JPWO2016002233A1 - 質量分析データ処理装置 - Google Patents

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Abstract

化合物データベース(33)に収録するマススペクトル上のピーク毎に、属性情報として、データベース検索に使用するか否かを選択し得る非使用指示情報を設定可能とする。例えば実測の際に混入したノイズピークや夾雑物由来ピークなどに対し、予め非使用指示情報を設定しておく。化合物同定に際し、データベース検索のためにデータベース(33)からマススペクトルとともに非使用指示情報が読み出されると、不要情報削除部(341)は非使用指示情報が設定されているピークを削除したマススペクトルを化合物候補抽出部(342)やスコアリング部(343)に送る。そのため、非使用指示情報が設定されているピークは例えば化合物候補のスコアを計算する際に無視され、より精度の高いスコアが計算されることになり、同定精度を改善することができる。

Description

本発明は、質量分析装置で収集されたデータを解析処理するデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、多数の既知化合物に対するマススペクトルが収録されたデータベースを利用して試料中の未知化合物を同定したりその構造を推定したりするためのデータ処理装置に関する。
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)や液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)を利用して試料中の未知化合物を同定する方法の一つとして、多数の既知化合物に対するマススペクトル(MSnスペクトルを含む、ただしnは2以上の整数)を収録したデータベース(「ライブラリ」と呼ばれることもある)を用いたデータベース検索による方法がよく知られている。こうしたマススペクトルを収録したデータベースとしては例えば、米国国立標準技術局(NIST)がまとめた、いわゆるNISTデータベース、又は出版社ジョン・ワイリー・アンド・サンズがまとめた、いわゆるWileyデータベースのような一般的な化合物のマススペクトルを網羅的に収録した汎用的なデータベースから、農薬用、薬物用、代謝物用など、特定分野の又は特定目的の化合物に的を絞ったデータベースまで、様々なものがある(特許文献1など参照)。
こうしたマススペクトルのデータベースは、一般的に、実機を用いて目的化合物の標準品を実際に測定することによって得られたデータに基づいて作成される。通常、データ採取時には、様々な要因によるノイズ等の不要な要素がマススペクトルに含まれる。具体例を挙げると、例えばLC−MSでは、LCで使用される移動相に混じっている夾雑物由来のイオンが不要な要素としてマススペクトルに現れることがある。また、カラムから析出した夾雑物由来のイオンが不要な要素としてマススペクトルに現れることもある。このように不要な要素がマススペクトルに含まれる可能性はあるものの、得られたマススペクトルに対して恣意的に何らかの加工を施してデータベースに収録することは分析の信頼性の点から好ましくない。そのため、上記のような不要な要素を含んだマススペクトルであっても、通常、そうしたマススペクトルはそのままデータベースに収録される。
ところで、マススペクトルに基づくデータベース検索のアルゴリズムには様々なものがあるが、一般に、未知化合物に対して得られたマススペクトルとスペクトルパターンが或る程度類似した化合物をデータベースの中から複数抽出して化合物候補とし、そのあと、スペクトルパターンの一致度を厳密に数値化したスコアを計算して、そのスコアの高い順に化合物候補を順位付けしてユーザに提示するという2段階の処理が行われることが多い。こうしたデータ処理を行う際に、データベース中のマススペクトルに不要な要素が含まれていると、疑陽性や疑陰性が発生し易くなり検索精度を低下させることになる。
また、主要骨格が同じである類似した異なる化合物に対するマススペクトルには、その同一である主要骨格に由来する共通のスペクトルパターンが現れるため、マススペクトル自体がかなり類似したものとなる。こうした類似した化合物がデータベースに多数収録されていると、その中の一つの化合物が未知化合物であったときに、マススペクトルが類似している多数の化合物が化合物候補として抽出される。そのようにして抽出された複数の化合物候補に対するマススペクトルのスペクトルパターンは共通部分が多いため、スコアを計算しても有意差がつきにくく、スコアを比較してもいずれが正解の化合物かを判定するのは困難である。また、正解である化合物が高く順位付けされる可能性も低くなる。さらにまた、マススペクトルを利用した化合物同定では、最終的に測定者が目視でマススペクトルの一致性を確認することが多いが、抽出される化合物候補の数が多すぎると、測定者による確認作業が非常に負担になるうえに見逃し等の作業ミスも起こり易くなる。
