JPWO2016027328A1 - マシニングセンタ - Google Patents

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Abstract

ヘッド移動装置およびヘッド昇降装置を自身の上部に支持する機械本体の内部に、ツールマガジン(120)が収容されるように構成されるとともに、そのツールマガジン(120)を移動させるマガジン移動装置(150)を有し、ツールの交換時に、ツールマガジン(120)を機械本体の前面に設けられた開口から突出するように前進させ、そのツールマガジン(20)が前進端に位置する状態において、複数のツールホルダ(130)のうちの交換に供されるものをヘッド移動装置(150)によって主軸が移動させられる領域内に位置させるように構成されたマシニングセンタにおいて、機械本体の開口を塞ぐカバー(124)が、マガジン移動装置(150)によるツールマガジン(120)の移動に伴って開閉するように構成する。

Description

本発明は、主軸に取り付けられているツールを自動で交換可能なマシニングセンタに関する。
下記特許文献1には、(A)ツールが取り付けられる主軸とその主軸を回転させる主軸回転装置とを有する主軸ヘッドと、(B)主軸ヘッドを上下方向に移動させるヘッド昇降装置と、(C)主軸ヘッドを互いに直交する2方向に移動させることで水平面に沿って移動させるヘッド移動装置と、(D)ワークを保持するワークテーブルと、(E)それぞれが主軸に取り付けられるツールを保持する複数のツールホルダを有して複数のツールを収納するツールマガジンとを備え、そのツールマガジンに収納された複数のツールのうちの1つと主軸に取り付けられているツールとを自動で交換可能とされた縦型マシニングセンタ、いわゆる自動工具交換装置を備えたマシニングセンタが記載されている。
特開2011−230265号公報
上記特許文献1に記載のマシニングセンタは、ツールマガジンを収容している箇所に、切削屑等が入り込まないように、その箇所を塞ぐカバーを備えている。その特許文献1に記載のマシニングセンタでは、複数のツールホルダに並んでカバーも配列されており、ツールホルダとともにカバーも周回するように構成されている。そして、通常時には、そのカバーによって、ツールマガジンが収容されている箇所を塞ぐことが可能とされている。しかしながら、その特許文献1に記載マシニングセンタは、ツールの交換作業に先立って、交換に供されるツールホルダを所定の位置に位置させることができないという問題がある。つまり、そのような自動工具交換装置を備えたマシニングセンタは、改良を施すことにより、実用性を向上させ得ると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いマシニングセンタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のマシニングセンタは、
ヘッド移動装置およびヘッド昇降装置を自身の上部に支持する機械本体を有し、その機械本体の内部に、ツールマガジンが収容されるように構成され、
ツールマガジンを移動させるマガジン移動装置を有し、ツールの交換時に、ツールマガジンを機械本体の一側面に設けられた開口から突出するように前進させ、そのツールマガジンが前進端に位置する状態において、複数のツールホルダのうちの交換に供されるものをヘッド移動装置によって主軸が移動させられる領域内に位置させるように構成され、
機械本体の開口を塞ぐとともに、マガジン移動装置によるツールマガジンの移動に伴って開閉するカバーを備えたことを特徴とする。
本発明のマシニングセンタによれば、マガジン移動装置によってツールマガジンを移動させて、主軸の移動領域内に位置させることが可能であるため、主軸の移動領域をツール交換のために広げる必要がなく、マシニングセンタをコンパクト化することが可能である。また、本発明のマシニングセンタは、カバーが閉じた機械本体内において、予め交換に供されるツールホルダを所定の位置に位置させておくことが可能である。つまり、本発明のマシニングセンタによれば、工具交換時間を短くすることが可能である。
