JPWO2016017721A1 - 電飾用インクジェット記録材料、電飾用画像及びその形成方法、並びに電飾看板 - Google Patents

電飾用インクジェット記録材料、電飾用画像及びその形成方法、並びに電飾看板 Download PDF

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Abstract

樹脂基材と、少なくとも白色粒子を含み、樹脂基材の一方面に配置されたインク受容層と、少なくとも透明粒子を含み、樹脂基材の他方面に配置された保護層と、を有する電飾用インクジェット記録材料、電飾用画像及びその形成方法、並びに電飾看板が提供される。

Description

本開示は、電飾用インクジェット記録材料、電飾用画像及びその形成方法、並びに電飾看板に関する。
インク吐出口からインク組成物を液滴状にして吐出するインクジェット方式は、小型かつ安価であり、被記録媒体に非接触で画像形成が可能である等の理由から、近年では広く実用化されるに至っている。インクジェット方式の中でも、圧電素子の変形を利用しインクを吐出させるピエゾインクジェット方式、及び熱エネルギーによるインク組成物の沸騰現象を利用してインク組成物を液滴吐出する熱インクジェット方式は、高解像度、高速印字性に優れるという特徴を有している。
最近では、家庭用又はオフィス用の写真印刷や文書印刷に留まらず、電飾看板、ショーウィンドウ、駅通路もしくはビル等の壁に貼り付ける大判の広告を、インクジェットプリンタを用いて作製することが行われている。例えば、インクジェットプリンタを用いて作製された電飾看板用途のシートは、種々の場所に多く提供されている。
このような電飾用途のシートは、例えば昼間の太陽光が入射した場合には、画像中の顔料等の成分によって光が反射や拡散することで、画像を表示し、例えば夜間に看板等に備えられた光源(いわゆるバックライト)からの光が入射した場合には、シート中を透過する透過光を拡散し、光の透過の程度で画像を際立たせて表示させている。
上記に関連した技術として、特定量の酸化チタンが配合されたインク受容層を基板上に設けたインクジェット記録材料が開示されており、反射光及び透過光のいずれにおいても、濃度の高い印字画像を与えることが示されている(例えば、特開2004−167706号公報参照)。
また、湿式シリカ等の多孔質顔料、塩化マグネシウム、及び水性ポリウレタン樹脂を含有するインク受容層を有する電飾用記録材が開示されている(例えば、特開2002−11942号公報参照)。
さらに、インクジェット記録画像における高光沢度及び粒状性の緩和を目的として、透明支持体の一方の表面に架橋ポリマー微粒子等を含む透明受像層が設けられ、透明支持体の他方の表面に白色顔料等を含む白色の塗布層が設けられてなる記録用シートが開示されている(例えば、特開平10−207100号公報参照)。
上記のような電飾用途の表示材料は、太陽光又は照明光等の反射光、及びバックライト等の内装光源の透過光により画像を表示するものであることから、反射光及び透過光を問わず、鮮明な画像が発現され、しかも透過光により表示した場合には、バックライト等の光源自体の像(光源像又はランプイメージとも称される。)が映し出されないことが求められる。
しかしながら、例えば特開2004−167706号公報及び特開2002−11942号公報に開示されているような従来の技術では、画像を視認する側とは反対側に配設された内装光源(いわゆるバックライト)から光が入射し透過した光(透過光)によって視認される画像については、画像中に光源像(ランプイメージ)が映って鮮明な透過像が表示されない課題がある。
特に、電飾看板などの電飾用途の場合、画像の視認側と反対側(画像の裏面側)から照射する光源(発光ダイオード(LED)、蛍光管など)に由来して見える像、具体的には光の濃淡で現れる光源像が製品外観を損ない、製品品質を著しく低下させる一因となる。特開平10−207100号公報に記載の記録用シートによっても、画像の鮮明さを引き出し、かつ光源像を防ぐことができる技術の確立がなされるまでに至っていないのが現状である。
本発明の実施態様は、上記に鑑みなされたものであり、透過光が入射した場合に映る光源像が視認されにくく、反射光(太陽光、室内照明など)又は透過光(バックライトなど)のいずれによっても鮮明に発現される画像が得られる電飾用インクジェット記録材料、並びに光源像が視認されにくく鮮明な電飾用画像及びその形成方法、並びに光源像を視認しにくく鮮明な電飾画像が表示される電飾看板を提供することを目的とし、この目的を達成することを課題とする。
上記の課題を達成するための具体的手段は、以下の実施態様が含まれる。
<1> 樹脂基材と、少なくとも白色粒子を含み、樹脂基材の一方面に配置されたインク受容層と、少なくとも透明粒子を含み、樹脂基材の他方面(すなわち、樹脂基材のインク受容層が配置された側と反対側の面)に配置された保護層と、を有する電飾用インクジェット記録材料である。
<2> インク受容層として、樹脂基材に近い側から順に第一のインク受容層と第二のインク受容層とを有する<1>に記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<3> 第一のインク受容層及び第二のインク受容層のうち、少なくとも第一のインク受容層が白色粒子を含む<2>に記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<4> 第一のインク受容層及び第二のインク受容層のうち、少なくとも第二のインク受容層が透明粒子を含む<3>に記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<5> インク受容層が、更に透明粒子を含む<1>に記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<6> 第一のインク受容層が、更に透明粒子を含む<2>〜<4>のいずれか1つに記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<7> 保護層として、樹脂基材に近い側から順に第一の保護層と第二の保護層とを有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<8> 第一の保護層及び第二の保護層のうち、少なくとも第一の保護層は白色粒子を含み、少なくとも第二の保護層が透明粒子を含む<7>に記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<9> 白色粒子が、二酸化チタンを含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<10> 透明粒子が、架橋されたポリメチルメタクリレートの粒子を含む<1>〜<9>のいずれか1つに記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<11> 白色粒子の含有量が、1.0g/m以上10.0g/m以下である<1>〜<10>のいずれか1つに記載の電飾用インクジェット記録材料である。
<12> <1>〜<11>のいずれか1つに記載の電飾用インクジェット記録材料上に、放射線硬化性インク組成物をインクジェット法により画像様に吐出する吐出工程と、吐出された放射線硬化性インク組成物に放射線を照射し、放射線硬化性インク組成物を硬化させる硬化工程と、を含む電飾用画像の形成方法である。
<13> <12>に記載の電飾用画像の形成方法により形成された電飾用画像である。
<14> 光源と、<13>に記載の電飾用画像と、を備えた電飾看板である。
本発明の実施態様によれば、透過光が入射した場合に映る光源像が視認されにくく、反射光(太陽光、室内照明など)又は透過光(バックライトなど)のいずれによっても鮮明に発現される画像が得られる電飾用インクジェット記録材料が提供される。また、
本発明の実施態様によれば、光源像が視認されにくく鮮明な電飾用画像及びその形成方法が提供される。更に、
本発明の実施態様によれば、光源像を視認しにくく鮮明な電飾画像が表示される電飾看板が提供される。
本発明の一実施態様の、3層構造を有する電飾用インクジェット記録材料の断面図である。 本発明の別の一実施態様の、インク受容層を2層含む、4層構造を有する電飾用インクジェット記録材料の断面図である。 本発明の更に別の一実施態様の、保護層を2層含む、4層構造を有する電飾用インクジェット記録材料の断面図である。 本発明の更に別の一実施態様の、インク受容層及び保護層をそれぞれ2層含む5層構造を有する電飾用インクジェット記録材料の断面図である。
以下、本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料について詳細に説明し、さらに本発明の実施態様の電飾用画像及びその形成方法、並びに電飾看板についても詳述することとする。
なお、本明細書において、数値範囲を「〜」の表記を用いて示すことがあるが、「〜」を用いて示される数値範囲は、「〜」の前後に記載されている数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を表す。
<電飾用インクジェット記録材料>
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料は、樹脂基材と、少なくとも白色粒子を含み、樹脂基材の一方面に配置されたインク受容層と、少なくとも透明粒子を含み、樹脂基材の他方面(すなわち樹脂基材のインク受容層が配置された側と反対側の面)に配置された保護層と、を少なくとも有している。
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料は、インクジェット記録が可能な形態であれば特に限定されるものではなく、用いる樹脂基材の形状から、例えば電飾用インクジェット記録シートや電飾用インクジェット記録フィルムなどの形態が好ましい。
例えば昼間のように太陽光又は室内照明等からの外光が入射する場合には、入射した光が反射して表示される反射像を視認し、例えば夜間のように内部に配設された光源(蛍光灯やLED等のいわゆるバックライト)の内光が入射する場合には、入射した光が透過して表示される透過像を視認する電飾看板等の表示材料は、従来から様々な場所で利用されている。
しかしながら、このような電飾用途に適した表示材料では、例えば太陽光の外光が入射した場合は、画像中の顔料等の成分によって光が反射や拡散することで鮮明な像を表示することが求められ、逆に例えば看板等に内装されたバックライト等の内光が入射した場合は、表示材料中を透過する透過光を拡散して、光源像(ランプイメージ)が映らないように鮮明に画像を映し出すことが求められる。
以上を踏まえ、本発明の実施態様においては、樹脂基材の一方の側に白色粒子を含むインク受容層を設け、他方の側に透明粒子を含む保護層を設ける。これにより、白色粒子を含むインク受容層は、太陽光又は照明光等の外光が反射した際に画像を鮮明に発現させ、かつ内部光源からの内光の透過濃度を調整することで、画像の明るさを適切にする一方、内部光源の像を映りにくくする機能を担う。また、透明粒子を含む保護層は、外光に加えてバックライト等の内光を拡散し、同様に光源像を映り難くする機能を担う。結果、透過光が表示材料に入射した場合に映る光源像は視認されにくくなり、反射光又は透過光のいずれが入射した場合でも、画像を鮮明に映し出し得るものとなる。
−樹脂基材−
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料には、樹脂基材が設けられている。
樹脂基材は、高分子化合物を溶融製膜方法や溶液製膜方法によりフィルム状に成形したものを用いることができる。
樹脂基材の樹脂の例としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等)、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリシクロオレフィン等が挙げられる。
中でも、PET、PEN、トリアセチルセルロース、セルロース誘導体がより好ましく、PET又はPENが特に好ましい。
樹脂基材としては、二軸延伸した延伸フィルムを用いることが好ましい。二軸延伸した延伸フィルムは、長尺状に製膜した樹脂シートを長尺方向と幅方向との互いに直交する2方向に延伸して得ることができる。本発明の実施態様においては、弾性率及び透明性の観点から、二軸延伸されたPET又はPENが特に好ましい。
また、樹脂基材の一方面及び他方面の少なくとも一方には、コロナ放電処理や真空グロー放電処理、火炎処理等の表面処理が施されていることが好ましい。表面処理を施すことによって、樹脂基材の表面が親水化され、水性の各種塗布液の濡れ性を向上させることができる。さらに、カルボキシル基、ヒドロキシ基などの官能基を導入してもよい。これにより、樹脂基材と接触させて配設される層(例えばインク受容層、保護層)との間の密着性を効果的に向上させることができる。
樹脂基材の厚みとしては、特に制限はなく、取扱い性の観点からは、50μm〜350μmが好ましい。
また、樹脂基材の屈折率としては、材料により異なるが、1.40〜1.80の範囲にあることが好ましい。屈折率が上記の範囲内であることで、樹脂基材として優れた剛性を示すことに加え、透明性に優れたものとなる。
本発明の実施態様においては、樹脂基材の一方面に配置されたインク受容層の少なくとも一層に少なくとも白色粒子を含有し、かつ他方面に配置された保護層の少なくとも一層に少なくとも透明粒子を含有する。本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料には、例えば下記の態様が含まれる。
