JPWO2016084678A1 - コレット並びに発光装置の製造装置及び製造方法 - Google Patents

コレット並びに発光装置の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

多孔構造体と、該多孔構造体を保持する弾性体よりなる保持体と、該保持体の内部にあって多孔構造体を介してシートを吸引する吸引路を含むコレットにより、保持容器上の小片化された蛍光体シートを、貼合側に気泡を内包させる変形を生じることなくピックアップすることで、気泡なく全面に密着して高い接着力で蛍光体シートをLED発光素子に貼合することが可能となる。また、色ばらつきの小さいLED発光装置を簡便かつ大量に製造することが可能な発光装置の製造装置及び製造方法を提供することができる。【選択図】 図2

Description

本発明は、コレット、並びにこのコレットを用いた発光装置の製造装及び製造方法に関する。
発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)は、低い消費電力、高寿命、意匠性などを特長として液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト用途、車載用途、さらには一般照明用途で、急激に市場を拡大している。
LEDを一般照明に適用するには、白色光を発することが必要である。通常は、LED発光素子上にその発光波長に応じた蛍光体を配置し、発光波長を変換して白色光を得る。一般的には、1)青色発光LEDと黄色蛍光体、2)青色発光LEDと赤色および緑色蛍光体、の配色組み合わせが、広く採用されている。
このようなLED発光素子上に蛍光体を配置する具体的な方法としては、発光素子であるLEDチップ上に、蛍光体を分散した液状樹脂をディスペンスして硬化する方法(ディスペンス法)や、特許文献1に記載されているようにLED発光素子上に蛍光体を含有した樹脂シート(以下蛍光体シート)を貼り付ける方法(シート貼合法)、がある。この2つの方法では、シート貼合法の方が、あらかじめ所定濃度に蛍光体を均一分散した蛍光体シートを作製して貼合するので、発光色や輝度のばらつきの小さい白色LED発光装置を大量に作製することができる。
小片化した蛍光体シートをLED発光素子の発光面に貼合する具体的な手段としては、特許文献1に記載されているような、コレットで蛍光体シートを保持容器からピックアップして、LED発光素子に貼合(ボンディング)するものがある。小片化した蛍光体シートの大きさは1mmから数mm角程度と小さく、厚さも50〜100μmと薄いために変形しやすい。そのような蛍光体シートを、コレットでピックアップして貼合する技術としては、半導体チップ接合用熱圧着フィルムを特殊形状のコレットで吸着ピックアップし、加熱された基板に圧着する技術(例えば特許文献2)や、1mm角以下で厚さ50μm以下の半導体チップを、多孔質焼結金属体からなるコレットで吸着ピックアップし、基板へ実装する技術(例えば特許文献3)、などがある。
特開2010−258281号公報 特開2004−6599号公報 特開2007−42684号公報
小片化された蛍光体シートをコレットを用いて保持容器からピックアップする時、特許文献2に記載されているような開口部の大きなコレットを使うと、十分な吸着力があるので容易にピックアップすることができる。
しかし同時に、蛍光体シートの吸着側が開口部に引き込まれて変形し、反対側の貼合側にくぼみを形成してしまう。蛍光体シートをそのままLED発光素子上に貼合すると、くぼみ内に気泡を内包したまま貼合することになり、蛍光体シートとLED発光素子間に気泡が残存する。この残存気泡によって、蛍光体シートと発光素子との接着力が低下するとともに、発光時の色ばらつきも大きくなる。
特許文献2、3では、コレットによる吸着保持時に、熱圧着シートや半導体チップが変形しないように、多孔質体で吸着保持することを提案している。しかしながら、吸着の開口面積率が小さいために、蛍光体シートの変形は生じないが、吸着力不足で蛍光体シートをピックアップすることができない。
また、特許文献2に記載されているように、貼合する基板の温度を高くして、蛍光体シートの接着力を高くする方法もあるが、蛍光体シートとコレットの接着力も高くなるため、コレットに蛍光体シートの一部が残存してしまう。コレットに蛍光体シートが残存すると、繰り返しての蛍光体シートのピックアップと貼合を行うことができない。
以上、従来の技術では、小さくて薄い蛍光体シートを、保持容器から確実にピックアップして、気泡なく全面に密着して高い接着力でLED発光素子の発光面に貼合することを、繰り返して確実に行う手段はなかった。
本発明の目的は、保持容器上の小片化された蛍光体シートを、貼合側に気泡を内包させる変形を生じさせないでピックアップすることで、蛍光体シートをLED発光素子に高い接着力で貼合することが可能なコレットを提供することである。また、それによって、色ばらつきの小さいLED発光装置を簡便かつ大量に高い生産性で製造することが可能な発光装置の製造装置及び製造方法を提供することである。
上記本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。
本発明のコレットは、多孔構造体と、該多孔構造体を保持する弾性体よりなる保持体と、該保持体の内部にあって多孔構造体を介してシートを吸引する吸引路を含むことを特徴とする。
本発明の発光装置の製造装置は、複数の発光素子の発光面上に、小片化された蛍光体シートを個別に貼合する発光装置の製造装置であって、複数の蛍光体シートが取出し可能にセットされたシート供給ユニットと、前記シート供給ユニットにセットされた蛍光体シートを吸着保持して発光素子の発光面に貼合する上記コレットと、前記コレットを任意の位置に自在に移動可能にする移動手段と、前記コレットに負圧を作用させる吸引手段と、前記蛍光体シートが貼合される発光素子を含む基材が載置されるステージと、前記発光素子を含む基材を所定貼合温度に加温する加温手段と、前記シート供給ユニットにセットされた蛍光体シートの位置と該蛍光体シートが貼合される発光素子の発光面の位置を特定する画像処理カメラと、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の発光装置の製造方法は、複数の発光素子の発光面上に、小片化された蛍光体シートを個別に貼合する発光装置の製造方法であって、供給された蛍光体シートを上記コレットで吸着保持する吸着保持工程と、前記コレットに吸着保持された蛍光体シートを、所定貼合温度に加温された発光素子の発光面上に貼合する貼合工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明のコレットは、無数の小さな開口(孔)がある吸着面で蛍光体シート全面を吸着する。小さな開口ごとには小さな吸着力であるために蛍光体シートは局部変形しないが、トータルでは大きな吸着面積で高い吸着力を作用させることができる。その結果、保持容器から蛍光体シートを、貼合側に気泡を内包するような変形を生じさせることなくピックアップすることが可能となる。
また、このようなコレットを用いた本発明の発光装置の製造装置及び製造方法によれば、小さくて薄い変形しやすい蛍光体シートでも、面保持したまま発光素子の発光面に密着して接触させることができるので、高い接着力で貼合することができる。
本発明の別の発光装置の製造装置及び製造方法によれば、高い温度の蛍光体シートを、加圧ガスで発光素子の発光面に長時間加圧するようにしたので、蛍光体シートを発光素子の発光面により高い接着力で貼合することができる。
また本発明のさらに別の発光装置の製造装置及び製造方法によれば、室温付近で蛍光体シートを発光素子に気泡なく仮貼合してから、高温高圧の加温加圧ユニット内で、長時間非接触加圧するようにしたので、より一層高い接着力で、発光素子に蛍光体シートを貼合することができる。
以上本発明によれば、小片化された薄膜の蛍光体シートを、発光素子の発光面全面にわたって気泡なく密着して強固に接着させることが確実に実行できるので、色ばらつきの小さいLED発光装置を、簡便にかつ大量に高歩留まりにて製造することができる。
本発明の蛍光体シート貼合装置の概略正面図である。 本発明のコレットの概略図である 本発明の別のコレットの概略正面断面図である。 コレット200による貼合過程を示す概略正面断面図である。
本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は蛍光体シート貼合装置1の概略正面図、図2は本発明のコレット40の概略図である。
