JPWO2016072258A1 - インク供給装置、インクジェット記録装置及びインク供給方法 - Google Patents

インク供給装置、インクジェット記録装置及びインク供給方法 Download PDF

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Abstract

脱気モジュール内に気体を残留させることなくインクを導入し、速やかに画像形成を開始させることのできるインク供給装置を提供する。インクジェットヘッド24aにインクを供給するインク供給装置60は、第2サブタンク241に接続されインクが流通するインク流路2428と、気体が流通する気体流路2429とが、インク中の溶存気体を透過可能な中空糸膜2426により仕切られた脱気モジュール242と、気体流路2429を脱気することで、脱気モジュール242内を脱気する真空ポンプ249と、真空ポンプ249により気体流路2429内を脱気し、中空糸膜2426を介してインク流路2428内が脱気されてインク流路2428内が負圧になることでインクが流入され、インク流路2428内がインクで満たされた後、インクジェットヘッド24aにインクを送液する制御部40と、を備える。

Description

本発明は、インク供給装置、インクジェット記録装置及びインク供給方法に関する。
従来、インクジェットヘッド内の圧力発生室のインクを加圧してノズルからインク滴を吐出させ、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。
上記インクジェット記録装置にあっては、インクに気泡が含まれていると圧力発生室内の圧力が低下し、インク滴の吐出性能が低下する。このため、インクが溶存気体を含まないように工場等で十分に脱気して空気遮蔽袋に充填し、これをインクジェット記録装置に取り付けて使用していた。
一方、インクジェットヘッドのノズル数が多く、高速の印画を行うことで記録時に大量のインクを消費するインクジェット記録装置にあっては、インクを充填するインクタンクを備え、当該インクタンクとインクジェットヘッドとの間に脱気モジュールを備える構成が採用されている(例えば、特許文献1参照)。当該脱気モジュールは、インクが流通するインク流路と、脱気ポンプに接続されて気体が流通する気体流路とが、インク中の溶存気体を透過する透過部材により仕切られて構成される。より具体的には、脱気モジュールは、気体を透過させるが液体は透過させない程度の細かい穴が無数に開いたチューブ状の中空糸膜を有し、当該中空糸膜の内側又は外側が真空状態にされることで、当該中空糸膜の内側又は外側を流れるインク中から溶存気体を引き抜くように構成される。このような脱気モジュールを備えるインクジェット記録装置においては、脱気ポンプを動作させることで脱気モジュールの気体流路内を脱気し、インク流路内で中空糸膜に接触するインクを脱気し、脱気されたインクをインクジェットヘッドに送液して画像形成を行う。
上記インクジェット記録装置において、インクが導入される前の脱気モジュールやインクジェットヘッド等に対してインクを初期導入する際には、予め脱気ポンプを動作させて脱気モジュールの気体流路内を脱気し、当該気体流路内が所定の真空度に到達した後に、送液ポンプを動作させてインクを脱気モジュールへ導入していた。
特開2007−136957号公報
しかしながら、脱気モジュールを構成する中空糸膜は、インクとの接触面積を増大させるべく無数に設けられ、これによりインク流路は複雑な形状を有している場合が多い。したがって、送液ポンプ等によりインクを脱気モジュール内へ強制的に導入させると、中空糸膜同士の間に残留した空気等の残留気体がインクに混ざり合ってしまうことでインク中の溶存気体量が増大してしまう。これにより、インクの脱気処理に長時間を要し、インクを初期導入してもすぐに画像形成を開始することができないといった問題があった。
そこで、本発明の課題は、脱気モジュール内に気体を残留させることなくインクを導入し、速やかに画像形成を開始させることのできるインク供給装置、インクジェット記録装置及びインク供給方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給装置であって、
インク供給源に接続されインクが流通するインク流路と、気体が流通する気体流路とが、インク中の溶存気体を透過可能な透過部材により仕切られた脱気モジュールと、
前記気体流路を脱気することで、前記脱気モジュール内を脱気する脱気ポンプと、
前記脱気ポンプにより前記気体流路内を脱気し、前記透過部材を介して前記インク流路内が脱気されて前記インク流路内が負圧になることでインクが流入され、前記インク流路内がインクで満たされた後、前記インクジェットヘッドにインクを送液する制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインク供給装置であって、
前記脱気モジュールは、外部還流型の中空糸膜脱気モジュールであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインク供給装置であって、
前記インク流路内がインクで満たされたことを検知する検知手段を更に備え、
前記制御部は、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記インク流路内がインクで満たされたか否かを判定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインク供給装置であって、
前記制御部は、前記脱気ポンプによる前記気体流路内の脱気開始時からの経過時間に基づいて、前記インク流路内がインクで満たされたか否かを判定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のインク供給装置であって、