本発明の一実施形態であるマシニングセンタが搭載される機械工作システムに関連するシステムを右前方からの視点において示す斜視図である。 外装パネルの一部が解放された状態での図1に示すシステムを左前方からの視点において示す斜視図である。 外装パネルを外した状態での図1に示すシステムを左前方からの視点において示す斜視図である。 図1に示すシステムに採用可能なワークを運搬する装置を示す装置を示す斜視図である。 図3に示す作業機モジュールがベースから後方に引き出された様子を示す斜視図である。 本発明の実施形態であるマシニングセンタを左前方からの視点において示す斜視図である。 本発明の実施形態であるマシニングセンタを右前方からの視点において示す斜視図である。 図6に示すマシニングセンタが備えるツールマガジンを示す斜め上方からの視点において示す斜視図である。 図6に示すマシニングセンタが備えるツールマガジンを示す斜め下方からの視点において示す斜視図である。 ツールマガジンの直線移動と1対の扉の回動動作とが連動する様子を示す模式図である
以下、本発明の一実施形態であるマシニングセンタの一例を、図を参照しつつ説明する。なお、本発明は、下記実施形態の他、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
<本発明のマシニングセンタが搭載される機械工作システムに関連するシステムの構成>
まず、本発明の一実施形態であるマシニングセンタが搭載される機械工作システムを説明する前に、そのシステムに関連する機械工作システム(以下、単に「関連システム」という場合がある)について説明する。その関連システムは、図1〜図3に示すように、ベース10と、ベース10上に載置されて配列された4つの作業機モジュール(以下、単に「モジュール」という場合がある)12とを含んで構成されている。図1には、外装パネルが張られた状態のものを、図2には、外装パネルの一部が開放された状態のものを、図3には、外装パネルを外した状態のものが示されている。なお、以下の説明では、操作パネル14が設けられている側を正面側と呼び、そのシステムに関する「前後」,「左右」,「上下」を、システムの正面側から見た場合における前後,左右,上下として扱うこととする。つまり、4つのモジュール12が配列されている左右方向が、配列方向であり、前後方向が、配列方向と交差(直交)する方向である交差方向である。
図1〜図3に示した4つの作業機モジュール12の各々は、旋盤がモジュール化された旋盤モジュールであり、スピンドル16によってワークW4(図3参照)を回転させつつ、ヘッド18に保持されたバイト20によって作業位置に位置するワークW4に対して切削加工を行うものである。ちなみに、この関連システムでは、ワーク搬送装置22によって、各モジュール12を渡ってワークが搬送される。各モジュール12においては、ワーク搬送装置22によって搬送されてきたワークが、ワーク移送装置24によって、スピンドル16の先端に取り付けられた保持具であるチャックに装着される。そして、モジュール12による加工が完了したワークは、ワーク移送装置24によって、チャックからワーク搬送装置22に運ばれ、ワーク搬送装置22によって、次のモジュール12に搬送される。
また、関連システムにおいては、上記のワーク搬送装置22およびワーク移送装置24に代えて、それら両者の作業を行うことが可能なワーク搬送脱着装置26を採用することも可能である。そのワーク搬送脱着装置26は、図4に示すように、ベース10の前面に取り付けられる1対のレール28に沿って配列方向に移動可能とされており、複数のモジュール12に渡ってワークを搬送することが可能である。また、ワーク搬送脱着装置26は、多関節型のアーム30と、そのアーム30の先端に設けられてワークを保持する保持具としてのチャック32とを有している。つまり、ワーク搬送着脱装置26は、そのアーム30をモジュール12の加工位置まで伸ばし、チャック32によって、加工位置からワークを受け取ること、および、加工位置にワークを装着させることが可能なものとされているのである。
ちなみに、図2および図3には、構成要素の一部やワークが省略されたり、模式的に表されたりしている。図2におけるW1および図3におけるW4は、設定された作業位置に位置するワークを、図2におけるW2は、搬送装置によって各モジュール12を渡って搬送されるワークを、W3は、各モジュール12内において作業位置へ移送される際のワークの存在空間領域を、それぞれ模式的に示している。
