JPWO2016104454A1 - ガラス板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、耐損傷性および耐酸性を有するリン酸塩含有系のガラス板を提供することを目的とする。本発明は、酸化物基準のモル百分率表示で、SiO2を55.5〜80%、Al2O3を12〜20%、Na2Oを8〜25%、P2O5を2.5%以上、かつアルカリ土類金属RO(ROはMgO+CaO+SrO+BaOである)を1%以上含有するガラス板に関する。

Description

本発明の実施形態は、ガラス板に関する。特に、化学強化用ガラス板、すなわち化学強化ガラスに好適に用いることのできるガラス板に関するものである。
近年、情報機器は、タブレットPC、スマートフォンおよび電子書籍リーダー等に見られるようにタッチパネルディスプレイを備えるものが主流となっている。
タッチセンサーガラス、カバーガラスおよびOGS(One Glass Solution)のガラスのいずれのガラスも薄く高強度であることが求められており、イオン交換で化学強化処理を施した化学強化ガラスが用いられている。
これらの化学強化ガラスの強化特性は、一般に、表面圧縮応力(CS:Compressive stress)と圧縮応力深さ(DOL:Depth of layer)で表現されている。
この化学強化によって形成された表面圧縮応力層は、衝撃による亀裂の伝播を妨げる。また、組成の中にリン酸を含有することにより、化学強化特性を低下させることなく、さらなる耐損傷性が得られることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
日本国特表2013−544227号公報 日本国特許第3164223号公報
一方で、リン酸塩系ガラスは耐候性が低く、長期間にわたる使用中において、その表面にヤケや風化作用による浸食が発生しやすいため、実用性に乏しい(例えば、特許文献2参照)。また、カバーガラスにAG(Anti−Glare)処理などの表面改質を行う際、仕上がりがエッチング液濃度の変化に非常に敏感になってしまう。そのため、プロセスマージンが非常に狭くなってしまい、これにより歩留まりが低下したり、コストが多くかかったりする。
本発明は、耐損傷性および耐酸性を有するリン酸塩含有系のガラス板を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るガラス板は、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを55.5〜80%、Alを12〜20%、NaOを8〜25%、Pを2.5%以上、かつアルカリ土類金属RO(ROはMgO+CaO+SrO+BaOである)を1%以上含有することを特徴とする。
該ガラス板は水素量がバルク値の1.05倍となる深さがガラス板の表面から500nm以上であることが好ましく、ガラス板の表面から深さ500nm〜1000nmにおける水素量の平均値がバルク値の1.5倍以上であることが好ましく、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを57〜76.5%、Alを12〜18%、NaOを8〜25%、Pを2.5〜10%、かつアルカリ土類金属ROを1%以上含有することが好ましく、さらにFを0.1%以上含有することが好ましい。
また、化学強化可能であるこれらガラス板がより好ましい。
本発明の実施形態は、耐損傷性および耐酸性を有するリン酸塩含有系のガラス板を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお本明細書において、“質量減”と“重量減”とは同義である。また、数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の実施形態のガラス板は、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを55.5〜80%、Alを12〜20%、NaOを8〜25%、Pを2.5%以上、かつアルカリ土類金属RO(ROはMgO+CaO+SrO+BaOである)を1%以上含有することを特徴とする。
本発明の実施形態のガラス板は、水素量がバルク値の1.05倍以上となる深さが表面から500nm以上となっていることが好ましい。より好ましくは700nm以上、さらに好ましくは1000nm以上である。表面から少なくとも500nmまでの領域にバルク値よりも多い水素が導入されることにより、バルク体と比較し、耐酸性をより向上させることができる。これにより、エッチング処理等におけるプロセスマージンを大幅に広げることが可能となる。ここでバルク値とは、ガラス板から100μm以上の深さにおける水素量の平均値を指し、バルク体とは表面から100μm以上研磨した未処理のガラス板を指す。
