JPWO2016076219A1 - 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、酸素や水等の浸入による半導体ナノ粒子の劣化を長期にわたって抑制でき、故障耐性(DS耐性)及び打ち抜き加工時の端部膜はがれ耐性(密着性)に優れ、かつ発光効率が高い光学フィルム及びその製造方法を提供することである。本発明の光学フィルムは、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で有し、更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする。

Description

本発明は、光学フィルム及びその製造方法に関する。更に詳しくは、酸素や水等の浸入による半導体ナノ粒子の劣化を長期間にわたり抑制でき、故障耐性(ダークスポット耐性)及び打ち抜き加工時の端部膜はがれ耐性(密着性)に優れ、かつ発光効率が高い光学フィルム及びその製造方法に関する。
近年、半導体ナノ粒子は、そのサイズ可変(size−tunable)な電子特性から商業的な関心が持たれている。半導体ナノ粒子は、例えば、生体標識、太陽光発電、触媒作用、生体撮像、発光ダイオード(Light Emitting Diode、略称:「LED」)、一般的な空間照明、及び電子発光ディスプレイ等、非常に多岐の分野での利用が期待されている。
例えば、半導体ナノ粒子を利用した光学デバイスでは、LED光を透明なマトリクス樹脂材料中に分散されている半導体ナノ粒子に照射して発光させることで、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、略称:「LCD」)に入射する光量を増大させ、当該LCDの輝度を向上させる技術が提案されている。
ここで、半導体ナノ粒子は酸素や水に接触すると、性能が劣化することが知られており、半導体ナノ粒子の酸素や水との接触に対する劣化を防止する手段が検討されている。
そのような劣化防止手段としては、例えば、表面にシラザンで被覆した半導体ナノ粒子を加熱して、当該シラザンを熱分解させて、半導体ナノ粒子の表面にシリカ皮膜を形成して被覆することにより、半導体ナノ粒子の耐候性を向上させる表面処理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ここで開示されている表面処理方法は、粒子ごとに被覆するため、被覆後の半導体ナノ粒子の収率が低く、被覆後の発光効率の低下や、シリカで表面被覆されたことによるマトリクス樹脂への分散安定性の低下といった問題があった。
また、半導体ナノ粒子の外部環境による劣化を防止するための他の方法として、基板上に設けられた半導体ナノ粒子等を含む光学材料層を接着材料で被覆し、当該接着材料を介して別の基板を接着することで、二つの基板間に光学材料層を挟持させて密閉構造を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、二つの基板を確実に接着させるだけの接着性を付与させるためには、適用する接着材料の層厚をある程度厚くする必要がある。しかも、当該接着材料にも、外部環境から浸入してくる酸素や水分に対する遮断性が求められるため、必然的に、特定構造の材料を必要とし、製造コストが高くなってしまう。また、光学材料層を硬化させる処理と接着材料を硬化させる処理を別々に行う必要があるため、工程数の増加に伴う製造コストも上昇することになる。
これに対し、基材上に半導体ナノ粒子が分散されたマトリクス樹脂層を設け、この上に、シリコーン樹脂、シクロオレフィン樹脂、フッ化物系樹脂等で形成した非通水性材料層を積層した蛍光体フィルムが開示されている(例えば、特許文献3参照。)
特許文献3によれば、カルコゲナイト系蛍光体材料を半導体ナノ粒子として用いても、非通水性材料層により、当該半導体ナノ粒子の酸素や水との接触を防止することにより、耐久性を向上させることができるとされている。
しかしながら、このような形態においては、シリコーン樹脂、シクロオレフィン樹脂、フッ化物系樹脂等で形成した非通水性材料層は、酸素や水分に対するバリアー性が低く、半導体ナノ粒子の性能を維持するための十分なバリアー性能を得るためには、バリアー層の層厚を5μm以上、実際には、20μm以上の層厚を必要とするため、その層厚の増加に伴い、光学特性を劣化させるという問題を抱えていた。
また、ホストマトリックス材料内に半導体ナノ粒子を埋め込んだマイクロビーズを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。ホストマトリックス材料としては、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリエステル等が記載されている。これらのマイクロビーズの表面を、更に、誘電体、金属酸化物、シリカ系材料等のコーティング材料で被覆する方法が開示されている。しかしながら、特許文献4で開示されている方法では、マイクロビーズと、コーティング材料との密着性が不十分であり、例えば、光学フィルムを所定のサイズに打ち抜く際に、端部で層間剥離が生じ、その剥離が生じた部分の周辺環境から酸素や水分が浸透することにより、半導体ナノ粒子が劣化し、発光効率の低下を引き起こすことが問題となっていた。
特開2001−181620号公報 特表2013−508895号公報 特許第4579065号公報 国際公開第2013/041864号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、酸素や水等の浸入による半導体ナノ粒子の劣化を長期間にわたり抑制でき、故障耐性(ダークスポット耐性、以下、DS耐性ともいう。)及び打ち抜き加工時の端部の膜はがれ耐性(密着性)に優れ、かつ発光効率が高い光学フィルム及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、光学フィルムとして、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で積層した構成を有し、更には、環状構造基を有する高分子化合物を含有することで、酸素や水等の浸入による半導体ナノ粒子の劣化を長期間にわたり抑制することができ、故障耐性及び端部における膜はがれ耐性(密着性)に優れ、かつ発光効率の高い光学フィルムが得られることを見いだした。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で有する光学フィルムであって、
更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする光学フィルム。
2.前記金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間に、ポリマー層Aを有し、かつ半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層と第1のガスバリアー層Bとの間に、ポリマー層Bを有し、前記ポリマー層A及びポリマー層Bが、少なくとも前記環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする第1項に記載の光学フィルム。
3.前記ポリマー層A及びポリマー層Bが、更に紫外線硬化型樹脂を含有することを特徴とする第2項に記載の光学フィルム。
4.前記ポリマー層A及びポリマー層Bにおける前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であることを特徴とする第3項に記載の光学フィルム。
5.前記ポリマー層A及びポリマー層Bにおける前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、5.0〜20質量%の範囲内であることを特徴とする第3項に記載の光学フィルム。
6.前記半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層が、前記環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする第1項に記載の光学フィルム。
7.前記半導体ナノ粒子層における前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であることを特徴とする第6項に記載の光学フィルム。
8.前記半導体ナノ粒子層における前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、5.0〜20質量%の範囲内であることを特徴とする第6項に記載の光学フィルム。
9.前記環状構造基を有する高分子化合物が、ベンゼン環を有する高分子化合物であることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
10.前記ベンゼン環を有する高分子化合物の重量平均分子量が、1万〜30万の範囲内であることを特徴とする第9項に記載の光学フィルム。
11.前記ベンゼン環を有する高分子化合物が、ポリスチレンであることを特徴とする第9項又は第10項に記載の光学フィルム。
12.前記金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層Aを有し、かつ半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層と第1のガスバリアー層Bとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層Bを有することを特徴とする第1項から第11項までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
13.少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で形成して製造する光学フィルムの製造方法であって、
更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有せしめることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
14.前記基材A上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A、及び半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層をこの順で積層した第1ユニットと、基材B上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層B及び少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Bを積層した第2ユニットを作製したのち、第1ユニットの半導体ナノ粒子層面と、第2ユニットのポリマー層B面を貼合した後、紫外線を照射して形成することを特徴とする第13項に記載の光学フィルムの製造方法。
15.前記第1のガスバリアー層Aと、前記少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Aとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Aを形成する工程と、前記第1のガスバリアー層Bと、前記少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Bとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Bを形成する工程を有することを特徴とする第14項に記載の光学フィルムの製造方法。
16.前記基材A上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと、半導体ナノ粒子、紫外線硬化型樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物を含有する半導体ナノ粒子層をこの順で積層した第1ユニットと、基材B上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Bを積層した第2ユニットを作製したのち、第1ユニットの半導体ナノ粒子層面と、第2ユニットの第1のガスバリアー層B面とを貼合した後、紫外線を照射して形成することを特徴とする第13項に記載の光学フィルムの製造方法。
17.前記半導体ナノ粒子層が、半導体ナノ粒子、紫外線硬化型樹脂モノマー及び環状構造基を有する高分子化合物を含む塗布液により塗膜を形成した後、当該塗膜に紫外線照射を行って形成することを特徴とする第16項に記載の光学フィルムの製造方法。
18.前記第1のガスバリアー層Aと、前記半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Aを形成する工程と、前記第1のガスバリアー層Bと、前記半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Bを形成する工程を有することを特徴とする第16項又は第17項に記載の光学フィルムの製造方法。
本発明によれば、酸素や水等の浸入による半導体ナノ粒子の劣化を長期にわたって抑制でき、故障耐性(DS耐性)及び打ち抜き加工時の端部膜はがれ耐性(密着性)に優れ、かつ発光効率が高い光学フィルム及びその製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の光学フィルムにおいては、前述のとおり、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で有し、更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物は、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層と半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間にポリマー層を設け、その層に存在させてもよいし、あるいは半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層に共存させてもいい。このような、ポリマー層あるいは半導体ナノ粒子層に環状構造基を有する高分子化合物を存在させることにより、打ち抜き加工時の端部膜はがれ耐性(密着性)及びそれに伴う故障耐性(DS耐性)が向上することができる。加えて、このような構成をとることにより、発光効率をより一層向上させることもできる。
更に詳しくは、本願発明で規定する構成により打ち抜き加工時の端部膜はがれ耐性、すなわち、密着性及びそれに伴う故障耐性が向上する理由としては、以下のように推測している。
本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を、半導体ナノ粒子層あるいは隣接層に存在させることにより、半導体ナノ粒子層及びその隣接層の柔軟性が向上し、光学フィルムに応力が加わった際に、環状構造基を有する高分子化合物による層間あるいは層内での柔軟性の向上及び応力緩和がなされ、例えば、作製した光学フィルムを所定のサイズに打ち抜く際に縦方向に係る応力を緩和でき、層間での剥離を防止することができ、その結果、特に断面側から浸入してくる酸素や水分による半導体ナノ粒子へのダメージが防止でき、故障耐性(DS耐性)を改良することができる。
