JPWO2016088179A1 - 部分放電判別装置及び部分放電判別方法 - Google Patents

部分放電判別装置及び部分放電判別方法 Download PDF

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Abstract

時間又は周波数に対する第1部分放電の第1信号レベルの第1特性を示すデータを記憶し、電力設備に交流電流が流れることによって生じる放電の第2信号レベルを計測し、時間、又は周波数に対する前記交流電流の前記第2信号レベルの第2特性を計測し、時間又は信号レベルに基づく特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する部分放電判別装置を提供する。

Description

本発明は、部分放電判別装置及び部分放電判別方法に関する。
従来、部分放電の計測で、ニューラルネットワーク(Neural network)によって、計測した信号の部分放電信号に対する類似度を評価し、部分放電の有無を判別する方法が知られている(例えば特許文献1等)。
特開平8−338856号公報
しかしながら、従来の方法では、波形信号のパラメータを比較しないため、部分放電を精度よく判別できない場合があった。
そこで、ノイズ等を含む交流電流の信号から部分放電の信号を精度よく判別できる部分放電判別方法及び部分放電判別装置を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の一形態における、部分放電判別装置が、時間又は周波数に対する第1部分放電の第1信号レベルの第1特性を示すデータを記憶する記憶部と、電力設備に交流電流が流れることによって生じる放電の第2信号レベルを計測し、時間又は周波数に対する前記交流電流の前記第2信号レベルの第2特性を計測する計測部と、時間又は信号レベルに基づく特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する判別部とを有することを特徴とする。
ノイズ等を含む交流電流の信号から部分放電の信号を精度よく判別できる部分放電判別装置及び部分放電判別方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステムによる全体処理の一例を示すシーケンス図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステムにおける各装置の全体処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る部分放電を示す信号波形の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る信号の特性パラメータの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電を示す信号の信号強度の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る信号の信号強度に係る特性パラメータの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電を示す信号の周波数成分の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る信号の周波数成分に係る特性パラメータの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る確率値に基づく第2信号のマッピングの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るφ−Q−N分布図の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置にφ−Q−N計測ボードが接続されるシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電の減衰の一例を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るパルス発生器を用いて第1信号を入力するシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。 本発明の一実施形態に係るパルス発生器を用いて複数の第1信号を入力するシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置による減衰率の計算結果の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置による減衰率に基づく任意の距離で発生する部分放電の第1信号の予測方法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置による部分放電の発生源の距離を計算する方法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
以下、本発明の電力設備に生じる部分放電を判別する部分放電判別装置及び部分放電判別方法について説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。
部分放電計測装置100は、計測部の一例である。以下、計測部が部分放電計測装置100である場合を例に説明する。部分放電計測装置100は、電力設備に流れる部分放電及びノイズ(noise)等を含む交流電流を計測する。電力設備は、例えばケーブル、接続箱、及びGIS(Gas Insulated Switch)等である。以下の説明では、電力設備がケーブルである場合を例に説明する。交流電流は、例えば600Vを超える電圧の交流電流である。また、部分放電計測装置100は、部分放電判別装置101に接続される。
部分放電計測装置100は、センサ(sensor)100H1と、アンプ(amplifier)100H2と、波形計測ボード100H3とを有する。
センサ100H1は、部分放電の計測が行われるケーブルに接続される。具体的には、センサ100H1は、高周波計測インピーダンスを有し、センサ100H1は、高周波計測インピーダンスを用いてケーブルに流れる交流電流を計測する。次に、センサ100H1は、計測される交流電流の電流値を電圧値に変換する。さらに、センサ100H1が変換する電圧値は、信号としてアンプ100H2に出力される。また、センサ100H1が有する出力端子は、アンプ100H2の入力端子に接続される。
アンプ100H2は、センサ100H1から出力される信号を増幅する。また、アンプ100H2が有する出力端子は、波形計測ボード100H3が有する入力端子に接続される。
波形計測ボード100H3は、アンプ100H2によって増幅された信号をサンプリングする。
波形計測ボード100H3は、A/D(Analog/Digital)コンバータ(Converter)100H31と、メモリ(memory)100H32と、MCU(Micro Controller Unit)100H33とを有する。
また、波形計測ボード100H3は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等を実装する電子回路基板である。
A/Dコンバータ100H31は、波形計測ボード100H3の入力端子を有する。また、A/Dコンバータ100H31は、アンプ100H2から入力される信号をA/D変換する。なお、A/Dコンバータ100H31が有する出力端子は、メモリ100H32が有する入力端子と、MCU100H33が有する入力端子とに接続される。
メモリ100H32は、波形計測ボード100H3の用いる各種データ及び各種パラメータを記憶する。
MCU100H33は、マイクロプロセッサ100H331を有する。
マイクロプロセッサ100H331は、波形計測ボード100H3が有する各ハードウェアを制御する。
波形計測ボード100H3が有する出力端子は、部分放電判別装置101が有する入力端子に接続される。
波形計測ボード100H3は、サンプリングした信号をデータとして部分放電判別装置101に出力し、部分放電判別装置101は、出力されるデータ等から部分放電を判別する。
なお、電力設備に流れる部分放電及びノイズ等を含む交流電流の計測は、部分放電計測装置100による計測に限られない。交流電流は、部分放電計測装置100以外の計測装置によって計測されてもよい。また、部分放電計測装置100のハードウェア構成は、オシロスコープ(Oscilloscope)及びスペクトラムアナライザ(Spectrum analyzer)等の解析装置を有する構成でもよい。
<部分放電判別装置のハードウェア構成例>
図2は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
