JPWO2016035762A1 - バランスシャフト用フリクションダンパー - Google Patents
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Abstract
本発明は、リップ摺動面のトルク低下を防止しつつ、潤滑油の軸方向の流路を確保して安定的に流通させることができるバランスシャフト用フリクションダンパー(1)を提供することを課題とし、その課題は、エンジンのバランスシャフトの軸部(100)と該軸部(100)の外周に設けられたギア部(200)との間の環状隙間(300)に装着され、軸部(100)の外周面(101)とギア部(200)の内周面(201)とのいずれか一方に嵌着されて固定される嵌合面(11a)を有する金属製の取付環(10)と、取付環(10)にゴム状弾性材料で成形され、軸部(100)の外周面(101)とギア部(200)の内周面(201)とのいずれか他方に対して密接されるリップ摺動面(21a)を有する環状の弾性リング材(20)とを備え、リップ摺動面(21a)を除く位置であって、且つ、取付環(10)と弾性リング材(20)とに亘る位置及び又は取付環(10)に、潤滑油が軸方向に流通することを許容する油流路部(30)を形成することによって解決される。
Description
本発明は、内燃機関のバランスシャフト用フリクションダンパーに関し、詳しくは、潤滑油の流通を妨げることなく、高い回転トルクを維持することができるバランスシャフト用フリクションダンパーに関する。
内燃機関のバランスシャフト用フリクションダンパーは、レシプロエンジンの振動を抑制するバランスシャフトの軸部と、この軸部の外周に設けられたギア部とを接続する高い回転トルクを持つゴム部品である。フリクションダンパーが高いトルクを維持することにより、振動を吸収し、且つ、バランスシャフトの軸部がギア部に対して揺動する際は急激に作動してトルクを減衰させ、ギア部側に設けられている衝撃緩衝用のゴムバンパー部が破損することを防止している。
逆にフリクションダンパーのトルクがゴムの劣化等により不足すると、ゴムダンパー部の破損、若しくはギア部が破損する不具合が発生することになるため、フリクションダンパーは、高いトルクを維持する必要がある。
従来のバランスシャフト用フリクションダンパーの一例として、図6、図7を示す。図6はフリクションダンパーの一部切欠き俯瞰説明図、図7は図6のC−C線断面図である。
この従来のフリクションダンパーは、ギア部の内周面に嵌着されて固定される金属製の取付環50を外周側に備え、この取付環50にゴム状弾性材料によって一体に成形された弾性リング材60を内周側に備えている。弾性リング材60の内周側にはリップ部61を有しており、そのリップ部61の内周面は、バランスシャフトの軸部の外周面に対して密接されるリップ摺動面61aとなっている。そして、弾性リング材60のリップ摺動面61aには、ギア部周囲の潤滑油を軸方向に流通させるための複数の切欠き部70が形成されている。
また、特許文献1には、芯金の外周側に一体に設けられた弾性リング材を有するフリクションダンパーであって、弾性リング材の周方向複数個所に互いに間隔をおいて径方向外方へ突出する摺接部を一体に形成し、この摺接部の内部に空間を設けることにより、装着時に摺接部が容易に圧縮変形して、僅かな締め代で大きなフリクションが得られるようにすることが記載されている。
フリクションダンパーは潤滑油を封止してはならない。このため、図6、図7に示したフリクションダンパーでは、弾性リング材60のリップ摺動面61aに、軸方向に潤滑油が流通することを許容する切欠き部70を形成している。また、特許文献1では、径方向外方に突出する複数の摺接部の間が、軸方向に連通するため、この摺接部間によって潤滑油が軸方向に流通することが許容されるようになっている。
しかしながら、従来のフリクションダンパーでは、潤滑油が弾性リング材に形成された切欠き部や摺接部の間の溝部を流れるため、フリクションダンパーに大きな回転トルクが加わって弾性リング材が相手部材に対して摺動した場合、潤滑油が切欠き部や溝部に介在する。従って、この潤滑油が、フリクションダンパーが摺動することで、切欠き部以外のリップ摺動面にも侵入するおそれがある。そして、弾性リング材のリップ摺動面に潤滑油が侵入すると、リップ摺動面とこれに密接される相手部材との間のフリクションが減少してトルクが低下してしまい、ギア部の回転トルクをバランスシャフトの軸部に、適正に伝達できなくなる問題がある。