前記インクジェットヘッドにインクを送液する送液ポンプを更に備え、
前記制御部は、前記インク流路内がインクで満たされた後、前記送液ポンプにより前記インクジェットヘッドにインクを送液することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、インクジェット記録装置であって、
請求項1から5のいずれか一項に記載のインク供給装置と、
前記インク供給装置により供給されたインクを吐出するインクジェットヘッドと、を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給方法であって、
インク供給源に接続されインクが流通するインク流路と、気体が流通する気体流路とが、インク中の溶存気体を透過可能な透過部材により仕切られた脱気モジュールにおいて、前記気体流路内を脱気する工程と、
前記気体流路が脱気されることで、前記透過部材を介して前記インク流路内が脱気されて前記インク流路内が負圧になることでインクが流入され、前記インク流路内がインクで満たされた後、前記インクジェットヘッドにインクを送液する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、脱気モジュール内に気体を残留させることなくインクを導入し、速やかに画像形成を開始させることのできるインク供給装置、インクジェット記録装置及びインク供給方法を提供することができる。
本発明の一実施形態であるインクジェット記録装置の主要構成を示す図である。 インクの経路について説明する図である。 インクの経路の一部を拡大して示した図である。 脱気モジュールの概略断面図である。 インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 初期導入におけるインク供給処理を示すフローチャートである。 本発明及び従来技術のそれぞれについて、インク送液開始時からの経過時間に対して真空ポンプの真空排気時間の比率をプロットしたグラフである。 本発明及び従来技術のそれぞれについて、インク送液開始時からの経過時間に対して脱気モジュールの気体流路内の真空度をプロットしたグラフである。 本発明及び従来技術のそれぞれについて、インク送液開始直後の印字枚数に対してノズル欠の累積発生数をプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係るインク供給装置、インク供給方法及びインクジェット記録装置について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態であるインクジェット記録装置1の主要構成を示す図である。
インクジェット記録装置1は、給紙部10、画像形成部20、排紙部30及び制御部40(図5参照)を備える。インクジェット記録装置1は、制御部40の制御下で、給紙部10に格納された記録媒体Pを画像形成部20に搬送し、画像形成部20で記録媒体Pに画像を形成し、画像が形成された記録媒体Pを排紙部30に排紙する。
給紙部10は、記録媒体Pを格納する給紙トレー11と、給紙トレー11から画像形成部20へ記録媒体Pを搬送する搬送部12とを有する。
給紙トレー11は、一又は複数の記録媒体Pを載置可能に設けられた板状の部材である。給紙トレー11は、給紙トレー11に載置された記録媒体Pの量に応じて上下動するよう設けられており、当該上下動方向について、最上の記録媒体Pが搬送部12により搬送される位置で保持される。
搬送部12は、内側が複数(例えば、2本)のローラー121、122により担持された輪状のベルト123を駆動してベルト123上の記録媒体Pを搬送する搬送機構や、給紙トレー11上に載置された最上の記録媒体Pをベルト123上に受け渡す供給部を有する。搬送部12は、当該供給部によりベルト123上に受け渡された記録媒体Pをベルト123に沿わせるように搬送する。
画像形成部20は、円筒状の外周面に沿って記録媒体Pを担持する画像形成ドラム21、給紙部10の搬送部12により搬送された記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡す受け渡しユニット22、画像形成ドラム21に担持された記録媒体Pを加熱する用紙加熱部23、画像形成ドラム21に担持された記録媒体Pにインクを吐出して画像を形成するヘッドユニット24、記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させるためのエネルギー線を照射する照射部25、照射部25の照射を受けた記録媒体Pを画像形成ドラム21から排紙部30に搬送するデリバリー部26等を有する。
画像形成ドラム21は、円筒状の外周面に沿って記録媒体Pを担持し、回転に伴って当該記録媒体Pを搬送する。画像形成ドラム21の搬送面は、用紙加熱部23、ヘッドユニット24及び照射部25と対向し、搬送される記録媒体Pに対して画像形成に係る処理を行う。
受け渡しユニット22は、給紙部10の搬送部12と画像形成ドラム21との間に介在する位置に設けられる。受け渡しユニット22は、搬送部12により搬送された記録媒体Pの一端を担持する爪部221や、爪部221に担持された記録媒体Pを誘導する円筒状の受け渡しドラム222等を有し、搬送部12上の記録媒体Pを爪部221により取り上げて受け渡しドラム222の外周面に沿わせることで記録媒体Pを画像形成ドラム21の外周面に沿う向きに誘導して画像形成ドラム21に受け渡す。
