JP7128059B2 - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
通常、導光板の素材には光を吸収、散乱させない様に極力、基材樹脂単体が使用され、この基材の熱加工時の変色を抑制する為の熱安定剤、離型剤等が微量配合される程度である。透明樹脂成形体のままでは光の入射方向にそのまま光が進行して、反光源側の面が発光するのみなので、液晶表示装置の背面光源としては使用できないが、光の入射方向の表面にプリズム加工などの特殊な表面凹凸をつけることで光が散乱して、光の入射方向に対して垂直面側が面発光させることが出来るようになり、この手法による導光板が市場で広く普及している。この設計による導光板は、高い導光性能と面発光輝度を発揮する。しかしこの導光板は成形品の厚み方向に見た場合、視覚的にはほぼ不透明なものとなる。
直下式光源の一般照明用の光拡散部材は通常、極めて高いHAZEを示し視覚的に不透明なものが使用される。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体に関する。
[2]球状微粒子(B)の屈折率が1.3~1.55である上記[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3]充填材を含有しないか、含有したとしても、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以下である上記[1]または[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4]樹脂組成物からなる成形体の、3mm厚で測定した際のヘイズが1~30%である上記[1]~[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
[6]エッジライト用面発光成形体である上記[5]に記載の成形体。
[7]3mmtで測定した際のヘイズが1~30%である上記[6]に記載のエッジライト用面発光成形体。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂(A)は、その種類に制限はない。
ポリカーボネート樹脂は、一般式:-[-O-X-O-C(=O)-]-で表わされる、炭酸結合を有する基本構造の重合体である。なお、式中、Xは、一般には炭化水素基であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。中でも、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、デカン-1,10-ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリオルガノシロキサン(B1)若しくはシリカ(B2)から選択された少なくとも1種の球状微粒子(B)を含有する。そして、球状微粒子(B)の平均粒子径が0.1~0.9μmであるものを使用する。
なお、球状微粒子(B)の球状とは、真球状であってもよく、楕円状等であってもよく、卵形などを含む略球状を意味し、具体的にはアスペクト比(長径と短径の比)が通常1.3以下であり、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
本明細書における平均粒子径は、コールターカウンター法にて行われる。コールターカウンター法は、サンプル粒子を懸濁させた電解質を細孔(アパチャ-)に通過させ、そのときに粒子の体積に比例して発生する電圧パルスの変化を読み取って粒子径を定量するもので、コールターカウンター法による粒子径測定は、粒度分布測定装置として最も多用されているものである。
ポリオルガノシロキサンに結合する有機基Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1~20アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基、フェニル基、トリル基、およびキシリル基等のアリール基、フェニルエチル基およびフェニルプロピル基等のアラルキル基などが好ましく挙げられる。なかでも、ポリオルガノシロキサンとしては、特に耐熱性に優れ、また面発光輝度と透明性が高度に均衡させやすい傾向にあるメチル基を有するポリオルガノシロキサンが好ましい。
中でも、不純物の少ない球状シリカを用いることが好ましい。また、シリカ球状微粒子には表面処理を施すことが出来る。表面処理はポリカーボネート樹脂への分散性向上や、シリカに含まれる不純物や、シリカの表面活性によって、ポリカーボネート樹脂が変色、劣化するなどの悪影響が出る場合がある際に有効である。表面処理剤としては各種シランカップリング剤やハイドロジェンシロキサン処理などが例示出来るが、ポリカーボネート樹脂に無機フィラーを配合する場合の公知の表面処理剤を任意に適用できる。通常、表面処理剤の配合量はシリカ100質量部あたり、0.01~5質量部の範囲内である。
屈折率がこの範囲より大きいと十分な面発光強度が得られ難くなり、屈折率がこの範囲より小さいものは製造、合成が難しくなりやすい。
なお、本発明において、屈折率は、アッベ屈折計を用いて、25℃の条件で、光源としてナトリウムのD線(589nm)を用いて測定した値を用いる。
特に好ましい球状微粒子の配合量はポリオルガノシロキサンの場合は0.001~0.02質量部、シリカの場合は0.01~0.05質量部である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤及び/又はフェノール系酸化防止剤を含有することが好ましい。
リン系安定剤を含有することでポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性、耐熱変色性、耐候性等を向上させることができる。リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
なお、フェノール系酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤(滑剤)を含有することが好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
樹脂添加剤としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、染顔料、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、相溶化剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
更にフィブリル化したポリテトラフルオロエチレンを難燃助剤として配合すると、より高度な難燃性を発現させることも出来る。ポリテトラフルオロエチレンの配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01~0.3質量部の範囲内とすることが好ましい。
