JPWO2016043306A1 - インダクタ部品およびインダクタ部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

インダクタ電極の低抵抗化を図ることができる技術を提供する。第2導体6は、導電性ペーストにより形成された下地層11と、該下地層11を被覆して形成されためっき層12とにより形成されている。よって、インダクタ電極7の一部を成す第2導体6を低コストで形成することができる。また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずにめっき層12により接続されているので、低コストでインダクタ電極7の低抵抗化を図ることができる。

Description

本発明は、絶縁体に設けられたインダクタを備えるインダクタ部品およびその製造方法に関する。
従来、図21に示すように、その内部にトランスが構成されたインダクタ部品500が提案されている(特許文献1参照)。インダクタ部品500は、樹脂から成る絶縁体(図示省略)に埋設されたコイルコア501と、一次コイルを形成する第1のインダクタ電極502aと、二次コイルを形成する第2のインダクタ電極502bとを備えている。また、第1、第2のインダクタ電極502a,502bそれぞれは、コイルコア501の外周面に沿って配列された第1、第2の外側柱状導体503a,503bと、コイルコア501の内周面に沿って配列された第1、第2の内側柱状導体504a,504bとを備えている。
そして、絶縁体の両主面それぞれに形成された複数の第1の配線電極パターン505aにより、第1の外側柱状導体503aおよび第1の内側柱状導体504aの対応する端部どうしが接続されることによって、コイルコア501の周囲を螺旋状に巻回する第1のインダクタ電極502aが形成されている。また、絶縁体の両主面それぞれに形成された複数の第2の配線電極パターン505bにより、第2の外側柱状導体503bおよび第2の内側柱状導体504bの対応する端部どうしが接続されることによって、コイルコア501の周囲を螺旋状に巻回する第2のインダクタ電極502bが形成されている。
また、第1、第2のインダクタ電極502a,502bそれぞれは、一次、二次コイル電極対506a,506bと、一次、二次コイルセンタータップ507a,507bとを備えている。なお、図21中では、二次コイルを形成する第2の配線電極パターン505b、二次コイル電極対506bおよび二次コイルセンタータップ507bにハッチングが施されている。
特許第5270576号公報(段落0044〜0046、図3など)
上記したインダクタ部品500の第1、第2の配線電極パターン505a,505bは、例えば次のようにして形成される。すなわち、まず、スパッタリングにより金属膜が形成されたり、金属箔が貼り付けられることにより、各柱状導体503a,503b,504a,504bそれぞれの端面が露出する絶縁体の両主面それぞれに金属層が形成される。そして、例えばフォトリソグラフィを用いて両金属層がエッチング処理されてパターン形成されることにより、絶縁体の両主面それぞれに第1、第2の配線電極パターン505a,505bが形成される。
ところで、インダクタ部品の製造コストを低減するために、第1、第2の配線電極パターン505a,505bを、導電性ペーストを用いて形成することも考えられる。ところが、この場合には、導電性ペーストはスパッタリングにより形成された金属膜や、金属箔と比較すると高抵抗であるため、第1、第2のインダクタ電極502a,502b全体が高抵抗化するという課題が生じる。
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、インダクタ電極の低抵抗化を図ることができる技術を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のインダクタ部品は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層に積層された第2絶縁層とを有する絶縁体と、前記絶縁体に設けられたインダクタとを備え、前記インダクタは、それぞれの第1端面が前記第1絶縁層の前記第2絶縁層との対向面に露出するように前記第1絶縁層に埋設された第1、第2の柱状導体から成る第1導体と、前記第2絶縁層の前記第1絶縁層との対向面に設けられ、前記第1の柱状導体の第1端面に接続され、前記第2の柱状導体の第1端面に接続された第2導体と、を有するインダクタ電極とを有し、前記第2導体は、導電性ペーストにより形成された下地層と、該下地層を被覆して形成されためっき層とを有し、前記めっき層が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面に接続され、前記第1、第2の柱状導体が前記下地層を介さずに接続されていることを特徴としている。
このように構成された発明では、インダクタ電極の一部を成す第1導体が第1絶縁層に埋設された第1、第2の柱状導体により形成され、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面が第1絶縁層の第2絶縁層との対向面に露出している。そして、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが、第2絶縁層の第1絶縁層との対向面に設けられ、インダクタ電極の残りの一部を成す第2導体により接続されることによってインダクタ電極が形成されている。このとき、第2導体は、導電性ペーストにより形成された下地層と、該下地層を被覆して形成されためっき層とにより形成されている。そして、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが、第2導体の下地層を介さずにめっき層により接続されているので、インダクタ電極の低抵抗化を図ることができる。また、インダクタ電極の一部を成す第2導体を低コストで形成することができる。
また、前記第2導体は、ライン状に形成され、第1端部が前記第1の柱状導体の第1端面に接続され、第2端部が前記第2の柱状導体の第1端面に接続され、前記第2導体の第1端部の前記めっき層の幅が、前記第1の柱状導体の第1端面の最大幅よりも広く形成され、前記第2導体の第2端部の前記めっき層の幅が、前記第2の柱状導体の第1端面の最大幅よりも広く形成されているとよい。
このようにすれば、第2導体の第1端部のめっき層と第1の柱状導体の第1端面との接続の信頼性を向上し、第2導体の第2端部のめっき層と第2の柱状導体の第1端面との接続の信頼性を向上することができる。また、第2導体の第1、第2端部それぞれのめっき層が幅広に形成されるので、第2導体の第1、第2端部それぞれにおける下地層を導電性ペーストにより太く形成することができる。したがって、めっき層を短時間で大面積に形成することができる。
また、前記第1導体の前記第1、第2の柱状導体それぞれの第2端面が前記第1絶縁層の前記第2絶縁層と反対側の主面から露出していてもよい。
このように構成すると、第1絶縁層の第2絶縁層と反対側の主面から露出する第1導体の第1、第2の柱状導体それぞれの第2端面を外部接続端子として使用することができるインダクタを備える実用的な構成のインダクタ部品を提供することができる。
また、前記各第2端面の面積が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの他の部分の断面積よりも大きく形成されているとよい。
このように構成すると、各第2端面の面積が、第1、第2の柱状導体それぞれの他の部分の断面積よりも大きく形成されているので、外部接続端子の接続面積を大きくすることができ、インダクタ部品を電子装置の回路基板等に実装する際の接合強度を向上することができる。
また、前記第1、第2の柱状導体が、それぞれ、金属ピンにより形成されているとよい。
このようにすれば、第1、第2の柱状導体が、柱状に形成された導電性ペーストの硬化物、めっきにより金属材料が所定の柱状となるまで成長しためっき成長物、金属粉末の柱状の焼結体、などにより形成された場合と比較すると、第1導体の低抵抗化を図ることができるので、インダクタ電極を更に低抵抗化することができる。
また、前記第1、第2の柱状導体それぞれの前記第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成されているとよい。
このように構成すると、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成されているので、例えば発熱により第1、第2の柱状導体が膨張した場合に、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面側の端部は、それぞれの周面が第1端面側、すなわち、該第1端面が接続された第2導体に向う方向に膨張する。よって、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面側の端部の周面を被覆する絶縁層を第2導体に押し付ける方向に応力が生じるため、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面付近において、第1絶縁層の第2絶縁層との対向面と第2導体との間に滑り(相対的な位置ずれ)が生じるのを防止することができる。したがって、インダクタ電極の第2導体が第1絶縁層の表面から剥がれるのが防止されたインダクタ部品を提供することができる。
また、前記めっき層が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面に超音波振動接合され、前記第1、第2の柱状導体が前記めっき層のみにより接続されているとよい。
このようにすると、第1、第2の柱状導体が、はんだ等の接合材料を介さずに、めっき層のみを介して接続されているので、インダクタ電極の更なる低抵抗化を実現することができ、優れた電気特性を有するインダクタ電極を備え、はんだフラッシュ等の不具合が生じるおそれのない信頼性の高いインダクタ部品を提供することができる。
また、前記第1導体と前記第2導体とがはんだにより接合されていてもよい。
このようにすると、第2導体と接続するためにはんだが付与されている第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面付近において、インダクタ電極の第2導体が第1絶縁層の表面から剥がれるのが防止されているので、はんだフラッシュ等の不具合の発生を防止し信頼性の高いインダクタ部品を提供することができる。
また、前記第1、第2の柱状導体間に配置されて前記第1絶縁層に埋設されたコイルコアをさらに備えていてもよい。
このようにすれば、第1、第2の柱状導体間にコイルコアが配置されることにより、インダクタ部品が備えるインダクタの高インダクタンス化を図ることができる。
また、本発明のインダクタ部品の製造方法は、絶縁体に設けられたインダクタを備えるインダクタ部品の製造方法において、第1導体を成す第1、第2の柱状導体を立設し、樹脂で被覆して前記絶縁体の一部を成す第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、前記第1絶縁層表面の樹脂を研磨または研削により除去して前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面を露出させる露出工程と、導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成されたライン状の第2導体がその表面に形成され前記絶縁体の残りの一部を成す第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面が露出する前記第1絶縁層の表面に前記第2絶縁層を積層して、前記第2導体の第1端部を前記第1の柱状導体の第1端面に接続し、前記第2導体の第2端部を前記第2の柱状導体の第1端面に接続して、前記インダクタが有するインダクタ電極を形成する接続工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面が露出する第1絶縁層の表面に前記第2絶縁層が積層されることにより、第2導体の第1端部表面のめっき層と第1の柱状導体の第1端面とが接続され、第2導体の第2端部表面のめっき層と第2の柱状導体の第1端面とが接続されてインダクタ電極が形成される。したがって、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが、第2導体の下地層を介さずにめっき層により接続されてインダクタ電極の低抵抗化が図られたインダクタ部品を低コストで提供することができる。
また、本発明のインダクタ部品の製造方法は、絶縁体に設けられたインダクタを備えるインダクタ部品の製造方法において、導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成されたライン状の導体がその表面に形成され前記絶縁体の一部を成す絶縁層を用意する用意工程と、前記導体の第1端部に第1の柱状導体の第1端面を接続し、前記導体の第2端部に第2の柱状導体の第1端面を接続して、前記インダクタが有するインダクタ電極を形成する接続工程と、前記第1、第2の柱状導体を被覆するように前記導体が形成された前記絶縁層の表面に前記絶縁体の残り一部を成す樹脂を供給して前記絶縁体を形成する形成工程とを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成されたライン状の導体が絶縁層の表面に形成される。そして、導体の第1端部表面のめっき層に第1の柱状導体の第1端面が接続され、導体の第2端部表面のめっき層に第2の柱状導体の第1端面が接続されてインダクタ電極が形成される。したがって、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが、第2導体の下地層を介さずにめっき層により接続されてインダクタ電極の低抵抗化が図られたインダクタ部品を低コストで提供することができる。
