JPWO2016013455A1 - クローラ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えばロボットに装備されるような比較的負荷が軽いクローラ装置の場合には、クローラベルトの内周とホイールの外周の摩擦を介してトルク伝達を行ったり、ホイールの外周に形成した係合部とクローラベルトに形成した係合部を係合することによりトルク伝達を行っている。
このようなクローラ装置では、クローラベルトが幅方向の力を受けた時にホイールから外れるのを防止するための手段を必要とする。
特許文献1の図5に開示されたクローラ装置では、クローラベルトの両側縁に、径方向内方向に突出するとともに周方向に沿って連続する一対の無端状のリブが形成されている。これら一対のリブがホイールの両側面に係合することにより、クローラベルトの外れを防止している。
特許文献2のクローラ装置では、クローラベルトの外れを目的とするものではないが、特許文献1と似た構造を有している。すなわち、クローラベルトの両側縁に、径方向内方向に突出するとともに周方向に沿って連続する一対のリブが形成されている。これらリブがホイールを支持する側板に係合している。
また、特許文献1、2のようにクローラベルトの両側縁に周方向に連続するリブを設けた場合には、クローラベルトがホイールを通る際にリブが波形状に変形し、疲労による損傷が生じやすい。また、これら連続したリブによりクローラベルトの曲げ剛性が高くなり、トルク伝達の効率を低下させる。
上記クローラベルトが、
a.無端状のベルト本体と、
b.上記ベルト本体の外周に周方向に間隔をおいて形成された多数の接地ラグと、
c.上記ベルト本体の周方向に沿って形成されるとともに、上記ベルト本体の幅方向に離れた一対の外れ防止部と、
を有し、
上記一対の外れ防止部は、上記クローラベルトが上記ホイールから外れるのを防止するように、上記クローラベルトの径方向内方向に突出して上記ホイールの両側面に係合可能であり、
上記一対の外れ防止部の各々は、周方向に間隔をおいて配置されるとともに周方向に延びる多数のリブセグメントを有し、各リブセグメントが、上記接地ラグに対応する周方向位置に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、クローラベルトの曲げ剛性をより一層低くすることができる。
この構成によれば、接地ラグのベルト幅方向寸法を最大限に確保して、不整地での良好な走行性能を確保できる。
この構成によれば、低負荷走行時には、ホイールのベルト受け部とクローラベルトとの摩擦を介してトルク伝達を行うことができ、高負荷走行時には第1、第2係合突起の係合を介してトルク伝達を行うことができる。
好ましくは、上記一対のベルト受け部の各々は、周方向に間隔をおいて配置されるとともに周方向に延びる多数の壁セグメントにより構成されている。この構成によれば、壁セグメント間の間隙から砂や泥を円滑に排出することができる。
この構成よれば、第1係合突起のホイール幅方向両側にクローラベルトと摩擦接触するベルト受部を設けずに済み、砂や泥の排出を円滑に行うことができる。
より好ましくは、上記ホイールが、外周に周方向に間隔をおいて収容溝を有するホイール本体と、これら収容溝に収容固定されたゴム製の係合部材とを有し、この係合部材において上記ホイール本体の外周から突出する部分が、上記第1係止突起として提供される。
この構成によれば、クローラベルトを安価に製造できる。また、リブセグメントが接地ラグに対応した周方向位置に形成されているので、リブセグメントが弾性材料で形成されていても、その変形が抑制され、長期にわたって傷まない。
この構成によれば、リブセグメントが剛性材料からなるので、耐久性を高めることができる。
上記車体100には、ビデオカメラ等の観測器材や必要に応じて種々の作業が可能な作業アーム等が搭載されている。
図1、図2に示すように、クローラ装置は、前後に離れて配置された駆動ホイール5と従動ホイール(図示しない)と、これら駆動ホイール5と従動ホイールの間に架け渡された無端状のクローラベルト10とを備えている。
上記駆動ホイール5と従動ホイールは、ロボットの前後の車軸に固定される。これら車軸は、車体100に回転可能に支持されている。駆動ホイール5は車軸を介してモータ等の駆動源から回転トルクを受ける。
なお、駆動ホイール5と従動ホイールは、車体100に固定された車軸に回転可能に支持されてもよい。この場合、駆動ホイール5は、車軸から独立した動力伝達機構を介してモータから回転トルクを受ける。