また、発光効率が向上する理由としては、半導体ナノ粒子層、あるいは隣接するポリマー層に、環状構造基を有する高分子化合物、例えば、ポリスチレンを添加することにより、共存するマトリックス樹脂、例えば、エポキシアクリレート樹脂との間で層内あるいは層間での屈折率差が生じることにより、半導体ナノ粒子層で発光した光の拡散の度合いが高まることにより、光量子効率が向上したものと推測している。
比較例の光学フィルムの構成の一例を示す概略断面図 本発明の光学フィルムの実施態様1の構成の一例を示す概略断面図 本発明の光学フィルムの実施態様1の構成の他の一例を示す概略断面図 本発明の光学フィルムの実施態様2の構成の一例を示す概略断面図 本発明の光学フィルムの実施態様2の構成の他の一例を示す概略断面図 第1のガスバリアー層を化学気相成長法<プラズマCVD法)で形成するのに適用可能なCVD装置の一例を示す概略構成図
本発明の光学フィルムは、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で有し、更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項18までの各請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明においては、本発明の目的とする効果をより発現できる観点から、第1の実施態様としては、前記金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間に、ポリマー層Aを有し、かつ半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層と第1のガスバリアー層Bとの間に、ポリマー層Bを有し、前記ポリマー層A及びポリマー層Bが、少なくとも前記環状構造基を有する高分子化合物を含有する構成であること、更にはポリマー層A及びポリマー層Bが、紫外線硬化型樹脂を含有する構成であることが、それぞれのガスバリアー層と半導体ナノ粒子層との間の密着性がさらに向上し、故障耐性(DS耐性)も合わせて向上することができる点で好ましい。
また、実施態様2として、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層が、本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有する構成であることが、それぞれのガスバリアー層と半導体ナノ粒子層との間の密着性がさらに向上し、故障耐性(DS耐性)も合わせて向上することができる点で好ましい。
更に、実施態様1において、ポリマー層A及びポリマー層Bが環状構造基を有する高分子化合物と共に紫外線硬化型樹脂を含有する構成とする場合、ポリマー層A及びポリマー層Bにおける前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であること、更には、5.0〜20質量%の範囲内であることが、応力緩和効果が最適な条件となり、打ち抜き加工時の端部における膜はがれ耐性(密着性)と高温高湿環境下での耐久性が向上し、それにより発光効率をより一層向上させることができる観点から好ましい。
同様に、実施態様2においても、半導体ナノ粒子層における環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であること、更には5.0〜20質量%の範囲内であることが、応力緩和効果が最適な条件となり、打ち抜き加工時の端部における膜はがれ耐性(密着性)と高温高湿環境下での耐久性が向上し、それにより発光効率をより一層向上させることができる観点から好ましい。
また、本発明においては、環状構造基を有する高分子化合物が、ベンゼン環を有する高分子化合物であること、更には、ベンゼン環を有する高分子化合物の重量平均分子量が、1万〜30万の範囲内であること、特に、ベンゼン環を有する高分子化合物が、ポリスチレンであることが、本発明が目的とする上記効果をより発現させることができる観点から好ましい。
また、本発明の光学フィルムにおいては、第1のガスバリアー層Aに加え、更に、金属酸化物を有するガスバリアー層Aと、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層Aを形成することが、半導体ナノ粒子層が含有する半導体ナノ粒子の耐久性をより向上させることができる観点から好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法は、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で形成して製造し、更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有せしめることを特徴とする。
また、実施態様1の光学フィルムの製造方法としては、基材A上に、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A、及び半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層をこの順で積層した第1ユニットと、基材B上に、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層B及び少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Bを積層した第2ユニットを作製したのち、第1ユニットの半導体ナノ粒子層面と、第2ユニットのポリマー層B面とを貼合した後、紫外線を照射して形成する方法であることが好ましい。
また、実施態様1の光学フィルムの製造方法としては、第1のガスバリアー層Aと、前記少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Aとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Aを形成する工程と、前記第1のガスバリアー層Bと、前記少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Bとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Bを形成する工程を有することが、半導体ナノ粒子層が含有する半導体ナノ粒子の耐久性をより向上させることができる観点から好ましい。
また、実施態様2の光学フィルムの製造方法としては、基材A上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと、半導体ナノ粒子、紫外線硬化型樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物を含有する半導体ナノ粒子層をこの順で積層した第1ユニットと、基材B上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Bを積層した第2ユニットを作製したのち、第1ユニットの半導体ナノ粒子層面と、第2ユニットの第1のガスバリアー層B面を貼合した後、紫外線を照射して形成することが好ましい。
また、実施態様2の構成において、半導体ナノ粒子層を、半導体ナノ粒子、未重合の紫外線硬化型樹脂モノマー及び重合した環状構造基を有する高分子化合物を含む塗布液を調製し、この塗布液を用いて塗膜を形成した後、当該塗膜に紫外線照射を行って形成することが、安定した半導体ナノ粒子層を形成することができる観点から好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、各図の説明で、構成要素の後の括弧内に記載の数字は、各図に記載している符号を示してある。
《光学フィルムの構成》
本発明の光学フィルムは、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で有し、更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする。
さらには、実施態様1としては、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bをこの順で有し、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間にポリマー層Aを有し、かつ半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層と第1のガスバリアー層Bとの間にポリマー層Bを有し、ポリマー層A及びポリマー層Bが、いずれも本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有する構成であることが好ましい。
また、本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A及びポリマー層Bが、更に紫外線硬化型樹脂を含有する構成であることが好ましい。
本発明の実施態様2としては、少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bをこの順で有し、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層が、本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有する構成であることが好ましい。
図1は、従来の半導体ナノ粒子層を有する光学フィルム(1)の代表的な構成であり、下部より、基材A(2A)、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)、樹脂マトリックスである紫外線硬化型樹脂(6)中に半導体ナノ粒子(5)を分散保持して構成されている半導体ナノ粒子層(4)、第1のガスバリアー層B(3B)、最後に、基材B(2B)を積層した構成である。
これに対し、図2A、図2B及び図3A、図3Bに本発明の光学フィルムの代表的な構成を示す。
図2A及び図2Bは、本発明の光学フィルムの実施態様1の構成の一例を示す概略断面図である。
図2Aに示す光学フィルム(1)では、下より、基材A(2A)、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)、ポリマー層A(7A)、樹脂マトリックスである紫外線硬化型樹脂(6)中に半導体ナノ粒子(5)を分散保持して構成されている半導体ナノ粒子層(4)、ポリマー層B(7B)、第1のガスバリアー層B(3B)及び基材B(2B)を、この順で積層して構成されている。
上記構成においては、ポリマー層A(7A)及びポリマー層B(7B)は、それぞれ本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有している構成であり、更に紫外線硬化型樹脂を含有する構成であってもよい。
図2Aに示す光学フィルム(1)の具体的な製造方法としては、基材A(2A)上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)、環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A(7A)、及び半導体ナノ粒子(5)及び紫外線硬化樹脂(6)を含有する半導体ナノ粒子層(4)をこの順で積層した第1ユニット(U1)と、基材B(2B)上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層B(3B)及び環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層B(7B)を積層した第2ユニット(U2)を作製したのち、第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)のポリマー層B(7B)面とを貼合及び圧着した後、一方の面あるいは両面より紫外線を照射して、各層に含有されている紫外線硬化型樹脂を硬化させて製造する。
図2Bに示す光学フィルム(1)では、図2Bに示す構成に加えて、第1のガスバリアー層A(3A)と、環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A(7A)との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層A(8A)と、第1のガスバリアー層B(3B)と、環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層B(7B)との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層B(8B)を有する構成を示してある。
図2Bに示す構成よりなる光学フィルム(1)も、図2Aと同様に、第1ユニット(U1)と、第2ユニット(U2)を作製した後、第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)のポリマー層B(7B)面とを貼合及び圧着した後、一方の面あるいは両面より紫外線を照射して、各層に含有されている紫外線硬化型樹脂を硬化させて製造する。
図3A及び図3Bは、本発明の光学フィルムの実施態様2の構成の一例を示す概略断面図である。
図3Aに示す光学フィルム(1)では、下より、基材A(2A)、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)、紫外線硬化型樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物からなるハイブリッド樹脂層(9)中に半導体ナノ粒子(5)を分散保持して構成されている半導体ナノ粒子層(4)、第1のガスバリアー層B(3B)及び基材B(2B)を、この順で積層して構成されている。
図3Aに示す光学フィルム(1)の具体的な製造方法としては、基材A(2A)上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)、紫外線硬化型樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物からなるハイブリッド樹脂層(9)中に半導体ナノ粒子(5)を分散保持して構成されている半導体ナノ粒子層(4)をこの順で積層した第1ユニット(U1)と、基材B(2B)上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層B(3B)を形成した第2ユニット(U2)を作製したのち、第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)のポリマー層B(7B)面とを貼合及び圧着した後、一方の面あるいは両面より紫外線を照射して、各層に含有されている紫外線硬化型樹脂を硬化させて製造する。この時、第1ユニット(U1)を構成する半導体ナノ粒子層(4)は、半導体ナノ粒子、紫外線硬化樹脂モノマー及び環状構造基を有する高分子化合物を含む塗布液により塗布して形成した後、第2ユニット(U2)と貼合した後、紫外線照射して、半導体ナノ粒子層(4)の紫外線硬化型樹脂モノマーを硬化させる方法が好ましい。
