JP5359064B2 - シクロアルカノンオキシムの製造方法および光化学反応装置 - Google Patents

シクロアルカノンオキシムの製造方法および光化学反応装置 Download PDF

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Description

本発明は、光ニトロソ化法において、光源として発光ダイオードを使用したシクロアルカノンオキシムの製造方法および光化学反応装置に関する。
光反応は光化学反応とも言われ、光照射により分子、すなわちラジカル反応剤にエネルギーを吸収させることで分子をエネルギー準位の高い状態、いわゆる励起状態とし、励起された分子により反応を起こさせる化学反応全般を指す。非特許文献1によれば、光反応には光による酸化・還元反応、光による置換・付加反応などの種類があり、適用用途としては写真工業、コピー技術、光起電力の誘起の他、有機化合物の合成に利用されることが知られている。また、非意図的な光化学反応としては光化学スモッグなども光化学反応に属する。
光化学反応としては特許文献1や非特許文献2に記載の通り、光化学反応により、シクロヘキサノンオキシムを光化学反応により合成することは知られており、またシクロアルカンの光ニトロソ化についても特許文献2に示されるとおり、現在では広く知られた技術である。
これまでに用いられてきた光反応のための光源はいずれも真空または真空に近い環境に水銀やタリウム、ナトリウム、その他金属を封入して電圧を印可し、放出される電子線を封入金属に照射することで、気体または蒸気の中での放電による発光を利用したランプ、例えば放電灯や蛍光灯を光源として使用する場合がほとんどである。
例えば、特許文献1では、高圧水銀灯を光源として、有効波長は365nm〜600nmとしている。しかし、この種の水銀を用いる放電灯は、365nm未満の紫外線を含む波長領域にも水銀による特有の発光エネルギーが存在している。そのため、特許文献3や特許文献4のように、350nm未満の紫外線を含む短波長領域に発光エネルギーを有する場合、多くの化学結合の解離エネルギーに匹敵するので、目的以外の反応が進行したり、副反応を助長し、かつタール状の褐色被膜が放電灯の光照射面に生成し収率を低下させてしまう。したがって、紫外線をカットするために、水溶性蛍光剤の使用や紫外線カットガラスを提案している。
水銀灯の問題を低減し、かつ発光効率を上げるために、波長535nmに有効な発光エネルギーを示すタリウム灯や波長589nmに有効な発光エネルギーを示すナトリウム灯が提案された。特許文献5では、ナトリウム灯を光源として、飛躍的に収率を上げ、安定した反応を可能にした。さらに、特許文献6では高圧ナトリウム放電灯により、工業的な有効波長は400〜700nmとし、波長600nm〜700nmの波長領域で効率アップを提案している。この範囲での、ピーク波長は約580〜610nm程度と推定できる。しかし、放電灯の電気特性や始動を良好にするためには、水銀の共存は避けられず、紫外線をカットするフィルターは必要である。ここでは、波長400nm未満の短波長はエネルギーが強すぎ、不要な副反応を引き起こすため不要な波長とされている。
さらに、ナトリウム灯は、波長780〜840nmの赤外線を含む波長領域に、特有の発光エネルギーピークを有し、そのエネルギー強度はナトリウム灯での最大発光エネルギーに匹敵するレベルのものも多い。塩化ニトロシルの解離エネルギーは約156J/molであり、Einsteinの法則より、波長760nm付近の発光エネルギーに匹敵するため、それ以上の長波長領域では光エネルギーが小さく、塩化ニトロシルが解離しないので、反応に寄与せず大きなエネルギーロスになる。特許文献7においては、理論的な根拠は不明だが、光ニトロソ化反応においては、500nm〜700nmの波長、好ましくは565〜620nmの波長を出す水銀またはナトリウム蒸気ランプが良いと記載されているが、最大発光エネルギーの波長や光照射ロスとなる波長についての言及はない。
発光ダイオードは、LEDとも呼ばれ、半導体を用いて電気エネルギーを直接光に転換できる利点があり熱の発生を抑制し、省エネ、長寿命等の点で注目されている。その開発の歴史はまだ浅く、1962年に赤色LEDが商品化され、2000年頃から青色、緑色、白色といったLEDが開発され、表示用、照明用途として商品化された。一方、光反応用に使用されている放電灯は、非常に高出力であり、発光効率も高いため、必要な発光エネルギーを得るためには、LEDでは到底及ばず、LEDの必要個数が膨大となり、回路設計やLEDの熱対策やコスト面の課題があり光反応の光源に適用することは困難と考えられてきた。さらに、光反応には反応液に均一な光を照射させることが必要であるが、LEDは指向性が強く、反応に必要な波長を高効率で得ることも困難であり、この点からも光反応の光源への適用は困難と考えられてきた。
東京化学同人 化学事典p457〜458 石油学会誌 第17巻 第10号(1974) p72〜p76 特公昭39−15976号公報 特開平10−25279号公報 特公昭39−10336号公報 特公昭39−22959号公報 特公昭44−13498号公報 特開平11−265687号公報 特表2001−509472号公報
以上のように、光源として水銀やナトリウムを封入した放電灯ランプを用いた場合、光ニトロソ化法において、シクロアルカノンオキシムを製造する場合の光照射の有効波長は、紫外線を含む短波長をカットした360nmから、理論的な塩化ニトロシルの解離エネルギーに匹敵する波長760nmまでの領域と考えられるが、400nm未満の短波長でも不要な反応を起こす可能性がある点、および放電灯は原子スペクトルでの発光であるため、実質的には620〜760nmの波長領域で最大発光エネルギーを示す発光は困難であるという観点から、実用的には400〜620nmの波長領域が主流と考えられる。また、水銀やナトリウムを封入した放電灯は、波長に対するエネルギー分布が幅広くなり、長波長領域では反応に寄与しない無駄なエネルギーが存在して効率的でなく、短波長領域ではエネルギーが高いため、意図しないラジカル化が生じることで不純物発生やタール状物質の付着が著しく、抑制するために短波長領域をカットするフィルターなどの対策が必要となっている問題が顕在している。
このほか、放電灯などのランプは、放電により熱を伴うため、ランプの外表面を冷却する必要があるが、点灯、消灯時に急激な温度上昇あるいは低下により、ランプが割れる問題がある。また、環境面からは、ランプに封入されている水銀の廃棄物処理や紫外線をカット用の蛍光剤や吸収剤の廃棄物処理の問題があり、水銀フリーやリサイクル可能な、あるいは環境負荷が低い物質を用いた光源が望まれている。
このような理由から、発光ダイオードを用いた光化学反応への適用は未だできていない。
すなわち、本発明は、光ニトロソ化法において、光源としては、水銀やナトリウム等を封入した放電灯ランプに変わる次世代の光源として、発光ダイオードを用いたシクロアルカノンオキシムの製造方法および光化学反応装置を提供することを課題とする。
そこで、これらの課題を解決するため鋭意検討を行った結果、従来の放電や熱を伴うランプ方式ではなく、新光源として、電気エネルギーを直接光に変えることができ、その波長帯が狭く、任意の波長および波長領域の光を放出する事ができる発光ダイオードを用いて、光ニトロソ化を行い、シクロアルカノンオキシムが得られることを見出した。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)シクロアルカンと光ニトロソ化剤とを、光照射により光化学反応させる方法において、光源として発光ダイオードを使用し、かつ該光源の波長に対する発光エネルギー分布の中で、発光エネルギーの最大値を示す波長が430nm〜650nmの範囲にあること、発光ダイオードのエネルギー変換効率が12%以上75%以下であること、さらに、該光源の裏面に冷却ジャケットを設けて、該冷却ジャケットに冷媒を連続的に導入して、該光源を強制的に間接冷却することを特徴とするシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(2)前記光源の波長に対する発光エネルギー分布において、波長300nm〜830nmの発光エネルギーに対して波長400nm〜760nmの発光エネルギーの積算値が95%以上であることを特徴とする(1)に記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(3)前記冷却ジャケットに導入する冷媒の温度が、−10℃〜40℃であることを特徴とする(1)〜(2)のいずれか記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(4)前記冷却ジャケットの表面温度が−10℃〜40℃であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(5)前記発光ダイオードを複数使用して、光反応液を含む光化学反応器の側面に沿って、発光ダイオードの照射面を光反応液に対面させて配列し、透過性の光化学反応器を介して光反応液に光照射すること、かつ、発光ダイオードの裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(6)前記発光ダイオードの配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットが接する面の水平方向断面を多角形として、発光ダイオードの裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(7)前記発光ダイオードの照射面と光化学反応器の側面との最短距離を0〜5cmとして光反応液に照射することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(8)前記発光ダイオードとして、1個あたりの平均駆動電流が0.1〜1.5Aであるものを用いることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(9)前記シクロアルカンがシクロヘキサンであることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(10)前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルとして作用することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のシクロアルカンオキシムの製造方法。
