JPWO2016009823A1 - モノアミン誘導体、それを用いた発光素子材料および発光素子 - Google Patents

モノアミン誘導体、それを用いた発光素子材料および発光素子 Download PDF

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Abstract

特定の構造で表されるモノアミン誘導体により、高発光効率と耐久性を両立した有機薄膜発光素子を提供する。

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換できる発光素子およびそれに用いられる発光素子材料として有用なモノアミン誘導体に関する。より詳しくは、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機および光信号発生器などの分野に利用可能な発光素子およびそれに用いられる発光素子材料に関するものである。
陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光するという有機薄膜発光素子の研究が、近年活発に行われている。この発光素子は、薄型でかつ低駆動電圧下での高輝度発光と、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が特徴であり、注目を集めている。
この研究は、コダック社のC.W.Tangらによって有機薄膜素子が高輝度に発光することが示されて以来、多数の実用化検討がなされており、有機薄膜発光素子は、携帯電話のメインディスプレイなどに採用されるなど着実に実用化が進んでいる。しかし、まだ技術的な課題も多く、中でも素子の高効率化と長寿命化の両立は大きな課題のひとつである。
素子の発光効率は、正孔や電子といったキャリアを発光層まで輸送するキャリア輸送材料に大きく左右される。このうち正孔を輸送する材料(正孔輸送材料)としてモノアミン骨格を有する材料が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
特許第5261887号 特開2010−222268号 国際公開第2012/134203号 国際公開第2013/157367号 国際公開第2013/061805号 大韓民国特許出願公開第2011−0034977号公報
しかしながら、従来の技術では素子の発光効率を高めつつ、耐久性を向上させることは困難であり、また駆動電圧を下げることができたとしても、素子の発光効率、耐久寿命の両立が不十分であった。このように、高い発光効率と耐久寿命を両立させる技術は未だ見出されていない。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、発光効率および耐久寿命を改善した有機薄膜発光素子を提供することを目的とするものである。
本発明は、下記一般式(1)で表されるモノアミン誘導体である。
Figure 2016009823
式中、L〜Lは単結合、または置換もしくは無置換の核炭素数6〜12のアリーレン基である。R〜Rのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれ、それ以外は全て重水素である。AおよびAはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれる。
本発明により、高い発光効率を有し、さらに十分な耐久寿命も兼ね備えた有機電界発光素子を提供することができる。
(一般式(1)で表されるモノアミン誘導体)
一般式(1)で表されるモノアミン誘導体について詳細に説明する。
Figure 2016009823
式中、L〜Lは単結合、または置換もしくは無置換の核炭素数6〜12のアリーレン基である。R〜Rのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれ、それ以外は全て重水素である。AおよびAはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれる。
アリーレン基とはアリール基から導かれる2価の基を示し、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、フルオレニレン基、フェナントリレン基、ターフェニレン基、アントラセニレン基、ピレニレン基などが例示される。これらは置換基を有していても有していなくてもよい。アリーレン基の炭素数は特に限定されないが、通常、6以上40以下の範囲である。また、アリーレン基が置換基を有する場合は、置換基も含めて炭素数は6以上60以下の範囲であることが好ましい。
なお、核炭素数6〜12のアリーレン基とは、アリーレン基の中で置換基以外の骨格に含まれる炭層数が6〜12であるものをいう。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ターフェニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、6以上40以下の範囲である。
フルオレニル基は、分子内に存在するメチレン基の水素原子の2つともがアルキル基、特にメチル基に置き換わっていると、電子供与性が増すため好ましい。
従来のモノアミン骨格を有する化合物は、発光素子材料として必ずしも十分な性能を有するものではなかった。例えば、特許文献1〜6には下記式で表されるモノアミン骨格を有する化合物A〜Fが示されている。
Figure 2016009823
しかしながら、これらの化合物を正孔注入層や正孔輸送層に使用した素子では、未だ十分な性能は出せておらず、効率、耐久性の面で更なる特性向上が可能となる化合物の創出が求められている。
本発明者らは、その改良の検討において、窒素原子に直接連結する置換基の効果について着目した。一般に、モノアミン骨格を有する化合物において窒素原子上をアリール基で置換すると、蛍光量子効率が高くなり、それに伴い一重項励起状態の安定性が増すため、分子が励起状態において分解しにくくなる。しかしながら、核炭素数の多いアリール基を窒素原子上に直接連結させるか、もしくは分子内に共存させると、蛍光量子効率は高くなる傾向にある一方、共役が広すぎることで一重項状態でのエネルギーギャップが小さくなる。その結果、正孔輸送材料の要求特性の1つとして重要である電子ブロック性を損ねることになるので、高発光効率化の観点から好ましくない。また、三重項発光型の発光素子や熱活性化型の遅延蛍光素子において重要な値である三重項準位も著しく小さくなるため、三重項励起状態を経由するドーパントを利用した素子においても、発光効率を低下させる要因となるため、好ましくない。たとえば、化合物Fは、分子内にピレン骨格を含んでおり、上記の理由から好ましくない。
そのため、窒素原子に直接連結する置換基はフェニル基のように炭素数を限定することで高発光効率化が達成できる。さらに分子内には、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、ターフェニル基、フルオレニル基といった、核炭素数が少なく、共役が広すぎない置換基を導入することが、高効率化の達成には重要である。ただし、核炭素数が大きくても、トリフェニレニル基のように高い三重項エネルギーを有する置換基であれば、発光効率低下の原因とはならないため、好ましい置換基である。
さらに本発明者らは、従来のモノアミン骨格を有する化合物の多くは、窒素原子上の置換基が重水素化されていないため、蛍光量子効率が低下し、素子の連続駆動時の輝度劣化、すなわち耐久性の低下につながっているのではないかと考えた。そこで本発明の化合物のように窒素原子上のフェニル基を重水素化させることで、蛍光量子効率を高め、励起状態の安定性を向上させ、素子駆動時の耐久性を向上できるのではないかと考えた。
以上のように、発明者らは鋭意検討の結果、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体が発光効率および耐久性を向上させることを見出し、本発明に至った。
一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は、分子中に重水素化されたフェニル基を少なくとも1つ有することが、高い蛍光量子効率を有するために好ましい。
共役を広げすぎないという観点から、一般式(1)におけるR〜Rのうち、少なくとも1つは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれることが好ましい。また、それ以外は全て重水素であると、蛍光量子効率が向上し、一重項励起状態の安定性が増すため好ましい。
一般式(1)におけるLおよびLが置換の核炭素数6〜12のアリーレン基であるとき、置換基としては、共役にほとんど影響を与えず、高い三重項準位を維持することができるという観点から、アルキル基またはハロゲンが好ましい。
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
一般式(1)におけるA、すなわちAおよびAが、置換されている場合の置換基としては、共役にほとんど影響を与えず、高い三重項準位を維持することができるという観点から、アルキル基またはハロゲンが好ましい。
およびLの好ましい例としては、共役を広げすぎないという観点から、フェニレン基、ナフチレン基、フェナントレニレン基、ターフェニレン基、フルオレニレン基が好ましい。AおよびAの好ましい例としては、共役を広げすぎないという観点から、フェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、ターフェニル基、フルオレニル基が好ましい。
なかでも、一般式(1)が一般式(2)で表されるように、重水素化されたベンゼン環が、窒素原子上に2つ置換することで、さらに蛍光量子効率が向上するため、好ましい。
Figure 2016009823
式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R〜R10のうち、少なくとも1つは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれ、それ以外は全て重水素である。