部分放電判別装置101は、例えばPC(Personal Computer)である。
部分放電判別装置101は、CPU(Central Processing Unit)101H1と、記憶装置101H2と、入力I/F(interface)101H3と、出力I/F101H4とを有する。また、部分放電判別装置101が有する各ハードウェアは、バス(bus)によって相互に接続され、各ハードウェアは、相互にデータ等を送受信する。
CPU101H1は、記憶装置101H2からプログラム又はデータ等を読み出し、処理を実行することで、部分放電判別装置101が行う各種処理を実現する演算装置及び制御装置である。
記憶装置101H2は、メモリ等の主記憶装置及びHD(Hard Disk)等の補助記憶装置である。記憶装置101H2は、各種プログラム、各種パラメータ、及び各種データを記憶する。
入力I/F101H3は、部分放電判別装置101に各種データ及び各種パラメータ等を入力するインタフェースである。入力I/F101H3には、部分放電計測装置100等の計測装置が接続される。なお、入力I/F101H3は、ネットワークを介してデータ等を入力する通信用インタフェース等でもよい。さらに、入力I/F101H3は、キーボード(keyboard)等の入力装置が接続されるインタフェースを有してもよい。
出力I/F101H4は、部分放電判別装置101からデータ及び処理結果等を出力するインタフェースである。具体的には、出力I/F101H4は、例えばディスプレイ(display)等の出力装置である。なお、出力I/F101H4は、ネットワークを介してデータ等を出力する通信用インタフェース又は記録媒体にデータ等を出力する外部インタフェースでもよい。
なお、入力I/F101H3及び出力I/F101H4は、入力装置及び出力装置に代えてタッチパネル(touch panel)等の入出力装置であってもよい。
また、部分放電判別装置101のハードウェア構成は、図2に示す構成に限られない。部分放電判別装置101は、例えばセンサ100H1等の部分放電計測装置100のハードウェアを有する構成でもよい。また、部分放電判別装置101は、タブレット(tablet)又はサーバ(server)等の情報処理装置であってもよい。ならびに、部分放電判別装置101のハードウェア構成は、例えば部分放電判別装置101が有する各ハードウェアを補助する装置を内部又は外部にさらに有する構成等でもよい。さらに、部分放電判別装置101は、1つの装置でなくともよい。例えば、部分放電判別装置101は、ネットワーク等で接続される2つ以上の情報処理装置によって構成してもよい。
つまり、部分放電判別装置101は、部分放電判別装置101が行う処理の一部又は全部をネットワーク等で接続する外部装置に並行、分散、又は冗長して処理を行う構成でもよい。
<全体処理例>
図3は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステムによる全体処理の一例を示すシーケンス図である。
部分放電判別装置101は、部分放電を判別するのに基準とする信号(以下、第1信号SIG1という。)を入力する。この場合、第1信号SIG1は、例えば理想状態で部分放電を示す信号である。また、第1信号SIG1は、例えば所定の時間ごとの電圧値が示されたデータで部分放電判別装置101に入力される(ステップS01)。
部分放電計測装置100は、電力設備に流れる交流電流を計測し、計測される交流電圧を電圧値で示す信号(以下、第2信号SIG2という。)を部分放電判別装置101に出力する。この場合、第2信号SIG2は、第1信号SIG1と同様に、所定の時間ごとの電圧値が示されたデータによって部分放電判別装置101に出力される(ステップS02)。
部分放電判別装置101は、第1信号SIG1と、第2信号SIG2とを比較し、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する(ステップS03)。
なお、全体処理は、図3に示す処理順序に限られない。例えばステップS03の処理は、ステップS02と並行、つまり交流電流の計測中等に行われてもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステムにおける各装置の全体処理の一例を示すフローチャートである。
図4(A)は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステムにおける部分放電計測装置100の全体処理の一例を示すフローチャートである。
ステップSA01では、部分放電計測装置100は、交流電流の計測を行う。
ステップSA02では、部分放電計測装置100は、計測した交流電流を第2信号として出力する。具体的には、ステップSA02では、部分放電計測装置100は、ステップSA01で計測した交流電流を部分放電判別装置101に第2信号として出力する。なお、ステップSA01及びステップSA02の処理は、図3のステップS02の処理に相当する。
図4(B)は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置を用いるシステムにおける部分放電判別装置101の全体処理の一例を示すフローチャートである。
ステップSB01では、部分放電判別装置101は、第1信号を入力する。なお、ステップSB01の処理は、図3のステップS01の処理に相当する。
ステップSB02では、部分放電判別装置101は、第2信号を入力する。なお、ステップSB02の処理は、図3のステップS02の処理に相当する。具体的には、ステップSB02の処理は、ステップSA02で部分放電計測装置100が出力する第2信号のデータを入力する処理である。
ステップSB03では、部分放電判別装置101は、第1信号及び第2信号のそれぞれの特性パラメータを比較し、第2信号が部分放電であるか否かを判別する。なお、ステップSB03の処理は、図3のステップS03の処理に相当する。
<部分放電の信号波形例>
図5は、本発明の一実施形態に係る部分放電を示す信号波形の一例を示す図である。
ステップS01で第1信号SIG1として部分放電判別装置101に入力される信号は、例えば図5で図示する信号等である。なお、第1特性は、図5で図示する第1信号SIG1等で示される。また、第1部分放電は、第1信号SIG1等で示される放電である。
図5では、横軸が時間を示す軸である。また、図5では、縦軸が時間に対する信号レベルを示す軸である。さらに、図5では、信号レベルは、電圧値で示される。ならびに、第1信号レベルは、図5では、縦軸で示される。
図5で示す信号は、部分放電を示す信号の一例である。この場合、部分放電を示す信号は、図5で図示するように、理想状態では、10乃至20nsec(ナノ秒)程度の立ち上がり時間である等の特徴がある。また、理想状態は、例えばノイズ等がない計測環境、センサの計測特性が反映されていない状態、又は計算で求められる理論値による計測結果等である。部分放電判別装置101は、信号の特性を示す特性パラメータを比較して部分放電であるか否かを判別する。
特性パラメータは、信号の電圧又は信号強度等によって部分放電の特性を示すパラメータである。また、信号レベルは、信号の強さ及び出力値等を示す値であり、電圧又は信号強度等で示される。
また、特性パラメータは、電圧の最大値及び極大値等である信号の特徴的な点の値である。具体的には、特性パラメータは、例えば電圧の絶対値の最大値等である。また、特性パラメータは、第1信号SIG1のデータから検索、変換、又は計算される。なお、特性パラメータは、比較に用いられる値がデータとして部分放電判別装置101に入力されてもよい。
さらに、特性パラメータは、電圧を示すグラフの傾き、電圧の変化量等である信号の変化の度合い、及び変化傾向等を示す値等である。具体的には、特性パラメータは、例えば電圧の立ち上がり変化量又は電圧の立ち下がり変化量等である。
ならびに、特性パラメータは、電圧の所定の変化にかかる時間等である。具体的には、特性パラメータは、例えば電圧の立ち上がり時間、電圧の立ち下がり時間、基準値BLから変化して再度基準値となるまでの時間、及び基準値BLから最大値となるまでの時間と基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間との比率等である。
基準値BLは、例えばグラウンド(ground)の電位である0V(ボルト)の値、初期値、又は使用者等が任意に設定する値等である。以下、基準値BLは、同様の意味で記載する。
また、特性パラメータは、信号強度において信号の特性を示す値である。具体的には、特性パラメータは、例えば単位時間あたりの信号強度等である。
さらに、特性パラメータは、周波数成分において信号の特性を示す値である。具体的には、特性パラメータは、例えば周波数成分ごとに示される信号強度等である。