特開2005−83952号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、データベースに収録されているマススペクトルが、ノイズなどの不要な要素が含まれるものであったとしても、データベース検索による化合物同定や構造推定の精度を向上させることができる質量分析データ処理装置を提供することである。
また本発明の他の目的は、主要骨格が共通する類似した多数の化合物がデータベースに収録されており、その中の一つの化合物が目的化合物であるような場合であっても、データベース検索において類似化合物の影響を排除し、目的化合物を高い確度で同定することができる質量分析データ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様は、未知化合物に対して質量分析を行うことで得られたマススペクトルを既知化合物のマススペクトルが収録されたデータベースと照合することにより該未知化合物の物質を推定する又は構造を推定する質量分析データ処理装置において、
a)マススペクトル上に現れるイオンピークの少なくとも一部に関連付けて、後記データベース検索のいずれかの段階で使用されないことを示す非使用指示情報が属性情報として設定可能である、既知化合物のマススペクトルが収録されたデータベースと、
b)前記データベースを用いて未知化合物に対して得られたマススペクトルについてのデータベース検索を実施する際に、前記属性情報として前記非使用指示情報が付されているイオンピークを除外したマススペクトルを用いてデータベース検索を行う検索実行部と、
を備えることを特徴としている。
ここでいう「質量分析」はイオンに対する開裂操作を含むMS/MS分析やnが3以上であるMSn分析を含み、「マススペクトル」はMS/MSスペクトルやMSnスペクトルを含む。
本発明の第1の態様に係る質量分析データ処理装置において、データベースに収録されるマススペクトルは一般的にはセントロイド処理された線スペクトルである。例えば、電子イオン化法によるイオン源では、イオン化に際して分子イオンが開裂を生じて様々なフラグメントイオンが生成され易いので、マススペクトルには分子イオン由来のピークのほかに、各種のフラグメントイオンピークが現れる。また、多くの元素は自然同位体を持つため、分子イオンピークやフラグメントイオンピークは、モノアイソトピック質量ピークのほかに1又は複数の同位体ピークを伴う。即ち、マススペクトル上では、複数の異なる質量電荷比m/z位置にイオンピークが現れる。本発明の第1の態様に係る質量分析データ処理装置におけるデータベースでは、例えば、マススペクトル上のイオンピーク毎に、換言すれば質量電荷比毎に、属性情報として非使用指示情報を設定できるようになっている。
非使用指示情報は当該マススペクトルをデータベースに収録する際に設定するようにしてもよいし、或いは、マススペクトルをデータベースに収録したあとに非使用指示情報を設定できるようにしてもよい。また、データベースにすでに収録されているマススペクトルについて、非使用指示情報を新たに設定したりその設定を変更したりすることができるようにしてもよいが、誤って又は悪意を以て意図的に非使用指示情報を変更することがないように、セキュリティ対策を施しておくことが望ましい。
一例として、既知化合物に対して実測を行うことで得たマススペクトルをデータベースに収録する際に、明らかにその化合物からは生成される筈のないイオンピーク、つまりはノイズであると推定されるピークが存在する場合に、そのイオンピークについて非使用指示情報を設定しておけばよい。
試料中の未知化合物を同定したい場合、その未知化合物を質量分析することで得られたマススペクトルが与えられると、検索実行部は、そのマススペクトルについてのデータベース検索を実施する。その際に、データベースに収録されているマススペクトル毎に属性情報を確認し、或るマススペクトルについて非使用指示情報が付されているイオンピークがある場合には、そのイオンピークを除外したマススペクトルを未知化合物のマススペクトルに対する照合の対象とする。それによって、上述したようにノイズピークに非使用指示情報が付されている場合には、そのノイズピークはスペクトルパターンの比較等に反映されず、ノイズピークが存在することによる検索精度の低下を回避することができる。
本発明に係る質量分析データ処理装置の好ましい一実施態様として、
上記検索実行部は、マススペクトルのパターンを比較して候補となる化合物を複数抽出する候補抽出部と、抽出された複数の候補化合物についてマススペクトルの類似性に基づいて化合物候補の順位付けを行う順位付け部と、を含み、
上記非使用指示情報は、上記候補抽出部による化合物の抽出及び前記順位付け部による化合物候補の順位付けに共に使用されないことを示す第1の非使用指示情報と、上記順位付け部による化合物候補の順位付けの際にのみ使用されないことを示す第2の非使用指示情報と、を含み、
