JP2023103038A - コイル装置 - Google Patents

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Yasuhiro Oi
せつ 土田
Setsu Tsuchida
翔 渡部
Sho Watabe
崇 荒澤
Takashi Arasawa
智也 都梅
Tomoya Tsubai
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Abstract

【課題】製造が容易であり、高い品質を確保することが可能なコイル装置を提供すること。【解決手段】コイル装置10は、コイル30と、コイル30が取り付けられるコア20と、コア20の表面に形成され、コイル30の引出部30aが接続される電極40と、を有する。電極40は、第1領域41と第2領域42とを有する。第1領域41は、順に、下地電極層40aと、導電性ペースト層40bと、メッキ層40cとを含み、第2領域42は、順に、下地電極層40aと、メッキ層40cとを含む。引出部30aは、第2領域42において、メッキ層40cに配置されている。【選択図】図2A

Description

本発明は、コイル装置に関する。
従来から、コイル装置の電極構造に樹脂Agなどの導電性ペーストを適用する技術が知られている。たとえば特許文献1に記載の発明では、下記のような電極構造が採用されている。すなわち、鍔部の表面には第1電極層が形成され、第1電極層の表面にはコイルの引出部が接続され、第1電極層の表面には該引出部を覆うように第2電極層が形成され、第2電極層の表面にはメッキ層が形成されている。第1電極層および第2電極層は、いずれも導電性ペーストにより形成されている。
導電性ペーストは、コイル装置を実装基板にたとえばハンダ実装するときに、ハンダとメッキ層との間の熱応力の差異を緩和する緩衝層としての機能を有する。そのため、第1電極層および第2電極層の電極材料として導電性ペーストを用いることにより、ハンダとメッキ層との間の熱応力の差異に起因してハンダクラックが生じることを防止することが期待される。
また、メッキ層は、比較的高いハンダ濡れ性を有する。そのため、電極の最外層にメッキ層を設けることにより、コイル装置を実装基板にたとえばハンダ実装するときに、コイル装置と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することが期待される。
ところで、特許文献1に記載の発明において、メッキ層の形成は、コアにコイルが取り付けられた後に行われる。そのため、メッキ層の形成時において、メッキ液がコイルに浸入し、コイル装置の品質に影響が及ぶおそれがある。そこで、特許文献1に記載の発明では、メッキ液の浸入からコイルを保護するために、コイルを覆う樹脂被覆層がコア(巻芯部)に具備されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、樹脂被覆層でコイルを覆う工程が必要となることから、製造工程が煩雑化し、品質管理が困難になるおそれがある。また、樹脂被覆層でコイルを覆ったとしても、メッキ液がコイルに浸入する問題を確実に回避することができるという保証はない。
特開2006-286807号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、製造が容易であり、高い品質を確保することが可能なコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るコイル装置は、
コイルと、
前記コイルが取り付けられるコアと、
前記コアの表面に形成され、前記コイルの引出部が接続される電極と、を有し、
前記電極は、順に、下地電極層と、導電性ペースト層と、メッキ層とを含み、
前記引出部は、前記メッキ層に配置されている。
本発明の第1の観点に係るコイル装置では、導電性ペースト層が電極に含まれている。そのため、コイル装置を実装基板にたとえばハンダ実装するときに、導電性ペースト層が緩衝層として機能することにより、ハンダとメッキ層との間の熱応力の差異に起因してハンダクラックが生じることを防止することができる。また、電極にはメッキ層が含まれているため、メッキ層の比較的高いハンダ濡れ性により、コイル装置と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。
特に、本発明の第1の観点に係るコイル装置では、電極が、順に、下地電極層と、導電性ペースト層と、メッキ層とを含み、引出部が、メッキ層に配置されている。このような電極構造は、たとえば、下地電極層と導電性ペースト層とメッキ層とを含む積層電極の形成後に、コアへのコイルの取付および電極(メッキ層)への引出部の接続を行うことにより得ることができる。この場合、メッキ層の形成時において、コイルがコアに取り付けられていないため、メッキ液がコイルに浸入するおそれがなく、メッキ液の浸入に起因するコイル装置の品質劣化を防止することができる。また、メッキ液がコイルに浸入するおそれがない以上、メッキ液の浸入からコイルを保護するための手段(たとえば、特許文献1に記載の樹脂被覆層)をコイル装置に具備させる必要はなく、コイル装置の製造工程の簡素化を図ることができる。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るコイル装置は、
コイルと、
前記コイルが取り付けられるコアと、
前記コアの表面に形成され、前記コイルの引出部が接続される電極と、を有し、
前記電極は、第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域は、順に、下地電極層と、導電性ペースト層と、メッキ層とを含み、
前記第2領域は、順に、前記下地電極層と、前記メッキ層とを含み、
前記引出部は、前記第2領域において、前記メッキ層に配置されている。
本発明の第2の観点に係るコイル装置では、電極が、第1領域と第2領域とを有する。第1領域は、順に、下地電極層と、導電性ペースト層と、メッキ層とを含む。そのため、第1領域を介して、コイル装置を実装基板にたとえばハンダ実装する場合において、本発明の第1の観点に係るコイル装置と同様の理由により、ハンダクラックの防止およびコイル装置と実装基板との間の接続信頼性の向上を図ることができる。
