JP7128059B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体に関し、詳しくは、非点灯時は成形体が視覚的に透明であって向こう側を視認でき、エッジライト方式で肉厚方向の側面から光を入射した際には面発光する面発光成形体に好適なポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体に関する。
従来から、液晶表示装置の背面光源等に用いられる光源装置はエッジライト方式の導光板が使用されている。導光板とは透明樹脂成形体の表面にプリズム加工などを施して肉厚方向の側面から光を入射して光の入射方向の垂直面側を発光させる部材である。
通常、導光板の素材には光を吸収、散乱させない様に極力、基材樹脂単体が使用され、この基材の熱加工時の変色を抑制する為の熱安定剤、離型剤等が微量配合される程度である。透明樹脂成形体のままでは光の入射方向にそのまま光が進行して、反光源側の面が発光するのみなので、液晶表示装置の背面光源としては使用できないが、光の入射方向の表面にプリズム加工などの特殊な表面凹凸をつけることで光が散乱して、光の入射方向に対して垂直面側が面発光させることが出来るようになり、この手法による導光板が市場で広く普及している。この設計による導光板は、高い導光性能と面発光輝度を発揮する。しかしこの導光板は成形品の厚み方向に見た場合、視覚的にはほぼ不透明なものとなる。
珍しいケースとして、特許文献1ではより輝度の高い高性能なエッジライト導光板を検討しており、表面に光拡散処理を施した導光板の内部に表面と別に屈折率の異なる微粒子を含有させて光散乱性を有するプラスチック材料により形成された導光板が開示されている。この導光板も成形品表面に光拡散インキによる処理や微細な凹凸を形成させている為、導光体の肉厚方向から見た場合はヘイズが高く、視覚的にほぼ不透明なものとなる。
一方で、透明熱可塑性樹脂にこれと屈折率の異なる微粒子を含有させた光拡散性樹脂組成物は広く知られており、主にLED電球カバー等の一般照明向けのカバー材として使用されている。一般照明向けには、通常はエッジライト方式ではなく直下式光源が使用される。即ち、LED光源チップから離間した直上に光拡散性樹脂からなる成形体が厚み方向に光が透過する様に配置して、光拡散カバーとして使用されている。
直下式光源の一般照明用の光拡散部材は通常、極めて高いHAZEを示し視覚的に不透明なものが使用される。
更に、直下式光源による一般照明用には透明カバー材が使用されることもある。この透明カバーは主に光源の保護カバーとして用いられる。このカバーでは透明性、光の透過性が重要であり、LED点灯時はこのカバーに当たった光はほぼ透過され、面発光することはなく、その機能も要求されていない。
特開平4-145485号公報
本発明の目的(課題)は、光の入射方向に対して、垂直面は非点灯時は視覚的に透明であり、エッジライト方式で光を入射、点灯させた時は入射方向の垂直面が面発光するポリカーボネート樹脂材料及びその成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の微粒子を特定の量で含有するポリカーボネート樹脂組成物が、非点灯時には厚み方向から見た場合に透明であり、点灯時は光源入射方向に対して垂直面が高い輝度で発光することを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体に関する。
[1]ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が0.1~0.9μmである、ポリオルガノシロキサン若しくはシリカから選択された少なくとも1種の球状微粒子(B)を0.001~0.09質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
[2]球状微粒子(B)の屈折率が1.3~1.55である上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3]充填材を含有しないか、含有したとしても、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以下である上記[1]または[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4]樹脂組成物からなる成形体の、3mm厚で測定した際のヘイズが1~30%である上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
[6]エッジライト用面発光成形体である上記[5]に記載の成形体。
[7]3mmtで測定した際のヘイズが1~30%である上記[6]に記載のエッジライト用面発光成形体。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、非点灯時には厚み方向が透明であり、点灯時には光源入射方向に対して垂直な面が高い輝度で発光するエッジライト用面発光成形体等を提供することができる。
実施例におけるエッジライト点灯時の面発光の明るさを評価した方法を示すための模式図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が0.1~0.9μmである、ポリオルガノシロキサン若しくはシリカから選択された少なくとも1種の球状微粒子(B)を0.001~0.09質量部含有することを特徴とする。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(A)は、その種類に制限はない。
ポリカーボネート樹脂は、一般式:-[-O-X-O-C(=O)-]-で表わされる、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。なお、式中、Xは、一般には炭化水素基であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。中でも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂の具体的な種類に制限はないが、例えば、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなるポリカーボネート重合体が挙げられる。この際、ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させるようにしてもよい。また、二酸化炭素をカーボネート前駆体として、環状エーテルと反応させる方法も用いてもよい。またポリカーボネート重合体は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよい。さらに、ポリカーボネート重合体は1種の繰り返し単位からなる単重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。なお、通常、このようなポリカーボネート重合体は、熱可塑性の樹脂となる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、即ち、ビスフェノールAが好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、脂肪族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーの例を挙げると、
エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、デカン-1,10-ジオール等のアルカンジオール類;
シクロペンタン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、4-(2-ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、2,2,4,4-テトラメチル-シクロブタン-1,3-ジオール等のシクロアルカンジオール類;
エチレングリコール、2,2’-オキシジエタノール(即ち、ジエチレングリコール)、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、スピログリコール等のグリコール類;
1,2-ベンゼンジメタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジエタノール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,3-ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,6-ビス(ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、4,4’-ビフェニルジメタノール、4,4’-ビフェニルジエタノール、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビスフェノールAビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル、ビスフェノールSビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル等のアラルキルジオール類;
1,2-エポキシエタン(即ち、エチレンオキシド)、1,2-エポキシプロパン(即ち、プロピレンオキシド)、1,2-エポキシシクロペンタン、1,2-エポキシシクロヘキサン、1,4-エポキシシクロヘキサン、1-メチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、2,3-エポキシノルボルナン、1,3-エポキシプロパン等の環状エーテル類;等が挙げられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
<ポリカーボネート樹脂の製造方法>
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
界面重合法
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体は、前述の通りである。なお、カーボネート前駆体の中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;などが挙げられる。なお、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。なお、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、反応のアルカリ水溶液中のpHを10~12にコントロールするために、5~10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10~12、好ましくは10~11になる様にコントロールするために、ビスフェノール化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
重合触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’-ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’-ジメチルアニリン、N,N’-ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニン;グアニジンの塩;等が挙げられる。なお、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調節剤としては、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的に、m-メチルフェノール、p-メチルフェノール、m-プロピルフェノール、p-プロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-長鎖アルキル置換フェノール等のアルキル基置換フェノール;イソプロパニルフェノール等のビニル基含有フェノール;エポキシ基含有フェノール;o-ヒドロキシ安息香酸、2-メチル-6-ヒドロキシフェニル酢酸等のカルボキシル基含有フェノール;等が挙げられる。なお、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調節剤の使用量は、ジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。分子量調整剤の使用量をこの範囲とすることで、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性及び耐加水分解性を向上させることができる。
反応の際に、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート前駆体としてホスゲンを用いた場合には、分子量調節剤はジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
なお、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
溶融エステル交換法
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
ジヒドロキシ化合物は、前述の通りである。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用いることが好ましく、中でも1.01モル以上用いることがより好ましい。なお、上限は通常1.30モル以下である。このような範囲にすることで、末端水酸基量を好適な範囲に調整できる。
ポリカーボネート樹脂では、その末端水酸基量が熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼす傾向がある。このため、公知の任意の方法によって末端水酸基量を必要に応じて調整してもよい。エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率;エステル交換反応時の減圧度などを調整することにより、末端水酸基量を調整したポリカーボネート樹脂を得ることができる。なお、この操作により、通常は得られるポリカーボネート樹脂の分子量を調整することもできる。
炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物との混合比率を調整して末端水酸基量を調整する場合、その混合比率は前記の通りである。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は任意のものを使用できる。中でも、例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。なお、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は通常100~320℃である。また、反応時の圧力は通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式のいずれの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体などが挙げられる。なお、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、前記のエステル交換触媒が含有するアルカリ金属又はアルカリ土類金属に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上であり、また、通常10当量以下、好ましくは5当量以下である。更には、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上であり、また、通常100ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量[Mv]は、5000~70000の範囲にあることが好ましい。通常は10000~40000の範囲内、好ましくは13000~30000の範囲内である。
なお、粘度平均分子量[Mv]は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4Mv0.83から算出される値を意味する。
また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0007128059000001
また、ポリカーボネート樹脂(A)は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
[球状微粒子(B)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリオルガノシロキサン(B1)若しくはシリカ(B2)から選択された少なくとも1種の球状微粒子(B)を含有する。そして、球状微粒子(B)の平均粒子径が0.1~0.9μmであるものを使用する。
なお、球状微粒子(B)の球状とは、真球状であってもよく、楕円状等であってもよく、卵形などを含む略球状を意味し、具体的にはアスペクト比(長径と短径の比)が通常1.3以下であり、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
本明細書における平均粒子径は、コールターカウンター法にて行われる。コールターカウンター法は、サンプル粒子を懸濁させた電解質を細孔(アパチャ-)に通過させ、そのときに粒子の体積に比例して発生する電圧パルスの変化を読み取って粒子径を定量するもので、コールターカウンター法による粒子径測定は、粒度分布測定装置として最も多用されているものである。
ポリオルガノシロキサンの球状微粒子(B1)とは、RSiO1.5(Rは一価の有機基)で示される3官能性シロキサン単位(以下、「T単位」ということがある。)を有するポリオルガノシロキサンをいい、全シロキサン単位の合計100モル%中、50モル%以上のものをいう。T単位の割合は、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
ポリオルガノシロキサン粒子は、上記T単位のほかに、RSiO0.5(Rは一価の有機基)で表される1官能性シロキサン単位(以下、「M単位」ということがある。)を含有してもよい。このようにM単位を含有することで、ポリオルガノシロキサン粒子自体の耐熱性が向上し、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の色相が良好なものになり、またポリカーボネート樹脂への分散性が向上し、均一な光学性能を有するポリカーボネート樹脂組成物が得られやすくなるというメリットが得られる。
ポリオルガノシロキサンに結合する有機基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1~20アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、フェニル基、トリル基、およびキシリル基等のアリール基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基等のアラルキル基などが好ましく挙げられる。なかでも、ポリオルガノシロキサンとしては、特に耐熱性に優れ、また面発光輝度と透明性が高度に均衡させやすい傾向にあるメチル基を有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
本発明においては、ポリオルガノシロキサン粒子は、平均粒径が0.1~0.9μmであるものを使用する。より好ましくは0.2~0.8μm、特に好ましくは0.3~0.7μmである。平均粒子径が0.1μm未満であっても、0.9μを超えても透明性と面発光輝度のバランスを高度に均衡させることは出来なくなる。
ポリオルガノシロキサン粒子を製造するための方法は、公知であり、例えば特開平01-217039号公報に記載されるように、オルガノトリアルコキシシランを酸性条件下で加水分解してオルガノシラントリオールの水/アルコール溶液に、アルカリ性水溶液を添加、混合し、静置状態において、オルガノシラントリオールを重縮合させることによって得られる。
粒径の調整は、主にアルカリ性水溶液のpHの調整によって行うことができ、小さい粒子を得ようとすればpHを高く、大きい粒子を得ようとすればpHを低くすることで粒子径の制御が可能であり、縮合反応は通常アルカリ添加後0.5~10時間、好ましくは0.5~5時間の範囲で行われ、縮合物が熟成されるが、熟成時の攪拌を弱くして、粒子の会合を防止することで、粒径および粒径分布の調整が可能である。さらに、得られたポリオルガノシロキサン粒子を更に粉砕して粒度を調整してもよい。また、ポリオルガノシロキサン粒子は、その製造者に所望の粒径と分布のスペックを指定することでも、入手可能である。
シリカ球状微粒子(B2)は、通常、中実の粒子である。本発明で使用する平均粒子径は0.1~0.9μmである。より好ましくは0.2~0.8μm、特に好ましくは0.3~0.7μmである。平均粒子径が0.1μm未満でも、0.9μmを超えても透明性と面発光輝度のバランスを高度に均衡させることは出来なくなる。
上記平均粒子径を有するシリカ球状微粒子(B2)は、各種原料、各種製法によるものが市販されており、これらから任意に選択して使用することができる。
中でも、不純物の少ない球状シリカを用いることが好ましい。また、シリカ球状微粒子には表面処理を施すことが出来る。表面処理はポリカーボネート樹脂への分散性向上や、シリカに含まれる不純物や、シリカの表面活性によって、ポリカーボネート樹脂が変色、劣化するなどの悪影響が出る場合がある際に有効である。表面処理剤としては各種シランカップリング剤やハイドロジェンシロキサン処理などが例示出来るが、ポリカーボネート樹脂に無機フィラーを配合する場合の公知の表面処理剤を任意に適用できる。通常、表面処理剤の配合量はシリカ100質量部あたり、0.01~5質量部の範囲内である。
球状微粒子(B)の屈折率は、好ましくは1.3~1.55、より好ましくは1.35~1.5であり、更に好ましくは1.38~1.46である。
屈折率がこの範囲より大きいと十分な面発光強度が得られ難くなり、屈折率がこの範囲より小さいものは製造、合成が難しくなりやすい。
なお、本発明において、屈折率は、アッベ屈折計を用いて、25℃の条件で、光源としてナトリウムのD線(589nm)を用いて測定した値を用いる。