(1)一層又は二層以上よりなるインク受容層が白色粒子を含み、一層又は二層以上よりなる保護層が透明粒子を含む態様。
(2)インク受容層が白色粒子及び透明粒子を含み、保護層が透明粒子を含む態様。
(3)樹脂基材に近い側から順に第一のインク受容層と第二のインク受容層とを有し、第一のインク受容層が白色粒子を含み、第二のインク受容層が透明粒子を含み、保護層が透明粒子を含む態様。
(4)樹脂基材に近い側から順に第一のインク受容層と第二のインク受容層とを有し、第一のインク受容層及び第二のインク受容層が白色粒子を含み、保護層が透明粒子を含む態様。
(5)樹脂基材に近い側から順に第一の保護層と第二の保護層とを有し、第一の保護層が白色粒子を含み、第二の保護層が透明粒子を含み、インク受容層が白色粒子を含む態様。
(6)樹脂基材に近い側から順に第一のインク受容層と第二のインク受容層とを有し、かつ樹脂基材に近い側から順に第一の保護層と第二の保護層とを有しており、第一のインク受容層が白色粒子を含み、第二のインク受容層が透明粒子を含み、かつ第一の保護層が白色粒子を含み、第二の保護層が透明粒子を含む態様。
上記の態様において、インク受容層を有する側から観察した場合に、画像がより鮮明になり、光源像がより映り難くなる観点から、本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料は、(1)のように、インク受容層に白色粒子を含み、保護層に透明粒子を含む態様に形成されている。また、(2)のように、インク受容層は同様の理由から白色粒子及び透明粒子を含む態様がより好ましい。
更には、(3)〜(6)のように、インク受容層及び保護層の少なくとも一方が2層以上の積層構造に形成されており、樹脂基材に最も近いインク受容層及び保護層の少なくとも一方が白色粒子を含み、他のインク受容層及び保護層の少なくとも一層が透明粒子、又は透明粒子及び白色粒子を含む態様が好ましい。
インク受容層や保護層等に含有される白色粒子及び透明粒子の詳細については、後述するインク受容層の項において説明する。
電飾用インクジェット記録材料の全体に含まれる白色粒子及び透明粒子の好ましい量は下記の通りである。
白色粒子の電飾用インクジェット記録材料における総含有量は、反射光及び透過光の両方が画像の鮮明さに寄与する観点から、1.0g/m〜10.0g/mの範囲が好ましく、1.0g/m〜5.0g/mの範囲がより好ましい。電飾用インクジェット記録材料における白色粒子の総含有量が上記範囲内であると、画像の鮮明さをより引き立てることができる。
また、透明粒子の電飾用インクジェット記録材料における総含有量としては、記録材料内を透過する光の拡散性を高める点で、0.1g/m〜10.0g/mの範囲が好ましく、0.5g/m〜5.0g/mの範囲がより好ましい。電飾用インクジェット記録材料における透明粒子の総含有量が上記範囲内であると、光源像(ランプイメージ)が視認されにくく、鮮明な画像が得られやすい。
更に、白色粒子及び透明粒子の電飾用インクジェット記録材料における総含有量としては、画像の鮮明さをより高めかつ光源像を抑える観点から、合計量で1.0g/m〜10.0g/mの範囲が好ましく、2.0g/m〜8.0g/mの範囲がより好ましい。電飾用インクジェット記録材料における白色粒子及び透明粒子の総含有量が上記範囲内であることで、光源像(ランプイメージ)はより視認され難くなり、画像の鮮明度もより高くなる。
−インク受容層−
本発明の実施態様におけるインク受容層は、樹脂基材の一方面、つまり樹脂基材の一方の側に配置されている。インク受容層は、外部から付与されたインク滴が着弾し、着弾したインクを保持する機能を担う。
インク受容層は、一層のみを配設してもよく、二層以上を積層して配設してもよい。
インク受容層は、バインダー樹脂を用いて形成することができ、更に架橋剤を含めて架橋硬化された層に形成されてもよい。また、インク受容層は、白色粒子又は透明粒子、あるいは白色粒子及び透明粒子の両方を含んでいてもよく、更に、必要に応じて界面活性剤や滑り剤などの添加剤を用いて形成することができる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体、ポリオレフィン等を挙げることができる。また、バインダー樹脂は、環境への負荷が少ない点で、水溶性又は水分散性を有することが好ましい。
バインダー樹脂は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポリエステルは、主鎖にエステル結合を有するポリマーの総称であり、通常はジカルボン酸とポリオールとの反応で得られる。ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、スルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。また、ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
ポリエステル及びその原料については、例えば、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社、昭和63年発行)において記載されており、この記載も本発明の実施態様に適用することができる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリヒドロキシブチレート(PHB)系、ポリカプロラクトン(PCL)系、ポリカプロラクトンブチレンサクシネート系、ポリブチレンサクシネート(PBS)系、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)系、ポリブチレンサクシネートカーボネート系、ポリエチレンテレフタレートサクシネート系、ポリブチレンアジペートテレフタレート系、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレート系、ポリブチレンアジペートテレフタレート系、ポリエチレンサクシネート(PES)系、ポリグリコール酸(PGA)系、又はポリ乳酸(PLA)系のポリエステル、脂肪族ポリエステルのカーボネート共重合体、及び脂肪族ポリエステルとポリアミドとの共重合体などが挙げられる。
ポリエステルは、上市された市販品を用いてもよく、市販品としては、ファインテックス(登録商標)ES650、ES2200(DIC(株)製)、バイロナール(登録商標)MD1245、MD1400、MD1480(東洋紡(株)製)、ペスレジンA−110、A−124GP、A−520、A−640(高松油脂(株)製)、プラスコートZ561、Z730、Z687、Z592(互応化学工業(株)製)が挙げられる。
ポリウレタンは、主鎖にウレタン結合を有するポリマーの総称であり、通常はジイソシアネートとポリオールとの反応によって得られる。
ジイソシアネートとしては、例えば、TDI(トルエンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)等が挙げられる。また、ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール等が挙げられる。
また、イソシアネートとしては、ジイソシアネートとポリオールの反応によって得られたポリウレタンポリマーに鎖延長処理をして分子量を増大させたポリマーも使用することができる。
上記のジイソシアネート、ポリオール、及び鎖延長処理については、例えば「ポリウレタンハンドブック」(岩田敬治編、日刊工業新聞社、昭和62年発行)の記載を参照することができる。
ポリウレタンは、上市された市販品を用いてもよく、市販品としては、スーパーフレックス(登録商標)470、210、150HS、エラストロン(登録商標)H−3(第一工業製薬(株)製)、ハイドラン(登録商標)AP−20、AP−40F、WLS−210(DIC(株)製)、タケラック(登録商標)W−5100、W−6061、オレスター(登録商標)UD−350(三井化学(株)製)が挙げられる。
アクリル樹脂は、アクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーに代表される、炭素−炭素二重結合を有する重合性モノマーを重合させて得られる重合体である。アクリル樹脂は、アクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体のいずれであってもよく、これら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。共重合体は、例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。また、アクリル樹脂には、ポリエステル溶液又はポリエステル分散液中で炭素−炭素二重結合を有する重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれ、同様に、ポリウレタン溶液又はポリウレタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。また同様に、アクリル樹脂には、他のポリマー溶液又は分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
また、隣接層との接着性をより向上させるため、ヒドロキシ基やアミノ基を有してもよい。
炭素−炭素二重結合を有する重合性モノマーは、特に限定はないが、代表的な化合物として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー及びこれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド又は(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニルのような各種のビニルエステル;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー;燐含有ビニル系モノマー;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル;ブタジエンのような各種共役ジエンが挙げられる。
アクリル樹脂は、上市された市販品を用いてもよく、市販品としては、ジュリマー(登録商標)ET−410(東亜合成化学(株)製)やAS−563A(ダイセルファインケム(株)製)が挙げられる。
ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレン等のアルケンを重合してなるポリマーである。ポリオレフィンは、アルケンと他のモノマーとの共重合体でもよく、例えば、以下の共重合体を挙げることができる。
・エチレン又はプロピレンと、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーと、の共重合体
・エチレン又はプロピレンと、カルボン酸(無水物を含む)と、の共重合体
・エチレン又はプロピレンと、アクリルモノマー又はメタクリルモノマーと、カルボン酸(無水物を含む)と、の共重合体
上記の共重合体を形成するためのアクリルモノマー又はメタクリルモノマーの具体例としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が好適に挙げられる。
また、上記の共重合体を形成するためのカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物等が好適に挙げられる。
これらは、一種単独で用いてもよいし、複数の種類を混合して用いてもよい。
ポリオレフィンは、水系のポリマー分散物(いわゆるラテックス)の形態で用いられてもよい。ラテックスとして上市されている市販品の具体例としては、ボンダインHX−8210、HX−8290、TL−8030、LX−4110(以上、住友化学工業(株)製)、アローベース(登録商標)SA−1200、SB−1010、SE−1013N、SE−1200(以上、ユニチカ(株)製)、Nipolシリーズ(日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
バインダー樹脂のインク受容層中における含有量は、層の全固形分に対して、25質量%〜90質量%であることが好ましく、30質量%〜80質量%であることがより好ましい。バインダー樹脂を2種以上含む場合は、バインダー樹脂の合計量が上記範囲内であればよい。
(架橋剤)
本発明の実施態様におけるインク受容層は、架橋剤の少なくとも一種を含有することができる。
架橋剤としては、オキサゾリン系化合物及びカルボジイミド系化合物が好適に挙げられる。
[オキサゾリン系化合物]
オキサゾリン系化合物は、下記式(1)で表されるオキサゾリン基を有する化合物である。

オキサゾリン系化合物としては、オキサゾリン基を有する重合体、例えば、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体を、必要に応じてその他の重合性不飽和単量体と公知の方法(例えば溶液重合、乳化重合等)によって共重合させることにより得られる重合体を挙げることができる。
オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等をモノマー単位として含むものが挙げられる。
なお、これら単量体は、2種以上を併用してもよい。
また、オキサゾリン系化合物は、上市された市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、エポクロス(登録商標)K−2020E、同K−2010E、同K−2020E、同K−2030E、同WS−300、同WS−500、同WS−700等(以上、日本触媒(株)製)等が挙げられる。
