JP6626351B2 - クローラ装置及び走行体 - Google Patents
クローラ装置及び走行体Info
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Description
クローラ装置は、特許文献1、2に開示されているように、クローラベルトの内周とホイールの外周の摩擦接触を介してトルク伝達を行なうタイプと、特許文献3に開示されているようにホイールの外周に形成した係合部とクローラベルトの内周に形成した係合部を係合することによりトルク伝達を行なうタイプがある。
上記前後のホイールの少なくとも一方が駆動ホイールとして提供され、この駆動ホイールの外周には、径方向外方向に突出する多数のホイール突起が周方向に等ピッチで形成され、
上記クローラベルトは、周方向に沿って曲げ剛性が異なる第1領域と第2領域を交互に有し、第1領域は第2領域より曲げ剛性が高く、
上記クローラベルトは、上記第1領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された多数の第1係合突起と、上記第2領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された第2係合突起とを有し、
上記ホイール突起は、上記第1係合突起と上記第2係合突起との間において周方向に移動可能に配置されるとともに、上記第1、第2係合突起を乗り越え可能であることを特徴とする。
ホイール突起が第1係合突起に係止された状態では、第1係合突起が曲げ剛性の高く弾性変形量が少ない第1領域に形成されているため、比較的強い係合が得られ、高負荷でのトルク伝達が可能である。第1領域では弾性変形量が少ないため、駆動ホイールとクローラベルトとの間に侵入した泥や砂が固められ、クローラベルトの内周に堆積する場合がある。この場合、ホイール突起が第1係合突起との係合を維持できなくなるが、この第1係合突起を乗り越えてクローラベルトの内周を滑り第2係合突起に達し、この第2係合突起に係止されるため、トルク伝達を回復することができる。堆積した異物はホイール突起が第1係合突起を乗り越える際に破壊または脆弱化されるため、排除される。
上記ホイールと上記クローラベルトの摩擦係合の一態様では、上記ホイール突起の頂面と上記クローラベルトの内周が摩擦係合する。
上記構成によれば、ホイール突起が第1、第2係合突起を乗り越え易くなる。
上記構成によれば、ホイール突起が長いので、ホイール突起の頂面とクローラベルトの内周との間の摩擦力を高めることができるとともに、上記第1、第2係合突起が短いのでクローラベルトにおける砂や泥の堆積を抑制することができる。
上記構成によれば、ホイール突起の頂面とクローラベルトの内周との間の摩擦力を高めることができる。
好ましくは、上記クローラベルトが、上記第1領域に配置された剛性材料からなる外れ防止部材を備え、上記外れ防止部材が、上記主部の上記弾性材料中に埋め込まれたベース部と、このベース部の両端に連なる一対の起立部とを有し、これら一対の起立部が上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して、上記一対の外れ防止部として提供される。
上記車体1には、ビデオカメラ等の観測器材や、リモートコントローラからの制御信号を受信したりビデオカメラの映像信号を送信するための通信機が搭載され、必要に応じて種々の作業が可能な作業アーム等が搭載されている。
なお、駆動ホイール10と従動ホイール10’は、車体1に固定された車軸に回転可能に支持されてもよい。この場合、駆動ホイール10は、車軸から独立した動力伝達機構を介してモータからの回転トルクを受ける。
図5に示すように、ホイール突起12aの周方向(駆動ホイール10の周方向)両側には、傾斜面12xが形成されている。
従動ホイール10’も上記駆動ホイール10と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
図8、図9に示すように、クローラベルト20のベルト本体21の幅は、ホイール10の幅より大きい。
La>Lb
Ha>Hb
ホイール突起12aの頂面とクローラベルト20のベルト本体21の内周面との間の摩擦接触を介してトルク伝達がなされる。第1閾値以上の負荷が作用した時にはホイール突起12aがクローラベルト20の内周を滑るため、この低負荷モードは終了する。
図3〜図5に示すように、ホイール10の回転トルクが、ホイール突起12aとクローラベルト20の第2係合突起24の係合と、上記ホイール突起12aとクローラベルト20との摩擦係合を介して、クローラベルト20に伝達される。第2係合突起24は曲げ剛性が低く弾性変形し易い第2領域R2に形成されているので、この第2係合突起24とホイール突起12aの係合は比較的弱く、上記第1閾値より大きな第2閾値以上の負荷が作用すると、ホイール突起12aが第2係合突起24を乗り越えるため、この中負荷モードは終了する。
図6、図7に示すように、ホイール10の回転トルクが、ホイール突起12aとクローラベルト20の第1係合突起23の係合と、上記ホイール突起12aとクローラベルト20との摩擦係合を介して、クローラベルト20に伝達される。第1係合突起23は曲げ剛性が高く弾性変形しにくい第1領域R1に形成されているので、後述するように泥や砂等の侵入が無い状態では、この第1係合突起23とホイール突起12aの係合は強く、高い負荷が作用してもトルク伝達が可能である。高負荷モードにおいて、上記第2閾値より高い第3閾値を超えると、ホイール突起12aが第1係合突起23を乗り越えて、クローラベルト20の内周を滑り続ける。これにより、第3閾値にトルクを制限することができる(トルクリミッタとしての役割)。その結果、過剰トルクによるホイール軸の損傷やクローラベルト20の損傷を招いて走行不能に陥るのを回避することができる。なお、上記のように滑り続ける状況を脱することができない場合には、走行方向を変更したりバックして新たなルートで走行すればよい。
上記高負荷モードでは、第1領域R1の剛性が高いので、ホイール突起12aの頂面と第1係合突起23近傍におけるクローラベルト20の内周との間に大きな圧縮力が作用する。そのため、ホイール突起12aの頂面とクローラベルト20の内周との間に侵入した砂や泥等の異物が固められ、この侵入と固めを繰り返すことにより異物が堆積することがある。この場合、例えば上述した中負荷モードでの第2閾値以下の負荷であってもホイール突起12aと第1係合突起23の係合が解除され、ホイール突起12aは第1係合突起23を乗り越え、クローラベルト20の内周を滑って第2係合突起24に達し、ここで係合される。堆積物は、ホイール突起12aが第1係合突起23を乗り越える際に、ホイール突起12aにより強くこすられるため、破壊または脆弱化される。脆弱化した堆積物は駆動ホイール10から従動ホイール10’へ向かう途中で振動等によりクローラベルト20から排除することができ、中負荷モードまたは高負荷モードでの走行に復帰することができる。