また、本発明のインダクタ部品の製造方法は、第1樹脂層と該第1樹脂層の一主面に積層された第2樹脂層とを有する絶縁体と、インダクタとを備えるインダクタ部品の製造方法において、それぞれの第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成された第1、第2の金属ピンから成る第1導体が、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面が前記第1樹脂層の一主面と所定の間隙を開けて対向するように埋設された前記第1樹脂層を準備する準備工程と、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面どうしを接続するために、前記第2樹脂層の表面に導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成された第2導体を、前記第1樹脂層との間に挟むように前記第1樹脂層の一主面に前記第2樹脂層を積層する第2樹脂層積層工程と、前記第1樹脂層の一主面側の表層であって、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面と前記第2導体との間の前記第1樹脂層を破断するように、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を積層方向に加圧し、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面を前記第2導体に接続して、前記インダクタが有するインダクタ電極を形成する加圧接続工程とを備え、前記第1樹脂層の前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面よりも表層部分の厚みが、前記加圧接続工程で破断する値に形成されていることを特徴としている。
このように構成された発明では、第1導体を成す第1、第2の金属ピンが、それぞれの第1端面が第1樹脂層の一主面と所定の間隙を開けて対向するように埋設された第1樹脂層が用意される。そして、第1樹脂層の第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面よりも表層部分の厚みが、加圧接続工程で破断する値に形成されている。そのため、加圧接続工程において、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面と第2導体との間の第1樹脂層を破断するように、第1樹脂層および該第1樹脂層の一主面に積層された第2樹脂層が積層方向に適切な加圧力で加圧されることで、テーパ状に形成された第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面側の端部により第1樹脂層が破断される。したがって、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面が第2導体のめっき層に接続されて、第1、第2の金属ピン柱状導体それぞれの第1端面どうしが第2導体の下地層を介さずにめっき層により接続されることにより、インダクタ電極の低抵抗化が図られたインダクタ部品を低コストで提供することができる。また、従来のように、各第1、第2の金属ピンの端部や第1樹脂層の樹脂を研削したり研磨したりする工程が不要であるので、インダクタ部品を低コストで製造することができる。
また、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成されているので、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面が第2導体に接続されたときに、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面側の端部の周面と、第2導体の表面とが成す角は鋭角となる。そのため、例えばインダクタ電極が発熱することにより第1、第2の金属ピンが膨張した場合に、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面側の端部の周面を被覆する樹脂を第2導体に押し付ける方向に応力が生じる。したがって、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面付近において、第1樹脂層の一主面と第2導体との間に滑り(相対的な位置ずれ)が生じるのを防止することができ、インダクタ電極の第2導体が第1樹脂層の表面(一主面)から剥がれることを防止したインダクタ部品を、低コストで製造することができる。
また、前記加圧接続工程において、加圧する際に超音波振動を印加するとよい。
このようにすると、超音波振動が印加されることにより、第1樹脂層の第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面よりも表層部分を確実に破断させることができる。また、超音波振動が印加されることにより、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面と第2導体との接続強度を向上させることができる。
本発明によれば、導電性ペーストにより形成された下地層と該下地層を被覆して形成されためっき層とにより形成されたライン状の第2導体表面のめっき層により、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが第2導体の下地層を介さずに接続されているので、インダクタ電極の低抵抗化を図ることができる。
本発明の第1実施形態にかかるインダクタ部品を示す斜視図である。 図1に示すインダクタ部品の断面図であって、(a)は図1のA−A線矢視断面図、(b)は図1のB−B線矢視断面図、(c)は図1のC−C線矢視断面図である。 図2(b)の要部拡大図であって、(a)は図2(b)の点線で囲まれた領域を示し、(b)は(a)の変形例を示す。 図1のインダクタ部品の製造方法の一例を示す図であって、(a)〜(g)はそれぞれ異なる工程を示す図である。 図1のインダクタ部品の製造方法の他の例を示す図であって、(a)〜(g)はそれぞれ異なる工程を示す図である。 図1のインダクタ部品の製造方法の他の例を示す図であって、(a)〜(e)はそれぞれ異なる工程を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかるインダクタ部品を示す図であって、(a)は部分断面図、(b)はインダクタ電極を形成する各第1、第2の金属ピンの接続状態を説明するための図である。 コイルコアの変形例を示す図であって、(a)は直線状のコイルコアを示す図、(b)は略C字状のコイルコアを示す図である。 本発明の第3実施形態にかかるインダクタ部品を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態にかかるインダクタ部品の断面図であって、(a)は図1のA−A線矢視断面図、(b)は図1のB−B線矢視断面図、(c)は図1のC−C線矢視断面図である。 図10(b)の点線で囲まれた領域を示す要部拡大図である。 図10のインダクタ部品の製造方法の一例を示す図であって、(a)〜(f)はそれぞれ異なる工程を示す図である。 図10のインダクタ部品の製造方法の他の例を示す図であって、(a)〜(g)はそれぞれ異なる工程を示す図である。 図10のインダクタ部品の製造方法他の例を示す図であって、(a)〜(g)はそれぞれ異なる工程を示す図である。 図10のインダクタ部品の変形例を示す図であって、(a)および(b)はそれぞれ異なる変形例を示す図である。 本発明の第5実施形態にかかるインダクタ部品の製造方法を説明するための図であって、(a)および(b)はそれぞれ異なる例を示す図である。 本発明の第6実施形態にかかるインダクタ部品を示す断面図である。 図17のインダクタ部品の変形例を示す断面図である。 本発明の第7実施形態にかかるインダクタ部品の要部拡大図である。 本発明の第8実施形態にかかるインダクタ部品を示す図であって、(a)は部分断面図、(b)はインダクタ電極を形成する各第1、第2の金属ピンの接続状態を説明するための図である。 従来のインダクタ部品を示す図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態にかかるインダクタ部品について説明する。
(インダクタ部品の構成)
図1〜図3を参照して、インダクタ部品の構成について説明する。
図1および図2に示すように、インダクタ部品1は、絶縁体2と、絶縁体2に設けられたインダクタLとを備えている。
絶縁体2は、第1樹脂層3と、第1樹脂層3に積層された第2樹脂層4とを備えている。第1、第2樹脂層3,4それぞれは、例えば、絶縁性熱硬化性樹脂と、フェライト粉末などの磁性体フィラーとが混合された磁性体含有樹脂により形成される。なお、磁性体含有樹脂を構成する樹脂は、熱硬化型に限られるものではなく、例えば光硬化型樹脂などを用いて磁性体含有樹脂が構成されていてもよい。また、絶縁体2は、後述する第1導体5および第2導体6の材質によっては、磁性体含有樹脂の代わりに、フェライト粉末などの磁性体粉末の焼結体により形成されていてもよい。なお、第1樹脂層3が本発明の「第1絶縁層」に相当し、第2樹脂層4が本発明の「第2絶縁層」に相当する。
インダクタLは、第1、第2の金属ピン8,9から成る第1導体5と、第2導体6とを有するインダクタ電極7を備えている。第1、第2の金属ピン8,9は、それぞれの第1端面8a,9aが第1樹脂層3の第2樹脂層4との対向面に露出し、それぞれの第2端面8b,9bが、第1樹脂層3の第2樹脂層4と反対側の主面から露出するように第1樹脂層3に埋設されている。
なお、この実施形態では、第1樹脂層3の表面に露出する第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bにより、インダクタ部品1の外部接続端子(入出力端子)が形成されている。また、第1、第2の金属ピン8,9は、Cu、Cu−Ni合金、Cu−Fe合金などのCu合金、Fe、Au、Ag、Alなどの材質により形成される。また、第1、第2の金属ピン8,9は、例えば、所望の直径を有し、円形状または多角形状の断面形状を有する金属導体の線材が、所定の長さでせん断加工されて形成される。
すなわち、インダクタ部品1が備える第1、第2の金属ピン8,9は、予め所定の形状と強度とを有する金属線により形成される。換言すると、導電性ペーストの硬化物、めっきにより金属材料が所定の形状となるまで成長しためっき成長物、金属粉末の焼結体などの線状の金属部材とは異なる部材である。このように、第1、第2の金属ピン8,9は、絶縁体の天面および底面に対して垂直となるように設けられるスルーホール導体またはビア導体に代わるものである。
また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの他の部分よりも大径に形成されて、第1、第2の金属ピン8,9が、それぞれ、側面視略逆T字状に形成されていてもよい。また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が、第2端面8b,9b側に向けてテーパ状に太くなるように形成され、第2端面8b,9bの面積が第1樹脂層3に埋設された第1、第2の金属ピン8,9の他の部分の断面積よりも大面積に形成されていてもよい。このようにすると、外部接続端子として機能する第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bの面積を大きくすることができるので、インダクタ部品1を電子装置の回路基板等に実装する際に、はんだなどの接合材料との接触面積を大きくすることができる。
また、図2(a)〜(c)および図3(a)に示すように、第2樹脂層4の第1樹脂層3との対向面には、平面視でホッチキス針の形状に形成されたライン状の第2導体6の外周に沿って、ポリイミド等の樹脂によりダム状の凸部が形成されている。この凸部により、第2導体6を形成するめっき層12を堰き止めるためのダム部材10が形成されている。そして、第2導体6は、第2樹脂層4の第1樹脂層3との対向面のダム部材10に囲繞された領域に、CuやAg等を金属フィラーとする導電性ペーストにより印刷形成された下地層11と、該下地層11を被覆して形成されためっき層12とを有している。なお、ダム部材10は、第2樹脂層4の表面からの高さが、第2導体6の第2樹脂層4の表面からの高さよりも高くなるように形成されている。
また、この実施形態では、めっき層12は、下地層11を被覆するCu層12aと、Cu層12aの表面に形成されたNi層12bと、Ni層12bの表面に形成されたAu層12cとにより形成されている。そして、第2導体6の第1端部6aのめっき層12が、第1の金属ピン8の第1端面8aに接続され、第2導体6の第2端部6bのめっき層12が、第2の金属ピン9の第1端面9aに接続されている。
また、図2(b)、図3(a)に示すように、この実施形態では、第2導体6の第1端部6aのめっき層12の幅W1が、第1の金属ピン8の第1端面8aの最大幅W2よりも広く形成されている。また、同一符号を引用して説明するが、第2導体6の第2端部6bのめっき層12の幅W1も、第2の金属ピン9の第1端面9aの最大幅W2よりも広く形成されている。したがって、第2導体6の第1端部6aのめっき層12と第1の金属ピン8の第1端面8aとの接続の信頼性を向上し、第2導体6の第2端部6bのめっき層12と第2の金属ピン9の第1端面9aとの接続の信頼性を向上することができる。
また、第2導体6の第1、第2端部6a,6bそれぞれのめっき層12が幅広に形成されるので、第2導体6の第1、第2端部6a,6bそれぞれにおける下地層11を導電性ペーストにより任意に太く大面積に形成することができる。したがって、例えば、図3(b)に示すように、下地層11を太くかつ大面積に形成することにより、さらに大面積のめっき層12を短時間で形成することができる。換言すれば、第2導体6のめっき層12のみが第1、第2の金属ピン8,9の第1端面8a,9aに接続されるので、めっき層12と比較すると高抵抗である導電性ペーストを用いて、第1、第2の金属ピン8,9の第1端面8a,9aの幅や面積に関係なく下地層11を任意に太く大面積に形成して、大面積のめっき層12を短時間で形成することができる。