図3Bは、図3Aに対し、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)と、紫外線硬化型樹脂、環状構造基を有する高分子化合物及び半導体ナノ粒子(5)を分散保持して構成されている半導体ナノ粒子層(4)との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層A(8A)を有し、当該半導体ナノ粒子層(4)と第1のガスバリアー層B(7B)との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層B(8B)を有する構成を示してある。
本発明の光学フィルムを構成する各層及びその材料等について以下に説明する。
《環状構造基を有する高分子化合物》
本発明の光学フィルムにおいては、環状構造基を有する高分子化合物を含有していることを特徴とし、具体的には、図2A及び図2Bに示すようにポリマー層(7A及び7B)、又は図3A及び図3Bに示すように、半導体ナノ粒子(5)及び紫外線硬化樹脂(6)を含有する半導体ナノ粒子層(4)に環状構造基を有する高分子化合物を含有していることが好ましい態様である。
本発明でいう環状構造基を有する高分子化合物とは、その構造中に少なくとも環状構造基として脂環式炭化水素基、芳香族基、又は複素環基を有する高分子化合物である。
脂環式炭化水素基として、例えば、シクロルアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等)が挙げられる。
芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
また、複素環基としては、例えば、フラン環、ピロール環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアゾール環、トリアジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、チアゾリン環、チアジアゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、キノリン環、フタラジン環、フェナントロリン環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンゾトリアゾール環、テトラザインデン環などが挙げられる。
本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物(ポリマー)としては、ポリマー中に環状構造基を有するものであれば、特に制限なく用いることができ、多種のポリマーを挙げることができる。
ポリマーとしては、例えば、特表2002−509279号公報に記載のポリマーを挙げることができる。具体例としては、基本構造として、ポリエチレンナフタレート(PEN)及びその異性体(例えば、2,6−、1,4−、1,5−、2,7−及び2,3−PEN等)、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、及びポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート等)、ポリイミド(例えば、ポリアクリルイミド等)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート(例えば、ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、及びポリメチルメタクリレート(PMMA)等)、ポリアクリレート(例えば、ポリブチルアクリレート、及びポリメチルアクリレート等)、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースプロピオネート、アセチルセルロースブチレート、及び硝酸セルロース等)、ポリアルキレンポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、及びポリ(4−メチル)ペンテン等)、フッ素化ポリマー(例えば、パーフルオロアルコキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、及びポリクロロトリフルオロエチレン等)、塩素化ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニリデン及びポリ塩化ビニル等)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエーテルアミド、アイオノマー樹脂、エラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン及びネオプレン等)、ポリスチレン樹脂(例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレートブタジエンスチレン共重合体、ポリブタジエンスチレン、スチレンブタジエン等)及びポリウレタンが挙げられる。これらの基本構造に対し、側鎖に環状構造基を有する高分子化合物も挙げることができる。
本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物(ポリマー)としては、主鎖に重合性基として、オレフィン炭化水素基(エチレン系炭化水素基)を有し、側鎖に環状構造基を有する構造の高分子化合物が好ましく、更に、側鎖に環状構造としてベンゼン環を有する構造の高分子化合物が好ましく、特に好ましくは、ポリスチレンである。
更に、本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物(ポリマー)としては、主鎖に重合性基としてアクリロイル基を有し、側鎖に環状構造基を有する基を含む構造のポリマーで、紫外線照射により重合反応を生じるアクリレート系化合物が好ましい。
本発明に好適に用いられる環状構造基を有する高分子化合物の具体例としては、ポリスチレンの他に、下記に示す主鎖に重合性基としてアクリロイル基を有し、側鎖に環状構造基を有する基を含むモノマーからなるアクリレート化合物を挙げることができる。
具体的なモノマーとしては、新中村化学工業社の光硬化性モノマー(商標名:NKエステル)を挙げることができる。
単官能アクリレートモノマーとしては、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(製品名:A−LEN−10)、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(製品名:AMP−20GY)等を挙げることができる。2官能アクリレートモノマーとしては、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(製品名:A−B1206PE)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(製品名:ABE−300,A−BPE−10、A−BPE−20、A−BPE−30)、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート(製品名:A−BPP−3)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(製品名:A−DCP)等を挙げることができる。
また、単官能メタクリレートとしてはフェノキシエチレングリコールメタクリレート(製品名:PHE−1G)、2官能アクリレートモノマーとしては、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(製品名:BPE−80N、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE−900)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(製品名:DCP)等を挙げることができる。
また、同じく、新中村化学工業社の紫外線吸収ポリマーを挙げることができる。例えば、(メタ)アクリルエステル共重合体であるニューコートUVA―101、ニューコート102、ニューコート103、ニューコート104、バナジレンUVA−5080、バナジレンUVA−55T、バナジレンUVA−55MHB、バナジレンUVA−7075、バナジレンUVA−73T等を挙げることができる。
また、共栄社化学株式会社製の機能性モノマーとして、シクロヘキシルメタクリレート(製品名:ライトエステルCH)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(製品名:ライトエステルTHF(1000))、ベンジルメタクリレート(製品名:ライトエステルBZ)、フェノキシエチルメタクリレート(製品名:ライトエステルPO)、イソボルニルメタクリレート(製品名:ライトエステルIB−X)、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート(製品名:ライトエステルBP−2EMK)等を挙げることができる。
本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物は、重量平均分子量が0.5万〜30万の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは1万〜5万の範囲内である。
本発明において、当該高分子化合物の重量平均分子量の測定方法としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
以下に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる高分子化合物の重量平均分子量の測定条件の一例を示す。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜1000000までの13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
《基材》
本発明の光学フィルムの両面に配置する基材(図2A、図2B及び図3A、図3Bに記載の2A及び2B。)としては、ガラス、プラスチック等、特に限定はないが、光透過性を有するものが用いられる。光透過性を有する基材として好ましく用いられる材料は、例えば、ガラス、石英、樹脂フィルム等を挙げることができる。特に好ましくは、光学フィルムにフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。本発明でいう光透過性とは、波長550nmにおける光透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上である。
基材の厚さとしては、特に制限されるものではない。
本発明の光学フィルムに好適な樹脂フィルムの構成成分としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン(略称:COP)系樹脂等を挙げられる。
また、基材の表面には、必要に応じて、クリアハードコート層、密着層あるいは平滑層等の各種機能性層を設けてもよい。
《環状構造基を有する高分子化合物の含有層》
本発明の光学フィルムにおいては、図2A及び図2Bに示すように第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子層との間に設けたポリマー層(実施態様1)、あるいは図3A及び図3Bに示すように半導体ナノ粒子層(実施態様2)に、本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有させる構成であることが、好ましい態様である。
《半導体ナノ粒子層》
本発明に係る半導体ナノ粒子層は、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有して構成されている。
半導体ナノ粒子層は、2層以上設けられている積層構成であっても良い。この場合には、2層以上の各半導体ナノ粒子層に、それぞれ異なる発光波長の半導体ナノ粒子が含有されていることが好ましい。
〔半導体ナノ粒子〕
本発明に係る半導体ナノ粒子層には、半導体ナノ粒子が含有されている。すなわち、半導体ナノ粒子は、半導体ナノ粒子層形成用塗布液に含有されているものである。
本発明に係る半導体ナノ粒子とは、半導体材料の結晶で構成され、量子閉じ込め効果を有する所定の大きさを持った粒子をいい、その粒子径が数nm〜数十nm程度の範囲内の微粒子であり、下記に示す量子ドット効果が得られるものをいう。
本発明に係る半導体ナノ粒子の粒子径としては、具体的には1〜20nmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは1〜10nmの範囲内である。
このような半導体ナノ粒子のエネルギー準位Eは、一般に、プランク定数を「h」、電子の有効質量を「m」、半導体ナノ粒子の半径を「R」としたとき、下式(1)で表される。
式(1)
E∝h/mR
式(1)で示されるように、半導体ナノ粒子のバンドギャップは、「R−2」に比例して大きくなり、いわゆる、量子ドット効果が得られる。このように、半導体ナノ粒子の粒子径を制御、規定することによって、半導体ナノ粒子のバンドギャップ値を制御することができる。すなわち、微粒子の粒子径を制御、規定することにより、通常の原子にはない多様性を持たせることができる。そのため、光によって励起させたり、光を所望の波長の光に変換して出射させたりすることができる。本発明では、このような発光性の半導体ナノ粒子材料を、「半導体ナノ粒子」と定義する。
半導体ナノ粒子の平均粒子径は、上述したように、数nm〜数十nm程度の範囲内であるが、目的とする発光色に対応する平均粒子径に設定することが好ましい。例えば、赤発光を得たい場合には、半導体ナノ粒子の平均粒子径としては3.0〜20nmの範囲内に設定することが好ましく、緑発光を得たい場合には、半導体ナノ粒子の平均粒子径を1.5〜10nmの範囲内に設定することが好ましく、青色発光を得たい場合には、半導体ナノ粒子の平均粒子径を1.0〜3.0nmの範囲内に設定することが好ましい。
平均粒子径の測定方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により半導体ナノ粒子の粒子観察を行い、そこから粒子径分布の数平均粒子径として求める方法や、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて平均粒子径を求める方法、動的光散乱法による粒径測定装置、例えば、Malvern社製、「ZETASIZERNano Series Nano−ZS」を用いて測定することができる。その他にも、X線小角散乱法により得られたスペクトルから半導体ナノ粒子の粒子径分布シミュレーション計算を用いて粒子径分布を導出する方法などが挙げられるが、本発明においては、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて平均粒子径を求める方法が好ましい。
また、本発明に係る半導体ナノ粒子においては、アスペクト比(長軸径/短軸径)の値が、1.0〜2.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.1〜1.7の範囲である。本発明に係る半導体ナノ粒子に係るアスペクト比(長軸径/短軸径)についても、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、長軸径及び短軸径を測定して求めることができる。なお、測定する個体数としては、300個以上であることが望ましい。