用紙加熱部23は、例えば、電熱線等を有し、通電に応じて発熱する。用紙加熱部23は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転による記録媒体Pの搬送方向についてヘッドユニット24の上流側に位置するよう設けられる。用紙加熱部23は、画像形成ドラム21に担持されて用紙加熱部23の近傍を通過する記録媒体Pが所定の温度となるようにその発熱を制御部40により制御される。
また、用紙加熱部23の近傍には図示しない温度センサーが設けられている。制御部40は、当該温度センサーにより検知された用紙加熱部23付近の温度に基づいて、画像形成ドラム21に担持されて用紙加熱部23の近傍を通過する記録媒体Pが所定の温度となるよう用紙加熱部23の動作を制御する。
ヘッドユニット24は、画像形成ドラム21に担持された記録媒体Pに対してインクを吐出し、画像を形成する。ヘッドユニット24は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色についてそれぞれ設けられている。図1では、画像形成ドラム21の回転に伴い搬送される記録媒体Pの搬送方向に対して上流からY、M、C、Kの各色に対応したヘッドユニット24が順番に設けられている。
本実施形態のヘッドユニット24は、記録媒体Pの搬送方向に垂直な方向(幅方向)について記録媒体Pの全体をカバーする長さ(幅)で設けられている。すなわち、インクジェット記録装置1は、ワンパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。ヘッドユニット24は、複数のインクジェットヘッド24aが配列されて構成されている。
照射部25は、例えば、低圧水銀ランプ等の蛍光管を有し、当該蛍光管の発光により紫外線等のエネルギー線を照射する。照射部25は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転による記録媒体Pの搬送方向についてヘッドユニット24の下流側に位置するよう設けられる。照射部25は、画像形成ドラム21に担持されてインクが吐出された記録媒体Pに対してエネルギー線を照射して当該エネルギー線の作用により記録媒体P上のインクを硬化させる。
なお、紫外線を発する蛍光管は低圧水銀ランプに限らず、数百Pa〜1MPa程度の動作圧力を有する水銀ランプ、殺菌灯として利用可能な光源、冷陰極管、紫外線レーザー光源、メタルハライドランプ、発光ダイオード等が挙げられるが、紫外線をより高照度で照射可能であって省電力な光源(例えば、発光ダイオード等)であることが望ましい。また、エネルギー線は紫外線に限らず、インクの性質に応じてインクを硬化させる性質を有するエネルギー線であれば良く、光源もエネルギー線に応じて置換される。
デリバリー部26は、内側が複数(例えば、2本)のローラー261、262により担持された輪状のベルト263を駆動してベルト263上の記録媒体Pを搬送する搬送機構や、記録媒体Pを画像形成ドラム21から当該搬送機構に受け渡す円筒状の受け渡しローラー264等を有する。デリバリー部26は、受け渡しローラー264によりベルト263上に受け渡された記録媒体Pをベルト263に沿わせるように搬送して排紙部30に送り出す。
排紙部30は、デリバリー部26により画像形成部20から送り出された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31等を有し、画像形成後の記録媒体Pがユーザーにより取り出されるまで格納する。
ここで、本発明のインクジェット記録装置1に用いられるインクとしては、特には限られるものではないが、例えば、紫外線(UV)硬化型のインクが用いられる。このUV硬化型インクは、UVが照射されない状態では、温度に応じてゲル状態と液体(ゾル)状態との間で相変化するゲル状インクである。このインクは、所定の温度、例えば40〜100℃程度の相変化温度を有し、この相変化温度以上に加熱上昇されることで一様に液化(ゾル化)する。一方、このインクは、通常の室温程度(0〜30℃)を含む当該所定の温度以下ではゲル化する。
なお、本発明のインク供給装置60及びインクジェット記録装置1に用いられるインクとしては、上記のようなゲル状インクに限られるものではなく、水性インクやその他の物性を有するインクであっても良い。
図2は、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるインクの経路を説明する図である。また、図3は、当該インクの経路の一部を拡大して示した図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、インク供給部50のインクタンク51から供給ポンプ53により汲み出されたインクは、インク経路24bを介して各インクジェットヘッド24aへ供給される。また、各インクジェットヘッド24aで吐出されなかったインクをインク経路24bに戻すことが可能な構成となっている。
インク経路24b中には、第2サブタンク(インク供給源)241と、脱気モジュール242と、送液ポンプ243と、逆止弁244と、第1サブタンク245等が設けられている。これらは、特に限定されるものではないが、例えば中空の円環状のチューブ構造の部材で繋がれている。
また、脱気モジュール242に対して並列に循環ポンプ246が設けられ、脱気モジュール242の両端に接続された循環経路24cを介し、脱気モジュール242から流出したインクを脱気モジュール242のインク流入口2422手前に戻すことが可能となっている。
