JPWO2016072291A1 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

インフレータが作動したとき、クッションに形成されインフレータが挿入される挿入孔から外部にガスが漏れ難く、さらにインフレータを挿入孔に挿入し易いエアバッグ装置を提供することを目的としている。車両に設置されるエアバッグ装置(100)であって、シリンダ型のインフレータ(110)と、インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッション(108)と、クッションに形成された挿入孔(112)であって挿入孔を通してインフレータの少なくとも一部分がクッションの内部に挿入される挿入孔と、挿入孔を覆う被覆部(120)とを備え、被覆部は、挿入孔に挿入されたインフレータを挟み接触するように配置された一対のパッチ(122、124)を有し、一対のパッチの各々は、インフレータと接する側で鈍角を成す第1辺(128、134)および第2辺(130、136)を含む。

Description

本発明は、車両に設置され緊急時での乗員保護を目的として膨張展開するエアバッグ装置に関する。
エアバッグ装置は、車両衝突などの緊急時に作動する安全装置であって、例えば袋状のクッションを備える。クッションは、緊急時にガスによって膨張展開して乗員を受け止め保護する。エアバッグ装置は、設置箇所や用途に応じて様々な種類がある。一例として、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から乗員を守るために、車両用シートの側部から乗員のすぐ脇へ膨張展開するサイドエアバッグなどが知られている。
エアバッグ装置のクッションは、主にガス圧で膨張展開する構成となっていて、ガスの供給源としてインフレータと呼ばれるガス発生装置が備えられている。インフレータには、エアバッグの種類やその設置箇所に応じて様々な種類がある。例えば、カーテンエアバッグやサイドエアバッグ等にはシリンダ型(筒型)のインフレータが主に用いられている。
インフレータ全体またはその一部がエアバッグ(厳密にはそのうちのクッション)の内部に挿入されている。例えば、特許文献1には、サイドエアバッグとシリンダ型のインフレータとを備えたエアバッグ装置が記載されている。サイドエアバッグ(クッション)には、インフレータを挿入するための挿入孔と、逆止弁とが設けられている。逆止弁は、クッションの内部に挿入孔を覆うように設けられていて、ほぼ台形状に形成された一対の布片を有する。
特許文献1に記載のエアバッグ装置では、クッションの内部に挿入孔を通して挿入されたインフレータが作動すると、逆止弁を形成する一対の布片の上端側がガスの風圧により互いに離間して、ガスの供給を許容する。そして、ガス圧が所定値以上になると、逆止弁は、一対の布片の上端側が互いに接近して、ガスの移動を制限する。
特開2012−131363号公報
特許文献1では、一対の布片で逆止弁を形成しているものの、一対の布片はガス圧によって互いに離間あるいは接近するものに過ぎない。よって、特許文献1に記載の技術では、インフレータ作動時のガス圧の変化により逆止弁が崩れてしまい、クッションに形成されインフレータが挿入される挿入孔から外部にガスが漏れることが懸念される。またクッションの内部に挿入孔を覆うように一対の布片が設けられているため、インフレータを挿入孔に挿入し難くなってしまう。
本発明は、このような課題に鑑み、インフレータが作動したとき、クッションに形成されインフレータが挿入される挿入孔から外部にガスが漏れ難く、さらにインフレータを挿入孔に挿入し易いエアバッグ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるエアバッグ装置の代表的な構成は、車両に設置されるエアバッグ装置であって、シリンダ型のインフレータと、インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッションと、クッションに形成された挿入孔であって挿入孔を通してインフレータの少なくとも一部分がクッションの内部に挿入される挿入孔と、挿入孔を覆う被覆部とを備え、被覆部は、挿入孔に挿入されたインフレータを挟み接触するように配置された一対のパッチを有し、一対のパッチの各々は、インフレータと接する側で鈍角を成す第1辺および第2辺を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、被覆部の一対のパッチがインフレータを挟み接触した状態で、インフレータに第1辺と第2辺とがそれぞれ接する。よって、一対のパッチは、第1辺同士だけでなく第2辺同士によってもインフレータを挟むため、挿入孔とインフレータとの隙間を塞ぐことができる。このため、インフレータが作動したとき、挿入孔を通してクッションの外部にガスが漏れ難くなる。
また、クッションの挿入孔を通してインフレータをクッションの内部に挿入する場合、インフレータは、鈍角を成す第1辺および第2辺に接しながらこれを押し広げ、一対のパッチを通過できる。したがって、上記構成によれば、インフレータ作動時のガス漏れを低減し、さらにインフレータを挿入孔に挿入し易くできる。
上記の被覆部は、クッションの内側に設けられるとよい。このように、クッションの内側から挿入孔を被覆部で覆うためシール性が高くなり、インフレータが作動しクッションが展開する際、挿入孔を通してクッションの外部にガスがより漏れ難くなる。
上記の被覆部は、クッションの外側に設けられるとよい。これにより、クッションに被覆部を容易に設けることができる。また被覆部での一対のパッチにおける第1辺および第2辺とインフレータの外周とのクリアランスを適切に確保することで、シール性も確保できる。