[カルボジイミド系化合物]
カルボジイミド系化合物は、−N=C=N−で表される官能基を有する化合物である。ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。この合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は、特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能である。但し、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。合成の原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が用いられる。
有機イソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が挙げられる。
また、有機ジイソシアネートの例としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、及びこれらの混合物が挙げられ、具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
カルボジイミド系化合物は、上市された市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、カルボジライト(登録商標)V−02−L2(日清紡(株)製)等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、バインダー樹脂に対して、3質量%以上40質量%以下の範囲が好ましく、より好ましくは3質量%以上35質量%以下の範囲である。架橋剤の含有量が上記範囲内であると、樹脂基材とインク受容層との接着力がより向上する。架橋剤の含有量がバインダー樹脂に対して3質量%以上であると、付与されたインクのインク受容層への染み込みが良好になり、画像形成直後のインク接着性を高めやすい。また、架橋剤の含有量がバインダー樹脂に対して40質量%以下であると、インク受容層における架橋反応が抑えられて層の硬度が高くなり過ぎないため、サーモ処理後のインク接着性を高めやすい。
(白色粒子)
本発明の実施態様におけるインク受容層は、白色粒子を含有することができる。白色粒子とは、100mlの溶媒に粒子5gを加えて分散させた分散液を小型白色度計(NW−11、日本電色工業(株)製)にて測定した白色度が60以上となるものをいう。
白色粒子としては、白色顔料などの無機粒子、白色有機粒子などが含まれる。
白色顔料としては、硫酸バリウム、酸化アンチモン、酸化セレン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等が挙げられる。
白色有機粒子としては、後述する透明粒子である有機粒子を白着色した粒子が挙げられる。
白色粒子としては、より鮮やかな電飾用画像が得られるという点から、二酸化チタンが特に好ましい。
白色粒子は、上市されている市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、タイペーク(登録商標)CR−93、CR−95、R780−2(いずれも石原産業(株)製)、TITANIX(登録商標) JR−603、TITANIX JR−805(いずれもテイカ(株)製)、TI−PURE(登録商標) R706(デュポン社製)等が挙げられる。
白色粒子の平均一次粒子径としては、画像の鮮やかさをより高める点で、0.1μm〜0.5μmの範囲が好ましく、0.1μm〜0.3μmの範囲がより好ましい。
平均一次粒子径は、層断面の粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求められる。具体的には、粒子の投影面積を求め、投影面積から円相当径を求めて、平均粒子径(平均一次粒子径)とする。平均一次粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めることで算出される値である。
白色粒子は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
白色粒子がインク受容層に含有される場合は、単一のインク受容層中の白色粒子の含有量は、層の全固形分に対して、15質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。インク受容層中の白色粒子の含有量が上記範囲内であると、画像のインク受容層への密着性とインク受容層と樹脂基材との密着性を両立したまま、画像の鮮明さを引き立てることができる。
(透明粒子)
本発明の実施態様におけるインク受容層は、透明粒子を含有することができる。透明粒子とは、100mlの溶媒に粒子5gを加えて分散させた分散液を小型白色度計(NW−11、日本電色工業(株)製)にて測定した白色度が60未満となるものをいう。
透明粒子としては、例えば、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO(アンチモンをドープした酸化スズ))、リンドープ酸化スズ、スズドープ酸化インジウム、シリカ、コロイダルシリカ等の無機粒子、並びに、ポリスチレン、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMA)、架橋されたポリメチルメタクリレート(以下、架橋PMMA)、スチレン/アクリル共重合体、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリマー粒子などが挙げられ、中空粒子も好適に用いることができる。
中でも、好ましい透明粒子は、メラミン樹脂、ポリスチレン、及びスチレン/アクリル共重合体、PMMA、架橋PMMA、シリコーン樹脂からなる群より選ばれるポリマーの粒子であり、最も好ましい透明粒子は、架橋PMMAである。
透明粒子は、上市されている市販品を用いてもよく、市販品としては、無機粒子として例えば、スノーテックス(登録商標)MP−2040(日産化学(株)製)、FS−10D(石原産業(株)製)等、ポリマー粒子として例えば、MR−2G、MX−150、MX−180、MX−80H3WT(以上、綜研化学(株)製の架橋PMMA粒子)、Nipol UFN1008などのNipolシリーズ(日本ゼオン(株)製)等が挙げられる。
透明粒子の平均一次粒子径としては、層中における光拡散性を高める点で、0.1μm〜1.5μmの範囲が好ましく、0.3μm〜1.0μmの範囲がより好ましい。
なお、透明粒子の平均一次粒子径の測定は、上記の白色粒子の平均一次粒子径の測定と同様の方法により行える。
透明粒子は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
透明粒子がインク受容層に含有される場合は、単一のインク受容層中の透明粒子の含有量は、層の全固形分に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。インク受容層中の透明粒子の含有量が上記範囲内であると、インク受容層の画像密着性とインク受容層と樹脂基材との密着性を両立したまま、光源像が映らないように鮮明に画像を映し出すのに好適である。
また、インク受容層が、樹脂基材側から順に配置された第一のインク受容層及び第二のインク受容層を含む2層以上の積層構造に形成される場合、白色粒子と透明粒子とは、第一のインク受容層及び第二のインク受容層においていずれの態様で含有されてもよい。中でも、画像の鮮明さを引き立てかつ光源像がより映り難くなる観点から、第一のインク受容層が白色粒子を含み、第二のインク受容層が透明粒子を含む態様が好ましい。
(その他添加剤)
本発明の実施態様におけるインク受容層は、バインダー樹脂、架橋剤、白色粒子、及び透明粒子のほか、必要に応じて、界面活性剤、分散剤、触媒、滑り剤、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤、粒子、蒸留水等の他の添加剤を含んでもよい。
界面活性剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系、フッ素系、シリコーン系の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤については、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井怡知一郎、笠井正蔵編、産業図書株式会社、1960年発行)に記載されている。界面活性剤としては、特に、アニオン系界面活性剤、又はノニオン系界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤は、上市されている市販品を用いてもよい。
市販のアニオン系界面活性剤としては、例えば、ラピゾール(登録商標)A−90、A−80、BW−30、B−90、C−70(以上、日油(株)製)、NIKKOL(登録商標)OTP−100(以上、日光ケミカル(株)製)、コハクール(登録商標)ON、L−40、フォスファノール(登録商標)702(以上、東邦化学工業(株)製)、ビューライト(登録商標)A−5000、SSS(以上、三洋化成工業(株)製)等を挙げることができる。
市販のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ナロアクティー(登録商標)CL−95、HN−100(商品名:三洋化成工業(株)製)、リソレックスBW400(商品名:高級アルコール工業(株)製)、EMALEX(登録商標)ET−2020(以上、日本エマルジョン(株)製)、ユニルーブ(登録商標)50MB−26、ノニオン(登録商標)IS−4(以上、日油(株)製)等を挙げることができる。
市販のフッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファック(登録商標)F171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロン(登録商標)S−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
市販のカチオン系界面活性剤としては、例えば、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
市販のシリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP341、KF6001、KF6002(以上、信越シリコーン(株)製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
滑り剤としては、脂肪族ワックス等が好適に用いられる。
脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス;を挙げることができる。中でも、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。
これらは、環境負荷の低減が可能であること及び取扱い易さの点で、水分散体として用いることも好ましい。市販品としては、例えばセロゾール(登録商標)524(中京油脂(株)製)などが挙げられる。滑り剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
防腐剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。
インク受容層の厚みとしては、例えば、0.1μm〜10.0μmが好ましく、0.1μm〜6.0μmがより好ましい。
−保護層−
本発明の実施態様における保護層は、樹脂基材の他方面、つまり樹脂基材のインク受容層を有する側と反対側に配置されている。保護層は、一層のみが配設されてもよく、目的や場合に応じて、二層以上が積層されて配設されてもよい。
保護層は、少なくとも既述の白色粒子及び透明粒子の少なくとも一方を含み、好ましくは、さらにアルコキシシラン化合物及び界面活性剤を含有する。また、保護層は、必要に応じて、更に帯電防止剤、ワックス、硬化性成分等の他の成分を含有することができる。
(アルコキシシラン縮合化合物)
本発明の実施態様における保護層は、アルコキシシラン化合物を加水分解及び縮合した縮合化合物の少なくとも一種を含有することができる。
本発明の実施態様においては、保護層は、アルコキシシラン化合物として、4官能のアルコキシシランと、3官能のアルコキシシラン及び2官能のアルコキシシランの少なくとも一方と、を用いて形成されていることが好ましい。
本発明の実施態様では、3官能又は2官能のアルコキシシランは、3官能又は2官能のアルコキシシランのいずれか一方のみが含有されていてもよいし、3官能のアルコキシシランと2官能のアルコキシシランとの双方が混合されて含有されてもよい。中でも、3官能のアルコキシシランが含有されていることが好ましい。
4官能のアルコキシシラン及び3官能もしくは2官能のアルコキシシランは、酸性水溶液中で加水分解されることで、シラノールが生成され、シラノール同士が縮合した化合物(例えばオリゴマー)として含有されていることが好ましい。
3官能アルコキシシランと2官能アルコキシシランは、混合して用いられてもよい。
−3官能又は2官能のアルコキシシラン−
3官能又は2官能のアルコキシシランとしては、下記一般式(1)で表される3官能又は2官能のアルコキシシランが好ましい。
n+1Si(OR3−n ・・・一般式(1)