また、蛍光増白剤としては例えば、ベンゾオキサゾール系、スチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系、チオフェン系、スチレンビフェニル系、ピラゾロン系などの従来公知の各種の蛍光増白剤を用いることができる。特に、熱安定性の点から分子量が300~1,000の、ベンゾオキサゾール系化合物及びクマリン系化合物から選ばれる、白色系の蛍光増白剤が好ましい。また、例えば、ジスチリルビフェニル系青色蛍光発光剤、アリールエチニルベンゼン系青色蛍光発光剤、キンキピリジン系蛍光発光剤、セキシフェニル系青色蛍光発光剤、ジメシチルボリルアントラセン系蛍光発光剤、キナクリドン系蛍光発光剤などから選ばれる白色有機発光体や青色有機発光体も蛍光増白作用を示す化合物として使用できる。蛍光増白剤の好ましい配合量はポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.0001~0.1質量部の範囲内である。
また、染顔料としてはフタロシアニン系、アンスラキノン系染料などが例示できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂(A)及び球状微粒子(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによってポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、このマスターバッチを基材となる樹脂ペレットと混合して直接、成形機に投入して成形体を製造することも出来る。また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形して成形体とされる。
成形体を製造する方法は、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられ、また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
これらの中でも、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などの射出成形法、シート押出成形法、異形押出成形法等が好ましい。
成形体の例を挙げると、光学部品、照明付きのスイッチ、照明付きの構造部材、照明機器、電気・電子機器、パチンコ、パチスロ、ゲーム等のアミューズメント機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、ショーケースなどのパネル部材、自動販売機、券売機などの間仕切り板、各種容器、レジャー用品・雑貨類等の部品が挙げられる。これらの中でも、特に光学部品、照明機器等アミューズメント系、車両部品に好適である。光学部品や照明機器等としては、LED、有機EL、白熱電球、蛍光ランプ、陰極管等の光源を直接または間接に利用する機器・器具の部品が挙げられ、導光板や面発光体用部材等が代表的なものとして例示される。
中でも好ましいものとして、LED光源を成形体の縁部に備えたエッジライト方式のための面発光成形体が挙げられる。面発光成形体では、LED光源の発した光が、本発明の樹脂組成物を成形した平板状の成形体の側部から入射した後、入射した光が球状微粒子(B)により拡散され、入射角に対して垂直に、すなわち平板状の成形体に垂直面の方向に出射し、その成形体の表面が出射面となって、面発光することになる。そして、成形体は透明性に優れ、良好なヘイズを示すので、非点灯時は透明であり、面発光帯の向こう側を視認できる視認性を有し、点灯時には明るく発光するという照明装置である。
このようなエッジライト型の面発光成形体は、各種の照明機器用として種々の分野に適用でき、車両部材としては自動車室内の各種表示灯、警告灯、スイッチ部材に。屋内屋外の照明機器、電飾看板、装飾用照明部品、照明付き間仕切り、照明ディスプレイ、スクリーン、あるいはパチンコ等の遊技機の電飾部品等に好適であり、それらに使用した場合、良好な透過視認性と高い輝度での面発光を確保することができる。
なお、以下の説明において[部]とは「質量部」を表す。
実施例及び比較例に使用した各成分は、以下の表1の通りである。
[樹脂ペレット製造]
表1に記載した各成分を、後記表2-3に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上記の方法で得られたペレットを、120℃で4~7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NS40」)により、平滑な鏡面金型を用い、樹脂温度280℃、金型温度80℃で、平板状プレート(55mm×100mm×3mmt)を成形し、JIS K7136、JIS K7361に準拠し、濁度計(日本電色工業社製「NDH-4000」)を用いて、D65光源、10°視野にて、ヘイズ(単位:%)を測定した。
上記平板状プレートを正面から目視し、以下の基準により、非点灯時の厚み方向透明性の評価を行った。
○:平板状プレートの向こう側が十分に透けて見える。顕著な曇りを感じない。
×:平板状プレートの向こう側が見えない、あるいは見えにくい。顕著に曇っている様に感じる。
図1に示すように、上記平板状プレート1の長手方向端部の側面に、LED白色光源2を当接させて、LED光を入射させた時に、その光源部から50mm離れた領域3の面発光特性を、目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:明るく発光している。
△:発光しているが暗く十分でない。
×:殆ど発光しない。
結果を以下の表2-3に示す。
Claims (6)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、平均粒子径が0.1~0.9μmであるシリカの球状微粒子(B)を0.001~0.09質量部含有し、球状微粒子(B)の屈折率が1.3~1.5であることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- 充填材を含有しないか、含有したとしても、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以下である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 樹脂組成物からなる成形体の、3mm厚で測定した際のヘイズが1~30%である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
- エッジライト用面発光成形体である請求項4に記載の成形体。
- 3mmtで測定した際のヘイズが1~30%である請求項5に記載のエッジライト用面発光成形体。
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