JPWO2015182628A1 - ピラジンカルボキサミド化合物を有効成分とする医薬組成物 - Google Patents

ピラジンカルボキサミド化合物を有効成分とする医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物を提供する。【解決手段】本発明者らは、BTK阻害作用、JAK3阻害作用及びITK阻害作用を有する化合物について検討し、特定のピラジンカルボキサミド化合物がBTK阻害作用、JAK3阻害作用及びITK阻害作用を有し、これらの化合物を有効成分として含有する医薬組成物がBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがん、別の態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがん、別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがん、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがん、またさらに別の態様としてITKが活性化したがんに対する治療効果を有することを確認し、本発明を完成した。【選択図】なし

Description

本発明は、ピラジンカルボキサミド化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とするがんの治療用医薬組成物に関する。
BTK(Bruton's tyrosine kinase)はTecファミリーキナーゼに属する非受容体型チロシンキナーゼであり、プレクストリン相同ドメイン、Tec相同ドメイン、サーク相同2ドメイン、サーク相同3ドメイン、およびキナーゼドメインを有するタンパク質である。BTKはT細胞と形質細胞を除く大部分の造血細胞に発現し、B細胞産生に必須な分子である(Exp. Hematol. Oncol. 2014;3(1):4、J. Hematol. Oncol. 2013;6:59)。B細胞においてBTKはB細胞受容体シグナルを下流のホスフォリパーゼCガンマに伝達し、さらにカルシウムイオン動員、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ経路や核内因子カッパBの活性化を引き起こす(Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2010;107(29):13075-13080)。
これまでに慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、急性リンパ球性白血病を含むB細胞性悪性腫瘍、及び急性骨髄性白血病の進行においてBTKの関与が示唆されている(Exp. Hematol. Oncol. 2014;3(1):4、Blood. 2014;123(8):1229-1238)。また、急性骨髄性白血病患者由来初代培養細胞においてmiRNAによりBTKの発現を抑制したところ、細胞増殖が阻害されることや、BTK阻害剤はB細胞受容体シグナルが活性化したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫細胞の細胞増殖を阻害することが報告されている(Blood. 2014;123(8):1207-1213、Nature. 2010;463:88-92)。BTK阻害剤は濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病を含むがんを対象に臨床開発が行われ、これらのがんを有する患者において一定の有効性を示すことが確認されている(Scand. J. Immunol. 2013;78(2):130-139)。また、組織球性リンパ腫細胞株でも、BTKの発現が確認されているものが知られている(J. Immunol. 1994;152(2):557-565)。
これらの結果は、白血病およびリンパ腫を含むBTKが関与するがん、例えば、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいはB細胞受容体シグナルが活性化したがんにおいて、BTKがこれらのがんの増殖に関与していることを示しており、BTK阻害剤はこれらのがんに対して有望な治療剤になりうることを示している。
JAK3 (Janus kinase 3)はJAKファミリーキナーゼに属する非受容体型チロシンキナーゼであり、FERMドメイン、サーク相同2ドメイン、偽キナーゼドメイン、およびキナーゼドメインを有するタンパク質である(Genome Biol. 2004;5:253)。JAK3は主に造血系細胞に発現しており、サイトカイン受容体と相互作用し、シグナルを下流のSTATに伝達する(Acta. Biochim. Biophys. Sin. 2012;44(3):187-196)。
これまでに急性巨核芽球性白血病、ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病においてJAK3の活性化変異が報告されており、その進行においてJAK3の関与が示唆されている(Cancer Cell. 2006;10:65-75、Cancer Discov. 2012;2(7):591-597、Blood. 2009;113:2746-2754、Leukemia. 2012;26:2144-2146)。また、JAK阻害剤は急性巨核芽球性白血病細胞、ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫細胞、未分化大細胞リンパ腫細胞の細胞増殖を阻害することが報告されている(Cancer Cell. 2006;10:65-75、Cancer Discov. 2012;2(7):591-597、Leukemia. 2014;28:941-944)。
これらの結果は、白血病およびリンパ腫を含むJAK3が関与するがん、例えば、JAK3が活性化変異又は活性化したがんにおいて、JAK3がこれらのがんの増殖に関与していることを示しており、JAK3阻害剤はこれらのがんに対して有望な治療剤になりうることを示している。
ITK(IL2 inducible T cell kinase)はTecファミリーキナーゼに属する非受容体型チロシンキナーゼであり、プレクストリン相同ドメイン、Tec相同ドメイン、サーク相同2ドメイン、サーク相同3ドメイン、およびキナーゼドメインを有するタンパク質である。ITKは主にT細胞に発現するほか、マスト細胞に発現し、T細胞受容体シグナル伝達の調節を担っている(Curr. Top. Med. Chem. 2009;9(8):690-703、Mol. Pharmacol. 2012;82:938-947)。
これまでに皮膚T細胞リンパ腫を含むT細胞性腫瘍においてITKの発現が報告されている。また、ITK阻害剤はITKを発現したT細胞性急性リンパ芽球性白血病細胞の細胞増殖を阻害することが報告されている(Mol. Pharmacol. 2012;82:938-947)。
これらの結果は、白血病およびリンパ腫を含むITKが関与するがん、例えば、ITKが活性化したがんにおいて、ITKがこれらのがんの増殖に関与していることを示しており、ITK阻害剤はこれらのがんに対して有望な治療剤になりうることを示している。
5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド(以下、「化合物A」と言うことがある。)又はその製薬学的に許容される塩は、EGFR T790M変異陽性癌治療用医薬組成物の有効成分として有用であることが知られている(特許文献1)。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、特許文献1において、実施例54としてそのフリーベースが、実施例261としてそのモノメタンスルホン酸塩が開示されており、EGFR変異キナーゼに対する阻害作用が確認されている。
国際公開第WO 2013/108754号
がんの治療用医薬組成物、ある態様としてBTKが高発現又は活性化したがんの治療用医薬組成物、別の態様としてJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物、さらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療用医薬組成物を提供する。
本発明者らは、がんの治療用医薬組成物の創製を目的に鋭意検討した結果、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬組成物が、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物として有用であることを知見して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物。
2. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTKが関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
3. BTKが関与するがんが、BTKが高発現又は活性化したがんである、2に記載の医薬組成物。
4. BTKが関与するがんが、B細胞受容体シグナルが活性化したがんである、2に記載の医薬組成物。
