JPWO2016084321A1 - 研磨層用成形体及び研磨パッド - Google Patents

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Abstract

高分子ジオールと、有機ジイソシアネートと、炭素数4以下であるジオールを含む第1の鎖伸長剤と、炭素数5以上であるジオールを含む第2の鎖伸長剤と、を含む単量体の重合体であり、且つ、有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合が6.3〜7.4質量%である熱可塑性ポリウレタンを含み、非多孔性である、研磨層用成形体。

Description

本発明は、半導体ウェハ,半導体デバイス,シリコンウェハ,ハードディスク,ガラス基板,光学製品,または,各種金属等を研磨するための研磨パッドの研磨層として用いられる研磨層用成形体に関する。
半導体ウェハを鏡面加工したり、半導体デバイスの絶縁膜や導電体膜の表面を平坦化したりするために用いられる研磨方法として、化学的機械的研磨(CMP)が知られている。CMPは、ウェハ等の被研磨材の表面を、砥粒及び反応液を含む研磨スラリー(以下、単にスラリーとも称する)を用いて研磨パッドで研磨する方法である。
従来、CMP用の研磨パッドとしては、不織布タイプの研磨パッドが広く用いられていた。不織布タイプの研磨パッドは、ポリウレタンを含浸させた不織布を含む柔軟な研磨パッドである。不織布タイプの研磨パッドは柔軟であるために被研磨材との接触性が良いという長所も有する。また、不織布に空隙を有するためにスラリーの保持性が良いという長所を有する。一方で、不織布タイプの研磨パッドは、柔軟であるために被研磨面を平坦化する性能(平坦化性と称する)が低いという短所があった。また、不織布タイプの研磨パッドは、不織布の空隙が砥粒や研磨屑で目詰まりしたときに被研磨面にスクラッチを生じさせ易くなるという欠点もあった。さらに、不織布の空隙深くまで砥粒や研磨屑が侵入したときには洗浄でそれらを充分に除去できず、それにより、寿命が短くなるという短所もあった。
不織布タイプの研磨パッドとは異なるタイプの研磨パッドとして、高分子発泡体を主体とする研磨パッドも知られている。高分子発泡体を主体とする研磨パッドは、不織布タイプの研磨パッドに比べて高い剛性を有するために平坦化性に優れる。また、高分子発泡体を主体とする研磨パッドは独立気泡構造を有するために、不織布タイプの研磨パッドのように砥粒や研磨屑が空隙深くまで侵入することがない。そのために、洗浄により砥粒や研磨屑の除去が比較的容易であるために比較的寿命が長い。高分子発泡体を主体とする研磨パッドとしては、例えば、下記特許文献1〜6に開示されているような、2液硬化型ポリウレタンを注型発泡成形した発泡ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッドが知られている。また、下記特許文献7に示すような、熱可塑性の発泡ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッドも知られている。
半導体デバイスには集積回路が高集積化及び多層配線化されている。半導体デバイスの平坦化加工に用いられる研磨パッドには、より高い平坦化性が求められる。平坦化性の高い研磨パッドは、研磨するべき部分の研磨速度が高く、研磨するべきではない部分の研磨速度が低い。平坦化性の高い研磨パッドには高い硬度が求められる。発泡ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッドは、研磨層の硬度が比較的高いために平坦化性が高い。
近年、半導体デバイスのさらなる高集積化及び多層配線化に伴い、さらに高い平坦化性を有する研磨パッドが求められている。発泡ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッドを用いた場合には、研磨層のさらなる高硬度化による高い平坦化性の実現は困難であった。さらに高い平坦化性を有する研磨パッドを提供するために、例えば、下記特許文献8及び9は、非多孔性の熱可塑性ポリウレタン成形体を研磨層として備える高硬度の研磨パッドを開示する。
特開2000−178374号公報 特開2000−248034号公報 特開2001−89548号公報 特開平11−322878号公報 特開2002−371154号公報 国際公開第2007/034980号公報 特開2004−35669号公報 特開2014−038916号公報 特開2009−101487号公報
従来の非多孔性の熱可塑性ポリウレタン成形体を研磨層として備える研磨パッドは高い成形性と高い平坦化性とを両立させることが困難であった。
本発明は、高い成形性と高い平坦化性とを兼ね備えた研磨層用成形体を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、高分子ジオールと、有機ジイソシアネートと、炭素数4以下であるジオールを含む第1の鎖伸長剤と、炭素数5以上であるジオールを含む第2の鎖伸長剤と、を含む単量体の重合体であり、且つ、有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合が6.3〜7.4質量%である熱可塑性ポリウレタンを含み、非多孔性である、研磨層用成形体である。上記のような熱可塑性ポリウレタンは高い成形性を有する。また、非多孔性の熱可塑性ポリウレタン成形体は高硬度であるために、研磨層として用いた場合に高い平坦化性を発現する。
また、第1の鎖伸長剤として、エチレングリコール,1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,2,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,2-メチル-1,3-プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、第2の鎖伸長剤が、1,5-ペンタンジオール,2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール,3-メチル1,5-ペンタンジオール,1,6-ヘキサンジオール,シクロヘキサンジオール,1,8-オクタンジオール,シクロヘキサンジメタノール,1,9-ノナンジオール,2-メチル-1,8-オクタンジオール,及び1,10-デカンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、熱可塑性ポリウレタンは、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークを185℃以下に有し、吸熱ピークにおける吸熱ピーク面積から求めた結晶化エンタルピー(ΔH)が2〜15J/gである場合には、成形性が特に優れる点から好ましい。
また、互いの炭素数の差が2以上である第1の鎖伸長剤と第2の鎖伸長剤とを含む場合には、成形性が特に優れる点から好ましい。
また、研磨層用成形体は、密度1.0g/cm3以上、JIS−D硬度75以上である場合には、平坦化性に特に優れる点から好ましい。
