JPWO2016056371A1 - 光化学反応装置及びそれを用いた光化学反応方法とその方法を用いたラクタムの製造方法 - Google Patents

光化学反応装置及びそれを用いた光化学反応方法とその方法を用いたラクタムの製造方法 Download PDF

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Abstract

光源と反応液の間に光透過性材料で形成された2枚の隔壁が互いに間隔をもって配置され、該隔壁間に光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段を有するとともに、該手段の排出側に光透過性流体の状態変化を検知する状態変化検知手段を有することを特徴とする光化学反応装置、及びそれを用いた光化学反応方法とその方法を用いたラクタムの製造方法。光化学反応装置における光透過性材料に損傷が生じた場合にも、光源の性能低下を回避するとともに、反応液が可燃性液体であっても確実に着火を防止することができる。

Description

本発明は、光源と反応液との間に設けられる光透過性材料からなる隔壁による隔離をより確実かつより安全に行うことができるようにした、とくに発光ダイオードを光源として用いた場合に好適な光化学反応装置と、それを用いた光化学反応方法及びその方法を用いたラクタムの製造方法に関する。
光化学反応は、光照射により、すなわちラジカル反応剤に照射光によるエネルギーを吸収させることにより、分子をエネルギー準位の高い状態、いわゆる励起状態とし、励起された分子により反応を起こさせる化学反応全般を指す。光化学反応には、光による酸化・還元反応、光による置換・付加反応などの種類があり、適用用途としては写真工業、コピー技術、光起電力の誘起の他、有機化合物の合成に利用されることが知られている。また、非意図的な光化学反応としては光化学スモッグなども光化学反応に属する。
例えば、シクロヘキサノンオキシムを光化学反応により合成できることが知られており、また、シクロアルカンの光ニトロソ化についても、現在では広く知られた技術である。
これまでに用いられてきた光化学反応のための光源としては、いずれも真空または真空に近い環境に水銀やタリウム、ナトリウム、その他金属を封入して電圧を印加し、放出される電子線を封入金属に照射することで、気体または蒸気の中での放電による発光を利用したランプ、例えば放電灯や蛍光灯を光源として使用する場合がほとんどである。
例えば、高圧水銀灯を光源として使用する場合、有効波長は365nm〜600nmである。しかし、この種の水銀を用いる放電灯では、365nm未満の紫外線を含む波長領域にも水銀による特有の発光エネルギーが存在している。そのため、例えば350nm未満の紫外線を含む短波長領域に発光エネルギーを有する場合、多くの化学結合の解離エネルギーに匹敵するので、目的以外の反応が進行して、副反応を助長し、かつタール状の褐色被膜が放電灯の光照射面に生成し収率を低下させてしまう。したがって、紫外線をカットするために、水溶性蛍光剤の使用や紫外線カットガラスが使用される。
このような水銀灯における問題を低減し、かつ発光効率を上げるために、波長535nmに有効な発光エネルギーを示すタリウム灯や波長589nmに有効な発光エネルギーを示すナトリウム灯が有効であることが知られている。ナトリウム灯を光源とすることで、飛躍的に収率を上げ、安定した反応が可能になる。さらに、高圧ナトリウム放電灯を用いることで、工業的な有効波長は400〜700nmとして、波長600nm〜700nmの波長領域で効率アップが可能となる。この範囲での、ピーク波長は約580〜610nm程度と推定できる。しかし、放電灯の電気特性や始動を良好にするためには、水銀の共存は避けられず、水銀による紫外線をカットするフィルターは必要である。とくに、水銀により発生する波長400nm未満の短波長は、エネルギーが強すぎ不要な副反応を引き起こすため、不要な波長とされている。
さらに、ナトリウム灯は、波長780〜840nmの赤外線を含む波長領域に、特有の発光エネルギーピークを有し、そのエネルギー強度はナトリウム灯での最大発光エネルギーに匹敵するレベルのものも多い。塩化ニトロシルの解離エネルギーは約156J/molであり、Einsteinの法則より、波長760nm付近の発光エネルギーに匹敵するため、それ以上の長波長領域では光エネルギーが小さく、塩化ニトロシルが解離しないので、反応に寄与せず大きなエネルギーロスになる。
一方、発光ダイオードは、LEDとも略称され、半導体を用いて電気エネルギーを直接光に転換できる利点があり、熱の発生の抑制、省エネルギー、長寿命等の点で注目されている。その開発の歴史はまだ浅く、1962年に赤色LEDが商品化され、2000年頃から青色、緑色、白色といったLEDが開発され、表示用、照明用途として商品化された。一方、光化学反応用に使用されている放電灯は、非常に高出力であり、発光効率も高いが、放電灯と同等の光化学反応に必要な発光エネルギーをLEDで得ようとすると、LEDの必要個数が膨大となり、回路設計やLEDの熱対策やコスト面の課題が残されており、光化学反応の光源としてLEDを適用することは困難であると考えられてきた。さらに、光化学反応には反応液に均一な光を照射させることが必要であるが、LEDは指向性が強く、反応に必要な波長を高効率で得ることも困難であり、この点からも光化学反応の光源へのLEDの適用は困難と考えられてきた。