5. BTKが関与するがんが、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、及び急性骨髄性白血病からなる群より選択されるがんである、2に記載の医薬組成物。
6. BTKが関与するがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病及び/又は組織球性リンパ腫である、5に記載の医薬組成物。
7. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、JAK3が関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
8. JAK3が関与するがんが、JAK3が活性化変異又は活性化したがんである、7に記載の医薬組成物。
9. JAK3が関与するがんが、急性巨核芽球性白血病及び/又は未分化大細胞リンパ腫である、7に記載の医薬組成物。
10. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、ITKが関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
11. ITKが関与するがんが、ITKが活性化したがんである、10に記載の医薬組成物。
12. ITKが関与するがんが、急性T細胞性リンパ腫及び/又はリンパ芽球性白血病である、10に記載の医薬組成物。
13. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTK及びJAK3が関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
14. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTK及びITKが関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
15. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、JAK3及びITKが関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
16. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTK、JAK3及びITKが関与するがんである、1に記載の医薬組成物。
17. 5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩が、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド モノメタンスルホン酸塩である、1〜16のいずれかに記載の医薬組成物。
18. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
19. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
20. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
21. 化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療方法。
に関する。
なお、本発明は、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療剤、ある態様としてBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんがBTKが関与するがんである、BTKが関与するがんの治療剤、別の態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療剤、さらに別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療剤、さらに別の態様としてBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんがJAK3が関与するがんである、JAK3が関与するがんの治療剤、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療剤、さらに別の態様としてBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんがITKが関与するがんである、ITKが関与するがんの治療剤、またさらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療剤を包含する。
また、本発明は、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、ある態様としてBTKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、別の態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、またさらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用;BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、ある態様としてBTKが関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、別の態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてJAK3が関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用、さらに別の態様としてITKが関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用またさらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用;BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、ある態様としてBTKが関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、別の態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、さらに別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、さらに別の態様としてJAK3が関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、さらに別の態様としてITKが関与するがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩、またさらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療のための化合物A又はその製薬学的に許容される塩;及び、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療方法、ある態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるBTKが関与するがんの治療方法、別の態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療方法、さらに別の態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療方法、さらに別の態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるJAK3が関与するがんの治療方法、さらに別の態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療方法、さらに別の態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるITKが関与するがんの治療方法、またさらに別の態様として化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなるITKが活性化したがんの治療方法に関する。なお、「対象」とは、その治療を必要とするヒト又はその他の動物であり、ある態様としては、その治療を必要とするヒトである。
本発明の医薬組成物の有効成分である化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、BTK、JAK3及びITK阻害作用を有し、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物、ある態様としてBTKが関与するがん、BTKが高発現若しくは活性化したがん、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が関与するがん、JAK3が活性化変異若しくは活性化したがん、ITKが関与するがん、並びに/又はITKが活性化したがんの治療用医薬組成物、別の態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療用医薬組成物、さらに別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療用医薬組成物、またさらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の有効成分として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