球状微粒子(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.001~0.09質量部である。含有量が0.001質量部未満の場合は、面発光輝度が不十分となり、0.09質量部を超える場合は、透明性の低下及び、光源から離れた箇所の面発光輝度の低下により使用出来ない。
特に好ましい球状微粒子の配合量はポリオルガノシロキサンの場合は0.001~0.02質量部、シリカの場合は0.01~0.05質量部である。
[安定剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤及び/又はフェノール系酸化防止剤を含有することが好ましい。
リン系安定剤を含有することでポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性、耐熱変色性、耐候性等を向上させることができる。リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP-10」、城北化学工業社製「JP-351」、「JP-360」、「JP-3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
リン系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.005質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、また、通常0.5質量部以下、好ましくは0.4質量以下である。リン系安定剤の含有量が前記範囲の下限値を下回ると、熱安定効果が不十分となる可能性があり、リン系安定剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン,2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO-50」、「アデカスタブAO-60」等が挙げられる。
なお、フェノール系酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.005質量部以上であり、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常0.5質量部以下、好ましくは0.3質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下である。フェノール系酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、フェノール系酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、フェノール系酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
[離型剤]
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤(滑剤)を含有することが好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6~36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6~36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も包含する用語として使用される。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2-ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ-トロプシュワックス、炭素数3~12のα-オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。
なお、上述した離型剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
[その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
<その他の樹脂>
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)以外のその他の樹脂を含有する場合、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
<樹脂添加剤>
樹脂添加剤としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、染顔料、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
好ましい難燃剤としては、有機スルホン酸金属塩、芳香族縮合リン酸エステル、フェノキシホスファゼン等のホスファゼン化合物などが例示できる。特に有機スルホン酸金属塩が好ましく、例えばジフェニルスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸やパーフルオロメタンスルホン酸のカリウム塩、ナトリウム塩、セシウム塩などが例示できる。有機スルホン酸金属塩の配合量としては、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.001~0.5質量部の範囲内で有ることが好ましい。
更にフィブリル化したポリテトラフルオロエチレンを難燃助剤として配合すると、より高度な難燃性を発現させることも出来る。ポリテトラフルオロエチレンの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01~0.3質量部の範囲内とすることが好ましい。
また、帯電防止剤としては例えばドデシルベンゼンスルホン酸の塩、パーフルオロアルキルスルホニル誘導体の窒素オニウム塩等のイオン液体型帯電防止剤、ジグリセリンモノラウレートなどが好ましく使用できる。その配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1~5質量部の範囲であることが好ましい。
また、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。紫外線吸収剤の好ましい配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01~1質量部の範囲内である。
また、蛍光増白剤としては例えば、ベンゾオキサゾール系、スチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系、チオフェン系、スチレンビフェニル系、ピラゾロン系などの従来公知の各種の蛍光増白剤を用いることができる。特に、熱安定性の点から分子量が300~1,000の、ベンゾオキサゾール系化合物及びクマリン系化合物から選ばれる、白色系の蛍光増白剤が好ましい。また、例えば、ジスチリルビフェニル系青色蛍光発光剤、アリールエチニルベンゼン系青色蛍光発光剤、キンキピリジン系蛍光発光剤、セキシフェニル系青色蛍光発光剤、ジメシチルボリルアントラセン系蛍光発光剤、キナクリドン系蛍光発光剤などから選ばれる白色有機発光体や青色有機発光体も蛍光増白作用を示す化合物として使用できる。蛍光増白剤の好ましい配合量はポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.0001~0.1質量部の範囲内である。
