールを使用し、第2の圧下ロールは使用しなかった。また、比較例k乃至比較例lは、第1の圧下ロールおよび第2の圧下ロールとして、何れも表面が平滑面のロールを使用した。
また、すべての実施例および比較例において、凹み量は、表1に記載した値に「10−4」を乗じた値とした。
Figure 2016114319
表2において、「厚さ中心部の凝固形態」は、鋳片製造工程後且つ圧延工程前の鋳片からサンプルを切り出し、鋳片幅中央部50mm、1/2厚100mmの等軸晶帯において、塩化第二銅、ピクリン酸飽和水溶液、および、80℃の温水を用いて調製した腐食液で現出した凝固組織を観察した結果である。
「等軸晶率(%)」は、鋳片1/2厚に対する、鋳片の厚さ方向上側半分に等軸晶が生成した領域の厚さの割合である。また、「等軸晶径(mm)」は、凝固組織に二値化画像処理を施して測定した約100個の等軸晶の、円相当径の平均値である。「凝固組織の均一性」は鋳片の厚さ中央を境にした鋳片上側半分と鋳片下側半分における、等軸晶率の差が5%以内を均一とし、5%超を不均一とした。図7に、鋳片横断面の模式図を示す。
「最大偏析厚み」は、鋳片製造工程後且つ圧延工程前の鋳片から切り出したサンプルの、鋳片の幅方向全体を観察することにより特定した、偏析厚みの最大値である。図8に、粒状晶と最大偏析厚みの例を示す。また、図9に、分岐樹脂状晶と最大偏析厚みの例を示す。
また、「ポロシティ体積」は、表2に記載した値に「10−4」を乗じた値とした。
また、「圧下率」は、圧延前の鋳片厚みに対する圧延工程における圧下厚み(=圧延前の鋳片厚み−圧下後の鋼片厚み)の割合である。
また、「探傷結果」欄における「×」は、A不合格且つB不合格であったことを意味する。
また、「総合評価」は、「最大偏析厚み≦0.5mm」、且つ、「最大形状比<0.7」、且つ、「ポロシティ体積<2.5×10−4cm/g」、且つ、「探傷結果×以外」を満たすものを、合格とした。
表1および表2に示されるように、本発明の連続鋳造鋳片の製造方法で製造した鋳片(以下において、「実施例の鋳片」と称することがある。)は、均一な粒状等軸晶を有し、且つ、径が1.3mmである小さい粒状等軸晶であった。そして、実施例の鋳片は、最大偏析厚みが0.50mmであるため、偏析が低減されていた。さらに、実施例の鋳片は、ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下であった。従来の鋳片は、ポロシティ体積が6〜10×10−4cm/g程度であったため、本発明によれば、ポロシティ体積を低減することができた。これらの結果から、本発明によれば、鋳造中にセンターポロシティおよび偏析を低減した連続鋳造鋳片を提供できることがわかった。
Figure 2016114319
最大ポロシティ体積と圧延ロールによる圧延の最大形状比と超音波探傷試験の合否との関係を示すグラフを図10に示した。
図10の分布図に示されるように、最大ポロシティ体積が6×10−4cm/g程度の従来の鋳片を用いた場合には、探傷基準Aでは最大形状比が0.7以上の強圧延を行なわなければ超音波探傷試験に合格させることができなかった。また、探傷基準Bでは、最大ポロシティ体積が3×10−4cm/gの鋳片を用いた場合にも、最大形状比が0.7以上の強圧延を行なわなければ超音波探傷試験に合格させることができなかった。
これに対して、第1の圧下ロールと第2の圧下ロールとの圧下を調整して製造した鋳片は、多少ばらつきはあるものの、最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下となり、これらの鋳片を用いた場合、探傷基準Bにおいて後工程の圧延の最大形状比を0.65以下にまで低下させても超音波探傷試験合格となった。
また、その際の圧延時の加熱温度は1050〜1230℃の範囲であった。
特に、図10に示されるように、最大ポロシティ体積を1.0×10−4cm/gのレベルまで低下させることにより、最大形状比が0.2であっても、基準Aを満足させることができることがわかった。
これらの結果を踏まえると、本発明によれば、最大形状比が0.2〜0.65の範囲の圧延であっても、超音波探傷試験に合格するレベルの厚鋼板を製造できることがわかった。なお、圧延時の加熱温度は1050〜1230℃の範囲であればよく、従来のように鋳片を1250℃以上にまで高温加熱することが必要ないため、厚鋼板の製造コストを大幅に引き下げることができる。
以上に説明したように本発明によれば、形状比γが0.7以上の強圧延を行なうことなく安価に、超音波探傷試験に合格するレベルの厚鋼板を製造することが可能となった。
0:厚鋼板の製造装置
1:連続鋳造鋳片
2:第1圧下凹部
3:第2圧下凹部
4:第1の圧下ロール
5:第2の圧下ロール
6:バックアップロール
60:鋳片
61:連続鋳造鋳片
62:鋼板
63:圧延機
65:ロール
66:タンディッシュ
67:鋳型
68:切断機
69:溶鋼

Claims (23)

  1. 鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片であって、
    少なくとも片側の長辺表面に、第1圧下凹部と、該第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、前記第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部とを有し、
    鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の凹み量dが0.08〜1.1mmであり、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の凹み量dが1.2〜12mmであることを特徴とする、連続鋳造鋳片。