図1ないし3から解るように、4つのモジュール12は、互いに、ほとんど等しい形状,寸法,構造を有するものとされており、配列方向において、設定された配列ピッチで、互いに近接して配列されている。各モジュール12の間隔は、50mm以下とされており、実際には、ほとんど隙間なく4つのモジュール12が配列されているのである。各モジュール12は、概して直方体形状とされており、左右方向の寸法(以下、「モジュール幅」という場合がある)が、前後方向の寸法(以下、「モジュール長」という場合がある)に対して相当に小さくされている。そして、ベース10は、4つのモジュール12が載置された場合における4つのモジュール12全体の左右方向の寸法と略等しい左右方向の寸法を有している。つまり、ベース10は、左右方向において、4つのモジュール12が丁度載置される大きさのものとされている。
ベース10は、並べられて互いに固定された2つのベースユニット34を含んで構成されている。各ベースユニット34は、図5に示すように、2つのモジュール12が載置可能なものとなっている。それら2つのベースユニット34は、各々が規格化されており、互いに同じ形状,寸法,構造のものとされている。
図5に示すように、各ベースユニット34には、それに載置されるモジュールの数に応じた数のレール対36が、具体的には、2つのレール対36が、配列方向に並んで設けられている。1つのレール対36は、間隔をおいて交差方向(前後方向)に延びるようにして敷設された1対のレール38からなる。レール38は、モジュール12の引き出しの際のモジュール12が移動する軌道を画定するものとなっている。一方、各モジュール12には、前後のそれぞれに1対の車輪40が、つまり、2対の車輪40が、回転可能にベッド42に保持されている。それら2対の車輪40が、1対のレール38を転動することにより、モジュール12は、容易に交差方向における両側、詳しくは、前方側にも後方側にも、ベースユニット34から引き出すことが可能とされているのである。ちなみに、図2における一番右側のモジュール12、および、図3における右から2番目のモジュール12が、交差方向における前方に引き出されている。
さらに言えば、モジュール12は、ベースユニット34から離脱可能なまでに引き出し可能とされている。そのモジュール12の引き出しが、台車44を利用して後方から行われた状態を、図5に示している。その台車44は、ベースユニット34に設けられた1対のレール36と同じ断面形状で同じ間隔とされた1対のレール46を有しており、1対のレール46が1対のレール38を延長するように、ベース10に対してセットされる。その状態で、モジュール12の一部、あるいは、全体を、台車44上に移動させることが可能とされているのである。
<本実施形態のマシニングセンタが搭載される機械工作システムの構成>
上述したように、上記の関連システムは、各旋盤モジュール12がベース10から離脱するまでに引き出し可能とされており、他の作業機モジュールに交換すること、例えば、図6,図7に示した別の作業機モジュール50に交換することが可能である。この作業機モジュール50は、縦型マシニングセンタがモジュール化されたものであり、後に詳しく説明するが、ドリルやエンドミル等によってワークテーブルに固定保持されたワークW5に対して切削加工を行うものである。以下の説明において、この作業機モジュール50を、ドリミルモジュール50と呼ぶ場合がある。なお、このドリミルモジュール50が、本発明の実施形態のマシニングセンタである。
ドリミルモジュール50は、前述の旋盤モジュール12と同じベッド42を利用しており、同じモジュール幅のものとされている。つまり、ドリミルモジュール50も、旋盤モジュール12と同様に、モジュール幅が、前後方向の寸法に対して相当小さくされている。以下に、その小さなモジュール幅を実現したドリミルモジュール50の構成およびそのドリミルモジュール50を含んで構成される機械工作システムの構成について、詳しく説明する。
