JPH11248783A - 部分放電検出装置 - Google Patents

部分放電検出装置

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JPH11248783A
JPH11248783A JP5521398A JP5521398A JPH11248783A JP H11248783 A JPH11248783 A JP H11248783A JP 5521398 A JP5521398 A JP 5521398A JP 5521398 A JP5521398 A JP 5521398A JP H11248783 A JPH11248783 A JP H11248783A
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JP
Japan
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partial discharge
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characteristic
detection
phase
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JP5521398A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsutada
広幸 蔦田
Noriko Osada
典子 長田
Satoru Inoue
井上  悟
Chieko Nishida
智恵子 西田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その収集が煩雑で長時間を要する教師データ
を必要とすることなく、簡便安価な構成で検出信号の部
分放電と外来ノイズとの識別が可能な部分放電検出装置
を得る。 【解決手段】 ガス絶縁機器1で発生した部分放電によ
る信号を部分放電検出器2で検出し、更に波形検知回路
3を経て波形切り出し回路4により波形データを切り出
す。次に、特徴量抽出回路5において、波形データから
第1波波高値と波高積分値とを求め、両者の二次元分布
の比例直線性の有無から部分放電と外来ノイズとの判別
を行う(外来ノイズ識別回路6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス絶縁機器等の被
検出電気機器で発生した部分放電を検出する部分放電検
出装置に係り、特に検出信号の部分放電と外来ノイズと
の識別、また、部分放電の放電形態を判別する技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁機器における部分放電測定にお
いて、部分放電とノイズを判別する方法として、部分放
電とノイズ信号のスペクトルの差違を利用した手法が挙
げられる。例として、特開平7−262866号公報に
示される方法が提案されている。ここでは、複数個の部
分放電波形の周波数特性データとノイズ波形の周波数特
性データとを積算していくことで周波数に対する累積値
分布を求め、これをニューラルネットで判定すること
で、部分放電かノイズかを判別するとともに発生箇所を
標定する。ニューラルネットは、あらかじめ検出器設置
地点において模擬部分放電データ及びノイズデータによ
る学習を行う必要がある。
【0003】また、ガス絶縁機器における部分放電測定
においてノイズの影響を除去する方法として、電源位相
信号から検出信号の、波高値−位相分布、発生頻度−位
相分布を算出し、予め設定された判定値と比較する方法
が挙げられる。例として、特開平4−215074号公
報に示される方法が提案されている。ここでは、電源位
相信号に基づいて、一定周期分の部分放電信号を記憶
し、同位相の部分放電信号を複数周期分加算し、この加
算された部分放電信号の波高値と部分放電信号の発生頻
度とを予め設定された判定値と比較して部分放電の有無
を判定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このような検出信号の周波数特性を利用した部分放電識
別手法では、部分放電及び外来ノイズの周波数特性がガ
ス絶縁機器の構造や周囲環境・部分放電検出器の位置・
部分放電の発生位置によって異なることから、あらかじ
め現地で各検出器毎にデータを学習させる必要がある。
しかもこのような学習作業は多大な教師データを必要と
し、時間を要する。さらに、ノイズ中には部分放電とほ
ぼ同様の周波数特性を持つものが存在するが、本手法の
ような周波数特性を利用した手法では、部分放電と外来
ノイズの識別が不可能である。
【0005】また、波高値−位相分布・発生頻度−位相
分布を利用した部分放電識別方法では、外部コロナ放電
のような、波高値−位相分布及び発生頻度−位相分布が
内部放電のそれと同様となるものは、内部放電と識別す
ることが不可能である。
【0006】この発明は上記のような事情に鑑みてなさ
れたもので、その目的は検出器の設置場所毎に学習や設
定値の調整をすることなく、部分放電と外来ノイズとを
精度よく識別することが可能な、信頼性の高い部分放電
検出装置を提供することにある。
【0007】また、上記の波高値−位相分布・発生頻度
−位相分布を利用した部分放電識別方法では識別不可能
であった外部放電と内部放電とを精度よく識別し、部分
放電の放電形態を精度よく特定することが可能な、信頼
性の高い部分放電検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る部分放電
検出装置は、被検出電気機器で発生した部分放電による
信号を検出する部分放電検出手段、この部分放電検出手
段からの検出信号が予め設定された検出レベル以上とな
ったタイミングに対応して決まる開始点から予め設定さ
れた検出レベル以下となったタイミングに対応して決ま
