JP6626351B2 - クローラ装置及び走行体 - Google Patents

クローラ装置及び走行体

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Description

本発明は、泥濘地や砂地でも走行可能なクローラ装置、およびこのクローラ装置を車体の左右に装備した走行体に関する。
前後のホイールと、これらホイールに架け渡されたクローラベルトを備えたクローラ装置は周知である。
クローラ装置は、特許文献1、2に開示されているように、クローラベルトの内周とホイールの外周の摩擦接触を介してトルク伝達を行なうタイプと、特許文献3に開示されているようにホイールの外周に形成した係合部とクローラベルトの内周に形成した係合部を係合することによりトルク伝達を行なうタイプがある。
特開2005−343240号公報 特開2012−61962号公報 WO2007/086428号公報
摩擦接触によりトルク伝達を行なうタイプのクローラ装置では、所定以上の大きな負荷が生じた時に、ホイールがクローラベルトに対して滑る。一旦滑ると、滑り始めの負荷を下回っても滑り続けてしまい、トルク伝達の回復が見込めないことがある。動摩擦力が静止摩擦力より小さいからである。また、滑りによりホイールとクローラベルトに摩耗が生じてしまう。
係合部同士の係合によりトルク伝達を行なうタイプのクローラ装置では、係合部間またはその近傍に泥や砂等の異物が侵入して固められ、これを繰り返すことにより異物が堆積して係合が解除され、トルク伝達不能に陥ることがある。また、異物堆積による係合解除を回避するために係合を深くした場合には、クローラベルトに働く過大な張力により、ホイール軸、クローラベルトの損傷を招くことがある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、前後のホイールと、これらホイールに架け渡されたクローラベルトとを備えたクローラ装置において、
上記前後のホイールの少なくとも一方が駆動ホイールとして提供され、この駆動ホイールの外周には、径方向外方向に突出する多数のホイール突起が周方向に等ピッチで形成され、
上記クローラベルトは、周方向に沿って曲げ剛性が異なる第1領域と第2領域を交互に有し、第1領域は第2領域より曲げ剛性が高く、
上記クローラベルトは、上記第1領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された多数の第1係合突起と、上記第2領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された第2係合突起とを有し、
上記ホイール突起は、上記第1係合突起と上記第2係合突起との間において周方向に移動可能に配置されるとともに、上記第1、第2係合突起を乗り越え可能であることを特徴とする。
上記構成によれば、低負荷の場合には、ホイールとクローラベルトとの間の摩擦係合だけでも駆動ホイールからトルク伝達を行なうことができる。負荷が増大した時には、ホイール突起がクローラベルトの内周を滑るが、クローラベルトの第1、第2係合突起のいずれかに達して係止されるため、わずかな滑り量でトルク伝達を回復することができる。
ホイール突起が第1係合突起に係止された状態では、第1係合突起が曲げ剛性の高く弾性変形量が少ない第1領域に形成されているため、比較的強い係合が得られ、高負荷でのトルク伝達が可能である。第1領域では弾性変形量が少ないため、駆動ホイールとクローラベルトとの間に侵入した泥や砂が固められ、クローラベルトの内周に堆積する場合がある。この場合、ホイール突起が第1係合突起との係合を維持できなくなるが、この第1係合突起を乗り越えてクローラベルトの内周を滑り第2係合突起に達し、この第2係合突起に係止されるため、トルク伝達を回復することができる。堆積した異物はホイール突起が第1係合突起を乗り越える際に破壊または脆弱化されるため、排除される。
上記ホイールと上記クローラベルトの摩擦係合の一態様では、上記ホイール突起の頂面と上記クローラベルトの内周が摩擦係合する。
好ましくは、上記ホイール突起の上記駆動ホイールの外周からの突出高さが、上記第1、第2係合突起の上記クローラベルトの内周からの突出高さより、大である。