上記の一対のパッチの各々の鈍角の頂点の位置が一致しているとよい。これにより、挿入孔に対して一対のパッチを位置合わせできるので、インフレータ作動時のガス漏れをより確実に低減し、インフレータを挿入孔により挿入し易くできる。
上記の第1辺および第2辺は、直線または曲線を含むとよい。これにより、インフレータの外形に合わせて第1辺および第2辺を形成できる。よって、インフレータは、第1辺および第2辺により接し易くなり、ガス漏れをより低減できる。
上記の一対のパッチは、挿入孔の周囲を取り囲む縫製ラインによってクッションに縫製されているとよい。これにより、一対のパッチによって挿入孔を覆うことができる。
上記の縫製ラインは、円形または格子状であるとよい。インフレータが円筒状であるため、縫製ラインが円形であれば、インフレータを挿入する場合、縫製ライン全体に比較的均一な力をかけることができる。縫製ラインが格子状であれば、縫製し易いだけでなく、縫製が二重になる箇所があるため、一対のパッチをクッションの内側に確実に設けることができる。
上記の挿入孔は、一方向に長いスロットであるとよい。これにより、インフレータを挿入孔に挿入する向きをスロットの一方向に合わせることで、インフレータを挿入孔により挿入し易くできる。
上記の一対のパッチは、第1辺同士を対称軸として互いに線対称に配置され、線対称に配置されたことによって重なり合った第1辺同士がスリットをなした状態にあるとよい。これにより、一対のパッチを線対称に配置し第1辺同士がスリットをなすようにして被覆部を形成できる。この被覆部では、第1辺同士がスリットをなすため、スリットを通してインフレータをより挿入し易くできる。
上記の一対のパッチは、双方のパッチの第1辺上の所定の点を中心として第1辺同士の少なくとも一部が重なり合うように互いに点対称に配置され、重なり合った第1辺同士の少なくとも一部がスリットをなした状態にあるとよい。これにより、一対のパッチを点対称に配置し第1辺同士の少なくとも一部がスリットをなすようにして被覆部を形成できる。この被覆部では、第1辺同士の少なくとも一部がスリットをなすため、第1辺同士がスリットをなす場合に比べスリットの長さを短くできる。よって、スリットを通してインフレータを挿入する際に、インフレータとパッチとの密着度が増して、密閉度が高くなり、外部にガスが漏れ難くなる。
本発明にかかるエアバッグ装置の他の代表的な構成は、車両に設置されるエアバッグ装置であって、シリンダ型のインフレータと、インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッションと、クッションに形成された挿入孔であって挿入孔を通してインフレータの少なくとも一部分がクッションの内部に挿入されるスリット状の挿入孔と、スリット状の挿入孔を覆うパッチとを備え、スリット状の挿入孔は、鈍角を成す第1スリットおよび第2スリットを含み、パッチは、第1スリットに重なる第3スリットと、第1スリットを対称軸として第2スリットに線対称であり、第3スリットと鈍角を成す第4スリットとを有することを特徴とする。
上記構成によれば、スリット状の挿入孔とパッチとがインフレータを挟んだ状態で、挿入孔の第1スリットおよび第2スリットと、パッチの第3スリットおよび第4スリットとがインフレータにそれぞれ接する。よって、挿入孔とパッチとは、第1スリットと第3スリットだけでなく、第2スリットと第4スリットとによってもインフレータを挟む。このため、挿入孔およびパッチによれば、挿入孔とインフレータとの隙間を塞ぐことができる。したがって、インフレータが作動したとき、挿入孔を通してクッションの外部にガスが漏れ難くなる。また挿入孔がスリット状であるため、パッチが1枚で済み構造を簡素化できる。さらにパッチは、スリット状の挿入孔を覆う補強布も兼ねている。
また、クッションの挿入孔を通してインフレータをクッションの内部に挿入する場合、インフレータは、鈍角を成す第1スリットおよび第2スリットと、同じく鈍角を成す第3スリットおよび第4スリットとに接しながらこれを押し広げ、挿入孔およびパッチを通過できる。したがって、上記構成によれば、インフレータ作動時のガス漏れを低減できるだけでなく、インフレータを挿入孔に挿入し易くできる。
本発明にかかるエアバッグ装置の他の代表的な構成は、車両に設置されるエアバッグ装置であって、シリンダ型のインフレータと、インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッションと、クッションに形成された挿入孔であって挿入孔を通してインフレータの少なくとも一部分がクッションの内部に挿入されるスリット状の挿入孔と、スリット状の挿入孔を覆うパッチとを備え、スリット状の挿入孔は、鈍角を成す第1スリットおよび第2スリットを含み、パッチは、第1スリットに重なる第3辺と、第1スリットを対称軸として第2スリットに線対称であり、第3辺と鈍角を成す第4辺とを有することを特徴とする。
上記構成によれば、スリット状の挿入孔とパッチとがインフレータを挟んだ状態で、挿入孔の第1スリットおよび第2スリットと、パッチの第3辺および第4辺とがインフレータにそれぞれ接する。よって、挿入孔とパッチとは、第1スリットと第3辺だけでなく、第2スリットと第4辺とによってもインフレータを挟む。このため、挿入孔およびパッチによれば、挿入孔とインフレータとの隙間を塞ぐことができる。したがって、インフレータが作動したとき、挿入孔を通してクッションの外部にガスが漏れ難くなる。さらに挿入孔がスリット状であるため、パッチが1枚で済み構造を簡素化できる。
