JPWO2015064444A1 - 一軸アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

一軸アクチュエータは、ボールねじ機構のボール(4)を軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路を、スライダ(2)をねじ軸(3)の長手方向に沿って貫通する貫通穴(24)と、エンドデフレクタ(6)により構成する。エンドデフレクタ(6)は、貫通穴(24)と接続する方向転換路を有する。エンドデフレクタ(6)の本体(61)が、スライダ本体(2A)のねじ軸(3)の長手方向両端部に形成された切欠き部(26)に嵌合されている。これにより、循環チューブを使用して一軸アクチュエータのボール戻し経路を形成している一軸アクチュエータと比較して、ねじ軸の外周円の直径が同じ場合にスライダのねじ軸長手方向に垂直な断面形状を小さく、スライダのねじ軸長手方向の寸法が同じ場合に負荷容量を大きくすることができる。

Description

本発明は、一軸アクチュエータに関する。
ボールねじ機構とリニアガイド機構が組み合わされた一軸アクチュエータは、長手方向に垂直な断面がU字状である案内レールと、案内レールのU字状の凹部内に配置されたスライダと、案内レールとスライダの間に配置された複数個の転動体を有する。スライダ内には、案内レールと平行にナットが形成され、ナットの螺旋溝とナットを貫通するねじ軸の螺旋溝とで形成される軌道に、複数個のボールが配置されている。
案内レールは、スライダの各側面と対向する内側面に、転動体の転動通路を構成する転動面を有する。スライダは、案内レールの転動面と対向して転動通路を構成する転動面と、転動体の戻し通路と、戻し通路と転動通路とを連通させる方向転換路を有する。転動通路と戻し通路と方向転換路とで構成される循環経路内に、転動体が配置されている。一軸アクチュエータは、さらに、ボールを軌道の終点から始点に戻す循環部品を有する。
一軸アクチュエータは、ねじ軸の回転により、ボールを介してねじ軸の回転力がナットに伝達されて、転動体が転動通路を負荷状態で転動しながら循環経路内を循環することにより、スライダが案内レールに沿って移動する。
このような一軸アクチュエータの従来例として、特許文献1および特許文献2には、転動体としてころを組み込んだ一軸アクチュエータが記載されている。転動体としてころを使用することで、ボールを使用した場合よりも、軽量化やコンパクト化を確保しながら負荷容量や剛性を増すことができる。
特許文献1に記載された一軸アクチュエータでは、ベアリングブロックの雌ねじ部、即ちスライダのナットをインサート成形で形成している。
特許文献2に記載された一軸アクチュエータは、低コストで軽量化およびコンパクト化を確保するために、DF(Double Face)接触構造、即ち各内側面に形成された二列の転動通路を転動するころ列の荷重作用線の交点が、幅方向で前記転動通路より内側に存在する構造を有するとともに、ナットがスライダに直接形成されている。
従来の一軸アクチュエータでは、循環チューブを用いて、ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路を形成している。すなわち、スライダにねじ軸長手方向と垂直な方向に沿って貫通する貫通穴を設け、この貫通穴に循環チューブの脚部を挿入し、取付金具により循環チューブをスライダの上面または下面に固定している。また、従来の一軸アクチュエータは、ねじ軸の外周円の面積が、スライダのねじ軸長手方向に垂直な断面の面積の20%未満になっている。
特許第3431354号公報 特開2010−106934号公報
一軸アクチュエータで、循環チューブをスライダの下面に固定する際に、スライダの下面から突出させる場合には、U字状の案内レールの底面との間に十分な空間を設けないと循環チューブが案内レールに接触する恐れがある。