上述の通り、化合物Aの化学名は5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミドであり、その化学構造は以下に示すとおりである。
Figure 2015182628
BTKが関与するがんとは、がんの原因の一つがBTKであるがんを意味し、例えば、BTKが高発現又は活性化したがん、及びB細胞受容体シグナルが活性化したがんを挙げることができる。具体的には、例えば、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、急性骨髄性白血病を挙げることができ、特に、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、組織球性リンパ腫を挙げることができる。
JAK3が関与するがんとは、がんの原因の一つがJAK3であるがんを意味し、例えば、JAK3が高発現又は活性化したがん、及びJAK3の活性化変異、例えば、GenBank登録番号:NM_000215.3で定義されるJAK3の132番目のプロリンからトレオニンへの変異、572番目のアラニンからバリンへの変異、722番目のバリンからイソロイシンへの変異を有するがん(Cancer Cell. 2006;10:65-75)などを挙げることができ、急性巨核芽球性白血病、未分化大細胞リンパ腫を挙げることができる。
ITKが関与するがんとは、がんの原因の一つがITKであるがんを意味し、例えば、ITKが高発現又は活性化したがんを挙げることができ、急性T細胞性リンパ腫、リンパ芽球性白血病を挙げることができる。
なお、本明細書中において「がん」は血液がんを示す。
本発明のある態様を以下に示す。
(1−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(1−2)BTKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(1−3)BTKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(1−4)BTKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(1−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療方法。
(2−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(2−2)BTKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(2−3)BTKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(2−4)BTKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(2−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療方法。
(3)BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、又は急性骨髄性白血病である、(1−1)若しくは(2−1)に記載の医薬組成物;(1−2)若しくは(2−2)に記載の使用;(1−3)若しくは(2−3)に記載の使用;(1−4)に記載の化合物A、若しくは(2−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(1−5)若しくは(2−5)に記載の治療方法。
別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫である、(1−1)若しくは(2−1)に記載の医薬組成物;(1−2)若しくは(2−2)に記載の使用;(1−3)若しくは(2−3)に記載の使用;(1−4)に記載の化合物A、若しくは(2−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(1−5)若しくは(2−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫である、(1−1)若しくは(2−1)に記載の医薬組成物;(1−2)若しくは(2−2)に記載の使用;(1−3)若しくは(2−3)に記載の使用;(1−4)に記載の化合物A、若しくは(2−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(1−5)若しくは(2−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫である、(1−1)若しくは(2−1)に記載の医薬組成物;(1−2)若しくは(2−2)に記載の使用;(1−3)若しくは(2−3)に記載の使用;(1−4)に記載の化合物A、若しくは(2−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(1−5)若しくは(2−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病である、(1−1)若しくは(2−1)に記載の医薬組成物;(1−2)若しくは(2−2)に記載の使用;(1−3)若しくは(2−3)に記載の使用;(1−4)に記載の化合物A、若しくは(2−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(1−5)若しくは(2−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫である、(1−1)若しくは(2−1)に記載の医薬組成物;(1−2)若しくは(2−2)に記載の使用;(1−3)若しくは(2−3)に記載の使用;(1−4)に記載の化合物A、若しくは(2−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(1−5)若しくは(2−5)に記載の治療方法。
(4−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物。
(4−2)JAK3が関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(4−3)JAK3が関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(4−4)JAK3が関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(4−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3が関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療方法。
(5−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物。
(5−2)JAK3が関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(5−3)JAK3が関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(5−4)JAK3が関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(5−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3が関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療方法。
(6)JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病又は未分化大細胞リンパ腫である、(4−1)若しくは(5−1)に記載の医薬組成物;(4−2)若しくは(5−2)に記載の使用;(4−3)若しくは(5−3)に記載の使用;(4−4)に記載の化合物A、若しくは(5−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(4−5)若しくは(5−5)に記載の治療方法。
別の態様として、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病である、(4−1)若しくは(5−1)に記載の医薬組成物;(4−2)若しくは(5−2)に記載の使用;(4−3)若しくは(5−3)に記載の使用;(4−4)に記載の化合物A、若しくは(5−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(4−5)若しくは(5−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫である、(4−1)若しくは(5−1)に記載の医薬組成物;(4−2)若しくは(5−2)に記載の使用;(4−3)若しくは(5−3)に記載の使用;(4−4)に記載の化合物A、若しくは(5−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(4−5)若しくは(5−5)に記載の治療方法。
