JPWO2016006351A1 - 植物抵抗性誘導制御剤、植物抵抗性誘導制御方法、植物病害の防除方法、害虫の防除方法、植物生育促進剤、微生物感染効率促進剤、及び導入遺伝子発現効率促進剤 - Google Patents
植物抵抗性誘導制御剤、植物抵抗性誘導制御方法、植物病害の防除方法、害虫の防除方法、植物生育促進剤、微生物感染効率促進剤、及び導入遺伝子発現効率促進剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2016006351A1 JPWO2016006351A1 JP2016532490A JP2016532490A JPWO2016006351A1 JP WO2016006351 A1 JPWO2016006351 A1 JP WO2016006351A1 JP 2016532490 A JP2016532490 A JP 2016532490A JP 2016532490 A JP2016532490 A JP 2016532490A JP WO2016006351 A1 JPWO2016006351 A1 JP WO2016006351A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plant
- carbon atoms
- linear
- group
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N43/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
- A01N43/34—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
- A01N43/40—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom six-membered rings
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Agronomy & Crop Science (AREA)
- Pest Control & Pesticides (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Dentistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Environmental Sciences (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
Description
本願は、2014年7月9日に、日本に出願された特願2014−141566号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
SAは主に、生きた細胞から栄養をとる病原体である「活物寄生性病原菌」に対する抵抗性を誘導することが知られている。活物寄生性病原菌は植物細胞から養分を吸い取り、植物と共存する形態をとることが多い。活物寄生性病原菌としてイネいもち病菌がある。
SARを誘導する活性を有する化合物は抵抗性誘導剤または植物活性化剤として実用化され、主に我が国のイネの病害防除に有効な資材として活用されており、プロベナゾール(商品名オリゼメート)の例では、開発後30年以上経過しているにもかかわらず、年間100億円程度の売り上げがある。プロぺナゾールの他にもSARを誘導する活性を有する抵抗性誘導剤または植物活性化剤が複数あり、パリダマイシンA(VMA)、ベンゾチアジアゾール(BTH)、チアジニル(TDL)、イソチアニルなどが知られている。
JAは主に、死細胞から栄養をとる病原体である「腐生性病原菌」に対する抵抗性、及び害虫による食害等の「傷害」に対する防御応答を誘導する。代表的な腐生性病原菌として灰色かび病菌がある。灰色かび病菌はほとんど全ての植物に感染するとともに、薬剤耐性菌が非常に発生しやすい。しかし、SARを誘導する活性を有する化合物では腐生性病原菌に対する防除効果に乏しく、プロベナゾール等の既存の植物活性化剤では、灰色かび病菌のような腐生性病原菌に対して無効である。
従って、ISR系を誘導する活性を有する化合物があれば、既存のSAR系の抵抗性誘導剤では対処できないタイプの病害にも有効な新規な病害虫防除資材として活用できる可能性がある。しかし、これまでの研究では、商業的に利用可能な程度にそのような活性を有する低分子化合物は見出されていない。ベスタチン(Bestain)はJAシグナルを特異的に活性化させる化合物であると報告されている(非特許文献1)。また、これまでに、JA/ET シグナル伝達系による防御活性化誘導化合物として、ヘキサン酸,アラキドン酸,N-アシルアミド(アルカミド)などが知られている(非特許文献2〜4) 。これらはいずれも PDF1.2 や VSP2 を含む JA 応答性遺伝子の発現を誘導し、灰色かび病菌の病斑形成の抑制等に効果があることが、シロイヌナズナを用いて示されている。また、ヘキサン酸,アラキドン酸の処理においてはトマトにおいても同様にその病斑形成の抑制が観察されている(非特許文献5) 。これは、JA 系抵抗性誘導剤が灰色かび病防除に有効であることを示している。しかし、これらの薬剤の有効性は高濃度処理を必要とするなどの問題点もあり、JA系抵抗性誘導剤として実用化には至っていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、植物抵抗性誘導制御活性に優れる植物抵抗性誘導制御剤の提供を課題とする。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[2]前記一般式(1)が、下記一般式(1−2)で表される化合物である前記[1]に記載の植物抵抗性誘導制御剤。
[3]前記一般式(1)が、下記一般式(3−2−2)で表される化合物である前記[1]又は[2]に記載の植物抵抗性誘導制御剤。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の植物抵抗性誘導制御剤を植物に接触させることを含む植物抵抗性誘導制御方法。
[5]前記[4]に記載の植物抵抗性誘導制御方法を使用することを含む植物病害の防除方法。
[6]前記[4]に記載の植物抵抗性誘導制御方法を使用することを含む害虫の防除方法。
[7]下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する植物生育促進剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[8]下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する微生物感染効率促進剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
[9]下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する導入遺伝子発現効率促進剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
また、植物抵抗性誘導制御剤は、植物生育促進剤として使用でき、これによって植物の生育を促進させることが出来る。
また、植物抵抗性誘導制御剤は、微生物感染効率促進剤として使用でき、これによってSAR系防御応答発現を抑制し、植物体への人為的な微生物感染効率を向上させることができ、植物体へ遺伝子が導入された場合には、その導入遺伝子の発現効率を向上させることが出来る。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