さらに、一般式(2)が、一般式(3)で表されるように、重水素化されたベンゼン環上のパラ位に置換もしくは無置換の核炭素数6〜12のアリール基を有することにより、共役が広がることで励起状態の安定性が向上し、さらに正孔輸送性も向上することで、素子の低駆動電圧化につながるため、好ましい。
Figure 2016009823
式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。ArおよびArはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれる。
さらに、一般式(3)が、一般式(4)で表されるように、ArおよびArが置換もしくは無置換のフェニル基であることにより、エネルギーギャップを大きく低下させることなく正孔輸送性が向上するので、好ましい。また、分子量も増えすぎないため、昇華性での安定性も向上するため好ましい。
Figure 2016009823
式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R101〜R110はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、重水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、ハロゲン、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、シリル基及び−P(=O)R111112からなる群より選ばれる。R111およびR112はアリール基またはヘテロアリール基である。またR111およびR112が縮合して環を形成していてもよい。
これらの置換基のうち、水素は重水素であってもよい。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、通常、3以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもいなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は置換基を有していてもいなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1以上20以下の範囲である。
カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基などのケイ素原子への結合を有する官能基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シリル基の炭素数は特に限定されないが、通常、3以上20以下の範囲である。また、ケイ素数は、通常、1以上6以下の範囲である。
−P(=O)R1112は置換基を有していても有していなくてもよい。
ヘテロアリール基とは、フラニル基、チオフェニル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基などの炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上30以下の範囲である。
さらに、一般式(4)が、一般式(5)で表されるように、ArおよびArに置換おけるR101、R102、R104〜R107、R109およびR110が水素または重水素であることで、さらに蛍光量子効率が向上するため、素子の高効率化につながり、好ましい。
Figure 2016009823
式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R103およびR108は一般式(4)におけるものと同様であり、それぞれ同じでも異なっていてもよい。aおよびbはそれぞれ0〜4であり、aおよびbが0〜3のとき、重水素以外の部分は水素である。
さらに、一般式(5)が、一般式(6)で表されるように、ArおよびArにおけるR101、R102、R104〜R107、R109およびR110が重水素であることで、より蛍光量子効率が向上し、励起状態の安定性が向上するため、好ましい。
Figure 2016009823
式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R103およびR108は一般式(4)におけるものと同様であり、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
103およびR108は分子量の観点から置換もしくは無置換のフェニル基が好ましく、さらに水素が全て重水素化されたものが、蛍光量子効率を向上させるため好ましい。
上記一般式(1)で表されるモノアミン誘導体としては、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。なお、以下は例示であり、ここに明記された化合物以外であっても一般式(1)で表されるものであれば同様に好ましく用いられる。
Figure 2016009823
Figure 2016009823
Figure 2016009823
Figure 2016009823
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Figure 2016009823
Figure 2016009823
Figure 2016009823
Figure 2016009823
Figure 2016009823
Figure 2016009823
上記のようなモノアミン骨格を有する化合物の合成には、公知の方法を使用することができる。合成法としては、例えば、パラジウムや銅触媒を用いた1級もしくは2級アミン誘導体とハロゲン化物またはトリフラート化体とのカップリング反応を用いる方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。一例として、p−クロロアニリンとブロモビフェニルを用いた例を以下に示す。
Figure 2016009823
(発光素子材料)
一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は発光素子材料として好ましく用いられる。ここで本発明における発光素子材料とは、発光素子のいずれかの層に使用される材料を表し、後述するように、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および/または電子輸送層に使用される材料であるほか、陰極の保護膜に使用される材料も含む。本発明における一般式(1)で表されるモノアミン誘導体を発光素子のいずれかの層に使用することにより、高い発光効率が得られ、かつ耐久性に優れた発光素子が得られる。
(発光素子)
次に、本発明の発光素子の実施の形態について詳細に説明する。本発明の発光素子は、陽極と陰極、およびそれら陽極と陰極との間に介在する有機層を有し、該有機層が電気エネルギーにより発光する。
このような発光素子における陽極と陰極の間の層構成は、発光層のみからなる構成の他に、1)発光層/電子輸送層、2)正孔輸送層/発光層、3)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、4)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、5)正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、6)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、といった積層構成が挙げられる。
さらに、上記の積層構成を中間層を介して複数積層したタンデム型であってもよい。中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、公知の材料構成を用いることができる。タンデム型の具体例は、例えば7)正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷発生層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、8)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/電荷発生層/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層といった、陽極と陰極の間に中間層として電荷発生層を含む積層構成が挙げられる。中間層を構成する材料としては、具体的にはピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体が好ましく用いられる。
また、上記各層は、それぞれ単一層、複数層のいずれでもよく、ドーピングされていてもよい。さらに上記各層は、陽極、発光層を含む一以上の有機層、陰極を含み、さらに光学干渉効果に起因して発光効率を向上させるためのキャッピング材料を用いた層を含む素子構成も挙げられる。
一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は、発光素子において上記のいずれの層に用いられてもよいが、正孔輸送層に特に好適に用いられる。
本発明の発光素子において、陽極と陰極は素子の発光のために十分な電流を供給するための役割を有するものであり、光を取り出すために少なくとも一方は透明または半透明であることが望ましい。通常、基板上に形成される陽極を透明電極とする。
(陽極)
