JPWO2016002044A1 - 成形面ファスナー及び成形面ファスナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の成形面ファスナー(10,70,80)は、係合素子(12)が立設された係合領域(21)と、係合素子(12)が排除されたスペース領域(22)とを長さ方向に交互に有し、スペース領域(22)は、基板部(11)に立設される左右一対の縦壁部(13b,83b) と、基板部(11)の幅方向の中央部に突出する凸条部(16)とを有し、凸条部(16)は、係合領域(21)に幅方向に沿って配される主横壁部(14)に連結一体化されている。このような成形面ファスナー(10,70,80)であれば、簡単な切断加工が施されることにより、幅方向に湾曲させるカーブ状の使用形態に容易に対応することが可能となる。

Description

本発明は、クッション体の発泡成形時にそのクッション体の表面に一体化される成形面ファスナー及びその成形面ファスナーの製造方法に関し、特に、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂材料が係合領域に侵入することを効果的に阻止可能な成形面ファスナー及びその成形面ファスナーの製造方法に関する。
自動車や列車の座席用シート、各種ソファー、事務用チェアーなどは、発泡性樹脂を用いて所定の形状に成形されたクッション体(発泡体)の表面に、繊維製布帛や天然又は合成皮革などからなる表皮材を被着させて構成されていることが多い。このような各種のシート等に用いられるクッション体は、長時間着座しても疲れない着座姿勢を維持するため、人間工学的に満足する凹凸形状からなる湾曲面を有することがある。
また、クッション体の表面に表皮材を被着させる場合、クッション体を所望の形状に成形した後、得られたクッション体の表面に表皮材を被せて固定する方法が採用されることが多い。特にこの場合、クッション体の表面と表皮材の裏面とを固定する手段として、成形面ファスナーが一般的に利用されている。
成形面ファスナーは、熱可塑性樹脂からなる基材部の一表面(第1面)に複数の係合素子(例えば、雄型係合素子)が配されて構成されており、このような成形面ファスナーを、クッション体の成形時に同クッション体表面に係合素子が露呈するように一体化する。また、このクッション体を被覆する表皮材の裏面には、成形面ファスナーの係合素子と係着可能な複数の雌型係合素子を設けておく。
そして、成形面ファスナーが一体化されたクッション体に表皮材を被せた後、その表皮材の裏面に配された雌型係合素子(ループ状係合素子)を、クッション体表面に配された成形面ファスナーの雄型係合素子に押し付けることにより、表皮材を成形面ファスナーに係着させる。これによって、表皮材が、クッション体の表面に当該表面の凹凸形状に沿って容易に固定され、表皮材がクッション体から浮き上がることを防止している。
このように表皮材を固定するためにクッション体に一体化される成形面ファスナーの例が、米国特許第6,720,059号明細書(特許文献1)や国際公開第2012/025980号パンフレット(特許文献2)に開示されている。
これらの特許文献1や特許文献2に記載されている成形面ファスナーでは、主に、長尺で薄板状の基板部に複数のフック状係合素子が立設されており、これらのフック状係合素子によりループ状係合素子を係合することが可能な係合領域が形成されている。この場合、係合領域は、基板部の長さ方向の全体に亘って形成されている。
また、基板部における幅方向の左右側縁部には、左右一対の樹脂侵入防止壁部が、係合領域を間に挟むようにして長さ方向に沿って立設されている。更に特許文献2の成形面ファスナーでは、複数のフック状係合素子が、長さ方向と幅方向とに整列して配されているとともに、樹脂侵入防止壁部と係合素子との間と、幅方向に互いに隣接する係合素子の間とに横壁部が配されている。
このような特許文献1や特許文献2の成形面ファスナーを一体化するようにクッション体を発泡成形する場合には、その成形面ファスナーをクッション体成形用金型の内面(キャビティ面)に保持して、発泡樹脂材料を金型の内部空間(キャビティ)に注入する。この場合、成形面ファスナーに配された左右の樹脂侵入防止壁部が金型の内面に密着することにより、成形面ファスナーの係合領域を左右の樹脂侵入防止壁部で金型の内部空間から遮断することができる。
このように金型内面に成形面ファスナーの左右の樹脂侵入防止壁部が密着した状態で、クッション体の発泡樹脂材料を金型内に注入して発泡成形を行うことにより、発泡樹脂材料が左右の樹脂侵入防止壁部を越えて幅方向から係合領域内に侵入することを防いで、成形面ファスナーが一体化されたクッション体を製造することが可能となる。更に特許文献2の成形面ファスナーには、上述のような横壁部が配されているため、クッション体の発泡成形時に、発泡樹脂材料が、基板部の長さ方向の両端縁部に配された横壁部を越えて長さ方向から係合領域内に侵入することも効果的に防止できる。
従って、特許文献1又は特許文献2の成形面ファスナーが一体化されたクッション体は、成形面ファスナーの係合素子が発泡体によって埋められることを防いで、複数の係合素子をクッション体の表面に露呈させることができる。これにより、成形面ファスナーが一体化されたクッション体では、係合領域に配された複数の係合素子による所望の係合力を安定して発揮することができるため、表皮材に設けられたループ状係合素子を安定して係合させることができる。
また、特許文献1には、実施例の1つとして、長尺で薄板状の基板部に、長さ方向に沿って間隔を開けて配される複数の周壁部と、各周壁部の内側に配された複数の係合素子と、周壁部及び係合素子を間に挟むように基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設された左右一対の樹脂侵入防止壁部とを有する成形面ファスナーも記載されている(特許文献1の図13及び図14を参照)。
ところで、自動車や列車に配されるシート等に用いられるクッション体は、上述のように凹凸形状からなる湾曲面を有することがある。このようなクッション体に成形面ファスナーを取り付ける場合、クッション体の用途や製品のデザイン等によっては、成形面ファスナーを厚さ方向や幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化させることもある。
しかしながら、上述のような特許文献1や特許文献2の成形面ファスナーでは、複数の係合素子と左右の樹脂侵入防止壁部が設けられる基板部は、薄板状で長尺に形成されているため、幅方向に湾曲させることができない。従って、特許文献1や特許文献2の成形面ファスナーは、成形面ファスナーを幅方向に湾曲させた状態で一体化させる必要があるクッション体には対応することができないという欠点があった。
これに対して、例えば特開2011−143231号公報(特許文献3)、国際公開第2013/061423号パンフレット(特許文献4)、及び米国特許出願公開第2013/0149490号明細書(特許文献5)には、幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化することが可能な成形面ファスナーが開示されている。
例えば特許文献3に記載されている成形面ファスナーは、発泡スチロールや不織布からなる基材に略魚骨状のフック部材が接着されて構成されている。この場合、基材は、長さ方向に沿って平行に配される左右の側壁部と、側壁部から外方へ延出する左右のフラップ部とを有するとともに、幅方向への延伸及び圧縮が可能に構成されている。
特許文献3の略魚骨状のフック部材は、基材の左右の側壁部間に固定されている。また、フック部材は、長さ方向に沿って延在る中央リブと、中央リブの両側から幅方向に延出し、複数のフック状係合素子が上面に配される係合部とを有しており、長さ方向に隣接する係合部間には、一定の間隔が設けられている。
このような特許文献3の成形面ファスナーであれば、幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化することができる。また、クッション体の発泡成形時に、フック部材の係合部に、発泡樹脂材料が基材の左右の側壁部を越えて幅方向から侵入することを防止できる。
特許文献4に記載されている成形面ファスナーは、平板状の基板部の上面に複数のフック状係合素子が立設された複数の面ファスナー部材が、可撓性を備えた連結部(モノフィラメント)を介して長さ方向に沿って連結されて構成されている。また、各面ファスナー部材には、複数の係合素子により形成される係合領域を囲むようして、基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦防壁部と、基板部の前後端縁部に幅方向に沿って立設される2列の第1及び第2横壁部とが配されている。
このような特許文献4の成形面ファスナーでも、幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化することができる。また、各面ファスナー部材には左右一対の縦防壁部と前後の第1及び第2横壁部とが配されているため、クッション体の発泡成形時に、各面ファスナー部材の係合領域に発泡樹脂材料が侵入することを効果的に防止できる。
特許文献5に実施例の1つとして記載されている成形面ファスナー(特許文献5の図5A及び図5Bを参照)は、複数のフック状係合素子が立設された複数のファスニングセグメントが可撓性の首部によって長さ方向に沿って連結されて構成されている。また、各ファスニングセグメントは、基板部と、基板部に長さ方向に沿って立設される防壁部と、防壁部の外側に長さ方向に沿って配されるセグメント壁部と、基板部に幅方向に沿って立設される横壁部とを有する。
各ファスニングセグメントには、左右の防壁部と前後の横壁部とによって囲まれ、クッション体の発泡成形時に発泡樹脂材料の侵入が防止される係合領域が設けられている。更に、特許文献5では、各ファスニングセグメントの係合領域の外側にも、係合素子が基板部から立設されており、これらの外側の係合素子が、発泡成形されるクッション体内に埋設されることにより、クッション体に対する成形面ファスナーの固着強度が高められる。
米国特許第6,720,059号明細書 国際公開第2012/025980号パンフレット 特開2011−143231号公報 国際公開第2013/061423号パンフレット 米国特許出願公開第2013/0149490号明細書
特許文献1及び特許文献2に記載されている成形面ファスナーは、前述のように、幅方向に湾曲させることができないため、クッション体に成形面ファスナーを幅方向に湾曲させた状態で一体化させる場合には、特許文献3〜特許文献5に記載されているような幅方向に湾曲させることが可能で、特許文献1及び特許文献2に記載の成形面ファスナーとは形態が全く異なるカーブ対応の成形面ファスナーを用いる必要がある。
このため、幅方向に湾曲させる必要がないストレートの形態で用いられる成形面ファスナーと、カーブ対応が可能な成形面ファスナーとでは、異なる製造装置や製造工程で別々に製造しなければならないことから、製造コストや製造効率の点から、ストレートの形態で用いられる成形面ファスナーを容易にカーブ対応できるようにすることが望まれていた。
なお、例えば特許文献1及び特許文献2に記載の成形面ファスナーに対して、基板部の左右側縁部を複数個所で部分的に切除して連結部を後から形成することにより、係合領域を有する複数の面ファスナー部材が連結部で連結された形態を備えて幅方向に湾曲させることが可能な成形面ファスナーを得ることが可能となる。しかしこの場合、連結部を後から形成する際に、基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設された樹脂侵入防止壁部も部分的に同時に切除される。このため、クッション体の発泡成形時に、成形面ファスナーの係合領域に発泡樹脂材料の侵入を許す可能性がある。
一方、特許文献3に記載されている成形面ファスナーは、幅方向に湾曲させることが可能であるものの、合成樹脂製の略魚骨状のフック部材の他に、このフック部材を接着して支持するための基材が必要になる。このため、成形面ファスナーの製造工程が煩雑になるとともに、製造コストの増大を招くという問題があった。
