JPWO2016006693A1 - 視認性確保材および視認性確保材吐出装置 - Google Patents

視認性確保材および視認性確保材吐出装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、術野を一定時間確保することができ、光の透過を妨げず、繊細な操作も良好に行い得る視認性を確保可能な視認性確保材を提供することを目的とする。本発明の視認性確保材は、ゲル状の粘弾性体を含み、使用時の貯蔵弾性率が40Pa〜700Paである。また、本発明の視認性確保材吐出装置は、シリンジと、メッシュフィルター、ニードル、および、塗布ノズルからなる群より選択される少なくとも1種とを含む。

Description

本発明は、視認性確保材および視認性確保材の吐出時に用いられる装置に関する。
手術時に出血等から術野を確保するための手段として、ガーゼ、生理食塩水、電気メス、フィブリン糊等が用いられている。ガーゼや生理食塩水を用いる場合、常に体液を除去する必要があり、また術野が確保される時間も短い。また、電気メスを用いる場合、出血が多い際には出血点がわからず、不要な部分まで焼く可能性があり、さらに組織に手術痕が残る場合がある。さらに、フィブリン糊は、組織に固着し、除去が困難であるため、癒着の原因となり得る。また、光の透過を妨げるため、十分な視認性が確保できない場合があり、特に眼科分野では使用が困難である。
また、透明性を有するゲル状の粘弾性体の視認性確保材としての有用性が注目されている。例えば、自己組織化ペプチドは、水溶液中にて自己組織化してチキソトロピック特性を有するゲル(以下、「自己組織化ペプチドゲル」と称する)を形成することができる(例えば、特許文献1、2)。近年、係るゲル形成能に着目して、自己組織化ペプチドを止血材等の医療用途に利用することが提案されている(例えば、特許文献3、4)。しかしながら、ゲル越しに切開や縫合といった繊細な操作を行うために必要な視認性を確保するためには改善の余地がある。
米国特許第5670483号 WO2010/103887 特許第5204646号 WO2006/116524
本発明者らは、ゲル状の粘弾性体の物理特性(例えば、強度)が術野への血液などの体液流入防止効果に影響を与えることを見出した。しかし、良好に体液流入防止効果を発揮できる強度のゲル状の粘弾性体をシリンジから創傷部に適応すると、ゲルが紐状となり、創傷部の被覆性に劣る場合があることを見出した。さらに、そのまま吐出したゲルは表面に凹凸が多く、ゲルが透明であっても術野の視認性が不十分になることがある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、術野を一定時間確保することができ、光の透過を妨げず、繊細な操作も良好に行い得る視認性を確保可能な視認性確保材を提供することにある。
本発明の視認性確保材は、ゲル状の粘弾性体を含む。この視認性確保材の使用時の貯蔵弾性率は40Pa〜700Paである。
1つの実施形態においては、上記視認性確保材の広がり評価試験で測定した面積は2.0cm以上である。
1つの実施形態においては、上記視認性確保材は、消化器外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、脳神経外科、耳鼻科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、口腔外科、歯科での治療に用いられる。
1つの実施形態においては、上記視認性確保材は、眼科での治療に用いられる。
本発明の別の局面においては、視認性確保材吐出装置が提供される。この視認性確保材吐出装置は、シリンジとメッシュフィルター、ニードル、および、塗布ノズルからなる群より選択される少なくとも1種とを含む。
1つの実施形態においては、上記メッシュフィルターの目開きは、1mm未満である。
1つの実施形態においては、上記メッシュフィルターのメッシュサイズは、10メッシュより大きい。
1つの実施形態においては、上記ニードルの内径は1mm未満である。
1つの実施形態においては、上記塗布ノズルの先端の内径は1mm未満である。
本発明によれば、血液等の体液が術野に進入することを防止し、繊細な操作も良好に行い得る視認性を確保可能な視認性確保材が提供される。さらに、本発明の視認性確保材は、適用される組織上に速やかに広がり、かつ、組織上から流れ落ちる等の不具合をも防止し得る。また、使用後は組織上から容易に除去することができ、視認性確保材の使用による組織への悪影響をも防止し得る。
本発明の1つの実施形態における吐出装置の分解状態を示す概略斜視図であり、(a)が外筒、(b)が押し子、(c)がフィルターユニットである。 図1に示す吐出装置の組み立て状態を示す概略斜視図である。 フィルターユニットの概略断面図である。 本発明の別の実施形態における吐出装置の組み立て状態を示す概略斜視図である。 本発明の吐出装置の一部として取り付けられ得る塗布ノズルの一例を示す概略斜視図である。 図2の吐出装置に塗布ノズルを取り付けた状態を示す概略斜視図である。 図4の吐出装置に塗布ノズルを取り付けた状態を示す概略斜視図である。 (a)は、実施例4における吐出直後における自己組織化ペプチドゲルの写真であり、(b)は、比較例1における吐出直後における自己組織化ペプチドゲルの写真である。 自己組織化ペプチドゲルの貯蔵弾性率を示すグラフである。
[A.視認性確保材]
本発明の視認性確保材は、ゲル状の粘弾性体を含む。本明細書において、ゲルとは、粘性的な性質と弾性的な性質とを併せ持つ粘弾性物質を意味する。具体的には、動的粘弾性測定を行なって、貯蔵弾性率G’および損失弾性率G’’を測定したときに、「G’>G’’」となる物質をゲルということができる。
本発明の視認性確保材の使用時(例えば、適用される組織との接触時)の貯蔵弾性率は40Pa〜700Paであり、好ましくは100Pa〜600Paであり、より好ましくは150Pa〜500Paである。貯蔵弾性率が上記の範囲内であれば、血液等の体液が術野に進入することを防止し、良好な視認性を確保し得る。また、後述する視認性確保材吐出装置として、シリンジを備えるものを用いる場合であっても、より容易に吐出することができる。本明細書においては、シリンジとは外筒と押し子とを備えたものをいう。なお、本明細書において、貯蔵弾性率とは、特段の記載が無い限りにおいて、回転式レオメーターを用いて37℃で周波数を変化させながら行う動的粘弾性測定において角振動数が1ラジアン/秒であるときの貯蔵弾性率(G’)を意味する。
なお、視認性確保材の使用時以外の貯蔵弾性率は上記の範囲外であってもよい。例えば、貯蔵弾性率が700Paを超える視認性確保材を後述する吐出装置を用いて吐出しながら使用することにより、使用時の貯蔵弾性率を上記の範囲内とすることができる。
本発明の視認性確保材は、適度な広がりやすさを有するものであることが好ましい。広がりやすさの指標としては、例えば、以下の広がり試験における面積が挙げられる。この広がり試験における視認性確保材の面積は、2.0cm以上であることが好ましく、2.5cm以上であることがより好ましく、3.0cm以上であることがさらに好ましい。このような特性を有する視認性確保材であれば、速やかに適用される組織上に広がり、所望の部分を被覆し得る。さらに、所望の部分が広範囲であっても、大量に使用することなく、十分に術野を被覆することができ、視認性を確保し得る。上記面積は、例えば、6cm以下であることが好ましい。広がり試験における広がりやすさの評価方法は、実施例に記載の方法が挙げられる。
上記視認性確保材の可視光線透過率は好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。視認性確保材の可視光線透過率が上記の範囲内であれば、術野を良好に確保し得る。本明細書において、可視光線透過率は波長380nm〜780nmの光線透過率であり、例えば、分光光度計を用いることにより測定することができる。