陽極に用いる材料は、正孔を有機層に効率よく注入できる材料、かつ光を取り出すために透明または半透明であれば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)などの導電性金属酸化物、あるいは、金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなど特に限定されるものでないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に望ましい。これらの電極材料は、単独で用いてもよいが、複数の材料を積層または混合して用いてもよい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、20Ω/□以下の低抵抗の基板を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常45〜300nmの間で用いられることが多い。
また、発光素子の機械的強度を保つために、発光素子を基板上に形成することが好ましい。基板は、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましい。または、SiOなどのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用することもできる。さらに、第一電極が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えば、プラスチック基板上に陽極を形成しても良い。ITO膜形成方法は、電子線ビーム法、スパッタリング法および化学反応法など特に制限を受けるものではない。
(陰極)
陰極に用いる材料は、電子を効率よく発光層に注入できる物質であれば特に限定されない。一般的には白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金属、またはこれらの金属とリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属との合金や多層積層などが好ましい。中でも、主成分としてはアルミニウム、銀、マグネシウムが電気抵抗値や製膜しやすさ、膜の安定性、発光効率などの面から好ましい。特にマグネシウムと銀で構成されると、本発明における電子輸送層および電子注入層への電子注入が容易になり、低電圧駆動が可能になるため好ましい。
さらに、陰極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウムおよびインジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、シリカ、チタニアおよび窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物などの有機高分子化合物を、保護膜層として陰極上に積層することが好ましい例として挙げられる。ただし、陰極側から光を取り出す素子構造(トップエミッション構造)の場合は、保護膜層は可視光領域で光透過性のある材料から選択される。これらの電極の作製法は、抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティングおよびコーティングなど特に制限されない。
(正孔注入層)
正孔注入層は陽極と正孔輸送層の間に挿入される層である。正孔注入層は1層であっても複数の層が積層されていてもどちらでもよい。正孔輸送層と陽極の間に正孔注入層が存在すると、より低電圧駆動し、耐久寿命も向上するだけでなく、さらに素子のキャリアバランスが向上して発光効率も向上するため好ましい。
正孔注入層に用いられる材料は特に限定されないが、例えば、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)、4,4’−ビス(N,N−ビス(4−ビフェニリル)アミノ)ビフェニル(TBDB),ビス(N,N’−ジフェニル−4−アミノフェニル)−N,N−ジフェニル−4,4’ −ジアミノ−1,1’−ビフェニル(TPD232)といったベンジジン誘導体、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミン(1−TNATA)などのスターバーストアリールアミンと呼ばれる材料群、ビス(N−アリールカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体、チオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが用いられる。また、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体を用いることもできる。中でも一般式(1)で表されるモノアミン誘導体より浅いHOMO準位を有し、陽極から正孔輸送層へ円滑に正孔を注入輸送するという観点からベンジジン誘導体、スターバーストアリールアミン系材料群がより好ましく用いられる。
これらの材料は単独で用いてもよいし、2種以上の材料を混合して用いてもよい。また、複数の材料を積層して正孔注入層としてもよい。さらにこの正孔注入層が、アクセプター性化合物単独で構成されているか、または上記のような正孔注入材料にアクセプター性化合物をドープして用いると、上述した効果がより顕著に得られるのでより好ましい。アクセプター性化合物とは、単層膜として用いる場合は接している正孔輸送層と、ドープして用いる場合は正孔注入層を構成する材料と電荷移動錯体を形成する材料である。このような材料を用いると正孔注入層の導電性が向上し、より素子の駆動電圧低下に寄与し、発光効率の向上、耐久寿命向上といった効果が得られる。
アクセプター性化合物の例としては、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アンチモンのような金属塩化物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ルテニウムのような金属酸化物、トリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート(TBPAH)のような電荷移動錯体が挙げられる。また分子内にニトロ基、シアノ基、ハロゲンまたはトリフルオロメチル基を有する有機化合物や、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなども好適に用いられる。これらの化合物の具体的な例としては、ヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4−TCNQ)、ラジアレーン誘導体、p−フルオラニル、p−クロラニル、p−ブロマニル、p−ベンゾキノン、2,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ジクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、1,2,4,5−テトラシアノベンゼン、o−ジシアノベンゼン、p−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、p−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、o−ジニトロベンゼン、p−シアノニトロベンゼン、m−シアノニトロベンゼン、o−シアノニトロベンゼン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフトキノン、1−ニトロナフタレン、2−ニトロナフタレン、1,3−ジニトロナフタレン、1,5−ジニトロナフタレン、9−シアノアントラセン、9−ニトロアントラセン、9,10−アントラキノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,3,5,6−テトラシアノピリジン、マレイン酸無水物、フタル酸無水物、C60、およびC70などが挙げられる。
これらの中でも、金属酸化物やシアノ基含有化合物が取り扱いやすく、蒸着もしやすいことから、容易に上述した効果が得られるので好ましい。正孔注入層がアクセプター性化合物単独で構成される場合、または正孔注入層にアクセプター性化合物がドープされている場合のいずれの場合も、正孔注入層は1層であってもよいし、複数の層が積層されて構成されていてもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、陽極から注入された正孔を発光層まで輸送する層である。正孔輸送層は単層であっても複数の層が積層されて構成されていてもどちらでもよい。
一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は、5.1〜6.0eVのイオン化ポテンシャル(蒸着膜のAC-2(理研計器)測定値)、高い三重項エネルギー準位、高い正孔輸送性および薄膜安定性を有しているため、発光素子の正孔注入層および正孔輸送層に用いることが好ましい。また、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は、従来のベンジジン骨格を有する正孔輸送材料に対してエネルギーギャップが大きいため、LUMO準位が高く、電子ブロック性に優れる。さらに、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は三重項発光材料を使用した素子の正孔輸送材料として用いることが好ましい。従来のベンジジン骨格を有する正孔輸送材料は三重項準位が低く、三重項発光材料を含有する発光層に直接接していると三重項エネルギーの漏れが発生し、発光効率が低下するが、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は高い三重項エネルギーを有しており、そのような問題が生じないからである。
複数層の正孔輸送層から構成される場合は、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体を含む正孔輸送層は発光層に直接接していることが好ましい。一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は高い電子ブロック性を有しており、発光層から流れ出る電子の侵入を防止することができるからである。さらに、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体は、高い三重項準位を有しているため、三重項発光材料の励起エネルギーを閉じ込める効果も有している。そのため、発光層に三重項発光材料が含まれる場合も、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体を含む正孔輸送層は、発光層に直接接していることが好ましい。