また、第2領域は、順に、下地電極層と、メッキ層とを含み、引出部は、第2領域において、メッキ層に配置されている。このような電極構造は、たとえば、下地電極層とメッキ層とを含む積層電極の形成後に、コアへのコイルの取付および電極(メッキ層)への引出部の接続を行うことにより得ることができる。そのため、本発明の第2の観点に係るコイル装置においても、本発明の第1の観点に係るコイル装置と同様の理由により、コイル装置の品質劣化の防止およびコイル装置の製造工程の簡素化を図ることができる。
特に、第1領域と第2領域のうち、第1領域にのみ導電性ペースト層を具備させる場合(すなわち、第2領域には導電性ペースト層を具備させない場合)、第2領域が第1領域に比べて変形しにくくなるとともに、引出部が第2領域から剥離しにくくなる。そのため、引出部を第2領域にたとえば熱圧着する場合において、第2領域の変形あるいは引出部の電極からの剥離を防止し、電極(第2領域)の変形あるいは引出部の剥離に起因するコイル装置の品質劣化を防止することができる。また、この場合、第1領域(実装部)には熱圧着が行われないため、第1領域のはんだ濡れ性を十分に確保することが可能であり、コイル装置と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。
好ましくは、前記電極が形成される前記コアの表面には、段差部が形成されており、前記第1領域と前記第2領域とは、隣接するように配置されており、前記第2領域は、前記段差部を介して、前記第1領域よりも低い位置に位置する。このような構成とすることにより、段差部の高さ方向に沿って、その高さに応じた距離だけ、第1領域と第2領域との間の間隔を離間させることが可能となる。そのため、引出部を第2領域にたとえば熱圧着する場合において、第2領域に加わる熱(輻射熱)が第1領域に及びにくくなり、第1領域のはんだ濡れ性を十分に確保することができる。
好ましくは、前記電極は、前記段差部に形成された段差領域を有し、前記導電性ペースト層は、前記第1領域から前記段差領域にかけて形成されている。このような構成とすることにより、導電性ペースト層の厚みや範囲を十分に確保することが可能となり、導電性ペースト層の緩衝層として機能を強化し、ハンダとメッキ層との間の熱応力の差異に起因してハンダクラックが生じることを有効に防止することができる。
好ましくは、前記段差部は、傾斜面を有し、前記導電性ペースト層の厚みは、前記第2領域に近づくにしたがって小さくなっていく。段差部に傾斜面を形成することにより、傾斜面の傾斜角度に応じた距離だけ、第1領域と第2領域との間の間隔を離間させることが可能となる。そのため、引出部を第2領域にたとえば熱圧着する場合において、第2領域に加わる熱(輻射熱)が第1領域に及びにくくなり、第1領域のはんだ濡れ性を十分に確保することができる。また、第2領域に近づくにしたがって導電性ペースト層の厚みを小さくしていくことにより、引出部を第2領域にたとえば熱圧着する場合において、第2領域の近傍における電極の変形を有効に防止することができる。
好ましくは、前記コアは、前記コイルを取付可能な巻芯部と、前記巻芯部の軸方向の端部に形成された鍔部とを有し、前記電極は、前記鍔部の表面に形成されている。このようなコア(ドラムコア)では、第1領域および第2領域を有する電極を鍔部に容易に形成することが可能であり、コイル装置の製造容易化を図ることができる。
好ましくは、前記第1領域と前記第2領域とは、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿って隣接するように配置されており、前記第1領域は、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿って、前記鍔部の一端から他端に向けて所定の長さで連続的に延在しており、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿う前記第1領域の幅は、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿う前記第2領域の幅よりも大きい。このような構成とすることにより、第1領域の面積を第2領域の面積よりも大きくし、第1領域(実装部)の面積を十分に確保することが可能となる。それゆえ、電極(第1領域)と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。
好ましくは、前記第2領域は、前記第1領域とともに、前記コアの実装面側に位置する。このような構成とすることにより、第2領域(メッキ層)に配置されたコイルの引出部が外部に露出することを防止し、引出部を保護することができる。
好ましくは、前記コイルの引出部は、前記メッキ層にめり込んでおり、前記コイルの引出部の少なくとも一部は、前記メッキ層から露出している。このような構成とすることにより、コイルの引出部を電極に圧接することが可能となり、コイルの引出部と電極との間の接続強度を十分に確保することができる。
好ましくは、前記コアは、フェライト粒子または金属粒子を含んでいる。このような構成とすることにより、コイル装置の磁気特性の向上を図ることができる。
図1Aは本発明の第1実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図1Bは図1Aに示すコイル装置の平面図である。 図2Aは図1Bに示すIIA-IIA線に沿う断面図である。 図2Bは、図2Aに示すコイルの引出部を電極に熱圧着したときの状態(一例)を示す断面図である。 図3は本発明の第2実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図4Aは図3に示すIVA-IVA線に沿う断面図である。 図4Bは、図4Aに示すコイルの引出部を電極に熱圧着したときの状態を示す断面図である。 図5は本発明の第3実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図6は図5に示すコイル装置をA方向から見たときの側面図である。 図7は図5に示すコイル装置のVII-VII線に沿う断面図である。 図8Aは図7に示す電極の一部拡大断面図である。 図8Bは図8Aに示す電極の変形例の一部拡大断面図である。 図9Aは図1Aに示すコイル装置の変形例の斜視図である。 図9Bは図1Aに示すコイル装置の他の変形例の斜視図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の第1実施形態に係るコイル装置10は、チップ形状を有し、たとえばインダクタとして機能する。コイル装置10は、コア20と、コイル30と、第1電極40と、第2電極50とを有する。