る終了点までを1波形データとして上記検出信号から複
数の波形データを切り出す波形切り出し手段、この波形
切り出し手段からの複数の波形データの各々についてそ
の第1波波高値と波高積分値とを求める特徴量抽出手
段、およびこの特徴量抽出手段からの上記複数の波形デ
ータに係る上記第1波波高値と上記波高積分値との2次
元分布を求めその比例直線性の有無から上記検出信号が
部分放電によるものか外来ノイズかの判別を行う外来ノ
イズ識別手段を備えたものである。
【0009】また、請求項2に係る部分放電検出装置
は、請求項1において、その第1波波高値と波高積分値
との2次元分布に比例直線性が有る場合、当該直線特性
の傾きから部分放電発生位置と部分放電検出位置との距
離を演算する発生距離演算手段を備えたものである。
【0010】また、請求項3に係る部分放電検出装置
は、請求項2において、複数の部分放電検出手段を被検
出電気機器の異なる個所に設け、上記複数の部分放電検
出手段からの発生距離の情報に基づき部分放電発生位置
を標定する放電位置標定手段を備えたものである。
【0011】また、請求項4に係る部分放電検出装置
は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、その外来ノ
イズ識別手段は、第1波波高値と波高積分値との2次元
分布から最小二乗法で近似直線を求め、この近似直線の
寄与率が予め設定された値以上のとき比例直線性有りと
して検出信号が部分放電によるものと判別するようにし
たものである。
【0012】請求項5に係る部分放電検出装置は、被検
出電気機器で発生した部分放電による信号を検出する部
分放電検出手段、この部分放電検出手段からの検出信号
が予め設定された検出レベル以上となったタイミングに
対応して決まる開始点から予め設定された検出レベル以
下となったタイミングに対応して決まる終了点までを1
波形データとして上記検出信号から複数の波形データを
切り出す波形切り出し手段、上記被検出電気機器に印加
される電源電圧の基本周波数各サイクルにおける位相を
示す電源位相信号を検出する位相信号検出手段、予め設
定された時間にわたって上記データ切り出し手段から得
られた複数の波形データの各々についてその第1波立ち
上がり時間を求めるとともに上記各波形データの検出タ
イミングにおける上記電源位相信号に基づき第1波立ち
上がり時間を特徴量とする特徴量−位相分布特性を作成
する特徴量−位相分布作成手段、および互いに異なる複
数の既知の部分放電形態に対応して予め作成された、上
記特徴量−位相分布特性に相当する各モデル特徴量−位
相分布特性と上記特徴量−位相分布作成手段からの特徴
量−位相分布特性との相関比較を行い、最も相関の高い
特性から検出時の部分放電形態を判別する部分放電形態
判別手段を備えたものである。
【0013】また、請求項6に係る部分放電検出装置
は、請求項5において、その特徴量−位相分布作成手段
は、第1波立ち上がり時間に加えて、最大波高値または
各位相に対する発生頻度を特徴量とする特徴量−位相分
布特性を作成するようにしたものである。
【0014】また、請求項7に係る部分放電検出装置
は、請求項6において、その部分放電形態判別手段は、
先ず、最大波高値または各位相に対する発生頻度を特徴
量とする特徴量−位相分布特性と、当該特徴量−位相分
布特性に相当する各モデル特徴量−位相分布特性との相
関比較を行い、相関の高い上位複数の特性の部分放電形
態を選別し、次に、第1波立ち上がり時間を特徴量とす
る特徴量−位相分布特性と当該特徴量−位相分布特性に
相当する上記選別された各モデル特徴量−位相分布特性
との相関比較を行い、最も相関の高い特性から検出時の
部分放電形態を判別するようにしたものである。
【0015】請求項8に係る部分放電検出装置は、被検
出電気機器で発生した部分放電による信号を検出する部
分放電検出手段、この部分放電検出手段からの検出信号
が予め設定された検出レベル以上となったタイミングに
対応して決まる開始点から予め設定された検出レベル以
下となったタイミングに対応して決まる終了点までを1
波形データとして上記検出信号から複数の波形データを
切り出す波形切り出し手段、上記被検出電気機器に印加
される電源電圧の基本周波数各サイクルにおける位相を
示す電源位相信号を検出する位相信号検出手段、予め設
定された時間にわたって上記データ切り出し手段から得
られた複数の波形データの各々についてその第1波周波
数を求めるとともに上記各波形データの検出タイミング
における上記電源位相信号に基づき第1波周波数を特徴
量とする特徴量−位相分布特性を作成する特徴量−位相
分布作成手段、および互いに異なる複数の既知の部分放
電形態に対応して予め作成された、上記特徴量−位相分
布特性に相当する各モデル特徴量−位相分布特性と上記
特徴量−位相分布作成手段からの特徴量−位相分布特性
との相関比較を行い、最も相関の高い特性から検出時の
部分放電形態を判別する部分放電形態判別手段を備えた
ものである。
【0016】また、請求項9に係る部分放電検出装置
は、請求項8において、その特徴量−位相分布作成手段
は、第1波周波数に加えて、最大波高値または各位相に
対する発生頻度を特徴量とする特徴量−位相分布特性を
作成するようにしたものである。
【0017】また、請求項10に係る部分放電検出装置
は、請求項9において、その部分放電形態判別手段は、
先ず、最大波高値または各位相に対する発生頻度を特徴
量とする特徴量−位相分布特性と、当該特徴量−位相分
布特性に相当する各モデル特徴量−位相分布特性との相
関比較を行い、相関の高い上位複数の特性の部分放電形
態を選別し、次に、第1波周波数を特徴量とする特徴量
−位相分布特性と当該特徴量−位相分布特性に相当する
上記選別された各モデル特徴量−位相分布特性との相関
比較を行い、最も相関の高い特性から検出時の部分放電
形態を判別するようにしたものである。
