JPWO2015072241A1 - 光電変換素子モジュール及び光電変換素子モジュールの製造方法 - Google Patents

光電変換素子モジュール及び光電変換素子モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

背面側に第1の素子電極である線状電極12及び第2の素子電極である集電電極14及び電流取出し電極15を有し、第2の素子電極の取出し電極が第2の素子電極と、中間部で交差部をもつように配される。第1及び第2の素子電極は背面側で重なり部を持つことなく並置され、本体部32と素子間接続部31で構成される素子間接続体30で、複数個の背面接続型の光電変換素子が接続される。本体部32は、第1の素子電極に選択的に直接接続されるとともに、第2の素子電極には絶縁層である接着層26を介して配置され、第2の電極の一部を除いて、光電変換素子の背面側の全体を覆う。素子間接続部31は、本体部32に接続され、隣接する光電変換素子の第2の素子電極に接続されるもので、第2の素子電極の取出し電極である電流取出し電極15に沿って配置される。かかる構成により、光電変換効率に優れ、製造の容易な光電変換素子モジュールを得る。

Description

本発明は、光電変換素子モジュール及び光電変換素子モジュールの製造方法に係り、特に、素子間接続構造に関する。
従来、受光面側に電極を設けることなく、非受光面側に正極と負極を設けた受光素子が縦横に複数並設され、1つの受光素子の正極と隣接する受光素子の負極とをインターコネクタとよばれる素子間接続体で接続した受光素子モジュールが開示されている。以下、受光素子を素子あるいは光電変換素子ということもある。
上記受光素子モジュールでは、一般に第1の受光素子の裏面に形成された正極と隣接する第2の受光素子の裏面に形成された負極とを電気的に接続するために、素子間接続体で素子間が接続される。素子間接続体を用いた接続方式は受光素子だけでなく、受光または発光面側に電極を設けることなく非受光面または非発光面側に正極と負極を素子電極として設けた光電変換素子全般に適用可能である。上記光電変換素子では、受光素子の受光面あるいは発光面に電極がないため、受光面積及び発光面積を確保することができる。また、素子間接続体は、受光素子の受光面を覆うことがない。従って、素子間接続体及び素子電極の形状を太くすることができ、受光素子内を集電する抵抗及び素子間を接続するための抵抗を小さくすることができる。従って、光−電気相互間の変換効率すなわち光電変換効率に優れるという利点がある。
素子間接続体としては一般的に銅(Cu)箔等の導電性の高い金属の全面をはんだ被覆したものが用いられる。素子間接続体の接続においては、銀(Ag)等の金属からなる素子電極である正極または負極上に素子間接続体を配置して加熱し、部分的もしくは全長にわたり素子間接続体と素子電極とを圧着し、はんだ等の導電性部材により接続する。
背面接続型の受光素子モジュールとしては、例えば特許文献1のように、素子電極としてグリッド電極と呼ばれる多数の細長い線状電極が、素子の端部でバス電極あるいは電流取出し電極へとまとめて接続され、電流取出し電極に対して、素子間接続体を用いて相互接続されたものがある。上記受光素子モジュールでは、多数の細長い線状電極で発電電流を素子の端部まで集電し、当該端部から素子間接続体を通じて隣接する素子へ電流が流れる。
また、例えば特許文献2のように、素子上で、正と負のグリッド電極を、絶縁層を介して2層構造で形成し、素子電極とした太陽電池素子も提案されている。上記構造では、特許文献1に比べて素子の投影面積あたりの電極面積を増大することができ、電極面積増大の結果として受光電流に対する集電抵抗が低減され、抵抗による電力損失を小さくすることができる。
この他には素子電極の厚みすなわち高さを増大することによっても集電抵抗を減らす事ができるが、素子との電極材料との熱膨張率の違いから、素子の反りが大きくなってしまうために素子電極の厚みを増大するには困難があった。これに対し、例えば特許文献3のように、正極と負極からなる素子電極が素子裏面に形成された素子に対して、素子裏面の正極と負極と同等のパターンの金属電極を設けた樹脂シートを配置し、樹脂シート上の金属電極を素子間接続体兼電流取出し電極として複数の素子間の素子電極を接続した受光素子モジュールも開示されている。
また、例えば特許文献4のように、受光素子のセルの裏面に正極と負極からなる素子電極が2層構造で成膜形成され、素子間接続線が素子電極と重なって素子全体に配置され、素子電極の延べ面積を増大することで光電流に対する集電抵抗を低減し、抵抗による電力損失を小さくした太陽電池モジュールも開示されている。
特許文献1の素子構造では、多数の細長い線状電極が素子の端部まで発電電流を集電し、素子の端部でバス電極あるいは電流取出し電極へとまとめて接続される。そして、バス電極あるいは電流取出し電極に素子間接続体を接続し、素子間接続体を通じて隣接する素子へ電流が流れる。しかし、上記素子の構造では、発電電流を素子の端部まで線状電極によって集電する必要があり、集電時の抵抗損失が比較的大きいという問題がある。上記問題は特に、素子面積が大きい太陽電池において顕著である。また、特許文献1では、素子電極の正極と負極の平面上での位置関係が一定であるため、複数の素子によって形成されるストリングを作成し、ストリング間を接続する部分、即ちストリングの折り返し部分(端部)において、ストリング間に導体を配置して接続する必要がある。従って、モジュール面積に占める素子以外の部分の面積の割合が大きくなり、また、ストリング間部分での抵抗も付加され、モジュールとしての光電変換効率の向上をはかることができないという問題があった。また、素子電極を半導体基板上に直に形成するため、素子電極を構成する電極金属の種類あるいは素子構造によっては半導体基板内に金属が拡散し、光電変換効率を低下させるという問題があった。
また、特許文献2では、素子の正と負の電極が2層にわかれて形成されており、構造が複雑である。従って素子の製造に際して、工程数と時間がかかり、一方の電極が素子の裏面全面を覆っているものの、素子上で電極の厚みを増大させて十分な集電抵抗の低減を図るのは困難であり、抵抗による電力損失を十分に小さくすることができないという問題があった。また、上記素子の構造では、モジュール化する際に発電電流を素子の端部まで素子上の電極によって集電する必要があり、集電時の抵抗損失が比較的大きいという問題がある。また、素子電極を半導体基板上に直に形成するため、素子電極を構成する電極金属あるいは素子構造によっては半導体基板内に金属が拡散し、光電変換効率を低下させるという問題があった。また、素子上に直接形成される素子電極の厚みが増えると、金属製の素子間接続体と受光素子基板との熱膨張率の違いから、素子間接続体付きの受光素子には反りが生じ、素子を破損させることなく平面形状に封止することができないという問題があった。特に一般的に用いられているガラス成分を含むペーストを焼成して形成する金属電極を素子電極に用いた場合、焼成時に高温が必要であり、電極面積及び厚みを増大すると素子の反りが大きくなるという問題があった。この反りの原因は、素子電極と素子基板との間だけでなく、素子間接続体と素子基板との間の熱膨張率の差によっても生じる。
特許文献3では、素子上には電流取出し電極、バス電極を形成することなく、素子間接続体として金属パターンが形成された樹脂フィルムを用いており、モジュール化の際に素子間接続体と受光素子上の電極との位置あわせを行う必要があった。従って、特許文献3のモジュール構造では、正極と負極の間の短絡を防ぐために必要な間隔は、素子電極と半導体基板との位置精度のみではなく、素子と樹脂フィルムとの間の位置あわせ精度にも依存する。
さらにまた、特許文献4では、正と負の電極が2層構造で受光素子裏面に形成されており、素子間接続体が素子電極と重なって素子全体に配置されるため、光電流に対する集電抵抗が低減される。しかし、特許文献4では素子電極の一列と素子間接続体の1本が一対一で対応する必要があるため、素子間接続体の間隔を電極間ピッチに合わせる必要がある。電極ピッチは半導体素子基板内の少数キャリアの拡散長よりも小さいことが好ましく、例えばシリコン基板の場合は比抵抗にも依るが2mm以下程度となる。従って、150mm角程度の大きさの基板を使用する場合で、70本程度の素子間接続体を隣接する素子間接続体が互いに接触しないように精度よくならべて素子電極に接続する必要があることになり、更に、他方の極性の電極とは絶縁する必要があり、位置あわせの工程が多く発生し、正極と負極との素子電極の位置あわせ、レイアウトが難しいという問題があった。
また、受光素子等の素子と素子間接続体との間の接続方法として、特許文献5、特許文献6等の先行技術文献には、レーザー等の加熱手段で金属材料を溶融させて接続する方法も開示されている。
また、特許文献7では、ウエハの一方の面側に、パッシベーション膜で絶縁分離された第1電気接点と、第2電気接点とを設けた受光素子も提案されている。
さらにまた、特許文献8,9では、裏面取出し型の受光素子に対し、素子電極に符合する配線を形成した配線板を用いた受光素子モジュールも提案されている。
また、特許文献10では、太陽電池セルの電極間及び配線シートの配線間の少なくとも一方に固定樹脂を設置した後に、固定樹脂を第1の硬化状態とし、その後、導電性物質を含む接合部材を設置し、太陽電池セルと配線シートとを重ね合わせて、第1の硬化状態の固定樹脂を軟化し、再度硬化して第2の硬化状態とする配線シート付き太陽電池セルの製造方法も提案されている。
また、例えば非特許文献1では、一方の極性を有する半導体層上に他方の極性の電極が半導体基板上に形成された薄い無機絶縁層を介して、半導体基板に直接接触する構造も提案されている。
特表2010−521811号公報 特開2001−189475号公報 特開2010−245399号公報 特開2009−206366号公報 米国特許2004−0097062号明細書 国際公開第2012−171968号明細書 特表2008−519438号公報 特開2011−151262号公報 特開2012−151240号公報 特開2012−99569号公報 国際公開第2008−113741号明細書 特開2012−28806号公報
c. Reichel, M. Reusch, F. Granek, M. Hermle, S.W. Glunz, "Decoupling charge carrier collection and metallization geometry of back−contacted back−junction silicon solar cells by using insulating thin films," 第35回IEEE Photovoltaic Specialists Conference 国際会議 議事録2010年7月、1034頁−1038頁参照)
以上のように、従来の素子構造では、グリッド電極、線状電極等の集電電極から電流取出し部までの距離が比較的長いため、抵抗損失が大きく、素子電極の厚みが必要であるという問題がある。素子電極あるいは素子間接続体の厚みが厚い場合、素子電極及び素子間接続体と受光素子基板との熱膨張率の違いから受光素子の反りが大きくなるが、特に、素子の片面にのみに素子電極が形成される背面接続型受光素子モジュールにおいては、受光素子の反りが特に大きくなり、素子ストリングを平面状に封止することができないという問題があった。
また、集電電極が太く、正と負の集電電極の間隔が広い場合はキャリアが集電電極に到達するまでに素子内を平面方向に流れる距離が長くなり、集電抵抗の増大あるいはキャリア失活により集電効率が低下し、発電効率が低下する。従って、電極間隔あるいは電極幅を狭くする必要があり、正と負の電極を別個に形成する場合は、両者の位置精度を向上させる必要がある。
また、電極金属が素子基板上のパッシベーション膜等の絶縁膜上に直接形成される構造では、金属がパッシベーション膜のピンホールを通して素子基板と電気的に短絡する、あるいは、金属が素子基板内に拡散して再結合中心として作用し、光電変換効率に損失を生じるという問題があった。
また、正と負の電極間は絶縁する必要があるため正と負の電極の間に隙間があいている。正と負の電極間の隙間は光を反射するものが無いため、隙間の部分に入射した光の一部は素子を透過して逃げてしまい、光の利用効率が悪く、光電変換効率に損失を生じるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光電変換効率に優れ、製造の容易な光電変換素子モジュールを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の光電変換素子モジュールは、背面側に極性の異なる第1及び第2の素子電極を有する背面接続型の光電変換素子を導電板からなる素子間接続体によって接続して構成される。第1及び第2の素子電極は平面配置され、第2の素子電極が素子間接続部に接続される電流取出し電極と電流取出し電極に接続される複数の集電電極とから構成され、第2の素子電極の集電電極は、半導体基板の背面上で素子間接続部と交差して接続する部分を有し、第1の素子電極は、素子間接続部によって分断された複数の領域を有する。素子間接続体の本体部は板状であり、本体部の幅は素子間接続部の幅よりも広く、光電変換素子裏面の第2の素子電極とは絶縁層を介して当接して電気的には絶縁されるとともに、第1の素子電極とは直接電気的に接続され、本体部と電気的に接続された素子間接続体の素子間接続部が隣接する素子の第2の素子電極の電流取出し電極と直接接続される。
本発明によれば、光電変換効率に優れ、製造の容易な光電変換素子モジュールを得ることができる。
実施の形態1による受光素子モジュールを受光面側から見た平面図であり、理解を容易にするために封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態1による受光素子モジュールを裏面側から見た平面図であり、理解を容易にするために封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態1で用いられる受光素子モジュールを構成する受光素子及び素子間接続体との位置関係を模式的に示す斜視図であり、素子間接続体を接続する前の状態を素子と素子間接続体に接続された受光素子を裏面側から見た状態を示す図 実施の形態1で用いられる素子間接続体付き受光素子を裏面側から見た図であり、(a)は、平面図、(b)は、図1及び図2のC−D断面図、(c)は、図1及び図2のE−F断面図、(d)は、図1及び図2のG−H断面図であり、理解を容易にするために素子間接続体、封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態1の受光素子モジュールにおける接着層のパターンを示す図 実施の形態1の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−J断面図、(c)は、(a)のK−L断面図であり、(b),(c)では、理解を容易にするために接着層を形成した状態を示す 実施の形態1の受光素子と接着層との位置関係の一例を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)の受光素子に素子間接続体の素子間接続部を装着した状態を示す平面図、(c)は、(b)の受光素子にさらに素子間接続体の本体部を装着した状態を示す平面図 実施の形態1で用いられる素子間接続体の配置を示す図 実施の形態1の受光素子モジュールを示す断面図であり、図1,図2のA−B断面を示す 実施の形態2による受光素子モジュールを裏面側から見た平面図であり、理解を容易にするために封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態2で用いられる受光素子モジュールを構成する受光素子及び素子間接続体との位置関係を模式的に示す斜視図、素子間接続体を接続する前の状態を素子と素子間接続体に接続された受光素子を裏面側から見た状態を示す図 実施の形態2の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−J断面図、(c)は、(a)のK−L断面図、(d)は、(a)のM1−N1断面図、(e)は、(a)のM2−N2断面図 実施の形態2の受光素子モジュールを示す断面図 実施の形態2の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体の変形例を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−J断面図、(c)は、(a)のK−L断面図、(d)は、(a)のM1−N1断面図、(e)は、(a)のM2−N2断面図 素子間接続体付き受光素子の変形例を示す図 素子間接続体付き受光素子の変形例を示す図 実施の形態1、2で用いられる素子間接続体の変形例を示す斜視図 実施の形態1、2で用いられる素子間接続体の変形例を示す図 実施の形態3の受光素子を示す図であり、(a)は、断面図、(b)は、(a)の要部拡大図、(c)は、(a)の要部拡大図 受光素子の変形例を示す断面図 受光素子の変形例を示す断面図 受光素子の変形例を示す断面図 受光素子の変形例を示す断面図 実施の形態4の素子間接続体付き受光素子を裏側から示した平面図 実施の形態4の受光素子を裏側から示した図であり、(a)は、平面図、(b)は(a)に素子間接続体の素子間接続部が電流取出し電極に接続した状態を示す平面図 実施の形態4の素子間接続体付き受光素子の断面図であり、(a)は、図25(a)中6A−6Bの線分の位置に相当する断面図、(b)は、図25(a)中6C−6Dの線分の位置に相当する断面図、(c)は、図25(a)中6E−6Fの線分の位置に相当する断面図 実施の形態4の変形例となる素子間接続体付き受光素子を裏側から示した平面図 実施の形態4の変形例となる素子間接続体付き受光素子を裏側から示した平面図 実施の形態4に用いる、半導体基板上の電極が電極下の半導体基板内の導電領域と逆の極性を有する素子の、素子表面の導電領域のパターンを示す素子裏面側の平面図 実施の形態4の素子を素子裏面側からみた平面図 実施の形態4の受光素子モジュールを図30の6A−6B部分に相当する断面図
以下に、本発明にかかる光電変換素子モジュール及び光電変換素子モジュールの製造方法の実施の形態を、図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。さらに、実施の形態において同じ構成要素は同じ符号を付し、ある実施の形態において説明した構成要素については、別の実施の形態において詳細な説明を略している。本実施の形態では、光電変換素子として受光素子を例示して説明するが、半導体基板として直接遷移型のGaAsを用い、接合にダブルへテロジャンクション構造を有する発光素子等、種々の発光素子にも適用可能である。
実施の形態1.