(11)前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
(12)光照射により光化学反応させる光化学反応装置において、光源の波長に対する発光エネルギー分布の中で、発光エネルギーの最大値を示す波長が430nm〜650nmの範囲にある発光ダイオードを光源とし、該光源の裏面に冷却ジャケットを設けて、該冷却ジャケットに冷媒を連続的に導入して、該光源を強制的に間接冷却させる装置を備えたこと、発光ダイオードのエネルギー変換効率が12%以上75%以下であることを特徴とする光化学反応装置。
(13)前記発光ダイオードを複数使用して、光反応液を含む光化学反応器の側面に沿って、発光ダイオードの照射面を光反応液に対面させて配列し、光透過性の光化学反応器を介して光反応液に光照射するように設置すること、かつ、発光ダイオードの裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させることを特徴とする(12)に記載の光化学反応装置。
(14)前記発光ダイオードの配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットが接する面の水平方向断面を多角形として、発光ダイオードの配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させて光反応液に照射するようにしたことを特徴とする(12)〜(13)のいずれかに記載の光化学反応装置。
本発明のように光ニトロソ化剤のラジカル化エネルギー(解離エネルギー)が小さい光ニトロソ化反応において、発光エネルギー分布の極めて狭い光源である発光ダイオードを採用することで、波長に対する発光エネルギー分布におけるエネルギーロスを抑制でき、これまでのランプでは不可能であった任意での波長に対して、光ニトロソ化反応によるシクロアルカノンオキシムの製造を可能にし、発光エネルギーに伴うエネルギーロスの削減、紫外線カットフィルター等の波長吸収剤を必要としないでシクロアルカノンオキシムを製造できるようになった。特に、有効波長領域400〜760nmの範囲における光量子数に対して高い収率、すなわち高い光量子収率でシクロアルカノンオキシムを得ることができる。
発光ダイオードの発光色は用いる半導体材料によって異なり、放電灯のようなランプと違い紫外線領域から可視光域、赤外線領域と非常に幅広く、放電灯と違い、任意の波長で発光することが可能であるため、特に、シクロアルカノンオキシムの製造においては、光反応に有効な波長領域のみに発光エネルギーのほぼ全量を収めることも可能となり、発光エネルギーのロスを大きく削減できるという効果がある。
さらに、発光ダイオードの光照射に伴う発熱を効率的に除熱することで安定的な発光が実現でき、かつ光反応液に均一に光照射することで安定的な光化学反応および光化学反応装置を提供でき、光化学反応において高い反応収率、反応収量を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明で用いる光源は、発光ダイオードであり、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体のことである。発光ダイオードは、LED(Light Emitting Diode)とも呼ばれ、発光原理はエレクトロルミネセンス(EL)効果を利用しているものである。
本発明で用いる発光ダイオードの波長に対する発光エネルギー分布の好ましい形態を図1を用いて説明する。発光エネルギー分布とは、図1のように、横軸に波長、縦軸に発光エネルギーを示したスペクトル分布のことである。図1は、波長625nm付近に発光エネルギーの最大値を有する発光ダイオードの一例の発光エネルギー分布を表すグラフである。
本発明の発光エネルギーの最大値は、図1に示すように、波長に対する発光エネルギー分布において、Emaxで示されるエネルギーの最大値のことである。
本発明では、発光ダイオードから発光される光において、波長に対する発光エネルギー分布の中で、発光エネルギーの最大値を示す波長が400nm〜760nmの範囲にあるものを用いる。高いシクロアルカノンオキシムの収量を得るためには、430nm〜650nmが望ましい。高い反応収量が得られるが、光照射面にてタール状物質が生成するので照射面の汚れをよりいっそう抑制するという観点では、500〜650nmが良い。また、白色LEDのようなピーク波長が2つ以上ある場合では、最大ピークが400nm以上500nm未満でも、その他のピーク波長が500nm以上であれば、波長帯域を長波長に拡張できるので、タール状物質の発生を抑制できる場合もある。さらには、水銀灯やナトリウム灯等の放電灯の主なピークスペクトルよりも長波長の620nm〜650nmでは、発光エネルギーあたりの光量子数が多く、光化学反応での光照射面でのタール状物質の生成を抑制できるので望ましい。例えば、紫外線カット等の波長フィルターを使用した場合では、カットした波長帯域を除いた発光エネルギー分布として、該分布における発光エネルギーの最大値を求めれば良いが、当然ながら波長フィルターを行った分の発光エネルギーはロスすることになる。
発光ダイオードは、目的の収量や効率に見合った波長での発光エネルギーを放射できるため、種類やロットの異なる発光ダイオードを複数用いて、最適化を図っても良い。
本発明において、発光エネルギー分布は、後述する方法により測定することができるが、複数の発光ダイオードを使用する場合の発光エネルギー分布は、発光ダイオードそれぞれの発光エネルギー分布を測定した後、使用する発光ダイオード全数量に集約した発光エネルギー分布を求めて、最大の発光エネルギーを示す波長が400nm〜760nmであればよい。用いる複数の発光ダイオードが単一ロットで、質も均質であることが明らかな場合には、簡便法として任意の発光ダイオードを測定して判断することも可能である。また、複数種類やロットの発光ダイオードを使用する場合には、簡便法として質の等しい種類やロット毎に任意の発光ダイオードを測定し、各種類やロットの数量も勘案して、用いる発光ダイオード全数量に集約した発光エネルギー分布を計算して求めることも可能である。
ここで、発光エネルギー分布における波長領域は、紫外線、可視光線、近赤外線の領域であり、本発明においては、少なくとも一般的な発光スペクトル測定器にて検出可能な300〜830nmの領域でのエネルギースペクトルで確認するものとする。
本発明の波長に対する発光エネルギー分布において、400〜760nmの波長領域の発光エネルギーの積算値(有効エネルギー)が、300〜830nmの波長領域の発光エネルギーの積算値(全発光エネルギー)に対して95%以上、さらに発光エネルギーを有効に光化学反応に利用するには99%以上が好ましい。上記全発光エネルギーに対する有効エネルギーの割合の算出は、使用する発光ダイオードそれぞれの発光エネルギー分布を用いて、発光ダイオード全数量に集約した発光エネルギー分布を求めて、集約した有効エネルギーの、集約した全発光エネルギーに対する割合を求めることにより行う。
発光ダイオードとして、同一種類、同一ロットであるなど質も均質であることが明らかなものを複数個使用する場合は、簡便法として任意の発光エネルギー分布を有する発光ダイオードを用いて測定して判断することも可能である。また、種類および/またはロットが異なるなど、複数種類の発光ダイオードを使用する場合には、簡便法として質の等しい種類毎に任意の発光ダイオードを測定し、各種類の数量も勘案して、用いる発光ダイオード全数量に集約した発光エネルギー分布を計算して求めることも可能である。さらに
さらに本発明においては、発光ダイオードを複数個を用いる場合、それぞれの種類および/またはロットにおける波長に対する発光エネルギー分布において、それぞれ有効エネルギーが、それぞれの全発光エネルギーに対して95%以上、さらに好ましくは99%以上であることが望ましい。また、それぞれの発光エネルギー分布を用いて、使用する発光ダイオード全数量に集約した発光エネルギー分布を求めて、集約した有効エネルギーが、集約した全発光エネルギー対して95%以上、さらに好ましくは99%以上が望ましい。