図中に示すX軸はコア20の巻芯部23の軸方向に平行な軸であり、Y軸は巻芯部23の軸方向に垂直な軸であり、Z軸は実装面に対して垂直な軸である。コイル装置10の実装面は、Z軸上方側、すなわち第1電極40および第2電極50が位置する側である。
コア20は、いわゆるドラムコアであり、第1鍔部21と、第2鍔部22と、巻芯部23とを有する。コア20のサイズは特に限定されないが、そのX軸方向の長さは0.4~6mmであり、そのY軸方向の長さは0.2~6mmであり、そのZ軸方向の長さは0.2~3mmである。
コア20は、磁性材料と樹脂とを含む材料で形成されている。コア20を形成する磁性材料としては、フェライト粒子あるいは金属磁性体粒子等が例示される。フェライト粒子としては、Ni-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライト等が例示される。金属磁性体粒子としては、特に限定されないが、Fe-Ni合金粉、Fe-Si合金粉、Fe-Si-Cr合金粉、Fe-Co合金粉、Fe-Si-Al合金粉、アモルファス鉄等が例示される。コア20を形成する樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、その他の合成樹脂、あるいはその他の非磁性材料等が例示される。なお、コア20は、金属磁性体の焼結体であってもよい。
巻芯部23は、柱状形状からなり、略矩形の横断面形状を有する。巻芯部23の横断面形状は、特に限定されるものではなく、円形や略八角形、あるいはその他の多角形でもよい。巻芯部23の外周面には、コイル30が取り付けられる。なお、コイル30を形成するワイヤとしては、たとえば、銅(Cu)などの良導体からなる芯材を、イミド変成ポリウレタンなどからなる絶縁材で覆い、さらに最表面をポリエステルなどの薄い樹脂膜で覆ったものを用いることができる。
第1鍔部21は、巻芯部23の軸方向の一端に形成され、第2鍔部22は、巻芯部23の軸方向の他端に形成されている。第1鍔部21は、略直方体形状からなり、第2鍔部22は、第1鍔部21に対して180度回転対称な形状を有する。
第1電極40が形成される第1鍔部21の上面(実装面)には、段差部210が形成されている。段差部210は、第1鍔部21のY軸方向の中央よりも、Y軸方向の一方側に形成されている。また、段差部210は、第1鍔部21のX軸方向の一端から他端にかけて延在している。段差部210を介して、第1鍔部21のY軸方向の一方側には、段差上面212が形成されている。段差部210を介して、第1鍔部21のY軸方向の他方側には、段差下面213が形成されている。段差部210は、傾斜面211を有し、段差上面212と段差下面213とは傾斜面211を介して接続されている。
第2電極50が形成される第2鍔部22の上面(実装面)には、段差部220が形成されている。Z軸方向から見て、段差部220は、段差部210の対角線上に配置されている。段差部220は、段差部210と同様の形状を有するため、段差部220の形状の詳細な説明については省略する。
第1電極40は、第1鍔部21の上面に形成されている。第1電極40は、第1領域41と、第2領域42と、段差領域43とを有する。これらは、コア20の実装面側に位置し、Y軸方向に沿って連続的(一体的)に接続されている。なお、第1電極40の縁部は、第1鍔部21のX軸方向の内端面および外端面や、Y軸方向の両側面に回り込んでいる。
第1領域41と第2領域42とは、Y軸方向に沿って隣接するように形成されており、段差領域43は、段差部210の傾斜面211に形成されている。より詳細には、第1領域41は、段差部210のY軸方向の一方側に形成された段差上面212に形成されている。第1領域41は、Y軸方向に沿って、第1鍔部21のY軸方向の一端から段差部210の位置まで所定の長さで連続的に延在している。第1領域41は、実装基板との接続面(実装部)として機能し、たとえばハンダにより実装基板に接続される。
第2領域42は、段差部210のY軸方向の他方側に形成された段差上面213に形成されている。すなわち、第2領域42は、段差部210を介して、第1領域41よりも低い位置に位置する。第2領域42は、Y軸方向に沿って、第1鍔部21のY軸方向の他端から段差部210の位置まで所定の長さで連続的に延在している。第2領域42はコイル30の引出部30aとの継線部として機能し、第2領域42には引出部30aがたとえば熱圧着により接続される。
本実施形態では、段差部210の高さ方向に沿って、その高さに応じた距離だけ、第1領域41と第2領域42との間の間隔を離間させることが可能である。そのため、引出部30aを第2領域42に熱圧着する場合において、第2領域42に加わる熱(輻射熱)が第1領域41に及びにくくなり、第1領域41のはんだ濡れ性を十分に確保することができる。
また、傾斜面211の傾斜角度に応じた距離だけ、第1領域41と第2領域42との間の間隔をY軸方向に離間させることが可能となる。そのため、この点においても、第2領域42に加わる熱(輻射熱)が第1領域41に及びにくくなり、第1領域41のはんだ濡れ性を十分に確保することができる。
第1電極40は、第1鍔部21の上面形状に沿うように、段差領域43(段差部210の傾斜面211)において段差状(テーパ状)に形成されている。図2Aに示すように、段差領域43の傾斜角度は、傾斜面211の傾斜角度とは異なっている(大きくなっている)が、略等しくてもよい。