本発明の視認性確保材は、好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8、さらに好ましくは5.5〜7.5、特に好ましくは6〜7のpHを有する。pHが当該範囲内であると、細胞障害性を低減することができる。また、粘弾性体として自己組織化ペプチドを用いる場合、加熱時における自己組織化ペプチドの加水分解を回避し得る。そのため、視認性確保材を高圧蒸気滅菌などの加熱を伴う滅菌処理に供され得る。また、自己組織化ペプチド間に本来意図される分子間相互作用を生じさせることができる。
本発明の視認性確保材は、好ましくは200mOsm/kg・HO〜400mOsm/kg・HO、より好ましくは257mOsm/kg・HO〜372mOsm/kg・HOの浸透圧を有する。浸透圧が当該範囲内であると、細胞障害性を低減することができる。
[A−1.ゲル状の粘弾性体]
ゲル状の粘弾性体としては、目的等に応じて任意の適切な粘弾性体が用いられ得る。具体例としては、自己組織化ペプチドゲル、ヒアルロン酸、カラギーナンやサクラン等の多糖類ゲル、金属コロイド溶液、グリース、ポリアクリル酸、セルロース等の高分子溶液等が挙げられる。なかでも、本発明の効果が好適に得られることから、自己組織化ペプチドゲルが好ましい。自己組織化ペプチドゲルを用いることにより、組織に対する密着性が高く、また、所望の部分およびその周辺部を容易に被覆し得る。
また、粘弾性体はチキソトロピック特性を有することが好ましい。このような特性を有することにより、適用後にて自発的に強度(貯蔵弾性率)を回復して、体液が術野に進入することを抑制する効果を発揮することができる。さらに、ゲル表面の凹凸がなく滑らかになるので、患部の視認性が高まり、術野を容易に確認することができる。
自己組織化ペプチドゲルとしては、自己組織化ペプチドの自己組織化によって形成される任意の適切なゲルが用いられ得る。代表的には、自己組織化ペプチドゲルは、自己組織化ペプチドを含む水溶液から形成される。
[A−1−1.自己組織化ペプチド]
自己組織化ペプチドとしては、水溶液中においてペプチド分子同士の相互作用を介して自発的に集合してゲルを形成し得る任意の適切なペプチドが用いられ得る。より具体的には、水溶液中においてペプチド分子同士の相互作用を介して自発的に集合して繊維状の分子集合体を形成し、当該分子集合体間の相互作用により三次元網目構造を発達させてゲルを形成し得るペプチドが好ましく用いられ得る。ペプチド分子同士の相互作用としては、例えば、水素結合、イオン間相互作用、ファンデルワールス力等の静電的相互作用および疎水性相互作用が挙げられる。また、繊維状の分子集合体の形成は、顕微鏡観察により確認することができる。
自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸は、L−アミノ酸であってもよく、D−アミノ酸であってもよい。好ましくはL−アミノ酸である。また、天然アミノ酸であってもよく、非天然アミノ酸であってもよい。低価格で入手可能であり、ペプチド合成が容易であることから、好ましくは天然アミノ酸である。
自己組織化ペプチドを構成するアミノ酸残基のpH7.0における電荷の総和は、好ましくは、−3〜−1または+1〜+3であり、より好ましくは、−3、−2、+2または+3である。このように、中性領域において自己組織化ペプチドに含まれるアミノ酸残基の側鎖に由来するプラス電荷とマイナス電荷とが相殺されないことにより、ゲル形成に適した静電的引力及び斥力のバランスが保たれ、その結果として、中性領域で透明かつ安定なゲルを形成し得るからである。なお、本明細書において、「中性領域」とは、pHが6.0〜8.5、好ましくは6.5〜8.0、より好ましくは7.0の領域をいう。
各pHにおける上記自己組織化ペプチドの電荷は、例えば、PROTEIN CALCULATOR v3.4のウェブサイト(http://protcalc.sourceforge.net/)上で利用可能なプログラムにより行なわれ得る。
本発明に好ましく使用され得る自己組織化ペプチドの具体例としては、下記の式(I)のアミノ酸配列からなるペプチドが挙げられる。
db(I)
(上記アミノ酸配列中、a〜aは、塩基性アミノ酸残基であり;b〜bは、非電荷極性アミノ酸残基および/または疎水性アミノ酸残基であり、ただし、そのうちの少なくとも5個は、疎水性アミノ酸残基であり;cおよびcは、酸性アミノ酸残基であり;dは、疎水性アミノ酸残基である。)
上記アミノ酸配列中、a〜aは、塩基性アミノ酸残基である。塩基性アミノ酸は、好ましくはアルギニン、リシン、またはヒスチジンであり、より好ましくはアルギニンまたはリシンである。これらのアミノ酸は、塩基性が強いからである。a〜aは、同一のアミノ酸残基であってもよく、異なるアミノ酸残基であってもよい。
上記アミノ酸配列中、b〜bは、非電荷極性アミノ酸残基および/または疎水性アミノ酸残基であり、そのうちの少なくとも5個は、疎水性アミノ酸残基である。疎水性アミノ酸は、好ましくはアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、グリシン、またはプロリンである。非電荷極性アミノ酸は、好ましくはチロシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、またはシステインである。これらのアミノ酸は、入手が容易だからである。
好ましくは、bおよびbは、それぞれ独立して任意の適切な疎水性アミノ酸残基であり、さらに好ましくはロイシン残基、アラニン残基、バリン残基、またはイソロイシン残基であり、特に好ましくはロイシン残基またはアラニン残基である。
好ましくは、b〜bはすべて疎水性アミノ酸残基である。自己組織化ペプチドが好適にβシート構造を形成し、自己組織化し得るからである。より好ましくは、b〜bは、それぞれ独立してロイシン残基、アラニン残基、バリン残基、またはイソロイシン残基であり、さらに好ましくはロイシン残基またはアラニン残基である。好ましい実施形態においては、b〜bのうちの4個以上がロイシン残基であり、より好ましくはそのうちの5個以上がロイシン残基であり、さらに好ましくは全てがロイシン残基である。
上記アミノ酸配列中、cおよびcは、酸性アミノ酸残基である。酸性アミノ酸は、好ましくはアスパラギン酸またはグルタミン酸である。これらのアミノ酸は、入手が容易だからである。cおよびcは、同一のアミノ酸残基であってもよく、異なるアミノ酸残基であってもよい。
上記アミノ酸配列中、dは、疎水性アミノ酸残基である。dは、好ましくはアラニン残基、バリン残基、ロイシン残基、またはイソロイシン残基である。
1つの好ましい実施形態においては、b、d、bの連続する3つのアミノ酸残基のうち2つがロイシン残基であり、残りがアラニン残基である。この場合、b、d、bのいずれがアラニン残基であってもよい。また、別の好ましい実施形態においては、b、d、bの連続する3つのアミノ酸残基がすべてロイシン残基である。
式(I)のアミノ酸配列の好ましい具体例を以下に例示する。
n−RLDLRLALRLDLR−c(配列番号1)
n−RLDLRLLLRLDLR−c(配列番号2)
n−RADLRLALRLDLR−c(配列番号3)
n−RLDLRLALRLDAR−c(配列番号4)
n−RADLRLLLRLDLR−c(配列番号5)
n−RADLRLLLRLDAR−c(配列番号6)
n−RLDLRALLRLDLR−c(配列番号7)
n−RLDLRLLARLDLR−c(配列番号8)
本発明に好ましく使用され得る別の自己組織化ペプチドとしては、WO2007/000979に記載のペプチド、すなわち、極性アミノ酸残基と非極性アミノ酸残基(疎水性アミノ酸残基)とを有する自己組織化ペプチドであって、該極性アミノ酸残基として酸性アミノ酸残基及び塩基性アミノ酸残基を含み、中性領域において、該酸性アミノ酸残基の電荷と該塩基性アミノ酸残基の電荷との総和が0を除く数であり、水溶液中において自己組織化した際に該非極性アミノ酸残基のみが一方の面に配置されたβ−シート構造を形成しうる自己組織化ペプチドが挙げられる。
上記自己組織化ペプチドのなかでも、極性アミノ酸として、酸性アミノ酸残基と塩基性アミノ酸残基と非電荷極性アミノ酸とを含むペプチドが好ましい。このような自己組織化ペプチドの好ましい具体例を以下に例示する。