上記構成によれば、ホイール突起が第1、第2係合突起を乗り越え易くなる。
好ましくは、上記ホイール突起と上記第1、第2係合突起が上記駆動ホイールの幅方向に延びており、上記ホイール突起が上記第1、第2係合突起より長い。
上記構成によれば、ホイール突起が長いので、ホイール突起の頂面とクローラベルトの内周との間の摩擦力を高めることができるとともに、上記第1、第2係合突起が短いのでクローラベルトにおける砂や泥の堆積を抑制することができる。
上記駆動ホイールが、外周に周方向に間隔をおいて形成された収容溝を有するホイール本体と、これら収容溝に収容固定された弾性材料からなる係合部材とを有し、この係合部材において上記ホイール本体の外周から突出する部分が、上記ホイール突起として提供される。
上記構成によれば、ホイール突起の頂面とクローラベルトの内周との間の摩擦力を高めることができる。
好ましくは、上記クローラベルトは弾性材料からなる主部を備え、この主部は、ベルト本体と、上記ベルト本体の外周に周方向に間隔をおいて形成された多数の接地ラグと、上記第1、第2係合突起とを一体に有し、上記接地ラグが、上記第1領域に配置されて上記第1領域に高い曲げ剛性を付与している。
好ましくは、上記クローラベルトは、上記第1領域において、幅方向に離れた一対の外れ防止部を有し、これら一対の外れ防止部は、上記クローラベルトが上記駆動ホイールから外れるのを防止するように、上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して上記駆動ホイールの両側面に係合可能である。
好ましくは、上記クローラベルトが、上記第1領域に配置された剛性材料からなる外れ防止部材を備え、上記外れ防止部材が、上記主部の上記弾性材料中に埋め込まれたベース部と、このベース部の両端に連なる一対の起立部とを有し、これら一対の起立部が上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して、上記一対の外れ防止部として提供される。
上記クローラ装置を車体の左右に装備した走行体によれば、一方のクローラ装置が高負荷により滑りが生じた時に、走行体の旋回を伴い、左右のクローラ装置に負荷を分散させることができ、安定した走行を継続することができる。
本発明によれば、クローラ装置が泥濘地や砂地を走行する際にも良好なトルク伝達を行なえるとともに、耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るクローラ装置を装備したロボットの概略平面図である。 上記ロボットの概略側面図である。 上記クローラ装置の要部の側面図であり、中負荷走行時の状態を示す。 外れ防止部材を省略して示す上記クローラ装置の要部の側面図であり、中負荷状態を示す。 図4において、ホイール突起とクローラベルトの第2係合突起との係合状態を示す拡大側面図である。 高負荷走行時の状態を示す図4相当図である。 図6において、ホイール突起とクローラベルトの第1係合突起との係合状態を示す拡大側面図である。 図3におけるH−H矢視断面図である。 図8のホイールとクローラベルトを分離して示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1、図2は遠隔操作されるロボット(走行体)を示す。このロボットは、車体1と、この車体1の左右に設けられた一対のクローラ装置2と、各クローラ装置2の前後端部に回動軸線Oxを中心に回動可能に設けられたフリッパ式副クローラ装置3とを備えている。
上記車体1には、ビデオカメラ等の観測器材や、リモートコントローラからの制御信号を受信したりビデオカメラの映像信号を送信するための通信機が搭載され、必要に応じて種々の作業が可能な作業アーム等が搭載されている。
上記クローラ装置2に本発明が適用されている。なお、本発明を上記フリッパ式の副クローラ装置3に適用することもできる。フリッパ式副クローラ装置3は省いてもよい。
図3に示すように、クローラ装置2は、前後方向に離れて配置された駆動ホイール10と従動ホイール10’(図2にのみ示す)と、これら駆動ホイール10と従動ホイール10’の間に架け渡された無端状のクローラベルト20とを備えている。