式中、Rは、アミノ基を含まない炭素数1〜15の有機基(有機基は無置換でも置換基を有してもよい。有機基は、例えば、炭素数1〜15のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル)、炭素数2〜15のアルケニル基(例えばビニル)、炭素数1〜15のアルコキシ基(例えばメタクリロキシ、グリシドキシ)炭素数6〜15のアリール基(例えばフェニル)等が挙げられる。)を表し、Rは、炭素数4以下のアルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基等)を表す。また、n=0又は1である。
一般式(1)で表されるアルコキシシランは、アミノ基を官能基として含まない。つまり、一般式(1)におけるRがアミノ基を有している場合、後述する4官能のアルコキシシランと混合した場合、加水分解時にシラノール同士で脱水縮合が促進されやすい。そのため、Rがアミノ基を含まないことで、保護層用塗布液をより安定的に維持することができる。
Rは、炭素数1〜15の分子鎖をもつ有機基であればよい。炭素数が15以下であることで、保護層の柔軟性が過度に大きくならず、硬度を保つことができる。Rとしては、炭素数3〜15の範囲が好ましく、5〜13の範囲がさらに好ましい。Rの炭素数が上記範囲内であることで、脆性がより改善された層が得られる。
Rで表される有機基は、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を有することが好ましい。有機基がヘテロ原子を有することで、樹脂基材と保護層との密着性がより向上する。有機基は、特にエポキシ基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基などを有していることが好ましい。中でも、エポキシ基を有する3官能又は2官能のアルコキシシランは、酸性水中でのシラノールの安定性を高める効果がある点で好ましい。また、エポキシ基を有する3官能又は2官能のアルコキシシランは、適度な柔軟性を付与しつつ硬度を与えることができる。
一般式(1)中のRとしては、メチル基又はエチル基が好ましい。Rが炭素数4以下のアルキル基であることで、3官能又は2官能のアルコキシシランの親水性が高められ、水溶液中での加水分解を促進させることができる。
一般式(1)において、nが0である場合、一般式(1)で表される化合物は3官能アルコキシシランを表し、nが1である場合、一般式(1)で表される化合物は2官能アルコキシシランを表す。
一般式(1)で表される3官能又は2官能のアルコキシシランのうち好ましい化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、クロロプロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、クロロプロピルメチルジエトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリエトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタン、3−トリエトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
中でも、n=0のトリアルコキシシランがより好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシエトキシ)エトキシ]エチルウレタン、3−トリメトキシシリルプロピル−2−[2−(メトキシプロポキシ)プロポキシ]プロピルウレタン等が挙げられる。
上市されている市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、KBE−403(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
−4官能のアルコキシシラン−
4官能のアルコキシシランを、上記の3官能又は2官能のアルコキシシランとともに用いることにより、アルコキシシランの加水分解で生じるシラノール同士の脱水縮合によって架橋密度が高くなる。架橋密度が高くなることで、保護層の硬度が高められる。
4官能のアルコキシシランは、特に限定はないが、炭素数1〜4のものが好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが特に好ましい。炭素数が4以下であることで、酸性水と混ぜたときの4官能のアルコキシシランの加水分解速度を良好に保持することができ、均一性の水溶液をより短時間に調製することができる。これにより、製造効率が向上する。
4官能のアルコキシシランとしては、上市されている市販品を用いてもよく、市販品としては、例えば、KBE−04(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物として、4官能のアルコキシシランと、3官能のアルコキシシラン及び2官能のアルコキシシランの少なくとも一方と、を含有する場合、4官能のアルコキシシランと、3官能のアルコキシシラン及び2官能のアルコキシシランと、を25:75〜85:15の比率(モル比;=4官能:3官能+2官能)の範囲で含有することが好ましい。更には、このモル比は、30:70〜80:20の範囲がより好ましく、30:70〜65:35の範囲がさらに好ましく、45:55〜65:35の範囲がさらに好ましい。
4官能のアルコキシシランと3官能のアルコキシシラン及び2官能のアルコキシシランとのモル比が上記範囲内であることで、ヘイズを上げずに、光源像が映し出される程度を低減することができる。
(白色粒子、透明粒子)
本発明の実施態様における保護層は、少なくとも透明粒子を含有し、好ましくは透明粒子及び白色粒子を含有する。白色粒子及び透明粒子の詳細については、既述のとおりである。
白色粒子及び透明粒子は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
白色粒子が保護層に含有される場合、単一の保護層中の白色粒子の含有量は、層の全固形分に対して、15質量%〜90質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。保護層中の白色粒子の含有量が上記範囲内であると、保護層と樹脂基材又は隣接層との密着性を損なわずに、画像の鮮明さを引き立てることができる。
透明粒子が保護層に含有される場合、単一の保護層中の透明粒子の含有量は、層の全固形分に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。保護層中の透明粒子の含有量が上記範囲内であると、保護層と樹脂基材又は隣接層との密着性を損なわずに、光源像が映らないように鮮明に画像を映し出すのに好適である。
また、本発明の実施態様における保護層が、樹脂基材側から順に配置された第一の保護層及び第二の保護層を含む2層以上の積層構造に形成される場合、白色粒子と透明粒子とは、第一の保護層及び第二の保護層においていずれの態様で含有されてもよい。中でも、画像の鮮明さを引き立てかつ光源像がより映り難くなる観点から、第一の保護層が白色粒子を含み、第二の保護層が透明粒子を含む態様が好ましい。
(界面活性剤)
本発明の実施態様における保護層は、界面活性剤の少なくとも一種を含有することができる。
界面活性剤としては、公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の詳細については、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井怡知一郎、笠井正蔵編、産業図書株式会社、1960年発行)の記載を参照することができる。
このうち、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤が好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、ステアリン酸カリウム、ベヘニン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ポリオキシエチレン(以下、POEと略記する)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のアルキルエーテルカルボン酸塩、N−ステアロイル−L−グルタミン酸モノナトリウム塩等のN−アシル−L−グルタミン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のアルキルエーテルリン酸塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウリロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼン、スルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩が挙げられる。
市販のアニオン系界面活性剤を用いてもよく、市販品の例として、ラピゾール(登録商標)A−90、A−80、BW−30、B−90、C−70(商品名;日油(株)製)、NIKKOL(登録商標)OTP−100(商品名;日光ケミカル(株)製)、コハクール(登録商標)ON、コラクール(登録商標)L−40、フォスファノール(登録商標)702(商品名;東邦化学工業(株)製)、ビューライト(登録商標)A−5000、SSS、サンデッド(登録商標)BL(商品名;三洋化成工業(株)製)等を挙げることができる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N、Nジメチル−3、5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムが挙げられる。上記のような界面活性剤を使用することで、塗膜の乾燥過程での粒子の凝集を抑制し、均一な表面凹凸を形成できる。
市販のカチオン系界面活性剤を用いてもよく、市販品の例として、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
また、ノニオン系界面活性剤としては、上市されている市販品として、例えば、ナロアクティー(登録商標)CL−95、HN−100(商品名;三洋化成工業(株)製)、リソレックスBW400(高級アルコール工業(株)製)、EMALEX(登録商標)ET−2020(日本エマルジョン(株)製)、ユニルーブ(登録商標)50MB−26、ノニオン(登録商標)IS−4(日油(株)製)等を挙げることができる。
保護層が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の保護層中における含有量は、塗布液中の溶媒の質量に対して、0.01質量%〜1質量%の範囲とするのが好ましい。
(その他成分)
本発明の実施態様における保護層は、上記成分に加え、必要に応じて、さらにワックス、硬化剤、硬化性成分、帯電防止剤などの他の成分を含有してもよい。
ワックスを含有することで、電飾用インクジェット記録材料の表面特性、特に摩擦係数を制御することができる。ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、ポリエステル系ワックス、カルナバワックス、脂肪酸、脂肪酸アマイド、金属石鹸等が挙げられる。
また、硬化剤を含有することで、保護層におけるシラノールの脱水縮合を促してシロキサン結合の形成を促進させることができる。硬化剤は、水溶性であることが好ましい。水溶性の硬化剤としては、水溶性の無機酸、有機酸、有機酸塩、無機酸塩、金属アルコキシド、又は金属錯体が挙げられる。
無機酸としては、例えば、ホウ酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸が好適に挙げられ、有機酸としては、例えば、酢酸、蟻酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸が好適に挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸アルミ、シュウ酸アルミ、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、酢酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニウムが好適に挙げられ、無機酸塩としては、例えば、塩化アルミ、硫酸アルミ、硝酸アルミ、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムが好適に挙げられる。
また、金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドが好適に挙げられる。金属錯体としては、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウムエチルアセトアセテート、チタンアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテートが好適に挙げられる。
中でも、硬化剤としては、水溶性、水中での安定性の点で、ホウ素を含む化合物、リンを含む化合物、アルミニウムを含む化合物(例えば、ホウ酸、リン酸、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等)が好ましい。
市販品として、例えば、アルミキレートA(W)(川崎ファインケミカル(株)製)等が挙げられる。
硬化剤は、塗布液中に均一に混合、溶解することが好ましく、樹脂基材の透明性を確保する点で、保護層用塗布液の溶剤として用いる水に溶解することが好ましい。水への溶解性が低い場合には、塗布液中に固体として存在し、塗布乾燥後も異物として残留し、結果として透明度を損なうことがあるからである。