R4は、それぞれ独立して、CHであるX6、X7、X8、X9及びX10のいずれかの水素原子(H)を置換している。
R1の前記ハロゲン原子は、F,Cl, Br, I等の周期表において第17族に属する元素である。
R1の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の前記ハロアルキル基は、少なくとも一つの水素原子が独立して選ばれるハロゲン原子で置換されているアルキル基である。ハロゲン原子は前記ハロゲン原子と同様であり、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を例示できる。炭素数1〜4のハロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロエチル基等が挙げられ、トリフルオロメチル基が好ましい。
R2の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状の前記アルケニル基は、炭素数2〜3が好ましい。前記アルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)が例示できる。
R3、R4における炭素数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基は、R2における前記アルケニル基と同様である。
R4の前記ハロゲン原子は、F,Cl, Br, I等の周期表において第17族に属する元素であり、Fが好ましい。
nが1であってR1がハロアルキル基、mが0であり、R3が水素原子、pが0である組み合わせ、
nが1であってR1がハロアルキル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がハロゲン原子である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが0である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がハロゲン原子である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がフッ素原子である組み合わせ、を例示できる。
X1がNであり、X7がCHである場合、前記一般式(1−2)で表される化合物としては、下記一般式(3−2)で表される化合物が挙げられる。
X1がCHであり、X7がNである場合、前記一般式(1−2)で表される化合物としては、下記一般式(3−3)で表される化合物が挙げられる。
X1及びX7がNの場合、前記一般式(1−2)で表される化合物としては、下記一般式(3−4)で表される化合物が挙げられる。
nが1であってR1がハロアルキル基、mが0であり、R3が水素原子、pが0である組み合わせ、
nが1であってR1がハロアルキル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がハロゲン原子である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが0である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がハロゲン原子である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がフッ素原子である組み合わせ、を例示できる。
nが1であってR1がハロアルキル基、mが0であり、R3が水素原子、pが0である組み合わせ、
nが1であってR1がハロアルキル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がハロゲン原子である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが0である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がハロゲン原子である組み合わせ、
nが1であってR1がトリフルオロメチル基、mが0であり、R3が水素原子、pが1であってR4がフッ素原子である組み合わせ、を例示できる。
N−(ピリジン−2−イル)−4−メチルピリジン−2−スルホンアミド(式1−1−2の化合物)、
N−(5−イソプロピルピリジン−2−イル)−4−クロロベンゼンスルホンアミド(式1−1−3の化合物)、
N−(5−クロロピリジン−2−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(式1−1−4の化合物)、
N−(2−クロロ−3−メチルピリジン−6−イル)ベンゼンスルホンアミド(式1−1−5の化合物)、
N−(4−クロロピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(式1−1−6の化合物)、
N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(式1−1−7の化合物)、
N−メチル−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−メチルベンゼンスルホンアミド(式1−1−8の化合物)、
N−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(式1−1−9の化合物)、
N−(6−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2−フルオロベンゼンスルホンアミド(式1−1−10の化合物)、
N−(6−シアノピリジン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(式1−1−11の化合物)、
N−(3−シアノ−2−イソプロピルピリジン−6−イル)ベンゼンスルホンアミド(式1−1−12の化合物)、
N−(4−シアノピリジン−2−イル)ピリジン−4−スルホンアミド(式1−1−13の化合物)、
N−(6−ニトロピリジン−2−イル)−3−メチルベンゼンスルホンアミド(式1−1−14の化合物)、
N−(5−ニトロピリジン−2−イル)ピリジン−3−スルホンアミド(式1−1−15の化合物)、及び、
N−(4−ニトロピリジン−2−イル)−N−ビニルベンゼンスルホンアミド(式1−1−16の化合物)。
本発明の一態様としては、前記一般式(1−1−7)、(1−1−9)、及び(1−1−10)で表される化合物並びにそれらの塩からなる群から選ばれるいずれか一つ以上を有効成分として含有する植物抵抗性誘導制御剤が挙げられる。
本発明の一態様としては、前記一般式(1−1−7)で表される化合物及びそれらの塩からなる群から選ばれるいずれか一つ以上を有効成分として含有する植物抵抗性誘導制御剤が挙げられる。
本発明の一態様としては、前記一般式(1−1−9)で表される化合物及びそれらの塩からなる群から選ばれるいずれか一つ以上を有効成分として含有する植物抵抗性誘導制御剤が挙げられる。
本発明の一態様としては、前記一般式(1−1−10)で表される化合物及びそれらの塩からなる群から選ばれるいずれか一つ以上を有効成分として含有する植物抵抗性誘導制御剤が挙げられる。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、不斉炭素原子や軸不斉を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明の有効成分は、前記一般式(1)で表される化合物の光学異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
以下、前記一般式(1)の化合物の代表的な製造法を説明するが、本発明の有効成分の製造法は、以下に示した例には限定されない。