なお、第2導体6の平面視形状は上記した例に限られるものではなく、例えば、第2導体6の平面視形状が、略L字状に形成されていたり、直線上に形成されていたり、ミアンダ状に形成されていてもよい。また、第2導体6の平面視形状はライン状に限られるものではなく、第2導体6の平面視形状が例えば平板状に形成されていてもよい。すなわち、必要とされるインダクタンスの大きさに応じて、第2導体6がどのような平面視形状に形成されていてもよい。また、めっき層12の下地層11を被覆する部分が、Cuの代わりに、Au等の他の貴金属により形成されていてもよい。
以上のように、第1の金属ピン8が、本発明の「第1の柱状導体」に相当し、第2の金属ピン9が、本発明の「第2の柱状導体」に相当する。
(インダクタ部品の製造方法)
次に、インダクタ部品の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、説明を容易なものとするため、1個のインダクタ部品1を製造する例を挙げて説明を行う。なお、以下で説明する製造方法を準用して複数のインダクタ部品1を一括して形成し、その後に、各インダクタ部品1ごとに個片化することによって複数のインダクタ部品1を同時に製造してもよい。
1.製造方法の一例
図4を参照して製造方法の一例について説明する。
まず、図4(a)に示すように、その一方主面に粘着層21が形成された連結板20を用意する。そして、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bを粘着層21に取着することにより、第1、第2の金属ピン8,9を、それぞれ、連結板20の一方主面上の所定位置に立設する。次に、図4(b)に示すように、磁性体含有樹脂により第1、第2の金属ピン8,9を被覆し、樹脂を熱硬化することによって、絶縁体2の一部を成す第1樹脂層3を形成する(第1絶縁層形成工程)。
続いて、図4(c)に示すように、第1樹脂層3の上面(第2絶縁層4との対向面)の樹脂を研磨または研削により除去して、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9bを第1樹脂層3の表面に露出させる(露出工程)。次に、図4(d)に示すように、連結板20を第1樹脂層3から剥離して除去する(剥離工程)。なお、この製造方法において、図4(d)に示す工程は、後述する図4(g)に示す工程の後に実行してもよい。
次に、絶縁体2の残りの一部を成す第2樹脂層4を、例えば次のようにして用意する。すなわち、まず、図4(e)に示すように、第2樹脂層4の下面(第1樹脂層3との対向面)に、所定のパターン形状を有するライン状の第2導体6の下地層11を、導電性ペーストを用いた印刷処理により形成する。そして、所定のパターン形状を有するライン状の下地層11の周囲にダム部材10をポリイミド等の樹脂により形成する。続いて、図4(f)に示すように、めっき処理により、第2樹脂層4の下面のダム部材10により囲繞された内側の領域において下地層11を被覆するようにめっき層12を形成し、第2導体6を形成することにより、第2樹脂層4が完成する(第2絶縁層形成工程)。なお、めっき処理は、必要に応じて異なる材質のめっき膜を形成するために複数回実行される。なお、めっき層12は、第1端部6aから第2端部6bに至るまで連続的に形成されている。
続いて、図4(g)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが露出する第1樹脂層3の上面に、第2導体6を第1樹脂層3の上面に対向させて第2樹脂層4を積層する。そして、第2導体6の第1端部6aを第1の金属ピン8の第1端面8aに接続し、第2導体6の第2端部6bを第2の金属ピン9の第1端面9aに接続して、インダクタLが有するインダクタ電極7を形成することにより(接続工程)、インダクタ部品1が完成する。
このように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが露出する第1樹脂層3の表面に第2樹脂層4が積層されることにより、第2導体6の第1端部6a表面のめっき層12と第1の金属ピン8の第1端面8aとが接続され、第2導体6の第2端部6b表面のめっき層12と第2の金属ピン9の第1端面9aとが接続されてインダクタ電極7が形成される。したがって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずに、第1端面8aが接続された第1端部6aから第1端面9aが接続された第2端部6bに至るまで連続的に形成されためっき層12により直接接続されてインダクタ電極7の低抵抗化が図られたインダクタ部品1を低コストで簡単に提供することができる。
なお、接続工程において、例えばはんだなどの接合材料により、第1導体5と第2導体6とを接続してもよいし、例えば超音波振動を利用して、第1導体5と第2導体6とを接続してもよい。また、図4(a)〜(d)に示す工程と、図4(e),(f)に示す工程とは、どちらを先に実行してもよいし、同時に実行してもよい。すなわち、個別に用意された第1樹脂層3と第2樹脂層4とを最後に積層してインダクタ部品1を形成することができればよい。
2.製造方法の他の例
図5を参照して製造方法の他の例について説明する。
まず、図5(a)に示すように、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aをその一方主面に支持する転写板30を用意する。なお、転写板30の一方主面には、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aを支持できるように粘着層(図示省略)が形成されている。そして、転写板30は、第1、第2の金属ピン8,9が、インダクタ部品1のインダクタLが所望のインダクタンスを取得できる間隔となるように、転写板30の一方主面上に第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aを取着することにより、第1、第2の金属ピン8,9を転写板30の一方主面に支持する。
続いて、図5(b)に示すように、離型シート40を用意する。離型シート40の一主面上には、例えば約50〜100μm程度の厚みで磁性体含有樹脂が塗布されることにより、第1樹脂層3の一部を成す未硬化状態の支持層3aが形成されている。なお、支持層3aは、別途作製された樹脂シートが離型シート40上に載置されることにより形成されてもよい。また、離型シート40としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の樹脂シートに離型層が形成されたものや、フッ素樹脂などの樹脂シート自体が離型機能を有するものを用いることができる。
次に、転写板30に支持された第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部を、第2端面8b,9bが離型シート40に当接するまで支持層3aに貫入させて、第1、第2の金属ピン8,9を、それぞれ、離型シート40の一主面上の所定位置に立設する。続いて、支持層3aを熱硬化させる。支持層3aが熱硬化することにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が支持層3aに支持される。
なお、未硬化の支持層3aを熱硬化させる際に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部の外周面に支持層3aを形成する磁性体含有樹脂を濡れ上がらせるようにするとよい。このようにすると、第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9b側の端部の外周面に、磁性体含有樹脂がフィレット状に這い登って形成された支持部(図示省略)が、硬化後の支持層3aに一体的に形成される。したがって、硬化後の支持層3aによる第1、第2の金属ピン8,9の支持強度を向上することができる。
なお、フィレット状の支持部の形状は、第1樹脂層3(絶縁体2)を形成する磁性体含有樹脂の種類や量を変更したり、第1、第2の金属ピン8,9を表面処理してその濡れ性を調整したりすることにより、調整することができる。
続いて、図5(c)に示すように、転写板30を除去し、支持層3a上に該支持層3aと同じ磁性体含有樹脂を供給して第1、第2の金属ピン8,9を被覆する第1樹脂層3を形成する(第1絶縁層形成工程)。次に、図5(d)に示すように、離型シート40を剥離して除去した後に(剥離工程)、第1樹脂層3の表裏面の樹脂を研磨または研削により除去し、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aおよび第2端面8b,9bを第1樹脂層3の表面に露出させる(露出工程)。
なお、第1樹脂層3は、支持層3aを液状の磁性体含有樹脂を用いて形成し、支持層3a上に磁性体含有樹脂を配置することにより形成してもよい。また、支持層3aと、支持層3a上に形成される樹脂層とを、種類の異なる磁性体含有樹脂を用いて形成してもよい。ここで、種類の異なる磁性体含有樹脂とは、磁性体フィラーの含有量は同じで種類が異なるもの、磁性体フィラーの種類は同じで含有量が異なるもの、両者が共に異なるもの、または絶縁性樹脂の種類が異なるものなどを示す。
次に、絶縁体2の残りの一部を成す第2樹脂層4を、例えば次のようにして用意する。すなわち、まず、図5(e)に示すように、第2樹脂層4の下面(第1樹脂層3との対向面)に、所定のパターン形状を有するライン状の第2導体6の下地層11を、導電性ペーストを用いた印刷処理により形成する。そして、所定のパターン形状を有するライン状の下地層11の周囲にダム部材10をポリイミド等の樹脂により形成する。続いて、図5(f)に示すように、めっき処理により、第2樹脂層4の下面のダム部材10により囲繞された内側の領域において下地層11を被覆するようにめっき層12を形成し、第2導体6を形成することにより、第2樹脂層4が完成する(第2絶縁層形成工程)。なお、めっき処理は、必要に応じて異なる材質のめっき膜を形成するために複数回実行される。なお、めっき層12は、第1端部6aから第2端部6bに至るまで連続的に形成されている。
続いて、図5(g)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが露出する第1樹脂層3の上面に、第2導体6を第1樹脂層3の上面に対向させて第2樹脂層4を積層する。そして、第2導体6の第1端部6aを第1の金属ピン8の第1端面8aに接続し、第2導体6の第2端部6bを第2の金属ピン9の第1端面9aに接続して、インダクタLが有するインダクタ電極7を形成することにより(接続工程)、インダクタ部品1が完成する。
なお、上記した「1.製造方法の一例」と同様に、接続工程において、はんだなどの接合材料により、第1導体5と第2導体6とを接続してもよいし、超音波振動を利用して、第1導体5と第2導体6とを接続してもよい。また、図5(a)〜(d)に示す工程と、図5(e),(f)に示す工程とは、どちらを先に実行してもよいし、同時に実行してもよい。すなわち、個別に用意された第1樹脂層3と第2樹脂層4とを最後に積層してインダクタ部品1を形成することができればよい。
このように、上記した「1.製造方法の一例」と同様に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずに、第1端面8aが接続された第1端部6aから第1端面9aが接続された第2端部6bに至るまで連続的に形成されためっき層12により直接接続されてインダクタ電極7の低抵抗化が図られたインダクタ部品1を低コストで簡単に提供することができる。
3.製造方法の他の例
図6を参照して製造方法の他の例について説明する。
まず、絶縁体2の一部を成す第2樹脂層4(絶縁層)を、例えば次のようにして用意する。すなわち、まず、図6(a)に示すように、第2樹脂層4の上面(第1樹脂層3との対向面)に、所定のパターン形状を有するライン状の第2導体6の下地層11を、導電性ペーストを用いた印刷処理により形成する。そして、所定のパターン形状を有するライン状の下地層11の周囲にダム部材10をポリイミド等の樹脂により形成する。続いて、図6(b)に示すように、めっき処理により、第2樹脂層4の上面のダム部材10により囲繞された内側の領域において下地層11を被覆するようにめっき層12を形成し、第2導体6(導体)を形成することにより、第2樹脂層4が完成する(用意工程)。なお、めっき処理は、必要に応じて異なる材質のめっき膜を形成するために複数回実行される。なお、めっき層12は、第1端部6aから第2端部6bに至るまで連続的に形成されている。
続いて、図6(c)に示すように、第2導体6の第1端部6aに第1の金属ピン8の第1端面8aを接続し、第2導体6の第2端部6bに第2の金属ピン9の第1端面9aを接続して、インダクタLが有するインダクタ電極7を形成する(接続工程)。なお、上記した「1.製造方法の一例」と同様に、接続工程において、はんだなどの接合材料により、第1導体5と第2導体6とを接続してもよいし、超音波振動を利用して、第1導体5と第2導体6とを接続してもよい。
次に、図6(d)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9を被覆するように、第2導体6が形成された第2樹脂層4の上面に、絶縁体2の残りの一部を成す磁性体含有樹脂を供給して第1樹脂層3を形成することにより、絶縁体2を形成する(形成工程)。そして、図6(e)に示すように、第1樹脂層3の表面の樹脂を研磨または研削により除去し、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bを第1樹脂層3の表面に露出させることにより、インダクタ部品1が完成する。
このように、導電性ペーストにより形成された下地層11がめっき層12により被覆されて形成されたライン状の第2導体6が第2樹脂層4の表面に形成される。そして、第2導体6の第1端部6a表面のめっき層12に第1の金属ピン8の第1端面8aが接続され、第2導体6の第2端部6b表面のめっき層12に第2の金属ピン9の第1端面9aが接続されてインダクタ電極7が形成される。したがって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずに、第1端面8aが接続された第1端部6aから第1端面9aが接続された第2端部6bに至るまで連続的に形成されためっき層12により直接接続されてインダクタ電極7の低抵抗化が図られたインダクタ部品1を低コストで簡単に提供することができる。