また、染顔料としてはフタロシアニン系、アンスラキノン系染料などが例示できる。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂(A)及び球状微粒子(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによってポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、このマスターバッチを基材となる樹脂ペレットと混合して直接、成形機に投入して成形体を製造することも出来る。また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
[成形体]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形して成形体とされる。
成形体を製造する方法は、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられ、また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
これらの中でも、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などの射出成形法、シート押出成形法、異形押出成形法等が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、これを用いて成形された厚さ3mmの成形体のヘイズは1~30%であることが好ましく、より好ましくは3~30%であり、さらに好ましくは5~25である。ヘイズが30%を超えると透明性が低下して、成形品を透かして見た時の向こう側の視認性が低く、デザイン性も低いものとなる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形して用いる成形体の形状は限定されず、平板であってもよいし、曲面形状等の非平面形状であってもよい。
成形体の例を挙げると、光学部品、照明付きのスイッチ、照明付きの構造部材、照明機器、電気・電子機器、パチンコ、パチスロ、ゲーム等のアミューズメント機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、ショーケースなどのパネル部材、自動販売機、券売機などの間仕切り板、各種容器、レジャー用品・雑貨類等の部品が挙げられる。これらの中でも、特に光学部品、照明機器等アミューズメント系、車両部品に好適である。光学部品や照明機器等としては、LED、有機EL、白熱電球、蛍光ランプ、陰極管等の光源を直接または間接に利用する機器・器具の部品が挙げられ、導光板や面発光体用部材等が代表的なものとして例示される。
本発明の組成物を成形した好ましい成形体としては、LED等を光源として用いた各種の光学部材が挙げられる。面発光する部材として幅広く使用することができる。
中でも好ましいものとして、LED光源を成形体の縁部に備えたエッジライト方式のための面発光成形体が挙げられる。面発光成形体では、LED光源の発した光が、本発明の樹脂組成物を成形した平板状の成形体の側部から入射した後、入射した光が球状微粒子(B)により拡散され、入射角に対して垂直に、すなわち平板状の成形体に垂直面の方向に出射し、その成形体の表面が出射面となって、面発光することになる。そして、成形体は透明性に優れ、良好なヘイズを示すので、非点灯時は透明であり、面発光帯の向こう側を視認できる視認性を有し、点灯時には明るく発光するという照明装置である。
このようなエッジライト型の面発光成形体は、各種の照明機器用として種々の分野に適用でき、車両部材としては自動車室内の各種表示灯、警告灯、スイッチ部材に。屋内屋外の照明機器、電飾看板、装飾用照明部品、照明付き間仕切り、照明ディスプレイ、スクリーン、あるいはパチンコ等の遊技機の電飾部品等に好適であり、それらに使用した場合、良好な透過視認性と高い輝度での面発光を確保することができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
なお、以下の説明において[部]とは「質量部」を表す。
実施例及び比較例に使用した各成分は、以下の表1の通りである。
Figure 0007128059000002
(実施例~11、参考例1~4、比較例1~10)
[樹脂ペレット製造]
表1に記載した各成分を、後記表2-3に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
[ヘイズ(3mmt、単位:%)]
上記の方法で得られたペレットを、120℃で4~7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NS40」)により、平滑な鏡面金型を用い、樹脂温度280℃、金型温度80℃で、平板状プレート(55mm×100mm×3mmt)を成形し、JIS K7136、JIS K7361に準拠し、濁度計(日本電色工業社製「NDH-4000」)を用いて、D65光源、10°視野にて、ヘイズ(単位:%)を測定した。
[非点灯時の厚み方向透明性]
上記平板状プレートを正面から目視し、以下の基準により、非点灯時の厚み方向透明性の評価を行った。
○:平板状プレートの向こう側が十分に透けて見える。顕著な曇りを感じない。
×:平板状プレートの向こう側が見えない、あるいは見えにくい。顕著に曇っている様に感じる。
[エッジライト点灯時の面発光性]
図1に示すように、上記平板状プレート1の長手方向端部の側面に、LED白色光源2を当接させて、LED光を入射させた時に、その光源部から50mm離れた領域3の面発光特性を、目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:明るく発光している。
△:発光しているが暗く十分でない。
×:殆ど発光しない。
結果を以下の表2-3に示す。
Figure 0007128059000003
Figure 0007128059000004
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、光学部品、照明機器、電気・電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類等の部品等に広く好適に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が0.1~0.9μmであるシカの球状微粒子(B)を0.001~0.09質量部含有し、球状微粒子(B)の屈折率が1.3~1.5であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 充填材を含有しないか、含有したとしても、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以下である請求項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 樹脂組成物からなる成形体の、3mm厚で測定した際のヘイズが1~30%である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
  5. エッジライト用面発光成形体である請求項に記載の成形体。
  6. 3mmtで測定した際のヘイズが1~30%である請求項に記載のエッジライト用面発光成形体。
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