なお、前記一般式(1)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質として製造されうる。前記一般式(1)の化合物の塩は、当業者によく知られた造塩反応に付すことにより製造することもできる。前記一般式(1)の化合物の単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行われる。
スルホニルアミド化は、当業者によく知られた手法を用いることができ、例えば、化合物(A1)と化合物(A2)とを当量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を縮合剤若しくは塩基の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは−20℃〜60℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌して行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤としては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸アミド、オキシ塩化リン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)を用いることが反応を円滑に進行させる上で有効な場合がある。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシド等の無機塩基を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
好適には、イプソ置換反応に付すことにより、前記一般式(1)で表される化合物が製造される。イプソ置換反応は当業者によく知られた手法を用いることができ、例えば、化合物(B1)と化合物(B2)とを当量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱下、好ましくは0℃〜80℃において、通常0.1時間〜5日間撹拌して行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、非プロトン性極性溶媒類、エステル類、ニトリル類、及びこれらの混合物が挙げられる。有機塩基や無機塩基の存在下で反応を行うことが反応を円滑に進行させる上で有効な場合がある。
ハロゲン化スルホニル化合物(A1)は、対応するスルホン酸化合物を当業者によく知られた方法、例えばハロゲン化反応に付することで製造することができる。前記スルホン酸化合物は、対応するアミノ化合物を当業者によく知られた方法、例えばザンドマイヤー反応に付することで製造することができる。前記アミノ化合物は、対応するニトロ化合物を当業者によく知られた方法、例えば還元反応に付することで製造することができる。
R3が水素原子ではないスルホンアミド化合物(B1)は、R3が水素原子であるスルホンアミド化合物(B1)を当業者によく知られた方法、例えばN−アルキル化、N−アルケニル化反応に付することで製造することができる。前記R3が水素原子であるスルホンアミド化合物(B1)は、ハロゲン化スルホニル化合物(A1)を当業者によく知られた方法、例えば、アンモニア若しくは保護されたアミンとのスルホンアミド化反応に付することで製造することができる。保護されたアミンとのスルホンアミド化反応により製造された場合には、必要に応じて保護基の脱離反応を行う。
R3が水素原子ではないスルホンアミド化合物(B1)は、ハロゲン化スルホニル化合物(A1)と、R3基を有する一級アミン、若しくはR3基とさらに保護基を有する二級アミンとのスルホンアミド化反応により製造することもできる。R3基とさらに保護基を有する二級アミンとのスルホンアミド化反応により製造された場合には、必要に応じて保護基の脱離反応を行う。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、病害抵抗性の誘導を制御するので、植物病害防除剤としても提供可能である。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、害虫抵抗性の誘導を制御するので、害虫防除剤としても提供可能である。
植物の病害抵抗性又は害虫抵抗性を維持するとは、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物において、有意に植物抵抗性若しくは害虫抵抗性の発現を長く持続させることを意味する。
「1」JA応答経路で特異的に発現誘導される遺伝子の発現を指標とし、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物において、該遺伝子の発現が有意に向上していた場合に、病害抵抗性の発現を判断できる。
「2」植物病の状態の程度を指標とし、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物において、植物病の病態が有意に改善していた場合に、病害抵抗性の発現を判断できる。
「3」JA応答経路で特異的に発現誘導される遺伝子の発現を指標とし、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物において、該遺伝子の発現が有意に向上していた場合に、害虫抵抗性の発現を判断できる。
「4」植物体の摂食被害の状態の程度を指標とし、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物において、植物体の摂食被害の状態が改善していた場合に、害虫抵抗性の発現を判断できる。
「5」植物抵抗性誘導制御剤の処理区における害虫等の生物の生息状態を指標とし、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物抵抗性誘導制御剤が処理された植物において、植物抵抗性誘導制御剤の処理区における害虫等の生物の生息数が低い場合に、害虫抵抗性の発現を判断できる。
本発明及び本願明細書における害虫の防除とは、有害生物を衰弱させる効果、有害生物を死滅させる効果、及び有害生物を忌避させる効果、を含むものである。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤の使用対象となる、好ましい植物として、トマト、タバコ、キュウリ、ナズナ、及びアブラナが挙げられる。
例えば、本発明の植物抵抗性誘導制御剤と、ベスタチン、ヘキサン酸、アラキドン酸、N−アシルアミド等のその他のJA系抵抗性誘導制御剤との、合剤、組み合わせ製剤等の剤型で提供されてもよい。
また例えば、本発明の植物抵抗性誘導制御剤と、公知のSAR系抵抗性誘導制御剤の、合剤、組み合わせ製剤等の剤型で提供されてもよい。
なかでも、本発明の植物抵抗性誘導制御剤の使用による防御の対象となる病原体として、腐生性病原菌であるAlternaria属の菌、腐生性病原菌であるBotrytis cinerea、Botrytis byssoidea、Botrytis squamosa、Botrytis allii等のBotrytis属の菌を好適に例示できる。なかでも、Alternaria属のAlternaria alternata、Botrytis属のBotrytis cinerea菌を好適な使用対象として例示でき、トマト灰色かび病菌(Botrytis cinerea)又はキュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)を特に好適な使用対象として例示できる。