ホイール突起12aの長さLaを最大限長くしているので、摩擦係合によるトルク伝達能力を高めることができ、上記第1、第2の係合突起23,24の幅方向寸法Lbが短いことに起因する突起係合によるトルク伝達能力の低下を補うことができる。
例えば階段に対してロボットが斜めの姿勢のまま到達した場合、一方のクローラ装置2だけが階段を昇り始めるため高い負荷が作用し、回転トルクが第3閾値に達して滑りが発生する。これに対して他方のクローラ装置2は負荷が高くない状態で走行を継続するため、ロボットが旋回して階段に対して真正面を向くようになる。その結果、他方のクローラ装置2も階段を昇り始める。このようにして、負荷が左右のクローラ装置2,2に分散されるため、上記一方のクローラ装置2の滑りが止まり、左右のクローラ装置2,2により、階段を昇ることができる。
上記の現象は、階段に限らず、左右のクローラ装置2,2の負荷が異なり、一方のクローラ装置2が高負荷により滑る全ての状況で生じる。そのため、操作者の操作によらず、ロボットの旋回を伴ない、負荷を左右のクローラ装置2,2に自動的に分散でき、安定した走行を実現できる。
上記実施形態ではホイール突起だけがクローラベルトの内周面に摩擦接触しているが、クローラベルトの第1、第2係合突起もホイール外周面に摩擦接触してもよいし、クローラベルトの第1、第2係合突起だけがホイール外周面に摩擦接触してもよい。
前後のホイールを駆動ホイールとしてもよい。
2 クローラ装置
10 駆動ホイール
12a ホイール突起
20 クローラベルト
20A 主部
21 ベルト本体
22 接地ラグ
23 第1係合突起
24 第2係合突起
26 外れ防止部材
26b 起立部(外れ防止部)
R1 第1領域
R2 第2領域
Claims (9)
- 前後のホイールと、これらホイールに架け渡されたクローラベルトとを備え、
上記前後のホイールの少なくとも一方が駆動ホイールとして提供され、この駆動ホイールの外周には、径方向外方向に突出する多数のホイール突起が周方向に等ピッチで形成され、
上記クローラベルトは、周方向に沿って曲げ剛性が異なる第1領域と第2領域を交互に有し、第1領域は第2領域より曲げ剛性が高く、
上記クローラベルトは、上記第1領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された多数の第1係合突起と、上記第2領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された第2係合突起とを有し、
上記ホイール突起は、上記第1係合突起と上記第2係合突起との間において周方向に移動可能に配置されるとともに、上記第1、第2係合突起を乗り越え可能であることを特徴とするクローラ装置。 - 上記ホイール突起の頂面が上記クローラベルトの内周に摩擦接触することを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
- 上記ホイール突起の上記駆動ホイールの外周からの突出高さが、上記第1、第2係合突起の上記クローラベルトの内周からの突出高さより、大であることを特徴とする請求項1または2に記載のクローラ装置。
- 上記ホイール突起と上記第1、第2係合突起が上記駆動ホイールの幅方向に延びており、
上記ホイール突起が上記第1、第2係合突起より長いことを特徴とする請求項3に記載のクローラ装置。 - 上記駆動ホイールが、外周に周方向に間隔をおいて形成された収容溝を有するホイール本体と、これら収容溝に収容固定された弾性材料からなる係合部材とを有し、この係合部材において上記ホイール本体の外周から突出する部分が、上記ホイール突起として提供されることを特徴とする請求項4に記載のクローラ装置。
- 上記クローラベルトは弾性材料からなる主部を備え、この主部は、ベルト本体と、上記ベルト本体の外周に周方向に間隔をおいて形成された多数の接地ラグと、上記第1、第2係合突起とを一体に有し、
上記接地ラグが、上記第1領域に配置されて上記第1領域に高い曲げ剛性を付与していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクローラ装置。 - 上記クローラベルトは、上記第1領域において、幅方向に離れた一対の外れ防止部を有し、これら一対の外れ防止部は、上記クローラベルトが上記駆動ホイールから外れるのを防止するように、上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して上記駆動ホイールの両側面に係合可能であることを特徴とする請求項6に記載のクローラ装置。
- 上記クローラベルトが、上記第1領域に配置された剛性材料からなる外れ防止部材を備え、上記外れ防止部材が、上記主部の上記弾性材料中に埋め込まれたベース部と、このベース部の両端に連なる一対の起立部とを有し、これら一対の起立部が上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して、上記一対の外れ防止部として提供されることを特徴とする請求項7に記載のクローラ装置。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のクローラ装置を、車体の左右に装備した走行体。
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JP2016009676A JP6626351B2 (ja) | 2016-01-21 | 2016-01-21 | クローラ装置及び走行体 |
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JP6702272B2 (ja) | 2016-12-23 | 2020-05-27 | 株式会社デンソー | 膨張弁装置 |
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JP2017128259A (ja) | 2017-07-27 |
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