JP2021076211A - ボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールの負荷分布の偏りを抑制でき且つ容易に製造できるボールねじを提供すること。【解決手段】ボールねじは、内周面に設けられる第1ねじ溝、及び相手部品が取り付けられる取付部を備えるナットと、外周面に設けられる第2ねじ溝を備え、ナットを貫通するねじ軸と、第1ねじ溝及び第2ねじ溝の間に配置される複数のボールと、ボールを第1ねじ溝の一端から他端へ導く循環部品と、を備える。第1位置における第1ねじ溝の幅は、第1位置よりも取付部に近い第2位置における第1ねじ溝の幅よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、ボールねじに関する。
ナット、ナットを貫通するねじ軸、及びナットとねじ軸との間に配置される複数のボールを備えるボールねじが知られている。特許文献1には、ボールねじの一例が記載されている。特許文献1は、ボールの負荷分布の偏りを低減するために、異なる直径を有する複数種類のボールが用いられている。
特開2016−125661号公報
特許文献1においては、区画された各転動路ごとに異なる直径を有するボールが配置されるため、ボールねじの製造が難しくなる。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ボールの負荷分布の偏りを抑制でき且つ容易に製造できるボールねじを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るボールねじは、内周面に設けられる第1ねじ溝、及び相手部品が取り付けられる取付部を備えるナットと、外周面に設けられる第2ねじ溝を備え、前記ナットを貫通するねじ軸と、前記第1ねじ溝及び前記第2ねじ溝の間に配置される複数のボールと、前記ボールを前記第1ねじ溝の一端から他端へ導く循環部品と、を備え、第1位置における前記第1ねじ溝の幅は、前記第1位置よりも前記取付部に近い第2位置における前記第1ねじ溝の幅よりも小さい。
相手部品からナットに軸方向の荷重Fが加わる時、第1ねじ溝が弾性変形する。第1ねじ溝の弾性変形量は、取付部に近いほど大きくなる。すなわち、第2位置における第1ねじ溝の弾性変形量は、第1位置における第1ねじ溝の弾性変形量よりも大きい。このため、第1ねじ溝が一定である場合には、第2位置においてボールに加わる負荷が大きくなる。これに対して、本開示のボールねじにおいては、第1位置における第1ねじ溝の幅が第2位置における第1ねじ溝の幅よりも小さい。このため、第2位置におけるボールと第1ねじ溝との間の隙間は、第1位置におけるボールと第1ねじ溝との間の隙間よりも大きい。これにより、第2位置においてボールに加わる負荷が低減する。したがって、ボールの負荷分布の偏りが抑制される。このため、ボールの転動路及び循環路での移動がスムーズになる。また、ナットの第1ねじ溝は、容易に製造できる。さらに1つのボールねじに直径の異なる複数種類のボールを用いる必要がない。よって、本開示のボールねじは、ボールの負荷分布の偏りを抑制でき且つ容易に製造できる。
上記のボールねじの望ましい態様として、前記第1ねじ溝の幅は、前記取付部に近付くにしたがって連続的に大きくなっている。
仮に区画された各転動路ごとに異なる直径を有するボールが配置される場合、ボールの負荷分布の偏りが低減されるものの、ボールの負荷は軸方向の位置によって段階的に変わることになる。これに対して、本開示のボールねじにおいては、取付部に近付くにしたがって、第1ねじ溝とボールとの間の隙間が滑らかに大きくなる。ボールの負荷は軸方向の位置によって連続的に変わることになる。このため、本開示のボールねじは、ボールの負荷分布の偏りをより抑制できる。
上記のボールねじの望ましい態様として、前記第1ねじ溝は、前記ナットの回転軸を含む平面で前記ナットを切った断面において前記回転軸と平行な直線を描く底面を備える。