n−RASARADARASARADA−c(配列番号9)
n−RANARADARANARADA−c(配列番号10)
n−RAAARADARAAARADA−c(配列番号11)
n−RASARADARADARASA−c(配列番号12)
n−RADARASARASARADA−c(配列番号13)
n−RASARASARASARADA−c(配列番号14)
n−RASARADARASA−c (配列番号15)
n−KASAKAEAKASAKAEA−c(配列番号16)
n−SAEAKAEASAEAKAEA−c(配列番号17)
n−KLSLKLDLKLSL−c (配列番号18)
n−KLALKLDLKLAL−c (配列番号19)
また、自己組織化ペプチドの具体例としては、例えば、WO2010/103887、および、米国特許第5670483号に記載のペプチドが挙げられる。
上記自己組織化ペプチドは、任意の適切な製造方法によって製造され得る。例えば、Fmoc法等の固相法又は液相法等の化学合成方法、遺伝子組換え発現等の分子生物学的方法が挙げられる。なお、自己組織化ペプチドは、精製の過程で任意の適切な塩の形態とされ得るが、本発明においては、塩形態の自己組織化ペプチドを用いることもできる。
上記自己組織化ペプチドは、目的等に応じて任意の適切な修飾が施されていてもよい。修飾が行われる部位は、特に限定されず、例えば、自己組織化ペプチドのN末端アミノ基、C末端カルボキシル基、またはその両方が挙げられる。
上記修飾としては、修飾後のペプチドが自己組織化能を有する範囲において任意の適切な修飾が選択され得る。例えば、N末端アミノ基のアセチル化、C末端カルボキシル基のアミド化等の保護基の導入;アルキル化、エステル化、またはハロゲン化等の官能基の導入;水素添加;単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖等の糖化合物の導入;脂肪酸、リン脂質、または糖脂質等の脂質化合物の導入;アミノ酸またはタンパク質の導入;DNAの導入;その他生理活性を有する化合物等の導入が挙げられる。修飾は1種のみ行われてもよく、2種以上を組み合わせて行ってもよい。例えば、上記自己組織化ペプチドのC末端に所望のアミノ酸を導入した付加ペプチドのN末端をアセチル化し、C末端をアミド化してもよい。
アミノ酸またはタンパク質が導入される場合、導入されるアミノ酸の数は、好ましくは1〜180であり、より好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜10、最も好ましくは1〜5である。導入するアミノ酸残基数が180を超えると、自己組織化能が損なわれる場合がある。
本発明の視認性確保材における自己組織化ペプチドの濃度は、所望の貯蔵弾性率等に応じて適切に設定され得る。自己組織化ペプチドの濃度は、好ましくは0.5重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.8重量%〜2.8重量%、さらに好ましくは1.1重量%〜2.5重量%、さらにより好ましくは1.15重量%〜2.0重量%、さらにより好ましくは1.2重量%〜1.8重量%である。
[A−1−2.水]
水としては、イオン交換水、蒸留水等の精製された水が好ましく用いられ得る。
粘弾性体の含水率(%)(=粘弾性体中の水の重量/粘弾性体の総重量×100)は、例えば85%〜99.9%、好ましくは86%〜99%、より好ましくは87%〜95%である。
[A−1−3.自己組織化ペプチドゲル以外の粘弾性体]
上記の通り、本発明においては、使用時の貯蔵弾性率が40Pa〜700Paであるゲル状の粘弾性体を用いる。自己組織化ペプチドゲル以外に用いられ得る粘弾性体は、例えば、任意の適切な増粘剤、ゲル化剤等と水とを用いて調製され得る。増粘剤およびゲル化剤としては、市販品を用いてもよい。具体的には、東亞合成(株)社製、商品名「レオジック270」等のポリアクリル酸系ポリマー、大同化成工業(株)社製、商品名「サンジェロース 90L」等のセルロース系ポリマー等が挙げられる。自己組織化ペプチド以外を用いる場合であっても、水、および、粘弾性体の含水率は上記の範囲内であればよい。
[A−2.添加物]
本発明の視認性確保材は、必要に応じて任意の適切な添加物をさらに含み得る。例えば、本発明の視認性確保材は、好ましくはpH調整剤を含む。
pH調整剤としては、塩酸、クエン酸、酢酸等の酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の弱酸と強塩基との塩、ヒスチジン等が挙げられる。
pH調整剤の添加量は、所望のpHに応じて適切に設定され得る。
本発明の視認性確保材が含み得る他の添加物としては、例えば、緩衝剤;等張化剤;アミノ酸類;ビタミン類;アルコール類;薬物等が挙げられる。これらの他の添加物は、単独で用いられてもよく、二種以上を組み合わせて用いられてもよい。
緩衝剤としては、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムなどのリン酸塩;ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムなどのホウ酸塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウムなどのクエン酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩、Tris、HEPES等が挙げられる。
等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の塩化物;グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖;スクロース、トレハロース、マルトース、ラクトース等の二糖;マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール;等が挙げられる。
本発明の視認性確保材の貯蔵弾性率は、視認性確保材を調製する段階で40Pa〜700Paとなるように調整してもよく、貯蔵弾性率が上記の範囲外である視認性確保材の貯蔵弾性率を任意の適切な方法により低下させ、使用時に40Pa〜700Paとなるように調整してもよい。貯蔵弾性率を低下させる方法は、例えば、該ゲル状の粘弾性体に外部負荷をかけて貯蔵弾性率を低下させながら該粘弾性体を該容器から吐出する方法が挙げられる。吐出時に外部負荷をかけることにより、流動性が増大された粘弾性体を吐出することができる。その結果、適用面へのゲルの密着性が高まり、ゲルの適用効果を高めることができる。また、ゲル表面が平滑になり、適用面の視認性も高めることができる。さらに、本発明で用いるゲル状粘弾性体としてチキソトロピック性を有するものを用いる場合、吐出後に静置等されることにより当初の貯蔵弾性率を回復し、体液等の進入を抑制する効果がより発揮され得る。
上記の方法により、貯蔵弾性率を低下させる場合、外部負荷をかける前のゲル状粘弾性体の貯蔵弾性率は、例えば、350Pa〜3000Paであり、より好ましくは400Pa〜2500Paである。このような貯蔵弾性率であれば、体液等の進入を抑制する効果がより発揮され得る。
貯蔵弾性率の低下率((外部負荷をかける前のゲル状粘弾性体の貯蔵弾性率−吐出直後の粘弾性体の貯蔵弾性率)/外部負荷をかける前のゲル状粘弾性体の貯蔵弾性率×100)は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上である。貯蔵弾性率を5%以上低下させることにより、適用面への密着性および被覆性を向上させることができる。
外部負荷は、ゲル状の粘弾性体にせん断応力を付与して貯蔵弾性率を低下させることができるものである限りにおいて任意の適切な負荷であり得る。外部負荷の具体例としては、粘弾性体に超音波を印加すること、粘弾性体をニードルに通過させること、粘弾性体をフィルターに通過させること、粘弾性体を塗布ノズルに通過させること、粘弾性体をスプレーから噴射すること、粘弾性体を振とうまたは撹拌すること等が挙げられる。作業性の観点および吐出後の粘弾性体の制御の観点から、フィルターの通過またはスプレーによる噴射が好ましい。局所的に少量の塗布を行う場合には、ニードル(代表的には細いニードル)の通過、または、塗布ノズルの通過を好適に適用することができる。