(7−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(7−2)ITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、ITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(7−3)ITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、ITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(7−4)ITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、ITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(7−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、ITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、ITKが活性化したがんの治療方法。
(8−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(8−2)ITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、ITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(8−3)ITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、ITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(8−4)ITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、ITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(8−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、ITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、ITKが活性化したがんの治療方法。
(9)ITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫又はリンパ芽球性白血病である、(7−1)若しくは(8−1)に記載の医薬組成物;(7−2)若しくは(8−2)に記載の使用;(7−3)若しくは(8−3)に記載の使用;(7−4)に記載の化合物A、若しくは(8−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(7−5)若しくは(8−5)に記載の治療方法。
別の態様として、ITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(7−1)若しくは(8−1)に記載の医薬組成物;(7−2)若しくは(8−2)に記載の使用;(7−3)若しくは(8−3)に記載の使用;(7−4)に記載の化合物A、若しくは(8−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(7−5)若しくは(8−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、ITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(7−1)若しくは(8−1)に記載の医薬組成物;(7−2)若しくは(8−2)に記載の使用;(7−3)若しくは(8−3)に記載の使用;(7−4)に記載の化合物A、若しくは(8−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(7−5)若しくは(8−5)に記載の治療方法。
(10−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTK及びJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物。
(10−2)BTK及びJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(10−3)BTK及びJAK3が関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(10−4)BTK及びJAK3が関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(10−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK及びJAK3が関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療方法。
(11−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTK及びJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物。
(11−2)BTK及びJAK3が関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(11−3)BTK及びJAK3が関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(11−4)BTK及びJAK3が関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(11−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK及びJAK3が関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びJAK3が活性化変異又は活性化したがんの治療方法。
(12)BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、又は急性骨髄性白血病であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病又は未分化大細胞リンパ腫である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、
急性巨核芽球性白血病である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
またさらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、及びJAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫である、(10−1)若しくは(11−1)に記載の医薬組成物;(10−2)若しくは(11−2)に記載の使用;(10−3)若しくは(11−3)に記載の使用;(10−4)に記載の化合物A、若しくは(11−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(10−5)若しくは(11−5)に記載の治療方法。
(13−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTK及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(13−2)BTK及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(13−3)BTK及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(13−4)BTK及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(13−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK及びITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療方法。
(14−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTK及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(14−2)BTK及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(14−3)BTK及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(14−4)BTK及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(14−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK及びITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療方法。