図3、図5に示すように、上記ベルト本体11内には、無端状の抗張帯15が埋め込まれている。この抗張帯15はベルト本体11より幅が狭く、ベルト本体11の内周および外周から離れているため、外部に露出していない。
本実施形態の抗張帯15は、均一厚さの薄帯、例えば厚さ0.05〜0.3mmのスチールベルトの両端を溶接することにより構成されている。
本実施形態では、図3に示すように、各リブセグメント13aの周方向寸法Lは、上記接地ラグ12の周方向寸法Wと等しいが、この寸法より小さくてもよい。
上記取付部23は、ホイール5の軸線と直交する平坦な第1受面23aと、この第1受面23aのホイール径方向の内側の縁に連なる円弧形状の第2受面23bとを有している。
第1受面23aには、ホイール5の軸線と平行なねじ穴23xが形成されている。
上記固定部35の径方向内側には、上記内接円30bに接する円弧形状の第2当接面35cが形成されている。
本実施形態では、上記係合突起42は上記壁セグメント32aより低いが、壁セグメント32aと同一高さでもよい。
上記従動ホイールは上記駆動ホイール5と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
クローラベルト10のリブセグメント13aと係合突起14との間の間隙Dには、上記ホイール5の壁セグメント32aが入り込むようになっている。
(a)図13Bに矢印Y1で示すように、ベース部材20の隣り合うボス部22間の間隙61(図8、図13B参照)から径方向内方向に向かう経路。
(b)図13Bに矢印Y2で示すように、リング部材30A,30Bの凹部33を通って幅方向外方向に向かう経路。
(c)図13Bに矢印Y3で示すように、リング部材30A,30Bの凹部34を通って幅方向外方向に向かう経路。
(d)図13Bに矢印Y4で示すように、リング部材30A,30Bの凹部31を通って幅方向外方向に向かう経路。なお、この凹部31にはクローラベルト10のリブセグメント13aが対峙する場合もあるが、完全に塞がることはない。
図14に示す第2実施形態では、第1実施形態に比べてベルト本体11および接地ラグ12の幅が広い。そのため、外れ防止部13が、接地ラグ12の両端部より内側に配置されている。他の構成は第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
本実施形態では、係合突起14が接地ラグ12の形成領域から離れ、接地ラグ12間に形成されている。
ホイールの係合突起42(または74)とクローラベルト10’の係合突起14との係合の仕方は第1、第3実施形態と同様である。
本実施形態における砂や泥の排出作用は、第3実施形態と同様である。
また、係合突起14,82bのホイール幅方向外側に、他の実施形態のような壁セグメントが無いので、ホイール80とクローラベルト10’との間に入り込んだ砂や泥をより一層円滑に排出することができる。
ホイールのベルト受け部は全周にわたって連続して環状に形成してもよい。
後側のホイールを駆動ホイールとし、前側のホイールを従動ホイールとしてもよいし、前後のホイールを駆動ホイールとしてもよい。
接地ラグ、リブセグメント、第1、第2の係合突起の各々は、周方向に等間隔に配置するのが好ましいが、間隔は均一でなくてもよい。
第1、第2の係合突起のピッチは一致しなくてもよい。高トルク伝達の際に、第1係合突起のいくつかと第2係合突起のいくつかが係合するだけでもよい。
Claims (10)
- 前後のホイール(5;70;80)と、これらホイールに架け渡されたクローラベルト(10;10’)とを備え、
上記クローラベルトが、
a.無端状のベルト本体(11)と、
b.上記ベルト本体(11)の外周に周方向に間隔をおいて形成された多数の接地ラグ(12)と、
c.上記ベルト本体(11)の周方向に沿って形成されるとともに、上記ベルト本体の幅方向に離れた一対の外れ防止部(13)と、
を有し、
上記一対の外れ防止部(13)は、上記クローラベルト(10;10’)が上記ホイール(5;70;80)から外れるのを防止するように、上記クローラベルトの径方向内方向に突出して上記ホイールの両側面に係合可能であり、
