JPWO2016104055A1 - 透明フィルム、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた画像投影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透過視認性を損なわずに透明パーティション等に商品情報や広告等を鮮明に投射表示することができ、かつ異物が少ない透明フィルムの提供。【解決手段】本発明による透明フィルムは、屈折率n1を有する樹脂と、屈折率n1よりも小さい屈折率n2を有する微粒子とを含んでなる光拡散層を備えてなり、前記微粒子の一次粒子が、1nm〜2.5μmのメジアン径を有し、前記微粒子の含有量が、前記樹脂に対して0.01〜14質量%であり、前記光拡散層が、下記数式(1):0.04<屈折率n1−屈折率n2≦0.5 ・・・(1)を満たす。

Description

本発明は、投射型映像表示スクリーンに好適に用いられる透明フィルムに関する。また、該透明フィルムを備えた透明スクリーンおよび該透明スクリーンを備えた画像投影装置に関する。
従来、プロジェクター用スクリーンとして、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせたものが用いられてきた。近年、デパート等のショウウィンドウやイベントスペースの透明パーティション等にその透明性を維持したまま商品情報や広告等を投射表示する要望が高まってきている。また、将来的には、ヘッドアップディスプレイやウェアラブルディスプレイ等に用いられる透明性の高い投射型映像表示スクリーンの需要は、ますます高まると言われている。
しかし、従来のプロジェクター用スクリーンは透明性が低いため、透明パーティション等に適用できないという技術的課題があった。そこで、以下のような様々な提案が行われてきた。プロジェクター用スクリーンとして、表面に凹部を有するスクリーンが提案されている(特許文献1参照)。曝射法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたメジアン径0.01〜1μmのダイヤモンド微粒子を含む透明薄膜層を備えた透過型スクリーンが提案されている(特許文献2参照)。熱可塑性樹脂を含むマトリックス相および分散相からなる高分子フィルムからなる高透明反射型スクリーン用フィルムが提案されている(特許文献3参照)。透過型スクリーンや反射型スクリーン等の各種スクリーンの表面への写り込みを防止するために、黒色微粒子と透明バインダーとからなる防眩層を有する防眩性部材をスクリーンの表面に配置することが提案されている(特許文献4参照)。厚さ方向の一方の面に多数の集光レンズが設けられた光拡散シートが提案されている(特許文献5参照)。屈折率が1.4以下のフッ素系樹脂からなる低屈折率光学膜と、該低屈折率光学膜上に塗布形成された金属酸化物の微粒子を含有する高屈折率光学膜とからなる反射型スクリーン用塗布型光学積層膜が提案されている(特許文献6参照)。透明性の高い透過型スクリーンを得るために、高屈折率ナノ粒子を分散媒体中に分散させた薄膜(0.2〜400μm)を含有する透明光拡散体が提案されている(特許文献7参照)。透明素材と、該透明素材に含有または塗布されたシリカからなる光屈折素材とを含む、ホットスポットを除去することを特徴とする両面映像フィルムスクリーンが提案されている(特許文献8参照)。
特開2006−146019号公報 特開2011−113068号公報 特開2008−112040号公報 特許第4571691号公報 特開2007−240686号公報 特開2005−099675号公報 特開2014−153708号公報 特表2006−503334号公報
しかしながら、本発明者らは、特許文献1〜8には、以下の技術的課題が存在することを知見した。特許文献1に記載のスクリーンは、ショウウィンドウやイベントスペースの透明パーティション等に適用した場合、使用にともなって当該凹凸部が擦り減るため、長期間性能を維持できないという技術的課題がある。特許文献2に記載の透明スクリーンに用いるナノダイヤモンド粒子は、処理工程が多く、生産効率や生産コストに劣るという技術的課題がある。特許文献3に記載のスクリーンは、屈折率の異方性を発現させるため、少なくとも1方向に延伸を行うことで得られる。しかし、屈折率の異方性を出すための延伸では、延伸方向に垂直な方向の特性が不均一になる場合があるという技術的課題があり、さらなる改良が望まれている。特許文献4に記載のスクリーンは、平均粒径1〜6μmのカーボンブラック等の黒色微粒子を含む防眩性部材を備えているため、透明性に劣り、スクリーンがカーボンブラックの影響で灰色がかるという技術的課題がある。特許文献5に記載の光拡散シートは、集光レンズを設けているため、透明性が著しく損なわれるという技術的課題がある。特許文献6に記載の光学積層膜は、低屈折率層と高屈折率層の界面で光が反射し、透過型スクリーンには適さず、また透明性に劣るという技術的課題がある。特許文献7に記載の透明光拡散体は、屈折率の大きいダイヤモンドや金属酸化物は熱可塑性樹脂との親和性が低く、押し出し機での混練では粒子同士が凝集しやすくフィルム中に大きな凝集物が存在して異物の少ないスクリーンをつくり難いという技術的課題がある。さらに、高屈折粒子では光散乱強度が大き過ぎて、透明性のより高いスクリーンをつくり難いという技術的課題もある。特許文献8に記載のフィルムスクリーンは、ホットスポットを除去するために白濁しており、光透過率が低く、透明性に劣るという技術的課題がある。
本発明は上記の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、透過視認性を損なわずに透明パーティション等に商品情報や広告等を鮮明に投射表示することができ、かつ異物が少ない透明フィルムを提供することにある。また、本発明の目的は、該透明フィルムを備えた透明スクリーンや、該透明フィルムまたは該透明スクリーンと投射装置とを備えた画像投影装置を提供することにある。
本発明者らは、上記の技術的課題を解決するため、鋭意検討した結果、透明フィルムにおいて、屈折率nを有する樹脂と、屈折率nよりも小さい屈折率nを有する微粒子とを用いて光拡散層を形成し、さらに微粒子の粒径および含有量を調節し、かつ屈折率nと屈折率nとの差を特定の範囲内に調節することによって、上記の技術的課題を解決できることを知見した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、
屈折率nを有する樹脂と、屈折率nよりも小さい屈折率nを有する微粒子とを含んでなる光拡散層を備えてなり、 前記微粒子の一次粒子が、1nm〜2.5μmのメジアン径を有し、
前記微粒子の含有量が、前記樹脂に対して0.01〜14質量%であり、
前記光拡散層が、下記数式(1):
0.04<屈折率n−屈折率n≦0.5 ・・・(1)
を満たす、透明フィルムが提供される。
本発明の態様においては、前記微粒子が、シリカ粒子、硫酸バリウム粒子、炭酸カルシウム粒子、アクリル系粒子、およびポリスチレン系粒子からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記光拡散層が、熱可塑性樹脂を含んでなることが好ましい。
本発明の態様においては、前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含んでなることが好ましい。
本発明の態様においては、前記熱可塑性樹脂が、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含んでなることが好ましい。
本発明の態様においては、透明フィルムは、ヘイズ値が37%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、透明フィルムは、全光線透過率が70%以上であることが好ましい。
本発明の態様においては、透明フィルムは、写像性が50%以上であることが好ましい。
本発明の他の態様によれば、上記の透明フィルムを備えた、透明スクリーンが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の透明フィルムまたは上記の透明スクリーンを備えた、積層体が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の透明フィルムまたは上記の透明スクリーンを備えた、車両用部材が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の透明フィルムまたは上記の透明スクリーンを備えた、住宅用部材が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の透明フィルムまたは上記の透明スクリーンと、投射装置とを備えた、画像投影装置が提供される。