これらインクジェットヘッド24a、インク経路24b及び循環経路24cは、ヒーターやヒーターからの熱を伝える伝熱部材等のインク加熱部270によって加熱、保温されて、インクの温度が適切な温度に保たれるようになっている。このインク加熱部270のヒーターとしては、例えば、電熱線が用いられ、通電されることによりジュール熱を生じる。伝熱部材としては、熱伝導率の高い部材、例えば、各種金属(合金)で形成された熱伝導板が用いられ、インク経路24bや循環経路24cの配管を覆ったり、第2サブタンク241や第1サブタンク245の側壁に接触させたりして設けられる。
また、脱気モジュール242には、逆止弁247と、トラップ248と、真空ポンプ(脱気ポンプ)249等が直列に接続されて、脱気装置が構成されている。
第2サブタンク241は、供給ポンプ53によりインクタンク51から汲み出されたインクを貯留する一又は複数のインク室である。第2サブタンク241の容量は、通常、インクタンク51より小さい。第2サブタンク241には、フロートセンサー241aが設けられ、当該フロートセンサー241aによる液面位置の検出データに基づいて制御部40が供給ポンプ53を動作させることにより所定量のインクが貯留されるようになっている。
脱気モジュール242は、流入したインクから空気等の気体を取り除く脱気処理を行い、当該脱気されたインクを排出する。本実施形態の脱気モジュール242は、外部還流型の中空糸膜脱気モジュールである。また、本実施形態の脱気モジュール242は、通常、1回の脱気でインクの吐出に悪影響を及ぼさないレベルまでインク中の空気濃度を低下させることができるが、複数回脱気を行うことで、更に空気濃度を低下させることができる。
図4は、円筒状の脱気モジュール242の中心軸を通る面で切断した概略断面図である。
脱気モジュール242は、外殻2421の内部において、中心管2424の周囲を多数の中空糸膜(透過部材)2426が覆う形状になっている。中心管2424の一端は、インク流入口2422に繋がり、他方は、プラグ2424aで封止されている。中心管2424の外壁には、無数の細穴2424b(ミシン穴)が設けられており、インク流入口2422から中心管2424に流入したインクは、これら細穴2424bから周囲に流出して、中空糸膜2426の間を抜けてインク流出口2423から流出する。これらインク流入口2422、中心管2424の内部、中心管2424の外側であって多数の中空糸膜2426の間、インク流出口2423等によりインク流路2428が構成されている。
中空糸膜2426は、一端が閉塞した多数の中空状の微細糸構造をなし、その膜面は、気体透過性を有する。中空糸膜2426の微細糸構造の他端は、気体流出口2425に繋がっており、真空ポンプ249で空気が吸引されることにより中空糸膜2426の微細糸構造内部が減圧される。この状態で、中空糸膜2426の膜面にインクが接触することで、インク中の空気等の気体のみが選択的に膜面を透過してインクが脱気される。これら中空糸膜2426の微細糸構造内部、気体流出口2425等により気体流路2429が構成されている。
ここで、本実施形態の脱気モジュール242は、中空糸膜2426の内側が脱気されて当該中空糸膜2426の外側にインクが流通される外部還流型の中空糸膜脱気モジュールである。外部還流型の場合、中空糸膜は収縮する方向に圧力がかかるため、中空糸膜の外側が脱気されて当該中空糸膜の内側にインクが流通される内部還流型と比べて、中空糸膜の糸切れ等の不具合を起こしにくい。その一方で、外部還流型はインク流路が複雑に入り組んでいるため、インクの初期導入時に当該インク流路に空気が残留しやすいが、本発明によれば外部還流型であっても空気を残留させることなくインクの初期導入を行うことができる。
ここで、本発明において初期導入とは、脱気モジュール242やインクジェットヘッド24a等のインク経路24b内にインクが充填されておらず、空気等の気体が存在している状態のインクジェット記録装置1のインク供給系に対してインクを導入することをいう。
また、脱気モジュール242のインク流路2428内であって、インク流入口2422から流入したインクが最も到達しにくい位置には、インク流路2428内がインクで満たされたことを検知するセンサー(検知手段)2427が設けられている。インク流路2428内においてインクが最も到達しにくい位置とは、その位置にインクが到達したならばインク流路2428内の全領域がインクで満たされたといえる位置であり、例えば、多数の中空糸膜2426の基端部同士の間や、インク流入口2422から最も離間し且つインク流出口2423からも離間した位置等が挙げられる。センサー2427が設けられた位置においてインクが到達したことを検知したときに、その検知結果を制御部40に出力する。
送液ポンプ243は、脱気モジュール242のインク流出口2423から流出したインクを第1サブタンク245へ送る。送液ポンプ243と第1サブタンク245の間には、逆止弁244が設けられており、一度第1サブタンク245へ送られたインクが逆流することを防止している。
なお、送液ポンプ243は、脱気モジュール242と第1サブタンク245との間に設けられるものとしたが、これに限られるものではなく、第2サブタンク241と脱気モジュール242との間に設けられるものとしても良い。
第1サブタンク245は、脱気モジュール242で脱気されたインクが一時的に貯留される小型のインク室であり、特には限られないが、第2サブタンク241と略同一程度の容量である。第1サブタンク245は、各インクジェットヘッド24aのインレット240aに接続されて、ノズルから吐出されるインク量に応じたインクがこの第1サブタンク245から各インクジェットヘッド24aに供給される。第1サブタンク245には、フロートセンサー245aが設けられ、当該フロートセンサー245aによる液面位置の検出データに基づいて制御部40が送液ポンプ243を動作させることにより所定量のインクが貯留されるようになっている。また、第1サブタンク245には、浮き蓋245bが設けられて、脱気されたインクの表面を覆っている。第1サブタンク245は、大気に対して開放されているので、浮き蓋245bにより大気と脱気済みインクとの接触面積を小さくすることで、再度インクに空気が混入するのを防いでいる。なお、工業用途で用いられるインクジェット記録装置1では、連続的な画像形成等により脱気されたインクが第1サブタンク245で長時間貯留されないので、再度混入する空気の量は少ない場合が多い。したがって、第1サブタンク245は、この浮き蓋245bを有しない構成であっても良い。