図1及び2は、実施の形態1による受光素子モジュールを受光面側及び裏面側から見た平面図である。図3は、同受光素子モジュールを構成する受光素子及び素子間接続体との位置関係を模式的に示す斜視図である。実施の形態1の受光素子モジュール1は、図1及び図2に示すように、背面接続型の受光素子10a〜10fがひとつながりに直列に接続されて構成されている。ここでは、各受光素子を各受光素子の位置で識別する際には10a〜10fとするとともに、受光素子単体としては総称して10としている。各受光素子10間は、導電板からなる素子間接続体30によって電気的に接続され、直線状の素子列すなわちストリングが形成され、ストリング間は本体部32と素子間接続部31とからなる素子間接続体30によって電気的に接続される。
図4(a)に実施の形態1で用いられる素子間接続体付き受光素子を裏面側から見た平面図を示す。図4(b)は、図1及び図2のC−D断面図、図4(c)は、図1及び図2のE−F断面図、図4(d)は、図1及び図2のG−H断面図である。なお図4では理解を容易にするために素子間接続体、封止材等のモジュール形成部材は省略している。本実施の形態では、受光素子10背面に形成される素子電極のうち、正極である第2の素子電極を、一定の間隔で平行に配列された複数本の集電電極14と受光素子10背面上の同一平面内で交差部をもつ2本の電流取出し電極15とで構成し、かかる2本の電流取出し電極15に沿って、素子間接続部31を装着する。そして第2の素子電極に対して、積層して重なり合う部分を持たず、平面配置された、負極である第1の素子電極を構成する線状電極12に対しては本体部32が直接接触している。
すなわち、複数本の集電電極14と、これに交差接続する2本の電流取出し電極15との形成された領域を除き、また集電電極14と電流取出し電極15とから離間して、裏面全体に第1の素子電極が形成されて素子電極を構成する。そして、本体部32が線状電極12以外の素子電極とは絶縁した状態で、電気接続体21によって線状電極12と本体部32の面全体で広く分布して接続されている。素子電極と素子間接続体30とのパターン配置により、素子間接続体30と素子電極上での集電距離を低減し、かつ本体部32等による素子透過光の反射により光吸収率を高めることができる。本実施の形態における受光素子10は非受光面側に電流取出し電極15が形成されており電流取出し電極15による電極影ができないため、電流取出し電極15の本数は多い方が好ましく、一方で製造上の生産性の観点からは本数が少ない方がよいため、例えば4−16本とすることができる。以下において素子電極とは、線状電極12、線状電極12の電流取出し電極、集電電極14、集電電極14の電流取出し電極15等、受光素子10上に形成される電極を指すものとする。本実施の形態では、2つの極性を持つ第1及び第2の素子電極が単層構造を構成して重なり合う部分を持たず、平面配置されている。
本実施の形態の受光素子10は第1の素子電極である線状電極12の電流取出し電極をもたない。また、素子間接続体30の本体部32と直接接続されない極性の素子電極である第2の素子電極における集電電極14は、互いに交差接続する電流取出し電極15に接続される。そして電流取出し電極15が、素子間接続体30の素子間接続部31に直接接続される。一方、第2の素子電極により不連続部を持ち分断された第1の素子電極は、素子間接続体30の本体部32に直接接続される。
上記構成により、第2の素子電極側では、導電性の高い素子間接続部31及び電流取出し電極15によって効率よく集電されることで、素子間の集電抵抗の大部分は集電電極14から電流取出し電極15までの距離分だけで済む。通例の両面に電極を有する受光素子の裏面電極と同様、電流取出し電極15が素子の表面上を分割する位置に分布するため、素子電極内での集電距離は、通例の両面にパッシベーション膜と素子電極とを有する受光素子の裏面電極の集電距離と同等である。これは素子端部に電流取出し電極を有する通例の背面接続型の受光素子に比べて最大でも半分程度以下の集電距離にすることを意味し、素子電極の導体抵抗が通例と変わらなければ半分程度以下の集電抵抗とすることができることを意味する。
さらに、本実施の形態は背面接続型受光素子に関するものであり電極面積が増えても電極影面積は増えないため、電流取出し電極15及び素子間接続部31の本数を任意に増大することができる。従って、電流取出し電極15及び素子間接続部31をn本に増大することにより集電距離及び集電抵抗を1/2n程度までに低減することができ、抵抗が大きい素子電極における集電距離を通例の両面に電極を有する受光素子の裏面電極のよりも短くすることができるという効果を有する。
一方、第1の素子電極側は、素子間接続体30の本体部32に直接接続されることで、素子電極による集電抵抗は第1の素子電極の厚み分のみとなり、抵抗を大幅に低減することが可能となる。なお、素子裏面での第1及び第2の素子電極の占有面積は、両者の配線抵抗ができるだけ小さくなるように、面積比を調整することで、集電抵抗を大幅に低減することができる。本体部の幅は、素子間接続部の幅よりも広いことでより広範囲の第1の素子電極に直接接続し、集電抵抗を低減することができる。
また、素子間接続体の本体部の幅が広いことによって、素子間接続体の導体抵抗を低く保ったまま厚みを低減することができるため、素子基板と素子間部との熱膨張率の違いによる素子の反りを低減し、素子の強度を高く保ち、破損を防ぐことができるという利点を有する。このことは素子間接続部についても同様であり、本実施の形態の構成により、素子間接続部の本数を増大することができ、この結果素子間接続部の素子に対する投影面積を増大することができ、素子の反りを低減し、素子の強度を高く保ち、破損を防ぐことができるという利点を有する。両面に素子間接続体が接続される素子に比べて、一方の面のみに素子間接続体が接続される背面接続型の素子モジュールにおいては素子基板と素子間接続体との熱膨張率差による反りは大きいが、本実施の形態の構成を用いることにより、反りを低減することができる。なお、ここで直接接続とは、はんだ層等の導電性接着層を介して接続されるものあるいは溶着等により接続されるもの、静電接合による密着接続等低抵抗での電気的接続をいうものとする。
なお、図1及び図2において、ひとつながりの素子列の末端の受光素子10では電流引き出し線38が受光素子10に接続され、図示を省略するが受光素子列が封止材22によって封止されている。封止構造については後述する。半導体基板11は図9に、図1及び図2のA−B断面を示すように、封止材22の外側を表面側主面材23で覆われている。2本の電流引き出し線38の一部が、裏面側主面材25及び裏面側の封止材22に形成された孔の部分から、封止材22と裏面側主面材25の外に出た状態となる。封止材22から出た電流引き出し線38は、ジャンクションボックス中の導線と接続されて、ジャンクションボックスに接続されたケーブルを通じて受光素子モジュール1の外部に取り出せるようにする。図1,2では見易さのために、フレーム、ジャンクションボックスの図示を省略している。
以下では、まず、受光素子10を素子間接続体30で接続した受光素子モジュール1の構造について説明した後、受光素子10の構造について説明し、そして受光素子10間を接続する素子間接続体30の構造について説明する。
本実施の形態の受光素子モジュール1は、図1〜3に示すように、受光素子10a〜10fと受光素子10a〜10f間を接続する素子間接続体30とで構成される。素子間接続体30は、背面側に第1及び第2の素子電極を有する背面接続型の受光素子10a〜10fを接続するもので、受光素子10a〜10fの背面のほぼ全体を覆う本体部32と、本体部32に接続され、隣接する受光素子の第2の素子電極に接続される素子間接続部31とを備える。受光素子10a〜10fの第1の素子電極としての線状電極12及び第2の素子電極としての集電電極14は、一定の間隔で互いに平行となるように交互に配置された平行部を含む。そして第2の素子電極は平行部の集電電極14と交差する電流取出し電極15を含む。本体部32は受光素子10の第1の素子電極との接続点あるいは接続領域以外の部分の表面は受光素子10を透過する光に対して高反射性をもつ光反射体からなることが好ましい。また本体部32は、受光素子10a〜10fの第1の素子電極である線状電極12に選択的に直接接続されるとともに、第2の素子電極である集電電極14には絶縁層である接着層26を介して配置される。そして後述するように、接着層26に散乱性粒子を分散させる。これにより、本体部32による反射に加え、本体部32と受光素子10a〜10fの間に接着層26で反射部を構成し、線状電極12を備えた第1の素子電極、集電電極14を備えた第2の素子電極の隙間から受光素子10a〜10fに反射光が入射し、光電変換効率を高めることができる。図5にモジュール状態における接着層26の形状を示す。
そして、本実施の形態の素子間接続体付き受光素子では、図3及び4図(a)〜(d)に示すように、素子間接続部31は、本体部32に連設され、隣接する受光素子10の第2の素子電極である電流取出し電極15に接続される。第2の素子電極は、集電電極14と、集電電極14の線分の両端からそれぞれ線分の約1/4の長さの部分で交わるように、すなわち、集電電極14上で集電電極14に対して交差部をもつように配された電流取出し電極15とで構成されているため第2の素子電極から素子間接続体までの集電距離は極めて短いものとなり、効率よく集電がなされる。さらに本体部32は、線状電極12に選択的に直接接続されるとともに、集電電極14には絶縁層である接着層26を介して配置され、スリットSの部分を除いて、受光素子10の背面側の全体を覆う。また電流取出し電極15は、第1の素子電極である線状電極12を、当該線状電極12の長手方向に2箇所で分断し、分断部で電流取出し電極15の長手方向と交差して配置されている。上述したように、線状電極12は分断されているが、素子間接続体30の本体部32に直接当接しているため、素子間接続体30までの集電距離は線状電極12の厚み部分のみであり、ほとんど0に等しく、導電抵抗は極めて低い。
実施の形態1の受光素子10は、図3及び図4(a)に示すように、基板の平面形状が矩形で、厚さが例えば0.05〜0.5mmの薄板状の、pn接合を有する半導体基板11によって構成される。ここでの矩形とは、互いに垂直となる2組の平行な辺を有する四角形形状を意味する。特に、単結晶を用いた受光素子10では、円柱の単結晶インゴットから矩形の基板を形成する際に、円形から矩形に切り落とされて無駄となる部分を減らすために、図4(a)に示すような角の一部が切り落とされた形状の基板が使用されることが多い。上記形状も含め若干変形したものも矩形のなかに含まれる。図では、正方形の角の一部が切り落とされた形状の例を示したが、これを半分に割ることで長方形形状をなすものであってもよい。
図4(a)〜(d)に示すように、受光素子10の裏面側の領域には、一方の極性の素子電極として線状電極12が、他方の極性の電極として集電電極14と、集電電極14の電流取出し電極15とが形成されている。線状電極12の一部は、素子基板の図示しないパッシベーション膜の開口部を通じて基板と導通するが、これ以外の部分の電極がパッシベーション膜と接触する部分としては、素子を透過した光を反射することが好ましいため線状電極12の素材としてはアルミニウム(Al)、ニッケル、錫、銅、銀、金等の金属、その混合体及び合金の広い波長範囲において光反射率が高い材料を主に含んだ金属材料を用い、反射金属層とすることが好ましい。反射金属層の上に2層目として金属材料あるいは反射金属層との反応を抑制するバリア層を積層していくことにより線状電極12における電気伝導を向上させることができ、反射金属層との反応を抑制するための材料としては、ニッケル、錫、銅、銀、チタンタングステン(TiW)等の金属、上記材料の混合体及び合金及び上記材料の積層体を用いることができる。上記素子電極自体を構成する材料としては金属以外にも樹脂成分あるいはガラス成分等の添加剤を含んでも良く、導電性接着剤等を使用してもよい。素子電極構成材料以外にも、例えばアモルファスシリコンと単結晶シリコンとのヘテロ接合によって半導体接合が形成された受光素子の場合は、インジウム酸化物等の透光性導電膜によって形成される透光性電極とアルミニウム、銀、金等の金属層を積層したものを用いてもよい。
上記線状電極12の積層体の最外層としては、モジュール化する際に素子間接続体30と接続するために適した材料を用いることが好ましい。例えば、はんだを用いて素子と素子間接続体30を接続する場合は、銅、錫、銀等のはんだ接合性を有する金属を用いることが好ましい。
本実施の形態1の線状電極12と集電電極14は、光キャリア生成により生じる電荷を半導体基板11から取り出すとともに集電する電極であり、各々が適当な間隔をおいて配設される。線状電極12のパターンは、ドーピングによって形成される接合であるかヘテロ接合であるか、あるいは基板抵抗等によっても異なるが、例えば0.05〜1mm程度の幅で一定の方向に延在する直線形状部が、0.2〜2.5mmの周期で電極の延在方向とは直交する方向に平行に配列され、平行部を構成する。集電電極14のパターンも、不純物ドーピングによって形成される接合であるかヘテロ接合であるか等、素子構造によって異なるが、例えば0.2〜2mm程度の幅で一定の方向に延在する直線形状部が、0.2〜2.5mmの周期で電極の延在方向とは直交する方向に平行に配列され、平行部を構成する。素子電極である線状電極12、集電電極14、電流取出し電極15の幅は同じである必要はなく、集電距離あるいは基板の少数キャリア拡散長に応じて設計される。
また、集電電極14は、裏面側に広く分布して設けられ、電流を電流取出し電極15まで集める機能を有する。集電電極14は、例えばアルミニウム、銀、銅、ニッケル、錫等の導電体を主成分とする材料とその混合物、合金物、及びこれらを積層したものによって構成することができる。電流取出し電極15は、一方の極性の集電電極14と接続され、集電電極14で集電した電流を受光素子10の外部に取り出す電流取出し電極として機能する。電流取出し電極15については、別工程で形成されることもあるが、集電電極14と同一工程で形成されることが多く、同様に、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、錫を、主に含んだ金属材料及び金属材料の積層体からなることが好ましい。電流取出し電極15等の電極にはガラスフリット、樹脂等の添加剤が含まれていてもよい。上記集電電極14で集電された電流は、電流取出し電極15及び素子間接続体30を介して素子の外部に取り出される。
上記電極の電極高さは、線状電極12、集電電極14、及び電流取出し電極15の間で同じ高さであってもよいが、本実施の形態1では異なる高さとなる場合について述べる。なお、線状電極12と同一極性の電流取出し電極がある場合は電流取出し電極も線状電極と同一高さとする。線状電極12と、集電電極14及び電流取出し電極15との間で高さが異なる場合、図4(a)〜図4(d)の線状電極12の電極の高さは、電流取出し電極15の本数にもよるが、10〜100μm程度とすることが好ましい。集電電極14、電流取出し電極15の電極の高さは、5〜50μm程度とすることが好ましい。
なお、ここでは、線状電極12として細い線状に形成される場合を示しているが、線状である必要はなく、複数の点状電極が離間してなる電極群であってもよい。また、本実施の形態の構造では、素子間接続体30の本体部32と線状電極12とを直に接続することができるため、第1の素子電極側については電流取出し電極を設けなくてもよい。あるいはまた、第1の素子電極側すなわち、一方の極性の線状電極12と接続される電流取出し電極を別途設けてもよい。この場合、電流取出し電極は素子間接続体30の本体部32と接続され、線状電極12で集電した電流を受光素子10の外部に取り出すように機能する。
交差するとは、点状電極の集合体を線とみたときに、素子間接続部31が点状電極あるいは集電電極の集合体と交差するように配置されるものも含むものとする。例えば、線状の集電電極14と交差部をもつように、点状の電極の集合体が電流取出し電極15として存在し、電流取出し電極15を覆い、線状の集電電極14に接触するように素子間接続体30の素子間接続部31が形成されていてもよい。また、線状電極12も点状形状でも良く、その他にも透光性電極は平面状で透光性電極の上に形成される金属電極を点状にしてもよい。また、集電電極14は、電流取出し電極15あるいは素子間接続体31と直交していなくてもよく、ストリングが延在する方向とおおよそ平行に配置される素子間接続体30と、当該素子間接続体30まで素子上を集電する電極があるようなパターンがあればよい。また、第2の素子電極側についても特に電流取出し電極15として集電電極14と別に形成しなくてもよく、素子電極全体のパターンは、極性の異なる第1の素子電極と第2の素子電極とに分離されていればよい。
また、これ以外にも素子電極は、負極と正極の間で絶縁され、電極間領域を除く全面に形成された透光性導電膜と金属電極との積層構造であってもよい。半導体素子上のアモルファスシリコン膜等のパッシベーション膜の上の非受光面側の最外層にはインジウム酸化物等の透光性電極が形成されていてもよく、一方の電極部分と他方の電極部分の間でインジウム酸化物間を電気的に分離させた構造とすることができる。それぞれの透光性導電層及び不純物ドープアモルファスシリコン膜の積層膜上に線状電極12、集電電極14、電流取出し電極15が形成される。一方で、受光面側にはパッシベーション膜としてn型アモルファスシリコン膜、また、反射防止膜としてスパッタ法、CVD法等の薄膜プロセスで成膜されるアモルファスシリコン窒化膜もしくは二酸化チタン等の高屈折率膜が積層して形成される。
本実施の形態の受光素子10は、電流取出し効率を上げるためには少数キャリアの拡散長を素子電極間の距離よりも長くする必要がある。従って、素子表面は不活性化すなわちパッシベーションされていることが好ましい。素子表面が不活性化された素子構造の例として、単結晶シリコン基板上に形成されたアモルファスシリコン膜と微結晶シリコン、あるいはガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素等の半導体材料によって作成されるヘテロ接合型太陽電池、あるいはシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、酸化アルミニウム等のパッシベーション膜でパッシベーションされた単結晶シリコン太陽電池が挙げられる。素子構造としては特に限定されるものではないが、例えばヘテロ接合を用いた受光素子の場合、半導体基板11としては、単結晶n型シリコン基板の両面に5nm程度の厚みの真性アモルファスシリコン膜が形成され、さらに真性アモルファスシリコン膜が形成された単結晶n型シリコン基板の一方の面にそれぞれp型アモルファスシリコン膜及びn型アモルファスシリコン膜が積層される。ヘテロ接合を用いた受光素子の場合、一方の極性の電極部分、例えば集電電極14、電流取出し電極15が形成される部分にp型アモルファスシリコン膜、他方の極性の電極部分である線状電極12が形成される部分にn型アモルファスシリコン膜が形成される。そして、上記電極の間には電気的に絶縁され、p層とn層との間は、真性アモルファスシリコン膜、あるいはシリコン酸化膜等の絶縁膜が形成された構造をとることができる。上記p層、n層の上には、それぞれ互いに絶縁された透光性電極が形成され、透光性電極の上にそれぞれ集電電極14、電流取出し電極15及び線状電極12が形成される。また上記受光素子10の表面に形成される半導体の接合領域は不純物の熱拡散あるいはイオンインプランテーションとよばれる不純物元素の打ち込みによって形成されていてもよい。上記半導体基板11の表面にはパッシベーション膜が形成されているが、特にパッシベーション膜に注目する場合以外は本明細書の図中では記載を省略しており、図中では半導体基板11とのみ記載している。
なお、本実施の形態の受光素子10は、ヘテロ接合だけでなく、ドーパントを拡散して形成されたホモ接合を用いた受光素子でもよい。例えば、半導体基板11として単結晶n型シリコンを用い、ボロンが熱拡散されることによって形成されたp型半導体領域にコンタクトする集電電極14、電流取出し電極15を正極とし、リンが熱拡散されることによって形成されたn型半導体領域にコンタクトする線状電極12が負極として動作する。このようなヘテロ接合あるいはホモ接合を有する背面接続型受光素子に本実施の形態の構成を用いることで、p型半導体領域の離間距離あるいはピッチをより細かくとることができ、ホールの拡散長が律速となるp型半導体領域までのキャリアの移動距離を小さくすることができ、素子内でのキャリア収集効率をより大きくすることができる。
一方、p型基板を用いた場合には、電子が律速となるp型基板中のキャリアの移動距離を小さくするために、半導体基板11とpn接合を形成するn型半導体領域間の離間距離が小さくなるように構成するのが好ましい。
また、本実施の形態では、素子間接続体30は、図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)及び図8に示すように、電流取出し電極15に接続される素子間接続部31と、受光素子10の裏面の全体を覆い、線状電極12に当接すると共に集電電極14に対しては接着層26を介して離間して配置される本体部32とで構成されている。本体部32は、素子間接続部31と相補形状をなしており、素子間接続部31の配される領域とその周辺及び素子基板の外周近辺を除く素子基板の裏面全体を覆っており、素子間接続体30の本体部の幅が広いため、厚みがなくても十分に抵抗を低減できるようになっている。なお本体部の幅は素子間領域にある素子間接続部よりも広い。図6(b)及び図6(c)は図6(a)のI−J断面図及びK−L断面図であるが、モジュールの状態の一部をストリングの繰り返し単位ひとつ分で取り出したもので、図6(c)では接着層26を記載している。そして本体部32と一体的に形成された素子間接続部31が可撓性を有する導電体箔で構成され、一方では、素子電極のうちの一方、例えば第1の素子電極である線状電極12及び電流取出し電極15に選択的に接続され、他方では、隣接する受光素子10の第2の素子電極である電流取出し電極15に当接している。第2の素子電極である集電電極14も一定の間隔でストライプ状すなわち離間して並列する線状に形成されており、集電電極14と交差する2本の電流取出し電極15を有しており、電流取出し電極15に沿って素子間接続部31が当接している。したがって、基板面内方向における抵抗の低い素子間接続部31まで短距離で接続されるため、第2の素子電極の集電距離を小さくすることができ、集電抵抗の低減をはかることができる。
なお、図5、図7(a)〜(c)では集電電極14の素子端部から2本目付近すなわち各図中上部から電流取出し電極15が接着層26の開口部から露出するように該当する領域が形成されるように図面が記載されている。しかしながら、実際には、素子上の電流取出し電極15の本数にも依るが、素子基板が156mm角の場合、素子基板端部から5〜50mm程度の部分から電流取出し電極15に該当する領域が形成される。
電流取出し電極15の長さの範囲については、主に電流取出し電極15の導体抵抗によってきまる。素子間接続体30の素子間接続部31の長さに関しては、一般的に電流取出し電極15よりもより素子間接続体30の素子間接続部31の方が低抵抗であるため、抵抗低減の観点からは素子間接続部31と電流取出し電極15との接続長さが長い方が好ましい。一方で、素子と同程度の長さである必要はない。電流取出し電極15の本数が多く、また、電極断面積が大きく、抵抗が十分に低い場合は、素子間接続部31を短くすることができる。素子間接続部31を短くした場合は、素子基板と素子間接続部31との間の熱膨張率の違いによる素子間接続体付き素子の反りを低減することができる。上記素子間接続体30の素子間接続部31と電流取出し電極15との実際の接続長さが図示に限るものではないことは本実施の形態のみならず、以降の実施の形態でも同様である。
また、本体部32は、素子間接続部31に対応する形状を有するスリットSを有し、素子間接続部31との間で相補的形状を有する。本体部32のスリットSに、隣接する素子間接続体30の素子間接続部31が配されるため、位置決めが容易であるだけでなく、段差が低減される。素子間接続部31の側面に絶縁性樹脂からなる接着層26をあらかじめ塗布しておくことにより、隣接する素子間接続体30の本体部32との短絡を防ぐことができる。電流取出し電極15及び、本体部32と線状電極12との接続点を除く受光素子10と素子間接続体30の本体部32との間に、図7(a)〜図7(c)に示すように、絶縁性樹脂からなる接着層26が充填されている。その一方で、図4(c),図4(d)、図7(b)に示されるように、本実施の形態では素子間接続部31のモジュール裏面側には接着層26が形成されていないが、素子間接続体31を接着層26で覆うことにより封止してもよい。また、絶縁性樹脂からなる接着層26は光散乱性粒子を有していてもよい。図8は素子間接続体30を打ち抜きにより形成した場合のパターン形状の一例を示す。素子間部接続部31と本体部32とが相補状をなす。
従って、素子間接続体30を用いて背面接続型の受光素子10a〜10fを接続してなる受光素子モジュール1においては、少なくとも受光素子10a〜10f上の第1の素子電極である線状電極12は、受光素子の主面上に広く分布し、素子間接続体30の平面形状部分である本体部32に対して半導体基板11の全域にわたって接続される。
本実施の形態の素子間接続体30、受光素子10及び受光素子モジュール1によれば、素子間接続部31が、素子電極のうちの一方例えば第2の素子電極である集電電極14に交差して設けられた第2の極性の素子電極の電流取出し電極15に沿って選択的に接続されている。従って、特許文献1のような電流取出し電極部分が素子基板の端部にしかない場合に比べて、半導体基板11と接続される素子電極である第2の素子電極から素子間接続体30の素子間接続部31までの接続距離が短い上、受光素子10a〜10fと同じあるいは同程度の面積の導電体を用いることができるために抵抗ロスが小さい。また素子上に箔と同程度の抵抗となる導電体を形成する場合は、コストと時間がかかり、電極断面積を大きくして抵抗を小さくすることが難しい線状電極12及び集電電極14の集電距離を減らすことができる点で特に利点がある。また、受光素子10a〜10fを透過した透過光を反射させて、受光素子1に再入射させることができ、光透過ロスを低減でき、設置面積に対する発電出力の高い受光素子モジュール1を得ることができる。
本実施の形態では、素子間接続体30は、金属製の導電板すなわち、連続体で構成され、素子間を接続する素子間接続部31と、受光素子10と同じあるいは同程度の大きさでかつ同等の形状の受光素子10の裏面側に接続される平面状の導電体部分である本体部32とから構成されている。素子間接続体30は、たとえば銅箔を打ち抜き加工することによって極めて容易に製造することができる。本実施の形態の素子間接続体30は、単なる金属を切りぬいた基材から形成されているため、例えば特許文献3のような正極と負極が互いに絶縁されて樹脂シート内に挟み込まれた素子間接続体に比べて安価に製造可能である。基体としては銅あるいはアルミニウム等の低抵抗の導電板を用いるのが好ましく、基材上にはんだめっき等の導電性接着層を形成して使用する。ここでは可撓性を有する素子間接続体30の本体部32及び素子間接続体30の素子間接続部31として銅箔を用いているが、本実施の形態1においては一体構造の連続的な金属箔でなくてもよい。例えばポリイミドフィルム上に蒸着された金属膜であったり、金属粒子含有樹脂、印刷ペーストを乾燥することによって形成される金属微粒子群、金属焼結体等が接続されてなる膜あるいは箔等の導電体を本体部32及び素子間接続部31として用いることができる。