これにより、本開示のボールねじは、第1ねじ溝の幅が大きい位置においても、第1ねじ溝とボールとの間の径方向の隙間を小さくできる。このため、本開示のボールねじは、組立誤差を低減できる。また、本開示のボールねじは、第1ねじ溝の幅を大きくしても、ボールの動きの滑らかさを保つことができる。
本開示のボールねじは、ボールの負荷分布の偏りを抑制でき且つ容易に製造できる。
図1は、本実施形態のボールねじの断面図である。 図2は、ナットの取付部に荷重が加わった時の本実施形態のボールねじの断面図である。 図3は、ナットの取付部に荷重が加わった時の本実施形態のボールの負荷を示すグラフである。 図4は、第1変形例のボールねじの断面図である。 図5は、第2変形例のボールねじの断面図である。 図6は、ナットの取付部に荷重が加わった時の第2変形例のボールねじの断面図である。 図7は、ナットの取付部に荷重が加わった時の第2変形例のボールの負荷を示すグラフである。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態のボールねじの断面図である。ボールねじ10は、回転運動を直進運動に変換する装置である。図1に示すように、本実施形態のボールねじ10は、ナット20と、ねじ軸30と、複数のボール40と、循環部品50と、を備える。
ボールねじ10において、ねじ軸30が回転軸Zを中心に回転する。ねじ軸30は、回転軸Zを中心に回転でき且つ回転軸Zに沿う方向には移動しないように、支持構造によって支持されている。ナット20は、回転軸Zを中心に回転せず且つ回転軸Zに沿う方向に移動できるように、支持構造によって支持されている。ねじ軸30が回転すると、ナット20が回転軸Zに沿う方向に移動する。例えば、ボールねじ10は、搬送装置に適用される。なお、ボールねじ10の適用対象は、特に限定されない。ボールねじ10は、例えば自動車の部品として用いられてもよい。
以下の説明において、ねじ軸30の回転軸Zに沿う方向は、単に軸方向と記載される。軸方向に対して直交する方向は、単に径方向と記載される。径方向は、放射方向とも呼ばれる。
図1に示すように、ナット20は、本体部21と、フランジ部23と、第1ねじ溝25と、を備える。本体部21は、円筒状の部材である。フランジ部23は、本体部21の軸方向の一端に配置される。フランジ部23は、本体部21から径方向の外側に向かって延びる。フランジ部23は、円環状の部材である。第1ねじ溝25は、本体部21の内周面に配置される。第1ねじ溝25は、螺旋状の溝である。第1ねじ溝25は、本体部21の軸方向の一端から他端に亘って連続して設けられる。第1ねじ溝25の断面形状は、2つの円弧を含むゴシックアーチである。
図1に示すように、ナット20には、相手部品90が取り付けられる。例えば、ボールねじ10が搬送装置に適用される場合、相手部品90は、被搬送物である。ナット20は、相手部品90が取り付けられる取付部29を備える。本実施形態において、取付部29は、フランジ部23の端面である。相手部品90は、ナット20に軸方向の荷重を加える。ナット20が移動すると、相手部品90から取付部29に軸方向の荷重が加わる。
図1に示すように、ねじ軸30は、ナット20を貫通する。ねじ軸30は、外周面に第2ねじ溝35を備える。第2ねじ溝35は、螺旋状の溝である。第2ねじ溝35の断面形状は、2つの円弧を含むゴシックアーチである。第2ねじ溝35のピッチは、一定である。
図1に示すように、複数のボール40は、第1ねじ溝25と第2ねじ溝35との間に配置される。ボール40は、第1ねじ溝25及と第2ねじ溝35とで形成される転動路を移動する。転動路は、ナット20の軸方向の一端から他端まで亘っている。複数のボール40の直径は、互いに同じである。ボール40は、第1ねじ溝25に1点又は2点で接する。ボール40は、第2ねじ溝35に2点で接する。