正孔輸送層は一般式(1)で表されるモノアミン誘導体のみから構成されていてもよいし、本発明の効果を損なわない範囲で他の材料が混合されていてもよい。この場合、用いられる他の材料としては、例えば、4,4’−ビス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)、4,4’−ビス(N,N−ビス(4−ビフェニリル)アミノ)ビフェニル(TBDB),ビス(N,N’−ジフェニル−4−アミノフェニル)−N,N−ジフェニル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル(TPD232)といったベンジジン誘導体、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス(1−ナフチル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミン(1−TNATA)などのスターバーストアリールアミンと呼ばれる材料群、ビス(N−アリールカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)などのビスカルバゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体、チオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾールおよびポリシランなどが挙げられる。
なお、有機層に少なくとも発光層と、該発光層と前記陽極の間の複数の有機層が存在し、前記複数の有機層のうち前記発光層と接する層に一般式(1)で表されるモノアミン誘導体を含有し、前記複数の有機層のうち前記発光層と接する層以外の層に下記一般式(7)または(8)で表される化合物を有する構成も好ましい。
Figure 2016009823
式中、L101およびL201は置換もしくは無置換の核炭素数10〜40のアリーレン基である。Ar101〜Ar104はそれぞれおなじでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のヘテロアリール基である。R401〜R408はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、ハロゲン、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基およびカルバモイル基、シリル基及び−P(=O)R1617からなる群より選ばれる。R16およびR17はアリール基またはヘテロアリール基である。またR16およびR17が縮合して環を形成していてもよい。Ar201〜Ar204は、それぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のヘテロアリール基である。
(発光層)
発光層は単一層、複数層のどちらでもよく、それぞれ発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成され、これはホスト材料とドーパント材料との混合物であっても、ホスト材料単独であっても、2種類のホスト材料と1種類のドーパント材料との混合物であっても、いずれでもよい。すなわち、本発明の発光素子では、各発光層において、ホスト材料もしくはドーパント材料のみが発光してもよいし、ホスト材料とドーパント材料がともに発光してもよい。電気エネルギーを効率よく利用し、高色純度の発光を得るという観点からは、発光層はホスト材料とドーパント材料の混合からなることが好ましい。また、ホスト材料とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれでもよい。ドーパント材料は積層されていても、分散されていても、いずれでもよい。ドーパント材料は発光色の制御ができる。ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消光現象が起きるため、ホスト材料に対して30重量%以下で用いることが好ましく、さらに好ましくは20重量%以下である。ドーピング方法は、ホスト材料との共蒸着法によって形成することができるが、ホスト材料と予め混合してから同時に蒸着してもよい。
発光材料は、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体の他に、以前から発光体として知られていたアントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを始めとする金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使用できるが特に限定されるものではない。
発光材料に含有されるホスト材料は、化合物一種のみに限る必要はなく、本発明の複数の化合物を混合して用いたり、その他のホスト材料の一種類以上を混合して用いたりしてもよい。また、積層して用いてもよい。ホスト材料としては、特に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの縮合アリール環を有する化合物やその誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、トリス(8−キノリナート)アルミニウム(III)をはじめとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体などが使用できるが特に限定されるものではない。中でも、発光層が三重項発光(りん光発光)を行う際に用いられるホストとしては、金属キレート化オキシノイド化合物、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、トリフェニレン誘導体などが好適に用いられる。その中でも、アントラセン骨格やピレン骨格を有するホスト材料が、高発光効率が得られやすいことから、好ましい。
発光材料に含有されるドーパント材料は、特に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、フルオランテン、トリフェニレン、ペリレン、フルオレン、インデンなどのアリール環を有する化合物やその誘導体(例えば2−(ベンゾチアゾール−2−イル)−9,10−ジフェニルアントラセンや5,6,11,12−テトラフェニルナフタセンなど)、フラン、ピロール、チオフェン、シロール、9−シラフルオレン、9,9’−スピロビシラフルオレン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオキサンテンなどのヘテロアリール環を有する化合物やその誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、4,4’−ビス(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル)ビフェニル、4,4’−ビス(N−(スチルベン−4−イル)−N−フェニルアミノ)スチルベンなどのアミノスチリル誘導体、芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−(2’−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1−gh]クマリンなどのクマリン誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体などが挙げられる。その中でも、ジアミン骨格を含むドーパントや、フルオランテン骨格を含むドーパントを用いることで、高効率発光が得られやすいことから、好ましい。ジアミン骨格を含むドーパントは正孔トラップ性が高く、フルオランテン骨格を含むドーパントは電子トラップ性が高い。
また、発光層が三重項発光(りん光発光)を行う際に用いられるドーパントとしては、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)からなる群から選択される少なくとも一つの金属を含む金属錯体化合物であることが好ましい。配位子は、フェニルピリジン骨格またはフェニルキノリン骨格またはカルベン骨格などの含窒素芳香族複素環を有することが好ましい。しかしながら、これらに限定されるものではなく、要求される発光色、素子性能、ホスト化合物との関係から適切な錯体が選ばれる。具体的には、トリス(2−フェニルピリジル)イリジウム錯体、トリス{2−(2−チオフェニル)ピリジル}イリジウム錯体、トリス{2−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジル}イリジウム錯体、トリス(2−フェニルベンゾチアゾール)イリジウム錯体、トリス(2−フェニルベンゾオキサゾール)イリジウム錯体、トリスベンゾキノリンイリジウム錯体、ビス(2−フェニルピリジル)(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、ビス{2−(2−チオフェニル)ピリジル}イリジウム錯体、ビス{2−(2−ベンゾチオフェニル)ピリジル}(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、ビス(2−フェニルベンゾチアゾール)(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、ビス(2−フェニルベンゾオキサゾール)(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、ビスベンゾキノリン(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、ビス{2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジル}(アセチルアセトナート)イリジウム錯体、テトラエチルポルフィリン白金錯体、{トリス(セノイルトリフルオロアセトン)モノ(1,10−フェナントロリン)}ユーロピウム錯体、{トリス(セノイルトリフルオロアセトン)モノ(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)}ユーロピウム錯体、{トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン)モノ(1,10−フェナントロリン)}ユーロピウム錯体、トリスアセチルアセトンテルビウム錯体などが挙げられる。また、特開2009−130141号に記載されているリン光ドーパントも好適に用いられる。これらに限定されるものではないが、高効率発光が得られやすいことから、イリジウム錯体または白金錯体が好ましく用いられる。