【0018】また、請求項11に係る部分放電検出装置
は、請求項1ないし10のいずれかにおいて、その波形
切り出し手段は、検出信号が予め設定された検出レベル
以上となったタイミングから所定の時間手前を開始点と
し予め設定された検出レベル以下となったタイミングを
終了点とするようにしたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における部分放電検出装置の構成を示すブ
ロック図である。図において、1は被検出電気機器であ
るガス絶縁機器、2はガス絶縁機器1で発生した部分放
電を検出する部分放電検出器で、ここでは部分放電によ
り放射される電磁波を検出するものであるが、部分放電
による電流等の電気信号や音響信号を検出するものでも
よい。なお、部分放電検出器2は以上のような部分放電
を検出する性能を有するものであるが、必ずしも部分放
電のみを検出する訳ではなく、部分放電ではないいわゆ
る外来ノイズをも検出することになる。本願発明の第1
の目的である、部分放電検出器2の検出信号から部分放
電信号と外来ノイズ信号との識別が必要となる所以であ
る。
【0020】部分放電検出器2からの検出信号は波形検
知回路3でその波形が連続的に検出され、更に、波形切
り出し回路4により順次波形データが切り出される。以
下、この波形切り出しの要領を図2を参照して説明す
る。
【0021】図2において、実線で示す波形の特性は、
波形検知回路3からの検出信号である。波形切り出し回
路4では、入力された検出信号を常時、一定時間間隔
(例えば、10nsec)毎にその一定時間内での絶対
値の最大振幅を演算しており、その最大振幅が予め設定
された検出レベル、例えば、予め部分放電や外来ノイズ
が発生していない状況を設定し、その時に得られた最大
振幅の2倍程度に設定した検出レベル以上となったタイ
ミングt=t0、およびその後、最大振幅が上記検出レ
ベル以下になったタイミングt=t2を検出する。
【0022】そして、波形の切り出しは、この検出され
たタイミングt=t0から所定の時間(例えば、100
nsec)手前のタイミングt=t1を開始点とし、検
出されたタイミングt=t2を終了点として1つの波形
データを切り出すようにする。このように、特に開始点
を、検出レベル以上となったタイミングt=t0より手
前に設定するのは、後述するように、検出レベルを越え
た検出信号波形の第1波のデータの把握を十分な精度で
行えるようにするためである。なお、波形検知は一定の
時間にわたって行われるので、この間、波形切り出し回
路4は複数の波形データを切り出すことになる。なお、
各波形データの切り出し時間(t2−t1)は、個々の
検出毎に異なったものとなる。
【0023】図1に戻り、波形切り出し回路4から出力
された複数の波形データは特徴量抽出回路5に入力され
その特徴量が算出される。即ち、先ず、各波形データの
第1波波高値(図2参照)を求める。更に、波高積分値
を算出する。具体的には、この波高積分値は、時間t=
t1〜t2の間の検出信号の二乗積分値の平方根で算出
される。また、検出信号の絶対値積分で算出する方法で
もよい。
【0024】次に、以上で求められた波形データの数量
分の第1波波高値と波高積分値とのデータ対の2次元分
布を作成する。図3はこの具体例を示すものである。即
ち、直交座標のx(横)軸に第1波波高値、y(縦)軸
に波高積分値をとり、各波形データの算出値をプロット
している。そして、これから最小二乗法により比例直線
(y=ax)を求めるとともに、この近似直線y=ax
によりどれだけ分布を近似できたかという指標である、
下式で定義される寄与率R2を算出する。
【0025】
【数1】
【0026】上式から判るように、寄与率R2が1に近
いほど(残差平方和が小さくなるほど)、二次元分布を
比例直線で近似できることを示し、0に近いほど(残差
平方和が大きくなるほど)、二次元分布を比例直線では
近似できていないことを示す。
【0027】ところで、部分放電検出器2により得られ
る検出信号は、ガス絶縁機器1内で発生した信号もしく
はガス絶縁機器1外から侵入した信号が、ガス絶縁機器
1の容器(タンク)内で反射・透過を繰り返すことによ
って得られた減衰振動信号である。よって、ガス絶縁機
器1の構造、部分放電検出位置、部分放電検出位置が一
定の場合は減衰振動特性は同一となるので、この減衰特
性を反映した波高積分値は発生現象の電荷量にのみ依存
することになる。
【0028】また、部分放電はガス絶縁機器1内で発生
するインパルス性現象であるため、部分放電検出器2か
ら得られた波形データの第1波波高値は、ガス絶縁機器
1の構造、部分放電発生位置、部分放電検出位置が一定
の場合はこのインパルス性現象の電荷量に依存すること
になる。以上の結果、部分放電の場合は、波高積分値は
第1波波高値に依存する。従って、一定時間にわたって
検出された信号から得られた複数の波形データから求め
た第1波波高値と波高積分値との二次元分布は、第1波
波高値の変動に応じて原点を通る比例直線上に分布する
ことになる。図3(a)はフリー異物(機器の組み立て
時に混入した金属異物等が該当する)による部分放電現
象を検出した一具体例で、高い寄与率R2=0.856
7が算出されている。
【0029】これに対し、多くの外来ノイズはインパル
ス性現象ではなく連続振動波形であり、これがガス絶縁
機器1内に侵入した場合、その連続振動波形に起因する
第1波高値と電荷量とには全く依存関係がないので、波
高積分値は第1波波高値に依存しない。従って、一連の
複数の波形データから求めた第1波波高値と波高積分値
との二次元分布は直線上に分布せずばらつくことにな
る。図3(b)は外来ノイズの検出例で、極めて小さい
寄与率R2=0.0657が算出されている。
【0030】図1の外来ノイズ識別回路6は特徴量抽出
回路5で求められた第1波波高値と波高積分値との二次
元分布から算出された近似直線の寄与率が、例えば0.