また、図6に示す製造方法では、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9が第2導体6に接続された後は、図6(d)に示す工程において、1回だけ樹脂硬化のために加熱処理が実行される。したがって、第1、第2の金属ピン8,9に作用する熱応力を低減することができるので、第1、第2の金属ピン8,9と第2導体6との接続部分における接続強度が劣化するのを抑制することができる。
以上のように、この実施形態では、インダクタ電極7の一部を成す第1導体5が第1樹脂層3に埋設された第1、第2の金属ピン8,9により形成され、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが第1樹脂層3の第2樹脂層4との対向面に露出している。そして、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2樹脂層4の第1樹脂層3との対向面に設けられ、インダクタ電極7の残りの一部を成すライン状の第2導体6により接続されることによってインダクタ電極7が形成されている。
このとき、第2導体6は、導電性ペーストにより形成された下地層11と、該下地層11を被覆して形成されためっき層12とにより形成されている。よって、インダクタ電極7の一部を成す第2導体6を低コストで形成することができる。また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずにめっき層12により直接接続されているので、低コストでインダクタ電極7の低抵抗化を図ることができる。
また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが、第2導体6のめっき層12により直接接続されているので、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと、第2導体6(めっき層12)との接続強度の向上を図ることができる。
また、第1導体5が、第1、第2の金属ピン8,9により形成されているので、第1導体5が、柱状に形成された導電性ペーストの硬化物、めっきにより金属材料が所定の柱状となるまで成長しためっき成長物、金属粉末の柱状の焼結体、などにより形成された場合と比較すると、第1導体5の低抵抗化を図ることができるので、インダクタ電極7を更に低抵抗化することができる。また、第1導体5が第1、第2の金属ピン8,9により形成されているので、上記したインダクタ部品1では、高周波信号が入力される電子回路において必要とされる微小なインダクタンス値を容易に得ることができる。
そして、第1樹脂層3の第2樹脂層4と反対側の主面から露出する第1導体5の第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b、9bを外部接続端子として使用することができるインダクタLを備える実用的な構成のインダクタ部品1を提供することができる。また、外部接続端子を設ける工程が不要となるため、インダクタ部品1の構造が簡素なものとなり、この点でもインダクタ部品1の信頼性が向上する。また、インダクタ部品1を、低コストで製造されたものとすることができる。
また、めっき層12が、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aに超音波振動接合されている場合には、第1、第2の金属ピン8,9がはんだ等の接合材料を介さずにめっき層12のみにより接続される。したがって、インダクタ電極7の更なる低抵抗化を実現することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態にかかるインダクタ部品について説明する。
図7を参照してインダクタ部品100の概略構成について説明する。なお、以下の説明おいて参照する図7(a),(b)では、説明を簡易なものとするために電極等の構成を模式的に描画したり、各第1、第2の金属ピン8,9、第2導体6、第3導体102の一部を図示省略したりしているが、以下の説明においてはその詳細な説明は省略する。
この実施形態のインダクタ部品100が図1に示すインダクタ部品1と異なるのは、図7(a),(b)に示すように、インダクタ部品100が、第1、第2の金属ピン8,9の間に配置されて第1樹脂層3に埋設されたコイルコア101を備えている点である。以下の説明においては、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記した第1実施形態と同様の構成については、同一符号を引用することにより、その構成の説明は省略する。
図7(a),(b)に示すように、コイルコア101は環状を成し、第1の金属ピン8がコイルコア101の外周側に配置され、第2の金属ピン9がコイルコア101の内周側に配置されて、第1、第2の金属ピン8,9の第1端面8a,9aどうしが第2導体6により接続されて成る複数のインダクタ電極7が、コイルコア101の円周方向に沿って配列されている。そして、一のインダクタ電極7の第1の金属ピン8の第2端面8bと、一のインダクタ電極7の所定側(この実施形態では「反時計回り側」)に隣接する他のインダクタ電極7の第2の金属ピン9の第2端面9bとが、それぞれ、複数のライン状の第3導体102により接続されている。したがって、インダクタ部品100では、コイルコア101の周囲を巻回するよう配置された複数のインダクタ電極7により形成されたインダクタLが絶縁体2内に設けられている。
また、各第3導体102は、第1樹脂層3の下面側に配置された第3樹脂層103の第1樹脂層3に対向する主面に、上記した第2導体6と同様にして形成されている。すなわち、第3導体102は、図示省略されているが、下地層と、下地層を被覆するめっき層とにより形成されている。そして、対応する第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9bどうしが、第3導体102の下地層を介さずにめっき層により直接接続されている。
また、この実施形態では、第3樹脂層103の所定領域に開口104が形成されている。そして、開口104位置において、第1樹脂層3の表面に露出する第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9bにより、インダクタ部品100の外部接続端子が形成されている。また、この実施形態では、絶縁体2は、磁性体フィラーを含んでおらず、エポキシ樹脂等の一般的な熱硬化性の樹脂により形成されている。なお、上記した第1実施形態と同様に、絶縁体2の材質は、エポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂に限定されるものではない。
また、インダクタ部品100は、図4〜図6を参照して説明した製造方法を準用して製造することができる。例えば、図4に示す製造方法では、図4(a)に示す工程において、連結板20上のコイルコア101が配置される所定領域を第1、第2の金属ピン8,9により挟むようにして、複数の第1導体5を当該所定領域に沿って配列する。そして、コイルコア101を所定領域に配置した後に、図4(b)に示す工程において、第1樹脂層3を形成すればよい。また、例えば、図5に示す製造方法では、図5(a)に示す工程において、転写板30上にコイルコア101の平面視形状とほぼ同一形状の所定領域を設定し、当該所定領域を第1、第2の金属ピン8,9により挟むようにして、複数の第1導体5を当該所定領域に沿って配列する。そして、図5(b)に示す工程において、転写板30から離型シート40上に各第1導体5を転写し、図5(c)に示す工程において、転写板30を除去して、コイルコア101を各第1、第2の金属ピン8,9間に配置した後に、第1樹脂層3を形成すればよい。
また、例えば、図6に示す製造方法では、図6(a),(b)に示す工程において、離型シート40上のコイルコア101が配置される所定領域と交差するように複数の第2導体6を形成する。そして、図6(c)に示す工程において、各第2導体6のそれぞれに第1、第2の金属ピン8,9を接続し、コイルコア101を当該所定領域に配置した後に、図6(d)に示す工程において、第1樹脂層3を形成すればよい。
なお、図4〜図6を参照して説明した各製造方法それぞれの最後の工程において、複数の第3導体102が形成された第3樹脂層103を第1樹脂層3に積層して、対応する第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9bどうしを第3導体102により接続すればよい。
(コイルコアの変形例)
上記した例では、環状のトロイダル型のコイルコア101を例に挙げて説明を行ったが、コイルコアの形状としてはトロイダル型に限定されるものではない。例えば、図8(a)に示す直線状のコイルコア111や、図8(b)に示す略C字状のコイルコア121など、種々の形状のコイルコアを採用することができる。図8はコイルコアの変形例を示す図であって、絶縁体2内におけるコイルコア111,121と、第1、第2の金属ピン8,9との配置関係を示す図であり、(a)は直線状のコイルコアを示す図、(b)は略C字状のコイルコアを示す図である。
以上のように、この実施形態では、第1、第2の金属ピン8,9間にコイルコア101,111,121が配置されることにより、インダクタ部品100が備えるインダクタLの高インダクタンス化を図ることができる。また、インダクタ部品100が備える各インダクタ電極7により、コモンモードノイズフィルタやチョークコイルなどの種々の機能を備えるコイルを構成することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態にかかるインダクタ部品について説明する。
図9を参照してインダクタ部品200の概略構成について説明する。この実施形態のインダクタ部品200(インダクタアレイ)が図1に示すインダクタ部品1と異なるのは、図9に示すように、絶縁体2内に複数(この実施形態では6個)のインダクタLがアレイ状に配置されることにより、複数のインダクタLが一体化されている点である。なお、インダクタ部品200は、図4〜図6を参照して説明した製造方法を準用して製造することができるが、その詳細な説明は省略する。その他の構成については、上記した第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を引用することにより、その構成の説明は省略する。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態にかかるインダクタ部品およびその製造方法について説明する。
(インダクタ部品の構成)
図10および図11を参照して、インダクタ部品の構成について説明する。この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、第1、第2の金属ピン8,9は、それぞれの第1端面8a,9aが第1樹脂層3の第2樹脂層4との対向面である一主面3aに露出し、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面側8a,9a側の端部が、先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成されている点である。以下の説明では、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、同一の構成については同一符号を引用することによりその説明を省略する。
この実施形態では、めっき層12は、下地層11を被覆するCu層12aと、Cu層12aの表面に形成されたNi層12bと、Ni層12bの表面に形成されたAu層12cとにより形成されている(なお、12cはSn層でもよい)。そして、この実施形態では、超音波振動が用いられて、第2導体6の第1端部6aのめっき層12と、第1の金属ピン8の第1端面8aとが超音波接合され、第2導体6の第2端部6bのめっき層12と、第2の金属ピン9の第1端面9aとが超音波接合されることにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが第2導体6により接続されている。
また、図11に示すように、図3(a)に示すインダクタ部品1と同様に、この実施形態では、第2導体6の第1端部6aのめっき層12の幅が、第1の金属ピン8の第1端面8aの最大幅よりも広く形成され、第2導体6の第2端部6bのめっき層12の幅が、第2の金属ピン9の第1端面9aの最大幅よりも広く形成されている。したがって、第2導体6の第1端部6aのめっき層12と第1の金属ピン8の第1端面8aとの接続の信頼性を向上し、第2導体6の第2端部6bのめっき層12と第2の金属ピン9の第1端面9aとの接続の信頼性を向上することができる。
また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部がテーパ状に形成されている。したがって、第1の金属ピン8を例に挙げて図11に示すように、第2導体6(めっき層12)に接続された第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部の周面と、第2導体6の表面とが成す角αは、0°よりも大きく90°よりも小さい鋭角に形成される。そのため、例えばインダクタ電極7に大電流が流れた場合に、第1導体5および第2導体6の接続部分が特に発熱し易いが、高温になることにより第1、第2の金属ピン8,9が膨張した場合に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部は、それぞれの周面が第1端面8a,9a側、すなわち、該第1端面8a,9aが接続された第2導体6に向う方向に膨張する。
よって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部の周面を被覆する樹脂を第2導体6に押し付ける方向に応力が生じるので、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a付近において、第1樹脂層3の一主面3aと第2導体6(めっき層12)との間に滑りが生じるのを防止することができる。したがって、インダクタ電極7の第2導体6が第1樹脂層3の表面(一主面3a)から剥がれるのを防止したインダクタ部品1を提供することができる。