なお、特許文献3に別の実施例として記載されている成形面ファスナーでは、フック部材を接着して支持するための基材が不要であるものの、フック部材の各係合部を実質的に覆う保護層を設ける必要があり、前述の場合と同様に製造工程が煩雑になるとともに、製造コストの増大を招くという問題があった。
特許文献4に記載されている成形面ファスナーは、係合素子を有する複数の面ファスナー部材がモノフィラメントにより長さ方向に沿って連結されて構成されている。このため、成形面ファスナーを例えば特許文献4に記載されているようにダイホイールを用いて成形する場合、モノフィラメントを挿入しながら成形面ファスナーを成形しなければならないため、製造工程が煩雑になるとともに製造コストの増大を招く。
また、特許文献4の成形面ファスナーでは、複数の面ファスナー部材が細いモノフィラメントにより連結されているため、面ファスナー部材が、隣接する面ファスナー部材に対してねじれ易く、成形面ファスナーを金型に取り付ける際に、面ファスナー部材の向きを調整する必要がある場合もあった。
なお、特許文献4には、モノフィラメントを用いずに、複数の面ファスナー部材が、基板部よりも細く形成された連結部により連結された成形面ファスナーの実施例も説明されている(特許文献4の実施例2を参照)。しかし、このモノフィラメントを用いない実施例に係る成形面ファスナーの場合、連結部の強度がモノフィラメントに比べて低くなり、成形面ファスナーが連結部で切れる虞があった。
また、周面に係合素子等のキャビティ空間が凹設されたダイホイールを用いて成形面ファスナーを成形する場合、冷却されて固化した成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がすときに、連結部が形成される部分には係合素子が設けられないため、当該部分が小さな抵抗でダイホイールから容易に引き剥がされる。しかしその一方で、連結部が形成される部分の剥離抵抗が小さくなることにより、成形面ファスナーを剥離する力が成形面ファスナーの長さ方向で不均一となる。それにより、連結部が形成される部分の近傍に配置されるフック状の係合素子が、成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がすときに大きな力を受けてしまい、係合素子が変形する等の係合素子の形状に影響が出る懸念があった。
特許文献5に記載されている成形面ファスナーでは、複数のファスニングセグメントが可撓性の首部によって長さ方向に沿って連結されているものの、連結部の強度を適切に確保することが難しく、成形面ファスナーが首部で切断され易いという問題があった。更に、特許文献5の成形面ファスナーも首部が細く形成されているため、面ファスナー部材が、隣接する面ファスナー部材に対してねじれ易いという問題もあった。
また、この特許文献5の成形面ファスナーを製造する場合、例えばダイホイールを用いて首部が設けられていない一次製品の成形面ファスナーを成形した後に、その一次製品の成形面ファスナーに切断加工が行われる。また、一次製品の成形面ファスナーに切断加工を行う際に、係合素子間に位置決め部材を挿入して一次製品の成形面ファスナーの位置を検知するとともに当該成形面ファスナーを位置決め部材で押さえることが行われる。
しかし、特許文献5の成形面ファスナーの場合、各係合素子間の間隔が狭く、また係合素子も千鳥状に位置をずらして配置されているため、係合素子間に位置決め部材を挿入し難いことから、切断加工における作業効率の低下を招き易く、また、位置決め部材が係合素子に接触して係合素子の変形や破損を招く虞もあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、幅方向に湾曲させるカーブ状の使用形態に容易に対応することが可能で、且つ、係合素子に変形や破損などが生じることを防いで、効率的に製造することが可能な熱可塑性樹脂製の成形面ファスナー、及び、その成形面ファスナーの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される成形面ファスナーは、基本的な構成として、薄板状の基板部の第1面に複数のフック状係合素子が立設された係合領域と、前記基板部に前記係合素子が排除された平坦面を備えるスペース領域とを長さ方向に交互に有し、前記係合領域は、前記基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の樹脂侵入防止壁部と、前記係合領域の前端縁部及び後端縁部に前記スペース領域と区画するように幅方向に沿って立設される主横壁部とを備え、クッション体の発泡成形時に前記クッション体の表面に一体化させる熱可塑性樹脂製の成形面ファスナーにおいて、前記スペース領域は、前記基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦壁部と、前記基板部の幅方向の中央部に長さ方向に沿って前記基板部から一体に突出する凸条部とを有し、前記凸条部は、前記スペース領域の長さ方向に隣接する前記主横壁部に連結一体化されてなることを最も主要な特徴とするものである。
このような本発明に係る成形面ファスナーにおいて、前記基板部、前記樹脂侵入防止壁部、前記主横壁部、前記縦壁部、及び前記凸条部は、同一の熱可塑性樹脂を用いて構成されていることが好ましい。
また、前記係合領域の前記樹脂侵入防止壁部と、前記スペース領域の前記縦壁部とが、前記基板部の全体に長さ方向に沿って連続して立設される一連の連続壁部として形成されていることが好ましい。
更に、前記係合領域は、前端縁部側の前記主横壁部と後端縁部側の前記主横壁部との中間位置に幅方向に沿って配される予備横壁部を有していることが好ましい。
更に本発明によれば、上述の構成を有する成形面ファスナーを一次製品とし、前記一次製品の成形面ファスナーに、前記スペース領域を少なくとも前記凸条部が残るように切去する切断加工が施され、前記切断加工により形成される前後の切断端部と複数の前記係合素子とを有する複数の面ファスナー部材が、前記凸条部を含む可撓性を備える連結部により長さ方向に連結されて、幅方向に湾曲可能に形成される成形面ファスナーが提供される。
次に、本発明により提供される成形面ファスナーの製造方法は、基板部の第1面に複数のフック状係合素子が立設された複数の面ファスナー部材が、可撓性を備える連結部により長さ方向に連結され、クッション体の発泡成形時に前記クッション体の表面に幅方向に湾曲させた状態で一体化させることが可能な成形面ファスナーの製造方法であって、前記基板部は、前記基板部に複数の前記係合素子が立設された係合領域と、前記基板部に前記係合素子が排除された平坦面を備えるスペース領域とを長さ方向に交互に有し、前記係合領域は、前記基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の樹脂侵入防止壁部と、前記係合領域の長さ方向の両端縁部に前記スペース領域と区画するように左右の前記樹脂侵入防止壁部間に亘って幅方向に沿って立設される主横壁部とを有し、前記スペース領域は、前記基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦壁部と、前記基板部の幅方向の中央部に長さ方向に沿って前記基板部から一体に突出する凸条部とを有する成形面ファスナーを、一次製品として、キャビティ空間が周面に形成されたダイホイールを用いて成形すること、成形された前記一次製品の成形面ファスナーを前記ダイホイールから引き剥がすこと、前記一次製品の成形面ファスナーにおける前記スペース領域に位置決め部材を挿入することにより当該成形面ファスナーの位置を検知すること、及び、位置が検知された前記成形面ファスナーに対し、前記スペース領域を少なくとも前記凸条部が残るようにして切去する切断加工を行うこと、を含んでなることを最も主要な特徴とするものである。
このような本発明に係る成形面ファスナーの製造方法は、前記一次製品の成形面ファスナーの位置を検知する際に、搬送される前記成形面ファスナーを間欠的に停止させて前記スペース領域に前記位置決め部材を挿入すること、及び、停止した前記成形面ファスナーに対し、前記基板部における幅方向の中央部から外側に向けて傾斜した先端刃部を有するカッティングパンチを所定の位置で昇降させることにより、前記切断加工を行うこと、を含んでいることが好ましい。
また、本発明に係る成形面ファスナーの製造方法は、前記一次製品の成形面ファスナーの位置を検知する際に、前記成形面ファスナーを連続的に搬送するとともに、前記位置決め部材を前記成形面ファスナーの搬送方向に沿って移動させながら前記スペース領域に挿入すること、及び、連続的に搬送される前記成形面ファスナーに対し、前記基板部における幅方向の中央部から外側に向けて傾斜した先端刃部を有するカッティングパンチを、前記搬送方向に沿って移動させながら昇降させることにより、前記切断加工を行うこと、を含んでいても良い。
更に、本発明に係る成形面ファスナーの製造方法は、前記一次製品の成形面ファスナーの位置を検知する際に、前記成形面ファスナーを連続的に搬送するとともに、前記位置決め部材が周面に配された位置決めローラーを前記成形面ファスナーの搬送速度に合わせて回転させることにより、前記位置決め部材を前記スペース領域に挿入すること、及び、連続的に搬送される前記成形面ファスナーに対し、周面に刃部が配されたロータリーダイを前記成形面ファスナーの搬送速度に合わせて回転させることにより、前記切断加工を行うこと、を含んでいても良い。
本発明に係る成形面ファスナーは、複数の係合素子を有する係合領域と、基板部に係合素子が排除された平坦面を備えるスペース領域とを長さ方向に交互に有しており、係合領域は、長さ方向に沿って立設される左右一対の樹脂侵入防止壁部と、スペース領域と区画するように幅方向に沿って立設される主横壁部とを備える。また、スペース領域は、基板部の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦壁部と、基板部の幅方向の中央部に長さ方向に沿って基板部から一体に突出する凸条部とを有しており、凸条部は、スペース領域の長さ方向に隣接する前記主横壁部に連結一体化されている。
このような本発明の成形面ファスナーであれば、スペース領域を少なくとも凸条部が残るように切去する簡単な切断加工を施すことにより、複数の面ファスナー部材が、凸条部を含む可撓性を備える連結部によって連結された形態を容易に備えることができるため、前述の特許文献3のような発泡スチロールや不織布からなる基材や特許文献4のようなモノフィラメントなどの他部材を使用しなくても、幅方向に湾曲させるカーブ状の使用形態に容易に対応することが可能となる。
またこの場合、連結部を構成する凸条部が、基板部から一体に突出して形成されているとともに、前後に隣接する係合領域の主横壁部に連結一体化されていることにより、連結部の強度を高めることができる。また、凸条部と基板部や主横壁部との相対的な位置関係を安定して維持でき、それにより、連結部により連結されている面ファスナー部材間にねじれを生じ難くすることができる。
また本発明では、成形面ファスナーを、周面に係合素子等のキャビティ空間が凹設されたダイホイールを用いて成形する場合に、スペース領域の基板部に左右一対の縦壁部と凸条部とが配されている。なお、スペース領域に配される左右一対の縦壁部は、後述するようなカーブ状の使用形態に対応させるために切断加工を行う際には、却って邪魔になる存在であるが、このような左右一対の縦壁部と凸条部とがスペース領域に配されていることにより、スペース領域の部分をダイホイールから引き剥がすときの剥離抵抗を増大させることができ、成形面ファスナーを剥離する力が成形面ファスナーの長さ方向で不均一になることを抑制できる。それにより、スペース領域の近傍に配置される係合素子が、成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がすときに大きな力を受け難くなり、所定の形状を有する面ファスナーを安定して形成することができる。
