JPWO2015133467A1 - C型肝炎ウイルスのワクチン及び診断に用いるためのHBc/HCV E2ペプチドキメラタンパク質 - Google Patents

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Abstract

C型肝炎ウイルス(HCV)の有効なワクチンや診断ツールを開発するための組換えタンパク質を提供することを課題とする。B型肝炎ウイルスのコアタンパク質のメジャーエピトープ領域にHCV E2のエピトープを挿入した組換えタンパク質を作製し、免疫原性の高い組換えタンパク質を得ることに成功した。

Description

本発明は、様々な遺伝子型のC型肝炎ウイルスによる感染に対応する予防的/及び治療的免疫応答、診断に使用可能な組換えタンパク質に関する。
C型肝炎ウイルス(HCV)キャリアは全世界で1億7000万人、すなわち全人口の3%がキャリアであると言われており、わが国のキャリア数は150万〜200万人と推定されている。HCVに感染すると、免疫力の正常な健康成人への感染であっても、急性の経過で治癒するものは約30%であり、残りは慢性感染へ移行すると言われている。HCVによる慢性肝炎では炎症が持続することにより肝線維化が誘発され、肝硬変、肝癌へと進展する。
慢性C型肝炎は感染から10年〜20年を経て肝硬変へと進展して、やがて高率に原発性肝癌を発症する。わが国では毎年2万数千人がHCVによる原発性肝癌によって死亡しており、これは原発性肝癌の約80%に該当する。
また、わが国では慢性肝炎、肝硬変、肝癌患者の75%がHCV感染者であるとも言われており、HCVの診断、治療、予防は重要な問題となっている。
HCVはフラビウイルス科(Flaviviridae)に属するRNAウイルスであり、カプシド、E1、E2の2つのエンベロープタンパク質、p7の4つの構造タンパク質、及び6つの非構造タンパク質からなっている。
HCVはRNAウイルスであり変異しやすく、特にエンベロープタンパク質のアミノ末端には超可変領域(Hypervariable Region : HVR)と呼ばれる領域が存在する。この領域はアミノ酸変異が多く、中和抗体からのエスケープ機序に関与していると考えられている。HCVが変異しやすいRNAウイルスであることが、慢性化の要因でもあり、また、有効なワクチン開発の大きな障害となっている。
また、HCVには1a、1b、2a、2bなど10種類以上のジェノタイプが存在することが知られている。ジェノタイプにより、ウイルスの感染性、インターフェロン等の治療への感受性が異なり、治療効果が異なることが知られている。中和抗体に関しても、ジェノタイプ間で異なるアミノ酸配列の領域を認識する中和抗体は他のジェノタイプのウイルスの重感染を防ぐことができない。多くのジェノタイプが存在することもワクチン開発の障害となっている。
HCVは、感染初期では検出が難しく、診断が困難な時期があることや、上述のようにウイルスの遺伝子型によって治療効果が異なることから、いかに精度、感度の高い診断を行うかが問題となっている。また、予防の面では、エスケープ機序や多くのジェノタイプが存在するために有効なワクチンはまだ開発されておらず、積極的な予防法がないことが大きな問題となっている。
一方、HCVと並んでヒトに肝炎、肝癌を誘発するウイルスとして、B型肝炎ウイルス(HBV)がある。HBVもHCV同様、慢性肝炎、肝硬変、肝癌を誘発するウイルスであることが明らかにされている。HBVはヘパドナウイルス科のDNAウイルスであり、その複製機構や免疫応答はHCVとは全く異なるものである。
HBVコアタンパク質(HBc)は、自己集合して球状のコア粒子を形成する。このコア粒子は非常に免疫原性が高いことが知られている。このHBcタンパク質のアミノ酸残基75〜80付近に所望のエピトープを挿入するか、HBc抗原タンパク質の末端に所望のエピトープを連結することにより得られる融合ポリペプチドは自己集合によりコア粒子を形成する。形成された粒子の表面には、挿入、あるいは連結したエピトープが提示される。この組換え抗原を用いると、エピトープが免疫系に認識されやすくなり、抗体産生を効率的に誘導することができる(非特許文献1)。
そこでHBc抗原タンパク質をワクチンのプラットフォームとして利用し、免疫系に認識されにくい抗原に対する抗体産生を誘導する試みが今までになされている(特許文献1〜3)。