インクジェットヘッド24aのノズルから吐出されなかったインクは、アウトレット240bから回収路241b及びバルブ241cを介して第2サブタンク241に戻すことが可能となっている。インクジェットヘッド24aのメンテナンス時等にインクジェットヘッド24aからインクを抜く必要がある場合、バルブ241cを開放することで、インクジェットヘッド24aのインクを無駄にせず回収することが可能となる。
脱気モジュール242と真空ポンプ249の間には、逆止弁247を介してトラップ248が設けられている。中空糸膜2426は、通常、液体のインクを透過させないが、真空ポンプ249による負圧の程度によっては、微量のインクが透過する場合がある。この透過したインクが真空ポンプ249に到達すると、真空ポンプ249が劣化するので、トラップ248は、その前に当該インクを回収する。トラップ248により回収されたインクは、トラップ248に接続された図示略のバルブを開放して抜き取ることができる。
上述したように、このインクジェット記録装置1では、脱気モジュール242がインクタンク51からインクジェットヘッド24aへの通常のインク流路の途中に設けられて、少なくとも一回インクが脱気モジュール242を通過する構成となっている。すなわち、インクタンク51から供給されたインクに対する脱気処理と脱気されたインクのインクジェットヘッド24aへの供給とは、切り替えられることなく一連の動作として行われる。そして、この脱気モジュール242に並列に循環ポンプ246及び循環経路24cが設けられて、必要に応じて複数回脱気モジュール242にインクを流入させることができるので、画像形成が中断されている場合や、インク使用量が少なく、余裕がある場合などには、複数回脱気を行って脱気度を上昇させることができる。また、インクジェット記録装置1の電源投入時などに、低下していたインクの脱気度を速やかに上昇、回復させることができる。また、上述のように、第1サブタンク245でのインクの滞留による脱気度の低下は、ほとんど問題にならないが、インクの吐出量が少ないことで第1サブタンク245内でのインクの滞留時間が比較的長くなる場合に、脱気モジュール242でインクの脱気度を上げておくことで、第1サブタンク245全体でのインクの脱気度を保つ効果も得られる。
循環ポンプ246の流量は、制御部40によって適宜調節することが可能である。例えば、送液ポンプ243と循環ポンプ246の流量の和が一定となるようにインクジェットヘッド24aでのインク吐出量に応じて循環ポンプ246の流量を制御しても良い。又は、単純に送液ポンプ243の動作中には循環ポンプ246をオフし、循環ポンプ246が動作していない場合(又は、インク流量が所定の値以下の場合)には循環ポンプ246をオンすることとしても良い。或いは、循環ポンプ246の流量を固定しておき、送液ポンプ243の流量変化に応じてインクタンク51からのインク供給量を変化させることも可能である。
なお、循環ポンプ246の最大流量は、インク経路24bの最大流量以下とされる。インク経路24bの最大流量より大きい流量が設定されても脱気モジュール242は、十分なインクを循環経路24cに流入させることができず、特に、逆止弁244が設けられていない場合には、インクを第1サブタンク245から逆流させてしまうことになって、インクジェットヘッド24aにおけるインクの吐出に問題が生じる。
また、上述のように、送液ポンプ243の流量の増加に対して循環ポンプ246の流量を減少させるのではなく、インク経路24bの最大流量以下の範囲内において、送液ポンプ243の流量に対して所定の比率の流量で循環ポンプ246を動作させることで、常に所定の割合のインクが循環するように調整しても良い。
ここで、上述のように、インク経路24bのインクは、インク加熱部270により加熱保温される。特に、脱気モジュール242には、電熱線271(加熱部)が設けられている。脱気モジュール242の内部には外側を覆うヒーターや伝熱板などからの熱が伝わり難いので、このように別途加熱を行って内部まで熱伝導させておくことで、通常のインク経路24b内よりもインクの滞留時間が長い脱気モジュール242の内部においてより効率的にインクが加熱される。また、本実施形態のインクジェット記録装置1では、インクジェットヘッド24aへのインクの供給が停止されているときも、循環ポンプ246によって適宜脱気モジュール242内のインクを循環させることで、脱気モジュール242や循環経路24cを流れるインク全体を、適切且つバランス良くインクが加熱、保温される。また、インクジェット記録装置1の電源投入時などにインクが冷えてしまっている場合でも、速やかにインクを加熱させて適切な温度で循環、吐出可能とすることができる。
上記した各構成のうち、第2サブタンク241、送液ポンプ243、真空ポンプ249、センサー2427及び制御部40等により、本発明のインク供給装置60が構成されている。
図5は、インクジェット記録装置1の内部構成を示すブロック図である。