循環部品50は、ボール40を循環させるための部品である。循環部品50は、ボール40をナット20の一端から他端へ導く。循環部品50は、リターンチューブとも呼ばれる。図1に示すように、循環部品50は、ナット20に取り付けられる。循環部品50は、内部に循環路51を備える。循環路51は、第1ねじ溝25及と第2ねじ溝35とで形成される転動路の一端と他端とを繋ぐ。転動路の一端に至ったボール40が、循環路51を通って転動路の他端に導かれ、転動路に戻される。ボール40は、転動路を無限循環する。
図1に示すように、位置P1における第1ねじ溝25の幅D1は、位置P2における第1ねじ溝25の幅D2よりも小さい。位置P2は、位置P1よりも取付部29に近い。位置P2における第1ねじ溝25の幅D2は、位置P3における第1ねじ溝25の幅D3よりも小さい。位置P3は、位置P2よりも取付部29に近い。位置P3における第1ねじ溝25の幅D3は、位置P4における第1ねじ溝25の幅D4よりも小さい。位置P4は、位置P3よりも取付部29に近い。なお、図中の第1ねじ溝25の幅は、説明のため誇張して描かれており、実際の幅とは異なる場合がある。
本実施形態において、第1ねじ溝25の幅は、取付部29に近付くにしたがって連続的に大きくなっている。第1ねじ溝25の幅は、取付部29に近付くにしたがって単調増加している。すなわち、第1ねじ溝25の幅は、図1の左側から右側に向かって、徐々に大きくなっている。第1ねじ溝25の幅は、取付部29からの距離に反比例している。また、第1ねじ溝25のうち取付部29から最も遠くにある部分の幅は、ねじ軸30の第2ねじ溝35の幅と等しい。
図1に示すように、第1ねじ溝25のピッチLは、一定であり、第2ねじ溝35のピッチと等しい。ピッチLは、回転軸Zを含む平面でナット20を切った断面(図1に示す断面)において、隣り合う第1ねじ溝25の中心間の距離である。
第1ねじ溝25は、例えば、砥石を用いた研削によって形成される。第1ねじ溝25の製造方法は、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、を備える。まず第1ステップにおいて、ナット20を回転させながら、本体部21の内周面に当てた砥石が軸方向に一定の速さで移動させられる。これにより、本体部21の内周面に一定幅の螺旋状の溝が形成される。以下の説明において、第1ステップにおける砥石の移動方向を第1方向とし、第1方向とは反対方向を第2方向とする。
次に、第2ステップにおいて、第1ステップで形成された螺旋状の溝の幅が、第1方向に拡げられる。第2ステップにおいては、ナット20を回転させながら、本体部21の内周面に当てた砥石が第1方向に移動させられる。第2ステップにおける砥石の第1方向の移動の速さは、第1ステップにおける砥石の第1方向の移動の速さに補正値を加えた速さである。補正値は、砥石の第1方向への移動量が大きくなるにつれて、徐々に大きくなる。これにより、溝の中心よりも第1方向側の幅のみが連続的に大きくなる螺旋状の溝が形成される。
次に、第3ステップにおいて、第2ステップで形成された螺旋状の溝の幅が、第2方向に拡げられる。第3ステップにおいては、ナット20を回転させながら、本体部21の内周面に当てた砥石が第2方向に移動させられる。第3ステップにおける砥石の第2方向の移動の速さは、第1ステップにおける砥石の第1方向の移動の速さに補正値を加えた速さである。補正量は、砥石の第2方向への移動量が大きくなるにつれて、徐々に大きくなる。第2ステップで形成された螺旋状の溝の、中心よりも第2方向側の幅が拡げられることによって、第1ねじ溝25が形成される。