腐生性病原菌としては、周囲の環境により条件的に腐生性となる腐生性病原菌も包含する。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤の使用による防除の対象となる害虫等の生物としては、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)等の甲虫目害虫、コナガ(Plutella xylostella)、モンシロチョウ(Pieris rapae)等の鱗翅目害虫、イエバエ(Musca domestica)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)等の双翅目害虫、アオクサカメムシ(Nezara antennata)半翅目害虫、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)等のアザミウマ目害虫、トノサマバッタ(Locusta migratoria)等の直翅目害虫、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)等のゴキブリ目害虫、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)等のダニ目害虫、サツマイモネコブセンチュウ (Meloidogyne incognita)等の線虫類などの各種農業害虫を含む。林木害虫としては、甲虫目害虫が挙げられ、カシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus)等のナガキクイムシ科害虫、マツノキクイムシ(Tomicus piniperda)等のキクイムシ科害虫が挙げられ、その他、マツノマダラカミキリ(Mochamus alternatus)やカラフトヒゲナガカミキリ(M. saltuaris)等が属するヒゲナガカミキリ属(Mochamus)害虫などを例示することができる。
後述する実施例において、本発明にかかる植物抵抗性誘導制御剤により、コナガ(Plutella xylostella)及びモモアカアブラムシ(Myzus persicae)に対する防除効果が認められたことから、本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、コナガに代表される鱗翅目(Lepidoptera)に属する害虫に対して適用されることが好ましく、コナガ科(Plutellidae)の害虫に対して適用されことがより好ましい。また、後述する実施例において、本発明にかかる植物抵抗性誘導制御剤により、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)に対する防除効果が認められたことから、本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、モアカアブラムシに代表される半翅目(Hemiptera)に属する害虫に対して適用されることが好ましく、アブラムシ上科(Aphidoidea)の害虫に対して適用されることがより好ましい。
一実施形態において、本発明は、植物抵抗性誘導制御のための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を提供する。
一実施形態において、本発明は、植物抵抗性誘導制御のための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、植物抵抗性誘導制御剤を製造するための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
植物抵抗性誘導制御剤の有効量を植物に接触させる方法は、公知の誘導剤の場合と同様でよく、植物、植物を栽培する土壌、又は植物を栽培する水耕液に施用する処理方法が挙げられる。処理方法としては、例えば、植物が生育している土壌に植物抵抗性誘導制御剤を散布する方法、土壌混和する方法、土壌潅注する方法、植物抵抗性誘導制御剤を溶解させた植物抵抗性誘導制御剤溶液を植物に塗布又は噴霧する方法、該植物抵抗性誘導制御剤溶液中で植物を生育させる方法、水耕液へ植物抵抗性誘導制御剤を混入する方法、が例示できる。
また、前記誘導制御剤溶液を植物の茎葉に塗布又は噴霧する方法で処理する場合、誘導制御剤溶液に含まれる前記一般式(1)で表される化合物又はその塩の濃度は、0.1〜500μM、1〜500μM、1〜300μM、1〜100μMが好ましく、10〜50μMがより好ましい。例えば、濃度が0.1〜500μM又は1〜500μMの誘導制御剤溶液の一回あたりの使用量を葉一枚あたり1〜1000μLとし、植物が発芽してから収穫されるまでの期間中、年に一回、又は必要に応じて複数回使用できる。複数回使用する場合は、年に2〜6回、月に1〜3回の頻度で使用することが好ましい。
水耕栽培など、前記誘導制御剤溶液中で植物を生育させる方法で処理する場合の誘導制御剤溶液に含まれる前記一般式(1)で表される化合物又はその塩の濃度は、0.1〜500μMが好ましく、1〜500μMが好ましく、1〜300μMがより好ましく、1〜100μMがさらに好ましく、10〜50μMが特に好ましい。例えば、濃度が0.1〜500μM又は1〜500μMの誘導制御剤溶液の一回あたりの使用量を植物体1個体あたり1〜1000μLとし、植物が発芽してから収穫されるまでの期間中、年に一回、又は必要に応じて複数回使用できる。複数回使用する場合は、年に2〜6回、月に1〜3回の頻度で使用することが好ましい。
トマトの場合、例えば、発芽後20日以降〜収穫14日前までに1〜3回回施用されることが挙げられる。
キュウリの場合、例えば、発芽後20日以降〜収穫14日前までに1〜3回施用されることが挙げられる。
キャベツの場合、例えば、発芽後20日以降〜収穫14日前までに1〜3回施用されることが挙げられる。
例えば、本発明の植物抵抗性誘導制御剤と、ベスタチン、ヘキサン酸、アラキドン酸、N−アシルアミド等の、その他のJA系抵抗性誘導制御剤とを併用して用いてもよい。
また例えば、本発明の植物抵抗性誘導制御剤と、公知のSAR系抵抗性誘導制御剤とを、併用して用いてもよい。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、植物生育促進剤としても利用可能である。
SAR応答と植物体の矮化は密接に関係し、SAR応答誘導下においてはバイオマスの低下が起こることが知られている。後述する実施例において示されるように、本発明に係る植物生育促進剤は、SAR系防御応答遺伝子発現の抑制的制御活性を有する。したがって、本発明の植物育成促進剤によれば、植物の生育促進効果が得られる。植物生育促進剤としては、植物抵抗性誘導制御剤において説明したものと同様のものが例示できるため、説明を省略する。
例えば、本発明の植物生育促進剤と、その他の公知の植物生育促進効果を有する化合物との、合剤、組み合わせ製剤等の剤型で提供されてもよい。
例えば、本発明の植物生育促進剤と、その他の公知の植物生育促進効果を有する化合物とを併用して用いてもよい。
「1」植物体の成長速度を指標とし、本発明の植物生育促進剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物生育促進剤が処理された植物において、植物体の成長速度が有意に増加していた場合に、植物生育促進効果の発現を判断できる。
「2」特定の時点における植物体のバイオマスを指標とし、本発明の植物生育促進剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の植物生育促進剤が処理された植物において、特定の時点における植物体のバイオマスが有意に増加していた場合に、植物生育促進効果の発現を判断できる。
一実施形態において、本発明は、植物生育促進のための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、植物生育促進剤を製造するための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、微生物感染効率促進剤、又は導入遺伝子発現効率促進剤としても利用可能である。