本発明による透明フィルムは、透明スクリーンとして用いた場合、透過視認性を損なわずに透明パーティション等に商品情報や広告等を鮮明に投射表示することができ、さらに異物が少ないものである。すなわち、当該透明フィルムは透明性や写像性に優れるため、透明スクリーンとして好適に用いることができ、さらに車両用部材や住宅用部材にも好適に用いることができる。また、当該透明フィルムは、画像表示装置、画像投影装置、スキャナー用光源等で使用される導光板としても好適に用いることができる。
本発明による透明フィルムの一実施形態の厚さ方向の断面模式図である。 本発明による透明スクリーンおよび画像投影装置の一実施形態を示した模式図である。 本発明による透明フィルムの散乱光輝度プロファイルを示した図である。 散乱光輝度プロファイルの測定条件の概略図である。
<透明フィルム>
本発明による透明フィルムは、光拡散層を備えてなる。当該透明フィルムは、透明スクリーンとして好適に用いることができ、透過視認性を損なわずに当該透明フィルム上に鮮明な映像を結像させることができる。なお、当該透明フィルムは、光拡散層からなる単層構成であってもよいし、保護層、基材層、粘着層、および反射防止層等の他の層をさらに備える複層構成の積層体であってもよい。光拡散層の光拡散性は、散乱光輝度プロファイルによって評価することができる。すなわち、散乱光輝度プロファイルの半値幅が広いほど、広角に光を拡散し、当該透明フィルム上に明るく鮮明な映像を結像させることができる。さらに、本発明による透明フィルムは、車両用部材や住宅用部材にも好適に用いることができる。また、本発明による透明フィルムは、画像表示装置、画像投影装置、スキャナー用光源等で使用される導光板、光拡散板としても好適に用いることができる。
本発明による透明フィルムの一実施形態の厚さ方向の断面模式図を図1に示す。透明フィルム10は、樹脂12中に微粒子13が分散されてなる光拡散層11を備えてなる。
本発明による透明フィルムは、そのまま透明スクリーンとして用いてもよいし、透明パーティション等の支持体に貼付した状態で透明スクリーンとして用いることもできる。透明スクリーンでは透過視認性を損なわないことが要求されるため、透明フィルムは、可視光の透過率が高く、透明性が高いことが好ましい。なお、本発明において、「透明」とは、用途に応じた透過視認性を実現できる程度の透明性があれば良く、半透明であることも含まれる。
当該透明フィルムは、ヘイズ値が、好ましくは37%以下、より好ましくは1%以上35%以下であり、より好ましくは1.3%以上30%以下であり、さらにより好ましくは1.5%以上25%以下である。また、当該透明フィルムは、全光線透過率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは77%以上であり、さらにより好ましくは80%以上であり、特に好ましくは85%以上である。透明フィルムのヘイズ値および全光線透過率が上記範囲内であれば、透明性が高く、透過視認性をより向上させることができる。なお、本発明において、透明フィルムのヘイズ値および全光線透過率は、濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用いてJIS−K−7361およびJIS−K−7136に準拠して測定することができる。
当該透明フィルムは、写像性が、好ましくは50%以上であり、より好ましくは55%以上であり、さらに好ましくは60%以上であり、さらにより好ましくは65%以上であり、特に好ましくは70%以上である。当該透明フィルムの写像性が上記範囲内であれば、透明スクリーンを透過して見える像が極めて鮮明となる。なお、本発明において、写像性とは、JIS K7374に準拠して、光学くし幅0.125mmで測定した時の像鮮明度(%)の値である。
当該透明フィルムの厚さは、用途、生産性、取扱い性、および搬送性の観点から、好ましくは20μm〜20mm(20000μm)であり、より好ましくは50μm〜15mm(15000μm)であり、さらに好ましくは50μm〜12mm(12000μm)であり、さらにより好ましくは80μm〜10mm(10000μm)であり、特に好ましくは100μm〜5mm(5000μm)である。なお、本発明において「透明フィルム」とは、いわゆるフィルム、シート、プレート(板状成形物)、積層体(複数枚のフィルム、シートまたはプレートを貼り合わせたもの)等の様々な形態の成形物を包含する。
(光拡散層)
光拡散層は、屈折率nを有する樹脂と、屈折率nよりも小さい屈折率nを有する微粒子とを含んでなる。樹脂の屈折率nよりも小さい屈折率nを有する微粒子は樹脂との親和性が高いため、光拡散層の形成工程において微粒子は異物となる大凝集物を生じにくい。その結果、透明性のより高いフィルムを得ることができる。
光拡散層中の異物の数は、好ましくは0〜20個であり、より好ましくは0〜10個であり、特に好ましくは0〜5個である。異物は画像の鮮明性を悪化させるため、異物の数が上記の数値範囲内であれば、投影された画像は乱れや輝点のない、鮮明な画像として視認できる。なお、本発明において、光拡散層中の異物の数は、下記の測定方法にてカウントした数である。
(異物の測定方法)
光拡散層を備える透明フィルムを20cm角に裁断し、目視で確認できる大きな凝集物(異物)をカウントして、異物の数とした。
光拡散層は、下記数式(1):
0.04<屈折率n−屈折率n≦0.5 ・・・(1)
を満たし、下記数式(2):
0.05≦屈折率n−屈折率n≦0.45 ・・・(2)
を満たすことがより好ましく、下記数式(3):
0.1≦屈折率n−屈折率n≦0.4 ・・・(3)
を満たすことがさらに好ましい。光拡散層を形成する樹脂の屈折率nと微粒子の屈折率nが上記の関係式を満たすことで、光拡散層内での光の散乱強度を適度に抑えることができる。
光拡散層の厚さは、好ましくは20μm〜20mm(20000μm)であり、より好ましくは50μm〜15mm(15000μm)であり、さらに好ましくは50μm〜12mm(12000μm)であり、さらにより好ましくは80μm〜10mm(10000μm)であり、特に好ましくは100μm〜5mm(5000μm)である。光拡散層の厚さが上記範囲内であれば、光拡散層の透明性を確保しながら、投射装置から出射される投影光を異方的に十分に拡散させることで、拡散光の視認性と透過光の視認性とを両立することができる。なお、光拡散層は単層構成であってもよく、2種以上の層を粘着剤等で貼り合わせた複層構成であってもよい。
(樹脂)
光拡散層を形成する樹脂としては、透明性の高い透明フィルムを得るために、透明性の高い樹脂を用いることが好ましい。透明性の高い樹脂としては、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ならびに電離放射線硬化性樹脂等を用いることができる。これらの中でも、熱可塑性樹脂を用いることが、透明フィルムの成形性の観点から好ましいが、特に制限されるものではない。熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびポリスチレン系樹脂を用いることが好ましく、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチレン樹脂を用いることがより好ましい。これらの樹脂は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。電離放射線硬化型樹脂としては、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが好ましい。また、電離放射線硬化型樹脂は熱可塑性樹脂および溶剤と混合されたものであってもよい。熱硬化型樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン系樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂が好ましい。
(微粒子)
光拡散層を形成する微粒子としては、ナノサイズに微粒化できる無機物または有機物を好適に用いることができ、上記数式(1)を満たす低屈折率粒子を用いることが好ましい。低屈折率を有する無機微粒子は、屈折率nが好ましくは1.3〜1.65であり、より好ましくは1.35〜1.6であり、さらに好ましくは1.37〜1.55であり、さらにより好ましくは1.4〜1.5である。例えば、シリカ(酸化ケイ素(n=1.45))や硫酸バリウム(n=1.64)、炭酸カルシウム(n=1.58)等を微粒子化した粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましく、特に凝集性の観点から疎水性シリカが好ましい。低屈折率を有する有機微粒子としては、例えば、アクリル系粒子やポリスチレン系粒子が挙げられ、アクリル系粒子が好ましい。これらの微粒子は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの微粒子は、市販のものを用いてもよい。