ドーパント材料として用いられる上記三重項発光材料は、発光層中に各々一種類のみが含まれていてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。三重項発光材料を二種以上用いる際には、ドーパント材料の総重量がホスト材料に対して30重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは20重量%以下である。
また、発光層には上記ホスト材料および三重項発光材料の他に、発光層内のキャリアバランスを調整するためや発光層の層構造を安定化させるための第3成分を更に含んでいてもよい。但し、第3成分としては、一般式(1)で表されるモノアミン誘導体からなるホスト材料および三重項発光材料からなるドーパント材料との間で相互作用を起こさないような材料を選択する。
三重項発光系における好ましいホストおよびドーパントとしては、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。
Figure 2016009823
Figure 2016009823
(電子輸送層)
本発明において、電子輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送する層である。電子輸送層には、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが望まれる。そのため電子輸送層は、電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求される。特に膜厚を厚く積層する場合には、低分子量の化合物は結晶化するなどして膜質が劣化しやすいため、安定な膜質を保つ分子量400以上の化合物が好ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考えた場合に、電子輸送層が陽極からの正孔が再結合せずに陰極側へ流れるのを効率よく阻止できる役割を主に果たすならば、電子輸送能力がそれ程高くない材料で構成されていても、発光効率を向上させる効果は電子輸送能力が高い材料で構成されている場合と同等となる。したがって、本発明における電子輸送層には、正孔の移動を効率よく阻止できる正孔阻止層も同義のものとして含まれる。
電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、ナフタレン、アントラセンなどの縮合多環芳香族誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)などのキノリノール錯体、ベンゾキノリノール錯体、ヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体およびフラボノール金属錯体などの各種金属錯体が挙げられるが、駆動電圧を低減し、高効率発光が得られることから、炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成され、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環構造を有する化合物を用いることが好ましい。
ここで言う電子受容性窒素とは、隣接原子との間に多重結合を形成している窒素原子を表す。窒素原子が高い電子陰性度を有することから、該多重結合は電子受容的な性質を有する。それゆえ、電子受容性窒素を含む芳香族複素環は、高い電子親和性を有する。電子受容性窒素を有する電子輸送材料は、高い電子親和力を有する陰極からの電子を受け取りやすくし、より低電圧駆動が可能となる。また、発光層への電子の供給が多くなり、再結合確率が高くなるので発光効率が向上する。
電子受容性窒素を含むヘテロアリール環としては、例えば、トリアジン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、ピリミドピリミジン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾール環、フェナンスロイミダゾール環などが挙げられる。
これらのヘテロアリール環構造を有する化合物としては、例えば、トリアジン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体およびナフチリジン誘導体などが好ましい化合物として挙げられる。中でも、トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンなどのイミダゾール誘導体、1,3−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなどのオキサジアゾール誘導体、N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソクプロインや1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどのフェナントロリン誘導体、2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなどのベンゾキノリン誘導体、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロールなどのビピリジン誘導体、1,3−ビス(4’−(2,2’:6’2”−ターピリジニル))ベンゼンなどのターピリジン誘導体、ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなどのナフチリジン誘導体が、電子輸送能の観点から好ましく用いられる。
また、これらの誘導体が、縮合多環芳香族骨格を有していると、ガラス転移温度が向上すると共に、電子移動度も大きくなり発光素子の低電圧化の効果が大きいのでより好ましい。さらに、素子耐久寿命が向上し、合成のし易さ、原料入手が容易であることを考慮すると、縮合多環芳香族骨格はフルオランテン骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格またはフェナントロリン骨格であることがより好ましく、フルオランテン骨格が特に好ましい。すなわち、電子輸送層にフルオランテン骨格を含有する化合物を含むことが特に好ましい。
フルオランテン骨格を含有する化合物として、具体的には、下記一般式(9)で表されるものが好ましい。
Figure 2016009823
式中、Ar301はフルオランテン骨格を含む基を表す。L101およびL102は単結合、置換もしくは無置換のアリーレン基、または置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基である。A101およびA102は、それぞれ、炭素数6〜40の置換もしくは無置換のベンゼン環、炭素数6〜40の置換もしくは無置換の縮合芳香族炭化水素環、炭素数1〜40の置換もしくは無置換の単環芳香族複素環、または炭素数1〜40の置換もしくは無置換の縮合芳香族複素環を表す。但し、A101およびA102を構成する少なくとも1つの原子は電子受容性窒素である。また、L102が置換もしくは無置換のアリーレン基で、且つ、A102が炭素数6〜40の置換もしくは無置換のベンゼン環、または炭素数6〜40の置換もしくは無置換の縮合芳香族炭化水素環の場合、L102とA102で環を形成していてもよい。L101、L102、A101、A102が置換されている場合の置換基は、それぞれ、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基および−P(=O)R201202からなる群より選ばれる。R201およびR202はアリール基またはヘテロアリール基である。またR201およびR202が縮合して環を形成していてもよい。但し、L101、L102が共に単結合の場合、A101およびA102が共に電子受容性窒素を2つ以上有するヘテロアリール基になることはない。また、L101もしくはL102のどちらか一方が単結合の場合、もう一方のL101もしくはL102は電子受容性窒素を2つ以上有するヘテロアリーレン基になることはない。nは1もしくは2である。nが2のとき、2つのL−N(A)(A)は同じでも異なっていてもよい。但し、ヘテロアリーレン基としてカルバゾリレン基は含まない。また、nが2で、且つ、L102が単結合の場合、L101が3環以上のアセンになることはない。
フルオランテン骨格を含む基とは、フルオランテン骨格を分子構造内に有する基であり、置換基を有していても有していなくてもよい。隣接する置換基で環を形成してもよく、隣接する置換基で形成された環の大きさについては特に限定されないが、分子構造の安定性の観点から5員環もしくは6員環が好ましい。また、形成される環は脂肪族環でも芳香族環でもよい。隣接する置換基で形成された環はさらに置換基を有していてもよく、もしくはさらに縮環されていてもよい。形成される環には炭素以外のヘテロ原子が含まれていてもよい。特に、炭素および水素のみで環が構成されていると電気化学的安定性が増し、素子の耐久性向上に寄与するため好ましい。フルオランテン骨格を含む基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは、16以上40以下の範囲である。具体的には、例えば、フルオランテニル基、ベンゾフルオランテニル基、ベンゾアセアントリレニル基、ベンゾアセフェナントレニル基、インデノフルオランテニル基、アセナフトフルオランテニル基などが挙げられる。