循環チューブをスライダの上面に設ける場合は、スライダの上面に循環チューブを配置する凹部を設けるか、スライダの上面から循環チューブを突出させて、ワーク、即ちスライダ上に固定する部材側に循環チューブの逃がし部を設ける必要がある。スライダの上面に凹部を設ける方法では、スライダのねじ軸長手方向に垂直な断面形状が大きくなる。ワーク側に逃がし部を設ける方法では製造コストが上昇する。
本発明の課題は、循環チューブを使用して一軸アクチュエータのボール戻し経路を形成している一軸アクチュエータと比較して、ねじ軸の外周円の直径が同じ場合にスライダのねじ軸長手方向に垂直な断面形状を小さく、スライダのねじ軸長手方向の寸法が同じ場合に負荷容量を大きくすることである。
上記課題を解決するために、本発明の一軸アクチュエータは、
長手方向に垂直な断面がU字状である案内レールと、
前記案内レールのU字状の凹部内に配置されたスライダと、
前記案内レールと前記スライダの間に配置された複数個の転動体と、
前記スライダ内に前記案内レールと平行に形成されたナットと、
前記ナットを貫通するねじ軸と、
前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数個のボールと、を有し、
前記案内レールは、前記スライダの各側面と対向する内側面に、前記転動体の転動通路を構成する転動面を有し、
前記スライダは、前記案内レールの前記転動面と対向して前記転動通路を構成する転動面と、前記転動体の戻し通路と、前記戻し通路と前記転動通路とを連通させる方向転換路を有し、前記転動通路と前記戻し通路と前記方向転換路とで構成される循環経路内に、前記転動体が配置され、
前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路が、前記スライダを前記ねじ軸長手方向に沿って貫通する貫通穴と、前記貫通穴と接続する方向転換路を有し前記スライダの前記ねじ軸長手方向両端部に配置された循環部品とで構成され、
前記ねじ軸の回転により、前記ボールを介して前記ねじ軸の回転力が前記ナットに伝達されて、前記転動体が前記転動通路を負荷状態で転動しながら前記循環経路内を循環することにより、前記スライダが前記案内レールに沿って移動可能とされていることを特徴としている。
本発明の一軸アクチュエータによれば、前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻す循環部品が、前記スライダの前記ねじ軸長手方向の両端部に配置されているため、ナットの螺旋溝のねじ軸長手方向全体が、ボールねじ機構のボールの軌道として使用される。よって、循環部品として循環チューブを用いた場合と比較して、スライダのねじ軸長手方向の寸法が同じ場合、負荷容量を大きくできる。循環部品として循環チューブを用いると、ナットの螺旋溝のねじ軸長手方向両端部が、ボールねじ機構のボールの軌道として使用されない。
また、本発明の一軸アクチュエータによれば、スライダの上面および下面に循環部品が存在しないため、スライダのねじ軸長手方向に垂直な断面形状が、循環部品により拡大しない。よって、ねじ軸の外周円の面積を、スライダのねじ軸長手方向に垂直な断面の面積の20%以上にすることができる。
すなわち、本発明の一軸アクチュエータは、前記ねじ軸の外周円の面積Sと、前記スライダを前記ねじ軸長手方向に垂直な面で切断した断面の面積Sとの関係が、S≧0.2Sを満たすものとすることができる。
本発明の一軸アクチュエータは、前記転動体がころであり、前記各内側面には二列の転動通路が形成してあり、これら二列の転動通路を転動するころ列の荷重作用線の交点が、幅方向で前記転動通路より内側に存在している構成としてもよい。
本発明の一軸アクチュエータは、前記循環部品の前記ねじ軸長手方向両端部に少なくとも一つの循環部品押さえ蓋を有する構成としてもよい。これにより、循環部品を少なくとも一つの循環部品押さえ蓋で固定することができ、循環部品の緩みや振動を抑制して高品質な一軸アクチュエータを提供することが可能となる。なお、循環部品をねじ軸のリード寸法が異なる製品にも共通して使用できるように、複数の循環部品押え蓋で固定することが望ましい。