また、研磨層用成形体は、水との接触角が75度以下である表面を有する場合には、被研磨面にスクラッチが発生しにくくなる点から好ましい。
また、熱可塑性ポリウレタンは、50℃の温水で飽和膨潤したときの50℃における引張弾性率が250〜1500MPaである場合には、スクラッチを発生させない程度に高い硬度を維持できる研磨層が得られる点から好ましい。
また、熱可塑性ポリウレタンは、下記式:A/B×100(Aは50℃の温水で飽和膨潤させたときの50℃における貯蔵弾性率、Bは50℃の温水で飽和膨潤させていないときの50℃における貯蔵弾性率)から算出される、貯蔵弾性率の水飽和膨潤時保持率が55%以上である場合には、研磨特性が研磨中に経時的に変化しにくい点から好ましい。
また、高分子ジオールが、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール,及びポリメチルテトラメチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する場合には、親水性に優れる点から好ましい。
また、研磨層用成形体は凹部を有する研磨面を含み、凹部は、研磨面に向かって広がる、テーパー形状のコーナー部を有する場合には、研磨中に凹部のコーナー部にバリが生じにくくなる点から好ましい。
また、本発明の他の一局面は、上述した何れかの研磨層用成形体を研磨層として含む研磨パッドである。このような研磨パッドによれば、研磨均一性に優れる研磨を実現できる。
また、研磨層の硬度よりも低い硬度を有するクッション層が積層されている場合には、グローバル平坦化性(全体的な平坦化性)とローカル平坦化性と(局所的な平坦化性)のバランスに優れた研磨パッドが得られる点から好ましい。
本発明によれば、成形性に優れるとともに、研磨層として用いた場合に高い平坦化性を発現する研磨層用成形体が得られる。
図1は、研磨層の凹部のコーナー部に発生するバリの一例を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図2は、研磨パッドの研磨層において、研磨面に向かって広がる、テーパー形状のコーナー部を有する溝の一例を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3は、本実施形態の研磨パッドを用いたCMPを説明する説明図である。
以下、本発明に係る一実施形態の研磨層用成形体及び研磨パッドについて詳しく説明する。
本実施形態の研磨層用成形体は、高分子ジオールと、有機ジイソシアネートと、炭素数4以下であるジオールを含む第1の鎖伸長剤と、炭素数5以上であるジオールを含む第2の鎖伸長剤と、を含む単量体の重合体であり、且つ、有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合が6.3〜7.4質量%である熱可塑性ポリウレタンを含み、非多孔性である、熱可塑性ポリウレタン成形体である。
高分子ジオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール,ポリエステルジオール,ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール,ポリメチルテトラメチレングリコール,ポリオキシプロピレングリコール,グリセリンベースポリアルキレンエーテルグリコール等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリエステルジオールとしては、ジカルボン酸またはそのエステル,無水物などのエステル形成性誘導体と、低分子ジオールと、を直接エステル化反応またはエステル交換反応させて得られるものが挙げられる。
ジカルボン酸の具体例としては、例えばシュウ酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,ドデカンジカルボン酸,2-メチルコハク酸,2-メチルアジピン酸,3-メチルアジピン酸,3-メチルペンタン二酸,2-メチルオクタン二酸,3,8-ジメチルデカン二酸,3,7-ジメチルデカン二酸等の炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸;トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)及びこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)等の脂肪族ジカルボン酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;テレフタル酸,イソフタル酸,オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。ダイマー酸及び水添ダイマー酸としては、例えば、ユニケマ社製の商品名「プリポール1004」、「プリポール1006」、「プリポール1009」、「プリポール1013」等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、低分子ジオールの具体例としては、例えばエチレングリコール,1,3-プロパンジオール,1,2-プロパンジオール,2-メチル-1,3-プロパンジオール,1,4-ブタンジオール,ネオペンチルグリコール,1,5-ペンタンジオール,3-メチル-1,5-ペンタンジオール,1,6-ヘキサンジオール,1,7-ヘプタンジオール,1,8-オクタンジオール,2-メチル-1,8-オクタンジオール,1,9-ノナンジオール,1,10-デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール,シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、炭素数6〜12のジオール、さらには炭素数8〜10のジオール、とくには炭素数9のジオールが好ましい。
ポリカーボネートジオールとしては、カーボネート化合物と低分子ジオールとを反応させて得られるものが挙げられる。
カーボネート化合物の具体例としては、例えば、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。また、低分子ジオールとしては上述したものと同様の低分子ジオールが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子ジオールは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール,及びポリメチルテトラメチレングリコールまたはそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことが親水性に優れる点からとくに好ましい。
高分子ジオールの数平均分子量は特に限定されないが、600〜1400、さらには600〜1200、とくには600〜1000であることが好ましい。高分子ジオールの数平均分子量が低すぎる場合には、硬度や引張弾性率が低下して、研磨層の平坦化性が低下する傾向がある。一方、高分子ジオールの数平均分子量が高すぎる場合には、低反発弾性で高靭性の熱可塑性ポリウレタン成形体が得られやすくなる。低反発弾性で高靭性の熱可塑性ポリウレタン成形体を用いた研磨層は、表面に凹部を形成した場合に、凹部のコーナー部(端部,肩部)に研磨中にバリが生じやすくなる傾向がある。高分子ジオールの数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した値である。
