JPWO2016002412A1 - 月形芯及び靴 - Google Patents

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洋一 水島
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Abstract

本発明は、複数枚の布状体を積層してなる積層体によって形成された新規な月形芯及びこれを備えた靴を提供することを目的とし、その目的は、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体を用いて形成された布状体を複数枚積層し、線条体の一部分が溶融するように加熱圧縮されてなる積層体を少なくとも有している月形芯2、及びその月形芯2を踵部に有している靴1によって達成され、好ましくは、前記積層体の片面又は両面に、鞣し皮革を接着又は縫着する。

Description

本発明は月形芯及び靴に関し、詳しくは、複数枚の布状体を積層してなる積層体によって形成された新規な月形芯及びこれを備えた靴に関する。
一般に、靴は、踵部の補強をするための芯材として月形芯(カウンターともいう。)を、甲皮と内皮との間に挟んだ状態で介在させている。この月形芯は、牛など動物の皮をなめしたヌメと称される生皮のほか、木材パルプを抄造した原紙に樹脂を含浸してなる含浸紙、合成樹脂、若しくは布に糊を含浸させたものなどが従来から広く用いられている。そして、この月形芯は、踵部の見栄えを良くし、足にフィットさせる上では、ヌメが最良であるとされてきた。
他方、ヌメ以外の月形芯としては、なめした生皮の片面に接着剤にて含浸紙を貼着してなるもの(特許文献1)、靴の踵部などの曲部に用いる月型などの靴用芯材の表面と裏面に、それぞれ水分含有率の異なる熱硬化性の接着剤を塗布してなるもの(特許文献2)、熱硬化性素材からなる月形芯をサンドイッチ状に挟持したストレッチ性の不織布ケミカルシートを甲皮踵部内面に用い、月形芯入り踵部材側から加熱して熱硬化性の月形芯を熱硬化して踵部に成形する(特許文献3)等の技術が知られている。
従来のヌメは弾力性に乏しく、熱に弱く、悪臭があり、踵部を踏むと崩れて元に戻り難くなり、熱で踵部の線が変化し易く、また、ヌメに浸みこませた油が浸み出して靴の内面を汚す等の欠点があった。他方、特許文献2、3等のように熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱硬化後の月形芯は、完全に形状が固定することになり、たとえ足形で成形した場合であっても、歩行時などに、ヌメを用いた場合に比べて足とのフィット感が劣るものであった。
特開平5−237006号公報 特開平6−141907号公報 特開2003−93107号公報
本発明者は、靴の踵に使用する月形芯の素材について種々検討した結果、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体を用いて形成された布状体を複数枚積層し、線条体の一部分が溶融するように加熱圧縮することによって形成された積層体に着目した。
このような積層体は、自己強化高分子複合材料(Self Reinforced Plastics:SRP)と称され、接着成分と強化繊維が同種の樹脂成分から形成された繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)である。ここで、同種の樹脂成分とは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなど、同種の成分から構成された樹脂を指す。
本発明者は、この自己強化高分子複合材料である積層体の新たな用途について鋭意検討したところ、靴の部品である月形芯をこの積層体によって形成することによって、従来の月形芯では得ることのできなかった数々の格別な効果が得られ、特に、サッカー、ラグビー、野球、陸上等のフィールド競技やランニング、ウォーキング等の運動に使用される靴の踵部に使用される月形芯として好適であることを見出し、新規な本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、複数枚の布状体を積層してなる積層体によって形成された新規な月形芯及びこれを備えた靴を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
1.熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体を用いて形成された布状体を複数枚積層し、前記線条体の一部分が溶融するように加熱圧縮されてなる積層体を少なくとも有していることを特徴とする月形芯。
2.前記積層体の片面に、鞣し皮革を接着又は縫着することによって形成されることを特徴とする前記1記載の月形芯。