微粒子の一次粒子は、1nm〜2.5μm(2500nm)、好ましくは5nm〜2μm(2000nm)、より好ましくは10nm〜1.5μm(1500nm)、さらに好ましくは20nm〜1.0μm(1000nm)、さらにより好ましくは50nm〜0.5μm(500nm)のメジアン径(D50)を有するものである。微粒子の一次粒子のメジアン径が上記範囲内であると、透明フィルムとして使用した場合に、透過視認性を損なわずに投影光の十分な拡散効果が得られることで、透明スクリーンに鮮明な映像を投影することができる。なお、本発明において、微粒子の一次粒子のメジアン径(D50)は、動的光散乱法により粒度分布測定装置(大塚電子(株)製、商品名:DLS−8000)を用いて測定した粒度分布から求めることができる。
光拡散層中の微粒子の含有量は、樹脂に対して、好ましくは0.01〜14質量%であり、より好ましくは0.1〜12質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%であり、さらにより好ましくは1〜6質量%である。光拡散層中の微粒子の含有量が上記範囲内であれば、光拡散層の透明性を確保しながら、投射装置から出射される投影光を異方的に十分に拡散させることで、拡散光の視認性と透過光の視認性とを両立することができる。
(基材層)
基材層は、透明フィルムを支持するための層であり、透明フィルムの強度を向上させることができる。基材層は、透明フィルムの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような透明性の高い樹脂またはガラスからなることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、上記の光拡散層と同様の透明性の高い樹脂を用いることができる。すなわち、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、およびフッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ならびに電離放射線硬化性樹脂等を好適に用いることができる。また、上記した樹脂を2種以上積層した透明フィルムを使用してもよい。なお、基材層の厚さは、その強度が適切になるように材料に応じて適宜変更することができ、例えば、10〜1000μmの範囲としてもよい。
(保護層)
保護層は、透明フィルムの表面側(視認者側)および裏面側の両面またはいずれか一方の面に積層してもよく、耐光性、耐傷性、基材密着性および防汚性等の機能を付与するための層である。保護層は、透明フィルムの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような樹脂を用いて形成することが好ましい。
保護層の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系ないしはノルボルネン構造を有するオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいは前記樹脂のブレンド物などが保護フィルムを形成する樹脂の例として挙げられる。その他、アクリル系やウレタン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系等の電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、および熱硬化型樹脂などが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂組成物の被膜形成成分は、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
上記電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、この中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法は通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
保護層は、上記電離放射(紫外線)線硬化型樹脂組成物の塗工液をスピンコート、ダイコート、ディップコート、バーコート、フローコート、ロールコート、グラビアコート等の方法で、上記の透明フィルムの表面側(視認者側)および裏面側の両面またはいずれか一方の面に塗布し、上記のような手段で塗工液を硬化させることにより形成することができる。また、保護層の表面には、目的に応じて、凹凸構造、プリズム構造、マイクロレンズ構造等の微細構造を付与することもできる。
(粘着層)
粘着層は、支持体に透明フィルムを貼付するための層である。粘着層は、透明フィルムの透過視認性や所望の光学特性を損なわないような粘着剤組成物を用いて形成することが好ましい。粘着剤組成物としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等が挙げられる。合成ゴム系の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体が挙げられる。シリコーン樹脂系の具体例としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系樹脂粘着剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含んで重合させたものである。炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体であるのが一般的である。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸をいう。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸sec−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ウンデシルおよび(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。 また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、通常は、アクリル系粘着剤中に30〜99.5質量部の割合で共重合されている。
また、アクリル系樹脂粘着剤を形成するカルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノブチルおよびβ−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基を含有するモノマーを挙げることができる。
アクリル系樹脂粘着剤には、上記の他に、アクリル系樹脂粘着剤の特性を損なわない範囲内で他の官能基を有するモノマーが共重合されていても良い。他の官能基を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルおよびアリルアルコール等の水酸基を含有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドおよびN−エチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびジメチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基とメチロール基とを含有するモノマー;アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびビニルピリジン等のアミノ基を含有するモノマーのような官能基を有するモノマー; アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマーなどが挙げられる。この他にもフッ素置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリロニトリルなどのほか、スチレンおよびメチルスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル化合物などを挙げることができる。
アクリル系樹脂粘着剤には、上記のような他の官能基を有するモノマーの他に、他のエチレン性二重結合を有するモノマーを使用することができる。エチレン性二重結合を有するモノマーの例としては、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルおよびフマル酸ジブチル等のα,β−不飽和二塩基酸のジエステル; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル;スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリロニトリル等を挙げることができる。また、上記のようなエチレン性二重結合を有するモノマーの他に、エチレン性二重結合を2個以上有する化合物を併用することもできる。このような化合物の例としては、ジビニルベンゼン、ジアリルマレート、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ-ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