まず図1を参照すると、本発明の発光装置の製造装置である蛍光体シート貼合装置1がある。蛍光体シート貼合装置1は、保持容器30の粘着シート34上に保持されている小片化された蛍光体シート36を、コレット40で吸着によりピックアップして、LEDパッケージ10上に複数あるLED発光素子20の発光面26上に個別に貼合するものである。
このような機能を有する蛍光体シート貼合装置1は、コレット40を移動させる移動装置50、蛍光体シート36の位置等を特定する画像処理カメラ140、保持容器30がセットとされるシート供給ユニット70、LEDパッケージ10がセットされるホットプレート82を備えた貼合ステージ80、を基台2上に備えるとともに、さらに、コレット40に負圧を作用させる吸引手段を含むガス処理ユニット100、全ての装置とユニットの動作等を制御する制御装置150、を備えて構成されている。さらに、蛍光体シート36貼合後のLEDパッケージ10をさらに加温加圧する加温加圧チャンバー90を追加して備えてもよい。この加温加圧チャンバー90も基台2上にある。
蛍光体シート貼合装置1の中央部には、保持容器30から蛍光体シート36をピックアップするコレット40がある。このコレット40は、シート供給ユニット70にセットされた保持容器30上の蛍光体シート36を、吸着保持してLED発光素子20の発光面26に貼合する機能を備える。コレット40は、移動装置50の一端にあるコレット保持体62に取り付けられており、その詳細は図2(a)に示されている。
図2(a)は、コレット40の概略正面断面図である。コレット40は、蛍光体シート36を吸着面46で吸着保持する多孔構造体44と、多孔構造体44を密接して保持する保持体42より構成されている。ここで多孔構造体44は接着剤等により保持体42に強固に保持されている。また多孔構造体44には開口44bが設けられており、これが保持体42の内部に設けられた吸引路48と連通している。
図1にもどると、吸引路48は、コレット保持体62の流路62b、共有ライン120を介してガス処理ユニット100の吸引手段である吸引ラインA102と接続されている。これによって、吸引路48を介して多孔構造体44の開口44bから空気が吸引されてコレット40に負圧または真空圧が作用する。したがって吸引ラインA102は、コレット40に負圧を作用させる吸引手段となる。
この負圧によって蛍光体シート36は開口44bで吸着保持され、その吸着力または吸引力は負圧に開口44bの総面積を掛け合わせて定められる。言い方を変えると、吸引路48は保持体42の内部にあって、多孔構造体44を介して蛍光体シート36を吸引する役割を担う。
再度図2(a)を見ると、矢印で示す吸引方向に吸着面46を直上から見た時の開口44bの形は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、正三角形、直角三角形、正方形、長方形、台形、ひし形、平行四辺形、5角形、6角形、および7角以上の多角形などである。負圧により蛍光体シート36が開口44bから多孔構造体44内部に引き込まれて変形しないように、開口44bの最大幅は0.01〜1.0mmの範囲であることが好ましい。ここで最大幅とは、円形であれば直径、楕円形であれば長径、四角形以上の多角形であれば対角線のうち最長のものをいう。ただし、三角形の場合は、頂点から底辺へ下ろした垂線の長さのうち最大のものをいう。開口44bの最大幅がこの範囲内であれば、蛍光体シート36の形状を維持したまま、LED発光阻止20の発光面26に正確に貼り合せることができる。
吸着面46と発光面26は完全平行でないことが多いので、保持体42は合成ゴム等の弾性体で形成する、すなわち弾性体よりなる。これにより保持体42の一部が弾性変形して、発光面26に吸着面46がならうようになるので、蛍光体シート36の全面を発光面26に面接触させて貼合することができる。
また蛍光体シート36の吸着範囲は、矢印で示す吸引方向に吸引口45を見る時の横断面積で定まる。吸引口45は吸引路48の多孔構造体44側の開口である。吸引口45の横断面積は、吸引方向に直交する面内で吸引口45が占める面積であり、蛍光体シート36の面積の60〜170%であることが好ましい。吸引口45の横断面積がこの範囲であることによって、過不足なく蛍光体シート36に吸着力が作用し、確実に保持容器30から蛍光体シート36をピックアップできる。吸引口45の横断面形状についてはいかなる形状でもよいが、LED発光素子の形状に合わせて、円形、四角形が好ましく適用される。
さらに粘着シート34上の蛍光体シート36に十分な吸着力を作用させて、確実に蛍光体シート36をピックアップするためには、多孔構造体44の、蛍光体シートを吸着保持する面における開口44bの開口面積率は10%以上95%以下であることが好ましい。さらに、開口44bの開口面積率が30%以上60%以下、より好ましくは35%以上45%以下なら、より一層確実に蛍光体シート36を変形なくピックアップできるため好ましい。ここで開口面積率は、吸引口45の横断面積内で(開口44bの占める面積)÷(吸引口45の横断面積)×100で定義される。
開口面積率を10%以上にすることで、保持容器30内の蛍光体シート36を、吸着により確実にピックアップすることができる。
開口面積率10%以上95%以下を実現する多孔構造体としては、板状物に小径の孔を多数密に設ける構成や、短い軸長の糸状物を多数重ねる不織布構造でもよい。また、多孔構造体が複数の開口を持つメッシュ状であることが好ましく、図2(b)に示す構成のものが好ましい。図2(b)は、図2(a)の多孔構造体44の吸着面46を矢印で示す吸引方向に見た拡大図である。図2(b)の多孔構造体44は、メッシュ状の開口44bを有する。ここでは複数本の線状物であるワイヤー44aを、2方向に交叉させた織物構造にしており、それによってほぼ四角形の開口44bを形成している。
開口面積率10%以上95%以下となるメッシュ状の開口を得るために、線状物や帯状物で図2(b)のような織物構造にする他、編物構造や金網構造にしてもよい。またメッシュ状に形成される開口44bの形状はいかなるものでもよいが、直径0.01〜1.0mmの円形、長径0.01〜1.0mmの楕円形、頂点から底辺へ下ろした垂線のうち最大のものの長さが0.01〜1.0mmの三角形、または対角線のうち最大のものの長さが0.01〜1.0mmの四角形に相当する面積より小さくなるようにすることが好ましい。これは、上記のように、蛍光体シート36が吸着により開口44bから多孔構造体44の内部に引き込まれて、変形しないようにするためである。
さらに多孔構造体44の厚さt、すなわち吸引方向の長さは、大きすぎると吸引のコンダクタンスが小さくなって吸着面46で作用する負圧が減じられてしまうので小さい方が好ましい。しかし厚さtが小さすぎると、多孔構造体44の剛性が小さくなって変形しやすくなるので、負圧によって多孔構造体44が吸引路48の方に引き込まれ、吸着面46の平面が保てず凹面、すなわちくぼみとなる。このように凹面となった状態で蛍光体シート36を吸着して、LED発光素子20の発光面26に貼合しようとすると、蛍光体シート36の中央部が凹面にならった状態で貼合が行われる。そのために、蛍光体シート36の中央部が発光面26と接触せず、蛍光体シート36の中央部と発光面26との間に気泡を残してしまう。
上記のように十分な負圧による吸着力を確保し、気泡を残存させないで全面が密着して高い接着力で貼合を行うために、多孔構造体44の厚さtは、40μm以上1mm以下であることが好ましい。これから、図2(b)に示すワイヤー44aは、直径40μm以上1mm以下であることが好ましい。
なお蛍光体シート36をピックアップするために、多孔構造体44を介して蛍光体シート36に作用する負圧は、−10〜−85kPaであることが好ましい。上記範囲内であれば、蛍光体シート36を適切に吸着保持することができる。多孔構造体44の材質については、上記に記載した条件を満たすなら、特に限定されないが、例えば金属、セラミックス、樹脂等が好適に適用することができる。そのうち長期間の使用が可能な耐久性があって、腐食による劣化がなく、さらに機械強度もあるステンレス鋼が特に好適に用いられる。また吸着面46や、ワイヤー42aは“テフロン”(登録商標)、シリコン等の非粘着性の高いもので被覆することが好ましい。これは、蛍光体シート36をコレット40でLED発光素子20に貼合後に、蛍光体シート36がコレット40の吸着面46から容易に剥離することができるためである。