図1Bに示すように、第1領域41のY軸方向の幅W1は、第2領域42のY軸方向の幅W2よりも大きくなっている。第2領域42のY軸方向の幅W2と、第1鍔部21のY軸方向の幅W3との比W2/W3は、好ましくは1/16<W2/W3<1/2であり、さらに好ましくは1/8<W2/W3<1/3である。これにより、コイル30の引出部30aを接続するのに十分な面積を第2領域42に具備させることが可能となり、引出部30aを第2領域42に容易に熱圧着することができる。また、第1領域41の面積を第2領域42の面積よりも大きくし、実装部として機能する第1領域41の面積を十分に確保することが可能である。それゆえ、第1電極40(第1領域41)と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。
第2電極50は、第2鍔部22の上面に形成されている。第2電極50は、第1領域51と、第2領域52と、段差領域53とを有する。第2電極50(第1領域51、第2領域52および段差領域53)の形状および機能は、第1電極40(第1領域41、第2領域42および段差領域43)の形状および機能と同一であるため、その詳細な説明については省略する。なお、第2電極50の第2領域52には、コイル30の引出部30bが熱圧着により接続される。
図2Aに示すように、第1領域41は、(第1鍔部21の上面の位置から)順に、下地電極層40aと、導電性ペースト層(導電性樹脂層)40bと、メッキ層40cとを含む。また、第2領域42は、順に、下地電極層40aと、メッキ層40cとを含む。また、段差領域43は、順に、下地電極層40aと、導電性ペースト層(導電性樹脂層)40bと、メッキ層40cとを含む。
すなわち、本実施形態では、下地電極層40aおよびメッキ層40cについては、第1領域41と第2領域42と段差領域43とに共通して設けられている。他方で、導電性ペースト層40bについては、第1領域41と段差領域43とにのみ設けられている。
下地電極層40aは、焼付電極からなり、第1鍔部21の上面に導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより形成される。導電性ペーストの塗布は、たとえばスクリーン印刷などの方法により行うことができる。下地電極層40aの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5~20μmである。なお、下地電極層40aは、複数層であってもよい。
導電性ペースト層40bは、導電性ペーストからなる。導電性ペースト層40bは、段差上面212および傾斜面211の位置において、下地電極層40aを覆うように、その上面に導電性ペーストを塗布して硬化させることにより形成される。導電性ペーストの塗布は、たとえばスクリーン印刷などの方法により行うことができる。
ここで、導電性ペースト層40bあるいは下地電極層40aを形成する導電性ペーストは、導電粒子と有機バインダとを含むものである。導電性ペーストは、導電粒子を構成する金属として、たとえば、Au、Ag、Cu、Ni、C、Pd、Ag-Pd合金等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、有機バインダとしては、たとえば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂等を用いることができる。
このうち、導電性ペースト層40bを形成する導電性ペーストとしては、Agからなる導電粒子とエポキシ系樹脂とを含む銀ペーストを用いることが好ましい。Agからなる導電粒子は、球状あるいはフレーク状(扁平状)の形状を有し、安定した導電性、高い熱伝導性、耐酸化性等の特徴を有するからである。また、エポキシ系樹脂は、硬化時の体積収縮が小さく、金属に対する良好な接着性や高い耐熱性を有するからである。なお、導電性ペースト層40bには、球状の導電粒子およびフレーク状の導電粒子の混合物が含まれていることが好ましい。
導電性ペースト層40bは、熱硬化性樹脂を含むため、たとえば、下地電極層40aやメッキ層40cよりも柔軟性に富んでいる。そのため、導電性ペースト層40bは、コイル装置10を実装基板(図示略)にたとえばハンダ実装するときに緩衝層として機能する。これにより、ハンダとメッキ層との間の熱応力の差異に起因してハンダクラックが生じることを防止することができる。
導電性ペースト層40bの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10~200μmである。すなわち、導電性ペースト層40bの厚みは、下地電極層40aの厚みよりも大きいことが好ましい。導電性ペースト層40bの厚みを上記の範囲に設定することにより、導電性ペースト層40bの緩衝層としての機能を十分に発揮させることができる。
導電性ペースト層40bは、図1Aに示す第1鍔部21の上面だけではなく、第1鍔部21のX軸方向の内端面および外端面や、Y軸方向の両側面にも回り込むように形成されていることが好ましい。
図2Aに示すように、導電性ペースト層40bは、第1領域41(段差上面212)から段差領域43(段差部210の傾斜面211)にかけて形成されている。これにより、導電性ペースト層40bの厚みやY軸方向に沿う範囲を十分に確保することが可能となり、導電性ペースト層40bの緩衝層として機能を強化することができる。
導電性ペースト層40bの厚みは、第2領域42に近づくにしたがって小さくなっていてもよい。たとえば、図2Aに示す例では、導電性ペースト層40bの厚みは、段差領域43(傾斜面211)において、第2領域42に近づくにしたがって徐々に小さくなっている。そのため、段差領域43(傾斜面211)では、導電性ペースト層40bにはテーパ形状が具備されている。
なお、導電性ペースト層40bの厚みは、第1領域41(段差上面212)から段差領域43(傾斜面211)に至る範囲において、第2領域42に近づくにしたがって徐々に小さくなっていてもよい。この場合、第1領域41(段差上面212)から段差領域43(傾斜面211)に至る範囲において、導電性ペースト層40bにはテーパ形状が具備されることになる。
このように、第2領域42に近づくにしたがって導電性ペースト層40bの厚みを小さくしていくことにより、コイル30の引出部30aを第2領域42にたとえば熱圧着する場合において、第2領域42の近傍における第1電極40の変形を有効に防止することができる。