有機ジイソシアネートとしては、例えばエチレンジイソシアネート,テトラメチレンジイソシアネート,ペンタメチレンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,2,2,4-又は2,4,4'-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,ドデカメチレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネート,イソプロピリデンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート),シクロヘキシルメタンジイソシアネート,メチルシクロヘキサンジイソシアネート,4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート,リジンジイソシアネート,2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート,ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート,ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート,2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート,シクロヘキシレンジイソシアネート,メチルシクロヘキシレンジイソシアネート,ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;2,4'-又は4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート,m-又はp-フェニレンジイソシアネート,m-又はp-キシリレンジイソシアネート,1,5-ナフチレンジイソシアネート,4,4'-ジイソシアナトビフェニル,3,3-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトビフェニル,3,3-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトジフェニルメタン,クロロフェニレン-2,4-ジイソシアネート,テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート,2,4-トリレンジイソシアネート,2,6-トリレンジイソシアネート,イソホロンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種、とくには、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートが耐摩耗性に優れる研磨層が得られる点から好ましい。
熱可塑性ポリウレタンの重合に用いられる単量体中には、炭素数4以下のジオールである第1の鎖伸長剤と、炭素数5以上のジオールである第2の鎖伸長剤とが含有される。鎖伸長剤として炭素数4以下のジオールのみを用いた場合には、分子鎖中の-NH基と-CO基間の水素結合が多くなって緻密な網状構造を形成することにより高硬度や高強度を有する熱可塑性ポリウレタンが得られやすくなる。その反面、融点や結晶性が高くなって熱可塑性ポリウレタンの成形性は低下する。鎖伸長剤として炭素数4以下のジオールと炭素数5以上のジオールとを併用した場合には、エステルとウレタン基との間隔が長くなるために分子鎖間の凝集密度が適度に下がり、融点や結晶性が低くなって成形性に優れた熱可塑性ポリウレタンが得られる。
炭素数4以下のジオールである第1の鎖伸長剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール等の炭素数2のジオール;1,3-プロパンジオール等の炭素数3のジオール;1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,2,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール等のブタンジオールや2-メチル-1,3-プロパンジオール等の炭素数4のジオール等が挙げられる。
また、炭素数5以上のジオールである第2の鎖伸長剤としては、例えば、1,5-ペンタンジオールや2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール等の炭素数5のジオール;3-メチル1,5-ペンタンジオール,1,6-ヘキサンジオール,シクロヘキサンジオール等の炭素数6のジオール;1,8-オクタンジオール,シクロヘキサンジメタノール等の炭素数8のジオール;1,9-ノナンジオール,2-メチル-1,8-オクタンジオール等の炭素数9のジオール;1,10-デカンジオール等の炭素数10のジオール等が挙げられる。
炭素数4以下のジオールである第1の鎖伸長剤と炭素数5以上のジオールである第2の鎖伸長剤との含有比率は特に限定されず、成形性と硬度とのバランスに応じて調整される。好ましくは、例えば、第1の鎖伸長剤1モルに対して第2の鎖伸長剤を0.09〜0.67モル、さらには、0.25〜0.54モル配合することが好ましい。第2の鎖伸長剤の比率が低すぎる場合には熱可塑性ポリウレタンの成形性の改良効果が不充分になる傾向がある。また、第2の鎖伸長剤の比率が高すぎる場合には熱可塑性ポリウレタンの硬度が低下する傾向がある。
また、炭素数4以下のジオールである第1の鎖伸長剤と炭素数5以上のジオールである第2の鎖伸長剤とは、互いに炭素数が2以上の差があることがとくに成形性に優れた熱可塑性ポリウレタンが得られる点から好ましい。
熱可塑性ポリウレタンの重合に用いられる鎖伸長剤としては、本発明の効果を損なわない限り、第1の鎖伸長剤と第2の鎖伸長剤の他、従来から熱可塑性ポリウレタンの重合に用いられているイソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する低分子化合物をさらに併用してもよい。
熱可塑性ポリウレタンの重合に用いられる高分子ジオール,鎖伸長剤,有機ジイソシアネートの各成分の配合比率は、目的とする耐摩耗性等の物性を考慮して適宜選択される。具体的には、例えば、高分子ジオール及び鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.95〜1.3モル、さらには0.96〜1.10モル、とくには0.97〜1.05モルとなる比率であることが、熱可塑性ポリウレタンの機械的強度、耐摩耗性、熱可塑性ポリウレタンの生産性、保存安定性に優れる点から好ましい。イソシアネート基の比率が低すぎる場合には、熱可塑性ポリウレタン成形体の機械的強度および耐摩耗性が低下する傾向がある。また、イソシアネート基の比率が高すぎる場合には熱可塑性ポリウレタンの生産性、保存安定性が低下する傾向がある。