本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、SAR系防御応答発現を抑制し、植物体への人為的な微生物感染効率を促進させる。後述する実施例において示されるように、本発明に係る微生物感染効率促進剤は、アグロインフィルトレーション法による遺伝子導入発現促進効果を有する。したがって、本発明の微生物感染効率促進剤によれば、植物への微生物感染効率促進効果が得られる。本発明の微生物感染効率促進剤によれば、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)による植物の形質転換効率の促進、形質転換後の遺伝子発現の促進が達成される。この場合、本発明の植物抵抗性誘導制御剤は、形質転換促進剤、遺伝子導入促進剤、導入遺伝子発現効率促進剤としても利用可能である。
微生物感染効率促進剤としては、植物抵抗性誘導制御剤において説明したものと同様のものが例示できるため、説明を省略する。導入遺伝子発現効率促進剤としては、植物抵抗性誘導制御剤において説明したものと同様のものが例示できるため、説明を省略する。対象の微生物としては、アグロバクテリウムの他、植物に感染する各種植物ウイルスを例示できる。導入される遺伝子としては、当該微生物によって導入可能な遺伝子であれば、特に制限されない。
例えば、本発明の微生物感染効率促進剤と、その他の公知の微生物感染効率促進効果を有する化合物との、合剤、組み合わせ製剤等の剤型で提供されてもよい。
例えば、本発明の導入遺伝子発現効率促進剤と、その他の公知の導入遺伝子発現効率促進効果を有する化合物との、合剤、組み合わせ製剤等の剤型で提供されてもよい。
例えば、本発明の植物生育促進剤と、その他の公知の微生物感染効率促進効果を有する化合物とを併用して用いてもよい。
例えば、本発明の導入遺伝子発現効率促進剤と、その他の公知の導入遺伝子発現効率促進効果を有する化合物とを併用して用いてもよい。
「1」植物体に形質転換能を有する微生物を感染させ、該微生物により植物へ導入された遺伝子の発現量を指標とし、本発明の微生物感染効率促進剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の微生物感染効率促進剤が処理された植物において、前記遺伝子の発現量が有意に増加していた場合に、微生物感染効率促進効果の発現を判断できる。
「1」植物体に形質転換能を有する微生物を感染させ、該微生物により植物へ導入された遺伝子の発現量を指標とし、本発明の微生物感染効率促進剤が処理された植物と、処理されていない植物とを比較して、本発明の微生物感染効率促進剤が処理された植物において、前記遺伝子の発現量が有意に増加していた場合に、微生物感染効率促進効果の発現を判断できる。
一実施形態において、本発明は、微生物感染効率促進のための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、微生物感染効率促進剤を製造するための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
本発明に係る導入遺伝子発現効率促進方法の一実施形態として、微生物によって植物へ遺伝子を導入し、本発明の植物抵抗性誘導制御剤を前記植物に接触させることを含む、導入遺伝子発現効率促進方法が挙げられる。
本発明に係る導入遺伝子発現効率促進方法の一実施形態として、微生物によって植物へ遺伝子を導入し、本発明の植物抵抗性誘導制御剤を前記植物に接触させ、前記遺伝子を発現させることを含む、導入遺伝子発現効率促進方法が挙げられる。
微生物によって植物へ遺伝子を導入することは、本発明の導入遺伝子発現効率促進剤を前記植物に接触させることよりも後に行ってもよく、同時に行ってもよい。
本発明の導入遺伝子発現効率促進剤を植物に接触させる方法は、植物抵抗性誘導制御剤を植物に接触させる方法において説明したものと同様の方法が例示できるため、説明を省略する。微生物によって植物へ遺伝子を導入する方法は、アグロインフィルトレーション法等の公知の方法により行うことができる。遺伝子を導入する対象の植物は、植物の細胞、組織、細胞塊、カルス、及び植物個体を包含する意味で用いている。
一実施形態において、本発明は、導入遺伝子発現効率促進のための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
一実施形態において、本発明は、導入遺伝子発現効率促進剤を製造するための上記一般式(1)で表される化合物又はその塩の使用を提供する。
まず、文献(Utsugi et al. (1998) Plant Mol Biol 38:565-576; Guerineau et al. (2003) J Exp Bot 54:1153-1162)に示された結果に沿って、PCRにより、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana ecotype Columbia)のゲノムDNAからVSP1遺伝子のプロモーター配列を増幅した。レポーター遺伝子(ホタルルシフェラーゼ遺伝子(FLuc))の遺伝子配列を有するプラスミド(pBI221-Fluc)のFlucの上流に、VSP1遺伝子のプロモーター配列を連結し、pBI121-VSP1::Flucプラスミドを得た。該プラスミドをアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens LBA4404)を介してシロイヌナズナに導入し、VSP1::Flucを有する形質転換シロイヌナズナVSP1::Flucを得た。この形質転換シロイヌナズナの種子をマルチウェルプレートに播種し、ルシフェリン水溶液中で発芽させた。
一般に販売されている化合物ライブラリの各化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液をそれぞれ調製し、化合物の濃度が30μMの濃度となるように、この溶液を各ウェルに加えて、形質転換シロイヌナズナの芽生えを処理した。生育は22℃、12時間暗期/12時間明期(70μmolm−2S−1)の光周期条件下で行った。
次に、化合物XによるFluc遺伝子発現誘導活性への影響を35S:: Flucを有する形質転換シロイヌナズナを用いて確認した(n = 16)。シロイヌナズナ35S:: Flucは、上記VSP1:: Flucの作出と同様にして行った。
さらに、上記と同様にして誘導処理した5週齢の野生型シロイヌナズナからRNAを抽出し、RT-PCR法を用いて内在性のVSP1遺伝子発現を定量したところ、Flucを用いた場合と同様に明瞭な発現誘導が観察され、化合物X処理による内在性のVSP1遺伝子発現の誘導が確認された。
上記選抜実験では、シロイヌナズナの芽生えに対する抵抗性誘導を評価した。同様の実験をシロイヌナズナ3週齢個体(n = 24)に対して行った。
化合物XのDMSO溶液を調整し、化合物Xの濃度が30μMの濃度となるようにこの溶液を各ウェルに加えて、形質転換シロイヌナズナを処理した群(化合物X群)、上記化合物XのDMSO溶液に代えてDMSOのみを処理した群(DMSO群)に対する評価を行った。更に、化合物X群、DMSO群の他に、化合物XのDMSO溶液に代えてMeJAのDMSO溶液を処理した群(MeJA群)に対する評価も行った。
また、化合物XとMeJAとで抵抗性誘導の様態を比較すると、化合物Xの抵抗性誘導作用は、MeJAと同様の早い時点から発揮されることが判明した。そして、化合物Xの抵抗性誘導作用はMeJAの抵抗性誘導作用よりも長期間継続していた。このことから、化合物Xは、即効性と持続性を兼ね備える、非常に優れた抵抗性誘導作用を有していることがわかる。