また、この実施形態では、第1導体5と第2導体6とが超音波振動により直接接合されているので、優れた電気特性を有するインダクタ電極7を備え、はんだフラッシュ等の不具合が生じるおそれのない信頼性の高いインダクタ部品1を提供することができる。
(インダクタ部品の製造方法)
次に、インダクタ部品の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、説明を容易なものとするため、1個のインダクタ部品1を製造する例を挙げて説明を行う。なお、以下で説明する製造方法を準用して複数のインダクタ部品1を一括して形成し、その後に、各インダクタ部品1ごとに個片化することによって複数のインダクタ部品1を同時に製造してもよい。
4.製造方法の一例
図12を参照して製造方法の一例について説明する。
まず、図12(a)に示すように、その一方主面に粘着層21が形成された連結板20を用意し、それぞれの第1端面8a,9a側の端部がテーパ状に形成された第1、第2の金属ピン8,9を用意する。次に、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bを粘着層21に取着することにより、第1、第2の金属ピン8,9を、それぞれ、連結板20の一方主面上の所定位置に立設する。続いて、図12(b)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが、第1樹脂層3の一主面3aと所定の間隙Gを開けて対向するように、磁性体含有樹脂により第1、第2の金属ピン8,9を被覆する。そして、樹脂を熱硬化して、第1、第2の金属ピン8,9が埋設された第1樹脂層3を形成することによって、絶縁体2の一部を成す第1樹脂層3を準備する(準備工程)。なお、第1樹脂層3の第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aよりも表層部分の厚み(間隙G)が、この後に説明する加圧接続工程で破断する値に形成されている。
続いて、図12(c)に示すように、連結板20を第1樹脂層3から剥離して除去する(剥離工程)。なお、この製造方法において、図12(c)に示す工程は、後述する図12(f)に示す工程の後に実行してもよい。
次に、絶縁体2の残りの一部を成す第2樹脂層4を、例えば次のようにして用意する。すなわち、まず、図12(d)に示すように、第2樹脂層4の下面(第1樹脂層3との対向面)に、所定のパターン形状を有するライン状の第2導体6の下地層11を、導電性ペーストを用いた印刷処理により形成する。そして、所定のパターン形状を有するライン状の下地層11の周囲にダム部材10をポリイミド等の樹脂により形成する。続いて、図12(e)に示すように、めっき処理により、第2樹脂層4の下面のダム部材10により囲繞された内側の領域において下地層11を被覆するようにめっき層12を形成し、第2導体6を形成することにより、第2樹脂層4が完成する(第2樹脂層形成工程)。なお、めっき処理は、必要に応じて異なる材質のめっき膜を形成するために複数回実行される。
続いて、図12(f)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしを接続するために第2樹脂層4の下面に形成された第2導体6を、第1樹脂層3との間に挟むように第1樹脂層3の一主面3aに第2樹脂層4を積層する(第2樹脂層積層工程)。次に、第1樹脂層3の一主面3a側の表層であって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと第2導体6との間の第1樹脂層3を破断するように、第1樹脂層3および第2樹脂層4を積層方向に超音波振動を印加しながら加圧する。そして、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部に第1樹脂層3を破断させて、第1樹脂層3を貫通させることにより、第1樹脂層3を貫通させた第1の金属ピン8の第1端面8aを第2導体6の第1端部6aに接続し、第1樹脂層3を貫通させた第2の金属ピン9の第1端面9aを第2導体6の第2端部6bに接続して、インダクタLが有するインダクタ電極7を形成することにより(加圧接続工程)、インダクタ部品1が完成する。
このように、第2導体6の第1端部6a表面のめっき層12と第1の金属ピン8の第1端面8aとが接続され、第2導体6の第2端部6b表面のめっき層12と第2の金属ピン9の第1端面9aとが接続されてインダクタ電極7が形成される。したがって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずにめっき層12により直接接続されることにより、低抵抗化が図られたインダクタ電極7を形成することができる。
なお、図12(a)〜(c)に示す工程と、図12(d),(e)に示す工程とは、どちらを先に実行してもよいし、同時に実行してもよい。すなわち、個別に用意された第1樹脂層3と第2樹脂層4とを最後に積層してインダクタ部品1を形成することができればよい。
5.製造方法の他の例
図13を参照して製造方法の他の例について説明する。
まず、図13(a)に示すように、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bをその一方主面に支持する転写板30を用意し、それぞれの第1端面8a,9a側の端部がテーパ状に形成された第1、第2の金属ピン8,9を用意する。なお、転写板30の一方主面には、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bを支持できるように粘着層(図示省略)が形成されている。そして、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9が、インダクタ部品1のインダクタLが所望のインダクタンスを取得できる間隔となるように、転写板30の一方主面上に第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bを取着することにより、第1、第2の金属ピン8,9を転写板30の一方主面に支持する。
続いて、図13(b)に示すように、離型シート40を用意する。離型シート40の一主面上には、例えば約50〜100μm程度の厚みで磁性体含有樹脂が塗布されることにより、第1樹脂層3の一部を成す未硬化状態の支持層31が形成されている。なお、支持層31は、別途作製された樹脂シートが離型シート40上に載置されることにより形成されてもよい。また、離型シート40としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の樹脂シートに離型層が形成されたものや、フッ素樹脂などの樹脂シート自体が離型機能を有するものを用いることができる。
次に、転写板30に支持された第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部を、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが、第1樹脂層3の一主面3a(離型シート40の一主面)と所定の間隙Gを開けて対向するように、支持層31に貫入させて、第1、第2の金属ピン8,9を、それぞれ、離型シート40の一主面上の所定位置に立設する。続いて、支持層31を熱硬化させる。支持層31が熱硬化することにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部が支持層31に支持される。
なお、未硬化の支持層31を熱硬化させる際に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部の外周面に支持層31を形成する磁性体含有樹脂を濡れ上がらせるようにするとよい。このようにすると、第1、第2の金属ピン8,9の第1端面8a,9a側の端部の外周面に、磁性体含有樹脂がフィレット状に這い登って形成された支持部(図示省略)が、硬化後の支持層31に一体的に形成される。したがって、硬化後の支持層31による第1、第2の金属ピン8,9の支持強度を向上することができる。
なお、フィレット状の支持部の形状は、第1樹脂層3(絶縁体2)を形成する磁性体含有樹脂の種類や量を変更したり、第1、第2の金属ピン8,9を表面処理してその濡れ性を調整したりすることにより、調整することができる。
続いて、図13(c)に示すように、転写板30を除去し、支持層31上に該支持層31と同じ磁性体含有樹脂を供給し、第2端面8b,9bが表面に露出するように第1、第2の金属ピン8,9を被覆する第1樹脂層3を形成することによって、絶縁体2の一部を成す第1樹脂層3を準備する(準備工程)。次に、図13(d)に示すように、離型シート40を剥離して除去する(剥離工程)。なお、第1樹脂層3の第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aよりも表層部分の厚み(間隙G)が、この後に説明する加圧接続工程で破断する値に形成されている。
なお、第1樹脂層3は、支持層31を液状の磁性体含有樹脂を用いて形成し、支持層31上に磁性体含有樹脂を配置することにより形成してもよい。また、支持層31と、支持層31上に形成される樹脂層とを、種類の異なる磁性体含有樹脂を用いて形成してもよい。ここで、種類の異なる磁性体含有樹脂とは、磁性体フィラーの含有量は同じで種類が異なるもの、磁性体フィラーの種類は同じで含有量が異なるもの、両者が共に異なるもの、または絶縁性樹脂の種類が異なるものなどを示す。
次に、絶縁体2の残りの一部を成す第2樹脂層4を、例えば次のようにして用意する。すなわち、まず、図13(e)に示すように、第2樹脂層4の下面(第1樹脂層3との対向面)に、所定のパターン形状を有するライン状の第2導体6の下地層11を、導電性ペーストを用いた印刷処理により形成する。そして、所定のパターン形状を有するライン状の下地層11の周囲にダム部材10をポリイミド等の樹脂により形成する。続いて、図13(f)に示すように、めっき処理により、第2樹脂層4の下面のダム部材10により囲繞された内側の領域において下地層11を被覆するようにめっき層12を形成し、第2導体6を形成することにより、第2樹脂層4が完成する(第2樹脂層形成工程)。なお、めっき処理は、必要に応じて異なる材質のめっき膜を形成するために複数回実行される。
続いて、図13(g)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしを接続するために第2樹脂層4の下面に形成された第2導体6を、第1樹脂層3との間に挟むように第1樹脂層3の一主面3aに第2樹脂層4を積層する(第2樹脂層積層工程)。次に、第1樹脂層3の一主面3a側の表層であって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと第2導体6との間の第1樹脂層3を破断するように、第1樹脂層3および第2樹脂層4を積層方向に超音波振動を印加しながら加圧する。そして、第1の金属ピン8の第1端面8aを第2導体6の第1端部6aに接続し、第2の金属ピン9の第1端面9aを第2導体6の第2端部6bに接続して、インダクタLが有するインダクタ電極7を形成することにより(加圧接続工程)、インダクタ部品1が完成する。
なお、上記した「4.製造方法の一例」と同様に、図13(a)〜(d)に示す工程と、図13(e),(f)に示す工程とは、どちらを先に実行してもよいし、同時に実行してもよい。すなわち、個別に用意された第1樹脂層3と第2樹脂層4とを最後に積層してインダクタ部品1を形成することができればよい。
このように、上記した「4.製造方法の一例」と同様に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずにめっき層12により直接接続されることにより、低抵抗化が図られたインダクタ電極7を形成することができる。
6.製造方法の他の例
図14を参照して製造方法の他の例について説明する。
まず、図14(a)に示すように、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aをその一方主面に支持する転写板30を用意し、それぞれの第1端面8a,9a側の端部がテーパ状に形成された第1、第2の金属ピン8,9を用意する。なお、転写板30の一方主面には、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aを支持できるように粘着層(図示省略)が形成されている。そして、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9が、インダクタ部品1のインダクタLが所望のインダクタンスを取得できる間隔となるように、転写板30の一方主面上に第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8ab,9aを取着することにより、第1、第2の金属ピン8,9を転写板30の一方主面に支持する。
続いて、図14(b)に示すように、離型シート40を用意する。離型シート40の一主面上には、例えば約50〜100μm程度の厚みで磁性体含有樹脂が塗布されることにより、第1樹脂層3の一部を成す未硬化状態の支持層31が形成されている。なお、支持層31は、別途作製された樹脂シートが離型シート40上に載置されることにより形成されてもよい。また、離型シート40としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の樹脂シートに離型層が形成されたものや、フッ素樹脂などの樹脂シート自体が離型機能を有するものを用いることができる。
次に、転写板30に支持された第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部を、第2端面8b,9bが離型シート40に当接するまで支持層31に貫入させて、第1、第2の金属ピン8,9を、それぞれ、離型シート40の一主面上の所定位置に立設する。続いて、支持層31を熱硬化させる。支持層31が熱硬化することにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が支持層31に支持される。