また、クッションの挿入孔を通してインフレータをクッションの内部に挿入する場合、インフレータは、鈍角を成す第1スリットおよび第2スリットと、同じく鈍角を成す第3辺および第4辺とに接しながらこれを押し広げ、挿入孔およびパッチを通過できる。したがって、上記構成によれば、インフレータ作動時のガス漏れを低減できるだけでなく、インフレータを挿入孔に挿入し易くできる。
上記のパッチは、クッションの内側に設けられるとよい。このように、クッションの内側から挿入孔をパッチで覆うためシール性が高くなり、インフレータが作動しクッションが展開する際、挿入孔を通してクッションの外部にガスがより漏れ難くなる。
上記のパッチは、クッションの外側に設けられるとよい。これにより、クッションにパッチを容易に設けることができる。また挿入孔をパッチで覆う際、第3スリットおよび第4スリットとインフレータの外周とのクリアランス、また、第3辺および第4辺とインフレータの外周とのクリアランスをそれぞれ適切に確保することで、シール性も確保できる。
上記の挿入孔は、インフレータの未挿入時にパッチにより閉じられている。これにより、クッションの自然状態で挿入孔がパッチにより閉じられているので、インフレータを挿入する際に、インフレータと挿入孔との隙間が小さくなり、インフレータとパッチとの密着度が増して、密閉度が高くなり、外部にガスが漏れ難くなる。
本発明によれば、インフレータが作動したとき、クッションの挿入孔から外部にガスが漏れ難く、さらにインフレータを挿入孔に挿入し易いエアバッグ装置を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施形態におけるエアバッグ装置を概略的に例示する図である。 図1のエアバッグ装置の一部を詳細に例示する図である。 図2のクッションの縫製前での状態を例示する図である。 図2の被覆部を例示する図である。 図4の被覆部にインフレータを挿入する手順を例示する図である。 図2のクッションに図4の被覆部を取付けた状態を例示する図である。 図2のクッションに比較例の被覆部を取付けた状態を例示する図である。 比較例のエアバッグ装置を例示する図である。 本発明の実施形態と比較例とのインパクター反力を比較したグラフである。 図4(c)の被覆部の変形例を例示する図である。 図4(a)のパッチの変形例を例示する図である。 図3(a)のクッションの変形例を例示する図である。 本発明の第2の実施形態におけるエアバッグ装置を例示する図である。 本発明の第3の実施形態におけるエアバッグ装置を例示する図である。 図4の被覆部の変形例を例示する図である。
100、100A、100B…エアバッグ装置、102…車両用シート、104…シートバック、106…ドア、108…クッション、108a、126、126A、126B、160、176…縫製ライン、110…インフレータ、110a…先端、110b…本体、112、112A、112B、112C…挿入孔、114…ガス供給孔、116a、116b…スタッドボルト、118…孔部、120、120A、120B、120C、120D…被覆部、122、124、150、170…パッチ、128、134…第1辺、130、136…第2辺、132、138…頂点、139、180…スリット、140…隙間、152…第1スリット、154…第2スリット、172…第3辺、174…第4辺、178a、178b…第1辺の一部
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるエアバッグ装置を概略的に例示した図である。エアバッグ装置100は、例えば、車両用シート102のシートバック104に内蔵されている。エアバッグ装置100は、シートバック104の車両外側に設けられていて、車両用シート102とドア106との間で立設して膨張展開するクッション108(図2参照)を備える。
図2は、図1のエアバッグ装置100の一部を詳細に例示する図である。図2(a)は、クッション108が展開した状態を例示している。図2(b)は、図2(a)のA矢視図であり、クッション108の内側を見た状態を示している。クッション108は、例えば表裏の面を構成する計2枚の基布から縫製する方法や、OPW(One-Piece Woven)を用いて紡織する方法などによって袋状に形成されている。
本実施形態におけるクッション108は、一枚の布地から構成されていて、その周囲が縫製ライン108aによって縫製され袋状に形成されている。またエアバッグ装置100は、インフレータ110を備える。インフレータ110は、ガス発生装置であって、内部のガス発生剤が燃焼することでガスを発生させ供給する構成となっている。インフレータ110はシリンダ型(筒型)であって、図2(a)に示すようにクッション108の内部へ、クッション108に形成された挿入孔112を通って中央付近までその一部が挿し入れられ、取り付けられている。
クッション108の内側へ挿入されたインフレータ110の先端110a側には、図2(b)に示すように、ガス供給孔114が設けられている。また、インフレータ110には本体110bから突出したスタッドボルト116a、116bが設けられている。スタッドボルト116aは、クッション108に形成された孔部118に通されている。インフレータ110は、スタッドボルト116a、116bによって例えば車両用シート104(図1参照)に固定されている。
エアバッグ装置100はさらに、図2(a)に示すように被覆部120を備える。被覆部120は、図2(b)に示すように、クッション108の内側に設けられた一対のパッチ122、124を有する。一対のパッチ122、124は、挿入孔112に挿入されたインフレータ110を挟み接触するように配置され、縫製ライン126によってクッション108に縫製されている。