さらに、上記のようなモノマーの他に、アルコキシアルキル鎖を有するモノマー等を使用することができる。(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチルなどを挙げることができる。
粘着剤組成物としては、上記したアクリル系樹脂粘着剤の他、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの単独重合体であっても良い。例えば、(メタ)アクリル酸エステル単独重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル等が挙げられる。 アクリル酸エステル単位2種以上を含む共重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ3−フェニルオキシプロピル共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−エチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体が挙げられる。
粘着剤は市販のものを使用してもよく、例えば、SKダイン2094、SKダイン2147、SKダイン1811L、SKダイン1442、SKダイン1435、およびSKダイン1415(以上、綜研化学(株)製)、オリバインEG−655、およびオリバインBPS5896(以上、東洋インキ(株)製)等(以上、商品名)を好適に使用することができる。
(反射防止層)
反射防止層は、透明フィルム表面やその積層体の最表面での反射や、外光からの映りこみを防止するための層である。反射防止層は、透明フィルムやその積層体の表面側(視認者側)に積層されるものであってもよく、両面に積層されるものであってもよい。特に透明スクリーンとして用いる際には視認者側に積層するのが好ましい。反射防止層は、透明フィルムやその積層体の透過視認性や所望の光学特性を損なわないような樹脂を用いて形成することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、および熱硬化型樹脂を用いることができるが、これらの中でも電離放射線硬化型樹脂が特に好ましい。
反射防止層の形成方法としては、特に限定されないが、コーティングフィルムの貼合、フィルム基板に直接蒸着またはスパッタリング等でドライコートする方式、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、バー塗工、スライドダイ塗工、スロットダイ塗工、デイップコート等のウェットコート処理などの方式を用いることができる。
<透明フィルムの製造方法>
本発明による透明フィルムの製造方法は、光拡散層を形成する工程を含むものである。光拡散層を形成する工程は、混練工程と製膜工程からなる押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、塗布方法、ブロー成形法、圧縮成形法、キャスト法など公知の方法により成型加工できる。また、厚膜シートの成形性の観点から、射出成形法を好適に用いることもできる。以下、押出成形法の各工程について詳述する。
(混練工程)
混練工程は、一軸混練押出機を用いてもよく、二軸混錬押出機を用いてもよい。二軸混錬押出機を用いる場合は、二軸混錬押出機のスクリュー全長にわたる平均値として、好ましくは3〜1800KPa、より好ましくは6〜1400KPaのせん断応力をかけながら、上記の樹脂と微粒子とを混錬して、樹脂組成物を得る工程である。せん断応力が上記範囲内であれば、微粒子を樹脂中に十分に分散させることができる。特に、せん断応力が3KPa以上であれば、微粒子の分散均一性をより向上させることができ、1800KPa以下であれば、樹脂の分解を防ぎ、光拡散層内に気泡が混入するのを防止することができる。せん断応力は、二軸混錬押出機を調節することで、所望の範囲に設定することができる。本発明においては、微粒子を予め添加した樹脂(マスターバッチ)と、微粒子を添加していない樹脂とを混合したものを、二軸混錬押出機を用いて混練して、樹脂組成物を得てもよい。上記は混練工程の一例であり、単軸押出機を用いて微粒子を予め添加した樹脂(マスターバッチ)を作製しても良く、一般的に知られている分散剤を使用しマスターバッチを作製しても良い。
樹脂組成物には、上記の樹脂と微粒子以外にも、透明フィルムの透過視認性や所望の光学性能を損なわない範囲で、従来公知の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、相溶化剤、核剤および安定剤等が挙げられる。なお、樹脂と微粒子は、上記で説明したとおりである。
混練工程に用いる二軸混錬押出機は、シリンダー内に2本のスクリューが挿入されたものであり、スクリューエレメントを組み合わせて構成される。スクリューは、少なくとも、搬送エレメントと、混練エレメントとを含むフライトスクリューを好適に用いることができる。混練エレメントは、ニーディングエレメント、ミキシングエレメント、およびロータリーエレメントからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このような混練エレメントを含むフライトスクリューを用いることで、所望のせん断応力をかけながら、微粒子を樹脂中に十分に分散させることができる。
(製膜工程)
製膜工程は、混練工程で得られた樹脂組成物を製膜する工程である。製膜方法は、特に限定されず、従来公知の方法により、樹脂組成物からなるフィルムを製膜することができる。例えば、混練工程で得られた樹脂組成物を、融点以上の温度(Tm〜Tm+70℃)に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融する。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
続いて、溶融した樹脂組成物を、例えばTダイ等のダイによりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。なお、上記の混練工程と連続して製膜工程を行う場合には、混練工程で得られた樹脂組成物を溶融状態のまま直接、ダイによりシート状に押出して、フィルム形状の光拡散層を成形することもできる。
製膜工程により得られたフィルム形状の光拡散層は、従来公知の方法により、さらに一軸延伸または二軸延伸してもよい。上記光拡散層を延伸することで、光拡散層の強度を向上させることができる。
<透明スクリーン>
本発明による透明スクリーンは、上記の透明フィルムを備えてなる。透明スクリーンは、上記の透明フィルムのみからなるものでもよく、透明パーティション等の支持体をさらに備えるものでもよい。また、透明スクリーンは、平面であってもよく、曲面であってもよく、凹凸面を有していてもよい。
透明スクリーンは、背面投射型スクリーン(透過型スクリーン)でもよく、前面投射型スクリーン(反射型スクリーン)でもよい。すなわち、本発明による透明スクリーンを備える映像表示装置においては、光源の位置がスクリーンに対して視認者側にあってもよく、視認者と反対側にあってもよい。
(支持体)
支持体は、透明フィルムを支持するためのものである。支持体は、透明スクリーンの透過視認性や所望の光学特性を損なわないものであればよく、例えば、透明パーティション、ガラスウィンドウ、乗用車のヘッドアップディスプレイ、およびウェアラブルディスプレイ等が挙げられる。
<車両用部材>
本発明による車両用部材は、上記の透明フィルムまたは透明スクリーンを備えてなり、反射防止層等をさらに備える積層体であってもよい。車両用部材としては、フロントガラスやサイドガラス等が挙げられる。車両用部材は上記の透明フィルムまたは透明スクリーンを備えることで、別途のスクリーンを設けなくても、車両用部材上に鮮明な画像を表示させることができる。
<住宅用部材>
本発明による住宅用部材は、上記の透明フィルムまたは透明スクリーンを備えてなり、反射防止層等をさらに備える積層体であってもよい。住宅用部材としては、住宅の窓ガラス、コンビニや路面店のガラス壁等を挙げることができる。住宅用部材は上記の透明フィルムまたは透明スクリーンを備えることで、別途のスクリーンを設けなくても、住宅用部材上に鮮明な画像を表示させることができる。
<画像投影装置>
本発明による画像投影装置は、上記の透明フィルムまたは透明スクリーンと、投射装置とを備えてなる。投射装置とは、スクリーン上に映像を投射できるものであれば特に限定されず、例えば、市販のリアプロジェクタやフロントプロジェクタを用いることができる。
本発明による透明スクリーンおよび画像投影装置の一実施形態の模式図を図2に示す。透明スクリーン23は、透明パーティション(支持体)22と、透明パーティション21上の視認者24側に透明フィルム21とを備えてなる。透明フィルム21は、透明パーティション22に貼付するために、粘着層を含んでもよい。背面投射型スクリーンである場合、画像投影装置は、透明スクリーン23と、透明パーティション21に対して視認者24と反対側(背面側)に設置された投射装置25Aとを備えてなる。投射装置25Aから出射された投影光26Aは、透明スクリーン23の背面側から入射し、透明スクリーン23により異方的に拡散することで、視認者24は拡散光27Aを視認できる。また、前面投射型スクリーンである場合、画像投影装置は、透明スクリーン23と、透明パーティション21に対して視認者24と同じ側(前面側)に設置された投射装置25Bとを備えてなる。投射装置25Bから出射された投影光26Bは、透明スクリーン23の前面側から入射し、透明スクリーン23により異方的に拡散することで、視認者24は拡散光27Bを視認できる。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定解釈されるものではない。
実施例および比較例において、各種物性および性能評価の測定方法は次のとおりである。
(1)ヘイズ
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7136に準拠して測定した。
(2)全光線透過率
濁度計(日本電色工業(株)製、品番:NDH−5000)を用い、JIS K7361−1に準拠して測定した。
(3)異物
下記で作製したフィルムを20cm角に裁断し、目視で確認できる大きな凝集物(異物)をカウントした。フィルムの異物の少なさを下記の基準に基づいて目視で評価した。
[評価基準]
◎:異物が0〜5個であった。
○:異物が6〜20個であった。
×:異物が21個以上であった。
(4)透明性
下記で作製したフィルムの透明性を下記の基準に基づいて目視で評価した。
[評価基準]
◎:白濁せずに、極めて透明であった。
○:白濁していなかったが、透明性は若干劣っていた。
×:白濁していた。
(5)写像性
写像性測定器(スガ試験機(株)製、品番:ICM−1T)を用い、JIS K7374に準拠して、光学くし幅0.125mmで測定した時の像鮮明度(%)の値を写像性とした。像鮮明度の値が大きい程、透過写像性が高いことを示す。
(6)画像鮮明性
透明スクリ−ンとして下記で作製したフィルムを、法線方向に対して角度15度で50cm離れた位置から、オンキョーデジタルソリューションズ(株)製のモバイルLEDミニプロジェクターPP−D1Sを用いて画像を投影した。次に、スクリ−ンの面上に焦点が合うようにプロジェクターの焦点つまみを調整した後、スクリ−ンの前方1mおよび後方1mの2ヶ所からスクリ−ンに映し出された画像を目視で下記の評価基準により評価した。
[評価基準]
○: 鮮明な映像を視認することが出来た。
△: 映像を視認できるが、暗かった。
×: 映像を視認できなかった。
(7)散乱光輝度プロファイル
変角分光光度計((株)村上色彩技術研究所製、品番:GSP−2)を用い、サンプルのない状態で測定した0度における出射光輝度を入射光輝度とした。次に、サンプルとして透明スクリ−ンとして下記で作製したフィルムをセットし、測定角を−80度〜+80度まで変化させて出射光輝度を測定し、入射光輝度との相対輝度を算出した。また、参考例として、微粒子を添加していない透明スクリーン(ガラス製)をセットし、同様にして、出射光相対輝度を算出した。散乱光輝度プロファイルの測定方法の概略図を図4に示した。
[実施例1]
(1A)微粒子を添加した熱可塑性樹脂ペレットの作製(以下、「ペレット作製工程」という)
熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット((株)ベルポリエステルプロダクツ製、商品名:IFG8L)を用意した。該PETペレット(IFG8L)と、微粒子としてPETペレットに対して10質量%の乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NHM−4N、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径90nm)とを、定量コイルフィーダーを用いてテクノベル社製の2軸混練押し出し機KZW−30MGに投入した。押し出し温度270℃で溶融混練したストランドをペレタイズすることでシリカ粒子の添加量が10質量%のPETペレットを得た。
(2A)光拡散層(フィルム)の作製(以下、「フィルム作製工程」という)
上記(1A)のシリカ粒子添加PETペレットとPETペレット(IFG8L)とを質量比50:50で混合機((株)カワタ製、SMBシリーズ)を用いて均一に混合した。均一に混合したペレットを単軸押し出し機ホッパー(GM(株)製)に投入して、100μmの厚さの光拡散層(フィルム)を製膜した。なお、単軸押し出し機のスクリュー径は50mm、スクリュー有効長(L/D)は30であり、押し出し機にはアダプタを介し、ハンガーコートタイプのTダイが設置されている。押し出し温度は270℃とした。Tダイから吐出された溶融フィルムは温度70℃の冷却ロールで固化した後、室温のパスロールで搬送されて巻き取られる。得られた光拡散層(フィルム)のシリカ粒子濃度は5質量%であった。なお、PETペレット(IFG8L)のみを同様の方法で製膜したフィルムの屈折率をアッベ屈折率計で測定した結果、1.68であった。樹脂と微粒子の屈折率差(n−n)は0.23であった。
(3A)透明スクリーンの評価
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は18%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は2個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、82%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例2]
(2A)フィルム作製工程において、PETペレット(IFG8L)と混合せずに、上記(1A)のシリカ粒子添加PETペレットのみを単軸押し出し機ホッパーに投入した以外は実施例1と同様の方法で膜厚80μmの光拡散層(フィルム)を作製した。得られた光拡散層(フィルム)のシリカ粒子濃度は10質量%であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は30%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は3個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、75%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例3]
(1A)ペレット作製工程において、PETペレット(IFG8L)と、PETペレット(IFG8L)に対して0.2質量%の乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NHM−4N、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径90nm)とをビニール袋の中に入れ、ビニール袋を手で数十秒間ふることでPETペレット表面にシリカ粒子が均一に付着したペレットを得た。
(2A)フィルム作製工程において、PETペレット(IFG8L)と混合せずに、該シリカ粒子付着ペレットのみを単軸押し出し機ホッパーに投入した以外は実施例1と同様の方法で光拡散層(フィルム)を作製した。得られた光拡散層(フィルム)のシリカ粒子濃度は0.2質量%であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は3%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。また、作製した光拡散層(フィルム)の散乱光輝度プロファイルを測定したところ、広角においても高い出射光相対輝度を観測し、粒子を添加していない透明スクリーン(参考例)と比較して光拡散性に優れていることが分かった。
