JPWO2016068100A1 - ポリアミド組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特公昭61−60861号公報及び特開2008−95066号公報には、外観を向上させる方法として、結晶性ポリアミド樹脂に非晶性樹脂や異形ガラス繊維を含有させる事が提案されている。
前記ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さい相対粘度を有するポリアミド樹脂(A−3)をさらに加えたポリアミド樹脂組成物が、成形品にしたときの表面粗さがより小さくなることを見出した。
第一の態様は、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)及びガラス繊維(B)を含み、これらが溶融混練されてなる組成物(X)に、前記ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さい相対粘度を有するポリアミド樹脂(A−3)をさらに加えたポリアミド樹脂組成物である。
第二の態様は、前記ポリアミド樹脂組成物からなる成形体である。
第三の態様は、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)及びガラス繊維(B)を溶融混練して組成物(X)を得ることと、組成物(X)と前記脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さい相対粘度を有するポリアミド樹脂(A−3)とを混合することと、を含むポリアミド樹脂組成物の製造方法である。
脂肪族ポリアミド(A−1)は、主鎖中にアミド結合(−CONH−)を有し、脂肪族ポリアミド構造単位であるラクタム、アミノカルボン酸、又は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸を原料として、溶融重合、溶液重合、固相重合等の公知の方法で重合、又は共重合することにより得られる。
ラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられ、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
芳香族ポリアミド樹脂(A−2)としては、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンスベラミド(ポリアミドMXD8)、ポリメタキシリレンアゼラミド(ポリアミドMXD9)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカミド(ポリアミドMXD12)、ポリメタキシリレンテレフタラミド(ポリアミドMXDT)、ポリメタキシリレンイソフタラミド(ポリアミドMXDI)、ポリメタキシリレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドMXDT(H))、ポリメタキシリレンナフタラミド(ポリアミドMXDN)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリパラキシリレンスベラミド(ポリアミドPXD8)、ポリパラキシリレンアゼラミド(ポリアミドPXD9)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)、ポリパラキシリレンドデカミド(ポリアミドPXD12)、ポリパラキシリレンテレフタラミド(ポリアミドPXDT)、ポリパラキシリレンイソフタラミド(ポリアミドPXDI)、ポリパラキシリレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドPXDT(H))、ポリパラキシリレンナフタラミド(ポリアミドPXDN)、ポリパラフェニレンテレフタラミド(PPTA)、ポリパラフェニレンイソフタラミド(PPIA)、ポリメタフェニレンテレフタラミド(PMTA)、ポリメタフェニレンイソフタラミド(PMIA)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンアジパミド)(ポリアミド2,6−BAN6)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンスベラミド)(ポリアミド2,6−BAN8)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンアゼラミド)(ポリアミド2,6−BAN9)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンセバカミド)(ポリアミド2,6−BAN10)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンドデカミド)(ポリアミド2,6−BAN12)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド2,6−BANT)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド2,6−BANI)、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド2,6−BANT(H))、ポリ(2,6−ナフタレンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド2,6−BANN)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド1,3−BACT)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド1,3−BACI)、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド1,3−BACT(H))、ポリ(1,3−シクロヘキサンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド1,3−BACN)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタラミド)(ポリアミド1,4−BACT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンイソフタラミド)(ポリアミド1,4−BACI)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミド1,4−BACT(H))、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンナフタラミド)(ポリアミド1,4−BACN)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンアジパミド)(ポリアミドPACM6)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンスベラミド)(ポリアミドPACM8)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンアゼラミド)(ポリアミドPACM9)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンセバカミド)(ポリアミドPACM10)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンドデカミド)(ポリアミドPACM12)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンテトラデカミド)(ポリアミドPACM14)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンヘキサデカミド)(ポリアミドPACM16)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンオクタデカミド)(ポリアミドPACM18)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンテレフタラミド)(ポリアミドPACMT)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンイソフタラミド)(ポリアミドPACMI)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドPACMT(H))、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシレンナフタラミド)(ポリアミドPACMN)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)アジパミド)(ポリアミドMACM6)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)スベラミド)(ポリアミドMACM8)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)アゼラミド)(ポリアミドMACM9)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)セバカミド)(ポリアミドMACM10)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ドデカミド)(ポリアミドMACM12)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)テトラデカミド)(ポリアミドMACM14)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ヘキサデカミド)(ポリアミドMACM16)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)オクタデカミド)(ポリアミドMACM18)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)テレフタラミド)(ポリアミドMACMT)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)イソフタラミド)(ポリアミドMACMI)、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドMACMT(H))、ポリ(4,4’−メチレンビス(2−メチル−シクロヘキシレン)ナフタラミド)(ポリアミドMACMN)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンアジパミド)(ポリアミドPACP6)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンスベラミド)(ポリアミドPACP8)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンアゼラミド)(ポリアミドPACP9)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンセバカミド)(ポリアミドPACP10)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンドデカミド)(ポリアミドPACP12)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンテトラデカミド)(ポリアミドPACP14)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンヘキサデカミド)(ポリアミドPACP16)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンオクタデカミド)(ポリアミドPACP18)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンテレフタラミド)(ポリアミドPACPT)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンイソフタラミド)(ポリアミドPACPI)、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドPACPT(H))、ポリ(4,4’−プロピレンビスシクロヘキシレンナフタラミド)(ポリアミドPACPN)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンスベラミド(ポリアミドIPD8)、ポリイソホロンアゼラミド(ポリアミドIPD9)、ポリイソホロンセバカミド(ポリアミドIPD10)、ポリイソホロンドデカミド(ポリアミドIPD12)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)、ポリイソホロンイソフタラミド(ポリアミドIPDI)、ポリイソホロンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドIPDT(H))、ポリイソホロンナフタラミド(ポリアミドIPDN)、ポリテトラメチレンテレフタラミド(ポリアミド4T)、ポリテトラメチレンイソフタラミド(ポリアミド4I)、ポリテトラメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド4T(H))、ポリテトラメチレンナフタラミド(ポリアミド4N)、ポリペンタメチレンテレフタラミド(ポリアミド5T)、ポリペンタメチレンイソフタラミド(ポリアミド5I)、ポリペンタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド5T(H))、ポリペンタメチレンナフタラミド(ポリアミド5N)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド6T(H))、ポリヘキサメチレンナフタラミド(ポリアミド6N)、ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタラミド)(ポリアミドM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレンイソフタラミド)(ポリアミドM5I)、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドM5T(H))、ポリ(2−メチルペンタメチレンナフタラミド(ポリアミドM5N)、ポリノナメチレンテレフタラミド(ポリアミド9T)、ポリノナメチレンイソフタラミド(ポリアミド9I)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリノナメチレンナフタラミド(ポリアミド9N)、ポリ(2−メチルオクタメチレンテレフタラミド)(ポリアミドM8T)、ポリ(2−メチルオクタメチレンイソフタラミド)(ポリアミドM8I)、ポリ(2−メチルオクタメチレンヘキサヒドロテレフタラミド)(ポリアミドM8T(H))、ポリ(2−メチルオクタメチレンナフタラミド)(ポリアミドM8N)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミドTMHT)、ポリトリメチルヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミドTMHI)、ポリトリメチルヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミドTMHT(H))、ポリトリメチルヘキサメチレンナフタラミド(ポリアミドTMHN)、ポリデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド10I)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリデカメチレンナフタラミド(ポリアミド10N)、ポリウンデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド11T)、ポリウンデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド11I)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド11T(H))、ポリウンデカメチレンナフタラミド(ポリアミド11N)、ポリドデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド12T)、ポリドデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド12I)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))、ポリドデカメチレンナフタラミド(ポリアミド12N)及びこれらポリアミドの原料単量体を数種用いた共重合体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ガラス繊維は、特に限定されないが、ガラス繊維とポリアミド樹脂との相溶性を向上させる点から、収束剤で収束されているものが好ましい。収束剤には、相溶性の点から、ウレタン系又はアクリル系が含まれていることが好ましく、これらを併用しても良い。
組成物(X)は、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)及びガラス繊維(B)を含み、これらが溶融混練されてなる溶融混練物である。ポリアミド樹脂(A−3)との混合をより均一にする観点から、組成物(X)は、パウダー等の粉末やペレットの形状が好ましい。
成形加工性の観点から、組成物(X)全量中に、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)が、20重量%以上65重量%以下含まれることが好ましく、23重量%以上50重量%以下含まれることがより好ましく、25重量%以上45重量以下含まれることがさらに好ましい。
組成物(X)全量中に、成形加工性及び良外観性の観点から、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)は2重量%以上20重量%以下含まれることが好ましく、3重量%以上15重量%以下含まれることがより好ましく、4重量%以上10重量%以下含まれることがさらに好ましい。
組成物(X)における脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)に対する芳香族ポリアミド樹脂(A−2)の含有比率(A−2/A−1)(重量%)は、表面外観の観点から、5重量%以上30重量%以下が好ましく、10重量%以上20重量%以下がより好ましい。
ポリアミド樹脂組成物に用いるポリアミド樹脂(A−3)は、脂肪族ポリアミド樹脂でも、芳香族ポリアミド樹脂でもかまわないが、JIS K−6920に準拠して、96%硫酸、ポリマー濃度1%、25℃の条件下にて測定したポリアミド樹脂(A−3)の相対粘度が、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さいポリアミド樹脂である。そうでない場合、本発明のポリアミド樹脂組成物の効果を発揮しない。脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)とポリアミド樹脂(A−3)の相対粘度の差は、成形品にした時の表面粗さをより小さくする観点から、(A−3)の相対粘度を(A−1)の相対粘度で割った値が0.3から0.95が好ましく、0.3から0.9がより好ましく、0.3から0.8がさらに好ましい。0.3以上の場合、材料の機械的特性がより向上する傾向がある。0.95以下の場合は、流動性が良好になり、表面外観がより向上する傾向にある。
ポリアミド樹脂(A−3)の形態は特に限定されず、組成物(X)との混合をより均一にする観点から、ポリアミド樹脂(A−3)は、パウダー等の粉末やペレットの形状が好ましい。
ポリアミド樹脂組成物は、組成物(X)に、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さいポリアミド樹脂(A−3)を加えてなる。その製造方法としては、タンブラーやミキサーを用いて、ペレット同士を前記の混合割合になるように均一にドライブレンドする方法、ドライブレンドした混合物を組成物(X)の項で挙げた溶融混練機で溶融混練する方法が挙げられる。本発明の効果をより発揮する観点から、ドライブレンドする方法する方法が好ましい。すなわち、ポリアミド樹脂組成物は、溶融混練物である組成物(X)とポリアミド樹脂(A−3)とのドライブレンド物であることが好ましい。
成形品はポリアミド樹脂組成物を用いて作製される。ポリアミド樹脂組成物からなる成形品は、射出成形、押出成形、中空成形、プレス成形、ロール成形、発泡成形、真空・圧空成形、延伸成形などにより成形されるが、表面外観が良好な製品を得る成形加工の容易さの観点から、射出成形が好ましい。すなわち、本発明は、脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)及びガラス繊維(B)を含み、これらが溶融混練されてなる組成物(X)と、前記ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さい相対粘度を有するポリアミド樹脂(A−3)とを含むポリアミド樹脂組成物の射出成形における使用を包含する。
JIS K−6920に準じて、96%の硫酸中、ポリマー濃度1%、温度25℃の条件下で測定した。
実施例、比較例にて、得られたポリアミド樹脂組成物をシリンダー温度280℃、金型温度80℃、金型内の樹脂流速200mm/secと50mm/secの条件で、125mm×75mm×3mmの平板に射出成形機で成形した。
得られた成形品(平板)は、表面粗さとグロス光沢度の測定に用いた。
株式会社東京精密製の表面粗さ計であるハンディサーフE−35Bを用いて、JIS B0601規格に準拠したカットオフ0.8mm測定長さ4.0mmの条件で、成形品の中心線平均粗さ(Ra)を測定し、それを表面粗さとして評価した。
スガ試験機株式会社製のSMカラーコンピューターSM−5 IS−2Bにデジタル変角光沢計UGV−5Kを接続してグロス光沢度をJIS Z8741に準じ入射角と受光角の測定角度を60°にて測定した。
脂肪族ポリアミド(A−1)
・ポリアミド6(A−1−1)(以後、A−1−1と称する場合がある。)