なお、特性パラメータは、上述した値に限られない。特性パラメータは、信号の他の特性を示す値でもよい。
図6は、本発明の一実施形態に係る信号の特性パラメータの一例を示す図である。
特性パラメータは、例えば図6で示すパラメータである。なお、特性パラメータは、図6に示すパラメータに限られない。図6で示す各図は、それぞれ特性パラメータを説明する図である。ステップS03では、部分放電判別装置101は、波形形状について、横軸で示す時間軸及び縦軸で示す電圧軸をそれぞれ正規化し、正規化されたグラフから各時間での標準偏差を計算する。部分放電判別装置101は、計算される標準偏差に基づいてパターンマッチング(pattern matching)を行い、類似度を計算する。類似度は、極性が逆となる場合を考慮して、交流信号のゼロ点を境に正負を反転させて計算を行い、いずれか大きい方を確率値として採用する。確率値は、パーセントで示され、確率値が所定の値以上となると、部分放電判別装置101は、第2信号SIG2が部分放電であると判別する。
図6(A)は、立ち上がり時間の特性パラメータの一例を説明している図である。立ち上がり時間は、信号の電圧値が基準値BLから波形のピーク(peak)である最大値となるまでの時間である。なお、第1時間は、例えば立ち上がり時間である。
具体的には、立ち上がり時間は、電圧値が基準値BLから変化し始める時間T1から電圧値が最大値となる時間T2になるまでの時間である。
特性パラメータが立ち上がり時間である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、立ち上がり時間の値を入力又は入力される信号から立ち上がり時間の値を計算する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、立ち上がり時間について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図6(B)は、立ち上がり変化量の特性パラメータの一例を説明している図である。図6(B)では、立ち上がり変化量は、信号の電圧値を示す線分と、基準値BLを示す線分とが成す角度及び傾き等で示される。立ち上がり変化量は、電圧値が基準値BLから最大値となるまでの変化において、単位時間あたりの電圧値の変化量である。単位時間における電圧の変化量は、例えば立ち上がり変化量である。
具体的には、立ち上がり変化量は、電圧値が基準値BLから変化し始める時間T1から電圧値が最大値となる時間T2になるまでの時間において単位時間あたりの電圧値の変化量である。
特性パラメータが立ち上がり変化量である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、立ち上がり変化量の値を入力又は入力される信号から立ち上がり変化量の値を計算する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、立ち上がり変化量について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図6(C)は、立ち下がり時間の特性パラメータの一例を説明している図である。立ち下がり時間は、電圧値が最大値となる時間T2から電圧値が最小値となる時間T3になるまでの時間である。なお、第2時間は、例えば立ち下がり時間である。
特性パラメータが立ち下がり時間である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、立ち下がり時間の値を入力又は入力される信号から計算する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、立ち下がり時間について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図6(D)は、立ち下がり変化量の特性パラメータの一例を説明している図である。図6(D)では、立ち下がり変化量は、信号の電圧値を示す線分と、基準値BLを示す線分とが成す角度又は傾き等で示される。立ち下がり変化量は、電圧値が最大値から最小値となるまでの変化において、単位時間あたりの電圧値の変化量である。なお、単位時間における電圧の変化量は、例えば立ち下がり変化量である。
具体的には、立ち下がり変化量は、電圧値が最大値となる時間T2から電圧値が最小値となる時間T3になるまでの時間において単位時間あたりの電圧値の変化量である。
特性パラメータが立ち下がり変化量である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、立ち下がり変化量の値を入力又は入力される信号から立ち下がり変化量の値を計算する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、立ち下がり変化量について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図6(E)は、絶対値の最大値の特性パラメータの一例を説明している図である。図6(E)は、図6(A)乃至図6(D)の波形の絶対値を示す図である。絶対値の最大値は、信号の波形のピークである最大値の電圧値である。なお、絶対値の最大値は、図6(E)では、電圧値が最大値となる時間T2の電圧値である。
特性パラメータが絶対値の最大値である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、絶対値の最大値の値を入力又は入力される信号から絶対値の最大値の値を検索する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、絶対値の最大値について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図6(F)は、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間の特性パラメータの一例を説明している図である。図6(F)は、図6(A)乃至図6(D)の波形の絶対値を示す図である。基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間は、波形の持続時間である。具体的には、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間は、図6(F)では、電圧値が基準値BLから変化し始める時間T1から電圧値が再度基準値BLに収束する時間T4になるまでの時間である。なお、第3時間は、例えば基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間である。
特性パラメータが基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間を入力又は入力される信号から計算する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図6(G)は、基準値BLから最大値となるまでの時間と、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間との比率の特性パラメータの一例を説明している図である。図6(G)は、図6(A)乃至図6(D)の波形の絶対値を示す図である。基準値BLから最大値となるまでの時間は、電圧値が基準値BLから変化し始める時間T1から電圧値が最大値となる時間T2になるまでの時間Aである。基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間は、電圧値が基準値BLから変化し始める時間T1から電圧値が再度基準値BLに収束する時間T4になるまでの時間Bである。したがって、基準値BLから最大値となるまでの時間と、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間の比率は、図6(G)では、A:Bである。第1時間と第3時間との比率は、例えば図6(G)では、A:Bである。
特性パラメータが基準値BLから最大値となるまでの時間と、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間との比率である場合、ステップS01では、部分放電判別装置101は、比率の値を入力又は入力される信号から計算する。次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、基準値BLから最大値となるまでの時間と、基準値BLから変化して再度基準値BLとなるまでの時間との比率について比較を行い、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