再び図1を参照する。中央にあるコレット40を移動させる移動装置50は、コレット40を任意の位置に自在に移動可能にする移動手段である。ここでは、X軸、Y軸、Z軸、θ軸の4軸方向に自在に移動可能である。なお図1に一部記載されている通り、紙面内の左右方向がX軸方向、上下方向がZ軸方向、紙面に垂直な方向がY軸方向、Z軸回りがθ軸方向である。移動装置50は、X軸方向に移動自在なX軸スライダー52、X軸スライダー52のX軸可動体52aに固定された逆L型の支柱54、支柱54の上部54aに取り付けられたY軸方向に移動自在なY軸スライダー56、Y軸スライダー56のY軸可動体56aに固定されたZ軸方向に移動自在なZ軸スライダー58、Z軸スライダー58のZ軸可動体58aに固定されたθ軸方向に回転自在なモータ60、モータ60の回転軸60aに一端で接続固定され、その逆側でコレット40を保持するコレット保持体62、とから構成される。
X軸スライダー52は、基台2上に固定されたX軸方向に延びるX軸レール52bと、X軸レール52b上を案内されるX軸可動体52aより構成される。そして図示しないリニアモータの動作によって、X軸可動体52aをX軸方向に自在に任意の速度で移動させ、所定位置に精度よく位置決め停止させることができる。
Y軸スライダー56は、支柱54の上部54aに取り付けられたY軸方向に延びるY軸レール56bと、Y軸レール56b上をY軸方向に案内されるY軸可動体56aより構成されている。そして図示しないリニアモータによって、Y軸可動体56aを自在にY軸方向に移動させ、任意の位置に精度よく位置決め停止させることができる。
Y軸スライダー56のY軸可動体56aには、画像処理カメラ140がブラケット142を介して取り付けられている。画像処理カメラ140は、シート供給ユニット70にセットされた蛍光体シートの位置と該蛍光体シートが貼合される発光素子の発光面の位置を特定する。画像処理カメラ140は、Y軸スライダー56とX軸スライダー52の動作によって、基台2上のX−Y面内のどの位置にも移動することができる。
同じくY軸可動体56aに取り付けらえているZ軸スライダー58は、Y軸可動体56a上に固定されてZ軸方向に延びるZ軸レール58bと、Z軸レール58b上を案内されるZ軸可動体58aより構成される。Z軸可動体58aは図示されないボールねじと係合している。そしてボールねじを図示されていないサーボモータによって回転することにより、Z軸可動体58aは自在に任意の速度でZ軸方向に移動し、定められたZ軸方向の位置に精度よく位置決め停止させることができる。
Z軸可動体58aに固定されているモータ60に接続しているコレット保持体62は主に、モータ60の回転軸60aが篏合固定されている保持部62aで構成されている。この保持部62aの下部には、コレット40が締結固定されている。したがってモータ60の回転軸60aがθ軸方向に回転すると、これと同期してコレット40もθ軸方向に回転する。また保持部62aの内部には、コレット40の内部にある吸引路48と連通する流路62bが設けられている。流路62bは共有ライン120を介して、ガス処理ユニット100に接続されているので、コレット40に負圧等を作用させることができる。
以上の構成によって、コレット40は移動装置50でX、Y、Z、θ軸方向に自在に移動できるとともに、指定位置に精度よく位置決めさせることできる。
図1でコレット40の左下には、複数の蛍光体シート36が取出し可能にセットされたシート供給ユニット70がある。小片化された蛍光体シート36が取出し可能にセットされる。シート供給ユニット70は、小片化された蛍光体シート36を多数保持する保持容器30と、保持容器30のケース32を支持する凹部74を備えた支持体72より構成される。
支持体72の内部には、保持容器30の粘着シート34に下側から負圧を作用させる流路76が設けられている。流路76は、ガス処理ユニット100の吸引ラインB104に接続されており、これにより粘着シート34に任意の大きさの負圧を作用させることができる。保持容器30は、小片化された蛍光体シート36が容器内で動くことなく安定した状態で運搬できるものであれば、特に形態は限定されない。例えば、該容器内に粘着シートとしてゲルシートを配し、その上に蛍光体シート等のピックアップ対象物を静置するチップキャリア(Gel−Pak)などが好適に用いられる。
次に、シート供給ユニット70の右側を見ると、蛍光体シート36が貼合されるLEDパッケージ10が載置されるステージである貼合ステージ80がある。なおLEDパッケージ10は、その上にLED発光素子20を複数備えるので、発光素子を含む基材ともいえる。
貼合ステージ80は、LEDパッケージ10が載置されて任意の温度まで加温できるホットプレート82を備える。ホットプレート82は、LEDパッケージ10を所定貼合温度に加温する加温手段であり、断熱材84を介して搭載台86に固定されている。搭載台86そのものは、基台2上に固定されている。また貼合ステージ80は、ホットプレート82上に載置されたLEDパッケージ10をX軸方向とY軸方向に挟みこんで位置拘束する拘束体88を備える。
つづいて図1で基台2の一番左側を見ると、発光面26上に蛍光体シート36が貼合されたLED発光素子20を、さらに加温してガス加圧する加温加圧ユニットである加温加圧チャンバー90がある。加温加圧チャンバー90は、基台2上に固定された下側チャンバー91の内部に、蛍光体シート36が貼合されたLEDパッケージ10を載置するホットプレート93を備える。このホットプレート93によって、蛍光体シート36が貼合されたLEDパッケージ10を所定温度まで加温することができる。
ホットプレート93は断熱材94を介して、下側チャンバー91の下側に固定されている。下側チャンバー91の上側には、ふたとなる上側チャンバー92があり、下側チャンバー91と上側チャンバー92で、その内部にLED発光素子20上の蛍光体シート36を加圧することができる密閉空間95を構成している。
上側チャンバー92は、図示しない駆動装置によって自在に昇降し、下側チャンバー92との間にOリング96を挟み込むことによって、密閉空間95の密閉性を確保している。Oリング96は上側チャンバー92に装着され、上側チャンバー92により押しつぶされる力は、図示しない駆動装置から付与される。上側チャンバー92には、ガス処理ユニット100の加圧ラインB112が接続されており、これによって密閉空間95を任意の正の静圧に加圧することができる。
加圧に使用するガスは、特に限定されないが、例えば空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。このうち、作業安全性の観点から空気が好ましく用いられる。上側チャンバー92にはまた、大気開放ライン98も接続されていて、密閉空間95の圧力を、開放バルブ98bを開にして配管98aから開放し、大気圧にすることができる。
上記の加温加圧チャンバー90に接続される加圧ラインB112の他に、ガス処理ユニット100は、コレット40に共有ライン120を介して接続される吸引ラインA102と加圧ラインA110、シート供給ユニット70に接続される吸引ラインB104、を備える。
吸引ラインA102は、配管102a、真空バルブ102b、負圧の大きさを調整可能な真空レギュレータ102cより構成され、配管102aが真空源106に接続されている。この構成によって、真空レギュレータ102cで調整した大きさの負圧を真空バルブ102bの開閉によって、下流側に付与したり遮断したりすることができる。
吸引ラインB104も、配管104a、真空バルブ104b、真空レギュレータ104cより構成され、配管104aが真空源106に接続されている。この構成によって、吸引ラインB104は、吸引ラインA102と異なる大きさの負圧で、同様の吸引作用をもたらすことができる。
加圧ラインA110は、配管110a、バルブ110b、加圧圧力の大きさを調整可能なレギュレータ110cより構成され、配管110aが圧空源108に接続されている。この構成によって、レギュレータ110cで調整した大きさの正の圧力をバルブ110bの開閉によって、下流側に付与したり遮断したりすることができる。加圧ラインB112も、配管112a、バルブ112b、加圧圧力の大きさを調整可能なレギュレータ112cより構成され、配管112aが圧空源108に接続されている。
加圧ラインA110は、コレット40に通じているので、コレット40に加圧ガスを供給する加圧ガス供給手段となる。加圧ガス供給手段はコレット40に任意の圧力に調整した加圧ガスを供給することができる。この構成によって、加圧ラインB112は、加圧ラインA110と異なる大きさの正の圧力で同様の加圧作用をもたらすことができる。