発光エネルギー分布の測定には、発光ダイオードは駆動電流値や温度の影響を受けるので、発光エネルギーの測定は光化学反応で光照射させる時と同等の駆動電流および温度条件で行うものとする。すなわち、測定する発光ダイオードにかける駆動電流は、光化学反応で光照射させる時にかける発光ダイオード1個あたりの平均駆動電流値と同様の駆動電流値で発光させる。測定する発光ダイオードの温度は、光化学反応と同様に、発光ダイオードの裏面に、光化学反応で用いる冷却ジャケットと同等の熱伝導性の材質、例えばアルミニウムや銅製の冷却ジャケットを具備して、冷媒を用いて冷却させ、冷却ジャケットの表面温度が光化学反応で発光ダイオードを間接冷却するときの冷却ジャケット2の平均表面温度と同じになる条件で測定を行う。冷却ジャケットを具備して測定が困難な場合は、発光ダイオードの裏面に、該材質のヒートシンクを設けて、冷媒を用いて冷却させ、ヒートシンクの表面温度が、光化学反応で発光ダイオードを間接冷却するときの冷却ジャケットの平均表面温度と同じになる条件で測定を行う。また、冷媒を用いて冷却することが困難な場合は、発光ダイオードの裏面に、ペルチェ素子等の冷却効果のある電子部品を具備して、発光ダイオードの接する面の電子部品の表面温度が光化学反応で発光ダイオードを間接冷却するときの冷却ジャケットの平均表面温度と同じになる条件で測定を行う。光化学反応での冷却ジャケット2の平均表面温度は、冷媒の入口と出口との中央部の位置で冷却ジャケットの表面温度を測定した平均値とする。発光ダイオードは、駆動時に発熱により温度が上昇するので、温度上昇は1℃以内になるようにして、測定時間を10〜300msの範囲で測定する。発光エネルギー分布は、波長5nm以下毎の集計出力での分布とする。さらに精度良く測定する必要がある場合の発光エネルギー分布は、波長0.5〜1nm毎の集計出力が好ましい。波長は集計出力の波長帯の中心値を用いるのが好ましい。光化学反応を行う前に測定を行う場合には、光化学反応を行う予定の温度、駆動電流値を用いて測定を行うものとする。
一方、図2は、発光エネルギーの最大値を示す波長が400〜760nmの範囲にある水銀灯の一例の発光エネルギー分布を表すグラフであるが、それによれば、発光エネルギー分布が非常に幅広く、さらに、複数のピークスペクトルを有している。たとえEmaxが有効波長領域の400〜760nmであっても、光ニトロソ化反応に有効に利用できない波長400nmよりも短波長領域に、ピーク波長が多数存在しており、有効波長領域への高効率での発光は難しい。図3は、発光エネルギーの最大値を示す波長が400〜760nmの範囲にあるナトリウム灯の一例の発光エネルギー分布を表すグラフであるが、それによれば、発光エネルギー分布が非常に幅広く、波長760nmよりも長波長領域に、高い発光エネルギーを示す波長があり、発光した光を光ニトロソ化反応に利用できない発光エネルギーが存在しており、この場合も有効波長領域への高効率での発光は難しい。また、ナトリウム灯の場合、発光エネルギーの最大値が波長760nmよりも長波長領域に存在することもあり、長波長領域の発光エネルギーは非常に大きい。したがって、長波長では赤外線による発熱も大きく反応温度を一定に保つのが難しい。
本発明で用いる発光ダイオードは、エネルギー変換効率、すなわち発光ダイオード1個あたりの投入電力に対する400〜760nmの波長領域の発光エネルギー積算値(有効エネルギー)を5%以上であるものを用いることが好ましい、さらに収量を向上させるには12%以上が好ましい。発光ダイオードのエネルギー変換効率は、発光ダイオードの種類、駆動電流、発光ダイオードの冷却温度で調整することができる。上限については特に制限はないが、投入電子数に対して外部に取り出される光量子数の比率、つまり外部量子効率での理論上100%の性能から推定すると、エネルギー変換効率は75%が上限となり、十分な効果が得られ、エネルギー変換効率60%以下であっても、放電灯よりも発熱量を十分に抑えることができるので好ましい結果が得られる。
上記エネルギー変換効率の測定は以下の方法で行う。測定は、前記波長に対する発光エネルギー分布を測定した駆動電流および温度条件で行い、波長400〜760nmの各波長における発光エネルギーの積算値を用いる。各波長の発光エネルギーの測定には、前記方法で測定した全体の発光エネルギー分布のうち、波長400〜760nmの積算値(有効エネルギー)を用いる。
本発明において、発光エネルギーの測定装置としては、各波長の発光エネルギーの絶対値が測定できるものが好ましく、積分球を用いる。積分球は、内径として3inch(7.6cm)以上のものを用いるが、測定困難な場合には、10inch(26.4cm)以上のものを用いる。各波長の測定幅は5nm以下が好ましく、さらに0.5〜1nmが望ましい。本発明においては、上記のとおり積分球での発光エネルギーの絶対値による測定を行うが、それが何らかの事情により適切でない場合には、光照射を受けた単位面積あたりの発光エネルギー、つまり放射照度を用いる。放射照度を用いる場合は、光源からの測定距離における全照射面積を用いて各波長の発光エネルギーの絶対値を算出する。例えば、放電灯の様な点光源の場合、測定距離における球体面積として算出すれば良いが、発光ダイオードの場合、照射方向が前方方向であるので、測定距離は同一でも測定位置や角度により測定値が異なるため、光源の中心に対して、一定の測定距離での角度10°以下毎に放射照度を測定して、各点の放射照度を用いて、測定距離における半球体面積に換算して各波長の発光エネルギーの絶対値を算出する。
光源の中心からの測定距離は、点光源とみなせる距離、つまり一定距離で任意の角度において放射照度が変化しない距離とし、少なくとも発光長の5倍以上、さらに発光長の10倍以上が好ましい。当然のことながら、発光エネルギーの測定には、発光無しでのブランクを測定して補正を行う。さらに、太陽光や照明光の影響を受けないように、暗幕で覆った測定室や暗室での測定が望ましい。
エネルギー変換効率(%)=波長400〜760nmの発光エネルギーの積算値(W)/測定時の投入電力(W)×100
ここで、光反応において、発光ダイオードを複数用いる場合、単一ロットについては任意の1個での測定値を用いても良いが、異なるロットおよび/または別種類の発光ダイオードを用いる場合は、各ロット毎および/または各種類毎の測定を行い、各ロット毎および/または種類毎の発光ダイオードは同一の発光エネルギー分布として、全発光ダイオードに集約したエネルギー変換効率を求める。具体的には、各ロット毎および/または種類毎の発光ダイオードの発光エネルギー分布を用いて、使用する発光ダイオード全数量に集約した発光エネルギー分布を求め、波長400〜760nmの発光エネルギーの積算値および発光ダイオードの全数量の投入電力より求める。ロットや種類が不明の場合には、所定あるいは定格の駆動電流において、発光エネルギーの最大値の波長(nm)、光束(lm)、発光エネルギー(W)、光量子数(Photon/s)、電圧(V)の少なくとも3項目を測定した結果に基づき、種類別に分類してエネルギー変換効率を求める。種類やロットの異なる発光ダイオードを複数用いた場合のエネルギー変換効率は下記のように求める。
エネルギー変換効率(%)=波長400〜760nmの発光エネルギーの積算値の全個数分(W)/測定時の投入電力の全個数分(W)×100
発光ダイオードの1個あたりの駆動電流は、電流値が低いと発光ダイオードの発熱量が少なく、エネルギー変換効率は向上するが目的のシクロアルカノンオキシムの生成量を得るためには膨大な発光ダイオードが必要になる、一方、電流値が高いと発光ダイオードの発熱が多く、エネルギー変換効率も大きく低下するので、駆動電流は0.1〜1.5Aが好ましく、さらに0.2〜0.7Aが好ましい。発光ダイオードを複数使用する場合は、全発光ダイオードの1個あたりの平均駆動電流とする。
本発明の光化学反応装置の一例を図8および図9を用いて説明する。図8は縦中央断面図であり、図9は横断面図である。
本発明の光化学反応装置は、光源として発光ダイオード1を用いて、発光ダイオード1の裏面に冷却ジャケット2が具備されている。冷却ジャケット2には、冷媒導入ライン3から冷媒が連続して導入され、冷媒排出ライン4から冷媒が排出されることで、発光ダイオード1を強制的に間接冷却できる構造である。さらに、発光ダイオード1や発光ダイオード1をマウントした基板が破損等により不点灯になっても、発光ダイオード1あるいは発光ダイオード1をマウントした基板である光照射部分と、冷却ジャケットを具備する冷却部分とを区分できるので、発光ダイオード1あるいは発光ダイオード1をマウントした基板を交換するだけで、冷却ジャケットを具備する冷却部は交換や改造を軽減できるので、発光ダイオード1および発光ダイオード1をマウントした基板は取り外せるものが好ましい。
発光ダイオード1は、一般的な砲弾型や実装型、チップ型等のいずれでも良いが、発光ダイオード1の裏面から放熱できるものが、除熱が容易であるので望ましい。また、発光ダイオードの裏面に放熱基板が設けられているものは、伝熱面積を大きく取れるので冷却性能が向上するので望ましい。複数個の発光ダイオード1を基板上にマウントして配列させたモジュールであっても良い。
光源からの光照射の方式は、光反応液であるシクロアルカンと光ニトロ化剤で構成される光反応液に有効に照射出来ればいずれであっても良い。例えば、図8のような光化学反応器5の外側から反応液に光を照射する様な外部照射型や、光化学反応器5の内部、つまり光反応液に透過性の外管を浸漬させて、該外管の内部に発光ダイオードおよび該発光ダイオードの裏面に冷却ジャケットを具備した光照射装置を導入して光照射する内部照射型がある。これまでの放電灯、蛍光灯等のランプは、球状あるいは棒状光源が多く、光を有効に活用するには図10のような内部照射型の光照射方式が主流であった。