ドリミルモジュール50は、図6,図7に示すように、複数の車輪40を回転可能に保持するベッド42と、そのベッド42上に設けられて加工作業を行うモジュール本体52と、そのモジュール本体52を制御する制御盤54とを備えている。モジュール本体52は、ベッド42上に固定される機械本体60と、ツールを下端部において保持する主軸ヘッド62と、その主軸ヘッド62を上下方向に移動させるヘッド昇降装置64と、主軸ヘッド62を互いに直交する2方向に移動させることで水平面に沿って移動させるヘッド移動装置66と、ワークW5を保持するワークテーブル68とを備えている。
機械本体60は、自身の上部において、ヘッド移動装置66およびヘッド昇降装置64を支持している。機械本体60の上部には、第1スライダ70が、第1スライダ70に設けられた1対のガイドレール72と機械本体60に設けられた複数のベアリング74とによって前後方向に摺動可能に支持されている。その第1スライダ70は、前後移動用モータ76およびボールねじ機構等を含んで構成される前後移動機構によって、前後方向に移動させられる。また、第1スライダ70には、主軸ヘッド62を保持するヘッド保持体としての第2スライダ80が、第1スライダ70の前面に設けられた1対のガイドレール82に沿って左右方向に摺動可能に支持されている。その第2スライダ80は、左右移動用モータ84およびボールねじ機構86等を含んで構成される左右移動機構によって、左右方向に移動させられる。つまり、それら第1スライダ70,1対のガイドレール72,ベアリング74,前後移動機構,第2スライダ80,1対のガイドレール82,左右移動機構等を含んで、ヘッド移動装置66が構成されているのである。
主軸ヘッド62は、主軸ヘッド62に設けられた1対のガイドレール90と第2スライダ80に設けられた複数のベアリング92とによって上下方向に摺動可能に、第2スライダ80に支持されている。なお、ヘッド昇降装置64は、ヘッド昇降用モータ94およびボールねじ機構等を主要構成要素とするものであり、そのヘッド昇降装置64によって、主軸ヘッド62が上下方向に移動させられる。
主軸ヘッド62は、上述のようなヘッド移動装置66およびヘッド昇降装置64の構成によって、機械本体60の前面よりも前方側の位置で支持されているのである。その主軸ヘッド62は、鉛直方向に延びてツールであるドリルやエンドミル等が下端において保持する主軸100と、その主軸100をそれの軸線まわりに回転させる主軸回転モータ102を主体として構成された主軸回転装置とを有している。
ワークテーブル68は、機械本体60の前面から前方に張り出した状態で支持されている。モジュール本体52は、そのワークテーブル68を前後方向に延びる軸線まわりに回転させるテーブル回転装置106を備えており、ワークW5を傾斜させた状態でツールによる加工を行うことが可能とされている。なお、テーブル回転装置は、前後方向に限らず、左右方向に延びる軸線まわりに回転させるもの、あるいは、前後方向と左右方向との間、つまり、水平方向に延びる軸線まわりに回転させるものを採用することも可能である。さらに言えば、テーブル回転装置は、鉛直軸線まわりに回転させるものや、水平軸線まわりと鉛直軸線まわりとの両者に回転させるものを採用することも可能である。
なお、当該機械工作システムにおいては、図4に示した多関節型のアーム30を有するワーク搬送着脱装置26によって、ワークが隣のモジュールからワークテーブル68まで運ばれるとともに、ドリミルモジュール50によって加工が完了したワークが、ワークテーブル68から次のモジュールまで運ばれるようになっている。
ドリミルモジュール50は、ワークに切削加工を施す際、ワークにクーラントをかけつつ切削加工が行われる。また、切削加工において、切削屑が発生する。本機械工作システムは、それらクーラントおよび切削屑に配慮した構成となっている。具体的には、図6,図7に示すように、ベースユニット34の内部に、クーラントを収容するクーラントタンク110が内蔵されている。そして、モジュール本体60の前方側に設けられたワークテーブル68の下方に位置するように、ベースユニット34の前方側の上面には、クーラントおよび切削屑を、クーラントタンク110に受け入れるための受入口112が設けられている。