3.前記積層体の両面に、鞣し皮革を接着又は縫着することによって形成されることを特徴とする前記1記載の月形芯。
4.前記積層体の厚みを、0.5〜2.5mmとすることを特徴とする前記1、2又は3記載の月形芯。
5.前記1〜4の何れか記載の月形芯を踵部に有していることを特徴とする靴。
6.前記1、2又は4記載の月形芯を踵部に有している靴であって、前記積層体が、靴の表面に露出するように設けられていることを特徴とする靴。
本発明によれば、複数枚の布状体を積層してなる積層体によって形成された新規な月形芯及びこれを備えた靴を提供することができる。
本発明に係る月形芯を用いた靴の一実施形態を示す斜視図 月形芯を形成する積層体の正面図 靴を履いた右足が着地した際の様子を踵側から見た図 靴のアッパー部の分解斜視図 図1に示す靴の分解斜視図 本発明に係る月形芯の他の実施形態を示す正面図 本発明の積層体と鞣し皮革を積層した実施形態を示す斜視図 本発明の月形芯のさらに他の実施形態を示す斜視図 中底と一体成形した本発明の月形芯の一例を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る月形芯を用いた靴の一実施形態を示す斜視図、図2は、月形芯を形成する積層体の正面図である。
図1において、1は靴、2は靴1の踵部に設けられた月形芯である。ここでは、運動靴の踵部に月形芯2を適用した例を示している。
本発明に係る月形芯2は、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体を用いて形成された布状体を複数枚積層し、これを線条体の一部分が溶融するように加熱圧縮し、布状体を一体化して一枚のシート状とされた積層体3を少なくとも有している。
この積層体3は、前述した自己強化高分子複合材料(SRP)と称される繊維強化プラスチック(FRP)である。本発明者は、この積層体3を用いて形成された月形芯2について検討したところ、足の踵をホールドする効果を高め、スポーツ競技のような激しい動きを伴う際の足の踵の安定性を向上させることができることを見出した。
すなわち、一般に足の踵は、踏み出しや着地の際に靴の中で常に動いている。例えば、図3は、靴1を履いた右足が着地した際の様子を踵側から見た図である。着地した瞬間の踵は、実線で示すように、やや外側に倒れた状態になっているが、その後、着地した足に体重が掛かると、着地時の衝撃を緩衝しようとして、点線で示すように、踵がやや内側に倒れながら変形するプロネーションと呼ばれる現象が起こる。一般的な月形芯は、専ら靴の踵部の保形が目的であり、比較的硬質に形成されていたため、このような足の踵の動きに追随するように変形し難いものであった。このため靴が踵と強く衝突して靴擦れを生じ易く、また、動きのある踵とのフィット性に劣り、足の踵をホールドして安定性を高める観点からは課題があった。
これに対し、積層体3を有する月形芯2は、月形芯2として要求される剛性を備えながらも、適度な弾性を有するため、着地時等に足の踵が倒れるような動きをした際に、その動きに追随して容易に弾性変形することができる。このため、靴1の中で足の踵がどのような挙動を示しても、踵の動きに追随して確実にホールドすることができ、踵とのフィット性を高めて足の踵の安定性を高めることができる。しかも、靴1の踵部が足の踵に対して無理な力を掛けることがないため、靴擦れも起きにくくなる。
この積層体3を有する月形芯2は、単に変形し易いだけでなく、変形した状態から元の状態に戻る際の戻りが早い(戻り弾性が高い)性質を有していることが判った。つまり、月形芯2は、足の踵の動きに追随して弾性変形した後、迅速に元の形状に復元しようとする。このとき、踵が靴1の中で元の状態に戻ろうとする動きを、月形芯2の高い戻り弾性が補助するように働く。このため、着地時のプロネーションによって足の踵が内側に倒れるように変形しても、月形芯2の戻り弾性に補助されて迅速に元の状態に戻ることができるようになる。これによって、着地後の次の踏み出し動作に迅速に移行できるようになり、より俊敏な動作が可能となる。
また、この月形芯2は、積層体3本来の適度な弾性によって踵に対するフィット性に優れるため、足の踵と靴1の履き口との間に過大な隙間が生じることを抑制できる。また、月形芯2が踵の動きに容易に追随できるため、足の踵と靴1の履き口との間から内部に砂等が侵入することを抑制することができる。もちろん、積層体3自体が有する剛性によって月形芯本来の靴1の踵部の保形性も維持できる。
積層体3は熱可塑性樹脂によって形成されているため、これを有する月形芯2は、例えばドライヤー等によって加熱することによって容易に変形させることもできる。例えば、靴1を履いた状態で月形芯2を加熱することで、靴1の踵部を使用者の足の踵の形状に合わせるように自由に形付けることができ、オーダーメイド感覚の靴1とすることができてフィット感、使用感をさらに向上させることができる。