しかし、近年では特許文献1に記載の通り、LEDによる光化学反応を小型の反応装置を用いて実施する例も見られ、さらに特許文献2〜4に記載の通り、発光体を大型化するための課題についても解決の目処が立ちつつある。
特開2010−006776号公報 特開2011−233431号公報 特開2012−089755号公報 特開2013−200944号公報
ところが、これまでの発明では、光化学反応の光源として、発光ダイオードを搭載した基板から構成される光源モジュールを用いており、光源モジュールと反応液を物理的に分離するため、光透過性材料からなる隔壁を介して反応を進めるようになっている。しかし、光透過性材料からなる隔壁に損傷が生じた場合には、反応液との接触による光源モジュールの性能低下が問題となるおそれがある。また、反応液が可燃性液体の場合、光源モジュールが着火源となるおそれがある。
そこで本発明の課題は、光透過性材料からなる隔壁を介した光化学反応において、光透過性材料に損傷が生じた場合にも、光源の性能低下を回避するとともに、反応液が可燃性液体であっても確実に着火を防止できるようにした光化学反応装置と、それを用いた光化学反応方法及びその方法を用いたラクタムの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、光源モジュールと反応液の間に2枚の光透過性材料からなる隔壁を設けることにより、光源と反応液との接触を回避可能であり、かつ、これら2枚の隔壁の間に流体を流通させ、流体の状態変化を検知することで、光透過性材料の損傷が検知可能になり、その検知に基づいて光源の発光を停止することで、反応液が可燃性液体であっても確実に着火しないようにできることが見出され、本発明の完成に至った。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)光源と反応液の間に光透過性材料で形成された2枚の隔壁が互いに間隔をもって配置され、該隔壁間に光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段を有するとともに、該光透過性流体導入・排出手段の排出側に光透過性流体の状態変化を検知する状態変化検知手段を有することを特徴とする光化学反応装置。
(2)前記状態変化検知手段が光透過性流体の圧力または流量の変化を検知する手段からなる、(1)に記載の光化学反応装置。
(3)前記光透過性流体が光透過性液体であり、前記光透過性流体導入・排出手段の排出側にタンクを備え、前記状態変化検知手段が前記タンクの液面の変化を検知する液面変化検知手段からなる、(1)または(2)に記載の光化学反応装置。
(4)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する発光停止手段を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の光化学反応装置。
(5)前記光源が、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる、(1)〜(4)のいずれかに記載の光化学反応装置。
(6)前記光源モジュール内に光源冷却水を導入・排出する冷却水導入・排出手段を有する、(5)に記載の光化学反応装置。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の光化学反応装置を用いることを特徴とする光化学反応方法。
(8)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する、(7)に記載の光化学反応方法。
(9)(6)に記載の光化学反応装置を用い、前記光源モジュールの発光停止時に、前記冷却水導入・排出手段による冷却水の導入・排出を停止するとともに、前記光透過性流体導入・排出手段による光透過性流体の導入を停止することを特徴とする光化学反応方法。
(10)反応液として可燃性液体を用いる、(7)〜(9)のいずれかに記載の光化学反応方法。
(11)前記可燃性液体がシクロアルカンである、(10)に記載の光化学反応方法。
(12)シクロアルカンと光ニトロソ化剤に光照射することによりシクロアルカノンオキシムを製造する、(11)に記載の光化学反応方法。
(13)前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムである、(12)に記載の光化学反応方法。
(14)前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルまたはトリクロロニトロソメタンである、(12)または(13)に記載の光化学反応方法。