上記候補抽出部は、第1の非使用指示情報が付されているイオンピークを除外したマススペクトルを用いて化合物候補を複数抽出し、上記順位付け部は、第1の非使用指示情報と第2の非使用指示情報との少なくともいずれか一方が付されているイオンピークを除外したマススペクトルを用いて化合物候補を順位付けする構成とするとよい。
この構成では、検索実行部によるデータベース検索の処理が、スペクトルパターンの比較により複数の化合物候補を抽出する段階と、例えばその化合物候補それぞれの類似性を示すスコアを計算して該スコアに従って順位付けを行う段階と、の2段階となっており、それら両方の段階で使用されないイオンピークと、化合物候補抽出の段階では使用されるものの順位付けの段階では使用されないイオンピークとを区別するように2種類の非使用指示情報が割り当てられる。したがって、検索実行部によるデータベース検索処理ではデータベース中のマススペクトル上に現れる特定のイオンピークを一切無視することもできるし、また複数の化合物候補を抽出する段階ではデータベース中のマススペクトル上に現れる特定のイオンピークを考慮するものの、順位付けを行う段階では同じイオンピークを無視する、といったデータベース検索も可能である。
例えば、データベースに主要骨格が同じである類似化合物が多数存在している場合であって、そうした化合物の一つが同定対象である目的化合物である場合には、主要骨格に対応したイオンピークに対して第2の非使用指示情報を付すとよい。この場合、複数の化合物候補を抽出する段階では、主要骨格に対応したイオンピークが考慮されるため、目的化合物と主要骨格が同一である多数の類似化合物が化合物候補として抽出される。一方、こうして抽出された化合物候補についてのスコアがそれぞれ計算される際には、同一の主要骨格に対応したイオンピークは無視されるので、主要骨格以外の各化合物を特徴付けるイオンピークの類似性、相違性がスコアに大きく反映される。
その結果、類似化合物が多数存在しても、その中で正解である化合物に高いスコアが与えられる可能性が高く、正解である化合物を的確に同定結果として得ることができるようになる。また、順位付けの段階で化合物候補を的確に絞り込むことができるので、測定者が目視でマススペクトルの一致性などを確認する際にも、測定者の負担を軽減することができる。また、測定者の確認ミスなどの発生も軽減することができる。
また上記課題を解決するために成された本発明の第2の態様は、既知化合物のマススペクトルが収録されたデータベースを用いたデータベース検索により、未知化合物を推定するための質量分析データ処理装置において、
a)マススペクトル上に現れるイオンピークの少なくとも一部に関連付けて、データベース検索において優先的に扱われる優先指示情報が属性情報として設定可能である、マススペクトルが収録されたデータベースと、
b)未知化合物のマススペクトルを前記データベース中のマススペクトルと照合するデータベース検索を実施することで目的の未知化合物であると推測され得る化合物候補を抽出する検索処理部であって、前記優先指示情報が設定されているイオンピークが前記未知化合物のマススペクトルに存在することを条件の一つとして化合物候補を抽出する、又は、前記優先指示情報を用いないデータベース検索により抽出された化合物候補の中で、該優先指示情報が設定されているイオンピークが前記未知化合物のマススペクトルに存在する化合物候補を他の化合物候補と識別可能である検索結果を作成する検索処理部と、
を備えることを特徴としている。
本発明の第2の態様に係る質量分析データ処理装置では、上記第1の態様における非使用指示情報と同様に、例えば、マススペクトル上のイオンピーク毎、つまりは質量電荷比毎に、属性情報の一つとして優先指示情報を設定できるようになっている。
試料中の未知化合物を同定したい場合、その未知化合物を質量分析することで得られたマススペクトルが与えられると、検索実行部は、例えば、そのマススペクトルについての通常のデータベース検索を実施し、スペクトルパターンの類似性が高い複数の化合物候補を抽出する。そのあと、抽出された複数の化合物候補に対応するマススペクトル上で優先指示情報が設定されているイオンピークがあるか否かを確認し、優先指示情報が設定されているイオンピークが未知化合物のマススペクトルに存在しない化合物候補を除外する。又は、除外する代わりに、データベース検索により抽出された複数の化合物候補の中で、優先指示情報が設定されているイオンピークが未知化合物のマススペクトルに存在する化合物候補をそれ以外の化合物候補と識別できるように検索結果を作成し表示する。
したがって、主要骨格が同じである類似した異なる化合物が多数存在する場合に、そうした主要骨格に対応するイオンピークではなく、それ以外の、個々の化合物を特徴付ける部分構造に対応するイオンピークに優先指示情報を設定しておくことで、未知の化合物に存在する部分構造を持つ、つまりは正解である可能性が高い化合物候補を、最終的な化合物候補に残したり、他の化合物候補と識別できるように測定者に提示したりすることができる。