(15)BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、又は急性骨髄性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫又はリンパ芽球性白血病である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
またさらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(13−1)若しくは(14−1)に記載の医薬組成物;(13−2)若しくは(14−2)に記載の使用;(13−3)若しくは(14−3)に記載の使用;(13−4)に記載の化合物A、若しくは(14−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(13−5)若しくは(14−5)に記載の治療方法。
(16−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するJAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するJAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(16−2)JAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(16−3)JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(16−4)JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(16−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3及びITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療方法。
(17−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するJAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するJAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(17−2)JAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(17−3)JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(17−4)JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(17−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3及びITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、JAK3が活性化変異又は活性化したがん及びITKが活性化したがんの治療方法。
(18)JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病又は未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫又はリンパ芽球性白血病である、(16−1)若しくは(17−1)に記載の医薬組成物;(16−2)若しくは(17−2)に記載の使用;(16−3)若しくは(17−3)に記載の使用;(16−4)に記載の化合物A、若しくは(17−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(16−5)若しくは(17−5)に記載の治療方法。
別の態様として、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(16−1)若しくは(17−1)に記載の医薬組成物;(16−2)若しくは(17−2)に記載の使用;(16−3)若しくは(17−3)に記載の使用;(16−4)に記載の化合物A、若しくは(17−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(16−5)若しくは(17−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(16−1)若しくは(17−1)に記載の医薬組成物;(16−2)若しくは(17−2)に記載の使用;(16−3)若しくは(17−3)に記載の使用;(16−4)に記載の化合物A、若しくは(17−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(16−5)若しくは(17−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(16−1)若しくは(17−1)に記載の医薬組成物;(16−2)若しくは(17−2)に記載の使用;(16−3)若しくは(17−3)に記載の使用;(16−4)に記載の化合物A、若しくは(17−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(16−5)若しくは(17−5)に記載の治療方法。
またさらに別の態様として、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(16−1)若しくは(17−1)に記載の医薬組成物;(16−2)若しくは(17−2)に記載の使用;(16−3)若しくは(17−3)に記載の使用;(16−4)に記載の化合物A、若しくは(17−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(16−5)若しくは(17−5)に記載の治療方法。
(19−1)化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(19−2)BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(19−3)BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
(19−4)BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
(19−5)化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療方法。
(20−1)化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するBTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩を含有するB細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物。
(20−2)BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(20−3)BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩の使用。
(20−4)BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。ある態様として、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。別の態様として、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療のための、化合物A モノメタンスルホン酸塩。
(20−5)化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK、JAK3及びITKが関与するがんの治療方法。ある態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、BTKが高発現又は活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療方法。別の態様として、化合物A モノメタンスルホン酸塩の有効量を対象に投与することからなる、B細胞受容体シグナルが活性化したがん、JAK3が活性化変異又は活性化したがん、及びITKが活性化したがんの治療方法。
(21)BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、又は急性骨髄性白血病であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病又は未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫又はリンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病又は未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫又はリンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病、又は組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、マントル細胞リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、急性骨髄性白血病であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、急性巨核芽球性白血病であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、急性T細胞性リンパ腫である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