上記一般式(9)で表されるフルオランテン誘導体のL102−N(A101)(A102)において、A101およびA102を構成する少なくとも1つの原子は電子受容性窒素である。尚、A101およびA102で表される置換基は、電子受容性窒素を含む基がNに直接結合していてもよいし、電子受容性窒素を含む基が連結基を介して置換されていてもよい。具体的には、A101がベンゼン環で、A102がピリジル基で置換されたベンゼン環であってもよい。ここで、電子受容性窒素とは、隣接原子との間に多重結合を形成している窒素原子を表す。窒素原子が高い電気陰性度を有することから、該多重結合は電子受容的な性質を有する。それゆえ、電子受容性窒素を有するL102−N(A101)(A102)は、高い電子親和性をもつ。このため、上記一般式(9)で表されるフルオランテン誘導体を電子輸送層に用い、かつ一般式(1)で表されるモノアミン誘導体を正孔輸送層に用いた場合には、発光素子のキャリアバランスの改善ができ、発光効率を大幅に向上させることができる。また、発光素子の長寿命化にも寄与する。
上述のヘテロアリール環構造を有する化合物の中でも、以下の一般式(10)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016009823
式中、Ar401〜Ar402は、置換もしくは無置換のフェニル基、ピリジル基、ピリミジル基を表す。Ar403〜Ar404は、置換もしくは無置換の核炭素数10〜20のアリール基または置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。X〜Xは炭素原子または窒素原子を表す。ただし、X〜Xの少なくとも2つは窒素原子である。L およびL は、フェニレン基またはピリジレン基を表す。p〜qは、それぞれ0から2の整数を表す。Ar〜Arは昇華精製時の熱安定性を考慮すると、置換もしくは無置換のフェニル基が好ましい。これらに置換する場合の置換基としては、昇華精製時の熱安定性を考慮すると、アルキル基、シアノ基、もしくはハロゲンが好ましい。Ar403〜Ar404は、非晶質の薄膜形成が容易で、かつ電子移動度が向上するという観点から、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、カルバゾリル基が好ましい。これらに置換する場合の置換基としては、昇華精製時の熱安定性を考慮すると、アルキル基、シアノ基、もしくはハロゲンが好ましい。X〜Xが全て窒素原子であると、LUMO準位が深くなることで陰極からの電子注入性が改善され、高い発光効率が達成できる。さらに、発光素子において一般式(1)のモノアミン誘導体を正孔輸送層に使用することで、キャリアバランスが大幅に改善され、駆動電圧低減化、発光効率の向上、長寿命化が達成できるため好ましい。
〜L は、分子量を大きくしすぎないという観点から、フェニレン基またはピリジレン基を表す。これらに置換する場合の置換基としては、昇華精製時の熱安定性を考慮して、アルキル基、シアノ基、もしくはハロゲンが好ましい。p〜qは、それぞれ分子量を大きくしすぎないという観点から、0または1が好ましい。
上記電子輸送材料は単独でも用いられるが、上記電子輸送材料の2種以上を混合して用いたり、その他の電子輸送材料の一種以上を上記の電子輸送材料に混合して用いたりしても構わない。
好ましい電子輸送材料としては、特に限定されるものではないが、具体的には以下のような例が挙げられる。
Figure 2016009823
上記電子輸送材料は単独でも用いられるが、上記電子輸送材料の2種以上を混合して用いたり、その他の電子輸送材料の一種以上を上記の電子輸送材料に混合して用いたりしても構わない。また、ドナー性化合物を含有してもよい。ここで、ドナー性化合物とは電子注入障壁の改善により、陰極または電子注入層からの電子輸送層への電子注入を容易にし、さらに電子輸送層の電気伝導性を向上させる化合物である。
ドナー性化合物の好ましい例としては、アルカリ金属、アルカリ金属を含有する無機塩、アルカリ金属と有機物との錯体、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属を含有する無機塩またはアルカリ土類金属と有機物との錯体などが挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属の好ましい種類としては、低仕事関数で電子輸送能向上の効果が大きいリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムといったアルカリ金属や、マグネシウム、カルシウム、セリウム、バリウムといったアルカリ土類金属が挙げられる。
また、真空中での蒸着が容易で取り扱いに優れることから、金属単体よりも無機塩、あるいは有機物との錯体の状態であることが好ましい。さらに、大気中での取扱を容易にし、添加濃度の制御のし易さの点で、有機物との錯体の状態にあることがより好ましい。無機塩の例としては、LiO、Li2O等の酸化物、窒化物、LiF、NaF、KF等のフッ化物、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3等の炭酸塩などが挙げられる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の好ましい例としては、大きな低電圧駆動効果が得られるという観点ではリチウム、セシウムが挙げられる。また、有機物との錯体における有機物の好ましい例としては、キノリノール、ベンゾキノリノール、ピリジルフェノール、フラボノール、ヒドロキシイミダゾピリジン、ヒドロキシベンズアゾール、ヒドロキシトリアゾールなどが挙げられる。中でも、より発光素子の低電圧化の効果が大きいという観点ではアルカリ金属と有機物との錯体が好ましく、さらに合成のしやすさ、熱安定性という観点からリチウムと有機物との錯体がより好ましく、比較的安価で入手できるリチウムキノリノール(Liq)が特に好ましい。
電子輸送層のイオン化ポテンシャルは、特に限定されないが、好ましくは5.6eV以上8.0eV以下であり、より好ましくは5.6eV以上7.0eV以下である。
発光素子を構成する上記各層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法など特に限定されないが、通常は、素子特性の点から抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が好ましい。
有機層の厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、1〜1000nmであることが好ましい。発光層、電子輸送層、正孔輸送層の膜厚はそれぞれ、好ましくは1nm以上200nm以下であり、さらに好ましくは5nm以上100nm以下である。
本発明の発光素子は、電気エネルギーを光に変換できる機能を有する。ここで電気エネルギーとしては主に直流電流が使用されるが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるよう選ばれるべきである。
本発明の発光素子は、例えば、マトリクスおよび/またはセグメント方式で表示するディスプレイとして好適に用いられる。
マトリクス方式とは、表示のための画素が格子状やモザイク状など二次元的に配置され、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状やサイズは用途によって決まる。例えば、パソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられ、また、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には、赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合、典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法は、線順次駆動方法やアクティブマトリクスのどちらでもよい。線順次駆動はその構造が簡単であるが、動作特性を考慮した場合、アクティブマトリクスの方が優れる場合があるので、これも用途によって使い分けることが必要である。
本発明におけるセグメント方式とは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、このパターンの配置によって決められた領域を発光させる方式である。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示および自動車のパネル表示などが挙げられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
本発明の発光素子は、各種機器等のバックライトとしても好ましく用いられる。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板および標識などに使用される。特に、液晶表示装置、中でも薄型化が検討されているパソコン用途のバックライトに本発明の発光素子は好ましく用いられ、従来のものより薄型で軽量なバックライトを提供できる。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、下記の各実施例にある化合物の番号は上記に記載した化合物の番号を指すものである。
合成例1
化合物[59]の合成
4−クロロアニリン4.13g、ブロモベンゼン−d5・11.54g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム372mg、トリt−ブチルホスフィンテトラフルオロほう酸塩376mg、ナトリウムtert−ブトキシド8.71g、オルトキシレン162mlの混合溶液を窒素気流下、還流下で5時間加熱攪拌した。室温に冷却した後、水を加えて有機層を分液回収した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エバポレートして得られた固体を真空乾燥した後、4−クロロ−N,N−ジ()フェニルアニリン(中間体A)7.44gを得た。