なお、未硬化の支持層31を熱硬化させる際に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部の外周面に支持層31を形成する磁性体含有樹脂を濡れ上がらせるようにするとよい。このようにすると、第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9b側の端部の外周面に、磁性体含有樹脂がフィレット状に這い登って形成された支持部(図示省略)が、硬化後の支持層31に一体的に形成される。したがって、硬化後の支持層31による第1、第2の金属ピン8,9の支持強度を向上することができる。
なお、フィレット状の支持部の形状は、第1樹脂層3(絶縁体2)を形成する磁性体含有樹脂の種類や量を変更したり、第1、第2の金属ピン8,9を表面処理してその濡れ性を調整したりすることにより、調整することができる。
続いて、図14(c)に示すように、転写板30を除去し、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが、第1樹脂層3の一主面3aと所定の間隙Gを開けて対向するように、磁性体含有樹脂により第1、第2の金属ピン8,9を被覆する。そして、樹脂を熱硬化して、第1、第2の金属ピン8,9が埋設された第1樹脂層3を形成することによって、絶縁体2の一部を成す第1樹脂層3を準備する(準備工程)。次に、図14(d)に示すように、離型シート40を剥離して除去する(剥離工程)。なお、第1樹脂層3の第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aよりも表層部分の厚み(間隙G)が、この後に説明する加圧接続工程で破断する値に形成されている。また、この製造方法において、図14(d)に示す工程は、後述する図14(g)に示す工程の後に実行してもよい。また、第1樹脂層3は、図13(a)〜(g)を参照して説明した方法と同様にして形成することができる。
次に、絶縁体2の残りの一部を成す第2樹脂層4を、例えば次のようにして用意する。すなわち、まず、図14(e)に示すように、第2樹脂層4の下面(第1樹脂層3との対向面)に、所定のパターン形状を有するライン状の第2導体6の下地層11を、導電性ペーストを用いた印刷処理により形成する。そして、所定のパターン形状を有するライン状の下地層11の周囲にダム部材10をポリイミド等の樹脂により形成する。続いて、図14(f)に示すように、めっき処理により、第2樹脂層4の下面のダム部材10により囲繞された内側の領域において下地層11を被覆するようにめっき層12を形成し、第2導体6を形成することにより、第2樹脂層4が完成する(第2樹脂層形成工程)。なお、めっき処理は、必要に応じて異なる材質のめっき膜を形成するために複数回実行される。
続いて、図14(g)に示すように、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしを接続するために第2樹脂層4の下面に形成された第2導体6を、第1樹脂層3との間に挟むように第1樹脂層3の一主面3aに第2樹脂層4を積層する(第2樹脂層積層工程)。次に、第1樹脂層3の一主面3a側の表層であって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと第2導体6との間の第1樹脂層3を破断するように、第1樹脂層3および第2樹脂層4を積層方向に超音波振動を印加しながら加圧する。そして、第1の金属ピン8の第1端面8aを第2導体6の第1端部6aに接続し、第2の金属ピン9の第1端面9aを第2導体6の第2端部6bに接続して、インダクタLが有するインダクタ電極7を形成することにより(加圧接続工程)、インダクタ部品1が完成する。
なお、上記した「4.製造方法の一例」と同様に、図14(a)〜(d)に示す工程と、図14(e),(f)に示す工程とは、どちらを先に実行してもよいし、同時に実行してもよい。すなわち、個別に用意された第1樹脂層3と第2樹脂層4とを最後に積層してインダクタ部品1を形成することができればよい。
このように、上記した「4.製造方法の一例」と同様に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずにめっき層12により直接接続されることにより、低抵抗化が図られたインダクタ電極7を形成することができる。
以上のように、この実施形態では、第1導体5を成す第1、第2の金属ピン8,9が、それぞれの第1端面8a,9aが第1樹脂層3の一主面3aと所定の間隙Gを開けて対向するように埋設された第1樹脂層3が用意される。そして、第1樹脂層3の第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aよりも表層部分の厚みが、加圧接続工程で破断する値に形成されている。そのため、加圧接続工程において、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと第2導体6との間の第1樹脂層3を破断するように、第1樹脂層3および第2樹脂層4が積層方向に適切な加圧力で加圧されることで、テーパ状に形成された第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部により第1樹脂層3が突き破られる。
その結果、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが第2導体6に接続されて、インダクタLが有するインダクタ電極7が形成される。したがって、従来のように、各第1、第2の金属ピン8,9の端部や第1樹脂層3の樹脂を研削したり研磨したりする工程が不要であるので、インダクタ部品1を低コストで製造することができる。
また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部がテーパ状に形成されているので、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが第2導体6に接続されたときに、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部の周面と、第2導体6の表面とが成す角αは鋭角となる。そのため、電流が流れた際や、インダクタ部品1が各種基板に実装される際の熱サイクルにおいて、インダクタ電極7が高温になることにより第1、第2の金属ピン8,9が膨張した場合に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部は、それぞれの周面が第1端面8a,9a側、すなわち、該第1端面8a,9aが接続された第2導体6に向う方向に膨張する。
よって、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a側の端部の周面を被覆する樹脂を第2導体6に押し付ける方向に応力が生じるので、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a付近において、第1樹脂層3の一主面3aと第2導体6との間に滑りが生じるのを防止することができる。したがって、インダクタ電極7の第2導体6が第1樹脂層3の一主面3aから剥がれるのが防止されたインダクタ部品1を低コストで製造することができる。
また、加圧接続工程において超音波振動が印加されることにより、第1樹脂層3の第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aよりも表層部分を確実に破断させることができる。また、超音波振動が印加されることにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと第2導体6との接続強度を向上させることができる。
また、第2導体6は、導電性ペーストにより形成された下地層11と、該下地層11を被覆して形成されためっき層12とにより形成されている。よって、インダクタ電極7の一部を成す第2導体6を低コストで形成することができる。また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aどうしが、第2導体6の下地層11を介さずにめっき層12により直接接続されているので、低コストでインダクタ電極7の低抵抗化を図ることができる。
また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが、第2導体6のめっき層12により直接接続されているので、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aと、第2導体6(めっき層12)との接続強度の向上を図ることができる。
また、上記したインダクタ部品1では、高周波信号が入力される電子回路において必要とされる微小なインダクタンス値を容易に得ることができる。
また、第1樹脂層3の第2樹脂層4と反対側の主面から露出する第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b、9bを外部接続端子として使用することができるインダクタLを備える実用的な構成のインダクタ部品1を提供することができる。また、外部接続端子を設ける工程が不要となるため、インダクタ部品1の構造が簡素なものとなり、この点でもインダクタ部品1の信頼性が向上する。また、インダクタ部品1を、低コストで製造されたものとすることができる。
なお、図9に示すインダクタ部品200のように、本実施形態のインダクタLがアレイ状に配置されたインダクタ部品を構成してもよい。
(変形例)
図15を参照して図1のインダクタ部品1の変形例について説明する。なお、図15(a)および図15(b)は、それぞれ、第2樹脂層4を示し、図1のB−B線矢視断面図に相当する断面図である。以下の説明においては、上記した図10に示すインダクタ部品1と異なる点を中心に説明し、上記したインダクタ部品1と同様の構成については、同一符号を引用することにより、その構成の説明を省略する。
図15(a)に示す変形例では、金属板、金属膜、金属箔がエッチングによりパターニングされて形成された配線電極パターン13により、第2樹脂層4の下面に第2導体6が形成されている。また、図15(b)に示す変形例では、屈曲加工された金属ピン14により、第2樹脂層4の下面に第2導体6が形成されている。
このようにしても、図10に示す例と同様に、低抵抗化されたインダクタ電極7により形成されたインダクタLを備える信頼性の高いインダクタ部品1を提供することができる。また、また、図12〜図14を参照して説明した製造方法により、信頼性の高いインダクタ部品1を低コストで製造することができる。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態にかかるインダクタ部品の製造方法について図16を参照して説明する。なお、図16(a)および図16(b)は、それぞれ、第1樹脂層3を示し、図1のB−B線矢視断面図に相当する断面図である。
この実施形態における製造方法が、上記した第1実施形態において説明した製造方法と異なるのは、図16(a),(b)に示すように、準備工程において用意された第1樹脂層3の一主面3aに第2導体6が形成された後に、第1樹脂層3の一主面3aに第2樹脂層4が積層される点である。以下の説明においては、上記した第1実施形態において説明したインダクタ部品1の製造方法と異なる点を中心に説明し、上記した第1実施形態において説明した製造方法と同様の工程(構成)については、同一符号を引用することにより、その工程(構成)の説明を省略する。
図16(a)に示す製造方法では、第1樹脂層3が準備工程において用意された後、金属板、金属膜、金属箔がエッチングによりパターニングされて形成された配線電極パターン13により、第1樹脂層3の一主面3aに第2導体6が形成される。そして、第2樹脂層積層工程において、第2樹脂層4が第1樹脂層3に積層され、加圧接続工程において、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが配線電極パターン13に接続されて、インダクタ電極7が形成される。
図16(b)に示す製造方法では、第1樹脂層3が準備工程において用意された後、例えば屈曲加工された金属ピン14により、第1樹脂層3の一主面3aに第2導体6が形成される。そして、第2樹脂層積層工程において、第2樹脂層4が第1樹脂層3に積層され、加圧接続工程において、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが金属ピン14に接続されて、インダクタ電極7が形成される。
この実施形態では、上記した第4実施形態と同様に、低抵抗化されたインダクタ電極7が第1樹脂層3の表面から剥がれるのが防止されたインダクタ部品1を低コストで製造して提供することができる。
なお、第2樹脂層積層工程において、第1樹脂層3の一主面3aに樹脂を塗布したり、樹脂を充填したり、樹脂シートを重ねたりすることによって、第2樹脂層4を第1樹脂層3の一主面3aに積層すればよい。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態にかかるインダクタ部品について図17を参照して説明する。なお、図17は、図1のB−B線矢視断面図に相当する断面図である。
図17に示すインダクタ部品1が、図10に示すインダクタ部品1と異なるのは、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が、第2端面8b,9b側に向けてテーパ状に太くなるように形成されることにより、第2端面8b,9bの面積が、第1樹脂層3に埋設された第1、第2の金属ピン8,9の他の部分の断面積よりも大面積に形成されている点である。その他の構成については、図10に示すインダクタ部品1の構成と同様であるため、同一符号を引用することによりその構成の説明を省略する。
(変形例)
図18を参照して図17のインダクタ部品1の変形例について説明する。図18は、図1のB−B線矢視断面図に相当する断面図である。