半導体ナノ粒子の添加量は、半導体ナノ粒子層の全構成物質を100質量%としたとき、0.01〜50質量%の範囲内であることが好ましく、0.5〜30質量%の範囲内であることがより好ましく、2.0〜25質量%の範囲内であることが最も好ましい。添加量が0.01質量%以上であれば、十分な輝度効率を得ることができ、50質量%以下であれば、適度な半導体ナノ粒子の粒子間距離を維持でき、量子サイズ効果を十分に発現させることができる。
(1)半導体ナノ粒子の構成材料
半導体ナノ粒子の構成材料としては、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化スズ(IV)(SnO)、硫化スズ(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化スズ(IV)(SnS)、硫化スズ(II)(SnS)、セレン化スズ(II)(SnSe)、テルル化スズ(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、ヒ化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、ヒ化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、ヒ化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化ヒ素(III)(As)、セレン化ヒ素(III)(AsSe)、テルル化ヒ素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられるが、SnS、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等のIII−V族化合物半導体、Ga、Ga、GaSe、GaTe、In、In、InSe、InTe等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導体、As、As、AsSe、AsTe、Sb、Sb、SbSe、SbTe、Bi、Bi、BiSe、BiTe等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、MgS、MgSe等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物が好ましく、中でも、Si、Ge、GaN、GaP、InN、InP、Ga、Ga、In、In、ZnO、ZnS、CdO、CdSがより好ましい。これらの物質は、毒性の高い陰性元素を含まないので耐環境汚染性や生物への安全性に優れており、また、可視光領域で純粋なスペクトルを安定して得ることができるので、発光デバイスの形成に有利である。これらの材料のうち、CdSe、ZnSe、CdSは、発光の安定性の点で好ましい。発光効率、高屈折率、安全性、経済性の観点から、ZnO、ZnSの半導体ナノ粒子が好ましい。また、上記の材料は、1種で用いるものであっても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
なお、上述した半導体ナノ粒子には、必要に応じて微量の各種元素を不純物としてドープすることができる。このようなドープ物質を添加することにより発光特性を大きく向上させることができる。
本発明でいう発光波長(バンドギャップ)とは、無機物である半導体ナノ粒子の場合は、価電子帯と伝導帯のエネルギー差を半導体ナノ粒子におけるバンドギャップ(eV)であり、発光波長(nm)=1240/バンドギャップ(eV)で表される。
半導体ナノ粒子のバンドギャップ(eV)は、Taucプロットを用いて測定することができる。
バンドギャップ(eV)の光科学的測定手法の一つであるTaucプロットについて説明する。
Taucプロットを用いたバンドギャップ(E)の測定原理を以下に示す。
半導体材料の長波長側の光学吸収端近傍の比較的吸収の大きい領域において、光吸収係数αと光エネルギーhν(ただし、hはプランク常数、νは振動数)、及びバンドキャップエネルギーEの間には次式(A)が成り立つと考えられている。なお、次式(A)において、Bは定数を表す。
式(A)
αhν=B(hν−E
したがって、吸収スペクトルを測定し、そこから(αhν)の0.5乗に対してhνをプロット(いわゆる、Taucプロット)し、直線区間を外挿したα=0におけるhνの値が求めようとする半導体ナノ粒子のバンドギャップエネルギーEとなる。
なお、半導体ナノ粒子の場合は、吸収と発光のスペクトルの差異(ストークスシフト)が小さく、また波形もシャープであるため、簡便には発光スペクトルの極大波長をバンドギャップの指標として用いることもできる。
また、他の方法として、これら有機及び無機機能材料のエネルギー準位を見積もる方法としては、走査型トンネル分光法、紫外線光電子分光法、X線光電子分光法、オージェ電子分光法により求められるエネルギー準位から求める方法及び光学的にバンドギャップを見積もる方法が挙げられる。
半導体ナノ粒子の表面は、無機物の被覆層又は有機配位子で構成された被膜で被覆されたものであるのが好ましい。すなわち、半導体ナノ粒子の表面は、半導体ナノ粒子材料で構成されたコア領域と、無機物の被覆層又は有機配位子で構成されたシェル領域とを有するコア・シェル構造を有するものであるのが好ましい。
このコア・シェル構造は、少なくとも2種類の化合物で形成されていることが好ましく、2種類以上の化合物でグラジエント構造(傾斜構造)を形成していても良い。これにより、塗布液中における半導体ナノ粒子の凝集を効果的に防止することができ、半導体ナノ粒子の分散性を向上させることができるとともに、輝度効率が向上し、本発明の光学フィルムを用いた発光デバイスを連続駆動させた場合に色ズレの発生を抑制することができる。また、被覆層の存在により、安定的に発光特性が得られる。
また、半導体ナノ粒子の表面が被膜(シェル部)で被覆されていると、後述するような表面修飾剤を半導体ナノ粒子の表面付近に確実に担持させることができる。
被膜(シェル部)の厚さは、特に限定されないが、0.1〜10nmの範囲内であることが好ましく、0.1〜5nmの範囲内であることがより好ましい。
一般に、半導体ナノ粒子の平均粒子径により発光色を制御することができ、被膜の厚さが上記範囲内の値であれば、被膜の厚さが原子数個分に相当する厚さから半導体ナノ粒子1個に満たない厚さであり、半導体ナノ粒子を高密度で充填することができ、十分な発光量が得られる。また、被膜の存在により、お互いのコア粒子の粒子表面に存在する欠陥、ダングリングボンドへの電子トラップによる非発光の電子エネルギーの転移を抑制でき、量子効率の低下を抑えることができる。
(2)表面修飾剤
半導体ナノ粒子を含有している半導体ナノ粒子層形成用塗布液を用いて、半導体ナノ粒子層を形成する際、当該半導体ナノ粒子層形成用塗布液においては、半導体ナノ粒子の表面近傍に、表面修飾剤が付着していることが好ましい。これにより、半導体ナノ粒子層形成用塗布液中における半導体ナノ粒子の分散安定性を特に優れたものとすることができる。また、半導体ナノ粒子の製造時において、半導体ナノ粒子表面に表面修飾剤を付着させることにより、形成される半導体ナノ粒子の形状が真球度の高いものとなり、また、半導体ナノ粒子の粒子径分布を狭く抑えられ、特に優れたものとすることができる。
本発明で適用可能な表面修飾剤としては、半導体ナノ粒子の表面に直接付着したものであっても良いし、シェルを介して付着したもの(表面修飾剤が直接付着するのはシェルで、半導体ナノ粒子のコア部には接触していないもの)であっても良い。
表面修飾剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;トリ(n−ヘキシル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、トリ(n−デシル)アミン等の第3級アミン類;トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物;ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類;ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類;ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類;チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;アルコール類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類等が挙げられるが、半導体ナノ粒子が後述するような方法で調製されるものである場合、表面修飾剤としては、高温液相において半導体ナノ粒子の微粒子に配位して、安定化する物質であるのが好ましく、具体的には、トリアルキルホスフィン類、有機リン化合物、アミノアルカン類、第3級アミン類、有機窒素化合物、ジアルキルスルフィド類、ジアルキルスルホキシド類、有機硫黄化合物、高級脂肪酸、アルコール類が好ましい。このような表面修飾剤を用いることにより、塗布液中における半導体ナノ粒子の分散性を特に優れたものとすることができる。また、半導体ナノ粒子の製造時において形成される半導体ナノ粒子の形状をより真球度の高いものとし、半導体ナノ粒子の粒度分布をよりシャープなものとすることができる。
本発明において、前述のように、半導体ナノ粒子のサイズ(平均粒子径)としては、1〜20nmの範囲内であることが好ましい。本発明において、半導体ナノ粒子のサイズとは、半導体ナノ粒子材料で構成されたコア領域と、不活性な無機物の被覆層又は有機配位子で構成されたシェル領域及び表面修飾剤で構成されるトータルのサイズを表す。表面修飾剤やシェルが含まれない場合は、それを含まないサイズを表す。
(3)半導体ナノ粒子の製造方法
半導体ナノ粒子の製造方法としては、従来行われている公知の方法を用いることができる。また、Aldrich社、CrystalPlex社、NNLab社等から市販品として購入することもできる。
例えば、高真空下のプロセスとしては、分子ビームエピタキシー法、CVD法等;液相製造方法としては、原料水溶液を、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン等のアルカン類、又はベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の非極性有機溶媒中の逆ミセルとして存在させ、この逆ミセル相中にて結晶成長させる逆ミセル法、熱分解性原料を高温の液相有機媒体に注入して結晶成長させるホットソープ法、更に、ホットソープ法と同様に、酸塩基反応を駆動力として比較的低い温度で結晶成長を伴う溶液反応法等が挙げられる。これらの製造方法から任意の方法を使用することができるが、中でも、液相製造方法が好ましい。
なお、液相製造方法における半導体ナノ粒子の合成に際して、表面に存在する有機表面修飾剤を初期表面修飾剤という。例えば、ホットソープ法における初期表面修飾剤の例としては、トリアルキルホスフィン類、トリアルキルホスフィンオキシド類、アルキルアミン類、ジアルキルスルホキシド類、アルカンホスホン酸等が挙げられる。これらの初期表面修飾剤は、交換反応により上述の表面修飾剤に交換することが好ましい。
具体的には、例えば、前述したホットソープ法により得られるトリオクチルホスフィンオキシド等の初期表面修飾剤は、表面修飾剤を含有する液相中で行う交換反応により、上述の表面修飾剤と交換することが可能である。
〔紫外線硬化型樹脂〕
本発明の光学フィルムを構成する半導体ナノ粒子層には、半導体ナノ粒子と共に紫外線硬化型樹脂が含有されている。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも組成中にエポキシ基を有する紫外線硬化型アクリレート系樹脂が、後述する金属アルコキシド又は金属キレート化合物との相互作用が強いため、好ましい。
これにより、定かではないが半導体ナノ粒子層の金属酸化物ガスバリアー層側界面に存在する金属アルコキシド又は金属キレート化合物と、相互作用又は反応することによって、半導体ナノ粒子層と金属酸化物ガスバリアー層との接着性及び耐久性が向上しているもの推定している。
紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、アクリレートは、メタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する。)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載のものを用いることができる。また、例えば、ユニディック17−806(DIC株式会社製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン株式会社製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、例えば、特開昭59−151112号公報に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光重合開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、例えば、特開平1−105738号公報に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また、不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、ADEKA株式会社製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学株式会社製);セイカビームPHC2210(S)、PHCX−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業株式会社製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー株式会社製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、DIC株式会社製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料株式会社製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業株式会社製);SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子株式会社製);RCC−15C(グレース・ジャパン株式会社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)、NKハードB−420、NKエステルA−DOG、NKエステルA−IBD−2E(以上、新中村化学工業株式会社製)等を適宜選択して利用できる。また、具体的化合物例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジオキサングリコールアクリレート、エトキシ化アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