図3は、図2のクッション108の縫製前での状態を例示する図である。クッション108には、図3(a)に示すように、上記挿入孔112および孔部118が形成されている。クッション108の挿入孔112は、図3(b)に示すようにインフレータ110が挿入されていない状態で、被覆部120によって覆われている。
図4は、図2の被覆部120を例示する図である。被覆部120は、図4(a)に示すように、一対のパッチ122、124を有する。パッチ122は、インフレータ110と接する第1辺128および第2辺130を含む。第1辺128および第2辺130は、インフレータ110が接する側で頂点132にて鈍角θaを成す。パッチ124は、インフレータ110と接する第1辺134および第2辺136を含む。第1辺134および第2辺136は、インフレータ110が接する側で頂点138にて鈍角θbを成す。
被覆部120は、図4(b)に示すようにパッチ124を挿入孔112に対面させ、さらに、クッション108の内側からパッチ122をパッチ124に重ね合わせるように配置する。そして一対のパッチ122、124は、図4(c)に示すように重ね合わされた状態で、各々の鈍角θa、θbの頂点132、138の位置がほぼ一致するように位置合わせされ、挿入孔112を覆っている。
被覆部120は、図4(c)に示すように挿入孔112を覆った状態で、一対のパッチ122、124の第1辺128、134同士が重ねられている。また第2辺130、136は、第1辺128、134を対称軸として互いに線対称となっている。すなわち、被覆部120は、一対のパッチ122、124が第1辺128、134同士を対称軸として互いに線対称に配置されることで形成される。そして、被覆部120では、線対称に配置されたことによって重なり合った第1辺128、134同士がスリット139をなした状態にある。このような被覆部120によれば、第1辺128、134同士がスリット139をなすため、スリット139を通してインフレータ110をより挿入し易くできる。
さらに一対のパッチ122、124は、挿入孔112の周囲を取り囲む縫製ライン126によって縫製されることで、挿入孔112を確実に覆っている。すなわち挿入孔112は、インフレータ110の未挿入時に一対のパッチ122、124により閉じられている。よって被覆部120によれば、インフレータ110を挿入する際に、インフレータ110と挿入孔112との隙間が小さくなり、インフレータ110と一対のパッチ122、124との密着度が増して、密閉度が高くなり、外部にガスが漏れ難くなる。
図5は、図4の被覆部120にインフレータ110を挿入する手順を例示する図である。図5(a)は、インフレータ110の先端110aおよびスタッドボルト116aが挿入孔112を通過する状態を示している。図5(b)は、図5(a)のB矢視図である。
インフレータ110は、まず上記挿入孔112に挿入された後、挿入孔112を覆う被覆部120の一対のパッチ122、124によって挟まれた状態となる。この状態でインフレータ110は、一対のパッチ122、124の第1辺128、134に接しこれを押し広げる。ここで第2辺130、136は、第1辺128、134とともに鈍角θa、θbを成している(図4(a)参照)。
このため、被覆部120では、第2辺130、136が縫製ライン126で縫製されていても、インフレータ110によって第1辺128、134が押し広げられるにつれて、第2辺130、136も図5(a)に示すように十分に押し広げられる。したがって、インフレータ110は、第1辺128、134に接しこれをスタッドボルト116aの通過に伴って十分に押し広げることができる。さらに、インフレータ110は、押し広げられた第1辺128、134を通過し、第2辺130、136に引っ掛かることなく、被覆部120を通してクッション108の内部に先端110aを容易に挿入できる。
つぎに、インフレータ110の先端110aを、図5(a)の矢印Cに沿うようにクッション108の内部に挿入しながら、スタッドボルト116aを孔部118に通す。このようにして、インフレータ110は、挿入孔112を容易に通過でき、被覆部120を通してクッション108の内部に容易に挿入できる。
図6は、図2のクッション108に図4の被覆部120を取付けた状態を例示する図である。図中ではインフレータ110が挿入孔112に挿入され、さらにクッション108が展開した状態を例示している。クッション108は、図6(a)に示すように被覆部120が取付けられていない場合には、挿入孔112に挿入されたインフレータ110と挿入孔112との間に隙間140が生じる。
そこで本実施形態では、図5(b)に示すように、挿入孔112に挿入されたインフレータ110を挟むように一対のパッチ122、124を配置し、これをクッション108の内側に設けて被覆部120を形成した。被覆部120では、一対のパッチ122、124の第1辺128、134がインフレータ110に接し、図5(b)の矢印D、Eに示す方向からインフレータ110にテンションを加えている。さらに被覆部120では、第1辺128、134だけでなく第2辺130、136もインフレータ110に接し、矢印Fに示す方向からインフレータ110にテンションを加えている。
このようにして、被覆部120は、インフレータ110に対して矢印D、E、Fからテンションを加える一対のパッチ122、124により、クッション108の挿入孔112とインフレータ110との隙間140を塞ぐことができる。したがって、被覆部120は、挿入孔112を通してクッション108の外部にガスが漏れることを防止できる。