次に、中間体A7.44g、N−ブロモスクシンイミド9.60g、テトラヒドロフラン178mlの混合溶液を窒素気流下、室温で4時間攪拌した。水、トルエンを加えて有機層を抽出し、回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。濃縮物にメタノールを加えてろ過し、得られた固体を真空乾燥した後、中間体B10.91gを得た。
次に、中間体B3.34g、フェニルボロン酸−d5・2.0g、ジクロロビス(とりフェニルホスフィンパラジウム)ジクロリド211mg、1.5M炭酸ナトリウム水溶液21ml、ジメトキシエタン38mlの混合溶液を窒素気流下、還流下で3時間加熱攪拌した。室温に冷却した後、水、トルエンを加えて有機層を回収し、回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレートした。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エバポレートして得られた固体を真空乾燥した後、中間体C2.49gを得た。
次に、中間体C5.60g、[1,1’:3’,1’’−ターフェニル]−5’−イルボロン酸3.75g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム429mg、トリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロほう酸塩550mg、1.27Mリン酸カリウム水溶液14ml、1,4−ジオキサン62mlの混合溶液を窒素気流下、還流下で3時間加熱攪拌した。室温に冷却した後、水を加えてろ過を行い、メタノールで洗浄して真空乾燥した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エバポレートして得られた固体を真空乾燥した後、化合物[59]4.78gを得た。
得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであり、上記で得られた白色固体が化合物[59]であることが確認された。
H−NMR(CDCl(d=ppm)):7.26−7.29(m,2H),7.36−7.51(m,5H),7.61−7.79(m,10H)。
なお、この化合物[59]は、油拡散ポンプを用いて1×10−3Paの圧力下、約320℃で昇華精製を行ってから発光素子材料として使用した。HPLC純度(測定波長254nmにおける面積%)は昇華精製前が99.9%、昇華精製後が99.9%であった。
実施例1
ITO透明導電膜を165nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、正孔注入層として化合物HI−1を10nm蒸着した。正孔輸送層として、化合物[59]を50nm蒸着した。次に、発光層として、ホスト材料に化合物H−1を、ドーパント材料に化合物D−1を用い、ドーパント材料のドープ濃度が3重量%になるようにして20nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送層として、化合物E−1を30nmの厚さに積層した。
次に、リチウムキノリノールを1nm蒸着した後、マグネシウムと銀の共蒸着膜を蒸着速度比がマグネシウム:銀=10:1(=0.5nm/s:0.05nm/s)で60nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、外部量子効率4.8%の青色発光が得られた。なお、外部量子効率(%)については、分光放射輝度計(CS−1000、コニカミノルタ社製)により得られた正面輝度(cd/m)、ELスペクトルから算出した値を用いた。ただし、得られたELスペクトルはランバシアン(完全拡散面)を仮定して外部量子効率を算出した。この発光素子を10mA/cmの直流で連続駆動したところ、1550時間で輝度半減した。なお化合物HI−1、H−1、D−1、ET−1は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
実施例2〜8、比較例1〜8
正孔輸送層として表1に記載した材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。各実施例および比較例の結果を表1に示す。なお、HT−1〜HT−8は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
実施例9〜16
正孔輸送層、発光層および電子輸送層を表1に記載した材料を用いたこと以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。各実施例の結果を表1に示す。なお、H−2、D−2、ET−2は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
Figure 2016009823
実施例17
ITO透明導電膜を165nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、正孔注入層として化合物HI−1を10nm蒸着した。次に、第一正孔輸送層として、HT−1を40nm蒸着した。次に、第二正孔輸送層として、化合物[59]を10nm蒸着した。次に、発光層として、ホスト材料に化合物H−1を、ドーパント材料に化合物D−1を用い、ドーパント材料のドープ濃度が3重量%になるようにして20nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送層として、化合物ET−1を30nmの厚さに積層した。
次に、リチウムキノリノールを1nm蒸着した後、マグネシウムと銀の共蒸着膜を蒸着速度比がマグネシウム:銀=10:1(=0.5nm/s:0.05nm/s)で60nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、外部量子効率4.9%の青色発光が得られた。この発光素子を10mA/cmの直流で連続駆動したところ、1570時間で輝度半減した。
実施例18〜40、比較例9〜16
第一正孔輸送層、第二正孔輸送層として表2に記載した材料を用いたこと以外は実施例17と同様にして発光素子を作製した。各実施例の結果を表2に示す。
Figure 2016009823
実施例41
ITO透明導電膜を90nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、正孔注入層として化合物HI−1を10nm蒸着した。次に、第一正孔輸送層として、HT−1を110nm蒸着した。次に、第二正孔輸送層として、化合物[59]を20nm蒸着した。次に、発光層として、ホスト材料に化合物H−2を、ドーパント材料に化合物D−2を用い、ドーパント材料のドープ濃度が10重量%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送層として、化合物E−1を20nmの厚さに積層した。
次に、リチウムキノリノールを1nm蒸着した後、マグネシウムと銀の共蒸着膜を蒸着速度比がマグネシウム:銀=10:1(=0.5nm/s:0.05nm/s)で60nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、発光効率46.5lm/Wの緑色発光が得られた。なお、発効効率(lm/W)については分光放射輝度計(CS−1000、コニカミノルタ社製)の測定により得られる正面輝度(cd/cm)と、素子に投入した電力密度(W/cm)および放射角(sr,ステラジアン)から算出した。この発光素子を10mA/cmの直流で連続駆動したところ、5450時間で輝度半減した。なお、H−3、D−3は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
実施例42〜48、比較例17〜24
正孔輸送層として表3に記載した材料を用いたこと以外は実施例41と同様にして発光素子を作製し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2016009823
実施例49
ITO透明導電膜を90nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、正孔注入層として化合物HI−1を10nm蒸着した。次に、第一正孔輸送層として、HT−1を110nm蒸着した。次に、第二正孔輸送層として、化合物[59]を20nm蒸着した。次に、発光層として、ホスト材料に化合物H−3を、ドーパント材料に化合物D−3を用い、ドーパント材料のドープ濃度が10重量%になるようにして40nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送層として、化合物ET−1を20nmの厚さに積層した。
次に、リチウムキノリノールを1nm蒸着した後、マグネシウムと銀の共蒸着膜を蒸着速度比がマグネシウム:銀=10:1(=0.5nm/s:0.05nm/s)で60nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、発光効率8.8lm/Wの赤色発光が得られた。この発光素子を10mA/cmの直流で連続駆動したところ、1480時間で輝度半減した。なお、H−4、D−4は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
実施例50〜56、比較例25〜32
第二正孔輸送層として表4に記載した材料を用いたこと以外は実施例49と同様に発光素子を作製し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2016009823