これら紫外線硬化型樹脂の光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤とともに使用しても良い。上記光重合開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の光重合開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の光増感剤を用いることができる。紫外線硬化型樹脂組成物に用いられる光重合開始剤又は光増感剤は、紫外線硬化型樹脂組成物100質量部に対して0.1〜15質量部の範囲内であり、好ましくは1〜10質量部の範囲内である。
〔紫外線硬化型樹脂と環状構造基を有する高分子化合物との比率〕
本発明の光学フィルムにおいては、実施態様2として、図3A及び図3Bに示すように、上記説明した半導体ナノ粒子及び紫外線硬化樹脂を含有する半導体ナノ粒子層に、本発明に係る環状構造基を有する高分子化合物を含有することが好ましい実施態様のひとつである。
本発明においては、半導体ナノ粒子層における環状構造基を有する高分子化合物の含有量として、半導体ナノ粒子層を構成する紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは5.0〜20質量%の範囲内である。
〔半導体ナノ粒子層の形成方法〕
半導体ナノ粒子層の形成方法としては、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂と、更に実施態様2としては環状構造基を有する高分子化合物を含有させて、半導体ナノ粒子層形成用塗布液を調製し、当該半導体ナノ粒子層形成用塗布液を基材上に塗布した後、乾燥して形成することができる。
形成した半導体ナノ粒子層の紫外線等による活性エネルギー線照射処理は、半導体ナノ粒子層を形成した直後に照射して硬化する方法であっても、あるいは、すべての構成層を積層して光学フィルムを作製した後、一括して紫外線等による活性エネルギー線照射処理を施す方法であってもよい。
半導体ナノ粒子層形成用塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法、リバースコート法、ダイコート法等が挙げられる。
塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmの範囲内が適当で、好ましくは、0.5〜30μmの範囲内である。また、ドライ膜厚としては平均膜厚で0.1〜30μmの範囲内、好ましくは0.5〜20μmの範囲内である。
半導体ナノ粒子層を形成する半導体ナノ粒子層形成用塗布液には溶媒が含まれていても良い。当該塗布液に含有される有機溶媒としては、例えば、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル等)、グリコールエーテル類、その他の有機溶媒からも適宜選択し、又はこれらを混合し利用できる。また、溶媒としては、半導体ナノ粒子と反応しないものであることが好ましく、例えばトルエン等が挙げられる。
半導体ナノ粒子層を構成する紫外線硬化型樹脂の硬化に適用する紫外線照射用の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、紫外線の照射量は、通常50〜5000mJ/cmの範囲内、好ましくは50〜1500mJ/cmの範囲内である。また、紫外線を照射する際には、基材の搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。
《ポリマー層》
本発明の光学フィルムにおいては、図2A及び図2Bで示すように、第1のガスバリアー層(3A及び3B)と半導体ナノ粒子層との間にポリマー層(4)の間に、紫外線硬化型樹脂を含有するポリマー層(7A及び7B)を設け、当該ポリマー層中に環状構造基を有する高分子化合物を含有させる構成が、好ましい態様のひとつである。
〔紫外線硬化型樹脂〕
本発明に係るポリマー層に適用可能な紫外線硬化型樹脂としては、上記半導体ナノ粒子層において説明した紫外線硬化型樹脂と同様のものを用いることができ、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
〔紫外線硬化型樹脂と環状構造基を有する高分子化合物との比率〕
本発明の光学フィルムにおいては、ポリマー層における環状構造基を有する高分子化合物の含有量として、ポリマー層を構成する紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは5.0〜20質量%の範囲内である。
〔ポリマー層の形成方法〕
ポリマー層の形成方法としても、上記半導体ナノ粒子層の形成方法と同様の方法を用いることができ、紫外線硬化型樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層形成用塗布液を調製、塗布した後、乾燥して形成することができる。
ポリマー層の形成において、塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmの範囲内が適当で、好ましくは、0.5〜30μmの範囲内である。また、ドライ膜厚としては平均膜厚0.1〜30μmの範囲内、好ましくは0.5〜20μmの範囲内である。
形成したポリマー層は、紫外線等による活性エネルギー線を照射して硬化する。この紫外線照射処理は、ポリマー層を形成した直後に照射して硬化する方法であっても、あるいは、すべての構成層を積層して光学フィルムを作製した後、一括して紫外線照射処理を施す方法であってもよい。
《金属酸化物ガスバリアー層》
本発明の光学フィルムにおいては、図2Aで示すように、基材(2A及び2B)とポリマー層(7A及び7B)との間、あるいは図3Aに示すように、基材(2A及び2B)と半導体ナノ粒子層(4)との間に、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層(7A及び7B)を有することを特徴とする。
金属酸化物を有する第1のガスバリアー層(7A及び7B)は、金属酸化物を含有して構成され、上記半導体ナノ粒子層(4)への酸素や水の浸入を防止することを目的とする層である。
第1のガスバリアー層の形成方法としては、金属やその酸化物等を蒸発及び蒸着させて、基材上に成膜する物理気相成長法(PVD法)や、目的とする薄膜の成分を含む原料ガス(例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)に代表される有機ケイ素化合物等)を供給し、基材表面又は気相中での化学反応により膜を堆積する化学気相成長法(CVD法)、半導体レーザー等を用いて、例えば、金属Siを蒸発させ酸素の存在下で基材上に堆積するスパッタ法等が挙げられる。中でも、本発明においては、化学気相成長法(CVD法)又は物理気相成長法(PVD法)であることが好ましく、更に好ましくは、プラズマ放電を行うプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)であり、特に好ましいプラズマCVD法としては、後述の図4で示すような、有機ケイ素化合物を含む原料ガスを用いて、磁場を印加したローラー間に放電空間を有する放電プラズマ化学気相成長法を用いた方法である。
第1のガスバリアー層の層厚は、5〜3000nmの範囲内であることが好ましく、10〜2000nmの範囲内であることより好ましく、50〜1000nmの範囲内であることが特に好ましい。第1のガスバリアー層の層厚が前記範囲内であれば、酸素や水蒸気に対するガスバリアー性に優れ、屈曲によるガスバリアー性の低下(クラック等の発生)を防止することができる。
〔1:プラズマCVD法による第1のガスバリアー層の形成〕
第1のガスバリアー層は、生産性の観点から、ロールtoロール方式のプラズマCVD法を用い、基材表面に形成する方法が好ましい。また、プラズマCVD法により第1のガスバリアー層の形成に用いることが可能な形成装置としては、特に制限されないが、少なくとも一対の磁場を印加した成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ一対の磁場を印加した成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置であることが好ましい。具体的には、図4に示すようなプラズマCVD装置S1を用いることができ、プラズマCVD装置(S1)を適用することにより、プラズマCVD法を利用しながらロールtoロール方式で、ガスバリアー層を形成することが可能となる。
プラズマCVD装置(S1)としては、主には、図4に示すように、基材(2)を積層したロール状の繰り出しローラー(11A)と、基材(2)を搬送するための搬送ローラー(22及び23)と、一対の成膜ローラー(31及び32)と、成膜ガス供給管(41)と、プラズマ発生用電源(51)と、巻取りローラー(11B)とを備えている。また、成膜ローラー(31)及び成膜ローラー(32)の内部には、成膜ローラーが回転しても、回転しないように固定された磁場発生装置(61及び62)がそれぞれ設けられている。
プラズマCVD装置(S1)としては、上記の成膜ローラー(31及び32)等の各構成部位が、図4に示すように真空チャンバー(16)内に配置されている。更に、真空チャンバー(16)には、真空排気手段である真空ポンプ(17)が排気口(18)を介して接続されており、この真空ポンプ(17)及び成膜ガス供給管(41)により真空チャンバー(16)内の圧力を適宜調整することが可能となっている。なお、真空ポンプ(17)は、真空チャンバー(16)の内部を真空状態又は真空に準じた低圧状態まで排気することができる。
このように構成されるプラズマCVD装置(S1)を用いて第1のガスバリアー層を形成する際には、図4に示すように、一対の成膜ローラー(31及び32)のそれぞれに基材(2)を引き回して配置し、一対の成膜ローラー(31及び32)間に電圧を印加して、プラズマを発生させて、プラズマ放電空間を形成する。
次いで、成膜ガス供給管(41)より第1のガスバリアー層形成用の成膜ガスを放電空間に供給しながら、連続搬送している基材(2)の一方の面に、第1のガスバリアー層を形成した後、巻取りローラー(11B)によりロール状に巻き取られる。
また、第1のガスバリアー層形成時の成膜ローラー(31及び32)の表面温度は、一定の範囲内に制御されていることが好ましい。各成膜ローラーの表面温度の具体的な温度範囲としては、適用する基材(2)の構成材料によってもその範囲は異なるが、おおむね0〜150℃の温度範囲内であり、より好ましくは15〜80℃の温度範囲内であり、更に好ましくは20〜60℃の温度範囲内である。
成膜ローラー(31及び32)の表面温度を、上記の温度範囲に制御するための具体的な方法について以下に詳述する。
プラズマCVD装置(S1)に適用可能な成膜ローラー(31及び32)を構成する材質としては、例えば、成膜ローラー表面に、チタン、ステンレス、クロムメッキ、超硬合金等によりコーティングされており、その内部に、冷媒又は熱媒を流通させることができる機構を備えているものが挙げられる。そして、冷媒又は熱媒をその内部に流通させることにより、成膜ローラー(31及び32)の表面温度を上記範囲となるように制御することが好ましい。また、冷媒又は熱媒を流通させる機構としては、公知のものを用いることができる。
基材(2)の搬送速度(ライン速度)としては、成膜ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.25〜100m/minの範囲内とすることが好ましく、0.3〜30m/minの範囲内とすることがより好ましい。搬送速度が0.25m/min以上であれば、基材(2)の熱に起因する皺の発生等を効果的に抑制することができる。他方、100m/min以下であれば、生産性を損なうことなく、かつ樹脂基材間における剥離可能な界面における接着性を維持することができるとともに、第1のガスバリアー層として十分な層厚を確保することができる。
(第1のガスバリアー層形成用の成膜ガス)
プラズマCVD法で第1のガスバリアー層を形成する場合において、成膜ガス等としては、原料ガス、反応ガス、キャリアガス、放電ガス等を、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
第1のガスバリアー層の形成に用いられる成膜ガス中の原料ガスとしては、形成するガスバリアー層の材質に応じて適宜選択して使用することができる。このような原料ガスとしては、例えば、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物や炭素を含有する有機化合物ガスを用いることができるが、本発明に係る第1のガスバリアー層においては、少なくとも炭素原子を含有する金属酸化物層を形成することができる原料ガスが好ましい。
本発明に適用可能な有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン(略称:HMDSO)、ヘキサメチルジシラン(略称:HMDS)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン(略称:TMOS)、テトラエトキシシラン(略称:TEOS)、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、化合物の取扱い性及び得られるガスバリアー層のガスバリアー性等の特性の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。これらの有機ケイ素化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、炭素を含有する有機化合物ガスとしては、例えば、メタン、エタン、エチレン、アセチレンを例示することができる。これら有機ケイ素化合物ガスや有機化合物ガスは、第1のガスバリアー層の種類に応じて適切な原料ガスが選択される。
また、成膜ガスとしては、上記原料ガスの他に、反応ガスを用いても良い。このような反応ガスとしては、原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができ、例えば、酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
また、成膜ガスとしては、原料ガスを真空チャンバー内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いても良い。更に、成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いても良い。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや水素ガスを用いることができる。
このような成膜ガスが原料ガスと反応ガスを含有する場合には、原料ガスと反応ガスの比率としては、原料ガスと反応ガスとを完全に反応させるために理論上必要となる反応ガスの量の比率よりも、反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことが好ましい。反応ガスの比率を過剰にし過ぎないことが、形成される第1のガスバリアー層として、優れたガスバリアー性や耐屈曲性を得ることができる点で好ましい。また、成膜ガスが前記有機ケイ素化合物と酸素とを含有するものである場合には、成膜ガス中の前記有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量以下であることが好ましい。