形質転換シロイヌナズナPR-1a::Flucを用いて、化合物XのSAR系へ影響を評価した。PR-1aはSA応答経路で特異的に発現誘導される遺伝子である(Tanaka T, Ono S, Watakabe Y, Hiratsuka K (2006), Bioluminescence reporter assay system to monitor Arabidopsis MPK3 gene expression in response to infection by Botrytis cinerea. J. Gen. Plant Pathol. 72, 1-5)。
評価はシロイヌナズナPR-1a::Flucの芽生えに対して行った(n = 8)。化合物X,SAまたはMeJAの濃度が30μMの濃度となるようにDMSO溶液として各ウェルに加え、発光活性の推移を観察した(図5)。DMSOと比較してSA単独処理では明瞭な発現誘導が観察されたが、MeJAまたは化合物X処理ではSAによる発現誘導の抑制が観察され、その抑制活性は化合物Xが持続的であり、より効果的であることが示唆された。このことから、化合物Xは、SAR系防御応答遺伝子発現の抑制的制御活性を有することがわかる。
化合物X自体の抗菌活性を確認するため、阻止円法による評価を行った。ここでは炭疽病菌と灰色かび病菌に対する抗菌活性を調査した。炭疽病菌は活物寄生性病原菌の代表であり、灰色かび病菌は腐生性病原菌の代表である。
炭疽病菌 (C.higginsianum) の胞子100μl (1.0×105spores/ml) をPDA培地に塗布し、さらに化合物X液 10μl (100mM)を処理した。陽性対照にはハイグロマイシン10μl (100mM)、陰性対照にはDMSOを用いた。これを10日間24℃下暗所にて培養した。
灰色かび病菌 (B.cinerea) の胞子100μl (3.0×105spores/ml)をPSA培地に塗布し、さらに化合物X液 10μl (100mM)を処理した。陽性対象にはハイグロマイシン10μl(100mM)、陰性対象にはDMSOを用いた。これを5日間24℃下で培養した。
試験の結果、化合物Xは100mMという高濃度処理においても炭疽病菌、灰色かび病菌に対して抗菌活性を示さないことが明らかとなった。抗菌活性を持たない化合物は、薬剤耐性菌を生みにくい。したがって、本発明の植物抵抗性誘導制御剤にかかる化合物Xは、薬剤耐性菌を生みにくく、長期間の利用が見込める点においても優れている。
<試験1>
[比較例1]
播種37日後のシロイヌナズナ成熟個体(Col-0)(図1(a))に対して、DMSO水溶液(約0.03%)を土壌中に加え、DMSO水溶液を根から吸わせるようにしてシロイヌナズナ成熟個体に与えた。その72時間後に、シロイヌナズナ成熟個体に対して、胞子濃度5×104 spores/mlに調製した灰色かび病菌を含む滅菌水をスプレーで接種し、22℃、12時間暗期/12時間明期(70μmolm−2S−1)の光周期条件下で生育させた。図1(b)は接種3日後の植物体の写真である。図1(b)に示すように、植物体の葉に多数の病斑が見られた。
[実施例1]
DMSO水溶液(約0.03%)の代わりに、30μMで化合物Xを含むようにDMSO水溶液(約0.03%)を用いてに調製した化合物X水溶液を根から吸わせるようにしてシロイヌナズナ成熟個体に与えた以外は、比較例1と同様に試験した。(図1(c))は播種37日後のシロイヌナズナ成熟植物体(Col-0)である。図1(d)は接種3日後の植物体の写真である。比較例1の植物体(図1(b))と比較して、実施例1の植物体(図1(d))では病斑の発生が抑えられていることが分かる。
以上の結果から、シロイヌナズナ成熟個体において、化合物Xが、灰色かび病菌に対する浸潤抑制効果を示し、灰色かび病菌に対する高い防除効果を示すことが明らかである。
[比較例2]
発芽46日後のトマト成熟個体に対して、1株あたり150mL量のDMSO水溶液(約0.03%)を浸漬処理した。その72時間後に、トマト成熟個体に対して、胞子濃度1×105 spores/mlに調製した灰色かび病菌5μLをスポット接種し、Light 16h 22℃で生育させた。図2(a)は接種5日後の植物体から得た葉の写真である。葉に病斑が見られ、葉の生育が不良であることが分かる。
[実施例2]
DMSO水溶液(約0.03%)の代わりに、30μMで化合物Xを含むようにDMSO水溶液(約3%)を用いてに調製した化合物X水溶液を浸漬処理してトマト成熟個体に与えた以外は、比較例2と同様に試験した。図2(b)は接種5日後の植物体の写真である。比較例2の植物体(図2(a))と比較して、実施例2の植物体(図2(b))では病斑の面積が小さく抑えられ、葉の生育が良好であることが分かる。
図2(c)のグラフから明らかなように、化合物Xを与えた個体では病斑の面積が小さく抑えられたことがわかる。このことから、トマト成熟個体において、化合物Xが灰色かび病菌に対する高い防除効果を有することが確認された。
[比較例3]
発芽46日後のキュウリ成熟個体に対して、1株あたり150mL量のDMSO水溶液(約0.03%)を浸漬処理した。その72時間後に、キュウリ成熟個体に対して胞子濃度1×105 spores/mlに調製した灰色かび病菌5μLをスポット接種し、Light 16h 22℃で生育させた。図3(a)は接種5日後の植物体から得た葉の写真である。葉に病斑が見られ、葉の生育が不良であることが分かる。
[実施例3]
DMSO水溶液(約0.03%)の代わりに、30μMで化合物Xを含むようにDMSO水溶液(約3%)を用いてに調製した化合物X水溶液を浸漬処理してキュウリ成熟個体に与えた以外は、比較例3と同様に試験した。図3(b)は接種5日後の植物体の写真である。比較例3の植物体(図3(a))と比較して、実施例3の植物体(図3(b))では病斑の面積が小さく抑えられ、葉の生育が良好であることが分かる。
図3(c)のグラフから明らかなように、化合物Xを与えた個体では病斑の面積が小さく抑えられたことがわかる。このことから、キュウリ成熟個体において、化合物Xが灰色かび病菌に対する高い防除効果を有することが確認された。
[比較例4]無処理区
播種85日後後のキャベツ成熟個体に対して、キャベツ成熟個体へモモアカアブラムシ(Myzus persicae)を放した。化合物X散布から2日後、6日後、9日後、15日後、22日後のモモアカアブラムシの数を計測した。
[実施例4]
30μMで化合物Xを含むように、30mM DMSO溶媒を、井戸水を用いて1000倍希釈し、展着剤マイリノーを5000倍になるように添加して調製した化合物X水溶液を、スプレーで植物体表面が十分に濡れるように十分量を噴霧してキャベツ成熟個体に与えた以外は、比較例4と同様に試験した。なお、<試験4>の調査は日本植物防疫協会に委託して行った。
[比較例5]
上記比較例4において、モモアカアブラムシに代えてコナガ(Plutella xylostella)を、化合物X散布後2日後に株あたり100卵を接種して試験を開始した以外は、上記比較例4と同様に試験を行った。放虫から9日後、15日後、22日後の若齢幼虫、中齢幼虫、老齢幼虫の合計生息コナガ幼虫数を計測した。
[実施例5]
DMSO水溶液(約3%)の代わりに、30μMで化合物Xを含むようにDMSO水溶液(約3%)を用いてに調製した化合物X水溶液を植物体全体にスプレーで噴霧してキャベツ成熟個体に与えた以外は、比較例5と同様に試験した。なお、<試験5>の調査は日本植物防疫協会に委託して行った。
SAR応答と植物体の矮化は密接に関係し、SAR応答誘導下においてはバイオマスの低下が起こることが知られている。そこで、SAR抑制活性を示す化合物Xの処理による植物体の生育への影響を評価した。
評価は、キャベツ(品種:金系201号)に対して行った。キャベツ生育条件は、播種:128穴セルトレイ、キャベツ育苗期:1区64株連性なし(2ブロック調査)、定植:播種29日後、定植後:1区14株2連性とした。