(15)(12)〜(14)のいずれかに記載の光化学反応方法で製造したシクロアルカノンオキシムを用いることを特徴とするラクタムの製造方法。
本発明によれば、2枚の光透過性材料からなる隔壁を介して反応液に光源からの光を照射することで、光源と反応液との接触を確実に回避し、光源の性能低下を防ぐことができ、さらにこれら2枚の隔壁の間に光透過性流体を導入・排出させ、排出した流体の状態変化を検知し、その状態変化から光透過性材料の損傷の検知が可能になり、その検知に基づいて光源の発光を停止することで、反応液が可燃性液体であっても確実に着火しないようにすることができる。とくに、光源が発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる場合にも、確実にこのような効果が得られることから、本発明は、光源を発光ダイオード化する際に極めて有用なものである。
本発明の一実施態様に係る光化学反応装置の概略縦断面図である。 本発明の別の実施態様に係る光化学反応装置の概略縦断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る光化学反応装置100を示しており、図2は、図1の装置に特定の手段を付加した、本発明の別の実施態様に係る光化学反応装置200を示している。図1に示す光化学反応装置100においては、光源1(例えば、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる光源)が設けられ、本実施態様においては、光源1には光源冷却水導入・排出手段として光源冷却水導入ライン2と光源冷却水排出ライン3が接続されており、光源1には水冷機能が付与されている。各ライン2、3には、光源冷却水の導入を停止可能な光源冷却水導入ライン遮断弁4と、光源冷却水の排出を停止可能な光源冷却水排出ライン遮断弁5が設けられている。この光源1は、反応液7が収容または流通される容器または槽状の光化学反応器6内に挿入され、反応液7に光を照射して光化学反応に供される。光源1として、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールを使用する場合には、搭載する発光ダイオードとしては紫外線、可視光、赤外線のうち光化学反応で必要とする波長の光を発光できるように選択すればよい。発光ダイオードを搭載した光源モジュールの形状にとくに制限は無く、横断面が円形や多角形、星形等のいずれでもよい。
光源1と反応液7の間には、光透過性材料からなる2枚の隔壁8が互いに間隔をもって配置されており、2枚の隔壁8を介して光源1と反応液7が隔離されている。隔壁8を形成する光透過性材料としては、特に限定されず、樹脂をはじめとする有機系材料でもガラスをはじめとする無機系材料のいずれでもよい。より具体的には、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネード、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、硼珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラスなどが使用可能である。また、光透過性材料からなる隔壁8の形状にとくに制限は無く、図1に示すような試験管形や円筒形、箱型など目的に応じた形状を適宜選択すればよい。2枚の隔壁8は、相似形であってもよく、互いに異なる形状であってもよい。光透過性材料に例えばアクリル樹脂などを使用して透過波長選択性を持たせることで、不要波長の透過を防ぐこともできる。また、外側の隔壁8を形成する光透過性材料は、反応液7と接触するため、反応液7が腐食性を有する場合には、ガラスなど耐食性材料を採用する必要がある。
2枚の隔壁8間には、光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段として、光透過性流体導入ライン9と光透過性流体排出ライン10が接続されている。光透過性流体導入ライン9には、光透過性流体の導入を停止可能な光透過性流体遮断弁11が設けられており、光透過性流体排出ライン10には、光透過性流体の状態変化、特に異常状態を検知する状態変化検知手段としての光透過性流体異常検知装置12が設けられている。この光透過性流体異常検知装置12は、光透過性流体の圧力または流量の変化を検知する。したがって、光透過性流体異常検知装置12は、圧力検知手段または流量検知手段により構成可能である。光透過性流体異常検知装置12による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源1の発光が停止され、そのための発光停止手段(図示略)が光源1の電気回路に設けられている。