高分子ジオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤との質量比としては、高分子ジオールの量/(有機ジイソシアネートと鎖伸長剤の量)=15/85〜45/55、さらには20/80〜40/60、とくには25/75〜35/65であることが好ましい。
熱可塑性ポリウレタンは、高分子ジオールと、有機ジイソシアネートと、炭素数4以下であるジオールを含む第1の鎖伸長剤と、炭素数5以上であるジオールを含む第2の鎖伸長剤と、を含む単量体を、公知のプレポリマー法またはワンショット法を用いたウレタン化反応により重合することにより得られる。好ましくは、単軸又は多軸スクリュー型押出機を用いて、単量体を実質的に溶剤の不存在下で溶融混合しながら連続溶融重合する方法が用いられる。
熱可塑性ポリウレタン中の有機ジイソシアネートに由来する窒素含有割合は6.3〜7.4質量%であり、6.5〜7.3質量%、さらには6.7〜7.3質量%であることが好ましい。有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合を6.3〜7.4質量%に調整することにより、ポリウレタン中のハードセグメント量が高くなるために硬度の高い熱可塑性ポリウレタンが得られる。有機ジイソシアネートに由来する窒素含有割合が6.3質量%未満の場合には熱可塑性ポリウレタンの硬度が低くなり、得られる研磨層の平坦化性及び研磨効率が低下する。また、有機ジイソシアネートに由来する窒素含有割合が7.4質量%を超える場合には熱可塑性ポリウレタンの硬度が高くなりすぎることにより、被研磨面にスクラッチを発生させ易い研磨層になる。
また、熱可塑性ポリウレタンは、示差走査熱量測定(DSC)により得られる吸熱ピーク温度が185℃以下、さらには、180℃以下であることが成形性により優れる点から好ましい。なお、下限はとくに限定されないが160℃、さらには170℃程度であることが好ましい。また、吸熱ピークにおける吸熱ピーク面積から求めた結晶化エンタルピー(ΔH)は、2〜15J/g、さらには、5〜11J/gであることが成形性にとくに優れる点から好ましい。
また、熱可塑性ポリウレタンは、水との接触角が75度以下、さらには70度以下、とくには65度以下であることが好ましい。水との接触角が高すぎる場合には被研磨面にスクラッチを発生させ易い研磨層が得られる傾向がある。
さらに、熱可塑性ポリウレタンの硬度としては、JIS−D硬度で75以上、さらには、80以上であることが好ましい。JIS−D硬度が低すぎる場合には、被研磨面に対する追従性が高いためにローカル平坦化性の低い研磨層が得られる傾向がある。
熱可塑性ポリウレタン成形体の密度は、1.0g/cm3以上、さらには1.1g/cm3以上、とくには、1.2g/cm3以上であることが好ましい。熱可塑性ポリウレタン成形体の密度が低すぎる場合には、ローカル平坦化性の低い研磨層が得られる傾向がある。
また、熱可塑性ポリウレタンは、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が250〜1500MPa、さらには400〜1300MPa、とくには600〜1000MPaであることが好ましい。50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が低すぎる場合には、研磨中に研磨層が柔らかくなって平坦化性及び研磨効率が低下する傾向がある。また、50℃の水で飽和膨潤させた後の50℃における引張弾性率が高すぎる場合には、被研磨面にスクラッチを発生させやすくなる傾向がある。
熱可塑性ポリウレタンは、式(1):A/B×100
(Aは50℃の温水で飽和膨潤させたときの50℃における貯蔵弾性率、Bは50℃の温水で飽和膨潤させていないときの50℃における貯蔵弾性率)・・・(1)
により算出される、貯蔵弾性率の水飽和膨潤時保持率が55%以上、さらには60%以上、とくには75%以上であることが好ましい。貯蔵弾性率の水飽和膨潤時保持率が低すぎる場合には、水分による研磨層の特性変化が大きく、例えば研磨終了後、数時間〜数日間、湿潤状態で研磨パッドを放置した場合に研磨速度が低下しやすくなる傾向がある。
なお、飽和膨潤させていないときの50℃における貯蔵弾性率とは、試験片を50℃の温水で飽和膨潤させず、23℃、65%RHの条件下に3日間放置して状態調整をした直後に測定した50℃における貯蔵弾性率である。飽和膨潤させていないときの50℃における貯蔵弾性率は、600〜1900MPa、さらには800〜1700MPaであることが好ましい。50℃における貯蔵弾性率が低すぎる場合には研磨均一性が低下しやすくなる傾向があり、高すぎる場合にはスクラッチが多くなる傾向がある。
本実施形態の熱可塑性ポリウレタン成形体は、非多孔性(無発泡性)の成形体である。このような非多孔性の熱可塑性ポリウレタン成形体は、硬度が高いために、研磨層として用いた場合に高い平坦化性を発現する。このような非多孔性の熱可塑性ポリウレタン成形体は、発泡剤等の成分を含まない熱可塑性ポリウレタンをTダイを用いて押出成形したり射出成形したりすることにより、シートとして製造されることが好ましい。とくには、Tダイを用いた押出成形により得られるシートが均一な厚さのシートが得られる点から好ましい。
研磨層用成形体の厚さは特に限定されず、研磨パッドの層構成や用途に応じて適宜調整される。具体的には、1.5〜3.0mm、さらには1.7〜2.8mm、とくには2.0〜2.5mmであることが好ましい。
本実施形態の研磨パッドは、所定の形状に整えた研磨層用成形体をそのまま用いた単層型の研磨パッドであっても、研磨層用成形体からなる研磨層にクッション層をさらに積層した複層型研磨パッドであってもよい。
クッション層としては、研磨層の硬度よりも低い硬度を有する層であることが好ましい。クッション層の硬度が研磨層の硬度よりも低い場合には、被研磨面の局所的な凹凸に対しては硬質の研磨層が追従しやすくなるために、被研磨材全体の反りやうねりに対してはクッション層が追従するためにグローバル平坦化性とローカル平坦化性とのバランスに優れた研磨を実現できる。
クッション層として用いられる素材の具体例としては、公知の不織布にポリウレタンを含浸させた複合体;天然ゴム,ニトリルゴム,ポリブタジエンゴム,シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー,ポリアミド系熱可塑性エラストマー,フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタン等が挙げられる。これらの中では柔軟性が適度である点から発泡構造を有するポリウレタンがとくに好ましい。
クッション層の厚さは特に限定されないが、例えば0.3〜1.2mm、さらには0.5〜1.0mm程度であることが好ましい。クッション層が薄すぎる場合には、被研磨材全体の反りやうねりに対する追従効果が低下して、研磨パッドのグローバル平坦化性が低下する傾向がある。一方、クッション層が厚すぎる場合には、研磨パッド全体が柔らかくなって安定した研磨が難しくなる傾向がある。