5以上の時、両者の比例直線性有とみなして当該検出信
号が部分放電によるものと判別する。また、この寄与率
が、0.5未満の時は、両者の比例直線性は無として当
該検出信号は外来ノイズであると判別する。
【0031】以上のように、この発明の実施の形態1で
は、その収集が煩雑で長時間を要する膨大な教師データ
を必要とすることなく、簡便安価な構成で検出信号の部
分放電と外来ノイズとの識別が可能となる。
【0032】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形
態2における部分放電検出装置の構成を示すブロック図
である。実施の形態1と異なるのは、特徴量抽出回路5
で求めた第1波波高値と波高積分値との二次元分布に比
例直線性が認められる場合、即ち、部分放電と判別され
る場合、その近似直線の傾きから部分放電発生位置と部
分放電検出位置との距離を演算する発生距離演算回路7
を設けた点のみである。以下、この発生距離演算回路7
の内容を中心に説明する。
【0033】先ず、近似直線の傾きにより、部分放電発
生位置と部分放電検出位置との間の距離が特定できる根
拠について以下で説明する。部分放電検出器2で得られ
る第1波は、部分放電のインパルス性現象を反映した立
ち上がり時間1nsec程度の急峻なパルス波形であり
高周波成分を多く含んでいる。それに対して波高積分値
は、部分放電のインパルス性現象が反射・透過を繰り返
すことで得られた減衰振動波形を積分したものであるの
で低周波成分が多く含まれる。
【0034】ガス絶縁機器1内では高周波成分ほど減衰
率が大きいので、結果として部分放電発生地点から離れ
るにつれて波高積分値よりも第1波波高値の方が減衰
し、距離が離れるにつれて、第1波波高値と波高積分値
との二次元分布の直線の傾きが大きくなる。従って、部
分放電のような1nsec程度の急峻な模擬パルスの発
生器を用い、予め、部分放電検出位置との距離を種々変
えた位置で上記模擬パルスを発生させ、図5に示すよう
に、各距離において求めた上記二次元分布の近似直線の
傾きとの関係を求めておく。
【0035】図4の発生距離演算回路7は、予め作成さ
れた、図5に示す関係特性を用い、検出データから得ら
れた二次元分布の近似直線の傾きに相当する部分放電発
生距離を読み出す。
【0036】以上のように、この発明の実施の形態2で
は、簡便安価な構成で、部分放電発生位置と部分放電検
出位置との距離を得ることができる。
【0037】実施の形態3.実施の形態2では、部分放
電発生位置までの距離は得られるが、その方向性は判定
できないので、部分放電発生位置の標定はできない。実
施の形態3は、この部分放電発生位置の標定を可能とす
るもので、図6はその部分放電検出装置の構成を示すブ
ロック図である。先の形態例と異なるのは、ガス絶縁機
器1の異なる位置に2個の部分放電検出器2A、2Bを
設けている点である。そして、発生距離演算回路7によ
り、両部分放電検出器2Aおよび2Bからの検出信号に
基づき求めた部分放電発生距離の情報を入力して放電位
置標定回路8が部分放電発生位置を標定する。
【0038】図7はこの発生位置標定の要領を説明する
もので、ここでは、フリー異物による部分放電を想定し
ており、当該異物はガス絶縁機器1の円筒状タンク内の
最低部、即ち、図中、左右方向の最低部線上に存在する
ものとしている。そして、両検出器2A、2Bは距離D
の間隔で、上記線上位置に取り付けられている。
【0039】先ず、検出器2Aの検出信号に基づき求め
られた発生距離d1からは、検出器2Aから左側へ距離
d1離れた推定位置A1および検出器2Aから右側へ距
離d1離れた推定位置A2が得られる。次に、検出器2
Bの検出信号に基づき求められた発生距離d2からは、
検出器2Bから左側へ距離d2離れた推定位置B1およ
び検出器2Bから右側へ距離d2離れた推定位置B2が
得られる。
【0040】そして、放電位置標定回路8は、両検出器
2A、2Bからの推定位置A1、A2、B1、B2の相
互位置関係からほぼ一致する推定位置A1、B1を部分
放電発生位置Pと標定する。
【0041】なお、以上では、部分放電の発生位置がタ
ンク最低部の線上に存在するとの前提のもとに、2個の
部分放電検出器2A、2Bを使用して部分放電発生位置
を標定するようにしたが、使用する部分放電検出器の個
数を更に増やすようにすれば、上記のような前提条件の
ない一般的な場合における部分放電発生位置の特定も可
能となり、その標定精度も向上する。
【0042】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4における部分放電検出装置の構成を示すブロック図
である。ここでは、部分放電検出器2からの検出信号に
基づき部分放電の発生個所(ガス絶縁機器の内部か外部
か)を含む部分放電の形態の特定が可能な部分放電検出
装置について説明する。図8において、9は波形検知回
路3に取り込んだ電源電圧信号に基づき、電源電圧の基
本周波数(50Hzまたは60Hz)各サイクルにおけ
る位相を示す電源位相信号を検出する電源位相検出回
路、10は波形切り出し回路4で切り出された波形デー
タから第1波立ち上がり時間を算出する立ち上がり時間
算出回路、11は同じ波形データから最大波高値を算出
する最大波高値算出回路である。
【0043】図9は、以上の電源位相、立ち上がり時間
および最大波高値をそれぞれ図示したものである。これ
らの情報を一旦メモリ格納手段12に格納し、以上の処
理フローを一定時間繰り返すことにより種々の電源位相
における立ち上がり時間と最大波高値との情報を複数蓄
積格納する。
【0044】立ち上がり時間−位相分布作成回路13
は、上記一定時間後、メモリ格納手段12に格納された
情報を各電源位相毎に平均化処理して立ち上がり時間−
位相分布特性を作成する。同時に、最大波高値−位相分
布作成回路14は最大波高値−位相分布特性を作成す
る。
【0045】次に、最大波高値−位相分布比較回路15
が最大波高値−位相分布作成回路14からの最大波高値
−位相分布特性と予め作成された、後述する複数種類の
放電形態に対応するモデル最大波高値−位相分布特性と
の相関比較を行い、相関の高い例えば上位2種類の放電
形態を選別する。
【0046】図10は、以下の各放電形態に対応して作
成されたモデル特徴量−位相分布特性を示す。ここで
は、4種類の放電形態を設定しており、放電形態(a)
の「導体側針電極」は、製品加工時に発生する導体部の
バリ等の異物による、装置の容器内部で発生する部分放
電を想定したものである。放電形態(b)の「フリー異
物」は、機器の組み立て時に混入した金属異物による部