本発明の一軸アクチュエータは、前記循環部押さえ蓋が金属材料やエラストマー材料からなる構成としてもよい。
本発明の一軸アクチュエータは、前記循環部押さえ蓋がポリオレフィン樹脂により成形され、前記循環部押さえ蓋が潤滑油を50重量%以上含有する構成としてもよい。これにより、コンパクトな構造で転動通路へ潤滑油を供給することができる。即ち、金属接触面へ直接潤滑油を供給し摩耗や損傷を低減させることが可能となる。なお、潤滑油を一軸アクチュエータ内部の転送面へ効果的に供給するために、循環部品押さえ蓋の任意の場所に貫通孔を設けて空気の流通経路を確保してもよい。
本発明の一軸アクチュエータは、前記循環部押さえ蓋がアルミニウム材料からなる構成としてもよい。直接大きな負荷を受けない循環部品押さえ蓋をアルミ材料や炭素繊維または炭素繊維を用いた複合材料で形成すると、スライダの軽量化により、モータの負荷を抑えることができる。また、低コストの押さえ蓋を供給することができる。
本発明の一軸アクチュエータは、前記ボール戻し経路の前記貫通穴が前記スライダの厚肉部に形成されている構成としてもよい。この構成により、スライダに均等に熱処理を行うことが可能となる。したがって、熱処理による前記スライダの変形が緩和され、均一な熱処理品質を得ることが可能となる。
本発明の一軸アクチュエータは、前記循環部品は、前記スライダを前記ねじ軸長手方向外側から見たとき、前記循環部品の前記方向転換路が前記案内レールの設置面に対して略垂直もしくは略平行に延在するように、前記スライダの前記ねじ軸長手方向両端部に配置される構成としてもよい。この構成により、前記スライダに前記貫通穴を形成する際に、前記貫通穴即ち加工による空洞部を前記スライダの外周面に近接して薄肉とならない箇所に設置することができる。これにより、前記スライダに薄肉部が生じることがないため、均等に熱処理を行うことが可能となる。したがって、熱処理による前記スライダの変形が緩和され、均一な熱処理品質を得ることが可能となる。
さらに、本発明の一軸アクチュエータは、ねじ軸が軸方向中央から両端に向かって右ねじと左ねじが同一リードで形成され、左右それぞれのねじ軸にスライダを設ける構成としてもよい。これにより、各スライダを基準線に対して左右対称に稼動することができる。
さらに、本発明の一軸アクチュエータは、案内レールのU字状の凹部内に独立した2つのボールねじ軸とスライダを配置する構成としてもよい。これにより、各スライダを基準線に対して双方自由に稼動することができる。
本発明によれば、循環チューブを使用して一軸アクチュエータのボール戻し経路を形成している一軸アクチュエータと比較して、ねじ軸の外周円の直径が同じ場合にスライダのねじ軸長手方向に垂直な断面形状を小さく、スライダのねじ軸長手方向の寸法が同じ場合に負荷容量を大きくすることができる。
本発明の一実施形態に相当する一軸アクチュエータを示す平面図である。 図1の側面図である。 図1の3A−3A断面図である。 図4Aは図1のスライダを示す図であり、図4Bは図4Aの4A−4A断面図およびエンドデフレクタとエンドデフレクタ押さえ蓋を示す図である。 図1の一軸アクチュエータが有するエンドデフレクタを示す図であって、図5Bは方向転換路が見える図、図5Aは図5Bの左側面図即ち背面図、図5Cは図5Bの右側面図即ち正面図である。 図1の一軸アクチュエータが有するエンドデフレクタ押さえ蓋を示す図であって、図6Aは図6Bの側面図、図6Cは図6Bの厚さの異なる図である。 図7Aはスライダの変形例を示す図であり、図7Bは図7Aの7A−7A断面図およびエンドデフレクタと複数のエンドデフレクタ押さえ蓋を示す図である。 図3に示すスライダ本体からエンドデフレクタを外した状態を示す一軸アクチュエータの断面図である。 図1とは異なる実施形態の一軸アクチュエータを示す図であって、ねじ軸の中央。 図1とは異なる実施形態の一軸アクチュエータを示す図であって、ねじ軸は軸方向中央から両端に向かって右ねじと左ねじが同一リードで形成された一軸アクチュエータを示す平面図である。 図1とは異なる実施形態の一軸アクチュエータを示す図であって、複数のボールねじと複数のスライダにより構成した一軸アクチュエータを示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1〜3は、本発明の一実施形態に相当する一軸アクチュエータを示す平面図、側面図、直動方向に垂直な断面図詳しくは図1の3A−3A断面図である。