ニードルは、上記のとおり代表的には細いニードルである。より詳細には、ニードルは、好ましくは0.85mm(18G)以下、より好ましくは0.04mm〜0.44mm(33G〜22G)、さらに好ましくは0.05mm〜0.38mm(32G〜23G)の内径を有する。内径が太すぎるとゲル状の粘弾性体に十分な負荷がかからず貯蔵弾性率が十分に低下しない場合がある。内径が細すぎると非常に大きな押出圧力が必要となり、作業性が低下する場合がある。
フィルターは、好ましくは0.1cm以上、より好ましくは0.5cm〜10cm、さらに好ましくは0.7cm〜5cmの有効ろ過面積を有する。このような有効ろ過面積であれば、作業性に優れ得る。
フィルターは、好ましくは2%以上、より好ましくは3%〜60%、さらに好ましくは3%〜50%の開口率を有する。このような開口率であれば、作業性に優れ得る。
フィルターの種類は特に制限されず、例えば、メッシュフィルター、不織布フィルター、多孔質膜フィルター、パンチングフィルター等を用いることができる。あるいは、フィルターは、微粒子の充填層であってもよい。作業性の観点および吐出後の粘弾性体の均一性の観点から、メッシュフィルターが好ましい。
フィルターの形成材料は、粘弾性体の種類等に応じて適切に選択され得る。該形成材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等のポリマー、金属、ガラス等が用いられ得る。
メッシュフィルターの織り方としては、平織、綾織、平畳織、綾畳織等が挙げられ、平織が好ましく用いられ得る。
メッシュフィルターのメッシュサイズは、好ましくは10メッシュを超え、より好ましくは50メッシュ以上、さらに好ましくは70メッシュ〜800メッシュ、さらにより好ましくは100メッシュ〜600メッシュである。10メッシュを超える細かいメッシュフィルターを用いることにより、粘弾性体の貯蔵弾性率を好適に低下させることができる。一方、800メッシュ以下のメッシュフィルターを用いることにより、良好な作業性で粘弾性体を吐出することができる。なお、単位「メッシュ」は縦線および横線25.4mm(1インチ)間に存在する目数を意味する。
メッシュフィルターの線径は、好ましくは10μm〜500μm、より好ましくは30μm〜150μmである。このような線径であれば、適切な強度と効率的な開口率とが得られ得る。
メッシュフィルターの目開きは、好ましくは1mm未満、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは3μm〜50μm、さらにより好ましくは5μm〜20μmである。目開きが1mm未満のメッシュフィルターを用いることにより、粘弾性体の貯蔵弾性率を好適に低下させることができる。一方、目開きが3μm以上のメッシュフィルターを用いることにより、良好な作業性で粘弾性体を吐出することができる。
塗布ノズルの先端部の形状は、任意の適切な形状であり得る。例えば、円形、楕円形、正方形、矩形等が挙げられる。また、先端部の形状は、これらの形状を扁平にしたものであってもよい。
塗布ノズルは、先端部のサイズが小さいものであるほど好ましい。このような塗布ノズルを用いることにより、粘弾性体の貯蔵弾性率を好適に低下させることができる。例えば、先端部のサイズは、1mm未満である。上記先端部のサイズは、例えば、先端部が円形の場合にはその内径を、楕円形の場合には短軸の長さをいう。
スプレーとしては二流体ノズルを用いることが好ましい。二流体ノズルとは、2系統に分けられた圧縮気体と噴射対象の液体とを混合し、噴出する方式のスプレーノズルである。二流体ノズルは、圧縮気体の高速気流で液体を粉砕し微粒化し、低圧で微細な霧を噴霧し得る。二流体ノズルは、グリースなどの高粘度の液体やゲルなどの粘弾性体も噴射可能である。使用する気体としては、炭酸ガス、窒素、空気等が挙げられる。気体の圧力は0.01MPa〜0.3MPaの範囲が好ましく、更に好ましくは0.05Mpa〜0.15MPaである。この範囲の圧力で気体を流しながら粘弾性体を吐出することで、粘弾性体は細かくせん断され霧状となって吐出される。0.01Mpa以下の圧力では十分に粘弾性体がせん断されず、また均一に噴射できない場合がある。0.3MPaを超える圧力では、適用面に吹き付けられた粘弾性体が気体の勢いで押しのけられてしまい、作業性が低下する場合がある。
ゲル状粘弾性体が収容される容器としては、該粘弾性体を収容する収容部と吐出口部とを有しており、該収容部が吐出口部を介して外部と連通しているものが用いられ得る。このような容器であれば、収容部内に収容された粘弾性体に圧力をかけて吐出口部から吐出させることができる。吐出口部の開口面積は、例えば8mm以下、好ましくは0.03mm〜1mmであり得る。該容器は、好ましくは粘弾性体を収容部から吐出口部の外に押し出すための押出手段をさらに有する。1つの実施形態において、該容器は、シリンジ型である。
粘弾性体に外部負荷をかけてから吐出するまでの時間は本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な時間とされ得る。具体的には、粘弾性体は、外部負荷の付与から一定時間(例えば数十秒〜数分)経過した後に容器から吐出され得る。あるいは、粘弾性体は、外部負荷の付与から連続的に容器から吐出されてもよい。外部負荷から一定時間経過した後に吐出される実施形態の具体例としては、容器内の粘弾性体に超音波を印加して貯蔵弾性率を低下させ、一定時間経過後に容器から吐出する実施形態が挙げられる。一方、外部負荷から連続的に吐出される実施形態の具体例としては、ニードル、フィルター、塗布ノズルまたはスプレーユニットを通過した粘弾性体がそのまま吐出される実施形態が挙げられる。
[B.視認性確保材の製造方法]
本発明の視認性確保材の製造方法は、例えば、ゲル状の粘弾性体と任意の適切な添加物とを混合することにより得られる。具体的には、粘弾性体として自己組織化ペプチドゲルを用いる場合、自己組織化ペプチドと水と任意の添加物とを混合して自己組織化ペプチド水溶液を得ること(混合工程)、および、得られた水溶液を静置することにより自己組織化ペプチドを自己組織化させて自己組織化ペプチドゲルを得ること(ゲル化工程)を含む。必要に応じて、混合工程の後であってゲル化工程の前に、自己組織化ペプチド水溶液を脱泡および/または脱気すること(脱泡工程)をさらに含み得る。
混合工程においては、任意の適切な混合方法が用いられ得る。例えば、超音波照射を用いた混合方法、遠心力を用いた混合方法、機械的撹拌を用いた混合方法が挙げられる。
混合工程においては、2種以上の異なる混合方法を組み合わせて用いてもよい。また、同じ混合方法による混合を2回以上繰り返してもよい。
ゲル化工程において、自己組織化ペプチド水溶液を静置する時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。静置する際の温度は、通常4〜50℃、好ましくは15〜45℃である。
脱泡工程においては、超音波脱気、真空減圧脱気、遠心脱気等の任意の適切な脱泡方法が用いられ得る。二種以上の脱泡方法を組み合わせて行ってもよい。
本発明の視認性確保材の製造方法は、必要に応じて任意の適切な他の工程を含み得る。当該他の工程としては、ろ過等の精製工程、高圧蒸気滅菌、放射線滅菌、乾熱滅菌等の滅菌工程、包装容器への分注工程等が挙げられる。
[C.視認性確保材吐出装置]
本発明はまた、視認性確保材の吐出装置を提供する。本発明の視認性確保材の吐出装置は、シリンジとメッシュフィルター、ニードル、および、塗布ノズルからなる群より選択される少なくとも1種とを備える。1つの実施形態においては、該吐出装置は、粘弾性体を収容するための外筒本体部と該外筒本体部の先端部に設けられ、先端が開口したノズル部とを備える外筒と軸部と該軸部の先端に装着されたガスケットと該軸部の後端に設けられた押圧部とを備える押し子とを含むシリンジと、該外筒に装着されたフィルター、ニードル、塗布ノズルまたはスプレーユニットとを含む。フィルターの装着部位は、外筒本体部に収容された粘弾性体が該フィルターを通過してから外部に吐出される限りにおいて制限はない。吐出量を最大化する観点から、フィルターは、好ましくはノズル部付近に装着される。