硬化剤を含有する場合、硬化剤の量としては、アルコキシシラン100質量部(4官能のアルコキシシランと3官能のアルコキシシラン及び2官能のアルコキシシランとを含む)に対して、0.1質量部〜20質量部の範囲が好ましく、0.5質量部〜10質量部の範囲がより好ましく、0.5質量部〜8質量部の範囲がさらに好ましい。
また、硬化性成分としては、例えば、KAYARAD(登録商標) DPCA20(日本化薬(株)製)等のアクリル系モノマー類や種々の多官能モノマーを用いてもよい。硬化性成分の硬化は、熱硬化や紫外線等の放射線による放射線硬化が適しており、イルガキュア184(BASF社製)等の市販の重合開始剤を添加してもよい。
帯電防止剤を含有することで、電飾用インクジェット記録材料に帯電防止機能を付与することができる。帯電防止剤としては、カチオン、アニオン、ベタイン等のイオン性の帯電防止剤を用いてもよく、また導電性の酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、又は酸化アンチモン等の金属酸化物の粒子を用いてもよい。
帯電防止剤の含有量は、保護層の表面抵抗が下記範囲となる量とすることができる。
保護層の表面抵抗(23℃、相対湿度65%)は、1.0×1012Ω/sq以下であるのが好ましい。表面抵抗が上記範囲内であることで、異物の付着、及び画像記録時に接触するロールによる帯電によって引き起こされるインクの飛散を防ぐことができる。保護層の表面抵抗(23℃、相対湿度65%)は、1.0×1012Ω/sq以下が好ましく、1.0×10Ω/sq〜1.0×1012Ω/sq以下がより好ましい。
−中間層−
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料は、樹脂基材とインク受容層との間にさらに中間層を有してもよい。中間層は、樹脂基材とインク受容層との接着を高める機能を担う。中間層は、500MPa以下の弾性率を有していることが好ましく、弾性率は10MPa以上500MPa以下がより好ましい。
中間層は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン等の樹脂を用いて形成することができる。また、中間層は、架橋剤を含んで樹脂を硬化させることで、インク受容層と樹脂基材との接着力をより高めることができる。架橋剤は、中間層を形成する際に架橋反応を起こすものであればよく、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物が好ましい。
−その他の層−
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料は、インク受容層および保護層の他に、本発明の実施態様の作用効果に影響を及ぼさない限り、その他の層を有していてもよい。他の層として、例えば、帯電防止層、屈折率調整層などを有してもよい。例えば、インク受容層、樹脂基材、帯電防止層、保護層をこの順に有する電飾用インクジェット記録材料が挙げられる。
〜インクジェット記録材料の製造方法〜
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料は、製造方法に特に制限はなく、樹脂基材の一方面に、インク受容層用塗布液を塗布し、乾燥させることで、インク受容層を形成し、さらに他方面に、保護層用塗布液を塗布し、乾燥させることで、保護層を形成する方法によって作製することができる。
この場合、インク受容層を2層以上の積層構造に形成したり、保護層を2層以上の積層構造に形成する場合は、2種以上のインク受容層用塗布液又は保護層用塗布液をそれぞれ逐次塗布あるいは同時重層塗布し乾燥させることで、積層構造に形成することができる。また、樹脂基材とインク受容層との間に中間層をさらに形成する場合は、樹脂基材の一方面に、中間層用塗布液とインク受容層用塗布液とを、順次積層されるように、逐次塗布あるいは同時重層塗布し、乾燥させることで、中間層及びインク受容層を形成することができる。また、必要に応じて、更に他の工程が設けられてもよい。
塗布は、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等を用いた公知の塗布法により行うことができる。また、複数の塗布液を、乾燥工程を設けずに同時に塗布する同時重層塗布による場合は、例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター等を用いた塗布法により行える。
インク受容層の形成に用いられる塗布液の塗布量としては、3g/m〜30g/mが好ましく、5g/m〜20g/mがより好ましい。ここで、中間層を形成する場合は、中間層の形成に用いられる塗布液の塗布量は、3g/m〜30g/mが好ましく、5g/m〜20g/mがより好ましい。
また、保護層の形成に用いられる塗布液の塗布量としては、3g/m〜30g/mが好ましく、5g/m〜20g/mがより好ましい。
<電飾用画像及びその形成方法>
本発明の実施態様の電飾用画像は、既述の本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料を用いて形成されたインク画像であり、本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料が用いられるので、特に透過光が入射した場合の光源像を視認し難く、鮮明性に優れている。
本発明の実施態様の電飾用画像は、既述の本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料を用いた方法であれば、いずれの方法で形成されたものでもよく、特に本発明の実施態様の電飾用画像の形成方法により形成された画像であることが好ましい。すなわち、
既述の本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料上に、放射線硬化性インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)をインクジェット法により画像様に吐出する吐出工程と、吐出された放射線硬化性インク組成物に放射線を照射し、放射線硬化性インク組成物を硬化させる硬化工程と、を含む電飾用画像の形成方法によって、最も好適に電飾用画像を形成することができる。
本発明の実施態様の電飾用画像の形成方法は、本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料を用いるので、透過光が入射した場合に映る光源像が視認されにくく、反射光又は透過光のいずれによっても鮮明に発現される電飾用画像が得られる。
本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料を用いた電飾用画像の形成は、インクジェット記録装置を備えたワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムを用いて行うことが好ましい。中でも、紫外線(UV)の照射により硬化された画像が得られるワイドフォーマットUVインクジェットプリンターシステムが好ましい。
ここにいうワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムは、インクジェット記録装置からインク組成物を吐出し、さらに放射線を照射することで、吐出されたインク組成物を硬化するシステムを指し、短時間で大型の記録物を作製するのに適している。具体的には、ワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムとは、24インチ(0.61m)幅以上の画像の記録が可能なプリンターのことをいう。
ワイドフォーマットUVインクジェットプリンターシステムの例としては、LuxelJet(登録商標) UV360GTW/XTW、LuxelJet UV550GTW/XTWシリーズ、Acuity(登録商標) LED 1600(いずれも富士フイルム(登録商標)株式会社製)、inca SP320/SP320e/SP320S/SP320W(Inca Digital PrintersLimited社製)などが挙げられる。
−吐出工程−
本発明の実施態様における吐出工程では、電飾用インクジェット記録材料上に、放射線硬化性インク組成物をインクジェット法により画像様に吐出する。具体的には、インクジェット法を利用したインクジェット記録装置を用い、放射線硬化性インク組成物を吐出することができる。
インクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサ、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物を吐出するピエゾ型のインクジェットヘッド、インク組成物を貯留する貯留タンク、貯留タンクからインク組成物をインクジェットヘッドに供給する供給配管、インクジェットヘッド直前に配されたインク供給タンク、フィルタが設けられる。
ピエゾ型のインクジェットヘッドとしては、好ましくは1pl(ピコリットル;以下同じ)〜100pl(より好ましくは8pl〜30pl)のマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4000×4000dpi(dots per inch)(より好ましくは400×400〜1600×1600dpi、さらに好ましくは720×720dpi)の解像度で吐出できるよう駆動される。なお、dpiとは、長さ1インチ(2.54cm)当たりのドット数を表す。
放射線硬化性インク組成物は、特に制限はなく、吐出後に硬化させ得る公知のものを適宜選択すればよく、特に、重合性モノマー成分が溶剤機能を兼ねた無溶剤系の放射線硬化性インク組成物が好ましい。
放射線とは、照射によりインク組成物中の硬化反応を促す活性種を発生させるエネルギーを付与し得るものであり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などが含まれる。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。
かかる観点より、本発明の実施態様における放射線硬化性インク組成物は、紫外線硬化性を有するインク組成物が好ましい。
放射線硬化性インク組成物としては、例えば、特開2010−47015号公報の段落番号[0042]〜[0052]及び非導電性インクに係る特開平5−214280号公報等の記載を参照することができる。また、無溶剤型放射線硬化型インク組成物としては、例えば、紫外線硬化型インクに係る特開2004−131725公報、エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物に係る特開2009−299057公報などの記載を参照することができる。
放射線硬化性を有するインク組成物は、吐出されたインク滴が一定温度に保たれることが望ましいため、インクジェット記録装置には、インク組成物の温度安定化手段を備えていることが好ましい。温度を安定化する部位は、インク組成物を貯留する貯留タンク(中間タンク等を有すある場合は中間タンク等も含む)からインクジェットヘッドの吐出孔までの配管系などである。すなわち、貯留タンクからインクジェットヘッドまでは、断熱及び加温を行うことができることが好ましい。
温度制御する方法としては、特に制限はないが、例えば、温度センサを貯留タンク、インクジェットヘッド、各配管等に設け、インク組成物の流量や環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。
インク組成物の吐出は、25℃〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して行うことが好ましい。この場合、インク組成物の粘度を、3mPa・s〜15mPa・sの範囲に調整することができる。インク組成物の吐出は、インク組成物の粘度を3mPa・s〜13mPa・sに下げた後に行うのが好ましい。吐出をより良好に行う観点からは、25℃での粘度が50mPa・s以下であるインク組成物を用いるのが好適である。ここで、粘度は一般的な粘度計を用いて測定可能であり、例えば振動式粘度計(BROOKFIELD社製、DV−II+VISCOMETER)及びコーンプレート(φ35mm)を用い、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定された値である。
以上のように、粘度を調整することで、優れた吐出安定性が得られる。
放射線硬化性インク組成物は、一般にインクジェット記録用インクとして用いられる水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が影響しやすく、粘度変動は液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に大きく影響し、ひいては画像品質を損なう場合がある。そのため、吐出時のインク組成物の温度を安定的に保つことが望ましい。本発明の実施態様においては、インク組成物の温度制御幅は、設定温度の±5℃が好ましく、より好ましくは設定温度の±2℃であり、さらに好ましくは設定温度の±1℃である。
−硬化工程−
本発明の実施態様における硬化工程では、吐出工程で電飾用インクジェット記録材料(例えばシート形態など)の上に吐出された放射線硬化性インク組成物に放射線を照射し、放射線硬化性インク組成物を硬化させる。これにより、硬化画像が得られる。