またコレット40に接続される共有ライン120を構成する配管120aには、大気開放ライン122が接続されている。大気開放ライン122は配管122aと開放バルブ122bとから構成されており、開放バルブ122bの開によって、ガス共有ライン120の配管120a内の負圧や正圧(加圧圧力)を大気圧にもどすことができる。
以上詳細を説明した移動装置50の図示されていないリニアモータやサーボモータ、画像処理カメラ140、貼合ステージ80のホットプレート82、ガス処理ユニット100の各バルブ等、制御信号により動作するものや、データ取得するものはすべて図1に示されている制御装置150に電気的に接続されている。そして、制御装置150に組み込まれた自動運転プログラムにしたがって制御指令信号が各機器に送信されて、あらかじめ定められた動作を行ったり、画像処理による位置情報取得を行ったりする。なお条件変更時は、制御装置150に適宜変更パラメータを入力すれば、制御装置150からの指令により、条件変更時の運転動作をさせることができる。
次に本発明にかかるコレットの別の実施態様について説明する。この実施態様では、多孔構造体のシートを吸着保持する面が、下に向かって湾曲した構造である。具体的には、前記多孔構造体のシートを吸着保持する面の断面を考えた場合、断面の外縁部を直線で結んだ線よりも、吸着保持する面の一部が出ている形状および/または断面が弓なりにしなった形状のものを湾曲した構造と言う。
図3は別のコレット200の拡大概略正面断面図である。コレット200は、図2(a)に示すコレット40の保持体42を、保持体202に置き替えた他はコレット40と全く同じである。この保持体202によって、多孔構造体44の蛍光体シート36を吸着保持する吸着面46は、半径Rの円柱面になるよう形成される。
円柱面の半径Rは好ましくは1〜20mmである。この範囲であれば、蛍光体シート36をピックアップする時に、弾性変形により多孔構造体44の開口44bと蛍光体シート36が接触して、吸着によるピックアップが確実に行われる。このような半径Rの円柱面に多孔構造体44が容易にならうように、多孔構造体44の厚さtはより好ましくは40μm以上0.5mm以下である。
つづいてコレット200の作用効果について、図4を用いて説明する。図4はコレット200による貼合過程を示す概略正面断面図である。
図4(a)に示すように、コレット200で蛍光体シート36を吸着によりピックアップ後、LED発光素子20の発光面26の直上で停止する。次いで、貼合のためにコレット200を下降させると、図4(b)に示すように円柱面の最下部となっている蛍光体シート36の中央部が、発光面26とまず黒丸で示すA点で線接触する。さらにコレット200が貼合のために下降を続けると、多孔構造体44が弾性変形して、蛍光体シート36はA点を起点としてその両側が順次発光面26に面接触していき、同時に空気が中央からその両側に排除されていく。そしてコレット200が貼合のために最下点まで下降すると、図4(c)に示すように完全に気泡を排除した状態で蛍光体シート36は、加温された発光面26と全面で面接触する。その後コレット200は上昇して離れ、多孔構造体44の吸着面46はもとの半径Rの円柱面に戻るが、蛍光体シート36と発光面26は間に気泡が全くなく全面密着した状態で貼合されつづける。
なお多孔構造体44の吸着面46は球面になるように構成してもよいが、蛍光体シート36をしわなく貼合するためには円柱面であることが好ましい。
さて、上述した本発明のコレットならびに発光装置の製造装置を用いた、本発明の発光装置の製造方法を説明する。本発明の発光装置の製造方法は、複数の発光素子の発光面上に、小片化された蛍光体シートを個別に貼合する発光装置の製造方法であって、供給された蛍光体シートを上述のコレットで吸着保持する吸着保持工程と、前記コレットに吸着保持された蛍光体シートを、所定貼合温度に加温された発光素子の発光面上に貼合する貼合工程と、を少なくとも含むことを特徴とする発光装置の製造方法である。
これを実現する第1の発光装置の製造方法について、工程1:準備工程、工程2:位置情報取得工程、工程3:蛍光体シートのピックアップ工程(吸着保持工程)、工程4:蛍光体シートの移動位置決め工程、工程5:蛍光体シートの貼合工程、の順で図1を参照しながら説明する。
<工程1:準備工程>
小片化された蛍光体シート36を所定数備えた保持容器30を、シート供給ユニット70の凹部74に置く。そしてガス処理ユニット100の吸引ラインB104を稼働させて、保持容器30内の粘着シート34に所定の負圧を付加させる。
次にLED発光素子20を所定数備えたLEDパッケージ10を、貼合ステージ80のホットプレート82上に載置し、拘束体88でLEDパッケージ10を挟み込んで位置固定する。ホットプレート82は好ましくは60〜120℃に加温しておき、LEDパッケージ10を同じ温度に加温する。
続いて移動装置50の原点復帰を行い、コレット40をX、Y、Z軸の原点位置に移動させる。なおZ軸の原点位置は最上点としている。
<工程2:位置情報取得工程>
移動装置50を稼働させて、画像処理カメラ140をシート供給ユニット70に取り付けられた保持容器30の上をスキャンさせる。これによって、保持容器30上にある全ての蛍光体シート36の位置情報を取得する。
すなわち画像処理カメラ140は、シート供給ユニット70にセットされた蛍光体シート36の位置を特定する。位置情報としては、各蛍光体シート36の基準位置からのX軸方向とY軸方向の座標値と、基準線からの傾き角度θである。蛍光体シート36は四角形であることが多いために、傾き角度が必要となる。
次に画像処理カメラ140を貼合ステージ80に取り付けられたLEDパッケージ10の上をスキャンさせる。これによって、LEDパッケージ10上にある全てのLED発光素子20の発光面26の位置情報を取得する。
すなわち画像処理カメラ140は、蛍光体シート36が貼合されるLED発光素子20の発光面26の位置を特定する。位置情報としては、各LED発光素子20の発光面26の基準位置からのX軸方向とY軸方向の座標値と、基準線からの傾き角度θである。
なお、LEDパッケージ10上にアライメントマークが設けられており、これを基準にLED発光素子20が配置されているならば、画像処理カメラ140でアライメントマークの位置情報を取得し、それから各LED発光素子20の発光面26の位置情報を算出してもよい。
<工程3:蛍光体シートのピックアップ工程(吸着保持工程)>
本工程は、供給された蛍光体シート36をコレット40で吸着保持する吸着保持工程である。
まず移動装置50を稼働させて、コレット40を、シート供給ユニット70上の保持容器30上に設けた初期位置の直上位置まで一旦移動させる。工程2で取得した蛍光体シート36の位置情報を基に、ピックアップする蛍光体シート36を選択し、その直上位置までコレット40を移動させる。そして蛍光体シート36の基準位置からの傾き角度θにあわせて、モータ60を動作させてコレット40もθ軸方向に移動(回転)させて、最適な状態で蛍光体シート36をピックアップできるように準備する。
次に、ガス処理ユニット100の吸引ラインA102を稼働させて、コレット40の多孔構造体44の開口44bに所定の負圧を作用させる。この時の負圧は−10〜−85kPaが好ましい。
この状態でコレット40をZ軸方向に下降させ、コレット40の吸着面46と蛍光体シート36との間の距離が0〜0.2mmになる位置で停止させる。停止までの減速時、あるいは停止してから、コレット40の吸着面46に蛍光体シート36が面吸着してピックアップされる。
次にコレット40をZ軸方向に上昇させ、Z軸の原点位置(最上位置)へ移動する。以上、コレット40で保持容器30上の蛍光体シート36のピックアップを完了する。
<工程4:蛍光体シートの移動位置決め工程>
再び移動装置50を稼働させて、蛍光体シート36を吸着保持したコレット40を、シート供給ユニット70上の位置から、貼合ステージ80上に設けた初期位置の直上位置まで一旦移動させる。続いて工程2で取得したLEDパッケージ10上の各LED発光素子20の発光面26の位置情報を基に、吸着保持している蛍光体シート36を貼合するLED発光素子20の発光面26を選択し、その直上位置までコレット40を移動させる。そして吸着保持している蛍光体シート36の保持容器30上にあった時の位置情報も加味して、モータ60を動作させてコレット40をθ軸方向に移動(回転)させて、蛍光体シート36が発光面26に重なるように位置決めする。
例えば、蛍光体シート36、LED発光素子20の発光面26がともに四角形状ならば、四角形状の各辺が蛍光体シート36とLED発光素子20の発光面26とで平行になるようにするとともに、蛍光体シート36の4角形状がLED発光素子20の発光面26と重なるように、コレット40をX、Y軸方向に位置決めする。