本実施形態の研磨層用成形体には、通常、研磨面にスラリーを均一かつ充分に供給させるために、例えば同心円状に、溝や穴のような凹部が形成される。このような凹部は、スクラッチ発生の原因となる研磨屑の排出や、研磨パッドの吸着によるウェハ破損の防止にも役立つ。
研磨面に凹部を形成する方法は特に限定されない。例えば、研磨層用成形体の表面を所定の凹部のパターンを形成するように切削加工したり、射出成形の際に金型で転写することにより凹部を形成したり、加熱された型でスタンプする等の方法により形成する方法等が挙げられる。
例えば同心円状に溝を形成する場合、溝間の間隔としては、2.0〜50mm、さらには5.5〜30mm、とくには6.0〜15mm程度であることが好ましい。また、溝の幅としては、0.1〜3.0mm、さらには0.4〜2.0mm程度であることが好ましい。また、溝の深さとしては、0.2〜1.8mm、さらには0.4〜1.5mm程度であることが好ましい。また、溝の断面形状としては、例えば、長方形,台形,三角形,半円形等の形状が目的に応じて適宜選択される。
研磨層用成形体の研磨面に凹部を形成した場合、被研磨材またはコンディショナーが凹部のコーナー部(肩部,端部)に長時間繰り返し接触することにより、図1に示すようにコーナー部にバリが発生することがある。このようなバリは凹部を徐々に閉塞させてスラリーの供給量を徐々に低減させる。その結果、研磨速度や研磨均一性を徐々に低下させる。このような場合において、図2に示すように、凹部の少なくとも一方のコーナー部に、切り欠いたような断面を有するテーパー形状のコーナー部を形成することが好ましい。このようなテーパー形状のコーナー部は研磨面に対する垂直方向に対して傾斜した面である。凹部の少なくとも一方のコーナー部にこのようなテーパー形状を形成することにより、長時間研磨に用いても凹部を閉塞させるバリを発生させにくくする。
本実施形態の研磨層用成形体を研磨層として含む研磨パッドを用いたCMPの一実施形態について説明する。CMPにおいては、例えば、図3に示すような円形の回転定盤11と、スラリー供給ノズル12と、キャリア13と、パッドコンディショナー14とを備えたCMP装置20が用いられる。回転定盤11の表面に、研磨パッド10が両面テープ等により貼付けられている。また、キャリア13は被研磨材15を支持している。
CMP装置20においては、回転定盤11は図略のモータにより矢印に示す方向に回転する。また、キャリア13は、回転定盤11の面内において、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。パッドコンディショナー14も回転定盤11の面内において、図略のモータにより例えば矢印に示す方向に回転する。
はじめに、回転定盤11に固定されて回転する研磨パッド10の研磨層の研磨面に蒸留水を流しながら回転するパッドコンディショナー14を押し当てて、研磨面のコンディショニングを行う。パッドコンディショナーとしては、例えば、ダイヤモンド粒子をニッケル電着等により担体表面に固定したコンディショナーが用いられる。このようにして、研磨面を被研磨面の研磨に好適な表面粗さに調整する。次に、回転する研磨パッド10の表面にスラリー供給ノズル12から研磨スラリー16を供給する。研磨スラリー16は、例えば、水やオイル等の液状媒体;シリカ,アルミナ,酸化セリウム,酸化ジルコニウム,炭化ケイ素等の研磨剤;塩基,酸,界面活性剤,酸化剤,還元剤,キレート剤等を含有する。また、CMPを行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを供給してもよい。そして、満遍なく研磨スラリー16に濡らされた研磨パッド10の研磨面に、キャリア13に固定されて回転する被研磨材15を押し当てる。そして、所定の平坦度が得られるまで研磨処理が続けられる。研磨中に作用させる押し付け力や回転定盤11とキャリア13との相対運動の速度を調整することにより、仕上がり品質が影響を受ける。
研磨条件は特に限定されないが、効率的な研磨を行うためには、定盤と基板のそれぞれの回転速度は300rpm以下の低回転が好ましい。また、基板にかける圧力は、スクラッチの発生を抑制するためには150kPa以下であることが好ましい。また、研磨している間、研磨面に研磨スラリーを連続的に供給することが好ましい。研磨スラリーの供給量は、常に研磨面の全体を研磨スラリーで濡らす程度であることが好ましい。
本実施形態のCMPは、各種半導体装置やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の製造プロセスにおける研磨に好ましく用いられる。被研磨材の具体例としては、例えば、シリコンウェハ,酸化シリコン,酸化フッ化シリコン等の半導体ウェハ;所定の配線を有する配線板に形成された酸化ケイ素膜,ガラス膜,窒化ケイ素膜等の無機絶縁膜;ポリシリコン,アルミニウム,銅,チタン,窒化チタン,タングステン,タンタル、窒化タンタル等を主として含有する膜;フォトマスク,レンズ,プリズム等の光学ガラス;スズドープ酸化インジウム(ITO)等の無機導電膜;ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路,光スイッチング素子,光導波路,光ファイバーの端面,シンチレータ等の光学用単結晶;固体レーザー単結晶;青色レーザーLED用サファイヤ基板;炭化ケイ素,リン化ガリウム,ヒ化ガリウム等の半導体単結晶;磁気ディスク用ガラス基板;磁気ヘッド等;メタクリル樹脂,ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
数平均分子量850のポリテトラメチレングリコール(PTMG850)、炭素数4の鎖伸長剤である1,4-ブタンジオール(BD)、炭素数6の鎖伸長剤である3-メチル1,5-ペンタンジオール(MPD)、及び4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)をPTMG850:BD:MPD:MDI=19.0:14.7:6.4:59.9(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンAのペレットを得た。そして、熱可塑性ポリウレタンAを以下のような評価方法により評価した。
〈有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合の測定〉
はじめに、熱可塑性ポリウレタン中の全窒素含有量を元素分析法により下記の条件で算出した。
・装置 :パーキンエルマー社製 全自動元素分析装置2400シリーズII型(オートサンプラー標準装備)C・H・N・S/O分析装置
・電気炉温度:975℃
・試料量 :2mg
・助燃剤 :なし
・試料容器:錫箔(助燃効果あり、1枚使用)
・検量線作成用標準物質:スルファニルアミド
次に、熱可塑性ポリウレタンA中の有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来に窒素原子及び鎖伸長剤に由来する窒素原子をそれぞれ下記の条件でNMRの測定により検出した。
・装置 :日本電子製核磁気共鳴装置 Lambda500