放射線硬化性インク組成物がラジカル重合開始剤を含む場合、放射線の照射によりラジカル重合開始剤が分解してラジカルを発生し、発生したラジカルによって重合性モノマー成分の重合反応が生起、促進される。このとき、インク組成物中にラジカル重合開始剤とともに増感剤が存在する場合、系中の増感剤が放射線を吸収して励起状態となり、ラジカル重合開始剤と接触することによってラジカル重合開始剤の分解を促進し、より高感度に硬化反応を進めることができる。
放射線のピーク波長については、インク組成物の含有成分の吸収特性にもよるが、例えば、200nm〜600nmが好ましく、300nm〜450nmがより好ましく、350nm〜420nmがさらに好ましい。
また、放射線の照度としては、10mW/cm〜4,000mW/cmが好ましく、より好ましくは20mW/cm〜2500mW/cmである。
放射線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガスレーザー、固体レーザー等を利用することができる。水銀フリー化による環境保護の観点からは、GaN系半導体レーザーが好適であり、小型、高寿命、高効率、低コストである観点から、発光ダイオード(LED;例えば紫外LED(UV−LED)等)、レーザーダイオード(LD;例えば紫外LD(UV−LD)等)が好ましい。
例えば、日亜化学(株)製の、365nmと420nmとの間に主放出スペクトルを有するLED、米国特許第6,084,250号明細書に記載の、300nmと370nmとの間に中心付けされた放射線を放出し得るLEDなどを使用することができる。
本発明の実施態様においては、放射線源としてUV−LEDが好ましく、特に好ましくは350nm〜420nmの範囲にピーク波長を有するUV−LEDである。
LEDを用いる場合、LEDによる記録材料表面における最高照度は、1mW/cm〜2,000mW/cmが好ましく、20mW/cm〜1,000mW/cmがより好ましく、50mW/cm〜800mW/cmが特に好ましい。
硬化工程では、放射線をインク組成物に0.01秒〜120秒照射することが好ましく、より好ましくは0.1秒〜90秒である。
放射線の照射条件及び照射方法は、特開昭60−132767号公報の記載を参照することができる。具体的には、例えばいわゆるシャトル方式の装置では、装置内のヘッドユニットの両側に光源を設け、ヘッドユニットと光源とを走査することにより行われる。
放射線の照射は、インク組成物がインクジェット記録材料に着弾した後、一定時間(好ましくは0.01秒〜0.5秒、より好ましくは0.01秒〜0.3秒、さらに好ましくは0.01秒〜0.15秒)が経過した後に行われる。インク組成物の着弾から放射線照射までの時間を、短時間に制御することで、インクジェット記録材料に着弾したインク組成物が硬化前に滲む現象を防ぐことができる。
放射線硬化性インク組成物としては、複数色のインク組成物をそなえたインクセットを用いてもよい。例えば、イエロー色のインク組成物と、シアン色のインク組成物と、マゼンタ色のインク組成物と、ブラック色のインク組成物と、を組み合わせた4色のインク組成物からなるインクセットを使用してもよい。このような4色のインク組成物をそなえたインクセットを用いることで、フルカラー画像が得ることができる。
また、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、及びホワイトの5色のインク組成物、並びにライトシアン及びライトマゼンタの2色のインク組成物をそなえたインクセットはより好ましい。
カラー画像を形成するには、各色のインク組成物を用い、明度が他の色相に比べて低い色相のインク組成物から順に吐出して各色画像を重ねていくことが好ましい。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4色のインク組成物をそなえたインクセットを使用する場合、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの順番にインクジェット記録材料に吐出することが好ましい。
さらに、ライトシアン及びライトマゼンタの2色のインク組成物と、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイト、及びイエローの5色のインク組成物と、を含む計7色のインク組成物をそなえたインクセットを使用する場合、ホワイト、ライトシアン、ライトマゼンタ、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの順番にインクジェット記録材料に吐出することが好ましい。
このように、明度の低いインク組成物から順に各色の画像を重ねていくことで、樹脂基材に近い位置のインク組成物にまで放射線が到達しやすくなる。これにより、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、及び画像の密着性の向上が期待される。
また、放射線照射は、所望とする全ての色のインク組成物を吐出した後に一括して行ってもよい。また、硬化促進の観点から、一色ごとに放射線を照射してもよい。
電飾用画像の厚みは、1μm〜800μmが好ましく、100μm〜800μmがより好ましく、500μm〜750μmがさらに好ましい。
電飾用画像の幅については、特に制限はないが、画像がワイドフォーマットインクジェットプリンターシステムで記録されたものであるのが好ましい観点から、0.3m〜5mが好ましく、0.5m〜4mがより好ましく、1m〜3mが特に好ましい。
なお、電飾用インクジェット記録材料の好ましい幅も、上記の電飾用画像の好ましい幅と同様である。
<電飾看板>
本発明の実施態様の電飾看板は、光源と、既述の本発明の実施態様の電飾用画像と、を備えている。本発明の実施態様の電飾看板は、本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料を用いて形成された電飾画像を有しているので、光源像を視認しにくく、しかも鮮明な電飾画像が表示される。
電飾看板において、電飾用画像が記録された電飾用インクジェット記録材料は、樹脂基材からみてインク受容層を有する側と反対側、つまり保護層を有する側が視認側となるように設置されていることが好ましい。すなわち、本発明の実施態様の電飾用インクジェット記録材料のインク受容層側に光源を配設し、電飾画像を保護層側から樹脂基材を通して視認する態様であることが好ましい。
なお、樹脂基材の保護層を有する側には、さらに、例えば、国際公開第2009/001629号に記載の耐傷性層や、特開平5−186534号公報に記載の帯電防止性能付きハードコート層、特開平1−46701号公報に記載の防眩層、特開2001−330708号公報に記載の反射防止層、特開2011−146659号公報に記載の耐候性層、等が設けられてもよい。また、樹脂基材の保護層を有する側には、耐傷性や防眩性等を有する各種フィルムをラミネートしてもよい。
電飾看板における電飾用画像は、透明性を有するアクリル樹脂などの間に配置されることが好ましい。
光源としては、特に制限はなく、例えば、電球、蛍光灯、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンスパネル(ELP)、1本又は複数本の冷陰極管(CCFL)、熱陰極蛍光灯(HCFL)等を用いることができる。
以下、本発明の実施態様を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
[支持体の作製]
Sb化合物を触媒として重縮合したポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)樹脂を含水率50ppm以下になるまで乾燥させた。その後、このPET樹脂を、ヒータ温度が280℃〜300℃に設定された押出機に供給して溶融混練した。溶融混練したPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出し、非結晶PETシートを得た。次に、得られた非結晶PETシートを、シートの走行方向(MD;Machine Direction)に3.1倍に延伸後、幅方向(TD;Transverse Direction)に3.8倍延伸し、厚さ180μmのPET支持体(樹脂基材)を得た。
[インクジェット記録材料の作製]
PET支持体に対し、730J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記のインク受容層用塗布液Aをバーコート法により、TiOの塗設量が3.5g/mになるように、コロナ処理面側に塗布し塗布膜を形成した。そして、この塗布膜を160℃で1分間乾燥させて、PET支持体の一方の側に乾燥膜厚3.5μmのインク受容層21を形成した。
続いて、PET支持体のインク受容層21を形成した側とは反対側に、310J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記の保護層用塗布液Bをバーコート法により、アクリル樹脂(PMMA)粒子の塗設量が0.2g/mになるように塗布した。そして、この塗布膜を160℃で1分乾燥させて、PET支持体の他方の側に乾燥膜厚1.0μmの保護層31を形成した。
以上のようにして、図1の断面図で示される3層構造を有する電飾用インクジェット記録材料、即ち、樹脂基材11であるPET支持体の一方面にインク受容層21を、他方面に保護層31を有するインクジェット記録材料(インク受容層21/樹脂基材11/保護層31の3層構成の電飾用インクジェット記録材料)を作製した。
−インク受容層用塗布液Aの作製−
(1)二酸化チタン分散液の調製
下記組成物中の成分を混合し、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理を行い、分散液を調製した。分散液の組成は、以下の通りである。
<組成>
・二酸化チタン(白色顔料、平均一次粒子径:0.3μm)・・・465.0部
(タイペーク(登録商標)CR−95、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール ・・・233.0部
(PVA−105、(株)クラレ製、固形分10質量%)
・界面活性剤 ・・・5.6部
(デモール(登録商標)EP、花王(株)製、固形分25質量%)
・防腐剤 ・・・3.1部
(大東化学(株)製、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、固形分3.5質量%メタノール溶媒)
・蒸留水 ・・・塗布液Aの全体が1000部になる量
(2)インク受容層用塗布液Aの調製
上記の二酸化チタン分散液を用いて、下記組成のインク受容層用塗布液Aを調製した。インク受容層用塗布液Aの組成は以下の通りである。
<インク受容層用塗布液Aの組成>
・二酸化チタン分散液 ・・・288.3部
・ポリオレフィン(バインダー樹脂) ・・・417.6部
(ユニチカ(株)製、アローベース(登録商標)SE−1013N、固形分20質量%)
・アクリル樹脂(バインダー樹脂) ・・・33.5部
(ダイセルファインケム(株)製、AS−563A、固形分28質量%)
・架橋剤(オキサゾリン系化合物) ・・・93.7部
(日本触媒(株)製、エポクロス(登録商標)WS−700、固形分25質量%)
・触媒 ・・・7.3部
(日本化学工業(株)製、食添用第2リン酸アンモンの35質量%溶液)
・界面活性剤 ・・・4.0部
(ナトリウム1,2−〔ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルカルボニル)〕エタンスルホナート2質量%溶液)
・蒸留水 ・・・塗布液Aの全体が1000部になる量
(3)保護層用塗布液Bの調製
次に、以下に示す組成の保護層用塗布液Bを調製した。具体的には、25℃の恒温槽内で酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。1時間攪拌した後、30℃の恒温槽にて引き続き、テトラエトキシシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加した。その後、2時間攪拌を続けた。さらに、1時間かけて10℃まで冷却し、水溶液(以下、水溶液Xという。)を得た。これとは別に、硬化剤、界面活性剤A,C、蒸留水、及びアクリル樹脂粒子を混合し、5分間超音波分散を行って、粒子分散液(以下、水溶液Yという。)を得た。そして、得られた水溶液Xに、水溶液Y、界面活性剤A,C、及び蒸留水を順次添加した後、10℃まで冷却した。このようにして、保護層用塗布液Bを調製した。
<保護層用塗布液Bの組成>
・酢酸水溶液 ・・・402.0部
(ダイセル化学工業(株)製、工業用酢酸の1質量%水溶液)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン ・・・110.0部
(信越化学工業(株)製、KBE−403)
・テトラエトキシシラン ・・・127.6部
(信越化学工業(株)製、KBE−04)
・硬化剤 ・・・1.3部
(川崎ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))
・界面活性剤C ・・・14.7部
(三洋化成工業(株)製、サンデッド(登録商標)BLの10%水溶液、アニオン性)
・界面活性剤A ・・・40.9部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液、ノニオン性)
・アクリル樹脂(PMMA)粒子(透明粒子) ・・・9.2部
(綜研化学(株)製、MX−150(架橋PMMA)、平均一次粒子径1.5μm)
・アクリル樹脂(PMMA)粒子(透明粒子) ・・・9.2部
(綜研化学(株)製、MX−80H3WT(高架橋PMMA)、平均一次粒子径0.8μm)
・蒸留水 ・・・塗布液Bの全体が1000部になる量
[評価]
−1.記録前における評価−