また、リップ摺動面は、相手部材に対して径方向に圧縮変形されることで所定のフリクションを得るようにしているため、圧縮変形時にリップ摺動面に形成された切欠き部や、溝部も同様に変形することで流路を狭めてしまい、潤滑油を軸方向に安定的に流通させることが困難となる問題もある。
なお、特許文献1記載のフリクションダンパーは、隣り合う摺接部間の空間で、弾性リング材外周の軸方向の空間を潤滑油が流通する。この状態でフリクションダンパーを摺接部を圧縮変形させて装着しているが、摺接部の接触面積が少ないので、嵌合面とこれに密接される相手部材との間のフリクションが減少してトルクが低下してしまい、ギア部の回転トルクをバランスシャフトの軸部に、適正に伝達できなくなる可能性がある。
そこで、本発明は、リップ摺動面のトルク低下を防止しつつ、潤滑油の軸方向の流路を確保して安定的に流通させることができるバランスシャフト用フリクションダンパーを提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.エンジンのバランスシャフトの軸部と該軸部の外周に設けられたギア部との間の環状隙間に装着され、前記軸部の外周面と前記ギア部の内周面とのいずれか一方に嵌着される嵌合面を有する金属製の取付環と、
前記取付環にゴム状弾性材料で成形され、前記軸部の外周面と前記ギア部の内周面とのいずれか他方に対して圧接されるリップ摺動面を有する環状の弾性リング材とを備えるバランスシャフト用フリクションダンパーにおいて、
前記リップ摺動面を除く位置であって、且つ、前記取付環と前記弾性リング材とに亘る位置及び又は前記取付環に、潤滑油が軸方向に流通することを許容する油流路部を形成したことを特徴とするバランスシャフト用フリクションダンパー。
2.前記取付環は、前記嵌合面を形成する軸方向に延びる円筒部と、前記円筒部の軸方向の一端から径方向に延びるように一体に形成された環状の鍔部とを有し、
前記油流路部は、前記リップ摺動面を除く前記弾性リング材と前記鍔部とに亘って軸方向に貫通するように形成された油流路孔であることを特徴とする前記1記載のバランスシャフト用フリクションダンパー。
3.前記油流路部は、前記取付環の前記嵌合面に形成された油流路溝であることを特徴とする前記1記載のバランスシャフト用フリクションダンパー。
前記取付環にゴム状弾性材料で成形され、前記軸部の外周面と前記ギア部の内周面とのいずれか他方に対して圧接されるリップ摺動面を有する環状の弾性リング材とを備えるバランスシャフト用フリクションダンパーにおいて、
前記リップ摺動面を除く位置であって、且つ、前記取付環と前記弾性リング材とに亘る位置及び又は前記取付環に、潤滑油が軸方向に流通することを許容する油流路部を形成したことを特徴とするバランスシャフト用フリクションダンパー。
2.前記取付環は、前記嵌合面を形成する軸方向に延びる円筒部と、前記円筒部の軸方向の一端から径方向に延びるように一体に形成された環状の鍔部とを有し、
前記油流路部は、前記リップ摺動面を除く前記弾性リング材と前記鍔部とに亘って軸方向に貫通するように形成された油流路孔であることを特徴とする前記1記載のバランスシャフト用フリクションダンパー。
3.前記油流路部は、前記取付環の前記嵌合面に形成された油流路溝であることを特徴とする前記1記載のバランスシャフト用フリクションダンパー。
本発明によれば、リップ摺動面のトルク低下を防止しつつ、潤滑油の軸方向の流路を確保して安定的に流通させることができるバランスシャフト用フリクションダンパーを提供することができる。
以下、本発明に係るバランスシャフト用フリクションダンパー(以下、単にフリクションダンパーと称す。)の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るフリクションダンパーの一例を示す一部切欠き俯瞰説明図、図2は、図1のA−A線断面説明図、図3は、図1、図2に示すフリクションダンパーを装着した状態を示すバランスシャフトの部分断面図である。
図1及び図2に示されるフリクションダンパー1は、金属製の取付環10の内周側に、ゴム状弾性材料で成形された環状の弾性リング材20を有している。
取付環10は、例えば鋼板などの金属板をプレス成形することにより製作されたものであり、軸方向に延びる円筒部11と、その円筒部11に一体に形成された鍔部12とからなる。鍔部12は、円筒部11の軸方向の一端から径方向内側に延びるように屈曲形成されている。本実施形態において、円筒部11の外周面は、バランスシャフトの軸部100の外周に設けられるギア部200の内周面201(図3参照)に嵌着される嵌合面11aを形成している。