図2は、ナットの取付部に荷重が加わった時の本実施形態のボールねじの断面図である。図3は、ナットの取付部に荷重が加わった時の本実施形態のボールの負荷を示すグラフである。図3の縦軸は、ボール40の負荷である。図3の横軸は、取付部29からの距離である。図3のグラフの右端が、取付部29に最も近い位置にあるボール40の負荷を示す。図3のグラフの左端が、取付部29から最も遠い位置にあるボール40の負荷を示す。図3の実線がボール40の負荷を示す。図3の破線は、第1ねじ溝25の幅が一定である場合のボール40の負荷を示す。
図2に示すように、ナット20には軸方向の荷重Fが加わる。例えば、相手部品90が取り付けられた状態でナット20が移動する時、又はナット20が相手部品90を対象物に押し付ける時に、ナット20に荷重Fが加わる。ナット20に荷重Fが加わると、ナット20が弾性変形する。一方、ねじ軸30は、ナット20ほどは変化しない。ナット20の弾性変形量とねじ軸30の弾性変形量との間には差がある。このため、ボール40がナット20及びねじ軸30に圧縮されるので、ボール40に加わる負荷が大きくなる。
ナット20に荷重Fが加わる時、第1ねじ溝25の弾性変形量は、位置によって異なる。第1ねじ溝25は、取付部29に近い部分ほど大きく変形する。すなわち、第1ねじ溝25の弾性変形量は、取付部29に近付くにしたがって大きくなる。このため、取付部29の最も近くにあるボール40に、最も大きな負荷が加わる。図3の破線で示すように、仮に第1ねじ溝25の幅が一定である場合、取付部29の最も近くにあるボール40に加わる負荷と、取付部29から最も遠くにあるボール40に加わる負荷との間の差が大きくなる。すなわち、ボール40の負荷分布の偏りが大きくなる。これにより、ボールねじ10の寿命が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態においては、取付部29の最も近くにあるボール40と第1ねじ溝25との間の隙間が、取付部29から最も遠くにあるボール40と第1ねじ溝25との間の隙間よりも大きくなっている。これにより、取付部29の最も近くにあるボール40に加わる負荷が低減する。このため、図3の実線で示すように、取付部29の最も近くにあるボール40に加わる負荷と、取付部29から最も遠くにあるボール40に加わる負荷との間の差が小さくなる。すなわち、ボール40の負荷分布の偏りが抑制される。その結果、ボールねじ10は、寿命を向上させることができる。また、ボール40の転動路及び循環路51での移動がスムーズになる。
なお、相手部品90が取り付けられる取付部29は、必ずしもフランジ部23でなくてもよい。取付部29の位置は、特に限定されない。また、第1ねじ溝25の形状は、図1に示した形状でなくてもよい。第1ねじ溝25の幅が取付部29に近付くにしたがって大きくなっていれば、第1ねじ溝25の形状は、特に限定されない。
なお、第1ねじ溝25の幅は、軸方向の全長に亘って変化していなくてもよい。例えば、ナット20は、第1ねじ溝25の幅が一定である部分を備えていてもよい。また、第1ねじ溝25は、必ずしもナット20の軸方向の一端から他端まで繋がっていなくてもよい。第1ねじ溝25及び第2ねじ溝35で形成される転動路は、複数の区画に分けられていてもよい。例えば、ボール40が1リード毎に循環してもよい。循環部品50は、例えばこま等であってもよい。
循環部品50は、本実施形態で説明したものに限らず、公知のものを使用することができる。例えば、循環路51がナット20の本体部21に設けられてもよい(ナット20が循環路51を備えていてもよい)。また、ナット20に循環路51を直接設けると、ナット20の弾性変形に伴い、循環路51もナット20の軸方向に伸びるので、ナット20に荷重Fが加わった状態でも、スムーズにボール40を循環させることができる。
以上で説明したように、ボールねじ10は、ナット20と、ねじ軸30と、複数のボール40と、循環部品50と、を備える。ナット20は、内周面に設けられる第1ねじ溝25、及び相手部品90が取り付けられる取付部29を備える。ねじ軸30は、外周面に設けられる第2ねじ溝35を備え、ナット20を貫通する。複数のボール40は、第1ねじ溝25及び第2ねじ溝35の間に配置される。循環部品50は、ボール40を第1ねじ溝25の一端から他端へ導く。第1位置(例えば位置P1)における第1ねじ溝25の幅(例えば幅D1)は、第1位置よりも取付部29に近い第2位置(例えば位置P2)における第1ねじ溝25の幅(例えば幅D2)よりも小さい。