分放電を想定したもので、(a)と同様、内部放電であ
る。また、放電形態(c)の「浮き電極(内部放電)」
は、ガス絶縁機器内部で発生した、組み立て時の接地不
良(接続不良)等による部分放電を想定したものであ
る。更に、放電形態(d)の「浮き電極(外部放電)」
は、ブッシング等の機器外部で発生した接続不良等によ
る部分放電を想定したものである。
【0047】また、図10には、各放電形態に対応し
て、それぞれ4種類の特徴量、即ち、立ち上がり時間、
第1波周波数、最大波高値および発生頻度の位相分布特
性を示している。なお、各特性図の横軸である位相は、
それぞれ0〜360度の電源電圧の基本周波数の1サイ
クルに相当する位相角度が目盛られている。図10の各
モデル特性から判るように、特徴量として従来から採用
されている最大波高値や発生頻度に比較して、この発明
で新たに着目している立ち上がり時間や第1波周波数の
方が外部放電と内部放電との違いによるパターン変化が
大きい。換言すれば、放電形態の判別精度の向上が期待
できる訳である。
【0048】図8に戻り、最大波高値−位相分布比較回
路15によって選別された、相関の高い上位2種類の放
電形態に対し、今度は立ち上がり時間−位相分布比較回
路16が第1波の立ち上がり時間−位相分布特性につい
てモデル特性との相関の大小を比較し、最も相関の高い
特性から最終的に放電形態を特定する。
【0049】このように、異なる2種類の特徴量(ここ
では、立ち上がり時間と最大波高値)の位相分布特性に
ついてモデル特性との相関比較を行うのは、放電形態の
特定精度をより高めるためである。また、最大波高値−
位相分布特性による比較を第1ステップの選別基準、立
ち上がり時間−位相分布特性による比較を第2ステップ
の選別基準としたのは、前述したように、外部放電と内
部放電との違いによるパターン変化が大きいという後者
の立ち上がり時間−位相分布特性の特長を放電形態の特
定処理に有効に活用するためである。
【0050】実施の形態5.図11はこの発明の実施の
形態5における部分放電検出装置の構成を示すブロック
図である。ここでは、波形切り出し回路4により波形デ
ータとして切り出したものの発生頻度を算出し(発生頻
度算出回路17)、立ち上がり時間−位相分布特性と発
生頻度−位相分布特性とを作成する(立ち上がり時間−
位相分布作成回路13および発生頻度−位相分布作成回
路18)。
【0051】そして、先ず第1ステップとして、発生頻
度−位相分布比較回路19により発生頻度−位相分布作
成回路18からの発生頻度−位相分布特性と対応するモ
デル発生頻度−位相分布特性との相関比較を行い、相関
の高い例えば上位2種類の放電形態を選別する。各放電
形態に対応するモデル発生頻度−位相分布特性は前掲の
図10に示す。
【0052】次に、第2ステップとして、発生頻度−位
相分布比較回路19によって選別された、相関の高い上
位2種類の放電形態に対し、立ち上がり時間−位相分布
比較回路16が第1波の立ち上がり時間−位相分布特性
についてモデル特性との相関の大小を比較し、最も相関
の高い特性から最終的に放電形態を特定する。
【0053】実施の形態4と同様に、異なる2種類の特
徴量の位相分布特性についてモデル特性との相関比較を
行うようにしたので、放電形態の特定精度をより高める
ことができる。また、発生頻度−位相分布特性による比
較を第1ステップの選別基準、立ち上がり時間−位相分
布特性による比較を第2ステップの選別基準としたの
で、外部放電と内部放電との違いによるパターン変化が
大きいという立ち上がり時間−位相分布特性の特長を放
電形態の特定処理に有効に活用することができる。
【0054】実施の形態6.図12はこの発明の実施の
形態6における部分放電検出装置の構成を示すブロック
図である。以下、前掲形態例と異なる点を中心に説明す
る。ここでは、波形切り出し回路4で得られた波形デー
タから第1波周波数算出回路20により第1波周波数を
算出する。この第1波周波数の算出は、例えば図9に示
すように、波形データの第1波のピークとなる位置を中
心として、前後10nsec程度の大きさの窓を設定し
てFFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transfo
rm)を施すことで周波数特性を算出し、その重心周波数
を第1波周波数とする。
【0055】第1波周波数算出回路20、最大波高値算
出回路11および電源位相検出回路9からの情報は一旦
メモリ格納手段12に格納し、以上の処理フローを一定
時間繰り返すことにより、種々の電源位相における第1
波周波数と最大波高値との情報を複数蓄積格納する。更
に、これら情報から第1波周波数−位相分布特性および
最大波高値−位相分布作成回路を作成する(第1波周波
数−位相分布作成回路21および最大波高値−位相分布
作成回路14)。
【0056】そして、先ず第1ステップとして、最大波
高値−位相分布比較回路15により最大波高値−位相分
布作成回路14からの最大波高値−位相分布特性と対応
するモデル最大波高値−位相分布特性との相関比較を行
い、相関の高い例えば上位2種類の放電形態を選別す
る。次に、第2ステップとして、最大波高値−位相分布
比較回路15によって選別された、相関の高い上位2種
類の放電形態に対し、第1波周波数−位相分布比較回路
22が第1波周波数−位相分布特性についてモデル特性
との相関の大小を比較し、最も相関の高い特性から最終
的な放電形態を特定する。各放電形態に対応するモデル
第1波周波数−位相分布特性は前掲の図10に示す。
【0057】先の形態例と同様に、異なる2種類の特徴
量の位相分布特性についてモデル特性との相関比較を行
うようにしたので、放電形態の特定精度をより高めるこ
とができる。また、最大波高値−位相分布特性による比
較を第1ステップの選別基準、第1波周波数−位相分布
特性による比較を第2ステップの選別基準としたので、
外部放電と内部放電との違いによるパターン変化が大き
いという既述した第1波周波数−位相分布特性の特長を
放電形態の特定処理に有効に活用することができる。
【0058】実施の形態7.図13はこの発明の実施の
形態7における部分放電検出装置の構成を示すブロック
図である。ここでは、複数の波形データから第1波周波
数−位相分布特性および発生頻度−位相分布特性を作成
し、先ず、第1ステップとして発生頻度−位相分布比較
回路19により発生頻度−位相分布特性と対応するモデ
ル発生頻度−位相分布特性との相関比較を行い相関の高
い例えば上位2種類の放電形態を選別する。次に、第2
ステップとして、発生頻度−位相分布比較回路19によ
って選別された、相関の高い上位2種類の放電形態に対