上記駆動ホイール10と従動ホイール10’は、ロボットの前後の車軸に固定される。これら車軸は、車体1に回転可能に支持されている。駆動ホイール10は車軸を介してモータ等の駆動源から正逆方向の回転トルクを受ける。
なお、駆動ホイール10と従動ホイール10’は、車体1に固定された車軸に回転可能に支持されてもよい。この場合、駆動ホイール10は、車軸から独立した動力伝達機構を介してモータからの回転トルクを受ける。
駆動ホイール10は、ホイール本体11と、ゴム等の弾性材料からなる多数の係合部材12とを備えている。ホイール本体11は、単一の剛性部品または複数の剛性部品のアッセンブリからなり、このホイール本体11の外周には、その幅方向に延びる収容溝11aが、周方向に等間隔をおいて形成されている。
上記係合部材12は、駆動ホイール10の幅方向に延び、その基部が上記ホイール本体11の収容溝11aに収容され接着剤またはねじにより固定されており、ホイール本体11の外周から径方向外方向に突出した部位が、ホイール突起12aとして提供される。図3において、ホイール突起12aのピッチを符号Pで示す。
図9に示すように、ホイール突起12aの長さLa(駆動ホイール10の幅方向の寸法)は、ホイール本体11の外周面の幅と略等しい。図9において、ホイール突起12aのホイール本体11の外周からの突出高さを符号Haで示す。
図5に示すように、ホイール突起12aの周方向(駆動ホイール10の周方向)両側には、傾斜面12xが形成されている。
従動ホイール10’も上記駆動ホイール10と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
次に、クローラベルト20の構成について説明する。図3、図9に示すように、クローラベルト20の主部20Aはゴムや弾性樹脂等の弾性材料からなり、無端状のベルト本体21と、このベルト本体21の外周に形成された多数の接地ラグ22と、ベルト本体21の内周に形成された多数の第1係合突起23及び多数の第2係合突起24とを一体に有している。
図8、図9に示すように、クローラベルト20のベルト本体21の幅は、ホイール10の幅より大きい。
上記接地ラグ22は、全て同一形状で断面台形をなしており、クローラベルト20の周方向に等間隔で配列されている。この接地ラグ22のピッチは上記駆動ホイール10のホイール突起12aのピッチPと等しい。図5に示すように、各接地ラグ22はクローラベルト20の幅方向に延びており、その長さはベルト本体21の幅と等しい。
クローラベルト20は、上記接地ラグ22によりその形成領域で曲げ剛性を高められている。以下、図3、図5、図7に示すように、この接地ラグ22の形成領域が第1領域R1として提供される。また、接地ラグ22が形成されていない領域が第2領域R2として提供される。第1領域R1は第2領域R2より曲げ剛性が高い。クローラベルト20は、全周にわたって第1領域R1と第2領域R2を周方向に交互に有している。
上記第1、第2係合突起23,24は同形状、同寸法をなし、クローラベルト20の幅方向に延びるとともにクローラベルト20の内周から径方向内方向に突出している。図9において、第1、第2係合突起23,24のクローラベルト20の内周からの突出高さを符号Hbで示し、長さを符号Lbで示す。ホイール突起12aの突出高さHa、幅方向寸法Lbと比較すると下記の通りである。
La>Lb
Ha>Hb
上記第1係合突起23は、上記第1領域R1の内周に形成されている。本実施形態では、第1係合突起23は第1領域R1の周方向中央、幅方向中央に位置している。第2係合突起24は、上記第2領域R2の内周に形成されている。本実施形態では、第2係合突起24は第2領域R2の周方向中央、幅方向中央に位置している。第1、第2係合突起23,24の幅(クローラベルト20の周方向寸法)は、それぞれ第1、第2領域R1,R2の周方向寸法より小さい。
第1係合突起23は、ホイール突起12aと同ピッチで配列されている。同様にして、第2係合突起24も、ホイール突起12a,第1係合突起23と同ピッチで配列されている。ただし、第2係合突起24は、第1係合突起23に対してクローラベルト20の周方向に半ピッチ分ずれて配置されている。