さらに、積層体3は、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体によって構成されているため、これを有する月形芯2は、割れ、折れ等が起き難く、繰り返しの屈曲性に優れる等、高い耐久性も有している。このため、従来のヌメからなる月形芯のように踵を踏むと崩れて元に戻り難くなるようなことはない。
本実施形態に示す靴1は、積層体3から略半月状に切り出した月形芯2を、図4に示すように靴1の踵部に相当する甲皮6と内皮7との間に挟んで縫着し、これによって月形芯2を有するアッパー部8を形成している。
甲皮6は中窓形状のものを用いている。これによって、月形芯2は、積層体3が靴1の表面に露出するように設けられている。これは、靴1の外観のデザインにアクセントを与えるだけでなく、上述したように、月形芯2をドライヤー等の熱によって形付けする場合、表面に露出する積層体3に対して直接熱風を吹き付けて加熱することができるため、形付け作業を容易且つ効率的に行うことができることから好ましい態様である。
しかし、月形芯2は通常の月形芯と同様に表面に露出させないように甲皮の内部に設けてもよいことはもちろんである。また、この月形芯2は縫着によって靴1に設けるようにしたが、これに限らず接着構造のものであっても良い事は言うまでも無い。
踵部に月形芯2が設けられたアッパー部8には、図5に示すように、通常の靴と同様に、中敷91、中底92、アウターソール93等のソール部9が取り付けられ、靴1が完成する。
次に、月形芯2を形成する積層体3について述べる。
積層体3は、図2に示すように、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体4を用いて形成された布状体を複数枚積層し、これを線条体4の一部分が溶融するように加熱圧縮することによって、各布状体を一体化して一枚のシート状となるように形成されている。加熱圧縮は、布状体の積層物を加熱した後に、加熱された布状体の積層物に対して圧縮してもよいし、布状体の積層物に対して加熱と圧縮を同時に行うようにしてもよい。
なお、線条体4の一部分が溶融するようにとは、例えば線条体4が、基層とこの基層よりも融点が低い表面層とを有する層構造である場合、高融点樹脂成分である基層が溶融せず、低融点樹脂成分である表面層が溶融する程度の温度で加熱を行うことである。また、線条体4が、高融点樹脂成分中に海島構造の低融点樹脂成分を有する構造である場合、高融点樹脂成分は溶融せず、海島構造の低融点樹脂成分が溶融する程度の温度で加熱を行うことである。これにより、線条体4における高融点樹脂成分が強化繊維となり、低融点樹脂成分が接着成分となることにより、高い曲げ弾性率を有し、耐衝撃性に優れると共に、隣接する布状体間が強固に接着された積層体3を形成することができる。
線条体4を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用される。具体的には、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系重合体が挙げられる。この他、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等を用いることもできる。中でも加工性と経済性、さらには比重の小ささから高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が好ましい。
また、線条体4の形状は、布状体を形成し得るものであれば任意である。例えば、テープ、ヤーン、スプリットヤーン、モノフィラメント、マルチフィラメント等を用いることができる。線条体4は必要に応じて撚糸される。中でもテープ、ヤーン等の扁平な線条体が好ましく、特にテープ状線条体であるフラットヤーンが好ましい。
線条体4の太さは目的に応じて任意に選定することができるが、一般的には、50〜10000デシテックス(dt)の範囲が望ましい。
線条体4によって形成される布状体は、図2に例示したように、線条体4を経糸4A及び緯糸4Bに使用して織成された織布が一般的である。織布の織り方は、例えば平織、綾織、斜紋織、畦織、二重織等が挙げられる。
その他、多数の線条体4を一方向に並設し、その上に任意の角度方向に交差するように多数の線条体4を並設して、その交点をホットメルト剤等の接着剤を用いて、あるいは熱融着によって接合した交差結合布(ソフ)とすることもできる。また、多数の線条体4を一方向に並設し、その上に任意の角度方向に交差するように多数の線条体4を並設して、ステッチング糸で連結した多軸繊維基材とすることもできる。さらに、布状体は線条体4によって形成した編物でもよい。
布状体の積層枚数は、月形芯2が所望の厚みや剛性となるように2枚以上で適宜設定される。このとき、積層される布状体の各々は同一のものに限らず、線条体4の種類、幅、厚み、延伸倍率、打ち込み本数、織り方等を異ならせた布状体同士を積層してもよい。