し、第1波周波数−位相分布比較回路22が第1波周波
数−位相分布特性についてモデル特性との相関の大小を
比較し、最も相関の高い特性から最終的な放電形態を特
定する。
【0059】先の形態例と同様に、異なる2種類の特徴
量の位相分布特性についてモデル特性との相関比較を行
うようにしたので、放電形態の特定精度をより高めるこ
とができる。また、発生頻度−位相分布特性による比較
を第1ステップの選別基準、第1波周波数−位相分布特
性による比較を第2ステップの選別基準としたので、外
部放電と内部放電との違いによるパターン変化が大きい
という既述した第1波周波数−位相分布特性の特長を放
電形態の特定処理に有効に活用することができる。
【0060】なお、上述した実施の形態4、5では、検
出特性とモデル特性との相関比較を立ち上がり時間−位
相分布特性と最大波高値−位相分布特性または発生頻度
−位相分布特性とについて行うようにしたが、立ち上が
り時間−位相分布特性単独について行うようにしてもよ
く、更に他の特徴量の位相分布特性と組み合わせて相関
比較を行うようにしてもよい。また、上述した実施の形
態6、7では、検出特性とモデル特性との相関比較を第
1波周波数−位相分布特性と最大波高値−位相分布特性
または発生頻度−位相分布特性とについて行うようにし
たが、第1波周波数−位相分布特性単独について行うよ
うにしてもよく、更に他の特徴量の位相分布特性と組み
合わせて相関比較を行うようにしてもよい。
【0061】また、上述した実施の形態4〜7では、放
電形態として4種類のものを設定したが、この数を増減
してもよい。更に、最終的に放電形態を特定するステッ
プの前に行う予備選別での基準は、先の形態例で説明し
た内容に限られるものではない。更に、上述した各形態
例では、ガス絶縁機器に適用した場合について説明した
が、この発明は、これに限られるものではなく、部分放
電が発生し得る電気機器に広く適用でき同等の効果を奏
する。
【0062】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る部分放電
検出装置は、被検出電気機器で発生した部分放電による
信号を検出する部分放電検出手段、この部分放電検出手
段からの検出信号が予め設定された検出レベル以上とな
ったタイミングに対応して決まる開始点から予め設定さ
れた検出レベル以下となったタイミングに対応して決ま
る終了点までを1波形データとして上記検出信号から複
数の波形データを切り出す波形切り出し手段、この波形
切り出し手段からの複数の波形データの各々についてそ
の第1波波高値と波高積分値とを求める特徴量抽出手
段、およびこの特徴量抽出手段からの上記複数の波形デ
ータに係る上記第1波波高値と上記波高積分値との2次
元分布を求めその比例直線性の有無から上記検出信号が
部分放電によるものか外来ノイズかの判別を行う外来ノ
イズ識別手段を備えたので、特に教師データを必要とす
ることなく、簡便安価な構成で検出信号の部分放電と外
来ノイズとの識別が可能となる。
【0063】また、請求項2に係る部分放電検出装置
は、その第1波波高値と波高積分値との2次元分布に比
例直線性が有る場合、当該直線特性の傾きから部分放電
発生位置と部分放電検出位置との距離を演算する発生距
離演算手段を備えたので、簡便安価な構成で部分放電の
発生位置までの距離を検出することができる。
【0064】また、請求項3に係る部分放電検出装置
は、複数の部分放電検出手段を被検出電気機器の異なる
個所に設け、上記複数の部分放電検出手段からの発生距
離の情報に基づき部分放電発生位置を標定する放電位置
標定手段を備えたので、簡便安価な構成で部分放電の発
生位置を標定することができる。
【0065】また、請求項4に係る部分放電検出装置の
外来ノイズ識別手段は、第1波波高値と波高積分値との
2次元分布から最小二乗法で近似直線を求め、この近似
直線の寄与率が予め設定された値以上のとき比例直線性
有りとして検出信号が部分放電によるものと判別するよ
うにしたので、部分放電と外来ノイズとの判別が容易確
実になされる。
【0066】請求項5に係る部分放電検出装置は、被検
出電気機器で発生した部分放電による信号を検出する部
分放電検出手段、この部分放電検出手段からの検出信号
が予め設定された検出レベル以上となったタイミングに
対応して決まる開始点から予め設定された検出レベル以
下となったタイミングに対応して決まる終了点までを1
波形データとして上記検出信号から複数の波形データを
切り出す波形切り出し手段、上記被検出電気機器に印加
される電源電圧の基本周波数各サイクルにおける位相を
示す電源位相信号を検出する位相信号検出手段、予め設
定された時間にわたって上記データ切り出し手段から得
られた複数の波形データの各々についてその第1波立ち
上がり時間を求めるとともに上記各波形データの検出タ
イミングにおける上記電源位相信号に基づき第1波立ち
上がり時間を特徴量とする特徴量−位相分布特性を作成
する特徴量−位相分布作成手段、および互いに異なる複
数の既知の部分放電形態に対応して予め作成された、上
記特徴量−位相分布特性に相当する各モデル特徴量−位
相分布特性と上記特徴量−位相分布作成手段からの特徴
量−位相分布特性との相関比較を行い、最も相関の高い
特性から検出時の部分放電形態を判別する部分放電形態
判別手段を備えたので、部分放電形態の種類によるパタ
ーン変化が大きい第1波立ち上がり時間−位相分布特性
の特長を活かした精度の高い部分放電形態の判別が可能
となる。
【0067】また、請求項6に係る部分放電検出装置の
特徴量−位相分布作成手段は、第1波立ち上がり時間に
加えて、最大波高値または各位相に対する発生頻度を特
徴量とする特徴量−位相分布特性を作成するようにした
ので、異なる特徴量による相関比較により判別精度の向
上が期待できる。
【0068】また、請求項7に係る部分放電検出装置の
部分放電形態判別手段は、先ず、最大波高値または各位
相に対する発生頻度を特徴量とする特徴量−位相分布特
性と、当該特徴量−位相分布特性に相当する各モデル特
徴量−位相分布特性との相関比較を行い、相関の高い上
位複数の特性の部分放電形態を選別し、次に、第1波立
ち上がり時間を特徴量とする特徴量−位相分布特性と当
該特徴量−位相分布特性に相当する上記選別された各モ
デル特徴量−位相分布特性との相関比較を行い、最も相
関の高い特性から検出時の部分放電形態を判別するよう
にしたので、部分放電形態の種類によるパターン変化が
大きい第1波立ち上がり時間−位相分布特性の特長を活
かしたより精度の高い部分放電形態の判別が可能とな
る。