<工程5:蛍光体シートの貼合工程>
LED発光素子20とその発光面26を含むLEDパッケージ10は、工程2の時点から所定貼合温度に加温されている。そのため本工程は、コレット40に吸着保持された蛍光体シート36を、所定貼合温度に加温されたLEDパッケージ10上のLED発光素子20の発光面26上に貼合する貼合工程となる。
上記の通り、LEDパッケージ10はすでに所定貼合温度に加温されているので、工程4完了後、ただちに貼合を実行する。移動装置50を稼働して、コレット40をZ軸方向に下降させ、コレット40が吸着保持している蛍光体シート36がLED発光素子20の発光面26と面接触する位置からさらに0.01〜1.0mm下側の位置で下降を停止する。待機時間T1だけ待機して蛍光体シート36を発光面26に貼合後、Z軸方向にコレット40を上昇させてコレット40の吸着面46を蛍光体シート36から引き離す。その後、コレット40はZ軸の原点位置(最上位置)へ移動する。
待機時間T1は、好ましくは0.1〜1秒、より好ましくは0.1〜0.5秒である。この範囲内であれば、蛍光体シート36は加温された発光面26に高い接着力で貼合されるとともに、常温のコレット40には接着しないので、吸着面46に蛍光体シート36の一部が残存することもない。
以降、吸引ラインA102を稼働させたままで、LEDパッケージ10の全てのLED発光素子20の発光面26に、蛍光体シート36を貼合するまで、工程3〜工程5を繰り返す。
なお工程5で、待機時間T1が0.1〜1秒であれば、蛍光体シート36の発光面26と接触している部分の近傍だけがLEDパッケージ10の加温温度になり、蛍光体シート36には発光面26との間に、コレット40の吸着面46との間に生じる負圧による吸着力よりも、十分大きな接着力が生じる。したがって貼合後にコレット40を上昇させると、蛍光体シート36が発光面26に貼合されたまま、コレット40は蛍光体シート36から容易に引き離せる。
また工程5で、コレット40が吸着保持している蛍光体シート36がLED発光素子20の発光面26と面接触するのと同時、あるいはそれより少し前に、吸引ラインA102の真空バルブ102bを閉にするとともに、加圧ラインA110のバルブ110bを開としてもよい。こうすると、レギュレータ110cで調整した加圧圧力のガスが共有ライン120を介して開口44bから蛍光体シート36に向けて吐出される。これにより、蛍光体シート36の加温温度や待機時間T1を調整して蛍光体シート36と発光面26との接着力を高める場合でも、開口44bから作用するガスの加圧圧力が付勢して、コレット40の吸着面46を蛍光体シート36から容易に引き離すことができる。なお、ここでの好ましい加温温度は100℃よりも高く、好ましい待機時間T1は0.5秒以上、より好ましくは1秒以上である。
加圧ラインA110から供給されるガスの温度は、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下である。これにより、貼合時のコレット40側の蛍光体シート36の温度が低くなって吸着面46と蛍光体シート36間の接着力も低くなるので、コレット40の吸着面46を蛍光体シート36から一層容易に引き離すことができる。この方法は、蛍光体シート36が薄くなって、蛍光体シート36全体がLEDパッケージ10の加温温度にすぐになる場合にも有効である。
また蛍光体シート36が厚さ50μm以下と薄くて変形しやすい時に、蛍光体シート36とLED発光素子20の間から完全に気泡を排除して密着性を高めて、色ばらつきを小さくしたい場合がある。このような場合は、工程5で、待機時間T1を好ましくは0.5秒以上、より好ましくは1秒以上に長くして、空気を排除する時間を十分確保するようにする。さらにこれに十分対応するために、LEDパッケージ10の加温温度を好ましくは40〜59℃、より好ましくは45〜55℃にする。この温度範囲であれば、蛍光体シート36はさほど軟化しないために、気泡で変形させられることなく気泡を排除していく。さらにこの温度範囲で発生する必要最小限の接着力によって、気泡排除後の密着性も維持することができる。また低接着力であるので待機時間T1が長くても、コレット40は蛍光体シート36から容易に引き離すことができ、コレット40に蛍光体シート36の一部が残存することもない。
次に、本発明の別の発光装置の製造方法である第2の発光装置の製造方法について説明する。第2の発光装置の製造方法は、第1の発光装置の製造方法の、工程5:蛍光体シートの貼合工程、を以下に示す、工程5’:蛍光体シートの別の貼合工程、に入れ替えた以外は、第1の発光装置の製造方法と全く同じである。
<工程5’:蛍光体シートの別の貼合工程>
コレット40で吸着保持している蛍光体シート36を貼合するLEDパッケージ10は、工程2の時点から所定貼合温度に加温されている。移動装置50を稼働して、コレット40をZ軸方向に下降させ、コレット40が吸着保持している蛍光体シート36とLED発光素子20の発光面26との間の距離が0.01〜0.5mmになる位置で停止させる。
コレット40の下降が停止するのと同時に、吸引ラインA102の真空バルブ102bを閉にするとともに、加圧ラインA110のバルブ110bを開として、レギュレータ110cで調整した加圧圧力のガスを、共有ライン120を介してコレット40の吸引路48に供給し、その状態を貼合時間T2だけ維持する。これによってコレット40の吸引路48に供給されたガスは多孔構造体44の開口44bから蛍光体シート36に向けて吐出され、蛍光体シート36を吸着面46から引き離す。それとともに、蛍光体シート36を平面状態を保持したままLED発光素子20の発光面26に向けて吹き飛ばし、貼合する。
蛍光体シート36がLED発光素子20の発光面26に貼合されてからも、コレット40の開口44bから吐出、すなわちブローされるガスによって、蛍光体シート36の全面が非接触で加圧される。ガスによる加圧は貼合時間T2だけ維持される。つづいてZ軸方向にコレット40を上昇させるとともに、加圧ラインA110のバルブ110bを閉にしてから、吸引ラインA102の真空バルブ102bを開にする。この間、コレット40はZ軸の原点位置(最上位置)へ移動する。
以降、LEDパッケージ10の全てのLED発光素子20の発光面26に、蛍光体シート36を貼合するまで、工程3〜工程5’を繰り返す。工程5’では、上記したように、コレット40に加圧ガスを供給してブローを行うことにより、蛍光体シート36をLED発光素子20の発光面26上に加圧貼合している。
第2の発光装置の製造方法では、ガスによる加圧でコレット40から蛍光体シート36を引き離してから、非接触で蛍光体シート36を発光面26に加圧貼合するので、LEDパッケージ10と蛍光体シート36の加温温度を100℃以上に高めたり、蛍光体シート36の加圧時間を長くしたりして、蛍光体シート36とLED発光素子20間の接着力を高めることが、何ら制約なく行うことができる。
また蛍光体シート36の加圧圧力も、供給する加圧ガスにより何ら制約なく高めることができるので、蛍光体シート36とLED発光素子20間の接着力をより高めることができるとともに、気泡を完全に排除して密着性を高めて、色ばらつきを小さくすることもできる。
また蛍光体シート36の加圧面に対して比較的均等に高い圧力で加圧できるので、蛍光体シート36を局部的に変形させることもない。
またコレット40で大きな加圧圧力で、高温に加温した蛍光体シート36を接触加圧して貼合すると、吸着面46のワイヤー44aと開口44bで形成する模様が、蛍光体シートに転写される。第2の発光装置の製造方法によれば、非接触で大きな加圧圧力で蛍光体シート36を貼合できるので、そのような模様の転写は発生しない。
なお、貼合時間T2は、好ましくは0.1〜5秒、より好ましくは1〜5秒である。この範囲であれば、生産性から求められるタクトタイム内で、蛍光体シート36とLED発光素子20間に十分な接着力が発現する。
次に、本発明のさらに別の発光装置の製造方法である第3の発光装置の製造方法について説明する。第3の発光装置の製造方法は、まずは第1の発光装置の製造方法の工程1:準備工程で、ホットプレート82を40〜59℃に加温すること以外は、そのまま第1の発光装置の製造方法を工程1から工程5まで実行し、LEDパッケージ10の全てのLED発光素子20の発光面26に、蛍光体シート36を仮貼合する。その後に以下に示す、工程6:蛍光体シートの加温加圧工程、を実行する。
<工程6:蛍光体シートの加温加圧工程>