また、本発明実施形態のガラス板は、表面から深さ500nm〜1000nmにおける水素量の平均値がバルク値の1.5倍以上であることが好ましい。より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上、特に好ましくは3倍以上である。表面から深さ500nm〜1000nmにおける水素量の平均値がバルク値の1.5倍以上であることにより、バルク体と比較し、耐酸性をより向上させることができる。また、強化特性の低下と応力緩和を防ぐため、上限は10倍以下であることが好ましい。
このように表面に水素を導入することで耐酸性が向上する理由は詳しくは分かっていないが、本発明者らは以下のように考えている。すなわち、表面に導入された水素イオンと水溶液中のオキソニウムイオンや水分子とが電荷的に反発することで、耐酸性が向上していると考えられる。
表面の水素量を上げる方法としては、例えば下記が挙げられる。すなわち、ガラスを所定の形状に成形する工程において、成形温度付近の滞在時間を長くする、または、気圧を上昇させて水の空気中への拡散を抑制する等である。
リン酸やホウ酸などの揮散成分を含むガラスを製造する際には、揮散による堆積物の処理や組成ムラをなくすために、ハンドリング可能な範囲でできるだけ高粘度にし、かつ短時間で行うことで、揮散を抑制するのが一般的である。
一方で、本発明の実施形態において製造工程でガラス表面の水素導入処理を行うにあたっては、ガラス基板表面が形成される、ガラス成形槽での粘度が10000ポイズ以上〜500000ポイズ以下となる温度で行うことが望ましい。
粘度が500000ポイズよりも大きい場合、水素の導入に長時間を要し、生産効率が低下する。一方、粘度が10000ポイズより小さい場合は、水素の導入を短時間で行うことができるが、多量の導入によりバルク値も上昇してしまうため、それによる物性変化が顕著となる。バルク中への過度な水素の導入は、例えば強化特性を低下させる場合がある。
また、他の導入方法としては、ガラス板をTg(ガラス転移点)以上の温度で熱処理する、または、酸もしくはアルカリ処理を行うことが挙げられる。
本発明の実施形態のガラス板は、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを57〜76.5%、Alを12〜18%、NaOを8〜25%、Pを2.5〜10%、かつアルカリ土類金属ROを1%以上含有することが好ましい。
本発明の実施形態のガラス板は、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを55.5〜80%、Alを12〜20%、NaOを8〜25%、Pを2.5%以上、Fを0.1%以上、かつアルカリ土類金属ROを1%以上含有することが好ましい。
本発明の実施形態のガラス板において、ガラス組成を前記範囲に限定した理由を以下に説明する。本明細書において、単なる「%」表記は、特に断りがない限り「モル%」を意味するものである。
SiOはガラスの骨格を構成する成分であり必須である。また、ガラス表面に傷(圧痕)がついた時のクラックの発生を低減させる、または化学強化後に圧痕をつけた時の破壊率を小さくする成分であり、必須である。SiOの含有量が55.5%以上であることによって、ガラスとしての安定性や耐酸性、耐候性またはチッピング耐性の低下を回避できる。SiOの含有量は好ましくは57%以上、より好ましくは59%以上である。SiOの含有量が80%以下であることによって、ガラスの粘性の増大による溶融性の低下を回避することができる。好ましくは76.5%以下、より好ましくは72.5%以下である。
Alはイオン交換性能およびチッピング耐性を向上させるために有効な成分であり、または表面圧縮応力を大きくする成分であり、必須である。Alの含有量が12%以上であることによって、イオン交換により、所望の表面圧縮応力値または圧縮応力層厚みが得られる。Alの含有量が20%以下であることによって、ガラスの粘性の増大を防ぎ、均質な溶融が可能となり、または耐酸性の低下を回避できる。Alの含有量は好ましくは18%以下、より好ましくは16%以下、さらに好ましくは15%以下である。
はイオン交換性能を阻害することなく耐損傷性を向上させる成分であり、必須である。Pの含有量が2.5%以上であることによって、クラック伸展開始荷重(CIL)が高いガラスを得ることができる。好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。また、Pの含有量を10%以下とすることにより、特に耐酸性に優れたガラスを得ることができる。