また、素子間接続部31と本体部32とを別の部品から構成してもよい。素子間接続部31と本体部32とを別体構造とした場合、素子間接続部31と本体部32とが電気接続体21もしくは別の材料からなる第2の電気接続体を経由して接続される。素子間接続体30を、光反射のための本体部32と、素子間接続部31との個別構造として形成した場合は、製造が容易で、かつモジュールのストリング端部においてもストリング内部と同じ素子間接続体を使用することができるという利点を有する。また、素子間接続体30を、光反射のための本体部32と、素子間接続部31との個別構造として形成すれば、異なる材料を用いることができ、素子間接続体付き素子の強度と導電性と接続性と光利用効率を高めることができる。
また、必要に応じて受光素子の第1の素子電極は第2の素子電極よりも素子間接続体側に突出させる高さを調整することができるため、第1及び第2の素子電極の高低差によって素子電極と素子間接続体30の本体部32との接続部と、素子間接続部31との絶縁部を分離することができ、素子間接続体30を素子に接続する際の基板面内方向の数百マイクロメートル程度単位の精密な位置合わせが不要であるという利点を有する。
素子間接続体30の本体部32は、導電体箔、例えば銅箔の平板で構成してもよいが、平板をあらかじめプレスして、凹凸形状に成型して用いるようにしてもよい。本体部32を凹凸形状とする場合、一方の線状電極12とおおよそ対応する部分の本体部32に対して、他方の集電電極14及び電流取出し電極15の部分における素子間接続体30の本体部32は引っ込んだ形状つまり凹部となり、線状電極12に対応する部分においては相対的に突出した形状つまり凸部となる。ここで、素子間接続体30側の凸部とは、素子基板に対して突出していることを意味し、凹部とは、素子基板に対してより離間していることを意味する。凸部と凹部はそれぞれ線状電極12と集電電極14の位置にかならずしも対応して形成されてなくても良く、凹凸の間隔を素子電極ピッチよりも狭く形成しておけば、突出した線状電極12に対して本体部32の凸部が接続される構造とすることができ、これによって精密な位置あわせが不要となる。
また、素子間接続体30の本体部32の大きさとしては、図4(a)の素子上の線状電極12の外周部までを覆うことができる程度の大きさとすることにより、素子間接続体30の本体部32の端部が固定されることになり、接合性を高めることができる。従って、図4(a)では線状電極12が集電電極14よりも外側に来る電極パターンとなっている。線状電極12は、図4(a)のパターンに加えてさらに素子基板外周のすぐ内側を囲うように形成されていてもよい。
(素子間接続体と素子電極との間の接続方法)
そして素子間接続体30と素子電極との間の接続に際して、受光素子10は、同一面に第1の素子電極である線状電極12及び第2の素子電極である集電電極14、すなわち負極と正極を有するため、電極間を絶縁する必要がある。電極間の絶縁のためには本体部32と集電電極14の間の絶縁層としては空隙を用いる等してもよいが、より信頼性を向上させるために図4(a)〜図4(d)に示すように、受光素子の電流取出し電極15の一部のみを除き、主に集電電極14を覆い、線状電極12の大部分は外部に露出するように接着層26を形成する。なお、接着層26は線状電極12の上に一部重なってもよい。例えば、本体部32が凹凸を有する場合、線状電極12との接続部にある本体部32上の凹部及び一部であれば凸部と線状電極12との間に形成されてもよい。接着層26の形成に際しては、本体部32と半導体基板11との間の予定されるギャップよりも厚く接着層26を形成しておき、接着層26形成後に本体部32を半導体基板11に押しつけて接着層26を横方向に広げる方法を用いることができる。上記方法を用いる場合、接着層26の幅は集電電極14の線幅より細く形成され、本体部32が接続される際に広がり、図4(c)のような形状になる。
以上のように、受光素子10と素子間接続体30との間に高い接着強度を付与するとともに集電電極14と素子間接続体30の本体部32の間を絶縁するために、素子間接続体30と受光素子10との間のはんだ付けされている部分以外の主な部分は接着層26によって接着される。具体的にはエチレンビニルアセテート(EVA)、フィラーを含むエポキシ、ポリイミド等の樹脂を用いることができるが、素子を透過した光を素子間接続体で反射させて再度素子へ入射させるために、できる限り素子透過光の吸収がないものを用いることが好ましい。また、上記目的のために接着層26は光反射あるいは光散乱機能を有していてもよい。接着層26としては、数百nm程度の二酸化チタン粒子等の無機粒子を高濃度に含むエチレンビニルアセテートを用いることができる。ここで用いられる無機粒子のサイズは、受光素子10と素子間接続体30を接続した後の集電電極14と素子間接続体30との間の距離の半分程度より小さい方が好ましく、光散乱性を付与するためには、散乱したい光の波長の半分程度の大きさの粒径とすることが好ましい。
ここでは、接着層26が素子間接続体30と受光素子10との間を接続する例を記載したが、接着層26は素子間接続体30と受光素子10との間を隙間無く接着しなければならないわけではなく、例えば、絶縁性を高めるために接着層26が素子電極を覆っている一方で素子間接続体の本体部32とは接触していなくても良く、逆に素間接続体30の本体部32を覆っている一方で素子電極とは接触していなくてもよい。
接着層26の形成方法としては、あらかじめ受光素子10の裏面側に、線状電極12を除く部分に、エポキシ樹脂前駆体を塗布しておき、素子間接続体30の本体部32と貼り合わせながら加熱、冷却する。そして、はんだを一度溶融して素子間接続体30の本体部32と受光素子上の線状電極12とを電気的に接続すると共に接着層26としてのエポキシ樹脂を重合、硬化させることにより、素子間接続体30の本体部32と受光素子10aとを接着することができる。上記エポキシ樹脂を重合、硬化させることにより本体部32と受光素子10aとを接着する場合、接着層26の前駆体の重合温度あるいは絶縁性樹脂の軟化点が、電気接続体21の融点と同じあるいは同程度あるいは、より高い方が好ましい。電気接続体21の融点が接着層26を構成する絶縁性樹脂の軟化点よりも高いものとするためには、電気接続体21として比較的低温で溶融するビスマス系のはんだ等のはんだを用い、接着層26としてポリイミド、ガラス繊維等の強化剤で強化された樹脂等の絶縁性樹脂を用いることが好ましい。また、上記プロセスにおいては、エポキシ樹脂前駆体としては粘度があり、流動性が低いものが好ましい。また、例えば特許文献10に記載されているように、2回に分けて接着層を硬化させる、等の方法も適用可能である。
また上記方法以外においても、例えば、電気接続体21を有しない素子間接続体30の本体部32と、線状電極12上にはんだ層が形成された受光素子10の裏面側を貼り合わせながら加熱後、冷却することにより、素子間接続体30の本体部32と受光素子10aとを接着することができる。接着に際してはまず、はんだを一度溶融して素子間接続体30の本体部32と素子上の線状電極12とを電気的に接続する。そして、貼り合わされた素子間接続体30の本体部32と素子裏面の間に毛細管現象を利用してエポキシ樹脂前駆体を供給したのちに再度加熱してエポキシモノマーを重合、硬化させる。はんだによる貼り合わせ後にエポキシ樹脂前駆体を供給し再度加熱して重合させる場合、電気接続体21の融点が、接着層26の重合温度あるいは軟化点と同程度あるいは、より高い方が好ましい。また、上記の場合のエポキシ前駆体としては粘度が低く、流動性が高いものが好ましい。また、接着層26は、素子間接続体30を接続するまえにあらかじめ硬化させておいても良く、上記の場合、接着層26は素子基板及び素子電極のうち集電電極14と接着される一方で、線状電極12と素子間接続体30の本体部32とは接着されない状態となる。上記接続の際に用いる熱源には、ホットプレート等の接触熱源、エアヒーター、レーザー、赤外線ランプ等の非接触熱源を用いることが出来る。
接着層26を上記構造にすることによって線状電極12と素子間接続体30の本体部32の電気的接続を妨げない一方で、集電電極14と素子間接続体30の本体部32との間の絶縁を保つことができる。
上述した集電電極14と素子間接続体30の本体部32との間の絶縁を保つ際に、接着層26として主に集電電極14を覆い、線状電極12と電流取出し電極15の大部分を覆わない形状の樹脂フィルムを材料として用いることもできる。あるいは、あらかじめ素子間接続体30の本体部32に集電電極14と同等の形状の樹脂を塗布及び乾燥しておき、樹脂塗布領域以外の部分にはんだペーストを塗布しておいて、はんだペーストを裏面の線状電極12と素子間接続体30との電気接続体21としてもよい。裏面の線状電極12と素子間接続体30との間の電気接続体21と、電流引き出し線38と素子間接続体30との間の電気接続体とで異なる材料を用いる場合、線状電極12と素子間接続体30との接続工程以降、電流引き出し線38を素子間接続体30の本体部32に接続する工程等の後続工程に用いる電気接続体33の融点は、線状電極12と素子間接続体30との接続工程で用いられた上記電気接続体21の融点に対して、より低い方が電気接続体21の再溶融に伴う位置ずれを生じずにすむため好ましい。
また、異なる溶融点を有する複数の電気接続体を用いて、例えば隣接する素子の素子間接続部31と本体部32とを別の部材から形成する場合には、素子間接続体32と線状電極12との接続には溶融温度が高い電気接続体を用いて接続しておき、接続後にストリングを形成する際に素子間接続体30の素子間接続部31と電流取出し電極15及び、隣接する素子の素子間接続体30の素子間接続部31と本体部32との接続には溶融温度のより低い電気接続体を用いることにより位置ずれ等を生じずにすむため好ましい。電気接続体の部位による溶融温度の高低の組み合わせは製造の順番に従って上記とは逆にしてもよい。また、一方で接着層26を電気接続体よりも先に接着する場合は、接着層26の流動温度あるいは溶融温度は電気接続体21の融点より高くするのが好ましい。接着層26の流動温度あるいは溶融温度を電気接続体21の融点より高くすることにより、接着工程で、接着層26を溶融温度以下に保つことで、流動、再溶融等が生じるのを防ぐことができる。
また、電気接続体21としては、具体的には錫銀系はんだ、導電性接着剤、導電性テープを用いることができる。電気接続体21は、本実施の形態1では素子間接続体30の片面のおおよそ全面に形成されている(図4(b)〜4(d))が、素子間接続体自体を錫箔のような低融点金属として電気接続体との役割を兼ねてもよい。素子間接続体30の素子側の全面、あるいは両面の全面を覆う場合、電気接続体21は、光の反射率がなるべく高い材料であることが好ましい。素子間接続体30の反射率が電気接続体21の反射率よりも高い場合は、電気接続体21は素子電極と素子間接続体30とが各電極間が接続される部分にだけ形成されることが好ましい。各電極間が接続される部分とは主に素子間接続体30と電流取出し電極15及び線状電極12との重ね合わせ部分を意味する。
以上のようにして、受光素子裏面の素子電極には図6(a)〜図6(c)に示す素子間接続体30の本体部32及び素子間接続部31が接続され、図7(c)に示す裏面を有する素子間接続体付き受光素子となる。図2に示したように、本体部32のスリットSから、線状電極12の端部が見えているはずであるが、図7(c)では、省略している。また、図7(c)では、本体部32を透視した素子間接続体付きの素子の状態で描かれており、素子間接続体30の本体部32は点線で本体部32の配置される領域が示されている。本実施の形態のようなスリットSを有する構造では、線状電極12、電流取出し電極15が本体部32の金属あるいは接着層26からなる樹脂で覆われている方が外部から素子電極形成部への水分の浸入が少なくなり、信頼性及び耐久性が向上するため好ましい。変形例として、図2に示した例と異なり、素子電極である線状電極12、電流取出し電極15が本体部32及び接着層26に隠れて受光素子10の表面にでていない状態になるようにしてもよい。なお、図7(c)では点線で素子間接続体30の本体部32の位置を記載し、素子間接続体30の本体部32自体は透過させて素子の裏面側の構造を記載している。
なお、本実施の形態1では素子間接続体30は、例えば銅箔を打ち抜き加工することによって製造することができる。本体部32と、素子間接続部31とは一体的に構成されていなければならないわけではなく、素子間接続部31と、本体部32とは別の部材で形成し、はんだあるいは導電性接着剤等によりあとで接続してもよい。例えばポリイミドフィルム上に蒸着された金属膜、金属粒子含有樹脂、印刷ペーストを乾燥することによって形成される金属微粒子群あるいは金属焼結体が素子電極と同じパターン形状に接続されてなる膜あるいは箔等の導電体を用いて素子間接続体30を一体的に形成する。あるいは素子間接続部31と、本体部32とをそれぞれ同様に形成し、はんだあるいは導電性接着剤によりあとで接続してもよい。
素子間接続体30の厚さとして、例えば0.01〜1mmとすることができる。なお、打ち抜き加工により、素子間接続体30を一体成型した後、素子間接続部31あるいは本体部32をパンチ加工、圧延加工により薄肉化してもよい。
また、図6(a)、図6(b)、図6(c)に示した、素子間接続体30の本体部32の凹凸部については記載を省略しているが、実際には本実施の形態1において素子間接続体30の本体部32が凹凸部あるいは、貫通孔、スリットS以外の切り抜き部を有するものを用いてもよい。素子間接続体30の本体部32が、貫通孔、スリットあるいはそれ以外の切り抜き部を有する場合、電気接続体21の溶融温度よりも低い温度で接着層26を流動状態にして供給することにより、素子間接続体30の本体部32に形自体成された貫通孔、スリットあるいは切り抜き部から接着層26が素子間接続体30の本体部32との間に侵入するため、封入し易いという利点がある。
また、素子間接続体30の本体部32が凹凸部を有する場合、後述する図20及び図21に示すように、素子間接続体30のすべての凸部が線状電極12と接続されている必要はなく、少なくとも素子上のひとつながりの線状電極12に対して一箇所の凸部が接していればよいため、見る断面によっては全ての本体部32の凸部が線状電極12と素子間接続体30と接続されていなくてもよい。図20は素子電極に選択めっきによるはんだめっき層からなる電気接続体21を形成したものを示す。はんだめっき層は、電解めっきを用いて、表面に露呈する素子電極表面にのみ選択的に形成される。図21は素子間接続体30の本体部32の全面にはんだめっき層からなる電気接続体21を形成したものを示す。
実施の形態1の受光素子モジュール1の製造は、背面側に第1及び第2の素子電極を有する受光素子10を形成し、素子間接続体30を、第1の素子電極に選択的に直接接続されるとともに、第2の素子電極には絶縁性の接着層を介して配置されるように、絶縁層を介して装着することで実施される。図1及び図2、図7(c)に示すように、受光素子10を構成する半導体基板11の裏面側には、第1の素子電極である線状電極12と、第2の素子電極である集電電極14及び電流取出し電極15とが形成されている。素子間接続体30の素子間接続部31は、受光素子10の裏面に形成された電流取出し電極15と電気接続体21を介して接続され、本体部32は上記受光素子10とは別の受光素子10の裏面側に形成された線状電極12に接続されることによって、隣接する2つの受光素子10間の電気的接続を達成し、素子ストリングが形成される。
素子間接続体30を用いて受光素子10間を接続していくことによって、図1及び図2に示すように、受光素子10a,10b,10cが直線状に繋がったストリングが形成される。受光素子10a,10b,10cによって形成される直線状のストリングと、受光素子10d,10e,10fによって形成される直線状のストリングとを、はんだあるいは導電性接着剤によって接続することによって、図1,2に示した2つのストリング列が直列に接続される受光素子モジュール1の素子配列が形成される。
受光素子モジュール1の終端部となる受光素子10a,10fは、受光素子モジュール1から電流を取り出すための電流引き出し線38に接続される。
また、モジュールを構成する素子の終端部にモジュールの電流引き出し線38がはんだあるいは導電性接着剤で接続されるため、受光素子10a,10fの素子間接続体30の形状が他の受光素子10b〜10eのものとは異なる形状となる。
受光素子10aでは電流取出し電極15部分に電流引き出し線38が、受光素子10fでは素子間接続体30の本体部32に電流引き出し線38が、電気接続体21を通じて接続され、外部接続が可能となっている。また、本実施の形態ではストリング端部とストリング内部とで、素子間接続体30の本体部32と素子間接続体30の素子間接続部31との位置関係が異なっている。
そして、ストリングを形成した後、樹脂封止がなされる。図9に断面図を示すように、図1と図2に示す2列のストリングからなる受光素子配列の表面側と裏面側には、エチレンビニルアセテート樹脂シート等のシート状の封止材22が配置され、封止材22を介して、表面側すなわち受光面側にはガラス等の表面側主面材23が接着され、裏面側には、耐候性のポリエチレンテレフタラート樹脂シート等の裏面側主面材25が接着される。
図9においては、素子基板の裏面が平坦である場合を記載したが、基板自体の線状電極12との接続部及び接続部の近辺が、集電電極14、電流取出し電極15に対して突出する構造としてもよい。素子基板と線状電極12との接続部及び接続部の近辺の素子基板自体が、素子基板と集電電極14、電流取出し電極15との接続部に対して突出する構造とした場合、一方の極性の電極と他方の極性の電極の高低差が基板上の高低差分だけ増大する。
また、表面側主面材23と裏面側主面材25で挟まれた構造を金属等の強化体によるフレームで支持がなされ、電流引き出し線38が封止材22と裏面側主面材25の切れ目からジャンクションボックスを介して裏面に取り出された構造となり、受光素子モジュール1を構成している。
以上のようにして作成された素子ストリング列の受光面側と裏面側を封止材及び主面材によって封止することで図1,2及び図9に示す受光素子モジュール構造を得ることが可能となる。
図1と図2では、図示を省略しているが、図1と図2に示す2列のストリングからなる受光素子配列の表面側と裏面側には、シート状のエチレンビニルアセテート樹脂等の封止材22が配置され、封止材22を介して、表面側にはガラス等の表面側主面材23が配置され、裏面側には、耐候性のポリエチレンテレフタラート樹脂シート等の裏面側主面材25が配置されている。
なお、実施の形態1で説明した背面接続型の受光素子の場合、基板のライフタイムの高いものを用いる必要があり、シリコン基板としてはn基板が適している。本実施の形態では、第2の素子電極である集電電極14及び電流取出し電極15を正の電極としており、第2の素子電極の面積が、第1の素子電極である線状電極12の面積よりも大きくなっている。上記構造の場合で、p層領域での再結合がn層領域での再結合よりも大き過ぎない場合、pn接合の面積がnn接合の面積よりも大きい方が、少数キャリアがpn接合へたどり着き、発電に寄与する割合が高くなり、従って、電流取出し効率、及び発電効率が高くなる。
また、第1及び第2の素子電極に反射性層を用いることにより、反射体が基板上に直に形成されるため光の利用効率が高くなる。素子間接続体30は反射体と電気接続体との接続領域とを別の部品から構成することができるため、それぞれに適した材料を用いることができ、反射性と接続性に優れた素子電極、及び素子電極を有する素子とすることができる。ここで反射性層とは反射材で構成された層だけでなく散乱性の層も含むこととする。
また、第1の素子電極が第2の素子電極に比べて、素子間接続体30の本体部32に向かって突出しているようにすれば、素子電極間の高低差をつけることにより、精密な位置あわせを要することなく、本体部32を一方の極性の素子電極のみに接続することができる。
また、素子間接続体30の素子間同士で重なりがないため、絶縁性が高く、素子間接続体30の積層部の厚みが少なく、曲げ、反りが小さくてすみ、素子、ストリングの強度を高く保つことができる。また、集電抵抗が小さく、光電変換効率、発電出力に優れた受光素子モジュールを得ることができる。
さらにまた、本実施の形態では、本体部32のスリットSと素子間接続部31とが相補的な形状をなすため、素子間接続体30の素子間接続部31の部分の形状に本体部32が切り取られ、スリットSを形成している。そして本体部32がスリットSを有する形状のまま素子間接続体30を受光素子に装着するが、図8及び図9に示すように、スリットSに素子間接続部31が入り込むことによって素子間接続部31と本体部32が重ならない構造となる。従って、精密な位置合わせを行うことなく素子間接続部31と本体部32との間の絶縁性に優れるという利点を有する。この他に、実施の形態2のように、素子間接続部31と本体部32が積層される場合、素子間接続部31と本体部32との間には接着層26を形成する必要がある。なお、図8中の本体部32同士の間隔Qは、信頼性を維持可能な範囲で小さくすることで、より素子間の集電抵抗を小さくすることができる。
また、図8及び図9に示すように、本体部のスリットSと素子間接続部31とが相補的な形状をなすように形成することで、材料の無駄も少なく、打ち抜きにより、精度よく形成することができる。また実装に際しては、前述したように、位置あわせが不要で素子間接続体30を一方の電極に対して自己整合的に接続することにより接続可能であるため、マージンが不要であり、素子電極の電極間距離を狭くすることができる。従って本実施の形態1によれば、変換効率に優れるとともに、短絡のおそれもなく信頼性の高い受光素子モジュール等の光電変換素子モジュールを得ることができる。また電流取出し効率を上げるためには少数キャリアの拡散長を素子電極間の距離よりも長くする必要があり、逆に素子電極の電極ピッチは半導体素子基板内の少数キャリアの拡散長よりも小さいことが好ましい。従って、シリコン基板の場合の電極ピッチの一例としては1mm程度となる。150mm角程度の大きさの基板を使用する場合、2つの極性の素子電極300本程度に対して素子間接続体30を高精度に位置あわせする必要が生じる。互いに接触しないように精度よくならべて素子電極に接続する必要があり、他方の極性の電極とは絶縁する必要があり、コストと時間がかかるという問題があった。例えば、高精度の位置あわせのために素子にアライメントマークをいれる場合、アライメントマークを形成する工程を導入する必要があり、アライメントマークが銀電極で形成される場合はアライメントマークの分だけ銀が必要になり、また、高精度の位置あわせ機構を有する分だけ装置コストもかかる。これ以外にもアライメントマーク部で光電変換効率が低下する場合もある。
さらにまた、電流取出し電極15がストリング延在方向と平行となるように配置することにより、線状電極12と集電電極14はストリングと直交することになる。従って、ストリングと平行に走る素子間接続体30まで素子電極上の素子電極が延在する距離が素子の大きさの1/2nになり、素子電極上の集電抵抗が小さくなる構造となる。ここでnはバスすなわち電流取出し電極の本数である。ストリング端部では素子を90度回転させることにより、ストリング間接続体が不要となり、素子以外がモジュールに占める面積を減らすことができ、面積あたりの発電量に優れたモジュールを得ることができる。
また、複数の受光素子からなる受光素子モジュールは一般的に素子間を金属製の素子間接続体で電気的に接続するが、金属製の素子間接続体及び素子電極と受光素子基板との熱膨張率の違いから、素子間接続体付きの受光素子には反りが生じることがあった。素子上に直接形成される素子間接続体及び素子電極の厚みが増えると、金属製の素子間接続体及び素子電極と受光素子基板との熱膨張率の違いから、素子間接続体付きの受光素子には反りが生じ、素子を破損させることなく平面形状に封止することが困難となる。特に一般的に用いられているガラス成分を含むペーストを焼成して形成する金属電極を素子電極に用いた場合、焼成時に高温が必要であり、電極面積及び厚みを増大すると素子の反りが大きくなる。特に、素子の片面にのみ素子間接続体が接続される背面接続型素子を封止して形成される受光素子モジュールにおいては、両面に電極を有する受光素子のように両面の素子間接続体間で釣り合いを取ることができないため、素子間接続体付きの受光素子の反りが特に大きくなり、このために素子ストリングを平面形状に封止することが困難となる場合がある。
このような反りの問題は背面接続型素子においては極めて深刻である。反りを低減するには素子基板と素子電極との接続面積を小さくし、素子間接続体と素子電極の厚みを減らす必要があるが、厚みを減らすと素子間接続体と素子電極の抵抗が増大する。また、素子電極の幅が少数キャリアの拡散長にくらべて広くなるとキャリアの収集効率が低下する。しかし、本実施の形態の構成によれば、素子電極のレイアウトに自由度が高く、素子電極のバス本数及び素子間接続体30の素子間接続部31の数を任意にすることができ、本数を増大することによって、電流取出し電極すなわちバス電極の幅を増大することなく素子間接続体の本体部、素子間接続体の素子間接続部及び電流取出し電極の面積を増大することができ、素子間接続体の厚みを減らすことができる。この結果、集電抵抗を低下させかつ、素子の反りを低減することができる。素子上に電極を形成した場合では、素子の大きさ、電極の熱膨張率、板厚の比率、ヤング率、温度に応じて反りが大きくなる。素子電極を成膜し得る限り薄くして、素子間接続体が集電を担うようにすることで、反りが小さくなる。素子間接続体の接続温度が低く、本実施の形態では本体部の幅が広いために一般的な素子間接続体よりも薄くすることができ、反りを小さくすることができる。
また、太陽電池には導電率の高い金属として素子電極に希少性の高い銀電極がよく使用されるが、本発明の構造を用いれば素子電極の抵抗上昇の影響を受けにくい為、素子電極の導電率が低くてもよい。したがって、銀以外の材料を用いることができる共に、素子電極に使用する金属量を減らすことができる。上述したように素子電極に使用する金属量を減らすことができるため、太陽電池を製造する際に使用するに銀の量を減らすことができ、省資源、低コスト化することができるという利点を有する。
さらにまた、前記実施の形態1では、素子間接続部31と本体部32は同一の厚さとなるように形成したが、例えば図9において、表面の平坦化を図るべく、素子間接続部31よりも本体部32が薄肉となるようにしてもよい。パンチング等の方法により、本体部32を薄肉化することで容易に加工することが可能である。
本発明によれば、第1の素子電極は導電板からなる素子間接続体の本体部に直接接続することで素子上での集電距離をほぼゼロとし、第2の素子電極は、中間部で交差部を持つように取出し電極を配し、取出し電極に沿って素子間接続部を接続することで、素子上での集電距離を低減する。これにより、集電抵抗と素子の反りを大幅に低減することができ、設置面積に対する発電出力に優れた受光素子モジュールを得ることができる、という効果を奏する。また、製造に要する時間が短く、多様な電極材料を使用でき、低コスト、簡便な方法で低抵抗の電極を得ることができる。
なお、前記実施の形態では素子電極を平面配置し、第2の素子電極を交差させた構造としたが、一方の極の電極の電流取り出し電極15もしくは素子間接続部31を集電電極14と交差させる構成としてもよい。従来の受光素子モジュールにおいては、両極の電流取出し電極及び素子間接続部の位置及び本数を合わせる必要があったが、上記構成によれば両極間の電流取出し電極15及び素子間接続部31と、他方の極性の電極の電流取出し電極の数及び位置とを合わせなくてもよくなり、素子電極部分における抵抗を低減することができる。これは、2つの極性の電極を層構造とし、一方の極の電極の電流取出し電極15もしくは素子間接続部31を集電電極14と交差させることによって得られる効果である。
実施の形態2.
図10は本実施の形態2の受光素子モジュールを裏面側から見た平面図である。図11は、実施の形態2で用いられる受光素子モジュールを構成する受光素子及び素子間接続体との位置関係を模式的に示す斜視図である。図12(a)は、実施の形態2の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体を示す平面図、図12(b)、図12(c)、図12(d)及び図12(e)は、図12(a)のI−J断面図、K−L断面図、M1−N1断面図及びM2−N2断面図である。M1−N1断面図は、集電電極14の存在する部分をとおる断面を示し、M2−N2断面図は、線状電極12の存在する部分をとおる断面を示す部分である。ここでは、モジュールの状態の素子間接続体をストリングの繰り返し単位ひとつ分で取り出したもので、図12(b)、図12(c)、図12(d)、図12(e)では素子間接続体30と素子とが接続された際の接着層26の位置関係が分かるように接着層26を記載している。図10では、見易さのため、フレーム、ジャンクションボックスの図示を省略している。なお、図12(a)〜12(e)は電極パターンを模式的に記載した図であり、実際の電極本数は図面よりも多い。
本実施の形態の素子間接続体30は、前記実施の形態1で説明した受光素子モジュールの素子間接続体30と同様、背面側に第1及び第2の素子電極を有する背面接続型の受光素子10a〜10fを接続するものである。素子間接続部31は、可撓性を有する導電体箔で構成される。そして図12(b)に示すように、受光素子の背面全体を覆う本体部32と、本体部32の背面に接続され、隣接する受光素子の第2の素子電極に接続される素子間接続部31とを備える。素子間接続体30の本体部32と素子間接続部31とは電気接続体によって接続されている。素子間接続体30の本体部32と素子間接続部31とを接続するにあたって、電気接続体を用いることなく、スポット溶接、熱圧着等で直接的に接続されていてもよい。
また、本実施の形態において、本体部32はスリットSすなわち切欠きを持たず、受光素子10を構成する半導体基板11全体を覆っている点で前記実施の形態1と異なる。さらに、素子間接続体30の本体部32と素子間接続部31が個別の2つの部品から構成されている点が異なる。他の部分については前記実施の形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。ここで図12(a)は、素子間接続体30を背面から見た図であり、素子間接続部31は本体部32の背面に接続されている。素子間接続部31が本体部32よりも素子側にある場合に比べ、素子間接続部31が本体部32よりもモジュールの背面側にあるほうが、素子間接続部31と、電流取出し電極15との短絡を防ぐことができる。
図12(b)のI-J断面及び図12(d)のM1−N1断面では、素子間接続体30の本体部32の受光面側には接着層26が存在し、素子間接続体30の本体部32と素子間接続部31とは絶縁される。その一方で、図12(c)に示すK−L断面及び図12(e)のM1−N1断面のO31以外の部分においては、絶縁層26が選択的に存在しない部分を有し、素子間接続体30の本体部32の受光面側に絶縁層26がない部分では電気接続体21を介して素子電極である線状電極12と接続される。図12(d),12(e)の凹部O31の部分には隣接する受光素子に接続される素子間接続部31が位置し、絶縁層26によって素子間接続体30の本体部32と絶縁される。
そして素子電極のうちの一方の電極である線状電極12(及び電流取出し電極)に選択的に接続された本体部32と接続された素子間接続部31が、隣接する受光素子10の第2の素子電極である電流取出し電極15に当接している。第2の素子電極である集電電極14も一定の間隔でストライプ状すなわち線状をなして形成されており、集電電極14と交差する2本の電流取出し電極15を有している。電流取出し電極15に沿って素子間接続部31が当接しているため、第2の素子電極の集電距離を小さくすることができるため、集電抵抗の低減をはかることができる。
本実施の形態についても前記実施の形態1の受光素子モジュールと同様、樹脂封止がなされ、図13に断面図を示す受光素子モジュールが得られる。本実施の形態2では、図13に示すように受光素子10上に位置する、素子間接続体30の本体部32と、隣接する素子間接続体30の素子間接続部31の一部とが、素子上で積層され、電気的に接続される部分を有する。従って、本実施の形態2の場合には、素子間接続体30の素子間接続部31−素子間接続体30の本体部32−素子間接続体30の素子間接続部31という積層構造部分ができてくる。本体部32と素子間接続部31との積層構造を含む場合は、実施の形態1にくらべて図13中のα部分において素子間接続部31が積層されている部分の長さの分だけ、電流取りだし電極15と素子間接続部31とが接続される長さが長くなり、集電電極14から素子間接続体30の素子間接続部31に到達するまでの水平距離が短くなるため、素子端部での素子電極上の集電抵抗を小さくすることができるという利点を有する。
実施の形態1においては、電流取出し電極15の部分において、素子間接続体30の素子間接続部31が同一素子上の素子間接続体30の本体部32と重ならない構造となっているが、本実施の形態2では、素子間接続部31が本体部32と重なっている。つまり電流取出し電極15のおおよそ全体に素子間接続体30の素子間接続部31が接続され、同一素子上の背面側に接着層26を介して素子間接続体30の本体部32が形成され、さらに本体部32の背面側の一部領域に対して電気接続体33を介して素子間接続部31が積層される構造となる。本体部32に素子間接続部31が積層される場合、本体部32は、図13中β、γ部分に示すように、電流取出し電極15の上の素子間接続部31との積層部分において、積層部分以外の本体部32よりも素子裏側すなわちモジュールの非受光面側に突出した形状となる。
実施の形態2のように、同一素子上の素子間接続部31と素子間接続体30の本体部32とが接着層26をはさんで重なり合う部分を有する構造の場合、素子間接続部31と電流取出し電極15との接続長さが長くでき、集電電極14及び電流取出し電極15での集電抵抗が小さくなるという利点を有する。具体的には、図13中α部分では、電流取出し電極15の全域にわたって素子間接続部31を接続しており、電流取出し電極15しかない場合に比べα部分に素子間接続部31が延伸する分だけ、実施の形態1の素子モジュールよりも集電抵抗を小さくすることが出来る。
一方で、重なり部分は、例えば、電気接続体21に突起部がある場合等に短絡する要因となるため、電気接続体21の材料によっては低減することが好ましく、実施の形態1のように切り欠き部を有する場合は重なり部分を低減できる。さらに実施の形態1では、本体部32と電流取出し電極15の重なる部分において素子間接続体30の素子間接続部31がなく、電流取出し電極15に接続されないようにすることによって、素子間を接続する素子間接続部31と面状の本体部32とが重ならないようになり、絶縁性を向上させている。
上記素子間接続体30の素子間接続部31、本体部32、及び線状電極12、電流取出し電極15は、電気接続体によって接続される。本実施の形態2においては、図13に示すように素子間接続体30の本体部32の背面側と素子間接続部31との間、及び、電流取出し電極15と素子間接続体30の素子間接続部31との間は第2の電気接続体33で接続され、素子間接続体30の本体部32の背面側と線状電極12との間は電気接続体21で接続されている。
電気接続体21と電気接続体33としては、同じ材質のもの、あるいは、それぞれに異なるものを使用しても良く、更に、素子間接続体30の素子間接続部31、本体部32、及び線状電極12と電流取出し電極15の各部位すべてに異なる電気接続体を形成してもよい。また、互いに異なる電気接続体21と電気接続体33とを用いる部位の組み合わせとしては、例えば電気接続体30の本体部32−線状電極12間、電流取出し電極15−素子間接続部31間の接続部には電気接続体21を、素子間接続部31−電気接続体の本体部32間との接続部には電気接続体33を用いるようにしてもよく、接続するための部位と電気接続体とは任意に組み合わせてよい。なお、素子間接続部31の大部分には電気接続体33を形成し、素子間接続体30の本体部32と接続する部分だけ電気接続体21を形成することも可能である。
素子間を接続してストリングを形成するために加熱する際に素子電極と素子間接続体31が外れないように、電気接続体21及び33の溶融温度は異なっていてもよく、実施の形態2の場合、電気接続体33のほうが電気接続体21よりも溶融温度を低くする。電気接続体によって各部位を接続する際に、はじめに電気接続体21を高温で溶融させて、電流取出し電極15と素子間接続部31、及び素子間接続部31と本体部32を接続する。そして、次に電気接続体21が溶融せずに電気接続体33が溶融する温度で加熱して本体部32と線状電極12とを接続することにより、後者の加熱の際に前者の電気接続体21による接続部が溶融せずに場所を保持することができるため、ストリングを作成し易いという利点がある。電気接続体が使用される場所と溶融温度の高低の組み合わせは製造の順番に従って上記とは逆にしてもよい。電気接続体としては、錫銀系はんだ、錫ビスマス系はんだ、金属錫等のはんだを用いることができる。
本実施の形態の受光素子モジュール1によれば、受光素子全面を素子間接続体30の本体部32が覆っているため、特に接着層26に散乱性をもたせなくても、本体部32による反射により、素子内での十分な光吸収が実現される。従って、受光素子10の第1の素子電極との接続点すなわち接続領域以外の部分の本体部表面を、受光素子を透過する光に対する反射性が高い光反射体で形成するだけでよいため、構造も簡略化される。第1の素子電極である線状電極12及び第2の素子電極である集電電極14の隙間から受光素子10a〜10fに反射光が入射し、光電変換効率を高めることができる。特に、受光素子モジュールの外観を黒色とする等の目的で、裏面側主面材25等の素子背面側が黒色材料等の光反射性が低い材料を用いる場合に、有効である。
変形例1.
なお、素子間接続体30の素子間接続部31と本体部32とが別の部材から構成されている実施の形態2の構成においても、図14(a)〜図14(c)に素子間接続体の変形例1を示すように、本体部32に素子間接続部31に符合するようにスリットSを形成してもよい。図14(a)は、実施の形態2の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体を示す平面図、図14(b)、図14(c)、図14(d)及び図14(e)は、図14(a)のI−J断面図、K−L断面図、M1−N1断面図及びM2−N2断面図である。M1−N1断面図は、集電電極14の存在する部分を示す。M2−N2断面図は、線状電極12の存在する部分を示す部分である。図14(a)〜(e)の図はモジュールの状態の素子間接続体30をストリングの繰り返し単位ひとつ分を取り出したものでありモジュール封止材、受光素子等の周辺部材の記載を省略しているが、図14(b)、図14(c)、図14(d)、図14(e)では素子間接続体30と素子とが接続された際の接着層26の位置関係が分かるように接着層26を記載している。具体的には、図14(d)のM1−N1断面においてはO12部分で示される接着層26を有しない部分において素子電極の内の他方である線状電極12が素子間接続体30の本体部32と電気接続体21を介して接続され、図14(e)のM2−N2断面においては、接着層26によって素子電極の内の一方である集電電極14が素子間接続体の本体部32と絶縁され、図14(c)のK−L断面においては、接着層26を有する部分では接着層26によって集電電極14が素子間接続体の本体部32と絶縁される一方で、接着層26を有しない部分において線状電極12が素子間接続体の本体部32と電気接続体21を介して接続される。スリットSが形成されている以外は、前記実施の形態2と同様であるため、ここでは説明を省略するが、同一部位には同一符号を付した。変形例1の場合、集電電極14に接続される電流取出し電極15のおおよそ全体に素子間接続体30の素子間接続部31が接続され、同一素子上の背面側に接着層26を介して素子間接続体30の本体部32が形成され、さらに本体部32の背面側の一部に電気接続体33を介して素子間接続部31が積層される構造となる。なお図14(a)〜(e)では、素子電極は図示を省略している。
図13のように素子間接続部31、本体部32、隣接する素子間接続部31が積層される部分を有する場合に比べて、スリットSを有し、素子間接続部31、本体部32、隣接する素子間接続部31が積層されない場合は、図13中の積層部分であるγ部がなくなり、素子間接続部31が本体部32と積層されるのはα部付近のみとなる。なお、変形例1のスリットを有する素子間接続体30を有する構造では、素子間接続体30の素子間接続部31と素子間接続体30の本体部32とが別の部品からなる以外は前記実施の形態1と同様である。このため、図14に示した変形例1の構成によれば、素子間接続体30の素子間接続部31と本体部32とに別の部材あるいは異なる厚みのものを用いることができるという実施の形態2の効果に加え、図9に近い構成になることによって本体部32がモジュール背面側に突出した形状である図13中β部に相当する部分を低減することができ、平坦性を維持し、絶縁性を高めることができる。
更に、素子間接続部31と本体部32が別の部材から構成されるため、実施の形態1とは異なり、ストリング端部においてもストリング内部の素子間接続体と異なる形状の素子間接続体を使用する必要がなくなるという利点を有する。また、本体部32を接続した後から素子間接続部31を接続することができ、素子間接続体30の素子裏部である本体部32を素子に接続する工程と、ストリングを形成する工程としての素子間接続体30の素子間接続部31を素子に接続する工程とを分けて実施し易くなるという利点を有する。
また、実施の形態2においては、本体部32と素子間接続部31とを別の部品から構成しているため、材料及び板厚については適宜選択可能である。素子間接続部31が本体部よりも低抵抗となるようにしてもよい。低抵抗とするためには板厚を厚くするあるいは、比抵抗の小さい材料で形成するのが好ましい。素子間接続体30の素子間接続部31としては、厚み0.2mm、幅1mmから2mm程度の銅の平板を用い、素子間接続体30の本体部32としては厚み0.02mm、素子と同程度の大きさの銅の箔をスリットS形状に打ち抜いたものを用いることができる。
なお、本体部32と素子間接続部31とを同一部材で形成する場合には、切れ目をいれておき、切れ目の部分を起こすことにより、切起こし部を形成し、切り起こしの結果スリットSが形成される。別部材で形成する場合は、切起こし部は切起こして本体部に沿うように成型してもよいし、起立状態としてもよい。
変形例2.
以下実施の形態1,2の変形例について説明する。まず、素子電極のパターンとしては、実施の形態1,2いずれの構造においても、図4(a)に示したパターン以外にも適宜変更可能であり、例えば、図15,図16に示すようなパターンとすることができる。つまり、図15,図16に示す素子電極構造の場合は、一方の極性の電流取出し電極15が素子を横断しきらずに、他方の極性の電流取出し電極13が形成される。変形例2の素子電極構造を持つ受光素子の場合、モジュール化する際には、隣接する素子のうちの一方の側の素子間接続体30の素子間接続部31が電流取出し電極15に接続される。そして、隣接する他方の側の素子間接続体30の素子間接続部31が電流取出し電極13及び集電電極14の上を覆う素子間接続体30の本体部32の上に接続される。従って、隣接する2つの素子間接続体30の素子間接続部31が積層されない構造となる。図15,16中の電流取出し電極13部分において、接着層26を介さずに素子間接続体30の本体部32が広い面積で直接的に素子と接続され、一方の極性の電流取出し電極15上に直に素子間接続部31が接続されるため、素子間接続体30と素子電極との密着性を高めることができ、信頼性に優れた受光素子モジュールを得ることができる。また、電流取出し電極13の部分には素子間接続体30の素子間接続部31がなく、電流取出し電極13の部分では素子間接続体30の本体部32が他の線状電極12との接続部と同程度の高さとなるため、実施の形態1と同様に素子間接続体30の本体部32を一部の素子端部の電極上でモジュール裏側方向へ突出するように曲げる必要がなくなる。従って、素子間接続体30の本体部32と素子基板である半導体基板11との間の接続が容易になるという利点を有する。
また、上記のいずれの電極パターンにおいても外周部を線状電極12で囲うことで、素子端部の素子間接続体30の本体部32を素子に固定することができるという利点を有するが、接着層26と素子間接続体30の本体部32との間の密着性がよいものを用いる場合はこの限りではなく、集電電極14が最外周に来るようにすることもでき、集電電極14が最外周まで到達することで、素子端部の電荷収集効率を上げることができる。
また、上記のいずれの電極パターンにおいても電流取出し電極15がひとつながりの直線的な形状となっているが、連続的に形成されている必要はなく、例えば島状の電極が離間して断続的に形成されていてもよい。島状の電極が断続的に形成された構造の場合でも、素子間接続体30の素子間接続部31が各島状の電極部分に接続されることによって、離間した各島状電極間の導通をとることができる。島状の電極が断続的に形成された構造の場合、電極材料の使用量を低減することができる。
変形例3.
また、素子間接続体30の本体部32は、導電体箔、例えば銅箔をあらかじめプレスして、凹凸形状とすることで、受光素子の素子電極との密着性を良好にしたり、素子の反りを低減することができる。変形例として、図17に斜視図を示すような素子電極に対して斜め、例えば45度の角度をなして交差するような凹部32R、凸部32Pをもつような凹凸形状に成型してもよい。本体部32は、一方の電極の線状電極12及び電流取出し電極とは電気接続体21を通じて導通され、他方の電極の集電電極14とは接着層26によって絶縁される。
上記構成の他にも、一方の線状電極12と対応する部分の本体部32に対して、集電電極14及び電流取出し電極15の部分において、素子間接続体30の本体部32はモジュール受光面側に対して引っ込んだ形状である凹部となり、線状電極12と対応する部分においては、相対的にモジュール受光面側に対して飛び出した形状である凸部としてもよい。
素子間接続体30の本体部32は、図17中の32Pで示される凸部及び32Rで示される凹部を有し、可撓性を有する導電体を用いるのが好ましい。素子間接続体30の本体部32として可撓性を有する導電体を用い、導電体が一部の電気的に接続される領域以外の部分においては受光素子10に直接固定されない構造とする。これにより、受光素子10と接続されていない部分において素子間接続体30の本体部32が変形し、受光素子基板と素子間接続体30の本体部32との間の熱膨張率差によって生じる受光素子10の変形及び受光素子10への応力を緩和することができる。以上のようにして、受光素子10の反りが少なく強度及び長期信頼性及び生産性に優れた素子間接続体付き受光素子10及び受光素子モジュール1を得ることができるという効果を有する。素子間接続体30に対して、接着層26は絶縁層として機能するとともに、受光素子10と素子間接続体30との間を固定するとともに変形可能な層として機能することにより、応力を緩和する層としても機能する。図17に示した構造の他、素子間接続体30の本体部32の凸部のパターンとしては、ストライプ上の凹凸部が交差した形状とすることができる。凹凸部は例えば0.1から5mmピッチで形成することができる。
図4(b),図4(c),図4(d)では、素子間接続体30の本体部32の凹凸部については記載を省略しているが実際には実施の形態1において素子間接続体30が凹凸部32R,32Pを有するものを用いるほうが素子の反りが低減でき、好ましい。本体部32を平板状に成型し、受光素子との接合工程で凹凸が形成されるようにしてもよい。また、後述する図19(a)に示すように、素子間接続体30のすべての凸部32P全体が線状電極12と接続されているのが配線抵抗の低減という観点からは、好ましい。しかしながら、素子間接続体30のすべての凸部32P全体が線状電極12と接続されている必要もなく、少なくとも素子上のひとつながりの線状電極12に対して一箇所の接続点が生じていればよいため、とる断面によっては線状電極12と素子間接続体30の本体部32の凸部32Pが一対一で対応していない場合がある。
素子間接続体30の本体部32に可撓性をもたせるために、本体部32の厚みを薄くすることで、導電性が低くなる場合がある。本体部32の導電性の低下のため受光素子10から隣接する受光素子10へと電流が流れる際に抵抗損失により光電変換効率が低下する場合、図示しないが素子間接続体30の本体部32の非受光面側に外側部分として導電体を積層することも可能である。本体部32に導電体を積層することによって、外側部分が導電体として働き、素子のモジュール化時の光電変換効率の低下を抑制することができる。
変形例4.
また、前記実施の形態1,2では、素子間接続部31は1ストリングあたりに2本で構成したが、図18に示すように、4本の素子間接続部31を形成する等、素子間接続部31の本数はもっと多くてもよい。バス電極すなわち電流取出し電極の本数は、多い方が、集電電極14の集電距離が短くなり、集電抵抗が低減できるという利点を有する。また電流取出し効率を上げるためには素子電極間の距離を少数キャリアの拡散長よりも長くする必要があり、バス幅すなわち電流取出し電極幅を半導体素子基板内の少数キャリアの拡散長よりも細くすることが好ましい。従って、1−10Ω・cm程度の比抵抗のn型シリコン基板の場合の電極幅の一例としては1.5mm程度以下が好ましい。また、素子の反りを低減するために、電気接続体21の溶融温度が300℃程度の場合、素子間接続体30の素子間接続部31の厚みも半導体素子基板と同等以下の厚みであることが好ましい。
また、本変形例では素子間接続体30の本体部32と、受光素子10の線状電極12とは、電気接続体21で接続され、素子間接続体30の素子間接続部31と素子間接続体30の素子裏部分である本体部32、及び、素子間接続体30の素子間接続部31、電流取出し電極15とは電気接続体33によって接続される。図18では素子間接続体21,33の図示を省略している。素子間を接続してストリングを形成するために加熱あるいは接着する際に素子電極と素子間接続体の素子間接続部31が外れないように、電気接続体21及び33の溶融温度あるいは接着温度は異なっていてもよい。素子間を接続してストリングを形成するために加熱する際に素子電極と本体部32が素子電極から外れないようにするためには、素子間接続部31と電流取出し電極15とを接続する電気接続体33のほうが溶融温度あるいは接着温度が低くなるようにする。電気接続体33としては、錫銀はんだ、錫ビスマスはんだ、導電性接着剤等の導電性の接続部材を用いることができる。上記電気接続体33の材料としては、電気接続体部分を形成する際に必要な温度が低いほうが、接続体接合後に室温まで温度を下げた際の受光素子及び素子間接続体30の素子裏部分である本体部32への応力が低下し、したがって、受光素子10の反りが少なく強度及び長期信頼性に優れた受光素子モジュールを得ることができ、より好ましい。なお、上記電気接続体が使用される場所と溶融温度の高低の組み合わせは製造の順番に従って上記とは逆にしてもよい。
なお、前述したように、図3,4(a),7(a),7(b),7(c),11,15,16,18において線状電極12、集電電極14、接着層26はX方向に10本程度しか記載されていないが、上記図面は模式的に記載された図であり、電極本数は実際のものとは異なる場合もある。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3として、素子間接続体付き受光素子の他の例について説明する。本実施の形態1,2及びその変形例で用いられる受光素子としては、ヘテロ接合受光素子以外にも不純物ドーピングにより接合を形成した受光素子でもよい。上記受光素子の構造としては図19(a)〜図19(c)に示すような受光素子を用いることができる。基板の受光面側にテクスチャと呼ばれる凹凸を有しているのが好ましいが、本実施の形態の図19(a)〜図19(c)では基板の凹凸を省略して記載している。図19(a)は、本実施の形態の素子間接続体付き受光素子の断面図であり、図19(b)は、図19(a)の部分Aの拡大断面図であり、図19(c)は、図19(a)の部分Bの拡大断面図である。
本実施の形態の素子間接続体付き受光素子10は、第1の素子電極である線状電極12と、第2の素子電極である集電電極14とが第1パッシベーション膜18aに形成された第1の開口部12h、第2の開口部14hにおいて素子基板とコンタクトを形成すると共に、線状電極12が集電電極14よりも突出して、形成されている。そして線状電極12は素子間接続体30の本体部32の凸部32Pで線状電極12に当接し、直接電気的接続を達成する。一方、集電電極14は接着層26を介して本体部32に当接し、機械的接続を達成する。図19(a)〜図19(c)に示す断面では素子間接続部31が見えないが、実施の形態1において図9に示したのと同様に素子間接続部31は電流取出し電極15に当接して接続される。半導体基板11としては、単結晶n型シリコン基板が用いられ、半導体基板11の受光面には表面電界層17Sとしてリン拡散によって形成されたn型拡散層である、n型ドープ領域17を有する。そして、表面側の反射防止膜を兼ねた第2パッシベーション膜18bとして酸化シリコン膜、第2パッシベーション膜18bに積層して、アモルファスシリコン窒化膜からなる第3パッシベーション膜18cが形成されている。裏面側には、素子電極の正極と負極に対応する部分の基板内に、リン拡散によって形成されたとボロン拡散によって形成されたp型ドープ領域16とを有する。そして、素子電極と素子基板との接続点を除き、n型ドープ領域17及びp型ドープ領域16の表面を含むほぼ全面が第1パッシベーション膜18aで覆われている。第1パッシベーション膜18aとしてはシリコン酸化膜及びアモルファスシリコン窒化膜の積層体が用いられる。n型ドープ領域17とp型ドープ領域16の一部においては第1パッシベーション膜18aに第1の開口部12h、第2の開口部14hが形成され、金属電極がn型ドープ領域17とp型ドープ領域16と接触することにより基板から電流を取り出す役割を果たす。
なお、図19(a)〜図19(c)に示した受光素子では負極と正極の第1及び第2の開口部12h,14hが同一断面上にあるが、実際は、各開口部間のピッチが異なるため、素子断面により正極と負極の開口部が形成されているとは限らない。また、素子間接続体30の本体部32が有する凹凸に関しても電極ピッチと同じ間隔で形成されていなくてもよい。また、素子間接続体30のすべての凸部32Pが素子電極と接続されていなければならないわけではなく、素子上のひとつながりの線状電極12に対して一箇所の接続点が生じていればよい。
線状電極12、集電電極14及び電流取出し電極15等の電極が図19(a)〜図19(c)に示すように多層膜で形成される。ここでは、一方の極性の電極部分、例えば集電電極14、集電電極14の電流取出し電極15が形成される部分にp型ドープ領域16、他方の極性の電極部分である線状電極12にn型ドープ領域17が形成されている。素子電極である線状電極12は、図19(c)に示すように、負極第1層12a、負極第2層12b、負極第3層12c、負極第4層12dの4層構造で構成される。また集電電極14、電流取出し電極15としては、図19(b)に示すように、正極第1層14a、正極第2層14b、正極第3層14cの3層構造で構成される。正極、負極のいずれも接触抵抗が小さく反射率の高いアルミニウムが基板上に直接形成され、アルミニウムの上にチタンタングステン(TiW)、銅、銀、錫等が積層形成される。以上のように正極、負極のいずれも反射率の高いアルミニウムが基板上に直接形成されていることで、反射性が極めて良好なものとなっている。実際の製造では、例えば、反射層として40nm程度のアルミニウムを蒸着等により素子の裏面に形成しておき、3%程度の水素を含む窒素ガス雰囲気下で400℃程度に加熱することによりアルミニウムとシリコン基板との間の接触抵抗を低下させることができる。そして、アルミニウム層の上から蒸着、電気めっき等の薄膜形成により他の金属電極を積層して電極を作成していくことができる。
電極として本実施の形態3では線状電極12を負極とし、集電電極14及び電流取出し電極15を正極とする。負極はn型ドープ領域17と接続するとともに正極はp型ドープ領域16と接続する。図19(a)〜図19(c)ではp型ドープ領域16の幅がn型ドープ領域17の幅よりも大きい。実施の形態1でも説明したように、p型ドープ領域16とn型ドープ領域17に対する表面パッシベーションの効果が同等である場合は、pn接合の面積がn+n接合の面積よりも大きい方が、光生成キャリアがpn接合にたどり着き、発電に寄与する割合が高くなるという効果があるが、パッシベーション膜の組み合わせによってはこの逆でもよい。例えば、SiO2のようにp層に対するパッシベーション能力の低い材料がパッシベーション膜として使用されている場合は、p型ドープ領域の面積が小さいほうがよい場合がある。p型ドープ領域16の面積が小さいほうがよい場合はp型ドープ領域16を線状電極12側にしてもよい。
上記素子に形成される素子電極は、素子の同一面に正極と負極を有するため、正と負の電極間の絶縁を確実にする構造をとることが好ましい。正と負の電極間の絶縁を確実にするために、図19(a)に示す素子電極の主に集電電極14上は、絶縁層である接着層26で覆われ、線状電極12と絶縁される。絶縁層としては気体を含む空隙等を含んでもよいが、本実施の形態3では、線状電極12の大部分は外部に露出し主に集電電極14を覆うように接着層26を形成し、モジュール状態では図19(a)に示すように、主に集電電極14と素子間接続体30の本体部32との間を絶縁するとともに、線状電極12の大部分は素子間接続体30の本体部32と接続された状態にする。図には記載されていないが、電流取出し電極15に素子間接続部31を接続した後に、素子間接続部31の上及び、電流取出し電極15の端部の一部のみを除き、図9あるいは図13に示すように接着層26を形成する。接着層26を形成する際、接着層26は線状電極12の上に一部重なってもよい。また、本体部32にスリットSを有する場合は、接着層26で素子間接続部31を覆わなくてもよい。
接着層26の形成に際しては、いったん本体部32と半導体基板11との間で予定されるギャップよりも厚く接着層26を形成しておき、形成後に本体部32を半導体基板11に押しつけて接着層26を横方向に広げる方法を用いることができる。上記方法の場合、本体部32を圧着する前に形成される接着層26の幅は線状電極12間の離間距離より細く形成される。接着層26は同一基板上の素子電極間のみならず、素子間接続体30と素子電極の間も絶縁する機能を有し、実施の形態1と同様に本実施の形態3では素子間接続体30の本体部32と、素子間接続体30の素子間接続部31及び電流取出し電極15の素子端部との間を絶縁する機能も有する。また、受光素子10の集電電極14と素子間接続体30の本体部32との間の絶縁性を高める機能を有する。
以上のように本実施の形態3では、実施の形態1と同様、素子間接続体30の本体部32と受光素子基板である半導体基板11との間に接着層26が挟まれる構造である。従って、接着層26の熱膨張率を半導体基板11と素子間接続体30との中間値とすることにより、半導体基板11と素子間接続体30の本体部32との間での膨張係数差によって生じる反りあるいは応力を接着層26において緩和することができるという利点を有する。また、素子間接続体30の本体部32は平坦ではなく凹凸構造を有しており、凹凸部が変形することによっても膨張係数差によって素子に生じる反りあるいは応力を接着層26において緩和することができるという利点を有する。当該素子間接続体30の本体部32の凹凸構造のパターンとしては図17に示したもの、ストライプ上の凹凸部が交差した形状等を用いることができる。従って、本実施の形態3の受光素子10は、素子間接続体30の本体部32として素子裏に直に電極層が形成されるよりも厚みのある部材を使用することができるため、集電抵抗の小さい受光素子とすることができるという利点を有する。特に素子面積が大きい素子において効果が大きい。また、素子基板と素子間接続体30の膨張係数の違いを緩和するため、素子間接続体30は銅を張り合わせたインバー、コバール等の、膨脹係数が半導体基板と近い金属等の板状導体を用いるあるいは、樹脂中に金属粒子を有するもの等の柔らかい材料を用いることもできる。
以上のように、集電電極14と素子間接続体30の本体部32との間、電流取出し電極15と素子間接続体30の本体部32との間、集電電極14と線状電極12との間を絶縁するために、素子間接続体30の本体部32と受光素子10上の電極との間のはんだ付けされている部分以外の部分は接着層26によって絶縁される。接着層26としては、具体的にはエチレンビニルアセテート、ポリイミドあるいはフィラーを含むエポキシ等の樹脂等やガラスフリット、CVDで成膜されたSiO2膜、シリコン窒化膜等の無機膜あるいは樹脂と無機粒子の複合体等を用いることができる。ただし、受光素子10を透過した光を素子間接続体30で反射させて再度受光素子10に入射させるために、できる限り光の吸収がないものを用いることが好ましい。また、フィラーは熱膨張係数を受光素子に近づけるための調整剤としても用いられる。
素子間接続体30の本体部32は、例えば導電体箔からなり、例えば一方の面に錫銀はんだを形成しておきプレス加工、簡易的な型を用いた加工であるトムソン加工等により、素子間接続体30の本体部32及び素子間接続部31を別々に、あるいは一体的に形成することができる。また、あらかじめ図19(a)のような凹凸形状を有していてもよく、例えば銅箔をあらかじめプレス加工等の加工により凹凸をもたせておけばよい。また、素子間接続体30の本体部32は可撓性を有することが好ましい。
素子間接続体30の本体部32の厚さとして、例えば0.001〜1.0mmとする。形成されている凹凸の高低差は例えば0.01〜0.5mm程度とすることができる。また、素子間接続体30で接続される隣接する2つの受光素子10は若干の間隔を開けて配置され、隙間部分では素子間接続部31、受光素子10の受光面、裏面側主面材25とで受光面側からの見え方が異なる。従って、必要であれば隙間部分だけ素子間接続部31の受光面側に塗料を塗布する、あるいは遮光テープを貼る等の方法により、隙間部分の外観を他の裏面側主面材25部分とほぼ同じにすることができる。
素子間接続体30の素子間接続部31は、一方の端が受光素子10の裏面に形成された電流取出し電極15と接続され、他方の端は隣接する素子間接続体30の本体部32に接続される。本体部32は上記受光素子10とは別の受光素子10の裏面側に形成された素子上の線状電極12に接続され、隣接する2つの受光素子10間の電気的接続を達成する。素子間接続体30と、受光素子10の電流取出し電極15と別の受光素子の線状電極12とは、電気接続体21、電気接続体33等の導体薄膜で接続される。素子間接続体30の素子間接続部31と素子間接続体30の本体部32とを別の部品から構成し、本体部32と素子間接続部31とを接続する場合は、本体部32と素子間接続部31との間も電気接続体21あるいは電気接続体33によって接続してもよい。素子間を接続してストリングを形成するために加熱する際に素子電極と素子間接続体30が外れないように、電気接続体21及び33の溶融温度は異なっていてもよい。上記構造の場合製造工程に応じて接続工程が後になる部分の溶融温度あるいは接続温度が低くなるようにするのが好ましい。電気接続体21及び33としては、錫銀はんだ、錫ビスマスはんだ等を用いることができる。電気接続体21の材料としては、電気接続体21部分を形成する際に必要な温度が低いほうが、接続体接合後に室温まで温度を下げた際の受光素子及び素子間接続体30の本体部32への応力が低下し、受光素子の反りが少なく強度及び長期信頼性に優れた受光素子モジュールを得ることができ、好ましいため、電気接続体33も含めて極力低温で形成できる材料を用いることが好ましい。電気接続体21及び33の材料としては、はんだ等の導体薄膜以外にも金属粒子あるいは樹脂材料を含有する導電性樹脂等を用いることができる。
線状電極12と素子間接続体30とを電気的に接続する電気接続体21は、素子間接続体30の素子間接続部31の全面と素子間接続体30の本体部32の素子側の面を広く覆っていてもよいが、例えば素子電極付きの素子を溶融はんだ槽に浸漬して後述する図20に示すように、自己整合的に集電電極14、電流取出し電極15及び線状電極12等の素子電極上の素子間接続体30との接続部分だけにはんだ層を形成してもよい。接続部分だけに選択的にはんだ層を形成する場合、電極上に電気接続体21が存在し、本体部32上に形成される電気接続体21が無くてもよいため、電気接続体21を含めた本体部32の厚みが薄くて済むため、素子と素子間接続体30との熱膨張係数差による反り及び応力を低減できるという利点を有する。また、図21に示すようにはんだめっき層からなる電気接続体21が本体部32の素子側の面全体を覆っており、かつ受光素子10の光吸収係数が小さい波長領域における電気接続体21の光反射率が高くない場合は、接着層26に二酸化チタン粒子等の光反射体あるいは散乱体を含ませて光を反射させることが好ましい。光反射体としては粒子のみでなく、誘電体積層膜、例えばSiO2とTiO2を積層させた誘電体多層膜等の反射膜を素子裏に成膜したものを使用することができる。なお、受光素子10の光吸収係数が小さい領域とは、例えば受光素子がシリコンからなり、200マイクロメートル程度の厚みの基板を用いた場合、おおよそ900nmから1300nmの波長領域である。基板の厚みが数十マクロメートル程度まで薄い場合は、より短波長側の波長領域でも素子裏面側の材料の反射率が高いことが好ましい。
また、線状電極12、集電電極14等の素子電極は単一の金属層である必要はなく、素子間接続体30の本体部32との接続を担う表面層としてめっきによってニッケル及び錫が銅等の下地層表面に形成されていてもよい。素子電極部分のみではなく素子間接続体30の本体部32もめっきを施して電気接続体21との接続性を向上させてもよい。例として、例えば素子間接続体30の本体部32としてアルミ箔を用い、本体部32の素子電極側の面の表面層としてめっきによってニッケル及び錫が形成され、電気接続体21として錫銀はんだ層が主に素子間接続体30と素子電極との間の部分に形成されたものでもよい。上記以外にも、素子間接続体30の本体部32の凸部のパターンとしては、ストライプ状の凹凸部が交差した形状等とすることができる。
実施の形態3の素子間接続体付き受光素子における、素子電極の更なる変形例として、主に素子電極上にのみ電気接続体21が形成され、一方の素子電極の一部でのみ素子間接続体30の凸部と接続される場合、電極が複数層からなり一層目が反射層として働き当該反射層よりも外側の層が電気伝導を主に担う場合、素子電極を構成する線状電極12と集電電極14の高さが同じ場合をそれぞれ変形例5,6,7として図20〜図23に示す。
変形例5.
図20に示す素子構造では、例えば受光素子を溶融はんだ槽に浸漬させることにより、素子電極である線状電極12、集電電極14の上に電気接続体21としてのはんだ層を自己整合的に形成させたものである。なお、はんだ層を自己整合的に形成する際、一方の極の電極と他方の極の電極を異なる材料としたり、集電電極14の表面だけ無機物で覆われるようにして、一方の電極にのみはんだがつくようにしてもよい。また、電気接続体21としては、はんだ以外にも金属粒子と樹脂の混合物を塗布したもの等を用いてもよい。他部については図4(b)〜図4(d)に示した前記実施の形態1と同様であるため説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。
ただし、本体部32と素子間接続部31とは別の部品から構成され、厚みが異なっていてもよい。はんだを用いた選択めっきにより電気接続体21を形成することにより、主に素子電極がある部分にのみ電気接続体21が形成されるため、反射率の低い電気接続体21を用いても電気接続体21による光の吸収が少なく、素子間接続体30の本体部32で光を反射することができるようになるという利点を有する。
また、本変形例のように電流取出し電極15及び線状電極12に電気接続体が形成される場合、本体部32は電気接続体21を有しなくても良く、広い面積を有する本体部32の全体に電気接続体21を形成しなくて良くなる。一般的に、例えば太陽電池には導電率の高い金属として希少性の高い銀電極が素子電極によく使用されるが、本実施の形態によれば素子間接続体30が導電を担うため素子電極に使用する金属量を減らすことができる。従って、太陽電池を製造する際に使用するに銀の量を減らすことができ、省資源、低コスト化することができるという利点を有する。
また、電気接続体21は用いなくても良く、例えば素子間接続体30の本体部32として低融点金属等を用いて素子間接続体30自身を溶融させることにより電気接続体21及び第2の電気接続体33の代わりとしてもよい。
なお、さらなる変形例として、反射率の高い電気接続体21を用いる場合には図21に示すように、本体部32全面にはんだ層からなる電気接続体21を形成してもよい。また、図21に示すように素子間接続体30上の凹凸構造の大きさについても素子電極よりも大きくてもよい。また、凹凸構造のピッチについても素子電極のピッチよりも広くてよい。また図21において、本体部の凹凸構造の受光面側へ凹となる部分の幅が、第1の素子電極である線状電極12の幅よりも狭いことで、位置合わせなしに容易に接続することができる。受光面側へ凹となる部分の最も広い部分の幅が、第1の素子電極である線状電極12の幅よりも狭くなるようにすることで、線状電極12が凹部に入り込むのを防ぐことができる。本体部の凹凸構造の受光面側へ凸となる部分の、断面の幅が、第1の素子電極間の間隙よりも広くすることで、位置合わせなしに確実に接続することができる。
変形例6.
図22に示す素子構造では、例えば真空蒸着により反射率の高いアルミニウム層からなる反射層52が全面に直接形成され、反射層52上にチタンタングステンがスパッタ蒸着等により積層して形成され、はんだ付けの行い易い銅がチタンタングステンの上に形成されており、反射体である反射層52と電気導電体である線状電極12、集電電極14を分けて形成している。他部については図4(b)〜図4(d)に示した前記実施の形態1と同様であるため説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。これにより、反射性が高い一方ではんだ付けが容易な電極構造を形成することができるという利点を有する。また、銀等の貴金属の使用量を減らすことができる。なお反射層52は半導体基板11の全面に形成されるのが好ましいが、おおむね全面わたって形成されればよい。
変形例7.
図23に示す素子構造では、一方の極と他方の極の素子電極の高さが同じであるが、一方の電極がある部分で素子間接続体30の本体部32の凸部32Pが位置合わせされて存在するため、素子間接続体30は素子上の一方の電極にのみ接続されるようにしている。他部については図4(b)〜図4(d)に示した前記実施の形態1と同様であるため説明を省略するが同一部位には同一符号を付した。かかる構成によれば、素子電極の高さが一定であるため、素子を製造する工程が簡易化可能であるが、一方で素子と素子間接続体30の間で位置合わせが必要となる。
以上説明してきたように、本発明の実施の形態1〜3による受光素子モジュール1では、基板上の素子電極のパターンが従来と異なり、素子基板中から流れ出る電流が、素子間接続部31に到達するまでに集電電極14を電流が基板面内方向に流れる必要がある平均距離は、バス電極つまり電流取出し電極15あるいは素子間接続体の素子間接続部31の本数nに応じて例えば図4(a)中のY方向の半導体基板11のY方向の長さのおよそ1/2nでよくなり、素子電極上の集電抵抗を大幅に小さくすることができ、素子間接続体30の抵抗は素子電極による抵抗よりも小さいため、モジュール全体の抵抗を小さくすることができる。
具体的には、例えば一般的な太陽電池の素子サイズである156mmの基板上の場合、幅100マイクロメートル、高さ10マイクロメートル、150mm長さの銀グリッド電極1本の集電抵抗が1.6Ω程度であるのに対し、バス電極を2本とすることにより0.2Ω程度に低減することができる。
他方の極性の電極については、素子間接続体30の本体部32に到達するために電流が線状電極12内を基板面内方向に流れる必要がある平均距離は素子間接続体30の凸部32PのY方向の断面の間隔、あるいは図20及び21のように凸部と電極が1対1で対応していない場合では、素子間接続体30の凸部32PのY方向の断面の間隔と線状電極12間の間隔との最小公倍数程度となり、こちらも素子電極上の集電抵抗を大幅に小さくすることができる。おおむね電極の高さ方向の距離あるいは電極の厚みに相当する部分が集電抵抗となるだけであることにより、素子サイズのより大きいものをモジュールに使用しても電気抵抗による集電ロスを低減することができ、光電変換効率に優れた受光素子モジュールをはじめとする光電変換素子モジュールを得ることができるという利点を有する。
具体的には、例えば、高さ10マイクロメートルの銀グリッド電極と15mm間隔で30マイクロメートル程度の厚みの銅からなる素子間接続体の本体部と接続する場合、素子間接続体との本体部32の抵抗は素子電極に比べて十分に小さいため、1本あたりの集電抵抗は0.2Ω程度に低減することができる。当該利点は素子からの放熱のための熱抵抗についても同様であり、放熱性を高く、素子温度を低く保つことができ、結果として光電変換効率に優れた受光素子モジュールを得ることができるという利点を有する。以上のように、本実施の形態によれば、素子電極は、平面配置でできるだけ集電距離を小さくするように、集電電極と取出し電極が交差接続部を構成するとともに、素子間接続体30が導電を担うことにより、素子電極上の集電抵抗を小さくすることができ、素子電極に使用する金属量を減らすことができるため、省資源、低コスト化することができるという利点を有する。
また、実施の形態1〜3による受光素子モジュール1においては、接着層26をあらかじめ一方の基板上の集電電極14上に形成しておくことにより、モジュール化時における高精度な位置あわせを行うことなく、素子間接続体30を、他方の極性を持つ線状電極12にのみ接続することができるという利点を有する。従って、従来の受光素子モジュールでは必要であった素子間接続体30と素子との間の細かな位置あわせが不必要となり、位置あわせ精度に依存することなく素子電極の電極ピッチを狭くすることができる。また、位置あわせ精度を良くするためのアライメントマークを素子上に必要としないため、アライメントマークに起因する光電変換効率低下領域を受光素子内に生じない。従って、内部抵抗が小さく、キャリア収集効率が高く、光電変換効率に優れた受光素子モジュールであるという利点を有するとともに、より狭い電極ピッチをもつ受光素子モジュールを製造することができる。
また、実施の形態1〜3による受光素子モジュール1では、シリコン基板の光吸収係数が小さく透過させてしまう一部の波長の光に対して反射率が高い銅箔からなる素子間接続体30の本体部32を素子裏に有し、素子と素子間接続体30の本体部32の間には主に透光性の高い接着層26があるのみであるため、900nmから1300nm程度の波長の光が素子の裏面まで透過しても、素子間接続体30の本体部32によって再度素子に光を入射させることができるため、光の損失が小さくなり、光電変換効率に優れた受光素子モジュールを得ることができるという利点を有する。
また、実施の形態1〜3による受光素子モジュールは、素子電極部分を金属と樹脂とで覆うことができるため、受光素子の周囲環境から素子電極部分に到達する水分を低減することができる。したがって、素子電極のマイグレーションによる短絡あるいは電気化学反応による抵抗増大を防ぐことができ、光電変換効率及び長期信頼性に優れた受光素子モジュールであるという利点を有する。これは特に、正極と負極の電極間距離が小さい、光電変換効率が高い受光素子の場合に重要である。
また、実施の形態1〜3においては、モジュール化を行う際に素子間接続体30を素子に接続するためには素子の裏面に合うようにして素子間接続体30を接続すればよい。例えば特許文献4のような素子内のp領域とn領域間間隔と同じあるいは同程度の高精度な位置あわせはモジュール化時に不必要であり、従来のモジュールに比べて位置あわせの回数を減らすことができる。従って、位置あわせの回数を減らした結果として位置あわせ精度を上げることができる。なお、接着層26の形成を素子間接続体30の接続に先立ち行う場合もある。接着層26の形成を素子間接続体30の接続に先立ち行う場合は、位置あわせを行っているが、接着層26の位置あわせについてもどちらかの電極を完全に覆うとともに他方の電極の一部を露出できればよいため、位置あわせは高精度である必要はない。
実施の形態1〜3は、素子内での集電に寄与する裏面側電極を形成するとともに、素子を透過した光を反射する裏面反射膜、素子間を接続する素子間接続体30をより少ない工程数で形成することができるので、より少ない工程によって光電変換効率に優れた受光素子及び受光素子モジュールを製造することができる。
実施の形態1〜3では、素子間接続体30の本体部32を素子に接続した上で光電流量を評価して、光電流量が一致するものを組みあわせてモジュールを作成できるため、各受光素子10の発電電流値を一致させることができる。その結果、ストリングには他の受光素子10に比して著しく低い発電電流値を有する受光素子10がないので、受光素子モジュール1の発電効率を従来に比して高めることができる。従って、本発明のモジュール構造は従来のように、受光素子間の電流が一致しないような状況を生じなくすることができる構造である。
以上のように、本実施の形態1〜3によれば、高精度な位置あわせを行うことなく、素子間電極の距離が小さく、素子間の接続抵抗が小さいとともに、素子を透過した光を反射させて有効に利用でき、光電変換効率に優れた受光素子、及びモジュールを得ることができる。
また、素子上での集電に基板上の線状電極12、集電電極14のみならず素子間接続体30の素子間接続部31及び本体部32が寄与するため、素子内の導電抵抗を低減できるため、発電出力に優れた受光素子モジュールを製造することができるという効果を有する。上記実施の形態によれば、素子電極である線状電極12と集電電極14との間を透過して失われる光が、素子間接続体30の本体部32によって反射され、素子に入射することにより光透過損失の低減が可能となり、光電変換効率に優れた受光素子モジュール1を製造することができる。
以上のような反射体が素子裏面にある場合、基板上の線状電極12と集電電極14との間を透過する光が素子間接続体30の本体部32によって反射されて得られる利得により、光電流量は変化する。しかし、上記実施の形態によれば、素子間接続体30の本体部32を素子に接続した上で光電流量を評価して、光電流量が一致するものを組みあわせてモジュールを作成できるため、各受光素子10の発電電流値を一致させることができる。その結果、ストリングには他の受光素子10に比して著しく低い発電電流値を有する受光素子10がないので、受光素子モジュール1の発電効率を高めることができる。従って、上記実施の形態の受光素子モジュールは、受光素子間の電流が一致しないような状況を生じなくすることができるという利点を有する。
本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、ストリング端部とストリング内部とで素子間接続体の形状を変える必要がない。素子間接続体の向きを90度回転させて接続すればいいだけであるため、モジュールを形成する工程を簡便にすることができるという利点を有する。また、ストリング端部においてストリング間接続体を新たに設ける必要がないため、素子以外がモジュールに占める面積を減らすことができる。本実施の形態では素子以外とはストリング間接続体である。したがって、面積あたりの発電量に優れたモジュールを得ることができるという利点を有する。
実施の形態4.
図24は本実施の形態4の受光素子モジュールを構成する素子間接続体付き受光素子を裏面側から見た平面図である。図24は、モジュールの状態の素子間接続体付き受光素子を繰り返し単位のひとつ分だけ取り出したもので、素子間接続体30と受光素子10とが接続された際の素子電極である線状電極12と集電電極14の位置関係が分かるように接着層26あるいは封止材22、受光面側主面材23,裏面側主面材25を省略して記載している。本実施の形態の受光素子モジュールでは、本体部32が5分割されており、本体部32の間に素子間接続部の電流取出し電極接続部31bが4本設けられており、受光素子10上で短冊状の本体部32と電流取出し電極接続部31bとが、並置されている。そして本体部32の一端側が素子間部31aを介して隣接セルに接続された電流取出し電極接続部31bに接続されている。一方、4本の電流取出し電極接続部31bは、図示しない、紙面下側の隣接セルに接続された本体部32に接続された素子間部31aに接続される。つまり本実施の形態では、素子電極、素子間接続体30のいずれも素子上では、極性の異なる部材が重畳しない構造となっている。
素子間接続体30と受光素子10上の電極の位置関係を示すために、図24の素子間接続体付き受光素子から素子間接続体30全てを除いた平面図を図25(a)に、素子間接続体の本体部32及び絶縁層26のみを除いた平面図を図25(b)に示す。図26(a)〜(c)は、図24及び図25(b)の受光素子10に素子間接続体30の本体部32及び素子間接続部31が接続された状態における、6A−6B、6C−6D、6E−6Fの各線分で素子間接続体付き受光素子を切り取った場合の断面図である。
本実施の形態の素子間接続体30は、前記実施の形態1で説明した受光素子モジュールの素子間接続体30と同様、背面側に第1及び第2の素子電極を有する背面接続型の受光素子10a〜10fを接続するものである。素子間接続体30の素子間接続部31と素子間接続体30の本体部32は、いずれも可撓性を有する導電体箔で構成される。そして、図24に示すように、受光素子10の背面の電流取出し電極15を除くほぼ全体を覆う本体部32と、電流取出し電極15に接続される素子間接続部の電流取出し電極接続部31bと、本体部32の背面と素子間接続部31の電流取出し電極接続部31bとの間に接続される素子間接続体30の素子間部31aと、を備える。
素子間接続体30の本体部32と素子間接続体30の素子間部31a及び素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bとは電気接続体21もしくは33によって接続されている。素子間接続体30の本体部32と素子間部31aとを接続するにあたって、電気接続体を用いることなく、スポット溶接、熱圧着等で直接的に接続されていてもよい。
また、本体部32はスリットSすなわち切欠きを持たず、短冊状に5分割されており、電流取出し電極15を除いて受光素子を構成する半導体基板11全体を覆っている点で前記実施の形態1と異なる。さらに、素子間接続体30の本体部32と素子間部31aと電流取出し電極接続部31bとが個別の3つの単位の部品から構成されている点が異なる。他の部分については前記実施の形態1及び2と同様であり、ここでは説明を省略する。
ここで、図24、図25(a)、図25(b)は、素子間接続体30をモジュールの背面側から見た図である。素子電極のうちの一方の電極である線状電極12に選択的に接続された本体部32と接続された素子間接続体30の素子間部31aが、隣接する受光素子10の第2の素子電極である電流取出し電極15に接続された素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bに当接している。受光素子10には、第2の素子電極である集電電極14も一定の間隔でストライプ状(線状)をなして形成されており、集電電極14と交差する4本の電流取出し電極15が形成されている。電流取出し電極15に沿って素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bが当接しているため、第2の素子電極の集電距離を小さくすることができるため、集電抵抗の低減をはかることができる。
本実施の形態についても前記実施の形態1または2の受光素子モジュールと同様、樹脂封止がなされ、受光素子モジュールが得られる。本実施の形態4では、図24、図25(a)及び(b)に示すように、受光素子10上に位置する素子間接続体30の本体部32が電流取出し電極15上に形成されておらず本体部32との重なり部が生じないため、素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bを素子上の電流取出し電極15全体と接続することができ、電流取出し電極15上の集電抵抗を小さくすることができるとともに本体部32と素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bとの間の短絡を防ぐことができるという利点を有する。すなわち、実施の形態1に比べ、電流取出し電極15に対して電流取出し電極接続部31が接続しない部分が生じ、電流取出し電極15上で集電抵抗が大きくなる部分が生じるのをより確実に防ぐことができる。また、電流取出し電極15と本体部32との積層部部分で絶縁性が低下する可能性についても本実施の形態では実施の形態1の場合に比べより確実に抑制することができる。
実施の形態2においても図12(b)及び図13に示すように、電流取出し電極15上に形成された素子間接続体30の素子間接続部31と、素子間接続部31の上の本体部32との間を絶縁層からなる接着層26で絶縁する必要があったが、本実施の形態4においては、電流取出し電極15上に素子間接続体30の本体部32が存在しないため、実施の形態2では存在した素子間接続体30の素子間接続部31と、素子間接続体30の本体部32と、素子間接続体30の素子間接続部31とによる積層構造部分にあたる部分をなくすことができる。従って電流取出し電極15及び素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bと本体部32とは、並置されて離間されていることから、あらかじめ絶縁されており、信頼性が高く、新たに絶縁層を設ける必要がなく簡便にモジュールを作成できるという利点を有する。
実施の形態4においては、電流取出し電極15の部分において、素子間接続体30の素子間接続部31が同一素子上の素子間接続体30の本体部32と重ならない構造となっているが、実施の形態2では、素子間接続部31が本体部32と重なっている。これに対し、本実施の形態4における本体部32は、電流取出し電極15の上において素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bと本体部32との積層部分がない分だけ、素子間接続体付き受光素子の厚みが低減した形状となる。
素子間接続体30の素子間接続部31、本体部32、及び線状電極12、電流取出し電極15は、電気接続体によって接続される。本実施の形態4においては、素子間接続体30の本体部32と素子間部31aとの間、及び、素子間接続体の電流取出し電極接続部31bと素子間接続体30の素子間部31aとの間は図示しない第2の電気接続体33で接続され、素子間接続体30の本体部32と線状電極12との間、及び、電流取出し電極15と素子間接続体の電流取出し電極接続部31bとの間は電気接続体21で接続されている。
電気接続体21と33としては、同じ材質のもの、あるいは、それぞれに異なるものを使用しても良く、更に、素子間接続体30の素子間接続部31、本体部32、及び線状電極12と電流取出し電極15の各部位すべてに異なる電気接続体を形成してもよい。例えば、異なる電気接続体21と33とを用いる部位の組み合わせとして本実施の形態4では、「電気接続体の本体部32−線状電極12間」、及び、「電流取出し電極15−素子間接続体30の電流取出し電極接続部31b間」の接続部には電気接続体21を、「素子間接続体30の素子間部31a−電気接続体の本体部32間」、及び、「素子間接続体30の素子間部31a−素子間接続体30の電流取出し電極接続部31b間」との接続部には電気接続体33を用いることができる。上記構成の場合、電気接続体21の形成領域としては、例えば、素子間接続部31上においては素子間接続部31の全面を覆うように電気接続体21を形成し、素子間接続体30の本体部32に対しては素子電極と接続する部分だけに電気接続体21が形成されるようにすることができる。
電気接続体の種類とそれぞれの電気接続体の形成部位とは任意に組み合わせてよいが、素子基板の加熱時間が短くかつ加熱温度が低くなるように素子電極と素子間接続体との接続部分と、素子間接続体と素子間接続体との間の接続部分とで分けて用いるとよい。例えば、素子間を接続してストリングを形成するために加熱する際に素子電極と素子間接続体30の本体部31が素子電極から外れないように、電気接続体21及び33の溶融温度は異なっていてもよい。前記本実施の形態4での電気接続体21と33との使用部位の組み合わせの場合、電気接続体33の接続温度を電気接続体21の接続温度よりも高くした場合では、事前に「素子間接続体30の素子間部31a−電気接続体の本体部32間」、及び、「素子間接続体30の素子間部31a−素子間接続体30の電流取出し電極接続部31b間」との接続部を電気接続体33で接続しておいてから、「電気接続体の本体部32−線状電極12間」、及び、「電流取出し電極15−素子間接続体30の電流取出し電極接続部31b間」の接続を電気接続体21で実施することにより、後の工程である電気接続体21の接続においてもより接続温度の高い電気接続体33は熱による影響を受けにくいためストリングの形成を容易に行えるという利点がある。電気接続体33の接続温度を電気接続体21の接続温度よりも低くした場合では、各電気接続体による接続の順番を逆にする方が好ましい。
例えば、実施の形態2の場合、電気接続体33の方が電気接続体21よりも溶融温度を低くすることができる。電気接続体33の方が電気接続体21よりも溶融温度を低くする場合、電気接続体によって各部位を接続する際に、はじめに電気接続体21を高温で溶融させて、電流取出し電極15と素子間接続部31、及び、素子間接続部31と本体部32を接続し、次に電気接続体21が溶融せずに電気接続体33が溶融する温度で加熱して本体部32と線状電極12とを接続することにより、後者の加熱の際に前者の電気接続体接続部が溶融せずに場所を保持することができるため、ストリングを作成し易いという利点がある。電気接続体が使用される場所と溶融温度の高低の組み合わせは、実施の形態2においても製造の順番に従って上記とは逆にしてもよい。電気接続体としては、錫銀系はんだ、錫ビスマス系はんだ、金属錫等を用いることができる。受光素子等の素子と素子間接続体との間の接続には、はんだあるいは導電性接着剤以外にも特許文献5〜6等の先行技術文献に記載されているように、レーザー等の加熱手段で金属材料を溶融させて接続してもよい。
変形例8.
次に本実施の形態4の変形例について説明する、図27に示す変形例の受光素子モジュールにおいては、素子間接続体30の本体部32に凹部32Rと図中に点線の囲みで示される凸部32Pが設けられている。受光面側に突出する凸部32Pが突出している素子電極12間の間隙よりも大きい場合、あるいは、受光面側に凹となる凹部32Rの間隔すなわち幅が素子電極である線状電極12の幅よりも小さい場合、素子間接続体30の本体部32は素子電極である線状電極12につきあたる。従って、素子間接続体30の本体部32と逆の極性の素子電極である集電電極14と接触しないため、位置合わせをしなくても素子間接続体30の本体部32と線状電極12とのみを接続することができる。また、受光面側へ凸となる部分である凸部32Pの断面の幅が、第2の素子電極すなわち線状電極12間の間隙よりも広いことで、本体部32は素子電極である線状電極12に確実につきあたり接続する。
図25(b)に示したような平行な細線電極を有する受光素子10においては、凸部32PのX及びY方向の幅は素子電極である線状電極12間のX及びY方向の間隙よりも大きい、もしくは、凹部32RのX,Yのそれぞれの方向の間隔は、素子電極である線状電極12自体のX及びY方向の幅よりもそれぞれ小さいことが好ましい。上記構成とした結果、図27に示す繰り返し単位を有する受光素子モジュールは、凹部32Rと凸部32Pとを有する素子間接続体30の本体部32を使用することにより、素子間接続体30の本体部32の変形が容易になり、素子間接続体付き受光素子の反りを低減するとともに強度を増加させることができるとともに、位置合わせをしなくても素子間接続体30の本体部32と素子電極12とのみを接続することができるという利点を有する。
本実施の形態の受光素子モジュール1によれば、受光素子全面を素子間接続体30の本体部32が電流取出し電極15を覆っていないため、電流取出し電極15上に絶縁層からなる接着層26を形成しなくても、同一素子上の本体部32と電流取出し電極15との間の短絡を防ぐことができるという利点を有する。従って、絶縁層を形成する工程を減らすこともできる。
変形例9.
図28は、実施の形態4の太陽電池モジュールを構成する受光素子モジュールの変形例を示す図である。図28に示す変形例の受光素子モジュールにおいては、短冊状の本体部32が受光素子の素子基板を構成する半導体基板11よりも突出し、素子間部31aは本体部32に直交する金属箔からなる。そして当該素子間部31aに、隣接セルに接続される素子間接続体30の電流取出し電極接続部31bが接続される。他部については前記実施の形態4と同様である。
上記構成によれば、素子間部の構成が、実施の形態4に比べてシンプルであり、若干小型化が可能である。なお、実施の形態4、変形例8及び9で用いられる素子間接続体30の素子間部31aと、本体部32とは一体形成することも可能である。一体形成することで取扱いは容易となるが、位置合わせ精度が厳しくなる場合もある。
変形例10.
図29,30,31は、本実施の形態4の変形例の受光素子モジュールを示す図であり、半導体基板上の素子電極が半導体基板内と逆の極性を有する受光素子を用いた場合の半導体基板の導電領域のパターンと電極の位置を示す平面図と平面図と断面図である。変形例10では、キャリアの再結合中心となる半導体層と金属電極との接触面積を小さくする一方で、素子間接続体30までの距離を最小限に抑え、電流は、板厚が大きく低抵抗の素子間接続体内を流れるようにした構成である。図29は半導体基板裏面側の基板表面における半導体領域の面内分布を示す図であり、素子間接続体30、封止材等のモジュール部材だけでなくパッシベーション膜、あるいは電極を除いて記載している。図29において半導体基板11表面に半導体基板11と異なる半導体層であるが形成されていないことを示しており、p型ドープ領域16、低濃度n型ドープ領域17a、高濃度n型ドープ領域17bについては半導体基板11そのものとは異なる導電領域が表面に形成されていることを示している。図30は素子電極までを含めた素子のみを裏面側からみた図であり、一方の極性の素子電極に点状電極12Dを用いた受光素子10の素子電極のパターンを示す平面図である。図30では、パッシベーション膜18aが素子基板を構成する半導体基板11を覆い、パッシベーション膜18aで被覆された領域以外の部分に素子電極である点状電極12D、集電電極14、電流取出し電極15が半導体基板11の裏面側に並置されるように形成されている。図31は図30の6G−6Hの断面図である。図31は、素子を素子間接続体30で接続した状態のストリング断面を示しており、受光面側のパッシベーション膜、モジュールの封止材、受光面材、裏面保護材は記載を省略している。
一般的に、光電変換素子は半導体基板の内部光電効果を利用する。光電変換素子に用いられる半導体基板11は導電性が比較的低いため、半導体基板11内を電流が流れる距離が長いと抵抗損失が増大する。また、半導体基板11内を少数キャリアが移動する距離が長いと光生成キャリアの失活により半導体外部への取出し電流が低下する。従って、一般的な光電変換素子は金属電極あるいは透光性電極を半導体基板11上に形成することによって面内方向の導電性を確保する構造となっている。金属電極を面内方向の導電に用いる場合では、電極影による光損失を考慮して電極が半導体基板全体を覆わないようにある間隔で離間しながら半導体基板面内全体に広く分布する構造となる。ここで、電極が広く分布する構造というのは、基板中の少数キャリアの拡散長以下の間隔で半導体基板と接触する電極が半導体基板一面にわたって分布する構造をいう。上記構造においては、半導体基板は金属よりも導電性がはるかに低いため、電極がない部分では電流が素子内を流れて電極部分まで到達するまでに素子の厚みに加えて素子電極までの半導体基板自体の抵抗が加わり、基板内での抵抗損失が大きくなるため、素子電極間の距離を狭めることが好ましい。一方で、半導体と金属が接触する部分ではキャリアの再結合速度が大きくなるため、素子電極と半導体との接触面積は小さい方が好ましいため、素子電極間の距離は最適値を有する。
背面接続型の光電変換素子の素子構造としては、一般的に、MWT(Metal Wrap Through)セル、EWT(Emitter Wrap Through)セル、IBC(Inter−digit Back−contact)セルといったものがある。上記セルのうち、IBCセルとEWTセルでは、受光面には電極がないため、裏面一面に正と負の両極が離間しながら共に広く分布する必要がある。これに対し、MWTセルにおいては、受光面側にグリッド電極を有するため、電極影が生じるものの、裏面側には正極と負極どちらかだけが広く分布していればよいため、裏面側の素子電極構造は相対的に単純になる。従って、本実施の形態の受光素子モジュールは受光面に素子電極を有しない素子構造が主な対象であるが、受光面に素子電極を有する素子にも適用可能である。IBCセル、EWTセルのように異なる2つの極性の素子電極が一つの面のみに離間しながら広く分布する必要がある場合、配線は複雑になる。従来は、特許文献8のように櫛歯状の配線電極を対向させた配線基板に素子電極を接続して集電する構造あるいは特許文献9のように素子電極を多層化する方法が堤案されてきた。しかし、素子電極を半導体基板に対して抵抗が小さくなるように形成するためには、例えば金属を蒸着した後に5〜30分の200〜400℃程度の加熱処理を行うあるいは、ガラスフリットを含有するペーストを印刷した後で400〜900℃程度の加熱処理を行う等の、高温の熱処理が必要である。熱処理を行う際、例えば図19(a)、19(b)のようなパッシベーション膜を有する受光素子においては、コンタクトホールである第1の開口12hと第2の開口14h以外の部分から金属材料がパッシベーション膜18aを拡散して突き抜けて、あるいはパッシベーション膜に偶然形成されたピンホールを通して半導体基板に到達する。このような場合、金属が半導体内で再結合中心として働き、受光素子の光電変換効率が低下するという問題があった。特に、例えば図31の16,17a,17bのような拡散層領域が形成されていない半導体内の導電率が低い領域に金属が存在する場合、金属が再結合中心として強く働く。
さらにまた、一方の極性の電極が半導体基板上に形成された薄い無機絶縁層を介して他方の極性を有する半導体領域上に形成される構造の場合、金属の拡散あるいは絶縁膜に存在するピンホールを通じて異なる電位を有する半導体層と金属とが短絡してしまうため、両極間のリーク電流が増大することが非特許文献1に記載されている。この場合、リーク電流が増大することにより光電変換効率の低下が顕著になるとともに、逆バイアス時には素子が発熱して封止材が溶融する等の素子モジュールの信頼性が失われるという問題があった。また特に、金属の拡散経路となるピンホールは太陽電池のような凹凸の表面を有する半導体基板上のパッシベーション膜において顕著に生じるため、上記のような問題が生じ易かった。本実施の形態では、金属電極に自立可能な板あるいは箔を使用するため、絶縁膜にピンホールがあっても金属が絶縁膜に形成される微細なピンホールに追従して入っていくことはなく、半導体基板あるいは素子電極へ直接接触せず、2つの極間での短絡、あるいは半導体基板への金属の拡散を生じさせずに、低抵抗の素子間接続体30で電流搬送を行うことができるという利点がある。また、パッシベーション膜18a上にさらに厚い絶縁層26を形成しているため、コンタクトホールである第1の開口12hと第2の開口14h以外の部分から金属材料がパッシベーション膜18aを突き抜けるのを抑制することが可能となる。
さらに、例えば非特許文献1では、一方の極性を有する半導体層上に他方の極性の電極が半導体基板上に形成された薄い無機絶縁層を介して、直接接触する構造が提案されている。上記構造の場合、絶縁膜に存在するピンホールを通じて半導体基板上に直接金属が形成される部分が生じるため、電極から一方の極性を有する半導体層上に拡散した金属が異なる電位を有する半導体層と金属とが短絡してしまうため、光電変換効率の低下は顕著になる。上記問題は、薄い絶縁膜のみを介して広い面積で半導体基板と電極金属が密着し、広い面積の半導体基板上で金属を高温に加熱してしまうために生じる。さらに、上記問題は素子面積が大きいほど顕著に生じるという問題があった。これに対し、上記変形例及び本実施の形態では、樹脂層からなる厚い絶縁層26を形成しているため、非特許文献1のような問題は回避することができ、光電変換効率の向上を図ることができる。
また、特許文献2のように、半導体基板上に直に形成された絶縁膜あるいはパッシベーション膜を介して素子電極が半導体基板上に直接接触され、当該素子電極が配線部の取出し配線と接続される素子構造においては接触抵抗を低減するための高温処理によって素子電極を構成する金属が絶縁層を拡散していき、半導体基板内へ拡散し、再結合中心として働く可能性がある。上記理由により、特許文献2では、金属の拡散を防ぐためにバリア層を形成し、多層化により工程が増えるという問題があった。
これに対し、本実施の形態4では図31に示すように、大部分が直接半導体基板11と接しない導電体である素子間接続体30の本体部32に大面積で低抵抗の金属箔を用い、はんだ等の接合部材により比較的低い温度で素子電極である電流取出し電極15及び点状電極12Dと素子間接続体30の電流取出し部31b及び本体部32との間の導通をとる。以上のように、特許文献2,7においては素子電極を素子基板に対して積層して形成する際にピンホールあるいは熱拡散を通じて素子電極間での短絡が生じうるのに対し、本実施の形態においては絶縁膜あるいは素子基板上に金属を直接形成する構造ではなくあとから別体として導電性の板状体である金属箔を低温で接続する構造であるため、ピンホールに対して素子間接続体が追従せず、金属が半導体基板に接触せず、従って素子間接続体から素子基板あるいは逆極性の電極への短絡が生じにくい。さらに、発電素子である受光素子の半導体基板に対して素子電極を構成する金属が直接接触する領域をドーパントが比較的高濃度に添加された低抵抗半導体領域のみに限定して存在するようにすることができる。そしてさらに、ピンホールの生じにくい、ポリイミド樹脂等の樹脂を用いて十分に厚みのある絶縁層26を形成することにより絶縁性を向上させることもできる。
以上のように、本実施の形態の受光素子モジュールでは、素子基板上のパッシベーション膜等の絶縁膜にピンホールがあったとしても、金属の拡散による半導体中の再結合あるいは、素子電極とその逆の極性を有する半導体層との間の短絡が生じにくいという利点を有する。以上のように短絡を抑制することにより、漏れ電流による発熱を抑制するとともに光電変換効率が向上する。
具体的には、図29中の半導体領域がn型導電層であって、低濃度n型ドープ領域17a、高濃度n型ドープ領域17bである場合、素子電極である電流取出し電極15及び同一素子上の素子間接続体30の素子間接続部31bは光照射状態で負極となり、同一素子上の素子電極である点状電極12Dと素子間接続体30の本体部32が正極となる。本体部32を正極とした場合、図31に示すように、負の電位となる素子基板である半導体基板11及び高濃度n型ドープ領域17bの直上に、相対的に正の電位となる素子間接続体30の本体部32が絶縁層26を介して隣接する状態となるが、半導体基板に対して金属が直に接触せず、接続温度も低いため、高い絶縁性を得ることができるという利点を有する。
特に、銅を電極として使用する場合は、銅はシリコン中に拡散し易いため、銅の拡散部分で短絡あるいはキャリアの再結合が非常に生じ易いという問題があった。これに対して本実施の形態においては、電気接続体21を素子電極の電気導通部にのみ存在するようにでき、また、素子間接続体30の本体部32も直接半導体基板11と接触しないため、高い絶縁性を得ることができる。従って、はんだ付け性が良好な良導体である銅を、簡便に素子内での抵抗を低減するための電極材料として使用し、一般的に素子電極に用いられ、稀少資源である銀等の使用量を低減することができるという利点を有する。
なお、金属は半導体基板11とは低濃度のp型ドープ領域すなわちp型ドープ領域16であるp型拡散層と接しているが、本実施の形態のように比較的高濃度のドーパントが金属と接する半導体基板中に存在する場合、金属による再結合の影響は小さいため、本実施の形態において点状電極12Dを構成する金属がp型ドープ領域16を介して半導体基板11と接していることは、p型ドープ領域16以外の部分に対して金属が存在する場合に比べて大きな問題にならない。
さらにまた、上記の問題以外にも、特許文献1、2等の素子電極が集電を担う構造では、素子面内の集電抵抗を低減するには素子電極自体に厚みが必要であるため、真空蒸着、めっき等により素子電極の厚みを増大する工程が必要であったが、以上の実施の形態1〜4に記される、本実施の形態の受光素子モジュールを用いれば一方の極の素子電極には厚みがいらず、また、素子間を接続すると同時に素子基板面内の抵抗を低減できるため工程数を低減することができるという利点を有する。また、特許文献2のようなポリイミド絶縁層と金属蒸着膜の組み合わせにおいては、モジュールの使用環境によって、樹脂絶縁層の膨潤等による体積変化に伴うひび割れあるいは形状変化によって金属蒸着膜が島状に非連続的になったり、絶縁層から剥離し、素子面内方向の金属膜の導電性が低下する恐れがあった。また、蒸着金属膜が薄い場合、水分等により金属薄膜が酸化し導電率が低下するという問題があった。これに対し、各実施の形態で用いられる素子間接続体には自立可能な厚膜の金属の連続体を用いているため、破断しにくく、素子裏面の素子間接続体の導電性を高く保つことができるという利点を有する。
また、上記の問題とは別に、特許文献8、9のような素子電極に対して素子基板の面のほぼ全面にわたって素子間接続体を接続する従来の背面接続型の受光素子モジュールにおいては、素子間を接続する際に位置あわせが必要であり、また、素子間を接続する際の位置あわせ精度よりも電極素子の正極と負極間の間隔を狭くすることができないという問題があった。
特許文献8、9では、同一面に2つの極性の電極が存在するために、正極と負極の素子電極と正極と負極の素子間接続体との間での位置あわせを高精度に行えない場合、正と負の電極間で短絡が生じ、モジュールの光電変換効率が大きく低下する。従って、正極と負極の素子電極と素子間接続体とが一対一で対応する必要があり、正と負の素子間接続体の電極間隔と素子の電極間とを位置合わせる必要がある。従って、素子電極と素子間接続体との間の正極-負極間の短絡を防ぐために必要な間隔は素子電極の位置精度のみではなく、素子と樹脂フィルム等からなる絶縁層との間の位置あわせ精度にも依存し、正電極と負電極の間の距離は素子と素子間接続体との間の位置あわせ精度によって制限される。正負極間での短絡を防ぐために、素子電極の正電極と負電極の間の距離が長い場合、正電極と負電極の間素子基板内で生成したキャリアが電極に到達するまでの距離が長くなるため、抵抗損失及びキャリアの失活により光電変換効率が低下してしまう。
逆に、光電変換効率向上のためには位置あわせ精度を向上させる必要があり、工程が増大する。具体的な素子電極と半導体基板との接触部分の離間距離すなわちピッチとしては、半導体素子基板内の少数キャリアの拡散長よりも小さいことが好ましく、基板の抵抗、基板の少数キャリア拡散長及び半導体の接合を形成する方法にも依存するが、例えばパッシベーション膜付きのシリコン基板ではおおよそ0.05mmから2mm程度となる。上記電極間隔で、150mm角程度の大きさの基板を使用する場合、特許文献4では正極及び負極あわせて素子間接続体100本程度を隣接する素子間接続体が互いに接触しないように精度よく並べて素子電極に接続する必要があり、更に異なる極性の各電極間は絶縁する必要があり、工程数と時間がかかるという問題があった。特許文献3においても、樹脂シートの熱収縮により位置あわせ精度が低下したり、位置あわせのためのマーキング工程が必要になったりするという問題があった。
表面再結合速度の小さいパッシベーション膜で素子の表面が覆われ、素子電極部分においても再結合速度が小さい場合、特に、金属電極が透光性電極を介して半導体基板上に形成されるヘテロ接合型の太陽電池の場合は、金属電極と半導体(あるいは透光性電極)との接続部分のピッチはより狭い方が集電抵抗を低減でき、光電変換効率向上に好ましい。従って、本発明では、従来の受光素子モジュールではモジュール作成時に必要であった素子間接続体と素子との間の細かな位置あわせが不必要となり、位置あわせ精度に依存することなく素子電極の電極ピッチを狭くすることができ、正と負の電極間の間隔を狭くすることができ、簡便な構造及び方法によって光電変換効率に優れる受光素子モジュールを作成できるという利点を有する。
また、特許文献6のように素子基板と素子間接続体とをレーザーで直接接合する場合、素子間接続体は半導体基板内でドーパントとして作用する金属に限られるという問題があったが、本実施の形態によれば、はんだ、導電性接着剤等の導電性の接合部材を使用することによって種々の金属等の導電体を組み合わせて素子間接続体及び素子電極として使用することができ、耐久性、生産性、省資源性に優れたモジュールを製造できるという利点を有する。
また、特許文献1においては、素子間接続体と素子電極をあわせて素子面積とほぼ同程度までの面積しか電極として使用することができないが、本実施の形態によれば、2層の素子間接続体をもつ電極取出し構造とすることにより素子間接続体と素子電極をあわせて素子面積のおおよそ倍の面積を電極として使用することができる。さらに素子間接続体は金属箔あるいは金属板で構成されるため、素子上に形成される素子電極に比べ極めて低抵抗であり、モジュール全体の抵抗を低減できると共に、素子間接続体の厚みを一般的な素子間接続体に比べて、薄くすることができるため、はんだ付け等の接続工程によって素子に生じる応力が小さくて済むという利点を有する。
また、特許文献4あるいは特許文献11と比較した場合は、素子間接続体の本体部の各幅が、素子間接続体の素子間部の幅よりも広く、半導体基板上に広く分布した第1の素子電極である線状電極12あるいは点状電極12のほぼ全域を覆うことができるため、素子基板面内の集電抵抗を低くすることができるという利点を有する。
また、本発明の方法を用いれば受光素子毎に素子間接続体を接続していき、受光素子を交換する場合には、受光素子を素子間接続体から外して再度新たな素子をつけることができるため、受光素子の無駄を少なくすることができる。
以上の実施の形態ではシリコン基板への不純物拡散によって作成した受光素子を例に記載したが、アモルファスシリコンと単結晶シリコンとのヘテロ接合太陽電池、半導体基板としてGaAs等の化合物半導体基板を用いたヘテロ接合受光素子、ひいては発光素子等、光電変換素子全般にわたって適用可能である。また、上記実施の形態では集光しない用途の太陽電池について記載したが、集光系を有する太陽電池に用いてもよい。集光系を有する太陽電池の場合は、素子のサイズをより小さくし、素子間を広げて、受光面材は平坦な板ガラスではなく、素子毎に対応するレンズをもつ透光部材を用いればよく、基本的な構造は実施の形態で説明した構造と変わらない。また、本実施の形態の受光素子モジュールは受光面側に電極を含まないため一様な外観とすることができるため、意匠性が高く、時計用電源等あるいは受光センサー等の外部取付け素子に用いることもできる。
また、前記実施の形態においては、例えば図4(d)に示したように、一方の極性をもつ第2の素子電極は電流取出し電極15と集電電極14との2つの部分に分けて記載している。電流取出し電極15とは、素子上に形成される素子電極であって、素子間接続体と接続することを主な目的とする素子電極の一部分を指す。また、集電電極14は素子間接続体と接続されない一方で電流取出し電極と接続され、半導体基板面上で電流取出し電極まで電流を集電することを目的とした素子電極である。例えば、特許文献12に示すように、素子上の電極としてバス電極が形成されておらず、フィンガー電極に直接タブ電極すなわち素子間接続体が接続されている構造もある。上記構造ではフィンガー電極のうち直接素子間接続体と接触している部分を電流取出し電極とし、フィンガー電極のうち素子間接続体と接触していない部分を集電電極とし、電流取出し電極15のようないわゆるバス電極を持たない受光素子基板に対して各実施の形態の構成の素子間接続体を持つ受光素子モジュールを適用することも可能である。
さらにまた、素子電極構造については前述した実施の形態に限定されることなく、例えば半導体と直に接触して集電電極に接続される、別の種類の素子電極構造をもつものにも適用可能である。また、前記実施の形態においては、第1の素子電極は主に集電電極のみを有する場合を扱うが、素子間接続体の本体部と接続されるため、機能としては電流取出し電極としての機能も有する。第1の素子電極においても集電電極とは別に電流取出し電極を有していてもよい。
また、本発明は素子電極と素子間接続体、両者の間の接続構造に関するものであるため、用いる素子構造としては背面接続型の素子構造であればよく、素子内に形成される接合は任意のものでよい。例えば発光素子に関してはpn接合のみでなくGaNとGaInNによるダブルヘテロジャンクション接合等を用いたものであってもよい。