本発明の第2の態様に係る質量分析データ処理装置では、さらに好ましくは、
上記データベースには、上記優先指示情報が設定されているイオンピークについて、該イオンピークが存在するマススペクトル上の特定のピークの信号強度に対する該イオンピークの信号強度の強度比を判定するための閾値情報を上記優先指示情報と併せて属性情報として設定可能である構成とするとよい。
ここで、特定のピークとは、マススペクトル上の特定の質量電荷比におけるピーク、又は質量電荷比とは関係なく最大強度を示すピークなどとすればよい。
そして、この構成において、上記検索処理部は、上記優先指示情報が設定されているイオンピークが上記未知化合物のマススペクトルに存在すること、及び、該未知化合物のマススペクトル上での上記特定のピークの信号強度に対する上記イオンピークの信号強度の強度比が上記優先指示情報とともに該イオンピークに設定されている閾値情報以上であること、を条件の一つとして化合物候補を抽出するようにするとよい。
この構成によれば、優先指示情報が設定されているイオンピークが未知化合物のマススペクトルで観測される場合でも、その信号強度が有意でないと想定されるイオンピークを含む化合物候補は実質的にその候補から外される。それによって、化合物候補を的確に絞り込むことができ、正解である化合物を測定者が特定することが容易になる。
本発明の第1及び第2の態様に係る質量分析データ処理装置によれば、実測で得られたマススペクトルをデータベースに利用しながら、このデータベースを用いたデータベース検索による化合物の同定や構造解析の精度を向上させることができる。
本発明に係る質量分析データ処理装置を用いたLC−MSシステムの第1実施例の概略構成図。 第1実施例のLC−MSシステムにおける化合物同定処理の一例の説明図。 本発明に係る質量分析データ処理装置を用いたLC−MSシステムの第2実施例の概略構成図。 第2実施例のLC−MSシステムにおける化合物同定処理の一例の説明図。
本発明に係る質量分析データ処理装置を用いたLC−MSシステムの第1実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のLC−MSシステムの概略構成図、図2は本実施例のLC−MSシステムにおける化合物同定処理の一例の説明図である。
本実施例のLC−MSシステムは、液体クロマトグラフ(LC)1と、質量分析部(MS)2と、データ処理部3と、を備える。
図示しないが、液体クロマトグラフ1は、移動相が収容された移動相容器、移動相を一定流速で送給するポンプ、送給される移動相中に所定量の液体試料を注入するインジェクタ、液体試料に含まれる化合物を分離するカラムなど、液体クロマトグラフとしての基本的な要素を含み、時間的に分離された各化合物を含む試料を質量分析部2へと送る。
同じく図示しないが、質量分析部2は、試料中の化合物をイオン化する大気圧イオン源、生成されたイオンを輸送するイオンガイド、イオンを質量電荷比m/zに応じて分離する四重極マスフィルタ、分離されたイオンを検出するイオン検出器などを有し、四重極マスフィルタにおいて所定の質量電荷比範囲に亘るスキャン測定を繰り返すことによって、その質量電荷比範囲のマススペクトルデータを繰り返し収集することができる。
データ処理部3は、測定データ格納部31、マススペクトル作成部32、化合物データベース33、データベース検索処理部34、属性情報設定部35、を機能ブロックとして含み、データベース検索処理部34は、不要情報削除部341、化合物候補抽出部342、スコアリング部343、順位付け部344、を含む。また、データ処理部3には、データベース検索の際の検索条件を設定する等のために測定者が操作する入力部4と、検索条件や検索結果などを表示する表示部5と、が接続されている。
なお、データ処理部3の機能の一部又は大部分は、パーソナルコンピュータ上で所定のデータ処理プログラムを実行することにより具現化する構成とすることができる。
化合物データベース33には、多数の化合物について、化合物名、構造式、分子量などの化合物情報331に対応付けてマススペクトルデータ332が登録されている。これは従来と同様である。ここでは、さらにマススペクトルデータ332に対する属性情報333の登録が可能となっている。属性情報は次のような情報である。
例えば図2(a)に示したような、横軸を質量電荷比m/z、縦軸を信号強度とするマススペクトルには、通常、複数のピークが現れ、その中には本来の目的化合物由来のピークもあれば、目的化合物とは無関係である夾雑物に由来するピークや、それ以外の種々の要因によるノイズピークが含まれる。こうした夾雑物由来ピークやノイズピークはマススペクトル上に存在しないことが好ましいものの、実測により得られたマススペクトルにはこうした不所望のピークが現れることが避けられない。そのため、実測結果に基づいてデータベースを作成する際には、こうした不所望のピークを含むマススペクトルが登録されることになる。