発光ダイオード1は非常に小型の光源であり、発光ダイオード1を複数用いて配列を自由にでき、例えば発光ダイオードを複数個単位で配列させたモジュールを組み合わせることができるので、放電灯では困難な種々の光照射形態が取れる利点があり、平面、曲面、多角面等の照射が可能となり、指向性の強い発光ダイオードを、均一に発光させることが可能である。例えば、図8に示した外部照射方式では、発光ダイオード1を複数使用して、光反応液を含む光化学反応器2の側面に沿って、光化学反応器2の側面に光照射面を対面させて、発光ダイオード1を面状に配置し、光透過性の光化学反応器2を介して光反応液に光照射することにより、均一に光照射ができるので望ましい。光透過性の光化学反応器2の側面の材料は、用いる発光ダイオードが発する光の透過性の良好な材質ではいずれでも良く、例えば、ガラスや石英製、アクリル等の透明樹脂製が上げられ、透過率は90%以上が好ましい。透過率の測定は、光量子束密度(mol/m・s)について、該材料を用いないブランク値と該材料を透過した後の測定値との対比により透過率を求める。
さらに、円筒状の光化学反応器5の外周を沿うようにして配置された発光ダイオード1の裏面あるいは発光ダイオード1をマウントした基板の裏面に、円周状あるいは多角形の冷却ジャケット2を設けて、該裏面と冷却ジャケット2を密着させることで、発光ダイオード1からの発熱を除熱しながら、均一に光反応液に光照射することができる。該裏面と冷却ジャケット2を密着させるためには、互いの接面が平面であることが望ましいが、微少の隙間ができる場合は伝熱性の良いシリコン等などのシール剤を用いて密着させるのが良い。
さらに、図9のように、発光ダイオード1の配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケット2が接する面の水平方向断面を多角形、さらに詳しくは、発光ダイオード1の配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面の水平方向断面を多角形状とし、冷却ジャケット2が接する面の水平方向断面をそれに相応する多角形状とすることで、発光ダイオード1の配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオード1をマウントした基板の裏面と冷却ジャケット2が接する面が互いに密着または近接させることができるため、発光ダイオード1の発熱を効率よく除熱することができる。該裏面と接する部分の冷却ジャケット2の材質は熱伝導性の良い材質、例えばアルミニウムや銅製等の金属が好ましい。発光ダイオード1の冷却面以外については、光ニトロソ化反応においては腐食性の塩化水素や塩化ニトロシルガスの雰囲気下であるので、耐腐食性の材質であることが好ましい。また、冷却ジャケット2の冷却効率を低下させないためには、冷却ジャケットの外側を断熱材(図示せず)で保冷することが望ましい。
発光ダイオード1の光照射面と光化学反応器5の側面との距離を一定とすることが好ましく、それにより光反応液に均一の発光エネルギーを照射することができるので好ましい。ここで、光照射面とは発光ダイオード1のレンズの先端である。
また、該距離が離れすぎると、発光ダイオードの視野角の影響で、光照射が光反応液に効率良く照射できずにロスするので、発光ダイオード1のレンズの先端と光化学反応器5の距離は、設置可能な限り短くすることが望ましく、例えばその最短距離が0〜5cm、さらに好ましくは2cm以下、さらには1cm以下の範囲内とすることが望ましい。前記のとおり発光ダイオード1の光照射面と光化学反応器5の側面との距離を一定とすることが好ましいが、該距離の一定の範囲は最大値と最小値の差が1cm以内であり、好ましくは0.5cm以内が望ましい。
発光ダイオード1の光照射方向(最大発光エネルギー強度が照射させる方向)は、発光エネルギーが光反応液中のニトロソ化剤に吸収させることができればいずれでも良いが、発光ダイオード1の光反応液の液層厚みを最大限に取れるような方向であることが望ましい。さらに、光反応液に均一に光照射させるには、図9のように、光化学反応器5の中心方向に向かって光照射させるように、発光ダイオード1を配列させることが望ましい。
冷媒導入ライン3および冷媒排出ライン4は、冷却ジャケット2に冷媒を導入および排出が可能であり、発光ダイオード1の発熱を安定的に除熱できれば、いずれの位置に設置しても構わない。冷媒導入ライン3および冷媒排出ライン4を複数具備した冷却ジャケット2でも構わない。また、冷媒排出ライン4から排出された冷媒を冷却装置や熱交換器で冷却して、再度冷媒導入ライン3に循環しても良い。
冷却ジャケット2は、例えば、内部に流路板を設けて冷却ジャケット2内で、冷媒が全体に流動されることが好ましく、流路板を設けることが望ましい。例えば、図9のような光化学反応器5の外側に、冷却ジャケット2が円周上に配置される場合は、スパイラル状に流路板を設けて冷却ジャケット2全体に冷媒を流動させることができる。冷却ジャケット2は、例えば、内部に仕切板を設けて、仕切区間毎に冷媒導入ライン3および冷媒導入ライン4を設けて、冷却しても良い。また、冷却ジャケット2の内部にフィン等を設けて冷媒との接触面積を高めて、除熱能力を高めることもできる。
本発明の冷却ジャケット2に導入される冷媒は、発光ダイオード1からの発熱を除熱させることができれば、液冷媒、ガス冷媒いずれであっても良い。より好ましくは、冷却ジャケット2に導入する冷媒の温度が、−10〜40℃が好ましい。冷媒としては、工業的な光化学反応に用いるには、水または水を含む液冷媒が好ましい。例えば、15〜35℃の工業用水が一般的冷却水として活用でき、好ましくは20℃以下が良い。さらに、冷媒温度が低いほど発光ダイオード1が冷却され、エネルギー変換効率や光量子数が増加できるので、5〜10℃の冷水が好ましく、さらには、塩化カルシウム等の無機塩を主体とする無機系ブライン、エチレングリコールやプロピレングリコールを主体とする有機系ブラインを用いて−10〜5℃のブラインが好ましい。発光ダイオードの冷却温度は低温ほど、発光性能が向上するが、−10℃よりも低温になると冷媒制御、温度制御、照射装置の材質対応が必要となり経済的ではない。さらに、冷却ジャケット2に導入する冷媒温度の変動範囲は、該冷媒温度の平均値の±5℃以下、更に好ましくは±3℃以下が好ましい。
光化学反応での冷却ジャケット2の表面温度は、供給される冷媒の温度に近ければ良く、例えば、冷却ジャケット2の表面温度と冷媒の温度との温度差が10℃以内、好ましくは5℃以内が好ましい。冷却ジャケット2の表面温度は−10〜40℃が好ましく、表面温度が低いほど発光ダイオード1が冷却され、エネルギー変換効率や光量子数が増加できるので、25℃以下が好ましく、さらにシクロヘキサノンオキシムの収量を上げるには15℃以下が好ましい。冷却ジャケット2の表面温度は冷媒の入口と出口との中央部の位置で測定し、冷却ジャケット2と発光ダイオード1の裏面あるいは発光ダイオード1をマウントした基板が接するサイドの冷却ジャケットの部分の表面温度とする。冷却ジャケット2に複数の冷媒導入ライン3および冷媒排出ライン4が具備されている場合には、各々の入口と出口との中央部の位置での冷却ジャケット2の表面温度を平均した温度を表面温度とする。
さらに、冷却ジャケットの表面温度の変動範囲は、該平均値の±5℃以下が好ましく、光照射を長時間安定させるには該平均値の±3℃以下が好ましい。発光エネルギー分布の測定には、該平均値である平均表面温度を基準にする。
本発明の光反応装置において、光化学反応器5は円筒型、箱型等いずれであっても良い。外部照射方式を用いる場合は、光化学反応器5は光透過性の材質であり、例えば石英、ガラス、アクリル等の透明樹脂製が挙げられる。内部照射方式を用いる場合は、光透過性の材質でも良いが光ロスを抑制するために、光反射性の良い金属材質を用いるのが良く、腐食性が強い反応環境ではチタン製が良い。光化学反応器5にはシクロアルカン導入ライン6よりシクロアルカンを導入し、ニトロソ化剤導入ライン7よりニトロソ化剤を導入する。ニトロソ化剤導入ライン7は、シクロアルカンに十分に分散、溶解させるため、光化学反応器5の下部に挿入されるのが望ましい。光化学反応により得られた反応生成物は底部より反応生成物ライン8より抜き出されることが望ましい。
光化学反応における反応温度、すなわち光反応液の温度は、所定の温度に調節できるように冷却できれば良いが、シクロアルカノンオキシムの収量を上げ、副反応を抑制するには30℃以下、好ましくは20℃以下とすることが望ましい。下限としては原料シクロアルカンの凝固点以上が好ましく、シクロアルカンがシクロヘキサンであれば6.5℃以上であることが望ましい。例えば、発光ダイオード1を用いた場合、光照射方向への発熱は少なくなるが、光反応による反応熱により、反応温度が上昇するため、この反応熱を除熱するのが望ましい。例えば、光反応液に反応冷却器9を設けて、反応冷却器9を浸漬させて、反応冷却水導入ライン10より冷却水を導入し、反応冷却水排出ライン11より排出するような強制的に間接冷却する方式が望ましい。放電灯による光化学反応では、光照射方向に膨大な光照射熱が発生するため、図10のように、放電灯の照射面での冷却および光化学反応器5の外側での冷却が必要であったが、発光ダイオード1を用いた場合、反応熱の除去のみで反応温度をほぼ一定に保つことができる。そのため、反応冷却器9は少ない伝熱面積で冷却することができ、冷却器の小型化が可能となるため、光反応液に反応冷却器9を浸漬させて冷却するだけで所定の反応温度を維持できる。また、光化学反応器5の内部に管状のコイルやドラフトチューブ等を設けて冷却しても良い。