図2に示す光化学反応装置200においては、図1に示した装置に比べ、次のような手段が付加されている。すなわち、光透過性流体導入ライン9に、光透過性流体の流量が所定の流量範囲内であることを監視可能な光透過性流体流量計13(または、所定の流量範囲内に制御可能な流量制御弁)が設けられている。そして、光透過性流体排出ライン10には、排出されてきた光透過性流体を一旦貯留可能な光透過性流体タンク14が設けられており、該タンク14には、光透過性流体のタンク14内への流入量に応じて変化する液面を検知可能な光透過性流体タンク液面計15が設けられている。この光透過性流体タンク液面計15は、とくに、排出されてくる光透過性流体の流量が、予め設定した範囲を外れて下回る状態を検知できるので、本発明における光透過性流体の異常状態を検知する状態変化検知手段として機能できる。
図1、図2に示した光化学反応装置100、200においては、2枚の光透過性材料からなる隔壁8を介して反応液7に光源1からの光を照射することで、光源1と反応液7との接触を確実に回避し、光源1の性能低下をより確実に防ぐことができる。加えて、これら2枚の隔壁8の間に光透過性流体を導入・排出させ、排出した流体の状態変化、とくに異常な変化を検知し、その状態変化から隔壁8を形成している光透過性材料の損傷の検知が可能になる。この検知に基づいて少なくとも光源1の発光を停止することで、たとえ反応液7が可燃性液体であっても確実に着火しないようにすることができる。とくに、光源1が発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる場合にも、確実にこのような効果が得られる。
2枚の光透過性材料からなる隔壁8の間に導入・排出する光透過性流体には、不燃性且つ光透過性を有する気体または液体、例えば、水や窒素を使用すると良い。また、とくに液体を使用する場合には、該液体に、特有波長の光を吸収する物質を添加することで、反応に不要な特定波長の光を除去することも可能である。また、光透過性材料、光透過性流体、反応液の屈折率が近いほど、光源1から照射される光が有効利用できるため、光透過性流体は反応液と同様に液体であることが望ましい。
また、本発明においては、排出される光透過性流体の流量や圧力の変化から、光透過性材料の損傷を検知すればよいが、異常状態を一定時間保持した場合に初めて損傷を検知するようにすることで、流量計や圧力計の故障に起因した誤検知を回避することができる。
2枚の光透過性材料からなる隔壁8の間に導入・排出する光透過性流体の圧力を、光化学反応容器6内の反応液7の圧力以上とすることで、排出側への反応液7の流出、例えば図2における光透過性流体タンク14への反応液7の流出を防ぐことができる。
また、2枚の光透過性材料からなる隔壁8の間に導入・排出する光透過性流体の温度を下げることで、光源1、とくに発光ダイオードを使用した光源モジュールの除熱を行うことが可能となり、光源モジュールの劣化を抑制する効果が期待できる。
また、内側の光透過性材料からなる隔壁8の内部に窒素などの不活性ガスを封入し、陽圧とすることで、内側の隔壁8に損傷が発生した場合にも、光源1と光透過性流体との接触を回避可能となり、それによって光源1の性能低下を防ぐことができる。
この内側の光透過性材料からなる隔壁8の内部に封入する不活性ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガス類が例示できるが、なかでも容易且つ安価に入手可能な窒素を用いることが好ましい。
このように内側の光透過性材料からなる隔壁8の内部に不活性ガス封入する場合には、封入する不活性ガスが酸素を含む場合、光源1、とくに発光ダイオードを使用した光源モジュールの酸化劣化を招くおそれがあることから、その酸素濃度を2%以下、より好ましい条件として酸素濃度1.5%以下とすることが望ましい。
図2に示した光化学反応装置200においては、光透過性流体タンク14を着火源の無い場所に設置することにより、反応液7が可燃性、とくに引火性のものであるとき、たとえそれが光透過性流体タンク14に流出した場合でも着火することを回避できる。
また、図1、図2に示したように、光透過性流体導入ライン9に、光透過性流体の導入を停止可能な光透過性流体遮断弁11を設けておけば、光透過性材料の損傷を検知した場合、光透過性流体の導入を遮断することで、光透過性流体が光化学反応器6内に混入することを回避でき、副反応による不純物の生成を防ぐことができる。
さらに、図2に示したように、光透過性流体導入ライン9に光透過性流体流量計13を設けておけば、この部分の流量が規定値以上、且つ光透過性流体タンク14の液面が規定値を下回った場合に、光源1の発光を停止することで、高い精度で光透過性材料の損傷を検知するとともに、より安全な状態をより確実に確保することができる。
本発明においては、上記のような光化学反応装置100、200を用いて、各種の光化学反応方法を実施できる。例えば、光化学反応方法において、光の照射先が液体であって、炭素原子を含むものとすることができる。すなわち、本発明に係る光化学反応方法では、光の照射先は少なくとも1つは液体で構成される原料系とすることができる。原料となる液体は、炭素原子を含む液体であればとくに制限はなく、反応液として可燃性液体、例えばアルカン、シクロアルカンなどの炭化水素類を例示できる。