図1〜3に示すように、この一軸アクチュエータは、案内レール1と、スライダ2と、ねじ軸3と、ボール4と、ころ5と、エンドデフレクタ6を備えている。
案内レール1の長手方向に垂直な断面はU字状であり、U字状の凹部11内にスライダ2が収納されている。案内レール1は、一対の側部12と、底部13と、端部材14A,14Bとからなり、側部12の内側面がスライダ2の側面とそれぞれ対向する。各側部12の内側面に、ころ5の転動通路を構成する転動面12aが形成されている。案内レール1の底部13に、取付ボルトを挿入するための貫通穴15が形成されている。貫通穴15は、幅方向で底部13の各側部12との境界位置に形成されている。
スライダ2には、案内レール1と平行に貫通する雌ねじを有するナット21が形成されている。ナット21は、スライダ2に螺旋溝を直接加工することで形成されている。
ねじ軸3はナット21を貫通し、ナット21とねじ軸3との間にボール4が配置されている。ねじ軸3の長さ方向両端が、案内レール1の長手方向両端の端部材14A,14Bに回転自在に支持されている。ねじ軸3の長さ方向一端即ち図1および2で右端に突出している部分が、使用時にモータに取り付けられる。
スライダ2は、直動方向で、スライダ本体2Aと、エンドキャップ2Bと、サイドシール2Cと、サイドカバー2Dとに分割される。エンドキャップ2Bには、ころ5の方向転換路が形成されている。また、スライダ2の上部の幅方向両側には、直動方向全体に渡って、案内レール1の側部12の上面に配置されるスライド板2Eが形成されている。
スライダ本体2Aの各側面には、案内レール1の転動面12aと対向する位置に、転動面22aが形成されている。これらの対向する転動面12a,22aが、ころ5の転動通路を構成する。この転動通路を二対四列有し、各側部12の二列の転動通路を転動するころ列の荷重作用線L1,L2の交点Cが、幅方向で転動通路の内側に存在している。交点Cを通る水平線LCは、ねじ軸3の中心の高さであるラインL3より寸法Kだけ下方に配置されている。水平線LCと荷重作用線L1,L2との角度即ち接触角は45°である。
エンドデフレクタ6は、図5A−5Cに示すように、本体61と固定片62とからなり、本体61に方向転換路61aとタング61bが形成されている。
図8に示すように、スライダ本体2Aには、ねじ軸長手方向に沿って貫通する貫通穴24,25が形成されている。貫通穴25は、ころ5の戻し通路51を形成するためのスリーブ51aが挿入される穴である。貫通穴24は、ボール4の戻し路を構成する穴であって、ナット21の右下部に形成されている。
そして、スライダ本体2Aのねじ軸長手方向の端面には、ナット21の螺旋溝と連続して貫通穴24を含む範囲に、エンドデフレクタ6の本体61を嵌める切欠き部26が形成されている。切欠き部26の隣に、エンドデフレクタ6の固定片62を嵌める凹部27が形成されている。
エンドデフレクタ6の本体61を切欠き部26に嵌合するとともに、固定片62を凹部27に嵌合することにより、エンドデフレクタ6がスライダ本体2Aのナット21の直動方向端部に固定される。図3はこの状態を示す。これにより、エンドデフレクタ6の本体61の方向転換路61aがスライダ本体2Aの戻し路24と接続される。また、固定片62の凹部27への嵌合により、エンドデフレクタ6がスライダ本体2Aの直動方向と、ナット21の径方向および周方向に拘束されて、本体31がこれらの方向に回り止めされている。