さらに、反応冷却器9が小型化できるので、反応冷却器9が光を吸収したり、反射させることで光照射を邪魔することを軽減させる位置に反応冷却器9を設置することが可能である、例えば、光源が両サイド、円周状等の多方向から光を照射する場合、光源の照射表面からの距離が最も遠い位置に反応冷却器9を配置することで、例えば、図8および9のように光源間の中央部に反応冷却器9を配置して光照射のロスを軽減できる。
本発明で用いるシクロアルカンは、特にその炭素数には限定しないが、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカンが好ましい。特に、カプロラクタムの原料となるシクロヘキサン、ラウリルラクタムの原料となるシクロドデカンが好ましい。光ニトロソ化剤としては、例えば、塩化ニトロシル、塩化ニトロシルと塩化水素との混合ガスが好ましい。その他、一酸化窒素と塩素との混合ガス、一酸化窒素と塩素と塩化水素との混合ガス、ニトローゼガスと塩素との混合ガス等のいずれも光反応系にて、塩化ニトロシルとして作用するので、これらニトロソ化剤の供給形態に限定されるものではない。また、塩化ニトロシルとクロロホルムを光化学反応させて得られるようなトリクロロニトロソメタンをニトロソ化剤として用いても良い。上記のシクロアルカンおよび光ニトロソ化剤を用いて発光ダイオードの光照射による光化学反応の結果、シクロアルカンの炭素数に応じたシクロアルカノンオキシムを得ることができる。光化学反応を塩化水素の存在下で行う場合、シクロアルカノンオキシムはその塩酸塩となるが、そのまま塩酸塩の形態でも良い。例えば、シクロヘキサンを用いた塩化ニトロシルによる光ニトロソ化反応ではシクロヘキサノンオキシムが得られる。反応により得られたシクロアルカノンオキシムは、光化学反応器5の槽内で沈降し、油状物として蓄積される。この油状物は反応生成物ライン8から抜き出される。未反応および生成した排ガスは、未反応ガスライン12より排出した。
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1
光反応試験
光反応試験には、図8および図9の光化学反応装置を用いた。光化学反応器5は外径14cmの円筒型のガラス製を用いた。光源である発光ダイオード1は、波長623nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 Red−Orange LXHL−LH3C、ロット番号G2GH(ここでは、Lumileds社のBinコードを用いた))である。なお発光ダイオード1はすべて同一ロットを使用した。
発光ダイオード1は、光化学反応器5の外側側面に沿って、光照射面を光化学反応器5の側面に光照射面を対面させるように発光ダイオード1を設置し、均等に配列させ、光化学反応器5の外側から光化学反応器5の外壁ガラスを通して光反応液に照射するような外部照射方式を用いた。冷却ジャケット2は光化学反応器5の外側に円周状に配置させ、発光ダイオード1の裏面と冷却ジャケット2が接する面は、図9の断面のように、正24角形としている。発光ダイオード1の配列は、光反応液の液面より下部の位置に、冷却ジャケット2の断面の正24角形の1辺あたりに発光ダイオード1列として、24列、縦方向に9行として、冷却ジャケット2の平滑面に発光ダイオード1の裏面を密着できるようにした。発光ダイオード1の裏面はアルミニウム製であり、発光ダイオード1の裏面と接する冷却ジャケット2の部分もアルミニウム製である。冷却ジャケット2の平面と発光ダイオード1の裏面を完全に密着させるためにシール剤として放熱用のシリコンを隙間に塗布して接着した。光化学反応器5の底部に反応生成物が油状物として蓄積するので、底部の油状物に光照射が直接当たらない位置で、かつ発光ダイオードの光照射方向が光化学反応器5の縦中心線に向かって、光反応液に均等に照射できるように配列させた。発光ダイオード1のレンズ先端から光化学反応器5の側面までの最短距離は0.6〜0.8cmの範囲で、一定距離に保った。
冷却ジャケット2に、1±2℃(平均温度1℃)のエチレングリコールを含む水溶液を冷媒として、冷却ジャケット2の外側側面の底部に設けた冷媒導入ライン3から冷媒を導入して、該側面上部の冷媒排出ライン4から排出した。冷却ジャケット2の内部は流路板を設置し、冷却ジャケット2内をスパイラル状に流動させた。冷却温度は、冷媒導入位置と排出位置との中間の位置で、冷却ジャケット2と発光ダイオード1の裏面が接するサイドの冷却ジャケット2の部分の表面温度が2±1℃となるように、冷媒の送液量を調整した。冷却ジャケット2の部分の平均表面温度は2℃である。
発光ダイオード1は216個を用いて、36個を直列に繋ぎ、その2系列を並列にして3セットの直流電源装置を用いて発光させた。各電源からの駆動電流値が均等になるように3セットの直流電源装置の電圧および電流を調整した。発光ダイオード1個あたりの平均駆動電流値は0.59A/個であり、全発光ダイオードへの総投入電力は310Wである。
光化学反応における反応熱の冷却は、光化学反応器5の中央部に外径5cmの円筒型のガラス管を反応冷却器9として光反応液に浸漬して、反応冷却器9の下部に、反応冷却水導入ライン10より10±2℃(平均温度10℃)の冷却水を連続的に供給して、反応冷却水排出ライン11より排出して間接的に強制冷却を行い、光反応液の温度、すなわち反応温度を20℃±2℃に保った。平均反応温度は20℃である。反応冷却水排出ライン11より排出した冷媒は小型冷却水循環装置(クールエース、CCA−1111)にて再度冷却して温度調節を行い反応冷却水ライン10へ循環させた。光反応液の温度は光化学反応器5の外壁と反応冷却器9の外壁との水平距離での中間部、かつ光反応液の液面と光ニトロソ化剤導入ライン7の吐出部との垂直距離における中間部の位置で光反応液の温度を測定した。
光化学反応器5に、シクロアルカン導入ライン6よりシクロヘキサン(特級試薬、片山化学社製)3L仕込み、反応温度を20±2℃に維持し、塩化水素(鶴見曹達社製)ガスを2000ml/minの流量で光ニトロソ化剤導入ライン7より供給して、光化学反応器5の下部より連続的に吹き込んだ。10min後に発光ダイオード1を点灯した。点灯開始後10min後に、塩化ニトロシル(ニトロシル硫酸を塩化水素と反応させて合成し、蒸留精製して得た)ガスを200ml/minの流量で塩化水素ガス2000ml/minと混合して、光ニトロソ化剤導入ライン7より、光化学反応器の下部より連続的に吹き込んだ。
排ガスは、未反応ガスライン12より排出して、スクラバーにて水吸収し、吸収液をソーダ灰にて中和した。
光反応生成物であるシクロヘキサノンオキシムは油状物となり、未反応のシクロヘキサンとの比重差にて油状物が光化学反応器5の底部に蓄積される。点灯開始を反応開始として30min毎に油状物を反応生成物ライン8より抜き出した。光反応試験は点灯開始後、1h〜4hでの油状物より評価を行った。また、油状物を抜き出す毎に、抜き出した体積量に相当するシクロヘキサンを補充して光反応液の液面を一定に保った。
シクロヘキサノンオキシムは、抜き出した油状物を、エタノール溶液に溶解し、粉末重炭酸ソーダで中和後、GC分析(島津製作所社製、GC−14B)にて測定し、検量線よりシクロヘキサノンオキシムの濃度(wt%)を求め、油状物の重量(g)から反応で得られたシクロヘキサノンオキシムの生成量(g)を求めた。GC分析条件は、固定相液体はThermon−3000 7%、固定相担体はChromosorb W−AW(DMCS)80〜100mesh、カラムは内径3.2mmガラス2.1m、キャリアーガスは窒素25ml/分、温度はカラム恒温槽180℃、注入口240℃、検出器はFID、内部標準物質はジフェニルエーテルである。
シクロヘキサノンオキシムの収量(g/kWh)は、1h当たりの投入電力(kWh)に対するシクロヘキサノンオキシムの生成量(g)で算出し、点灯開始後1〜4hでの1hの投入電力あたりの平均シクロヘキサノンオキシムの収量とした。
光量子収率は、以下のように、シクロヘキサノンオキシムの収量から求まるシクロヘキサノンオキシムの個数と点灯時に照射される総光量子数から求めた。
光量子収率(%)={1秒あたりのシクロヘキサノンオキシムの生成量(g/s)/113(分子量)×6.022×10+23(アボガドロ数:個/mol)}/{波長400〜760nmの総光量子数(Photon/s)}×100
ここで、総光量子数は発光ダイオードの特性評価にて説明する。
オキシム収量変動率は、光反応試験にて点灯開始後1〜4hでの1hの投入電力あたりのシクロヘキサノンオキシム収量の最大値と最小値を用いて、平均シクロヘキサノンオキシム収量との偏差率で、以下のように求めた。
オキシム収量変動率(%):[(最小値−平均値)/平均値]×100〜[(最大値−平均値)/平均値]×100
反応後の光照射面の汚れ、すなわちタール状物質の有無を確認した。
発光ダイオードの特性評価