特許第3228737号公報 特開平6−279500号公報 国際公開第2012/141280号
Clarke, B.E. et al., (1987), Nature, Vol.330, pp.381-384 Perotti et al., (2008), J.Virology, Vol.82, No.2, pp.1047-1052
HCVワクチンを開発する試みは、HCVウイルスが発見された1989年以来続いているもののいまだ有効なワクチンは開発されていない。したがって、HCVの積極的な予防法は現在のところないため、ワクチンの開発が望まれている。
また、変異やジェノタイプによらず、あらゆるHCVに対応して感度良く検出可能な抗原タンパク質の開発も望まれている。有効な抗原タンパク質があれば、ヒトにHCVウイルスが感染し、抗体が産生していれば患者血清中の抗体を検出することも可能である。また、ウサギやヤギ等の動物に抗原タンパク質を免疫して抗体を産生させ、患者血液中のウイルス抗原を検出する抗体試薬を作成し、患者のウイルス感染を検出することも可能となる。
本発明は、HCVの有効なワクチンや診断ツールを開発するための組換えタンパク質を提供することを課題とする。
本発明の組換えタンパク質は、B型肝炎ウイルスのコアタンパク質のアミノ酸配列番号129〜141のアミノ酸配列を含む13〜15アミノ酸を除去し、代わりにHCV E2エピトープを含む同数のアミノ酸配列を組み込んだことを特徴とする。
本発明者らも、非特許文献1の方法と同様に、HBVのコアタンパク質(HBc)をプラットフォームとして用いている。しかしながら、これまでのHBcタンパク質をワクチン等、抗体産生を誘導する際のプラットフォームとして用いる場合とは異なり、HBcのアミノ酸配列80付近ではなく、配列番号129〜141のアミノ酸配列を含む13〜15アミノ酸を除去し当該領域に、同数のアミノ酸からなるHCVのE2エピトープを挿入した。HBcのアミノ酸配列129〜141付近は、抗原性が高い。当該領域を除去することにより、HBcの抗原性を抑えて、HCV E2エピトープに高い抗原性を備えた組換えタンパク質を産生することができる。
さらに、本発明はHCV E2エピトープがE2タンパク質のアミノ酸配列番号409〜423又は配列番号523〜537のいずれか一つの領域であることを特徴とする。
HCVのこの領域は、エンベロープタンパク質の中でも、保存性が高く、HCVの遺伝子型によらず保存されている。また、ウサギを使った実験で抗体が産生することを確認した。したがって、遺伝子変異があまり起こらないことからワクチンや診断に用いるのには適した配列である。
本発明は、HCVを予防するためのワクチンであって、前記組換えタンパク質を抗原とすることを特徴とする。
本発明の抗原はHCVのエンベロープタンパク質と反応する抗体を産生することが確認されたことから、有効なワクチンとして機能すると考えられる。
本発明は、HCVのエンベロープタンパク質を認識する抗体であって、前記組換えタンパク質を抗原として得ることを特徴とする。
本発明の抗原を用いて抗体を得ることによって、HCVエンベロープの保存されたアミノ酸領域を認識する抗体を得ることができる。そのため、診断、治療に有用な抗体を得ることができる。
作製した組換えタンパク質を模式的に示す図。 キメラタンパク質のSDS−PAGE,ウェスタンブロット解析を示す図。 ELISAによりキメラタンパク質のHCV E2ペプチドに対する免疫原性を確認した図。
本発明は、HBcをプラットフォームとして用い組換え体を作製するものである。従来ペプチドを挿入していた部位は、HBcのアミノ酸残基75〜80の領域であったが、本発明では129〜141番目のアミノ酸の領域に挿入した。HBcの129〜141番目のアミノ酸領域は抗原性が高いことが知られている。挿入するペプチドの物理的性質にもよるが、当該領域を除去し代わりに所望のペプチドを挿入することにより、挿入したペプチドがHBc分子表面に提示され、エピトープとして認識されることが期待される。HCVのE2のエピトープとしては、遺伝子型によらず保存されている3箇所を選び、挿入した(図1)。
HBcの129〜141番目のアミノ酸は、メジャーエピトープである134〜140、138〜154番目のアミノ酸領域の両者に跨っている。そのため、本発明の組換えタンパク質を用いた場合には、HBcに対する抗体ができにくいものと考えられる。したがって、この領域にHCVペプチドを挿入した場合には、HBcの当該領域に対する抗体が産生されず、HCVのエンベロープを認識する抗体が産生されることが期待される。