70リットルのオートクレーブに重合モノマーとしてε−カプロラクタム20kgに対し、水0.5kgを仕込み、槽内を窒素置換した後、100℃まで加熱し槽内圧力1.0MPaで均一になるよう3時間、攪拌した。次いで槽内圧力を開放後、260℃、3時間、重合を行い、ポリアミド6を得た。得られたA−1−1の相対粘度は1.95であった。
70リットルのオートクレーブに重合モノマーとしてε−カプロラクタム20kgに対し、水0.5kgを仕込み、槽内を窒素置換した後、100℃まで加熱し槽内圧力1.0MPaで均一になるよう3時間、攪拌した。次いで槽内圧力を開放後、260℃、4時間、重合を行い、ポリアミド6を得た。得られたA−1−2の相対粘度は2.20であった。
70リットルのオートクレーブに重合モノマーとしてε−カプロラクタム20kgに対し、水0.5kgを仕込み、槽内を窒素置換した後、100℃まで加熱し槽内圧力1.0MPaで均一になるよう3時間、攪拌した。次いで槽内圧力を開放後、260℃、5時間、重合を行い、ポリアミド6を得た。得られたA−1−3の相対粘度は2.47であった。
70リットルのオートクレーブに重合モノマーとしてε−カプロラクタム20kgに対し、水0.5kgを仕込み、槽内を窒素置換した後、100℃まで加熱し槽内圧力1.0MPaで均一になるよう3時間、攪拌した。次いで槽内圧力を開放後、260℃、6時間、重合を行い、ポリアミド6を得た。得られたA−1−4の相対粘度は2.64であった。
70リットルのオートクレーブに重合モノマーとしてε−カプロラクタム20kgに対し、水0.5kgを仕込み、槽内を窒素置換した後、100℃まで加熱し槽内圧力1.0MPaで均一になるよう3時間、攪拌した。次いで槽内圧力を開放後、260℃、8時間、重合を行い、ポリアミド6を得た。得られたA−1−5の相対粘度は3.35であった。
・ポリアミド6T6I(A−2−1)(以後、A−2−1と称する場合がある。)
A−2−1として、エムスケミー・ジャパン株式会社のGrivory G16を用いた。A−2−1のMVRは、ISO1133に準拠し、温度275℃、荷重5kgの条件で測定すると、100ml/10分)であった。
A−2−2として、エムスケミー・ジャパン株式会社のGrivory G21を用いた。A−2−2のMVRは、ISO1133に準拠し、温度275℃、荷重5kgの条件で測定すると、20ml/10分)であった。
・ポリアミド6(A−3−1)(以後、A−3−1と称する場合がある。)
A−3−1として、A−1−1を用いた。
・ポリアミド6(A−3−2)(以後、A−3−2と称する場合がある。)
A−3−2として、A−1−2を用いた。
・ポリアミド6(A−3−3)(以後、A−3−3と称する場合がある。)
A−3−3として、A−1−3を用いた。
・ポリアミド6(A−3−4)(以後、A−3−4と称する場合がある。)
A−3−4として、A−1−4を用いた。
・ポリアミド6(A−3−5)(以後、A−3−5と称する場合がある。)
A−3−5として、A−1−5を用いた。
ポリアミド樹脂(A−3)は、いずれもペレタイザーにてペレット化して用いた。
・ガラス繊維(B−1)(以後、B−1と称する場合がある。)
B−1として、日本電気硝子株式会社の長さ方向に直角の断面が円形のガラス繊維である直径13μmのECS 03T−249を用いた。
B−2として、日本電気硝子株式会社の長さ方向に直角の断面が円形のガラス繊維である直径13μmのECS 03T−747Nを用いた。
B−3として、日東紡績株式会社の長さ方向に直角の断面における長径と短径が28μmと7μm、その比が4.0、断面形状が異形のガラス繊維であるCGS 3PA−820Sを用いた。
・組成物(X−1)(以後、X−1と称する場合がある。)
A−1−3を35重量%、A−2−1を5重量%、B−1を60重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−1のペレットを得た。
A−1−3を25.5重量%、A−2−2を4.5重量%、B−2を70重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−2のペレットを得た。
A−1−3を35重量%、A−2−1を5重量%、B−3を60重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−3のペレットを得た。
A−1−3を42重量%、A−2−1を8重量%、B−3を50重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−4のペレットを得た。
A−1−4を70重量%、B−1を30重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−5のペレットを得た。
A−1−4を55重量%、B−1を45重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−6のペレットを得た。
A−1−3を55重量%、B−3を45重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−7のペレットを得た。
A−1−4を35重量%、A−2−1を5重量%、B−2を60重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−8のペレットを得た。
A−1−3を40重量%、B−2を60重量%の割合で二軸押出機を用い、溶融混練し、ペレタイザーにて、X−9のペレットを得た。
表1に示す組成物(X)とポリアミド樹脂(A−3)の種類と割合で、タンブラーを用い、毎分60回転10分の条件で混合(ドライブレンド)を行い、ポリアミド樹脂組成物を得た。上記方法で成形品を作成し、作成した成形品の表面粗さとグロス光沢度を測定した。その結果を表2に示す。なお、表2中の空欄は未添加であることを示す。またポリアミド樹脂組成物の組成を表3に示す。
Claims (6)
- 脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)及びガラス繊維(B)を含み、これらが溶融混練されてなる組成物(X)に、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さい相対粘度を有するポリアミド樹脂(A−3)をさらに加えたポリアミド樹脂組成物。 - 前記ガラス繊維(B)は、平均繊維径が5μm以上25μm以下の円形断面のガラス繊維及び/又は長さ方向に直角の断面における長径と短径の比が、1.2以上10以下である非円形断面のガラス繊維である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度が1.5以上5.0以下である請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記芳香族ポリアミド樹脂(A−2)がPA6T/6Iである請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
- 脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)、芳香族ポリアミド樹脂(A−2)及びガラス繊維(B)を溶融混練して組成物(X)を得ることと、
組成物(X)と前記脂肪族ポリアミド樹脂(A−1)の相対粘度より小さい相対粘度を有するポリアミド樹脂(A−3)とを混合することと、
を含むポリアミド樹脂組成物の製造方法。
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