更に本発明の成形面ファスナーでは、複数の係合素子を備える係合領域と、係合素子を備えないスペース領域とが長さ方向に交互に配されているため、例えばカーブ状の使用形態に対応させるために上述のような切断加工を行う際に、成形面ファスナーの位置を検知する位置決め部材を成形面ファスナーのスペース領域に安定して挿入し、成形面ファスナーの位置を的確に且つ迅速に検知することができる。このため、切断加工を正確に且つ効率的に行うことができる。また、スペース領域には係合素子が配されていないため、スペース領域に位置決め部材を挿入しても、係合領域内の係合素子に変形や破損が生じることを防止できる。
このような本発明の成形面ファスナーにおいて、基板部、樹脂侵入防止壁部、主横壁部、縦壁部、及び凸条部は、同一の熱可塑性樹脂を用いて構成されている。これにより、成形面ファスナーの各部位を一体的に且つ強固に形成することができるとともに、成形面ファスナーの成形工程が煩雑になることを防いで、成形面ファスナーを効率的に製造することができる。
また、成形面ファスナーが同一の熱可塑性樹脂を用いて構成されていることにより、例えば上述のような切断加工を行って成形面ファスナーをカーブ状の使用形態に対応させたときに、凸条部と基板部や主横壁部との相対的な位置関係をより安定して維持できるため、連結部により連結されている面ファスナー部材間にねじれがより生じ難くなる。
またこの場合、基板部の幅方向の少なくとも一部に磁性粒子が長さ方向に沿って混入されている又は塗布されていることにより、成形面ファスナーに磁性を持たせることができる。これにより、キャビティ面又はキャビティ面近傍に磁石が配された成形用金型を用いてクッション体を発泡成形するときに、金型の磁石と成形面ファスナーとの間に生じる磁力を利用して、成形面ファスナーを金型のキャビティ面に容易に且つ安定して吸着固定することができる。更に、磁性粒子が基板部に長さ方向に沿って含まれていることにより、成形面ファスナーを金型に対して所定の位置に自動的に的確に合わせることが可能なセルフアライメント効果を得ることができる。
また本発明の成形面ファスナーにおいて、係合領域の樹脂侵入防止壁部と、スペース領域の縦壁部とが、基板部の全体に長さ方向に沿って連続して立設される一連の連続壁部として形成されていることにより、成形面ファスナーを、周面に係合素子等のキャビティ空間が凹設されたダイホイールを用いて成形する場合に、係合領域の樹脂侵入防止壁部とスペース領域の縦壁部とを所定の形状に安定して成形できる。また、成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がすときに、成形面ファスナーを剥離する力に成形面ファスナーの長さ方向でバラつきが生じることを抑制できる。なお、本発明では、係合領域の樹脂侵入防止壁部と、スペース領域の縦壁部とが、互いに基板部の幅方向の異なる位置に別々に立設されていても良い。
また本発明の成形面ファスナーにおいて、係合領域は、前端縁部側の前記主横壁部と後端縁部側の前記主横壁部との中間位置に幅方向に沿って配される予備横壁部を有する。これにより、例えば所望の長さの成形面ファスナーを得るために、成形面ファスナーがスペース領域ではなく、係合領域の部分で基板部が切断された場合に、上述の予備横壁部を発泡樹脂材料が長さ方向から侵入することを阻止する樹脂侵入防止壁部として用いることができる。それにより、当該成形面ファスナーが一体化されたクッション体では、切断された係合領域の全体がクッション体内に埋設されることを防いで、係合素子よる係合力を係合領域の切断端部近傍まで得ることが可能となる。
更に本発明によれば、上述の構成を有するストレート状の成形面ファスナーを一次製品とし、その一次製品の成形面ファスナーに、スペース領域を少なくとも凸条部が残るように切去する切断加工が施されて、切断加工により形成される前後の切断端部と複数の係合素子とを有する複数の面ファスナー部材が、凸条部を含む可撓性を備える連結部により長さ方向に連結された成形面ファスナーを提供することができる。
このような一次製品のストレート状の成形面ファスナーに切断加工を行って得られる成形面ファスナーは、ストレート状の成形面ファスナーと異なる成形工程を行うことなく製造することが可能であるため、製造工程の効率化や製造コストの削減を実現できる。
また、連結部を構成する凸条部が、基板部から一体に突出して形成されているとともに、前後に隣接する係合領域の主横壁部に連結一体化されていることにより、連結部の強度を高めることができる。また、凸条部と基板部や主横壁部との相対的な位置関係を安定して維持できるため、連結部により連結されている面ファスナー部材間にねじれを生じ難くすることができる。
次に、本発明により提供される成形面ファスナーの製造方法では、先ず、キャビティ空間が周面に形成されたダイホイールを用いて、一次製品となる成形面ファスナーを成形する。この場合、成形面ファスナーは、テープ状の基板部に複数の係合素子が立設された係合領域と、係合素子が排除された平坦面を備えるスペース領域とを長さ方向に交互に配され、係合領域が左右一対の樹脂侵入防止壁部と前後の主横壁部とを有し、スペース領域が左右一対の縦壁部と凸条部とを有するように成形される。
続いて、ダイホイールの周囲に成形された一次製品の成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がす。このとき、成形面ファスナーにおけるスペース領域の基板部に左右一対の縦壁部と凸条部とが配されていることにより、スペース領域の部分をダイホイールから引き剥がすときの剥離抵抗を増大させることができるため、成形面ファスナーを剥離する力が成形面ファスナーの長さ方向で不均一になることを抑制できる。それにより、スペース領域の近傍に配置される係合素子が、成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がすときに大きな力を受け難くなり、所定の形状を有する係合素子を安定して形成することができる。
上述のように一次製品の成形面ファスナーをダイホイールから引き剥がした後、その一次製品の成形面ファスナーにおけるスペース領域に位置決め部材を挿入することにより当該成形面ファスナーの位置を検知する。このとき、本発明では、位置決め部材を成形面ファスナーのスペース領域に安定して挿入して、成形面ファスナーの位置を的確に且つ迅速に検知することができる。また、スペース領域には係合素子が配されていないため、スペース領域に位置決め部材を挿入しても、係合領域内の係合素子に変形や破損が生じることを防止できる。
そして、本発明の製造方法では、位置決め部材の挿入により位置が検知された成形面ファスナーに対し、スペース領域を少なくとも凸条部が残るようにして切去する切断加工を行うことにより、複数の係合素子を有する複数の面ファスナー部材が、凸条部を含む可撓性を備える連結部により長さ方向に連結されており、連結部にて幅方向に湾曲させることが可能な成形面ファスナーを安定して効率的に製造することができる。
このような本発明に係る成形面ファスナーの製造方法において、一次製品の成形面ファスナーの位置を検知する際に、搬送される成形面ファスナーを間欠的に停止させてスペース領域に前記位置決め部材を挿入することにより、成形面ファスナーの位置をより的確に安定して検知することができる。
また、その停止した成形面ファスナーに対し、基板部における幅方向の中央部から外側に向けて傾斜した先端刃部を有するカッティングパンチを所定の位置で昇降させて切断加工を行うことにより、成形面ファスナーにおけるスペース領域の所定の部分をきれいに且つ確実に切去して、切断加工により形成される切断端部(切断縁)をきれいに仕上げることができる。また、凸条部を備える連結部を所定の形状及び寸法を有するように安定して形成することができる。
また、本発明に係る成形面ファスナーの製造方法においては、一次製品の成形面ファスナーの位置を検知する際に、成形面ファスナーを連続的に搬送するとともに、位置決め部材を成形面ファスナーの搬送方向に沿って移動させながらスペース領域に挿入しても良く、それにより、成形面ファスナーを搬送しながら成形面ファスナーの位置を効率的に検知することができる。
またこの場合、連続的に搬送される成形面ファスナーに対し、基板部における幅方向の中央部から外側に向けて傾斜した先端刃部を有するカッティングパンチを、搬送方向に沿って移動させながら昇降させて切断加工を行うができ、それにより、成形面ファスナーにおけるスペース領域の所定の部分を効率的に切去して、切断加工により形成される切断面(切断縁)をきれいに仕上げることができる。また、凸条部を備える連結部を所定の形状及び寸法を有するように安定して形成することができる。
更に、本発明に係る成形面ファスナーの製造方法においては、一次製品の成形面ファスナーの位置を検知する際に、成形面ファスナーを連続的に搬送するとともに、位置決め部材が周面に配された位置決めローラーを成形面ファスナーの搬送速度に合わせて回転させることにより、位置決め部材をスペース領域に挿入しても良く、それにより、成形面ファスナーを搬送しながら成形面ファスナーの位置を効率的に検知することができる。
またこの場合、連続的に搬送される成形面ファスナーに対し、周面に刃部が配されたロータリーダイを成形面ファスナーの搬送速度に合わせて回転させることにより、切断加工を行うことができ、それにより、成形面ファスナーにおけるスペース領域の所定の部分を効率的に切去できるとともに、凸条部を備える連結部を所定の形状及び寸法を有するように安定して形成することができる。
本発明の実施例1に係る成形面ファスナーを示す平面図である。 図1に示したII−II線における断面図である。 図1に示したIII−III線における断面図である。 図1に示したIV−IV線における断面図である。 図1に示したV−V線における断面図である。 同成形面ファスナーの成形工程を説明する模式図である。 実施例1の成形面ファスナーに切断加工を行って得られる成形面ファスナーを示す平面図である。 図7に示したVIII−VIII線における断面図である。 実施例1の成形面ファスナーに切断加工を行う工程を説明する模式図である。 同切断加工を行う工程に配される位置決め部及び切断部を示す模式図である。 切断部のカッティングダイとカッティングパンチを示す斜視図である。 切断部と成形面ファスナーとの関係を示す模式図である。 切断加工を行う工程に配される位置決めローラー及びロータリーダイカッターを示す模式図である。 ロータリーダイカッターの刃先部を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る成形面ファスナーを示す平面図である。 図15に示したXVI−XVI線における断面図である。 本発明の実施例3に係る成形面ファスナーの側面図である。 同成形面ファスナーがクッション体に一体化されたときの状態を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、以下の各実施例において、面ファスナー部に配されるフック状係合素子の個数、配設位置、及び取り付けピッチなどは特に限定されるものではなく、任意に変更することが可能である。
図1は、本実施例1に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図2〜図5は、図1に示したII−II線〜V−V線における各断面図である。
なお、以下の説明においては、成形面ファスナーの基板部における長手方向を前後方向と規定し、基板部における幅方向を左右方向と規定する。また、基板部における表裏方向を上下方向と規定し、特に、基板部に対して係合素子が配されている側の方向を上方とし、その反対側の方向を下方とする。
本実施例1に係る成形面ファスナー10は、後述するようにダイホイール41を用いて熱可塑性樹脂材料を成形することにより、長さ方向に長尺な形態に形成されている。なお、成形面ファスナー10の材質は、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、又はそれらの共重合体などの単一の熱可塑性樹脂材料を成形面ファスナー10の材質として採用できる。
本実施例1に係る成形面ファスナー10は、薄板状の基板部11を有しており、この基板部11には、上面(第1面)に複数のフック状の係合素子12が立設された係合領域21と、係合素子12が排除された平坦面を備えるスペース領域22とが長さ方向に交互に配されている。各係合領域21は、長さ方向に所定の間隔をもって形成されている。