図7は、図2のクッション108に比較例の被覆部120Aを取付けた状態を例示する図である。比較例の被覆部120Aは、図7(a)に示すように、一対のパッチ122A、124Aを有する。一対のパッチ122A、124Aは、インフレータ110と接する第1辺128A、134Aを含むものの、上記の第2辺130、136を含んでいない。
比較例の被覆部120Aでは、一対のパッチ122A、124Aの第1辺128A、134Aがインフレータ110に接し、図7(b)の矢印D、Eに示す方向からインフレータ110にテンションを加えている。しかし、被覆部120Aでは、第2辺130、136を含んでいないため、図7(b)に示すように、クッション108の挿入孔112とインフレータ110との隙間140を塞ぐことができない。したがって、比較例の被覆部120Aをクッション108の内側に設けた場合には、挿入孔112を通してクッション108の外部にガスが漏れてしまう。
図8は、比較例のエアバッグ装置200を例示する図である。図8(a)は、エアバッグ装置200のクッション202を示す図である。図8(b)は、クッション202にインフレータ110を挿入した状態を示す図である。
エアバッグ装置200は、クッション202に上記被覆部120が形成されていない点で、本実施形態のエアバッグ装置100と異なる。クッション202には、図8(a)に示すように、インフレータ110の挿入孔204と、スタッドボルト116aを通すための孔部206とが形成されている。
比較例のエアバッグ装置200では、インフレータ110が作動すると、クッション202は展開の初期で振れながら、図8(b)に折れ線202bで示すように折れる。その後、クッション202は、展開するにつれて伸びつつ折れるような挙動を示す。このような挙動、特にクッション202の振れと伸びとによって、インフレータ110と挿入孔204との間には、図8(b)に示すように大きな隙間208が生じ、ガス漏れが生じ易い。
図9は、本発明の実施形態と比較例とのインパクター反力を比較したグラフである。図9(a)では、横軸を時間、縦軸をインパクター反力とした。図9(b)では、図9(a)に示す本発明の実施形態のインパクター反力の平均と、比較例のインパクター反力の平均とを示している。なお比較例としては、図8に例示したエアバッグ装置200のように上記被覆部120が形成されていないものを用いている。
ここではインフレータ110が挿入される挿入孔112からガス漏れを直接測定する代わりに、インパクターをクッション108に衝突させた際のインパクター反力を測定した。インパクター反力は、インパクターがクッション108を介して壁面などに接触する、いわゆる底付きを起こす前のものを採用している。なおガス漏れが多いと、クッション108内の圧力が減少すると想定されるため、インパクター反力を用いることで、ガス漏れを間接的に比較することが可能となる。
図9(a)には、本発明の実施形態である第1サンプルのグラフと、比較例である第2サンプル、第3サンプルおよび第4サンプルのグラフとが例示されている。これらのグラフを比較すると、本発明の実施形態は、図9(a)に例示するように、比較例に比べて、インパクター反力が大きいことが明らかである。これは、被覆部120を形成する一対のパッチ122、124が、インフレータ110を挟むように配置されることで、インフレータ110の作動後において、インフレータ110と挿入孔112との隙間を塞ぐためである。
このため、エアバッグ装置100では、クッション108の展開時での振れと伸びとによって挿入孔112に隙間140(図6(a)参照)が生じたとしても、インフレータ110に接し挿入孔112との隙間140を塞ぐように機能する被覆部120によってガス漏れを低減できる。その結果、図9(b)に示すように、比較例のインパクター反力の平均に対して、本発明のインパクター反力の平均は、約500[N]も向上することが確認できた。
このように本実施形態では、被覆部120の一対のパッチ122、124がインフレータ110を挟み接触した状態で、インフレータ110に第1辺128、134だけでなく第2辺130、136も接する。したがって、被覆部120によれば、挿入孔112とインフレータ110との隙間140を塞ぐことができ、インフレータ110の作動時に、挿入孔112を通してクッション108の外部にガスが漏れ難くなる。
また、本実施形態では、クッション108の内側から挿入孔112を被覆部120で覆っているため、シール性が高くなり、インフレータ110が作動しクッション108が展開する際、挿入孔112を通してクッション108の外部にガスがより漏れ難くなる。ただし被覆部120は、クッション108の内側に限られず、クッション108の外側に設けてもよい。このようにすれば、クッション108に被覆部120を容易に設けることができる。さらに、被覆部120での一対のパッチ122、124における第1辺128、134および第2辺130、136とインフレータ110の外周とのクリアランスを適切に確保することで、シール性も確保できる。
また、クッション108の挿入孔112を通してインフレータ110をクッション108の内部に挿入する場合、インフレータ110は、鈍角θa、θbを成す第1辺128、134および第2辺130、136に接しながらこれを押し広げ、一対のパッチ122、124を通過できる。したがって、本実施形態によれば、インフレータ110の作動時のガス漏れを低減し、さらにインフレータ110を挿入孔112に挿入し易くできる。
図10は、図4(c)の被覆部120の変形例を例示する図である。被覆部120では、縫製ライン126によって一対のパッチ122、124がクッション108の内側に設けられていたが、縫製ライン126は挿入孔112の周囲を取り囲むものであれば、適宜の形状であってもよい。