図8、図9に示すように、クローラベルト20は、主部20Aに埋め込まれた無端状の抗張帯25を備えている。この抗張帯25はベルト本体21より幅が狭く、ベルト本体21の内周および外周から離れているため、外部に露出していない。本実施形態の抗張帯25は、均一厚さの薄帯、例えば厚さ0.05〜0.3mmのスチールベルトの両端を溶接することにより構成されている。
さらに上記クローラベルト20は、図8、図9に示すように、スチール製(剛性材料)の板を略U字形に折り曲げることにより形成された外れ防止部材26を備えている。この外れ防止部材26は、平板形状のベース部26aと、このベース部26aの両端に連なる一対の平板形状の起立部26bとを有している。これら起立部26bとベース部26aは直角をなしている。上記一対の起立部26bが、外れ防止部として提供される。
図3に示すように、上記外れ防止部材26は、上記クローラベルト20の第1領域R1に配置されており、この第1領域R1の曲げ剛性をさらに高めている。図8、図9に示すように、外れ防止部材26のベース部26aが第1領域R1において主部20Aに埋め込まれており、上記一対の起立部26bが、ベルト本体21の内周から、径方向内方向(接地ラグ22の反対方向)に突出している。一対の起立部16bは、互いに平行をなし、ホイール本体11の周縁部の幅方向両側に接するか僅かな隙間を介して対峙しており、これにより、クローラベルト20がホイール10から外れるのを防止している。
駆動ホイール10と従動ホイール10’に、クローラベルト20が架け渡された状態で、ホイール突起12aの頂面だけがクローラベルト20のベルト本体21の内周面に接している。クローラベルト20の第1、第2係合突起23,24間の離間距離に比べてホイール突起12aの幅(駆動ホイール10の周方向寸法)が十分に小さいので、ホイール突起12aは第1、第2係合突起23,24間で移動可能である。また、ホイール突起12aは、第1、第2係合突起23,24を乗り越えることも可能である。この乗り越え機能は、第1、第2係合突起23,24の突出高さHbの選択、ホイール突起12aの周方向両側の傾斜面12x等により、決定される。
駆動ホイール10からの回転トルクがクローラベルト20に伝達される。このトルク伝達の態様は、低負荷モード、中負荷モード、高負荷モードの3つである。以下、詳述する。
(低負荷モード)
ホイール突起12aの頂面とクローラベルト20のベルト本体21の内周面との間の摩擦接触を介してトルク伝達がなされる。第1閾値以上の負荷が作用した時にはホイール突起12aがクローラベルト20の内周を滑るため、この低負荷モードは終了する。
(中負荷モード)
図3〜図5に示すように、ホイール10の回転トルクが、ホイール突起12aとクローラベルト20の第2係合突起24の係合と、上記ホイール突起12aとクローラベルト20との摩擦係合を介して、クローラベルト20に伝達される。第2係合突起24は曲げ剛性が低く弾性変形し易い第2領域R2に形成されているので、この第2係合突起24とホイール突起12aの係合は比較的弱く、上記第1閾値より大きな第2閾値以上の負荷が作用すると、ホイール突起12aが第2係合突起24を乗り越えるため、この中負荷モードは終了する。
(高負荷モード)
図6、図7に示すように、ホイール10の回転トルクが、ホイール突起12aとクローラベルト20の第1係合突起23の係合と、上記ホイール突起12aとクローラベルト20との摩擦係合を介して、クローラベルト20に伝達される。第1係合突起23は曲げ剛性が高く弾性変形しにくい第1領域R1に形成されているので、後述するように泥や砂等の侵入が無い状態では、この第1係合突起23とホイール突起12aの係合は強く、高い負荷が作用してもトルク伝達が可能である。高負荷モードにおいて、上記第2閾値より高い第3閾値を超えると、ホイール突起12aが第1係合突起23を乗り越えて、クローラベルト20の内周を滑り続ける。これにより、第3閾値にトルクを制限することができる(トルクリミッタとしての役割)。その結果、過剰トルクによるホイール軸の損傷やクローラベルト20の損傷を招いて走行不能に陥るのを回避することができる。なお、上記のように滑り続ける状況を脱することができない場合には、走行方向を変更したりバックして新たなルートで走行すればよい。