導電性ペースト層40bは、傾斜面211(段差領域43)の全域を覆っていることが好ましく、その一部が第2領域42(段差下面211)に及んでいてもよい。ただし、導電性ペースト層40bは、コイル30の引出部30aの近傍(少なくとも引出部30aの下部)には及んでいないことが好ましい。
メッキ層40cは、第1メッキ層40c1と第2メッキ層40c2とを含む。第1メッキ層40c1はNiメッキで形成され、第2メッキ層40c2はSnメッキで形成されている。ただし、第1メッキ層40c1および第2メッキ層40c2を形成するメッキは、これらに限定されるものではなく、Cuメッキ、Niメッキ、Snメッキ、Ni-Snメッキ、Cu-Ni-Snメッキ、Ni-Auメッキ、Auメッキ等から適宜選択することができる。なお、メッキ層40cは、単層であってもよい。
第1メッキ層40c1は、第1領域41および段差領域43において、導電性ペースト層40bを覆うように、その表面に形成されている。また、第1メッキ層40c1は、第2領域42において、下地電極層40aを覆うように、その表面に形成されている。第1メッキ層40c1は、導電性ペースト層40bあるいは下地電極層40aの表面に、電界メッキまたは無電界メッキを施し、メッキ膜を形成することにより形成される。第1メッキ層40c1の厚みは、特に限定されないが、0.1~15μmであることが好ましい。
図2Aに示す例では、第2領域42における第1メッキ層40c1の厚みは、第1領域41における第1メッキ層40c1の厚みよりも大きくなっている。ただし、第1メッキ層40c1の厚みの分布は、これに限定されるものではなく、第1領域41における第1メッキ層40c1の厚みが、第2領域42における第1メッキ層40c1の厚みよりも大きくなっていてもよい。また、これらの厚みは、略等しくてもよい。
第2メッキ層40c2は、第1メッキ層40c1を覆うように、その表面に形成されている。第2メッキ層40c2は、第1メッキ層40c1の表面に、電界メッキまたは無電界メッキを施し、メッキ膜を形成することにより形成される。第2メッキ層40c2の厚みは、特に限定されないが、0.1~15μmであることが好ましい。なお、第1領域41における第2メッキ層40c2の厚みと、第2領域42における第2メッキ層40c2の厚みとは略等しくなっているが、これらは異なっていてもよく、たとえば前者の厚みが後者の厚みよりも大きくなっていてもよい。
第1メッキ層40c1および第2メッキ層40c2は、段差領域43を跨ぐように、第1領域41から第2領域42にかけて形成されている。第1メッキ層40c1および第2メッキ層40c2は、第1鍔部21の上面形状に沿うように、段差領域43(段差部210の傾斜面211)において段差状に形成されている。
第1領域41において、第2メッキ層40c2は、実装基板に接続される。第2メッキ層40c2は、比較的高いハンダ濡れ性を有するため、第2メッキ層40c2を介して第1電極40を実装基板に接続することにより、コイル装置10と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。なお、段差領域43における第2メッキ層40c2は、実装基板との接続に実質的に寄与しない場合がある。
第2領域42において、第2メッキ層40c2の上面には、コイル30の引出部30aが接続される。それゆえ、本実施形態では、引出部30aは、第2領域42において、メッキ層40cに配置される。第2領域42は、第1領域41とともに、コア20の実装面側に位置する。そのため、コイル装置10を実装基板に実装したときに、第2領域42(メッキ層40c)に配置された引出部30aが外部に顕著に露出することを防止し、引出部30aを保護することが可能となっている。
なお、コイル装置10を実装基板に実装したときに、引出部30aが実装基板に接触することを防止するために、段差領域43における第1電極40の段差高さ(段差状に形成されたメッキ層40cの段差高さ)は、引出部30aの線径よりも大きくなっている。段差領域43における第1電極40の段差高さは、引出部30aの線径の3倍以上であることが好ましい。。
図2Bに示すように、図2Aに示す第2メッキ層40c2上の引出部30aを治具(図2Aの二点鎖線で示す部材)で熱圧着すると、引出部30aは、第1電極40にめり込む。図2Bに示す例では、引出部30aは、第2メッキ層40c2にめり込んでおり(沈んでおり)、引出部30aの一部(上部)は、第2メッキ層40c2から露出している。引出部30aの周囲では、第2メッキ層40c2が引出部30aへ引き寄せられており、第2メッキ層40c2は、引出部30aに向かって凸状(テーパ状)に盛り上がっている。引出部30aの上部は、第2メッキ層40c2の上面と略面一になっている。
引出部30aの側部は、第2メッキ層40c2で囲まれている(覆われている)。引出部30aの下部は、実質的に、第1メッキ層40c1に接続されているが、第2メッキ層40c2あるいは下地電極層40aに接続されていてもよい。引出部30aの下部の接続位置については、熱圧着時における治具の加圧強度により調整することができる。
なお、引出部30aの一部は、第1メッキ層40c1の位置までめり込んでいてもよい。この場合、引出部30aの下部は、下地電極層40aに接続されていてもよく、あるいは第1メッキ層40c1に接続されていてもよい。
このように、引出部30aをメッキ層40cにめり込ませることにより、引出部30aを第1電極40に圧接することが可能となり、引出部30aと第1電極40との間の接続強度を十分に確保することができる。
図1Aに示す第2電極50の断面構造は、図2Aおよび図2Bに示す第1電極40の断面構造と同一であり、第1電極40について説明したことがそのまま妥当する。そのため、第2電極50の断面構造の説明については省略する。
なお、図1Bに示すように、Z軸方向から見て、第1電極40の第2領域42(継線部)と第2電極50の第2領域52(継線部)とは対角線上に配置されているが、これらはY軸方向の同一側に配置されていてもよい。
次に、コイル装置10の製造方法について説明する。まず、図1Aに示すような形状からなるコア20を準備する。次に、コア20の第1鍔部21の上面(実装面)および第2鍔部22の上面(実装面)に、以下のようにして、それぞれ第1電極40および第2電極50を形成する。