本発明において、シクロアルカンは、特にその炭素数は限定しないが、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカンが好ましい。特に、ε−カプロラクタムの原料となるシクロヘキサン、ω−ラウリルラクタムの原料となるシクロドデカンが好ましい。
上記のシクロアルカンおよび光ニトロソ化剤を用いて、光源1からの光照射による光化学反応にてシクロアルカノンオキシムが得られる。光ニトロソ化剤には、例えば、塩化ニトロシル、塩化ニトロシルと塩化水素との混合ガスが好ましい。その他、一酸化窒素と塩素との混合ガス、一酸化窒素と塩素と塩化水素との混合ガス、ニトローゼガスと塩素との混合ガス等のいずれも光化学反応系にて、塩化ニトロシルとして作用するので、これらニトロソ化剤の供給形態に限定されるものではない。また、塩化ニトロシルとクロロホルムを光化学反応させて得られるようなトリクロロニトロソメタンを光ニトロソ化剤として用いてもよい。光化学反応を塩化水素の存在下で行う場合、シクロアルカノンオキシムはその塩酸塩となるが、そのまま塩酸塩の形態でもよい。
上記の光化学反応によって、シクロアルカンの炭素数に応じたシクロアルカノンオキシムを得ることができる。例えば、シクロヘキサンを用いた塩化ニトロシルによる光ニトロソ化反応ではシクロヘキサノンオキシムが得られる。また、シクロドデカンを用いた塩化ニトロシルによる光ニトロソ化反応ではシクロドデカノンンオキシムが得られる。
<ラクタムの製造方法>
光化学反応を行って得られたシクロアルカノンオキシムをベックマン転位することによってラクタムが得られる。例えば、シクロヘキサノンオキシムをベックマン転位する反応では以下の反応式[化1]で示すようにε−カプロラクタムが得られる。また、シクロドデカノンオキシムをベックマン転位する反応ではω−ラウロラクタムが得られる。
Figure 2016056371
なお、上記においては図1、図2を参照して本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は例として示したものであり、本発明の範囲を制限することは意図しない。様々な形態で実施することが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、簡略化や変更を行うことができる。これらの実施形態やそれらの変更も、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、光源を用いるあらゆる光化学反応に適用でき、とくにシクロアルカノンオキシムの製造、ラクタムの製造に適用して有用なものである。
1 光源
2 光源冷却水導入ライン
3 光源冷却水排出ライン
4 光源冷却水導入ライン遮断弁
5 光源冷却水排出ライン遮断弁
6 光化学反応器
7 反応液
8 光透過性材料からなる隔壁
9 光透過性流体導入ライン
10 光透過性流体排出ライン
11 光透過性流体遮断弁
12 光透過性流体異常検知装置
13 光透過性流体流量計
14 光透過性流体タンク
15 光透過性流体タンク液面計
100、200 光化学反応装置
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)光源と反応液の間に光透過性材料で形成された2枚の隔壁が互いに間隔をもって配置され、該隔壁間に光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段を有するとともに、該光透過性流体導入・排出手段の排出側に光透過性流体の状態変化を検知する状態変化検知手段を有し、該状態変化検知手段が光透過性流体の圧力または流量の変化を検知する手段からなることを特徴とする光化学反応装置。
)前記光透過性流体が光透過性液体であり、前記光透過性流体導入・排出手段の排出側にタンクを備え、前記状態変化検知手段が前記タンクの液面の変化を検知する液面変化検知手段からなる、(1)に記載の光化学反応装置。
)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する発光停止手段を有する、(1)または(2)に記載の光化学反応装置。
)前記光源が、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる、(1)〜()のいずれかに記載の光化学反応装置。
)前記光源モジュール内に光源冷却水を導入・排出する冷却水導入・排出手段を有する、()に記載の光化学反応装置。
)(1)〜()のいずれかに記載の光化学反応装置を用いることを特徴とする光化学反応方法。
)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する、()に記載の光化学反応方法。
)()に記載の光化学反応装置を用い、前記光源モジュールの発光停止時に、前記冷却水導入・排出手段による冷却水の導入・排出を停止するとともに、前記光透過性流体導入・排出手段による光透過性流体の導入を停止することを特徴とする光化学反応方法。