また、実測により得られたマススペクトルには、目的化合物由来のピークではあるものの、該化合物を同定しようとする際には支障になり得るピークもある。例えば、主要骨格がほぼ同じであり一部分の構造がそれぞれ異なるような類似した化合物の中の一つが目的化合物である場合、マススペクトルには主要骨格に由来するイオンピークが高い信号強度で現れる。しかしながら、そうしたイオンピークは類似化合物に共通に現れるから、目的化合物を同定するのに有益でないのみならず、化合物特異的な部分構造に由来するピークの影響を矮小化することにもなる。
そこで、本実施例のLC−MSシステムでは、こうした同定に不要なピークや同定を行ううえで却って障害となるピークを検索結果に反映させないように、マススペクトル上に現れるピーク毎に、データベース検索の際に使用しない、つまりは無視することを示す非使用指示情報を付加することができるようにしている。ここでは、この非使用指示情報には第1非使用指示情報と第2非使用指示情報との2種類がある。この点は後述する。
上記非使用指示情報は、化合物データベース33にすでに登録されている任意の化合物のマススペクトルデータ332に対して、或いは化合物データベース33に新たに登録しようとしている任意の化合物のマススペクトルデータ332に対して、ユーザが適宜に設定することができる。例えば、ユーザが入力部4より所定の操作を行うと、属性情報設定部35がユーザにより指定された化合物のマススペクトルを表示部5の画面上に表示する。ユーザが表示されたマススペクトル上で同定に使用しないピークを入力部4によるクリック操作等により指示すると、属性情報設定部35は指示されたピークの質量電荷比を認識し、その情報を非使用指示情報として、化合物データベース33内の属性情報333を格納する所定の記憶領域に書き込む。
もちろん、こうして設定された非使用指示情報が操作ミスや悪意によって書き換えられてしまうと分析の信頼性を低下させることになるから、非使用指示情報の新たな設定や変更は、一般の測定者に比べて高い権限を有する担当者のみが実施可能であるように、セキュリティ対策を施しておくことが望ましい。
次に、本実施例のLC−MSシステムにおいて、上述したように化合物データベース33に非使用指示情報が設定されている状態で実施される特徴的な化合物同定処理について、図2を参照しつつ説明する。
測定者は、目的試料に対する測定によって収集されたデータに基づいて作成され、表示部5の画面上に表示されるクロマトグラムにおいて、同定したい化合物に由来すると推定されるピークを入力部4により指示する。すると、指示されたピークのピークトップの時間に得られたデータが測定データ格納部31から読み出され、マススペクトル作成部32はこのデータに基づいてマススペクトルを作成しデータベース検索処理部34へと送る。データベース検索処理部34は、この与えられたマススペクトル(以下、「目的マススペクトル」という)にスペクトルパターンが類似した化合物を化合物データベース33の中から探索することにより、目的とする未知化合物を同定する。
データベース検索処理部34においてデータベース検索は、(I)化合物候補抽出部342による、類似したスペクトルパターンを有する化合物候補のおおまかな抽出、及び、(II)スコアリング部343による、複数の化合物候補それぞれについてのスペクトルパターンの詳細な類似性を示すスコアの算出、の二つの段階に分けて行われ、算出されたスコアに基づいて最終的な候補の絞り込みや順位付けが候補順位付け部344において行われる。上述した第1非使用指示情報は(I)及び(II)の両方の段階で参照され、上述した第2非使用指示情報は(II)の段階でのみ参照される。
目的マススペクトルとスペクトルパターンが類似した化合物を抽出する際に、化合物候補抽出部342は、化合物データベース33に登録されている化合物に対応したマススペクトルデータ332を順次読み出すが、その際に、属性情報333として格納されている第1非使用指示情報も読み出す。不要情報削除部341は読み出されたマススペクトルデータの中で第1非使用指示情報が設定されているピークを削除し、化合物候補抽出部342はピーク削除処理後のマススペクトルと目的マススペクトルとのスペクトルパターンとが類似しているか否かを判定する。
いま、化合物データベース33に収録されている、図2(a)に示すマススペクトル上のピークについて、○印を付したピークに第1非使用使用情報のフラグが、△印を付したピークに第2非使用使用情報のフラグが設定されているものとする。この場合、化合物候補抽出時には、不要情報削除部341は第1非使用指示情報が設定されているピークを削除するから、スペクトルパターン類似性の判定のために化合物候補抽出部342に供されるマススペクトルは図2(b)に示すようになる。即ち、図2(a)において○印が設定されていたピークはスペクトルパターン類似性の判定の際に無視される。したがって、データベースに登録するための実測の際に意図せず現れてしまったノイズピークなどに第1非使用指示情報を設定しておけば、そうしたノイズピークが実質的に存在しないマススペクトルを用いた場合と同様の化合物候補抽出が可能である。