実施例57
ITO透明導電膜を50nm堆積させたガラス基板(ジオマテック(株)製、11Ω/□、スパッタ品)を38×46mmに切断し、エッチングを行った。得られた基板を “セミコクリーン56”(商品名、フルウチ化学(株)製)で15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、正孔注入層として化合物HT−8と化合物HI−2を用い、化合物HT−9に対して化合物HI−2のドープ濃度が5重量%になるようにして10nm蒸着した。次に、第一正孔輸送層として、HT−8を80nm蒸着した。次に、第二正孔輸送層として、化合物[59]を10nm蒸着した。次に、発光層として、ホスト材料に化合物H−1を、ドーパント材料に化合物D−1を用い、ドーパント材料のドープ濃度が3重量%になるようにして20nmの厚さに蒸着した。次に、電子輸送層として、ET−2とリチウムキノリノールを蒸着速度比1:1で混合した層を30nm蒸着した。
次に、リチウムキノリノールを1nm蒸着した後、マグネシウムと銀の共蒸着膜を蒸着速度比がマグネシウム:銀=10:1(=0.5nm/s:0.05nm/s)で60nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子を10mA/cmで直流駆動したところ、外部量子効率5.1%の青色発光が得られた。この発光素子を10mA/cmの直流で連続駆動したところ、1670時間で輝度半減した。なお、HI−2、HT−8、ET−3は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
実施例58〜72、比較例33〜40
第二正孔輸送層として表5に記載した材料を用いたこと以外は実施例57と同様に発光素子を作製し、評価した。結果を表5に示す。なお、ET−4、ET−5は以下に示す化合物である。
Figure 2016009823
Figure 2016009823

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で表されるモノアミン誘導体。
    Figure 2016009823
    (式中、L〜Lは単結合、または置換もしくは無置換の核炭素数6〜12のアリーレン基である。R〜Rのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれ、それ以外は全て重水素である。AおよびAはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれる。)
  2. 前記一般式(1)が下記一般式(2)で表される請求項1に記載のモノアミン誘導体。
    Figure 2016009823
    (式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R〜R10のうち、少なくとも1つは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれ、それ以外は全て重水素である。)
  3. 前記一般式(1)において、AおよびAがそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれ、AおよびAが置換されている場合の置換基がアルキル基またはハロゲンである請求項1に記載のモノアミン誘導体。
  4. 前記一般式(2)が下記一般式(3)で表される請求項2に記載のモノアミン誘導体。
    Figure 2016009823
    (式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。ArおよびArはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフルオレニル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、または置換もしくは無置換のターフェニル基から選ばれる。)
  5. 前記一般式(3)が、下記一般式(4)で表される請求項3記載のモノアミン誘導体。
    Figure 2016009823
    (式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R101〜R110はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、重水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、ハロゲン、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、シリル基及び−P(=O)R111112からなる群より選ばれる。R111およびR112はアリール基またはヘテロアリール基である。またR111およびR112が縮合して環を形成していてもよい。)
  6. 前記一般式(4)が、下記一般式(5)で表される請求項4記載のモノアミン誘導体。
    Figure 2016009823
    (式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R103およびR108は一般式(4)におけるものと同様であり、それぞれ同じでも異なっていてもよい。aおよびbはそれぞれ0〜4であり、aおよびbが0〜3のとき、重水素以外の部分は水素である。)
  7. 前記一般式(5)が、下記一般式(6)で表される請求項5記載のモノアミン誘導体。
    Figure 2016009823
    (式中、LおよびAは一般式(1)におけるものと同様である。R103およびR108は一般式(4)におけるものと同様であり、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  8. 陽極と陰極の間に有機層が存在し、電気エネルギーにより発光する発光素子であって、前記陽極と陰極の間のいずれかの層に請求項1〜6のいずれか記載のモノアミン誘導体を含有することを特徴とする発光素子。
  9. 前記有機層に少なくとも正孔輸送層が存在し、前記正孔輸送層に請求項1〜6のいずれか記載のモノアミン誘導体を含有する請求項7記載の発光素子。
  10. 前記有機層に少なくとも発光層が存在し、前記発光層にアントラセンまたはピレン骨格を有するホスト材料を含む請求項7または8記載の発光素子。
  11. 前記発光層にジアミン骨格またはフルオランテン骨格を含むドーパントを含む請求項9記載の発光素子。
  12. 前記有機層に少なくとも発光層と、該発光層と前記陽極の間の複数の有機層が存在し、前記複数の有機層のうち前記発光層と接する層に請求項1〜6のいずれか記載のモノアミン誘導体を含有し、前記複数の有機層のうち前記発光層と接する層以外の層に下記一般式(7)または(8)で表される化合物を有する請求項7〜10のいずれか記載の発光素子。
    Figure 2016009823
    (式中、L101およびL201は置換もしくは無置換の核炭素数10〜40のアリーレン基である。Ar101〜Ar104はそれぞれおなじでも異なっていてもよく、置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のヘテロアリール基である。R401〜R408はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のフェナントレニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、ハロゲン、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基およびカルバモイル基、シリル基及び−P(=O)R1617からなる群より選ばれる。R16およびR17はアリール基またはヘテロアリール基である。またR16およびR17が縮合して環を形成していてもよい。Ar201〜Ar204は、それぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数6〜60のヘテロアリール基である。)
  13. 前記一般式(8)のAr201〜Ar202の少なくとも一つが置換又は無置換のジメチルフルオレニル基である請求項11記載の発光素子。
  14. 陽極と陰極の間に少なくとも正孔輸送層および発光層が存在し、電気エネルギーにより発光する素子であって、正孔輸送層に請求項1〜6のいずれか記載のモノアミン誘導体を含有し、発光層に三重項発光材料を含有することを特徴とする発光素子。
  15. 前記正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が存在し、正孔注入層がアクセプター性化合物を含有する請求項7〜13のいずれか記載の発光素子。
  16. 発光層と陰極との間に少なくとも電子輸送層が存在し、電子輸送層が電子受容性窒素を含み、さらに炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成されるヘテロアリール環構造を有する化合物を特徴とする請求項7〜14のいずれか記載の発光素子。
  17. 前記電子輸送層が下記一般式(10)で表される請求項8〜16のいずれか記載の発光素子。
    Figure 2016009823
    (式中、Ar〜Arは、置換もしくは無置換のフェニル基、ピリジル基、ピリミジル基を表す。Ar〜Arは、置換もしくは無置換の核炭素数10〜20のアリール基または置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表す。X〜Xは炭素原子または窒素原子を表す。ただし、X〜Xの少なくとも2つは窒素原子である。L およびL は、フェニレン基またはピリジレン基を表す。p〜qは、それぞれ0から2の整数を表す。)
  18. 前記電子輸送層にフルオランテン骨格を含有する化合物を含む請求項8〜16のいずれか記載の発光素子。
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