上述したように、低負荷モードにおいて負荷が第1閾値を超えて滑りが生じた時、ホイール突起12aは、第1係合突起23または第2係合突起24に達し、ここで係止されるため、滑りが終了する。そのため、小さな滑りだけでトルク伝達が可能な状態に復帰することができる。
中負荷モードにおいて負荷が第2閾値を超えた時には、ホイール突起12aは、第2係合突起24を乗り越えてクローラベルト20の内周を滑り第1係合突起23に達し、ここで係止される。そのため、小さな滑りだけでトルク伝達が可能な状態に復帰することができる。
クローラ装置2が不整地すなわち砂地や泥濘地を走行する時には、砂や泥がホイール突起12aの頂面とクローラベルト20の内周との間に入り込む。
上記高負荷モードでは、第1領域R1の剛性が高いので、ホイール突起12aの頂面と第1係合突起23近傍におけるクローラベルト20の内周との間に大きな圧縮力が作用する。そのため、ホイール突起12aの頂面とクローラベルト20の内周との間に侵入した砂や泥等の異物が固められ、この侵入と固めを繰り返すことにより異物が堆積することがある。この場合、例えば上述した中負荷モードでの第2閾値以下の負荷であってもホイール突起12aと第1係合突起23の係合が解除され、ホイール突起12aは第1係合突起23を乗り越え、クローラベルト20の内周を滑って第2係合突起24に達し、ここで係合される。堆積物は、ホイール突起12aが第1係合突起23を乗り越える際に、ホイール突起12aにより強くこすられるため、破壊または脆弱化される。脆弱化した堆積物は駆動ホイール10から従動ホイール10’へ向かう途中で振動等によりクローラベルト20から排除することができ、中負荷モードまたは高負荷モードでの走行に復帰することができる。
なお、上記中負荷モードでの走行時でも、砂や泥がホイール突起12aの頂面と第2係合突起24近傍におけるクローラベルト20の内周との間に入り込むが、第2領域R2では弾性変形し易いので、両者の間の圧縮力が比較的弱く、堆積物が固められることはなく、多少の堆積物は、駆動ホイール10から従動ホイールへ向かう途中で振動等によりクローラベルト20から排除することができる。そのため、中負荷モードでの走行を継続することができる。
本実施形態では、クローラベルト20の第1、第2の係合突起23,24の長さLbが短いので、異物堆積を抑えることができる。
ホイール突起12aの長さLaを最大限長くしているので、摩擦係合によるトルク伝達能力を高めることができ、上記第1、第2の係合突起23,24の幅方向寸法Lbが短いことに起因する突起係合によるトルク伝達能力の低下を補うことができる。
従動ホイール10’での作用は駆動ホイール10と同様であるので、説明を省略する。
左右にクローラ装置2、2を装備したロボットでは、下記のような作用効果を発揮することができる。
例えば階段に対してロボットが斜めの姿勢のまま到達した場合、一方のクローラ装置2だけが階段を昇り始めるため高い負荷が作用し、回転トルクが第3閾値に達して滑りが発生する。これに対して他方のクローラ装置2は負荷が高くない状態で走行を継続するため、ロボットが旋回して階段に対して真正面を向くようになる。その結果、他方のクローラ装置2も階段を昇り始める。このようにして、負荷が左右のクローラ装置2,2に分散されるため、上記一方のクローラ装置2の滑りが止まり、左右のクローラ装置2,2により、階段を昇ることができる。
上記の現象は、階段に限らず、左右のクローラ装置2,2の負荷が異なり、一方のクローラ装置2が高負荷により滑る全ての状況で生じる。そのため、操作者の操作によらず、ロボットの旋回を伴ない、負荷を左右のクローラ装置2,2に自動的に分散でき、安定した走行を実現できる。
本発明は上記実施形態に制約されず、種々採用可能である。例えば、クローラベルトの第2領域R2に、第1領域R1の接地ラグ22より薄肉の補助的な接地ラグを形成してもよい。
上記実施形態ではホイール突起だけがクローラベルトの内周面に摩擦接触しているが、クローラベルトの第1、第2係合突起もホイール外周面に摩擦接触してもよいし、クローラベルトの第1、第2係合突起だけがホイール外周面に摩擦接触してもよい。