  2. 鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片であって、
    少なくとも片側の長辺表面に、第1圧下凹部と、該第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、前記第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部とを有し、
    鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%であるとともに、前記第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%であることを特徴とする、連続鋳造鋳片。
  3. 前記鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%であるとともに、前記第1圧下凹部の底表面からの第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%であることを特徴とする、請求項1に記載された連続鋳造鋳片。
  4. 前記第1圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dであり、前記第2圧下凹部の両端と前記鋳片端面との距離が0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dであることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載された連続鋳造鋳片。
  5. 最大ポロシティ体積が、1.5×10−4cm/g以下であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載された連続鋳造鋳片。
  6. 鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片に、第1の圧下ロールを用いて圧下を行うことにより、前記鋳片の少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を形成する第1の工程と、
    前記第1の圧下ロールよりも幅狭の第2の圧下ロールを用いて、前記第1の工程で形成された前記第1圧下凹部の底表面をさらに圧下することにより、前記第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を形成する第2の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程で、鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の凹み量dが0.08〜1.1mmとなるように、前記鋳片を圧下し、
    前記第2の工程で、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の凹み量dが1.2〜12mmとなるように、前記鋳片を圧下することを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造方法。
  7. 鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片に、第1の圧下ロールを用いて圧下を行うことにより、前記鋳片の少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を形成する第1の工程と、
    前記第1の圧下ロールよりも幅狭の第2の圧下ロールを用いて、前記第1の工程で形成された前記第1圧下凹部の底表面をさらに圧下することにより、前記第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を形成する第2の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程で、鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように、前記鋳片を圧下し、
    前記第2の工程で、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように、前記鋳片を圧下することを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造方法。
  8. 前記第1の工程で、前記鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように、前記鋳片を圧下し、
    前記第2の工程で、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように、前記鋳片を圧下することを特徴とする、請求項6に記載された連続鋳造鋳片の製造方法。
  9. 前記第1の圧下ロールを、固相率が0.3〜0.7となる領域に備え、前記第2の圧下ロールを、前記第1の圧下ロールの下流側で、且つ、固相率が0.7〜1.0となる領域に備えることを特徴とする、請求項6〜8の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造方法。
  10. 前記第1圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dとなり、前記第2圧下凹部の両端と前記鋳片端面との距離が0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dとなることを特徴とする、請求項6〜9の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造方法。