さらに別の態様として、BTKが関与するがん、BTKが高発現又は活性化したがん、あるいは、B細胞受容体シグナルが活性化したがんが、組織球性リンパ腫であり、JAK3が関与するがん、あるいはJAK3が活性化変異又は活性化したがんが、未分化大細胞リンパ腫であり、及びITKが関与するがん、あるいはITKが活性化したがんが、リンパ芽球性白血病である、(19−1)若しくは(20−1)に記載の医薬組成物;(19−2)若しくは(20−2)に記載の使用;(19−3)若しくは(20−3)に記載の使用;(19−4)に記載の化合物A、若しくは(20−4)に記載の化合物A モノメタンスルホン酸塩;あるいは、(19−5)若しくは(20−5)に記載の治療方法。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩は、上記特許文献1(国際公開第WO 2013/108754号)に記載の方法に従って、あるいはその変法によって入手することができる。
また、「化合物Aの製薬学的に許容される塩」とは、化合物Aの酸付加塩を意味し、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。なお、「化合物Aの製薬学的に許容される塩」には、化合物Aの溶媒和物、具体的には、例えば水和物やエタノール和物を含み、さらに、化合物Aの酸付加塩の溶媒和物を含む。
なお、「化合物A又はその製薬学的に許容される塩」のある態様としては、化合物A(フリーベース)が挙げられ、別の態様としては、化合物A モノメタンスルホン酸塩が挙げられる。
化合物A又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分が、少なくとも1種の不活性な賦形剤と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含む。当該液体組成物は、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含み、さらに可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばエタノールのようなアルコール類がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.01〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
投与経路、剤形、投与部位、賦形剤や添加剤の種類によって異なるが、本発明の医薬組成物は0.01〜99重量%、ある態様としては0.01〜50重量%の化合物A又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する。
本発明の医薬組成物は、がん、とりわけBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんに有効性を示すと考えられる種々の治療剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、あるいは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与の場合には、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。特に併用することができる薬剤として、リツキシマブのような抗CD20モノクローナル抗体、シクロホスファミドやイホスファミドのようなアルキル化剤、ドキソルビシンやシスプラチンやメトトレキサートやアントラサイクリンやレナリドミドのような抗悪性腫瘍剤、ビンクリスチンのような微小管重合阻害剤、プレドニゾン、プレドニゾロンやデキサメタゾンのような副腎皮質ホルモン剤、ベンダムスチンのような代謝拮抗剤、イマチニブやダサチニブのようなキナーゼ阻害剤、インターフェロンのようなサイトカイン製剤、ミトキサントロンやブレオマイシンのような抗生物質、アスパラギナーゼが挙げられる。
本発明の医薬組成物の薬理的効果は、以下の実施例により確認した。なお、化合物A又はその製薬学的に許容される塩として、以下の実施例では化合物A モノメタンスルホン酸塩(以下、「被験化合物B」と言う。)を使用した。それぞれの実施例において、被験化合物Bの濃度は、化合物Aフリー体の濃度に換算して算出した。
実施例1 BTKキナーゼ阻害活性評価
BTKキナーゼ阻害活性についてはQSS Assist BTK_MSA kit(カルナバイオサイエンス)を用いて評価した。
被験化合物Bをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、試験濃度の100倍濃度の溶液を調製した。その溶液をさらに付属のアッセイバッファーにて25倍希釈して被験化合物B溶液とした。なお、反応にはキットに付属しているBTKキナーゼを用いた。
上記のアッセイバッファーにて調製した5μLの4倍濃度被験化合物B溶液及び10μLの2倍濃度BTKキナーゼ溶液を384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて30分間放置した。続いて、5μLの4倍濃度基質ペプチド/ATP/MgCl2溶液を添加し、室温にて1時間反応させた。基質ペプチドは終濃度1000nM、ATPは終濃度1mM、MgCl2は終濃度5mMにて使用した。その後、付属のターミネーションバッファー60μLを添加して反応を停止させた。BTKキナーゼ活性は基質ペプチドのピーク高さと生産物(リン酸化基質ペプチド)のピーク高さから求められる生成物の変換率をLabChip EZ Reader II(PerkinElmer)で定量して算出した。
データ解析は、全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均変換率を0%阻害、BTKキナーゼ以外の全ての反応コンポーネントを含むバックグランドウェルの平均変換率を100%阻害とし、各被験化合物B試験ウェルの平均変換率から阻害率を計算した。IC50値は被験化合物B濃度と阻害率によるプロットを基に非線形回帰から求めた。
その結果、被験化合物BはBTKキナーゼ活性を阻害し、IC50値は0.17nMであった。
実施例2 ヒトびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫細胞株OCI-Ly10細胞における増殖抑制評価
OCI-Ly10細胞は、B細胞性悪性腫瘍の一つであるヒトびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫由来の細胞株であり、BTK依存性が確認されている(Nature. 2010;463:88-92)。20%牛血清を含有するイスコフ改変ダルベッコ培地(シグマ)を用いて培養したヒトびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫細胞株OCI-Ly10細胞(University Health Network)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度0.1nMから1μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種した日の測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはOCI-Ly10細胞の増殖を抑制し、GI50値は1.0nMであった。
実施例3 ヒトマントル細胞リンパ腫細胞株Rec-1細胞における増殖抑制評価
Rec-1細胞は、B細胞性悪性腫瘍の一つであるヒトマントル細胞リンパ腫由来の細胞株であり、BTKの発現及びリン酸化が確認されている(Cell Oncol. 2011;34:141-153)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒトマントル細胞リンパ腫細胞株Rec-1細胞(American Type Culture Collection、CRL-3004)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはRec-1細胞の増殖を抑制し、IC50値は68nMであった。
実施例4 ヒト急性骨髄性白血病細胞株KG-1細胞における増殖抑制評価
KG-1細胞は、ヒト急性骨髄性白血病由来の細胞株であり、BTKの発現が確認されている(J. Immunol. 1994;152(2):557-565)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒト急性骨髄性白血病細胞株KG-1細胞(American Type Culture Collection、CCL-246)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはKG-1細胞の増殖を抑制し、IC50値は38nMであった。