NaOはイオン交換により表面圧縮応力層を形成させ、またガラスの溶融性を向上させる成分であり、必須である。NaOの含有量が8%以上であることによってイオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することができ、好ましくは10%以上、より好ましくは12%以上、さらに好ましくは14%以上である。NaOの含有量が25%以下であることによって、耐候性または耐酸性の低下または圧痕からのクラックの発生を回避できる。NaOの含有量は好ましくは20%以下、より好ましくは18%以下である。
Oは必須ではないがイオン交換速度を増大させるため、KOは5%以下の範囲で含有してもよい。KOの含有量が5%以下であることによって、圧痕からのクラックの発生を回避でき、または硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化の増大を回避できる。KOの含有量は好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。硝酸カリウム溶融塩中のNaNO濃度による表面圧縮応力の変化を小さくしたい場合にはKOは含有しないことが好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOのアルカリ土類金属酸化物(アルカリ土類金属RO)は、耐候性向上のために有効であり、また、ガラスの粘性を下げて溶融しやすくする成分である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は1%以上であることが好ましく、1.5%以上であることがより好ましい。また、失透とイオン交換速度の低下を抑制することができることから、上限は15%以下が好ましい。より好ましくは10%以下、さらに好ましくは7%以下である。
なお、各成分の好ましい含有量は以下の通りである。
MgOは表面圧縮応力を大きくする成分であり、また溶融性を向上させる成分であるため、15%以下の範囲で含有してもよい。MgOの含有量が15%以下であることによって、ガラスの失透、またはイオン交換速度の低下を回避できる。MgOの含有量は好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下である。
CaOは高温での溶融性を向上させる、または失透を起こりにくくするために5%以下の範囲で含有してもよい。CaOの含有量が5%以下であることによって、イオン交換速度またはクラック発生に対する耐性の低下を回避できる。CaOの含有量は好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
SrOは必要に応じて含有してもよいが、MgO、CaOに比べてイオン交換速度を低下させる効果が大きいので含有する場合であってもその含有量は3%以下であることが好ましい。典型的にはSrOは含有しない。
BaOはアルカリ土類金属酸化物の中でイオン交換速度を低下させる効果が最も大きいので、BaOは含有しないこととするか、含有する場合であってもその含有量は3%以下であることが好ましい。典型的にはBaOは含有しない。
ZrOは硬度を向上させ、または軟化点を上げて応力緩和を抑制し、または耐酸性を改善する成分であり、8%以下の範囲で含有しても良い。ZrOが8%以下であることによって、圧痕からのクラックの発生、または失透温度の増大を回避できる。ZrOの含有量は、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。
Fは、化学耐久性を向上させる成分である。Fの含有量が0.1%以上であることによって、耐酸性を向上させることができる。なお、フッ素原料としては、SnF、ZnF、AlF、MgF、SrFまたはCaFが使用できる。また、揮散や失透を防ぎ、安定して製造することができることから、上限は5%以下が好ましい。
その他、ガラスの溶融の清澄剤として、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。本発明のガラス板は本質的に以上で説明した成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それら成分の含有量の合計は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、典型的には1%以下である。