発光ダイオードの波長に対するエネルギー分布は、PMA−12マルチチャンネル分光器(BTCCDタイプ、C10027−01型、浜松ホトニクス社製)を検出器として用いて、内径3inch(7.6cm)の積分球にて、発光ダイオード1個での波長領域200〜950nmでの発光エネルギー分布を0.7nm毎に発光エネルギーの絶対値を測定した。アルミニウム製のヒートシンク上に発光ダイオードを据え付け、ヒートシンクを冷水により冷却して、光反応試験と同温度と同駆動電流にて測定した。すなわち、ヒートシンクの表面温度は、光反応試験の冷却ジャケット2の部分の平均表面温度と同様に2℃、光反応試験の発光ダイオード1個あたりの平均駆動電流値と同様に駆動電流は0.59Aである。発光ダイオードの駆動時に発熱により温度上昇するので、温度上昇は1℃以内になるようにして、測定時間を100msで測定した。
波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図4に示す。図4は、発光エネルギーの最大値を1とした相対発光エネルギー分布である。全発光エネルギーは、波長300〜830nmの積算値(W)を用いた。有効エネルギーは、波長400〜760nmの積算値(W)を用いた。
エネルギー効率は、発光エネルギー分布データと総投入電力を用いて、以下のように求めた。
エネルギー効率(%)=有効エネルギー(W)/発光エネルギー測定時の投入電力(W)×100
総光量子数は、発光エネルギー分布から得られた各波長の発光エネルギーから各波長の光量子数を求めた波長400〜760nmの積算値(photon/s)を用いた。
ここで、各波長の光量子数は以下のように求めた。
各波長の光量子1個の発光エネルギー(J/Photon)=6.626×10−34(プランク定数:J・s)×2.998×10+8(光速度:m/s)/波長(m)
各波長の光量子数(Photon/s)=各波長の発光エネルギー(W)/各波長の光量子1個の発光エネルギー(J/Photon)
単位エネルギーあたりの光量子数は以下のように求めた。
単位エネルギーあたりの光量子数(Photon/J)=総光量子数(Photon/s)/発光エネルギー測定時の投入電力(W)
結果を表1に示す。
実施例2
発光ダイオード1は実施例1と同様として、冷却ジャケット2に導入する冷媒温度を7±2℃(平均温度7℃)、冷却ジャケット2の表面温度を8±1℃(平均表面温度8℃)として、光反応試験を行った。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.59A/個で、総投入電力は309Wで行った。
発光エネルギー分布は、1個の発光ダイオードを用いて測定し、ヒートシンクの表面温度は光反応試験の冷却ジャケットの平均表面温度と同じ8℃として、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.59Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図4に示す。発光エネルギー分布において、発光エネルギーの最大値を示すピーク波長は624nmであった。
その他の条件や光反応は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例3
発光ダイオード1は実施例1と同様として、冷却ジャケット2に導入する冷媒温度を25±1℃(平均温度25℃)、冷却ジャケット2の表面温度を25±1℃(平均表面温度25℃)として、光反応試験を行った。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.59A/個で、総投入電力は308Wで行った。
発光エネルギー分布は、1個の発光ダイオードを用いて測定し、ヒートシンクの表面温度は光反応試験の冷却ジャケットの平均表面温度と同じ25℃として、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.59Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図4に示す。発光エネルギー分布において、発光エネルギーの最大値を示すピーク波長は625nmであった。
その他の条件や光反応は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例4
発光ダイオードとして波長454nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 RoyalBlue LXHL−LR3C、ロット番号P5KY)を用いた。冷却ジャケット2に導入する冷媒温度を9±1℃(平均温度9℃)、冷却ジャケット2の表面温度を10±1℃(平均表面温度10℃)として、光反応試験を行った。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.50A/個で、総投入電力は360Wで行った。
発光エネルギー分布は、1個の発光ダイオードを用いて測定し、ヒートシンクの表面温度は光反応試験の冷却ジャケットの平均表面温度と同じ10℃として、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.50Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図5に示す。
その他の条件や光反応は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例5
発光ダイオードとして波長463nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 Blue LXHL−LB3C、ロット番号Q3JB)を用いた。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.48A/個で、総投入電力は330Wで行った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.48Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図5に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
比較例3
発光ダイオードとして波長515nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumi
leds社製 Cyan LXHL−LE3C、ロット番号T6MC)を用いた。光反応
試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.47A/個で、総投入電力は346Wで行
った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.47Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図5に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
比較例4
発光ダイオードとして波長528nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 Green LXHL−LM3C、ロット番号T4JG)を用いた。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.50A/個で、総投入電力は336Wで行った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.50Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図5に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
比較例5
発光ダイオードとして波長591nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 Amber LXHL−LL3C、ロット番号E4HA)を用いた。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.59A/個で、総投入電力は328Wで行った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.59Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図6に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例
発光ダイオードとして波長624nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 Red−Orange LXHL−LH3C、ロット番号G2GH)を用いた。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.59A/個で、総投入電力は308Wで行った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.59Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図6に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