一例として被覆部120Bは、図10(a)に示すように、円形の縫製ライン126Aを用いてクッション108の内側に設けられている。円形の縫製ライン126Aを用いた被覆部120Bでは、インフレータ110が円筒状であるため、インフレータ110を挿入する場合に、縫製ライン126A全体に比較的均一な力をかけることができる。
図10(b)に示す被覆部120Cは、格子状の縫製ライン126Bを用いてクッション108の内側に設けられている。被覆部120Cでは、格子状の縫製ライン126Bを用いることで、縫製し易いだけでなく、縫製が二重になる箇所があるため、一対のパッチ122、124をクッション108の内側に確実に設けることができる。
また被覆部120B、120Cにおいても、被覆部120と同様に、重なり合った第1辺128、134同士がスリット139をなした状態にあるため、スリット139を通してインフレータ110をより挿入し易くできる。
上記実施形態では、一対のパッチ122、124について、インフレータ110に接する側で鈍角θa、θbを成す第1辺128、134および第2辺130、136を含むとしたが、鈍角を成すのであれば、第1辺128、134、第2辺130、136やそれ以外の外形は適宜の形状であってよい。以下では、一対のパッチ122、124のうちパッチ122の変形例について説明する。
図11は、図4(a)のパッチ122の変形例を例示する図である。変形例のパッチ122Bは、図11(a)に示すように、インフレータ110に接する側で鈍角θaを成す直線からなる第1辺128Bおよび第2辺130Bを含み、インフレータ110に接しない側の外形は矩形を成している。なお外形は、矩形に限らず、三角形であってもよい。
図11(b)に示すパッチ122Cは、インフレータ110に接する側で鈍角θcを成す直線からなる第1辺128Cと、曲線からなる第2辺130Cとを含み、インフレータ110に接しない側の外形は円形の一部を成している。このように直線からなる第1辺128Cと曲線からなる第2辺130cとを組み合わせることで、インフレータ110に接する側のパッチ122Cの形状をインフレータ110の外形により合わせることができる。よって、インフレータ110は、パッチ122Cの第1辺128Cおよび第2辺130Cにより接し易くなり、パッチ122Cを用いて被覆部を形成すれば、ガス漏れをより低減できる。
図12は、図3(a)のクッション108の変形例を例示する図である。変形例のクッション108Aは、図12(a)に示すように、図中上下方向に長いスロットである挿入孔112Aを有する。また図12(b)に示すクッション108Bは、図中左右方向に長いスロットである挿入孔112Bを有する。
このように、クッション108A、108Bの挿入孔112A、112Bを、一方向に長いスロットにすれば、インフレータ110を挿入孔112A、112Bに挿入する際、挿入の向きをスロットの一方向に合わせることで、インフレータ110を挿入孔112A、112Bにより挿入し易くできる。
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態におけるエアバッグ装置100Aを例示する図である。エアバッグ装置100Aは、上記の一対のパッチ122、124からなる被覆部120に代えて、クッション108Cに形成されたスリット状の挿入孔112Cを覆うパッチ150を備える点で、上記のエアバッグ装置100と異なる。
スリット状の挿入孔112Cは、図13(a)に示すように、第1スリット152および第2スリット154を含む。第1スリット152および第2スリット154は、図13(b)に示すように、鈍角θdを成している。パッチ150は、図13(b)に示すように、挿入孔112Cを覆うように重ねられていて、第3スリット156と第4スリット158とを有する。第3スリット156は、第1スリット152に重なっている。第4スリット158は、第1スリット152を対称軸として第2スリット154に線対称であり、第3スリット156と鈍角θeを成している。そしてパッチ150は、スリット状の挿入孔112Cの周囲を取り囲む縫製ライン160によってクッション108Cの内側に設けられている。
エアバッグ装置100Aによれば、スリット状の挿入孔112Cとパッチ150とがインフレータ110を挟んだ状態で、挿入孔112Cの第1スリット152および第2スリット154と、パッチ150の第3スリット156および第4スリット158とがインフレータ110にそれぞれ接する。よって、挿入孔112Cとパッチ150とは、第1スリット152と第3スリット156だけでなく、第2スリット154と第4スリット158とによってもインフレータ110を挟むことになる。
このため、挿入孔112Cおよびパッチ150によれば、挿入孔112Cとインフレータ110との隙間を塞ぐことができる。したがって、インフレータ110が作動したとき、挿入孔112Cを通してクッション108Cの外部にガスが漏れ難くなる。また挿入孔112Cがスリット状であるため、パッチ150が1枚で済み構造を簡素化できる。さらにパッチ150は、スリット状の挿入孔112Cを覆う補強布も兼ねることができる。
また、クッション108Cの挿入孔112Cを通してインフレータ110をクッション108Cの内部に挿入する場合、インフレータ110は、第1スリット152および第3スリット156に接しながらこれを押し広げる。そして、第1スリット152および第3スリット156が押し広げられるにつれて、第2スリット154および第4スリット158もインフレータ110によって押し広げられる。このようにして、インフレータ110は、挿入孔112Cおよびパッチ150を通過できる。したがって、エアバッグ装置100Aによれば、インフレータ110の作動時のガス漏れを低減できるだけでなく、インフレータ110を挿入孔112Cに挿入し易くできる。