そのクーラントタンク110は、詳細な説明は省略するが、内部に、スクリューコンベアが設けられており、クーラントと切削屑とが分けられ、切削屑のみが、クーラントランク110の後方側に送られるように構成されている。クーラントタンク110は、ベースユニット34の後方にはみ出しており、そのはみ出した後端部にスクリューコンベアの排出ダクト114が配設されている。つまり、モジュール50の前方側の作業位置において発生した切削屑は、クーラントタンク110内でスクリューコンベアによって後方側に送られ、排出ダクト114を通って、当該システムの後方に排出されるようになっているのである。なお、それらクーラントタンク110およびスクリューコンベア等を含んで、ベース10が受け入れた切削屑を、ベース10の後方側から排出する切削屑排出装置が構成されている。
また、ドリミルモジュール50は、主軸100に取り付けられる複数のツールを収納するツールマガジン120を有しており、そのツールマガジン120に収納された複数のツールのうちの1つと、主軸100に取り付けられているツールとを自動で交換可能な構成とされている。ツールマガジン120は、機械本体60の内部に収容されており、ツールの交換時に、図7に示すように、機械本体60の前面に設けられた開口から突出するようになっている。なお、ドリミルモジュール50による加工作業中には、図6に示すように、その開口は、カバー124によって塞がれており、クーラントや切削屑等が機械本体60の内部に入り込んで、ツールマガジン120に収納されたツール等に付着することが防止されるようになっている。
図8に示すように、ツールマガジン120は、複数のツールホルダ(以下、単に「ホルダ」と呼ぶ場合がある)130を有しており、それぞれがツールを上下方向に延びる姿勢で保持している。つまり、ツールマガジン120は、複数のツールを、それぞれの軸線が平行になるように収容するものとなっている。なお、図8(a)に示すように、通常、1つ以上のホルダ130は、ツールを保持しておらず、主軸100に取り付けられているツールを受け取るために、空けられている。ちなみに、この図8におけるTは、各ホルダ130に保持されるツールの収納空間領域を、模式的に示している。
上記の複数のツールホルダ130は、前後方向(交差方向)に長い長円に沿って配列されている。具体的には、ツールマガジン120は、2つのスプロケット132とそれらに掛け渡されたローラチェーン134とを有しており、そのローラチェーン134に複数のツールホルダ130が固定されることで、それら複数のツールホルダ130は、交差方向に長い長円に沿って配列されている。つまり、ツールマガジン120は、複数のツールホルダ130が長円に沿った配列とされているため、左右方向(配列方向)の寸法が小さくされているのである。
ツールマガジン120は、前方側(図における右側)のスプロケット132を回転駆動させるためのスプロケット駆動用モータ136と、そのスプロケット駆動用モータ136の回転をスプロケット132に伝達する減速機138を有している。ツールマガジン120は、スプロケット駆動用モータ136によってスプロケット132を回転させることで、ローラチェーン134を回転させて複数のツールホルダ130を周回させることが可能とされている。つまり、2つのスプロケット132,ローラチェーン134,スプロケット駆動用モータ136,減速機138を含んで、ツールホルダ周回機構が構成されているのである。
また、ツールマガジン120は、機械本体60の内部に前後方向に延びる姿勢で固定された1対のガイドレール150と、自身に固定された被ガイド部としてのベアリング152とによって、前後方向に移動可能とされている。そして、ドリミルモジュール50は、上記のツールマガジン120を前後方向に移動させるマガジン移動装置150を備えている。そのマガジン移動装置150は、ボールねじ機構154と、そのボールねじ機構154のボールねじ156を回転させるマガジン移動用モータ158とを含んで構成される。ボールねじ機構154のナット160が、ツールマガジン120の下面に固定されており、機械本体60に固定されたマガジン移動用モータ158によってボールねじ機構154を回転させることで、ツールマガジン120全体を前後方向に移動させることが可能とされている。