また本実施例1において、フック状の係合素子12は、係合頭部が後述のように二股に分岐して係合領域21の主要な係合力を発現するフック状の第1係合素子12aと、後述する分割横壁体15aとともに補助横壁部15を構成するフック状の第2係合素子12bとを有する。
なお、本実施例1において、係合領域21とは、クッション体の表面に一体化されたときに係合力を発揮する第1及び第2係合素子12a,12bが配された領域を言い、この係合領域21は、後述の一対の樹脂侵入防止壁部13aと前後の主横壁部14によって囲まれ、複数の第1及び第2係合素子12a,12bが立設された係合素子形成領域を有する。また、スペース領域22は、主横壁部14により係合領域21と区画され、クッション体の表面に一体化されたときに係合素子12として機能する要素が無い状態(係合素子12が排除された状態)に形成される領域である。
このスペース領域22の長さ寸法(長さ方向における寸法)は特に限定されないが、本実施例1の場合、スペース領域22の長さ寸法は、成形面ファスナー10において係合領域21内の第1及び第2係合素子12a,12bによる係合力が適切に得られるように、係合領域21の長さ寸法よりも小さくなるように設定されている。
また、スペース領域22の長さ寸法は、図1に示したストレート状の成形面ファスナー10(一次製品)に切断加工を行ってスペース領域22の一部を切去することによって幅方向に湾曲可能な後述のカーブ対応の成形面ファスナー30を製造したときに、当該カーブ対応の成形面ファスナー30を適切な曲率まで湾曲させることが可能な寸法に設定されていることが好ましく、例えば第1係合素子12aの長さ方向における取付ピッチの大きさ(長さ方向に隣接する第1係合素子12a間の間隔)よりも大きな寸法に設定されていることが好ましい。
本実施例1において、成形面ファスナー10の各係合領域21には、複数の係合素子12を間に挟むように基板部11の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の樹脂侵入防止壁部13aと、各係合領域21の前端縁部及び後端縁部にスペース領域22と区画するように幅方向に沿って立設される前後の主横壁部14と、前後の主横壁部14の内側に隣接して配される補助横壁部15と、基板部11の幅方向の中央部に長さ方向に沿って基板部11から一体に突出する凸条部16とが配されている。
一方、成形面ファスナー10の各スペース領域22には、基板部11の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦壁部13bと、基板部11の幅方向の中央部に長さ方向に沿って基板部11から一体に突出する凸条部16とが配されている。
この場合、係合領域21の樹脂侵入防止壁部13aと、スペース領域22の縦壁部13bとは、基板部11の全体に長さ方向に沿って連続して立設される一連の連続壁部13として形成されている。また、係合領域21の凸条部16と、スペース領域22の凸条部16とは、長さ方向に沿って連続する形態で配されている。なお、本発明では、係合領域21から凸条部16を排除して成形面ファスナー10を形成することもできる。以下、本実施例1の成形面ファスナー10における各部位の構成について、より具体的に説明する。
成形面ファスナー10の基板部11は、上下方向(表裏方向)から見たときに、前後方向(長さ方向)に長く、左右方向(幅方向)に狭い矩形状を呈する薄板状の形態を有しており、上下方向に湾曲可能に構成されている。この基板部11の左右側縁部には、上述の連続壁部13が、基板部11の左右側縁から内側に入り込んだ位置に配されており、連続壁部13よりも外側の上面は平坦面に形成されている。
この基板部11の下面(裏面)側には、前後方向に平行な複数の凹溝部11aが設けられている。基板部11がこのような複数の凹溝部11aを有することにより、成形面ファスナー10が後述するクッション体(発泡体)の発泡成形時に同クッション体に一体化されるときに、成形面ファスナー10とクッション体との接触面積を大きくして、クッション体に対する成形面ファスナー10の固着強度を高めることができる。
なお、本発明では、クッション体に対する成形面ファスナー10の固着強度を高めるために、上述のような複数の凹溝部11aの代わりに、例えば基板部11の下面に、突条部又はやじり状の突起部などを設けても良いし、又は、不織布を固着させても良い。また、基板部11の下面は、上述のような凹溝部11aなどを設けることなく、平坦な面に形成しても良い。
この基板部11に設けられる各係合領域21には、複数の第1係合素子12aと複数の第2係合素子12bとが、左右の樹脂侵入防止壁部13a及び前後の主横壁部14によって囲まれる内側の領域(係合素子形成領域)内に立設されている。
第1係合素子12aは、クッション体に被せられる表皮材との間で適切な係合力が得られるように、長さ方向及び幅方向に所定の取付ピッチをもって整列して基板部11の上面に立設されている。特に本実施例1における各係合領域21の第1係合素子12aは、左右の樹脂侵入防止壁部13a間に長さ方向(縦方向)に5列に並ぶとともに、前後の主横壁部14間に幅方向(横方向)に6列に並んで配されている。
また、各第1係合素子12aは、基板部11の上面から垂直に立設される立ち上がり部と、その立ち上がり部の上端部から前後方向に分岐して湾曲するフック状の係合頭部とを有する。各第1係合素子12aにおける基板部11の上面から高さ寸法(高さ方向における寸法)は、樹脂侵入防止壁部13aの後述する縦壁体18、主横壁部14(連続横壁体14a)、及び補助横壁部15の後述する分割横壁体15aにおける高さ寸法と同じ大きさに設定されている。
なお、本発明において、第1係合素子12aの形状、寸法、取付ピッチ等は特に限定されるものではなく、任意に変更することができる。また、左の樹脂侵入防止壁部13aから1つ目、3つ目、及び5つ目の縦列に配される第1係合素子12aには、当該第1係合素子12aを補強する補強部が立ち上がり部の左右側面に一体的に設けられている。
各第2係合素子12bは、基板部11の上面から垂直に立設される立ち上がり部と、その立ち上がり部の上端部から第1係合素子12aの形成領域側(各係合領域21における長さ方向の内側)に向けてフック状に湾曲する片持ち状の係合頭部とを有する。また、各第2係合素子12bには、当該第2係合素子12bを補強する補強部が立ち上がり部に一体的に設けられている。本実施例1において、第2係合素子12bと第1係合素子12aとの間の長さ方向における間隔は、第1係合素子12aの長さ方向における取付ピッチの大きさとほぼ同じ大きさに設定されている。
本実施例1における左右の連続壁部13(すなわち、係合領域21の樹脂侵入防止壁部13a及びスペース領域22の縦壁部13b)は、幅方向の外側寄りに配された第1連続縦壁部(第1連続縦壁列)17aと、第1連続縦壁部17aの内側(幅方向の中央部側)に配された第2連続縦壁部(第2連続縦壁列)17bとをそれぞれ有しており、第1及び第2連続縦壁部17a,17bは、それぞれ、長さ方向に沿って列状に並んで間欠的に配される複数の縦壁体18により構成されている。なお、本発明において、連続壁部13を構成する連続縦壁列の配設数(列数)や縦壁体18の形態などは特に限定されるものではない。
本実施例1において、第1及び第2連続縦壁部17a,17bを構成する縦壁体18は、それぞれ前後方向に沿って所定の取付ピッチをもって間欠的に配されており、長さ方向に隣接する各縦壁体18間には所定の間隙が設けられている。また、第1連続縦壁部17aの縦壁体18と第2連続縦壁部17bの縦壁体18とは、長さ方向に互い違いの位置関係となるように相互に位置をずらされて配されている。
更に、第1連続縦壁部17aの縦壁体18の前端部と、第2連続縦壁部17bの縦壁体18の後端部とは壁連結部19により相互に連結されているとともに、第1連続縦壁部17aの縦壁体18の後端部と、第2連続縦壁部17bの縦壁体18の前端部とが壁連結部19により相互に連結されている。この場合、第1連続縦壁部17aの縦壁体18、第2連続縦壁部17bの縦壁体18、及び壁連結部19は、基板部11の上面からの高さ寸法が互いに同じ大きさとなるように形成されている。
左右の連続壁部13が上述のように構成されていることにより、クッション体の発泡成形時に、発泡樹脂材料が連続壁部13を越えて第1及び第2係合素子12a,12bの形成領域(すなわち、係合領域21における左右の樹脂侵入防止壁部13aに挟まれた領域)内に侵入することを防止できる。
また、左右の連続壁部13は、基板部11の長さ方向の全体に亘って配されているが、第1及び第2連続縦壁部17a,17bの縦壁体18間に設けられた間隙を拡げたり、狭めたりすることにより、成形面ファスナー10を上下方向に曲げることが可能である。これにより、左右の連続壁部13の設置により成形面の柔軟性が阻害されることを抑えられる。
更に、左右の連続壁部13が上述のように構成されていることにより、本実施例1の成形面ファスナー10を後述のようにダイホイール41を用いて成形したときに、得られる成形面ファスナー10が、左右の連続壁部13が設けられている基板部11の上面側に反り返ることも抑制できる。
本実施例1における主横壁部14は、基板部11における係合領域21の前端縁部及び後端縁部の上面から一体的に立設され、左右の樹脂侵入防止壁部13a間に亘って幅方向に沿って連続して配される連続横壁体14aにより構成されている。この連続横壁体14aは、基板部11から一定の高さ寸法をもって直線的に配されているとともに、左右の樹脂侵入防止壁部13aに連結されている。
この主横壁部14と、主横壁部14の第1係合素子12aの形成領域側に隣接する補助横壁部15とは、互いに離間した状態で並列に配されており、主横壁部14の連続横壁体14aと補助横壁部15の後述する補助横壁体との間の間隔は、第1係合素子12aの長さ方向における取付ピッチの大きさよりも小さくなるように設定されている。
これにより、成形面ファスナー10の長さ方向における第1係合素子12aの形成密度を高めることに繋がるため、成形面ファスナー10が有する全体的な係合力を高めることができる。また、成形面ファスナー10の基板部11が幅方向に反り返るように湾曲することを抑制できる。
本実施例1の補助横壁部15は、図3に示したように、左右の樹脂侵入防止壁部13a間に基板部11の上面から一定の高さ寸法をもって幅方向に沿って間欠的に立設された複数の分割横壁体15aと、各分割横壁体15a間に配される複数の第2係合素子12bとを有する。
特に、本実施例1の補助横壁部15は、幅方向に沿って直線状に並べられた6つの分割横壁体15aと、これらの分割横壁体15a間に立設された5つの第2係合素子12bとにより構成されている。なお、本発明において、補助横壁部15は、左右の樹脂侵入防止壁部13a間に亘って幅方向に沿って連続して配される連続横壁体により構成されていても良い。
この場合、各分割横壁体15aは、基板部11の上面に直方体状の形態を有して立設されている。また、互いに隣り合って配される分割横壁体15aと第2係合素子12bとは、基板部11側の下端部にて相互に連結されている。これによって、分割横壁体15aと第2係合素子12bとが互いに補強され、分割横壁体15a及び第2係合素子12bの強度を高めている。
一方、互いに隣り合って配される分割横壁体15aの上端部と第2係合素子12bの上端部とは、小さな間隔が間に形成されるように相互に離間して形成されている。これにより、第2係合素子12bの係合頭部の動きに自由度が与えられるため、後述するようにダイホイール41を用いて成形面ファスナー10を成形する際に、第2係合素子12bをダイホイール41のキャビティ空間から容易に引き抜いて、所定の形状を有する第2係合素子12bを安定して成形することができる。なお、この補助横壁部15は、左右の樹脂侵入防止壁部13aと離間して形成されているものの、補助横壁部15の配設位置によっては樹脂侵入防止壁部13aに連結されて形成されていても良い。
また、補助横壁部15において、分割横壁体15aにおける基板部11上面からの高さ寸法と、第2係合素子12bにおける基板部11上面からの高さ寸法とは、互いに同じ大きさに設定されているとともに、左右の樹脂侵入防止壁部13aを構成する第1及び第2縦壁部13bの縦壁体18、第1係合素子12a、及び、主横壁部14の連続横壁体14aと同じ大きさに設定されている。