相手部品90からナット20に軸方向の荷重Fが加わる時、第1ねじ溝25が弾性変形する。第1ねじ溝25の弾性変形量は、取付部29に近いほど大きくなる。すなわち、第2位置における第1ねじ溝25の弾性変形量は、第1位置における第1ねじ溝25の弾性変形量よりも大きい。このため、第1ねじ溝25が一定である場合には、第2位置においてボール40に加わる負荷が大きくなる。これに対して、本実施形態のボールねじ10においては、第1位置における第1ねじ溝25の幅が第2位置における第1ねじ溝25の幅よりも小さい。このため、第2位置におけるボール40と第1ねじ溝25との間の隙間は、第1位置におけるボール40と第1ねじ溝25との間の隙間よりも大きい。これにより、第2位置においてボール40に加わる負荷が低減する。したがって、ボール40の負荷分布の偏りが抑制される。このため、ボール40の転動路及び循環路51での移動がスムーズになる。また、ナット20の第1ねじ溝25は、容易に製造できる。さらに1つのボールねじ10に直径の異なる複数種類のボール40を用いる必要がない。よって、本実施形態のボールねじ10は、ボールの負荷分布の偏りを抑制でき且つ容易に製造できる。
ボールねじ10において、第1ねじ溝25の幅は、取付部29に近付くにしたがって連続的に大きくなっている。
仮に区画された各転動路ごとに異なる直径を有するボールが配置される場合、ボールの負荷分布の偏りが低減されるものの、ボールの負荷は軸方向の位置によって段階的に変わることになる。これに対して、本実施形態のボールねじ10においては、取付部29に近付くにしたがって、第1ねじ溝25とボール40との間の隙間が滑らかに大きくなる。ボール40の負荷は軸方向の位置によって連続的に変わることになる。このため、ボールねじ10は、ボールの負荷分布の偏りをより抑制できる。
(第1変形例)
図4は、第1変形例のボールねじの断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図4に示すように、第1変形例のボールねじ10Aは、上述したナット20とは異なるナット20Aを備える。ナット20Aは、第1ねじ溝25Aを備える。
図4に示すように、第1ねじ溝25Aは、本体部21の内周面に配置される。第1ねじ溝25Aは、螺旋状の溝である。第1ねじ溝25Aは、本体部21の軸方向の一端から他端に亘って連続して設けられる。第1ねじ溝25Aの幅及びピッチは、上述した第1ねじ溝25の幅及びピッチLと同じである。第1ねじ溝25Aは、底面251を備える。底面251は、第1ねじ溝25Aの最も深い位置に配置される、螺旋状の曲面である。回転軸Zを含む平面でナット20Aを切った断面(図4に示す断面)において、底面251は、回転軸Zと平行な直線を描く。底面251の軸方向の長さは、取付部29に近付くにしたがって大きくなっている。
以上で説明したように、第1変形例のボールねじ10Aにおいて、第1ねじ溝25Aは、ナット20の回転軸Zを含む平面でナット20Aを切った断面において回転軸Zと平行な直線を描く底面251を備える。
これにより、第1変形例のボールねじ10Aは、第1ねじ溝25Aの幅が大きい位置においても、第1ねじ溝25Aとボール40との間の径方向の隙間を小さくできる。このため、ボールねじ10Aは、組立誤差を低減できる。また、ボールねじ10Aは、第1ねじ溝25Aの幅を大きくしても、ボール40の動きの滑らかさを保つことができる。
(第2変形例)