実施例5 ヒト急性骨髄性白血病細胞株MV4-11細胞における増殖抑制評価
MV4-11細胞は、ヒト急性骨髄性白血病由来の細胞株であり、BTKの発現が確認されている(Mol. Cell Proteomics. 2009;8(7):1751-1764)。10%牛血清を含有するイスコフ改変ダルベッコ培地(シグマ)を用いて培養したヒト急性骨髄性白血病細胞株MV4-11細胞(American Type Culture Collection、CRL-9591)を96ウェルプレートに播種した。翌日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはMV4-11細胞の増殖を抑制し、IC50値は10nMであった。
実施例6 ヒト組織球性リンパ腫細胞株U-937細胞における増殖抑制評価
U-937細胞は、ヒト組織球性リンパ腫由来の細胞株であり、BTKの発現が確認されている(J. Immunol. 1994;152(2):557-565)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒト組織球性リンパ腫細胞株U-937細胞(大日本製薬株式会社)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標) Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはU-937細胞の増殖を抑制し、IC50値は63nMであった。
実施例7 OCI-Ly10皮下担癌マウスモデルに対する抗腫瘍評価
免疫不全マウス(NOD.CB17-Prkdc scid/J、雄、4週齢(日本チャ−ルスリバー))の背部にヒトびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫細胞株OCI-Ly10細胞を皮下移植し、OCI-Ly10皮下担癌マウスモデルを作製した。腫瘍体積をもとに群分けしたOCI-Ly10皮下担癌マウスモデルに対して、0.5%メチルセルロース溶液(コントロール群:10mL/kg/day、QD、po (n=4))、被験化合物B(被験化合物B投与群:30又は100mg/kg/day、QD、po (n=4)、0.5%メチルセルロース懸濁液として)を投与し、腫瘍体積の変化を経時的に測定した。
その結果、コントロール群では投与開始日に188mm3であった腫瘍体積が、14日後には520mm3に増加した。一方、30mg/kg/dayの被験化合物Bを投与した群では、投与開始日に190mm3であった腫瘍体積が14日後には50mm3に退縮した。さらに、100mg/kg/dayの被験化合物B投与群では184mm3から22mm3に腫瘍退縮が見られた。
実施例8 JAK3キナーゼ阻害活性評価
JAK3キナーゼ阻害活性についてはQSS Assist JAK3 MSA kit(カルナバイオサイエンス)を用いて評価した。
被験化合物Bをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、試験濃度の100倍濃度の溶液を調製した。その溶液をさらに付属のアッセイバッファーにて25倍希釈して被験化合物B溶液とした。なお、反応にはキットに付属しているJAK3キナーゼを用いた。
上記のアッセイバッファーにて調製した5μLの4倍濃度被験化合物B溶液及び10μLの2倍濃度のJAK3キナーゼ溶液を384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて30分間放置した。続いて、5μLの4倍濃度基質ペプチド/ATP/MgCl2溶液を添加し、室温にて1時間反応させた。基質ペプチドは終濃度1μM、ATPは終濃度1mM、MgCl2は終濃度5mMにて使用した。その後、付属のターミネーションバッファー60μLを添加して反応を停止させた。JAK3キナーゼ活性は基質ペプチドのピーク高さと生産物(リン酸化基質ペプチド)のピーク高さから求められる生成物の変換率をLabChip EZ Reader II(PerkinElmer)で定量して算出した。
データ解析は、全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均変換率を0%阻害、JAK3キナーゼ以外の全ての反応コンポーネントを含むバックグランドウェルの平均変換率を100%阻害とし、各被験化合物B試験ウェルの平均変換率から阻害率を計算した。IC50値は被験化合物B濃度と阻害率によるプロットを基に非線形回帰から求めた。
その結果、被験化合物BはJAK3キナーゼ活性を阻害し、IC50値は0.44nMであった。
実施例9 ヒト未分化大細胞リンパ腫細胞株SU-DHL-1細胞における増殖抑制評価
SU-DHL-1細胞は、ヒト未分化大細胞リンパ腫由来の細胞株であり、JAK3の活性化が確認されている(Leukemia. 2014;28:941-944)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒト未分化大細胞リンパ腫細胞株SU-DHL-1細胞(American Type Culture Collection、CRL-2955)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて4日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはSU-DHL-1細胞の増殖を抑制し、IC50値は120nMであった。
実施例10 ヒト未分化大細胞リンパ腫細胞株KARPAS-299細胞における増殖抑制評価
KARPAS-299細胞は、ヒト未分化大細胞リンパ腫由来の細胞株であり、JAK3の活性化が確認されている(Oncogene. 2002;21:1038-1047)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒト未分化大細胞リンパ腫細胞株KARPAS-299細胞(DSMZ、ACC31)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて3日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはKARPAS-299細胞の増殖を抑制し、IC50値は250nMであった。
実施例11 ヒト急性巨核球性白血病細胞株CMK細胞における増殖抑制評価
CMK細胞は、ヒト急性巨核球性白血病由来の細胞株であり、JAK3の活性化変異が確認されている(Cancer Cell. 2006;10:65-75)。20%牛血清および2mMグルタミンを含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒト急性巨核球性白血病細胞株CMK細胞(DSMZ、ACC392)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて4日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはCMK細胞の増殖を抑制し、IC50値は110nMであった。
実施例12 ITKキナーゼ阻害活性評価
ITKキナーゼ阻害活性についてはMobility Shift Assay系を用いて評価した。
被験化合物Bをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、試験濃度の100倍濃度の溶液を調製した。その溶液をさらにアッセイバッファー(20mM HEPES, 0.01% Triton X-100, 1mM DTT, pH 7.5)にて25倍希釈して被験物質溶液とした。
上記のアッセイバッファーにて調製した5μLの4倍濃度被験化合物B溶液及び10μLの2倍濃度のITKキナーゼ溶液を384ウェルプレートのウェル内で混合し、室温にて30分間放置した。続いて、5μLの4倍濃度基質ペプチド(Srctide, ペプチド研究所 #AD-995)/ATP/MgCl2溶液を添加し、室温にて1時間反応させた。基質ペプチドは終濃度1000nM、ATPは終濃度1000μM、MgCl2は終濃度5mMにて使用した。その後、ターミネーションバッファー(127mM HEPES, 0.01% Triton X-100, 26.7mM EDTA, 1% DMSO, pH 7.5)60μLを添加して反応を停止させた。ITKキナーゼ活性は基質ペプチドのピーク高さと生産物(リン酸化基質ペプチド)のピーク高さから求められる生成物の変換率をLabChip3000(PerkinElmer)で定量して算出した。
データ解析は、全ての反応コンポーネントを含むコントロールウェルの平均変換率を0%阻害、ITKキナーゼ以外の全ての反応コンポーネントを含むバックグランドウェルの平均変換率を100%阻害とし、各被験化合物B試験ウェルの平均変換率から阻害率を計算した。
その結果、被験化合物BはITKキナーゼ活性を阻害し、1、10nMにおける阻害率はそれぞれ29.5%、92.6%であった。
実施例13 ヒト急性T細胞性リンパ腫細胞株Jurkat 6.1E細胞における増殖抑制評価