・測定条件:共鳴周波数;1H 500MHz /プローブ;TH5FG2
・溶媒 :DMSO−d6 濃度;5wt%/vol
・測定温度:80℃
・積算回数:64s
そして、元素分析法及びNMRの結果から、有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合を算出した。
〈示差走査熱量(DSC)測定〉
示差走査熱量計(メトラー社製「DSC30」)を用い、熱可塑性ポリウレタンAの吸熱ピーク温度(℃)及びその吸熱ピークにおける吸熱ピーク面積から結晶化エンタルピー(ΔH)を求めた。なお測定条件は、サンプル約10mg、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で行った。
〈水との接触角〉
熱可塑性ポリウレタンAを2枚の金属板の間に挟み、熱プレス成形機((株)神藤工業所製の卓上用テストプレス)で熱プレス成形した。熱プレス成形は、加熱温度230℃で2分間予熱した後、所定のプレス圧で1分間プレスした。そして、熱プレス成形機から熱可塑性ポリウレタンAを介在させた2枚の金属板を取り出し、冷却することにより、厚さ300μmのプレス成形シートを得た。そして、得られたプレス成形シートを減圧乾燥機内で60℃×16時間乾燥した。そして、プレス成形シートの水との接触角を協和界面科学(株)製のDropMaster500を用いて測定した。
〈密度〉
厚さ2mmのプレス成形シートを作成し、JIS K 7112に準拠して、密度を測定した。
〈硬度〉
厚さ2mmのプレス成形シートを作成し、JIS K 7311に準拠して、硬度(JIS−D硬度)を測定した。
〈50℃の水で飽和膨潤させたときの50℃における引張弾性率〉
厚さ300μmのプレス成形シートを作成した。そして、厚さ300μmのプレス成形シートから2号型試験片(JISK7113)を打ち抜いた。そして、2号型試験片を50℃の温水に48時間浸漬することにより水で飽和膨潤させた。そして、温水から取り出した2号型試験片の表面の水分を拭き取った後、雰囲気温度50℃において2分間静置した。そして、引張試験機(インストロン社製3367)にチャック間距離40mmで2号型試験片を装着し、雰囲気温度50℃で2分間静置した後、引張速度500mm/分、N=6本の条件で引張弾性率を測定した。
〈貯蔵弾性率の水飽和膨潤時保持率〉
厚さ300μmのプレス成形シートを作成した。そして、プレス成形シートから5.0×30(mm)の試験片を切り出し、23℃、65%RHの条件下で3日間放置して状態調整をした。そして、試験片を動的粘弾性測定装置(DVEレオスペクトラー(株)レオロジー製)を用いて、50℃における動的粘弾性率を周波数11Hzで測定することにより、貯蔵弾性率(B)を求めた。
一方、同様に作成した試験片を50℃の温水に48時間浸漬することにより水で飽和膨潤させた。そして、温水から取り出した試験片の表面の水分を拭き取った後、50℃における動的粘弾性率を周波数11Hzで測定することにより、貯蔵弾性率(A)を求めた。
そして、温水で飽和膨潤させた試験片の貯蔵弾性率を(A)、温水で飽和膨潤させていない試験片の貯蔵弾性率を(B)として、水膨潤時の貯蔵弾性率の維持率を、下記式(1):A/B×100
(Aは50℃の温水で飽和膨潤させた試験片の50℃における貯蔵弾性率、Bは50℃の温水で飽和膨潤させていない試験片の50℃における貯蔵弾性率)・・・(1)
により算出した。
〈成形性及び研磨特性〉
圧力ゲージを取り付けたフィルターを備えたT−ダイを設置した単軸押出成形機(スクリュー径90mm)を準備した。そして、熱可塑性ポリウレタンAのペレットを単軸押出成形機に供給してT−ダイから吐出させ、60〜80℃に調温されたギャップ間隔1.8mmの一対のロールに通過させることにより、厚さ2mmの非多孔性の熱可塑性ポリウレタンシートを得た。単軸押出成形機の条件は、仕込みシリンダー温度215〜240℃、ダイス温度230〜240℃、に設定した。そして、このときの成形性を以下の方法により評価した。
(成形性)
A:成形時に未溶融物が全く見られず、圧力ゲージも上昇しなかった。
B:成形時に未溶融物が見られたが、圧力ゲージは上昇しなかった。
C:成形時に未溶融が見られ、圧力ゲージは上昇した。
そして、得られた熱可塑性ポリウレタンシートの表面を研削することにより厚さ1.2mmの研磨層用成形体を得た。そして、厚さ1.2mmの研磨層用成形体の研磨面となる主面に、幅1mm,深さ1.0mmの溝を7.5mm間隔で同心円状に形成した。また、同心円状に形成した溝の両側のコーナー部に、図2に示すような、研磨面に向かって広がる一辺が0.6mmの正三角形に切り欠いたようなテーパー形状を有するコーナー部を形成した。そして、研磨層用成形体を直径38cmの円形に切り抜いた。そして、裏面にクッション層を両面粘着シートで貼り合わせて複層型研磨パッドを作成した。クッション層としては、厚み0.8mm,JIS−C硬度65,空隙率48体積%の発泡ポリウレタン製シートであるイノアックコーポレーション社製「ポロンH48」を用いた。そして、得られた複層型研磨パッドの研磨特性を下記方法により評価した。
(研磨レートの経時変化)
複層型研磨パッドをCMP研磨装置((株)野村製作所社製PP0−60S)の回転定盤に固定し、ダイヤモンドドレッサーを用いて圧力0.18MPa,ドレッサー回転数110回転/分,30分間の条件で研磨面を研削した。なお、ダイヤモンドドレッサーは、三菱マテリアル(株)製のMEC100−Lを用いた。
そして、複層型研磨パッドの研磨面にスラリーを滴下しながら酸化膜表面を有する8インチのシリコンウェハを研磨した。なお、研磨条件はプラテン回転数50回転/分,ヘッド回転数49回転/分,研磨圧力45kPa,研磨時間100秒の条件で行った。スラリーは、蒸留水で2倍希釈したキャボット社製研磨スラリーSS25を用いた。スラリーは120mL/分の速度で供給された。そして、このときの研磨レート(a)を測定した。
一方、複層型研磨パッドを湿潤状態で24時間放置した。そして、湿潤状態で24時間放置された複層型研磨パッドの研磨レート(b)も同様の条件で測定した。そして、研磨レートの経時変化の指標として、湿潤前の複層型研磨パッドの研磨レート(a)に対する湿潤後の複層型研磨パッドの研磨レート(b)の維持率((b)/(a)×100(%))を求めた。
(研磨の不均一性)
シリコンウェハの研磨前後のそれぞれの膜厚をウェハ面内の49点で測定した。そして、各点における研磨前後の膜厚の差から研磨速度を求めた。そして、49点の研磨速度の平均値を研磨速度(R)とした。また、49点の研磨速度の標準偏差(σ)を求め、研磨の不均一性を「不均一性(%)=(σ/R)×100」から求めた。不均一性の値が小さいほど、研磨均一性に優れていることを示す。
(バリ発生評価)
複層型研磨パッドを日本電産シンポ(株)製の電動ろくろ研磨機(RK−3D形)に装着した。そして、研磨パッドの研磨面を、150mL/分の速度でスラリーを流しながら、ダイヤモンドドレッサーでドレッサー回転数61rpm、研磨パッド回転数60rpm、ドレッサー荷重2.75psiの条件で8時間研削した。ダイヤモンドドレッサーは、(株)アライドマテリアル製のダイヤモンドドレッサー(ダイヤモンド粒子番手#100)を用いた。研削後の研磨面を目視で観察し、バリが全く発生しなかった場合には良、バリが発生した場合には否と判定した。