)反応液として可燃性液体を用いる、()〜()のいずれかに記載の光化学反応方法。
10)前記可燃性液体がシクロアルカンである、()に記載の光化学反応方法。
11)シクロアルカンと光ニトロソ化剤に光照射することによりシクロアルカノンオキシムを製造する、(10)に記載の光化学反応方法。
12)前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムである、(11)に記載の光化学反応方法。
13)前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルまたはトリクロロニトロソメタンである、(11)または(12)に記載の光化学反応方法。
14)(11)〜(13)のいずれかに記載の光化学反応方法で製造したシクロアルカノンオキシムを用いることを特徴とするラクタムの製造方法。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)光源と可燃性液体である反応液の間に光透過性材料で形成された2枚の隔壁が互いに間隔をもって配置され、該隔壁間に光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段を有するとともに、該光透過性流体導入・排出手段の排出側に光透過性流体の状態変化を検知する状態変化検知手段を有し、該状態変化検知手段が光透過性流体の圧力または流量の変化を検知する手段からなることを特徴とする光化学反応装置。
(2)前記光透過性流体が光透過性液体であり、前記光透過性流体導入・排出手段の排出側にタンクを備え、前記状態変化検知手段が前記タンクの液面の変化を検知する液面変化検知手段からなる、(1)に記載の光化学反応装置。
(3)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する発光停止手段を有する、(1)または(2)に記載の光化学反応装置。
(4)前記光源が、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる、(1)〜(3)のいずれかに記載の光化学反応装置。
(5)前記光源モジュール内に光源冷却水を導入・排出する冷却水導入・排出手段を有する、(4)に記載の光化学反応装置。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の光化学反応装置を用いることを特徴とする光化学反応方法。
(7)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する、(6)に記載の光化学反応方法。
(8)(5)に記載の光化学反応装置を用い、前記光源モジュールの発光停止時に、前記冷却水導入・排出手段による冷却水の導入・排出を停止するとともに、前記光透過性流体導入・排出手段による光透過性流体の導入を停止することを特徴とする光化学反応方法。
)前記可燃性液体がシクロアルカンである、(6)〜(8)のいずれかに記載の光化学反応方法。
10)シクロアルカンと光ニトロソ化剤に光照射することによりシクロアルカノンオキシムを製造する、()に記載の光化学反応方法。
11)前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムである、(10)に記載の光化学反応方法。
12)前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルまたはトリクロロニトロソメタンである、(10)または(11)に記載の光化学反応方法。
13)(10)〜(12)のいずれかに記載の光化学反応方法で製造したシクロアルカノンオキシムを用いることを特徴とするラクタムの製造方法。
本発明によれば、2枚の光透過性材料からなる隔壁を介して可燃性液体である反応液に光源からの光を照射することで、光源と反応液との接触を確実に回避し、光源の性能低下を防ぐことができ、さらにこれら2枚の隔壁の間に光透過性流体を導入・排出させ、排出した流体の状態変化を検知し、その状態変化から光透過性材料の損傷の検知が可能になり、その検知に基づいて光源の発光を停止することで、反応液が可燃性液体であっても確実に着火しないようにすることができる。とくに、光源が発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる場合にも、確実にこのような効果が得られることから、本発明は、光源を発光ダイオード化する際に極めて有用なものである。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る光化学反応装置100を示しており、図2は、図1の装置に特定の手段を付加した、本発明の別の実施態様に係る光化学反応装置200を示している。図1に示す光化学反応装置100においては、光源1(例えば、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる光源)が設けられ、本実施態様においては、光源1には光源冷却水導入・排出手段として光源冷却水導入ライン2と光源冷却水排出ライン3が接続されており、光源1には水冷機能が付与されている。