[実施例]
1.組換えタンパク質発現プラスミドの構築
HBc抗原を発現するプラスミドpGHBcを作製した。pGd1のNcoI/HindIII部位にHBcを挿入したpGHBcを得た。
次に、PCRを用い、定法によりHBcの129〜141、又は128〜142番目までの13又は15アミノ酸を除去し、代わりにHCV E2のエピトープ候補領域を挿入した。
E2エピトープは全てのジェノタイプのHCVで保存性が高く、かつヒトの中和抗体と反応性のある領域として非特許文献2に報告されている下線で示した下記(1)〜(3)の箇所を含む領域を選定した。
(1)アミノ酸配列番号409−423
QRIQLINTNGSWHIN
(2)アミノ酸配列番号434−446
QTGFLAALFYAHR
(3)アミノ酸配列番号523−537
LGNPTYSWGENDTDV
なお、アミノ酸の配列番号は、ポリプロテインによるHCVコアタンパク質のN末端を1として表したときの番号を示す。また、配列はGenBankアクセッションNo.AF139594.2をもとにしている。
当初HCV 433〜447番目のアミノ酸をHBcの128〜142番目のアミノ酸の代わりに挿入し、タンパク質精製を試みた。しかしながら、RNA発現は確認されたもののタンパク質の発現が見られなかったため、HBcの128番目と142番目のアミノ酸をそのまま残し、HCV E2ペプチドは434〜446番目までの13アミノ酸を組換えて用いた(図1参照)。
以下、HBcの128〜142番目までの15アミノ酸を除去し、代わりにHCV E2の409−423アミノ酸領域、あるいは523−537アミノ酸領域を組み込んだキメラタンパク質を夫々HBc−E2(aa409−423)、HBc−E2(aa523−537)、HBcの129〜141番目までの13アミノ酸を除去し、代わりにHCV E2の434−446アミノ酸領域を組み込んだキメラタンパク質をHBc−E2(aa434−446)と称する。
2.HBc-E2キメラタンパク質の発現と精製
作製したプラスミドで大腸菌JM109(DE3)を形質転換し、HBc-E2キメラタンパク質を発現させる。キメラタンパク質は大腸菌の封入体画分を精製することによって得た。
具体的には、LB培地中で24時間大腸菌を培養し、遠心分離後、TE(50mM TrisHCL(pH 7.5), 10 mM EDTA)に懸濁し、氷中で超音波破砕機により30分間破砕した。PMSF(phenylmethylsulfonyl fluoride)を終濃度1mMになるように添加し、遠心分離(15,000rpm, 4℃、15分)により上清を捨て沈殿を回収する。得られた沈殿はTEで懸濁し、超音波破砕機により氷中で4分間処理する。遠心分離による洗浄を2度繰り返し、封入体画分を得る。
得られた封入体画分は、8M尿素溶液(8M 尿素、20mM Tris−HCL(pH8.5)、100mM DTT)に懸濁し、4℃で一晩静置する。
遠心分離(15,000rpm, 4℃、15分)を行い、上清を回収後、孔径0.8μmフィルターで濾過し、8M尿素溶液で平衡化したS−300ゲル濾過カラムでタンパク質を分離精製する。
得られたタンパク質画分は限外濾過を用いて濃縮後、SDS、DTTを夫々終濃度1%、100mMになるように加え、5分間煮沸する。煮沸後、室温に戻るまで静置し、孔径0.8μmのフィルターで濾過する。
濾過後のタンパク質は予め8M尿素溶液に1%SDSを加えた溶液で平衡化したS−300ゲル濾過カラムで分離精製する。得られたタンパク質画分は尿素を段階的に減らして透析を行い、最終的にTEに溶解したキメラタンパク質溶液を得た。透析終了後孔径0.2μmフィルターで濾過滅菌し、最終精製品とした。
図2Aは精製した組換えタンパク質をSDS−PAGEで分離し、クマシーブリリアントブルー染色したものである。図中の各レーンの表示は、以下のものを表す。マーカーはタンパク質のサイズマーカー、HBcは精製したHBcタンパク質、409、434、523は夫々HCV E2キメラタンパク質のHBc−E2(aa409−423)、HBc−E2(aa434−446)、HBc−E2(aa523−537)を示す。また、矢印は、配列より推定されるキメラタンパク質の分子量を示す。