図5は、第2変形例のボールねじの断面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図5に示すように、第2変形例のボールねじ10Bは、上述したナット20とは異なるナット20Bを備える。ナット20Bは、第1ねじ溝25Bを備える。
図5に示すように、ナット20Bには、相手部品90Bが取り付けられる。ナット20Bは、相手部品90Bが取り付けられる取付部29Bを備える。取付部29Bは、本体部21のフランジ部23とは反対側の端面である。ナット20Bが移動すると、相手部品90Bから取付部29Bに軸方向の荷重Fが加わる。
図5に示すように、第1ねじ溝25Bは、本体部21の内周面に配置される。第1ねじ溝25Bは、螺旋状の溝である。第1ねじ溝25Bは、本体部21の軸方向の一端から他端に亘って連続して設けられる。
図5に示すように、位置P5における第1ねじ溝25Bの幅D5は、位置P6における第1ねじ溝25Bの幅D6よりも小さい。位置P6は、位置P5よりも取付部29Bに近い。位置P6における第1ねじ溝25Bの幅D6は、位置P7における第1ねじ溝25Bの幅D7よりも小さい。位置P7は、位置P6よりも取付部29Bに近い。位置P7における第1ねじ溝25Bの幅D7は、位置P8における第1ねじ溝25Bの幅D8よりも小さい。位置P8は、位置P7よりも取付部29Bに近い。なお、図中の第1ねじ溝25Bの幅は、説明のため誇張して描かれており、実際の幅とは異なる場合がある。
本実施形態において、第1ねじ溝25Bの幅は、取付部29Bに近付くにしたがって連続的に大きくなっている。第1ねじ溝25Bの幅は、取付部29Bに近付くにしたがって単調増加している。すなわち、第1ねじ溝25Bの幅は、図5の右側から左側に向かって、徐々に大きくなっている。第1ねじ溝25Bの幅は、取付部29Bからの距離に反比例している。また、第1ねじ溝25Bのうち取付部29Bから最も遠くにある部分の幅は、ねじ軸30の第2ねじ溝35の幅と等しい。
図6は、ナットの取付部に荷重が加わった時の第2変形例のボールねじの断面図である。図7は、ナットの取付部に荷重が加わった時の第2変形例のボールの負荷を示すグラフである。図7の縦軸は、ボール40の負荷である。図7の横軸は、取付部29Bからの距離である。図7のグラフの左端が、取付部29Bに最も近い位置にあるボール40の負荷を示す。図7のグラフの右端が、取付部29Bから最も遠い位置にあるボール40の負荷を示す。図7の実線がボール40の負荷を示す。図7の破線は、第1ねじ溝25Bの幅が一定である場合のボール40の負荷を示す。
図6に示すように、ナット20Bには軸方向の荷重Fが加わる。例えば、相手部品90Bが取り付けられた状態でナット20Bが移動する時、又はナット20Bが相手部品90Bを対象物に押し付ける時に、ナット20Bに荷重Fが加わる。
ナット20Bに荷重Fが加わる時、第1ねじ溝25Bの弾性変形量は、位置によって異なる。第1ねじ溝25Bは、取付部29Bに近い部分ほど大きく変形する。すなわち、第1ねじ溝25Bの弾性変形量は、取付部29Bに近付くにしたがって大きくなる。このため、取付部29Bの最も近くにあるボール40に、最も大きな負荷が加わる。図7の破線で示すように、仮に第1ねじ溝25Bの幅が一定である場合、取付部29Bの最も近くにあるボール40に加わる負荷と、取付部29Bから最も遠くにあるボール40に加わる負荷との間の差が大きくなる。すなわち、ボール40の負荷分布の偏りが大きくなる。これにより、ボールねじ10Bの寿命が低下する可能性がある。
これに対して、第2変形例のボールねじ10Bにおいては、取付部29Bの最も近くにあるボール40と第1ねじ溝25Bとの間の隙間が、取付部29Bから最も遠くにあるボール40と第1ねじ溝25Bとの間の隙間よりも大きい。これにより、取付部29Bの最も近くにあるボール40に加わる負荷が低減する。このため、図7の実線で示すように、取付部29Bの最も近くにあるボール40に加わる負荷と、取付部29Bから最も遠くにあるボール40に加わる負荷との間の差が小さくなる。すなわち、ボール40の負荷分布の偏りが抑制される。その結果、ボールねじ10Bは、寿命を向上させることができる。また、ボール40の転動路及び循環路51での移動がスムーズになる。