化合物Xの粉末を15mMになるようDMSOで溶解し、井戸水を用いて所定濃度の1000倍に希釈した(散布濃度は、15μM)。さらに展着剤マイリノーを5000倍になるように添加し、散布用の化合物X希釈薬液を用意した。
薬液散布1回目として、播種21日後のキャベツ(キャベツ本葉3枚)に化合物X希釈薬液を散布した。薬液散布2回目として、播種28日後のキャベツ(キャベツ本葉34枚)に化合物X希釈薬液を散布した。薬液散布3回目として、播種35日後のキャベツ(キャベツ本葉45枚)に化合物X希釈薬液を散布した。希釈薬液は、背負式噴霧器を用いて葉の表裏が濡れるように十分量を散布した。その後、播種後57日後に、観察(撮影)を行った。
化合物Xを終濃度1μM、5μM、10μMの各濃度で含む化合物XのDMSO溶液を調整した。また、化合物XのDMSO溶液に代えてMeJAのDMSO溶液を用意した。ウェルにタバコ(Nicotiana tabacum SR1株)を播種し、調整した各濃度の液を各ウェルに加え、22℃連続光下でタバコを発芽させ、生育させた(N=24(各濃度群))。播種11日後の幼植物体に、イントロン挿入型ルシフェラーゼ遺伝子(CaMV35SプロモーターとHSPターミネーター間に挿入)を有するアグロバクテリウムLBA4404株を、常法により処理し、感染させた。高感度カメラによる発光観察により、アグロバクテリウム感染後144時間後までのルシフェラーゼ活性を連続モニタリングした。モニタリングの結果を図7に示す。図7に示すグラフの縦軸は、感染後48〜120時間後の相対活性の平均値である。化合物Xを終濃度1μM、5μM、10μMのいずれの処理区においても、明瞭な遺伝子発現の増高が確認された。特に、比較的低濃度(1μM)の化合物X処理においても明瞭な発現上昇が観察された。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する植物抵抗性誘導制御剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。] - 前記一般式(1)が、下記一般式(1−2)で表される化合物である請求項1に記載の植物抵抗性誘導制御剤。
- 前記一般式(1)が、下記一般式(3−2−2)で表される化合物である請求項2に記載の植物抵抗性誘導制御剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の植物抵抗性誘導制御剤を植物に接触させることを含む植物抵抗性誘導制御方法。
- 請求項4に記載の植物抵抗性誘導制御方法を使用することを含む植物病害の防除方法。
- 請求項4に記載の植物抵抗性誘導制御方法を使用することを含む害虫の防除方法。
- 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する植物生育促進剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。] - 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する微生物感染効率促進剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。] - 下記一般式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する導入遺伝子発現効率促進剤。
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立して、CH又はNを表し(但し、X1、X2、X3、X4及びX5のいずれか2以上がNとなることはなく、X6、X7、X8、X9及びX10のいずれか2以上がNとなることはない。)、
R1は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のハロアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
R2は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、
R4は、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、又はハロゲン原子を表す。
nはR1の数を表し、0又は1である。mはR2の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、mが2以上のとき、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、n+mは5以下の整数である。pはR4の数を表し、0〜5のいずれかの整数であり、pが2以上のとき、R4同士は互いに同一でも異なっていてもよい。]
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014141566 | 2014-07-09 | ||
JP2014141566 | 2014-07-09 | ||
PCT/JP2015/065242 WO2016006351A1 (ja) | 2014-07-09 | 2015-05-27 | 植物抵抗性誘導制御剤、植物抵抗性誘導制御方法、植物病害の防除方法、害虫の防除方法、植物生育促進剤、微生物感染効率促進剤、及び導入遺伝子発現効率促進剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2016006351A1 true JPWO2016006351A1 (ja) | 2017-06-15 |
JP6652763B2 JP6652763B2 (ja) | 2020-02-26 |
Family
ID=55063993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016532490A Active JP6652763B2 (ja) | 2014-07-09 | 2015-05-27 | 害虫防除剤、害虫の防除方法、形質転換効率促進剤、及び形質転換効率促進方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6652763B2 (ja) |
WO (1) | WO2016006351A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2022196649A1 (ja) * | 2021-03-19 | 2022-09-22 | ||
CN118019454A (zh) | 2021-10-11 | 2024-05-10 | 国立大学法人东北大学 | 植物的抗病性诱导方法及植物的抗病性诱导装置、以及植物的抗病性诱导剂 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61257960A (ja) * | 1985-05-13 | 1986-11-15 | Mitsui Toatsu Chem Inc | スルホンアミド系化合物及び農業用殺菌剤 |
JPS62158254A (ja) * | 1985-12-23 | 1987-07-14 | サンド・アクチエンゲゼルシヤフト | 新規化合物 |
JPS63303970A (ja) * | 1987-06-03 | 1988-12-12 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | N−ピリジニルベンゼンスルホンアミド系化合物及びそれらを含有する農園芸用殺菌剤 |
JP2001026506A (ja) * | 1999-04-28 | 2001-01-30 | Takeda Chem Ind Ltd | スルホンアミド誘導体 |