スライダ本体2Aの切欠き部26には、図4、図6Aおよび6Bに示すエンドデフレクタ押さえ蓋7がさらに嵌合されている。これにより、エンドデフレクタ6を固定して緩みや振動を抑制することができる。なお、エンドデフレクタ6をねじ軸のリード寸法が異なる製品にも共通して使用できるように、図6A−6C、7Aおよび7Bに示すように複数のエンドデフレクタ押え蓋7で固定することが望ましい。
エンドデフレクタ押さえ蓋7は、金属材料やエラストマー材料で製作してもよい。
また、エンドデフレクタ押さえ蓋7は、ポリオレフィン樹脂で製作し、潤滑油を50重量%以上含有するようにしてもよい。これにより、コンパクトな構造で転動通路へ潤滑油を供給することができる。
また、エンドデフレクタ押さえ蓋7は、アルミニウム材料や、炭素繊維または炭素繊維を用いた複合材料で製作してもよい。これにより、スライダ本体2Aを軽量化できる。
ねじ軸3の外周円即ち図3にAで示す直径の円の面積Sは、スライダ本体2Aのねじ軸長手方向に垂直な断面の面積Sの24%(S≧0.2S)になっている。具体的には、直径A=25mm、面積S=490.6mm、面積S=2075mmである。面積Sは、スライダ本体2Aの直動方向に垂直な断面において、ナット21の内周面をなす円とスライダ本体2Aの外形ラインとで囲まれた範囲の面積に相当し、スライド板2Eの断面積は含まない。この直動装置の使用時に、案内レール1は、取り付け穴15を利用したボルト止めで支持台に固定される。スライダ2は、スライダ本体2Aの上面に形成された雌ねじ穴28にスペーサが固定され、スペーサの幅方向両端の上部に移動部材が固定される。
モータを作動してねじ軸3を回転させることにより、ボールねじ機構、即ちナット21、ねじ軸3、ボール4、エンドデフレクタ6の方向転換路61a、スライダ本体2Aの貫通穴24と、リニアガイド機構、即ち案内レールの転動面12a、スライダ本体2Aの転動面22a、ころ5、スライダ本体2Aの戻し通路51、エンドキャップ2Bの方向転換路を介して、スライダ2が案内レール1に沿って移動する。これに伴い、移動部材が直線移動する。
この実施形態の一軸アクチュエータによれば、循環チューブを使用してボール戻し経路を形成している場合とは異なり、スライダ2の上面および下面にエンドデフレクタ6が存在しないため、スライダ2のねじ軸長手方向に垂直な断面形状が小さくなる。また、ナット21の螺旋溝のねじ軸長手方向全体が、ボールねじ機構のボール4の軌道として使用される。よって、この実施形態の一軸アクチュエータは、従来の一軸アクチュエータと比較して、ねじ軸3の外周円の直径が同じ場合のスライダ2のねじ軸長手方向に垂直な断面形状が小さく、スライダ2のねじ軸長手方向の寸法が同じ場合の負荷容量が大きくなる。
また、各側部12の二列の転動通路を転動するころ列の荷重作用線の交点Cが、幅方向で転動通路の内側に存在しているDF接触構造、即ち正面合わせ接触構造であるため、調心性に優れ、こじり力が加わることで発生する力も小さい。そのため、スライダ2に対してころ5の転動面22aとナット21の螺旋溝即ちボールねじのボールの転動溝を別工程で形成することに伴って、両者に相対的な位置ずれが生じても、こじり力が加わることに伴う寿命低下を抑制できる。したがって、スライダ2に対してころ5の転動面22aとナット21の螺旋溝との相対的な位置精度を高精度にする必要がないため、コストアップや生産性低下の問題が生じない。また、接触角を45°としたため、上下方向および水平方向の荷重をバランスよく受けることができる。
さらに、この実施形態の一軸アクチュエータでは、片側二列の転動通路の中心の高さであるラインLCが、ねじ軸3の中心の高さであるラインLより下方に配置されている。すなわち、転動面12a,22aの位置が側部12の底部13との境界位置近くに配置されている。そのため、スライダ2が荷重を受けて、案内レール1の側部12に開き変形が生じた場合でも、転動面12a,22aの傾きによって生じる転動面12a,22aところ5との接触部での面圧分布の偏りや、エッジロードによる寿命低下を可及的に小さくすることができる。