以上で説明したように、第2変形例のボールねじ10Bは、ナット20Bと、ねじ軸30と、複数のボール40と、循環部品50と、を備える。ナット20Bは、内周面に設けられる第1ねじ溝25B、及び相手部品90Bが取り付けられる取付部29Bを備える。ねじ軸30は、外周面に設けられる第2ねじ溝35を備え、ナット20Bを貫通する。複数のボール40は、第1ねじ溝25B及び第2ねじ溝35の間に配置される。循環部品50は、ボール40を第1ねじ溝25Bの一端から他端へ導く。第1位置(例えば位置P5)における第1ねじ溝25Bの幅(例えば幅D5)は、第1位置よりも取付部29Bに近い第2位置(例えば位置P6)における第1ねじ溝25Bの幅(例えば幅D6)よりも小さい。
相手部品90Bからナット20Bに軸方向の荷重Fが加わる時、第1ねじ溝25Bが弾性変形する。第1ねじ溝25Bの弾性変形量は、取付部29Bに近いほど大きくなる。すなわち、第2位置における第1ねじ溝25Bの弾性変形量は、第1位置における第1ねじ溝25Bの弾性変形量よりも大きい。このため、第1ねじ溝25Bが一定である場合には、第2位置においてボール40に加わる負荷が大きくなる。これに対して、第2変形例のボールねじ10Bにおいては、第1位置における第1ねじ溝25Bの幅が第2位置における第1ねじ溝25Bの幅よりも小さい。このため、第2位置におけるボール40と第1ねじ溝25Bとの間の隙間は、第1位置におけるボール40と第1ねじ溝25Bとの間の隙間よりも大きい。これにより、第2位置においてボール40に加わる負荷が低減する。したがって、ボール40の負荷分布の偏りが抑制される。このため、ボール40の転動路及び循環路51での移動がスムーズになる。また、ナット20Bの第1ねじ溝25Bは、容易に製造できる。さらに1つのボールねじ10Bに直径の異なる複数種類のボール40を用いる必要がない。よって、第2変形例のボールねじ10Bは、ボールの負荷分布の偏りを抑制でき且つ容易に製造できる。
10、10A、10B ボールねじ
20、20A、20B ナット
21 本体部
23 フランジ部
25、25A、25B 第1ねじ溝
29、29B 取付部
30 ねじ軸
35 第2ねじ溝
40 ボール
50 循環部品
51 循環路
90、90B 相手部品
251 底面
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8 幅
F 荷重
L ピッチ
P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8 位置
Z 回転軸

Claims (3)

  1. 内周面に設けられる第1ねじ溝、及び相手部品が取り付けられる取付部を備えるナットと、
    外周面に設けられる第2ねじ溝を備え、前記ナットを貫通するねじ軸と、
    前記第1ねじ溝及び前記第2ねじ溝の間に配置される複数のボールと、
    前記ボールを前記第1ねじ溝の一端から他端へ導く循環部品と、
    を備え、
    第1位置における前記第1ねじ溝の幅は、前記第1位置よりも前記取付部に近い第2位置における前記第1ねじ溝の幅よりも小さい
    ボールねじ。
  2. 前記第1ねじ溝の幅は、前記取付部に近付くにしたがって連続的に大きくなっている
    請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記第1ねじ溝は、前記ナットの回転軸を含む平面で前記ナットを切った断面において前記回転軸と平行な直線を描く底面を備える
    請求項1又は2に記載のボールねじ。
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