(a)拡散透過率
分光光度計UV−2450((株)島津製作所製)に積分球付属装置ISR−2200を取り付けた装置を用い、インクジェット記録材料の550nmの光に対する拡散透過率を測定した。但し、測定は、PET支持体のインク受容層を有する側と反対側から光が入射するような条件で行った。測定された拡散透過率をもとに、以下の評価基準にしたがって評価した。このうち、A〜Cを性能許容として評価した。
<評価基準>
A:拡散透過率が40%以上60%未満である。
B:拡散透過率が30%以上40%未満もしくは60%以上70%未満である。
C:拡散透過率が25%以上30%未満もしくは70%以上75%未満である。
D:拡散透過率が20%以上25%未満もしくは75%以上80%未満である。
E:拡散透過率が20%未満もしくは80%以上である。
−2.記録後における評価−
記録装置として、富士フイルム(登録商標)株式会社製の「ワイドフォーマットUVインクジェットプレス Luxel Jet(登録商標) UV550GTW」を使用し、インクジェット記録材料のインク受容層側に、以下に示すインクを用い、下記条件にて2回記録することによりカラー画像を形成した。このようにして、A2サイズの記録物(電飾用シート)を得た。乾燥後の画像の厚みは、500μm〜720μmであった。
・無溶剤型放射線硬化型インク・・・FUJIFILM Speciality Ink System Limited製、製品番号:UVIJET(登録商標、以下同様。) KO 021 White, UVIJET KO 004 Black, UVIJET KO 215 Cyan, UVIJET KO 867 Magenta, UVIJET KO052 Yellow
<条件>
・照射波長:365nm〜405nm
・記録スピード:22m/hr
(a)画像鮮明度
上記の電飾用シート(カラー画像を出力したシート状のインクジェット記録材料)を、評価台の上に置き、電飾用シートの上方に設置された天井灯から照射し、画像の鮮明度を以下の評価基準にしたがって目視で評価した。このうち、A〜Cを性能許容と判断した。
なお、天井灯は、インクジェット記録材料を通して天上灯を観た場合に、灯の輪郭が映らない拡散光源として用いた。
<評価基準>
A:画像の色がはっきり見える。
B:画像中の黒色部が僅かに白味がかって見える。
C:画像中の各色が僅かに白味がかって見える。
D:画像の黒部の白味が強く見える。
E:画像の全体が白くなりコントラストが下がる。
(b)光源像(ランプイメージ)
上記の電飾用シート(カラー画像を出力したシート状のインクジェット記録材料)を、アクリル乳半パネルを外したLED内照パネル(FE999、株式会社ベルク製)の上に置き、電飾用シートから2m離れた場所より目視で観察し、光源像(ランプイメージ)の視認の程度を以下の評価基準にしたがって評価した。このうち、A〜Cを性能許容として評価した。
<評価基準>
A:光源が認識されない。
B:光源がぼやけ、LEDの個数をカウントできない。
C:光源がぼやけるが、LEDの個数をカウントできる。
D:輪郭がぼやけているが、光源の中心部がはっきり見える。
E:光源の輪郭まではっきり見える。
(c)画像形成直後のインク接着性
画像を出力した直後の記録物に片刃カミソリにて縦横それぞれ5mmの間隔で11本の直線のキズを格子状に付けて、一つの正方形のサイズが縦横各々5mmである100個の正方形を形成した。次に、100個の正方形を形成した記録物の表面に粘着テープ(600、3M社製)を貼り付けた。そして、粘着テープの上を消しゴムで擦って完全に付着させた後、記録物の表面に対して90度の方向に剥離させ、インク受容層から剥れた正方形の数を求めた。求められた数をもとに、インクとの接着強度を以下の評価基準にしたがって評価した。このうち、A〜Bを性能許容として評価した。
<評価基準>
A:剥れの発生はない。
B:剥れた正方形の数が1以上5未満である。
C:剥れた正方形の数が5以上15未満である。
D:剥れた正方形の数が15以上30未満である。
E:剥れた正方形の数が30以上である。
(実施例2〜7)
実施例1のインク受容層用塗布液A及び保護層用塗布液Bについて、粒子及び粒子の含有量をそれぞれ下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製し、同様の評価を行った。
(実施例8)
実施例1において、インク受容層用塗布液A及び保護層用塗布液Bに用いた粒子及び粒子の含有量を下記表1に示すように変更し、かつ樹脂基材を、PET樹脂を下記表1に示す量の酸化チタンとともに溶融混練することで酸化チタンが練り込まれた白色ポリエチレンテレフタレート(白色PET)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製し、同様の評価を行った。
(実施例9)
実施例1のインク受容層用塗布液Aにおいて、粒子の種類及び粒子の含有量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例1で作製したPET支持体の一方の側にインク受容層21を形成した。次いで、PET支持体のインク受容層21が形成された側と反対側に、310J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記の保護層用塗布液Cをバーコート法により、粒子の塗設量が表1に示す量になるように塗布し塗布膜を形成した。そして、この塗布膜を160℃で1分間乾燥させて、PET支持体の他方の側に保護層1を形成した。
(保護層用塗布液Cの調製)
以下に示す組成中の成分を混合し、保護層用塗布液Cを調製した。
<保護層用塗布液Cの組成>
・自己架橋型ポリウレタン樹脂バインダー ・・・31.5部
(三井化学(株)製、タケラックWS−5100、固形分30質量%)
・二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物(透明粒子)・・・43.7部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20質量%)
・界面活性剤C ・・・2.1部
(三洋化成工業(株)製、サンデッド(登録商標)BLの10質量%水溶液、アニオン性)
・界面活性剤A ・・・21.0部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液、ノニオン性)
・蒸留水 ・・・塗布液Cの全体が1000部になる量
次に、上記で形成したインク受容層21の表面を、200J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、インク受容層用塗布液Dをバーコート法により、ポリスチレン(PS)粒子の塗設量が0.05g/mになるように塗布し、160℃で1分間乾燥させ、インク受容層21上にインク受容層23を積層した。このとき、塗布量は、インク受容層23の乾燥膜厚が0.5μmになるように調整した。
以上のようにして、図2の断面図で示される4層構造を有する電飾用インクジェット記録材料、即ち、樹脂基材11であるPET支持体の一方面にインク受容層21及びインク受容層23を、他方面に保護層31を有するインクジェット記録材料(インク受容層23/インク受容層21/樹脂基材11/保護層31の4層構成の電飾用インクジェット記録材料)を作製した。
そして、得られたインクジェット記録材料を用い、実施例1と同様の評価を行った。
(インク受容層用塗布液Dの調製)
下記組成中の成分を混合し、インク受容層用塗布液Dを調製した。
<インク受容層用塗布液Dの組成>
・ポリスチレン(PS)ラテックス水分散液(透明粒子)・・・35.7部
(日本ゼオン(株)製、Nipol UFN1008、固形分20質量%)
・ポリエステル樹脂(バインダー樹脂) ・・・113.7部
(互応化学工業(株)製、プラスコートZ592、固形分25質量%)
・ポリウレタン樹脂(バインダー樹脂) ・・・74.8部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス(登録商標)150HS、固形分38質量%)
・架橋剤(オキサゾリン系化合物) ・・・10.1部
(日本触媒(株)製、エポクロス(登録商標)K−2020E、固形分40質量%)
・界面活性剤A ・・・39.4部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液)
・界面活性剤B ・・・16.3部
(日油(株)製、ラピゾール(登録商標)B−90の1質量%水溶液)
・滑り剤 ・・・2.2部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール(登録商標)524、固形分30質量%)
・防腐剤 ・・・1.0部
(大東化学(株)製、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、固形分3.5質量%メタノール溶媒)
・蒸留水 ・・・塗布液Dの全体が1000部になる量
(実施例10)
実施例1のインク受容層用塗布液Aを用い、実施例1と同様に、実施例1で作製したPET支持体の一方の側にインク受容層21を形成した。次いで、PET支持体のインク受容層21が形成された側と反対側に、310J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、実施例9と同じ保護層用塗布液Cをバーコート法により、実施例9と同様に塗布し塗布膜を形成した。その後、この塗布膜を160℃で1分間乾燥させ、PET支持体の他方の側に保護層31を形成した。
次に、上記で形成した保護層31の表面を、200J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記の保護層用塗布液Eをバーコート法により、PMMA粒子及びポリスチレン(PS)粒子の塗設量がそれぞれ0.1g/mになるように塗布し、160℃で1分間乾燥させ、保護層31上に保護層33を積層した。このとき、塗布量は、保護層33の乾燥膜厚が1.0μmになるように調整した。
以上のようにして、図3の断面図で示される4層構造を有する電飾用インクジェット記録材料、即ち、樹脂基材11であるPET支持体の一方面にインク受容層21を、他方面に保護層31及び保護層33を有するインクジェット記録材料(インク受容層21/樹脂基材11/保護層31/保護層32の4層構成の電飾用インクジェット記録材料)を作製した。
そして、得られたインクジェット記録材料を用い、実施例1と同様の評価を行った。
(保護層用塗布液Eの調製)
以下に示す組成中の成分を混合し、保護層用塗布液Eを調製した。
<保護層用塗布液Eの組成>
・酢酸水溶液 ・・・402.0部
(ダイセル化学工業(株)製、工業用酢酸の1質量%水溶液)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン ・・・110.0部
(信越化学工業(株)製、KBE−403)
・テトラエトキシシラン ・・・127.6部
(信越化学工業(株)製、KBE−04)
・硬化剤 ・・・1.3部
(川崎ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))
・界面活性剤C ・・・14.7部
(三洋化成工業(株)製、サンデッド(登録商標)BLの10%水溶液、アニオン性)
・界面活性剤A ・・・40.9部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液、ノニオン性)
・アクリル樹脂(PMMA)粒子(透明粒子) ・・・9.2部
(綜研化学(株)製、MX−150(架橋PMMA)、平均一次粒子径1.5μm)
・ポリスチレンラテックス水分散液(透明粒子)・・・9.2部
(日本ゼオン(株)製、Nipol UFN1008、固形分20質量%)
・蒸留水 ・・・塗布液Eの全体が1000部になる量
(実施例11)
実施例10において、インク受容層用塗布液Aに用いた粒子及び粒子の含有量を下記表1に示すように変更し、さらに以下に示すようにインク受容層21上にインク受容層23を積層したこと以外は、実施例10と同様にして、図4の断面図で示される5層構造を有する電飾用インクジェット記録材料、即ち、樹脂基材11であるPET支持体の一方面にインク受容層21及びインク受容層23を、他方面に保護層31及び保護層32を有するインクジェット記録材料(インク受容層23/インク受容層21/樹脂基材11/保護層31/保護層33の5層構成の電飾用インクジェット記録材料)を作製した。
そして、得られたインクジェット記録材料を用い、実施例1と同様の評価を行った。
(インク受容層23の形成)
PET支持体上のインク受容層21の表面を、200J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記のインク受容層用塗布液Fをバーコート法により、乾燥膜厚が0.5μmになるように塗布し、160℃で1分間乾燥させ、インク受容層21上にインク受容層23を積層した。なお、インク受容層用塗布液Fは、下記組成中の成分を混合して調製した。
<インク受容層用塗布液Fの組成>
・ポリエステル樹脂(バインダー樹脂) ・・・113.7部
(互応化学工業(株)製、プラスコートZ592、固形分25質量%)
・ポリウレタン樹脂(バインダー樹脂) ・・・74.8部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス(登録商標)150HS、固形分38質量%)
・架橋剤(オキサゾリン系化合物) ・・・10.1部
(日本触媒(株)製、エポクロス(登録商標)K−2020E、固形分40質量%)