上記方法で測定した異物は1個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、88%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例4]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NSS−4N、親水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径90nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は18%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は12個と若干少なく、透明性に優れていた。写像性は、61%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例5]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:QS−10、親水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径15nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は16%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は12個と若干少なく、透明性に優れていた。写像性は、62%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例6]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:QS−30、親水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径7nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は16%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は14個と若干少なく、透明性に優れていた。写像性は、63%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例7]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:KS−20SC、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径12nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は15%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は2個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、77%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例8]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として架橋アクリル粒子(屈折率1.49、一次粒子のメジアン径90nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は15%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は1個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、71%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例9]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として架橋アクリル粒子(屈折率1.49、一次粒子のメジアン径370nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は19%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は8個と若干少なく、透明性に優れていた。写像性は、63%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例10]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として架橋アクリル粒子(積水化成品工業(株)製、商品名:テクポリマーSSX−101、屈折率1.49、一次粒子のメジアン径1500nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は20%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。また、作製した光拡散層(フィルム)の散乱光輝度プロファイルを測定したところ、広角においても高い出射光相対輝度を観測し、粒子を添加していない透明スクリーン(参考例)と比較して光拡散性に優れていることが分かった。
上記方法で測定した異物は11個と若干少なく、透明性に優れていた。写像性は、61%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例11]
(1A)ペレット作製工程において、熱可塑性樹脂としてポリエチレンナフタレート(PEN)ペレット(帝人(株)製、商品名:テオネックスTN−8065S)を用い、押し出し温度を290℃に変更した以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。なお、PENペレット(TN−8065S)のみを同様の方法で製膜したフィルムの屈折率をアッベ屈折率計で測定した結果、1.77であった。樹脂と微粒子の屈折率差(n−n)は0.32であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は19%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は2個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、81%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例12]
(1A)ペレット作製工程において、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート(PC)ペレット(住化スタイロンポリカーボネート(株)製、商品名:SD2201W)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。なお、PCペレット(SD2201W)のみを同様の方法で製膜したフィルムの屈折率をアッベ屈折率計で測定した結果、1.59であった。樹脂と微粒子の屈折率差(n−n)は0.14であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は3%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は2個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、82%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例13]
(1B)微粒子を添加した熱可塑性樹脂ペレットの作製(以下、「ペレット作製工程」という)
熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)ペレット((株)ベルポリエステルプロダクツ製、商品名:IP252B、非晶質)を用意した。該PETペレット(IP252B)と、微粒子としてPETペレットに対して0.02質量%の乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NHM−4N、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径90nm)とを、定量コイルフィーダーを用いてテクノベル社製の2軸混練押し出し機KZW−30MGに投入した。押し出し温度270℃で溶融混練したストランドをペレタイズすることでシリカ粒子の添加量が0.02質量%のPETペレットを得た。
(2B)光拡散層(シート)の作製(以下、「シート作製工程」という)
上記(1B)のシリカ粒子添加PETペレットを用い、射出成形機(日精樹脂工業(株)社製、商品名:FNX−III)にて射出温度270℃で、厚さ4mm(4000μm)で縦横の長さが20cmの光拡散層(シート)を作製した。
(3B)透明スクリーンの評価
作製した光拡散層(シート)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は4%、全光線透過率は86%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は1個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、75%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例14]
(1B)ペレット作製工程において、乾式シリカ粒子の添加量を0.012質量%に変更し、(2B)シート作製工程において、光拡散層(シート)の厚さを20mm(20000μm)に変更した以外は、実施例13と同様にして光拡散層(シート)を作製した。