制御部40は、図5に示すように、上記インクジェット記録装置1を構成する各部と接続されており、インクジェット記録装置1を構成する各部を制御する。制御部40は、CPU41、RAM42及びROM43等を有する。CPU41は、ROM43等の記憶装置から処理内容に応じた各種のプログラムやデータ等を読み出して実行し、実行された処理内容に応じてインクジェット記録装置1の各部の動作を制御する。RAM42は、CPU41により処理される各種のプログラムやデータ等を一時的に記憶する。ROM43は、CPU41等により読み出される各種のプログラムやデータ等を記憶する。
具体的には、制御部40は、インクジェット記録装置1に対してインクを初期導入する際に、次のような処理を行う。
すなわち、制御部40は、真空ポンプ249により気体流路2429内を脱気し、中空糸膜2426を介してインク流路2428内が脱気されてインク流路2428内にインクが流入され、インク流路2428内がインクで満たされた後、送液ポンプ243によりインクジェットヘッド24aへインクを送液する。また、制御部40は、センサー2427による検知結果に基づいて、インク流路2428内がインクで満たされたか否かを判定する。
次に、上記のように構成されたインク供給装置60及びインクジェット記録装置1において、初期導入時のインク供給処理の一例について、図6を参照して以下説明する。図6は、初期導入時のインク供給処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部40は、真空ポンプ249により脱気モジュール242の気体流路2429内の脱気を開始する(ステップS101)。このとき、制御部40は、送液ポンプ243及び循環ポンプ246の動作は開始させていない。
真空ポンプ249により気体流路2429内が一定以上脱気されると、中空糸膜2426を介してインク流路2428内に存在する空気等の気体が除去され始め、インク流路2428内が脱気されていく。インク流路2428内が脱気され負圧になるにつれて、インク経路24b内における第2サブタンク241とインク流入口2422との間の領域も脱気されて、送液ポンプ243を用いずとも第2サブタンク241からインク流路2428内にインクが自然に引き込まれる。同様に、インク経路24b内におけるインク流出口2423と第1サブタンク245との間の領域も脱気されるが、逆止弁244が設けられているため、第1サブタンク245からインク流路2428内にインクが引き込まれることはない。また、上記した通り送液ポンプ243は動作を開始していないので、インク流路2428内に流入したインクはインク流出口2423から流出することなくインク流路2428内に充満していく。第2サブタンク241よりインク流路2428内に引き込まれたインクは、インク流路2428内に充満していく間に、中空糸膜2426に接触している部分から溶存気体が除去される。
次に、制御部40は、センサー2427による検知結果に基づいて、インク流路2428内がインクで満たされたか否かを判定する(ステップS102)。上記した通りセンサー2427はインク流路2428内の最もインクが到達しにくい位置に設けられているため、センサー2427がインクを検知した場合には、インク流路2428内がインクで充満されたものとみなすことができる。
インク流路2428内がインクで満たされていないと判定されると(ステップS102;NO)、制御部40は、再度ステップS102の処理を行う。
一方、インク流路2428内がインクで満たされたと判定されると(ステップS102;YES)、制御部40は、送液ポンプ243によりインクジェットヘッド24aへのインクの送液を開始する(ステップS103)。
このようにして、初期導入時のインク供給処理を行う。
なお、上記インク供給処理では、制御部40が、センサー2427による検知結果に基づいてインク流路2428内がインクで満たされたか否かを判定するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、制御部40は、真空ポンプ249による気体流路2429内の脱気開始とともに計時を開始し、脱気開始時からの経過時間に基づいて、インク流路2428内がインクで満たされたか否かを判定するものとしても良い。この場合には、制御部40は、脱気開始時からインク流路2428内にインクが満たされるまでの時間を予め記憶しておき、実測された時間が、予め記憶された時間に到達した時に、インク流路2428内がインクで満たされたと判定する。
図7〜図9を参照して、本発明のインク供給装置60の作用及び効果について説明する。
図7〜図9は、本発明のインク供給装置60によりインクの初期導入を行った場合(図7〜図9中、実線A)と、従来技術のインク供給装置によりインクの初期導入を行った場合(図7〜図9中、破線B)とを比較したグラフである。
ここで、従来技術のインク供給装置は、真空ポンプにより脱気モジュール内の気体流路を脱気し、当該気体流路内が所定の真空度に到達したら、送液ポンプにより脱気モジュール内のインク流路及びインクジェットヘッドにインクを送液するように構成されている。従来技術のインク供給装置を構成する各部材は、上記した本発明のインク供給装置60を構成する各部材と略同一に構成されているものとし、インクが脱気モジュール内に流入するタイミングが異なっている。
図7は、インクの送液開始時からの経過時間を横軸に、真空ポンプの真空排気時間の比率を縦軸にとったグラフである。ここで、真空ポンプは、制御部により動作が開始されると、気体流路内が予め設定された所定の真空度未満である場合には真空排気を行い、気体流路内が当該設定された圧力以上である場合には真空排気を停止する。真空ポンプの真空排気時間の比率とは、図7のグラフにおける各プロット間の時間に対して、真空ポンプが実際に真空排気を行っている時間の割合をいう。