各ライン2、3には、光源冷却水の導入を停止可能な光源冷却水導入ライン遮断弁4と、光源冷却水の排出を停止可能な光源冷却水排出ライン遮断弁5が設けられている。この光源1は、可燃性液体である反応液7が収容または流通される容器または槽状の光化学反応器6内に挿入され、反応液7に光を照射して光化学反応に供される。光源1として、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールを使用する場合には、搭載する発光ダイオードとしては紫外線、可視光、赤外線のうち光化学反応で必要とする波長の光を発光できるように選択すればよい。発光ダイオードを搭載した光源モジュールの形状にとくに制限は無く、横断面が円形や多角形、星形等のいずれでもよい。
本発明は、光源と可燃性液体である反応液を用いるあらゆる光化学反応に適用でき、とくにシクロアルカノンオキシムの製造、ラクタムの製造に適用して有用なものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる光源が、反応液が収容または流通される光化学反応器内に挿入され、光源からの光が反応液に照射されて光化学反応に供される光化学反応装置であって、前記光源と可燃性液体である反応液の間に光透過性材料で形成された2枚の隔壁が互いに間隔をもって配置され、該隔壁間に光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段を有するとともに、該光透過性流体導入・排出手段の排出側に光透過性流体の状態変化を検知する状態変化検知手段を有し、該状態変化検知手段が光透過性流体の圧力または流量の変化を検知する手段からなることを特徴とする光化学反応装置。
(2)前記光透過性流体が光透過性液体であり、前記光透過性流体導入・排出手段の排出側にタンクを備え、前記状態変化検知手段が前記タンクの液面の変化を検知する液面変化検知手段からなる、(1)に記載の光化学反応装置。
(3)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する発光停止手段を有する、(1)または(2)に記載の光化学反応装置。
)前記光源モジュール内に光源冷却水を導入・排出する冷却水導入・排出手段を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の光化学反応装置。
)(1)〜()のいずれかに記載の光化学反応装置を用いることを特徴とする光化学反応方法。
)前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する、()に記載の光化学反応方法。
)()に記載の光化学反応装置を用い、前記光源モジュールの発光停止時に、前記冷却水導入・排出手段による冷却水の導入・排出を停止するとともに、前記光透過性流体導入・排出手段による光透過性流体の導入を停止することを特徴とする光化学反応方法。
)前記可燃性液体がシクロアルカンである、()〜()のいずれかに記載の光化学反応方法。
)シクロアルカンと光ニトロソ化剤に光照射することによりシクロアルカノンオキシムを製造する、()に記載の光化学反応方法。
10)前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムである、()に記載の光化学反応方法。
11)前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルまたはトリクロロニトロソメタンである、()または(10)に記載の光化学反応方法。
12)()〜(11)のいずれかに記載の光化学反応方法で製造したシクロアルカノンオキシムを用いることを特徴とするラクタムの製造方法。
本発明によれば、2枚の光透過性材料からなる隔壁を介して可燃性液体である反応液に光源からの光を照射することで、光源と反応液との接触を確実に回避し、光源の性能低下を防ぐことができ、さらにこれら2枚の隔壁の間に光透過性流体を導入・排出させ、排出した流体の状態変化を検知し、その状態変化から光透過性材料の損傷の検知が可能になり、その検知に基づいて光源の発光を停止することで、反応液が可燃性液体であっても確実に着火しないようにすることができる。とくに、光源が発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる場合に、確実にこのような効果が得られることから、本発明は、光源を発光ダイオード化する際に極めて有用なものである。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る光化学反応装置100を示しており、図2は、図1の装置に特定の手段を付加した、本発明の別の実施態様に係る光化学反応装置200を示している。