上記一対の外れ防止部(13)の各々は、周方向に間隔をおいて配置されるとともに周方向に延びる多数のリブセグメント(13a;92)を有し、各リブセグメントが、上記接地ラグ(12)に対応する周方向位置に配置されていることを特徴とするクローラ装置。 - 上記一対の外れ防止部(13)の各々において、上記リブセグメント(13a;92)は、各接地ラグ(12)に対応して1つずつ配置され、上記リブセグメントの周方向寸法が上記接地ラグの周方向寸法と等しいかそれより小さく、上記ベルト本体(11)の内周において上記接地ラグの形成領域に対応する領域内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
- 上記接地ラグ(12)が上記クローラベルト(10;10’)の幅方向に延び、その幅方向の寸法が、ベルト本体(11)の幅と等しく、上記一対の外れ防止部(13)のリブセグメント(13a;92)が、上記接地ラグの両端部に対応する位置かまたはそれよりクローラベルトの幅方向内側の位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載のクローラ装置。
- 上記ホイール(5;70)の各々の外周には、上記ホイールの幅方向に離れた一対のベルト受け部(32;73)が上記ホイールの周方向に沿って形成され、これら一対のベルト受け部はホイールの径方向外方向に突出し、その頂面に上記クローラベルト(10)のベルト本体(11)の内周が摩擦接触し、
上記一対のベルト受け部(32;73)におけるホイール幅方向外側の面が、上記リブセグメント(13a)が係合可能な上記ホイールの両側面として提供され、
上記ホイールの外周には、周方向に間隔をおいて多数の第1係合突起(42;74)が形成され、
上記クローラベルト(10)のベルト本体(11)の内周には、上記第1係合突起(42;74)に係合可能な多数の第2係合突起(14)が周方向に間隔をおいて形成され、上記第1係合突起(42;74)と上記第2係合突起(14)との間には周方向の遊びがあることを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。 - 上記第2係合突起(14)が、上記一対の外れ防止部(13)間においてこれら外れ防止部からクローラベルト(10)の幅方向に離間して配置され、上記第2係合突起(14)と上記外れ防止部(13)間に、上記ホイール(5;70)のベルト受け部(32;73)が配置されることを特徴とする請求項4に記載のクローラ装置。
- 上記一対のベルト受け部(32;73)の各々は、周方向に間隔をおいて配置されるとともに周方向に延びる多数の壁セグメント(32a;73a)により構成されていることを特徴とする請求項4に記載のクローラ装置。
- 上記ホイール(80)の外周には、周方向に間隔をおいて多数の第1係合突起(82b)が形成され、これら第1係合突起(82b)の頂面にのみ上記クローラベルト(10’)のベルト本体(11)の内周が摩擦接触し、
上記クローラベルト(10’)のベルト本体(11)の内周には、上記第1係合突起(82b)に係合可能な多数の第2係合突起(14)が周方向に間隔をおいて形成され、上記第1係合突起(82b)と上記第2係合突起(14)との間には周方向の遊びがあることを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。 - 上記ホイール(80)が、外周に周方向に間隔をおいて収容溝(81a)を有するホイール本体(81)と、これら収容溝(81a)に収容固定されたゴム製の係合部材(82)とを有し、この係合部材(82)において上記ホイール本体(81)の外周から突出する部分が、上記第1係止突起(82b)として提供されることを特徴とする請求項7に記載のクローラ装置。
- 上記クローラベルト(10)が、弾性材料からなり、上記ベルト本体(11)と上記接地ラグ(12)と上記リブセグメント(13a)を一体に有していることを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
- 上記クローラベルト(10’)が、弾性材料からなる主部(10A)と、剛性材料からなるU字形部材(90)とを備え、上記主部が上記ベルト本体(11)と上記接地ラグ(12)とを一体に有し、
上記U字形部材(90)が、上記主部(10A)の上記弾性材料中に埋め込まれたベース部(91)と、このベース部の両端に連なる一対の起立部(92)とを有し、これら一対の起立部(92)が上記クローラベルト(10’)の径方向内方向に突出して、上記リブセグメントとして提供されることを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
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