ドリミルモジュール50は、マガジン移動装置150によって、ツールマガジン120が前進させられて、そのツールマガジン120の前端部が、機械本体60の開口から突出するように構成されている。そして、ツールマガジン120が前進端に位置する状態において、複数のツールホルダ130のうちの交換に供せられるもの、つまり、前端に位置するものが、主軸100がヘッド移動装置66によって移動させられる領域内に位置させられるようになっており、その前端に位置するホルダ130に対して、主軸100のツール交換が行われるのである。
ツール交換について詳しく説明すれば、まず、マガジン移動装置150によりツールマガジン120を前進させるとともに、ヘッド移動装置66により主軸100を交換位置に移動させる。なお、ツールマガジン120においては、ツール交換に先立って、ツールを保持していないホルダ130がツールマガジン120の前端に位置させられている。ホルダ130は、2つの爪で把持する構成のものであり、主軸100が後方に移動させられて、ホルダ130の2つの爪の隙間から主軸100に取り付けられたツールが嵌め込まれ、そのツールをホルダ130に把持させる。次いで、主軸100が上昇させられて、主軸100からツールが離脱させられるのである。続いて、ツールホルダ130を周回させ、主軸100に取り付けるツールをツールマガジン120の前端に位置させる。そして、主軸100が下降させられて、主軸100にツールが取り付けられる。次いで、主軸100を前方に移動させるとともに、ツールマガジン120を後退させることで、ツールがホルダ130から抜き出され、ツール交換が終了する。
なお、ツールマガジン120が出入りする機械本体50の開口には、上述したように、カバー124が、開閉可能に設けられている。そのカバー124は、1対の扉170を有する両開き扉とされ、それら1対の扉170の各々が、上下方向に延びる軸線まわりに回動可能とされている。マシニングセンタ52は、マガジン移動装置150によるツールマガジン120の前後方向の直線移動に連動して、1対の扉170がその扉の回動軸線まわりに回動させられるようになっている。つまり、ツールマガジン120の前進に連動して、1対の扉170が開き、ツールマガジン120の後退に連動して、1対の扉170が閉じるようになっている。
以下に、ツールマガジン120の直線移動に1対の扉170の回動動作を連動させる連動機構について詳しく説明する。ツールマガジン120の下面前方側には、スロット172が形成されたカム板174が、1対設けられている。なお、スロット172は、図10に示すように、ツールマガジン120の移動方向に直交する方向に延びるものである。一方、1対の扉170の各々には、それの背面から直交するように支持バー176が固定されており、その支持バー176は、後端においてローラ178を回転可能に支持している。そして、そのローラ178が、カム板174のスロット172に係合しており、スロット172内を転動可能とされている。つまり、それらスロット172とローラ178とを含んで、カム機構180が構成されており、スロット172がカム溝として機能するとともに、ローラ178がカムフォロワとして機能するものとなっている。また、カム板174の後端面と、ツールマガジン120のカム板174を支持する箇所の前端面との間に、弾性体としてのスプリング182が介在させられている。
ツールマガジン120がマガジン移動装置150によって前進させられると、スロット172が形成されたカム板174も前進し、図10に示すように、ローラ178がスロット172内を転動しつつ前進させられる。そして、1対の扉170の各々は、支持バー176を介して前方側に押され、扉170の回動軸線まわりに回動させられる。つまり、1対の扉170の各々が、開かれるのである。なお、そのツールマガジン120が前進させられる際に、そのツールマガジン120の前端部は、1対の扉170の背面に接触しないようになっている。