弾性リング材20は、鍔部12から円筒部11の内周面にかけて、ゴム状弾性材料によって一体に成形されることが好ましい。またゴム状弾性材料は特に限定されないが、圧縮永久歪が小さく、かつ耐摩耗性に優れたものが好ましい。
弾性リング材20において、取付環10の嵌合面11aと軸方向の反対側に位置する内周面側には、鍔部12側から先端側に行くに従って径方向の内側に向けて傾斜した形状のリップ部21を有している。本実施形態において、このリップ部21の内周面は、バランスシャフトの軸部100の外周面101(図3参照)に対して圧密接されるリップ摺動面21aを形成している。
そして、本実施形態において、潤滑油が軸方向に流通することを許容する油流路部30が、取付環10の嵌合面11aと弾性リング材20のリップ摺動面21aとの間を軸方向に貫通するように形成されている。具体的には、本実施形態における油流路部30は、取付環10の嵌合面11aと弾性リング材20のリップ摺動面21aとの間において、弾性リング材20と鍔部12とに亘って軸方向に貫通するように形成された油流路孔31によって構成されている。
本実施形態に示す油流路孔31は、鍔部12をその内周端からほぼ半円形状に切り欠いていると共に、嵌合面11aとリップ摺動面21aとの間の弾性リング材20を軸方向に貫通している。ここで、油流路孔31は、リップ摺動面21aには差し掛かっていないため、潤滑油が油流路孔31からリップ摺動面21aに侵入することはない。これにより、リップ摺動面21aにおける潤滑油の侵入に起因するトルク低下のおそれはない。
油流路孔31は、フリクションダンパー1の周方向に所定の間隔をおいて複数個形成される。油流路孔31の径は、鍔部12の大きさやフリクションダンパー1に形成される個数と潤滑油の流通量との関係等に応じて適宜決められる。
油流路孔31は、図1、図2に示すように、フリクションダンパー1の軸方向と平行に貫通させることによって形成することができるが、これに限定されない。例えば、図示しないが、フリクションダンパー1の軸方向に対して周方向に僅かに傾斜するように角度をつけて貫通させることによって形成してもよい。
かかるフリクションダンパー1は、図3に示すように、エンジンのバランスシャフトの軸部100と該軸部100の外周に設けられたギア部200との間の環状隙間300に装着される。具体的には、取付環10の嵌合面11aがギア部200の内周面201に嵌着して固定され、弾性リング材20のリップ部21がバランスシャフトの軸部100の外周面101に対して径方向に圧縮され、リップ摺動面21aが外周面101に密接される。
そして、本実施形態において、油流路部30として油流路孔31を形成し、従来のように弾性リング材20のリップ摺動面21aに潤滑油の流路となる切欠き部を形成していない。従って、リップ摺動面21aは、その全面でバランスシャフトの軸部100の外周面101に対して密接することができる。このとき、潤滑油は油流路孔31を通って軸方向に流通するが、油流路孔31はリップ摺動面21aを通っていないため、たとえリップ摺動面21aがバランスシャフトの軸部100の外周面101に対して摺動しても、リップ摺動面21aと外周面101との間に潤滑油が侵入することはない。
これらのことにより、フリクションダンパー1は、潤滑油の侵入に起因するリップ摺動面21aのトルク低下は防止され、バランスシャフトの軸部100に対して大きなフリクションを得ることができ、ギア部200の回転トルクを軸部100に対して適正に伝達させることができる。
しかも、油流路孔31は、弾性リング材20と取付環10の鍔部12とに亘って形成されているため、環状隙間300への装着によってリップ部21が径方向に圧縮変形されても、油流路孔31の開口形状は金属製の鍔部12によって保持され、油流路孔31が変形して完全に潰れてしまうようなことはない。従って、装着状態において、油流路孔31によって潤滑油の軸方向の流路を確保でき、潤滑油を安定的に流通させることができる。
次に、本発明に係るフリクションダンパーの他の一例について説明する。
図4は、本発明に係るフリクションダンパーの他の一例を示す一部切欠き俯瞰説明図、図5は、図4のB−B線断面説明図である。図1〜図3と同一符号の部位は同一構成の部位を示しているため、それらについての説明は図1〜図3についての説明を援用し、ここでは省略する。
本実施形態において、潤滑油が軸方向に流通することを許容する油流路部30は、取付環10に形成されている。従って、この実施形態においても、リップ摺動面21aには潤滑油の流路は形成されない。具体的には、本実施形態における油流路部30は、取付環10の嵌合面11aに形成された油流路溝32によって構成されている。油流路溝32は、取付環10の円筒部11の嵌合面11aに、該円筒部11の軸方向の全長に亘って該円筒部11を横断するように形成されている。