即ち、本実施例1の成形面ファスナー10は、左右の樹脂侵入防止壁部13a、第1係合素子12a、主横壁部14、及び補助横壁部15における上端位置が同一の平面上に配されるように形成されている。これにより、本実施例のストレート状の成形面ファスナー10、又は、そのストレート状の成形面ファスナー10に切断加工を行って得られるカーブ対応の成形面ファスナー30を用いて、後述するようにクッション体の発泡成形を行う際に、左右の樹脂侵入防止壁部13aの上端面と、主横壁部14及び補助横壁部15の上端面とを金型の平坦なキャビティ面に安定して密着させることができる。それによって、発泡性樹脂材料が、左右の樹脂侵入防止壁部13aや主横壁部14及び補助横壁部15を越えて係合領域21の係合素子形成領域内に侵入することを防止できる。
各スペース領域22に設けられる凸条部16は、長さ方向に直交する横断面が矩形状を呈するように、基板部11の上面に一体的に突設されている。この凸条部16は、スペース領域22の長さ方向の全体に配されているとともに、当該スペース領域22の前後に隣接して配される主横壁部14(連続横壁体14a)に連結されている。
本発明において、凸条部16における基板部11の上面からの高さ寸法は特に限定されるものではないが、後述するカーブ対応の成形面ファスナー30を製造したときに連結部32の強度を適切に確保するために、例えば主横壁部14の連続横壁体14aにおける基板部11の上面からの高さ寸法の30%以上、特に40%以上の大きさに設定されていることが好ましい。
また、カーブ対応の成形面ファスナー30における連結部32の柔軟性等を考慮すると、凸条部16における基板部11の上面からの高さ寸法は、主横壁部14の連続横壁体14aの高さ寸法よりも小さい大きさ、特に連続横壁体14aの高さ寸法の70%以下の大きさに設定されていることが好ましい。
上述のような本実施例1の成形面ファスナー10においては、成形面ファスナー10を構成する合成樹脂の一部に、鉄、コバルト、ニッケル等の合金からなる磁性粒子が混入されている。特に本実施例1の成形面ファスナー10において、磁性粒子は、係合領域21及びスペース領域22における基板部11の幅方向の中央部と凸条部16とに、長さ方向の全体に亘って混入されている。なお、混入する磁性粒子の材質は、磁石に磁気的に引き付けられる材料であれば特に限定されない。
このように磁性粒子が成形面ファスナー10に混入していることにより、クッション体の発泡成形に用いられる金型のファスナー保持部に磁石が配されている場合に、そのファスナー保持部の磁石と成形面ファスナー10に混入した磁性粒子との間に生じる磁力を利用することによって、成形面ファスナー10を金型のファスナー保持部に所定の密着状態で安定して吸着固定することができる。
更に、磁性粒子が上述のように基板部11の一部と凸条部16とに長さ方向の全体に亘って混入されていることにより、金型のファスナー保持部に成形面ファスナー10を保持する際に、金型のファスナー保持部に対する成形面ファスナー10の位置及び向きを精度良く自動的に合わせることが可能なセルフアライメント効果も得られる。
なお、本発明において、成形面ファスナー10の少なくとも一部の領域に磁性粒子が長さ方向の全体に亘って混入されていれば、成形面ファスナー10における磁性粒子の混入領域は任意に変更することができる。例えば磁性粒子を成形面ファスナー10の長さ方向及び幅方向の全体に混入することも可能である。
更に本発明では、成形面ファスナー10を構成する合成樹脂に磁性粒子を混入することに替えて、成形面ファスナー10を所定の形状に成形した後に、得られた成形面ファスナー10の下面(裏面)に磁性粒子を塗布することによって、成形面ファスナー10を磁石に磁気的に引き付けられるように構成することも可能である。
上述のような構成を有する本実施例1の成形面ファスナー10は、例えば図6に示したような製造装置(成形装置)40を用いて製造される。
具体的に説明すると、成形面ファスナー10の製造装置40は、一方向に駆動回転するダイホイール41と、ダイホイール41の周面に対向して配された溶融樹脂材料の連続押出ノズル42と、連続押出ノズル42よりもダイホイール41の回転方向下流側にダイホイール41の周面に対向して配されたピックアップローラー43と、ダイホイール41の周面から引き剥がした長尺の成形面ファスナー10を所定の長さ寸法で切断する図示しない切断部とを有する。
この製造装置40が有するダイホイール41の周面には、成形面ファスナー10の上述した第1及び第2係合素子12a,12b、左右の連続壁部13、主横壁部14、補助横壁部15、及び凸条部16などを成形するための成形用キャビティが形成されている。また、ダイホイール41は、冷却液をダイホイール41の内部に流通させており、ダイホイール41の下部には、同ダイホイール41の下半部を浸漬させるように冷却液槽が配されている。
このような製造装置40を用いて、図1に示した本実施例1の成形面ファスナー10を製造する場合、先ず、主成分が単一の又は磁性粒子が部分的に混入した溶融した樹脂材料を連続押出ノズル42からダイホイール41の周面に向けて連続して押し出す。このとき、ダイホイール41は一方向に駆動回転しており、その周面に押し出された溶融樹脂は連続押出ノズル42とダイホイール41との間にて成形面ファスナー10の基板部11を成形し、それと同時に、上述した成形用キャビティにて、第1及び第2係合素子12a,12b、左右の連続壁部13、主横壁部14、補助横壁部15、及び凸条部16などを順次成形する。
ダイホイール41の周面上で成形される成形面ファスナー10は、ダイホイール41の周面に担持されて冷却されながら半回転することにより固化され、その後、ピックアップローラー43によってダイホイール41の周面から連続的に引き剥がされる。
この場合、本実施例1の成形面ファスナー10では、第1及び第2係合素子12a,12bを備える係合領域21と、第1及び第2係合素子12a,12bを備えないスペース領域22とが長さ方向に交互に形成される。このため、ピックアップローラー43によりダイホイール41の周面から引き剥がすときの剥離抵抗が、係合領域21とスペース領域22との間で異なる。
しかし、本実施例1のスペース領域22には、左右の連続壁部13(縦壁部13b)と凸条部16とが長さ方向に沿って設けられているため、ダイホイール41の周面から成形面ファスナー10を引き剥がすときのスペース領域22における剥離抵抗を増大させることができ、それにより、成形面ファスナー10を剥離する力が成形面ファスナー10の長さ方向で不均一になることを抑制できる。
例えばスペース領域に本実施例1のような縦壁部13bや凸条部16が設けられておらず、スペース領域の剥離抵抗が係合領域の剥離抵抗よりも著しく小さい場合、係合領域とスペース領域との間の剥離抵抗の大きさが大きく異なって、スペース領域がダイホイール41の周面から比較的小さな力で簡単に剥がれる。その結果、係合領域内でスペース領域の近傍に配される第1係合素子や第2係合素子をダイホイール41のキャビティ空間から引き抜くときに、これらの第1及び第2係合素子が大きな力を受けて強引に引き抜かれてしまい、第1及び第2係合素子が変形したり、破損したりして係合素子の形状に影響が出る虞があった。
これに対して、本実施例1では、スペース領域22に縦壁部13bと凸条部16とを意図的に設けてスペース領域22の剥離抵抗を係合領域21の剥離抵抗に近づくように大きくしている。これにより、係合領域21内でスペース領域22の近傍に配される第1係合素子12aや第2係合素子12bが、ダイホイール41のキャビティ空間から引き抜くときに受ける力を小さくし、それによって、第1及び第2係合素子12a,12bに変形や破損が生じることを防いで、所定の形状を有する第1及び第2係合素子12a,12bを安定して形成することができる。
その後、ダイホイール41から引き剥がされた長尺の成形面ファスナー10を、図示しない切断部に向けて搬送し、同切断部にて所定の長さで切断する。これにより、図1に示したように、所定の長さを有するストレート状の成形面ファスナー10が製造される。なお、本発明において、ストレート状の成形面ファスナー10を製造する製造装置や製造方法は特に限定されるものではなく、任意に変更することができる。
上述のような方法を用いて製造された本実施例1に係るストレート状の成形面ファスナー10は、例えば自動車の座席用シートなどのクッション体(発泡体)が発泡成形されると同時に、そのクッション体に一体化される。
具体的に説明すると、先ず、本実施例1の成形面ファスナー10を、クッション体の成形用金型のキャビティ面における所定の位置に形成された面ファスナー取付面(面ファスナー載置面)に載置する。このとき、金型の面ファスナー取付面は、平坦面により構成されている。なお、この面ファスナー取付面は、幅方向においては均一な平坦面であるが、長手方向においては凸面状又は凹面状の湾曲面により構成されていても良い。
また、金型の内部には、ネオジム磁石などの磁石が面ファスナー取付面の位置に対応して埋設されている。このため、成形面ファスナー10を金型の面ファスナー取付面に成形面ファスナー10の上面が対向するように載置することにより、磁石の吸引力により、成形面ファスナー10に混入された磁性粒子が引き付けられる。
これにより、成形面ファスナー10が金型の面ファスナー取付面に吸着して固定されるとともに、上述したセルフアライメント効果により、金型に対する成形面ファスナー10の位置及び向きが精度良く自動的に合わせられる。更に、このように成形面ファスナー10が金型の面ファスナー取付面に固定されることにより、成形面ファスナー10における左右の連続壁部13、主横壁部14、及び補助横壁部15の各上面が、金型の平坦な面ファスナー取付面に密着させた状態で保持される。
続いて、成形面ファスナー10を所定位置に固定した金型内に、同金型に配される噴射ノズルから発泡樹脂材料を噴射して注入する。このとき、例えば噴射ノズルを金型に対して相対的に移動させながら発泡樹脂材料を噴射することにより、金型のキャビティ空間の隅々まで発泡樹脂材料を注入することができる。更に、所定量の発泡樹脂材料を噴射ノズルから噴射した後に金型を型締めする。これにより、樹脂材料が発泡しながら金型のキャビティ空間全体に行き渡り、クッション体が成形される。
このとき、成形面ファスナー10は金型に配した磁石の吸引作用により所定の位置に位置決め固定されているため、発泡樹脂材料の流動圧力や発泡圧力などによって成形面ファスナー10の位置が動かされることはない。また、成形面ファスナー10における左右の連続壁部13、主横壁部14、及び補助横壁部15の各上面が金型の面ファスナー取付面に密着しているため、発泡樹脂材料が連続壁部13、主横壁部14、及び補助横壁部15を越えて第1及び第2係合素子12a,12bの形成領域内に侵入することを防止できる。
その後、発泡樹脂材料が発泡固化して成形が終了することにより、本実施例1のストレート状の成形面ファスナー10が一体化されたクッション体を得ることができる。
このようにして得られた成形面ファスナー10付きのクッション体は、係合領域21における左右の連続壁部13と前後の主横壁部14に囲まれた領域内に配される第1及び第2係合素子12a,12bが、クッション体内に埋設されずに露呈するため、第1及び第2係合素子12a,12bにより得られる所定の係合力を安定して確保することができる。
従って、このクッション体の表面に表皮材を被せて、その表皮材をクッション体に一体化された成形面ファスナー10に向けて押圧することにより、表皮材の裏面に配されたループ状の係合素子を、成形面ファスナー10の第1及び第2係合素子12a,12bに安定して係合させることができる。これにより、表皮材をクッション体から浮き上がらせることなく、クッション体の表面に沿って正確に取り付けることができる。
一方、本実施例1において、例えばクッション体の用途や製品のデザイン等の点から、成形面ファスナーを幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化させるような場合、図1に示したストレート状の成形面ファスナー10を一次製品として用いて、当該成形面ファスナー10に後述するような切断加工を行うことによって、幅方向に湾曲させるカーブ状の使用形態に対応可能な図7及び図8に示す成形面ファスナー30(以下、カーブ対応の成形面ファスナー30と称する)を得ることができる。