また、1対のカム機構172の各々は、図10(g)に示すように、1対の扉170の各々が、ツールマガジン120の移動方向に平行になるまで開かれた状態において、カムフォロワ176は、カム溝174の外側の端に位置するようになっている。つまり、カム部材178に前方向きの力が作用しても、カム機構174が動作できないため、カム部材178は前進できず、かつ、扉170がそれ以上開かれないようになっているのである。したがって、扉170の一部が、隣り合うモジュールの作業領域に、侵入することはない。そして、ツールマガジン120は、それの本体部が、図10(h)に示すように、スプリング180を圧縮しつつ、カム部材178に対して相対移動し、前進端まで移動するのである。したがって、この連動機構は、ツールマガジン120が前進端に位置する前に、1対の扉170の各々が、ツールマガジン120の移動方向に平行になるまで開かれるようになっているのである。
以上のように説明した本実施形態のマシニングセンタであるドリミルモジュール50は、マガジン移動装置150によってツールマガジン120を移動させて、主軸100の移動領域内に位置させることが可能であるため、主軸10の移動領域をツール交換のために広げる必要がなく、コンパクトなものとなっている。また、本マシニングセンタ50は、カバー124が閉じた機械本体60内において、予め交換に供されるツールホルダ130をツールマガジンの前端に位置させておくことが可能であるため、工具交換時間を短くすることが可能である。
本実施形態のマシニングセンタ50においては、カバー124は1対の扉170で構成されていたが、1枚の扉やシャッタ(鎧戸)等を採用することも可能である。ただし、本マシニングセンタ50のカバー124は、1対の扉170で構成されているため、シャッタ式のカバーのように開いた時の収納スペース(戸袋)が必要ないため、当該マシニングセンタのコンパクト化が図られている。また、本発明のマシニングセンタは、カバーの開閉を行うための駆動源を備えていてもよい。本実施形態のマシニングセンタ50は、マガジン移動装置150によるツールマガジン120に移動に連動して、カバー124の開閉が行われるように構成されているため、カバーの開閉を行う駆動源が必要なく、当該マシニングセンタがコンパクトなものとなっている。
さらに言えば、本実施形態のマシニングセンタ50においては、ツールマガジン120が前進端に位置する前に、1対の扉170の各々が、ツールマガジン120の移動方向に平行になるまで開かれるように構成されている。そのため、図10(g)に示すように、1対の扉170の回動軸線と、ツールマガジン120の側面との間隔Lを小さくすることが可能である。したがって、機械本体60の幅(配列方向の寸法)、つまり、当該マシニングセンタ50の幅が、小さくされているのである。このようにコンパクト化された本マシニングセンタ52は、上述した複数の作業機モジュールが配列される機械工作システムのコンパクトに繋がるため、そのような機械工作システムに、特に有効なものとなっている。
10:ベース 12:作業機モジュール(旋盤モジュール) 26:ワーク搬送着脱装置 34:ベースユニット 36:レール対 38:レール 40:車輪 42:ベッド 44:台車 46:レール 50:ドリミルモジュール〔マシニングセンタ〕 52:モジュール本体 60:機械本体 62:主軸ヘッド 64:ヘッド昇降装置 66:ヘッド移動装置 68:ワークテーブル 70:第1スライダ 76:前後移動用モータ 80:第2スライダ 84:左右移動用モータ
94:ヘッド昇降用モータ 100:主軸 102:主軸回転モータ 106:テーブル回転装置 110:クーラントタンク 112:受入口 114:排出ダクト 120:ツールマガジン 124:カバー 130:ツールホルダ 132:スプロケット 134:ローラチェーン 136:スプロケット駆動用モータ
150:ガイドレール 152:ベアリング〔被ガイド部〕 154:ボールねじ機構 158:マガジン移動用モータ 170:1対の扉 174:スロット〔カム溝〕 178:ローラ〔カムフォロワ〕 180:1対のカム機構 180:スプリング〔弾性体〕

Claims (8)

  1. (A)ツールが取り付けられる主軸とその主軸を回転させる主軸回転装置とを有する主軸ヘッドと、(B)前記主軸ヘッドを上下方向に移動させるヘッド昇降装置と、(C)前記主軸ヘッドを互いに直交する2方向に移動させることで水平面に沿って移動させるヘッド移動装置と、(D)ワークを保持するワークテーブルと、(E)それぞれが前記主軸に取り付けられるツールを保持する複数のツールホルダを有して複数のツールを収納するツールマガジンとを備え、そのツールマガジンに収納された前記複数のツールのうちの1つと前記主軸に取り付けられているツールとを自動で交換可能とされたマシニングセンタであって、