結果をまとめて表1に示す。
[実施例2]
PTMG850、数平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)、BD、MPD及びMDIを、PTMG850:PEG600:BD:MPD:MDI=11.4:7.6:14.7:6.4:59.9(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンBのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンBを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
PTMG850、BD、MPD及びMDIを、PTMG850:BD:MPD:MDI=10.2:15.7:8.8:65.3(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンCのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンCを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
PEG600、BD、MPD、及びMDIを、PEG600:BD:MPD:MDI=10.9:15.3:8.6:65.2(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンDのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンDを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
PTMG850、BD、炭素数6の鎖伸長剤である1,6-ヘキサンジオール(HD)、及びMDIを、PTMG850:BD:HD:MDI=19.0:14.7:6.4:59.9(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンEのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンEを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
PTMG850、BD、炭素数8の鎖伸長剤である1,8-オクタンジオール(OD)、及びMDIを、PTMG850:BD:OD:MDI=17.3:14.8:8.0:59.9(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンFのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンFを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
PTMG850、BD、炭素数8の鎖伸長剤であるシクロヘキサンジメタノール(CHDM)、及びMDIを、PTMG850:BD:CHDM:MDI=14.4:14.8:7.9:59.9(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンGのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンGを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[実施例8]
数平均分子量950のポリプロピレングリコール(PPG950)、BD、MPD及びMDIを、PPG950:BD:MPD:MDI=18.7:14.8:6.5:59.9(質量比)の割合で混合し、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機に連続的に供給して、連続溶融重合を行い、溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンHのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンHを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(PTMG650)、BD、及びMDIを、PTMG650:BD:MDI=18.7:19.6:61.7(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンIのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンIを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
数平均分子量500のポリ3-メチルペンタンジオールアジペート(PMPA500)、BD、及びMDIを、PMPA500:BD:MDI=25.6:16.3:58.1(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンJのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンJを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
数平均分子量1000のポリ3-メチルペンタンジオールアジペート(PMPA1000)、BD、及びMDIを、PMPA1000:BD:MDI=29.7:16.6:53.7(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンKのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンKを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。なお、比較例3においては、同心円状に形成した溝の両側のコーナー部にテーパー形状を形成しなかった。結果を表1に示す。
[比較例4]
PTMG850、MPD、及びMDIを、PTMG850:MPD:MDI=13.7:26.4:59.9(質量比)の割合で混合した単量体を準備した。そして、定量ポンプで単量体を二軸押出機に連続的に供給して混練しながら連続溶融重合することにより重合体を得た。二軸押出機から連続的に吐出される溶融状態の重合体のストランドを水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンLのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンLを用いた以外は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例5]