JP2002284609A (ja) * | 2001-01-16 | 2002-10-03 | Takeda Chem Ind Ltd | スルホンアミド誘導体含有農園芸用組成物 |
-
2015
- 2015-05-27 JP JP2016532490A patent/JP6652763B2/ja active Active
- 2015-05-27 WO PCT/JP2015/065242 patent/WO2016006351A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61257960A (ja) * | 1985-05-13 | 1986-11-15 | Mitsui Toatsu Chem Inc | スルホンアミド系化合物及び農業用殺菌剤 |
JPS62158254A (ja) * | 1985-12-23 | 1987-07-14 | サンド・アクチエンゲゼルシヤフト | 新規化合物 |
JPS63303970A (ja) * | 1987-06-03 | 1988-12-12 | Ishihara Sangyo Kaisha Ltd | N−ピリジニルベンゼンスルホンアミド系化合物及びそれらを含有する農園芸用殺菌剤 |
JP2001026506A (ja) * | 1999-04-28 | 2001-01-30 | Takeda Chem Ind Ltd | スルホンアミド誘導体 |
JP2002284609A (ja) * | 2001-01-16 | 2002-10-03 | Takeda Chem Ind Ltd | スルホンアミド誘導体含有農園芸用組成物 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
NAKAYAMA HITOSHI, ET AL.: "Synthesis of N-(trifluoromethyl-2-pyridinyl)arenesulfonamides as an inhibitor of secretory phospholi", CHEM. PHARM. BULL., vol. 59, no. 6, JPN6019016735, 2011, pages 783 - 786, ISSN: 0004111297 * |
SCHREIBER KARL, ET AL.: "A high-throughput chemical screen for resistance to Pseudomonas syringae in Arabidopsis", THE PLANT JOURNAL, vol. 54, no. 3, JPN6019016734, 2008, pages 522 - 531, ISSN: 0004111296 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6652763B2 (ja) | 2020-02-26 |
WO2016006351A1 (ja) | 2016-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
ES2648965T3 (es) | Mezclas fungicidas de pirazol | |
JP2018150352A (ja) | 単糖の植物病害防除効果を増強する組成物 | |
CN107205392A (zh) | 除草的苯基嘧啶类 | |
TW200526122A (en) | Synergistic fungicidal active compound combinations | |
CN105555777A (zh) | 邻氨基苯甲酰胺类化合物、其混合物及其作为农药的用途 | |
TW201231655A (en) | Soybean event SYHT04R and compositions and methods for detection thereof | |
JP7222032B2 (ja) | 植物病を予防又は制御するための方法及び農業用組成物 | |
CN102675438A (zh) | 基于RNAi技术的抗虫制剂及方法 | |
US10905120B2 (en) | ABA receptor agonists that modulate transpiration | |
CN108430976A (zh) | 芳基唑化合物和有害生物防除剂 | |
CN105531265A (zh) | 杀害虫化合物 | |
BR112019021388B1 (pt) | Compostos, agente de controle de pragas agrícolas e hortícolas, fungicida agrícola e hortícola e métodos para prevenção e/ou tratamento de uma doença de plantas | |
CN107535504A (zh) | 1,3,4‑噻二唑类化合物在防治水稻白叶枯病中的应用 | |
JP6652763B2 (ja) | 害虫防除剤、害虫の防除方法、形質転換効率促進剤、及び形質転換効率促進方法 | |
WO2015088038A1 (ja) | 芳香族化合物及びその用途 | |
CN105579446A (zh) | N-酰基亚氨基杂环化合物 | |
AU2016380736B2 (en) | High stress resistant plant growth regulator and preparation and use thereof | |
JP6670499B2 (ja) | 植物抵抗性誘導制御剤、植物抵抗性誘導制御方法、及び植物病害の防除方法 | |
JP6624074B2 (ja) | カルバメート化合物及びその用途 | |
JP6624076B2 (ja) | カルバメート化合物及びその用途 | |
JP6624073B2 (ja) | カルバメート化合物及びその用途 | |
KR20200112816A (ko) | 불소알킬 화합물의 제조와 사용방법 | |
JP6624077B2 (ja) | カルバメート化合物及びその用途 | |
WO2022196649A1 (ja) | 植物抵抗性の誘導方法、植物抵抗性誘導剤及びバイオスティミュラント | |
JP5807955B2 (ja) | 植物用抵抗性誘導剤、植物の抵抗性誘導方法、及び植物病害の予防方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180406 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20181102 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190514 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190710 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190910 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191025 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191224 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200117 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6652763 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |