JP2004500868A - B型肝炎コア抗原の修飾 - Google Patents

B型肝炎コア抗原の修飾 Download PDF

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Abstract

4つのアルギニン反復部分のうちの1つ以上が欠失しているB型肝炎コア抗原(HBcAg)を含む蛋白質において、HBcAgのC末端システインを含む蛋白質が提供される。欠失された領域はHBcAg以外の蛋白質由来のエピトープで置換されていてもよく、その場合、HBcAgはそのエピトープを免疫系に提示するためのキャリアーとして機能する。このキメラ蛋白質は、例えばB型肝炎ウイルスに対する宿主の予防及び治療用ワクチン接種に役立つ。

Description

【0001】
本発明はB型肝炎ウイルス(HBV)のコア抗原の修飾された形態及び上記修飾された抗原を含む予防用及び治療用ワクチンに関するものである。
【0002】
(発明の背景)
HBVは先進国と開発途上国の両方で依然として主要な健康管理上の問題となっている。このウイルスに感染すると、症例によっては肝細胞癌や死につながることもある急性及び慢性疾患になる場合もある。このウイルスは二重の殻を有しており、そのDNAはコア抗原(HBcAg)と呼ばれる蛋白質構造内に護られている。このコア(核)は表面又はS抗原(HBsAg)として知られているエンベロープ蛋白質によって取り囲まれている。
【0003】
HBcAgは免疫系への特定のペプチド類の送達ビヒクルとして用いることができる特殊な抗原である。この抗原はHBVの表面抗原からのエピトープ、A型肝炎からのエンベロープ蛋白質、そしてC型肝炎ウイルスからの抗原を含む種々のウイルス性及びバクテリア性病原由来のTヘルパー、B及び細胞毒性リンパ球(CTL)エピトープを提示するのに用いられている。詳しくは、Ulrich et al (1998) Advances in Virus Research 50 141〜182参照。
【0004】
HBcAgは、粒子へ自己凝集するという、その蛋白質の分子構造のためエピトープを提示するための優れたビヒクルである。各粒子は単量体ポリペプチドの180か240コピーから発生される。このポリペプチドはHBVサブタイプによるが183個か185個のアミノ酸(aa)を有している。この単量体は宿主細胞内で適切な濃度に達すると、直径が約27nmの粒子を形成する。構造的研究により、残基68−90の領域内のアミノ酸がelループとして知られているその粒子の表面上のスパイク構造を形成することが示されている。ジスルフィド結合で結合されている2つの単量体は二量体スパイクを形成し、最も露出されたアミノ酸は位置80(elループの中心)に存在している。
【0005】
EP−A−421635(The Welcome Foundation Limited)は蛋白質が粒子を形成する能力を変えずに、elループ内に外来エピトープを挿入できるようにするためのHBVコア遺伝子の修飾について述べている。このサイトへの挿入は、その蛋白質の二量体でつくられる各スパイクの頂上における、挿入されたエピトープの最大の露出を可能にする。粒子1個あたり約180(あるいは240)個の各モノマーのコピーが存在しているので、各粒子は関心のあるエピトープの180(または240)個のコピーを示すことができる。
【0006】
従って、HBcAgは感染性疾患に対する予防用及び治療用ワクチンとして用いることができるハイブリッド粒子を発生するために用いることができる。しかしながら、初期の研究ではコア蛋白質の核酸に結合する本来的な性質の故に核酸の不純物が高いという特徴が認められている。核酸の結合はその蛋白質のC末端に見出される4つのアルギニン反復部分に関係していることが知られている。遺伝子ツールを用いてこれらの反復部分を取り除くことは実行可能であり、核酸をカプシドに含まない粒子が生成できることが示されている。しかしながら、この領域を除去すると、粒子構造の本来的な安定性が低下するようである。
【0007】
(発明の概要)
粒子の安定性を保持するために、核酸不純物の問題を克服しつつ、発明者らは別の新しい方式に想到した。この方式はHBcAgの1つ以上のアルギニン反復部分が取り除かれているが、C末端システインが保持されているクローンを発生させることを含んでいる。アルギニン反復部分の除去は核酸の結合を低下させるが、C末端システインの保持は、天然の構造では、安定した粒子の形成にとって重要なジスルフィド結合の形成を可能にしている。欠失された反復部分はバクテリア性またはウイルス性病原体、寄生虫、アレルゲン、あるいは癌関連抗原からのTヘルパー、BあるいはCTLエピトープをコードする配列で置換することができる。これは欠失された領域の代わりに適切なクローニング・サイトを挿入することで可能になる。
【0008】
従って、本発明は上記4つのアルギニン反復部分の1つ以上が存在しておらず、C末端システイン残基が存在しているHBcAgを含む蛋白質を提供する。HBcAg以外の蛋白質からのエピトープが不在のアルギニン反復部分の代わりに存在していてもよい。その蛋白質は例えばHBVに対する予防目的あるいは治療目的のワクチン接種用の医薬品組成物に組み込むことができる。
【0009】
本発明の蛋白質はHBcAg以外の蛋白質からの第2のエピトープを含んでいてもよく、そしてその第2のエピトープはHBcAgのelループ中に存在していてもよい。Tヘルパー・エピトープをC末端に、そしてB細胞エピトープをelループ中に配置することで、構造内T細胞の助けをかりてB細胞エピトープへの応答性を増大させることができる。さらに、この方式は同じ配列をel及びC末端領域の両方にクローニングすることで、各粒子上の特定のエピトープの数を二倍にするために用いることもできる。
【0010】
(発明の詳細な説明)
HBcAg配列の修飾
上に述べたように、HBcAgはHBVのサブタイプによって183個あるいは185個のアミノ酸で構成される蛋白質である。185個形態の蛋白質での追加的な2個のアミノ酸は第1と第2のアルギニン反復部分の間に配置されている。蛋白質の185個アミノ酸形態の配列をプレ配列と共に図1に示す。図1で、成熟したHBcAg配列は位置25のMet残基から最端のC末端のCys残基までの範囲にわたっており、残基1−24の範囲の配列は先行配列である。4つのアルギニン反復部分は以下の位置に配置されている。
Figure 2004500868
【0011】
本発明の蛋白質においては1つ以上のアルギニン反復部分が欠失している。従って、それら反復部分の1つ、2つ、3つ、あるいは4つ全部を欠失させることも、あるいは第1の反復部分、第2の反復部分、第3の反復部分及び/又は第4の反復部分を欠失させることもできる。4つの反復部分をいずれの組み合わせで欠失させることも可能である。第1の反復部分は主にRNA結合を担っており、第2、第3、及び第4の反復部分は主にDNA結合を担っており、好ましい実施の形態においては、第1の反復部分は保持され、第2−第4までの反復部分は特にDNA結合を減少させるために欠失される。
【0012】
HBcAgの残基145と残基182との間の配列は通常は本発明の蛋白質には存在しておらず、好ましくは残基150と残基177のあいだの配列が存在していない。欠失される配列は残基145から残基182(あるいは残基150から残基177)の範囲の配列全体を含んでいてもよいし、あるいはそれらの残基間の配列の一部だけを含んでいてもよい。同様に、欠失される配列はそれら残基のいずれの側に続いているものでもよい。本明細書中で用いられる場合、『残基xとyとの間の配列が存在しない』等の表現は、不在の配列が残基xとyを含んでいてもよいことを意味している。残基145から上流の配列を除去すると蛋白質の粒子形成能力に影響が生じる場合があり、従って一般的には推奨できない。185aaの形態のHBcAgにおいては、欠失される配列は残基184で終了してもよく、183aa形態では、残基182で終端してもよい。
【0013】
本発明の蛋白質におけるC末端システイン残基は通常HBcAgのC末端由来の天然の残基であり、通常はHBcAg内の上記残基のすぐ上流の配列がその直前に配置している。この先行するHBcAg配列は1−7個の残基、つまり、1個、2個、3個、4個、5個、6個又は7個の残基を含んでいてよい。従って、本発明の蛋白質のC末端は、Gln Cys、Ser Gln Cys、Glu Ser Gln Cys、Arg Glu Gln Cys、Ser Arg Glu Ser Gln Cys、Gln Ser Arg Glu Ser Gln Cys あるいはSer Gln Ser Arg Glu Ser Gln Cysの配列を含んでいてよい。しかしながら、Cys残基はHBcAg由来のものでなくてもよく、この場合、本発明による蛋白質はそのHBcAg配列の先頭を切り取って、切り取られた配列をCys残基及び任意によりHBcAg以外の蛋白質由来のエピトープを含む他の配列で置換することによって構成することができる。Cys残基は通常、本発明の蛋白質の最端のC末端に配置されているが、最端C末端からの多数のアミノ酸残基であってもよい。例えば、それはC末端からの1−20個の残基、1−10個の残基、あるいは1−5個の残基で構成あってもよい。いずれの場合も、Cys残基はジスルフィド結合を形成できなければならない。
【0014】
本発明の蛋白質は通常N末端からC末端方向に結合された以下の要素を含む:
(i) 粒子の形成を媒介するHBcAgのN末端部分、例えば残基1−144(あるいは1−146又は1−154)、及び
(ii) C末端システインを含むHBcAgのC末端部分;
ここで、1つ以上のアルギニン反復部分を含んでいる前記N末端部分とC末端部分の間からのHBcAg配列の少なくとも一部は存在しない。
【0015】
上記蛋白質が不在のアルギニン反復部分の代わりにHBcAg以外の蛋白質由来のエピトープも含んでいる場合、その蛋白質は通常NからC末端方向に結合された以下の要素を含む:
(i) 粒子の形成を媒介するHBcAgのN末端部分、例えば残基1−144(あるいは1−146又は1−154);
(ii) HBcAg以外の蛋白質由来のエピトープ;及び
(iii) C末端システインを含むHBcAgのC末端部分;
ここで、1つ以上のアルギニン反復部分を含んでいる前記N末端部分と前記C末端部分の間のHBcAg配列の少なくとも一部が存在せず、前記エピトープで置換されている。
【0016】
上記蛋白質がelループ中にHBcAg以外の蛋白質由来のエピトープを含んでいる場合、上記蛋白質は通常NからC末端方向に結合された以下の要素を含む:
(i) 例えば、残基1−67(あるいは1−74又は1−79)を含むHBcAgのN末端部分;
(ii) HBcAg以外の蛋白質由来のエピトープ;
(iii) 例えば、残基91−144(あるいは91−146、91−154、85−144、86−146、86−154、80−146、あるいは80−154)を含むHBcAg配列の第2の部分;及び
(iv) C末端システインを含むHBcAg配列の第3の部分;
ここで、1つ以上のアルギニン反復部分を含んでいる残基145(あるいは147又は155)とC末端システインとの間のHBcAgの配列の少なくとも一部が存在しない。
【0017】
本発明の蛋白質が、不在のアルギニン反復部分の代わりにHBcAg以外の蛋白質由来の第1のエピトープとHBcAg以外の蛋白質由来の第2のエピトープとの両方をelループに含んでいる場合、その蛋白質は通常NからC末端方向に結合された以下の要素を含む:
(i) 例えば残基1−67(あるいは1−74又は1−78)を含むHBcAg配列のN末端部分;
(ii) HBcAg以外の蛋白質由来のエピトープ;
(iii) 例えば、残基91−144(あるいは91−146、91−154、86−144、86−146、86−154、80−144、80−146、あるいは80−154)を含むHBcAg配列の第2の部分;
(iv) HBcAg以外の蛋白質由来のさらなるエピトープ;及び
(v) C末端システインを含むHBcAg配列の第3の部分
ここで、1つ以上のアルギニン反復部分を含む残基145(あるいは147又は155)と上記C末端システインとの間のHBcAgの少なくとも一部が存在しない。
【0018】
上の説明から明らかなように、発明者らは特異的に、1つ以上のアルギニン反復部分の欠失、欠失された反復部分に代わる異種エピトープの挿入、及びelループへの第2の異種エピトープの挿入などを包含する多数の方法でのHBcAgの装飾を想定している。しかしながら、HBcAg配列のさらに別の修飾も可能である。そうしたさらに別の修飾は、置換、挿入、欠失、あるいは延長によって行うことができる。挿入、欠失あるいは延長のサイズは、例えば、HBcAg配列において1−200aa、1−100aa、1−50aa、1−20aa、1−6aaである。置換の場合は、HBcAg配列の全長にわたって、例えば、1、2、5、10、20又は50個のアミノ酸など多数のアミノ酸を含むことができる。修飾された蛋白質は通常粒子を形成する能力を保持している。置換は通常は保存的に行われ、例えば、以下の表に従って行うことができ、この場合、二番目の欄中の同一ブロック中のアミノ酸を互いに置換することができ、そして好ましくは第3の欄の同じ行の同一ブロック中のアミノ酸を互いに置換することができる。
Figure 2004500868
【0019】
本発明の蛋白質中のHBcAg配列の各部分は、好ましくは配列番号:2に示されている配列を有する蛋白質など、天然のHBcAg蛋白質の対応する配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有している。より好ましくは、上記同一性は少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも98%、少なくとも97%、あるいは少なくとも99%である。蛋白質配列(及び核酸配列)同一性を測定するための方法は技術分野で周知である。例えば、UWGCGパッケージはBESTFITプログラムを提供している(Devereux et al (1984) Nucleic Acids Research 12, p. 387−395)。同様に、PILEUP 及びBLASTアルゴリズムは配列を(例えば、Alschul S. F. (1983) J. Mol. Evol. 36:290−300及びAltschul, S. F. et al (1990) J. Mol. Biol. 215:403−10に述べられているように)並べるために用いることができる。
【0020】
本発明の蛋白質は天然のHBcAgによって形成される粒子と非常によく似た粒子へと自己凝集することができる。これらの粒子は直径が20−40nmの範囲であるが、好ましくは直径は(天然のHBcAg粒子のサイズである)約27nmである。それらの粒子は、検出できないか、あるいは天然のHBcAgの粒子と比較してずっと少ない量の核酸(DNA及びRNA)しか含まない。それらの粒子は160−260個の本発明の蛋白質の単量体を含んでいてもよいが、好ましくは(天然のHBcAg粒子中の単量体の数である)約180−約240個の単量体を含んでいる。
【0021】
本発明による蛋白質の粒子性状の判定はサイズ排除クロマトグラフィ及び/又は電気顕微鏡で行うことができる。それら粒子のDNA含量の判定はアガロースゲル電気泳動あるいは分光分析によって行うことができる。Birnbaum及びNasal(1990, J. Virology 64 3319−3330)から適用される方法を用いることができる。上記蛋白質はプロテナーゼK及び市販のDNA回収キット(例えばQiagen,
QIAquickTM PCR 精製キット)を用いて抽出された核酸を用いて消化することができる。精製されたDNAは、電気泳動の後1.5%アガロースゲル中で高感度DNA染色(例えば、Novex, SYBER Green ITM)を用いることにより可視化することがができる。抽出に続いて得られるDNA生成物は、例えば、Pharmacia Biotech Ultrascpec 2000TMを用いて、Sambrook et al. (Cold Spring Harbor Laboratory Pressによって1989年に出版されたMolecular Cloning−A laboratory manual参照)に従って光学密度(OD)260nm:280nmで定量することができる。
【0022】
(エピトープ)
一般的なルールとして、本発明の蛋白質に挿入されるエピトープはHBcAgのフォールディングあるいは粒子への自己凝集を阻害してはならない。さらに、免疫原性を向上させるために、B細胞エピトープはその粒子の表面に表示されるべきである。T細胞エピトープは最良の提示のために粒子の表面上に表示されねばならないという必要はない。
【0023】
エピトープの挿入のためには3つの好ましい領域、つまり、欠失されたアルギニン反復部分の代わりのC末端、elループ、そしてN末端がある。これら3つの領域はすべて外来配列の挿入に十分に耐えることができる。1つのエピトープがHBcAgのelループ中に置かれる場合、それはアミノ酸残基68−90、69−90、71−90、75−85、あるいは78−83の配列に挿入され得る。最も好ましいのはエピトープを残基79と80、あるいは80と81の間に挿入することである。elループ由来のHBcAg残基は本発明の蛋白質では欠失していてもよく、従って挿入されたエピトープがそのループの配列の一部、あるいは全部と置換していてもよい。
【0024】
本発明の蛋白質中に存在している異種エピトープはB細胞エピトープ、あるいはT細胞エピトープであってもよい。そのエピトープがT細胞エピトープである場合、それはTヘルパー(Th)細胞エピトープ(Th1あるいはTh2エピトープ)、あるいは細胞毒性リンパ球(CTL)エピトープであってよい。
【0025】
本発明の蛋白質は一より多くの異種エピトープ、例えば最大2、3、5又は8つの異種エピトープを含んでいてよく、その場合、各エピトープがHBcAg内の同じ部位に存在していても、別の部位に存在していても構わない。本発明の好ましい実施の形態においては、それらのエピトープの1つはTヘルパー細胞エピトープで、もうひとつはB細胞又はCTLエピトープである。Tヘルパー細胞エピトープが存在していると、B細胞又はCTLエピトープに対する免疫応答が強まる。本発明の蛋白質に2つ以上の異種エピトープが存在している場合、それらは同じ生物、あるいは同じ蛋白質由来のものであってもよい。実際、それらのエピトープが同じものであってもよく、これは粒子上に提示されているエピトープの数を倍化したり、さらに数倍化することを可能にする。
【0026】
本発明の蛋白質に挿入されたエピトープを含む配列のサイズは幅広い範囲で変わるが、一般的には6−120aa、例えば6−80aa、あるいは6−40aaである。そのエピトープは立体構造的でも、直線的なものであってもよい。
【0027】
エピトープの選択はワクチン接種の対象としたい疾患に依存する。通常、そのエピトープはウイルス、バクテリア、又は原生動物などの病原体由来であるが、癌関連抗原又はアレルゲン由来のものであってもよい。そのエピトープを挿入することができる病原体の例としては、A型肝炎ウイルス(HAV)、HBV、C型肝炎ウイルス(HCV)、インフルエンザ・ウイルス、口蹄病ウイルス、ポリオウイルス、単純ヘルペスウイルス、狂犬病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス・タイプ1(HIV1)、ヒト免疫不全ウイルス・タイプ2(HIV2)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト・ライノウイルス、デング・ウイルス、黄熱病ウイルス、ヒトパピローマウイルス、プラスモディウム・ファルシパルム(マラリアの病原)、及びマイコバクテリア、ボルデテラ、サルモネラ、エシェリキア、ビブリオ、ヘモフィルス、ナイセリア、エルシニア、そしてブルセラなどのバクテリアなどである。特に、そのバクテリアはマイコバクテリウム・ツベルクローシス−結核の原因;ボルデテラ・ペルツッシス又はボルデテラ・パラペルツッシス−百日咳の原因;サルモネラ・ティフィムリウム−いくつかの動物種でのサルモネラ症の原因;サルモネラ・ティフィ−ヒト腸チフスの原因;サルモネラ・エンテリティディス−ヒトにおける食品中毒の原因;サルモネラ・コレレスイス−ブタにおけるサルモネラ症の原因;サルモネラ・ダブリン−ウシ、特に生まれたばかりの仔ウシの全身性及び下痢性疾患の両方の原因;大腸菌−ヒトの食品中毒の病原体;ヘモフィリス・インフルエンゼ−髄膜炎の原因;ナイセリア・ゴノレエ−淋病の原因;エルシニア・エンテロコリチカ−ヒトにおける胃腸炎から致死性の敗血症性病に至る幅広い病気の原因;ブルセラ・アボルタス−ウシの流産及び不妊症とヒトにおける波状熱として知られる症状の原因;あるいはクロストリジウム・ディフィシレ−偽膜性大腸炎の原因である。
【0028】
抗原であって、そのエピトープを挿入してよい抗原の例はHBVのプレS1、プレS2、及びS抗原;HAV表面抗原;HCV表面抗原;コア蛋白質及びNS3蛋白質;HIV抗原 gp120、 gp160、gag、 pol、 Nef、 Tat及びRef; サーカムプソロゾイト(circumpsorozoite)蛋白質等のマラリア抗原;インフルエンザ抗原HA、NP及びNA;ヘルペス・ウイルス抗原EBV gp340、EBVgp85、HSV gB、HSV gD、HSV gH及びHSV初期蛋白質;ヒト乳頭腫抗原 E4、E6及びE7; 癌抗原癌胎児性抗原(CEA)、P53、ras及びmyc;百日咳菌からのペルタクチン抗原;及びウマ・チリダニ・アルレゲンである。
【0029】
本発明はキャリアー蛋白質HBcAgがHBV由来であるのでHBVに対する予防あるいは治療目的のワクチン接種に特に適しており、HBVのプレS1、プレS2、及びS領域からのエピトープが特に好ましい。プレS1、プレS2、あるいはS挿入物は通常は長さが少なくとも6個のアミノ酸、例えば、6−120aa、8−80aa、あるいは10−40aaなどである。この挿入物は、例えば、プレS1位置 1−9、10−19、20−29、30−39、40−49,50−59、60−69、70−79、80−89、90−99、100−109又は110−119の残基、あるいはプレS2位置 120−129、130−139、140−149、150−159、160−169、あるいは170−174の残基を含んでいてよい。特に好ましいフラグメントはプレS1残基20−47及びプレS2残基139−174に対応するものである。プレS1残基21−28はヒトT細胞エピトープに対応する。(S配列の最初の残基を残基1と数えた場合)S残基110−147及び110−157に対応するフラグメントも好ましい。
【0030】
(本発明の蛋白質の作成)
本発明の蛋白質は一般的には遺伝子組み換えDNA技術によって行うことができる。本発明は発現ベクターなど本発明の蛋白質をコードする核酸分子(例えばDNA又はRNA)を含んでいる。
【0031】
上記核酸分子は1つ以上のアルギニン反復部分が欠失されており、そしてXbaIサイトなど、核酸分子に固有の制限酵素部位で置換されている蛋白質をコードすることができる。この核酸分子はelループをコードする配列及び/又はN末端内に固有の制限酵素サイトを含んでいる場合もある。この固有の制限酵素サイトはエピトープをコードする配列を例えば欠失されたアルギニン反復部分の代わりに核酸分子中に、あるいはelループ内に挿入できるようにする。
【0032】
本発明の蛋白質はその蛋白質が発現される条件の下でその蛋白質をコードする核酸分子を含む宿主細胞を培養し、その蛋白質を回収することによってつくることができる。適切な宿主細胞としては大腸菌、イースト菌などのバクテリア、哺乳動物細胞株、そして例えば昆虫Sf9細胞などのその他の真核細胞株などである。
【0033】
本発明による核酸分子を構成するベクターは、例えば、プラスミドあるいはウイルス・ベクターなどである。それらは複製起点、その蛋白質をコードする配列の発現のためのプロモータ、エンハンサなどそのプロモータに対するレギュレーター、転写停止信号、翻訳開始信号及び/又は翻訳停止信号などを含んでいる。これらのベクターは1つ以上の選択可能なマーカー遺伝子、例えばバクテリア・プラスミドの場合アンピシリン耐性遺伝子、あるいは哺乳動物ベクターに関してはネオマイシン抵抗遺伝子を含んでいてもよい。ベクターは例えば、RNA生成のために、あるいは宿主細胞を形質転換あるいはトランスフェクトするためにin vitroで用いることができる。これらのベクターは、例えば遺伝子治療やDNAワクチン接種の方法でin vivoで用いることにも適合させることができる。
【0034】
プロモータ、エンハンサ、及びその他の発現調節信号は発現ベクター設計の対象となる宿主細胞と適合できるように選択することができる。例えば、原核性プロモータ、特に(E.Coli HB101など)大腸菌株での使用に適しているtrcプロモータなどを使用することができる。その活性が嫌気性条件など周辺環境の変化に応じて誘発されるプロモータを用いることができる。好ましくは、htrAあるいはnirBプロモータを使用することができる。これらのプロモータを特に例えばワクチンとして使用するために弱毒化バクテリウムでその蛋白質を発現させるために用いることができる。本発明の蛋白質の発現が哺乳動物細胞内で実施される場合、in vitro又はin vivoのいずれかで、哺乳動物のプロモータを用いることができる。組織特異プロモータ、例えば、肝細胞特異プロモータも使用することができる。例えば、マロニー・マウス白血病ウイルス長端反復部分(MMLV LTR)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモータ、SV40プロモータ、ヒト・サイトメガロウイルス(CMV)IEプロモータ、ヘルペスウイルス・プロモータ及びアデノウイルス・プロモータなどのウイルス性プロモータを用いることも可能である。これらのプロモータのすべては先行技術で容易に利用できる。
【0035】
本発明による蛋白質は蛋白質を精製するための慣用の技術を用いて精製することができる。上記蛋白質は、例えば、精製された、純粋な、又は単離された形態で提供することができる。ワクチンで使用するためには、上記蛋白質は通常高い純度、例えば調製物中の蛋白質の80%以上、90%以上、95%以上、あるいは98%以上のレベルの純度で提供されなければならない。しかしながら、最終的なワクチン配合物中ではその蛋白質を他の蛋白質、例えば、HBVのプレS1、プレS2、あるいはS配列を含む他の蛋白質と混合することが望ましい。上記蛋白質は核酸(DNA及びRNA)を実質的に含んでいないことが好ましい。
【0036】
(ワクチン)
本発明の蛋白質の主な使用形態は治療あるいは予防的ワクチンである。本発明は本発明の蛋白質(例えば、ワクチン組成物)、本発明の粒子、あるいは本発明の核酸分子、そして薬学的に許容される担体あるいは希釈剤を含む医薬品組成物(例えばワクチン組成物)を包含する。
【0037】
予防的ワクチン接種の背景にある原理は宿主内で免疫学的記憶を発生させるためにその宿主内に免疫応答を誘発させることである。このことは、その宿主が悪性の病原に暴露された場合に、それが有効な(防御的)免疫応答、つまり、その病原を非活性化及び/又は殺す免疫応答を起こすことを意味している。本発明はHBV、HAV、HCV、インフルエンザ、口蹄病、ポリオ、疱疹、狂犬病、AIDS、デング熱、黄熱病、マラリア、結核、百日咳、サルモネラ症、腸チフス、食品中毒、下痢、髄膜炎及び淋病などの広範な疾病に対する予防的ワクチンの基礎を提供することができるであろう。本発明の蛋白質中のエピトープはそのワクチンが防御しようとする疾病に対して適切になるように選択される。
【0038】
治療的ワクチン接種の背景となる原理は疾患あるいは症状を緩和あるいは根治するために宿主の免疫系を刺激することである。慢性HBV及び慢性HCV、癌、並びに喘息、アトピー、湿疹、鼻炎、及び食品アレルギーなどのアレルギー症状など、治療的ワクチン接種が効果を発揮する疾病及び症状は多数ある。
【0039】
慢性的ウイルス性疾患は、感染された宿主の免疫系がそのウイルスを絶滅することができず、そのウイルスがその宿主内に長期間存在することを可能にしてしまった場合に発生する。本発明は慢性的に感染された個体の免疫系を誘発させ、そのウイルスを根絶するために用いることができる。例えば、慢性肝炎に罹っている患者ではT細胞応答が不十分であり、そして、適切なT細胞応答を刺激することでそのウイルスを根絶することができると考えられる。従って、本発明を用いてウイルス性肝炎を治療するために、HBVのプレS1及びプレS2領域由来のT細胞エピトープなどのT細胞エピトープを本発明の蛋白質に挿入することができる。
【0040】
同様に、癌の場合は、腫瘍抗原に対するT細胞応答を増強することにより、免疫系がその腫瘍を破壊するのに役立つと考えられる。アレルギー性疾患は少なくとも部分的には炎症性Th2応答が拮抗薬的Th1応答より優勢になってしまうT細胞応答のアンバランスによって引き起こされ、従って、アレルギーはTh1応答を増強させることで治療できると考えられる。このことは本発明によってTh1応答を刺激する蛋白質を使用することで達成することができる。
【0041】
本発明による複数の蛋白質をひとりの患者に投与してもよい。さらに、本発明による蛋白質は1つ以上の他の組成物と組み合わせて用いることができる。例えば、慢性HBVの治療においては、本発明による蛋白質をインターフェロン・ガンマ、LamivudineTM、あるいはHepacareTM(従来HapageneTMとして知られていたもの)などその他の免疫治療剤と組み合わせて用いることができる。本発明による蛋白質及びその他の組成物を同時に投与してもよいし、連続的に投与してもよい。
【0042】
本発明の医薬組成物に含めるのに適した担体及び希釈剤は、例えば燐酸緩衝食塩水など、等張食塩水である。本組成物は通常水酸化アルミニウムなどのアジュバントも含んでいる。この組成物は経口、筋肉内、静脈内、鼻腔、皮下あるいは経皮的投与用に製剤化することができる。この組成物は予防的、あるいは治療的に有効な量で上記蛋白質、粒子あるいは核酸を含んでいる。通常、上記蛋白質又は粒子は体重1kgあたり0.01−30μgの用量で投与されるが、0.1−10μg/kgの用量で投与されるのが好ましく、体重1kgあたり0.1−1μgの用量で投与されるのがさらに好ましい。本発明の核酸は先行技術で周知の技術を用いて裸(naked)の核酸構成物として直接投与したり、あるいは先行技術で周知のベクターを用いて投与することができる。投与される核酸の量は通常1μgから10mgの範囲、好ましくは100μgから1mgの範囲である。ワクチンは単一の用量スケジュールに従って投与してもよいし、複数の用量スケジュールによって投与してもよい。上に示した投与のルートと用量は1つの指標として示しているだけであり、ルートや用量は最終的には医師の判断に基づいて決められてよい。
【0043】
(実験)
実験1
1.材料及び方法
B及びT細胞エピトープをコードする代替配列が挿入できるようにするために、3つ又は4つのC末端アルギニン反復部分領域が欠失され、SpeI制限部位を導入するように逆PCRによって新しいプラスミド構成物を発生させた(図1参照)。
【0044】
逆PCRのためのプラスミド・テンプレートは非ハイブリッドB型肝炎コアと免疫優勢elループのアミノ酸70及び80の間に挿入されたB型肝炎表面抗原のプレS1配列のアミノ酸20−47を含むハイブリッドB型肝炎コアをそれぞれコードするptrc/コア及びptrc/コア−S1であった。PCR反応のために3つのオリゴヌクレオチド・プライマを用いた(表1及び図2)。これらのプライマはPCRフラグメント内に固有のSpeI制限サイトを導入する。これらのプライマは残基146又は154で先端が切り取られているがジスルフィド結合の形成によって粒子の安定性を維持する上で重要と考えられる位置185の末端システインを含むC末端の7つの残基を保持している新しいフラグメントを発生するようにも設計されていた(図1)。
【0045】
1.1 親の先端切除プラスミドの構成
プライマMGR371/370又はMGR369/370(表1及び図2)を用いて、逆PCRフラグメントをptrc/コア又はptrc/コア−S1から発生させる。この手順によって[23個のアミノ酸(aa155−177)をコードする]69個のヌクレオチド及び[31個のアミノ酸(146−177)をコードする]93個のヌクレオチドがそれぞれ除去される。PCRフラグメント・サイズをアガロースゲル上で分析することによって確認し、その後、SpeI制限エンドヌクレアーゼで消化し、さらにアガロースゲル上で精製し、自己ライゲーションさせてプラスミドpTCR146、pTCR154及びpTCSR146とpTCSR154とを発生させた。pTCRプラスミドはptrc/コア・テンプレートから誘導され、pTCSRプラスミドはptrc/コア−S1テンプレートから誘導される。146及び154という数字は切断された箇所でのアミノ酸の数を示している。大腸菌HB101細胞を形質転換させるために4つの親先端切断プラスミドを用い、そしてオリゴヌクレオチド・プライマMGR61/MGR168を用いた診断PCRによって陽性コロニーをテストした。コア蛋白質の発現はマウス抗コア抗体を用いたバクテリア細胞溶解物の免疫ブロッティングによって確認された。
【0046】
1.2 先端切断親プラスミドへの代替配列のサブクローニング
セクション1.1で述べた先端切断親プラスミドの3’末端に3つの配列をサブクローンした。これらは小さなB型肝炎表面蛋白質のアミノ酸110−147及び110−157、及び中型のB型肝炎表面蛋白質のS2領域のaa20−55をコードする配列を含んでいる(図3)。
【0047】
110−157配列(+NheI制限部位由来の2つのアミノ酸)を挿入するために、オリゴヌクレオチド・プライマMR245−247(表1B)を用い、pMBdSRE/17をテンプレートとして用いて147個のヌクレオチドのPCRフラグメントを発生させた(図3)。このプラスミドはマウス・メタロチオニンプロモーターを用いて哺乳動物細胞内で発現されるための小さなB型肝炎表面蛋白質(adwサブタイプ)をコードする。
【0048】
110−147配列(+NheI部位由来の2つのアミノ酸)を挿入するために、オリゴヌクレオチド・プライマMGR247/264(表1B)を用い、pMBdSRE/17をテンプレートとして用いてPCRフラグメントを発生させた(表3)。
【0049】
プレ−S2の20−55配列(+NheI部位由来の2つの残基)を挿入するために、オリゴヌクレオチド・プライマMGR243/249(表1B)を用い、pMByS2R/8をテンプレートとして用いて114個のヌクレオチドのPCRフラグメントを発生させた(図3)。このプラスミドは哺乳動物細胞発現のためのメタロチオニン・プロモータの制御下で中型のB型肝炎表面蛋白質(aywサブタイプ)をコードする。
【0050】
PCRフラグメントをNheI制限エンドヌクレアーゼで消化して、アガロース・ゲル上で精製した。精製されたフラグメントを次にSpeI消化、燐酸処理した親プラスミドとライゲートさせた(セクション1.1)。そして次に大腸菌HB101細胞を上記の得られたプラスミドで形質転換させ、陽性のコロニーをオリゴヌクレオチド・プライマMGR61/168を用いた診断的PCR、挿入物に対する固有の抗体を用いた免疫ブロッティング、そして上記挿入物の部分的DNA配列決定によってテストした。
【0051】
2 結果
2.1 逆PCRフラグメント発生の確認
pTCR146、pTCR154、pTCSR146、pTCSR154に対する逆PCRフラグメントを1%アガロースゲル上で分離して分析した(図4)。PCRフラグメントは適切なサイズであること(約5.2Kb)が分かり、さらに診断的PCR(図示せず)によって正しいことが確認された。免疫ブロット分析により親の構成物と挿入された配列を含む構成物は抗コア抗体に対して反応性を示すコア蛋白質を発現したことが示された(図5)。さらに、挿入された配列の蛋白質発現の確認は抗S(図6)及び抗プレ−S2抗体(図7)を用いた免疫ブロッティングにより示された。
【0052】
表1: 逆及び診断的PCRのために用いられたオリゴヌクレオチド
Figure 2004500868
【0053】
実験2
概要
位置144に長い外来アミノ酸挿入物を含んだ全長のC末端で先端を切断されたB型肝炎コア抗原(HBc)誘導体を構成した。長さで50−100アミノ酸のHBVプレS1、プレS2、そしてHIV−1 Gagフラグメントをそのような挿入物として用い、適切な組み換え遺伝子を大腸菌細胞内に発現させた。適切なキメラHBc及びHBcΔ誘導体を精製して、抗原及び免疫原的に調べた。マウス内で誘発された抗HBc免疫応答のサブクラス分析により、長さが50−100アミノ酸の長いC末端付加物を含んだC末端で先端切断したHBcΔ誘導体による免疫化後に、IgG1、IgG2a、及びIgG2b抗体のIg比率が、C末端で先端切断したHBcΔ誘導体に典型的なIgG1>IgG2aIgG2bパターンから全長HBc誘導体に典型的なIgG2aIgG2bIgG1パターンへと復元されたことが示された。
【0054】
材料と方法
バクテリア株
キメラ遺伝子の選択及び発現のために、大腸菌株RR1(F、hsdS20(r 、m )、recA、ara−14、proA2、lacY1、galK2、rpsL20(Sm)、xyl−1、mtl−1、supE44、λ)及びK802(hsdR、gal、met、supE、mcrA、mcrB)をそれぞれ用いた。
【0055】
動物
生後約7−10週間目、体重20mgのBALB/C(H−2)雌マウスを用いた。ニュージーランド白系雌ウサギを用いてポリクローナル抗体を得た。
【0056】
HBc誘導体の構成
プラスミド pHBc3及びpHBc16−15に基づくベクター。大腸菌trpプロモータのタンデム反復部分の制御下にHBc遺伝子を置くことによってベクター pHBcを構成した。ベクターpHBc16−15はClaI/Eco RV制限部位を有するオリゴヌクレオチド・リンカーをHBc遺伝子の位置144に挿入することによって構成した。
【0057】
キメラHBc誘導体の構成。HBc及びHBcΔ誘導体の構造を表2に示す。HBc遺伝子のC末端部分にイン−フレーム結合を伴う場合と伴わない場合の両方で、適切なHBV プレS1、プレS2、及びHIV−1 gagフラグメントをpHBc16−15ベクターのClaI部位に入れることによって組み換え遺伝子を構成した。
【0058】
キメラHBc誘導体の精製
1%カザミノ酸(Difco Laboratories, Sparks, USA)及び0.2%グルコースを補足したM9最少培地300mlを含んでいる750mlフラスコ内で回転シェーカーを用いて大腸菌細胞を37℃で一昼夜成長させた。通常2−5の光学密度OD540が達成された。一般に、細胞はペレット化され、50mM Tris−HCl (pH 8.0)、5mM EDTA、50μg/ml PMSF、2mg/mlリゾチームを含む溶解緩衝液中で30分間氷上培養して溶解させ、その後、22kHzで15秒間づつ3回超音波処理を行った。溶解物を10mM MgCl 及び20μg/ml DNAaseで調節した。低速遠心分離を行った後、33%の飽和度の硫酸アンモニウムを用いて4℃で1−2時間処理することで蛋白質を上澄み液から析出させた。ペレットを0.1%Triton X−100TMを含む標準PBS緩衝液中に再懸濁させ、そして、その溶液5mlをSepharose CL4BTMカラム(2.5x85cm)上に置いて、Triton X−100を含まないPBS緩衝液を用いて溶出させた。画分中のHBcポリペプチドの存在をPAGEでテストした。陽性のフラクションをプールし、4℃の温度下、33%飽和度で硫酸アンモニウム析出を20時間行うことで濃縮させた。ペレットをPBS、又はTris食塩水緩衝液、10mM Tris−HCl(pH 7.5)、150mM NaCl中に約5−20mg/mlの最終濃度に再懸濁させて、同じ緩衝液2000体積で一昼夜透析して、50%グリセロル中で−70℃又は−20℃の温度下で保存した。
【0059】
ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びウエスタンブロッティング
PAGE分析を行うために、バクテリアをペレット化して、2%SDS及び2%の2−メルカプトエタノールを含んだSDSゲル電気泳動サンプル緩衝液中に懸濁させ、100℃の温度で5分間加熱することで細胞溶解させた。蛋白質を傾斜12−18%流動ゲル及び4%スタッキング・ゲルを用いてスラブ(slab)・ゲル(150x150x0.75mm)装置内でLaemmliのポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(PAGE)を行って分離された。ウエスタン・ブロッティングは一般的にはProc. Natl. Acad.Sci. USA 76 4350−4354でTowbin等が述べている方法に従って実施した。ニトロセルロース・シート(0.2μ、Millipore, Bedford, USA)を1:100から1:1000の割合で希釈した抗HBc抗体及び抗プレS1抗体と共に一夜培養して、その後抗マウスIgGペロキシダーゼ接合体(1:1000)を用いて室温で1−2時間培養した。この反応を3,3’−ジアミノベンジンで促進させた。同時に、Ohsawa and Ebata (1983) Anal. Biochem. 135 409−415に従ってゲルを銀染色した。
【0060】
免疫化
0日目にマウス(1グループあたり5匹)を完全Freundアジュバント(CFA、Difco)中の0.02mgのキメラ粒子を腹膜内注射することで免疫化させ、その後、10日目(0.01mg、腹膜内)及び24日目(0.01mg、腹膜内及び0.01mg、皮下注射)にFreund不完全アジュバント(IFA、Difco)を用いてブースタ免疫化を2回行った。32日目に採取した血清をHBc粒子との反応性についてELISAにより分析した。
【0061】
ELISA
ELISAを実施するために、組み換えHBc粒子をケミカル・フード内で一昼夜空気乾燥を行うことで96ウェル・マイクロタイタ・プレート上に被覆させた。ウェルをPBS中の0.5%BSAで1時間ブロックして、種々の抗体の希釈液を連続的に用いて37℃の温度下で1時間処理して培養し、西洋ワサビ・ペロキシダーゼ(Sigma)に接合された適切な第2の抗体を用いて、製造者の定めた手順に従って処理した。それぞれの培養間にプレートをPBS中の0.05%Tween−20TM で5回洗浄し、さらに蒸留水で5回洗浄してTween−20を除去した。光吸収については自動Immunoscan MSTMリーダーを用いて492nmで測定した。力価はS字型用量応答曲線に基づいて EC50(有効濃度、50%)血清希釈の負対数として計算した。平均力価計算ではGraphPad Prims(商標)バージョン3.02ソフトウエアを用いた。
【0062】
(結果)
組み換え蛋白質の免疫原性:HBc担体と挿入されたプレS1、プレS2、及びGag配列の免疫原性を測定するために、個々のマウス血清を固体支持体上で組み換えHBcAg及び合成プレS1、プレS2及びHIV−1 p24ペプチドを用いた直接ELISAで繰り返しテストした。キメラ粒子で免疫化を行ったところ、高レベルの抗HBcと比較的低レベルの抗挿入物抗体が誘発された(図示せず)。
【0063】
キメラHBcΔ−プレS1(20−47)粒子による種々の免疫グロブリン・サブクラスの誘発:得られた免疫化データを平均化し、それらが誘発された免疫グロブリンの比較サブクラス分析のためにより多くの情報を提供してくれるようにするために、S字型用量応答曲線(GraphPad Prism(商標),バージョン3.02)に基づいてEC50(有効濃度、50%)血清希釈の負対数として免疫化された動物グループ毎の平均力価を計算した。平均化された力価の直接的比較を可能にしてくれる免疫化されたマウスの抗HBc応答に関するこれらのデータを図8に示す。
【0064】
図8に示されているデータは、野生型HBcAgが抗HBc応答を誘発し、免疫グロブリン・サブクラス分布がIgG2aIgG2b>IgG1であるのに対して、C末端で先端切断されたHBcΔ構造T31に対する免疫応答はIgG1>Ig2bIgGaサブクラス分布パターンを示すことを表わしている。50aa長のプレS1挿入物を含む全長HBc誘導体10−62は、全長HBcベクターの場合と類似したサブクラス分布を示す。さらに、HBc誘導体10−140中での長い外来挿入物(プレS1配列の50個のアミノ酸)によるHBc分子のC末端端末を置換すると、むしろ全長HBc構造によって誘発されるものと類似した抗HBc抗体のサブクラス分布が得られる(図8)。HIV−1 Gagの100aa長の挿入物を有するHBcΔ誘導体48−2は、この意味で野生型HBcAgとC末端先端切断HBcΔT31構造の中間の位置を占める。
表2 C末端挿入物を有するHBc誘導体の構造。HBc及び挿入配列結合に現れるアミノ酸を小文字で示してある。
Figure 2004500868

【図面の簡単な説明】
【図1】
一文字コードを用いたB型肝炎コアのアミノ酸配列。欠失方式を詳しく示すためにC末端配列(aa135−185)が強調して示されている。4つのアルギニン(R)反復部分を太字で示し、さらに強調するために下線を付してある。aa154−178又はaa146−178からぞれぞれ3つ又は4つのアルギニン反復部分領域に下線を付してある。SpeI制限部位を挿入し、下線を付した領域を欠失させると、それぞれpTCR154及びpTCR146によってコードされる構造が発生される。pTCR154はN末端アルギニン反復部分を保持しており、pTCR146の方はすべてのアルギニン反復部分が欠失されている。
【図2】
HBcAgをコードするDNA配列とPCRのために用いられるオリゴヌクレオチド・プライマの位置及び方向。SpeI制限部位の位置はオリゴMGR371、MG369、及びMGR370に関して示してある(表1参照)。
【図3】
コアに挿入されたプレS2及びSエピトープのDNA及びアミノ酸配列。図3AはHBVaywサブタイプのプレS2領域のaa20−55の配列を示す。図3BはadwサブタイプのS抗原のaa110−147の配列を示している。図3CはadwサブタイプのS抗原のaa110−157の配列を示している。
【図4】
逆PCRフラグメントのアガロース・ゲル電気泳動。レーン1、2、3及び4はそれぞれpTCR146、pTCR154、pTCSR146、及びpTCSR154のフラグメントを示している。レーン5はサイズ・マーカー。すべてのフラグメントは約5kbと予想される。
【図5】
3’置換プラスミド構造物によって形質転換された大腸菌の細胞溶解物のコア蛋白質の発現の免疫ブロット分析。すべてのサンプルは置換配列が存在しているかどうか、及び置換サイズによって変わる種々の相対的分子量の抗コア抗体反応性蛋白質を発現する。サンプル・オーダー:
レーン1=pTCR146 E.Coli HB101
レーン2=pTCR146/S110−157 E.Coli HB101
レーン3=pTCR146/S2−2E.Coli HB101
レーン4=pTCR154 E.Coli HB101
レーン5=pTCR154/S110−147 E.Coli HB101
レーン6=pTCR154/S110−157 E.Coli HB101
レーン7=pTCR154/S2−2 E.Coli HB101
レーン8=pTCSR146 E.Coli HB101
レーン9=pTCSR146/S110−157E.Coli HB101
レーン10=pTCSR146/S2−2E.Coli HB101
【図6】
3’置換プラスミド構成物で形質転換されたバクテリアの細胞溶解物中のS配列発現の免疫ブロット分析。S配列を組み込んだ構成物(レーン2、4、5及び7)は抗S抗体反応性である。サンプル・オーダー:
レーン1=pTCR146 E.Coli HB101
レーン2=pTCR146/S110−157  E.Coli HB101
レーン3=pTCR154 E.Coli HB101
レーン4=pTCR154/S110−147E.Coli HB101
レーン5=pTCR154/S11−157E.Coli HB101
レーン6=pTCSR146 E.Coli HB101