作製した光拡散層(シート)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は4%、全光線透過率は79%であり、実施例13に比べて透明性は若干劣っていたが、透明スクリーンとして十分適用できるものだった。
上記方法で測定した異物は1個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、71%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例15]
(1A)ペレット作製工程において、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート(PC)ペレット(住化スタイロンポリカーボネート(株)製、商品名:SD2201W)を用い、微粒子としてPCペレットに対して13質量%の架橋アクリル粒子(屈折率1.49、一次粒子のメジアン径90nm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてアクリル系粒子添加PCペレットを得た。続いて、(2A)フィルム作製工程において、得られたアクリル系粒子添加PCペレットのみを単軸押し出し機ホッパーに投入した以外は実施例1と同様の方法で光拡散層(フィルム)を作製した。得られた光拡散層(フィルム)のシリカ粒子濃度は13質量%であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は35%、全光線透過率は88%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は3個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、62%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、実施例1〜11に比べて若干劣っていたが、透明スクリーンとしては十分適用できるものであった。
[実施例16]
撹拌装置、温度センサー、冷却管、および窒素導入管を備えた反応釜に、脱イオン水300質量部と、分散剤としてポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:クラレポバール)0.6質量部とを合わせて投入し、撹拌を開始した。次に、メタクリル酸メチル80質量部と、N−フェニルマレイミド20質量部と、重合開始剤として日本油脂株式会社製のパーロイルTCP1質量部と、連鎖移動剤として0.22質量部の1−オクタンチオールとを仕込み、反応釜に窒素を通じつつ、70℃まで昇温させた。70℃に達した状態を2時間保持し、さらに80℃に昇温し3時間保持した後、冷却し、濾過、洗浄、乾燥によって球状のアクリル系共重合体(MMA/PhMI)を得た。アクリル系共重合体(a−1)の重量平均分子量(Mw)は1.4×10であった。(1A)ペレット作製工程において、アクリル系共重合(MMA/PhMI)と、アクリル系共重合(MMA/PhMI)に対して14質量%の乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NHM−4N、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径90nm)とを用いた以外は、実施例1と同様にしてシリカ粒子添加アクリル系ペレットを得た。続いて、(2A)フィルム作製工程において、得られたシリカ粒子添加アクリル系ペレットのみを単軸押し出し機ホッパーに投入した以外は実施例1と同様の方法で光拡散層(フィルム)を作製した。得られた光拡散層(フィルム)のシリカ粒子濃度は14質量%であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は25%、全光線透過率は88%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は3個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、63%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、実施例1〜11に比べて若干劣っていたが、透明スクリーンとしては十分適用できるものであった。
[実施例17]
内径15mmの円筒型ケーシング内に324/2400メッシュの主金網からなる金網と長さ10mm、内径10mmのスペーサーから成るユニットを30組挿入した乳化装置(国際公開公報WO 2007/117041、実施例および図1〜4参照)を使用し、1.5質量%のベンゾイルパーオキサイド(重合開始剤)と20質量%のエチレングリコールジメタクリレート(架橋剤)を溶解させた、メチルメタクリレートと2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートの混合溶液(メチルメタクリレート:2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート=47:53)を、1質量%のPVA水溶液((株)クラレ社製、品番:PVA 217)を用い、それぞれ個別のプランジャーポンプにより17ml/分、33ml/分の流量にて乳化装置へ2回導入し、アクリル乳化液を得た。このアクリル乳化液を、窒素雰囲気下にて90℃、3時間加熱攪拌することにより、固形の架橋アクリル系微粒子を得た。得られた微粒子のメジアン径は600nm、屈折率は1.43であった。
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として前記で得られた架橋アクリル系微粒子5質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は20%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は8個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、64%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例18]
内径15mmの円筒型ケーシング内に324/2400メッシュの主金網からなる金網と長さ10mm、内径10mmのスペーサーから成るユニットを35組挿入した乳化装置(国際公開公報WO 2007/117041、実施例および図1〜4参照)を使用し、1.5質量%のベンゾイルパーオキサイド(重合開始剤)と20質量%のエチレングリコールジメタクリレート(架橋剤)を溶解させた、メチルメタクリレートを、1質量%のPVA水溶液((株)クラレ社製、品番:PVA 217)を用い、それぞれ個別のプランジャーポンプにより17ml/分、33ml/分の流量にて乳化装置へ2回導入し、アクリル乳化液を得た。このアクリル乳化液を、窒素雰囲気下にて90℃、3時間加熱攪拌することにより、固形の架橋アクリル系微粒子を得た。得られた微粒子のメジアン径は500nm、屈折率は1.49であった。
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として前記で得られた架橋アクリル系微粒子5質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は18%、全光線透過率は89%であり、十分な透明性を有していた。また、作製した光拡散層(フィルム)の散乱光輝度プロファイルを測定したところ、広角においても高い出射光相対輝度を観測し、粒子を添加していない透明スクリーン(参考例)と比較して光拡散性に優れていることが分かった。
上記方法で測定した異物は8個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、61%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例19]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子としてシリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:表面処理SANSIL、銘柄SSP−04M、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径400nm)を用い、粒子の添加量を1.5質量%とした以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は6%、全光線透過率は90%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は2個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、92%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[実施例20]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子としてシリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:表面処理SANSIL、銘柄SSP−07M、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径700nm)を用い、粒子の添加量を1.5質量%とした以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は7%、全光線透過率は90%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は2個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、90%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、鮮明に映像を視認することができた。