また、図6に示すように、積層体3を形成する際、同様の布状体又は線条体4の種類、幅、厚み、延伸倍率、打ち込み本数、織り方等を異ならせた布状体によって、月形芯2の大きさよりも小さくなるように形成した小布状体21を部分的に積層することで、強度や剛性を部分的に異ならせた月形芯2を得るようにしてもよい。
積層体3の厚みは、0.5mm〜2.5mmとすることが好ましい。0.5mmよりも薄くなると、これを単独で使用して月形芯2を形成した場合、月形芯2としての強度が得難くなる。また、2.5mmを超えるようになると、月形芯2の剛性が高くなりすぎ、積層体3を月形芯2に使用することのメリットが得難くなる。
月形芯2は、積層体3から所望の形状となるように裁断される。また、予め布状体を所望の月形芯形状となるように形成しておき、この布状体を複数枚積層し、加熱圧縮することによって月形芯2を得るようにしてもよい。これらによって得られた月形芯2は、必要に応じて靴1の踵部の形状に沿って湾曲するように形付けされる。
このような積層体3は、熱可塑性樹脂で構成されていることから比重が低く軽量であり、機械的強度も高い。このため、軽くて強度の高い月形芯2を得ることができる。軽いことにより、靴1の軽量化にも寄与する。
また、積層体3は、熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体4によって構成されているため、この積層体3を有する月形芯2は、割れ、折れ等が起き難く、繰り返しの屈曲性に優れる等、高い耐久性も有する。このため、ヌメのように踵を踏むと崩れて元に戻り難くなることはない。
即ち、ASTM D 1052を準用して、試験片として積層体3を厚み1.2mm、幅25mm、長さ152mmに裁断し、ロス式試験機を用い、90°屈曲するように試験機に取り付け、50000回繰り返し試験を行って破損の有無を確認したが、破損は無かった。このように、積層体3は屈曲に対して極めて高い耐久性を有している。
次に、図7に示す実施の形態について述べる。
以上説明した実施形態では、積層体3のみによって月形芯2を形成するようにしたが、図7に示す実施形態では、積層体3と鞣し皮革23とで月形芯2を形成するようにしている。すなわち、この月形芯2は、積層体3を所定の形状に切断することによって積層体片22を形成し、この積層体片22に、所定の鞣し加工を行って所定の形状に切断した鞣し皮革23を積層したものである。
この時、月形芯2の総厚みは5mm以下(鞣し皮革23の総厚みが2.5mm以下)とすることが好ましい。月形芯2の総厚みが5mmを超えるようになると、一般的に月形芯2の剛性が高くなりすぎ、積層体3を用いるメリットが少なくなるからである。
図7に示す月形芯2は、積層体片22の片面に鞣し皮革23を積層した例を示している。このように積層体片22の片面に鞣し皮革23を積層した場合、月形芯2の内側(足の踵側)に鞣し皮革23、外側に積層体片22が配置されるようにすることが好ましい。鞣し皮革23が、足の表面から出る水蒸気等の水分を吸収し、足になじむように作用するからである。
また、図示しないが、積層体片22を中心にサンドイッチするように、その両面に鞣し皮革23を積層することによって月形芯2を構成することもできる。この場合はいずれの面も鞣し皮革23の面となるため、内側外側の向きを選ばずに、上記のように鞣し皮革23が足になじむ作用を有する月形芯2を所定の湾曲形状に形成することができる。
なお、鞣し皮革23を積層した月形芯2の作製に当たって、積層体片22と鞣し皮革23は、例えばゴム系、エポキシ系、ホットメルト系等の適宜接着剤を用いて接着する他、これらを縫着することにより月形芯2を形成することができる。また、図7の実施の形態においては、所定の形状に切断した積層体片22と鞣し皮革23を用いているが、接着又は縫着した後に、所定の形状に切断を行ってもよいことは言うまでも無い。
以上説明した月形芯2は、略半月状に形成されたものを例示したが、月形芯2の形状は、使用される靴の踵部との関係で適宜変更することができる。例えば、図8に示すように、靴底側にリブ24を延設することもできる。このリブ24は、月形芯2の所定の湾曲形状を保持する役目を果たすと共に、中底や本底等との接着部位として機能させることもできる。
また、月形芯2は、図9に示すように、中底92と一体的に構成してもよい。この場合、シート状の積層体3から中底92と月形芯2の部位を一体に裁断した後、プレス成形等によって月形芯2を形付けしてもよいし、シート状の積層体3に中底92と月形芯2との一体物をプレス成形等した後に、裁断するようにしてもよい。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
(実施例1)