すなわち、図2Aに示すように、第1鍔部21の上面(段差上面212、傾斜面211および段差下面213)に導電性ペースト(たとえば、Agペースト)をスクリーン印刷などの方法により塗布し、これを所定の温度で焼き付けて、下地電極層40aを形成する。
次に、第1領域41(段差上面212)および段差領域43(傾斜面211)の位置において、下地電極層40aを覆うように、その上面に導電性ペースト(たとえば、Agペースト)をスクリーン印刷などの方法により塗布し、これを硬化させて、導電性ペースト層40bを形成する。
次に、第1領域41(段差上面212)、段差領域43(傾斜面211)および第2領域42(段差下面213)の位置において、導電性ペースト層40bおよび下地電極層40aを覆うように、その上面にNiメッキ膜を電解メッキあるいは無電解メッキ等の方法により形成し、第1メッキ層40c1を形成する。
次に、第1領域41(段差上面212)、段差領域43(傾斜面211)および第2領域42(段差下面213)の位置において、第1メッキ層40c1を覆うように、その上面にSnメッキ膜を電解メッキあるいは無電解メッキ等の方法により形成し、第2メッキ層40c2を形成する。
図1Aに示す第2電極50についても、第1電極40と同様にして形成する。次に、図1Aに示すように、コア20の巻芯部23にワイヤを巻回し、コイル30を形成する。次に、図2Aおよび図2Bに示すように、第2領域42において、コイル30の引出部30aをたとえば熱圧着により第2メッキ層40c2の上から接続し、引出部30aを第1電極40に導電接合する。引出部30bについても、引出部30aと同様にして、第2電極50に導電接合する。このとき、ワイヤの被膜は昇華するため、ワイヤの被膜を除去しなくても、被膜の残渣が第1電極40および第2電極50の内部に残ることはない。
以上で説明したように、本実施形態のコイル装置10は、図2Aに示す下地電極層40aと導電性ペースト層40bとメッキ層40cとを含む積層電極の形成後に、図1Aに示す巻芯部23へのコイル30の取付、および第2領域42(第2領域52)への引出部30a(引出部30b)の接続が行われる。この場合、メッキ層40cの形成時において、コイル30はコア20に取り付けられていないため、メッキ液がコイル30に浸入するおそれがなく、メッキ液の浸入に起因するコイル装置10の品質劣化を防止することができる。また、メッキ液がコイル30に浸入するおそれがない以上、メッキ液の浸入からコイル30を保護するための手段(たとえば、特許文献1に記載の樹脂被覆層)をコイル装置10に具備させる必要はなく、コイル装置10の製造工程の簡素化を図ることができる。
特に、図2Aに示すように、第1領域41と第2領域42のうち、第1領域41にのみ導電性ペースト層40aを具備させる場合(すなわち、第2領域42には導電性ペースト層40bを具備させない場合)、第2領域42が第1領域41に比べて変形しにくくなるとともに、引出部30aが第2領域42から剥離しにくくなる。そのため、引出部30aを第2領域42にたとえば熱圧着する場合において、第2領域42の変形あるいは引出部30aの第1電極40からの剥離を防止し、第1電極40(第2領域41)の変形あるいは引出部30aの剥離に起因するコイル装置10の品質劣化を防止することができる。また、この場合、第1領域41(実装部)には熱圧着が行われないため、第1領域41のはんだ濡れ性を十分に確保することが可能であり、コイル装置10と実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。
なお、本発明者らは、第2領域42(継線部)に引出部30aを熱圧着する前後において、第1領域41(実装部)における導電性ペースト層40bと第1メッキ層40c1との間の固着強度を測定した。その結果、熱圧着する前では、9.47Nの負荷が第1領域41に印加されたときに、導電性ペースト層40bと第1メッキ層40c1との間で剥離が生じた。他方、熱圧着した後では、9.79Nの負荷が第1領域41に印加されたときに、導電性ペースト層40bと第1メッキ層40c1との間で剥離が生じた。これより、引出部30aを第2領域42に熱圧着したときの影響(輻射熱による影響)は、第1領域41にはほとんど及ばず、当該影響による第1領域41の劣化を有効に防止することができることが確認された。
第2実施形態
図3に示す本発明の第2実施形態に係るコイル装置10Aは、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。図面において、第1実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、その詳細な説明については省略する。
コイル装置10Aは、コア20Aと、第1電極40Aと、第2電極50Aとを有する。コア20Aは、第1鍔部21Aおよび第2鍔部22Aを有する。第1鍔部21Aは、その上面に段差部210が形成されていないという点において、第1実施形態における第1鍔部21(図1A)とは相違する。また、第2鍔部22Aは、その上面に段差部220が形成されていないという点において、第1実施形態における第2鍔部22(図1A)とは相違する。そのため、第1鍔部21Aおよび第2鍔部22Aの上面は、平坦面となっている。
第1電極40Aは、段差領域43(図1A)を具備してはおらず、第1鍔部21Aの上面形状に対応して平坦形状を有する。また、第2電極50Aは、段差領域53(図1A)を具備してはおらず、第2鍔部22Aの上面形状に対応して平坦形状を有する。
図4Aに示すように、第1電極40Aは、(第1鍔部21Aの上面の位置から)順に、下地電極層40aと、導電性ペースト層40bと、メッキ層40cとを含む。また、メッキ層40cは、第1メッキ層40c1と第2メッキ層40c2とを含む。本実施形態では、この電極構造が、図3に示す第1鍔部21AのY軸方向の一端から他端にかけて連続的に形成されている。すなわち、本実施形態では、第1実施形態とは異なり、第1電極40Aには、第2領域42(図2A)に相当する電極構造が具備されてはおらず、導電性ペースト層40bが第1電極40Aの全域に具備されている。