また、図8は、インクの送液開始時からの経過時間を横軸に、各経過時間の時点における脱気モジュールの気体流路内の真空度を縦軸にとったグラフである。縦軸に示す真空度は、大気圧を0Paとしたときのゲージ圧で示している。
なお、図7及び図8では、横軸の「0min」は、上記した通りインクの送液開始時を示すものであって、本発明に係る実線Aでは、センサー2427によりインク流路2428内がインクで満たされたことを検知した時を示し、従来技術に係る破線Bでは、脱気モジュールの気体流路内が所定の真空度に到達した時を示している。したがって、図7及び図8における横軸「0min」の時点において、本発明のインク供給装置60と従来技術のインク供給装置とでは、真空ポンプによる脱気開始時点からの経過時間は異なっているものである。具体的には、本発明のインク供給装置60の方が、従来技術のインク供給装置よりも30秒程度長く真空ポンプ249による脱気を行っている。
図7及び図8に示すように、本発明のインク供給装置60においては、インクの送液を開始してから時間が経過しても、真空ポンプ249の真空排気時間の比率及び気体流路2429内の真空度が一定であり、脱気モジュール242の気体流路2429内の真空度に大きな変動がないことが分かる。
これに対し、従来技術のインク供給装置においては、図7に示すように、インクの送液開始時(0min)において真空ポンプ249の真空排気時間の比率が高い値を示しており、時間の経過と共に徐々に低下している。また、図8に示すように、インクの送液開始時(0min)から所定時間が経過する毎に、脱気モジュールの気体流路内の真空度が低下している。
これは、従来技術のインク供給装置は、脱気モジュールの気体流路内が所定の真空度に到達した時点でインクの送液を開始しているため、脱気モジュールのインク流路内に空気が残留しており、インクが流入されることでインクと残留空気が混ざり合ってしまうためと考えられる。これにより、インクから当該残留空気が徐々に引き抜かれることで脱気モジュールの気体流路内の真空度が低下し、真空ポンプの真空排気時間の比率が増大しているものと考えられる。
したがって、従来技術のインク供給装置においては、インクに混ざり合った残留空気が除去されるまでの間、インクに当初から含まれている溶存気体を除去することができない。図7及び図8に示す通り、従来技術のインク供給装置は、インクに混ざり合った残留空気が除去されるまで4.5min程度を要する。
これに対し、本発明のインク供給装置60は、インク送液開始前に従来技術のインク供給装置よりも30秒程度長く脱気しているが、インク送液開始時にインク流路2428内には空気が残留しておらずインクに混ざり合うことがないため、インクの送液開始時にはインク中の溶存気体を除去できる状態となっている。また、インク送液開始前において、脱気されたインク流路2428内にインクが流入している間も、中空糸膜2426に接触するインクから溶存気体の除去が進行しているものである。
よって、図7及び図8から、本発明のインク供給装置60は、脱気モジュール242内に気体を残留させることなく従来技術のインク供給装置よりも短時間でインクを初期導入できるといえる。
図9は、インクの送液開始直後にインクジェット記録装置による画像形成を開始した場合の印字枚数を横軸に、各印字枚数の画像形成を行った時点におけるノズル欠の累積発生数を縦軸にとったグラフである。
図9に示すように、本発明のインク供給装置60においては、画像形成開始から600枚の画像形成を行ってもノズル欠が一度も発生していないことが分かる。
これに対し、従来技術のインク供給装置においては、所定枚数の画像形成を行う毎に、ノズル欠が発生していることが分かる。これは、上記の通り、従来技術のインク供給装置は、脱気モジュールの気体流路内が所定の真空度に到達した時点でインクの送液を開始しているため、脱気モジュールのインク流路内に空気が残留しており、インクが流入されることでインクと残留空気が混ざり合ってしまうためと考えられる。これにより、残留空気が混ざり合い且つ当初から含まれる溶存気体が除去されていないインクがインクジェットヘッド内に供給されることで、多数のノズル欠が発生してしまうものと考えられる。
したがって、従来技術のインク供給装置においては、ノズル欠を発生させないためには、インクに混ざり合った残留空気及び当初から含有されている溶存気体が除去されるまでの間、インクをインクジェットヘッドに送液することができず、速やかに画像形成を開始させることができない。
上記した通り本発明のインク供給装置60は、従来技術のインク供給装置よりも30秒程度長く脱気しているものであるが、インクの送液開始直後から画像形成を行ってもノズル欠が発生しない。したがって、本発明のインク供給装置60によれば、インクジェットヘッドに速やかに画像形成を開始させることができるといえる。
以上、上記した実施形態によれば、インクジェットヘッド24aにインクを供給するインク供給装置60が、第2サブタンク241に接続されインクが流通するインク流路2428と気体が流通する気体流路2429とがインク中の溶存気体を透過可能な中空糸膜2426により仕切られた脱気モジュール242と、気体流路2429を脱気することで脱気モジュール242内を脱気する真空ポンプ249と、真空ポンプ249により気体流路2429内を脱気し、中空糸膜2426を介してインク流路2428内が脱気されてインク流路2428内が負圧になることでインクが流入され、インク流路2428内がインクで満たされた後、インクジェットヘッド24aにインクを送液する制御部40と、を備えるので、インク流路2428内に存在する空気等の気体と混ざり合わさることなく、インクをインク流路2428内に流入させることができる。インク流路2428内に存在する気体がインクと混ざり合わないため、当該気体を脱気モジュール242内に残留させることなく確実に除去することができるとともに、当該インク中に溶存する溶存気体を速やかに除去することができる。また、これにより、真空ポンプ249による脱気を開始してから短時間でインクをインクジェットヘッドに供給でき、速やかに画像形成を開始させることができる。