図18に示す変形例では、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの他の部分よりも大径に形成されて、第1、第2の金属ピン8,9が、それぞれ、側面視略逆T字状に形成されている。これにより、第2端面8b,9bの面積が第1樹脂層3に埋設された第1、第2の金属ピン8,9の他の部分の断面積よりも大面積に形成されている。その他の構成については、図10に示すインダクタ部品1の構成と同様であるため、同一符号を引用することによりその構成の説明を省略する。
このように構成すると、外部接続端子として機能する第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bの面積が、第1、第2の金属ピンそれぞれの他の部分の断面積よりも大きく形成されているので、外部接続端子の接続面積を大きくすることができる。したがって、インダクタ部品1を電子装置の回路基板等に実装する際の接合強度を向上することができる。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態にかかるインダクタ部品について図19を参照して説明する。図11は、第4実施形態での説明において参照した図11に相当する図面である。
図19に示すように、この実施形態が、上記した第1実施形態と異なるのは、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが、第2導体6にはんだHにより接合されている点である。その他の構成については、上記した第1実施形態と同様であるため、同一符号を引用することによりその構成の説明を省略する。
このように構成しても、第2導体6と接続するためにはんだHが付与されている第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9a付近において、インダクタ電極7の第2導体6が第1樹脂層3の表面から剥がれることを防止できるので、はんだフラッシュ等の不具合が生じるのが防止された信頼性の高いインダクタ部品1を提供することができる。
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態にかかるインダクタ部品について説明する。
図20を参照してインダクタ部品100の概略構成について説明する。なお、図20(b)は、(a)のインダクタ部品100を紙面に向って上側から見た状態を示す図であり、図1のA−A線矢視断面図に相当する図面である。なお、以下の説明おいて参照する図20(a),(b)では、説明を簡易なものとするために電極等の構成を模式的に描画したり、各第1、第2の金属ピン8,9、第2導体6、第3導体102の一部を図示省略したりしているが、以下の説明においてはその詳細な説明は省略する。
この実施形態のインダクタ部品100が図10に示すインダクタ部品1と異なるのは、図20(a),(b)に示すように、インダクタ部品100が、第1、第2の金属ピン8,9の間に配置されて第1樹脂層3に埋設されたコイルコア101を備えている点である。また、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの両端部がテーパ状に形成されており、準備工程において、第1端面8a,9a側と同様に、第1樹脂層3の第2端面8b,9bよりも表層部分が間隙Gの厚みに形成された第1樹脂層3が用意される。そして、加圧接続工程において、第1端面8a,9a側と同様に、第2端面8b,9b側の端部が間隙Gの厚みに形成された第1樹脂層3を突き破ることにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bが、第3導体102に接続される。以下の説明においては、上記した第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記した第1実施形態と同様の構成については、同一符号を引用することにより、その構成の説明は省略する。
図20(a),(b)に示すように、コイルコア101は環状を成し、第1の金属ピン8がコイルコア101の外周側に配置され、第2の金属ピン9がコイルコア101の内周側に配置されて、第1、第2の金属ピン8,9の第1端面8a,9aどうしが第2導体6により接続されて成る複数のインダクタ電極7が、コイルコア101の円周方向に沿って配列されている。そして、一のインダクタ電極7の第1の金属ピン8の第2端面8bと、一のインダクタ電極7の所定側(この実施形態では「反時計回り側」)に隣接する他のインダクタ電極7の第2の金属ピン9の第2端面9bとが、それぞれ、複数のライン状の第3導体102により接続されている。したがって、インダクタ部品100では、コイルコア101の周囲を巻回するよう配置された複数のインダクタ電極7により形成されたインダクタLが絶縁体2内に設けられている。
また、各第3導体102は、第1樹脂層3の下面側に配置された第3樹脂層103の第1樹脂層3に対向する主面に、上記した第2導体6と同様にして形成されている。すなわち、第3導体102は、図示省略されているが、下地層と、下地層を被覆するめっき層とにより形成されている。そして、対応する第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9bどうしが、第3導体102の下地層を介さずにめっき層により直接接続されている。なお、この実施形態においても、第2導体6および第3導体102が、それぞれ、図15(a),(b)に示すように、配線電極パターン13や金属ピン14により形成されていてもよい。
また、この実施形態では、第3樹脂層103の所定領域に開口104が形成されている。そして、開口104位置において、第1樹脂層3の表面に露出する第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bにより、インダクタ部品100の外部接続端子が形成されている。また、この実施形態では、絶縁体2は、磁性体フィラーを含んでおらず、エポキシ樹脂等の一般的な熱硬化性の樹脂により形成されている。なお、上記した第1実施形態と同様に、絶縁体2の材質は、エポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂に限定されるものではない。
また、インダクタ部品100は、図12〜図14を参照して説明した製造方法を準用して製造することができる。例えば、図12に示す製造方法では、図12(a)に示す工程において、連結板20上のコイルコア101が配置される所定領域を第1、第2の金属ピン8,9により挟むようにして、複数の第1導体5を当該所定領域に沿って配列する。そして、コイルコア101を所定領域に配置した後に、図12(b)に示す工程において、第1樹脂層3を形成すればよい。また、例えば、図13に示す製造方法では、図13(a)に示す工程において、転写板30上にコイルコア101の平面視形状とほぼ同一形状の所定領域を設定し、当該所定領域を第1、第2の金属ピン8,9により挟むようにして、複数の第1導体5を当該所定領域に沿って配列する。そして、図13(b)に示す工程において、転写板30から離型シート40上に各第1導体5を転写し、図13(c)に示す工程において、転写板30を除去して、コイルコア101を各第1、第2の金属ピン8,9間に配置した後に、第1樹脂層3を形成すればよい。
また、例えば、図14に示す製造方法では、図14(a)に示す工程において、転写板30上にコイルコア101の平面視形状とほぼ同一形状の所定領域を設定し、当該所定領域を第1、第2の金属ピン8,9により挟むようにして、複数の第1導体5を当該所定領域に沿って配列する。そして、図14(b)に示す工程において、転写板30から離型シート40上に各第1導体5を転写し、コイルコア101を各第1、第2の金属ピン8,9間に配置した後に、図14(c)に示す工程において、第1樹脂層3を形成すればよい。
なお、図12〜図14を参照して説明した各製造方法それぞれの加圧接続工程において、第1端面8a,9a側と同様に、複数の第3導体102が形成された第3樹脂層103を第1樹脂層3に積層して、第1〜第3樹脂層3,4,103を積層方向に加圧することにより、対応する第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9bどうしを第3導体102により接続すればよい。また、図16を参照して説明した製造方法と同様に、第1樹脂層3の一主面3a(上面)に第2導体6を形成し、下面に第3導体102を形成した後に、第2樹脂層4および第3樹脂層103を第1樹脂層3に積層して、加圧接続工程を実行してもよい。
なお、図8(a),(b)に示すように、本実施形態においても、コイルコアの形状を直線状に形成したり、略C字状に形成してもよく、コイルコアをどのような形状に形成してもよい。
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、上記した構成をどのように組み合わせてもよい。例えば、図4(g)に示す工程と、図5(g)と、図12(f)に示す工程と、図13(g)に示す工程と、図14(g)とに示す工程において、第2導体6(ダム部材10)が、その一部または全部が第2樹脂層4側に圧入されるようにしてもよい。また、図7(a)、図20(a)に示す第3樹脂層103上の第3導体102が、第3樹脂層103側に圧入されていてもよい。
また、第1、第2の柱状導体それぞれは、柱状に形成された導電性ペーストの硬化物、めっきにより金属材料が所定の柱状となるまで成長しためっき成長物、金属粉末の柱状の焼結体、などの柱状に形成された導電材料によりに形成されていてもよい。また、第1、第2の柱状導体それぞれの形状は、直線状に限らず、円弧状に形成されてもよいし、屈曲されることにより例えばクランク状に形成されていてもよい。なお、「柱状」とは、換言すれば、「針金状」や「線材状」とも言うことができる。すなわち、柱状導体は、上記した各金属ピン8,9のように、所定の長さに形成された針金や線材に類似する形状を有する導体を意味し、上記したように、針金や線材が、例えば円弧状に湾曲加工されたり、例えばクランク状に屈曲加工された形状を有する導体も柱状導体に含まれる。
また、上記した実施形態では、本発明の第1絶縁層および第2絶縁層が樹脂により形成されているが、本発明の第1絶縁層および第2絶縁層が、それぞれ、セラミック材料やガラス基板等の樹脂と異なる絶縁材料により形成されていてもよい。また、本発明の第1絶縁層および第2絶縁層が異種材料により形成されていてもよい。
また、加圧接続工程において超音波振動を用いずに、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aが第2導体6に圧着により接続され、第2端面8b,9bが第3導体102に圧着により接続されるようにしてもよい。なお、第2導体6および第3導体102が導電性ペーストが印刷されることにより形成されていてもよい。
また、図13(c)の工程の後や、図14(d)に示す工程の後に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9bが確実に第1樹脂層3の表面に露出するように、第1樹脂層3の第2樹脂層4と反対側の主面のみを研削や研磨するようにしてもよい。このようにしても、第1樹脂層3の一主面3aを研削や研磨する必要がないので、信頼性の高いインダクタ部品を低コストで製造することができる。
そして、絶縁体に設けられたインダクタを備えるインダクタ部品およびその製造方法に本発明を広く適用することができる。
1,100,200 インダクタ部品
2 絶縁体
3 第1樹脂層(第1絶縁層)
3a 一主面
4 第2樹脂層(第2絶縁層、絶縁層)
5 第1導体
6 第2導体(導体)
6a 第1端部
6b 第2端部
7 インダクタ電極
8 第1の金属ピン(第1の柱状導体)
9 第2の金属ピン(第2の柱状導体)
8a,9a 第1端面
8b,9b 第2端面
11 下地層
12 めっき層
101,111,121 コイルコア
G 間隙
H はんだ
L インダクタ
W1 めっき層の幅
W2 第1端面の最大幅
上記した目的を達成するために、本発明のインダクタ部品は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層に積層された第2絶縁層とを有する絶縁体と、前記絶縁体に設けられたインダクタとを備え、前記インダクタは、それぞれの第1端面が前記第1絶縁層の前記第2絶縁層との対向面配置されるように前記第1絶縁層に埋設された第1、第2の柱状導体から成る第1導体と、前記第2絶縁層の前記第1絶縁層との対向面に設けられ、前記第1の柱状導体の第1端面に接続され、前記第2の柱状導体の第1端面に接続された第2導体と、を有するインダクタ電極とを有し、前記第2導体は、導電性ペーストにより形成された下地層と、該下地層を被覆して形成されためっき層とを有し、前記めっき層が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面に接続され、前記第1、第2の柱状導体が前記下地層を介さずに接続されていることを特徴としている。
このように構成された発明では、インダクタ電極の一部を成す第1導体が第1絶縁層に埋設された第1、第2の柱状導体により形成され、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面が第1絶縁層の第2絶縁層との対向面配置されている。そして、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが、第2絶縁層の第1絶縁層との対向面に設けられ、インダクタ電極の残りの一部を成す第2導体により接続されることによってインダクタ電極が形成されている。このとき、第2導体は、導電性ペーストにより形成された下地層と、該下地層を被覆して形成されためっき層とにより形成されている。そして、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面どうしが、第2導体の下地層を介さずにめっき層により接続されているので、インダクタ電極の低抵抗化を図ることができる。また、インダクタ電極の一部を成す第2導体を低コストで形成することができる。