特性パラメータは、図5に示す波形から計算される単位時間あたりの信号強度の時間による変化でもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る部分放電を示す信号の信号強度の一例を示す図である。
図7は、図5に示す信号の信号強度を示す図である。図7は、図5と比較して、縦軸が単位時間あたりの信号強度となっている点が異なる。部分放電判別装置101は、図7で図示するように、ステップS01で入力される第1信号の信号強度の時間変化及びステップS02で計測される第2信号SIG2のパルス波形の値をステップS03で比較し、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
図8は、本発明の一実施形態に係る信号の信号強度に係る特性パラメータの一例を示す図である。
図8(A)及び図8(B)は、同じ第2信号SIG2の一例を示す図である。同様に、図8(C)及び図8(D)は、同じ第2信号SIG2の一例を示す図である。図8(A)及び図8(C)は、図5と同様に横軸を時間軸及び縦軸を電圧値とする図であり、図8(B)及び図8(D)は、図7と同様に横軸を時間軸及び縦軸を単位時間あたりの信号強度とする図である。なお、第2信号SIG2の信号強度は、第1信号の信号強度と同一でないことが多いため、計測される第2信号SIG2には、正規化の処理が行われてもよい。単位時間あたりの信号強度は、単位時間あたりの信号強度の平均値等でもよい。
第2特性は、第2信号SIG2等で示される。図8で示す第2信号SIG2が計測されると、ステップS03では、部分放電判別装置101は、図7で示す第1信号SIG1と第2信号SIG2とを信号強度に係る特性パラメータについて比較し、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。
信号強度に係る特性パラメータについての比較は、部分放電判別装置101が、例えば図6で示す特性パラメータと同様に、各時間での標準偏差を計算する。そのうえ、部分放電判別装置101が、計算される標準偏差に基づいてパターンマッチングを行い、類似度を計算する。類似度は、極性が逆となる場合を考慮して、正又は負の値のうち、いずれか絶対値の大きい方を確率値として採用する。なお、信号強度に係る特性パラメータについて比較は、部分放電判別装置101が図7で示す第1信号のグラフ及び図8(B)で示す第2信号SIG2のグラフを画像としてパターンマッチングを行って類似度を計算してもよい。図6で示す特性パラメータと同様に、確率値が所定の値以上となると、部分放電判別装置101は、第2信号SIG2が部分放電であると判別する。
図8(A)及び図8(B)が示す第2信号SIG2と、図8(C)及び図8(D)が示す第2信号SIG2とでは、図8(B)で示す単位時間あたりの信号強度の時間変化は、図8(D)で示す単位時間あたりの信号強度の時間変化と比較して、図7に示す単位時間あたりの信号強度の時間変化と類似する。図8(B)が示すグラフは、例えば図7で示すグラフと同様に極大値が二点ある。また、図8(B)が示すグラフは、図7で示すグラフと曲率が近い値である等の共通の特徴がある。これに対して、図8(D)で示すグラフは、図7で示すグラフと共通の特徴が図8(B)で示すグラフより少ない。したがって、図8(A)及び図8(B)が示す第2信号SIG2は、図8(C)及び図8(D)が示す第2信号SIG2より、図7で示す第1信号に類似するといえる。
図5及び図8(A)で示すように、第2信号SIG2は、第1信号と逆の極性の電圧値で計測される場合がある。この場合、部分放電判別装置101が単位時間あたりの信号強度に基づいて部分放電を判別すると、部分放電判別装置101は、図8(A)で示す第2信号SIG2等も漏れなく部分放電を示す信号であると判別できる。
また、第2信号SIG2は、第1信号に対して各時間の電圧値に一定の差、いわゆるオフセット(offset)を有する場合等がある。この場合でも、単位時間あたりの信号強度は、オフセットがある場合でも同様の値となる。したがって、部分放電判別装置101が単位時間あたりの信号強度に基づいて部分放電を判別すると、部分放電判別装置101は、第1信号に対してオフセットを有する第2信号SIG2を部分放電信号と判別することができる。
よって、部分放電判別装置101が単位時間あたりの信号強度に基づいて部分放電を判別することによって、部分放電判別装置101は、オフセットがある場合等でも精度よく部分放電を判別することができる。
特性パラメータは、図5に示す波形から計算される電圧値の周波数成分でもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係る部分放電を示す信号の周波数成分の一例を示す図である。
図9は、図5に示す信号の周波数成分を示す図である。図9は、縦軸が信号強度及び横軸が周波数を示す図である。部分放電判別装置101は、図9で図示するように、ステップS01で入力される第1信号の周波数成分及びステップS02で計測される第2信号SIG2の周波数成分をステップS03で比較し、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。部分放電判別装置101が周波数解析を行い、周波数解析で得られる周波数分布によって周波数成分が示される。周波数解析では、例えばFFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)又はウェーブレット(wavelet)変換等の周波数変換が行われる。なお、図8等と同様に、計測される第2信号SIG2には、正規化の処理が行われてもよい。即ち、図9は、図5で示す信号に対してFFT等の周波数解析を行った解析結果の一例である。
図10は、本発明の一実施形態に係る信号の周波数成分に係る特性パラメータの一例を示す図である。
図10(A)及び図8(A)は、同じ第2信号SIG2の一例を示す図である。図10(A)は、図8(A)で示す第2信号SIG2を周波数成分で示す図の一例である。同様に、図10(B)及び図8(C)は、同じ第2信号SIG2の一例を示す図である。また、図10(B)は、図8(C)で示す第2信号SIG2を周波数成分で示す図の一例である。
図10(A)が示すグラフは、例えば図10(B)と比較して、含まれる周波数成分が多く、低い周波数帯域にも分布している。図9が示すグラフも同様に、含まれる周波数成分が多く、低い周波数帯域に分布している。したがって、図10(A)が示す第2信号SIG2は、図10(B)が示す第2信号SIG2より、図9で示す第1信号SIG1に類似するといえる。
第2信号SIG2は、第1信号SIG1に対して信号の大きさが大きく異なる場合がある。この場合でも、周波数成分は、信号の大きさが大きく異なる場合でも同様の分布となる。したがって、部分放電判別装置101が周波数成分に基づいて部分放電を判別すると、部分放電判別装置101は、第1信号SIG1に対してオフセットを有する第2信号SIG2を部分放電信号と判別することができる。
第2信号SIG2は、第1信号SIG1に対してオフセットを有する場合等がある。周波数成分は、オフセットがある場合でも同様の値となる。したがって、部分放電判別装置101が周波数成分に基づいて部分放電を判別すると、部分放電判別装置101は、第1信号SIG1に対してオフセットを有する第2信号SIG2を部分放電信号と判別することができる。
よって、部分放電判別装置101が周波数成分に基づいて部分放電を判別することによって、部分放電判別装置101は、オフセットがある場合等でも精度よく部分放電を判別することができる。
なお、部分放電判別装置101は、図6乃至図10で示す特性パラメータのうち、2つ以上の特性パラメータを用いて第2信号SIG2を判別してもよい。
例えば部分放電判別装置101は、図7等で示す単位時間あたりの信号強度の特性パラメータ及び図9等で示す周波数成分の特性パラメータを用いて、第2信号SIG2をそれぞれ判別する。この場合、部分放電判別装置101は、いずれか一方の特性パラメータを用いる判別より精度よく部分放電を判別することができる。
例えば部分放電判別装置101は、図6(A)で示す立ち上がり時間及び図6(B)で示す立ち上がり変化量の特性パラメータを用いて第2信号SIG2をそれぞれ判別する。立ち上がり時間及び立ち上がり変化量の特性パラメータは、いずれも最大値までのデータで計算することができる。したがって、部分放電判別装置101は、立ち上がり時間及び立ち上がり変化量の特性パラメータに基づいて判別する場合、少ないデータで精度よく部分放電を判別することができる。
例えば、部分放電判別装置101は、図6(A)で示す立ち上がり時間及び図6(E)で示す絶対値の最大値の特性パラメータを用いて第2信号SIG2をそれぞれ判別する。この場合、立ち上がり時間及び絶対値の最大値の特性パラメータは、少ない計算コストで計算できる。したがって、部分放電判別装置101は、立ち上がり時間及び絶対値の最大値の特性パラメータに基づいて判別する場合、少ない計算コストで精度よく部分放電を判別することができる。