レーン7=pTCSR146/S110−157E.Coli HB101
レーン8=予備染色マーカー(Novex)
【図7】
3’置換プラスミド構造物で形質転換されたバクテリアの細胞溶解物中のプレS2配列の発現の免疫ブロット分析。プレS2配列(レーン4及び6)を組み込んだ構造物はプレS2抗体反応性である。サンプル・オーダー。
レーン1=pTCR146 E.Coli HB101
レーン2=pTCR146/S2−2 E.Coli HB101
レーン3=pTCR154 E.Coli HB101
レーン4=pTCR154/S2−2 E.Coli HB101
レーン5=pTCSR146 E.Coli HB101
レーン6=pTCSR146/S2−2 E.Coli HB101
レーン7=予備染色マーカー(Novex)
【図8】
例で述べられる種々の構造物で免疫化されたマウスにおける平均的な抗HBc応答を示している。力価はS字状用量応答曲線に基づいて、EC50(有効濃度、50%)血清希釈度の負対数として計算された。

Claims (27)

  1. B型肝炎コア抗原(HBcAg)を含む蛋白質において、その4つのアルギニン反復部分のうちの1つ以上が存在しておらず、C末端システイン残基が存在している、上記蛋白質。
  2. HBcAg以外の蛋白質の第1のエピトープが不在のアルギニン反復部分の代わりに存在している、請求項1記載の蛋白質。
  3. 上記第1のアルギニン反復部分が存在しており、第2から第4までのアルギニン反復部分が存在していない、請求項1又は2記載の蛋白質。
  4. HBcAgの残基145と残基182の間の配列が存在していない、請求項1−3のいずれか1項記載の蛋白質。
  5. HBcAgの残基150と残基177の間の配列が存在していない、請求項1−4のいずれか1項記載の蛋白質。
  6. HBcAg以外の蛋白質由来の第2のエピトープを含んでおり、上記第2のエピトープがelループ中にある、請求項1−5のいずれか1項記載の蛋白質。
  7. 上記第2のエピトープがB細胞エピトープである、請求項6記載の蛋白質。
  8. 上記第1のエピトープがT細胞エピトープである、請求項2−7のいずれか1項記載の蛋白質。
  9. 上記第1のエピトープがTヘルパー細胞エピトープであり、上記第2のエピトープがB細胞エピトープである、請求項8記載の蛋白質。
  10. 前記第1及び第2のエピトープを含んでおり、それらエピトープが同じである、請求項6記載の蛋白質。
  11. 上記第1及び/又は第2のエピトープがB型肝炎ウイルス(HBV)由来である、請求項2−10のいずれか1項記載の蛋白質。
  12. 上記第1及び/又は第2のエピトープがHBVのプレ−S1、プレ−S2、又はS領域由来である、請求項11記載の蛋白質。
  13. N末端からC末端の方向で結合された以下の要素:
    (i) 粒子の形成を媒介するHBcAgのN末端部分、及び
    (ii) 末端システインを含むHBcAgのC末端部分;
    を含み、1つ以上のアルギニン反復部分を含んでいる前記N末端部分と前記C末端部分の間のHBcAg配列の少なくとも一部が存在しない請求項1記載の蛋白質。
  14. N末端からC末端の方向で結合された以下の要素:
    (i) 粒子の形成を媒介するHBcAgのN末端部分;
    (ii) HBcAg以外の蛋白質由来のエピトープ;及び
    (iii) C末端システインを含むHBcAgのC末端部分;
    を含み、1つ以上のアルギニン反復部分を含んでいる前記N末端部分と前記C末端部分の間のHBcAg配列の少なくとも一部が存在せず、前記エピトープで置換されていることを特徴とする請求項1記載の蛋白質。
  15. N末端からC末端の方向で結合された以下の要素:
    (i) 残基1−67を含むHBcAg配列のN末端部分;
    (ii) HBcAg以外の蛋白質由来のエピトープ;
    (iii) 残基91−144を含むHBcAg配列の第2の部分;及び
    (iv) C末端システインを含むHBcAg配列の第3の部分
    を含み、1つ以上のアルギニン反復部分を含んでいる残基145とC末端システインとの間のHBcAgの配列の少なくとも一部が存在しない、請求項1記載の蛋白質。
  16. N末端からC末端の方向で結合された以下の要素:
    (i) 残基1−67を含むHBcAg配列のN末端部分;
    (ii) HBcAg以外の蛋白質由来のエピトープ;
    (iii) 残基91−144を含むHBcAg配列の第2の部分;
    (iv) HBcAg以外の蛋白質由来のさらなるエピトープ;
    (v) C末端システインを含むHBcAg配列の第3の部分
    を含み、1つ以上のアルギニン反復部分を含む残基145と上記C末端システインとの間のHBcAgの配列の少なくとも一部が存在しない、請求項1記載の蛋白質。
  17. 請求項1−16のいずれか1項記載の1つの蛋白質の複数のコピーを含んでいる粒子。
  18. 請求項1−16のいずれか1項記載の蛋白質をコードする核酸分子。
  19. 発現ベクターである請求項18記載の核酸分子。
  20. 請求項18又は19記載の核酸分子で形質転換あるいはトランスフェクトされた宿主細胞。
  21. 請求項1−16のいずれか1項記載の蛋白質を製造する方法であって、上記蛋白質が発現される条件下で上記蛋白質をコードする核酸分子を含む宿主細胞を培養すること、及び上記蛋白質を回収することを含む、上記方法。
  22. 請求項1記載の蛋白質をコードする核酸分子であって、HBcAgの4つのアルギニン反復部分の1つ以上をコードする配列が欠失されており、上記核酸分子に固有の制限酵素部位で置換されている、上記核酸分子。
  23. 請求項1−16のいずれか1項記載の蛋白質、請求項17記載の粒子、又は請求項18又は19記載の核酸分子、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む医薬組成物。
  24. ヒト又は動物の体を予防的または治療的目的でワクチン接種する方法で使用するための、請求項1−16のいずれか1項記載の蛋白質、請求項17記載の粒子、又は請求項18若しくは19記載の核酸分子。
  25. ヒト又は動物の体を予防的または治療的目的でワクチン接種する方法で使用するための、請求項24記載の蛋白質、粒子、あるいは核酸分子。
  26. ヒト又は動物の体をHVBに対して予防的又は治療的目的でワクチン接種するための薬剤製造のための請求項1−16のいずれか1項記載の蛋白質、請求項17記載の粒子、又は請求項18若しくは19記載の核酸分子の使用。
  27. 対象に対するワクチン接種又は治療方法において、上記対象に対して請求項1−16のいずれか1項記載の蛋白質、請求項17記載の粒子、又は請求項18若しくは19記載の核酸を投与することを含む上記方法。
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