この図7及び図8に示したカーブ対応の成形面ファスナー30は、長さ方向に沿って所定の間隔で配される複数の面ファスナー部材31と、隣接する面ファスナー部材31間を連結する可撓性を備えた連結部32とを有する。
各面ファスナー部材31は、前後端部に切断加工により形成される切断端部33を備える薄板状の基板部11と、基板部11の上面に配される第1及び第2係合素子12a,12b、左右の樹脂侵入防止壁部13a、主横壁部14、補助横壁部15、及び凸条部16とを有する。この場合、第1及び第2係合素子12a,12b、左右の樹脂侵入防止壁部13a、主横壁部14、補助横壁部15、及び凸条部16では、上述したストレート状の成形面ファスナー10に形成された各部位の形態がそのまま保持されている。
連結部32は、スペース領域22に配されていた凸条部16と、その凸条部16の裏面側に一体的に配される基板部11の一部とにより構成されている。このように連結部32が凸条部16を含んで形成されていることにより、連結部32が基板部11のみにより形成されている場合に比べて、連結部32の強度を増大させることができる。従って、例えばカーブ対応の成形面ファスナー30が長さ方向に引っ張られたり、幅方向に大きく湾曲させたりしても、成形面ファスナー30を連結部32にて切断され難くすることができる。
また、各連結部32は、当該連結部32の前方側の面ファスナー部材31に配される後方側の主横壁部14と、その主横壁部14より後方に延出して配される基板部11の後端延出部31bとに連結一体化されているとともに、当該連結部32の後方側の面ファスナー部材31に配される前方側の主横壁部14と、その主横壁部14より前方に延出して配される基板部11の前端延出部31aとに連結一体化されている。この場合、各面ファスナー部材31における前端延出部31a及び後端延出部31bは、ストレート状の成形面ファスナー10に形成されるスペース領域22の基板部11により構成されている。
このように連結部32(特に凸条部16)が面ファスナー部材31の主横壁部14と前端及び後端延出部31a,31bとに一体的に連結されていることにより、成形面ファスナー30の各面ファスナー部材31が、連結部32を挟んで隣接する面ファスナー部材31に対してねじれ難くなり、成形面ファスナー30の形態を安定させることができる。これにより、成形面ファスナー30を金型の面ファスナー取付面に取り付ける作業が行い易くなり、作業の効率化を図ることができる。
なお、ここで言う「一体的に連結されている」とは、連結部32の材料と、少なくとも主横壁部14並びに前端及び後端延出部31a,31bの材料とが、同一の熱可塑性樹脂を用いて形成され、且つ、一緒に溶融し、一緒に冷却固化して形成されていることをいう。また、前述の通り、熱可塑性樹脂に磁性粒子を一部に混入させて形成した場合、混入状態によっては、磁性粒子の配合率が各部位によって異なる可能性もあるが、配合率が異なるだけで同一の熱可塑性樹脂を使用していることには変わりない。
上述のような構成を有するカーブ対応の成形面ファスナー30は、一次製品となるストレート状の成形面ファスナー10に対して、以下のような切断加工装置50を用いて切断加工を行うことにより製造される。
この切断加工装置50は、図9及び図10に示すように、ストレート状の成形面ファスナー10を供給するとともに間欠的に搬送することが可能な供給部51と、供給部51の下流側に配され、成形面ファスナー10の位置(停止位置)を検知する位置検知部52と、位置検知部52の下流側に配され、位置が検知された成形面ファスナー10に対して切断加工を行う切断加工部53と、供給部51、位置検知部52及び切断加工部53と電気的に接続して供給部51、位置検知部52及び切断加工部53を制御する図示しない制御部とを有する。なお、本発明において、供給部51、位置検知部52、及び切断加工部53の設置位置は任意に変更することができる。
供給部51は、上下一対の供給ローラー51aを有しており、これらの供給ローラー51aの回転と停止を制御することにより、成形面ファスナー10を下流側に向けて送ること、成形面ファスナー10を停止させること、及び、成形面ファスナー10を下流側に送り過ぎたときに上流側に戻すことが可能に構成されている。
位置検知部52は、搬送される成形面ファスナー10の上面側に配され、成形面ファスナー10に対して接近方向及び離間方向に昇降可能な位置決め部材52aを有する。この位置決め部材52aは、ストレート状の成形面ファスナー10の主横壁部14間に設けられるスペース領域22に挿入可能な形状を有する。
この位置検知部52は、供給部51により搬送される成形面ファスナー10が所定の位置で停止したときに、当該成形面ファスナー10の第1及び第2係合素子12a,12bを備えないスペース領域22に位置決め部材52aを挿入することにより、成形面ファスナー10の位置を検知することができる。
切断加工部53は、図10〜図12に示したように、搬送される成形面ファスナー10を載置するカッティングダイ54と、カッティングダイ54に対して昇降可能に配され、カッティングダイ54に載置された成形面ファスナー10の一部を切断するカッティングパンチ55とを有する。
カッティングダイ54は、成形面ファスナー10を載置する載置面(上面)を有するとともに、カッティングダイ54を摺動可能に収容可能な左右のダイ収容孔部54aが穿設されている。この場合、左右のダイ収容孔部54a間には、成形面ファスナー10のスペース領域22に切断加工を行う際に当該スペース領域22の凸条部16の部分を基板部11の裏面側から支持する細幅支持部54bが配されている。
また、左右の各ダイ収容孔部54aは、上面側から見たときに、細幅支持部54b側に配され、搬送方向の寸法が一定の大きさに設定される内側領域と、内側領域から幅方向の外側に連続的に配され、搬送方向の寸法が外側に向けて漸増する中間領域と、中間領域から幅方向の外側に連続的に配され、搬送方向の寸法が一定の大きさに設定される外側領域とを有する。ダイ収容孔部54aの外側領域には、カッティングパンチ55の後述する左右脚部55aが挿入され、ダイ収容孔部54aの中間領域及び内側領域には、カッティングパンチ55の後述するパンチ本体部55bが挿入される。
カッティングパンチ55は、カッティングダイ54のダイ収容孔部54aに挿入される柱状の左右脚部55aと、左右脚部55aの上端部間に連結されるパンチ本体部55bとを有しており、パンチ本体部55bの下端に先端刃部(下端刃部)55cが形成されている。左右の脚部55aは、高さ方向に直交する断面が矩形状を呈する柱状の形態を有する。また、左右の脚部55a間の間隔(言い換えると、パンチ本体部55bの幅寸法)は、ストレート状の成形面ファスナー10における基板部11の幅寸法よりも大きな寸法に設定されている。
パンチ本体部55bは、幅方向の中央部に配され、搬送方向の寸法が一定の大きさに設定される中央切断部55dと、中央切断部55dの左右両側に配され、搬送方向の寸法が外側に向けて漸増する左右の傾斜切断部55eとを有する。また、中央切断部55dにおける幅方向の中央部には、成形面ファスナー10の切断加工時に同成形面ファスナー10の凸条部16を挿入可能な挿入溝部55fが、パンチ本体部55bの下端から上方に向けて形成されている。
また、パンチ本体部55bの先端刃部55cは、幅方向における中央部(挿入溝部55f側の部分)から左右脚部55aに向けて、カッティングダイ54から漸次離れるように斜めに傾斜する形状に形成されている。
これにより、カッティングパンチ55を後述するように成形面ファスナー10に向けて下降させて成形面ファスナー10の切断加工を行う際に、スペース部の凸条部16をパンチ本体部55bの挿入溝部55f内に挿入して成形面ファスナー10とカッティングパンチ55との位置を合わせながら、基板部11における凸条部16の根本部分に先端刃部55cの鋭い尖端を突き刺さすことができ、更にカッティングパンチ55を下降させることにより、成形面ファスナー10の基板部11を、先端刃部55cの尖端を突き刺さした部分から外側に向けて、幅方向に対して斜めの方向にきれいに切断して、成形面ファスナー10の所定部分を切去することができる。
なお、本発明において、パンチ本体部55bの先端刃部55cは、幅方向における中央部から左右脚部55aに向けて、カッティングダイ54に漸次近づくように斜めに傾斜する形状に形成されていても良い。この場合、成形面ファスナー10の切断加工を行う際に、成形面ファスナー10の基板部11を、当該基板部11の左右側縁から内側に向けてきれいに切断することができる。
上述のような切断加工装置50を用いて、ストレート状の成形面ファスナー10に切断加工を行う場合、先ず、供給部51の上下の供給ローラー51aを間欠的に回転させることにより、成形面ファスナー10を下流側に向けて所定の長さで搬送することと、成形面ファスナー10の搬送を停止させることとを交互に繰り返す。このとき、成形面ファスナー10を下流側に搬送する長さは、当該成形面ファスナー10に形成されるスペース領域22間の間隔に対応している。
また、供給部51で成形面ファスナー10を間欠的に搬送するとともに、成形面ファスナー10の搬送が停止するタイミングに合わせて、位置検知部52の位置決め部材52aを所定の位置まで下降させて、同位置決め部材52aを成形面ファスナー10の第1及び第2係合素子12a,12bを備えないスペース領域22に挿入する。これにより、成形面ファスナー10が停止していること、及び、その停止位置が搬送路上の所定の位置であることを検知することができる。
特に本実施例1では、成形面ファスナー10のスペース領域22は、剛性が高い主横壁部14間に挟まれ、且つ、ある程度の長さ寸法をもって広く形成されているため、このスペース領域22に位置検知部52の位置決め部材52aを挿入することにより、例えば長さ方向に隣接する第1係合素子12a間に小さな位置決め部材を挿入する場合に比べて、位置決め部材52aを的確に且つ安定して挿入して、成形面ファスナー10の停止位置を精度良く検知できるとともに、係合領域21に配される第1及び第2係合素子12a,12bに変形や破損が生じることを防止できる。
更に、このように位置決め部材52aの挿入が安定することにより、例えば係合素子12間に小さな位置決め部材を挿入する場合に比べて、供給部51により搬送される成形面ファスナー10の搬送速度を速くして搬送と停止を繰り返しても、成形面ファスナー10の位置を安定して検知することができる。このため、成形面ファスナー10の切断加工を精確に且つ効率的に行うことが可能となる。
なお、位置検知部52の位置決め部材52aを下降させて成形面ファスナー10の停止位置を検知する際に、例えば成形面ファスナー10の停止位置が搬送方向の前後にずれている場合には、位置決め部材52aが成形面ファスナー10の主横壁部14に当接(干渉)して、位置決め部材52aを所定の位置まで下降させることができない。
この場合、切断加工装置50の図示しない制御部が、成形面ファスナー10が所定の停止位置で停止していないと判断し、供給部51に向けて、成形面ファスナー10を搬送方向又はその反対方向に向けて僅かに移動させるように上下の供給ローラー51aを回転させる信号を出す。これにより、位置決め部材52aが成形面ファスナー10に対して所定の位置まで下降するように成形面ファスナー10の停止位置を調整することができる。
位置検知部52にて成形面ファスナー10が所定の位置に停止していることが検知された後、切断加工部53のカッティングパンチ55を下降させて成形面ファスナー10に切断加工を行う。
このとき、カッティングパンチ55の先端刃部55cにより、成形面ファスナー10のスペース領域22における凸条部16と、基板部11の凸条部16の裏面側に一体的に形成されている部分及び主横壁部14から延びる部分(面ファスナー部材31の前端及び後端延出部31a,31bに対応する部分)とが残るように、スペース領域22の一部と係合領域21の基板部11の一部とを切去する切断加工を行う。
そして、切断加工部53による切断加工を行った後、成形面ファスナー10を下流側に所定の長さで搬送してから再度停止させ、更に、位置検知部52にて上述した成形ファスナーの停止位置を検知するとともに、切断加工部53にて成形ファスナーの切断加工を行う。このような動作を、ストレート状の成形面ファスナー10の全体に対して繰り返して行うことにより、図7に示したカーブ対応の成形面ファスナー30を簡単に安定して製造することができる。