例えば、部分放電判別装置101は、図6(B)で示す立ち上がり変化量及び図6(E)で示す絶対値の最大値の特性パラメータを用いて第2信号SIG2をそれぞれ判別する。この場合、立ち上がり変化量及び絶対値の最大値の特性パラメータは、いずれも信号の大きさが異なる場合等でも誤差が少なく計算することができる。したがって、部分放電判別装置101は、立ち上がり変化量及び絶対値の最大値の特性パラメータに基づいて判別する場合、信号の大きさが異なる場合等でも精度よく部分放電を判別することができる。
2つ以上の特性パラメータを用いる場合、例えば部分放電判別装置101は、各特性パラメータの確率値から平均値を計算し、平均値に基づいて判別を行う。
また、2つ以上の特性パラメータを用いる場合、例えば部分放電判別装置101は、各特性パラメータでそれぞれ第2信号SIG2を判別し、各判別結果の論理和(OR)、論理積(AND)、及び排他的論理和(XOR)をそれぞれ任意に組み合わせて判別を行う。
論理和によって判別する場合、2つ以上の特性パラメータのうち、少なくともいずれか1つの特性パラメータに基づく判別で部分放電であると判別されると、部分放電判別装置101は、ステップS03で第2信号SIG2が部分放電であると判別する。したがって、論理和によって判別する場合、1つの特性パラメータによって判別する場合と比較して、第2信号SIG2が部分信号である場合を見逃す確率を減らすことができ、部分放電判別装置101は、精度よく部分放電を判別することができる。
論理積によって判別する場合、2つ以上の特性パラメータのうち、各特性パラメータに基づく判別ですべて部分放電であると判別されると、部分放電判別装置101は、ステップS03で第2信号SIG2が部分放電であると判別する。したがって、論理積によって判別する場合、1つの特性パラメータによって判別する場合と比較して、第2信号SIG2が部分信号である確率を増やすことができ、部分放電判別装置101は、精度よく部分放電を判別することができる。
排他的論理和によって判別する場合、2つ以上の特性パラメータのうち、各特性パラメータに基づく判別で異なる判別がされると、部分放電判別装置101は、ステップS03で第2信号SIG2が部分放電であると判別する。したがって、排他的論理和よって判別する場合、1つの特性パラメータによって判別する場合と比較して、第2信号SIG2が部分信号である場合を見逃す確率を減らすことができ、部分放電判別装置101は、精度よく部分放電を判別することができる。
部分放電判別装置101が判別に2つの特性パラメータを用いる場合、部分放電判別装置101は、各特性パラメータに基づいて計算される確率値をマッピング(mapping)してもよい。
図11は、本発明の一実施形態に係る確率値に基づく第2信号SIG2のマッピングの一例を示す図である。
以下、部分放電判別装置101が図7等で示す単位時間あたりの信号強度及び図9等で示す周波数成分の2つの特性パラメータを用いる場合を例に説明する。図11では、縦軸が周波数成分の特性パラメータに基づく確率値及び横軸が単位時間あたりの信号強度の特性パラメータに基づく確率値を示す。即ち、図11は、第1特性パラメータが単位時間あたりの信号強度の特性パラメータであり、第2特性パラメータが周波数成分の特性パラメータである例を示す図である。
図11は、横軸が第1確率値を示し、かつ、縦軸が第2確率値を示す例である。なお、部分放電判別装置101によるマッピングは、図11で示す横軸及び縦軸に限られない。例えば第1確率値及び第2確率値は、図11に示す特性パラメータ以外の特性パラメータに基づく確率値でもよい。
複数の第2信号SIG2を部分放電判別装置101が計測すると、部分放電判別装置101は、各第2信号SIG2について、単位時間あたりの信号強度及び周波数成分の2つの特性パラメータに基づいてそれぞれ確率値を計算する。次に、部分放電判別装置101は、計算される確率値に対応する座標に各第2信号SIG2を点としてマッピングする。
部分放電判別装置101が複数の第2信号SIG2をマッピングすると、第2信号SIG2は、各特性パラメータについて同様の値となり、分布に偏りが生じる。例えば、図11で図示するように、第2信号SIG2は、2つの集中する分布となる場合がある。ここで、図11では、全範囲の第2信号SIG2、即ち、計測される第2信号SIG2をすべて含むグループを第1グループG1とする。また、図11では、第1グループG1に含まれる第2信号SIG2のうち、第2信号SIG2の1つのグループを第2グループG2とする。さらに、図11では、第1グループG1に含まれる第2信号SIG2のうち、第2グループG2とは異なる第2信号SIG2のグループを第3グループG3とする。
ステップS03では、部分放電判別装置101は、例えば確率値が60パーセント以上70パーセント未満であると、部分放電の可能性ありとし、確率値が70パーセント以上80パーセント未満であると、高い確率で部分放電であるとし、確率値が80パーセント以上であると、部分放電と判別する。なお、各値は、第1信号SIG1の入力方法等によって設定で変更されてもよい。
次に、ステップS03では、部分放電判別装置101は、マッピングされた分布に基づいて分布データを生成する。分布データは、例えばφ−Q−N分布図で示されるデータである。
図12は、本発明の一実施形態に係るφ−Q−N分布図の一例を示す図である。
図12では、横軸は、第2信号SIG2が示す電力設備に流れる交流電流の位相φを示す軸であり、縦軸は、横軸で示される電力設備に流れる交流電流の位相φで得られる電荷を示す軸である。また、電荷は、電荷量Qで示される。さらに、図12では、各点の色は、位相φで得られる各電荷が単位時間あたりに発生する発生頻度Nを示す。なお、発生頻度Nは、単位時間あたりに同じ位相φ、かつ、同じ電荷量Qの電荷が発生する場合を積算して求められる。
図12(A)は、本発明の一実施形態に係る第1グループG1のφ−Q−N分布図の一例を示す図である。
図12(A)では、第2グループG2及び第3グループG3のφ−Q−N分布図が含まれる。
図12(B)は、本発明の一実施形態に係る第2グループG2のφ−Q−N分布図の一例を示す図である。
図12(C)は、本発明の一実施形態に係る第3グループG3のφ−Q−N分布図の一例を示す図である。
図12(B)及び図12(C)で示すように、第2グループG2と、第3グループG3とでは、各グループに含まれる信号が示す交流電流の位相φ及び電荷量Q等が異なり、異なる性質の交流電流であることがわかる。したがって、φ−Q−N分布図を生成することで、第2信号SIG2の詳細な解析を行うことができる。
なお、分布データは、部分放電判別装置101が生成する構成に限られない。
図13は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置にφ−Q−N計測ボードが接続されるシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。
φ−Q−N計測ボード104は、A/Dコンバータ104H1と、メモリ104H2と、MCU104H3とを有する。
φ−Q−N計測ボード104は、FPGA等を実装する電子回路基板である。
φ−Q−N計測ボード104は、第2信号SIG2に基づいて分布データを生成する。φ−Q−N計測ボード104は、第2信号SIG2に含まれる各波形の極大点であるピーク点をデジタルフィルタ処理によって算出する。この際、φ−Q−N計測ボード104は、位相の基準点と、マイクロプロセッサ104H31の内部カウンタとを用いることによって、φ−Q−N計測の際のピーク点における位相φを算出する。
メモリ104H2は、φ−Q−N計測ボード104が用いる各種データ及び各種パラメータを記憶する。メモリ104H2が有する出力端子は、MCU104H3が有する入力端子に接続される。
MCU104H3は、マイクロプロセッサ104H31を有する。
マイクロプロセッサ104H31は、φ−Q−N計測ボード104が有する各ハードウェアを制御する。
φ−Q−N計測ボード104が有する入出力端子は、部分放電判別装置101が有する入出力端子に接続される。
φ−Q−N計測ボード104は、部分放電判別装置101に生成する分布データを出力し、部分放電判別装置101は、分布データをφ−Q−N分布図等で表示する。
検波処理回路105は、検波処理を行う。検波処理は、第2信号SIG2に含まれる各波形の有無を検出する。また、検波処理回路105が有する出力端子は、φ−Q−N計測ボード104が有する入力端子に接続される。さらに、検波処理回路105が有する入力端子は、フィルタ106が有する出力端子に接続される。