前後のホイールを駆動ホイールとしてもよい。
本発明は、ロボット等に装備されるクローラ装置に適用することができる。
1 車体
2 クローラ装置
10 駆動ホイール
12a ホイール突起
20 クローラベルト
20A 主部
21 ベルト本体
22 接地ラグ
23 第1係合突起
24 第2係合突起
26 外れ防止部材
26b 起立部(外れ防止部)
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (9)

  1. 前後のホイールと、これらホイールに架け渡されたクローラベルトとを備え、
    上記前後のホイールの少なくとも一方が駆動ホイールとして提供され、この駆動ホイールの外周には、径方向外方向に突出する多数のホイール突起が周方向に等ピッチで形成され、
    上記クローラベルトは、周方向に沿って曲げ剛性が異なる第1領域と第2領域を交互に有し、第1領域は第2領域より曲げ剛性が高く、
    上記クローラベルトは、上記第1領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された多数の第1係合突起と、上記第2領域の内周において径方向内方向に突出するとともに上記ホイール突起と同一ピッチで形成された第2係合突起とを有し、
    上記ホイール突起は、上記第1係合突起と上記第2係合突起との間において周方向に移動可能に配置されるとともに、上記第1、第2係合突起を乗り越え可能であることを特徴とするクローラ装置。
  2. 上記ホイール突起の頂面が上記クローラベルトの内周に摩擦接触することを特徴とする請求項1に記載のクローラ装置。
  3. 上記ホイール突起の上記駆動ホイールの外周からの突出高さが、上記第1、第2係合突起の上記クローラベルトの内周からの突出高さより、大であることを特徴とする請求項1または2に記載のクローラ装置。
  4. 上記ホイール突起と上記第1、第2係合突起が上記駆動ホイールの幅方向に延びており、
    上記ホイール突起が上記第1、第2係合突起より長いことを特徴とする請求項3に記載のクローラ装置。
  5. 上記駆動ホイールが、外周に周方向に間隔をおいて形成された収容溝を有するホイール本体と、これら収容溝に収容固定された弾性材料からなる係合部材とを有し、この係合部材において上記ホイール本体の外周から突出する部分が、上記ホイール突起として提供されることを特徴とする請求項4に記載のクローラ装置。
  6. 上記クローラベルトは弾性材料からなる主部を備え、この主部は、ベルト本体と、上記ベルト本体の外周に周方向に間隔をおいて形成された多数の接地ラグと、上記第1、第2係合突起とを一体に有し、
    上記接地ラグが、上記第1領域に配置されて上記第1領域に高い曲げ剛性を付与していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクローラ装置。
  7. 上記クローラベルトは、上記第1領域において、幅方向に離れた一対の外れ防止部を有し、これら一対の外れ防止部は、上記クローラベルトが上記駆動ホイールから外れるのを防止するように、上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して上記駆動ホイールの両側面に係合可能であることを特徴とする請求項6に記載のクローラ装置。
  8. 上記クローラベルトが、上記第1領域に配置された剛性材料からなる外れ防止部材を備え、上記外れ防止部材が、上記主部の上記弾性材料中に埋め込まれたベース部と、このベース部の両端に連なる一対の起立部とを有し、これら一対の起立部が上記クローラベルトの内周から径方向内方向に突出して、上記一対の外れ防止部として提供されることを特徴とする請求項7に記載のクローラ装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のクローラ装置を、車体の左右に装備した走行体。
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