実施例
発光ダイオードとして波長632nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 Red LXHL−LD3C、ロット番号G4GR)を用いた。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.60A/個で、総投入電力は301Wで行った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.60Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図6に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
比較例6
発光ダイオードとして波長443nmに最大エネルギーピークを有したもの(Lumileds社製 White LXHL−LW3C、ロット番号TV1JW)を用いた。光反応試験の発光ダイオード1の平均駆動電流は0.45A/個で、総投入電力は304Wで行った。
発光エネルギー分布の測定は、駆動電流は光反応試験の平均駆動電流と同じ0.45Aで測定した。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図6に示す。
その他の条件や光反応は実施例4と同様に行った。結果を表2示す。
比較例1
光反応試験
光反応試験には、図10の光化学反応装置を用いた。光化学反応器2は外径9.5cmの円筒型のガラス製を用いた。光源には放電灯13として高圧水銀ランプ(発光管封入金属:Hg)を用い、波長365nmに最大エネルギーピークを有したもの(東芝ライテック社製)である。光化学反応器5は中央部に棒状の放電灯13を有しており、放電灯13はランプ冷却器14の内部に挿入して、光反応液に浸漬させて光を照射する内部照射方式である。点灯は交流電源にて、安定器を用いて電力調整し、テスト電力は250Wで行った。
光反応における冷却は、放電灯13の発光時の高い発熱による反応系への影響を低減するため放電灯の光照射に伴う照射熱を除熱する光照射面での冷却、および光反応による反応熱と光照射熱を除熱するための光反応液の冷却を行った。光照射面での冷却は、光化学反応器5の中央部に、ランプ冷却器14として外管外径5cmと内管外径3cmの二重円筒型のガラス管を浸漬させて、ランプ冷却器14の内部にランプを挿入して、放電灯13サイドと光反応液サイドを冷却できる。放電灯13の表面からランプ冷却器14の外管までの最短距離は1.1〜1.2cmである。ランプ冷却水導入ライン15よりランプ冷却導入管16を通じて、冷却水を導入し、ランプ冷却水排出ライン17より排出して冷却させた。10±2℃の冷却水を5〜9L/minで供給した。
さらに、光反応液の冷却には、光反応液を20±2℃に維持するために、光化学反応器5の外側に冷却バス18を設け、反応冷却水導入ライン10より6〜13℃の冷却水を連続的に供給して、反応冷却水導入ライン10より排出した。反応温度の測定個所は実施例1と同様である。
光化学反応器5にシクロヘキサン(特級試薬、片山化学社製)1L仕込み、光化学反応器5の反応温度を20±2℃に維持し、塩化水素(鶴見曹達社製)ガスを1440ml/minの流量で光ニトロソ化剤導入ライン7より供給して、光化学反応器の下部より連続的に吹き込んだ。10min後に放電灯13を点灯した。点灯開始10min後に、塩化ニトロシル(ニトロシル硫酸を塩化水素と反応させて合成し、蒸留精製して得た)ガスを160ml/minの流量で塩化水素ガス1440ml/minと混合して、光ニトロソ化剤導入ライン7より、光化学反応器5の下部より連続的に吹き込んだ。
その他の条件等は、実施例1と同様に行った。
放電灯の特性評価
放電灯の波長に対する発光エネルギー分布は、放電灯13が棒状光源で大きいため、積分球での測定が困難であり、放射照度による測定で評価した。分光器(ニコン社製、G−250)、光電子増幅管(浜松ホトニクス社製、R1509)を用いて、5nm毎に300〜830nmの発光エネルギーを測定したものを用い、波長は5nm毎の中心値を用いた。投入電力は250Wである。測定距離は発光管の中心から60cmとして、放射照度(W/cm)による発光エネルギー分布を測定した。放電灯13の発光管19の長さとして、発光長は6cmである。測定照射面積は、点光源として測定距離での球面積としたが、封止管部分による放射照度の低下、放射面積の減少分はその角度の放射照度を測定して補正を行った。波長領域300〜830nmにおける発光エネルギー分布を図7に示す。図7は、発光エネルギーの最大値を1とした相対発光エネルギー分布である。全発光エネルギーは、波長300〜830nmの積算値(W)を用いた。
その他の条件や光反応は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例2
ランプ冷却器14に導入する冷却水に、波長400nmよりも短波長をカットするための蛍光剤(Whitex RP、住友化学社製)を0.05%の濃度となるように導入した。波長400nm未満の波長をカットしたので、波長に対する発光エネルギー分布における最大エネルギーを示す波長は、435nmとなる。発光エネルギー分布は比較例1を用いて、波長400nm未満を含まないとした。
その他の条件等は、比較例1と同様に行った。結果を表1に示す。
表1および表2中、短波長カットとは、波長400nm未満の短波長を蛍光剤によりカットしたことの有無を示す。
最大波長とは、波長300〜830nmの発光エネルギー分布において、発光エネルギーが最大値を示す波長である。
有効エネルギー/全発光エネルギーは、発光エネルギー分布における300〜830nm波長領域の発光エネルギーの積算値(全発光エネルギー)に対する波長400〜760nmを有効波長として積算した発光エネルギー(有効エネルギー)の割合である。
光量子数とは、単位エネルギーあたりの光量子数(Photon/J)である。
光源の裏面への強制冷却は、有無で示した。
冷媒供給温度は、冷却ジャケットに導入する冷媒の光反応試験における平均冷媒温度である。
冷却ジャケット温度は、冷媒導入位置と排出位置との中間の位置で、冷却ジャケットと発光ダイオードの裏面が接するサイドの冷却ジャケットの部分の表面温度で、光反応試験における平均表面温度である。
反応温度は、光反応液の温度として平均値で示した。
平均オキシム収量は、光反応試験にて点灯開始後1〜4hでの1hの投入電力あたりの平均シクロヘキサノンオキシムの収量(g/kWh)である。
Figure 0005359064
Figure 0005359064
以上の結果より、実施例1〜では、光源として最大波長が波長400〜760nmの範囲かつエネルギー変換効率が12%以上75%以下である発光ダイオードを用いた光ニトロソ化反応により、シクロヘキサノンオキシムが得られることがわかった。比較例1および2で用いた高圧水銀ランプのオキシム収量よりも高い結果であった。
実施例1〜3では、発光ダイオードの裏面を冷却して、冷却温度が低いほど、発光ダイオードのエネルギー変換効率が上がり、光量子数が向上するため、平均オキシム収量が増加できる。実施例2および3では、エネルギー変換効率は比較例よりも低いが、長波長であるため光量子数が多く、光量子収率が高いため、平均オキシム収率は高い。さらに、実施例1では強制冷却により冷却温度を低下させることで、比較例よりもエネルギー変換効率を高くできるので、平均オキシム収量はさらに向上する。また発光ダイオードの裏面を強制冷却により、発光が安定することができ、比較例の放電灯に比べ、オキシム収量変動率も小さく、安定な光ニトロソ化反応を実現できる。
実施例4〜では、発光ダイオードの発光エネルギー分布の最大値を示す波長が異なるが、エネルギー変換効率が12%以上75%以下である発光ダイオードで、いずれも有効波長領域に効率よく光照射できており、有効エネルギーは全エネルギーに対して99.3〜99.9%と非常に高い。発光ダイオードのエネルギー変換効率が放電灯よりも低くても、高効率で反応に有効な波長に光照射できることを示している。
発光ダイオードは光反応に必要な波長400〜760nmの範囲に効率的に発光できるため、光源の性能となるエネルギー変換効率が高圧水銀ランプよりも低い実施例において、高圧水銀ランプを上回る平均オキシム収量が得られた。さらに、光反応の収量に重要な因子である光量子数が高圧水銀ランプよりも低い実施例においても、発光ダイオードでは光量子収率が高くできるため、高い平均オキシム収量が得られた。また、実施例4〜でもオキシム収量変動率が小さく、安定した反応収量が得られる。
実施例1〜より、発光ダイオードはエネルギー変換効率および/あるいは光量子数が高いほど、高いオキシム収量が得られる傾向にある。実施例1〜7および比較例3〜6ではエネルギー変換効率が5%以上であるが、実施例1〜7ではエネルギー変換効率が12%以上ではさらに高い平均オキシム収量が得られる。光量子数では3×10+17(Photon/J)以上で、高いオキシム収量が得られる。
発光ダイオードの波長より、実施例1〜3では、これまで放電灯では実現出来なかった最大波長が600nm以上でも、シクロヘキサノンオキシムを十分に得ることができた。これは、Einsteinの法則から、単位発光エネルギーあたりの光量子数、すなわち同じエネルギー変換効率での光量子数は長波長ほど多いので、長波長領域での光ニトロソ化が可能であれば、高収量が望めることを示しており、発光ダイオードの裏面への冷却による発光ダイオードの性能向上、長期安定照射の効果が高い。