高融点樹脂成分としてポリプロピレン(MFR=0.4g/10分、重量平均分子量Mw=630,000、融解ピーク温度164℃)と、低融点樹脂成分としてプロピレン−エチレンランダム共重合体(MFR=7.0g/10分、重量平均分子量Mw=220,000、融解ピーク温度125℃)とを用いて、インフレーション成形法によって、低融点樹脂成分を両外層とし、高融点樹脂成分を中間層とした3層フィルム(層厚み比1/8/1)を得た。
高融点樹脂成分(ポリプロピレン)と、低融点樹脂成分(プロピレン−エチレンランダム共重合体)は、何れもポリオレフィンであり、同種の樹脂成分である。
得られたフィルムを、レザー(razor)でスリットした。次いで、温度110〜120℃の熱板上で7倍に延伸した後、温度145℃の熱風循環式オーブン内で10%の弛緩熱処理を行い、糸巾4.5mm、繊度1700dtのフラットヤーンを得た。
得られたフラットヤーンを、スルーザー織機を用いて、経糸15本/25.4mm、緯糸15本/25.4mmの綾織に織成することによって布状体を得た。
一方、低融点樹脂成分としてプロピレン−エチレンランダム共重合体(MFR=7.0g/10分、重量平均分子量Mw=220,000、融解ピーク温度125℃)と、高融点樹脂成分としてポリプロピレン(MFR=1.9g/10分、重量平均分子量Mw=500,000、融解ピーク温度161℃)とを、重量比率として、低融点樹脂成分:高融点樹脂成分=80:20で混合して、インフレーション成形法によって接着用フィルムを得た。
得られた布状体4枚と、得られた接着用フィルム3枚を、布状体/接着用フィルム/布状体/接着用フィルム/布状体/接着用フィルム/布状体となるように交互に積層してクロス積層物を得た。
得られたクロス積層物を、油圧式プレス機でプレス温度145℃、圧力5MPaで2分間加熱プレスした後、油圧式プレス機でプレス温度25℃、圧力5MPaで2分間冷却プレスして積層体を得た。
得られた積層体の片面に、目付重量30g/mのPETスパンレース不織布と、厚み30μmのEMA(エチレン−アクリル酸メチル共重合体)フィルムを、積層体/EMAフィルム/不織布の順に積層し、油圧式プレス機でプレス温度125℃、圧力0.5MPaで1分間プレスした後、油圧式プレス機でプレス温度25℃、圧力0.5MPaで1分間プレスして厚さ1.0mmの積層体シートを得た。
得られた積層体シートを月形芯の形状に打抜いた後、130℃に加熱し、アルミ型にてプレス成形して形付けし、積層体月形芯(1)を得た。
(比較例1)
厚さ1mmの含浸紙を月形芯の形状に打抜いて月形芯(2)を得た。
<評価方法>
実施例1及び比較例1で得られた月形芯を用いて、26.5cmのフットサル用靴を製造し、以下の評価方法に基づき俊敏性の効果を評価した。
試技者に当該靴を履かせ、足踏みした状態から前進するために蹴り出した一歩目が着床した際における、左右方向の床反力Fxを、キスラー(株)製フォースプレート9281Bを用いて測定した。Fx値の最大値(踵が外側に倒れた点)から、Fx値の最小値(踵が内側に倒れた点)までをプロネーション動作と見なす。
試技者1名あたり各フットサル用靴について5回ずつの試技を行い、それぞれのプロネーション動作時間の平均値を求めた。その結果を表1に示す。また、試技者の身長及び体重も表1に示す。
Figure 2016002412
<評価>
表1より、実施例1の積層体月形芯(1)を用いた靴の場合、比較例1の月形芯(2)を用いた靴の場合と比較して、プロネーション動作時間が短縮でき、着地後の次の踏み出し動作に迅速に移行できることがわかり、すなわち俊敏性が向上していると言える。
1:靴
2:月形芯
21:小布状体
22:積層体片
23:鞣し皮革
24:リブ
3:積層体
4:線条体
4A:経糸
4B:緯糸
6:甲皮
7:内皮
8:アッパー部
9:ソール部
91:中敷
92:中底
93:アウターソール

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂を延伸して得られた線条体を用いて形成された布状体を複数枚積層し、前記線条体の一部分が溶融するように加熱圧縮されてなる積層体を少なくとも有していることを特徴とする月形芯。
  2. 前記積層体の片面に、鞣し皮革を接着又は縫着することによって形成されることを特徴とする請求項1記載の月形芯。
  3. 前記積層体の両面に、鞣し皮革を接着又は縫着することによって形成されることを特徴とする請求項1記載の月形芯。
  4. 前記積層体の厚みを、0.5〜2.5mmとすることを特徴とする請求項1、2又は3記載の月形芯。
  5. 請求項1〜4の何れか記載の月形芯を踵部に有していることを特徴とする靴。
  6. 請求項1、2又は4記載の月形芯を踵部に有している靴であって、前記積層体が、靴の表面に露出するように設けられていることを特徴とする靴。
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