【0069】請求項8に係る部分放電検出装置は、被検
出電気機器で発生した部分放電による信号を検出する部
分放電検出手段、この部分放電検出手段からの検出信号
が予め設定された検出レベル以上となったタイミングに
対応して決まる開始点から予め設定された検出レベル以
下となったタイミングに対応して決まる終了点までを1
波形データとして上記検出信号から複数の波形データを
切り出す波形切り出し手段、上記被検出電気機器に印加
される電源電圧の基本周波数各サイクルにおける位相を
示す電源位相信号を検出する位相信号検出手段、予め設
定された時間にわたって上記データ切り出し手段から得
られた複数の波形データの各々についてその第1波周波
数を求めるとともに上記各波形データの検出タイミング
における上記電源位相信号に基づき第1波周波数を特徴
量とする特徴量−位相分布特性を作成する特徴量−位相
分布作成手段、および互いに異なる複数の既知の部分放
電形態に対応して予め作成された、上記特徴量−位相分
布特性に相当する各モデル特徴量−位相分布特性と上記
特徴量−位相分布作成手段からの特徴量−位相分布特性
との相関比較を行い、最も相関の高い特性から検出時の
部分放電形態を判別する部分放電形態判別手段を備えた
ので、部分放電形態の種類によるパターン変化が大きい
第1波周波数−位相分布特性の特長を活かした精度の高
い部分放電形態の判別が可能となる。
【0070】また、請求項9に係る部分放電検出装置の
特徴量−位相分布作成手段は、第1波周波数に加えて、
最大波高値または各位相に対する発生頻度を特徴量とす
る特徴量−位相分布特性を作成するようにしたので、異
なる特徴量による相関比較により判別精度の向上が期待
できる。
【0071】また、請求項10に係る部分放電検出装置
の部分放電形態判別手段は、先ず、最大波高値または各
位相に対する発生頻度を特徴量とする特徴量−位相分布
特性と、当該特徴量−位相分布特性に相当する各モデル
特徴量−位相分布特性との相関比較を行い、相関の高い
上位複数の特性の部分放電形態を選別し、次に、第1波
周波数を特徴量とする特徴量−位相分布特性と当該特徴
量−位相分布特性に相当する上記選別された各モデル特
徴量−位相分布特性との相関比較を行い、最も相関の高
い特性から検出時の部分放電形態を判別するようにした
ので、部分放電形態の種類によるパターン変化が大きい
第1波周波数−位相分布特性の特長を活かしたより精度
の高い部分放電形態の判別が可能となる。
【0072】また、請求項11に係る部分放電検出装置
の波形切り出し手段は、検出信号が予め設定された検出
レベル以上となったタイミングから所定の時間手前を開
始点とし予め設定された検出レベル以下となったタイミ
ングを終了点とするようにしたので、第1波の把握が確
実にでき、第1波立ち上がり時間および第1波周波数の
情報がより正確に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における部分放電検
出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 検出信号から波形データを切り出す要領を説
明するための図である。
【図3】 第1波波高値と波高積分値との二次元分布の
具体例を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2における部分放電検
出装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 部分放電発生距離と近似直線の傾きとの関係
を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3における部分放電検
出装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 部分放電発生位置標定の要領を説明するため
の図である。
【図8】 この発明の実施の形態4における部分放電検
出装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 波形データにおける電源位相と各特徴量とを
示す図である。
【図10】 各放電形態におけるモデル特徴量−位相分
布特性を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態5における部分放電
検出装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態6における部分放電
検出装置の構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態7における部分放電
検出装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ガス絶縁機器、2,2A,2B 部分放電検出器、
3 波形検知回路、4 波形切り出し回路、5 特徴量
抽出回路、6 外来ノイズ識別回路、7 発生距離演算
回路、8 放電位置標定回路、9 電源位相検出回路、
10 立ち上がり時間算出回路、11 最大波高値算出
回路、12 メモリ格納手段、13 立ち上がり時間−
位相分布作成回路、14 最大波高値−位相分布作成回
路、15 最大波高値−位相分布比較回路、16 立ち
上がり時間−位相分布比較回路、17 発生頻度算出回
路、18 発生頻度−位相分布作成回路、19 発生頻
度−位相分布比較回路、20 第1波周波数算出回路、
21 第1波周波数−位相分布作成回路、22 第1波
周波数−位相分布比較回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 智恵子 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出電気機器で発生した部分放電によ
    る信号を検出する部分放電検出手段、この部分放電検出
    手段からの検出信号が予め設定された検出レベル以上と
    なったタイミングに対応して決まる開始点から予め設定
    された検出レベル以下となったタイミングに対応して決
    まる終了点までを1波形データとして上記検出信号から
    複数の波形データを切り出す波形切り出し手段、この波
    形切り出し手段からの複数の波形データの各々について
    その第1波波高値と波高積分値とを求める特徴量抽出手
    段、およびこの特徴量抽出手段からの上記複数の波形デ
    ータに係る上記第1波波高値と上記波高積分値との2次
    元分布を求めその比例直線性の有無から上記検出信号が
    部分放電によるものか外来ノイズかの判別を行う外来ノ