Jurkat 6.1E細胞は、ヒト急性T細胞性リンパ腫由来の細胞株であり、ITKの発現が確認されている(Mol. Pharmacol. 2012;82:938-947)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒト急性T細胞性リンパ腫細胞株Jurkat 6.1E細胞(European Collection of Cell Cultures、88042803)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて4日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはJurkat 6.1E細胞の増殖を抑制し、IC50値は940nMであった。
実施例14 ヒトリンパ芽球性白血病細胞株MOLT-4細胞における増殖抑制評価
MOLT-4細胞は、ヒトリンパ芽球性白血病由来の細胞株であり、ITKの発現が確認されている(Mol. Pharmacol. 2012;82:938-947)。10%牛血清を含有するRPMI1640培地(シグマ)を用いて培養したヒトリンパ芽球性白血病細胞株MOLT-4細胞(European Collection of Cell Cultures、85011413)を96ウェルプレートに播種した。同日に終濃度1nMから10μMとなる被験化合物BのDMSO溶液、又はDMSOのみ(DMSO群)を添加し、5%CO2存在下、37℃にて4日間培養した。その後、細胞数測定試薬(CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega))を用いて細胞数を測定した。DMSO群での測定値を0%抑制、細胞を播種していない培地のみのウェルでの測定値を100%抑制として細胞増殖抑制率を算出した。
その結果、被験化合物BはMOLT-4細胞の増殖を抑制し、IC50値は410nMであった。
以上の結果から、化合物A又はその製薬学的に許容される塩がBTK、JAK3及びITKキナーゼ活性を阻害することが確認され、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物の有効成分としての使用が期待できることが示された。具体的には、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫細胞株であるOCI-Ly10細胞、マントル細胞リンパ腫細胞株であるRec-1細胞、急性骨髄性白血病細胞株であるKG-1細胞及びMV4-11細胞、組織球性リンパ腫細胞株であるU-937細胞、未分化大細胞リンパ腫細胞株であるSU-DHL-1細胞、及びKARPAS-299細胞、急性巨核球性白血病細胞株であるCMK細胞、急性T細胞性リンパ腫細胞株であるJurkat 6.1E、並びにリンパ芽球性白血病細胞株であるMOLT-4細胞の増殖を抑制することが確認され、これらのBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんに対する効果が確認できた。さらに、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫細胞株であるOCI-Ly10細胞を皮下移植した皮下担癌マウスモデルにおいても、化合物A モノメタンスルホン酸塩を投与した群において、腫瘍の退縮という顕著な、かつ用量依存的な抗腫瘍効果が確認できた。
本発明の医薬組成物の有効成分である、化合物A又はその製薬学的に許容される塩はBTK阻害作用、JAK3阻害作用及びITK阻害作用を有し、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物、ある態様としてBTKが高発現若しくは活性化したがんの治療用医薬組成物、別の態様としてB細胞受容体シグナルが活性化したがんの治療用医薬組成物、さらに別の態様としてJAK3が活性化変異若しくは活性化したがんの治療用医薬組成物、またさらに別の態様としてITKが活性化したがんの治療用医薬組成物の有効成分として使用できることが期待できる。

Claims (21)

  1. 5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するBTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物。
  2. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTKが関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. BTKが関与するがんが、BTKが高発現又は活性化したがんである、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. BTKが関与するがんが、B細胞受容体シグナルが活性化したがんである、請求項2に記載の医薬組成物。
  5. BTKが関与するがんが、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ球性白血病、組織球性リンパ腫、及び急性骨髄性白血病からなる群より選択されるがんである、請求項2に記載の医薬組成物。
  6. BTKが関与するがんが、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、急性骨髄性白血病及び/又は組織球性リンパ腫である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、JAK3が関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  8. JAK3が関与するがんが、JAK3が活性化変異又は活性化したがんである、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. JAK3が関与するがんが、急性巨核芽球性白血病及び/又は未分化大細胞リンパ腫である、請求項7に記載の医薬組成物。
  10. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、ITKが関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  11. ITKが関与するがんが、ITKが活性化したがんである、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. ITKが関与するがんが、急性T細胞性リンパ腫及び/又はリンパ芽球性白血病である、請求項10に記載の医薬組成物。
  13. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTK及びJAK3が関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  14. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTK及びITKが関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  15. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、JAK3及びITKが関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  16. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんが、BTK、JAK3及びITKが関与するがんである、請求項1に記載の医薬組成物。
  17. 5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド又はその製薬学的に許容される塩が、5-{[(3R)-1-アクリロイルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-エチル-3-({4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピラジン-2-カルボキサミド モノメタンスルホン酸塩である、請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  18. BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療用医薬組成物の製造のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
  19. BTK、JAK3及びITK のうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩の使用。
  20. BTK、JAK3及びITK のうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療のための、化合物A又はその製薬学的に許容される塩。
  21. 化合物A又はその製薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与することからなる、BTK、JAK3及びITKのうち1種又は複数のキナーゼが関与するがんの治療方法。
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