JPWO2015133530A1 - 積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、かかる表面部材では、意匠性や安全性の観点から、曲げ加工性が求められる場合が多いが、積層体において、ポリカーボネートは耐熱性が高く、高温での曲げ加工条件を強いられるため、耐熱性の低いメタクリル樹脂が耐えることができず、積層体に気泡、白化の発生などの問題を抱えている。さらに、前記の積層体は高温高湿条件下の屋外や車中で使用される場合が多いが、ポリカーボネートと比較し耐湿性の低いメタクリル樹脂が吸水し、積層体に反りが発生する問題を抱えている。
一方で、耐熱性、耐湿性の高い樹脂としてスチレンとマレイン酸無水物からなる共重合樹脂が知られている。例えば、非特許文献1では、マレイン酸無水物を18〜35質量%含むスチレンとマレイン酸無水物の共重合樹脂について、ガラス転移温度が145〜175℃であると報告されている。また、非特許文献2では、スチレンとマレイン酸無水物の共重合樹脂について、低吸水性樹脂を謳う記載がある。しかしながら、かかる樹脂からなる層と、ポリカーボネートからなる層とを備える積層体は、樹脂間の親和性が低く層間の密着性が悪いため、かかる積層体を曲げ加工した際に層間で剥離が発生し易く、加工後の成型体の外観を損なう場合があった。さらに、耐擦傷性が低く、表面部材として用いた際に、裂傷や擦傷などが発生するという問題があった。
樹脂組成物(1)について以下説明する。
樹脂組成物(1)は、メタクリル樹脂とSMA樹脂とを含有する。
樹脂組成物(1)中のメタクリル樹脂の含有量は5質量%以上50質量%未満の範囲であり、5質量%以上45質量%未満であることが好ましく、10質量%以上40質量%未満の範囲であることがより好ましく、15質量%以上35質量%未満の範囲であることがさらにより好ましい。本発明の積層体は、樹脂組成物(1)中のメタクリル樹脂の含有量が5質量%以上であることで、曲げ加工性に優れるものとなり、50質量%未満であることで反りの発生を抑制できる。
かかるメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と称する)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸1−メチルシクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルなどのメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸アラルキルエステル;などが挙げられ、入手性の観点から、MMA、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、およびメタクリル酸tert−ブチルが好ましく、MMAが最も好ましい。メタクリル樹脂におけるメタクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量は90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上がさらに好ましく、メタクリル酸エステルに由来する構造単位のみであってもよい。
体を重合することで得られる。かかる重合において、複数種の単量体を用いる場合は、通常、かかる複数種の単量体を混合して単量体混合物を調製したのち、重合に供する。重合方法に特に制限はないが、生産性の観点から、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法などの方法でラジカル重合することが好ましい。
なお本明細書において、Mwはゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される標準ポリスチレン換算値を意味する。
曲げクラック性の観点から50/50〜5/95の範囲であることが好ましく、45/55〜5/95の範囲であることがより好ましく、40/60〜10/90の範囲であることがさらにより好ましく、35/65〜15/85の範囲であることがもっとも好ましい。
樹脂組成物(1)中におけるこれら他の重合体の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書におけるガラス転移温度とは、示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/分で測定し、中点法で算出したときの温度である。
なお、本明細書における樹脂組成物(1)のMFRとは、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した値である。
ポリカーボネートにおけるこれら他の重合体の含有量は15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書におけるポリカーボネートのMFRとは、メルトインデクサーを用いて、温度300℃、1.2kg荷重下の条件で測定したものである。
本発明の積層体は、樹脂組成物(1)からなる層および/またはポリカーボネートからなる層を、複数有していてもよい。
例えば(3)が、耐擦傷層である場合、かかる本発明の積層体の積層順序は、耐擦傷層を(3’)と表記すると、(3’)−(1)−(2);(3’)−(1)−(2)−(3’)、(3’)−(1)−(2)−(1)−(3’)など、少なくとも一方の表面が耐擦傷層となるように積層されていることが好ましい。
この場合のTダイの方式としては、加熱溶融状態の樹脂組成物(1)およびポリカーボネートをTダイ流入前に積層するフィードブロック方式、樹脂組成物(1)およびポリカーボネートをTダイ内部で積層されるマルチマニホールド方式などを採用できる。積層体を構成する各層間の界面の平滑性を高める観点から、マルチマニホールド方式が好ましい。
耐擦傷層は、本明細書においては、鉛筆引掻き試験による硬度を上昇させるための層であり、JIS−K5600−5−4で規定される鉛筆引掻き試験で「3H」以上の硬度を示す層であることが好ましい。耐擦傷層は樹脂組成物(1)からなる層の表面に設けることが好ましい。