    イズ識別手段を備えた部分放電検出装置。
  2. 【請求項2】 第1波波高値と波高積分値との2次元分
    布に比例直線性が有る場合、当該直線特性の傾きから部
    分放電発生位置と部分放電検出位置との距離を演算する
    発生距離演算手段を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の部分放電検出装置。
  3. 【請求項3】 複数の部分放電検出手段を被検出電気機
    器の異なる個所に設け、上記複数の部分放電検出手段か
    らの発生距離の情報に基づき部分放電発生位置を標定す
    る放電位置標定手段を備えたことを特徴とする請求項2
    記載の部分放電検出装置。
  4. 【請求項4】 外来ノイズ識別手段は、第1波波高値と
    波高積分値との2次元分布から最小二乗法で近似直線を
    求め、この近似直線の寄与率が予め設定された値以上の
    とき比例直線性有りとして検出信号が部分放電によるも
    のと判別するようにしたことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の部分放電検出装置。
  5. 【請求項5】 被検出電気機器で発生した部分放電によ
    る信号を検出する部分放電検出手段、この部分放電検出
    手段からの検出信号が予め設定された検出レベル以上と
    なったタイミングに対応して決まる開始点から予め設定
    された検出レベル以下となったタイミングに対応して決
    まる終了点までを1波形データとして上記検出信号から
    複数の波形データを切り出す波形切り出し手段、上記被
    検出電気機器に印加される電源電圧の基本周波数各サイ
    クルにおける位相を示す電源位相信号を検出する位相信
    号検出手段、予め設定された時間にわたって上記データ
    切り出し手段から得られた複数の波形データの各々につ
    いてその第1波立ち上がり時間を求めるとともに上記各
    波形データの検出タイミングにおける上記電源位相信号
    に基づき第1波立ち上がり時間を特徴量とする特徴量−
    位相分布特性を作成する特徴量−位相分布作成手段、お
    よび互いに異なる複数の既知の部分放電形態に対応して
    予め作成された、上記特徴量−位相分布特性に相当する
    各モデル特徴量−位相分布特性と上記特徴量−位相分布
    作成手段からの特徴量−位相分布特性との相関比較を行
    い、最も相関の高い特性から検出時の部分放電形態を判
    別する部分放電形態判別手段を備えた部分放電検出装
    置。
  6. 【請求項6】 特徴量−位相分布作成手段は、第1波立
    ち上がり時間に加えて、最大波高値または各位相に対す
    る発生頻度を特徴量とする特徴量−位相分布特性を作成
    するようにしたことを特徴とする請求項5記載の部分放
    電検出装置。
  7. 【請求項7】 部分放電形態判別手段は、先ず、最大波
    高値または各位相に対する発生頻度を特徴量とする特徴
    量−位相分布特性と、当該特徴量−位相分布特性に相当
    する各モデル特徴量−位相分布特性との相関比較を行
    い、相関の高い上位複数の特性の部分放電形態を選別
    し、次に、第1波立ち上がり時間を特徴量とする特徴量
    −位相分布特性と当該特徴量−位相分布特性に相当する
    上記選別された各モデル特徴量−位相分布特性との相関
    比較を行い、最も相関の高い特性から検出時の部分放電
    形態を判別するようにしたことを特徴とする請求項6記
    載の部分放電検出装置。
  8. 【請求項8】 被検出電気機器で発生した部分放電によ
    る信号を検出する部分放電検出手段、この部分放電検出
    手段からの検出信号が予め設定された検出レベル以上と
    なったタイミングに対応して決まる開始点から予め設定
    された検出レベル以下となったタイミングに対応して決
    まる終了点までを1波形データとして上記検出信号から
    複数の波形データを切り出す波形切り出し手段、上記被
    検出電気機器に印加される電源電圧の基本周波数各サイ
    クルにおける位相を示す電源位相信号を検出する位相信
    号検出手段、予め設定された時間にわたって上記データ
    切り出し手段から得られた複数の波形データの各々につ
    いてその第1波周波数を求めるとともに上記各波形デー
    タの検出タイミングにおける上記電源位相信号に基づき
    第1波周波数を特徴量とする特徴量−位相分布特性を作
    成する特徴量−位相分布作成手段、および互いに異なる
    複数の既知の部分放電形態に対応して予め作成された、
    上記特徴量−位相分布特性に相当する各モデル特徴量−
    位相分布特性と上記特徴量−位相分布作成手段からの特
    徴量−位相分布特性との相関比較を行い、最も相関の高
    い特性から検出時の部分放電形態を判別する部分放電形
    態判別手段を備えた部分放電検出装置。
  9. 【請求項9】 特徴量−位相分布作成手段は、第1波周
    波数に加えて、最大波高値または各位相に対する発生頻
    度を特徴量とする特徴量−位相分布特性を作成するよう
    にしたことを特徴とする請求項8記載の部分放電検出装
    置。
  10. 【請求項10】 部分放電形態判別手段は、先ず、最大
    波高値または各位相に対する発生頻度を特徴量とする特
    徴量−位相分布特性と、当該特徴量−位相分布特性に相
    当する各モデル特徴量−位相分布特性との相関比較を行
    い、相関の高い上位複数の特性の部分放電形態を選別
    し、次に、第1波周波数を特徴量とする特徴量−位相分
    布特性と当該特徴量−位相分布特性に相当する上記選別
    された各モデル特徴量−位相分布特性との相関比較を行
    い、最も相関の高い特性から検出時の部分放電形態を判
    別するようにしたことを特徴とする請求項9記載の部分
    放電検出装置。
  11. 【請求項11】 波形切り出し手段は、検出信号が予め
    設定された検出レベル以上となったタイミングから所定
    の時間手前を開始点とし予め設定された検出レベル以下
    となったタイミングを終了点とするようにしたことを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の部分放
    電検出装置。
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