したがって、図4Aに示すように、コイル30の引出部30aが接続される継線部の位置にも、導電性ペースト層40bが存在する。図4Bに示すように、図4Aに示す第2メッキ層40c2上の引出部30aを治具で熱圧着すると、引出部30aは、第1電極40Aにめり込む。引出部30aの下部は、実質的に、第1メッキ層40c1に接続されているが、第2メッキ層40c2、導電性ペースト層40bあるいは下地電極層40aに接続されていてもよい。
第2電極50Aの形状および機能は、第1電極40Aの形状および機能と同一であるため、その詳細な説明については省略する。なお、第2電極50Aには、コイル30の引出部30bが熱圧着により接続される。
図3に示す例では、引出部30aおよび引出部30bは、それぞれ第1電極40Aおよび第2電極50AのY軸方向の中央部に形成されているが、Y軸方向の端部に形成されていることが好ましい。引出部30aおよび引出部30bは、Z軸方向から見て、相互に対角線上に配置されるように、それぞれ第1電極40Aおよび第2電極50Aに接続されていてもよい。あるいは、引出部30aおよび引出部30bは、Z軸方向から見て、Y軸方向の同一側に配置されるように、それぞれ第1電極40Aおよび第2電極50Aに接続されていてもよい。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、コイル装置10Aを実装基板にたとえばハンダ実装する場合において、導電性ペースト層40bの緩衝層としての機能により、ハンダクラックの発生を防止することができる。また、と、メッキ層40cの高いハンダ濡れ性により、コイル装置10Aと実装基板との間の接続信頼性の向上を図ることができる。
また、第1電極40Aおよび第2電極50Aの電極構造は、たとえば、下地電極層40aと、導電性ペースト層40bと、メッキ層40cとを含む積層電極の形成後に、コア20Aへのコイル30の取付および第1電極40Aおよび第2電極50Aへの引出部30aおよび30bの接続を行うことにより得ることができる。そのため、メッキ液のコイル20への浸入に起因するコイル装置10の品質劣化の防止、およびコイル装置10の製造工程の簡素化を図ることができる。
第3実施形態
図5に示す本発明の第3実施形態に係るコイル装置10Bは、以下の点が相違するのみであり、その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。図面において、第1実施形態と共通する部材には、共通する符号を付し、その詳細な説明については省略する。
コイル装置10Bは、コア20Bと、第1電極40Bと、第2電極50Bとを有する。コア20Bは、第1鍔部21Bと、第2鍔部22Bとを有する。コア20Bは、巻芯部が実装面に対して略垂直に配置される、いわゆる縦型のドラムコアである。第1鍔部21Bと第2鍔部22Bとは、同一形状からなり、Z軸方向から見て略八角形状を有する。ただし、第1鍔部21Bおよび第2鍔部22Bの形状はこれに限定されるものではなく、Z軸方向から見て円形、楕円形、四角形、その他の多角形等であってもよい。
第1電極40Bは、コア20BのX軸方向の一方側において、第2鍔部22Bの外周面(周側面)222と外端面223とに跨るように形成されている。第2電極40Bは、コア20BのX軸方向の他方側において、第2鍔部22Bの外周面(周側面)222と外端面223とに跨るように形成されている。
図6および図7に示すように、第1電極40Bは、外周面222の第1面222aと、第1面222aとはY軸方向の反対側の位置する第2面222bと、外端面223とに跨っている。第1電極40Bは、第1領域41と、第2領域42と、補助領域44とを有する。第1実施形態と同様に、第1領域41は実装部としての機能を有し、第2領域42は継線部としての機能を有する。補助領域44は、たとえばハンダフィレット形成部としての機能を有する。
第1領域41は外端面223に形成されており、第2領域42は第1面222aに形成されており、補助領域43は第2面222bに形成されている。図8Aに示すように、第1領域41は、(外端面223の位置から)順に、下地電極層40aと、導電性ペースト層40bと、メッキ層40cとを含む。また、メッキ層40cは、第1メッキ層40c1と第2メッキ層40c2とを含む。
図8Aに示す例では、導電性ペースト層40bの厚みは、第1面222aと外端面223との角部に向かうにしたがって徐々に小さくなっており、導電性ペースト層40bには、テーパ形状が具備されている。
また、第2領域42は、(第1面222aの位置から)順に、下地電極層40aと、メッキ層40cとを含む。また、メッキ層40cは、第1メッキ層40c1と第2メッキ層40c2とを含む。第2領域42は、第1面222aに沿って、Z軸方向に沿って延在している。コイル30の引出部30aは、第2領域42に沿って引き出され、第2メッキ層40c2にたとえば熱圧着により接続される。なお、第2メッキ層40c2の上から熱圧着された引出部30aは、図2Bに示すような態様で第1電極40Bにめり込む。
図8Aに示すように、第2領域42では、第1領域41に比べて、第1メッキ層40c1の厚みが大きくなっているが、第1メッキ層40c1の厚みの分布はこれに限定されるものではない。これらは略等しくてもよく、あるいは、第1領域41では、第2領域42に比べて、第1メッキ層40c1の厚みが大きくなっていてもよい。また、図2Aに示す第1実施形態の第1電極40と同様に、第1領域41では、第2領域42に比べて、第1電極40B全体の厚みが大きくなっていてもよい。
なお、図8Bに示すように、第1鍔部21の外端面223から外周面222(第1面222aおよび第2面222b)にかけて、第1電極40Bの全域に導電性ペースト層40bを形成してもよい。補助領域44(図7)の電極構造には、図8Aに示す第2領域42の電極構造を適用してもよく、あるいは、図8Aに示す第1領域41の電極構造を適用してもよい。後者の場合、補助領域44にハンダフィレットが形成されたときに、導電性ペースト層40bが緩衝層として機能することにより、ハンダとメッキ層40cとの間の熱応力の差異に起因してハンダクラックが生じることを防止することができる。