また、本発明において、直接接触するとは、めっき層、導電性接着剤等の導電性部材を介して接触するものを含み、接触抵抗の小さい状態で接触することをいう。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 受光素子モジュール、10,10a〜10f 受光素子、11 半導体基板、12 線状電極、12D 点状電極、12h 第1の開口部、12a 負極第1層、12b 負極第2層、12c 負極第3層、12d 負極第4層、13 電流取出し電極、14h 第2の開口部、14 集電電極、14a 正極第1層、14b 正極第2層、14c 正極第3層、15 電流取出し電極、16 p型ドープ領域、17 n型ドープ領域、17a 高濃度n型ドープ領域、17b 低濃度n型ドープ領域、17S 表面電界層、18a 第1パッシベーション膜、18b 第2パッシベーション膜、18c 第3パッシベーション膜、21 電気接続体、22 封止材、23 表面側主面材、25 裏面側主面材、26 接着層(あるいは絶縁層)、30 素子間接続体、31 素子間接続部、31a 素子間部、31b 電流取出し電極接続部、32 本体部、32P 凸部、32R 凹部、33 第2の電気接続体、38 電流引き出し線、52 反射層。
特表2010−521811号公報 特開2001−189475号公報 特開2010−245399号公報 特開2009−206366号公報 米国特許出願公開第2004/0097062号明細書 国際公開第2012/171968号 特表2008−519438号公報 特開2011−151262号公報 特開2012−151240号公報 特開2012−99569号公報 国際公開第2008/113741号 特開2012−28806号公報
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の光電変換素子モジュールは、背面側に極性の異なる第1及び第2の素子電極を有する背面接続型の光電変換素子を導電板からなる素子間接続体によって接続して構成される。第1及び第2の素子電極は平面配置され、第2の素子電極が素子間接続部に接続される電流取出し電極と電流取出し電極に接続される複数の集電電極とから構成され、第2の素子電極の集電電極は、半導体基板の背面上で素子間接続部と交差して接続する部分を有し、第1の素子電極は、素子間接続部によって分断された複数の領域を有する。第1の素子電極は素子電極のひとつながりとなっている各部分ごとに前記素子間接続体の本体部と直接接続されるともに、前記第2の素子電極および前記素子間接続部とは離間している。素子間接続体の本体部は板状であり、本体部の幅は素子間接続部の幅よりも広く、光電変換素子裏面の第2の素子電極とは絶縁層を介して当接して電気的には絶縁されるとともに、第1の素子電極とは直接電気的に接続され、本体部と電気的に接続された素子間接続体の素子間接続部が隣接する素子の第2の素子電極の電流取出し電極と直接接続される。
実施の形態1による受光素子モジュールを受光面側から見た平面図であり、理解を容易にするために封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態1による受光素子モジュールを裏面側から見た平面図であり、理解を容易にするために封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態1で用いられる受光素子モジュールを構成する受光素子及び素子間接続体との位置関係を模式的に示す斜視図であり、素子間接続体を接続する前の状態を素子と素子間接続体に接続された受光素子を裏面側から見た状態を示す図 実施の形態1で用いられる素子間接続体付き受光素子を裏面側から見た図であり、(a)は、平面図、(b)は、図1及び図2のC−D断面図、(c)は、図1及び図2のE−F断面図、(d)は、図1及び図2のG−H断面図であり、理解を容易にするために素子間接続体、封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態1の受光素子モジュールにおける接着層のパターンを示す図 実施の形態1の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−J断面図、(c)は、(a)のK−L断面図であり、(b),(c)では、理解を容易にするために接着層を形成した状態を示す 実施の形態1の受光素子と接着層との位置関係の一例を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)の受光素子に素子間接続体の素子間接続部を装着した状態を示す平面図、(c)は、(b)の受光素子にさらに素子間接続体の本体部を装着した状態を示す平面図 実施の形態1で用いられる素子間接続体の配置を示す図 実施の形態1の受光素子モジュールを示す断面図であり、図1,図2のA−B断面を示す 実施の形態2による受光素子モジュールを裏面側から見た平面図であり、理解を容易にするために封止材等のモジュール形成部材は省略 実施の形態2で用いられる受光素子モジュールを構成する受光素子及び素子間接続体との位置関係を模式的に示す斜視図、素子間接続体を接続する前の状態を素子と素子間接続体に接続された受光素子を裏面側から見た状態を示す図 実施の形態2の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−J断面図、(c)は、(a)のK−L断面図、(d)は、(a)のM1−N1断面図、(e)は、(a)のM2−N2断面図 実施の形態2の受光素子モジュールを示す断面図 実施の形態2の受光素子モジュールに用いられる素子間接続体の変形例を示す図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のI−J断面図、(c)は、(a)のK−L断面図、(d)は、(a)のM1−N1断面図、(e)は、(a)のM2−N2断面図 素子間接続体付き受光素子の変形例を示す図 素子間接続体付き受光素子の変形例を示す図 実施の形態1、2で用いられる素子間接続体の変形例を示す斜視図 実施の形態1、2で用いられる素子間接続体の変形例を示す図 実施の形態3の受光素子を示す図であり、(a)は、断面図、(b)は、(a)の要部拡大図、(c)は、(a)の要部拡大図 受光素子の変形例を示す断面図 受光素子の変形例を示す断面図 受光素子の変形例を示す断面図 受光素子の変形例を示す断面図 実施の形態4の素子間接続体付き受光素子を裏側から示した平面図 実施の形態4の受光素子を裏側から示した図であり、(a)は、平面図、(b)は(a)に素子間接続体の素子間接続部が電流取出し電極に接続した状態を示す平面図 実施の形態4の素子間接続体付き受光素子の断面図であり、(a)は、図25()中6A−6Bの線分の位置に相当する断面図、(b)は、図25()中6C−6Dの線分の位置に相当する断面図、(c)は、図25()中6E−6Fの線分の位置に相当する断面図 実施の形態4の変形例となる素子間接続体付き受光素子を裏側から示した平面図 実施の形態4の変形例となる素子間接続体付き受光素子を裏側から示した平面図 実施の形態4に用いる、半導体基板上の電極が電極下の半導体基板内の導電領域と逆の極性を有する素子の、素子表面の導電領域のパターンを示す素子裏面側の平面図 実施の形態4の素子を素子裏面側からみた平面図 実施の形態4の受光素子モジュールを図30の6−6部分に相当する断面図
本実施の形態の素子間接続体30、受光素子10及び受光素子モジュール1によれば、素子間接続部31が、素子電極のうちの一方例えば第2の素子電極である集電電極14に交差して設けられた第2の極性の素子電極の電流取出し電極15に沿って選択的に接続されている。従って、特許文献1のような電流取出し電極部分が素子基板の端部にしかない場合に比べて、半導体基板11と接続される素子電極である第2の素子電極から素子間接続体30の素子間接続部31までの接続距離が短い上、受光素子10a〜10fと同じあるいは同程度の面積の導電体を用いることができるために抵抗ロスが小さい。また素子上に箔と同程度の抵抗となる導電体を形成する場合は、コストと時間がかかり、電極断面積を大きくして抵抗を小さくすることが難しい線状電極12及び集電電極14の集電距離を減らすことができる点で特に利点がある。また、受光素子10a〜10fを透過した透過光を反射させて、受光素子10に再入射させることができ、光透過ロスを低減でき、設置面積に対する発電出力の高い受光素子モジュール1を得ることができる。
ここでは、接着層26が素子間接続体30と受光素子10との間を接続する例を記載したが、接着層26は素子間接続体30と受光素子10との間を隙間無く接着しなければならないわけではなく、例えば、絶縁性を高めるために接着層26が素子電極を覆っている一方で素子間接続体の本体部32とは接触していなくても良く、逆に素間接続体30の本体部32を覆っている一方で素子電極とは接触していなくてもよい。
図12(b)のI-J断面及び図12(d)のM1−N1断面では、素子間接続体30の本体部32の受光面側には接着層26が存在し、素子間接続体30の本体部32と素子間接続部31とは絶縁される。その一方で、図12(c)に示すK−L断面及び図12(e)のM 2 −N 2 断面の凹部31以外の部分においては、絶縁層26が選択的に存在しない部分を有し、素子間接続体30の本体部32の受光面側に絶縁層26がない部分では電気接続体21を介して素子電極である線状電極12と接続される。図12(d),12(e)の凹部O31の部分には隣接する受光素子に接続される素子間接続部31が位置し、絶縁層26によって素子間接続体30の本体部32と絶縁される。
また、本変形例では素子間接続体30の本体部32と、受光素子10の線状電極12とは、電気接続体21で接続され、素子間接続体30の素子間接続部31と素子間接続体30の素子裏部分である本体部32、及び、素子間接続体30の素子間接続部31、電流取出し電極15とは電気接続体33によって接続される。図18では電気接続体21,33の図示を省略している。素子間を接続してストリングを形成するために加熱あるいは接着する際に素子電極と素子間接続体の素子間接続部31が外れないように、電気接続体21及び33の溶融温度あるいは接着温度は異なっていてもよい。素子間を接続してストリングを形成するために加熱する際に素子電極と本体部32が素子電極から外れないようにするためには、素子間接続部31と電流取出し電極15とを接続する電気接続体33のほうが溶融温度あるいは接着温度が低くなるようにする。電気接続体33としては、錫銀はんだ、錫ビスマスはんだ、導電性接着剤等の導電性の接続部材を用いることができる。上記電気接続体33の材料としては、電気接続体部分を形成する際に必要な温度が低いほうが、接続体接合後に室温まで温度を下げた際の受光素子及び素子間接続体30の素子裏部分である本体部32への応力が低下し、したがって、受光素子10の反りが少なく強度及び長期信頼性に優れた受光素子モジュールを得ることができ、より好ましい。なお、上記電気接続体が使用される場所と溶融温度の高低の組み合わせは製造の順番に従って上記とは逆にしてもよい。
電気接続体の種類とそれぞれの電気接続体の形成部位とは任意に組み合わせてよいが、素子基板の加熱時間が短くかつ加熱温度が低くなるように素子電極と素子間接続体との接続部分と、素子間接続体と素子間接続体との間の接続部分とで分けて用いるとよい。例えば、素子間を接続してストリングを形成するために加熱する際に素子電極と素子間接続体30の本体部3が素子電極から外れないように、電気接続体21及び33の溶融温度は異なっていてもよい。前記本実施の形態4での電気接続体21と33との使用部位の組み合わせの場合、電気接続体33の接続温度を電気接続体21の接続温度よりも高くした場合では、事前に「素子間接続体30の素子間部31a−電気接続体の本体部32間」、及び、「素子間接続体30の素子間部31a−素子間接続体30の電流取出し電極接続部31b間」との接続部を電気接続体33で接続しておいてから、「電気接続体の本体部32−線状電極12間」、及び、「電流取出し電極15−素子間接続体30の電流取出し電極接続部31b間」の接続を電気接続体21で実施することにより、後の工程である電気接続体21の接続においてもより接続温度の高い電気接続体33は熱による影響を受けにくいためストリングの形成を容易に行えるという利点がある。電気接続体33の接続温度を電気接続体21の接続温度よりも低くした場合では、各電気接続体による接続の順番を逆にする方が好ましい。
変形例8.
次に本実施の形態4の変形例について説明する、図27に示す変形例の受光素子モジュールにおいては、素子間接続体30の本体部32に凹部32Rと図中に点線の囲みで示される凸部32Pが設けられている。受光面側に突出する凸部32Pが突出している素子電極12間の間隙よりも大きい場合、あるいは、受光面側に凹となる凹部32Rの間隔すなわち幅が素子電極である線状電極12の幅よりも小さい場合、素子間接続体30の本体部32は素子電極である線状電極12につきあたる。従って、素子間接続体30の本体部32と逆の極性の素子電極である集電電極14と接触しないため、位置合わせをしなくても素子間接続体30の本体部32と線状電極12とのみを接続することができる。また、受光面側へ凸となる部分である凸部32Pの断面の幅が、第の素子電極すなわち線状電極12間の間隙よりも広いことで、本体部32は素子電極である線状電極12に確実につきあたり接続する。
変形例10.
図29,30,31は、本実施の形態4の変形例の受光素子モジュールを示す図であり、半導体基板上の素子電極が半導体基板内と逆の極性を有する受光素子を用いた場合の半導体基板の導電領域のパターンと電極の位置を示す平面図と平面図と断面図である。変形例10では、キャリアの再結合中心となる半導体層と金属電極との接触面積を小さくする一方で、素子間接続体30までの距離を最小限に抑え、電流は、板厚が大きく低抵抗の素子間接続体内を流れるようにした構成である。図29は半導体基板裏面側の基板表面における半導体領域の面内分布を示す図であり、素子間接続体30、封止材等のモジュール部材だけでなくパッシベーション膜、あるいは電極を除いて記載している。図29においてn型である半導体基板11表面に半導体基板11と異なる半導体層であるp型ドープ領域16が形成されており、低濃度n型ドープ領域17a、高濃度n型ドープ領域17bについては半導体基板11そのものとは異なる導電領域が表面に形成されていることを示している。図30は素子電極までを含めた素子のみを裏面側からみた図であり、一方の極性の素子電極に点状電極12Dを用いた受光素子10の素子電極のパターンを示す平面図である。図30では、パッシベーション膜18aが素子基板を構成する半導体基板11を覆い、パッシベーション膜18aで被覆された領域以外の部分に素子電極である点状電極12D、集電電極14、電流取出し電極15が半導体基板11の裏面側に並置されるように形成されている。図31は図30の6G−6Hの断面図である。図31は、素子を素子間接続体30で接続した状態のストリング断面を示しており、受光面側のパッシベーション膜、モジュールの封止材、受光面材、裏面保護材は記載を省略している。

Claims (20)

  1. 半導体基板の背面側に極性の異なる第1及び第2の素子電極を有する、背面接続型の光電変換素子と、
    本体部と、前記本体部に接続される素子間接続部とを備え、前記光電変換素子を隣接する光電変換素子に接続する導電板からなる素子間接続体とを備えた光電変換素子モジュールであって、
    前記第1及び第2の素子電極は平面配置され、
    前記第2の素子電極は、前記素子間接続部と接続される電流取出し電極と前記電流取出し電極に接続される複数の集電電極とから構成され、
    前記第2の素子電極の集電電極は、前記半導体基板の背面上で前記素子間接続部と交差して接続する部分を有し、
    前記第1の素子電極は、前記素子間接続部によって分断された複数の領域を有し、
    前記素子間接続体の本体部は板状であり、前記本体部の幅は、前記素子間接続部の幅よりも広く、前記光電変換素子裏面の前記第1の素子電極とは直接電気的に接続されるとともに、前記第2の素子電極とは絶縁され、
    前記本体部と電気的に接続された素子間接続体の素子間接続部が隣接配置される光電変換素子の第2の素子電極の電流取出し電極と直接接続されたこと、
    を特徴とする光電変換素子モジュール。
  2. 前記第2の素子電極は、前記半導体基板の背面上の同一面内で交差して接続する部分を有し、
    前記第1の素子電極は、前記第2の素子電極によって分断された複数の領域を有し、
    前記素子間接続部が、前記第2の素子電極の電流取出し電極に沿って配置され、前記電流取出し電極に直接接続されること、
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換素子モジュール。
  3. 前記本体部は、前記素子間接続部の形状に対応した切欠きを有し、前記素子間接続部と相補的形状をなすこと、
    を特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子モジュール。
  4. 同一光電変換素子上に位置する、素子間接続体の本体部と、隣接する素子の素子間接続体の素子間接続部とが、同一平面上に並置されたこと、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  5. 前記第2の素子電極は、一定の間隔で互いに平行にグリッド状に配置された集電電極と、前記集電電極と交わり前記集電電極を相互接続する電流取出し電極とで構成され、
    前記第1の素子電極は、前記第2の素子電極によって分断された複数の領域で構成されたこと、
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  6. 前記本体部は前記第2の素子電極とは絶縁層を介して当接し、
    前記絶縁層が樹脂層であること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  7. 前記素子間接続体の本体部が金属板であり、
    前記本体部は、前記第1の素子電極と、はんだあるいは導電性接着剤により接続されること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  8. 前記金属板は銅箔であり、
    前記本体部は、前記第1の素子電極とはんだにより接続されること、
    を特徴とする請求項7に記載の光電変換素子モジュール。
  9. 前記本体部の基材が、銅またはアルミニウムであること、
    を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  10. 前記第2の素子電極の表面が、前記第1の素子電極の表面よりも前記半導体基板側にある請求項1から9のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  11. 前記半導体基板は、第1導電型のシリコン基板であり、
    前記第1の素子電極は前記シリコン基板内に形成された第1導電型半導体領域に接続され、
    前記第2の素子電極は前記シリコン基板内に形成された第2導電型半導体領域に接続され、
    前記第1導電型半導体領域表面は前記第2導電型半導体領域よりも高い位置に形成された請求項1から10のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  12. 前記半導体基板は、n型シリコン基板であり、
    前記第1の素子電極は、前記n型シリコン基板内に形成され、前記n型シリコン基板内よりも高濃度のn+型半導体領域に接続され、
    前記第2の素子電極は、前記n型シリコン基板内に形成されたp型半導体領域に接続され、
    前記p型半導体領域表面は、前記n+型半導体領域よりも高い位置に形成されたこと、
    を特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  13. 前記素子間接続体の前記本体部と前記第2導電型半導体領域との間に絶縁性の樹脂層を有すること、
    を特徴とする請求項12に記載の光電変換素子モジュール。
  14. 前記第1及び第2の素子電極上の素子間接続体との接続領域のみに、選択的に電気接続体が形成されること、
    を特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  15. 前記素子間接続体の本体部は、凹凸構造を有すること、
    を特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光電変換素子モジュール。
  16. 前記本体部の凹凸構造の受光面側へ凹となる部分の幅が、前記第1の素子電極の幅よりも狭いこと、
    を特徴とする請求項15に記載の光電変換素子モジュール。
  17. 前記本体部の凹凸構造の受光面側へ凸となる部分の断面の幅が、前記第1の素子電極間の間隙よりも広いこと、
    を特徴とする前記請求項15または16に記載の光電変換素子モジュール。
  18. 半導体基板の背面側に極性の異なる第1及び第2の素子電極を有する、背面接続型の光電変換素子と、
    本体部と、前記本体部に接続される素子間接続部とを備え、前記光電変換素子を、隣接する光電変換素子に接続する、導電板からなる素子間接続体とを備えた光電変換素子モジュールであって、
    前記第1及び第2の素子電極は平面配置され、
    前記第2の素子電極は、電流取出し電極と前記電流取出し電極に接続される複数の集電電極とから構成され、
    前記第2の素子電極は、前記半導体基板の背面上の同一面内で交差して接続する部分を有し、
    前記第1の素子電極は、前記電流取出し電極によって分断された複数の領域を有し、
    前記素子間接続体は、
    複数の短冊状体に分割され、前記第1の素子電極に当接する本体部と、
    前記本体部の間に配され、前記電流取出し電極に当接する短冊状の金属板からなる電流取出し電極接続部と、
    前記電流取出し電極接続部及び前記本体部に一端を接続され、他端を隣接セルの本体部及び電流取出し電極接続部に接続される、素子間部とで構成されたこと、
    を特徴とする光電変換素子モジュール。
  19. 半導体基板の背面側に、重なりあう部分を持たず平面配置された、極性の異なる第1及び第2の素子電極を有するとともに、
    前記第2の素子電極は、電流取出し電極と前記電流取出し電極に接続される複数の集電電極とから構成され、
    前記第2の素子電極は、同一面内で交差して接続する部分を有し、
    前記第1の素子電極は、前記電流取出し電極によって分断された複数の領域を有する、背面接続型の光電変換素子を形成する工程と、
    本体部と、前記本体部に接続される素子間部とを備えた素子間接続体を形成する工程と、
    前記素子間接続体の本体部が、前記光電変換素子裏面の前記第1の素子電極とは直接電気的に接続するとともに、前記第2の素子電極とは絶縁層を介して当接して電気的に絶縁し、
    前記本体部と電気的に接続された素子間接続体の素子間接続部を隣接配置される光電変換素子の第2の素子電極の電流取出し電極と直接接続し、
    前記光電変換素子を、隣接する光電変換素子に接続する工程とを含む、
    ことを特徴とする光電変換素子モジュールの製造方法。
  20. 前記接続する工程に先立ち、
    素子電極上に電解めっきにより金属を選択的に堆積する選択めっき工程を含むこと、
    を特徴とする請求項19に記載の光電変換素子モジュールの製造方法。
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