油流路溝32は、フリクションダンパー1の周方向に所定の間隔をおいて複数個形成される。溝幅は、フリクションダンパー1に形成される個数と潤滑油の流通量との関係等に応じて適宜決められる。また、溝深さは、取付環10の円筒部11の厚みよりも浅く形成される。このため、取付環10の円筒部11の強度が大きく損なわれるようなことがない。
油流路溝32は、一般に、取付環10の円筒部11の嵌合面11aに対して溝を研削加工することによって形成されるが、これに限定されない。例えば、円筒部11の外周面に、周方向に分断された複数枚のプレートを、周方向に間隔をあけて接着又は溶接することによって、周方向に隣り合うプレート間の溝部を油流路溝32とするようにしてもよい。なお、この場合、各プレートの外周面によって嵌合面11aが形成される。
また、油流路溝32は、図4、図5に示すように、フリクションダンパー1の軸方向と平行に延びるように形成することができるが、これに限定されない。例えば、フリクションダンパー1の軸方向に対して周方向に僅かに傾斜するように角度をつけて形成してもよい。
本実施形態に係るフリクションダンパー1も、図3に示したエンジンのバランスシャフトの軸部100と該軸部100の外周に設けられたギア部200との間の環状隙間300に装着されることで、上記と同様に、潤滑油の侵入に起因するリップ摺動面21aのトルク低下が防止されると共に、油流路溝32によって潤滑油の軸方向の流路を確保でき、潤滑油を安定的に流通させることができる効果を得ることができる。
油流路溝32は、ギア部200の内周面201に対して摺動することがない金属製の取付環10の嵌合面11aに形成されているので、油流路溝32を流れる潤滑油が嵌合面11aに侵入することはない。しかも、取付環10の嵌合面11aに形成された油流路溝32は、図3に示したように、嵌合面11aがギア部200の内周面201に嵌着されて固定された際でも変形することは全くない。このため、潤滑油の軸方向の流路をより安定的に確保することができる。
なお、図示しないが、油流路部30は、以上説明した油流路孔31と油流路溝32との両方を、1つのフリクションダンパー1に形成してもよい。これにより、潤滑油のより大きな流路を確保することができる。
また、上述した各実施形態では、フリクションダンパー1の外周側を取付環10とし、内周側を弾性リング材20としたものを例示したが、フリクションダンパー1の外周側を弾性リング材20とし、内周側を取付環10とすることにより、取付環10の内周面を嵌合面11aとして、バランスシャフト100の外周面101に嵌着されて固定される構成としても良い。
1:バランスシャフト用フリクションダンパー
10:取付環
11:円筒部
11a:嵌合面
12:鍔部
20:弾性リング材
21:リップ部
21a:リップ摺動面
30:油流路部
31:油流路孔
32:油流路溝
10:取付環
11:円筒部
11a:嵌合面
12:鍔部
20:弾性リング材
21:リップ部
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30:油流路部
31:油流路孔
32:油流路溝
Claims (3)
- エンジンのバランスシャフトの軸部と該軸部の外周に設けられたギア部との間の環状隙間に装着され、前記軸部の外周面と前記ギア部の内周面とのいずれか一方に嵌着される嵌合面を有する金属製の取付環と、
前記取付環にゴム状弾性材料で成形され、前記軸部の外周面と前記ギア部の内周面とのいずれか他方に対して圧接されるリップ摺動面を有する環状の弾性リング材とを備えるバランスシャフト用フリクションダンパーにおいて、
前記リップ摺動面を除く位置であって、且つ、前記取付環と前記弾性リング材とに亘る位置、及び又は前記取付環に、潤滑油が軸方向に流通することを許容する油流路部を形成したことを特徴とするバランスシャフト用フリクションダンパー。 - 前記取付環は、前記嵌合面を形成する軸方向に延びる円筒部と、前記円筒部の軸方向の一端から径方向に延びるように一体に形成された環状の鍔部とを有し、
前記油流路部は、前記リップ摺動面を除く前記弾性リング材と前記鍔部とに亘って軸方向に貫通するように形成された油流路孔であることを特徴とする請求項1記載のバランスシャフト用フリクションダンパー。 - 前記油流路部は、前記取付環の前記嵌合面に形成された油流路溝であることを特徴とする請求項1記載のバランスシャフト用フリクションダンパー。
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