図5に示す第2電極50Bの形状および機能は、第1電極40Bの形状および機能と同一であるため、その詳細な説明については省略する。なお、第2電極50Bには、コイル30の引出部30bが熱圧着により接続される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、本実施形態では、図6に示すように、第2領域42(継線部)が第1領域41(実装部)とは異なる面(第2鍔部22の外周面222)に位置するため、第1領域41の面積を十分に確保することが可能であり、コイル装置10Bと実装基板との間の接続信頼性を十分に確保することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
上記各実施形態では、本発明のインダクタへの適用例について説明したが、本発明をインダクタ以外のコイル装置(たとえばトランスやコモンモードフィルタ(チョーク))に適用してもよい。
上記第1実施形態では、図1Aに示すように、第1領域41のY軸方向の幅は、第2領域42のY軸方向の幅よりも大きくなっていたが、図9Aに示すように、第2領域42のY軸方向の幅が、第1領域41のY軸方向の幅よりも大きくなっていてもよい。同様に、第2領域52のY軸方向の幅が、第1領域51のY軸方向の幅よりも大きくなっていてもよい。
上記第1実施形態では、図1Aに示すように、第2領域42は第1鍔部21のY軸方向の端部に形成されていたが、図9Bに示すように、第2領域42が第1鍔部21のY軸方向の中央部に形成されていてもよい。図9Bに示す例では、第1電極40は、2つの第1領域41と、第2領域42とを具備しており、第2領域42は、Y軸方向の一方側に形成された第1領域41と、Y軸方向の他方側に形成された第1領域41との間に挟まれるように配置されている。同様に、第2電極50についても、第2鍔部22のY軸方向の中央部に形成されていてもよい。
上記第1実施形態では、図1Aに示す第1電極40の第2領域42にコイル30の引出部30aを熱圧着により接続する場合について説明したが、熱圧着以外の方法により、引出部30aを第2領域42に接続してもよい。このような方法としては、超音波接合、抵抗ろう付け、紫外線硬化樹脂接合等が挙げられる。第2電極50の第2領域52にコイル30の引出部30bを接続する場合についても同様である。上記第2実施形態および第3実施形態についても同様である。
上記第1実施形態において、図1Aに示す第1鍔部21および第2鍔部22の上面からそれぞれ段差部210および段差部220を省略してもよい。
10,10A,10B…コイル装置
20,20A,20B…コア
21,21A,21B…第1鍔部
210…段差部
211…傾斜面
22,22A,22B…第2鍔部
220…段差部
221…傾斜面
222…外周面
223…外端面
23…巻芯部
30…コイル
30a,30b…リード部
40,40A,40B…第1電極
40a…下地電極層
40b…導電性ペースト層
40c…メッキ層
40c1…第1メッキ層
40c2…第2メッキ層
41…第1領域
42…第2領域
43…段差領域
44…補助領域
50,50A,50B…第2電極
51…第1領域
52…第2領域
53…段差領域

Claims (10)

  1. コイルと、
    前記コイルが取り付けられるコアと、
    前記コアの表面に形成され、前記コイルの引出部が接続される電極と、を有し、
    前記電極は、順に、下地電極層と、導電性ペースト層と、メッキ層とを含み、
    前記引出部は、前記メッキ層に配置されているコイル装置。
  2. コイルと、
    前記コイルが取り付けられるコアと、
    前記コアの表面に形成され、前記コイルの引出部が接続される電極と、を有し、
    前記電極は、第1領域と第2領域とを有し、
    前記第1領域は、順に、下地電極層と、導電性ペースト層と、メッキ層とを含み、
    前記第2領域は、順に、前記下地電極層と、前記メッキ層とを含み、
    前記引出部は、前記第2領域において、前記メッキ層に配置されているコイル装置。
  3. 前記電極が形成される前記コアの表面には、段差部が形成されており、
    前記第1領域と前記第2領域とは、隣接するように配置されており、
    前記第2領域は、前記段差部を介して、前記第1領域よりも低い位置に位置する請求項2に記載のコイル装置。
  4. 前記電極は、前記段差部に形成された段差領域を有し、
    前記導電性ペースト層は、前記第1領域から前記段差領域にかけて形成されている請求項3に記載のコイル装置。
  5. 前記段差部は、傾斜面を有し、
    前記導電性ペースト層の厚みは、前記第2領域に近づくにしたがって小さくなっていく請求項3または4に記載のコイル装置。
  6. 前記コアは、前記コイルを取付可能な巻芯部と、前記巻芯部の軸方向の端部に形成された鍔部とを有し、
    前記電極は、前記鍔部の表面に形成されている請求項2~5のいずれかに記載のコイル装置。
  7. 前記第1領域と前記第2領域とは、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿って隣接するように配置されており、
    前記第1領域は、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿って、前記鍔部の一端から他端に向けて所定の長さで連続的に延在しており、
    前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿う前記第1領域の幅は、前記巻芯部の軸方向に直交する方向に沿う前記第2領域の幅よりも大きい請求項6に記載のコイル装置。
  8. 前記第2領域は、前記第1領域とともに、前記コアの実装面側に位置する請求項2~7のいずれかに記載のコイル装置。
  9. 前記コイルの引出部は、前記メッキ層にめり込んでおり、
    前記コイルの引出部の少なくとも一部は、前記メッキ層から露出している請求項1~8のいずれかに記載のコイル装置。
  10. 前記コアは、フェライト粒子または金属粒子を含んでいる請求項1~9のいずれかに記載のコイル装置。
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