また、この実施形態の一軸アクチュエータでは、エンドデフレクタ6は、スライダ2をねじ軸3長手方向外側から見たとき、エンドデフレクタ6の方向転換路61aが案内レール1の設置面に対して略垂直もしくは略平行に延在するように、スライダ本体2Aのねじ軸3長手方向両端部に配置されている。具体的には、図3および図4Bの右方に示すエンドデフレクタ6の方向転換路61aは案内レール1の設置面に対して略平行に延在しており、図4Bの左方に示すエンドデフレクタ6の方向転換路61aは案内レール1の設置面に対して略垂直に延在している。この構成により、スライダ本体2Aに貫通穴24を形成する際に、貫通穴24即ち加工による空洞部をスライダ本体2Aの外周面から離れた位置、つまり厚肉部に形成することができる。即ち、当該空洞部とスライダ本体2Aの外周面が近接してスライダ本体2Aに薄肉部が生じてしまうことがないため、スライダ本体2Aに対して熱処理を均等に行うことが可能となる。したがって、熱処理によるスライダ本体2Aの変形が緩和され、均一な熱処理品質を得ることが可能となる。
なお、上記実施形態では、リニアガイド機構の転動体がころ5の場合について説明したが、本発明は、図9に示すように、リニアガイド機構の転動体がボール8である場合にも適用される。この場合には、ボール8の転動面として、案内レール1の側部12の内側面にボール8の転動溝12bを形成し、スライダ本体2Aに転動溝22bを形成する。また、スライダ本体2Aに、ボール8の戻し通路として、ねじ軸長手方向に延びる貫通穴29を形成する。
これにより、一軸アクチュエータのリニアガイド機構を、案内レール1の転動溝12b、スライダ本体2Aの転動溝22b、ボール8、スライダ本体2Aの戻し通路29、およびエンドキャップ2Bの方向転換路で構成する。これ以外の点は図1の一軸アクチュエータと同じである。
図9の一軸アクチュエータにおいて、ねじ軸3の外周円即ち図9にAで示す直径の円の面積Sは、スライダ本体2Aのねじ軸長手方向に垂直な断面の面積Sの23%(S≧0.2S)になっている。具体的には、直径A=25mm、面積S=490.6mm、面積S=2117mmである。面積Sは、スライダ本体2Aの直動方向に垂直な断面において、ナット21の内周面をなす円とスライダ本体2Aの外形ラインとで囲まれた範囲の面積に相当し、スライド板2Eの断面積は含まない。
図10に、ねじ軸3が軸方向中央から両端に向かって右ねじと左ねじが同一リードで形成され、左右それぞれのねじ軸3にスライダ2を設ける構成とした一軸アクチュエータを示す。この構成により、各スライダ2を基準線に対して左右対称に稼動することができる。
図11に、案内レール1のU字状の凹部内に独立した2つのボールねじ軸3とスライダ2を配置する構成とした一軸アクチュエータを示す。この構成により、各スライダ2を基準線に対して双方自由に稼動することができる。
1 案内レール
11 案内レールの凹部
12 案内レールの側部
12a 案内レールの転動面
12b 案内レールの転動溝
13 底部
14A,14B 案内レールの端部
15 取り付け穴
2 スライダ
2A スライダ本体
2B エンドキャップ
2C サイドシール
2D サイドカバー
2E スライド板
21 ナット
22a スライダの転動面
22b スライダの転動溝
24 ボール戻し経路である貫通穴
25 貫通穴
26 切欠き部
27 凹部
29 ボールの戻し通路である貫通穴
3 ねじ軸
4 ボール
5 転動体であるころ
51 ころの戻し通路
51a スリーブ
6 エンドデフレクタ
61 本体
61a 方向転換路
62 固定片
7 エンドデフレクタ押さえ蓋
8 転動体であるボール

Claims (11)

  1. 長手方向に垂直な断面がU字状である案内レールと、
    前記案内レールのU字状の凹部内に配置されたスライダと、
    前記案内レールと前記スライダの間に配置された複数個の転動体と、