あらかじめ加温加圧チャンバー90のホットプレート93を、好ましくは60〜150℃に加温しておく。続いて貼合ステージ80から、全てのLED発光素子20の発光面26に蛍光体シート36が貼合されているLEDパッケージ10を取り出し、下側チャンバー91内のホットプレート93上に載置する。これによって、LEDパッケージ10はもとより、蛍光体シート36まで工程5での貼合温度よりも高い温度に加温されることになる。
その後、上側チャンバー92を下降させて、密閉状態にしてから、加圧ラインB112のバルブ112bを開として、レギュレータ112cで調整した加圧圧力のガスを加温加圧チャンバー90内部に導入する。これによって、仮貼合された蛍光体シート36は、LED発光素子20の発光面26に向けてガスにより加圧、すなわちガス加圧される。
これを加圧時間T3だけ維持する。加圧時間T3後に、加圧ラインB112のバルブ112bを閉としてから、大気開放ライン98の開放バルブ98bを開として、加温加圧チャンバー90内部を大気圧にしてから、上側チャンバー92を上昇させて、LEDパッケージ10を取り出す。
上記工程6は、工程5で示される貼合工程で、LED発光素子20に貼合された蛍光体シート36を、工程5での貼合温度よりも高い温度に加温後にガス加圧する加温加圧工程である。
工程6を含む第3の発光装置の製造方法によれば、室温付近の低い加温温度の仮貼合で、蛍光体シート36はLED発光素子20に密着はしているが接着力は低い状態になっている。それが、工程6の実行によって、より高い温度の蛍光体シート36を、より高い圧力で、長い時間にわたって加圧できるのであるから、蛍光体シート36のLED発光素子20への接着力をより高められるともに、気泡を完全に排除して密着性を高めて、色ばらつきを小さくすることができる。
この効果は、ホットプレート93による蛍光体シート36の加温温度が高いほど、ガスによる加圧圧力が高いほど、加圧時間T3が長いほど、高くなる。また密閉空間95内では均一な静的圧力が作用するので、蛍光体シート36の加圧面に対して均一に高い圧力で加圧できるので、接着力の面内分布を均一にできるとともに、蛍光体シート36を局部的に変形させることもない。
なお加圧時間T3は好ましくは2〜60秒である。この範囲であれば、生産性から求められるタクトタイム内で、蛍光体シート36とLED発光素子20間に十分な接着力が発現する。
また加圧ラインB112から供給される加圧ガスの温度は常温であったが、ホットプレート93で加温する温度と略同一にするとより好ましい。
なお蛍光体シート36は、60℃〜250℃に加温して貼合すれば、LED発光素子20の発光面26とその周辺に多少の凹凸があっても、それに素早くならって変形するとともに、密着して高い接着力が得られる。また蛍光体シート36は、40℃〜59℃に加温されておれば、凹凸にならう作用は大幅に減じるが、貼合に必要な接着力は得られる。
最後に蛍光体シートについて説明する。蛍光体シート36は、蛍光体を内部に含有させた樹脂をシート状に形成したものである。したがって、適用樹脂は蛍光体を均質に分散させられるものであり、かつシート成形できるものであれば、いかなる樹脂でも構わない。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、PET変性ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性アクリル、ポリスチレン樹脂及びアクリルニトリル・スチレン共重合体樹脂等が挙げられる。特に、透明性の観点からシリコーン樹脂やエポキシ樹脂が好ましく用いられる。更に耐熱性の観点から、シリコーン樹脂がより好ましく用いられる。
蛍光体シート36には、シート剛性を調整するため添加剤を入れることができる。例えば、レベリング剤、シランカップリング剤、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、シリコーン微粒子、フッ化バリウム微粒子などが挙げられる。
蛍光体シート36に含まれる蛍光体は、LED発光素子から放出される青色光、紫色光、または紫外光を吸収して波長を変換し、赤色、橙色、黄色、緑色、青色の領域の波長のLED発光素子の光と異なる波長の光を放出するものである。これにより、LED発光素子から放出される光の一部と、蛍光体から放出される光の一部とが混合して、白色を含む多色系のLEDが得られる。上述のような蛍光体には、緑色に発光する蛍光体、青色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体等の種々の蛍光体がある。具体的には、有機蛍光体、無機蛍光体、蛍光顔料、蛍光染料等公知の蛍光体が挙げられる。
本発明に特に好ましく用いられる蛍光物質としては、無機蛍光体が挙げられる。以下に本発明に用いられる無機蛍光体について記載する。
緑色に発光する蛍光体として、例えば、SrAl:Eu、YSiO:Ce,Tb、MgAl1119:Ce,Tb、SrAl1225:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)Ga:Euなどがある。
青色に発光する蛍光体として、例えば、Sr(POCl:Eu、(SrCaBa)(POCl:Eu、(BaCa)(POCl:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)Cl:Eu,Mn、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)(POCl:Eu,Mnなどがある。
緑色から黄色に発光する蛍光体として、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦括されたイットリウム・ガドリニウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット酸化物蛍光体、及び、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・ガリウム・アルミニウム酸化物蛍光体などがある(いわゆるYAG系蛍光体)。具体的には、Ln12:R(Lnは、Y、Gd、Laから選ばれる少なくとも1以上である。Mは、Al、Caの少なくともいずれか一方を含む。Rは、ランタノイド系である。)、(Y1−xGa(Al1−yGa12:R(Rは、Ce、Tb、Pr、Sm、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上である。0<Rx<0.5、0<y<0.5である。)を使用することができる。
赤色に発光する蛍光体として、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、Y:Eu、GdS:Euなどがある。
また、現在主流の青色LEDに対応し発光する蛍光体としては、Y(Al,Ga)12:Ce,(Y,Gd)Al12:Ce,LuAl12:Ce,YAl12:CeなどのYAG系蛍光体、TbAl12:CeなどのTAG系蛍光体、(Ba,Sr)SiO:Eu系蛍光体やCaScSi12:Ce系蛍光体、(Sr,Ba,Mg)SiO:Euなどのシリケート系蛍光体、(Ca,Sr)Si:Eu、(Ca,Sr)AlSiN:Eu、CaSiAlN:Eu等のナイトライド系蛍光体、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Euなどのオキシナイトライド系蛍光体、さらには(Ba,Sr,Ca)Si:Eu系蛍光体、CaMgSi16Cl:Eu系蛍光体、SrAl:Eu,SrAl1425:Eu等の蛍光体が挙げられる。
これらの中では、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、シリケート系蛍光体が、発光効率や輝度などの点で好ましく用いられる。上記以外にも、用途や目的とする発光色に応じて公知の蛍光体を用いることができる。また、必要に応じて2種類以上混ぜて使用してもよい。
蛍光体の粒子サイズは、特に制限はないが、D50が0.05μm以上のものが好ましく、3μm以上のものがより好ましい。また、D50が30μm以下のものが好ましく、20μm以下のものがより好ましい。ここでD50とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布において、小粒径側からの通過分積算が50%となるときの粒子径のことをいう。D50が前記範囲であると、蛍光体シート中の蛍光体の分散性が良好で、安定な発光が得られる。これらの成分を所定の組成になるよう調合した後、ホモジナイザー、自公転型攪拌機、3本ローラー、ボールミル、遊星式ボールミル、ビーズミル等の撹拌・混練機で均質に混合分散することで、シート作成用蛍光体分散樹脂が得られる。混合分散後、もしくは混合分散の過程で、真空もしくは減圧条件下で脱泡することも好ましく行われる。