[比較例1]
(1A)ペレット作製工程において、熱可塑性樹脂としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)ペレット(三菱レーヨン(株)製、商品名:アクリペットVH001)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。なお、PMMAペレット(アクリペットVH001)のみを同様の方法で製膜したフィルムの屈折率をアッベ屈折率計で測定した結果、1.49であった。樹脂と微粒子の屈折率差(n−n)は0.04であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は5%、全光線透過率は90%であり、十分な透明性を有していた。
上記方法で測定した異物は3個と少なく、透明性に優れていた。写像性は、83%であり、透明スクリーンを透過して見える像が鮮明であった。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、実施例1〜11に比べて大きく劣っていた。
[比較例2]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として架橋アクリル粒子(積水化成品工業(株)製、商品名:テクポリマーSSX−103、屈折率1.49、一次粒子のメジアン径3000nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は38%、全光線透過率は89%であった。また、写像性は、38%であり、透明スクリーンを透過して見える像が不鮮明であった。
上記方法で測定した異物は35個と多く品質に劣り、透明性に著しく劣っていた。また、画像鮮明性を目視で評価した結果、実施例1〜11に比べて大きく劣っていた。
[比較例3]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として酸化チタン粒子(テイカ(株)製、商品名:MT−01、屈折率2.72、一次粒子のメジアン径10nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は39%、全光線透過率は89%であった。また、写像性は、69%であった。
上記方法で測定した異物は188個と多く品質に劣り、透明性に著しく劣っていた。酸化チタン粒子の屈折率が高いため、熱可塑性樹脂と溶融混練したときに微小粒子同士が凝集しやすく異物となってしまった。
[比較例4]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として酸化チタン粒子(テイカ(株)製、商品名:MT−01、屈折率2.72、一次粒子のメジアン径10nm)を用いた以外は、実施例3と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は8%、全光線透過率は89%であった。
フィルムは白濁せずに透明であり、プロジェクター画像も鮮明に視認できた。また、写像性は、80%であった。しかし、上記方法で測定した異物は68個と多く品質に劣っていた。酸化チタン粒子の屈折率が高いため、酸化チタン粒子が低濃度であっても熱可塑性樹脂と溶融混練したときに微小粒子同士が凝集しやすく異物となってしまった。
[比較例5]
(1A)ペレット作製工程において、微粒子として酸化ジルコニウム粒子(関東電化工業(株)製、屈折率2.40、一次粒子のメジアン径11nm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光拡散層(フィルム)を作製した。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は29%、全光線透過率は89%であった。
フィルムは白濁せずに透明であり、プロジェクター画像も鮮明に視認できた。また、写像性は、58%であった。しかし、上記方法で測定した異物は99個と多く品質に劣っていた。酸化ジルコニウム粒子の屈折率が高いため、熱可塑性樹脂と溶融混練したときに微小粒子同士が凝集しやすく異物となってしまった。
[比較例6]
(1A)ペレット作製工程において、乾式シリカ粒子((株)トクヤマ製、商品名:NHM−4N、疎水性、屈折率1.45、一次粒子のメジアン径90nm)の添加量を15質量%に変更し、(2A)フィルム作製工程において、PETペレット(IFG8L)と混合せずに、得られたシリカ粒子添加PETペレットのみを単軸押し出し機ホッパーに投入した以外は実施例1と同様の方法で光拡散層(フィルム)を作製した。得られた光拡散層(フィルム)のシリカ粒子濃度は15質量%であった。
作製した光拡散層(フィルム)をそのまま透明スクリーンに用いたところ、ヘイズ値は44%、全光線透過率は88%であった。また、写像性は、50%であった。
上記方法で測定した異物は3個と少なかったが、フィルムは白濁しており、透明スクリーンとして適用できなかった。
実施例および比較例で作成した光拡散層の詳細を表1に示す。
実施例および比較例で作成した透明フィルムの各種物性および性能評価の結果を表2に示す。
10 透明フィルム
11 光拡散層
12 樹脂
13 微粒子
21 透明フィルム
22 透明パーティション(支持体)
23 透明スクリーン
24 視認者
25A、25B 投射装置
26A、26B 投影光
27A、27B 拡散光

Claims (13)

  1. 屈折率nを有する樹脂と、屈折率nよりも小さい屈折率nを有する微粒子とを含んでなる光拡散層を備えてなり、
    前記微粒子の一次粒子が、1nm〜2.5μmのメジアン径を有し、
    前記微粒子の含有量が、前記樹脂に対して0.01〜14質量%であり、
    前記光拡散層が、下記数式(1):
    0.04<屈折率n−屈折率n≦0.5 ・・・(1)
    を満たす、透明フィルム。
  2. 前記微粒子が、シリカ粒子、硫酸バリウム粒子、炭酸カルシウム粒子、アクリル系粒子、およびポリスチレン系粒子からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の透明フィルム。
  3. 前記光拡散層が、熱可塑性樹脂を含んでなる、請求項1または2に記載の透明フィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含んでなる、請求項3に記載の透明フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含んでなる、請求項3または4に記載の透明フィルム。
  6. ヘイズ値が37%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明フィルム。
  7. 全光線透過率が70%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明フィルム。
  8. 写像性が50%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明フィルムを備えた、透明スクリーン。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明フィルムまたは請求項9に記載の透明スクリーンを備えた、積層体。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明フィルムまたは請求項9に記載の透明スクリーンを備えた、車両用部材。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明フィルムまたは請求項9に記載の透明スクリーンを備えた、住宅用部材。
  13. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明フィルムまたは請求項9に記載の透明スクリーンと、投射装置とを備えた、画像投影装置。
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