図1は、本発明の1つの実施形態における吐出装置の分解状態を示す概略斜視図であり、(a)が外筒、(b)が押し子、(c)がフィルターユニットを示す。図2は、図1に示す吐出装置の組み立て状態を示す概略斜視図である。なお、図面を用いて説明する際には、図面右側を先端側とし、左側を後端側とする。シリンジ型の吐出装置100は、外筒10と押し子20とフィルターユニット30とを含む。
外筒10は、後端が開口した筒状の外筒本体部11と外筒本体部11の先端部に設けられ、先端が開口したノズル部12とを備える。ノズル部12は、外筒本体部11に対して縮径した筒状であり、外筒本体部と一体形成されている。図示例においては、ノズル部12の外周にルアーロックネジ13が設けられている。これにより、ノズル部12は、ルアーロック機構を介してフィルターユニット30と接続可能とされている。ただし、当該ルアーロックネジは必須ではなく、ノズル部12とフィルターユニット30とはルアースリップ方式等の他の方式で接続されていてもよい。また、図示例においては、外筒10は、フランジ14をさらに備える。フランジ14は、外筒本体部11の後端開口部周縁から垂直外方に突出するように設けられている。
外筒10の形成材料としては、目的等に応じて任意の適切な材料が用いられ得る。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等の樹脂材料が好ましく用いられ得る。
押し子20は、軸部21と軸部21の先端に装着されたガスケット22と軸部21の後端に設けられた押圧部23とを備える。軸部21は、円形、十字形等の断面形状を有する棒状に形成されている(図示例では、断面十字形状)。ガスケット22は、軸部21の先端に嵌合、螺入、接着等によって取り付けられている。ガスケット22は、押し子20を外筒10内で進退させた際に、外周面が外筒10の内壁に摺動可能に密接するように形成されている。また、ガスケット22は、外筒本体部11の先端まで挿入された際に隙間が生じないように、外筒本体部11の先端部に対応する形状とされている。押圧部23は円板状であり、軸部と一体形成されている。押圧部23を指等で押すことによって押し子20を外筒10の先端方向へ移動させることができる。
軸部21および押圧部23の形成材料としては、目的等に応じて任意の適切な材料が用いられ得る。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂材料が好ましく用いられ得る。
ガスケット22の形成材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、塩素化ブチルゴム、シリコーンゴム等のゴム材料、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー材料等の弾性材料が好ましく用いられ得る。
図3は、フィルターユニット30の概略断面図である。フィルターユニット30は、フィルター31とフィルター31を収容するハウジング32とから構成されている。ハウジング32は、円板状のフィルター収容部33とそこから垂直方向に突出した供給口部34および排出口部35とを有する。当該実施形態においては、排出口部35が吐出装置100の吐出口部に相当する。
供給口部34の内周にはルアーロックネジ36が設けられており、これにより、外筒のノズル部とルアーロック機構を介して接続可能とされている。図示例とは異なり、排出口部35の外周または内周にもルアーロックネジが設けられていてもよい。この場合、カテーテル、ニードル、キャップ等の他の部品と排出口部35とをルアーロック機構を介して接続することができる。あるいは、供給口部および/または排出口部との接続方式として、ルアースルー方式を採用してもよい。
フィルター31については、上述のとおりである。
フィルターは、市販品を用いることができる。市販のフィルターの具体例としては、SEFAR社製の商品名「NITEX」、「PETEX」、「PROPYLTEX」、ミリポア社製の商品名「ナイロンネットフィルター」等が挙げられる。また、メッシュフィルターユニットとして市販品を用いることもできる。市販のメッシュフィルターユニットの具体例としては、BioLab社製の細胞浮遊液ろ過アイテム、商品名「ファルコンS」等が挙げられる。
ニードルは、市販品を用いることができる。市販のニードルの具体例としては、ニプロ社製のオプタルミック針NIP−015(30G×22mm)、オプタルミック針(直)NIP−013(27G×22mm)、オプタルミック針NIP−014(25G×22mm)、オプタルミック針(曲)NIP−012(27G×22mm)等が挙げられる。ニードルは任意の適切な手段(例えば、ルアーロック機構)によりノズル部に取り付けられる。
塗布ノズルは、市販品を用いることができる。市販の塗布ノズルの具体例としては、武蔵エンジニアリング(株)製、製品名「二条テーパーノズル」、ゲージ18等が挙げられる。塗布ノズルは任意の適切な手段(例えば、ルアーロック機構)によりノズル部に取り付けられる。
スプレーユニットについては、上述のとおりであり、市販品を用いることができる。スプレーユニットは任意の適切な手段(例えば、ルアーロック機構)によりノズル部に取り付けられる。
図4は、本発明の別の実施形態における吐出装置の組み立て状態を示す概略斜視図である。吐出装置100’においては、フィルター31’は外筒10に直接装着されている。具体的には、フィルター31’はノズル部先端の開口部に接着、融着または一体成形され得る。
1つの実施形態においては、吐出装置の先端部には塗布ノズルが取り付けられてもよい。塗布ノズルは、例えば図5Aに示すような先細りのテーパー形状を有し得る。このような塗布ノズルを設けることにより正確に患部にゲルを塗布することができるので、より好適な吐出を実現することができる。塗布ノズルの吐出装置への取り付け手段としては、取り付け装置の構成に応じて任意の適切な手段が採用され得る。例えば、図5Aの塗布ノズルは、吐出装置への取り付け手段として外ねじが設けられているが、内ねじであってもよい。例えば、図2に示す吐出装置に塗布ノズルを取り付けた形態は図5Bに示され、図4に示す吐出装置に塗布ノズルを取り付けた形態は図5Cに示される。
本発明の吐出装置は、予めゲル状粘弾性体を収容したプレフィルド型の吐出装置であり得る。あるいは、使用毎にゲル状粘弾体を吐出装置に収容(充填)してもよい。ゲル状粘弾性体は、外筒とガスケットとフィルターとによって規定される空間に収容される。
本発明の吐出装置は、高圧蒸気滅菌(例えば、121度、2気圧、15分)を施されていてもよい。視認性確保材が収容された吐出装置が予め高圧蒸気滅菌されていることにより、即時使用可能である。よって、使用時の利便性に優れ得る。さらには、緊急時の使用にも対応できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[貯蔵弾性率の測定方法]
動的粘弾性測定装置である回転式レオメーター(TA instruments社製、製品名「ADVANCED RHEOMETER AR 1000」)を用いて、粘弾性体の貯蔵弾性率G’を測定した。具体的には、以下のとおりである。まず、試料に接触させるためのジオメトリー(アルミニウム製コーン、直径20mm、コーン角1°、ギャップ24μm)と試料台を一定の温度に保つための恒温槽とをレオメーターに取り付けた。次いで、温度:37℃、トルク:1μN・m、周波数:0.5ラジアン/秒〜100ラジアン/秒の測定条件下、以下の測定手順で測定し、1ラジアン/秒のときの値を貯蔵弾性率G’とした。
(1)約55μLの試料をレオメーターの試料台に配置する。
(2)ジオメトリーを試料台から24μmのギャップまで移動させ、試料と接触させる。
(3)ジオメトリーをわずかに動かし、試料となじませる。
(4)ジオメトリーの動きを止めてから15秒後(この15秒の間に、試料からの溶媒の揮発を防止するためのソルベントトラップを取り付ける)に、測定を開始する。