上述のように、本実施例1では、ストレート状の成形面ファスナー10を一次製品として利用して、カーブ対応の成形面ファスナー30を製造することができる。これにより、ストレート状の成形面ファスナー10と、カーブ対応の成形面ファスナー30との間で、成形面ファスナーの成形装置40を同一化できるため、従来のようにストレート状の成形面ファスナーと、カーブ対応の成形面ファスナーとを、それぞれ全く異なる製造装置や製造工程によって別々に製造する必要がなくなる。これにより、カーブ対応の成形面ファスナー30の製造効率を向上させるとともに、カーブ対応の成形面ファスナー30の製造コストを低減することができる。
更に、ストレート状の成形面ファスナー10を利用してカーブ対応の成形面ファスナー30を製造することにより、それぞれの成形面ファスナー10の需要に対して迅速に対応し易くなるとともに、それぞれの成形面ファスナー10,30の在庫管理も行い易くなる。このため、更なる経済的な利益を得ることができる。
そして、上述のようにして製造されたカーブ対応の成形面ファスナー30をクッション体に一体化する場合、例えばクッション体の用途や製品のデザイン等に応じて、成形面ファスナー30を幅方向に湾曲させた状態でクッション体に一体化させることができる。
この場合、先ず、クッション体の発泡成形を行う金型の面ファスナー取付面(面ファスナー載置面)に、カーブ対応の成形面ファスナー30を、幅方向及び/又は表裏方向に湾曲させた状態で載置する。
このとき、金型の面ファスナー取付面の位置に対応して、ネオジム磁石などの磁石が埋設されていることにより、前述したストレート状の成形面ファスナー10の場合と同様に、成形面ファスナー30が金型の面ファスナー取付面に吸着して固定されるとともに、セルフアライメント効果により金型に対する成形面ファスナー30の位置及び向きが精度良く自動的に合わせられる。更にこの場合、成形面ファスナー30における左右の連続壁部13、主横壁部14、及び補助横壁部15の各上面が、金型の面ファスナー取付面に密着させた状態で保持される。
続いて、成形面ファスナー30を所定位置に固定した金型内に、同金型に配される噴射ノズルから発泡樹脂材料を噴射して注入することにより、樹脂材料が発泡しながら金型のキャビティ空間全体に行き渡り、クッション体が成形される。このとき、成形面ファスナー30の位置が、発泡樹脂材料の流動圧力や発泡圧力などによって動かされることはない。また、発泡樹脂材料が連続壁部13、主横壁部14、及び補助横壁部15を越えて、第1及び第2係合素子12a,12bの形成領域内に侵入することを防止できる。
その後、発泡樹脂材料が発泡固化して成形が終了することにより、カーブ対応の成形面ファスナー30が一体化されたクッション体を得ることができる。
このようにして得られたカーブ対応の成形面ファスナー30付きのクッション体は、係合領域21における左右の連続壁部13と前後の主横壁部14に囲まれる領域内の第1及び第2係合素子12a,12bが、クッション体内に埋設されずに露呈する。このため、第1及び第2係合素子12a,12bにより得られる所定の係合力を安定して確保することができる。
従って、このクッション体の表面に表皮材を被せて、その表皮材をクッション体に湾曲させた状態で一体化された成形面ファスナー30に向けて押圧することにより、表皮材をクッション体から浮き上がらせることなく、クッション体の表面に沿って正確に取り付けることができる。
なお、本実施例1においては、図6の製造装置40を用いてストレート状の成形面ファスナー10を製造して回収した後、その回収したストレート状の成形面ファスナー10に対して、製造装置40とは別途に設けられた図9の切断加工装置50を用いて切断加工を行うことによって、カーブ対応の成形面ファスナー30を製造している。しかし、本発明では、図6に示した製造装置40の後段に、図9に示した切断加工装置50を連続するように設置して、ストレート状の成形面ファスナー10を回収して保管することなく、カーブ対応の成形面ファスナー30を直接製造することも可能である。
また、本実施例1においては、切断加工装置50により、ストレート状の成形面ファスナー10に設けられた各スペース領域22に対して切断加工を行うことによって、カーブ対応の成形面ファスナー30を製造している。しかし、本発明では、全てのスペース領域22について切断加工を行わなくても良く、例えばスペース領域22の2つに1つの割合で切断加工を行うこと等のように、一部のスペース領域22に対して切断加工を行うことによって、カーブ対応の成形面ファスナーを製造しても良い。
更に、カーブ対応の成形面ファスナー30の製造に関して、図9に示した切断加工装置50においては、供給部51で成形面ファスナー10を間欠的に搬送しながら、停止した成形面ファスナー10に対して、位置検知部52で成形面ファスナー10の停止位置が検知されるともに、切断加工部53で切断加工が行われている。
しかし本発明では、例えば位置検知部52及び切断加工部53を、成形面ファスナー10の搬送方向に沿って前後に移動可能にして、位置検知部52が搬送中の成形面ファスナー10の位置を移動しながら検知し、且つ、切断加工部53が搬送中の成形面ファスナー10に切断加工を行うことができるように切断加工装置を構成することも可能である。
このような切断加工装置を用いることにより、供給部51で成形面ファスナー10を停止させることなく連続的に搬送しながら、その搬送中の成形面ファスナー10に対して、位置検知部52にて成形面ファスナー10の相対的な位置を検知するともに、切断加工部53で切断加工を行うことができる。これにより、ストレート状の成形面ファスナー10から、カーブ対応の成形面ファスナー30をより効率的に製造することができ、製造コストを更に削減することが可能となる。
更に、本実施例1では、図9に示した位置検知部52及び切断加工部53の代わりに、図13に示した位置検知部62及び切断加工部63を用いることも可能である。
この図13に示した位置検知部62は、搬送される成形面ファスナー10の上面側に回転可能に配される位置決めローラー62bと、位置決めローラー62bの周面に所定の間隔を開けて配される複数の位置決め部材62aと、成形面ファスナー10の下面側に配される支持ローラー62cとを有する。
また、各位置決め部材62aは、ストレート状の成形面ファスナー10の主横壁部14間に設けられるスペース領域22に挿入可能な形状を有する。この位置検知部62は、位置決めローラー62bを、成形面ファスナー10の搬送速度に合わせて回転させるとともに、連続的に搬送される成形面ファスナー10のスペース領域22に位置決め部材62aを順番に挿入することにより、搬送される成形面ファスナー10の位置を連続的に検知することができる。
図13に示した切断加工部63は、周面に刃部が設けられたロータリーダイ63aと、周面が平らに形成されたアンビルローラー63bとを有する。この場合、ロータリーダイ63aに設けられる刃部は、カーブ対応の成形面ファスナー30における面ファスナー部の切断端部33の形状と連結部32の形状に対応するように配されている。
この切断加工部63では、位置検知部62にて位置が検知されたストレート状の成形面ファスナー10が、ロータリーダイ63aとアンビルローラー63bとの間に連続的に供給されるとともに、ロータリーダイ63aが成形面ファスナー10の搬送速度に合わせて回転することにより、ストレート状の成形面ファスナー10に対して所定の部分を切去する切断加工を行うことができる。
このような位置検知部62及び切断加工部63を有する切断加工装置を用いてストレート状の成形面ファスナー10に対して切断加工を行う場合、供給部51の供給ローラー51aで成形面ファスナー10を停止させることなく連続的に搬送しながら、位置決めローラー62bとロータリーダイ63a及びアンビルローラー63bとを成形面ファスナー10の搬送速度に合わせて回転させる。これによって、成形面ファスナー10の位置を連続的に検知するとともに、当該成形面ファスナー10に所定の切断加工を行うことができる。
なお、本実施例1においては、1本のストレート状の成形面ファスナー10を成形し、その後、得られたストレート状の成形面ファスナー10に対して所定の切断加工を行うことによって、1本のカーブ対応の成形面ファスナー30を製造している。
しかし、本発明では、複数本(例えば4本)のストレート状の成形面ファスナー10が幅方向に連結された状態の幅方向に広いシート状の一次製品(シート状の成型面ファスナー)を成形し、その後、得られたシート状の一次製品に所定の切断加工を行うことによって、カーブ対応の成形面ファスナー30を複数本同時に製造することも可能である。
具体的に説明すると、一次製品となるシート状の成型面ファスナーは、周面に所定のキャビティ空間が形成されたダイホイールを有する製造装置(成形装置)により成形され、その成形されたシート状の成型面ファスナーは、ピックアップローラーによってダイホイールの周面から連続的に引き剥がされる。
また、引き剥がされたシート状の成型面ファスナーは、上下の供給ローラーを有する供給部により、位置検知部及び切断加工部に向けて搬送される。この場合、位置検知部は、例えば図13に示した位置検知部62と同様に構成されており、シート状の成形面ファスナーの上面側に配される位置決めローラーと、位置決めローラーの周面に配される複数の位置決め部材と、シート状の成形面ファスナーの下面側に配される支持ローラーとを有する。
また、切断加工部は、例えば図14に示したような形状を備える刃部64aが周面に設けられたロータリーダイ64と、周面が平らに形成されたアンビルローラーとを有する。
このような構成を有する位置検知部及び切断加工部に向けて、シート状の成型面ファスナーが連続的に搬送されることにより、位置検知部にてシート状の成形面ファスナーの位置を連続的に検知するとともに、切断加工部にて、シート状の成形面ファスナーに所定の切断加工を行って、4本の図7に示したカーブ対応の成形面ファスナー30を同時に製造することができる。これにより、カーブ対応の成形面ファスナー30を短時間で大量生産することが可能となる。
図15は、本実施例2に係る成形面ファスナーを示す平面図であり、図16は、図15に示したXVI−XVI線における断面図である。
なお、以下に示す本実施例2に係る成形面ファスナー70、及び後述する実施例3に係る成形面ファスナー80では、前述の実施例1に係る成形面ファスナー10と異なる構成について主に説明することとし、前述の実施例1に係る成形面ファスナー10と実質的に同じ構成を有する部分又は部材については同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
本実施例2に係る成形面ファスナー70では、前述の実施例1に係るストレート状の成形面ファスナー10の構成に加えて、係合領域21に整列して配される第1係合素子12aの横列の位置に、複数の予備分割壁体71aが幅方向に沿って配されることによって、当該横列の第1係合素子12aと予備分割壁体71aとにより構成される予備横壁部71が設けられている。特に本実施例2では、係合領域21内に幅方向に沿った6列の第1係合素子12aの横列のうち、中央部に配される3列目の横列と4列目の横列の位置に予備横壁部71が設けられている。
なお、本発明において、予備横壁部71の設置位置は特に限定されるものではなく、係合領域21に形成される1列目〜6列目の横列のうちの任意の横列のみに予備横壁部71を設けても良いし、係合領域21に形成される1列目〜6列目の全ての横列に予備横壁部71を設けても良い。
本実施例2に係る成形面ファスナー70のように予備横壁部71を設けることにより、例えばストレート状の成形面ファスナー70を所望の長さにするために、成形面ファスナー70を係合領域21の部分で幅方向に沿って切断したときに、当該係合領域21に配された予備横壁部71を、クッション体の発泡成型時に発泡樹脂材料の侵入を防ぐ侵入防止壁部として用いることができる。