  11. 前記第1の工程および前記第2の工程を経て製造した連続鋳造鋳片の最大ポロシティ体積が、1.5×10−4cm/g以下であることを特徴とする、請求項6〜10の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造方法。
  12. 鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片の、少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を有する中間成形品を成形する第1の圧下ロールと、
    前記第1の圧下ロールよりも幅狭の形状を有し、前記第1の圧下ロールよりも下流側に配置され、前記中間成形品の前記第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、前記第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を成形する第2の圧下ロールと、
    を備え、
    前記第1の圧下ロールを、鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の凹み量dが0.08〜1.1mmとなるように備え、前記第2の圧下ロールを、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の凹み量dが1.2〜12mmとなるように備えることを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造装置。
  13. 鋳造厚Dと鋳造幅Wとの比D/Wが0.1〜0.3、鋳造厚Dが230〜380mmであり、且つ、少なくとも厚さ方向中央に、粒状等軸晶を上下対称に有する鋳片の、少なくとも片側の長辺表面に第1圧下凹部を有する中間成形品を成形する第1の圧下ロールと、
    前記第1の圧下ロールよりも幅狭の形状を有し、前記第1の圧下ロールよりも下流側に配置され、前記中間成形品の前記第1圧下凹部の底表面からさらに凹んだ、前記第1圧下凹部よりも幅狭の第2圧下凹部を成形する第2の圧下ロールと、
    を備え、
    前記第1の圧下ロールを、鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように備え、前記第2の圧下ロールを、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように備えることを特徴とする、連続鋳造鋳片の製造装置。
  14. 前記第1の圧下ロールを、前記鋳片端部表面からの前記第1圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.03〜0.36%となるように備え、前記第2の圧下ロールを、前記第1圧下凹部の底表面からの前記第2圧下凹部の鋳造厚Dに対する凹み率が0.6〜4%となるように備えることを特徴とする、請求項12に記載された連続鋳造鋳片の製造装置。
  15. 前記第1の圧下ロールを、固相率が0.3〜0.7となる領域に備え、前記第2の圧下ロールを、前記第1の圧下ロールの下流側で、固相率が0.7〜1.0となる領域に備えることを特徴とする、請求項12〜14の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造装置。
  16. 前記第1の圧下ロールを、前記第1圧下凹部の両端と鋳片端面との距離が0.37×鋳造厚D〜1.0×鋳造厚Dとなるように備え、前記第2の圧下ロールを、前記第2圧下凹部の両端と前記鋳片端面との距離が0.5×鋳造厚D〜1.2×鋳造厚Dとなるように備えることを特徴とする、請求項12〜15の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造装置。
  17. 連続鋳造鋳片の最大ポロシティ体積が、1.5×10−4cm/g以下であることを特徴とする、請求項12〜16の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造装置。
  18. 請求項6〜11の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造方法によって鋳片を製造する、鋳片製造工程と、
    前記鋳片製造工程で製造された、最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下である鋳片を、最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延する、圧延工程と、
    を備えることを特徴とする、厚鋼板の製造方法。
  19. 前記圧延工程によって、鋳造厚Dに対する圧延工程終了後の鋼板厚みが、50%〜80%となることを特徴とする、請求項18に記載された厚鋼板の製造方法。
  20. 前記圧延工程によって、圧延工程終了後の前記厚鋼板の鋼板厚みを150〜300mmとすることを特徴とする、請求項18または19に記載された厚鋼板の製造方法。
  21. 請求項12〜17の何れかに記載された連続鋳造鋳片の製造装置と、該製造装置で製造された鋳片を圧延する圧延機と、を備え、
    前記圧延機は、最大ポロシティ体積が2.5×10−4cm/g以下である前記鋳片を最大形状比が0.2〜0.65の範囲で圧延することを特徴とする、厚鋼板の製造装置。
  22. 前記圧延機は、圧延後の鋼板厚みを、鋳造厚Dに対して50%〜80%とすることを特徴とする、請求項21に記載された厚鋼板の製造装置。
  23. 前記圧延機は、圧延後の鋼板厚みを150〜300mmとすることを特徴とする、請求項21または22に記載された厚鋼板の製造装置。
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