なお、化合物候補抽出のための具体的なアルゴリズムはここでは特に問わないが、膨大な数の化合物が登録されている化合物データベース33からできるだけ短時間で化合物を探索するために、信号強度が所定の閾値以上でありさえすれば、その信号強度の高低は問わず、ピークが現れる質量電荷比の位置のみに着目して類似性を判定するようにしてもよい。
次に、抽出された複数個の化合物候補それぞれについて、スコアリング部343は、目的マススペクトルとその化合物候補に対応するマススペクトルとのスペクトルパターンの類似度合いを定量化したスコアを計算する。このスコア計算の際には、属性情報333として化合物データベース33に格納されている第1非使用指示情報及び第2非使用指示情報を共に読み出し、不要情報削除部341は読み出されたマススペクトルデータの中で第1非使用指示情報と第2非使用指示情報との少なくともいずれか一方が設定されているピークを削除する。そして、スコアリング部343は、ピーク削除処理後のマススペクトルと目的マススペクトルとのピークの位置及び信号強度との差などに基づきスコアを算出する。
図2の例では、スコアリング時には、不要情報削除部341は第1非使用指示情報と第2非使用指示情報の少なくともいずれか一方が設定されているピークを削除するから、スコアリング部343に供されるマススペクトルは図2(c)に示すようになる。即ち、図2(a)において○印が設定されていたピークと△印が設定されていたピークは共に、スコアリングの際には無視される。したがって、類似化合物との識別に有用でない主要骨格由来のイオンピークなどに第2非使用指示情報を設定しておけば、そうしたピークの類似性はスコアに反映されず、それ以外の特異的な部分構造に由来するピークの類似性、相違性がスコアに明瞭に現れる。その結果、特異的な部分構造が目的化合物と同一である化合物候補に対するスコアが高くなる。また、上述したようにノイズピークなどに対して第1非使用指示情報を設定しておけば、ノイズピークはスコアにも反映されないのでスコアの精度が向上する。
こうして複数の化合物候補それぞれのスコアが算出されると、候補順位付け部344はスコアが極端に低い化合物候補があった場合にはそれをリストから除外する。そして、残りの化合物候補をスコアの高い順に並び替えて、スコアとともに表示部5の画面上に同定結果として表示する。このようにして、本実施例のLC−MSシステムでは、化合物データベース33に登録されているマススペクトルの各ピークに非使用指示情報を設定可能とし、データベース検索時にこれを利用して一部のピークを無視することによって、より確からしい化合物候補を探索し、高い精度で確からしさの順位付けを行うことができる。
次に、本発明に係る質量分析データ処理装置を用いたLC−MSシステムの第2実施例について、添付図面を参照して説明する。図3はこの第2実施例のLC−MSシステムの概略構成図、図4は第2実施例のLC−MSシステムにおける化合物同定処理の一例の説明図である。図3において図1に示した構成と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
このLC−MSシステムにおいて、化合物データベース33に格納されているマススペクトルデータ332に対応する属性情報333は、優先指示情報と強度比閾値情報とを含む。また、データベース検索処理部34は、優先イオン確認部345、及び強度比演算部346を含む。
優先指示情報は、第1実施例における非使用指示情報と同様に、化合物データベース33にすでに登録されている任意の化合物のマススペクトルデータ332に対して、或いは化合物データベース33に新たに登録しようとしている任意の化合物のマススペクトルデータ332に対して、ユーザが適宜に設定することができるものである。一方、強度比閾値情報は、優先指示情報が設定されたマススペクトル上のピークについてユーザが適宜に設定可能な数値情報である。この強度比閾値情報は、後述するように、所定の基準強度に対する目的とする(つまりは優先指示情報を設定した)ピークの相対的な信号強度を判定するための閾値を示すものであり、具体的には例えば、そのマススペクトル上の特定の質量電荷比におけるピークの信号強度や、そのマススペクトル上で観測される最大強度を上記基準強度として定めるようにすればよい。
次に、本実施例のLC−MSシステムにおいて、上述したように化合物データベース33に優先指示情報及び強度比閾値情報が設定されている状態で実施される特徴的な化合物同定処理について、図4を参照しつつ説明する。