本発明の実施形態のガラス板は、ビッカース圧子を用いて圧痕を形成した際の、クラックの発生率が50%となるビッカース圧子の押し込み荷重が300gf以上であることが好ましく、400gf以上であることがより好ましく、500gf以上であることがさらに好ましい。前記ビッカース圧子の押し込み荷重が300gf未満であると、化学強化処理前の製造工程や輸送の際に傷が入りやすく、また、化学強化処理を行ったとしても所望の強度が得られない可能性がある。
本発明の実施形態のガラス板は、通常、板形状をしているが、平板でも曲げ加工を施したガラス板でもよい。本実施形態のガラスは、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法など、既知のガラス成形方法によって平板形状に成形されたガラス板である。
本発明の実施形態のガラス板は、既存の成形法で成形可能な寸法を有する。すなわち、フロート法で成形すれば、フロート成形幅の連続したリボン状のガラスが得られる。また、最終的には使用目的に適した大きさに切断される。
すなわち、本発明に係るガラス板は、タブレットPCまたはスマートフォン等のディスプレイの大きさや、ビルまたは住宅の窓ガラスの大きさとなる。本実施形態のガラスは、一般的には矩形に切断されているが、円形または多角形などの他の形状でも問題なく、孔あけ加工を施したガラスも含まれる。
<化学強化処理>
本発明に係るガラス板は、化学強化処理可能なガラス板、すなわち化学強化用ガラス板であることが好ましい。化学強化処理は、従来公知の方法によって行うことができる。また、化学強化処理の前に、用途に応じた形状加工、例えば、切断、端面加工および孔あけ加工などの機械的加工を行うことが好ましい。
化学強化処理により、大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、Kイオン)を含む金属塩(例えば、硝酸のカリウム)の融液に浸漬などによって、ガラス基板を接触させることにより、ガラス基板中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、NaイオンまたはLiイオン)が大きなイオン半径の金属イオンと置換される。
化学強化処理は、例えば、300〜550℃の硝酸カリウム溶融塩中にガラス板を5分〜20時間浸漬することによって行うことができる。イオン交換条件は、ガラスの粘度特性や、用途、板厚、ガラス内部の引っ張り応力等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
イオン交換処理を行うための溶融塩としては、例えば、硝酸カリウム、硫酸カリウムおよび塩化カリウム等のアルカリ硝酸塩、アルカリ硫酸塩およびアルカリ塩化物塩などが挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、化学強化特性を調整するために、ナトリウムを含む塩を混ぜてもよい。
本発明の実施形態において、化学強化処理の処理条件は、特に限定されず、ガラスの特性および溶融塩等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
なお、化学強化ガラスの表面圧縮応力層の深さおよび表面圧縮応力値は、表面応力計(例えば、折原製作所製FSM−6000)等を用いて測定することができる。
本発明の実施形態のガラス板を化学強化処理することにより、化学強化ガラスを得ることができる。化学強化ガラスを用いる製品としては、例えば、デジタルカメラ、携帯電話および携帯情報端末(PDA)といったディスプレイ装置などのカバーガラス並びにディスプレイのガラス基板が挙げられる。
本発明の実施形態のガラス板の用途は、特段限定されない。化学強化した場合、高い機械的強度を有することから、化学強化したものは落下による衝撃や、他の物質との接触が予想される箇所への使用に好適である。
具体的には、例えば、携帯電話機(スマートフォン等の多機能情報端末を含む。)、PHS、PDA、タブレット型端末、ノート型パーソナルコンピューター、ゲーム機、携帯音楽・動画プレーヤー、電子ブック、電子端末、時計、カメラまたはGPS等のディスプレイ部分用のカバーガラス、及びこれらの機器のタッチパネル操作用モニターのカバーガラス、電子レンジ、オーブントースター等の調理器のカバーガラス、電磁調理器等のトッププレート、メーター、ゲージ等の計器類のカバーガラス並びにコピー機またはスキャナ等の読み取り部分用のガラス板等の機械または機器類の保護用途がある。
また、例えば、車両、船舶、航空機等の窓用ガラス、家庭用または産業用の照明機器、信号、誘導灯、電光掲示板のカバーガラス、ショーケースおよび防弾ガラス等の用途が挙げられる。太陽電池保護用のカバーガラスおよび太陽電池の発電効率を高めるための集光用のガラス材又は薄膜太陽電池の基板等の用途が挙げられる。
また、例えば、各種の鏡面用のガラス、さらには、HDD等の情報記憶媒体の基盤、CD、DVD、ブルーレイディスク等の情報記録媒体の基板としての用途がある。