なお、φ−Q−N計測ボード104で検出される電荷量Qは、部分放電計測装置100でサンプリングした信号波形にデジタルフィルタ処理を行うことで求めてもよい。
フィルタ106は、バンドパスフィルタ(Band−pass filter)である。フィルタ106は、アンプ100H2が増幅させた第2信号SIG2から特定の周波数帯域の信号を取り出す。なお、フィルタ106が有する入力端子は、アンプ100H2が有する出力端子に接続される。
位相検出用センサ107は、ケーブル等の電力設備に取り付けられる。また、位相検出用センサ107は、電力設備に流れる高電圧の電流又は電圧を検出する。なお、位相検出用センサ107が有する出力端子は、位相信号処理回路108が有する入力端子に接続される。
位相信号処理回路108は、位相検出用センサ107から入力される信号のゼロクロス(zero−cross)を検出する。次に、位相信号処理回路108は、検出したゼロクロスに基づいて、基準点をφ−Q−N計測ボード104及び部分放電計測装置100に出力する。なお、位相信号処理回路108が有する出力端子は、φ−Q−N計測ボード104の入力端子及び部分放電計測装置100が有する入力端子に接続される。
部分放電判別装置101は、各特性パラメータに基づいて計算される確率値に基づいて第2信号SIG2をマッピングすることで、部分放電を精度よく判別することができる。さらに、部分放電判別装置101は、マッピングによって第2信号SIG2のグループ分けを行い、φ−Q−N分布図を生成することで、第2信号SIG2の詳細な解析を行うことができる。
なお、部分放電判別装置101は、2つの特性パラメータを用いて判別を行う場合に限られない。具体的には、部分放電判別装置101は、3つ以上の特性パラメータを用いて判別を行ってもよい。
<実施の形態2>
ケーブル等の電力設備で部分放電が発生すると、部分放電は、部分放電が流れるケーブルの伝搬特性及び部分放電が流れる経路上に設置されるジョイント(joint)等によって減衰する。
図14は、本発明の一実施形態に係る部分放電の減衰の一例を説明する図である。
図14(A)は、本発明の一実施形態に係る部分放電の発生箇所と、本発明の一実施形態に係る部分放電計測装置100による第2信号SIG2の計測箇所との距離を説明する図である。
例えば図14では、部分放電計測装置100によって第2信号SIG2が計測される箇所を計測点P0とする。即ち、計測点P0の距離は、「0」である。さらに、図14(A)で図示するように、計測点P0とは距離がそれぞれ異なる地点P1及び地点P2があるとし、地点P2が地点P1より距離が長い、計測点P0から遠い地点とする。以下、図14(A)で示す三地点を例に説明する。また、図14では、三地点で同一の部分信号が発生し、発生した部分信号をすべて計測点P0で部分放電計測装置100によって計測する場合を例に説明する。
図14では、電力設備に交流電流が流れることによって生じる放電の第2信号レベルは、計測点P0である第2地点で計測される。また、図14では、第1部分放電は、地点P1及び地点P2で発生する部分放電である。
図14(B)及び図14(C)は、本発明の一実施形態に係る部分放電計測装置100によって計測点P0で計測した第2信号SIG2の一例を説明する図である。具体的には、図14(B)は、図5と同様に、横軸を時間軸及び縦軸を電圧軸として第2信号SIG2を示す図である。また、図14(C)は、図9と同様に、横軸を周波数軸及び縦軸を信号強度軸として第2信号SIG2を示す図である。ならびに、図14(C)は、図14(B)で示す第2信号SIG2を周波数解析した解析結果である。
計測点P0で計測される第2信号SIG2は、減衰が少ないため、波形が急峻であり、高周波成分が多く計測される。
図14(D)及び図14(E)は、本発明の一実施形態に係る部分放電計測装置100によって地点P1で計測した第2信号SIG2の一例を説明する図である。具体的には、図14(D)は、図14(B)と同様に、横軸を時間軸及び縦軸を電圧軸として第2信号SIG2を示す図である。また、図14(E)は、図14(C)と同様に、横軸を周波数軸及び縦軸を信号強度軸として第2信号SIG2を示す図である。ならびに、図14(E)は、図14(D)で示す第2信号SIG2を周波数解析した解析結果である。
図14(F)及び図14(G)は、本発明の一実施形態に係る部分放電計測装置100によって地点P2で計測した第2信号SIG2の一例を説明する図である。具体的には、図14(F)は、図14(B)と同様に、横軸を時間軸及び縦軸を電圧軸として第2信号SIG2を示す図である。また、図14(G)は、図14(C)と同様に、横軸を周波数軸及び縦軸を信号強度軸として第2信号SIG2を示す図である。ならびに、図14(G)は、図14(F)で示す第2信号SIG2を周波数解析した解析結果である。
図14の各図で図示するように、第2信号SIG2は、距離によって減衰し、距離が長くなるほど減衰が顕著となる。したがって、図14(F)で図示するように、減衰した第2信号SIG2は、図14(B)及び図14(D)で示す第2信号SIG2より、減衰によって、波形が鈍い形状となる。また、図14(G)で図示するように、減衰した第2信号SIG2は、図14(C)及び図14(E)で示す第2信号SIG2より、減衰によって、各周波数成分の信号強度が低下する。特に高周波成分は、低周波成分と比較して距離による減衰が顕著となる。
図15は、本発明の一実施形態に係るパルス発生器を用いて第1信号を入力するシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。
図15で示す構成は、図1で示す構成と比較して、センサ100H1がパルス発生器(pulse generator)103が接続された電力設備に接続される点が異なる。箔状の電極を使用する環境では、パルス発生器103は、駆動すると、検出電極の隣に設けられる注入用の電極からパルスを注入する間接注入を行う。若しくは、パルス発生器103は、駆動すると、高圧電圧部分と接地部分との間にパルスを注入する直接注入を行う。この場合、パルス発生器103が注入するパルスは、部分放電に相当する信号となる。つまり、パルス発生器103は、部分放電を模擬するパルスを発生させる。なお、第1地点は、例えば注入用の電極が設けられる地点である。
また、パルスの注入は、箔状の電極が使用される方法に限られず、例えば、導体とグラウンドとの間にパルスが注入される方法又はコンデンサのカップリング(coupling)によってパルスが注入される方法等でもよい。
部分放電判別装置101は、パルス発生器103が発生させるパルスを第1信号SIG1として入力する。この場合、パルス発生器103が発生させるパルスは、電力設備を介して部分放電判別装置101に入力されるため、センサ100H1の接続方法及び計測対象となる電力設備の構造及び接地線の長さ等の影響を受ける。したがって、パルス発生器103が発生させるパルスを第1信号SIG1として入力する場合、第1信号SIG1には、電力設備の特徴及びセンサ100H1の信号検出特性等が反映される。よって、部分放電判別装置101は、理想状態の第1信号SIG1と比較して、パルス発生器103が発生させるパルスを第1信号SIG1として入力する場合の方が第2信号SIG2を精度よく判別できる。
なお、第1信号SIG1は、部分放電計測装置100等によって計測される電圧値の特性であってもよい。つまり、例えば部分放電計測装置100が計測する信号のうち、部分放電信号と思われる信号を選び、第1信号SIG1として部分放電判別装置101が記憶してもよい。この場合、理想状態の第1信号SIG1と比較して、電力設備の特徴及びセンサ100H1の信号検出特性等が反映された第1信号SIG1を用いるため、部分放電判別装置101は、第2信号SIG2を精度よく判別できる。
なお、パルス発生器103が距離が異なる点で接続され、各点でパルスを注入し、部分放電判別装置101は、複数の第1信号SIG1を記憶してもよい。
図16は、本発明の一実施形態に係るパルス発生器を用いて複数の第1信号を入力するシステム構成の一例を説明するシステム構成図である。
図16は、図14(A)と同様の三地点を例に説明する図である。具体的には、図16で図示するように、パルス発生器103は、例えば計測点P0、地点P1、及び地点P2に接続される。この場合、センサ100H1は、計測点P0、地点P1、及び地点P2でパルス発生器103が注入するパルスを計測点P0で計測する。なお、図16では、計測点P0が第2地点であり、地点P1及び地点P2が第1地点である。
部分放電判別装置101は、計測点P0で注入されるパルスを第1信号SIG1として記憶する。同様に、部分放電判別装置101は、地点P1及び地点P2で注入されるパルスを第1信号SIG1として記憶する。各地点で注入されるパルスによる第1信号SIG1は、電力設備の特徴及びセンサ100H1の信号検出特性等が反映され、かつ、図14で示す距離による減衰も反映される。つまり、地点P1で注入されるパルスによる第1信号SIG1は、理想状態の第1信号SIG1と比較して、理想状態の第1信号SIG1より図14(D)及び図14(E)に示す信号に類似の信号となる。同様に、地点P2で注入されるパルスによる第1信号SIG1は、理想状態の第1信号SIG1と比較して、理想状態の第1信号SIG1より図14(F)及び図14(G)に示す信号に類似の信号となる。
ステップS03では、部分放電判別装置101は、第2信号SIG2を記憶する複数の第1信号SIG1とそれぞれ比較し、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。この場合、複数の第1信号SIG1は、それぞれ距離による減衰等が反映されているため、第2信号SIG2が減衰している場合であっても、部分放電判別装置101は、部分放電と判別できる。
したがって、部分放電判別装置101は、距離が異なる点について複数の第1信号SIG1を記憶することによって、地点P1及び地点P2等で発生する第2信号SIG2を部分放電か否か精度よく判別することができる。
部分放電判別装置101は、減衰率を計算してもよい。パルス発生器103は、状況によって必ずしも長い距離の地点からパルスを注入できるとは限らない。
図17は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置による減衰率の計算結果の一例を示す図である。
部分放電判別装置101は、例えば周波数ごとに距離に対する減衰率DARを計算する。図17で図示するように、横軸で示す各周波数に対して、それぞれ距離による減衰の結果が縦軸で示される。
部分放電判別装置101は、例えば計測点P0で計測される第1信号SIG1に基づいて、任意の距離で発生する部分放電の第1信号SIG1を予測する。
図18は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置による減衰率に基づく任意の距離で発生する部分放電の第1信号の予測方法の一例を示す図である。
図18では、部分放電判別装置101は、計測点P0で計測される第1信号SIG1の部分放電信号データDP0を入力する。この場合、部分放電信号データDP0は、図14(A)で示す波形と同様の波形を示すデータである。部分放電判別装置101は、任意の距離となる地点PNで発生する部分放電の第1信号SIG1を予測する。
図18で図示するように、部分放電判別装置101は、任意の距離となる地点PNの距離に対応する減衰率DARを特定する。次に、部分放電判別装置101は、部分放電信号データで示す波形の周波数成分を減衰率DARに基づいてそれぞれ減衰させ、任意の距離となる地点PNの計測データDPNを生成する。なお、任意の距離となる地点PNの計測データDPNは、任意の距離となる地点PNで発生する部分放電を示す信号(以下、第3信号SIG3という。)である。
部分放電判別装置101は、ウェーブレット変換による周波数変換等によって、部分放電信号データで示す波形の周波数分布を求める。次に、部分放電判別装置101は、減衰率DARに基づいて各周波数を減衰させ、ウェーブレット変換の逆変換等によって、第3信号SIG3を生成する。さらに、部分放電判別装置101は、生成する任意の距離となる地点PNの計測データDPNを第3信号SIG3として記憶する。この場合、第2部分放電は、第3信号SIG3等で示される。なお、第3特性は、例えば第3信号SIG3の電圧値等である第3信号レベルで示される。
なお、実施形態は、部分放電判別装置101が第3信号SIG3を生成する場合に限られない。部分放電判別装置101は、減衰率DARに基づいて各周波数を減衰させる補正を行ってもよい。例えば図9で示すように、部分放電判別装置101が周波数解析を行う場合、部分放電判別装置101は、周波数解析の結果を減衰率DARに基づいて各周波数を減衰させ、予測される周波数分布を計算する。この場合、部分放電判別装置101は、計算される周波数分布に基づいて第2信号SIG2の判別を行ってもよい。
部分放電判別装置101は、距離に対する減衰率を計算する。次に、部分放電判別装置101は、距離に対する減衰率を特定し、記憶する第1信号SIG1を減衰率に基づいて減衰させて第3信号SIG3を生成する。さらに、部分放電判別装置101は、第1信号SIG1を用いる場合と同様に、第3信号SIG3と第2信号SIG2とを比較し、第2信号SIG2が部分放電が否かを判別する。
部分放電判別装置101が第3信号SIG3を生成することによって、部分放電判別装置101は、任意の距離で発生する部分放電を精度よく判別することができる。また、部分放電判別装置101が第3信号SIG3を生成するため、第3信号SIG3に対応する地点の第1信号SIGは不要となり、パルス発生器103を接続し、パルスを注入する作業負荷が軽減できる。
部分放電判別装置101は、部分放電の発生する距離を計算してもよい。
図19は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置による部分放電の発生源の距離を計算する方法の一例を示す図である。
部分放電判別装置101は、例えば図示するように六地点の第1信号SIG又は第3信号SIG3を記憶する。つまり、計測点P0の部分放電信号データDP0、距離が100mである地点の部分放電信号データDP100、距離が200mである地点の部分放電信号データDP200、距離が300mである地点の部分放電信号データDP300、距離が400mである地点の部分放電信号データDP400、及び距離が500mである地点の部分放電信号データDP500は、図16で示すようにパルス発生器103が発生するパルスに基づく第1信号SIG1、図18で示す減衰率に基づく第3信号SIG3、又はこれらの組み合わせによって部分放電判別装置101に記憶されるデータである。
ステップS02で、例えば図19に図示する第2信号データDSIG2の第2信号SIG2が計測された場合を例に説明する。
ステップS03では、部分放電判別装置101は、各地点の部分放電信号データと第2信号データDSIG2をそれぞれ比較し、確率値を求め、確率値が最も高い値となる地点を部分放電の発生源の距離と判別する。
例えば図19では、計測点P0の部分放電信号データDP0に対する第2信号データDSIG2の確率値は、「60%」である。同様に、図19では、距離が100mである地点の部分放電信号データDP100に対する第2信号データDSIG2の確率値は、「75%」である。同様に、図19では、距離が200mである地点の部分放電信号データDP200に対する第2信号データDSIG2の確率値は、「90%」である。同様に、図19では、距離が300mである地点の部分放電信号データDP300に対する第2信号データDSIG2の確率値は、「75%」である。同様に、図19では、距離が400mである地点の部分放電信号データDP400に対する第2信号データDSIG2の確率値は、「60%」である。同様に、図19では、距離が500mである地点の部分放電信号データDP500に対する第2信号データDSIG2の確率値は、「40%」である。したがって、図19では、距離が200mである地点の部分放電信号データDP200に対する第2信号データDSIG2の確率値が最も高い値となるため、部分放電判別装置101は、部分放電の発生源が、距離が200mとなる地点にあると判別する。
部分放電判別装置101は、各地点の部分放電信号データと第2信号データとを比較する。したがって、部分放電判別装置101は、部分放電の発生源の距離を計算することができる。
なお、部分放電判別装置101は、六地点のデータを用いる場合に限られない。6か所以上又は6か所未満の計測地点のデータを用いる構成でもよい。
<機能構成例>
図20は、本発明の一実施形態に係る部分放電判別装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
部分放電判別装置101は、記憶部101F1と、計測部101F2と、判別部101F3と、確率値計算部101F4と、マッピング部101F5とを有する。
記憶部101F1は、第1信号SIG1に係るデータ等の各種データ及び各種パラメータを記憶する。記憶部101F1は、例えば記憶装置101H2等によって実現される。記憶部101F1は、図5等で示す第1信号SIG1のデータ、図6等で示す第1信号SIG1の各種数値であるパラメータPARSIG1、又は図16等で示すパルス発生器103が発生するパルスを第1信号SIG1としてデータで記憶する。また、記憶部101F1は、図18及び図19では、第3信号SIG3のデータを記憶する。