また、真空チャンバー(16)内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、おおむね0.5〜50Paの範囲内とすることが好ましい。
〔2:塗布法による第2のガスバリアー層の形成〕
本発明の光学フィルムは、ガスバリアー層を複数層備えていても良く、第1のガスバリアー層A(3A及び3B)のほかに、塗布方式で形成する第2のガスバリアーA(8A及び8B)を有する構成が好ましい。
本発明の光学フィルムにおいては、図2Bに示すように、第1のガスバリアー層(3A及び3B)と、環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A(7A及び7B)との間に、パーヒドロポリシラザン(以下、単にポリシラザンともいう。)を含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層A(8A及び8B)を形成することが、好ましい態様である。
また、図3Bに示すように、第1のガスバリアー層A(3A及び3B)と、環状構造基を有する高分子化合物を含有する半導体ナノ粒子層(4)との間に、ポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層A(8A及び8B)を形成することも、好ましい態様である。
塗布法により基材上に第2のガスバリアー層を形成する方法としては、金属酸化物形成用前駆体としてポリシラザンを含む、金属酸化物ガスバリアー層形成用塗布液を、基材上に塗布及び乾燥して形成された層(パーヒドロポリシラザン含有層)に、真空紫外光(エキシマ光)を照射してポリシラザンの改質処理を施して、ガスバリアー性を有するポリシラザン改質層である金属酸化物(例えば、SiO)により構成される第2のガスバリアー層に転化する方法が用いられる。
(ポリシラザンを含むガスバリアー層形成用塗布液の塗布)
上記したように、第2のガスバリアー層は、ポリシラザンを含むガスバリアー層形成用塗布液を塗布する湿式塗布方法によって形成することができる。
本発明で用いられる「ポリシラザン」とは、ケイ素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等から構成されるセラミック前駆体無機ポリマーである。
そのポリシラザンを含む第2のガスバリアー層形成用塗布液を塗布する湿式塗布方法としては、従来公知の方法から適宜選択して用いることができる。具体例な塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
第1のガスバリアー層(3A及び3B)上に形成するポリシラザン含有の第2のガスバリアー層(8A及び8B)の層厚としては、目的に応じて適宜設定されるが、乾燥後の層厚としては、1nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは10nm〜10μmの範囲内であり、最も好ましくは10nm〜1μmの範囲内である。
また、適用するポリシラザンとしては、使用する基材の性状を損なわないように塗布するため、比較的低温条件でセラミック化してシリカ(SiO)に変性する化合物が好ましく、例えば、特開平8−112879号公報に記載の下記一般式(1)で表される単位からなる主骨格を有する化合物が好ましい。
Figure 2016076219
上記一般式(1)において、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を表す。
本発明では、得られるポリシラザン含有層(ガスバリアー層)としての緻密性の観点から、R、R、及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(略称:PHPS)が、特に好ましい。
また、そのSiと結合する水素原子部分の一部がアルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより、下地である第1のガスバリアー層(3A及び3B)との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より膜厚(平均膜厚)を厚くした場合でもクラック(亀裂)の発生が抑えられる利点がある。そこで、目的用途に応じて、適宜、パーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択、あるいは必要により混合して使用することもできる。
ポリシラザンを含有する金属酸化物ガスバリアー層形成用塗布液の調製に用いる有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応するようなアルコール系や水分を含有する溶媒は避けることが好ましい。
したがって、具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒や、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。詳しくは、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。これらの有機溶媒は、使用するポリシラザンの溶解度や有機溶媒の蒸発速度等の特性に合わせて選択し、複数の有機溶媒を混合しても良い。
ポリシラザン含有の金属酸化物ガスバリアー層形成用塗布液中のポリシラザン濃度としては、目的とするポリシラザン含有層(8A及び8B)の層厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、おおむね0.2〜35質量%の範囲内であることが好ましい。
ポリシラザン含有の金属酸化物ガスバリアー層形成用塗布液中には、ポリシラザンを酸化ケイ素化合物へ転化する反応を促進するため、アミンや金属触媒を添加することもできる。
具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のアクアミカ NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
(触媒)
ポリシラザン含有層を第2のガスバリアー層に改質するために、ポリシラザン含有層中のポリシラザンの少なくとも一部を酸化ケイ素化合物に転化させる反応を促進する機能を有する触媒を用いても良い。
これら触媒のポリシラザンに対する添加量は、ポリシラザンを含む金属酸化物ガスバリアー層形成用塗布液中における固形分濃度比率として、ポリシラザン全質量に対し、質量比として0.1ppm以上、5.0%以下であることが好ましい。更に好ましくは、100ppm以上、3.0%以下の範囲である。
ポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層形成用塗布液を、第1のガスバリアー層(3A及び3B)上に塗布した後の乾燥工程においては、主に有機溶媒を取り除くため、適宜、最適の乾燥条件(温度、処理時間)を設定することができ、熱処理温度は迅速処理の観点から高い温度であることが好ましいが、使用している樹脂フィルムである基材に対する熱ダメージを考慮し、付与する温度と処理時間を適宜決定することが好ましい。
(ポリシラザンの改質処理:真空紫外光照射処理)
本発明におけるポリシラザンの改質処理とは、ポリシラザン化合物の一部又は大部分を、酸化ケイ素又は酸化窒化ケイ素へ転化する処理をいう。
この改質処理は、本発明の光学フィルムを作製するに際し、プラスチック基板への適応という観点から、より低温で、転化反応が可能な紫外光を適用した転化反応が好適に用いられる。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、水分が取り除かれたポリシラザン含有層は、紫外光の照射により改質処理される。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化ケイ素膜又は酸化窒化ケイ素膜を形成することが可能である。
この紫外光照射により、セラミックス化に寄与するOとHO、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身等が励起し、活性化される。そして、励起したポリシラザンのセラミックス化が促進され、得られるセラミックス膜が緻密になる。紫外光照射は、塗膜形成後であれば任意の時点で実施しても有効である。
本発明に適用可能な真空紫外光照射処理として、常用されているいずれの紫外線発生装置を使用することが可能である。なお、本発明でいう紫外光とは、一般には、真空紫外光とよばれる10〜200nmの領域に波長を有する電磁波を含む紫外光をいう。
真空紫外光の照射は、照射される改質前のポリシラザン含有層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を適宜設定することが好ましい。
基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が20〜300mW/cmの範囲内、好ましくは50〜200mW/cmの範囲内となるように、基材と照射する紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の範囲内で照射を行うことができる。
一般に、紫外線照射処理時の基材温度が150℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合には、基材が変形したりその強度が劣化したりするなど、基材の特性が損なわれることになる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルムなどの場合には、より高温での改質処理が可能である。したがって、この紫外線照射時の基材温度としては、一般的な上限はなく、適用している基材の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射雰囲気としては、特に制限はなく、多くの場合は、大気圧環境下(空気中)で実施すれば良い。
このような改質処理に適用する紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を、改質前のポリシラザン含有層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン含有層に当てる方法も好ましい。
紫外線照射は、バッチ処理(オフライン処理)でも、連続処理(オンライン処理)にも適合可能であり、使用する基材の形状によって適宜選定することができる。ポリシラザン含有層を有する基材が長尺のフィルムである場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することにより、セラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用する基材やポリシラザン含有層(金属酸化物ガスバリアー層)の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分の範囲内であり、好ましくは0.5秒〜3分の範囲内である。
また、真空紫外光(以下、VUVともいう。)を照射する環境にける酸素濃度としては、300〜10000ppm(1%)の範囲内とすることが好ましく、更に好ましくは、500〜5000ppmの範囲内である。このような酸素濃度の範囲に調整することにより、酸素が過多となる金属酸化物ガスバリアー層の生成を抑制し、形成するガスバリアー層のバリアー性の劣化を防止することができる。
真空紫外光(VUV)照射時の雰囲気として、これら酸素以外のガスとして、乾燥した不活性ガスを用いることが好ましく、特に、コストの観点から乾燥窒素ガスを適用することが好ましい。
本発明の光学フィルムにおいて、第2のガスバリアー層が、上述のようにポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層形成用塗布液を塗布、乾燥し、真空紫外光を照射して改質処理を施すことにより形成される場合、第2のガスバリアー層は、半導体ナノ粒子層(4)の上に積層されることが、屈曲性、材料コストの面で有利な構成とすることができる。
《光学フィルムの製造方法》
次いで、上記説明した構成よりなる光学フィルムの製造方法について、その一例を説明する。
(実施態様1の光学フィルムの製造方法)
図2A及び図2Bに示すポリマー層(7A及び7B)を有する実施態様1の構成の光学フィルムは、下記に示す工程に従って製造することができる。
第1段階として、基材A(2A)上に、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)を形成する。次いで、必要に応じてパーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外線照射により第2のガスバリアー層A(8A)を形成する。次いで、その上に、少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A(7A)を塗布乾燥のみ行って、紫外線照射は行わない状態で形成する。最後に、半導体ナノ粒子(5)及び紫外線硬化樹脂(6)を含有する半導体ナノ粒子層(4)を塗布して、紫外線照射は行わない状態で積層して第1ユニット(U1)を作製する。
第2段階として、基材B(2B)上に、第1のガスバリアー層B(3B)、必要に応じて真空紫外線照射により形成した第2のガスバリアー層B(8B)を設ける。次いで、少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層B(7B)を、紫外線照射を行わない状態で積層して第2ユニット(U2)を作製する。
最後に、第3段階として、第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)のポリマー層B(7B)面とを貼合及び圧着した後、紫外線照射処理を行い、紫外線硬化型樹脂を含有するポリマー層(7A及び7B)と半導体ナノ粒子層を一括硬化することにより接着して、光学フィルムを製造する。
なお、上記光学フィルの製造方法においては、ポリマー層A(7A)及びポリマー層(7B)が、それぞれ環状構造基を有する高分子化合物と共に、紫外線硬化樹脂を含む構成であってもよい。
(実施態様2の光学フィルムの製造方法)
図3A及び図3Bに示す実施態様3の構成の光学フィルムは、下記に示す工程に従って製造することができる。
第1段階として、基材A(2A)上に、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A(3A)と、必要に応じてパーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外線照射により第2のガスバリアー層A(8A)を形成する。次いで、その上に、半導体ナノ粒子(5)及び紫外線硬化樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物から構成される樹脂マトリックス(9)を含有する半導体ナノ粒子層(4)を塗布し、紫外線照射を行わない状態で積層した第1ユニット(U1)を作製する。
第2段階として、基材B(2B)上に、第1のガスバリアー層B(3B)と、必要に応じて真空紫外線照射により形成した第2のガスバリアー層B(8B)を積層して第2ユニット(U2)を作製する。