また、例えば、水槽、皿やコップ等の食器、びん又はまな板等の各種の調理器具、食器棚、冷蔵庫の棚板及び壁、屋根または仕切り等の建材としての用途が挙げられる。
これらの用途に加え、本発明の実施形態のガラス板を化学強化処理して製造される化学強化ガラスは、液晶、プラズマ、有機EL等の各種画像表示装置に組み込まれるディスプレイ用ガラス材としても好適である。
以下に本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[ガラス板の作製]
表1、表2の実施例1〜7、および比較例1〜2についてSiOからFまでの欄にモル百分率表示で示す組成になるように、酸化物、水酸化物、炭酸塩または硝酸塩等一般に使用されているガラス原料を適宜選択し、ガラスとして900gとなるように秤量した。ついで、混合した原料を白金製るつぼに入れ、1650℃の抵抗加熱式電気炉に投入し、4時間溶融し、脱泡、均質化した。得られた溶融ガラスを型材に流し込み、Tg+30℃の温度で1時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却し、ガラスブロックを得た。このガラスブロックを切断、研削し、最後に両面を鏡面に加工して、サイズが20mm×20mm、厚みが1mmである板状ガラスを得た。
また、実施例6及び7について、得られたガラスを表2の所定の温度および時間で熱処理することにより、最表面の水素導入処理を行った。
これらガラスの50%CIL(gf)、耐酸性(単位:mg/cm)、耐酸性改善率(%)、水素量の「バルク値、500−1000nm深さ平均値、表面/バルク係数」を表1、2に示す。
[物性の測定]
(1)50%CIL
CIL(クラック・イニシエーション・ロード)値は、以下の方法で求めた。ビッカース硬度試験機にて、常温大気雰囲気下でビッカース圧子を15秒押し込んだ後にビッカース圧子をはずし、15秒後に圧痕付近を観測した。観測では、圧痕のコーナーからクラックが何本発生しているかを調査した。測定は、100gf、200gf、300gf、500gf、1kgf、2kgfのビッカース圧子の押し込み荷重別に行った。発生したクラック本数の平均値を荷重ごとに算出し、クラックの発生率が50%となるビッカース圧子の押し込み荷重を50%CILとした。
(2)耐酸性試験
耐酸性は得られた板状ガラスを50℃に温めた0.1mol/lの塩酸に3時間浸漬し、浸漬前後での質量減少量を測定し、それを板状ガラス表面積で除して算出した。
(3)改善率(%)
熱処理前後の耐酸性の改善率は、以下のように求めた。
「100−(熱処理後の質量減)/(熱処理前の質量減)*100」(%)
(4)水素濃度プロファイルの測定
ガラスの水素濃度プロファイルとは以下の分析条件下で測定したプロファイルである。ガラス基板の水素濃度プロファイルの測定には二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometory:SIMS)を用いた。測定対象のガラス基板を同時にSIMS装置内へ搬送し、順番に測定を行い、および30Siの強度の深さ方向プロファイルを取得する。その後、プロファイルから30Siプロファイルを除して、30Si強度比の深さ方向プロファイルを得る。30Si強度比の深さ方向プロファイルより、深さ500nmから1000nmまでの領域における平均30Si強度比を算出する。ここで、最表面は放置による表面変質や汚染の影響が反映される可能性があるため、表面から深さ500nm以上における水素量を比較した。なお、SIMS測定条件は以下の通りである。
[SIMSの測定条件]
装置:アルバック・ファイ社製 ADEPT1010
一次イオン種:Cs
一次イオンの加速電圧:5kV
一次イオンの電流値:200nA
一次イオンの入射角:試料面の法線に対して60°
一次イオンのラスターサイズ:300×300μm
二次イオンの極性:マイナス
二次イオンの検出領域:60×60μm(一次イオンのラスターサイズの4%)
中和銃の使用:有
横軸をスパッタ時間から深さへ変換する方法:分析クレータの深さを触針式表面形状測定器(Veeco社製Dektak150)によって測定し、一次イオンのスパッタレートを求める。このスパッタレートを用いて、横軸をスパッタ時間から深さへ変換する。検出時のField Axis Potential:装置ごとに最適値が変化する可能性がある。バックグラウンドが十分にカットされるように測定者が注意しながら値を設定する。