計測部101F2は、電力設備に流れる交流電流を計測し、第2信号SIG2を計測する。計測部101F2は、例えば部分放電計測装置100及び入力I/F101H3等によって実現される。
判別部101F3は、各種パラメータPARSIG1で示される特性パラメータのうち、少なくともいずれか1つの特性パラメータに基づいて、ステップS03の処理によって、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。判別部101F3は、例えばCPU101H1等によって実現される。
確率値計算部101F4は、記憶部101F1が記憶するデータに基づいて計測部101F2が計測する第2信号SIG2の確率値を計算する。確率値計算部101F4は、例えばCPU101H1等によって実現される。
マッピング部101F5は、確率値計算部101F4が計算する確率値に基づいて、図11に示すマッピングを行う。マッピング部101F5は、例えばCPU101H1等によって実現される。
部分放電判別装置101は、記憶部101F1が記憶するデータ等による第1信号SIG1等と計測部101F2が計測する第2信号SIG2とを確率値計算部101F4が計算する確率値等で比較し、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを判別する。部分放電判別装置101は、記憶部101F1が記憶する第1信号SIG1のデータ等に基づいて、特性パラメータを用いて比較するため、第2信号SIG2が部分放電であるか否かを精度よく判別することができる。
また、確率値計算部101F4が確率値を計算し、マッピング部101F5が確率値に基づいてマッピングすることによって図11に示すようなマッピングから部分放電を精度よく判別することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の時間又は周波数に対する第1部分放電の第1信号レベルの第1特性を示すデータを記憶する記憶部と、電力設備に交流電流が流れることによって生じる放電の第2信号レベルを計測し、時間又は周波数に対する前記交流電流の前記第2信号レベルの第2特性を計測する計測部と、時間又は信号レベルに基づく特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する判別部とを有する部分放電判別装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形又は変更が可能である。
100 部分放電計測装置
101 部分放電判別装置
101F1 記憶部
101F2 計測部
101F3 判別部
101F4 確率値計算部
101F5 マッピング部
103 パルス発生器
104 φ−Q−N計測ボード
105 検波処理回路
106 フィルタ
107 位相検出用センサ
108 位相信号処理回路
SIG1 第1信号
SIG2 第2信号
SIG3 第3信号
BL 基準値
T1 電圧値が基準値BLから変化し始める時間
T2 電圧値が最大値となる時間
T3 電圧値が最小値となる時間
G1 第1グループ
G2 第2グループ
G3 第3グループ
P0 計測点
P1、P2 地点
DAR 減衰率
DP0 計測データ
DP100 距離が100mである地点の部分放電信号データ
DP200 距離が200mである地点の部分放電信号データ
DP300 距離が300mである地点の部分放電信号データ
DP400 距離が400mである地点の部分放電信号データ
DP500 距離が500mである地点の部分放電信号データ

Claims (12)

  1. 時間又は周波数に対する第1部分放電の第1信号レベルの第1特性を示すデータを記憶する記憶部と、
    電力設備に交流電流が流れることによって生じる放電の第2信号レベルを計測し、時間又は周波数に対する前記交流電流の前記第2信号レベルの第2特性を計測する計測部と、
    時間又は信号レベルに基づく特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する判別部と
    を有する部分放電判別装置。
  2. 前記時間に対する前記第1部分放電の前記第1信号レベルの前記第1特性を周波数変換するとともに、前記時間に対する前記放電の前記第2信号レベルの前記第2特性を周波数変換する変換部をさらに有し、
    前記判別部は、前記変換部で周波数変換された前記第1特性と前記変換部で周波数変換された前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する請求項1に記載の部分放電判別装置。
  3. 前記第1特性が時間に対する電圧又は信号強度で示される場合、
    前記特性パラメータは、前記電圧の絶対値の最大値、前記電圧が前記電圧を示すのに基準となる値である基準値から前記電圧が前記最大値となるまでにかかる第1時間、単位時間における前記電圧の変化量、前記電圧の絶対値が前記最大値から最小値となるまでにかかる第2時間、前記電圧が前記基準値から変化して前記基準値となるまでにかかる第3時間、前記第1時間と前記第3時間との比率、及び単位時間あたりの前記信号強度のうち、少なくともいずれか1つである請求項1又は2に記載の部分放電判別装置。
  4. 前記第1特性が周波数に対する信号強度で示される場合、
    前記特性パラメータは、前記第1特性の周波数に対する信号強度である請求項1又は2に記載の部分放電判別装置。
  5. 部分放電を示す前記放電を発生させるパルスを前記電力設備に注入するパルス発生器が前記電力設備に接続され、
    前記第1特性は、前記パルス発生器を駆動すると、前記パルス発生器が前記電力設備に注入する前記パルスによって発生する前記放電を計測して得られる請求項1乃至4のいずれかに記載の部分放電判別装置。
  6. 前記パルス発生器が前記電力設備に接続される第1地点で前記パルス発生器が前記パルスを注入し、
    前記記憶部は、前記第1地点と前記計測部が前記電力設備に接続される第2地点との距離がそれぞれ異なる前記第1地点に発生する前記放電を計測して得られる前記データを複数記憶し、
    前記判別部は、距離に対する前記第1信号レベルの減衰を示す減衰率を計算し、前記減衰率を用いて、時間又は周波数に対する所定の距離で発生する第2部分放電の第3信号レベルの第3特性に基づいて前記特性パラメータを計算し、前記特性パラメータを用いて、前記第2特性と前記第3特性とを比較して、前記放電が前記第1部分放電又は前記第2部分放電であるか否かを判別する請求項5に記載の部分放電判別装置。
  7. 前記第1特性は、時間又は周波数に対する前記放電の前記第2信号レベルの特性である請求項1乃至6のいずれかに記載の部分放電判別装置。
  8. 前記判別部は、2つ以上の前記特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する請求項1乃至7のいずれかに記載の部分放電判別装置。
  9. 前記判別部は、2つ以上の前記特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、
    前記特性パラメータには、少なくとも前記単位時間あたりの信号強度が用いられる請求項3に記載の部分放電判別装置。
  10. 前記判別部は、2つ以上の前記特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、
    前記特性パラメータには、少なくとも前記第1特性の周波数に対する信号強度が用いられる請求項4に記載の部分放電判別装置。
  11. 前記判別部は、第1特性パラメータ及び第2特性パラメータである2つの前記特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、
    前記第1特性パラメータに基づいて前記放電が前記第1部分放電である確率を示す第1確率値と、前記第2特性パラメータに基づいて前記放電が前記第1部分放電である確率を示す第2確率値とをそれぞれ計算する確率値計算部と、
    前記第1確率値に対する前記第2確率値に前記放電の点をマッピングするマッピング部と
    を有する請求項8乃至10のいずれかに記載の部分放電判別装置。
  12. 部分放電計測装置が、
    時間又は周波数に対する第1部分放電の第1信号レベルの第1特性を示すデータを記憶する記憶手順と、
    電力設備に交流電流が流れることによって生じる放電の第2信号レベルを計測し、時間又は周波数に対する前記交流電流の前記第2信号レベルの第2特性を計測する計測手順と、
    時間又は信号レベルに基づく特性パラメータを用いて、前記第1特性と前記第2特性とを比較し、前記放電が前記第1部分放電であるか否かを判別する判別手順と
    を有する部分放電判別方法。
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