上記第1実施例と同様に、測定者がクロマトグラム上で同定したい化合物に由来すると推定されるピークを入力部4により指示すると、データベース検索処理部34は目的マススペクトルにスペクトルパターンが類似した化合物を化合物データベース33の中から探索する。このデータベース検索の際に、化合物候補抽出部342は、類似したスペクトルパターンを有する化合物候補のおおまかな抽出を行い、引き続いてスコアリング部343は、複数の化合物候補それぞれについてのスペクトルパターンの詳細な類似性を示すスコアを算出する。ここでは、第1実施例とは異なり、属性情報として非使用指示情報は設定されていないので、化合物データベース33に登録されているマススペクトルデータ332上の全てのピークがデータベース検索に利用される。
ここでは、説明を簡単にするために、スコアリング部343において目的マススペクトル上のピークの質量電荷比と、化合物候補のマススペクトル上のピークの質量電荷比との一致度のみに基づいたスコアリングを行い、そのピークの信号強度の類似性は無視するものとする。図4に示すように、目的マススペクトルでは、m/z=a、b、cという三つの質量電荷比でピークが観測されているものとする。スコアリング部343は各化合物候補のマススペクトルにおいて、上記三つの質量電荷比(実際には各質量電荷比を中心とする所定のマージンを見込んだ質量電荷比範囲)にピークが存在するか否かを確認し、同じ質量電荷比にピークが存在した場合にスコアを1ずつ加算する。いま、A、B、C、Dなる四つの化合物候補のマススペクトルが図4に示すようである場合、ピークの質量電荷比の一致性からスコアを求めると、化合物A、Dでは質量電荷比が一致するピークの本数は3であるのでスコアは「3」、化合物B、Cでは質量電荷比が一致するピークの本数は2であるのでスコアは「2」となる。
この処理と並行して又はその処理のあとに、優先イオン確認部345は、スコアに加算されたピークに優先指示情報が設定されているか否かを確認する。そして、スコアに加算されたピークに優先指示情報が設定されていれば、その化合物候補にその旨を示すフラグを付加する。図4の例では、スコアに加算されたピークに優先指示情報が設定されているのは、化合物A、Cの二つである。そこで、それら二つの化合物候補にフラグを付加する。候補順位付け部344はスコアが極端に低い化合物候補があった場合にはそれをリストから除外し、残りの化合物候補をスコアの高い順に並び替え、スコアとともに表示部5の画面上に同定結果として表示する。この際に、フラグが付されている化合物候補には、優先イオンが含まれることを示す表示を併せて行う。図4の例1では、「優先イオンあり」とのテキスト情報を表示するようにしているが、表示の態様はこれに限らない。
また、スコアの差が小さい場合には優先イオンの有無がより重要であることもあるから、図4中に例2に示したように、スコアが低くても優先イオンが含まれている化合物を順位の上位に並べるようにしてもよい。
このように、データベース検索の結果において優先指示情報が設定されているイオンを含む化合物はそうでない化合物と識別可能であるとともに、場合によってはスコアが低くても優先的に、つまりリストの上位に表示される。このため、例えば目的とする化合物を特徴付けるイオンやそれ以外の化合物と区別するのに有用なイオンが既知である場合には、そのイオンに対し優先指示情報を設定しておくことで、検索結果から正解である化合物候補を測定者が容易に選択することができるようになる。
また、優先イオン確認部345が優先指示情報の設定の有無に応じて化合物候補に優先指示情報ありを示すフラグを付加する際に、優先指示情報と共に強度比閾値情報も設定されていた場合には、強度比演算部346は次のような処理を実行することができる。即ち、強度比演算部346は、その化合物候補のマススペクトルにおいて、相対強度比の強度基準とされているピークの信号強度値と、優先指示情報が設定されているピークの信号強度値とを求め、強度比を計算する。そして、その強度比を強度比閾値情報による閾値と比較し、該閾値以上であれば優先指示情報が有効であると判定する。そして、有効であると判定された優先指示情報が設定されているイオンを含む化合物候補にのみフラグを付加する。これによって、優先指示情報が設定されているイオンを含むだけでなく、そのイオンの信号強度が信頼できる程度であるときにのみ、検索結果において化合物候補に優先イオンが含まれることを示す表示を行うようにすることができる。また、強度比の判定結果に拘わらず優先イオンが含まれていることを示す表示を行い、それに加えて、強度比が強度比閾値情報による閾値以上であるか否かの判定結果を示す表示を行うようにしてもよい。
上記説明から、第1実施例のLC−MSシステムにおいて用いた非使用指示情報と第2実施例のLC−MSシステムにおいて用いた優先指示情報とは併用することが可能であることは明らかである。即ち、非使用指示情報が設定されているイオンピークを除いてデータベース検索を実行して化合物候補を抽出したあとに、優先指示情報が設定されているイオンピークが含まれるか否かを判定し、その判定結果を検索結果の表示に反映させるようにすればよい。これによって、目的化合物と構造が類似している別の化合物を検索結果から除外するとともに、さらにその検索結果の中で目的化合物を特徴付ける部分構造を有する化合物候補を明示することができる。