次に、シート作成用蛍光体分散樹脂を基材上に塗布し、乾燥させる。塗布は、リバースロールコーター、ブレードコーター、スリットダイコーター、ダイレクトグラビアコーター、オフセットグラビアコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、キスコーター、ナチュラルロールコーター、エアーナイフコーター、ロールブレードコーター、バリバーロールブレードコーター、トゥーストリームコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、アプリケーター、ディップコーター、カーテンコーター、スピンコーター、ナイフコーター等により行うことができる。蛍光体シート膜厚の均一性を得るためにはスリットダイコーターで塗布することが好ましい。また、本発明の蛍光体シートはスクリーン印刷やグラビア印刷、平版印刷などの印刷法を用いても作製することもできる。印刷法を用いる場合には、特にスクリーン印刷が好ましく用いられる。
シートの乾燥は熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置を用いて行うことができる。シートの加熱硬化には、熱風乾燥機や赤外線乾燥機等の一般的な加熱装置が用いられる。この場合、加熱硬化条件は、通常、40〜250℃で1分〜5時間、好ましくは100℃〜200℃で2分〜3時間である。
蛍光体シート36の膜厚は、蛍光体含有量と、所望の光学特性から決められる。蛍光体含有量は作業性の観点から限界があるので、膜厚は10μm以上あることが好ましい。一方で、蛍光体シートの光学特性・耐熱性を高める観点からは、蛍光体シートの膜厚は200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。本発明のコレットは、厚さ50μm以下の蛍光体シートのピックアップや貼合に好適に用いることができる。なお蛍光体シートは200μm以下の膜厚にすることによって、バインダ樹脂による光吸収や光散乱を低減することができる。 本発明における蛍光体シートの膜厚は、JIS K7130(1999)プラスチック−フィルム及びシート−厚さ測定方法における機械的走査による厚さの測定方法A法に基づいて測定される膜厚(平均膜厚)のことをいう。
蛍光体シートを個片状に切断加工する方法について説明する。前記蛍光体シートを、個片状に切断加工するには、レーザーによる加工、あるいは刃物による切削によって所定の形状に加工し、分割する方法がある。レーザーによる加工は、高エネルギーが付与されるので樹脂の焼け焦げや蛍光体の劣化を回避することが非常に難しく、刃物による切削が望ましい。刃物で切断する上で加工性を向上するために、蛍光体シートの25℃での貯蔵弾性率が100Pa以上であることが非常に重要となる。ここで言う貯蔵弾性率とは、動的粘弾性測定を行った場合の貯蔵弾性率である。動的粘弾性とは、材料にある正弦周波数で剪断歪みを加えたときに、定常状態に達した場合に現れる剪断応力を歪みと位相の一致する成分(弾性的成分)と、歪みと位相が90°遅れた成分(粘性的成分)に分解して、材料の動的な力学特性を解析する手法である。ここで剪断歪みに位相が一致する応力成分を剪断歪みで除したものが、貯蔵弾性率G’であり、各温度における動的な歪みに対する材料の変形、追随を表すものであるので、材料の加工性や接着性に密接に関連している。刃物での切削方法としては、単純な刃物を押し込んで切る方法と、回転刃によって切る方法があり、いずれも好適に使用できる。回転刃によって切断する装置としては、ダイサーと呼ばれる半導体基板を個別のチップに切断(ダイシング)するのに用いる装置が好適に利用できる。ダイサーを用いれば、回転刃の厚みや条件設定により、分割ラインの幅を精密に制御できるため、単純な刃物の押し込みにより切断するよりも高い加工精度が得られる。
基材と積層された状態の蛍光体シートを切断する場合には、基材ごと個片化しても良いし、あるいは蛍光体シートは個片化しつつ、基材は切断しなくても構わない。あるいは基材は貫通しない切り込みラインが入る所謂ハーフカットでも良い。
本発明に適した蛍光体シートは、25℃での貯蔵弾性率が100Pa以上であり、かつ所定の架橋温度未満の加熱において、硬度が軟化する熱軟化性を有しているものが好ましい。より具体的には、架橋温度が100〜180℃の蛍光体シートが好ましく、120〜160℃の蛍光体シートがより好ましく適用される。さらに25℃での貯蔵弾性率が100Pa以上であり、かつ、25℃で1ヶ月間保管した後の25℃での貯蔵弾性率の変化が20%以内であることが好ましく、10%以内であることがより好ましい。
25℃での貯蔵弾性率が100Pa以上あることで、個片状に切断加工する場合に高い加工精度が得られる。また、該シートが熱軟化性を有することで、発光素子の表面形状に追従しながら接着することができるため、気泡混入を防ぎ高い接着性を得ることができる。前記蛍光体シートが前記貯蔵弾性率および熱軟化性を有していれば、該シートに含まれる樹脂は未硬化または半硬化状態であってもよい。前記特性の蛍光体シートは、前記架橋温度以上の加熱により不可逆的な架橋反応が進行し硬化する。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
4種のコレットを、図1に示す蛍光体シート貼合装置1に装着し、上記の第1の発光装置の製造方法(上記の工程1〜工程5)により、LEDパッケージ10に蛍光体シート36を貼合し、LED発光装置を作成することを実行した。
LEDパッケージ10は、4インチのシリコンウェハー上に、合計224個ある5mm角の区画領域ごとに1個の青色発光するLED発光素子20を配したものであった。LED発光素子20の発光面26の大きさは1.4mm角であった。
このような224個のLED発光素子20を備えるLEDパッケージ10を、貼合ステージ80の60℃に加温したホットプレート82上に載置した。
貼合ステージ80上のLEDパッケージ10に貼合される蛍光体シート36は、シリコーン樹脂を30重量%、蛍光体として“NYAG−02”(Intematix社製:CeドープのYAG系蛍光体、比重:4.8g/cm、D50:7μm)を70重量%の比率で混合したものを塗布、乾燥して作成した。蛍光体シート36の発光面の大きさは1.5mm角で厚さは60μmであった。蛍光体シート36の25℃での貯蔵弾性率は、2000Paであり、25℃で1ヶ月間保管した後の貯蔵弾性率の変化率は、5%であった。蛍光体シート36の架橋温度は150℃で実施した。
この蛍光体シート36を、保持容器30であるチップキャリア(Gel−Pak)の40mm角のゲルシート上に100個配した。そして100個の蛍光体シート36を保持する保持容器30を3個だけ、シート供給ユニット70に装着して、−50kPaの負圧を保持容器30に作用させた。保持容器30から蛍光体シート36を吸着によりピックアップする4種のコレットは、1種ずつ移動装置50のコレット保持体62に装着した。蛍光体シート36をピックアップするためコレットに作用させる負圧(真空圧)は、−60kPaにした。また4種のコレットでピックアップした蛍光体シート36をLED発光素子20に貼合する時には、4種のコレットが吸着保持している蛍光体シート36が発光面26と面接触する位置からさらに0.1mm下側の位置で下降を停止し、待機時間T1=1秒だけ待機させた(貼合時間1秒)。
以下に示す5種のコレットで、蛍光体シート36をLEDパッケージ10に貼合し、以下に示す3種の項目について評価した結果を、表1に示す。
表1で、全ての評価項目を満たしたコレットA、コレットB及びコレットCで蛍光体シート36を貼合したLEDパッケージ10については、下流工程を実行してLED発光装置を完成させた。なおコレットDについては、保持容器から蛍光体シートをピックアップできなかったので、貼合できず、貼合外観と接着性ついては評価なしの結果となった。コレットA及びコレットBで作成したLED発光装置については、224個のすべての発光箇所で白色の色ばらつきが極めて小さなものが得られた。
<コレット>
コレットA:
本発明のコレット40である(図2参照)。多孔構造体44には、線径60μmのステンレス製ワイヤーを直交する2方向に交叉させて織物状にし、100μm角の開口44bを形成するものを用いた。開口面積率は39%である。多孔構造体44の厚さは、最小部で60μm、最大部で120μmであった。この多孔構造体44を3mm角の大きさにして、バイトンゴム製でゴム硬度70度の保持体42に接着した。吸着面46は平面である。また保持体42内の中央に設けた吸引路48については、図2(a)で矢印で示す吸引方向に見た断面を直径1.5mmの円形にし、吸引方向の長さを6mmにした。