    前記ヘッド移動装置および前記ヘッド昇降装置を自身の上部において支持する機械本体を有し、その機械本体の内部に、前記ツールマガジンが収容されるように構成され、
    前記ツールマガジンを移動させるマガジン移動装置を有し、ツールの交換時に、前記ツールマガジンを前記機械本体の一側面に設けられた開口から突出するように前進させ、そのツールマガジンが前進端に位置する状態において、前記複数のツールホルダのうちの交換に供されるものを前記ヘッド移動装置によって前記主軸が移動させられる領域内に位置させるように構成され、かつ、
    前記機械本体の前記開口を塞ぐとともに、前記マガジン移動装置による前記ツールマガジンの移動に伴って開閉するカバーを備えたマシニングセンタ。
  2. 前記マガジン移動装置が、前記機械本体に設けられたガイドレールと、前記ツールマガジンに固定されて前記ガイドレールに沿って案内される被ガイド部とを含んで、前記ツールマガジンを案内される方向に直線移動させるように構成され、
    前記カバーが、1対の扉を有する両開き扉とされ、それら1対の扉の各々が上下方向に延びる軸線まわりに回動可能に構成され、かつ、
    当該マシニングセンタが、前記ツールマガジンの直線移動に連動して、前記1対の扉の各々を回動させる連動機構を備えた請求項1に記載のマシニングセンタ。
  3. 前記連動機構が、
    前記ツールマガジンが、前記マガジン移動装置によって前進させられて前記前進端に位置する前に、前記1対の扉の各々が、前記ツールマガジンの移動方向に平行になるまで開かれるように構成された請求項2に記載のマシニングセンタ。
  4. 前記連動機構が、
    前記1対の扉に対応して設けられ、それぞれが、(a)前記ツールマガジンに設けられ、そのツールマガジンの移動方向に直交する方向に延びるカム溝と、(b)前記1対の扉のうちの自身に対応するものに対して固定的に設けられ、前記カム溝に係合するカムフォロワとを有する1対のカム機構を含んで構成され、
    それら1対のカム機構の各々が、
    前記ツールマガジンが前記マガジン移動装置によって前進させられて前記1対の扉が前記ツールマガジンの移動方向に平行になるまで開かれた状態において、前記カムフォロワが前記カム溝の一端に位置するように構成された請求項2または請求項3に記載のマシニングセンタ。
  5. 当該マシニングセンタが、
    前記カム溝と前記ツールマガジンとの間に介在させられた弾性体を有し、その弾性体の弾性変形によって、前記ツールマガジンが、前記1対の扉が前記ツールマガジンの移動方向に平行になるまで開かれた状態となる位置から更なる前進が許容され、前記前進端まで移動するように構成された請求項4に記載のマシニングセンタ。
  6. 前記複数のツールホルダが、前記交差方向に長い長円に沿って配列されており、
    前記ツールマガジンが、それら複数のツールホルダを周回させるツールホルダ周回機構を有する請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のマシニングセンタ。
  7. 当該マシニングセンタが、
    ベースと、そのベース上に配置されて配列方向に配列された複数の作業機モジュールとを含んで構成される機械工作システムに、その複数の作業機モジュールのうちの1つとして搭載されるものである請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載のマシニングセンタ。
  8. 当該マシニングセンタが、
    前記ベース上に、前記複数の作業機モジュールのうちの隣り合うものと、前記配列方向において互いに近接して配列される請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載のマシニングセンタ。
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