これら熱硬化性組成物は、必要に応じて、例えば架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤等を含有してもよい。硬化剤としては、通常、イソシアネート、有機スルホン酸等がポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂に用いられ、アミンがエポキシ樹脂に、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチルエステル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル系樹脂に使用される。
後述する製造例で得られた樹脂組成物、実施例および比較例で得られた積層体、並びに参考例で得られたシートの評価は以下の方法で行った。
参考例で得られたシートを減圧下(1kPa)で80℃、24時間乾燥した後、10mgの試験片を切り出して、アルミパンで封止し、示差走査熱量計(「DSC−50」、株式会社リガク製)を用いて、30分以上窒素置換を行った後、10ml/分の窒素気流中、一旦25℃から200℃まで20℃/分の速度で昇温して、10分間保持し、25℃まで冷却した(1次走査)。次いで、10℃/分の速度で200℃まで昇温して(2次走査)、中点法でガラス転移温度を算出した。
参考例で得られたシートを一辺50mmの正方形に切り出して作製した試験片を、減圧下(1kPa)で80℃、24時間乾燥した後、温度23℃、相対湿度50%のデシケーター中で放冷した後、すみやかに質量を測定し初期質量とした。次いでかかる試験片を23℃の蒸留水中に浸漬して、経時的に質量を測定し、質量変化が見られなくなった時点における質量(吸水質量)を用いて下記式によって飽和吸水率を算出した。
飽和吸水率(%)=[(吸水質量−初期質量)/初期質量]×100
実施例および比較例で得られた積層体と、参考例で得られたシートを各々分光色差計SE5000 日本電色工業(株)製を使用し、JIS‐K7361に記載された方法に準拠して測定した。
実施例および比較例の積層体を押出流れ方向に対して平行な方向が短辺、押出流れ方向に対して垂直な方向が長辺となるように長方形に切り出して、短辺65mm、長辺110mmの試験片を作製した後、温度23℃、相対湿度50%の環境に24時間放置した。
ここにおいて、実施例1〜4、比較例1,3にかかる試験片は、長辺に沿って、樹脂組成物(1)からなる層(または、その代わりに用いた樹脂組成物(1’)、またはSMA樹脂(A)からなる層)を内側、ポリカーボネートからなる層を外側にして弓状の反りを生じた。一方、比較例2にかかる試験片は、長辺に沿って、メタクリル樹脂からなる層を外側、ポリカーボネートからなる層を内側にして弓状の反り(すなわちその他の実施例1〜4、比較例1,3にかかる試験片と逆方向の反り)を生じた。
定盤上に、かかる弓状の反りを生じた試験片の中央部が定盤に接するように(すなわち試験片が下向きの凸状となるように)置き、隙間ゲージを用いて試験片と定盤との隙間の最大値を測定し、この値を初期の反り量とした。
次いで、温度85℃、相対湿度85%に設定した環境試験機の中に短辺側をクリップで止めた試験片を吊り下げ、その状態で72時間放置した後、23℃環境下で4時間放冷した。その結果、実施例1〜4、比較例1〜3のすべての試験片は、試験片の長辺に沿って、樹脂組成物(1)からなる層(または、その代わりに用いた樹脂組成物(1’)、メタクリル樹脂またはSMA樹脂(A)からなる層)を内側、ポリカーボネートからなる層を外側にして弓状の反りを生じた。試験片と定盤との隙間の最大値を同様の方法で測定し、高温湿熱下での反り量とした。
初期の反り量と高温湿熱下での反り量の差[(高温湿熱下での反り量)−(初期の反り量)]を反り変化量として評価した。
テーブル移動式鉛筆引掻き試験機(型式P)(東洋精機社製)を用いて測定した。実施例および比較例で得られた積層体の樹脂組成物(1)からなる層(または、その代わりに用いた樹脂組成物(1’)、メタクリル樹脂またはSMA樹脂(A)からなる層)の表面に対して角度45度、荷重750gで鉛筆の芯を押し付けながら引っ掻き傷の傷跡の有無を確認した。鉛筆の芯の硬度は順に増していき、傷跡を生じた時点よりも1段階軟かい芯の硬度を鉛筆引掻き硬度とした。
製造例1〜5で得られた樹脂組成物、実施例で用いたメタクリル樹脂、SMA樹脂(A)およびSMA樹脂(B)のそれぞれについて、金型枠に入れて、230℃、50kg/cm2にて、5分間、プレスし、幅25mm、長さ100mm、厚さ1mmの短冊状の単層シートを各々作製した(実施例及び比較例の第一層に相当)。また、実施例で用いたポリカーボネートを用い、上記と同様の条件で同一寸法の単層シートを作成した(実施例及び比較例の第二層に相当)。得られた各々の単層シートの片面をアルミ板で補強した。
実施例及び比較例の第一層に相当する単層シートの一を選択し、ポリカーボネートからなる単層シートと、重ね合せ部の幅が25mm、長さが25mmとなるよう、アルミ板と反対側で両単層シートが密着するように、金型枠に入れて、230℃、100kg/cm2にて、5分間、プレスした。これにより2層からなり、幅25mm、長さ175mm、重ね合わせ部の厚さ2mmの積層シートを得た。(図1参照)。この方法により、各実施例および比較例と同一の2層構成の積層シートを各々作製した。得られた積層シートを、JIS‐K6850に記載された方法に準拠して測定した。すなわち、樹脂組成物(または、メタクリル樹脂、SMA樹脂)からなる層(実施例及び比較例の第一層に相当)とポリカーボネートからなる層(実施例及び比較例の第二層に相当)の接着面において、オートグラフAG−1S(島津製作所製)を用い、引張速度50mm/minで、引張りせん断接着強さ試験を測定し、目視で評価をした。試験は、23℃、相対湿度50%環境下で24時間調湿した積層シートを用い、23℃、相対湿度50%環境下で実施した。
[評価基準]
○:界面で凝集破壊
△:部分的に界面で凝集破壊
×:界面剥離
なお、層間密着性は、熱溶融により隣接する2層の樹脂を積層した際には、その樹脂に依存するものと思われる。層間密着性の優劣は、積層体の曲げ加工性の優劣に影響することとなる。
実施例および比較例で得られた積層体を押出流れ方向に対して平行な方向が短辺、押出流れ方向に対して垂直な方向が長辺となるように長方形に切り出して、短辺50mm、長辺200mmの試験片を作製した。試験片を遠赤外線ヒーターで厚み方向の上下から均等に加熱して、試験片の主面の表面温度が表裏ともに160℃に達した後、曲率半径25mmの金型を用いて積層体のポリカーボネート層が内側となるように曲げ加工した。試験片の加工状況を目視にて評価した。
[評価基準]
○:外観異常なし
△:剥離、発泡、揺らぎのいずれかが極僅かに発生
×:剥離、発泡、揺らぎのいずれかが発生
[メタクリル樹脂]
メタクリル樹脂は、クラレ社製、商品名;パラペットHR−S(MMAとMAの質量組成比98.9:1.1の共重合体、Mw=90,000)を使用した。
[SMA樹脂]
各SMA樹脂は以下の方法で入手できる。
WO2010/013557に記載の方法で、スチレン−無水マレイン酸−MMA共重合体であるSMA樹脂(A)得ることができる。
SMA樹脂(B)として、POLYSCOPE社製、商品名;XIRAN26080を使用することができる。
用いたSMA樹脂(A)、SMA樹脂(B)の質量組成比および重量平均分子量(Mw)を表1に示す。
SMA樹脂(A)、SMA樹脂(B)の共重合組成は、下記の手順で13C−NMR法により求めた。
13C−NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置(日本電子社製 GX−270)を用いた
。SMA樹脂(A)またはSMA樹脂(B)1.5gを重水素化クロロホルム1.5mlに溶解させて試料溶液を調整し、室温環境下、積算回数4000〜5000回の条件にて、測定した。測定結果より、以下の値を求めた。
・〔スチレン単位中のベンゼン環(炭素数6)のカーボンピーク(127、134,143ppm付近)の積分強度〕/6
・〔無水マレイン酸単位中のカルボニル部位(炭素数2)のカーボンピーク(170ppm付近)の積分強度〕/2
・〔MMA単位中のカルボニル部位(炭素数1)のカーボンピーク(175ppm付近)の積分強度〕/1
以上の値の面積比から、試料中のスチレン単位、無水マレイン酸単位、MMA単位のモル比を求めた。得られたモル比とそれぞれのモノマー単位の質量比(スチレン単位:無水マレイン酸単位:MMA=104:98:100)から、SMA樹脂(A)、SMA樹脂(B)中の各単量体の組成を求めた。
SMA樹脂(A)、SMA樹脂(B)のMwは、下記の手順でGPC法により求めた。
溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして東ソー株式会社製のTSKgel SuperMultipore HZM−Mの2本とSuperHZ4000を直列に繋いだものを用いた。GPC装置として、示差屈折率検出器(RI検出器)を備えた東ソー株式会社製のHLC−8320(品番)を使用した。SMA樹脂(A)またはSMA樹脂(B)4mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解させて試料溶液を調整した。カラムオーブンの温度を40℃に設定し、溶離液流量0.35ml/分で、試料溶液20μlを注入して、クロマトグラムを測定した。分子量が400〜5000000の範囲内にある標準ポリスチレン10点をGPCで測定し、保持時間と分子量との関係を示す検量線を作成した。この検量線に基づいてMw決定した。
95質量部のSMA樹脂(A)と5質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1−1)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1−1)のMFRは1.9g/10分であった。
90質量部のSMA樹脂(A)と10質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1−1)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1−2)のMFRは1.9g/10分であった。
70質量部のSMA樹脂(A)と30質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1−3)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1−3)のMFRは2.0g/10分であった。
70質量部のSMA樹脂(B)と30質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1−4)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1−4)のMFRは3.8g/10分であった。
60質量部のSMA樹脂(A)と40質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1−5)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1−5)のMFRは2.0g/10分であった。
51質量部のSMA樹脂(A)と49質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1−6)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1−6)のMFRは2.1g/10分であった。
30質量部のSMA樹脂(A)と70質量部のメタクリル樹脂を2軸押出機のホッパーに供給し、シリンダ温度230℃で溶融混練して押出成形し、ペレット状の樹脂組成物(以下「樹脂組成物(1’)」と称する)を得た。組成を表2に示す。なお、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定した樹脂組成物(1’)のMFRは2.3g/10分であった。