第3段階として、第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)の第1のガスバリアー層B(3B)面、又は第2のガスバリアー層B(8B)面とを貼合及び圧着した後、紫外線照射処理を行うことにより半導体ナノ粒子層(4)を硬化及び接着して、光学フィルムを製造する。
実施態様2に記載の製造方法においては、半導体ナノ粒子層(4)の形成に用いる塗布液としては、半導体ナノ粒子と、紫外線硬化型樹脂のモノマーと、ポリマー化した環状構造基を有する高分子化合物により構成し、成膜後に、紫外線照射を行って、紫外線硬化型樹脂のモノマーをポリマー化する方法が好ましい。
《本発明の光学フィルムの効果》
金属酸化物ガスバリアー層は、一般に、半導体ナノ粒子層のマトリクス樹脂(エポキシ樹脂やアクリル樹脂等)との接着性が悪く、半導体ナノ粒子層上に金属酸化物ガスバリアー層を形成した状態で高温高湿環境下に長時間放置すると、剥離や浮きを生じ、その隙間から酸素や水蒸気が浸透することにより、半導体ナノ粒子の発光効率を低下させる。このような問題に対し、本発明のように、半導体ナノ粒子層、あるいはそれに隣接するポリマー層に、環状構造基を有する高分子化合物を含有させることにより、半導体ナノ粒子層中の組成物及び金属酸化物ガスバリアー層の組成物と結合又は相互作用させることができ、両者の接着性を向上させることができるものと推察している。
《本発明の光学フィルムの適用分野》
本発明の半導体ナノ粒子を含む光学フィルムは、生体標識、太陽光発電、触媒作用、生体撮像、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、一般的な空間照明、及び電子発光ディスプレイ等の分野、例えば、LED光を透明なマトリクス樹脂材料に分散された半導体ナノ粒子に照射して発光させることで、液晶表示装置(LCD)に入射する光の光量を増大させ、当該LCDの輝度を向上させることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。なお、構成要素の後の括弧内に記載の数字は、図2A、図2B及び図3A、図3Bに記載している符号を示してある。
実施例1
《光学フィルムの作製》
[光学フィルム101の作製]
下記の方法に従って、図2Aに記載の実施態様1の構成よりなる光学フィルム101を作製した。
〔第1ユニット(U1)の作製〕
(1)基材A(2A)の準備
基材A(2A)として、熱可塑性樹脂支持体であって、両面に易接着加工された厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、PETと略記する。)を用い、この基材を温度25℃、相対湿度55%の環境下で96時間保管して調湿した。
上記基材A(2A)の易接着面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR(登録商標)Z7501を乾燥後の層厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、80℃で3分間の乾燥を行った後、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件;1.0J/cmで硬化を行い、両面にアンカーコート層を形成した。このようにして基材A(2A)を準備した。
(2)第1のガスバリアー層A(3A)の形成
次に、図4に示すCVD装置(S1)を用い、下記の成膜条件(プラズマCVD条件)により、基材A(2A)上に第1のガスバリアー層A(3A)を厚さ300nm成膜した。
〈第1のガスバリアー層A(3A)の成膜条件〉
原料ガス:ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)
供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute、0℃、1気圧基準)
反応ガス:酸素ガス(O
供給量:500sccm(0℃、1気圧基準)
真空チャンバー内の真空度:1.5Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.9kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
樹脂基材ユニットの搬送速度:1.0m/min
(3)ポリマー層A(7A)の形成
(ポリマー層A形成用塗布液1の調製)
下記の各構成材料を順次混合、溶解してポリマー層A形成用塗布液1を調製した。
樹脂1:紫外線硬化型樹脂(エポキシアクリレート DIC(株)製UV硬化型樹脂ユニディックV−5500) 9.5質量部
環状構造基を有するポリマー:単官能アクリレートモノマー(エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート、新中村化学工業社製、製品名:A−LEN−10) 0.29質量部(樹脂1に対する添加量:3.0質量%)
光重合開始剤:イルガキュア184(BASFジャパン製)0.5質量部
トルエン 90.0質量部
(ポリマー層A形成用塗布液1の塗布)
上記調製したポリマー層A形成用塗布液1を、上記第1のガスバリアー層A(3A)上に、ワイヤレスバーを用いて、乾燥後の膜厚が1.0μmとなる条件で塗布を行った後、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件;2.5J/cmで硬化を行って、環状構造基を有するポリマー層A(7A)を形成した。
(4)半導体ナノ粒子層(4)の形成
(半導体ナノ粒子の調製)
Se粉末0.7896gを、トリオクチルホスフィン(略称:TOP)7.4gへ添加し、混合物を150℃まで窒素気流下で加熱して、TOP−Seストック溶液を調製した。別途、酸化カドミウム(CdO)0.450g及びステアリン酸8gをアルゴン雰囲気下、三口フラスコ中で150℃まで加熱した。
CdOが溶解した後、このCdO溶液を室温まで冷却した。このCdO溶液に、トリオクチルホスフィンオキサイド(略称:TOPO)8g及び1−ヘプタデシル−オクタデシルアミン(略称:HDA)12gを添加し、混合物を再び150℃まで加熱した後、TOP−Seストック溶液を素早く添加した。
その後、チャンバーの温度を220℃まで加熱し、更に一定の速度で120分かけて250℃まで上昇させた(0.25℃/分)。その後、温度を100℃まで下げ、酢酸亜鉛二水和物を添加撹拌し溶解させた後、ヘキサメチルジシリルチアンのトリオクチルホスフィン溶液を滴下し、数時間撹拌を続けて反応を終了させ、CdSe/ZnS(半導体ナノ粒子)を得た。
半導体ナノ粒子を透過型電子顕微鏡により直接観察することで、得られた粒子が、CdSeのコア部の表面をZnSシェルが覆ったコア・シェル構造のCdSe/ZnS半導体ナノ粒子であることを確認した。また、CdSe/ZnS半導体ナノ粒子は、コア部の粒子径が2.0〜4.0nm、コア部の粒子径分布が6〜40%であることを確認した。光学特性は、発光ピーク波長が、410〜700nmであり、発光半値幅は、35〜90nmであることを確認した。発光効率は、最大で73.9%に達した。
(半導体ナノ粒子層形成用塗布液1の調製)
半導体ナノ粒子に内包される半導体ナノ粒子成分の粒径を赤色と緑色に発光するように調整し、更にその内包する半導体ナノ粒子の赤色、緑色成分が0.75mg、4.12mgになるようにトルエン溶媒に分散させ、更にエポキシアクリレート DIC(株)製UV硬化型樹脂ユニディックV−5500に、光重合開始剤イルガキュア184(BASFジャパン製)を、固形分比(質量%)で樹脂/開始剤:95/5になるように調整したUV硬化樹脂を加え、半導体ナノ粒子の含有率が1.0質量%になる半導体ナノ粒子層形成用塗布液1を調製した。
(半導体ナノ粒子層形成用塗布液1の塗布)
調製した半導体ナノ粒子層形成用塗布液1を、ポリマー層A(7A)上に乾燥層厚が100μmになるように塗布し、75℃で3分間加熱して、半導体ナノ粒子層(4)を形成した。ただし、紫外線照射による硬化処理は、この段階では行わない。
光学フィルム101の第1ユニット(U1)の具体的な構成を、後述の表1に示す。
〔第2ユニット(U2)の作製〕
(5)基材B(2B)の準備
第1ユニット(U1)で用いた基材A(2A)と同様にして、基材B(2B)を準備した。
(6)第1のガスバリアー層B(3B)の形成
第1ユニット(U1)の第1のガスバリアー層A(3A)の形成と同様にして、基材B上に、第1のガスバリアー層B(3B)を形成した。
(7)ポリマー層B(7B)の形成
第1ユニット(U1)のポリマー層A(7A)の形成と同様にして、第1のガスバリアー層B(3B)上にポリマー層B(7B)を形成した。
光学フィルム101の第2ユニット(U2)の具体的な構成を、後述の表2に示す。
〔第1ユニット(U1)と第2ユニット(U2)の貼合〕
上記作製した第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)のポリマー層B(7B)面とを貼合した後、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件;2.5J/cmで硬化を行って、光学フィルム101を作製した。
[光学フィルム102の作製]
上記光学フィルム101の作製において、ポリマー層A(7A)及びポリマー層B(7B)における単官能アクリレートモノマー(A−LEN−10)の樹脂1に対する添加量を、それぞれ30.0質量%に変更した以外は同様にして、光学フィルム102を作製した。
[光学フィルム103の作製]
上記光学フィルム102において、ポリマー層A(7A)及びポリマー層B(7B)の形成に用いる環状構造基を有するポリマーとして、単官能アクリレートモノマー(A−LEN−10)に代えて、ポリスチレンを用いた以外は同様にして、光学フィルム103を作製した。
[光学フィルム104の作製]
上記光学フィルム103の作製において、図2Bで示すように、第1のガスバリアー層A(3A)とポリマー層A(7A)との間に第2のガスバリアー層A(8A)を、及び第1のガスバリアー層B(3B)とポリマー層B(7B)との間に第2のガスバリアー層B(8B)を、下記の方法に従って形成した以外は同様にして、光学フィルム104を作製した。
(第2のガスバリアー層(8A及び8B)の形成)
パーヒドロポリシラザン(アクアミカ NN120−10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)の10質量%ジブチルエーテル溶液を、第2のガスバリアー層形成用塗布液として用い、第1のガスバリアー層(3A及び3B)上に、乾燥後の層厚が180nmになるように塗布して乾燥し、ポリシラザン含有層を形成した。
次いで、上記形成したポリシラザン含有層に対し、下記の紫外線装置を用いて、紫外線照射処理を行ってポリシラザン含有層を改質し、塗布方式により第2のガスバリアー層(8A及び8B)を形成した。
装置:株式会社 エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200
照射波長:172nm
ランプ封入ガス:Xe
エキシマランプ光強度:130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離:1mm
ステージ加熱温度:70℃
照射装置内の酸素濃度:0.1%
エキシマランプ照射時間:15秒
[光学フィルム105の作製]
上記光学フィルム102のポリマー層A(7A)及びポリマー層B(7B)の形成において、樹脂1(紫外線硬化型樹脂、エポキシアクリレート)を除き、環状構造基を有するポリマーである単官能アクリレートモノマー(A−LEN−10)単独で形成した以外は同様にして、光学フィルム105を作製した。
[光学フィルム106の作製]
上記光学フィルム103のポリマー層A(7A)及びポリマー層B(7B)の形成において、樹脂1(紫外線硬化型樹脂、エポキシアクリレート)及び光重合開始剤(イルガキュア184)を除き、環状構造基を有するポリマーであるポリスチレン単独で形成した以外は同様にして、光学フィルム106を作製した。
[光学フィルム107の作製]
上記光学フィルム101の作製のポリマー層A(7A)及びポリマー層B(7B)の形成において、環状構造基を有するポリマー(単官能アクリレートモノマー、製品名:A−LEN−10)を除いた以外は同様にして、光学フィルム107を作製した。
上記作製した光学フィルム101〜107の構成を、表1及び表2に示す。
Figure 2016076219
Figure 2016076219
なお、表1及び表2に略称で記載した各構成材料の詳細は、以下のとおりである。
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、厚さ:125μm)
HMDSO:ヘキサメチルジシロキサン
プラズマCVD:プラズマ化学気相成長装置
PHPS:パーヒドロポリシラザン(アクアミカ NN120−10、無触媒タイプ、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)
エポキシ:エポキシアクリレート(DIC(株)製UV硬化型樹脂ユニディックV−5500)
A−LEN―10:環状構造基を有するモノマー(単官能アクリレートモノマー(エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート、新中村化学工業社製)
《光学フィルムの評価》
上記作製した各光学フィルムについて、下記の各評価を行った。
〔故障耐性の評価〕
各光学フィルムを、85℃、85%RHの高温高湿環境に100時間投入して強制劣化処理を施した。次いで、405nmの青紫光で励起させ白色に発光させた。この時、7.5cm×15cmの面積について、発光が見られない黒色の故障部分(ダークスポットという)の面積の合計を計測し、下式に従ってダークスポット発生比率を算出した。
ダークスポットの発生比率=〔ダークスポット発生面積/光学フィルム面積(7.5×15cm)〕×100(%)
以上により求めたダークスポット発生比率について、下記の基準に従ってランク付を行って、故障耐性を評価した。
◎:ダークスポットの発生比率が、3.0%未満である
○:ダークスポットの発生比率が、3.0%以上、7.0%未満である
○△:ダークスポットの発生比率が、7.0%以上、15.0%未満である
△:ダークスポットの発生比率が、15.0%以上、25.0%未満である
×:ダークスポットの発生比率が、25.0%以上である
〔発光効率の評価〕
各光学フィルムを405nmの青紫光で励起したときに、色温度が7000Kの白色発光の発光効率を測定した。測定には、大塚電子(株)製の発光測定システムMCPD−7000を用いた。光学フィルム107の発光効率を100としたときの相対発光効率を算出し、下記の基準に従って相対発光効率を評価した。
◎:相対発光効率が、145以上である
○:相対発光効率が、130以上、145未満である
○△:相対発光効率が、110以上、130未満である
△:相対発光効率が、90以上、110未満である
×:相対発光効率が、90未満である
〔端部密着性の評価〕
上記作製した各光学フィルムを、両刃方式の打ち抜き機で、10cm×10cmのサイズに断裁した後、その4面の切断面(10cm×4面)の層間における膜はがれの有無を、ルーペを用いて観察し、下記の基準に従って端部密着性の評価を行った。
◎:4面の全端部で膜はがれの発生は認められない