表2に記載のバルク値とは、表面から200μm研磨した未処理のガラス板における、表面からの深さ500nmから1000nmまでの水素濃度平均値とした。同様に、500−1000nm深さ平均値とは、各処理を行ったガラス板において、表面からの深さ500nmから1000nmまでの水素濃度平均値である。また、表面/バルク係数とは、バルク値に比べて500−1000nm深さ平均値の水素量が何倍かを示した値である。水素導入深さとは、水素量がバルク値の1.05倍となる深さである。
Figure 2016104454
Figure 2016104454
表1及び表2に示す結果から以下の考察が得られた。
実施例1〜4において、アルミノケイ酸塩ガラスに、酸化物基準のモル百分率表示で、Pを2.5%以上含有することによって、50%CILが500gf以上となっている。
一方、比較例1において、Pは含有していない。この場合、50%CILが250gfと低い値を示した。
すなわち、アルミノケイ酸塩ガラスに、酸化物基準のモル百分率表示で、Pを2.5%以上含有することによって、50%CILが500gf以上の耐損傷性の高いガラスが得られることがわかった。
また、実施例1〜5において、アルミノケイ酸塩ガラスに、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを55.5%以上80%以下、Alを12%以上20%以下含有することによって、質量減が1.5mg/cm以下となっている。その中でもさらに、各成分の含有量をさらにSiOを57%以上76.5%以下、Alを12%以上18%以下とすることによって、実施例1〜4に示すように、質量減が0.15mg/cm以下となることが分かった。さらに、実施例2に示すように、アルミノケイ酸塩ガラスに、酸化物基準のモル百分率表示で、Fを0.1%以上含有することによって質量減が0.03mg/cm以下となり、さらに質量減を抑制することが出来る。
一方、比較例2において、SiOは55.5%以下となっているため、質量減が1.6mg/cm以上となっている。
すなわち、アルミノケイ酸塩ガラスに、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを57%以上76.5%以下、Alを12%以上18%以下含有することによって、質量減を0.15mg/cm以下とする耐酸性の高いガラスが得られることが分かった。また、Fを0.1%以上含有することにより、さらに耐酸性を向上させることが分かった。
実施例6、7において、表面から深さ500nm〜1000nmにおける水素量の平均値はバルク値の3倍以上である。これらのガラスにおいて、耐酸性が10%以上改善している。特に、より水素量の変化の大きい実施例7においては、耐酸性の改善効果が高い。また、実施例6、7の水素導入深さは、それぞれ1000nm以上であった。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2014年12月25日出願の日本特許出願(特願2014−261984)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の実施形態のガラス板は、薄膜太陽電池の基板やディスプレイ装置のカバーガラス、窓用ガラス等に利用できる。また、化学強化することでモバイル機器等のカバーガラスに好適に利用することが出来る。

Claims (6)

  1. 酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを55.5〜80%、Alを12〜20%、NaOを8〜25%、Pを2.5%以上、かつアルカリ土類金属RO(ROはMgO+CaO+SrO+BaOである)を1%以上含有するガラス板。
  2. 水素量がバルク値の1.05倍となる深さがガラス板の表面から500nm以上である請求項1に記載のガラス板。
  3. 前記ガラス板の表面から深さ500nm〜1000nmにおける水素量の平均値がバルク値の1.5倍以上である請求項1又は2に記載のガラス板。
  4. 酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを57〜76.5%、Alを12〜18%、NaOを8〜25%、Pを2.5〜10%、かつアルカリ土類金属ROを1%以上含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板。
  5. さらにFを0.1%以上含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス板。
  6. 化学強化可能である請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス板。
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