発光ダイオードは効率的に有効波長領域に発光できるのみならず、発光ダイオードを面状に配置でき、均等に光反応液に照射できるため、局部的な発光である高圧水銀ランプよりも高い光量子収率が得られた。特に、発光ダイオードと冷却ジャケットが接する断面を多角形とすることで、発光ダイオードの裏面を密着させて冷却ジャケットに設置し易く、伝熱効果が高く、冷媒供給温度と冷却ジャケットの表面温度との温度差はほとんど無く、冷却可能となる。さらに、該多角形にすることで発光ダイオードの光照射方向を光化学反応器の中心方向に向けて均等に光照射が可能となる。また、発光ダイオードと光反応液との距離を至近距離で一定にできるので、光照射ロスも軽減できる。比較例のような放電灯では、光照射方向の発熱により光照射面の冷却が必要であるため、至近距離での光照射は困難であり、ランプ冷却水やランプ冷却器、紫外線カット等により光照射ロスが生じる。
比較例1および2は放電灯の一種である高圧水銀灯を使用しているが、比較例1のように、最大エネルギーを示す波長が365nmの短波長では、シクロヘキサノンオキシムの収量が低い。また、波長400nm以下の短波長をカットしていないので、光照射面の汚れが多量に生じて、光透過ロスを生じてオキシム収量が低く、オキシム収量変動率も非常に大きい。比較例2では蛍光剤により波長400nm以下をカットしたことで、光照射面の汚れが減少でき、オキシム収量がアップするが、汚れ低減は完全ではなく、オキシム収量変動率は大きい。さらに蛍光剤の透過ロス等も生じる。
実施例1〜3、6〜のように発光ダイオードでは、短波長のカットをしなくても、光照射面での汚れはない。つまり、最大波長500〜650nmでは光照射面の汚れはない。実施例4、5では比較例1よりも光照射面での汚れは少ないながらも、比較的短波長では光照射面での汚れを示す結果となったが、比較例1および2よりも平均オキシム収量が良い結果となり、光照射面での汚れによる反応への影響は放電灯に比べ少ない。これも発光ダイオードでは面状の光照射が可能となり、単位照射面積あたりの発光エネルギーを低減できるため、光照射面の汚れを緩和できる利点である。
地球環境に優しく、省エネ、長寿命等で次世代の光源として期待されている発光ダイオードを光源として、光化学反応、特に光ニトロソ化反応を可能にした。この結果、発光ダイオードは表示用途や照明用途のランプ代替として、脚光を浴びているが、光化学反応に適用できることで、大いに発光ダイオードの新たな用途や可能性を広げられる。さらに、光化学反応を用いた製造、その応用範囲がこれらに限られるものではないが、例えばカプロラクタムやラウリルラクタムの製造、特に、光ニトロソ化法によるシクロヘキサンノンオキシムからのカプロラクタムの製造において、発光ダイオードを適用することにより、発光エネルギーを効率的に光ニトロソ化反応に利用できるとともに、環境負荷低減、省エネルギー、寿命延長が可能となり大幅なコストダウンが期待できる。
図1は、波長625nm付近に発光エネルギーの最大値を有する発光ダイオードの一例の発光エネルギー分布を表すグラフである。 図2は、発光エネルギーの最大値を示す波長が400〜760nmの範囲にある放電灯の一例の発光エネルギー分布を表すグラフである。 図3は、発光エネルギーの最大値を示す波長が400〜760nmの範囲にある放電灯の一例の発光エネルギー分布を表すグラフである。 図4は、実施例1〜3で用いた各発光ダイオードの波長に対する相対発光エネルギー分布である。 図5は、実施例4〜5および比較例3〜4で用いた各発光ダイオードの波長に対する相対発光エネルギー分布である。 図6は、実施例6〜7および比較例5〜6で用いた各発光ダイオードの波長に対する相対発光エネルギー分布である。 図7は、比較例で用いた高圧水銀ランプの波長に対する相対発光エネルギー分布である。 図8は、本発明の発光ダイオードを用いた光化学反応装置の縦中央断面図の一例である。 図9は、本発明の発光ダイオードを用いた光化学反応装置のA−Aの横断面図の一例である。 図10は、比較例で用いた放電灯を用いた光化学反応装置の一例である。
符号の説明
1 発光ダイオード
2 冷却ジャケット
3 冷媒導入ライン
4 冷媒排出ライン
5 光化学反応器
6 シクロアルカン導入ライン
7 光ニトロソ化剤導入ライン
8 反応生成物ライン
9 反応冷却器
10 反応冷却水導入ライン
11 反応冷却水排出ライン
12 未反応ガスライン
13 放電灯
14 ランプ冷却器
15 ランプ冷却水導入ライン
16 ランプ冷却導入管
17 ランプ冷却水排出ライン
18 冷却バス
19 発光管

Claims (14)

  1. シクロアルカンと光ニトロソ化剤とを、光照射により光化学反応させる方法において、光源として発光ダイオードを使用し、かつ該光源の波長に対する発光エネルギー分布の中で、発光エネルギーの最大値を示す波長が430nm〜650nmの範囲にあること、発光ダイオードのエネルギー変換効率が12%以上75%以下であること、さらに、該光源の裏面に冷却ジャケットを設けて、該冷却ジャケットに冷媒を連続的に導入して、該光源を強制的に間接冷却することを特徴とするシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  2. 前記光源の波長に対する発光エネルギー分布において、波長300nm〜830nmの発光エネルギーに対して波長400nm〜760nmの発光エネルギーの積算値が95%以上であることを特徴とする請求項1に記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  3. 前記冷却ジャケットに導入する冷媒の温度が、−10℃〜40℃であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  4. 前記冷却ジャケットの表面温度が−10℃〜40℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  5. 前記発光ダイオードを複数使用して、光反応液を含む光化学反応器の側面に沿って、発光ダイオードの照射面を光反応液に対面させて配列し、透過性の光化学反応器を介して光反応液に光照射すること、かつ、発光ダイオードの裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  6. 前記発光ダイオードの配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットが接する面の水平方向断面を多角形として、発光ダイオードの裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  7. 前記発光ダイオードの照射面と光化学反応器の側面との最短距離を0〜5cmとして光反応液に照射することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  8. 前記発光ダイオードとして、1個あたりの平均駆動電流が0.1〜1.5Aであるものを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  9. 前記シクロアルカンがシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  10. 前記光ニトロソ化剤が塩化ニトロシルとして作用することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のシクロアルカンオキシムの製造方法。
  11. 前記シクロアルカノンオキシムがシクロヘキサノンオキシムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のシクロアルカノンオキシムの製造方法。
  12. 光照射により光化学反応させる光化学反応装置において、光源の波長に対する発光エネルギー分布の中で、発光エネルギーの最大値を示す波長が430nm〜650nmの範囲にある発光ダイオードを光源とし、該光源の裏面に冷却ジャケットを設けて、該冷却ジャケットに冷媒を連続的に導入して、該光源を強制的に間接冷却させる装置を備えたこと、発光ダイオードのエネルギー変換効率が12%以上75%以下であることを特徴とする光化学反応装置。
  13. 前記発光ダイオードを複数使用して、光反応液を含む光化学反応器の側面に沿って、発光ダイオードの照射面を光反応液に対面させて配列し、光透過性の光化学反応器を介して光反応液に光照射するように設置すること、かつ、発光ダイオードの裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させることを特徴とする請求項12に記載の光化学反応装置。
  14. 前記発光ダイオードの配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットが接する面の水平方向断面を多角形として、発光ダイオードの配列により形成される光源の裏面あるいは発光ダイオードをマウントした基板の裏面と冷却ジャケットを密着させて光反応液に照射するようにしたことを特徴とする請求項12〜13のいずれかに記載の光化学反応装置。
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