○:全端部領域で、1か所において軽微の膜はがれが発生しているが、実用上極めて優れた品質である
○△:全端部領域で、2〜4か所において軽微の膜はがれが発生しているが、実用上良好な品質である
△:全端部領域で、5か所以上において弱い膜はがれが発生しているが、実用上許容される品質である
×:全端部領域の5か所以上で強い膜はがれが発生しており、実用上問題となる品質である
以上により得られた結果を、表3に示す。
Figure 2016076219
表3に記載の結果より明らかなように、ガスバリアー層と半導体ナノ粒子層との間に、環状構造基を有するポリマーを含有するポリマー層を設けた本発明の光学フィルムは、比較例に対し、故障耐性、発光効率及び端部密着性に優れていることが分かる。更に、環状構造基を有するポリマーとして、ポリスチレンを用いることにより、その効果がより優れていることが分かる。
実施例2
[光学フィルム201の作製]
下記の方法に従って、図3Aに記載の実施態様2の構成よりなる光学フィルム201を作製した。
〔第1ユニット(U1)の作製〕
(1)基材A(2A)の準備
実施例1の光学フィルム101の作製に用いた基材A(2A)を準備した。
(2)第1のガスバリアー層A(3A)の形成
実施例1の光学フィルム101の作製における第1のガスバリアー層A(3A)の形成と同様の方法で、基材A上に第1のガスバリアー層A(3A)を形成した。
(3)半導体ナノ粒子層(4)の形成
(半導体ナノ粒子層形成用塗布液の調製)
実施例1に記載の方法と同様にして、CdSeのコア部の表面をZnSシェルが覆ったコア・シェル構造のCdSe/ZnS半導体ナノ粒子を調製し、この半導体ナノ粒子に内包される半導体ナノ粒子成分の粒径を赤色と緑色に発光するように調整し、更にその内包する半導体ナノ粒子の赤色、緑色成分が0.75mg、4.12mgになるようにトルエン溶媒に分散させた。
次いで、エポキシアクリレート DIC(株)製UV硬化型樹脂ユニディックV−5500に、光重合開始剤イルガキュア184(BASFジャパン製)を、固形分比(質量%)で樹脂/開始剤:95/5になるように調整し、更に、環状構造基を有するモノマーとして、2官能アクリレートモノマーであるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、製品名:A−DCP)を、紫外線硬化型樹脂であるエポキシアクリレートに対し、2.5質量%となる量を添加した。
更に、上記調製した半導体ナノ粒子を、含有率が1.0質量%になる条件で添加して、半導体ナノ粒子層形成用塗布液を調製した。
(半導体ナノ粒子層形成用塗布液1の塗布)
調製した半導体ナノ粒子層形成用塗布液を、第1のガスバリアー層A(3A)上に乾燥層厚が100μmになるようにワイヤレスバーを用いて塗布し、75℃で3分間加熱して、半導体ナノ粒子層(4)を形成した。ただし、紫外線照射による硬化処理は、この段階では行わない。
〔第2ユニット(U2)の作製〕
(4)基材B(2B)の準備
第1ユニット(U1)で用いた基材A(2A)と同様にして、基材B(2B)を準備した。
(5)第1のガスバリアー層B(3B)の形成
第1ユニット(U1)の第1のガスバリアー層A(3A)の形成と同様にして、基材B上に、第1のガスバリアー層B(3B)を形成した。
〔第1ユニット(U1)と第2ユニット(U2)の貼合〕
上記作製した第1ユニット(U1)の半導体ナノ粒子層(4)面と、第2ユニット(U2)の第1のガスバリアー層B(3B)面とを貼合した後、高圧水銀ランプを使用して、硬化条件;2.5J/cmで硬化を行って、光学フィルム201を作製した。
[光学フィルム202〜208の作製]
上記光学フィルム201の作製において、半導体ナノ粒子層を構成する環状構造基を有するポリマー(モノマー)の種類と、樹脂1であるエポキシアクリレートに対する含有量を、表4に記載の構成に変更した以外は同様にして、光学フィルム202〜208を作製した。
[光学フィルム209の作製]
上記光学フィルム208の作製において、第1のガスバリアー層(3A及び3B)と、半導体ナノ粒子層(4)との間に、図3Bで示すように、第2のガスバリアー層(8A及び8B)を、実施例1の光学フィルム104の作製に用いたのと同様の方法で第2のガスバリアー層(8A及び8B)を形成した以外は同様にして、光学フィルム209を作製した。
[光学フィルム210の作製]
上記光学フィルム201の半導体ナノ粒子層(4)の形成において、環状構造基を有する2官能アクリレートモノマーであるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、製品名:A−DCP)を除いた以外は同様にして、光学フィルム210を作製した。
[光学フィルム211の作製]
上記光学フィルム201の作製において、半導体ナノ粒子層(4)の構成として、エポキシアクリレート(略称:エポキシ)に代えて、ラウリルメタクリレート(ブレンマーLMA、日油社製、略称:LMA)と用い、更に、環状構造基を有するポリマーであるA−DCPに代えて、非環状ポリマーであるポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製、略称:PIB)をLMAに対し、2.0質量%の比率で用いた以外は同様にして、光学フィルム211を作製した。
[光学フィルム212の作製]
特許第4579065号公報に記載の方法に従って、光学フィルム212を作製した。
厚さ200μmのPETフィルム上に、実施例1で調製したCdSeのコア部の表面をZnSシェルが覆ったコア・シェル構造のCdSe/ZnS半導体ナノ粒子を、エポキシ樹脂に対し、40質量%の割合で混合して、乾燥層厚が100μmになるようにワイヤレスバーを用いて塗布した。
次いで、その上に、非通水性材料層としてシクロオレフィン樹脂(ゼオネア、日本ゼオン社製)を厚さ100μmで形成して、光学フィルム212を作製した。
上記作製した光学フィルム201〜212の構成を、表4に示す。
Figure 2016076219
なお、表4に略称で記載した各構成材料の詳細は、以下のとおりである。ただし、実施例1で、その詳細な内容を記載した構成材料は除く。
A−DCP:2官能アクリレートモノマー トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、製品名:A−DCP)
UVA−5080:紫外線吸収ポリマー((メタ)アクリルエステル共重合体であるバナジレンUVA−5080、新中村化学工業社)
LMA:ラウリルメタクリレート(ブレンマーLMA、日油社製)
PIB:ポリイソブチレン(JX日鉱日石エネルギー社製)
《光学フィルムの評価》
上記作製した各光学フィルムについて、実施例1に記載の方法と同様にして、故障耐性、発光効率及び端部密着性の評価を行い、得られた結果を表5に示す。
Figure 2016076219
表5に記載の結果より明らかなように、環状構造基を有するポリマーを含有する半導体ナノ粒子層を設けた本発明の光学フィルムは、比較例に対し、故障耐性、発光効率及び端部密着性に優れていることが分かる。更に、環状構造基を有するポリマーとして、ポリスチレンを用いることにより、その効果がより優れていることが分かる。
本発明の光学フィルムは、酸素や水等の浸入による半導体ナノ粒子の劣化を長期間にわたって抑制でき、故障耐性(ダークスポット耐性)及び打ち抜き加工時の端部膜はがれ耐性(密着性)に優れ、かつ発光効率が高い光学フィルムであり、生体標識、太陽光発電、触媒作用、生体撮像、発光ダイオード(LED)、一般的な空間照明、及び電子発光ディスプレイ等の分野に好適に利用することができる。
1 光学フィルム
2A 基材A
2B 基材B
3A 第1のガスバリアー層A
3B 第1のガスバリアー層B
4 半導体ナノ粒子層
5 半導体ナノ粒子
6 紫外線硬化型樹脂
7A ポリマー層A
7B ポリマー層B
8A 第2のガスバリアー層A
8B 第2のガスバリアー層B
9 ハイブリッド樹脂層
11A、11B ローラー
16 真空チャンバー
17 真空ポンプ
18 排気口
22、23 搬送ローラー
31、32 成膜ローラー
41 成膜ガス供給管
51 プラズマ発生用電源
61、62 磁場発生装置
S1 プラズマCVD装置

Claims (18)

  1. 少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で有する光学フィルムであって、
    更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間に、ポリマー層Aを有し、かつ半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層と第1のガスバリアー層Bとの間に、ポリマー層Bを有し、前記ポリマー層A及びポリマー層Bが、少なくとも前記環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記ポリマー層A及びポリマー層Bが、更に紫外線硬化型樹脂を含有することを特徴とする請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 前記ポリマー層A及びポリマー層Bにおける前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の光学フィルム。
  5. 前記ポリマー層A及びポリマー層Bにおける前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、5.0〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の光学フィルム。
  6. 前記半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層が、前記環状構造基を有する高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  7. 前記半導体ナノ粒子層における前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、4.0〜30質量%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルム。
  8. 前記半導体ナノ粒子層における前記環状構造基を有する高分子化合物の含有量が、前記紫外線硬化型樹脂全質量に対し、5.0〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルム。
  9. 前記環状構造基を有する高分子化合物が、ベンゼン環を有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
  10. 前記ベンゼン環を有する高分子化合物の重量平均分子量が、1万〜30万の範囲内であることを特徴とする請求項9に記載の光学フィルム。
  11. 前記ベンゼン環を有する高分子化合物が、ポリスチレンであることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の光学フィルム。
  12. 前記金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層Aを有し、かつ半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層と第1のガスバリアー層Bとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する第2のガスバリアー層Bを有することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の光学フィルム。
  13. 少なくとも、基材A、金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層、第1のガスバリアー層B及び基材Bを、この順で形成して製造する光学フィルムの製造方法であって、
    更に、環状構造基を有する高分子化合物を含有せしめることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  14. 前記基材A上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層A、少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層A、及び半導体ナノ粒子及び紫外線硬化型樹脂を含有する半導体ナノ粒子層をこの順で積層した第1ユニットと、基材B上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層B及び少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Bを積層した第2ユニットを作製したのち、第1ユニットの半導体ナノ粒子層面と、第2ユニットのポリマー層B面を貼合した後、紫外線を照射して形成することを特徴とする請求項13に記載の光学フィルムの製造方法。
  15. 前記第1のガスバリアー層Aと、前記少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Aとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Aを形成する工程と、前記第1のガスバリアー層Bと、前記少なくとも環状構造基を有する高分子化合物を含有するポリマー層Bとの間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Bを形成する工程を有することを特徴とする請求項14に記載の光学フィルムの製造方法。
  16. 前記基材A上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により形成した金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Aと、半導体ナノ粒子、紫外線硬化型樹脂及び環状構造基を有する高分子化合物を含有する半導体ナノ粒子層をこの順で積層した第1ユニットと、基材B上に、少なくとも、化学気相成長法又は物理気相成長法により金属酸化物を有する第1のガスバリアー層Bを積層した第2ユニットを作製したのち、第1ユニットの半導体ナノ粒子層面と、第2ユニットの第1のガスバリアー層B面とを貼合した後、紫外線を照射して形成することを特徴とする請求項13に記載の光学フィルムの製造方法。
  17. 前記半導体ナノ粒子層が、半導体ナノ粒子、紫外線硬化型樹脂モノマー及び環状構造基を有する高分子化合物を含む塗布液により塗膜を形成した後、当該塗膜に紫外線照射を行って形成することを特徴とする請求項16に記載の光学フィルムの製造方法。
  18. 前記第1のガスバリアー層Aと、前記半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Aを形成する工程と、前記第1のガスバリアー層Bと、前記半導体ナノ粒子層との間に、パーヒドロポリシラザンを含有する塗布液を用い、真空紫外光照射により第2のガスバリアー層Bを形成する工程を有することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の光学フィルムの製造方法。
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