吐出装置を用いたものについては、得られたゲル状の粘弾性体を、塗布ノズル(武蔵エンジニアリング(株)製、製品名「二条テーパーノズル」、ゲージ18)、針(ニプロ(株)社製、Code:00−222、ディスポーザブルオプタルミック針、27G(0.20mm)×22mm、鈍針)、または、針および以下のメッシュフィルターハウジングユニットを装着したシリンジに入れて、バイアル中に射出した後、該バイアルから容量可変ピペットを用いて約55μLの試料を採取して同様に貯蔵弾性率G‘を測定した。

<メッシュフィルターハウジングユニット>
メッシュフィルター:SEFAR製、SEFAR PETEX(登録商標)(ポリエチレンテレフタラート、目開き:11μmフィルター直径:φ13mm(溶着部を除く実使用領域:φ10mm)
ハウジング:ポリプロピレン製

[押出力の測定方法]
精密万能試験機((株)島津製作所製 オートグラフ AG−IS MS型)を用いて、吐出装置の押出力を測定した。具体的には、押出装置を吐出部を下に固定し、上方から押し子を100mm/minの速度で押し込んだ際にかかる力を測定した。
[粘弾性体の広がり面積の測定方法]
実施例6〜15および比較例1〜2の粘弾性体について、以下の手順で広がり面積を測定した。
(1)デジタルカメラ((株)ニコン社製、製品名:D40X、レンズ:(株)シグマ社製、50mm DG MACRO)をレンズが真下を向くように固定台に取り付けた。
(2)デジタルカメラの下方に方眼用紙を置き、その上にガラス板を乗せた。
(3)試験試料が入ったシリンジの先に必要に応じて上記メッシュフィルターハウジングユニットおよび針を装着した。
(4)ガラス板の上に針あるいはシリンジ先端を接触させ、先端の位置を動かさないように注意しながら、プランジャー(押し子)を押すことで、試験試料を約1mL射出した。
(5)射出から20秒後にデジタルカメラで試験試料を撮影した。試験は室温で行った。写真をA4普通紙に印刷した。
(6)1cmに相当する部分と試験試料が広がっている部分をそれぞれ切取り、紙の重さを電子天秤で秤量した。
(7)試験試料が広がっている部分の紙の重さの値を1cmに相当する部分の紙の重さの値で割ることで、試験試料が広がっている部分の面積を算出した。
[血液中視認性試験]
実施例6〜16および比較例2〜3の粘弾性体について、以下の手順で視認性試験を行った。
(1)ウサギ(ニュージーランドホワイト)の血液を採取し、ヘパリンナトリウム注射液(持田製薬(株)製)を添加した。
(2)(1)で得られたヘパリンナトリウム含有血液を35mmペトリディッシュ(ファルコンディッシュ)に約2mL入れた。
(3)試験試料が入ったシリンジの先に上記針または針およびメッシュフィルターハウジングユニットを装着した。
(4)試験試料をペトリディッシュ内に約0.6mL注入した。
(5)試験試料を注入してから5分後に各試料の状態をデジタルカメラで撮影した。
(6)ペトリディッシュの底がはっきりと見える場合を視認性良好(○)と判断し、はっきりと見えない場合を視認性不良(×)と判断した。
[実施例1]
図1および図2に示すような吐出装置であってプレフィルド型の吐出装置を作製した。具体的には、ノズル部およびフリンジを備える外筒とガスケットおよび押圧部を備える押し子とからなるシリンジ(大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml)の外筒内に自己組織化ペプチドゲル(メニコン社製、製品名「パナセアゲル」、ペプチド濃度1.5重量%)5mlを充填し、次いで外筒内に空隙が生じないように押し子を外筒内に挿入した。その後、外筒のノズル部にフィルターユニット(BioLab社製、製品名「ファルコンS」、フィルターは、目開き11μmのミリポア社製ナイロンネットフィルターをカットして交換)の供給口部を接続して吐出装置を作製した。
得られた吐出装置のフリンジと押圧部に指をかけて押し子を外筒内に押し込んで自己組織化ペプチドゲルを吐出したところ、非常に軽い押出圧力で容易に吐出することができた。また、吐出されたゲルは、適度な流動性を有しており、肌への密着性および被覆性に優れていた。また、表面が平滑で透明性に優れ、ゲル越しに患部を確認したところ、血液が患部から押しのけられ、患部の状態を良好に確認できた。
[実施例2]
フィルターユニットとして、BioLab社製、製品名「ファルコンS」(フィルターの目開き:30μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、吐出装置を作製した。実施例1と同様にして吐出装置から自己組織化ペプチドゲルを吐出したところ、軽い押出圧力で容易に吐出することができた。また、吐出されたゲルは、適度な流動性を有しており、肌への密着性および被覆性に優れていた。また、表面が平滑で透明性に優れていた。
[実施例3]
フィルターユニットとして、BioLab社製、製品名「ファルコンS」(フィルターの目開き:200μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、吐出装置を作製した。実施例1と同様にして吐出装置から自己組織化ペプチドゲルを吐出したところ、軽い押出圧力で容易に吐出することができた。また、吐出されたゲルは、適度な流動性を有しており、肌への密着性および被覆性に優れていた。また、表面が平滑で透明性に優れていた。
[実施例4]
図5Bに示すような吐出装置であってプレフィルド型の吐出装置を作製した。具体的には、ノズル部およびフリンジを備える外筒とガスケットおよび押圧部を備える押し子とからなるシリンジ(図1および図2に示す形状のもの、大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml)の外筒内に自己組織化ペプチドゲル(メニコン社製、製品名「パナセアゲル」、ペプチド濃度1.5重量%)5mlを充填し、次いで外筒内に空隙が生じないように押し子を外筒内に挿入した。その後、外筒のノズル部にフィルターユニット(図3に示す形状のもの、フィルターは、目開き11μm、開口率5%のメッシュフィルターSEFAR社製PETEX 07−11/5)の供給口部を接続し、さらにフィルターユニットの排出口部に塗布用ノズル(図5Aに示す形状のもの、武蔵エンジニアリング(株)製、製品名「二条テーパーノズル」、ゲージ18)を接続して吐出装置を作製した。なお、ノズル部と供給口部、排出口部と塗布用ノズルはルアーロック機構を介して接続した。
得られた吐出装置のフリンジと押圧部に指をかけて押し子を外筒内に押し込んで自己組織化ペプチドゲルを吐出したところ、非常に軽い押出圧力で容易に吐出することができた。同様の吐出装置の押出力を測定したところ、4.2Nであった。また、吐出されたゲルをモルモットの肝臓の切除面に塗布したところ、切除面への密着性および被覆性に優れており、良好に血液を押しのけた。また、表面が平滑で透明性に優れており、ゲル越しに患部の状態が良好に確認できた。
[実施例5]
図2に示すような吐出装置であってフィルターユニット(30)の代わりにニードル(ニプロ社製オプタルミック針(直)NIP−013(27G×22mm)を取り付けたプレフィルド型の吐出装置を作製した。実施例1と同様にして吐出装置から自己組織化ペプチドゲルを吐出したところ、吐出されたゲルは、適度な流動性を有しており、肌への密着性および被覆性に優れていた。また、表面が平滑で透明性に優れ、ゲル越しに患部の状態が良好に確認できた。一方で広範囲に多量のゲルを塗布しようとした際には、高い押出力が必要であり、患部への塗布の作業性がやや低下した。同様の吐出装置の押出力を測定したところ、44.3Nであった。
(比較例1)
フィルターユニットをノズル部に接続しなかったこと以外は実施例1〜3と同様にして、吐出装置を作製した。実施例1〜3と同様にして吐出装置から自己組織化ペプチドゲルを吐出した。