なお、上記実施例は本発明をLC−MSに適用したものであるが、LC−MS/MS、GC−MS、GC−MS/MS、さらにはLCやGCと組み合わせない単体の質量分析装置など、化合物データベースに登録されたマススペクトルを利用して化合物同定を行う質量分析装置全般に本発明を適用することができる。
また、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎないから、上述した変形例に限らず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…液体クロマトグラフ
2…質量分析部
3…データ処理部
31…測定データ格納部
32…マススペクトル作成部
33…化合物データベース
331…化合物情報
332…マススペクトルデータ
333…属性情報
34…データベース検索処理部
341…不要情報削除部
342…化合物候補抽出部
343…スコアリング部
344…候補順位付け部
345…優先イオン確認部
346…強度比演算部
35…属性情報設定部

Claims (5)

  1. 既知化合物のマススペクトルが収録されたデータベースを用いたデータベース検索により、未知化合物を推定するための質量分析データ処理装置において、
    a)マススペクトル上に現れるイオンピークの少なくとも一部に関連付けて、データベース検索のいずれかの段階で使用されないことを示す非使用指示情報が属性情報として設定可能である、マススペクトルが収録されたデータベースと、
    b)データベース検索を実施する際に、前記属性情報に非使用指示情報が付されているイオンピークを除外したマススペクトルを用いてデータベース検索を行う検索処理部と、
    を備えることを特徴とする質量分析データ処理装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析データ処理装置であって、
    前記検索処理部は、マススペクトルのパターンを比較して候補となる化合物を複数抽出する候補抽出部と、抽出された複数の候補についてマススペクトルの類似性に基づいて候補の順位付けを行う順位付け部と、を含み、
    前記非使用指示情報は、前記候補抽出部による化合物の抽出及び前記順位付け部による化合物候補の順位付けに共に使用されないことを示す第1の非使用指示情報と、前記順位付け部による化合物候補の順位付けの際にのみ使用されないことを示す第2の非使用指示情報と、を含み、
    前記候補抽出部は、第1の非使用指示情報が付されているイオンピークを除外したマススペクトルを用いて化合物候補を複数抽出し、前記順位付け部は、第1の非使用指示情報と第2の非使用指示情報との少なくともいずれか一方が付されているイオンピークを除外したマススペクトルを用いて化合物候補を順位付けすることを特徴とする質量分析データ処理装置。
  3. 既知化合物のマススペクトルが収録されたデータベースを用いたデータベース検索により、未知化合物を推定するための質量分析データ処理装置において、
    a)マススペクトル上に現れるイオンピークの少なくとも一部に関連付けて、データベース検索において優先的に扱われる優先指示情報が属性情報として設定可能である、マススペクトルが収録されたデータベースと、
    b)未知化合物のマススペクトルを前記データベース中のマススペクトルと照合するデータベース検索を実施することで目的の未知化合物であると推測され得る化合物候補を抽出する検索処理部であって、前記優先指示情報が設定されているイオンピークが前記未知化合物のマススペクトルに存在することを条件の一つとして化合物候補を抽出する、又は、前記優先指示情報を用いないデータベース検索により抽出された化合物候補の中で、該優先指示情報が設定されているイオンピークが前記未知化合物のマススペクトルに存在する化合物候補を他の化合物候補と識別可能である検索結果を作成する検索処理部と、
    を備えることを特徴とする質量分析データ処理装置。
  4. 請求項3に記載の質量分析データ処理装置であって、
    前記データベースには、前記優先指示情報が設定されているイオンピークについて、該イオンピークが存在するマススペクトル上の特定のピークの信号強度に対する該イオンピークの信号強度の強度比を判定するための閾値情報を前記優先指示情報と併せて属性情報として設定可能であることを特徴とする質量分析データ処理装置。
  5. 請求項4に記載の質量分析データ処理装置であって、
    前記検索処理部は、前記優先指示情報が設定されているイオンピークが前記未知化合物のマススペクトルに存在すること、及び、該未知化合物のマススペクトル上での前記特定のピークの信号強度に対する前記イオンピークの信号強度の強度比が前記優先指示情報とともに該イオンピークに設定されている閾値情報以上であること、を条件の一つとして化合物候補を抽出することを特徴とする質量分析データ処理装置。
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