図1に示す光化学反応装置100においては、光源1(とくに、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる光源)が設けられ、本実施態様においては、光源1には光源冷却水導入・排出手段として光源冷却水導入ライン2と光源冷却水排出ライン3が接続されており、光源1には水冷機能が付与されている。各ライン2、3には、光源冷却水の導入を停止可能な光源冷却水導入ライン遮断弁4と、光源冷却水の排出を停止可能な光源冷却水排出ライン遮断弁5が設けられている。この光源1は、可燃性液体である反応液7が収容または流通される容器または槽状の光化学反応器6内に挿入され、反応液7に光を照射して光化学反応に供される。光源1として、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールを使用するが、搭載する発光ダイオードとしては紫外線、可視光、赤外線のうち光化学反応で必要とする波長の光を発光できるように選択すればよい。発光ダイオードを搭載した光源モジュールの形状にとくに制限は無く、横断面が円形や多角形、星形等のいずれでもよい。
図1、図2に示した光化学反応装置100、200においては、2枚の光透過性材料からなる隔壁8を介して反応液7に光源1からの光を照射することで、光源1と反応液7との接触を確実に回避し、光源1の性能低下をより確実に防ぐことができる。加えて、これら2枚の隔壁8の間に光透過性流体を導入・排出させ、排出した流体の状態変化、とくに異常な変化を検知し、その状態変化から隔壁8を形成している光透過性材料の損傷の検知が可能になる。この検知に基づいて少なくとも光源1の発光を停止することで、たとえ反応液7が可燃性液体であっても確実に着火しないようにすることができる。とくに、光源1が発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる場合に、確実にこのような効果が得られる。

Claims (15)

  1. 光源と反応液の間に光透過性材料で形成された2枚の隔壁が互いに間隔をもって配置され、該隔壁間に光透過性流体を導入・排出させる光透過性流体導入・排出手段を有するとともに、該光透過性流体導入・排出手段の排出側に光透過性流体の状態変化を検知する状態変化検知手段を有することを特徴とする光化学反応装置。
  2. 前記状態変化検知手段が光透過性流体の圧力または流量の変化を検知する手段からなる、請求項1に記載の光化学反応装置。
  3. 前記光透過性流体が光透過性液体であり、前記光透過性流体導入・排出手段の排出側にタンクを備え、前記状態変化検知手段が前記タンクの液面の変化を検知する液面変化検知手段からなる、請求項1または2に記載の光化学反応装置。
  4. 前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する発光停止手段を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光化学反応装置。
  5. 前記光源が、複数の発光ダイオードを搭載した基板を有する光源モジュールからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の光化学反応装置。
  6. 前記光源モジュール内に光源冷却水を導入・排出する冷却水導入・排出手段を有する、請求項5に記載の光化学反応装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光化学反応装置を用いることを特徴とする光化学反応方法。
  8. 前記状態変化検知手段による検出値が予め設定した範囲から外れた場合、少なくとも光源の発光を停止する、請求項7に記載の光化学反応方法。
  9. 請求項6に記載の光化学反応装置を用い、前記光源モジュールの発光停止時に、前記冷却水導入・排出手段による冷却水の導入・排出を停止するとともに、前記光透過性流体導入・排出手段による光透過性流体の導入を停止することを特徴とする光化学反応方法。
  10. 反応液として可燃性液体を用いる、請求項7〜9のいずれかに記載の光化学反応方法。
  11. 前記可燃性液体がシクロアルカンである、請求項10に記載の光化学反応方法。
  12. シクロアルカンと光ニトロソ化剤に光照射することによりシクロアルカノンオキシムを製造する、請求項11に記載の光化学反応方法。
  13. 前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムまたはシクロドデカノンオキシムである、請求項12に記載の光化学反応方法。
  14. 前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルまたはトリクロロニトロソメタンである、請求項12または13に記載の光化学反応方法。
  15. 請求項12〜14のいずれかに記載の光化学反応方法で製造したシクロアルカノンオキシムを用いることを特徴とするラクタムの製造方法。
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