図6(a)は、実施例4で得られた吐出装置から吐出された自己組織化ペプチドゲルの写真であり、図6(b)は、比較例1で得られた吐出装置から吐出された自己組織化ペプチドゲルの写真である。これらの写真から分かるとおり、フィルターまたは塗布ノズルを通過させたゲルは、表面が滑らかであり、創傷部に適用された場合における密着性および被覆性さらには視認性に優れることがわかる。これは、微細なフィルター開口部または細いノズル先端部を通過してから再度自己集合することにより、均一性の高いゲルが再形成されたためと考えられる。
図7は、実施例1〜3および比較例1で得られた吐出装置から吐出された後の自己組織化ペプチドゲルの貯蔵弾性率を示すグラフである。実施例1〜3および比較例1のゲルの貯蔵弾性率はそれぞれ、351(Pa)、381(Pa)、410(Pa)および571(Pa)である。このように、フィルターを通過させることにより、フィルターを通過させない場合に比べて貯蔵弾性率の低下率を改善することができることがわかる。具体的には、フィルターを通過させることにより、ゲルの貯蔵弾性率が20%〜40%程度低下している。
[実施例6]
表1に示す組成の視認性確保材を調製した。具体的な手順は以下のとおりである。すなわち、自己組織化ペプチド(SPG−178:N末端がアセチル化され、C末端がアミド化された配列番号1のペプチド)塩酸塩およびトレハロース・二水和物を容器に秤り入れた。次いで、該容器に水を投入し、蓋をした。該容器を凹凸形状容器を用いた自転公転撹拌装置(株式会社シンキー製、製品番号「ARE−310」)にセットし、撹拌した。得られた混合液にL−ヒスチジンを添加してpHを調整した後、自転公転撹拌装置にて撹拌した。得られた溶液を自転公転撹拌装置にて脱泡および脱気して自己組織化ペプチド水溶液を得た。
得られた自己組織化ペプチド水溶液を5gずつシリンジに分注した。次いで、シリンジに打栓し、プランジャーを装着して、滅菌バッグに入れ、121℃で20分オートクレーブした。オートクレーブ後の自己組織化ペプチド水溶液を常温まで自然冷却し、視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を以下の吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、得られた視認性確保材の塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。

<吐出装置>
針(ニプロ(株)社製、Code:00−222、ディスポーザブルオプタルミック針、27G(0.20mm)×22mm、鈍針)
メッシュフィルターハウジングユニット:メッシュフィルター(SEFAR製、SEFAR PETEX(登録商標)(ポリエチレンテレフタラート、目開き:11μmフィルター直径:φ13mm(溶着部を除く実使用領域:φ10mm))、ハウジング:ポリプロピレン製
シリンジ:大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml
[実施例7]
表1に示す組成の視認性確保材を調製した。具体的な手順は以下のとおりである。すなわち、自己組織化ペプチド(SPG−178)塩酸塩およびトレハロース二水和物を秤量し、遠沈管に投入した。次いで、水を投入し、超音波型ホモジナイザー(Sonic&Material,Inc.社製、製品番号「Vibra−Cell VC−505」)を用いて500Wの出力で5分処理して混合した。得られた混合液を3000rpmで5分遠心分離して脱泡し、さらにアスピレーターを用いて減圧脱気した。脱気後、混合液に50mM NaCO水溶液を添加してpHを調整した後、超音波型ホモジナイザーを用いて500Wの出力で5分処理して混合した。アスピレーターを用いて混合液を減圧脱気し、これにより、自己組織化ペプチド水溶液を得た。
得られた自己組織化ペプチド水溶液を5gずつシリンジに分注した。次いで、シリンジに打栓し、プランジャーを装着して、滅菌バッグに入れ、121℃で20分オートクレーブした。オートクレーブ後の自己組織化ペプチド水溶液を常温まで自然冷却し、視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を以下の吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、視認性確保材の塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。

<吐出装置>
針(ニプロ(株)社製、Code:00−222、ディスポーザブルオプタルミック針、27G(0.20mm)×22mm、鈍針)
メッシュフィルターハウジングユニット:メッシュフィルター(SEFAR製、SEFAR PETEX(登録商標)(ポリエチレンテレフタラート、目開き:11μmフィルター直径:φ13mm(溶着部を除く実使用領域:φ10mm)))、ハウジング:ポリプロピレン製
シリンジ:大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml
[実施例8]
トレハロース・二水和物を用いなかったこと、L−ヒスチジンに代えて100mM NaCO水溶液を用いてpHを調整したこと以外は実施例6と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を実施例6で用いた吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、視認性確保材の塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
[実施例9]
自己組織化ペプチドとしてSPG−221(N末端がアセチル化され、C末端がアミド化された配列番号19のペプチド)を用いたこと、および、L−ヒスチジンに代えて100mM NaCO水溶液を用いてpHを調整したこと以外は実施例6と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を実施例6で用いた吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、視認性確保材の塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例7と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を調製した。得られた視認性確保材の貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
自己組織化ペプチドの濃度を0.4w/w%としたこと以外は実施例7と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を調製した。得られた視認性確保材を実施例6で用いた吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、視認性確保材の塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
[実施例10]
トレハロース・二水和物の添加量を変更したこと、および、L−ヒスチジンに代えて100mM NaCO水溶液を用いてpHを調整したこと以外は実施例6と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を以下の吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、広がり面積、および、血液中視認性試験を行った。結果を表1に示す。

<吐出装置>
針(ニプロ(株)社製、Code:00−222、ディスポーザブルオプタルミック針、27G(0.20mm)×22mm、鈍針)
メッシュフィルターハウジングユニット:メッシュフィルター(SEFAR製、SEFAR PETEX(登録商標)(ポリエチレンテレフタラート、目開き:11μmフィルター直径:φ13mm(溶着部を除く実使用領域:φ10mm)))、ハウジング:ポリプロピレン製
シリンジ:大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml
[実施例11]