PMPA500、CHDM、及びMDIを、PMPA500:CHDM:MDI=11.8:30.1:58.1(質量比)の割合で混合し、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出機に連続的に供給して、連続溶融重合を行い、溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーで細断することにより熱可塑性ポリウレタンMのペレットを得た。
熱可塑性ポリウレタンAの代わりに熱可塑性ポリウレタンMを用いた以外は実施例1と同様にして、窒素含有割合、示差走査熱量、水との接触角、50℃の水で飽和膨潤させたときの50℃における引張弾性率、及び貯蔵弾性率の水飽和膨潤時保持率を評価した。
また、熱可塑性ポリウレタンMを2枚の金属板の間に挟み、熱プレス成形することにより熱プレス成形シートを得た。そして、熱プレス成形シートを耐圧力容器に入れ、温度110℃、圧力7MPaの条件下で5時間、二酸化炭素を溶解させることにより、二酸化炭素を1.6重量%(飽和量)含むガス溶解シートを得た。そして、室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを110℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後取り出し、室温まで冷却することにより厚さ2μmのポリウレタンMの発泡体シートを得た。
そして、得られたポリウレタンMの発泡体シートを用いて、密度、硬度、成形性及び研磨特性を評価した。なお、比較例5においては、同心円状に形成した溝の両側のコーナー部にテーパー形状を形成しなかった。これらの結果を表1に示す。
表1の結果より、次のことがわかる。炭素数4以下のジオールと炭素数5以上のジオールとを含む鎖伸長剤を用いて重合した熱可塑性ポリウレタンの成形体を研磨層として備える実施例1〜8で得られた研磨パッドは、ウェハ研磨時の研磨不均一性に優れ、また、研磨速度の経時変化も小さく、成形性にも優れていた。一方、炭素数4のBDのみを単独で鎖伸長剤として用いて重合した熱可塑性ポリウレタンの成形体を研磨層として備える比較例1及び比較例2で得られた研磨パッドは、硬度が高いためにウェハ研磨時の研磨均一性には優れていたものの、成形性が劣っていた。また、炭素数4のBDのみを単独で鎖伸長剤として用いて重合した熱可塑性ポリウレタンの成形体であって、有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合が6.3未満の比較例3で得られた研磨パッドは、硬度が低いために研磨均一性が低く、また、研磨速度の経時変化も大きく、さらに成形性にも劣っていた。また、炭素数5のMPDのみを単独で鎖伸長剤として用いて重合した熱可塑性ポリウレタンの成形体を研磨層として備える比較例4で得られた研磨パッドは、成形性には優れていたものの、硬度が低いために研磨均一性が低く、また、研磨速度の経時変化も大きく、さらに成形性にも劣っていた。また、多孔性である、熱可塑性ポリウレタンの発泡成形体を研磨層として備える比較例5で得られた研磨パッドは、硬度が低いために研磨均一性が低かった。
10 研磨パッド
11 回転定盤
12 スラリー供給ノズル
13 キャリア
14 パッドコンディショナー
15 被研磨材
16 研磨スラリー
20 CMP装置

Claims (12)

  1. 高分子ジオールと、有機ジイソシアネートと、炭素数4以下であるジオールを含む第1の鎖伸長剤と、炭素数5以上であるジオールを含む第2の鎖伸長剤と、を含む単量体の重合体であり、且つ、前記有機ジイソシアネートのイソシアネート基に由来する窒素含有割合が6.3〜7.4質量%である熱可塑性ポリウレタンを含み、
    非多孔性である、研磨層用成形体。
  2. 前記第1の鎖伸長剤が、エチレングリコール,1,3-プロパンジオール,1,2-ブタンジオール,1,3-ブタンジオール,2,3-ブタンジオール,1,4-ブタンジオール,2-メチル-1,3-プロパンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記第2の鎖伸長剤が、1,5-ペンタンジオール,2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール,3-メチル1,5-ペンタンジオール,1,6-ヘキサンジオール,シクロヘキサンジオール,1,8-オクタンジオール,シクロヘキサンジメタノール,1,9-ノナンジオール,2-メチル-1,8-オクタンジオール,及び1,10-デカンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の研磨層用成形体。
  3. 前記熱可塑性ポリウレタンは、示差走査熱量測定(DSC)による吸熱ピークを185℃以下に有し、前記吸熱ピークにおける吸熱ピーク面積から求めた結晶化エンタルピー(ΔH)が2〜15J/gである請求項1または2に記載の研磨層用成形体。
  4. 互いの炭素数の差が2以上である前記第1の鎖伸長剤と前記第2の鎖伸長剤とを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  5. 密度1.0g/cm3以上、JIS−D硬度75以上である請求項1〜4の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  6. 水との接触角が75度以下である表面を有する請求項1〜5の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  7. 前記熱可塑性ポリウレタンは、50℃の温水で飽和膨潤させたときの50℃における引張弾性率が250〜1500MPaである請求項1〜6の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  8. 前記熱可塑性ポリウレタンは、下記式:
    A/B×100
    (Aは50℃の温水で飽和膨潤させたときの50℃における貯蔵弾性率、Bは50℃の温水で飽和膨潤させていないときの50℃における貯蔵弾性率)
    から算出される、貯蔵弾性率の水飽和膨潤時保持率が55%以上である請求項1〜7の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  9. 前記高分子ジオールが、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール,及びポリメチルテトラメチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜8の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  10. 前記研磨層用成形体は凹部を有する研磨面を含み、
    前記凹部は、研磨面に向かって広がる、テーパー形状のコーナー部を有する請求項1〜9の何れか1項に記載の研磨層用成形体。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の研磨層用成形体を研磨層として含む研磨パッド。
  12. 前記研磨層の硬度よりも低い硬度を有するクッション層が積層された請求項11に記載の研磨パッド。
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