コレットB:本発明のコレット40である(図2参照)。線径50μmのステンレス製ワイヤーを直交する2方向に交叉させて織物状にし、150μm角の開口44bを形成するとともに、多孔構造体44の厚さが最小部で50μm、最大部で100μmとなる以外は、コレットAと同じある。なお開口面積率は56%である。
コレットC:
本発明のコレット200である(図3参照)。多孔構造体44の吸着面46がR=2mmの円柱面である以外は、コレットAと全く同じである。
コレットD:
公知のコレットである。コレットAで、多孔構造体44を、線径が5μmで短長の多数のステンレス繊維を焼結圧延して厚さ1mm、開口面積率8%に形状形成した多孔質体に変えた以外は、コレットAと全く同じである。
コレットE:
公知のコレットである。コレットAで、多孔構造体44を、厚さが2mmで中央に1.2mm角の角穴が設けられたバイトンゴム製部材に変更した以外は、コレットAと全く同じである。なおこのコレットの開口面積率は97%(1.5mm角の蛍光体シートに対して)、バイトンゴムのゴム硬度は70度であった。
<評価項目>
(ピックアップ性能評価)
保持容器30から、100個の蛍光体シート36をピックアップできるかどうかを評価した。蛍光体シート36ごとに、下記に示す「良」(○)、「不良」(×)の評価をした。表1の○、×に並ぶ数字は、その評価であった蛍光体シート36の個数を示す。
「良」(○):ピックアップした。
不良」(×):ピックアップしなかった。
(貼合外観評価)
100個の蛍光体シート36をLED発光素子20に貼合した時の外観を評価する。蛍光体シート36ごとに、下記に示すA〜Dの評価をした。表1のA〜Dに並ぶ数字は、その評価であった蛍光体シート36の個数を示す。
A:欠点のないフラットな平面である。
B:直径が10μm以下の気泡(表面から透けて見える)が発生(その後の100℃、0.5MPa、加圧時間T3=10秒の加温加圧チャンバー90を用いた加温加圧処理で解消可能)
C:直径が11〜99μmの気泡が発生。
D:直径が100μm以上の気泡が発生。
なお気泡の直径は、対象となる気泡をマイクロスコープにて拡大して撮像し、画像処理にて近似できる円の直径から求めた。
(接着性評価)
貼合後の100個の蛍光体シート36とLED発光素子20との接着性を評価する。蛍光体シート36が貼合されたLEDパッケージ10を、熱風オーブンにて150℃で1時間加熱してキュアを行った後、スコッチテープを蛍光体シート36上に貼り付け、テープ剥離時に蛍光体シート36が剥離するかどうかを評価する(テープ剥離評価)。蛍光体シート36ごとに、下記に示すA〜Dの評価をした。表1のA〜Dに並ぶ数字は、その評価であった蛍光体シート36の個数を示す。
A:全て剥離しない
B:半分以下剥離する
C:半分を超えて剥離する(全ては剥離しない)
D:全て剥離する。
Figure 2016084678
1 蛍光体シート貼合装置
2 基台
10 LEDパッケージ
12 基板
20 LED発光素子
22 半導体層
24 ボンディングパッド
26 発光面
30 保持容器
32 ケース
34 粘着シート
36 蛍光体シート
40 コレット
42 保持体
44 多孔構造体
44a ワイヤー
44b 開口
45 吸引口
46 吸着面
48 吸引路
50 移動装置
52 X軸スライダー
52a X軸可動体
52b X軸レール
54 支柱
54a 上部
56 Y軸スライダー
56a Y軸可動体
56b Y軸レール
58 Z軸スライダー
58a Z軸可動体
58b Z軸レール
60 モータ
60a 回転軸
62 コレット保持体
62a 保持部
62b 流路
70 シート供給ユニット
72 支持体
74 凹部
76 流路
80 貼合ステージ
82 ホットプレート
84 断熱材
86 搭載台
88 拘束体
90 加温加圧チャンバー
91 下側チャンバー
92 上側チャンバー
93 ホットプレート
94 断熱材
95 密閉空間
96 Oリング
98 大気開放ライン
98a 配管
98b 開放バルブ
100 ガス処理ユニット
102 吸引ラインA
102a 配管
102b 真空バルブ
102c 真空レギュレータ
104 吸引ラインB
104a 配管
104b 真空バルブ
104c 真空レギュレータ
106 真空源
108 圧空源
110 加圧ラインA
110a 配管
110b バルブ
110c レギュレータ
112 加圧ラインB
112a 配管
112b バルブ
112c レギュレータ
120 共有ライン
120a 配管
122 大気開放ライン
122a 配管
122b 開放バルブ
140 画像処理カメラ
142 ブラケット
150 制御装置
200 コレット
202 保持体
t 多孔構造体44の厚さ
T1 待機時間
T2 貼合時間
T3 加圧時間
本発明は主に、LEDパッケージに蛍光体シートを高精度かつ強固に貼合して、高性能なLED発光装置を製造するのに利用可能である。

Claims (13)

  1. 多孔構造体と、該多孔構造体を保持する弾性体よりなる保持体と、該保持体の内部にあって多孔構造体を介してシートを吸引する吸引路を含むコレット。
  2. 前記多孔構造体の孔の直径が0.01〜1.0mmであり、かつ吸着保持面の開口面積率が10%以上95%以下である請求項1記載のコレット。
  3. 前記多孔構造体は、複数の開口を持つメッシュ状である請求項1または2記載のコレット。
  4. 前記多孔構造体のシートを吸着保持する面が、下に向かって湾曲した構造である請求項1〜3のいずれかに記載のコレット。
  5. 前記多孔構造体のシートを吸着保持する面が、円柱面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコレット。
  6. 前記シートが、樹脂に蛍光体を分散させ成形した蛍光体シートである請求項1〜5のいずれかに記載のコレット。
  7. 蛍光体シートを発光素子の発光面に貼合する発光装置の製造装置であって、請求項1〜6のいずれかに記載のコレットを備えた発光装置の製造装置。
  8. 複数の発光素子の発光面上に、小片化された蛍光体シートを個別に貼合する発光装置の製造装置であって、
    複数の蛍光体シートが取出し可能にセットされたシート供給ユニットと、
    前記シート供給ユニットにセットされた蛍光体シートを吸着保持して発光素子の発光面に貼合する請求項1乃至6に記載のコレットと、
    前記コレットを任意の位置に自在に移動可能にする移動手段と、
    前記コレットに負圧を作用させる吸引手段と、
    前記蛍光体シートが貼合される発光素子を含む基材が載置されるステージと、
    前記発光素子を含む基材を所定貼合温度に加温する加温手段と、
    前記シート供給ユニットにセットされた蛍光体シートの位置と該蛍光体シートが貼合される発光素子の発光面の位置を特定する画像処理カメラと、
    を少なくとも備えることを特徴とする発光装置の製造装置。
  9. さらに前記コレットに加圧ガスを供給する加圧ガス供給手段を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の発光装置の製造装置。
  10. さらに発光面上に蛍光体シートが貼合された発光素子を加温してガス加圧する加温加圧ユニットを備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の発光装置の製造装置。
  11. 蛍光体シートを貼合する発光装置の製造方法であって、
    蛍光体シートを請求項1〜6のいずれかに記載のコレットで吸着保持する吸着保持工程と、
    前記コレットに吸着保持された蛍光体シートを、所定貼合温度に加温された発光素子の発光面上に貼合する貼合工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  12. 前記貼合工程では、前記コレットに加圧ガスを供給してブローを行うことにより蛍光体シートを発光素子の発光面に加圧貼合することを特徴とする請求項11に記載の発光装置の製造方法。
  13. 前記貼合工程で発光素子に貼合された蛍光体シートを、前記所定貼合温度よりも高い温度に加温後に、ガス加圧する加温加圧工程を、さらに含むことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
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