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態におけるエアバッグ装置100Bを例示する図である。エアバッグ装置100Bは、スリット状の挿入孔112Cを覆うパッチ170の外形に第3辺172および第4辺174が形成されている点で、上記のパッチ150を含むエアバッグ装置100Aと異なる。
パッチ170は、図14(a)に示すように第3辺172および第4辺174を含む。第3辺172および第4辺174は、図14(b)に示すように、インフレータ110に接する側で鈍角θfを成している。パッチ170は、図14(b)に示すように、挿入孔112Cを覆うように重ねられている。第3辺172は、挿入孔112Cの第1スリット152に重なっている。第4辺174は、第1スリット152を対称軸として第2スリット154に線対称であり、第3辺172と鈍角θfを成している。そして、パッチ170は、縫製ライン176によってクッション108Cの内側に設けられている。
エアバッグ装置100Bによれば、スリット状の挿入孔112Cとパッチ170とがインフレータ110を挟んだ状態で、挿入孔112Cの第1スリット152および第2スリット154と、パッチ170の第3辺172および第4辺174とがインフレータ110にそれぞれ接する。よって、挿入孔112Cとパッチ170とは、第1スリット152と第3辺172だけでなく、第2スリット154と第4辺174とによってもインフレータ110を挟むことになる。
このため、挿入孔112Cおよびパッチ170によれば、挿入孔112Cとインフレータ110との隙間を塞ぐことができる。したがって、インフレータ110が作動したとき、挿入孔112Cを通してクッション108Cの外部にガスが漏れ難くなる。さらに挿入孔112Cがスリット状であるため、パッチ170が1枚で済み構造を簡素化できる。
また、クッション108Cの挿入孔112Cを通してインフレータ110をクッション108Cの内部に挿入する場合、インフレータ110は、第1スリット152および第3辺172に接しながらこれを押し広げる。そして、第1スリット152および第3辺172が押し広げられるにつれて、第2スリット154および第4辺174もインフレータ110によって押し広げられる。このようにして、インフレータ110は、挿入孔112Cおよびパッチ170を通過できる。したがって、エアバッグ装置100Bによれば、インフレータ110の作動時のガス漏れを低減できるだけでなく、インフレータ110を挿入孔112Cに挿入し易くできる。
上記エアバッグ装置100A、100Bでは、クッション108Cの内側から挿入孔112Cをパッチ150、170で覆うことで高いシール性を確保しているが、これに限られず、クッション108Cの外側にパッチ150、170を設けてもよい。このようにすれば、クッション108Cにパッチ150、170を容易に設けることができる。さらにクッション108Cの外側から挿入孔112Cをパッチ150、170で覆う際、第3スリット156および第4スリット158とインフレータ110の外周とのクリアランス、また、第3辺172および第4辺174とインフレータ110の外周とのクリアランスをそれぞれ適切に確保することで、シール性も確保できる。
図15は、図4の被覆部120の変形例を例示する図である。変形例としての被覆部120Dは、一対のパッチ122、124を第1辺128、134上の所定の点G、Hを中心として互いに点対称に配置する点で、一対のパッチ122、124を線対称に配置して形成された被覆部120と異なる。以下、被覆部120Dを形成する手順について説明する。
まず図15(a)に示すように、一対のパッチ122、124を、第1辺128と第2辺136、さらに第2辺130と第1辺134がそれぞれ対面するように配置する。つぎに図15(b)に示すように、第1辺128、134上の所定の点G、Hを一致させるように、一対のパッチ122、124を重ねる。これにより、図15(c)に示すように一対のパッチ122、124は、第1辺128、134上の所定の点G、Hを中心として第1辺128、134同士の一部178a、178bが重なり合うように互いに点対称に配置される。このようにして被覆部120Dが形成され、重なり合った第1辺128、134同士の一部178a、178bがスリット180をなした状態となる。なお第1辺128、134同士の一部178a、178bは、図示のように、鈍角θa、θbをなす頂点132、138の間に位置する。
したがって、被覆部120Dは、一対のパッチ122、124を点対称に配置し第1辺128、134同士の一部178a、178bがスリット180をなすようにして形成できる。さらに被覆部120Dでは、第1辺128、134同士の一部178a、178bがスリット180をなすため、第1辺128、134同士がスリット139をなす被覆部120に比べスリット180の長さを短くできる。よって、被覆部120Dによれば、スリット180を通してインフレータ110を挿入する際に、インフレータ110とパッチ122、124との密着度が増して、密閉度が高くなり、外部にガスが漏れ難くなる。