これにより、その切断された係合領域21の全域に発泡樹脂材料が侵入することを防いで、当該係合領域21の一部の第1係合素子12aをクッション体内に埋設することなく、露呈させることができる。このため、表皮材を有効に係合させることが可能な成形面ファスナー70の係合面積を拡大でき、当該成形面ファスナー70が一体化されたクッション体に、表皮材を安定して固定することができる。
また、本実施例2のストレート状の成形面ファスナー70も、前述の実施例1に係る成形面ファスナー10と同様に、一次製品として用いて前述の実施例1にて説明したような切断加工を行うことによって、幅方向に湾曲させることが可能なカーブ対応の成形面ファスナーを製造することができる。またこの場合、前述の実施例1で説明した効果も同様に得ることができる。
また、本実施例2のストレート状の成形面ファスナー70から製造されるカーブ対応の成形面ファスナーにおいても、ストレート状の成形面ファスナー70の場合と同様に、各面ファスナー部材31に配された予備横壁部71を、クッション体の発泡成型時に発泡樹脂材料の侵入を防ぐ侵入防止壁部として用いることができる。
図17は、本実施例3に係る成形面ファスナーの側面図である。
本実施例3に係るストレート状の成形面ファスナー80では、スペース領域22に配される縦壁部83bの基板部11からの高さ寸法を、前述の実施例1に係るストレート状の成形面ファスナー10に比べて低くして構成されており、それ以外については前述の実施例1に係るストレート状の成形面ファスナー10と同様の構成を備えている。
すなわち、本実施例3のスペース領域22に配される縦壁部83bは、係合領域21に配される樹脂侵入防止壁部13aよりも基板部11からの高さ寸法を低くして設けられている。このように高さが低い縦壁部83bと凸条部16とがスペース領域22に配されていることにより、ダイホイールを有する成形装置を用いて本実施例3に係るストレート状の成形面ファスナー80を成形する場合に、スペース領域22の部分をダイホイール41から引き剥がすときの剥離抵抗を増大させて、成形面ファスナー80を剥離する力が成形面ファスナー80の長さ方向で不均一になることを抑制できる。それにより、スペース領域22の近傍に配置される係合素子12が、成形面ファスナー80をダイホイールから引き剥がすときに大きな力を受け難くなり、所定の形状を有する係合素子12を安定して形成することができる。
また、スペース領域22に配される縦壁部83bの高さ寸法が、係合領域21に配される樹脂侵入防止壁部13aの高さ寸法よりも小さく設定された本実施例3の成形面ファスナー80によれば、当該成形面ファスナー80を金型に吸着固定してクッション体の発泡成形を行うときに、前述の実施例1の場合と同様に、発泡樹脂材料が連続壁部13、主横壁部14、及び補助横壁部15を越えて第1及び第2係合素子12a,12bの形成領域内に侵入することを防止して、第1及び第2係合素子12a,12bにより得られる所定の係合力を安定して確保することができる。
その一方で、発泡成形時に発泡樹脂材料がスペース領域22内に侵入することを許容し、図18に示したように、スペース領域22に配される左右の縦壁部83bと、左右の縦壁部83b間に配される基板部11及び凸条部16とをクッション体81内に埋設することができる。これにより、成形面ファスナー80とクッション体81との接触面積を更に大きくして、クッション体81に対する成形面ファスナー80の固着強度をより高めることができる。
そして、本実施例3のストレート状の成形面ファスナー80も、前述の実施例1に係る成形面ファスナー10と同様に、一次製品として用いて前述の実施例1にて説明したような切断加工を行うことによって、幅方向に湾曲させることが可能なカーブ対応の成形面ファスナーを製造することができる。またこの場合、前述の実施例1で説明した効果も同様に得ることができる。
10 成形面ファスナー
11 基板部
11a 凹溝部
12 係合素子
12a 第1係合素子
12b 第2係合素子
13 連続壁部
13a 樹脂侵入防止壁部
13b 縦壁部
14 主横壁部
14a 連続横壁体
15 補助横壁部
15a 分割横壁体
16 凸条部
17a 第1連続縦壁部(第1連続縦壁列)
17b 第2連続縦壁部(第2連続縦壁列)
18 縦壁体
19 壁連結部
21 係合領域
22 スペース領域
30 成形面ファスナー
31 面ファスナー部材
31a 前端延出部
31b 後端延出部
32 連結部
33 切断端部
40 製造装置(成形装置)
41 ダイホイール
42 連続押出ノズル
43 ピックアップローラー
50 切断加工装置
51 供給部
51a 供給ローラー
52 位置検知部
52a 位置決め部材
53 切断加工部
54 カッティングダイ
54a ダイ収容孔部
54b 細幅支持部
55 カッティングパンチ
55a 脚部
55b パンチ本体部
55c 先端刃部(下端刃部)
55d 中央切断部
55e 傾斜切断部
55f 挿入溝部
62 位置検知部
62a 位置決め部材
62b 位置決めローラー
62c 支持ローラー
63 切断加工部
63a ロータリーダイ
63b アンビルローラー
64 ロータリーダイ
64a 刃部
70 成形面ファスナー
71 予備横壁部
71a 予備分割壁体
80 成形面ファスナー
81 クッション体
83b 縦壁部

Claims (9)

  1. 薄板状の基板部(11)の第1面に複数のフック状係合素子(12)が立設された係合領域(21)と、前記基板部(11)に前記係合素子(12)が排除された平坦面を備えるスペース領域(22)とを長さ方向に交互に有し、前記係合領域(21)は、前記基板部(11)の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の樹脂侵入防止壁部(13a) と、前記係合領域(21)の前端縁部及び後端縁部に前記スペース領域(22)と区画するように幅方向に沿って立設される主横壁部(14)とを備え、クッション体の発泡成形時に前記クッション体の表面に一体化させる熱可塑性樹脂製の成形面ファスナー(10,70,80)において、
    前記スペース領域(22)は、前記基板部(11)の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦壁部(13b,83b) と、前記基板部(11)の幅方向の中央部に長さ方向に沿って前記基板部(11)から一体に突出する凸条部(16)とを有し、
    前記凸条部(16)は、前記スペース領域(22)の長さ方向に隣接する前記主横壁部(14)に連結一体化されてなる、
    ことを特徴とする成形面ファスナー。
  2. 前記基板部(11)、前記樹脂侵入防止壁部(13a) 、前記主横壁部(14)、前記縦壁部(13b,83b) 、及び前記凸条部(16)は、同一の熱可塑性樹脂を用いて構成されてなる請求項1記載の成形面ファスナー。
  3. 前記係合領域(21)の前記樹脂侵入防止壁部(13a) と、前記スペース領域(22)の前記縦壁部(13b,83b) とが、前記基板部(11)の全体に長さ方向に沿って連続して立設される一連の連続壁部(13)として形成されてなる請求項1又は2記載の成形面ファスナー。
  4. 前記係合領域(21)は、前端縁部側の前記主横壁部(14)と後端縁部側の前記主横壁部(14)との中間位置に幅方向に沿って配される予備横壁部(71)を有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の成形面ファスナー。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の前記成形面ファスナー(10,70,80)を一次製品とし、前記一次製品の成形面ファスナー(10,70,80)に、前記スペース領域(22)を少なくとも前記凸条部(16)が残るように切去する切断加工が施され、前記切断加工により形成される前後の切断端部(33)と複数の前記係合素子(12)とを有する複数の面ファスナー部材(31)が、前記凸条部(16)を含む可撓性を備える連結部(32)により長さ方向に連結されて、幅方向に湾曲可能に形成されてなることを特徴とする成形面ファスナー。
  6. 基板部(11)の第1面に複数のフック状係合素子(12)が立設された複数の面ファスナー部材(31)が、可撓性を備える連結部(32)により長さ方向に連結され、クッション体の発泡成形時に前記クッション体の表面に幅方向に湾曲させた状態で一体化させることが可能な成形面ファスナーの製造方法であって、
    前記基板部(11)は、前記基板部(11)に複数の前記係合素子(12)が立設された係合領域(21)と、前記基板部(11)に前記係合素子(12)が排除された平坦面を備えるスペース領域(22)とを長さ方向に交互に有し、前記係合領域(21)は、前記基板部(11)の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の樹脂侵入防止壁部(13a) と、前記係合領域(21)の長さ方向の両端縁部に前記スペース領域(22)と区画するように左右の前記樹脂侵入防止壁部(13a) 間に亘って幅方向に沿って立設される主横壁部(14)とを有し、前記スペース領域(22)は、前記基板部(11)の左右側縁部に長さ方向に沿って立設される左右一対の縦壁部(13b,83b) と、前記基板部(11)の幅方向の中央部に長さ方向に沿って前記基板部(11)から一体に突出する凸条部(16)とを有する成形面ファスナー(10,70,80)を、一次製品として、キャビティ空間が周面に形成されたダイホイール(41)を用いて成形すること、
    成形された前記一次製品の成形面ファスナー(10,70,80)を前記ダイホイール(41)から引き剥がすこと、
    前記一次製品の成形面ファスナー(10,70,80)における前記スペース領域(22)に位置決め部材(52a,62a) を挿入することにより当該成形面ファスナー(10,70,80)の位置を検知すること、及び、
    位置が検知された前記成形面ファスナー(10,70,80)に対し、前記スペース領域(22)を少なくとも前記凸条部(16)が残るようにして切去する切断加工を行うこと、
    を含んでなることを特徴とする成形面ファスナーの製造方法。
  7. 前記一次製品の成形面ファスナー(10,70,80)の位置を検知する際に、搬送される前記成形面ファスナー(10,70,80)を間欠的に停止させて前記スペース領域(22)に前記位置決め部材(52a) を挿入すること、及び、
    停止した前記成形面ファスナー(10,70,80)に対し、前記基板部(11)における幅方向の中央部から外側に向けて傾斜した先端刃部(55c) を有するカッティングパンチ(55)を所定の位置で昇降させることにより、前記切断加工を行うこと、
    を含んでなる請求項6記載の成形面ファスナーの製造方法。
  8. 前記一次製品の成形面ファスナー(10,70,80)の位置を検知する際に、前記成形面ファスナー(10,70,80)を連続的に搬送するとともに、前記位置決め部材(52a) を前記成形面ファスナー(10,70,80)の搬送方向に沿って移動させながら前記スペース領域(22)に挿入すること、及び、
    連続的に搬送される前記成形面ファスナー(10,70,80)に対し、前記基板部(11)における幅方向の中央部から外側に向けて傾斜した先端刃部(55c) を有するカッティングパンチ(55)を、前記搬送方向に沿って移動させながら昇降させることにより、前記切断加工を行うこと、
    を含んでなる請求項6記載の成形面ファスナーの製造方法。
  9. 前記一次製品の成形面ファスナー(10,70,80)の位置を検知する際に、前記成形面ファスナー(10,70,80)を連続的に搬送するとともに、前記位置決め部材(62a) が周面に配された位置決めローラー(62b) を前記成形面ファスナー(10,70,80)の搬送速度に合わせて回転させることにより、前記位置決め部材(62a) を前記スペース領域(22)に挿入すること、及び、
    連続的に搬送される前記成形面ファスナー(10,70,80)に対し、周面に刃部が配されたロータリーダイ(64)を前記成形面ファスナー(10,70,80)の搬送速度に合わせて回転させることにより、前記切断加工を行うこと、
    を含んでなる請求項6記載の成形面ファスナーの製造方法。
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