・界面活性剤A ・・・39.4部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液)
・界面活性剤B ・・・16.3部
(日油(株)製、ラピゾール(登録商標)B−90の1質量%水溶液)
・滑り剤 ・・・2.2部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール(登録商標)524、固形分30質量%)
・防腐剤 ・・・1.0部
(大東化学(株)製、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、固形分3.5質量%メタノール溶媒)
・蒸留水 ・・・塗布液Fの全体が1000部になる量
(実施例12)
実施例1のインク受容層用塗布液Aにおいて、粒子の含有量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例1で作製したPET支持体の一方の側にインク受容層21を形成した。次いで、PET支持体のインク受容層21が形成された側と反対側に、310J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、実施例9の保護層用塗布液Cにおいて、粒子及び粒子の含有量を変更したこと以外は、実施例9と同様にして、PET支持体の他方の側に保護層31を形成した。
次に、上記で形成したインク受容層21の表面を、200J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記のインク受容層用塗布液Gをバーコート法により、PMMA粒子の塗設量が0.1g/mになるように塗布し、160℃で1分間乾燥させ、インク受容層21上にインク受容層23を積層した。
なお、インク受容層用塗布液Gは、下記組成中の成分を混合して調製し、インク受容層用塗布液Gの塗布量は、インク受容層23の乾燥膜厚が0.5μmになるように調整した。
続いて、上記で形成した保護層31の表面を、200J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記の保護層用塗布液Hをバーコート法により、PMMA粒子の塗設量が0.1g/mになるように塗布し、160℃で1分間乾燥させ、保護層31上に保護層33を積層した。
なお、保護層用塗布液Hは、下記組成中の成分を混合して調製し、保護層用塗布液Hの塗布量は、保護層33の乾燥膜厚が0.5μmになるように調整した。
以上のようにして図4の断面図で示される5層構造を有する電飾用インクジェット記録材料、即ち、樹脂基材11であるPET支持体の一方面にインク受容層21及びインク受容層23を、他方面に保護層31及び保護層33を有するインクジェット記録材料(インク受容層23/インク受容層21/樹脂基材11/保護層31/保護層33の5層構成の電飾用インクジェット記録材料)を作製した。
そして、得られたインクジェット記録材料を用い、実施例1と同様の評価を行った。
<インク受容層用塗布液Gの組成>
・アクリル樹脂(PMMA)粒子(透明粒子) ・・・9.2部
(綜研化学(株)製、MX−150(架橋PMMA)、平均一次粒子径1.5μm)
・ポリエステル樹脂(バインダー樹脂) ・・・113.7部
(互応化学工業(株)製、プラスコートZ592、固形分25質量%)
・ポリウレタン樹脂(バインダー樹脂) ・・・74.8部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス(登録商標)150HS、固形分38質量%)
・架橋剤(オキサゾリン系化合物) ・・・10.1部
(日本触媒(株)製、エポクロス(登録商標)K−2020E、固形分40質量%)
・界面活性剤A ・・・39.4部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液)
・界面活性剤B ・・・16.3部
(日油(株)製、ラピゾール(登録商標)B−90の1質量%水溶液)
・滑り剤 ・・・2.2部
(中京油脂(株)製、カルナバワックス分散物セロゾール(登録商標)524、固形分30質量%)
・防腐剤 ・・・1.0部
(大東化学(株)製、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、固形分3.5質量%メタノール溶媒)
・蒸留水 ・・・塗布液Gの全体が1000部になる量
<保護層用塗布液Hの組成>
・酢酸水溶液 ・・・402.0部
(ダイセル化学工業(株)製、工業用酢酸の1質量%水溶液)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン ・・・110.0部
(信越化学工業(株)製、KBE−403)
・テトラエトキシシラン ・・・127.6部
(信越化学工業(株)製、KBE−04)
・硬化剤 ・・・1.3部
(川崎ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))
・界面活性剤C ・・・14.7部
(三洋化成工業(株)製、サンデッド(登録商標)BLの10%水溶液、アニオン性)
・界面活性剤A ・・・40.9部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液、ノニオン性)
・アクリル樹脂(PMMA)粒子(透明粒子) ・・・9.2部
(綜研化学(株)製、MX−150(架橋PMMA)、平均一次粒子径1.5μm)
・蒸留水 ・・・塗布液Hの全体が1000部になる量
(比較例1)
実施例1において、インク受容層用塗布液Aにおける粒子の塗設量を下記表1に示すように変更し、かつ保護層31を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製し、同様の評価を行った。
(比較例2)
実施例1において、保護層用塗布液Bにおける粒子及び粒子の含有量を下記表1に示すように変更し、かつインク受容層21を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製し、同様の評価を行った。
(比較例3)
実施例1のインク受容層用塗布液Aを下記のインク受容層用塗布液Iに変更し、実施例1と同様にして、実施例1で作製したPET支持体の一方の側にインク受容層21を形成した。次いで、PET支持体のインク受容層21が形成された側と反対側に、310J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、実施例9の保護層用塗布液C中の粒子及び粒子の含有量を変更し、実施例9と同様にして、インク受容層21が形成されたPET支持体の他方の側に保護層31を形成した。なお、インク受容層用塗布液Iは、下記組成中の成分を混合することにより調製した。
次に、上記で形成した保護層31の表面を、200J/mの条件でコロナ放電処理を行った後、下記の保護層用塗布液Jをバーコート法により、乾燥膜厚が0.5μmとなるように塗布し、160℃で1分間乾燥させ、保護層31上に保護層33を積層した。なお、保護層用塗布液Jは、下記組成中の成分を混合することにより調製した。
以上のようにして、図3の断面図で示される4層構造を有する電飾用インクジェット記録材料、即ち、樹脂基材11であるPET支持体の一方面にインク受容層21を、他方面に保護層31及び保護層33を有するインクジェット記録材料(インク受容層21/樹脂基材11/保護層31/保護層33の4層構成の電飾用インクジェット記録材料)を作製した。
そして、得られたインクジェット記録材料を用い、実施例1と同様の評価を行った。
<インク受容層用塗布液Iの組成>
・ポリオレフィン(バインダー樹脂) ・・・417.6部
(ユニチカ(株)製、アローベース(登録商標)SE−1013N、固形分20質量%)
・アクリル樹脂(バインダー樹脂)・・・33.5部
(ダイセルファインケム(株)製、AS−563A、固形分28質量%)
・架橋剤(カルボジイミド系化合物) ・・・52.1部
(日清紡(株)製、カルボジライト(登録商標)V−02−L2、固形分40質量%)
・触媒・・・7.3部
(日本化学工業(株)製、食添用第2リン酸アンモンの35質量%溶液)
・界面活性剤 ・・・4.0部
(ナトリウム1,2−〔ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルカルボニル)〕エタンスルホナート2質量%溶液)
・蒸留水 ・・・塗布液Iの全体が1000部になる量
<保護層用塗布液Jの組成>
・酢酸水溶液 ・・・402.0部
(ダイセル化学工業(株)製、工業用酢酸の1質量%水溶液)
・3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン ・・・110.0部
(信越化学工業(株)製、KBE−403)
・テトラエトキシシラン ・・・127.6部
(信越化学工業(株)製、KBE−04)
・硬化剤 ・・・1.3部
(川崎ファインケミカル(株)製、アルミキレートA(W))
・界面活性剤C ・・・14.7部
(三洋化成工業(株)製、サンデッド(登録商標)BLの10%水溶液、アニオン性)
・界面活性剤A ・・・40.9部
(三洋化成工業(株)製、ナロアクティー(登録商標)CL−95の1質量%水溶液、ノニオン性)
・蒸留水 ・・・塗布液Jの全体が1000部になる量
(比較例4)
実施例1のインク受容層用塗布液A及び保護層用塗布液Bについて、粒子及び粒子の含有量をそれぞれ下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製し、同様の評価を行った。
上記の表1に示す粒子の詳細は、下記の通りである。
・SiO(透明粒子):シリカ水分散体
(日産化学(株)製、スノーテックス(登録商標)MP−2040、固形分40質量%)
・SnO(透明粒子):二酸化スズ−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20質量%)
・PS(透明粒子):ポリスチレンラテックス水分散液
(日本ゼオン(株)製、Nipol UFN1008、固形分20質量%)

表2に示すように、実施例では、比較例に比べて、反射光又は透過光のいずれによっても鮮明な画像が得られており、透過光が入射した場合に映りやすい光源像(ランプイメージ)も視認され難いものであった。
2014年7月31日に出願された日本国特許出願2014−157189号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (14)

  1. 樹脂基材と、
    少なくとも白色粒子を含み、前記樹脂基材の一方面に配置されたインク受容層と、
    少なくとも透明粒子を含み、前記樹脂基材の他方面に配置された保護層と、
    を有する電飾用インクジェット記録材料。
  2. 前記インク受容層として、前記樹脂基材に近い側から順に第一のインク受容層と第二のインク受容層とを有する請求項1に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  3. 前記第一のインク受容層及び前記第二のインク受容層のうち、少なくとも前記第一のインク受容層が白色粒子を含む請求項2に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  4. 前記第一のインク受容層及び前記第二のインク受容層のうち、少なくとも前記第二のインク受容層が透明粒子を含む請求項3に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  5. 前記インク受容層が、更に透明粒子を含む請求項1に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  6. 前記第一のインク受容層が、更に透明粒子を含む請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  7. 前記保護層として、前記樹脂基材に近い側から順に第一の保護層と第二の保護層とを有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  8. 前記第一の保護層及び前記第二の保護層のうち、少なくとも前記第一の保護層は白色粒子を含み、少なくとも前記第二の保護層が透明粒子を含む請求項7に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  9. 前記白色粒子が、二酸化チタンを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  10. 前記透明粒子が、架橋されたポリメチルメタクリレートの粒子を含む請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  11. 前記白色粒子の含有量が、1.0g/m以上10.0g/m以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電飾用インクジェット記録材料。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の電飾用インクジェット記録材料上に、放射線硬化性インク組成物をインクジェット法により画像様に吐出する吐出工程と、
    吐出された放射線硬化性インク組成物に放射線を照射し、前記放射線硬化性インク組成物を硬化させる硬化工程と、
    を含む電飾用画像の形成方法。
  13. 請求項12に記載の電飾用画像の形成方法により形成された電飾用画像。
  14. 光源と、請求項13に記載の電飾用画像と、を備えた電飾看板。
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