このように構成すると、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成されているので、例えば発熱により第1、第2の柱状導体が膨張した場合に、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面側の端部は、それぞれの周面が第1端面側、すなわち、該第1端面が接続された第2導体に向う方向に膨張する。よって、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面側の端部の周面を被覆する絶縁層を第2導体に押し付ける方向に応力が生じるため、第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面付近において、第1絶縁層の第2絶縁層との対向面と第2導体との間に滑り(相対的な位置ずれ)が生じるのを防止することができる。したがって、インダクタ電極の第2導体が第1絶縁層の表面から剥がれるのが防止されたインダクタ部品を提供することができる。
このように構成された発明では、第1導体を成す第1、第2の金属ピンが、それぞれの第1端面が第1樹脂層の一主面と所定の間隙を開けて対向するように埋設された第1樹脂層が用意される。そして、第1樹脂層の第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面よりも表層部分の厚みが、加圧接続工程で破断する値に形成されている。そのため、加圧接続工程において、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面と第2導体との間の第1樹脂層を破断するように、第1樹脂層および該第1樹脂層の一主面に積層された第2樹脂層が積層方向に適切な加圧力で加圧されることで、テーパ状に形成された第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面側の端部により第1樹脂層が破断される。したがって、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面が第2導体のめっき層に接続されて、第1、第2の金属ピンそれぞれの第1端面どうしが第2導体の下地層を介さずにめっき層により接続されることにより、インダクタ電極の低抵抗化が図られたインダクタ部品を低コストで提供することができる。また、従来のように、各第1、第2の金属ピンの端部や第1樹脂層の樹脂を研削したり研磨したりする工程が不要であるので、インダクタ部品を低コストで製造することができる。
続いて、図4(c)に示すように、第1樹脂層3の上面(第2絶縁層4との対向面)の樹脂を研磨または研削により除去して、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aを第1樹脂層3の表面に露出させる(露出工程)。次に、図4(d)に示すように、連結板20を第1樹脂層3から剥離して除去する(剥離工程)。なお、この製造方法において、図4(d)に示す工程は、後述する図4(g)に示す工程の後に実行してもよい。
続いて、図5(b)に示すように、離型シート40を用意する。離型シート40の一主面上には、例えば約50〜100μm程度の厚みで磁性体含有樹脂が塗布されることにより、第1樹脂層3の一部を成す未硬化状態の支持層3Aが形成されている。なお、支持層3Aは、別途作製された樹脂シートが離型シート40上に載置されることにより形成されてもよい。また、離型シート40としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の樹脂シートに離型層が形成されたものや、フッ素樹脂などの樹脂シート自体が離型機能を有するものを用いることができる。
次に、転写板30に支持された第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部を、第2端面8b,9bが離型シート40に当接するまで支持層3Aに貫入させて、第1、第2の金属ピン8,9を、それぞれ、離型シート40の一主面上の所定位置に立設する。続いて、支持層3Aを熱硬化させる。支持層3Aが熱硬化することにより、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部が支持層3Aに支持される。
なお、未硬化の支持層3Aを熱硬化させる際に、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第2端面8b,9b側の端部の外周面に支持層3Aを形成する磁性体含有樹脂を濡れ上がらせるようにするとよい。このようにすると、第1、第2の金属ピン8,9の第2端面8b,9b側の端部の外周面に、磁性体含有樹脂がフィレット状に這い登って形成された支持部(図示省略)が、硬化後の支持層3Aに一体的に形成される。したがって、硬化後の支持層3Aによる第1、第2の金属ピン8,9の支持強度を向上することができる。
続いて、図5(c)に示すように、転写板30を除去し、支持層3A上に該支持層3Aと同じ磁性体含有樹脂を供給して第1、第2の金属ピン8,9を被覆する第1樹脂層3を形成する(第1絶縁層形成工程)。次に、図5(d)に示すように、離型シート40を剥離して除去した後に(剥離工程)、第1樹脂層3の表裏面の樹脂を研磨または研削により除去し、第1、第2の金属ピン8,9それぞれの第1端面8a,9aおよび第2端面8b,9bを第1樹脂層3の表面に露出させる(露出工程)。
なお、第1樹脂層3は、支持層3Aを液状の磁性体含有樹脂を用いて形成し、支持層3A上に磁性体含有樹脂を配置することにより形成してもよい。また、支持層3Aと、支持層3A上に形成される樹脂層とを、種類の異なる磁性体含有樹脂を用いて形成してもよい。ここで、種類の異なる磁性体含有樹脂とは、磁性体フィラーの含有量は同じで種類が異なるもの、磁性体フィラーの種類は同じで含有量が異なるもの、両者が共に異なるもの、または絶縁性樹脂の種類が異なるものなどを示す。
また、例えば、図6に示す製造方法では、図6(a),(b)に示す工程において、第2樹脂層4上のコイルコア101が配置される所定領域と交差するように複数の第2導体6を形成する。そして、図6(c)に示す工程において、各第2導体6のそれぞれに第1、第2の金属ピン8,9を接続し、コイルコア101を当該所定領域に配置した後に、図6(d)に示す工程において、第1樹脂層3を形成すればよい。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態にかかるインダクタ部品について図19を参照して説明する。図19は、第4実施形態での説明において参照した図11に相当する図面である。
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、上記した構成をどのように組み合わせてもよい。例えば、図4(g)に示す工程と、図5(g)に示す工程と、図12(f)に示す工程と、図13(g)に示す工程と、図14(g)とに示す工程において、第2導体6(ダム部材10)が、その一部または全部が第2樹脂層4側に圧入されるようにしてもよい。また、図7(a)、図20(a)に示す第3樹脂層103上の第3導体102が、第3樹脂層103側に圧入されていてもよい。

Claims (13)

  1. 第1絶縁層と、前記第1絶縁層に積層された第2絶縁層とを有する絶縁体と、
    前記絶縁体に設けられたインダクタとを備え、
    前記インダクタは、
    それぞれの第1端面が前記第1絶縁層の前記第2絶縁層との対向面に露出するように前記第1絶縁層に埋設された第1、第2の柱状導体から成る第1導体と、
    前記第2絶縁層の前記第1絶縁層との対向面に設けられ、前記第1の柱状導体の第1端面に接続され、前記第2の柱状導体の第1端面に接続された第2導体と、を有するインダクタ電極とを有し、
    前記第2導体は、導電性ペーストにより形成された下地層と、該下地層を被覆して形成されためっき層とを有し、
    前記めっき層が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面に接続され、前記第1、第2の柱状導体が前記下地層を介さずに接続されている
    ことを特徴とするインダクタ部品。
  2. 前記第2導体は、ライン状に形成され、第1端部が前記第1の柱状導体の第1端面に接続され、第2端部が前記第2の柱状導体の第1端面に接続され、
    前記第2導体の第1端部の前記めっき層の幅が、前記第1の柱状導体の第1端面の最大幅よりも広く形成され、
    前記第2導体の第2端部の前記めっき層の幅が、前記第2の柱状導体の第1端面の最大幅よりも広く形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記第1導体の前記第1、第2の柱状導体それぞれの第2端面が前記第1絶縁層の前記第2絶縁層と反対側の主面から露出していることを特徴とする請求項1または2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記各第2端面の面積が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの他の部分の断面積よりも大きく形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のインダクタ部品。
  5. 前記第1、第2の柱状導体が、それぞれ、金属ピンにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインダクタ部品。
  6. 前記第1、第2の柱状導体それぞれの前記第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインダクタ部品。
  7. 前記めっき層が、前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面に超音波振動接合され、前記第1、第2の柱状導体が前記めっき層のみにより接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインダクタ部品。
  8. 前記第1導体と前記第2導体とがはんだにより接合されていることを特徴とする請求項6に記載のインダクタ部品。
  9. 前記第1、第2の柱状導体間に配置されて前記第1絶縁層に埋設されたコイルコアをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のインダクタ部品。
  10. 絶縁体に設けられたインダクタを備えるインダクタ部品の製造方法において、
    第1導体を成す第1、第2の柱状導体を立設し、樹脂で被覆して前記絶縁体の一部を成す第1絶縁層を形成する第1絶縁層形成工程と、
    前記第1絶縁層表面の樹脂を研磨または研削により除去して前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面を露出させる露出工程と、
    導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成されたライン状の第2導体がその表面に形成され前記絶縁体の残りの一部を成す第2絶縁層を形成する第2絶縁層形成工程と、
    前記第1、第2の柱状導体それぞれの第1端面が露出する前記第1絶縁層の表面に前記第2絶縁層を積層して、前記第2導体の第1端部を前記第1の柱状導体の第1端面に接続し、前記第2導体の第2端部を前記第2の柱状導体の第1端面に接続して、前記インダクタが有するインダクタ電極を形成する接続工程と
    を備えることを特徴とするインダクタ部品の製造方法。
  11. 絶縁体に設けられたインダクタを備えるインダクタ部品の製造方法において、
    導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成されたライン状の導体がその表面に形成され前記絶縁体の一部を成す絶縁層を用意する用意工程と、
    前記導体の第1端部に第1の柱状導体の第1端面を接続し、前記導体の第2端部に第2の柱状導体の第1端面を接続して、前記インダクタが有するインダクタ電極を形成する接続工程と、
    前記第1、第2の柱状導体を被覆するように前記導体が形成された前記絶縁層の表面に前記絶縁体の残り一部を成す樹脂を供給して前記絶縁体を形成する形成工程と
    を備えることを特徴とするインダクタ部品の製造方法。
  12. 第1樹脂層と該第1樹脂層の一主面に積層された第2樹脂層とを有する絶縁体と、インダクタとを備えるインダクタ部品の製造方法において、
    それぞれの第1端面側の端部が先端に向うに連れて細くなるテーパ状に形成された第1、第2の金属ピンから成る第1導体が、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面が前記第1樹脂層の一主面と所定の間隙を開けて対向するように埋設された前記第1樹脂層を準備する準備工程と、
    前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面どうしを接続するために、前記第2樹脂層の表面に導電性ペーストにより形成された下地層がめっき層により被覆されて形成された第2導体を、前記第1樹脂層との間に挟むように前記第1樹脂層の一主面に前記第2樹脂層を積層する第2樹脂層積層工程と、
    前記第1樹脂層の一主面側の表層であって、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面と前記第2導体との間の前記第1樹脂層を破断するように、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層を積層方向に加圧し、前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面を前記第2導体に接続して、前記インダクタが有するインダクタ電極を形成する加圧接続工程とを備え、
    前記第1樹脂層の前記第1、第2の金属ピンそれぞれの前記第1端面よりも表層部分の厚みが、前記加圧接続工程で破断する値に形成されている
    ことを特徴とするインダクタ部品の製造方法。
  13. 前記加圧接続工程において、加圧する際に超音波振動を印加することを特徴とする請求項12に記載のインダクタ部品の製造方法。
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