トレハロース・二水和物の添加量を変更したこと、および、自己組織化ペプチド(SPG−178)塩酸塩の濃度を0.8w/w%としたこと以外は実施例10と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を調製した。得られた視認性確保材を実施例10で用いた吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
[実施例12]
自己組織化ペプチドとしてSPG−220(N末端がアセチル化され、C末端がアミド化された配列番号18のペプチド)塩酸塩を用いたこと以外は実施例9と同様にして、表1に示す組成の視認性確保材を調製した。得られた視認性確保材を実施例9で用いた吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
[実施例13]
実施例12で調製した試料をバイアルに投入した。次いで、自己組織化ペプチドSPG−220塩酸塩の濃度が1.2w/w%となるように水を投入した。超音波型ホモジナイザー(Sonic&Material,Inc.社製、製品番号「Vibra−Cell VC−505」)を用いて500Wの出力で30秒処理して混合した。得られた混合液を1000rpmで5分遠心分離して脱泡し、自己組織化ペプチド水溶液を得た。
得られた自己組織化ペプチド水溶液をシリンジに分注した。次いで、シリンジに打栓し、プランジャーを装着して、視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を以下の吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。
[実施例14]
表1に示す組成の視認性確保材を調製した。具体的な手順は以下のとおりである。すなわち、自己組織化ペプチド(SPG−178)メタンスルホン酸塩およびスクロースを秤量し、遠沈管に投入した。次いで、水を投入し、超音波型ホモジナイザー(Sonic&Material,Inc.社製、製品番号「Vibra−Cell VC−505」)を用いて500Wの出力で5分処理して混合した。得られた混合液を3000rpmで5分遠心分離して脱泡し、さらにアスピレーターを用いて減圧脱気した。脱気後、混合液に50mM NaCO水溶液を添加してpHを調整した後、超音波型ホモジナイザーを用いて500Wの出力で5分処理して混合した。アスピレーターを用いて混合液を減圧脱気し、これにより、自己組織化ペプチド水溶液を得た。
得られた自己組織化ペプチド水溶液を5gずつシリンジに分注した。次いで、シリンジに打栓し、プランジャーを装着して、滅菌バッグに入れ、121℃で20分オートクレーブした。オートクレーブ後の自己組織化ペプチド水溶液を常温まで自然冷却し、視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を以下の吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。

<吐出装置>
針(ニプロ(株)社製、Code:00−222、ディスポーザブルオプタルミック針、27G(0.20mm)×22mm、鈍針)
メッシュフィルターハウジングユニット:メッシュフィルター(SEFAR製、SEFAR PETEX(登録商標)(ポリエチレンテレフタラート、目開き:11μmフィルター直径:φ13mm(溶着部を除く実使用領域:φ10mm)))、ハウジング:ポリプロピレン製
シリンジ:大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml
[実施例15]
表1に示す組成の視認性確保材を調製した。具体的な手順は以下のとおりである。すなわち、ポリアクリル酸塩(東亞合成(株)社製、商品名「レオジック270」)を容器に秤り入れた。次いで、該容器に水を投入し、蓋をした。該容器を凹凸形状のない容器を用いた自転公転撹拌装置(株式会社シンキー製、製品番号「ARE−310」)にセットし、撹拌した。得られた溶液を自転公転撹拌装置にて脱泡して、アクリルポリマー水溶液を得た。
得られたアクリルポリマー水溶液を5gずつシリンジに分注し、視認性確保材を得た。得られた視認性確保材を以下の吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。

<吐出装置>
針(ニプロ(株)社製、Code:00−222、ディスポーザブルオプタルミック針、27G(0.20mm)×22mm、鈍針)
シリンジ:大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml
[実施例16]
吐出装置として、以下の吐出装置を用いた以外は実施例11と同様にして、吐出装置から吐出したものについて、貯蔵弾性率、塗布後の広がり、および、血中視認性について評価した。結果を表1に示す。

<吐出装置>
塗布ノズル:武蔵エンジニアリング(株)製、製品名「二条テーパーノズル」、ゲージ18
シリンジ:大成化工(株)製、製品名「クリアジェクト」、容量5ml
[評価]
実施例6〜16の視認性確保材は広がり面積が2cm以上であり、適用後、速やかに広がり、良好な被覆性を有するものであった。また、血液中に置かれた場合であっても、ペトリディッシュの底面を良好に確認することができた。また、実施例6および10で得られた視認性確保材では、24時間後であっても良好な視認性が確保されていた。一方、比較例2の視認性確保材は、血液中での視認性には優れていたものの、広がり面積が小さく、改善の余地があった。また、比較例3の視認性確保材は速やかに広がるものであり、視認性にも優れていたが、貯蔵弾性率が小さく、血液と混合し、血液中での視認性を確保することが困難なものであった。
[試験例1]
実施例6の視認性確保材をウサギ眼のトラベクレクトミー手術に用いた。視認性確保材を上記吐出装置を用いて切開部に吐出したところ、創面からの出血を押しのけ、切開部およびその周辺部を容易に観察することができた。
[試験例2]
実施例6の視認性確保材をウサギの肝臓の切除面に上記吐出装置を用いて塗布したところ、創面からの出血を押しのけ、切除面を容易に観察することができた。
[試験例3]
実施例9の視認性確保材をモルモットの肝臓の切除面に上記吐出装置を用いて塗布したところ、創面からの出血を押しのけ、切除面を容易に観察することができた。
本発明の視認性確保材は、手術等での術野における視認性の確保に好適に用いられ得る。
100 吐出装置
100’ 吐出装置
10 外筒
11 外筒本体部
12 ノズル部
20 押し子
22 ガスケット
30 フィルターユニット
31、31’ フィルター
34 供給口部
35 排出口部

Claims (9)

  1. ゲル状の粘弾性体を含み、使用時の貯蔵弾性率が40Pa〜700Paである、視認性確保材。
  2. 前記視認性確保材の広がり試験評価で測定した面積が2.0cm以上である、請求項1に記載の視認性確保材。
  3. 消化器外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、脳神経外科、耳鼻科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、口腔外科、歯科での治療に用いられる、請求項1または2に記載の視認性確保材。
  4. 眼科での治療に用いられる、請求項1または2に記載の視認性確保材。
  5. 視認性確保材を吐出するための装置であって、シリンジと、メッシュフィルター、ニードル、および、塗布ノズルからなる群より選択される少なくとも1種とを含む、視認性確保材吐出装置。
  6. 前記メッシュフィルターの目開きが、1mm未満である、請求項5に記載の視認性確保材吐出装置。
  7. 前記メッシュフィルターのメッシュサイズが、10メッシュより大きい、請求項5または6に記載の視認性確保材吐出装置。
  8. 前記ニードルの内径が1mm未満である、請求項5から7のいずれかに記載の視認性確保材。
  9. 前記塗布ノズルの先端の内径が1mm未満である、請求項5から8のいずれかに記載の視認性確保材。
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