また、脱気モジュール242が、インク初期導入時にインク流路2428内に空気等の気体が残留しやすい外部還流型の中空糸膜脱気モジュールであっても、上記したように中空糸膜2426を介してインク流路2428内が脱気されることで、インク流路2428内にインクが流入するため、インク流路2428内に空気等の気体を残留させることなく確実に除去することができる。
また、インク流路2428内がインクで満たされたことを検知するセンサー2427を更に備え、制御部40が、センサー2427による検知結果に基づいて、インク流路2428内がインクで満たされたか否かを判定するので、簡易な構成でより確実にインク流路2428内がインクで満たされたことを検知することができる。
また、制御部40が、真空ポンプ249による気体流路2429内の脱気開始時からの経過時間に基づいて、インク流路2428内がインクで満たされたか否かを判定する場合には、上記センサー2427を備える必要がないため、更に簡易な構成でインク流路2428内がインクで満たされたことを検知することができる。
なお、上記した実施形態では、インク供給装置60が、インクジェット記録装置1の構成の一部であるものとしたが、インクジェット記録装置1とは別個に構成された装置であっても良い。
また、上記した実施形態では、脱気モジュール242が、外部還流型の中空糸膜脱気モジュールであるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、内部還流型の中空糸膜脱気モジュール、又はその他の構造の脱気モジュールであっても良い。
また、上記した実施形態では、脱気モジュール242のインク流路2428から第1サブタンク245にインクを送液するものとしたが、第1サブタンク245が設けられていなくても良く、インク流路2428からインクジェットヘッド24aに直接インクを送液するものとしても良い。
本発明は、インク供給装置、インクジェット記録装置及びインク供給方法に利用することができる。
1 インクジェット記録装置
24a インクジェットヘッド
40 制御部
60 インク供給装置
241 第2サブタンク(インク供給源)
242 脱気モジュール
243 送液ポンプ
249 真空ポンプ(脱気ポンプ)
2426 中空糸膜(透過部材)
2427 センサー
2428 インク流路
2429 気体流路
P 記録媒体

Claims (7)

  1. インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給装置であって、
    インク供給源に接続されインクが流通するインク流路と、気体が流通する気体流路とが、インク中の溶存気体を透過可能な透過部材により仕切られた脱気モジュールと、
    前記気体流路を脱気することで、前記脱気モジュール内を脱気する脱気ポンプと、
    前記脱気ポンプにより前記気体流路内を脱気し、前記透過部材を介して前記インク流路内が脱気されて前記インク流路内が負圧になることでインクが流入され、前記インク流路内がインクで満たされた後、前記インクジェットヘッドにインクを送液する制御部と、を備えることを特徴とするインク供給装置。
  2. 前記脱気モジュールは、外部還流型の中空糸膜脱気モジュールであることを特徴とする請求項1に記載のインク供給装置。
  3. 前記インク流路内がインクで満たされたことを検知する検知手段を更に備え、
    前記制御部は、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記インク流路内がインクで満たされたか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインク供給装置。
  4. 前記制御部は、前記脱気ポンプによる前記気体流路内の脱気開始時からの経過時間に基づいて、前記インク流路内がインクで満たされたか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のインク供給装置。
  5. 前記インクジェットヘッドにインクを送液する送液ポンプを更に備え、
    前記制御部は、前記インク流路内がインクで満たされた後、前記送液ポンプにより前記インクジェットヘッドにインクを送液することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のインク供給装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のインク供給装置と、
    前記インク供給装置により供給されたインクを吐出するインクジェットヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給方法であって、
    インク供給源に接続されインクが流通するインク流路と、気体が流通する気体流路とが、インク中の溶存気体を透過可能な透過部材により仕切られた脱気モジュールにおいて、前記気体流路内を脱気する工程と、
    前記気体流路が脱気されることで、前記透過部材を介して前記インク流路内が脱気されて前記インク流路内が負圧になることでインクが流入され、前記インク流路内がインクで満たされた後、前記インクジェットヘッドにインクを送液する工程と、を有することを特徴とするインク供給方法。
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