上記実施形態では、エアバッグ装置としてサイドエアバッグを例示したが、これに限定されない。すなわち、本発明は、ニアサイドエアバッグやファーサイドエアバッグなどのサイドエアバッグに加え、側面衝突やそれに続いて起こるロールオーバ(横転)から乗員を守るために、壁部の天井付近からサイドウィンドウに沿って膨張展開するカーテンエアバッグや、乗員の大腿部の側方で展開するニーエアバッグ(KAB、Knee Airbag)など、シリンダ型のインフレータを利用するエアバッグに適用可能である。なおエアバッグ装置がカーテンエアバッグの場合は、ガスが導入されるダクト部分に孔を形成し、この孔にインフレータを差し込むようにすればよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態においては本発明にかかるエアバッグ装置を自動車に適用した例を説明したが、自動車以外にも航空機や船舶などに適用することも可能であり、同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、車両に設置され緊急時での乗員保護を目的として膨張展開するエアバッグ装置に利用することができる。

Claims (15)

  1. 車両に設置されるエアバッグ装置であって、
    シリンダ型のインフレータと、
    前記インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッションと、
    前記クッションに形成された挿入孔であって該挿入孔を通して前記インフレータの少なくとも一部分が該クッションの内部に挿入される挿入孔と、
    前記挿入孔を覆う被覆部とを備え、
    前記被覆部は、
    前記挿入孔に挿入された前記インフレータを挟み接触するように配置された一対のパッチを有し、
    前記一対のパッチの各々は、前記インフレータと接する側で鈍角を成す第1辺および第2辺を含むことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記被覆部は、前記クッションの内側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記被覆部は、前記クッションの外側に設けられることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記一対のパッチの各々の前記鈍角の頂点の位置が一致していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  5. 第1辺および第2辺は、直線または曲線を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記一対のパッチは、前記挿入孔の周囲を取り囲む縫製ラインによって前記クッションに縫製されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記縫製ラインは、円形または格子状であることを特徴とする請求項6に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記挿入孔は、一方向に長いスロットであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記一対のパッチは、第1辺同士を対称軸として互いに線対称に配置され、該線対称に配置されたことによって重なり合った第1辺同士がスリットをなした状態にあることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記一対のパッチは、双方のパッチの第1辺上の所定の点を中心として第1辺同士の少なくとも一部が重なり合うように互いに点対称に配置され、前記重なり合った第1辺同士の少なくとも一部がスリットをなした状態にあることを特徴とする請求項1から3、5から8のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  11. 車両に設置されるエアバッグ装置であって、
    シリンダ型のインフレータと、
    前記インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッションと、
    前記クッションに形成された挿入孔であって該挿入孔を通して前記インフレータの少なくとも一部分が該クッションの内部に挿入されるスリット状の挿入孔と、
    前記スリット状の挿入孔を覆うパッチとを備え、
    前記スリット状の挿入孔は、鈍角を成す第1スリットおよび第2スリットを含み、
    前記パッチは、第1スリットに重なる第3スリットと、第1スリットを対称軸として第2スリットに線対称であり、第3スリットと鈍角を成す第4スリットとを有することを特徴とするエアバッグ装置。
  12. 車両に設置されるエアバッグ装置であって、
    シリンダ型のインフレータと、
    前記インフレータから供給されるガスを利用して膨張展開する袋状のクッションと、
    前記クッションに形成された挿入孔であって該挿入孔を通して前記インフレータの少なくとも一部分が該クッションの内部に挿入されるスリット状の挿入孔と、
    前記スリット状の挿入孔を覆うパッチとを備え、
    前記スリット状の挿入孔は、鈍角を成す第1スリットおよび第2スリットを含み、
    前記パッチは、第1スリットに重なる第3辺と、第1スリットを対称軸として第2スリットに線対称であり、第3辺と鈍角を成す第4辺とを有することを特徴とするエアバッグ装置。
  13. 前記パッチは、前記クッションの内側に設けられることを特徴とする請求項11または12に記載のエアバッグ装置。
  14. 前記パッチは、前記クッションの外側に設けられることを特徴とする請求項11または12に記載のエアバッグ装置。
  15. 前記挿入孔は、前記インフレータの未挿入時に前記パッチにより閉じられていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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