軸径50mmの単軸押出機にポリカーボネート(住化スタイロンポリカーボネート株式
会社製「カリバー300−8」、Mw=50,000、ガラス転移温度=150℃、温度300℃、1.2kg荷重下でのMFR=6.7g/10分)のペレットを連続的に投入し、シリンダ温度280℃、吐出量30kg/時の条件にて溶融状態で押し出した。一方、軸径30mmの単軸押出機に樹脂組成物(1−1)のペレットを連続的に投入し、シリンダ温度220℃、吐出量2kg/時の条件にて溶融状態で押し出した。かかる溶融状態のポリカーボネートと樹脂組成物(1−1)をジャンクションブロックに導入し、250℃に設定したマルチマニホールドダイで積層し、シート状に押出成形し、厚さ60μmの樹脂組成物(1−1)からなる層(第一層)と厚さ940μmのポリカーボネートからなる層(第二層)との2層から形成される厚さ1000μmの積層体を製造した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりに樹脂組成物(1−2)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりに樹脂組成物(1−3)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりに樹脂組成物(1−4)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりに樹脂組成物(1−5)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりに樹脂組成物(1−6)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりに樹脂組成物(1’)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりにメタクリル樹脂を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製し
た同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
実施例1の樹脂組成物(1−1)の代わりにSMA樹脂(A)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製した。かかる積層体の評価結果を表3に示す。また、別途作製した同一の2層構成の積層シートでの、層間密着性の評価結果も、併せて表3に示す。
樹脂組成物(1−1)を短辺110mm、長辺150mmの長方形状の金型枠に入れて、230℃、50kg/cm2にて、5分間、プレスし、厚さ2mm、短辺110mm、長辺150mmのシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)を樹脂組成物(1−2)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)を樹脂組成物(1−3)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)を樹脂組成物(1−4)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)を樹脂組成物(1−5)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)を樹脂組成物(1−6)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)を樹脂組成物(1’)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)をメタクリル樹脂に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1−1)をSMA樹脂(A)に代えた以外は、参考例1と同様にしてシートを作製した。かかるシートの評価結果を表4に示す。
樹脂組成物(1’)を用いた積層体(比較例1)およびメタクリル樹脂を用いた積層体(比較例2)は高温高湿下における反りの発生の抑制が十分ではない。また、SMA樹脂(A)を用いた積層体(比較例3)は、表面硬度が低く、さらに、SMA樹脂(A)からなる層とポリカーボネートからなる層との層間密着性が低いため、曲げ加工性が悪い。
これと比較し、SMA樹脂(A)にメタクリル樹脂を特定量加えた樹脂組成物(1)からなる積層体は、高温高湿下における反りの発生を抑制しつつ、表面硬度および曲げ加工性が改善されている。
さらに、SMA樹脂(A)を用いた積層体(実施例2)は、SMA樹脂(B)を用いた積層体(実施例3)と比較し、透明性が向上し、層間密着性、曲げ加工性が改善されている。
このように本発明の積層体は、従来のメタクリル樹脂とポリカーボネートの積層体の種々の性能を低下させることなく、反り変化量を大幅に改善できる。
2 ポリカーボネート単層シート(第二層)
3 アルミ板
Claims (5)
- 前記の共重合体が芳香族ビニル化合物(a)に由来する構造単位を50〜85質量%含有し、酸無水物(b)に由来する構造単位を15〜50質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記の共重合体が芳香族ビニル化合物(a)に由来する構造単位を50〜84質量%含有し、酸無水物(b)に由来する構造単位を15〜49質量%含有し、メタクリル酸エステル単量体を1〜35質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記のメタクリル酸エステル単量体がメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
- 少なくとも一方の表面にさらに耐擦傷性層を備える請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
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