    前記スライダ内に前記案内レールと平行に形成されたナットと、
    前記ナットを貫通するねじ軸と、
    前記ナットの螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝とで形成される軌道の間に配置された複数個のボールと、を有し、
    前記案内レールは、前記スライダの各側面と対向する内側面に、前記転動体の転動通路を構成する転動面を有し、
    前記スライダは、前記案内レールの前記転動面と対向して前記転動通路を構成する転動面と、前記転動体の戻し通路と、前記戻し通路と前記転動通路とを連通させる方向転換路を有し、前記転動通路と前記戻し通路と前記方向転換路とで構成される循環経路内に、前記転動体が配置され、
    前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路が、前記スライダを前記ねじ軸長手方向に沿って貫通する貫通穴と、前記貫通穴と接続する方向転換路を有し前記スライダの前記ねじ軸長手方向両端部に配置された循環部品とで構成され、
    前記ねじ軸の回転により、前記ボールを介して前記ねじ軸の回転力が前記ナットに伝達されて、前記転動体が前記転動通路を負荷状態で転動しながら前記循環経路内を循環することにより、前記スライダが前記案内レールに沿って移動可能とされていることを特徴とする一軸アクチュエータ。
  2. 前記転動体はころであり、前記各内側面には二列の転動通路が形成してあり、これら二列の転動通路を転動するころ列の荷重作用線の交点が、幅方向で前記転動通路より内側に存在していることを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  3. 前記ねじ軸の外周円の面積Sと、前記スライダを前記ねじ軸長手方向に垂直な面で切断した断面の面積Sとの関係が、S≧0.2Sを満たすことを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  4. 前記循環部品の前記ねじ軸長手方向両端部に少なくとも一つの循環部品押さえ蓋を有することを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  5. 前記循環部押さえ蓋は金属材料やエラストマー材料からなることを特徴とする請求項4に記載の一軸アクチュエータ。
  6. 前記循環部押さえ蓋はポリオレフィン樹脂により成形され、
    前記循環部押さえ蓋は潤滑油を50重量%以上含有することを特徴とする請求項4に記載の一軸アクチュエータ。
  7. 前記循環部押さえ蓋はアルミニウム材料からなることを特徴とする請求項4に記載の一軸アクチュエータ。
  8. 前記ボール戻し経路の前記貫通穴が前記スライダの厚肉部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  9. 前記循環部品は、前記スライダを前記ねじ軸長手方向外側から見たとき、前記循環部品の前記方向転換路が前記案内レールの設置面に対して略垂直もしくは略平行に延在するように、前記スライダの前記ねじ軸長手方向両端部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  10. 前記ねじ軸は、軸方向中央から両端に向かって右ねじと左ねじが同一リードで形成され、左右それぞれのねじ軸にスライダを設けたことを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
  11. 前記案内レールのU字状の凹部内に配置されたボールねじ軸において、前記ボールねじ軸と前記スライダを2つ配置したことを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。
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