図2Aに示すように、組換えタンパク質を泳動した各レーンでは、主要なバンドとしてキメラタンパク質の存在が確認される。
さらに、ウェスタンブロット法により、キメラタンパク質が発現していることを確認した。一次抗体としてHBcの2〜10番目のアミノ酸配列を認識するマウスモノクローナル抗体、二次抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識された抗マウス抗体を用い、ジアミノベンジジン(DAB)法により発色させた(図2B)。
図2B中、409、434、523は、HCV E2キメラタンパク質であるHBc−E2(aa409−423)、HBc−E2(aa434−446)、HBc−E2(aa523−537)を示す。いずれのキメラタンパク質も抗HBc抗体との反応性を有している。したがって、HBcのプラットフォームにHCV E2タンパク質が組み込まれたキメラタンパク質が発現していることが示されている。
3.免疫原性の確認
上記で発現精製した3種の精製抗原をウサギ(各2匹)に免疫し、抗血清を採取した。抗原溶液は、アジュバントと等量混合し、エマルジョンの状態でウサギの背部皮下に投与した。なお、初回免疫にはフロイント完全アジュバントを用い、2回目以降の免疫にはフロイント不完全アジュバントを用いた。
投与週は0、2、4、6週、初回免疫0.6mg/匹、2回目以降は0.3mg/匹で行った。抗体価は、BSAに結合させた合成ペプチドを抗原として用い、ELISAにより測定した。
HBc−E2(aa434−446)を免疫したウサギでは、抗原に対する反応は見られなかったが、HBc−E2(aa409−423)、HBc−E2(aa523−537)では、抗体が産生していることが確認された。ELISAによる抗体産生確認の結果を図3に示す。図中、409は、キメラタンパク質HBc−E2(aa409−423)を、523はHBc−E2(aa523−537)を免疫したウサギの抗体価を示す。
なお、HBc−E2(aa434−446)に抗原性が見られなかった理由としては、HCV E2の434−446アミノ酸の合成ペプチドが不溶性であり、HBcとのキメラタンパク質とした場合にも、HCVペプチド領域がキメラタンパク質表面に表出せず、抗原性を持たなかった可能性が考えられる。
あるいは、HCV E2の434−446アミノ酸領域が、コンフォメーショナルエピトープであり、キメラタンパク質の環境では立体構造がうまく形成さなかった可能性や、HCV E2の434−446アミノ酸領域によって、HBcの粒子形成が妨げられた可能性が挙げられる。
本発明は、HCV E2の409−423番目のアミノ酸、及び523−537番目のアミノ酸配列をHBcタンパク質のメジャーエピトープの部分と組み換えたキメラタンパク質が免疫原性を有することを初めて示したものである。条件を検討し、HCV E2ペプチドを提示したHBc粒子を作成することができれば、さらに免疫原性の高い抗原とすることができる。
以上、示したように、HCV E2ペプチドとして、中和抗体として作用し得るアミノ酸配列409−423、523−537番目は、HBcとのキメラタンパク質として高い免疫原性を示す。
したがって、この抗原を用いてヒトに免疫することにより、HCVの中和抗体を産生し得ることから、ワクチンとしての利用が期待できる。また、本発明の組換え抗原を用いれば、すべてのHCVに対して反応する抗体を得ることができることから、汎用性の高い診断ツールを得ることが可能となる。

Claims (4)

  1. B型肝炎ウイルスのコアタンパク質のアミノ酸配列番号129〜141のアミノ酸配列を含む13〜15アミノ酸を除去し、代わりにHCV E2エピトープを含む同数のアミノ酸配列を組み込んだことを特徴とする組換えタンパク質。
  2. 請求項1に記載の組換えタンパク質において、
    前記HCV E2エピトープがE2タンパク質のアミノ酸配列番号409〜423又は配列番号523〜537のいずれか一つの領域であることを特徴とする組換えタンパク質。
  3. HCVを予防するためのワクチンであって、
    請求項1又は2記載の組換えタンパク質を抗原とすることを特徴とするワクチン。
  4. HCVのエンベロープタンパク質を認識する抗体であって、
    請求項1又は2記載の組換えタンパク質を抗原として得ることを特徴とする抗体。
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